2017年08月31日

[東京新聞] 里親への委託 担い手をどう増やす (2017年08月31日)

家庭の事情から親と暮らせない子どもを家庭に迎える里親への委託率について、国は就学前では75%とする新たな目標を決めた。里親をどう増やすか。子どもを里親に預けた後の支援こそが肝心だ。

虐待を受けたり貧困などのために親元で暮らせない子どもを社会の責任として育てる。その姿はどうあるべきか。日本で養護を必要とする子どもは約四万六千人。厚生労働省は今月、原則十八歳まで家庭で一時的に子どもを預かる里親への委託について新たな目標を導入した。

就学前の子どもは原則として乳児院や児童養護施設に入所させないで里親への委託を優先する。それにより、二〇一五年度末で17・5%だった里親委託率を年齢によって時期や目標は異なるものの、就学前の子どもはおおむね七年以内に75%に、就学後の子どもは十年以内に50%に引き上げる。

この方針は、昨年の改正児童福祉法に沿うものだ。養護を必要とする子どもの多くが、親の暴力や育児放棄に遭い、心身や情緒の発達に困難を抱えているケースが少なくない。改正法は、子どもが特定の大人との愛着を築けるよう、集団で生活する施設よりも、欧米のように一人ひとりが家庭の中で育てられる、里親などへの委託を優先するよう促している。

これまでにない、大幅な委託率の引き上げに、児童養護に関わる現場には不安の声もある。現在、児童相談所の面接などを経て里親登録している家庭は一万ほど。新たな担い手をどう増やすのか。

児相は養護が必要な子どもの個性や成育歴を踏まえ、里親登録者から相性の合う候補を探すが、職員は虐待への対応に追われている。里親と子どもをつなぐ専門職員の養成や確保も急がれる。

また里親の元に預けた後こそ支援が欠かせない。生い立ちに困難を抱えた子らは里親との新しい生活に慣れていくまでにさまざまな問題が起きる。里親にとって、トラブルが起きても専門的な支援が得られる、安心できる態勢がなければならない。

一五年度末で里親委託率が全国一の46・9%だった静岡市はNPO法人と協力している。里親には委託前の研修のほか、委託後に養育力アップのための研修や相談や訪問などの支援を行っている。

里親にも育児休業が幅広く適用されるような議論も必要だろう。一人ひとりの子どもが安心の中で育っていけるよう、財源確保を怠らず支援の道を整えたい。
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[東京新聞] 概算要求100兆円 まだ青天井続けるのか (2017年08月31日)

きょう締め切りの来年度予算概算要求は四年連続で百兆円を超す。安倍政権特有の歳出上限を設けない青天井型のためだ。財政健全化目標達成は絶望的で、もう誤魔化(ごまか)しようもないというのに、だ。

二〇一二年末に発足した現在の安倍政権にとって実質的に五度目の予算編成となるが、これまでと決定的に異なる環境にある。一六年度の税収が七年ぶりに減り、引き続き歳入に陰りがあることだ。

この政権は、世界最悪の財政事情も顧みず、歳入の半分を借金(赤字国債)に頼りながら大盤振る舞い予算を続けてきた。そのよりどころは日銀による超低金利と税収の増加で、わずかながら赤字国債の新規発行額を減らしてきた。

しかし、頼みの税収は伸びないのだ。これまで税収増加の要因だった円安は北朝鮮情勢などで円高基調となり、過去の赤字決算で納税を免除された企業が納税に転じる動きも一巡してしまった。

もはや成長頼み、税収増頼みは通用しない。それは政府が先月発表した財政見通しでも明らかだ。高い成長率を実現できたとしても、国際公約である二〇年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化は不可能で、八・二兆円もの赤字が残るのである。

首相はこの公約について、いつ白旗を揚げるのか。それとも消費税増税の再先送りした際に用いた「新しい判断」方式で乗り切れるとでも思っているのか。これでは国債の格下げや金利高騰といった非常事態が現実になりかねない。

予算編成の概算要求はここ数年、同じ方式を繰り返してきた。各省に対し、公共事業など裁量的経費の要求は前年度比10%減とすることを求める。これによって計一・五兆円程度を削減できるが、四兆円の特別枠を設けているため、逆に予算規模は膨らむ。

今回の特別枠は成長戦略に掲げた「人づくり革命」で、これを冠した事業なら認められるとばかりに各省は要求を膨らませる。当初予算でだめでも補正で復活する無節操が繰り返されてきた。

概算要求は、シーリング(天井)を設けて歳出を抑え込むのがあるべき姿だ。こんな規律のない青天井をいつまで続けるのか。主要国はより厳しい財政健全化目標を堅持している。

世界一の借金大国にして最も少子高齢化が深刻な国がこれでいいはずはない。社会保障や公共事業の無駄を省き、膨張する防衛予算も徹底的に絞り込むべきだ。
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[産経新聞] 【主張】国連安保理 「石油禁輸」をためらうな (2017年08月31日)

北朝鮮が日本の上空を通過する中距離弾道ミサイルを発射したことについて、国連安全保障理事会が強く非難する議長声明を採択した。

議長声明の採択には全会一致が求められ、採択されれば決議同様に公式記録として残る。報道声明よりも重みのある形で発射は容認しない決意を示した。迅速ともいえる対応も評価できる。

声明は、北朝鮮のミサイルを「全ての国連加盟国への脅威」と批判した。日本の頭上を狙った北朝鮮に対し、世界が日本の側にあることを示すメッセージだ。

ただし、追加制裁に関する文言は盛り込まれなかった。声明のみでは、北朝鮮の危険極まりない挑発行為を止められない。明確に打撃を与えるよう、さらなる制裁に踏み出すことが求められる。

安保理は今月5日、北朝鮮による2回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて、石炭や海産物の輸出の全面禁止などを含む追加制裁を決議した。だが、その警告は完全に無視された。

北朝鮮は米領グアム周辺海域へのミサイル発射予告など恫喝(どうかつ)発言を繰り返し、日本越え発射の前にも、日本海に向けて短距離ミサイルを発射した。

トランプ米大統領は「北朝鮮は近隣国や全ての国連加盟国を侮辱した」と語った。最大の侮辱を受けたのは安保理だろう。

安保理の対北制裁は、核・ミサイル関連物資の禁輸に始まり、科学者への褒美になるとの理由でぜいたく品も禁じたものだった。

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だが、金正恩政権にとって最大の打撃となるのは、エネルギーの供給停止である。金融制裁などで外貨収入を断つ措置も同じく重要といえよう。

北朝鮮は石油の大半を中国とロシアに依存している。石油禁輸を含む追加制裁の議論を直ちに始める必要がある。

追加制裁を実施したばかりで、議長声明による非難は重い。これらが、新たな制裁決議をためらう理由にはならない。石油の禁輸に中国、ロシアがどう対応するか。議論の過程で、だれが北朝鮮を支えているかが浮き彫りになる。

核・ミサイルを放棄する以外に、北朝鮮が存続する選択肢はない。金正恩体制がそう判断せざるを得なくなるまで、追い込めるかである。実効性の高い制裁を積み上げなければならない。
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[産経新聞] 【主張】北の脅威と国会 日本を守る意識が足りぬ (2017年08月31日)

北朝鮮問題は日本国民の覚悟を問うている。その代表である国会は、日本を守り抜く意思と能力を備えているか。

衆参両院で開かれた閉会中審査は、その試金石となるものだった。それぞれがまとめた北朝鮮の弾道ミサイル発射に抗議する決議内容は、大きな不安を残した。

いずれの決議も、「断じて容認できない」などと強い調子の言葉を並べた。制裁について、米韓中露など国際社会と協力して「一層厳格な措置」を講ずることも求めている。

だが、政府に対して防衛態勢の強化を促す文言がどこにも見当たらない。国際社会の一員ではなく、脅威に直面している国の代表である。その危機意識が足りないと言うほかない。

両決議は全会一致で採択された。足並みをそろえて抗議の意思を示す意味はある。だが、防衛力の増強に反対する党派に配慮し、国民を守る備えを厚くするという肝心な点を、なぜ盛り込めなかったのだろうか。

全会一致の体裁よりも大事なのは、現実に国民を守る手立てを講じる内容を吟味することである。賛同する党派だけで採択する方法もあったのではないか。

北朝鮮の朝鮮中央通信は、弾道ミサイル発射を「残虐な日本が仰天する作戦」だったと誇った。金正恩朝鮮労働党委員長は、今後も太平洋へ多数のミサイル発射を続けるよう命じた。

安全保障とは、脅威の深刻化に応じて、防衛力を高めるべきものだ。そうしなければ抑止力は低下し、国民の危険は高まる。

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決議に先立ち、衆院安全保障委員会と参院外交防衛委員会が審査を行ったが、充実したものとは程遠かった。

10人以上が質問に立ったが、日本を攻撃するミサイル基地・装置を叩(たた)く敵基地攻撃能力の導入を求めたのは、自民党と維新の会の2人だけだった。

政府は敵基地攻撃能力の保有をためらっているが、国会は防衛努力も促す役割も担うべきだ。

陸上配備型「イージス・アショア」の導入など、ミサイル防衛の強化も突っ込んだやり取りはなかった。民進党から、シェルター(退避施設)の設置を求める意見が出たのは建設的だった。

半日の閉会中審査で終えてよいはずがあるまい。
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[毎日新聞] 麻生副総理の「ヒトラー発言」 撤回して済む話ではない (2017年08月31日)

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どうしてこんな発言を繰り返すのか。全く理解できない。

* <麻生氏、大釈明 財務省HPで英文も>

* <「ヒトラーはいくら動機が正しくても…」 発言撤回>

* <米パリ協定離脱 麻生氏が酷評「その程度の国」>

* <麻生氏「あれ女性ですよ女性」 秘書暴行問題、豊田氏に言及>

* <「麻生派」発足 麻生・山東両派などが「志公会」>

麻生太郎副総理兼財務相が、ナチス・ドイツの独裁者、ヒトラーの動機は正しかったと受け止められる発言をし、きのう慌てて撤回した。

だが、「誤解を招いた」と撤回すれば済む問題ではない。なぜ、わざわざ大量虐殺を生んだナチスのヒトラーを持ち出す必要があるのか。まさに麻生氏の動機に疑問を抱く。

発言は自ら率いる自民党麻生派の研修会で飛び出した。

「少なくとも(政治家になる)動機は問わない。結果が大事だ。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」

「ヒトラーの動機」とは何を指すかは不明だが、同派所属の議員に政治家としての心得を指南する文脈の中での発言だった。

批判を受けて麻生氏は「真意と異なる」「あしき政治家の例としてヒトラーをあげた」等々と釈明する撤回コメントを発表した。

しかし、発言の真意をそう受け取れというのは無理がある。

麻生氏は2013年にも憲法改正に関し、ナチス政権を引き合いに出したうえで「手口を学んだらどうかね」と語って後に撤回している。その反省はなかったというほかない。

この発言の際には、ユダヤ系人権団体が批判声明を出すなど国際問題となり、政府は沈静化に追われた。にもかかわらず繰り返すのは、どこかでナチスを評価したがっているのではないかと疑わざるを得ない。

加えて、政治家になる動機は問わないという発言にも問題がある。最近の「議員の劣化」状況を持ち出すまでもなく、結果だけでなく、政治家を目指す動機も大切だ。

米国では白人至上主義団体と反対派との対立が続き、人種差別問題が改めて深刻になっている。

反対派に車で突入して死傷者を出した事件の容疑者はヒトラーの崇拝者だった。そしてトランプ大統領が当初、双方に非があると発言し、批判を浴びたのは記憶に新しい。

そんな国際的な現状認識が麻生氏にあったようにも思えない。

日本国内の一部にもナチスを肯定するような言説がある。麻生氏らの姿勢がこうした傾向を助長しているとすれば責任は重大だ。
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[毎日新聞] 小池都知事の追悼文見送り 歴史の修正と見られぬか (2017年08月31日)

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30年ほど前に刊行された「写真報告 関東大震災朝鮮人虐殺」(影書房)には、当時の生々しい証言が載っている。思想家の吉野作造は「中央公論」に朝鮮人虐殺に関する論考を寄せた。史実に残る重大な事件だ。

その犠牲者を追悼する9月1日の式典に、東京都の小池百合子知事が追悼文を送ることを見合わせた。

式典は、市民団体の日朝協会などが主催し、墨田区にある都立横網(よこあみ)町公園で毎年9月に開催してきた。

送付は歴代都知事の慣例で、小池氏も昨年は送っていた。しかし、小池氏は記者会見で「特別な形での追悼文は控えた」と述べるだけで具体的な理由は言及を避けた。

見送りのきっかけは3月の都議会での質疑とみられる。自民党都議が、6000人余りとされる犠牲者数の根拠を疑問視し、小池氏に追悼文送付の中止を求めた。

震災直後に「朝鮮人が井戸に毒を入れている」などとデマが広がり、あおられた民衆が自警団などを組織し、多数の朝鮮人が虐殺された。

横網町公園の追悼碑には「六千余名」とある。震災直後に朝鮮人調査団が調べた数字が根拠とされる。

内閣府の中央防災会議の報告書は、虐殺された人数を震災による死者数10万5000人の「1?数%」と推計している。千人単位の虐殺があったことは国も認めている。

都知事があいさつ文を出す機会は多い。なのになぜ、この件に限って見送ることを決めたのか。

小池氏は「3月に(都慰霊協会主催の)大法要に出席して関東大震災で犠牲になったすべての方への追悼の意を表した」とも説明している。

当時の民族差別を背景にした虐殺の犠牲者は、直接震災で亡くなった人と分けて考えるべきだ。

もし、虐殺を震災被害のひとつに埋没させようとしているのなら、事件の意味をすり替える歴史修正主義と見られても仕方がない。

小池氏は知事就任後、都有地を韓国人学校に有償貸与する計画を見直す姿勢を示している。国会議員時代には朝鮮学校を高校無償化の対象外とするよう求める発言もしている。

一連の言動は特定の政治信条を背景にしているのだろうか。小池氏は少なくとも朝鮮人虐殺についての認識を明らかにすべきである。
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[朝日新聞] 麻生副総理 あまりにも言葉が軽い (2017年08月31日)

首相や外相を歴任した政治家として、あまりにも軽すぎる発言である。

麻生副総理兼財務相がおととい、自らの自民党派閥の研修会でこう語った。

「(政治家になる)動機は私は問わない。結果が大事だ。いくら動機が正しくても、何百万人も殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ」

何が言いたいのかよくわからないが、ヒトラーが率いたナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)に、正当な動機があったとの考えを示したとも受け取られかねない。

麻生氏はきのう「ヒトラーを例示としてあげたことは不適切であり撤回したい」とするコメントを出した。「私がヒトラーについて、極めて否定的にとらえていることは発言の全体から明らかであり、ヒトラーは動機においても誤っていたことも明らか」としている。

理解不能である。

ならばなぜ「動機が正しくても」と2度も繰り返したのか。

ナチスは強制収容所にユダヤ人を移送し、ガス室などで殺害し、数百万人が犠牲になった。残虐極まる蛮行に正しい動機などありえるはずがない。

欧米では、ナチスやヒトラーを肯定するような閣僚の発言は直ちに進退問題につながる。安倍政権の重鎮である麻生氏が、このような発言を国内外に発信した責任は重い。

ナチスを引き合いに出した麻生氏の発言は、今回が初めてではない。

2013年には憲法改正をめぐり、「ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」と発言。批判を浴びると、「誤解を招く結果となった」と撤回した。

麻生氏はきのうのコメントでも「私の発言が誤解を招いたことは遺憾だ」と釈明した。

発言が問題視されると、誤解だとして撤回し、とりあえず批判をかわす。自らの発した言葉への反省は置き去りにし、また過ちを重ねる……。

麻生氏に限らず、そんな軽々しい政治家の言動を何度、見せつけられてきたことか。

政治家にとって言葉は命である。人びとを動かすのも、失望させるのも言葉によってだ。

その言葉がこれほどまでに無神経に使い捨てられている。

そんなものかと、この状況を見過ごすことは、この国の政治と社会の基盤を掘り崩すことにつながる。
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[読売新聞] 北ミサイル対応 更なる挑発阻止へ圧力強めよ (2017年08月31日)

北朝鮮の度重なる暴挙を非難し、挑発の停止を迫る国際社会の一致した意思が示された。日米韓は、抑止態勢の整備を進めながら、制裁包囲網を強化する必要がある。

国連安全保障理事会が、日本上空を通過した北朝鮮の弾道ミサイル発射を強く非難する議長声明を全会一致で採択した。声明は、北朝鮮に発射停止や核放棄を求め、各国に過去の北朝鮮制裁決議の厳格な履行を促している。

北朝鮮が決議や議長声明を悉(ことごと)く無視する現状を放置していては、国際秩序の更なる混乱は避けられまい。北朝鮮への圧力に消極的な中国とロシアも同調し、安保理が明確なメッセージを迅速に打ち出したことは評価できる。

北朝鮮は、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練に成功したと発表した。容認できないのは、金正恩朝鮮労働党委員長が「日本の島国の輩(やから)が仰天する」という作戦を講じ、現地で指導した、と喧伝(けんでん)していることだ。

発射は日韓併合条約の107年前の発効日に合わせたという。

金委員長は、発射を米領グアムを牽制(けんせい)するための「前奏曲」と位置付けた。「今後も太平洋を目標にして、発射訓練を多く行う」と言い放っていることも問題だ。

ミサイルの技術向上と長射程化、多様化を加速させ、核攻撃能力を備えたいのだろう。危険な暴走を阻止しなければならない。

日米韓の防衛当局がより緊密に連携し、結束を示すことが抑止力強化につながろう。

衆参両院は委員会でそれぞれ閉会中審査を開き、北朝鮮への圧力強化を求める決議を採択した。

河野外相が「国際社会は対話のための対話ではなく、北朝鮮が非核化の意思を明確にし、具体的な行動を取るよう求めている」と強調したのは当然である。

野党は、地対空誘導弾PAC3の配置に「空白地域があるのではないか」とただした。

射程約数十キロのPAC3は全国に34基配置され、ミサイルを地上付近で迎撃する役割を担う。部品の落下などにも対処する。

北海道の襟裳岬上空などを飛行した今回のルートは想定外で、仮に落下物があった場合、撃ち落とすのは困難だったとされる。

小野寺防衛相は、射程が倍増する改良型PAC3の配備を順次進めることを挙げ、「守備範囲がかなり広がる。一層安全な防衛態勢にしていきたい」と語った。より効果的な配置、運用に努める視点が欠かせない。
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[朝日新聞] 労基法改正 働き過ぎ是正が優先だ (2017年08月31日)

長時間労働をただす規制の強化と、一部の働き手を規制の対象外にする制度をつくることが、どう整合するというのか。政府に再考を求める。

秋の臨時国会に提出が予定される「働き方改革」法案をめぐり、厚生労働省の審議会の議論が大詰めだ。

労働基準法の改正では、働き過ぎを防ぐ新たな残業時間の上限規制と、既に国会に提出されている労働分野の規制緩和策を一緒にして、法案を出し直す方針を政府は示した。一定年収以上の専門職を労働時間の規制からはずし、残業や深夜・休日労働をしても割増賃金を支払わない「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の新設と裁量労働制の拡大である。

だが、二つのテーマは背景や目指す方向が異なる。長時間労働の是正が喫緊の課題である一方、高プロは「残業代ゼロ」との批判が強く、2年前に関連法案が国会に提出されて以来、一度も審議されずにたなざらしにされてきた。

働く人が望む改革と一緒にすれば押し通せる。政府がそう考えているのなら言語道断だ。一本化で議論が紛糾し、残業規制まで滞る事態は許されない。二つを切り離し、まずは長時間労働の是正を急ぐべきだ。

そもそも安倍政権の目指す「働き方改革」とは何なのか。

正規・非正規といった働き方の違いによる賃金などの格差を是正し、底上げをはからなければ消費の回復もおぼつかない。出産や子育てがしやすく、家族の介護をしながら働き続けられる環境を整えないと、少子高齢化社会を乗り切れない。そんな問題意識が出発点で、安倍首相も「働く人の視点に立った改革」を強調してきたはずだ。

一方、高プロ創設などの規制緩和は経済界が要望してきた。首相が「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げるなか、労働者代表のいない産業競争力会議が主導し、審議会での労働側の反対を押し切って法案化された。いわば「働かせる側の視点に立った改革」だ。

高プロは、時間でなく成果で働きぶりを評価する仕組みとされるが、成果で評価する賃金体系は今でもある。必要な制度なのか、説明は十分ではない。残業代の負担という歯止めがなくなり、長時間労働が助長されないか。いったん導入されたら対象が広がらないか。疑問や懸念は根強く、徹底的に議論することが不可欠だ。

「働く人の視点に立った改革」を進める気があるのか。政権の姿勢が問われる。
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[読売新聞] 全国学力テスト 応用問題をこなせる授業に (2017年08月31日)

授業内容に工夫を凝らして、応用力の底上げを図りたい。

文部科学省が、4月に実施した全国学力テストの結果を公表した。

10回目となったテストでは、小学6年生と中学3年生を対象に、国語と算数・数学の基礎的な知識と応用力を測った。

基礎問題の正答率が7割前後だったのに対し、応用問題では4割台にとどまる教科があった。数学の記述式の問題に至っては、5問中4問が1割台だった。

思考力や表現力を問う応用問題の不振は、テストの開始当初から続く。資料から必要な情報を読み取る。前後のやり取りを捉え、相手の発言の意図を理解する。実社会で必要とされる能力をいかに育むか、が変わらぬ課題である。

成績上位県では、子供の主体性を重んじて、対話型で学ばせる取り組みが成果を上げている。

決められたテーマについて、一人で思考した後に、グループ討論で答えを探る。教師が宿題を与えるだけでなく、児童・生徒自身が家庭での学習内容を決める。

このような指導法で好成績を続ける秋田県には近年、延べ1万人もが視察に訪れている。指導法を吸収するため、先進県に教師を長期派遣している県もある。

成績が下位の県と全国平均との差は縮小している。効果的な指導法の共有を促進すべきだ。

今回は、都道府県別に加えて、政令市ごとの正答率が初めて公表された。周辺自治体に比べて、総じて好成績だった。

都市部が多いため、塾などの学習環境に比較的恵まれていることが大きな要因だろう。過去の学力テストの結果を分析し、弱点を克服する独自のテストを実施するなど、問題意識を持って学力向上に努める市もある。

大阪市は全教科で大阪府の平均正答率を下回った。市教委は「低迷校には経済的に困窮している家庭が多い」との見方も示す。

市教委は、元教師らを低迷校に配置し始めた。学力向上策を助言してもらうためだ。その助言を生かして、放課後の学習用に図書室を整備した小学校もある。

自治体間の行き過ぎた得点競争は好ましくないが、現状を直視し、地域の子供たちの学力を全体的に高める施策は大切である。

夏休みが終わり、2学期の授業が本格化する。

休暇中の体験で学んだことについて、自分なりの考え方を発表する。子供たちが主体的に関わるこうした授業を増やしたい。
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2017年08月30日

[産経新聞] 【主張】「臍帯血」事件 再生医療の信頼損なうな (2017年08月30日)

再生医療の信頼性を損ない、健全な発展を妨げる事件である。

へその緒と胎盤に含まれる「臍帯血(さいたいけつ)」を、無届けで患者に投与したとして、再生医療安全性確保法違反の疑いで、医師や民間の臍帯血販売業者が逮捕された。

「違法」な医療の実態解明にとどまらず、事件の背景となった民間の臍帯血バンクの「無法」状態をただし、再生医療を健全に育てる仕組みを築かなければならない。

臍帯血は、血液のもとになる造血幹細胞を多く含み、再生医療への幅広い利用が期待される。ただし、現時点で効果が認められているのは、白血病など27の疾患に限られている。

今回の事件では、有効性や安全性が確かではない大腸がんや美容目的の患者に対し、300万?400万円の高額な治療費で臍帯血の投与が行われた。患者の心理につけ込んだ悪質な営利行為と言わざるを得ない。

再生医療は感染症や拒絶反応など命にかかわるリスクを伴う。だからこそ、効果と安全性を確かめながら、着実に実用化を進めるための安全性確保法が平成26年に施行された。

今回の事件で、現行の法制度に大きな「抜け穴」があることが明らかになった。

治療用の臍帯血を凍結保存する機関には、第三者への提供を目的に産婦から無償提供を受ける「公的バンク」と、新生児と家族の将来の病気に備えて臍帯血を預ける「民間バンク」がある。

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事件で使われたのは、経営破綻した民間バンクから流出した臍帯血だった。

公的バンクは、造血幹細胞移植推進法(26年施行)に基づき安全管理の方法などが規定されているが、民間バンクは対象外で実態も把握されていない。いわば野放しの状態が、事件の背景となったことは間違いない。

新しい技術を育てるためには民間の力も必要だが、命を預かる医療に「無法」はありえない。貴重な医療資源である臍帯血が安全に管理され、適切に使われる仕組みを早急に築く必要がある。

「できるだけ早く、多くの患者の役に立てたい」。iPS細胞を開発した京都大の山中伸弥氏が繰り返す言葉である。その思いを共有し、再発防止と健全育成に取り組まなければならない。
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[産経新聞] 【主張】北ミサイル、「善意」は独裁者に通用しない 首相は積極防衛に転換を (2017年08月30日)

北朝鮮の中距離弾道ミサイルが北海道を飛び越え、襟裳岬の東約1200キロの太平洋上に着弾した。米領グアム周辺海域へ撃ち込む予定だったミサイルの一部を、転用したとみられる。

ここから分かることは何かを考える。

北朝鮮は、自国を標的とする米国の懲罰的・報復的抑止力は恐れている。だが、その力を持たない日本の頭上へは、平然とミサイルを撃ってきた。そういうことである。

安倍晋三首相は「これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」と北朝鮮を非難し、トランプ米大統領との電話協議では、「同盟国日本と百パーセント共にある」との言葉を引き出した。

いずれも外交的に正しい対応だが、これだけで国民を守り抜くことはできない。日本が取ってきた「専守防衛」という抑制的な立場では十分な対応はとれない。そのことを国民に説明し、「積極防衛」への転換を宣言すべきだ。

日本は冷戦期から専守防衛を金科玉条としてきた。周辺国を脅かす意思は皆無であることを強調する意味もあったろう。だが、そのような善意が独裁者に通用することはない。

安倍政権は専守防衛の一環として、ミサイル防衛強化のため陸上配備型「イージス・アショア」の導入を急いでいる。

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すでにあるイージス艦のミサイル防衛システムなどとともに、相手の攻撃を払いのけるものだ。むろん、こうした拒否的抑止力の充実は必要である。

だが、それでは足りない状況に至った。独裁者に日本攻撃をためらわせる反撃力を持っていないからだ。懲罰的・報復的抑止力を保有することを考えてほしい。

まず、ミサイル発射基地・装置を叩(たた)く敵基地攻撃能力を導入する。そのうえで、日本攻撃を命じる政治・軍の中枢などを目標とする敵地攻撃力へと進化させる。

懲罰的・報復的抑止力は、全面的に米軍に依存するより、日本も一定規模で持っていた方が日米同盟全体の抑止力が向上する。

今回、北海道・東北地方などで全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動した。Jアラートといえば響きはやさしいが、空襲警報が鳴ったに等しい。先の大戦や朝鮮戦争以来の深刻な事態といえる。国民を効果的に守る抑止力の体系構築が急務である。
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[東京新聞] 五輪の暑さ対策 心配な“縦割り行政” (2017年08月30日)

猛暑だった。東京五輪を三年後に控え、酷暑や豪雨などへの不安が膨らんでいる。国、東京都、大会組織委員会が連携して統一感、有効性のある対策を練っていくことが求められる。

二〇二〇年東京五輪は七月二十四日に開幕し、八月九日まで十七日間の日程で開催される。環境省によれば、今年はこの期間に熱中症のかかりやすさの指標となる暑さ指数(WBGT)で二八度「厳重警戒」を上回ったのが東京で十二日あり、うち六日は三一度を超えた。

暑さ指数とは気温以外に湿度、日射、輻射(ふくしゃ)(放射熱)、風の要素も取り入れた数値で、労働や運動時の熱中症予防措置に用いられる。湿度が高く蒸し暑い日本の夏はこの指数が重要視され、二八度以上では激しい運動は中止、三一度以上になると「危険」で運動は原則中止となる。この数値だけを見ても五輪に関わる選手、観客らには深刻だ。

一九六四年の東京五輪は十月に開催されたため、真夏の五輪は日本にとって初体験となる。高額な放映権料を支払う米テレビ局の意向もあって開催時期の変更はできず、酷暑の五輪に真っ正面から取り組む。

国は「東京2020に向けたアスリート・観客の暑さ対策に係る関係府省庁等連絡会議」、東京都は「東京2020に向けた東京都暑さ対策推進会議」、大会組織委は「暑さ対策検討委員会」を、それぞれ立ち上げた。

しかし難問は山積みといえる。

例えばマラソンコースや競技会場周辺の道路は国道、都道、区市道、歩道が混在し、熱を抑える遮熱性舗装やミストの設置にかかる費用の負担などは複雑だ。

持ち物チェックや本人認証でも、セキュリティー強化で観客は炎天下の競技会場周辺に長時間並ぶことが予想される。仮設テントなどの日よけ施設や救護所の設置を、会場や周辺の土地所有者も含めて話し合う必要がある。

加えて豪雨や台風、雷にも頭を悩ます。これらの対策を迅速に進めるためには省庁間の調整に追われる“縦割り行政”や、国、都、大会組織委が個別に情報発信するような分かりにくさを避けなければならない。今後、大会組織委はベースとなる対策を作成し、これを基に各競技会場ごとに具体的に考案していくという。選手、観客、九万人を超えるボランティア・スタッフの健康と安全を最優先に考えた対応が求められる。
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[東京新聞] 北朝鮮ミサイル 日本を実験場にするな (2017年08月30日)

北朝鮮の中距離弾道ミサイルは北海道上空を通過した。今後も日本列島を飛び越す発射を繰り返す恐れがある。日本は米韓と連携しミサイルの事前探知と早期の警報発令態勢を強化する必要がある。

ミサイルは約十四分間飛行し、太平洋に落下した。事前通告はなかった。

発射から約四分後、政府は十二道県に対し、全国瞬時警報システム(Jアラート)により速報を流した。東日本各地で早朝、列車の運行を見合わせるなどの影響が出た。速報を聞いた住民が数分という短時間に安全を確保できたかどうか、自治体による追跡調査が必要になろう。

北朝鮮は今年、ミサイルを十三回発射し、四回は秋田県沖など日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、今回は北海道・襟裳岬上空を飛行した。米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発を進め、飛距離を伸ばすために今後、日本上空を通過する発射を複数回行う可能性が高い。

日本の上空や周辺海域を実験場にするのは、国際法をまったく無視した暴挙である。国連安全保障理事会はまず強い非難声明を出し、加盟国に制裁決議の履行を求めることが重要だ。

日本が構築するミサイル防衛(MD)について、相手が三、四発のミサイルを同時に発射すれば、すべてを迎撃するのは不可能だという悲観論がある。

それでも、北朝鮮ミサイルが空中で爆発し一部が日本領土に落下する場合には、撃ち落とさなければならない。北朝鮮がいくら資金と資材をつぎ込んでミサイル発射を続けても、日米韓が連携し、事前探知と迎撃態勢を備えた強力な防衛網を持つと示すことで、挑発行動の抑止が可能になる。

政府はイージス艦で使う迎撃システムを、日本海側の陸上に設置して運用する方式の導入を検討している。効果と費用、完成までの時間など、総合的な判断が求められる。

安保理は今月、新たな制裁決議を採択し、北朝鮮産の石炭、鉄鉱石、水産物の全面禁輸を決めた。核、ミサイル開発に必要な外貨資金源をどこまで遮断できるか、最大の貿易相手国である中国の制裁履行がかぎになる。

北朝鮮と米韓が軍事力でにらみ合う現状で、最も懸念されるのは偶発的な衝突だ。米朝は早期に対話を開始して衝突を回避し、次の段階で核、ミサイル問題で交渉することが緊急の課題になる。
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[毎日新聞] 列島越えた北朝鮮ミサイル 日本主導で5カ国協議を (2017年08月30日)

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北朝鮮がきのう弾道ミサイル1発を発射し、北海道・襟裳岬上空を通過して太平洋上に落下した。

日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を12道県に配信し注意を呼び掛けた。新幹線など対象地域の鉄道が一時運行を見合わせた。

鳴り響く警報に不安を覚え、通勤に不自由した人も多いだろう。失敗すれば被害が出た恐れもある。

ミサイルが日本上空を通過するのは5回目だ。1998年の初回を除き人工衛星発射と主張して事前通告していたのとは異なり、今回は通告なしの発射である。飛行機や船舶が巻き込まれてもおかしくなかった。

しかも、北朝鮮が米領グアム周辺を標的とするミサイル発射計画で挑発するさなかである。

安倍晋三首相は「これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」と非難した。断じて許すことはできない。


過小評価が危機高めた
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北朝鮮は核実験の準備を進めているという報道もある。昨年は9月9日の建国記念日に合わせて5回目の核実験に踏み切っている。

国際社会の警告を無視してミサイル発射を続け、核実験に固執する北朝鮮にどう向き合えばいいのか。

東西冷戦下で国際社会から孤立化した北朝鮮は、朝鮮戦争で戦った米国から主権の維持と体制の保証を確保したいとみられる。

北朝鮮の93年の核拡散防止条約(NPT)脱退表明で緊張が高まり、94年には北朝鮮の核開発凍結と軽水炉供与を柱とする米朝枠組み合意に達して危機は遠のいたかにみえた。

ところが、2002年に凍結した核施設を再稼働させ、高濃縮ウランによる核兵器製造計画も明らかになり、03年にNPT脱退を宣言した。

日米韓中露と北朝鮮による6カ国協議で核計画放棄とエネルギー支援で合意したものの、06年に核実験を強行して以降、核実験と弾道ミサイル発射を繰り返している。

緊張をつくり、対話に引き込み、支援を得た後、再び緊張をつくる。20年以上、米国は北朝鮮の体制が崩壊すると過小評価し、北朝鮮の手法に踊らされてきたのは事実だ。

北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功し、核兵器の弾頭搭載が可能になったという。

この教訓からトランプ米政権は従来の対北朝鮮政策を「失敗」と位置づけ、歴代政権が慎重に避けてきた軍事的選択肢をちらつかせている。

しかし、朝鮮半島有事になれば、最も被害が大きい韓国では100万人以上の犠牲者が出ると予測され、在韓米軍にも被害が出る。北東アジア全体が戦禍に包まれる。

戦争による解決はあり得ないし、あってはならない。そうである以上、北朝鮮とは外交的な解決しか選択肢はない。


外交的な解決しかない
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米国は中国の圧力行使を要請している。一方、中国は米朝協議が必要だとし、北朝鮮も米国だけを交渉相手とみなしている。

米国内には決着を急ぐために北朝鮮の核保有を認め、軍縮協議を始めるという意見もある。最終的に米朝協議が不可欠としても、北朝鮮の現状を容認することは日本としては受け入れられない。

ここはまずは北朝鮮問題に利害を持つこの地域の関係国が協議すべきではないか。

すでにある6カ国協議の枠組みを利用し、北朝鮮を除く日米韓中露の5カ国が北朝鮮の核開発をやめさせる方策を意見調整することだ。

中国としても北朝鮮の核保有は認められないし、隣国で戦争が起きることを許さないはずだ。ロシアも北東アジアの安全保障環境に無関心ではいられない。

脅威の高まりに直面している日本がそれを主導すべきだ。

日米の連携は重要だが、中国は石油禁輸を含む徹底的な経済制裁に踏み切って北朝鮮の体制が崩壊するリスクを懸念している。

米国はティラーソン国務長官らが北朝鮮の体制転換などを意図せず対話による外交路線を推進している。

米中の共通項を見いだしながら軍事的選択肢を遠ざけ、外交路線を推進することはできよう。

そのうえで米朝が実務的な協議を行う。朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に格上げするプロセスを進め、中露を含めて北東アジア全体の安全保障を構想することもできるはずだ。

もちろん簡単な道のりではない。だが、日本は外交資源を集中させ、忍耐強く取り組むべきだ。
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[朝日新聞] ミサイル発射 日米韓の結束強化を (2017年08月30日)

北朝鮮がまた危険極まりない挑発に出た。今回は日本の上空を横切るミサイル発射である。断じて容認できない暴挙だ。

弾道ミサイルはきのう早朝に発射され、北海道・襟裳岬の東方約1180キロの太平洋に落ちたとされる。事前に海上の航行禁止区域も設けていなかった。

日本政府は、3度目となる全国瞬時警報システム(Jアラート)を北海道、東北、北関東など12道県に流した。各地の鉄道でダイヤが乱れ、学校の休校も相次いだ。

蛮行で隣国を脅かす金正恩(キムジョンウン)政権に強い憤りを覚える。

国際社会はまず、北朝鮮に事態の深刻さを伝え、強い非難の意思を示すべきだ。そのためにも国連安保理はただちに対応を協議する必要があろう。

先の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けた安保理制裁はまだ緒についたばかりだ。中国やロシアを含む各国の今後の徹底履行を促したい。

北朝鮮は、いま実施中の米韓合同軍事演習に反発し、グアム島周辺へ新型ミサイルの発射を検討しているとしてきた。今回は、発射の方法や飛行距離から、その実行能力を誇示しようとした可能性が高い。

来月9日に建国記念日を控える北朝鮮は、核実験の準備を終えたとの指摘がある。一方で最近の暴走ぶりには、盟友である中国も懸念を公言している。

新たな実験で核搭載のICBM開発に歩を進めれば、金政権は国際社会との敵対を決定づけ、自ら体制の維持を危うくさせることを自覚すべきだ。

今回の発射により、日米韓はますます結束力が試される。

安倍首相は「これまでとレベルの異なる深刻な脅威」としたが、米国防総省の報道担当者は「北米には脅威にならない」と分析した。

トランプ政権にとって今回の発射は、明確に警告したグアム周辺への攻撃ではないが、同盟国の日韓への脅威が高まるという微妙な事態である。

米政府は先週、北朝鮮の「前向きな変化」を評価したが、その認識をどう改めるのか。韓国の文在寅(ムンジェイン)政権もこれまでの対話路線から、どこまで圧力にかじを切るのか。安倍政権は米韓との調整力が問われよう。

さまざまな挑発を駆使して、日米韓が元来抱える立場の差を刺激し、連携を崩そうとするのは北朝鮮の常套(じょうとう)手段だ。

そんな戦術に乗せられないためにも、日米韓は綿密に情勢の認識をすりあわせ、一枚岩で平壌に向きあう強い結束の意識を共有せねばならない。
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[読売新聞] 北ミサイル発射 日本通過は許されない暴挙だ (2017年08月30日)

◆国際社会は新たな脅威に警戒を◆

日本と地域の安全保障を揺るがす暴挙が再び強行された。北朝鮮の核ミサイル開発に歯止めを掛けるため、国際社会は結束し、粘り強く圧力をかけ続けねばならない。

北朝鮮が、平壌近郊から北東方向に、弾道ミサイル1発を通常の角度で発射した。北海道の渡島半島などの上空を通過し、襟裳岬の東約1180キロの太平洋上に14分後に落下した。最高高度は550キロで、約2700キロ飛行した。

◆一歩間違えれば大惨事

北朝鮮のミサイルが日本列島の上空を通過するのは、2016年2月以来で、通算5回目だ。直近3回は「人工衛星打ち上げ」と称し、事前通告を行っていた。

予告なしの早朝の発射が、奇襲攻撃能力を誇示する狙いであるのは間違いない。幸い、航空機や船舶の被害は避けられたが、一歩間違えれば大惨事となっていた。断じて容認できない。

政府は、国家安全保障会議(NSC)を開き、対応を協議した。安倍首相が「これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、地域の平和と安全を著しく損なう」と非難したのは当然である。政府は北朝鮮に直ちに抗議した。

北朝鮮は、米領グアム周辺の海域に中長距離弾道ミサイル「火星12」を発射する計画を発表し、情勢は緊迫化していた。「火星12」をグアムではなく、日本に向けて撃つことで、米国による迎撃を避けようとしたのではないか。

河野外相は「北朝鮮が少しひるんだ」との見方を示した。

◆更なる挑発も想定せよ

北朝鮮は、韓国にとっての脅威となる短距離弾道ミサイルも発射したばかりだ。米韓合同軍事演習が31日まで続く中で、日韓への挑発を強め、米国を牽制(けんせい)する目論見(もくろみ)があるのだろう。

9月9日には、北朝鮮の建国記念日が控える。新たな発射や核実験への警戒が求められる。

米国は、北朝鮮の軍事挑発に関する情報の事前収集に努め、日韓防衛の強固な意志を示し続けるべきだ。トランプ米大統領が安倍首相と電話で会談し、「同盟国として、100%、日本とともにある」と述べたのは適切だった。

首相も会談後、「日米の立場は完全に一致している。北朝鮮に強い圧力をかけ、彼らの政策を変えねばならない」と強調した。

韓国の文在寅大統領は、軍の報復能力を示すよう指示し、F15戦闘機が爆弾投下訓練を行った。

日米韓は、国連安全保障理事会の緊急会合の開催を求めた。安保理が発射を非難する声明を迅速に出し、北朝鮮制裁の履行を徹底することが重要だ。

北朝鮮と取引がある中国やロシアの企業に対して、米国は独自の金融制裁を拡大している。国際包囲網の抜け穴を塞ぎ、北朝鮮の核ミサイル開発資金を断つ取り組みを先導してもらいたい。

北朝鮮経済の生命線を握る中国は、石油供給制限などの一段と強い措置を検討しなければなるまい。朝鮮半島情勢の流動化は、中国の安定にも悪影響を及ぼすことを認識すべきだろう。

日本政府は、ミサイル防衛強化を着実に進める必要がある。

多層的な迎撃態勢を築くため、イージス艦搭載ミサイルSM3や地対空誘導弾PAC3の改良型の配備が急務だ。

20年度までにミサイル搭載型イージス艦を4隻から8隻に増やす。遅滞なく実現させたい。

敵基地攻撃能力の保有も、検討すべきである。

◆伝達に万全を期したい

防衛省は米軍横田、岩国基地で、北朝鮮の弾道ミサイル発射を想定したPAC3の機動展開訓練を行った。在日米軍基地での実施は初めてだ。共同訓練などを通じて日米の結束を示すことも、北朝鮮への抑止となろう。

政府は全国瞬時警報システム「Jアラート」を通じて、今回のミサイル発射に関する情報を12道県の617市町村に伝達した。

一部自治体で、防災行政無線が作動しないなどのトラブルが相次いだのは問題だ。再発防止を徹底し、伝達漏れがないよう万全を期すことが欠かせない。

北朝鮮のミサイル発射の頻発を受け、住民参加型の避難訓練を実施する自治体も増えている。

不測の事態に備えておくのは、過剰反応ではない。指定避難場所の周知徹底や、周囲の堅固な建物に素早く逃げ込むなどの手順をきちんと確認しておきたい。

政府は、国民保護に関するホームページや冊子を作っている。身の守り方について、国民により一層説明することも大切である。
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[朝日新聞] 民進党代表選 終盤論戦へ三つの注文 (2017年08月30日)

9月1日の民進党代表選に向けて、前原誠司元外相と枝野幸男元官房長官の論戦が続く。

候補者自身が「盛り上がっていない」と認めざるを得ない国民の関心の低さは、崖っぷちにある党の現状の反映だろう。

だが、政権党に代わりうる「もう一つの受け皿」があってこそ、健全な民主主義は成り立つ。野党第1党には、それを形にする責任がある。

その意味で、気になるのは他の野党、とりわけ共産党との選挙での連携をめぐる議論だ。前原氏は消極的、枝野氏は積極的だとされ、討論会で支援者同士が言いあう場面もあった。

見失ってはならない現実がある。小選挙区制を中心とする衆院選挙制度の下で、野党がバラバラでは、自民・公明の連立与党に対し、勝ち目は乏しい。

安倍政権の慢心を正し、暴走を防ぐためにも、野党勢力の結集が不可欠なのは明らかだ。

論戦も終盤。そうした議論は横に置いて、より建設的な政策論争に力を注いではどうか。

両氏はともに旧民主党政権の中枢を経験し、深い挫折も味わってきた。その2人のこれまでの論戦で、民進党がめざすべき社会の土台は見えてきた。残る期間、さらに政策論争を深めるために三つの注文がある。

一つは社会・経済政策だ。

前原氏は「All for All」、枝野氏は「お互いさまに支え合う」という。

人口が減る社会で、若者や高齢者の不安を解消するために、教育の負担軽減や介護福祉士らの給与アップが欠かせない。そんな両氏の主張はわかる。

問題は実現への道筋だ。財源に消費税を挙げる前原氏と、当面は国債をあてるという枝野氏のどちらに現実味があるか。制度設計をもっと聞きたい。

二つめは原発政策だ。両氏とも「ゼロ」をめざすという。

いまも民進党は「2030年代ゼロ」を掲げるが、電力会社の労組への配慮から、脱原発の先頭には立っていない。

前原氏に現状を乗り越える気があるのなら、電力労組との向き合い方を語るべきだ。一方、枝野氏は「廃炉はビジネスになる」と語る。具体的なプランを聞きたい。

三つめは、政治や行政を透明にするための具体策だ。

森友、加計学園問題や自衛隊の日報問題で露呈した安倍政権の隠蔽(いんぺい)体質に、国民の不信が募っている。民進党ならではの文書管理や情報公開のあり方を踏み込んだ形で示してほしい。

国民が思わず足を止める。そんな議論を望む。
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2017年08月29日

[東京新聞] 無届け「臍帯血」 再生医療の信頼守れ (2017年08月29日)

他人の臍帯血(さいたいけつ)が患者に移植されていた問題は刑事事件に発展した。有効性が怪しい高額医療の横行は患者の弱みなどに付け込む行為だ。期待される再生医療とあっては、その信頼性に関わってくる。

医師や臍帯血販売会社社長らの逮捕容疑は、国に無届けで他人の臍帯血を患者に移植したことだ。二〇一四年に施行された再生医療安全性確保法の違反容疑の立件は初めてとなる。

医療を受ける際、いつも問題となることがある。医療の知識や情報は圧倒的に医師が持っている。患者にとっては医師が提示する治療法に有効性や安全性があるのか、費用は妥当なのかが分かりにくい。今回のように自由診療ならなおさらだ。国の審査を経て保険診療の対象となった医療ではないのだから。

だからこそである。医療関係者には高い職業倫理が求められる。国には適切に医療が患者に届くように監視や規制の責務がある。

今回の事件ではどうか。移植を行っていた医療機関は、がん治療や美容をうたっていた。費用は一回の治療で三百万〜四百万円という。有効性が怪しい上に、安全性にも疑問符が付く医療に高額な費用を払わされる。わらをもつかむ思いで訪れるがん患者はやりきれないだろう。

厚生労働省の対応も不十分だ。確保法では治療の審査や届け出などの手続きが医療機関に義務付けられたが、今回は無届けだった。こうしたケースをどう防ぐのか。第三者に臍帯血を提供する公的バンクは許可を受けるが、本人や親族の利用を目的とした民間バンクは規制から外れ実態が不明だ。厚労省は実態把握に乗り出しているが、早急に対策も求められる。

さらに懸念するのは再生医療として行われたことだ。傷ついた組織や臓器を修復する再生医療は今、大きな脚光を浴びる。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の網膜の再生を目指す臨床研究も実施されている。臍帯血も再生医療の材料として注目度が高い。

ただ、再生医療はヒトの細胞を使うため感染症などのリスクがある。期待は大きいが、未知の領域でもある医療技術だけに活用には慎重さが要る。治療や研究にルールを定めた確保法は、一〇年に京都市の医療機関で幹細胞移植を受けた男性が死亡した事件などを機にできた。

悪質な医療は何より患者の利益にならない。再生医療を信頼される医療に大切に育てたい。
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[東京新聞] 新茨城県知事 「原発動かさず」尊重を (2017年08月29日)

やはり原発再稼働反対の民意は重い。茨城県知事選を制した大井川和彦氏は胸に刻んでほしい。県民の命と暮らしを預かる責任者として原発とどう向き合うのか。「再稼働ありき」は許されない。

安倍晋三首相が求心力の回復を期した内閣改造後、初めての大型地方選として注目を集めた。原発立地自治体の首長選びという性格も、併せて前面に出た。だが、活発な論戦が交わされたとは言い難く、残念だ。

元IT企業役員大井川氏は、自民、公明両党の推薦を得て、現職橋本昌氏と、共産党が推薦したNPO法人理事長鶴田真子美氏を破った。

もっとも、民進党は自主投票に流れ、中央での与野党対決の構図は反映されなかった。地方での激しい保守分裂の様相は、かえって安倍政権への不信と憤怒の根深さを印象づけたのではないか。

なにより大井川氏は、七選を目指した橋本氏の多選阻止を唱えるばかりで、橋本、鶴田両氏が打ち出した日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働に反対する姿勢に対して、真正面から応えようとはしなかった。

地元の関心が殊に高い原発について、トップとしての立ち位置を明らかにしないのでは、再稼働を推し進める政権の「傀儡(かいらい)」と批判されても仕方あるまい。

大井川氏は「民意を吸い上げながら、県民が納得できるような形で進めていきたい」と語る。ならば、その民意を見てみたい。

共同通信が実施した投票所の出口調査では、再稼働に賛成の声は三割程度にとどまったのに対し、反対は七割近くを占めた。さらに、橋本、鶴田両氏を合わせた得票数は約五十五万票に達し、大井川氏のそれを上回った。

大方の民意は慎重と見るのが自然ではないか。その重みをしっかりと心に留めねばならない。多くの県民にとって、政治経済的な利害得失を超えた切実な問題だ。

国の原子力災害対策指針に基づき、広域避難計画づくりを義務づけられる原発から三十キロ圏内には十四市町村がふくまれ、全国最多の九十六万人が暮らす。大がかりな避難を想定せねばならないこと自体が、エネルギー源として不合理極まりない。

しかも、東海第二は来年十一月に運転期限の四十年を迎える老朽原発だ。電力事業者の原電は最長二十年の延長運転を目指しているが、人間の営みと自然を守るために不可欠とは思われない。新知事にはそのことが問われるのだ。
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