2017年05月16日

[産経新聞] 【主張】高レベル廃棄物 理解を深め合意形成急げ (2017年05月16日)

原子力発電の老廃物に相当する高レベル放射性廃棄物(HLW)は、地層処分が必要である。その理解を国民に深めてもらうための活動が、装いを新たに始まった。

国と原子力発電環境整備機構(NUMO)の全国シンポジウム「いま改めて考えよう地層処分」が展開されている。

火山と地震が多い日本列島にも、HLWを万年単位の長期にわたって保存することが可能な土地が存在する。処分事業は地域への押しつけではない。これらを知る好機としてもらいたい。

一般人を対象としたシンポジウムは、14日の東京を先頭に6月18日の大阪まで計9都市で実施される。主要テーマは「科学的特性マップの提示に向けて」である。

HLWはガラス固化体に加工され、鋼鉄製の容器に密封されるなどして300メートルより深い地下の岩盤中に埋設される。

事業の実施主体のNUMOが地下処分場建設を受け入れてくれる自治体を平成14年から公募してきたが見つからず、国が自治体に立地を打診する「申し入れ方式」の導入が25年に決まった。

その際に用いられることになったのが、地質学的な好条件を備えた地域などの分布を示す「科学的有望地マップ」だった。

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だが、「有望地」という言葉からは処分地に直結する印象を受けるとの声が説明会などであがり、国は表現を改めることにした。

かくして、科学的有望地とそのマップは、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」と「科学的特性マップ」に呼称が変わった。4月のことだ。

誤解を回避する措置だが、従来の表現との差などで混乱を招きかねないため、9都市でのシンポジウムで真意の浸透を図る。

説明は大いに結構だが、処分地探しの入り口であるマップの公表までに時間を要しすぎてはいないか。安倍晋三政権は当初、公表を28年中としていたが、半年以上の遅れとなることは確実だ。

国内で発生済みのHLWは、ガラス固化体に換算して約2万5千本分に達する。万年単位で放射能レベルの低下を待つには、地上よりも地下に置く方が適する。国際的にも見解の一致をみている。

フィンランドでは国民的な合意を経て、昨年12月から地下処分場の建設工事が始まっていることも周知すべきだろう。
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[産経新聞] 【主張】沖縄復帰45年 「基地負担」に感謝したい (2017年05月16日)

沖縄が、祖国復帰から45年を迎えた。

先の大戦で沖縄を占領した米国の統治から離れ、日本の一員に戻った沖縄は、実質県民総生産が4兆1749億円(平成26年度)になるなど大きく成長した。

沖縄の人々の歩みを喜びたい。

菅義偉官房長官は会見で「沖縄は県民の皆さんのたゆみない努力(によって)、そして困難を乗り越えながら今日を迎えた」と語った。

この日にあたり、国民が改めて思い起こすべきことがある。それは、先の大戦末期の沖縄戦の歴史と、今も沖縄が米軍基地の負担を引き受けている現実である。

沖縄本島に侵攻した米軍を迎え撃った戦いは、多くの県民、将兵が犠牲となった「日本の悲劇」である。

国土面積の0・6%の沖縄に、在日米軍専用施設の7割が存在する負担の集中は明白だ。国民はその重みを認識し、それを担う沖縄に感謝せねばならない。

緊張が続く北朝鮮情勢から分かるように、沖縄に駐留する米軍は平和を守る強力な抑止力として、機能している。尖閣諸島をねらう中国の脅威へも、にらみを利かせている。

沖縄の米軍基地はその地理的特性から、県民を含む日本国民、アジア太平洋地域の諸国民の平和にとって欠かせない。

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そのような中でも、日米両政府が負担軽減に取り組み、沖縄の米軍基地の面積は復帰時の2万7893ヘクタールから3割減の1万8609ヘクタール(今年1月時点)になった。

米軍普天間飛行場の辺野古移設も重要な負担軽減だ。日米同盟の抑止力を維持しつつ、市街地にある危険性を除去できる。

翁長雄志知事らは今も辺野古移設に反対しているが、抑止力と安全確保を損なうという問題意識を欠いたままだ。復帰45年のコメントでも、「発展の最大の阻害要因だ」と米軍基地を非難するばかりだった。

基地負担を通じ、平和に貢献している沖縄の重要な役割を強調すべきではなかったか。

安全保障に責任を負う政府が、辺野古移設の工事を進めるのは当然である。同時に、移設の意義を県民に粘り強く説明していく必要がある。基地負担の軽減と沖縄振興に、政府が力を尽くすべきことは、何ら変わりはない。
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[東京新聞] 北新型ミサイル 包囲網の再構築を急げ (2017年05月16日)

北朝鮮が新型とみられる弾道ミサイルを発射した。国際社会は制裁を強めて核、ミサイル開発の資金源を断ち、併せて米国と中国が利害を超えて、北朝鮮を対話の席に着かせる努力が欠かせない。

北朝鮮メディアは発射翌日の十五日、「新型の中長距離弾道ミサイル発射に成功した」と報じ、軌道については、日韓当局が試算した「飛距離約八百キロ、高度二千キロ以上」に近いデータを公表した。

日本の排他的経済水域(EEZ)外の日本海に落下した。通常の角度で発射すれば飛距離は四千キロを超えるといい、グアムの米軍基地も射程に入る。また高度の上空から加速して落下してくれば、迎撃ミサイルでの対応が難しくなる。

米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成に一歩近づいたとの見方もあり、脅威はさらに高まった。

国連安全保障理事会は緊急会合を開くが、まず厳しい非難声明を出す必要がある。

発射は韓国の文在寅新大統領の就任から五日目、中国にとっては、重要な「一帯一路」国際会議の開幕日だった。強い不快感を与える暴挙というしかない。

北朝鮮の最終的な目標は、核とミサイルで戦力を高めた上で、米国と交渉し、金正恩体制の保証を取り付けることだろう。

強硬策の一方で、北朝鮮は外交を模索しているようだ。先週、ノルウェーで開かれた国際会議に外務省局長を派遣し、米政府の元高官と接触した。北朝鮮はトランプ米政権から米韓合同軍事演習により強い圧力を受け、中国からは石炭輸入の停止を通告されるなど、外交で孤立し、経済も苦しいのは否定できない。

米中が北朝鮮の暴走を止めるために協調し始め、一方で韓国の文政権は環境が整えば南北対話の再開を目指すという。日本、ロシアも含めた北朝鮮を巡る関係五カ国が十分に意見交換をし、連携を強めながら、対北包囲網の再構築を急ぐことが重要だ。

関係国はまず制裁を強化して、外貨など、核、ミサイル開発に必要な資金源を断つことに総力を挙げる。次に、北朝鮮が譲歩する動きを見せた段階で、交渉のテーブルに着かせることを当面の目標にすべきだ。

北朝鮮のミサイルには事前探知と、発射直後の追尾が差し迫った課題になる。日本は米国、韓国との防衛協力を着実に進める必要がある。
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[東京新聞] 日本の平和主義 不戦が死文化しないか (2017年05月16日)

自衛のための戦争なら何でも許される−、そう考えるのは誤りである。振り返れば、日本に限らず「自衛」の名を借りて、侵略戦争を引き起こしてきたからだ。

一九四六年六月。新憲法制定の帝国議会における吉田茂首相の答弁を振り返ってみよう。<近年の戦争は多く自衛権の名において戦われたのであります。満州事変しかり、大東亜(太平洋)戦争しかりであります。今日わが国に対する疑惑は、日本は好戦国である。いつ再軍備をなして復讐(ふくしゅう)戦をして世界の平和を脅かさないともわからないということが、日本に対する大なる疑惑であり、また誤解であります>

だから、九条を定め、この誤解を正さねばならないという吉田の主張である。導き出されるのは、九条は自衛戦争も含めた一切の戦争と戦力を放棄したという、憲法の読み方である。

もっとも主権国家である以上、自衛権をも否定するものではないと解されてきた。そして、政府は自衛のため必要最小限度の実力を保持することは憲法上認められるとしてきた。その実力組織こそが自衛隊だった。

学問の上では違憲・合憲のやりとりは今も続くが、国民の生命や自由を守るための実力組織としての存在は、国民から支持を得ているのは間違いない。

ところが、安倍晋三政権下で他国を守る集団的自衛権の行使の問題が起きた。歴代の内閣法制局長官が「憲法改正をしないと無理だ」と述べたのに、一内閣の閣議決定だけで押し通した。「憲法の破壊だ」と声が上がったほどだ。安全保障法制とともに「違憲」の疑いが持たれている。

今までの個別的自衛権は自国を守るためであったし、自衛隊は「専守防衛」が任務であった。それなのに任務が“突然変異”してしまった。他国や同盟国の艦隊などを守る任務は明らかに九条の枠内から逸脱している。歴代の法制局長官もそう指摘してきた。

安倍首相は九条一項、二項はそのまま残し、三項以降に自衛隊を書き込む改憲案を提唱している。もともと不意の侵入者に対する自衛権だったのではなかったか。もし米軍とともに他国まで出掛けていく自衛隊に変質していくのなら、九条の精神は死文化すると言わざるを得ない。

平和憲法を粗末にすれば、「自衛」の名を借りた、自衛戦争をまた引き起こす恐れが出てくる。
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[日経新聞] やはり北への圧力が先決だ (2017年05月16日)

国際社会が柔軟な態度を示しても、北朝鮮は全く聞く耳をもたないということだろう。

北朝鮮が今年7回目の弾道ミサイル発射を強行した。北西部から発射し、飛行距離は約800キロメートル、高度は初めて2千キロメートルを超えたという。北朝鮮は新型の中長距離弾道ミサイル「火星12型」と称し、発射に成功したと発表した。

「重量核弾頭の装着」が可能なミサイルで、高い角度で発射したとも強調した。日本政府は落下速度を上げて迎撃を難しくする「ロフテッド軌道」で発射された可能性があるとみており、北朝鮮が核・ミサイル技術を着々と向上させているのは間違いない。

米国のトランプ政権は軍事的な圧力を強める一方で、北朝鮮が核開発を放棄すれば米朝首脳会談に応じる可能性も示唆。当局者による非公式接触にも応じた。だが、金正恩(キム・ジョンウン)委員長は米国が「正しい選択」をするまで、核・ミサイル開発と実験を継続するよう指示したという。

度重なる威嚇は、米国との対話の条件をつり上げる思惑もあるのだろうが、断じて容認できない。国際社会は結束して制裁圧力を一段と強めていく必要がある。

今回の発射は、北朝鮮の後ろ盾とされる中国で「一帯一路」国際会議が開幕する日に強行された。韓国で北朝鮮との対話や協力を重視する文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任した直後でもある。ミサイルは北朝鮮に融和的なロシアの領海付近に落下した。

将来的な対話はもちろん欠かせないが、核放棄を促す道筋がみえないのに、闇雲に融和路線を唱えても北朝鮮の暴走を助長するだけだ。中ロや韓国も北朝鮮の脅威を直視し、まずは圧力強化へと足並みをそろえるべきだ。とくに中国には、金政権に大きな打撃を与える石油供給の制限や停止措置を真剣に検討してもらいたい。

日本政府は米韓との連携を軸に圧力を強めるとともに、新たな迎撃システム導入を含めた防衛強化への準備を進めていくべきだ。
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[毎日新聞] 中国の「一帯一路」会議 信頼得られる援助構想を (2017年05月16日)

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中国が提唱する陸と海のシルクロード経済圏構想「一帯一路」の推進に向けた初の国際首脳会議が開かれた。インフラ投資を通じ、アジアからアフリカ、欧州につながる地域の発展を目指す巨大プロジェクトだ。

経済大国になった中国が世界の発展や安定に寄与しようとするのは望ましい。しかし、自国の経済、軍事戦略を優先するなら距離を置きたくなる。是々非々で協力を考えたい。

会議には東南アジアや中央アジア各国の首脳ら約130カ国の代表が参加した。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を主導し、シルクロード基金を創設した中国の資金力への期待が大きいのだろう。

日米が主導するアジア開発銀行(ADB)もアジアでは2030年までに約2900兆円のインフラ需要があると試算し、AIIBとの協力姿勢を示している。

一方で中国には鉄鋼など過剰な生産能力を活用し、高速鉄道など自国のインフラ技術の輸出にもつなげたいという思惑がある。これに米主導の国際秩序を変えていこうとする戦略も重なる。習近平(しゅうきんぺい)国家主席は会議で「中国は内政に干渉せず、発展モデルを押しつけることもない」と米国との違いを強調した。

しかし、露骨に覇権拡大に利用されるのでは周辺諸国はたまらない。インドは対立するパキスタンと中国を結ぶ経済回廊建設やインド洋での港湾建設を警戒している。日米など主要7カ国(G7)は今年の議長国のイタリアをのぞき、首脳の参加を見送った。習主席のかじ取りがどうなるか。まずは様子見の構えだ。

中国が真剣に「一帯一路」の発展を考えるなら朝鮮半島や南シナ海など周辺地域の安定が不可欠だ。南シナ海で自ら緊張を高めているようでは構想の実現はおぼつかない。

国際基準に沿った援助が進められるかも懸念材料だ。返済能力に見合わない過剰融資や汚職が横行すれば、健全な発展にはつながらない。習主席が提唱する「平和で繁栄し、開放された道」の実現には、中国自身の体質改善も必要だ。

日本はシルクロードの東方の終着点だ。外から批判するだけでは影響力は限られる。部外者でいいのか。中国とも対話を重ね、協力のあり方について考えたい。
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[日経新聞] サイバー攻撃からの防御に基本の徹底を (2017年05月16日)

大規模なサイバー攻撃が先週末に起き、世界各地の企業や団体が被害を受けた。事件の全容は明らかになっていないが、攻撃の手法が高度になっていることが背景にある。企業や利用者は備えが十分かを再点検する機会としたい。

今回のサイバー攻撃には「ランサム(身代金)ウエア」と呼ぶウイルスが使われた。電子メールなどを通じて侵入し、パソコンやサーバーに保存した情報を勝手に暗号化して使えなくする。元に戻すのと引き換えに仮想通貨「ビットコイン」で300ドル(約3万4千円)を要求するという手口だ。

いち早く被害が明らかになった英国では複数の病院で治療ができなくなり、日本企業でも日産自動車や日立製作所で電子メールが使えなくなるなどの影響が出た。少なくとも150カ国で20万件を上回る被害が出たとの見方もある。

こうした手口は10年以上前からあった。今回はウイルスに自動的に広がる機能が入っており、被害が異例の規模になったようだ。ただ、備えを十分にしていれば被害を免れたことも見逃せない。

今回の攻撃は米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の欠陥が原因のひとつで、同社は3月に修正ソフトを無償配布した。ソフト会社はこうしたソフトの配布に関する情報の周知を徹底し、利用企業もソフトを常に最新の状態に保つべきだ。

企業によってはマイクロソフトが修正ソフトの提供をやめた古いOSを使っていたり、自社の専用システムに修正ソフトが適合するかを確認するのに時間がかかったりすることがある。企業経営者はサイバー攻撃のリスクを重く受け止め、備えを急ぐ必要がある。

一般の利用者も差出人が分からない電子メールには注意する、セキュリティー対策ソフトを利用するといった基本を徹底すべきだ。

今後、自動車や家電など多様な機器がネットにつながる「IoT」が普及すると、サイバー攻撃の影響は一段と大きくなる。我が国では東京五輪が開かれる2020年に向け、攻撃が激しくなることを覚悟しないといけない。

こうした環境の変化に備え、高度な専門知識を持つ人材の育成や、官庁、研究機関、企業といった組織の枠を超えた情報共有など、あらゆる手段を講じるべきだ。サイバー攻撃を完全に防ぐ手立ては見つからないが、着実な取り組みが被害の縮小につながる。
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[毎日新聞] 北朝鮮「新型ミサイル」 技術水準の見極めが急務 (2017年05月16日)

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北朝鮮がまた日本海へ向けてミサイルを発射した。

韓国の新政権発足や中国での国際会議開幕に合わせたかのようなタイミングだ。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は今後もミサイル実験を続けるよう指示した。

自国を取り巻く国際環境とかかわりなく核とミサイルの開発を進める姿勢を示したものであり、厳しく非難されるべきだ。

今回とりわけ見過ごせないのは、「完全に新しく設計した」と主張する中長距離弾道ミサイルで技術の進展を誇示していることだ。

北朝鮮の発表によれば、ミサイルは高度2100キロ超まで上昇し、787キロ先に着水した。通常より高角度で打ち上げ、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」だった。

昨年6月に同様の軌道を取った中距離弾道ミサイル「ムスダン」を、高度、飛距離とも大きく上回った。今回のミサイルが通常軌道で発射された場合、グアムを完全に射程内に収めると見られる。

ロフテッド軌道で発射されると、大気圏外から落下してくる速度が速まり、ミサイル防衛(MD)での迎撃が難しくなる。

北朝鮮は、大気圏再突入に耐える弾頭部の性能向上も主張した。これも看過できない問題だ。

日米は、北朝鮮が核兵器をミサイルに搭載するための小型化には成功した可能性があると見ている。それでも大気圏再突入の技術獲得には至っていないと考えられてきた。

弾頭部を回収できない海上への発射で技術の確立を確認できるのか疑問は残る。だが、ミサイル開発にかける北朝鮮の執着心を考えれば、一定の進展を見た可能性はあろう。

北朝鮮は昨年から、複数のミサイルを同時発射する実験も繰り返している。これもMDの迎撃を難しくするものだ。

自民党内では既に、迎撃には限界があるとして敵基地攻撃能力を保有すべきだという主張まで出ている。

しかし、状況を見極めることなく性急に専守防衛から外れる議論をすべきではない。まず北朝鮮の核・ミサイル能力の冷静な分析が必要だ。

同時に、対北朝鮮政策では日米韓の連携が基本であることを改めて確認すべきである。
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[朝日新聞] 沖縄復帰45年 犠牲いつまで強いるか (2017年05月16日)

日本に復帰して45年がたった沖縄は、いまも過重負担にあえぐ。国土のわずか0・6%に、米軍専用施設の7割がある。

朝日新聞などが実施した県民世論調査で、この基地の集中を「本土による沖縄への差別だ」とみる人が54%にのぼった。

先の大戦で本土を守る「捨て石」にされて以来の苦難を身をもって知り、あるいは経験者の姿や話を直接見聞きしてきた世代を中心に、こうした思いが広がるのは当然だろう。

政府はことあるごとに「沖縄の基地負担軽減」を口にする。だが名護市の稲嶺進市長は「県民が実感できる状況にない」と話す。これも、ごく自然な受けとめということができる。

米軍普天間飛行場の移設のための埋め立て工事が、同市辺野古沿岸部で先月から始まった。県が求める協議に応じず、所定の手続きも踏まず、6割を超す「辺野古ノー」の民意を無視しての着工である。近年、沖縄以外のどこで、このような乱暴な措置がとられただろうか。

辺野古の他でも、負担軽減とは正反対の事態が相次ぐ。

約1年前、ウォーキング中の女性を襲って殺害したとして米軍属が起訴された。夏以降、本島北部のやんばるの森で、オスプレイが使うヘリコプター着陸帯の建設が強行され、年末にはそのオスプレイが名護市安部の海岸に落ちて大破した。

先月、恩納村の米軍基地内にあるダム工事現場で工事業者の車に流れ弾が当たり、先月と今月には米軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練が行われた。危険な訓練なので別の基地に集約し、そこでのみ実施するという日米合意は無視された。

軍用機による騒音や環境汚染は日々発生・継続している。翁長知事はきのう発表した「復帰の日コメント」で、基地の存在を「沖縄の更なる振興発展の最大の阻害要因」と指摘した。

沖縄県民は敗戦直後に公民権を停止され、国会に代表を送れなかった。平和主義や基本的人権の尊重をうたう憲法を、施行から四半世紀遅れて、復帰の年にようやく手にしたものの、基地がもたらす現実の前に、その理念はかすんで見える。

この島の人々の声に耳を傾けよう。まだ間に合う。政府は辺野古沿岸の埋め立て工事を中止し、すみやかに沖縄県との話し合いの席に着くべきだ。

国民一人ひとりも問われる。無理解、無関心から抜けだし、沖縄の歴史と現実にしっかり向きあう。知ること、考えることが、政権のかたくなな姿勢を改めさせる力になる。
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[読売新聞] G7財務相会議 格差是正に自由貿易が必要だ (2017年05月16日)

世界経済の持続的成長には格差の是正が欠かせない。そのためにも、自由貿易体制の重要性の認識を先進国が改めて共有せねばなるまい。

イタリアで開かれた先進7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は共同声明で、「過度の格差は、将来の潜在成長率を抑制する」と警鐘を鳴らした。

「多くの国で格差が顕著に見られ、特に低・中所得者に影響を与えている」とも指摘した。

社会の分断や、地域間・世代間の格差拡大を是正できなければ、息の長い成長は望めない。この観点から、政策協調を深めようとするG7の合意は評価できる。

声明は、財政出動と構造改革を組み合わせ、低所得層にも恩恵が及ぶようにすべきだとした。

欧米でポピュリズムが台頭した背景には、格差拡大による大衆の不満が影を落としている。格差社会の固定化は、成長の核となる中間層を弱め、活力を失わせる。それがG7の抱く危機感だろう。

米国は、鉄鋼など競争力の劣る製造業地帯を抱える。欧州は、多くの国で若者の失業率が高い。各国は個別事情に配慮しつつ、効果的な施策を講じる必要がある。

問題は、米国が自らの産業構造転換の遅れを棚に上げ、自由貿易をやり玉に挙げる保護主義的な主張を繰り返していることだ。

麻生財務相が会議で「自由貿易が経済の繁栄に寄与してきた」と強調したのは、もっともである。同様の意見が相次いだという。

ムニューシン米財務長官は会議後、「他国との貿易が公正ではない場合、保護主義的な行動をとる権利がある」と明言した。

貿易が「公正」かどうかは、立場によって解釈が異なることが珍しくない。通商紛争が生じれば、世界貿易機関(WTO)の裁定に委ねるのが国際ルールだ。

トランプ米政権は、自国に不利な場合は、WTOに従わない可能性を示唆している。G7を主導してきた米国が孤立を深める事態は極めて異常である。保護主義で世界経済の停滞を招けば、格差是正も果たせないだろう。

今月下旬の主要国首脳会議(サミット)は、トランプ大統領が初参加する。今回の議論を踏まえ、貿易が主要議題の一つとなる。

米国内の格差問題を、貿易相手国に責任転嫁する姿勢に変化が見られるか、どうなのか。

米国が格差是正に本気で取り組むなら、国外に敵を見つける政治ゲームから卒業し、国内で実のある対策を急ぐべきである。
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[朝日新聞] 憲法70年 国民分断する首相方針 (2017年05月16日)

衆参両院で3分の2を超える自民、公明、維新など「改憲勢力」の数の力で、安倍首相が提案した憲法9条改正を発議させる――。そうした構図が見えてきた。

首相は先週末、自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長に対し、衆参の憲法審査会に提案する案のとりまとめを急ぐよう指示した。それに先立つ同本部の幹部会では首相補佐官が、自公維による国会発議が首相官邸の意向だと発言したという。

一連の首相の指示は二つの意味で筋が通らない。

ひとつは、憲法改正を発議する権限は国会にあるということだ。行政府の長である首相が自らの案を期限を切って示し、強引に動かそうとするなら、「1強」の暴走と言うしかない。

二つ目は、衆参の憲法審査会で現場の議員たちが培ってきた議論の基盤を崩すことだ。

憲法改正原案を審査する役割を持つ憲法審は、2000年に設置された旧憲法調査会以来、小政党にも平等に発言機会を認めるなど、与野党協調を重んじる運営を続けてきた。

憲法は国の最高法規だ。通常の法案や予算案以上に、その扱いには幅広い政党間の合意形成が求められる。

だからこそ憲法審の議員たちは、与野党を超えた合意づくりを心がけてきた。その関係を、首相が壊したのは今回が初めてではない。

第1次政権だった07年の年頭会見で「憲法改正を私の内閣でめざしたい。参院選でも訴えたい」と表明。与野党の協調ムードを踏みにじった。

それでも首相の前のめり姿勢は変わらない。12年末には改憲の国会発議のハードルを衆参の3分の2以上の賛成から過半数に下げる96条の先行改正を持ち出し、野党や世論の反発を受けて封印した。

改憲にこだわる首相の姿勢と国民の思いには落差がある。

本紙の世論調査では、今回の首相の改憲提案を47%が「評価しない」とし、「評価する」の35%を上回った。首相の言う9条改正についても「必要ない」が44%で、「必要だ」は41%だった。民意は二分されている。

首相に一番力を入れてほしい政策を聞くと、社会保障29%、景気・雇用22%と続き、憲法改正は5%に過ぎなかった。

憲法改正は、多くの国民が必要だと考えた時に初めて実現すべきものだ。

首相の意向だからと、世論を二分する改正を数の力で押し通せば、国民の間に深い分断をもたらす恐れがある。
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[読売新聞] 「一帯一路」会議 中国主導で国際秩序築けるか (2017年05月16日)

中国主導の国際秩序構築に向けて布石を打っても、独善的な振る舞いを改めない限り、日米などの不信感は拭えない。

習近平政権が北京で、巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際協力会議を初めて開いた。

この構想は、2013年秋に習国家主席が提唱した。かつての陸と海のシルクロードを軸にアジアと欧州を結び、沿線国のインフラ整備や貿易の活性化を目指す。

会議には、130か国以上から計1500人が参加した。ロシアやイタリア、フィリピンなど29か国は、首脳が出席した。

今秋、習氏は5年に1度の共産党大会を開く。最大の外交イベントと位置づける「一帯一路」会議を成功させることで、自らの威信強化につなげる思惑があろう。

習氏は開幕式で、「協力と共存共栄を中核とした新たな国際関係を築く」と演説し、米国中心の既存秩序を牽制(けんせい)した。インフラ投資などの資金を賄う「シルクロード基金」に、約1兆6400億円を追加拠出する方針を表明した。

そのうえで、「多国間貿易体制を守り、自由貿易圏の建設を推進する必要がある」とも語った。

トランプ米政権が環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱したことを念頭に、「世界経済の牽引役」を自称したいのだろうか。

国内で外国企業の活動を制限する。過剰生産した安い鉄鋼製品を大量に輸出する。そんな中国が米国に代わって自由貿易を先導するとの主張は説得力を欠く。

インフラ案件では、共存共栄を唱えながら、強引な手法や見通しの甘さから事業が停滞するケースも目立つ。インドネシアの高速鉄道計画は、その象徴と言える。

問題なのは、海のシルクロード構想が港湾整備を通じた海軍の拠点確保と表裏一体である点だ。

インド洋周辺にあるパキスタンやスリランカの港などでは、大規模な投資が進む。中国は経済的な恩恵を強調するが、米国排除を狙った覇権主義的な海洋進出を支える港湾整備なのは間違いない。

アフリカ北東部のジブチでは、海軍補給基地の建設が進行中だ。軍事拠点化が完成しつつある南シナ海の人工島とともに、インドなど周辺国の懸念を招こう。習政権が力の支配を続けるなら、「一帯一路」の成功も覚束(おぼつか)ない。

日本は、自民党の二階幹事長らを会議に派遣した。日中関係はもとより、アジア地域の安定と発展に寄与するかどうかを慎重に見極めることが重要である。
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