2017年07月31日

[東京新聞] 北ICBM 偶発的衝突を防がねば (2017年07月31日)

北朝鮮が二回目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射をした。米韓両軍はすぐ韓国内でミサイル発射演習を実施してけん制した。緊張が高まる今こそ、偶発的な衝突を防ぐ対策が必要だ。

ミサイルは北海道・奥尻島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。高角度のロフテッド軌道で打ち上げたが、米専門家らには、通常の軌道なら米中西部にまで届くとの見方がある。

大気圏再突入や弾頭の誘導システムなど技術面の課題は残るが、今回は事前探知が難しい深夜に発射し、ICBM開発がさらに進んだと見ざるを得ない。

米国は日韓と共に、軍事的圧力を北朝鮮に誇示してけん制した。米B1戦略爆撃機二機と航空自衛隊のF2戦闘機二機が三十日、九州から朝鮮半島の空域で共同訓練を実施した。続いて米B1機は韓国空軍機とも訓練を行った。

懸念されるのは、朝鮮半島で偶発的な衝突が起きることだ。米韓と北朝鮮が軍事力を誇示して相対する状態では、誤った情報や判断、さらに過剰な反応によって、局地的な衝突が起き、拡大する可能性はゼロではない。

東アジア全体が危機に直面しないよう、対策を急がなくてはならない。韓国政府が提案したように、まず北朝鮮との軍事会談を開いて、軍当局間の「通信回線」を正常化させ、緊急事態には連絡し合う態勢を築くべきだ。

いま北朝鮮は訪朝した米国人三人を敵対行為の容疑などで拘束しており、トランプ政権は自国民の解放を求めて接触を続けているとみられる。米側は北朝鮮との接触を重ねて双方の不信感を解き、さらに核、ミサイル問題での交渉に入る戦略が必要ではないか。

一方、関係国の足並みはそろわず、十分な包囲網が築けない。

米国は北朝鮮への圧力と制裁強化を進め、日本も歩調を合わせる。紛争時には当事者になる韓国は圧力と対話の間で揺れている。

中国は制裁を段階的に強めていると言うが、圧力とともに対話による解決を訴える。ロシアは北朝鮮のICBMを過小評価し、経済面で支えるような動きまで見せている。

北朝鮮が外貨収入のかなりの部分を核、ミサイル開発に投じているのは間違いない。中国とロシアも国連安全保障理事会の制裁決議を着実に履行すべきだ。日米韓を加えた関係五カ国を軸に国際社会全体が連携しない限り、北朝鮮の暴走は止められないだろう。
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[東京新聞] 横浜市長選 カジノはやはり封印を (2017年07月31日)

“ハマ”にカジノは似合わない。やはり封印すべきだ。横浜市長選で三選を果たした林文子氏には、まずもってそのことを注文しておきたい。せっかくの横浜の歴史と文化も台無しになるだろう。

自民、公明両党が推薦する現職に、元旧民主党衆院議員と元民進党横浜市議の二人が挑み、三つどもえの戦いとなった。三百七十万人余りが暮らす最大の基礎自治体が抱える課題は多岐にわたる。

中でも、カジノをふくめた統合型リゾート(IR)施設の誘致の是非は、重大な争点になると期待された。かねて意欲を示してきた林氏に対し、新人二人は反対の姿勢を鮮明にしていた。

だが、結果として、市民は肩透かしを食った。今年に入り、とりわけ選挙が近づくにつれ、林氏は慎重な振る舞いに転じたからだ。

IR誘致による税収と経済への効果を説き、地元に不可欠と唱えていたのに、最近は「白紙」にまで後退した。ギャンブル依存症といったカジノの負の側面を気遣う態度が目立つようになった。

けれども、本当に立場を変えたのか。賛否が大きく割れる課題から関心をそらす方便だったのではないか。「導入検討」と公約集ではうたっている。多くの市民は疑心暗鬼に陥っているだろう。

安倍内閣の支持率が下落する中での大型地方選となった。政権与党としては、東京都議選、仙台市長選と続いた連敗に歯止めをかけたかったに違いない。ましてや菅義偉官房長官の地盤でもある。

振り返れば、カジノを解禁するIR整備推進法も、昨年十二月に国会会期を再延長してまで強引に成立させた経緯がある。その直後の共同通信の世論調査では、カジノ解禁に約七割が反対だった。

森友学園、加計学園をめぐる問題や、「共謀罪」法の成立強行といったこれまでの「安倍一強」の居丈高な構えが、市民の怒りを増幅させている。反対の声が根強いIR誘致を掲げては危ういと、林氏も読み解いたのではないか。

くぎを強く刺しておきたい。カジノ解禁の是非を真正面から問わなかった以上、再び積極姿勢に戻るのは信義にもとる。国際交流や観光振興の方策は、カジノ抜きで検討を進めるのが筋だ。

与野党は依存症対策法案をそれぞれ国会に出しているが、賭博が生み出しうる問題領域は広い。犯罪の増加、青少年への悪影響、反社会的勢力の介入など懸念される弊害は枚挙にいとまがない。政治は国民を甘く見てはならない。
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[産経新聞] 【主張】ミサイル繰り返しているのに公金投入 朝鮮学校訴訟 破壊活動防止法の調査対象である朝鮮総連の影響なぜ軽視する (2017年07月31日)

国が朝鮮学校を高校無償化の適用対象外としたのは「違法」とする判決を大阪地裁が出した。これを適法と認めた19日の広島地裁の判断とは全く逆である。

北朝鮮や朝鮮総連の影響下にある学校運営や教育の実態を軽視しており、そこに公金を投入するのを許す不当な内容と言わざるを得ない。

全国5地裁に同種の訴訟が起こされている。今回は大阪朝鮮高級学校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」が訴えたもので、2例目の判決だ。

判決は、朝鮮学校への支給について、国が北朝鮮や朝鮮総連との関係を問題視し、「国民の理解が得られない」とした点を挙げ、「外交的、政治的意見に基づき、対象から排除した」などと指摘した。これが、教育の機会均等確保をうたう趣旨から外れており、違法で無効だという。

だが、北朝鮮の独裁体制を支える教育内容や朝鮮総連とのつながりに目をつぶることが許されるか。公金を使うことに理解が得られないのは当然である。教育内容を問わずに、教育の機会均等を論じるのはおかしい。

さきの広島地裁は、高校無償化の支給要件である「適正な学校運営」は合理的で、差別に当たらないと判示した。極めて妥当だ。さらに広島地裁は、別の民事訴訟判決を踏まえ、無償化資金が教育以外に流用される懸念を認めた。

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大阪地裁はこれに踏み込まなかった。財務諸表のほか、大阪府から学校教育法などの法令違反による行政処分を受けていない、などを根拠とした。外形的判断だけで見誤ってはいないか。

朝鮮総連は破壊活動防止法に基づく調査対象団体である。公安調査庁は朝鮮学校の人事、財政、教育内容などは総連の強い影響を受けていると認定している。

大阪府は橋下徹知事時代に、大阪朝鮮高級学校の実態調査を行ったうえで、金日成、金正日父子を崇拝する教育の見直しや朝鮮総連との関係清算などを補助金の支給要件とし、不支給を決めた。

これを不服として大阪朝鮮学園が提訴したが、大阪地裁は今年1月に退ける判決を出した。今回の判決はこの判断とも矛盾する。

北朝鮮は拉致事件のほか、核・ミサイル開発を繰り返している。その思想教育を残したままの公金投入は見直して当然なのだ。
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[産経新聞] 【主張】南シナ海に映画館 中国流「拡張術」の象徴だ (2017年07月31日)

係争地である南シナ海・パラセル(中国名・西沙)諸島のウッディー(永興)島に、中国の映画館が建設された。

初日は、「地方幹部の模範」とされる人物のドキュメンタリー映画が上映され、同島に居住する軍人や民間人計200人以上が観賞したという。習近平指導部による宣伝映画にほかならない。

中国外務省は「自国の領土に1軒の映画館を建てるのに、大きな論争となる点はない」という。問題は、そこが中国領土だとは国際社会が認めていない点である。

パラセル諸島は1974年に中国が全域を占領したものの、ベトナムと台湾もそれぞれ領有権を主張している。

中国は、南シナ海を囲む独自の「九段線」を描き、内側全てに歴史的権限が及ぶと主張する。それについては昨年、オランダ・ハーグの仲裁裁判所で退けられたにもかかわらず、裁定を無視して軍事拠点化を続けている。

この海域は重要な交易ルートであり、航行の自由を脅かす行為は断じて認められない。日本など域外の国々を含め「法の支配」の貫徹を求めるのは当然である。

だが、中国は南シナ海の領有権問題はベトナムやフィリピン、東南アジア諸国連合(ASEAN)など、域内の当事者との話し合いで解決するという態度である。

中国は2012年、パラセル、スプラトリー(南沙)、中沙の3諸島を管轄する自治体として「三沙市」の市政府をウッディー島に置いた。同島には約1000人が居住し、図書館や体育館のほか、汚水処理場などのインフラ施設も整備されている。

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当事者間の話し合いを提唱しながら、現場では着々と、実効支配の既成事実を積み重ねる。映画館は、中国による現状変更の手法を象徴するものだ。

来月上旬、フィリピンでASEAN関連の外相会議が日米や中国も参加して開催され、南シナ海問題も重要テーマとなる。

中国とASEANは5月に、南シナ海での衝突回避のための「行動規範」策定に向けた枠組みで合意した。

だが、「規範」策定の発端は、02年の拘束力のない「行動宣言」にさかのぼる。

中国が交渉で時間を稼ぎつつ、実効支配を着々と強めてきたことを忘れてはなるまい。
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[毎日新聞] 「核のごみ」マップ公表 市民が関心を持つ契機に (2017年07月31日)

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原発で核燃料を燃やした後に出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどこに最終処分するか。

安全性の観点から日本全国を4色に色分けした「科学的特性マップ」を経済産業省が公表した。

この地図で適性が高くても、土地利用の状況など社会的要因を加味すると不適格という場所もある。確定的なものでないことは十分な説明がいるが、国民が関心を示さなければ意味のない地図に終わってしまう。

原発政策を進めてきた日本には、すでに核のごみが大量にある。原発への賛否によらず最終処分は必要であり、国民の幅広い理解が欠かせない。この地図を多くの人に興味を持ってもらうきっかけとしたい。

日本は2000年以降、自治体に手を挙げてもらう方式で処分場選定を進めようとしてきた。しかし進展はなく、福島第1原発の事故を経て国が打診もできるよう変更した。

特性マップはその第一歩で、火山や活断層、遠い将来に掘り起こされる恐れのある油田や炭田などのある地域を避けた上で、輸送の利便性が高い沿岸部を最も好ましい場所と位置づけている。

経産省や処分の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)は、窓口を設け人々の質問に答えるという。ぜひ、透明性のあるわかりやすい説明を心がけてほしい。

適性が低いと判断された地域の人も日本全体の課題として関心を持ち続けてもらいたい。

処分場選定を進めるには、政府や事業主体への信頼が欠かせない。

福島の原発事故で安全神話が崩れ、処分場政策にも不信感を抱く人たちは少なからずいる。地震・火山国で未知の断層も抱える日本に不安材料があるのも確かだ。

そうした懸念にも納得のいく説明を重ね、新たな知見に応じた計画の見直しも怠らないでほしい。

マップを示したからといって急に国民の合意形成が進むわけではない。一定の期間、地上で「暫定保管」することも選択肢の一つだろう。その検討も進める必要がある。

核のごみの総量を一定に抑えることは処分場選定を前進させる重要な要素だ。再稼働を進めれば核のごみは増え続ける。そのマイナスも考慮に入れ原発政策を考えるべきだ。
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[毎日新聞] ニホンウナギの危機 流通経路の透明性確保を (2017年07月31日)

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日本人が最もウナギを食べる時期を迎えた。かば焼き用のニホンウナギの価格は昨年より安いという。

養殖用の稚魚(シラスウナギ)の漁獲が安定していたためだが、長期的には、稚魚の漁獲量は減少傾向にある。国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定した2014年と比べ、資源量が回復したとは言い難い。

ニホンウナギの減少は、過剰な消費や河川など生息環境の変化が原因とされる。南太平洋から東アジア沿岸にやってくる回遊魚で、ウナギ食を続けていくには、国際協調で資源管理に取り組む必要がある。

ウナギの消費大国である日本は、その先頭に立たなければならない。ところが、国内ではいまだに稚魚の密漁など違法な取引が横行している。ウナギ業界全体の信頼にかかわる問題で、流通経路の透明性確保は、喫緊の課題だ。

稚魚の漁獲には都道府県知事の許可がいる。漁獲者は漁獲量を知事に報告する。水産庁によれば、16年に国内の養殖池に入れられた稚魚は19・7トン。輸入量を引いた13・6トンが国内産と推定されるが、知事への報告量は7・7トンしかなかった。

差し引き5・9トンは、密漁や漁獲量の過少報告など違法な行為を経て流通していると考えられる。

稚魚の捕獲実態が不透明なままでは、科学的な資源管理などできない。行政や関係業界は連携し、稚魚の捕獲から養殖、販売に至る経路を追跡可能な体制を整えるべきだ。

ニホンウナギの主要養殖地である日本、中国、韓国、台湾の4カ国・地域は、15年から養殖池に入れる稚魚の量に上限を設けている。ウナギの消費を抑え、資源の回復を図るためだ。しかし、各国が実際に使った稚魚の量の合計は毎年、上限枠の5割程度にとどまる。上限が緩いと、資源の回復にはつながらない。

しかも、取り組みは紳士協定で、法的拘束力はない。日本は、上限の引き下げや協定の条約化を、粘り強く働きかけていくべきだ。

流通経路の透明性確保や国際協調体制の強化が進めば、ウナギの持続可能な利用に関する消費者の理解も深まる。さもなくば、ワシントン条約に基づく国際取引の規制対象となる可能性が高まり、日本の伝統的な食文化の維持も危うくなる。
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[朝日新聞] 核のごみ処分 「トイレなき原発」直視を (2017年07月31日)

原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地について、政府が「科学的特性マップ」を公表した。

火山や活断層、地下資源の有無など自然条件から全国を「好ましい」と「好ましくない」に大別しつつ4区分した。住まいや故郷がある市区町村が気になって調べた人もいるだろう。

ひと安心、心配、警戒……。国土全体の6割もが「好ましい」とされただけに、「私の所は関係ない」と、ひとごととして受け流したかもしれない。

■ひとごとではなく

マップが問いかけることを、改めて考えたい。

日本で商業原発の運転が始まって半世紀がたった。抱える使用済み燃料は2万トン近い。

その燃料から出る高レベル放射性廃棄物は、放射能が十分安全なレベルに下がるまでに数万年?10万年を要する。だから、地下300メートルより深い地層に運び込み、坑道を埋めてふさぎ、ひたすら自然に委ねる。それが政府の考える最終処分だ。

人間の想像力を超えた、途方もない未来にまで影響が及ぶ難題だが、避けては通れない。にもかかわらず、処分をあいまいにしたまま原発が生む電気を使い、恩恵だけを享受してきた。原発が「トイレなきマンション」とたとえられるゆえんだ。

いつまでも先送りはできない。マップは国民一人ひとりにその重い現実を突きつける。

調査受け入れの公募が始まったのは2002年。07年には高知県東洋町が手をあげたが、住民の反発で撤回した。政府は2年前に閣議決定した新たな基本方針で「国が前面に立って取り組み、調査への協力を自治体に申し入れる」とうたっている。

しかし、根本的な疑問がある。いまの原子力政策の維持・継続を前提に、最終処分地問題を進めようとしている点だ。

■脱原発の道筋を

使用済み燃料を再処理してプルトニウムやウランを取り出し、燃料に使う。残った廃棄物をガラスで固め、最終処分地に埋める。これが核燃料サイクルの概要である。

しかし、サイクル事業の破綻(はたん)は明らかだ。1兆円超をつぎ込みながら、失敗続きで廃炉に追い込まれた高速増殖原型炉「もんじゅ」がそれを象徴する。

最終処分地が決まったフィンランドやスウェーデンは、使用済み燃料をそのまま廃棄物として埋める「直接処分」を採用している。日本も現実的に対応していくべきだ。

そして、原発を動かせば使用済み燃料も増えていくという事実を直視しなければならない。

マップができたとはいえ、最終処分は候補地が見つかっても調査だけで20年程度かかるという。使用済み燃料をできるだけ増やさないために、並行して脱原発への道筋を示すことが不可欠である。

処分すべき廃棄物の量の上限を定め、それ以上は原発を運転させないという考え方は検討に値する。原発を守るために最終処分地を確保するというのでは、国民の理解は得られまい。 経済産業省と原子力発電環境整備機構は今後、「輸送面でも好ましい」とされた海側の地域を中心に対話に取り組み、調査の候補地探しを本格化させる。

注文がある。最終処分地を巡って想定されるリスクや不確実性を包み隠さず説明する。そして、経済面の恩恵や地域振興と引き換えに受け入れを迫るような手法をとらないことだ。

■過去の教訓に学べ

経産省と機構は、マップ公表に先立つ一般向け説明会などで「(廃棄物を地中に埋める)地層処分は技術的に確立している」と繰り返し、10万年後のシミュレーション結果を示しながら安全性は十分と強調した。

だが、万全を期してもリスクはゼロにはならない。「安全神話」から決別することが、福島第一原発事故の教訓だ。

欧米と違って日本列島は火山や地震が多い。最終処分に関して日本学術会議は12年、「万年単位に及ぶ超長期にわたって安定した地層を確認することは、現在の科学的知識と技術的能力では限界がある」と指摘した。

調査を受け入れる自治体には、最初の文献調査で最大20億円、次の概要調査では最大70億円の交付金が入る。自治体にとって魅力的な金額だろう。

かつての原発立地では、受け入れと引き換えの交付金が地元にさまざまな功罪をもたらした。廃炉まででも100年以内に一区切りつく原発と比べ、最終処分地の受け入れは数万年先という遠い将来の世代にかかわる重い判断となる。一時的な経済メリットで誘導するのではなく、納得を得る努力を尽くすことがますます大切になる。

処分地選びは原発政策と切り離せない関係にあり、政策への国民の信頼がなければ進まない。福島の事故で原発への信頼が失われた以上、政策の抜本的な見直しが欠かせない。
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[読売新聞] 「脱時間給」制度 職種を限定した導入は妥当だ (2017年07月31日)

働き方改革を停滞させぬよう、引き続き政労使の協調関係構築へ向けて努力すべきだ。

高収入の専門職を労働時間規制の対象外とする「脱時間給」(高度プロフェッショナル)制度の導入を巡り、政府、経団連、連合の政労使合意が見送られた。

一時は条件付き容認を表明した連合が、態度を転じたためだ。かねて「長時間労働を助長する」と反対してきただけに、組織内の反発が強く、撤回を余儀なくされた。政労使協調を主導した事務局長の会長就任も立ち消えになった。

組織内外の信頼を大きく損ねた連合執行部の責任は重い。

政府は、連合が求めていた健康確保策を強化した上で、新制度導入を含む労働基準法改正案を今秋の臨時国会に提出する方針だ。

労基法は、労働時間を「1日8時間、週40時間」と定め、これを超える残業や深夜・休日労働に対して、割増賃金の支払いを企業に義務づけている。

新制度には、この規定が適用されない。賃金は働いた時間に関係なく、成果や能力に応じて決まる。既存の裁量労働制も実労働時間にかかわらず、一定時間働いたとみなして賃金が決まるが、割増賃金などが適用される点で異なる。

企画力や発想力が問われる仕事では、働いた時間と成果は必ずしも一致しない。短時間で成果を出すより、漫然と長く残業する方が賃金が高くなる現行制度になじまないのは、明らかだ。こうした職種は増えている。

一定の職種について、本人の同意を条件に、賃金と労働時間を切り離すことは、妥当だ。生産性向上の効果も期待できる。

対象は、為替ディーラーなどの高度専門職で、年収1075万円以上の人が想定される。法案には、平均賃金の3倍超と明記する。雇用者の3%未満とみられる。

労働側には、残業代の負担という経営側にとっての歯止めがなくなることで、「際限なく働かされる」との懸念が強い。

工場労働や一般事務職に適用されれば、そうした事態も起こり得よう。対象は、個人の職務範囲が明確で、働く時間や仕事の進め方を自分で決められる職種に限定することが重要である。

働き過ぎの防止策も欠かせない。新制度では、一定の休日確保などが義務づけられる方向だ。

野党は「残業代ゼロ」と批判するが、長時間残業ありきの考え方だろう。レッテル貼りではなく、建設的議論が求められる。
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[読売新聞] 関西3空港運営 訪日客急増の風に乗りたい (2017年07月31日)

訪日客の急増で航空需要が伸びている。近接3空港の有効活用に知恵を絞らねばならない。

神戸市が所有する神戸空港の運営権が、民間に売却される。オリックスと仏企業が出資する関西エアポートが、来年4月から運営する。

神戸空港は、総事業費3140億円をかけて2006年に開港した。半径25キロ圏内に関西国際空港と大阪(伊丹)空港がある。当初から経営が不安視されていた。

利用客数は、16年度に272万人と、想定の6割にとどまる。実質収支は7年間赤字が続く。

市は42年間の運営権売却で191億円を得るが、38億円もの負債が残る見込みだ。空港事業に対する市の見通しの甘さが窺(うかが)える。民間ならではの知見を、経営の立て直しに生かさねばなるまい。

関西エアポートは、昨年4月から関空と伊丹の運営を手掛け、一定の成果を上げている。神戸空港の公募入札では、路線競合の回避など、3空港を一体で運営できる利点を強調した。

3空港を合わせると滑走路は5本に達する。首都圏に匹敵する航空インフラだが、効果的に運用されているとは言い難い。

海上にある神戸空港は、騒音問題による離着陸の制約が小さい。しかし、現在は午前7時から午後10時まで、国内線のみ1日往復30便との運用規制がある。自治体と経済界、国でつくる「関西3空港懇談会」が、開港前に決めた。

利用が低迷していた関空への一層の打撃が懸念されたためだ。

関空の利用者は昨年度、2500万人を突破した。5年で1000万人以上増えた。日本観光ブームを背景に、とりわけ格安航空会社の新規就航が加速している。

神戸には関空の補完的な役割への期待が大きい。懇談会は、運用規制の早期緩和を図るべきだ。

1970年代、騒音被害の大きい伊丹の代替空港を、神戸沖に建設する構想があった。神戸市の反対もあり、関空は大阪の中心部から遠い泉州沖に決まった。

その後、伊丹が地元の要望などで存続し、神戸市も空港建設に方針転換したため、3空港が並立することになった。

政府は、3年後の訪日客数4000万人を目指す。首都圏と共に、関西圏の受け入れ体制の強化が急務だ。海上空港の関空と神戸、市街地にある伊丹の3空港の役割分担を再度、精査すべきである。

大型機や中小型機の振り分けなどで、利用者ニーズに柔軟に応える戦略がカギを握ろう。
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2017年07月30日

[東京新聞] 週のはじめに考える まず、「結果」ありき (2017年07月30日)

何事も、過程があってその先に結果があります。場合によっては結果より過程の方が大切な時だって。でも、わが宰相の考えは少し違う気がします。

あの『進化論』のダーウィンの孫に当たるバーナード・ダーウィンは英国の著名なゴルフライターでした。記憶大いに曖昧ながら、確か彼(か)の人も、この箴言(しんげん)がお気に入りだったというような話をどこかで読んだ覚えがあります。

<希望を抱いて旅し続ける方が目的地に着くよりましだ>

一向に上達しないゴルファーの負け惜しみ、あるいは、うまい言い訳みたいでもありますが、よく読むと、どうしてなかなか含蓄の深い言葉です。


◆省かれる過程
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安倍首相はかなりのゴルフ好きと聞きます。でも、賛同はしてくれないでしょう。ゴルフの腕前とは関係なく、政権運営ぶりを見る限り、<目的地>に至る過程に深い意味を認めるタイプとは思えないからです。

例えば、集団的自衛権。過去の自民党政権下でも、ずっと「保持しているが、憲法上、行使できない」としてきたものを、選挙で国民に問うこともなしに、ただ閣議決定で「行使できる」と解釈を変更してしまった。わが国の国是ともいえる平和主義を脅かすような極めて重大な事柄にもかかわらず、です。

国民に反対の根強い特定秘密保護法や安保法もしかりで、野党の「審議不十分」の声を強引に押し切っての可決。最近なら「共謀罪」法が“白眉”でしょう。参院の委員会採決を飛ばして中間報告で済ますという近道、あるいは抜け道で大急ぎの成立を図りました。

今、世間を騒がす加計学園問題にしても、首相は過日、やっと国会の閉会中審査に出席はしましたが、都議選敗北など、にわかに強まった逆風にたまらず、渋々、嫌々出たという印象。そもそもから「疑惑が持ち上がった以上、説明を尽くす」という姿勢は少しも感じられませんでした。

こうしたことからうかがえるのは、できるなら一足飛びに結果を出したい、悠長な<旅>なんか省いて<目的地>に着いてしまいたい、という首相の志向です。野党の異論と長々やりあうことも、国民への説明や釈明も、首相にとっては、できれば省きたい経緯、かける時間を極力短くしたい過程にすぎないのではないでしょうか。

三谷太一郎著『日本の近代とは何であったか』(岩波新書)に十九世紀英国のジャーナリスト、ウォルター・バジョットの近代と前近代の政治のとらえ方が紹介されています。大づかみに、リーダーの即断による迅速な政治が「前近代」、結論を導くために長時間の議論を許容するのが「近代」だ、と。二十一世紀の安倍政治は、不思議なことに、「近代」よりむしろ「前近代」を思わせます。


◆全員支持派
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最近の各種世論調査で安倍内閣の支持率は軒並み続落でした。中には30%を割り込む数字も。ところが、首相はこう語ったそうです。「一つ一つ結果を出すほかに信頼回復の道はない」

実は「結果を出す」は、首相が折々口にするフレーズです。民主主義の本質とは、十分な議論を経て合意=結果に至る過程にこそありましょう。なのに、まるでビジネスか勝負事の話みたいに、なお「結果を出す」。「安倍離れ」の要因が過程軽視の姿勢にあるとは少しも考えていないようです。

日銀政策委員会の審議委員交代もある種、象徴的でした。マイナス金利導入など主要な政策決定に反対した二人が去り、正副総裁以外の六人がすべて安倍政権の任命による、現在の金融政策支持派に。賛成の声しか出ない議論とは、いわば“過程の省略”。蓋(けだ)し、「結果を出す」のには一番の近道です。

加計学園問題では、最初からそう決まっていた、という意味で、「まず、加計ありき」だったのではないかと疑われています。ちょっと駄洒落(だじゃれ)みたいですが、それにならって言えば、首相の行動原理とは「まず、『結果』ありき」だと言えないでしょうか。


◆民主主義の窒息
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最初から自分には、あるべき結果、正しい答えが分かっているという思い込み。ゆえに過程が疎ましい。首相の座右の銘だという『孟子』の言葉が重なります。

《自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人と雖(いえど)も吾(わ)れ往(ゆ)かん》。自分が確かに正しいのだと信念を持てたら、どれほどの敵もものともせず突き進む…。

この秋、ついに九条改憲に乗り出す腹のようです。異論や、異論と持論を切り結ぶ過程が無駄だの「敵」だのに見えてしまう時、権力者の信念ほど剣呑(けんのん)なものはありません。そこではもう、民主主義は息をできないのです。
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[産経新聞] 【主張】最低賃金上げ 下請けいじめの排除急げ (2017年07月30日)

今年度の最低賃金が全国平均で1時間当たり25円引き上げられ、848円となる見通しだ。

安倍晋三政権は「時給1000円」の実現に向け、最低賃金の引き上げ目標を「毎年3%程度」としている。2年続けて達成することになる。

引き上げを通じて非正規社員の待遇改善を着実に進め、日本経済の底上げにつなげなければならない。

同時に、人件費の負担が増える地方の中小・零細企業などへの影響を注視すべきである。これらの企業が賃上げを続けることが可能になるよう、経営環境の整備が欠かせない。

それには、大手企業などによる下請けいじめを徹底して排除することが不可欠だ。政府は大手と下請けの取引状況を厳しく監視し、「買いたたき」などの不正行為を防ぐ必要がある。

経済産業省や公正取引委員会などは、中小企業などとの適正取引を促す下請法の運用基準を強化した。納品価格を不当に減額したり、代金の支払いを遅らせたりする行為を防ぐためだ。

公取委が昨年度、下請法違反に当たるとして大手企業などを指導した事例は6300件を超えた。中小企業が賃上げの原資を確保するためにも、不正な取引慣行の一掃は急務である。

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最低賃金はすべての労働者に適用され、これを下回る水準は違法となる。厚生労働省の審議会が示した目安をもとに都道府県が地域の事情を勘案して決め、毎年10月をめどに改定される。

平均25円となった今年度の目安は、過去最大の上げ幅である。

人手不足が深刻化し、大都市部を中心にパート・アルバイトの時給は上昇傾向にある。春闘でも4年連続で正社員の賃上げが実現しており、最低賃金も大幅に引き上げることになった。

時給が増えて労働者の可処分所得が拡大すれば、力強さがみられない個人消費を活性化するなど、景気回復の動きを後押しする要因となる。政府が目指す「成長と分配の好循環」の実現に向けて欠かせない道筋である。

ただし、経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)な中小・零細企業にとって、最低賃金の急激な上昇は大きな打撃となりかねない。中小企業が生産性を高めて人件費増に対応できるよう、政府には設備投資などの支援策も忘れないでほしい。
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[産経新聞] 【主張】北のICBM 暴走止める行動をみせよ (2017年07月30日)

北朝鮮が再び大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、北海道・奥尻島から北西150キロの日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。

安倍晋三首相は、北朝鮮を非難し、「わが国の安全に対する脅威が重大かつ現実のものとなったことを明確に示す」と語った。

日米をはじめとする国際社会の度重なる警告と抗議を無視した暴挙であり、決して許されない。

今回のICBMも通常より高い角度の「ロフテッド軌道」をとった。高度は3500キロを超え、47分間に約千キロ飛んだという。

通常の軌道であれば射程は1万キロを超え、米中西部のシカゴや西部のロサンゼルスが射程に入る可能性がある。今月4日に発射したICBMは、射程6700?8千キロと推定されていた。

朝鮮中央放送は、今回の発射には金正恩朝鮮労働党委員長が立ち会い、「米本土全域がわれわれの射程圏内にあるということがはっきりと立証された」と述べたと報じた。高温にさらされる大気圏再突入時も弾頭の誘導・制御ができたと主張している。

ワシントンやニューヨークを含む米本土全域を実際に攻撃できるのか、また、再突入技術を得たかについては検証が必要である。だが、北朝鮮は世界を威嚇しつつ核・弾道ミサイル戦力の強化を急いでいる。

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米国への「最低限核抑止力」を確立すれば独裁体制が維持できる。そう踏んでいるのだろう。

そのような状態は日本国民が、北朝鮮からの核攻撃や核による脅迫の恐怖に一層さらされることを意味する。唯一の被爆国としても容認できない。

首相は深夜に担当者を集めるなど危機意識は妥当だが、いつものように国家安全保障会議(NSC)関係閣僚会合を開き、北朝鮮に抗議するだけでは心もとない。国際社会と連携して対北圧力を増すというが、言葉だけに終わらせてはならない。

危機に際して多忙となる外相と防衛相を兼務させる、現在の状況にも疑問がある。

政府は対応に支障はなかったとするが、万全の態勢と呼べるだろうか。ICBMが航行する船を直撃したり、領土・領海に着弾したりして自衛隊が出動することまで想定しておくべきだ。最悪の事態に備えた危機管理を望みたい。
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[毎日新聞] 脱ガソリン車に動く欧州 日本の対応遅れが心配だ (2017年07月30日)

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英国政府が、ガソリン車やディーゼル車など化石燃料を使う自動車の販売を2040年までに禁止すると発表した。深刻化する大気汚染対策の一環だ。すでにフランスが同じ方針を打ち出し、ドイツやオランダでも同様の動きがある。

モーターで走る電気自動車への移行が、欧州を皮切りに世界で加速するだろう。自動車業界にとどまらず製造業やエネルギー産業を揺るがす大変革の始まりでもある。

トヨタ自動車など日本の主要メーカーは、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車で先行した。次の段階として、水素を燃やして走る燃料電池車の普及を狙うが、電気自動車では欧米のほか中国など新興国にも立ち遅れている。

スウェーデンのボルボは、19年から新型車種すべてを電気自動車化し、独ダイムラーや独フォルクスワーゲンも今後数年の間に10?30車種を売り出す。米テスラ・モーターズや中国のBYDなどの新規参入企業はすでに量産体制を築いた。

一方、トヨタが量産化に向けた本格的な組織を作ったのは昨年末である。そこには電気自動車に傾斜できない事情もあった。

従来の自動車は、燃料をエンジンに噴射して爆発させ、その力を変速機を通じて車輪に伝え、排ガスはきれいにする。一連の複雑な動きを支える部品の数は2万を超える。

だが、簡素な仕組みの電気自動車なら1000に満たない。電池とモーター、それらを制御する電子装置があればいいからだ。

事業構造は大きく異なり、部品を扱う関連産業の裾野の広さと抱える雇用の厚みに相当の差がある。従来型で優位に立つ日本メーカーには失うものが多すぎ、大胆な方向転換は難しかったわけだ。

今後、電気自動車が主流になれば、関連産業や雇用への打撃は避けられない。化石燃料の消費量や価格、電力需要にも影響を与えるだろう。

産業界だけの問題ではない。

日本政府も英国などと同じ方向に進むのか。大がかりな設備が必要な燃料電池車に力を入れ、「水素社会」を国策に掲げ続けるのか。

日本経済と国民生活を左右しかねない構造変化が待つだけに、影響を見極めているような時間はない。
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[毎日新聞] 北朝鮮の弾道ミサイル 看過できない技術の進展 (2017年07月30日)

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国際社会の非難など一顧だにしない北朝鮮の行動である。

北朝鮮がおとといの深夜にミサイルを発射し、北海道・奥尻島北西沖約150キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下させた。

北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の発射だと発表した。4日に続き2回目だ。今回は前回より5分長い約45分、飛行した。

通常より高い角度に打ち上げる「ロフテッド軌道」だった。高度は前回より約1000キロ高い3500キロ超に達し、飛距離は約1000キロとなった。

この結果、通常軌道で発射した場合の推定射程は7000キロ内外から約1万キロへ延びた可能性がある。シカゴなど米中西部に届く距離だ。

発射地点と時刻も異例だった。

今回は軍需工場の多い北部慈江道(チャガンド)から初めて発射した。最近は発射地点を次々と変える傾向がある。

「衛星打ち上げ」を名目にしてきた以前の長距離ミサイルは特定の大型施設からしか発射できなかった。だが、移動式の長距離ミサイルを深夜に短時間の準備で発射できれば米国の意表を突くことができる。

いつでも、どこからでも、より遠くに届くミサイルを発射できるようになった可能性がある。北朝鮮のミサイル技術の着実な進展は看過できないレベルに至っている。

金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、米国の独立記念日に行われた前回の発射を「米国への贈り物」と称し、今後も「大小の贈り物」を送り続けると語っていた。

27日は、北朝鮮が対米戦の「勝利記念日」とする朝鮮戦争の休戦協定締結の日だった。その翌日の発射には、国威発揚と米国への挑発という意味があるのだろう。

NHKは室蘭市の屋外カメラでミサイルと見られる閃光(せんこう)を捉えていた。その映像は落下地点がより日本に近かったことを物語る。暗闇の中を垂直に落ちていく様子は見る者に恐怖感を与えた。

発射は、稲田朋美前防衛相ら防衛省トップ級3人がそろって辞任すると発表された日の深夜でもあった。不適切な防衛相人事に起因する防衛省・自衛隊の混乱とミサイル発射が重なったことを、安倍晋三首相は深刻に受け止めるべきだ。
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[読売新聞] 首都高地下化 日本橋の景観を取り戻そう (2017年07月30日)

日本を代表する名橋が青空の下に優美な姿を見せる。そんな日が再び訪れるかもしれない。

国土交通省は、東京都などと協力し、日本橋の上を通る首都高速道路の地下化に取り組むと発表した。

竹橋―江戸橋ジャンクション間(約2・9キロ)の一部の地下移設を検討する。着工は2020年東京五輪の後で、10?20年かかるプロジェクトになるという。

日本橋は江戸時代に五街道の起点となり、我が国の繁栄の象徴とされてきた。1911年に完成した現在の石造アーチ橋は、国の重要文化財となっている。

その橋が63年に高架道路に覆われた。首都高の整備を翌年の東京五輪に間に合わせるため、用地取得の手間や費用を省ける河川上のルートが採用されたためだ。

経済効率を最優先する高度成長期で、やむを得なかった面もあろう。だが、結果的に景観は著しく損なわれた。

「歴史や文化を無視して、利便性のみを追求してきたインフラ(社会基盤)の悪(あ)しきモデル。100年後にも誇れる東京の姿を残したい」。小池百合子都知事がこう語ったのも、うなずける。

川岸は、憩いの場として整備される予定だ。豊かな都市景観や潤いのある環境を創り出す事業にしてもらいたい。国際観光都市を目指す東京にとって、貴重な観光資源にもなろう。

一帯の地下化は、小泉政権下の有識者会議が2006年に提言している。地元住民も、高架道路の撤去や移設を求める活動を行ってきたが、5000億円ともされる事業費がネックとなっていた。

費用の分担については、国と都、首都高速道路会社が調整する。期待がかかるのは、周辺で民間業者が大規模な再開発事業を計画していることだ。

一部は、国家戦略特区の事業に認定される見通しだ。再開発ビルの容積率を上げる代わりに一定の拠出を民間業者に求め、事業費負担を圧縮する案も考えられる。官民の連携が欠かせまい。

地下化にこだわらず、一帯の高架道路の撤去を検討する余地もあるのではないか。首都圏では都心を迂回(うかい)する中央環状線、外環道などの整備が進む。今後の交通量を見極めた冷静な判断が必要だ。

老朽化した高速道路の地下化は、米国のシアトルなどで行われている。韓国のソウルでは、河川上の高速を撤去した例もある。首都の顔にふさわしい景観を取り戻すため、衆知を集めたい。
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[朝日新聞] 朝鮮学校判決 国は速やかに支給を (2017年07月30日)

日本で学ぶ全ての生徒に公平に教育の機会を与える、という制度の原点に立った判決だ。

高校の授業料無償化をめぐり、大阪地裁は28日、大阪朝鮮高級学校を対象外にした国の決定を取り消し、就学支援金を支給するよう命じる判決を出した。国は司法の判断を重く受けとめ、速やかに支給すべきだ。

経済的事情で勉学を断念することがないよう、国の負担で教育の機会均等を確保する。判決が判断の軸にしたのは、高校無償化法にあるこの目的だ。

無償化は民主党政権が2010年に始めたが、朝鮮半島情勢を理由に適用を見送った。第2次安倍内閣では下村博文・文科相が拉致問題などを理由に「国民の理解が得られない」とし、13年2月、不支給を決めた。

大阪地裁はこうした国の対応を「教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づき、法の趣旨を逸脱し、違法で無効だ」と結論づけた。

教育制度を政治・外交課題と同一線上で論じ、混同することを、厳しく戒めたといえる。

国が主張したのは、朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連とつながりをもち、「『不当な支配』を受け、適正な学校運営がされない懸念がある」という点だった。

判決は、朝鮮高級学校で北朝鮮を賛美する内容の教育があり、総連の一定の関与があることは認めた。ただ、補助教材を活用するなどし、教育内容が一方的ではなく、さまざまな見方を教えているとも指摘、「教育の自主性を失っているとまでは認められない」と述べた。

国は「支援金が授業料にあてられない懸念がある」としたが、判決は、裏付けの事実がないとして認めなかった。実態を十分に調べず、こうした主張をする姿勢が、学校への偏見を広めたことを国は反省すべきだ。

朝鮮学校の無償化問題では、広島地裁が19日、学校と総連との関係が強かったとして「不支給は適法」との判決を出しており、地裁で判断が分かれた。国の言い分の追認に終始した広島の審理に対し、大阪地裁は卒業生や元教員らの証人尋問をし、学校側から提出された保護者へのアンケートまで証拠として検討した。朝鮮学校の実情を把握するため、より丁寧な裁判で導いた結論といえる。

いま、朝鮮学校に通う生徒は日本で生まれ育った在日コリアン4世が中心だ。民族の言葉や文化を大切にしながら、日本で生きていきたいと学んでいる。

多様なルーツや教育の自主性を尊重するのか。問われているのは、社会のあり方だ。
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[読売新聞] 北ICBM発射 中露は圧力強化の責任果たせ (2017年07月30日)

核搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の配備を目指す北朝鮮の暴走が止まらない。国際社会による圧力強化に向けて中国とロシアは責任を果たさねばならない。

北朝鮮が28日深夜、中国国境に近い内陸部の舞坪里から、ICBMを発射した。今月4日に続き、2回目だ。発射した時間帯も、場所も異例である。奇襲攻撃能力を誇示する狙いがあるのだろう。

通常より高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、高度は3500キロを超えた。約45分間で約1000キロ飛行し、北海道・奥尻島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

高度と飛行時間・距離は、前回を上回った。射程が伸びたのは確実で、米東海岸まで到達可能との分析も出ている。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、「米本土全域が射程圏内にあることが実証された」と言い放った。

北朝鮮は発射を重ね、性能を向上させている。核弾頭の小型化が進み、ミサイルに搭載可能になれば、極めて深刻な事態だ。安倍首相は「日米双方にとって、北朝鮮の脅威が増した」と語った。

発射は、稲田防衛相が辞任した日に行われた。防衛相兼務となった岸田外相が、「空白が生じないよう、対応を取っている」と強調したのは当然である。

日米韓の外相は、国連安全保障理事会の制裁決議採択に向け、協力することで一致した。8月上旬の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議などで、関係国の結束を図る必要がある。

問題なのは、中露が依然、制裁強化に抵抗していることだ。

ロシアは、発射されたのは中距離弾道ミサイルで、ICBMではないと強弁する。中国は、北朝鮮の体制の不安定化を懸念し、原油の供給制限などには消極的だ。

ティラーソン米国務長官は、中露が北朝鮮の核ミサイル開発を経済面で支えているとして、「特別な責任」を果たすよう迫った。

数々の決議に違反する北朝鮮の弾道ミサイル発射を放置することは、安保理の権威を貶(おとし)める。中露は、実効性のある新たな決議を受け入れるべきだ。

韓国は、北朝鮮との軍事当局者会談を呼び掛けていたが、ICBM発射で冷水を浴びせられた。

文在寅大統領は、最新鋭ミサイル防衛システムの在韓米軍への追加配備について、積極的な態度に転じた。今回の発射を契機に、韓国は、「対話」に前のめりな姿勢を改めねばなるまい。
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[朝日新聞] 中国とロシア 北朝鮮の抑制に動け (2017年07月30日)

いまの事態を本当に憂慮しているのなら、北朝鮮の友好国である中国とロシアは具体的な行動をもって、最大限の努力を尽くすべきである。

北朝鮮はおととい深夜、弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に落下させた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験に成功したとしている。

ICBMの発射は今月4日に続き2回目とされる。今や射程は1万キロ超ともいわれ、脅威はアジアにとどまらない。

大量破壊兵器の開発に国力を注ぐ金正恩(キムジョンウン)政権の異常さに国際社会は憤りを募らせている。

ところが国連安保理の動きは鈍い。最初の発射への対応についても意見がまとまっていないのは憂慮すべき事態だ。

国際社会が声をひとつにして北朝鮮に反対姿勢を示せない責任は、中国とロシアにある。

貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」の定期航路を開くなど、ロシアは最近、北朝鮮との関係を強めている。安保理で米国などがめざしている新たな制裁決議についても、反対の立場を変えていない。

もしロシアが北朝鮮への影響力を対米外交の駆け引きに利用するならば、常任理事国として無責任というべきだ。

一方、中国外務省はきのう、ミサイル発射について「安保理決議と国際社会の普遍的な願いに背いた」と非難した。

確かに中国は北朝鮮への締め付けを強めてはいる。2月には北朝鮮の主要な外貨獲得手段である石炭の輸入を止めた。

だが、中国の税関によると、今年上半期の北朝鮮への輸出は前年に比べて30%近く増えた。

中国側は禁輸リスト外の貿易と主張するが、統計上は近年、輸出がないとされる石油を、実際にはどの程度供給しているのかも明らかにすべきだろう。

北朝鮮はかつて、中国と旧ソ連の間を行き来する「振り子外交」を繰り返した。大国の力を利用して打開策を探りつつ、結局は自主路線を強め、現在のいびつな体制を作り上げた。

北朝鮮が本当に危機感を抱くのは、日米韓に中ロが加わり、行動をともにする時である。核とICBMは国際社会全体を脅かす以上、中ロも安保理の新たな決議に同調すべきだ。

日米両政権はいずれも国内問題で支持率が低迷し、韓国は新型迎撃ミサイルシステムの配備をめぐって揺れている。北朝鮮のミサイル発射には、各国の国内の葛藤を突き、足並みを乱す狙いも含まれているはずだ。

関係各国は自国の利害だけに固執せず、暴挙を止めるための行動で結束すべきである。
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2017年07月29日

[産経新聞] 【主張】稲田防衛相の辞任 国の守りは大丈夫なのか (2017年07月29日)

南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報の隠蔽(いんぺい)問題は、稲田朋美防衛相と黒江哲郎防衛事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長の辞任に発展した。

情報公開の不手際が国民の信頼を損なった。それだけでなく、防衛省・自衛隊の中枢が、事後対応で右往左往する姿を内外にさらし続けた。

自衛隊の精強さを保つには、国民の高い支持が欠かせない。統率のとれた自衛隊でなければ、日本を攻撃しようとする周辺国への抑止力たりえない。

稲田氏は、その国防の基盤を台無しにしたのであり、責任は重大である。

安倍晋三首相は「国民の皆さまに心からおわび申し上げたい」と語った。その任命責任は極めて重い。統率力の欠如など、資質や言動に何度も疑問を呈された稲田氏を、首相はかばい続けた。

内閣改造では、とりわけ文民統制の要となる防衛相の選任について判断を誤らないでほしい。

見過ごすことができないのは、公表された特別防衛監察で、稲田氏自身の関与をめぐる疑惑が解消されたとは言えないことだ。

「廃棄済み」だったはずの日報の電子データは陸自で見つかった。だが、防衛省は「行政文書でない」として、保管の事実を非公表とする方針を決めた。

焦点は、稲田氏が陸自側からデータの発見について報告を受けていたかどうかだった。

フジテレビが報じた手書きの議事録によると、2月13日の会議で陸幕幹部が保管の事実を報告し、稲田氏は国会対応を念頭に「明日、何て答えよう」と語った。

一方、稲田氏は保管の報告がなかったと主張している。

出席者の証言の食い違いを理由に、特別防衛監察は「日報のデータについて何らかの発言があった可能性は否定できない」として事実認定を避けた。

稲田氏は辞任で責任を果たしたわけではない。国会の閉会中審査などで説明を尽くすべきだ。

問題となった日報は、陸自で見つかるよりも先に統合幕僚監部が公表済みだったものだ。なぜ防衛省は陸自の保管を非公表にしたのか。その場しのぎの軽率な判断だったというしかあるまい。

いざ有事になったときに戦えるのか。内閣支持率に響くか否か、などという話ではすまない。
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[産経新聞] 【主張】科学的特性マップ 最終処分に至る第一歩だ (2017年07月29日)

原子力発電で生じた高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下深くに埋める最終処分(地層処分)について、国民全体で考えるための『科学的特性マップ』が経済産業省によって公表された。

フィンランドでは昨年末から地下施設の建設工事が始まり、スウェーデンでも処分地が決まっている。日本でも最終処分の実現に向けての前向きで冷静な議論が深まることを期待したい。

原子力発電が「トイレなきマンション」と皮肉られるのは、処分地が決まらないまま、使用済み燃料の形でHLWが発電所内などにたまり続けているためだ。

HLWは万年単位で強い放射線を出し続ける。その超長期保管は人間が行うより、安定した地下の環境に委ねる方が確実性が高い。こうした最終処分の考えは国際的な共通理解となっている。

だが、日本列島には火山や活断層が多い。地下300メートル以深の岩盤中に、HLWを封入した4万本ものガラス固化体を長期にわたって安全に埋設するための適地があるのだろうか。

今回の科学的特性マップこそ、この疑問に答える日本地図なのだ。地質環境を基準に、全国を4色に塗り分けている。

地下の安定性を欠くと考えられる地域(オレンジ色)と地下資源の埋蔵地(銀色)を除いた地域が「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」エリア(黄緑)とされ、その中でも海岸から約20キロ以内が「輸送面でも好ましい」として緑色で示された。

緑色の範囲は国土の3分の1を占め、日本にも十分な適地があると納得できよう。各人が最終処分を身近な問題として考えるための有用な基礎資料になるはずだ。

世耕弘成経済産業相は、マップの提示に際して都道府県知事や市町村長に宛てた手紙を書いた。その中で、提示を「日本社会全体にとって必要な一歩」と説明している。マップが受け入れの判断を、自治体へ性急に迫る性質のものでないことを理解したい。

着工前の調査だけでも20年はかかる。事業の終了までには100年を要するプロジェクトだ。

原子力発電への賛否にかかわらず、処分が必要なHLWは既に発生し、存在している。その後始末は現世代の責任だ。将来世代への先送りは避けねばならない。マップは日本の理性を問うている。
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