2017年05月17日

[東京新聞] 中国「一帯一路」 ウィンウィンが全てか (2017年05月17日)

中国が主導する「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」が本格始動した。習近平国家主席の看板政策だが、米主導の国際秩序転換の狙いが垣間見える。地域の緊張を高める懸念もぬぐえない。

「一帯一路」は習氏が二〇一三年に提唱した。中国から中央アジア、欧州へ続く陸の経済ベルト(一帯)と、東南アジア、インド、アラビア半島を経て欧州へ続く海のシルクロード(一路)で構成される。中国は沿線国間の政策交流、インフラ相互連結、貿易推進、資金融通などが目的だとする。

今月中旬に北京で開催された「一帯一路」の国際会議で、習氏は「一帯一路を平和への道とし、協力と相互利益(ウィンウィン)を核心とする新たな形の国際関係を構築しなければならない」と強調した。

「一帯一路」の沿線には七十カ国以上あるとされ、会議には二十九カ国の首脳をはじめ百三十カ国・地域の代表が参加。習氏は構想を支えるシルクロード基金の新たな積み増しだけで一千億元(約一兆六千四百億円)を拠出すると表明し、大きな拍手を浴びた。

習氏は「成果は共同で享受するものだ」と述べたが、構想には中国が巨大なインフラ建設を通じて沿線国への政治的影響力を強める狙いもあろう。関係国には、中国主導の経済圏拡大を米主導の国際秩序を転換するテコにしようとしているとの見方も根強い。

沿線国が巨額投資を歓迎する一方で疑心暗鬼になるのは、中国が国際法に違反して南シナ海で実効支配を進めるなど強権的なふるまいを改めないからである。

構想の目玉の一つである「中国パキスタン経済回廊」に反発し、パキスタンと領有権問題を抱えるインドは会議への首脳派遣を見送った。構想は地域の緊張を高める恐れもある。

中国はインフラ投資を名目にした進出で自国利益ばかりを図るのではなく、地域の安全保障や沿線国の事情、環境保護などにもきめ細かく目配りしてほしい。

今回の国際会議開催は、中国の首脳部人事が議題となる秋の共産党大会を前に、習氏が自身の看板政策が国際的に支持を得たと国内向けにPRする狙いも潜む。

だが、中国は経済の先行き不安などで資金の海外流出が続き、構想を支える資金面に不安もある。もしも指導者の威信のため民生を犠牲にするようなことがあれば、本末転倒であろう。
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[東京新聞] 日本の平和主義 「改憲ありき」が透ける (2017年05月17日)

戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法九条改正は、自民党結党以来の「悲願」ではある。しかし、安倍晋三首相の九条改正論は、内容にかかわらず、憲法の改正自体を目的とする姿勢が透けて見える。

まずは、自民党の政権復帰直後のことを振り返りたい。安倍首相は二〇一三年一月、本紙のインタビューに「憲法改正は衆参両院ともに三分の二の賛成があって初めて発議できる。極めて高いハードルだ。現実的アプローチとして、私は九六条の改正条項を改正したい」と答えている。

憲法改正がしやすいよう、発議要件を「二分の一」以上に緩和した上で、具体的な改正に取り組む段階論である。しかし、「姑息(こそく)な手段」などと猛反発に遭い、首相もその後、言及しなくなった。

首相が次に持ち出したのは、大地震など自然災害や、武力攻撃を受けた場合に政治空白を避けるための「緊急事態条項」追加だ。

衆参両院の憲法審査会では、その是非についても各党が見解を表明したり、参考人から意見を聞くなど、議論を続けている。

しかし、自民党の改憲草案が緊急事態の際、内閣が法律と同じ効力の政令を制定できることや、一時的な私権制限を認める内容を盛り込んでいることもあり、議論が前進していないのが現状だ。

そこで、首相がこの五月に持ち出したのが九条一、二項を残しつつ、三項を設けて自衛隊の存在を明記する新たな改憲論である。

国防軍の創設を盛り込んだ党の改憲草案よりも穏健に見えるが、歴代内閣は自衛隊を合憲と位置付け、国民の多くも自衛隊の存在を認めている。わざわざ憲法に書き込む必然性は乏しい。

一連の経緯を振り返ると、首相の改憲論からは、改正を必要とする切迫性が感じられない。あるのは、首相在任中に憲法改正を成し遂げたいという「改憲ありき」の姿勢だ。東京五輪の二〇年を改正憲法施行の年と期限を区切ったのも、自らの在任期間を念頭に置いたものだろう。

そもそも憲法の改正は、多くの国民から求める声が湧き上がったときに初めて実現すべきものだ。

憲法に縛られる立場にある行政府の長が、この部分を変えてほしいと指定するのは、立憲主義はもちろん、憲法の尊重・擁護義務に反し、幅広い合意を目指す憲法審査会の努力をも踏みにじるものである。党総裁との使い分けも、正当な主張とはおよそ言えない。
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[産経新聞] 【主張】「一帯一路」会議 覇権主義の危うさ拭えぬ (2017年05月17日)

世界との共存共栄を唱える中国の習近平国家主席の言葉に、どれほどの説得力があったか。

習政権が最重要の国家戦略としている現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をめぐり、初めて開いた国際会議が終わった。

共同声明では反保護主義をうたい、開放的で公平な貿易体制を推進することも記したが、違和感は消えない。

中国を世界の中心に置く新たな国際秩序は、経済、軍事両面での習政権の覇権主義傾向と密接につながるからである。これにより、中国が国際政治の影響力を強める危うさこそ認識すべきである。

日本は一帯一路が世界経済の健全な発展に資するものか、厳しく見極めねばならない。

安倍晋三首相は、一帯一路を資金面で支えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加について「公正なガバナンスが確立できるのかなどの疑問点が解消されれば前向きに考える」とテレビ番組のインタビューで語った。慎重な対応が求められるのは当然だ。

秋の共産党大会に向け、政権基盤の強化が必要な習氏は会議後、構想を全面展開する「新たな段階に入った」と成果を誇った。

新興国は自国のインフラ需要を支える中国マネーに期待し、先進国は中国市場への足がかりとしたい。参加した国にはそんな思惑もあろうが、中国の膨張路線への懸念が払拭されたわけではない。

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中国の海外支援については、人権や環境への配慮を欠き、採算を度外視する弊害が指摘されてきた。軍事利用が可能な港湾整備などへの懸念もあり、「新植民地主義」と批判されている。

これに真摯(しんし)に応えなければ、習氏が「社会制度や発展モデルを輸出することはない」と語っても、額面通りには受け取れない。

中国があえて内政不干渉を掲げている点も要注意だ。ずさんな融資が相手国の腐敗の温床となっても、内政問題として意に介さぬつもりだろうか。

米国主導の既存の国際秩序に揺らぎがみえるなかで、中国は勢力拡張に動いている。トランプ政権の保護主義志向が、中国の覇権主義を利することにならないか。

会議の直前、米国が米産牛肉の中国輸出を取り付け、一帯一路の意義を認めた点も気になる。中長期的な対中戦略の構築に向け、日米間の緊密さが求められる。
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[産経新聞] 【主張】サイバー攻撃 危機感持ち自衛策講じよ (2017年05月17日)

世界中で過去最大規模のサイバー攻撃が仕掛けられ、多数の被害が報告された。病院や鉄道なども攻撃にさらされ、英国では病院での手術を中止する事態も起きた。

金銭目的とみられるが、一般市民の安全、生活を脅かす明らかなテロ行為である。断じて許されない。

日本でも日立製作所などで複数の被害が報告された。政府や企業は警戒を強め、被害の拡大を防ぐことに全力を挙げるべきだ。

パソコンを仕事や生活で使う以上、攻撃を避けるのは難しいが、いかに被害を小さく抑えるかを考えねばならない。

国民レベルでも、コンピューターウイルスの侵入を予防する自衛策を地道にとるなど、危機感を共有することが重要となろう。

攻撃には「ランサム(身代金)ウエア」と呼ばれるウイルスが使われた。パソコン内のデータを勝手に暗号化し、復元したいなら仮想通貨を支払えと要求する、卑劣な手口である。

ウイルスの侵入を許せば、深刻な影響が生じる場合もある。企業や公共機関などは、パソコンに最新式のセキュリティーソフトを導入する措置が欠かせない。

被害に遭った企業の中には、要求に応じるケースもあるが、テロ行為であることを厳しく受け止め、要求に対して安易に応じるべきではなかろう。

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今回のサイバー攻撃について、米大統領補佐官は「150カ国の30万台以上が影響を受けた」としている。前代未聞の事態だ。

過去に使われたウイルスの種類などから、犯行には北朝鮮のハッカー集団が関与した疑いも指摘されている。各国政府は連携を強め、被害の拡大防止や犯罪者集団の特定などに向けて、積極的な協調を図るべきである。

サイバー攻撃対策の支援機関の分析では、日本国内でも約2000台の端末でウイルス感染が確認されたという。日立や系列病院ではメールの送受信などに影響が生じ、鉄道や自治体水道局のパソコンなどでも被害が出た。

被害を受けたパソコンは、米マイクロソフトの古い基本ソフトを使っていた。3月に修正ソフトが配布され、導入済みのものは被害を免れた。

IT戦略を掲げる政府も、国民に対して基本的な自衛策を呼びかける努力を怠ってはならない。
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[毎日新聞] 「核のごみ」最終処分場選び 信頼得る地道な努力を (2017年05月17日)

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原発で燃やした後に出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどこに最終処分するか。

経済産業省は最終処分場になりうる場所を科学的に判断する要件・基準をまとめた。今週から処分事業の実施主体である「原子力発電環境整備機構(NUMO)」とともに市民や自治体への説明会を開いている。

核のごみはすでに大量に発生しており、原発への賛否によらず処分問題は避けて通れない。覚悟を決め、本気で取り組まねばならないが、課題は多い。

処分地選定は一昨年、自治体の公募方式から国がまず複数の候補地を示す方式に変更された。当初は「適性」で区分けした「科学的有望地マップ」の公表を想定していた。

今回はこれを「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」といった表現に変え、区分の仕方も変えた「科学的特性マップ」として公表するという。公表時期は未定だ。

市民や自治体の声を反映して変更したというが、言い換えはわかりにくい。丁寧に説明をしないと国民は混乱するだろう。

政府や事業主体が信頼を得るための努力も欠かせない。そもそも、福島の原発事故で「安全神話」は崩れ、原発政策への不信感は強い。核のごみを地下深くの岩盤に閉じ込めて隔離する地層処分そのものについても納得していない人はいる。

活断層の近くは避けるというが日本の国土には未知の活断層がある。豊富な地下水もマイナス要因だ。こうした懸念に対し、納得のいく説明が求められる。

さらなる安全性の研究や国民の合意形成までの間、地上で「暫定保管」するという考え方にも検討の余地はあるはずだ。

情報の透明性や中立性も重要だ。説明会ではパネリストに国の原発政策や最終処分場の方針に批判的な人を加えることも必要ではないか。会場からの質問にもさまざまな角度から十分に答えてほしい。

さらに処分場選定を前進させるために必要なのは、核のごみの総量を一定レベルに抑えることだ。ごみがどこまで増えるのかわからなければ、処分場受け入れはむずかしい。

原発再稼働の是非は核のごみ問題からも考える必要がある。
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[日経新聞] 米中の動きもにらみ日中関係の改善を (2017年05月17日)

中国が主導する海と陸の現代版シルクロード経済圏「一帯一路」構想を巡る初の国際会議が北京で開かれ、ロシア、イタリア、インドネシア、フィリピンなど29カ国首脳が参加した。経済・政治両面で中国が台頭するなか、日米など主要国が中国との関係をどう調整するのかは重要な課題である。

現代版シルクロード経済圏構想にはもともと、米国が主導する世界秩序を切り崩す狙いがあった。だが、ここに来て中国は米国との連携演出も狙い始めた。

4月、米フロリダ州で習近平・中国国家主席とトランプ米大統領が会談した後、中国は貿易不均衡是正への「100日計画」の一環として米牛肉の輸入解禁、金融面での参入障壁軽減などに応じた。

これを受けてトランプ政権は北京の国際会議に国家安全保障会議(NSC)の幹部らによる代表団を送った。これは北朝鮮の核・ミサイル開発阻止を巡る米中の連携とも関係している。

トランプ政権の発想と行動は従来の米政権とは大きく異なる。それだけに日本としても同盟国、米国との緊密な連携を基本とし、十分な情報収集のうえ、必要に応じて対外政策を調整すべきだ。

その意味で安倍晋三首相が今回、自民党の二階俊博幹事長や今井尚哉首相秘書官らによる代表団を北京の国際会議に派遣したのは評価できる。

二階氏らは16日、北京で習主席と会談し、安倍首相の親書を手渡した。習氏は自身の訪日も含めハイレベルの往来を検討する意向を示した。長く膠着状態だった日中関係には変化の兆しが見える。

今後は昨年、延期された日本での日中韓首脳会談の早期開催、7月にドイツで開く20カ国・地域(G20)首脳会議の際の日中首脳会談、安倍首相の訪中などの調整を進め、関係改善の流れを固める必要がある。

中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への加盟は77カ国・地域となる。その数は日米両国が主導するアジア開発銀行(ADB)を上回る。アジアのインフラ整備への支援はADB、AIIBが共有する目的である。けん制し合うだけではアジアの国々が困惑してしまう。

日米両国はAIIBに参加表明していない。日本は同じ立場の米国と緊密に意見交換しながら運用ルールの透明化を粘り強く求め、建設的な関与を探るべきだ。
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[毎日新聞] 文科省が新テスト案を公表 公平性の確保がカギ握る (2017年05月17日)

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2020年度から始まる新しい大学入試「大学入学共通テスト(仮称)」実施の具体案を、文部科学省が明らかにした。

改革の柱は、英検やTOEFLといった民間の検定試験を英語に採用することと、国語と数学での記述式問題の導入だ。従来の共通試験の枠を超えた改革だけに、十分な公平性を確保する必要がある。

英語の文科省案は、高校3年の4?12月の間に2回まで検定を受験でき、良い方の結果を使える。想定される検定試験は10種類ほどあり、学習指導要領に対応したものを大学入試センターが認定するという。

だが、民間検定試験の会場数や実施回数にはばらつきもある。都市部では受験機会も多く、受験生は検定を選択しやすいが、地方では限定される恐れもある。

検定料の問題もある。英検は2級の試験で5800円する。他には2万5000円以上の検定もある。同省は割引を要請すると説明するが、家庭の経済的格差によって受験機会が制限されてはならない。

成績は、CEFR(セファール)という国際基準に対応させて、結果を6段階に置き換えるという。だが、難易度や試験内容が違う検定を、どうやって一元的にかつ公平に評価するかは課題となるだろう。

文科省は、20年度に民間検定試験だけに切り替える案と、23年度までは現在のマークシート式と併用する案を提示し、意見を募っている。現場が混乱しない対応が求められる。

一方、記述式問題は、国語では80?120字程度の記述を含めた設問、数学は数式・問題解決の方法などを問う、それぞれ3問程度の出題とする。採点は民間業者に委託する。

記述式問題の導入は受験生の思考力や表現力を測るのが目的だった。50万人規模の試験で、短文を記述させるような方法で思考力をしっかり判定できるのか疑問も残る。

また記述式問題は点数ではなく段階別評価だ。受験生自らがどのくらいできたのかを把握できないと、出願などに支障をきたす。明確な採点基準の公表が欠かせない。

文科省は国民に意見を求めた上で、6月中に方針を決定するという。高校や大学の意見を反映させ、安定した仕組みの構築に努めてほしい。
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[日経新聞] 大学新入試は何をめざすのか (2017年05月17日)

大学入試センター試験に代わって2020年度に実施する「大学入学共通テスト」の原案を文部科学省が公表した。知識に加え、思考力、判断力、表現力の評価を重視する改革という。新テストの目的と期待される効果を丁寧に説明し関係者の不安を払拭すべきだ。

国語に最大120字の記述式問題を課し、英語では実用英語技能検定(英検)やTOEICなどの民間試験を活用して「書く」「話す」の技能も評価するのが柱。国語の記述問題と英語の民間試験は得点ではなく段階別で評価する。

だが、他科目は数学を除きおおむねマーク式問題で、1点刻みで受験生をふるいにかける。相対評価という幹に、おおまかな到達度評価という枝を接ぎ木したような構造だ。このため、選抜試験としての精度を疑問視する大学関係者もいる。すでに個別2次試験で受験生の思考力を問う記述式問題を導入している有力国立大学が、新テストの国語の記述問題を利用しないといった事態も想定される。

新テストの機能はセンター試験とどこが違うのか。肝心の点が曖昧だ。受験生を選抜する従来のセンター試験の性格を重視するのか、高校の教育課程の達成度を測る資格試験的な役割を持たせようとする改革の第一歩なのか。将来の方向性を明示する責任がある。

そもそも新テストは、高校と大学教育を円滑に接続させるため、(1)1点刻みで合否を判定するセンター試験一発勝負から複数回受験が可能な到達度評価に転換する(2)各大学が記述式問題を含む個別2次試験で丁寧に学力を判定する――という構想から出発した。

文科省は24年度以降、新テストの複数回実施や、地理歴史・公民や理科にも記述式を導入することを検討する。相対評価の性格を薄め、漸進的に到達度評価への移行を目指す方向とみられる。知りたいのは、それをどのような手段と時間軸で実現するかだ。

関係者の理解を得るためにも文科省は、新テストが目指す改革の工程表を早急に示すべきだ。
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[朝日新聞] 一帯一路構想 中国の資質が問われる (2017年05月17日)

かつてシルクロードは、絹、陶磁器から学術、宗教まで様々なものを伝え、東西文化の懸け橋となった。

その歴史になぞらえ、「一帯一路」は陸と海の交易路を意味するという。そんな名前の経済圏構想を中国が打ち出し、130カ国以上の代表を招いて北京で国際会議を開いた。

中国から欧州に至る輸送インフラの整備を軸とし、沿線国での投資を活発化させる狙いだ。習近平(シーチンピン)国家主席は巨額の援助や融資枠を表明した。

欧米の世論が反グローバル化に傾く中、中国が経済交流の旗振り役として期待されている面がある。巨大な経済力を背景に重責を担うのは必然だろう。

ただ、構想はもっぱら中国資本の進出を促すもので、「新植民地主義」との批判もある。ともすれば自国中心主義に走る従来の姿勢が変わらないのなら、協調的な国際開発の推進役としての資格が疑われる。

中国は外交で不都合な事態が起きると、国際経済のルール違反に問われかねない手段で相手国に制裁を加えてきた。

2010年に人権活動家・劉暁波(リウシアオポー)氏のノーベル平和賞授賞が決まると、ノルウェー産サーモンの通関規制で中国の輸入を激減させた。南シナ海問題で対立するフィリピンの果物も、検疫強化と称して輸入を止めた。

最近は韓国との間でミサイル防衛システムの配備をめぐり対立し、韓国への中国人の団体旅行を制限している。

経済圏づくりをめざす前に、こうした粗雑な振る舞いとは決別しなくてはならない。

国内総生産が11兆ドル超の中国に対し、関係国の多くはその数十分の1か、100分の1に満たない。中国は「内政干渉はしない」とするが、投資1件だけでも小国への影響は大きい。その自覚と自制が求められる。

中国自身が十分に対外開放されているかどうかも問われる。中国に投資する外国企業への制限の多さは、欧州などから改善要求が出ている。また、国内で情報の流れを管理し、世界中の市民が使うソーシャルメディアを遮断しているのは矛盾だ。

さらには中国の軍拡との関連の問題もある。南アジアでの港湾整備は、海軍力増強と無関係なのか。疑いを拭うには相当の対外的な説明と透明性の担保が欠かせない。

習氏は会議で「開放型の世界経済を守る」「公正透明な国際経済ルールを構築する」と言明した。千里の道も一歩から。一帯一路構想は、中国の自己点検から始めてもらいたい。
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[朝日新聞] 対北朝鮮政策 複眼思考で制裁強化を (2017年05月17日)

こんな行動を繰り返す限り、孤立を脱する道は開けないことが今も分からないらしい。

北朝鮮が日本海に向け、またミサイルを発射した。北朝鮮メディアは、新型の地対地中距離ミサイル「火星12」で、「試射は成功した」と伝えた。

国際社会は、核・ミサイル開発を自制するよう警告を強めてきた。トランプ米政権は「戦略的忍耐」は終わったとし、軍事的な圧力を増していた。

その一方で、トランプ大統領は金正恩(キムジョンウン)氏との会談の可能性にも言及した。北朝鮮の行動次第で緊張の事態は変わりうるという硬軟両様のシグナルだった。

それに対する答えが、米本土に達する大陸間弾道ミサイルの一歩手前ともみられる新型ミサイルの発射だった。

米国が軍事行動に動く寸前まで迫り、核兵器や多種のミサイルを備えた国として渡り合いたい――。そんないつもながらの稚拙な考えが透けて見える。

しかし、こんな瀬戸際政策で活路は決して開けない。

国連安保理は、北朝鮮が核・ミサイル実験を続けるなら「さらなる重大な措置をとる」とする報道声明を出した。

このままの状態が続けば、北朝鮮の生命線と言われる石油の禁輸措置も現実味を帯びるだろう。引きつづき中国を筆頭に、国際社会は制裁を徹底する努力を強めるべきだ。

ただ、北朝鮮が今も米国との本格的な対話の再開を望んでいることに変わりはあるまい。

北朝鮮はこれまで、緊張を高めた後で、何もなかったかのように米国との対話を呼びかける変化を見せてもきた。

北朝鮮が体制の保証を取り付けたい最大の相手は米国であり、金政権の真剣な対応を引き出せる場は米朝協議しかない。

圧力で北朝鮮の改心を待つだけなら、核・ミサイル開発の流れは変えられないだろう。

北朝鮮外務省の高官は先日、元米高官と欧州で話し合いの場をもった。日米韓に中ロを加えた6者協議の参加国は、北朝鮮の微妙な変化に目をこらし、効果的な交渉の席に引き込む努力を惜しんではならない。

トランプ氏と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、圧力と意思疎通の双方の道をにらむ構えだが、安倍首相からは圧力を繰り返す単調な発言しか聞こえない。

北朝鮮問題をめぐっては、制裁であれ、融和であれ、どちらか一辺倒の硬直化した政策では打開につながらないことを各国が経験済みだ。日本も米韓との調整を強め、複眼的な結束行動で臨むよう努めるべきだ。
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[読売新聞] 大学新入試案 受験生の力を適切に測りたい (2017年05月17日)

3年後の導入にもかかわらず、解決すべき課題は、まだ多い。

文部科学省が、大学入試センター試験に代えて2020年度から始める「大学入学共通テスト」の実施方針案を公表した。大学や高校関係者らの意見を聞いた上で、6月にも正式決定する。

国語と数学の一部の問題に記述式を導入する。英語では民間の資格・検定試験を活用する。これらが新テストの特徴だ。

国語の記述式では、契約書や行政機関の資料から必要な情報を読み取って、考えをまとめ、論じる問題例が示された。マークシートの問題とは別に、1点刻みではなく、数段階で評価する。

数学では、解答を導く過程の数式の記述を求めている。

知識偏重の入試から脱却し、読解力や思考力、表現力を問う。大学入試改革の趣旨に沿った問題形式だと言えよう。画一的な受験テクニックだけでは、正解を得るのは難しい。高校教育の充実につながることを期待したい。

採点は、大学入試センターが民間業者に委託して実施する。正確かつ迅速に処理するためには、採点基準の明確化や質の高い採点者の確保が不可欠である。

英語の試験は大きく変わる。受験生は基本的に、高校3年の4?12月に2回まで、実用英語技能検定(英検)やTOEFLなどを自ら選択して受ける。各大学は、その結果を入試の成績に用いる。

「読む」「聞く」だけでなく、「話す」「書く」を加えた総合的な英語力を判定する。

その狙いは理解できるが、問題は、民間テストで学力を適切に測れるのか、という点だ。文科省が例示した約10種類の試験は、必ずしも高校の学習指導要領に準拠していない。ビジネスや留学など、想定する目的も一律ではない。

文科省や大学は、問題の質を入念に見極めることが大切だ。

民間試験では1回につき、約5000円から2万5000円程度の受験料が必要になる。家庭の経済状況により、受験機会が制限されるケースも考えられる。

文科省は、民間試験と現行のような共通テストを当面は併用する案と、民間試験の結果だけで評価する案を示した。教育現場の声に耳を傾け、受験生の身になって最終判断することが肝要である。

50万人規模の試験だけに、周到な準備を怠ってはならない。大学入試センターが今年度に実施するプレテストなどで、改善点をしっかりと洗い出してもらいたい。
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[読売新聞] サイバー攻撃 安全対策に手抜かりはないか (2017年05月17日)

市民生活や経済活動に重大な損害を与える卑劣な攻撃である。官民が連携し、安全対策を徹底せねばならない。

「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるウイルスによる大規模なサイバー攻撃が世界を襲った。コンピューターが感染すると、データが暗号化される。復元するには数万円を支払え、と要求する文言が画面に現れる。

先週末からの数日間で、少なくとも150か国・地域にわたり、30万台以上の被害が出た。約30言語が使われ、仮想通貨のビットコインでの支払いを求めるという巧妙な手口である。拡散の速度と規模は、史上最悪レベルだ。

英国では、公的医療機関のシステムが感染し、手術や救急治療が延期される事態に陥った。スペインの通信会社やドイツの鉄道網も被害を受けた。日常生活にかかわる重要インフラを狙った攻撃は、看過できない。

攻撃に使われたウイルスは、米マイクロソフト社の基本ソフトウェア(OS)の欠陥を悪用したものだ。1台が感染すると、企業などのネットワーク内で増殖し、拡散する仕組みになっていた。

欠陥は今年3月に公表され、修正プログラムが配布された。旧型のOSへの対応が遅れたことが、被害の拡大につながった。

OSを常時更新し、ウイルス対策ソフトを導入する。データをバックアップし、不審な添付ファイルは開かない。利用者には、そんな細心の注意が求められよう。

深刻なのは、米国家安全保障局(NSA)がこの欠陥を突くため開発した攻撃用ツールが盗まれ、今回のウイルスに転用された可能性が大きいことだ。

米国、ロシア、中国などは、国家ぐるみでサイバー攻撃能力の向上を進めているとされる。

各国が「サイバー兵器」を厳重に管理し、犯罪者の手に渡さない方策が必要ではないか。一般市民を攻撃から守るための国際ルールの策定も長期的課題となろう。

日本では、日立製作所でメールの送受信障害が起きた。JR東日本では、パソコン1台が感染した。週明けの鉄道運行に支障はなかった。欧米に比べて軽度な被害にとどまっているのは幸いだ。

だが、600か所、2000端末が感染したとの情報もある。警戒を怠ってはなるまい。

2020年東京五輪に向け、日本がサイバー攻撃の標的にされるとの懸念は強い。政府や企業は、情報収集と対策の周知徹底に努めることが欠かせない。
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