2017年05月14日

[産経新聞] 【主張】消える村議会 これがリアルな人口減だ (2017年05月14日)

人口約400人の村で住民自治が存続の危機を迎えている。

離島を除き全国で最も人口が少ない高知県大川村で、定数6の村議会議員のなり手が足りなくなりそうで、議会に代わる「村総会」の設置が模索されているのだ。

議会を廃止し、有権者が予算などの議案を直接、審議する総会の仕組みは地方自治法に定められている。

注目すべきは、単に地方の議会制のあり方にとどまらない。過疎化と高齢化が進む人口減社会の弊害が、地方自治をリアルに破壊しようとする姿である。

かつて周辺自治体との合併話も持ち上がったが、頓挫した。若い世代もいるにはいるが、仕事を抱え、議員になるのは二の足を踏む。こうしたことは、この村に特有の問題と言い切れない。

人口1000人未満の自治体は30近くに及ぶ。全国の自治体のほぼ半数が、将来的な消滅の危機を指摘されている。町村議選が無投票というケースも、決して珍しいことではなくなった。

高市早苗総務相は総会設置の動きについて「著しく人口の少ない町村で一つの選択肢となり得る」と述べた。自治体から相談があれば総務省として助言するという。とはいえ、いざ村総会を実際に運営するとなれば、簡単にはいかないことが予想される。

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設置には、自治体が具体的な運営方法などを定める条例を制定しなければならない。こうしたものは、昭和20年代に東京都の旧宇津木村(現八丈町)で設けられた1例があるだけだ。

山間地に集落が点在している状況では、有権者が一堂に会するだけでも大仕事だ。議会が処理してきた議案の全てを、総会が担えるだろうか。

より大きな問題は、仮に村総会が動き出したとしても、大川村が抱える課題が直ちに解決するわけではないことである。行政サービスの提供をはじめ、住民の暮らしを守り続けられるか。

「医療難民」や「買い物難民」の発生が、全国の過疎地で表面化している。国や都道府県はこれらの現状にどう対応していくのか、具体策を問われている。

大川村の現状は、人口が激減した後の日本の姿を示す。村総会が成功するか。今後の地方議会のありようにも一石を投じよう。関心を持って見守りたい。
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[産経新聞] 【主張】旭日旗 理不尽な処分の撤回求む (2017年05月14日)

「旭日旗」が、理不尽なバッシングにさらされている。

アジア・サッカー連盟(AFC)が、4月の韓国での試合でサポーターが旭日旗を掲げたことを問題視し、J1川崎フロンターレに、厳しい処分を下した。

差別を禁ずる規定に反したという理由だが、誤った認識に基づく不当な処分であり、撤回を求めたい。

旭日旗に差別やヘイト(憎悪)の意味合いはない。日本サッカー協会やJリーグがそう反論しているのは当然である。

AFCは川崎に、罰金約170万円とホーム1試合の無観客試合(1年間の執行猶予)処分を科した。無観客試合となれば、クラブは数千万円の損失を被る。

サポーターの行動が最初から騒動を起こして政治問題化させることが目的であったなら、旗の正当性とは別に論外であろうが、今回はそうした様子もない。

処分を受けて菅義偉官房長官は旭日旗について「自衛隊旗や自衛艦旗だけでなく、大漁旗、出産、節句の祝い旗など広く使用されている」と述べた。

朝、東から昇る太陽をかたどった旭日旗は、日の丸とともに「日の本の国」を象徴し、縁起がよく元気が出るデザインとされる。朝日新聞社の社旗も旭日を意匠としている。

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旭日旗は明治時代に日本海軍の軍艦旗、日本陸軍の連隊旗に採用され、日の丸とともに掲げられてきた。陸上自衛隊の連隊旗、海上自衛隊の自衛艦旗にも用いられ、国際社会は受け入れてきた。先の大戦で日本と戦った米軍もごく自然に敬意を表している。

近年になって韓国は、旭日旗を「戦犯旗」「軍国主義の象徴」と非難しだした。ナチス党のハーケンクロイツ旗と同列視する極論まで韓国にあるが、これらは明らかな言いがかりである。

安全保障にも弊害が出ている。昨年の海自・各国海軍の共同訓練では韓国メディアが自衛艦旗(旭日旗)を問題視し、各国艦船の韓国・済州島入港が中止された。

自衛艦旗は軍艦と民間船舶を区別するため、国旗とは別に軍艦旗を掲げる国際ルールにのっとったものだ。

緊張の度合いを深める朝鮮半島情勢にあって、こんなことで緊密な安保協力を保てるのか。不安は募るばかりである。
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[東京新聞] 週のはじめに考える 沖縄、統合と分断と (2017年05月14日)

四十五年前のあす十五日、沖縄県は日本に復帰しました。しかし、米軍基地をめぐる沖縄と本土との分断は以前にも増して深まっているように見えます。

<みそとせの歴史流れたり摩文仁の坂平らけき世に思ふ命たふとし>

天皇陛下が皇太子時代の一九七六年、歌会始で詠まれた歌です。陛下はこの前年、皇后さまとともに初めて沖縄県を訪問され、本島南部の摩文仁を訪れています。

その三十年前、太平洋戦争末期に、沖縄は住民を巻き込んだ激烈な地上戦の戦場と化しました。摩文仁は、慰霊塔が並ぶ沖縄戦最後の激戦地です。


◆両陛下、慰霊に思い深く
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沖縄戦では当時六十万県民の四分の一が犠牲になった、とされます。陛下の歌からは、戦没者を悼む深いお気持ちが伝わります。

両陛下の沖縄訪問は皇太子時代を含めて十回を数えますが、いつも真っ先に訪ねるのが南部の戦跡です。七九年、摩文仁に国立沖縄戦没者墓苑ができてから、必ず最初の訪問先になっているのも、両陛下の強いご希望だといいます。

陛下は八一年の記者会見で「日本では、どうしても記憶しなければならないことが四つはあると思います」と述べられています。

四つとは、広島、長崎に原爆が投下された八月六日と九日、終戦の同十五日、沖縄で大規模な戦闘が終結した六月二十三日です。

太平洋戦争の戦没者慰霊の旅を続ける両陛下にとって、沖縄戦での多大な犠牲は、広島、長崎への原爆投下と同様、記憶にとどめるべき出来事なのです。

天皇の名の下に始まった戦争の犠牲者慰霊こそ、国民の安寧を祈る天皇としての務めとされているのでしょう。しかし、沖縄に寄せる深いお気持ちは、それだけではないように思えてなりません。


◆天皇制支配枠外の琉球
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沖縄にはかつて「琉球国」という、日本とは別の国家だった歴史があります。江戸時代の薩摩藩による侵攻を経て、日本とされたのは明治時代の琉球処分によってです。日本史上、沖縄は長い間、天皇制支配の枠外だったのです。

明治政府によって、沖縄は徐々に日本に「統合」されていきましたが、日本の敗戦によって再び、本土から切り離されます。苛烈な米軍統治の始まりです。米国から日本に施政権が返還されたのが七二年五月十五日でした。

戦後施行の日本国憲法は、天皇の地位を「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定めます。

日本とは別の独立国だった歴史を持ち、戦後は一時期、異国支配の苦難を強いられた沖縄です。

国政に関する権能を有しない天皇ですから、安易な推測は慎むべきですが、そうした沖縄だからこそ、天皇陛下は深い思いを寄せることで「統合」の象徴としての務めを誠実に果たそうとされているのではないでしょうか。

沖縄にとって四十五年前の本土復帰は、日本国憲法の下への復帰でもありました。

人権軽視の米軍統治下にあった沖縄の人々にとって、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を基本理念とする日本国憲法は輝いて見えたことでしょう。

しかし、沖縄では憲法の基本理念は、いまだに在日米軍専用施設の約70%が県内に集中することによって、完全に実現されているとは言えない状況です。

沖縄は日本全体の安全保障のために重い基地負担を強いられています。本土と沖縄を隔てる分断の構図は、本土決戦を遅らせる「捨て石」とされ、多大な犠牲を出した沖縄戦と同じです。

翁長雄志知事をはじめ沖縄県民の多くは名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設に反対しています。

それがたとえ危険な米軍普天間飛行場を閉鎖し、日本側に返還するためであっても、同じ県内に移設するのなら、県民には抜本的な負担軽減にはならないからです。

日米安全保障体制が日本と周辺地域の平和と安全に死活的に重要だというなら、その米軍基地負担は沖縄に限らず、日本全体ができる限り等しく負うべきでしょう。


◆県民威圧する安倍政権
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にもかかわらず、安倍政権は県側の言い分に耳を傾けず、辺野古での基地建設を強行しています。県外から警察官を投入し、抵抗する県民を威圧するような強権的手法は、国民の統合に逆行し、本土と沖縄との分断を煽(あお)るだけです。直ちにやめるべきだ。

沖縄の地元紙などによる世論調査では約八割の県民が「復帰してよかった」と答えています。

私たちは、沖縄の歴史や苦難、そして今も強いている重い基地負担にもっと思いを致すべきでしょう。それが、国民統合を肯定的に受け止めている沖縄県民の思いに応えることにもなるからです。
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[日経新聞] 成長を続けるアマゾンの光と影 (2017年05月14日)

電子商取引の草分けである米アマゾン・ドット・コムが15日、株式上場から20年の節目を迎える。同社はネットを通じた買い物を定着させた。一方で寡占の防止などの課題も浮上している。

アマゾンは企業価値を示す株式の時価総額が4500億ドル(約51兆円)を超えた。背景には高い成長力がある。2016年の売上高は邦貨換算で15兆円に迫り、この規模でもなお、前年比増加率は30%近い。成長を続ける経営には日本企業も学ぶところがある。

多くの電子商取引分野の企業のなかでアマゾンが勝ち残った理由はまず、徹底した顧客重視だ。

商品に関する購入者の否定的な感想も紹介する。自社サイトで他社の商品も取り扱う。短期的に売上高が減る可能性があっても、顧客の立場でこうした取り組みを進め、支持を広げた。

価格も大きな要素だ。多くの商品を安く提供し、顧客基盤を拡大することを優先した。06年に始めたコンピューターを企業に時間貸しするクラウドサービスは、これまでの値下げが61回に及ぶ。

一方、アマゾンの急成長は新たな問題も提起している。

ひとつは、健全な競争環境をどう維持するかだ。利便性などが評価を受け、アマゾンは電子書籍やクラウドサービスで高いシェアを獲得した。ただ、新規参入が難しくなると、中長期的に利用者に不利益が及ぶ恐れもある。

4日には欧州当局との間で、電子書籍の取引契約の見直しに合意した。出版社に最安値でコンテンツを提供することを求めるのをやめる。日本でも昨年、公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。当局は監視を強めるべきだ。

競合企業を小さなうちに買収し、結果として競争が弱まる場面もあった。既存の独占禁止法などで食い止められなければ、制度の見直しも必要になるだろう。

もうひとつは、プライバシーの保護だ。アマゾンが収集する個人情報は急増している。米国などで販売している音声で操作するスピーカーは、家庭内の会話を把握できる。消費者は便利さの裏側にある仕組みを理解し、サービスを使う必要がある。

IT(情報技術)業界では以前、強い影響力を持つ米マイクロソフトが会社分割を求められ、対応に苦慮した。アマゾンが持続的に成長するためには、自らを律することが欠かせない。
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[日経新聞] ASEANは成長の質高めよ (2017年05月14日)

東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済が堅調だ。アジア開発銀行の最新予測によれば、加盟10カ国の成長率は今年も来年も5%程度と安定的に推移する。

もっとも、商品価格の回復など外部要因に助けられている部分も大きく、持続力には疑問も残る。求められるのは成長の質を高めることだ。インフラや教育への投資拡大や知的財産権の保護などを通じて、付加価値の高い製造業やサービス業を育てることが肝要だ。

カンボジアの首都プノンペンで10?12日に開いた世界経済フォーラムのASEAN会議では、参加した首脳から経済の先行きを楽観視する声が相次いだ。

カンボジアのフン・セン首相は「保護主義への懸念はあるが、ASEANへの直接投資は伸びている。若者を中心とした労働人口の増加も成長を支える」と強調。ベトナムのグエン・スアン・フック首相も「若い世代は新技術の受け入れに積極的。今後もダイナミックな成長が見込める」と語った。

ただ、人口増加や、相対的な労働コストの安さを強みとした経済構造のままでは成長力に限界がある。1人当たり国民総所得(GNI)が1万2000ドル程度を超えると「高所得国」と呼ばれることが多いが、マレーシアやタイなどはその方向に進みながらも最近は伸び悩み傾向もみられる。

力強い成長を続けるには製造業の裾野を広げると同時に、金融などサービス分野の生産性を高めることが不可欠だ。より広い範囲で外資を受け入れると同時に、地場企業を伸ばす環境整備も必要だ。

ASEANの経済統合を実のあるものにすることも重要だ。域内の関税引き下げは進んでいるものの、規制や煩雑な通関手続きなどの非関税障壁は減っていないとの声を日系企業などからは聞く。道路をはじめ国境を越えたインフラ網を整備することも欠かせない。

域内経済の一体化が進めば、競争力は飛躍的に高まる。どの国も現状に甘んじることなく経済の構造改革を進めなければならない。
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[毎日新聞] ギャンブル依存症対策 カジノの免罪符ではなく (2017年05月14日)

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ギャンブル依存症の予防や治療を盛り込んだ法案の提出に向けて、政府・与党は準備を進めている。

カジノ解禁への批判の中から出てきた動きではあるが、ギャンブル依存症の実態は深刻だ。カジノの免罪符にするのではなく、実効性のある法律にしなければならない。

ギャンブル好きと依存症は違う。いつも頭の中でギャンブルのことを考え、集中力がなくなり、不眠や幻視などが表れる人もいる。それがギャンブル依存症だ。世界保健機関(WHO)が定める疾患である。

多重債務、虐待や暴力につながるだけでなく、強盗や横領などの犯罪を引き起こすことも多い。治療施設で専門的なケアが必要なのに、「意志が弱い」「自制心がない」などと個人的な性格の弱さのせいにされることがよくある。

厚生労働省研究班が3月に公表した都市部の調査結果では、ギャンブル依存症が疑われる成人の割合は2・7%(全国推計では283万人)。アルコール依存症の推計1・0%より高い。23兆円市場ともいわれるパチンコ・パチスロが日本の依存症の大きな原因とも指摘される。

近年は公営ギャンブルもパチンコも市場が縮小しており、より射幸心をあおる機種やルールに変更する傾向がある。利用者数は減っているが、1人がギャンブルにつぎ込む金額は増えており、依存症になるリスクは高まっていると言える。

政府が検討している法案は、本人や家族の申告による競馬場やパチンコ店の入場規制、パチンコの出玉規制の基準見直し、馬券売り場にある現金自動受払機(ATM)のキャッシング機能の廃止などが内容だ。中高生や大学生向けの予防・啓発も検討されている。

ギャンブルは種別によって所管官庁が多岐に分かれており、調整は容易ではない。業界や地方自治体からの抵抗も予想される。しかし、実効性の薄い法案になったのでは、やはりカジノ解禁の免罪符に使われたとの批判は免れないだろう。

子ども連れでもパチンコ店などに自由に出入りできるのが日本の現状だ。低年齢児などの入場制限や、射幸心をあおらない規制などの予防策はできるはずだ。政治主導で厳しい対策を打ち出すべきだ。
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[毎日新聞] 商工中金の不正融資 民間補完に徹する体制を (2017年05月14日)

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政府系金融機関の商工中金で融資を水増しする不正が発覚した。政府は業務改善命令を出したが、型通りの対策に終わらせてはならない。民間融資の補完に徹するよう、体制を抜本的に見直すべきだ。

不正があったのは、金融危機や震災で経営難に陥った中小企業向けの危機対応融資だ。2008年のリーマン・ショック後に国が創設した。

商工中金の第三者委員会の調査で判明した不正は200億円近い。対象外の健全な企業の書類を改ざんし、業績を悪く見せかけて融資先に加えた。調査したのはまだ全体の1割強で不正は膨らみそうだ。

まず問題なのは公的資金を活用した融資に対する無責任な姿勢だ。

利子は国が補給し、返済が滞った場合の損失も国が穴埋めする。不正による焦げ付きは出ていないが、チェック体制があまりにずさんだ。

社長は経済産業省、副社長の一人は財務省の天下りだ。国が後ろ盾にいるという甘えが、組織の緩みを招いたのではないか。

政策金融の役割からも逸脱した。

危機対応融資は中小企業の経営を低利で支える公的な安全網だ。

ただ緊急事態を脱すれば支援が必要な企業は減る。その段階で商工中金は融資を縮小すべきだったが、逆に過大なノルマを現場に課した。

利子補給を武器に民間金融機関に対抗しようともした。国の制度を悪用して民間を圧迫するものだ。

第三者委によると、融資水増しの背景は、危機対応融資を自らの存在意義と位置づけたことだという。

政府は05年、政策金融改革の一環として、商工中金の完全民営化方針を決めた。だが、その後、危機対応を理由に先送りした経緯がある。

危機対応融資の拡大で存在感を誇示し、将来の完全民営化も逃れようとしたとみられても仕方がない。

商工中金は政府の改善命令前に役員報酬の削減などを発表したが、その場しのぎだ。経営陣や組織を刷新し、民間補完の立場を明確にして信頼回復を図ることが急務だ。

政府も政策金融の肥大化を防ぐ必要がある。そのうえで商工中金を早期に完全民営化する道筋を示すことが重要だ。危機対応融資は、ほかの政府系金融機関に集約することなどを検討すべきだ。
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[読売新聞] 東京都議選 政策論争の土台が定まらない (2017年05月14日)

7月2日投開票の東京都議選まで1か月半となった。自民、公明両党が長年の協力関係を断ち、現職知事が地域政党を率いて戦うという、かつてない首都決戦になる。

有権者に分かりづらいのは、都議選の各党の構図が国政とねじれていることだ。公明党は都議会で自民党との連携を解消し、小池百合子知事が特別顧問の「都民ファーストの会」と選挙協力する。

危機感を募らせる自民党は、都議選の総決起大会を開き、菅官房長官らが候補者を激励した。地方選としては異例の挙党態勢で臨む。2020年東京五輪の成功、防災対策の強化などを盛り込んだ公約骨子を4月に発表した。

小池氏は、自民党との対決姿勢を強め、公明党などとの協調関係をアピールする。連休中の街頭演説で「都議会改革の先頭に立っている」と公明党を持ち上げた。

民進党は、小池氏の高い人気を意識し、「子どもファースト」を掲げて小中学校の給食費無償化などを訴える。だが、公認候補予定者の3分の1超が離党届を出し、都民ファーストへのくら替えも相次ぐ。党勢低迷は深刻だ。

都議選が重視されるのは、09年の政権交代などで国政選の先行指標になってきたからだ。今回も、結果次第では安倍首相の政権運営や衆院解散戦略に影響しよう。

都民ファーストの問題は、候補者の擁立が遅れているうえ、公約も固めきれていないことだ。

全42選挙区に60人超を擁立し、公明党などと合わせて過半数の64議席の獲得を目指すが、現時点での公認は42人にとどまる。小池氏が主宰する政治塾出身者や、自民、民進の離党組が中心だ。

公表した政策も、議員公用車の廃止や政務活動費での飲食禁止など、議会改革に限られる。都民の関心が高い築地市場の豊洲移転問題が混迷し、小池氏が判断を留保している影響ではないか。

小池氏は、築地の再整備案も視野に入れ、豊洲への移転案と併せて検討中だ。自民、公明両党は、豊洲への早期移転を推進し、共産党は築地の再整備を主張する。

小池氏は移転の判断を先送りせず、都議選前に方向性を有権者に示すべきだ。都民ファーストが地域政党として何を目指すのか、国政にどう関与するのか、についても明確にする必要がある。

小池都政へのイエスかノーかを問うだけでは、実のある政策論争は望めない。各党には、具体的な政策を提示し、深みのある議論を展開することが求められよう。
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[朝日新聞] 中国国産空母 周囲脅かす軍拡やめよ (2017年05月14日)

もはや中国を脅かす国がないのに、なぜ軍拡を続けるのか。これは多くの国々の人々が共有する疑問といっていい。

中国初の国産空母が先月、進水した。それはアジアと世界の平和と安定に資するのか。逆に脅威というべきではないか。

現在、中国軍が保有している空母「遼寧」はウクライナから買って改修したもので、すでに南シナ海などで航行を重ねている。これは訓練段階であり、今度の新たな空母がいよいよ実戦用なのだという。

実際の就役は2、3年後だ。設備を取り付け、試験を繰り返さねばならないからだ。

上海でも1隻を建造中と伝えられるが、空母を常時運用するならさらに数隻必要になる。艦載機や護衛艦艇をそろえた形で本格運用されるまでには、まだ時間がかかりそうだ。

とはいえ中国は高性能の潜水艦や駆逐艦の数も着々と増やしてきた。1980年代以来の海軍力増強の重大な到達点として、この国産空母がある。

中国政府が繰り返す「平和的発展の道を歩み、防御的国防政策を堅持する」という公式見解は、とてもうのみにできない。

たしかに、経済大国となった中国の権益は、世界中に及ぶ。航路の安全を図ることは重要であり、中国のみならず各国の利益につながる。東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策では、中国の軍艦も商船を保護する活動に実績を残している。

求められるのは、国際協調のもとで、透明性をもって発揮される抑制的な軍事力の運用である。そうでなければ他国の脅威になるだけだ。間近で圧力にさらされる東南アジアの国々にとっては、なおさらだろう。

南シナ海域では、中国海軍が艦艇を派遣して島や岩礁の支配権をベトナムなどから奪ってきた経緯がある。中国側は、島々はもともと中国領だったと主張するが、一方的な言い分に過ぎない。実力の行使は決して許されない大国のエゴである。

空母の問題では、米国海軍がいま、北朝鮮を威圧している。そのやり方の適否に議論の余地はあるものの、少なくとも東アジアで展開する米空母の存在そのものを脅威と受けとめる周辺国はほとんどない。

ところが中国の方は、そもそも北朝鮮に最大の影響力をもつ国として果たすべき抑止の役割をまっとうしないばかりか、北朝鮮以外の国々に対し、空母の保有で威圧感を与えている。

中国は、危うい軍拡路線を改めるべきである。力の誇示で、大国としての信頼は築けない。
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[朝日新聞] 東電改革 福島への責任貫けるか (2017年05月14日)

東京電力の新たな再建計画がまとまった。福島第一原発の事故に伴って膨らみ続ける損害賠償や廃炉などの費用をまかなうため、大胆な経営改革で「稼ぐ力」を高めることが主眼だ。

東電にとって、被害者や被災地への責任をまっとうするのは、当然の義務である。ただ、収益目標のハードルは高く、実現が見通せない項目も目につく。絵に描いた餅にならないか、今後も検証しながら取り組む必要がある。

東電は11年の事故で経営が立ちゆかなくなり、実質国有化された。さまざまな支援を受けながら、政府の監督の下で賠償や事故の後始末に当たってきた。

昨年末には、事故処理費用が従来の想定から倍増する見通しになった。政府は、総額約22兆円のうち約16兆円を東電の負担や国が持つ東電株の売却益でまかなう枠組みをまとめた。

これを受けて見直された再建計画は、東電が今後30年間、年5千億円の資金を確保することを想定する。その上で、利益を大幅に伸ばす目標も掲げる。

ただ、疑問は多い。

切り札と期待する柏崎刈羽原発の再稼働は、めどが立たない。東電が重要施設の耐震性不足を原子力規制委員会に報告していなかったことが最近になって発覚し、地元の新潟県知事らが不信をいっそう強めている。安全対策の徹底が先決であり、再稼働に頼らず必要な資金を稼ぎ出す方策を考えるべきだ。

収益力を高める新たな手としては、送配電や原発など事業部門ごとに他社との再編をめざすことを柱に据えた。エネルギー業界全体の改革につなげたい経済産業省の思惑もちらつくが、他の電力大手は東電の原発事故対応に巻き込まれるリスクを警戒する。実際に再編が進むかは不透明だ。

そもそも、新計画の前提として政府がまとめた事故費用の負担枠組みも問題がある。原発を持たない新電力に一部を負担させる方針には、「筋違いのつけ回し」といった批判がやまない。東電の収益が拡大し、株価が大幅に上がらなければ、4兆円の除染費を東電株の売却益でまかなう目算は狂い、税金による尻ぬぐいが現実味を帯びる。

国民の負担で東電が存続を許された理由は、福島に対して重大な責任を負っているという一点である。

東電がその責任を果たせないなら、国がさらに前に出るしかない。東電の解体論も高まるだろう。経営陣を一新して再出発する東電と政府は、国民の厳しい目を忘れてはならない。
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[読売新聞] 図書館の活用 地域の課題に寄り添う場所に (2017年05月14日)

読書の楽しさを提供するとともに、地域の課題にも寄り添い、住民と一緒に解決に取り組む。

これまでのイメージを超えた役割を担う、個性的な図書館が増えている。

日本図書館協会の調査では、全国の約500自治体で、図書館を拠点にした地域振興の取り組みが進行中だという。

岩手県紫波町では、農業の専門書やデータベースを充実させて、地元の農家を支援する。併設された農作物の直売所に料理本の紹介パネルを置いたり、住民と農家の交流会を開いたりしている。

神奈川県大和市の図書館は、健康関連の書籍や器具を集めた専用階などが人気を集め、昨秋の開館から140万人超が来館した。

地元企業のためにビジネス情報を提供する。認知症の家族に必要な書籍を紹介する。そんな工夫を凝らす図書館もある。

多様な住民が集まり、その中で思いがけない交流が生まれる。地域活性化の観点からも、こうした図書館の機能を大切にしたい。

活字文化を守るためには、若年層への働きかけが肝心だ。

親子でゆっくり読書を楽しめるよう、児童書の充実に力を入れる自治体は少なくない。10代の若者が友達と会話を交わしながら本も読める。気軽に立ち寄れるフロアを設けたところもある。

本好きの子供が一人でも増えるように、居心地のいい図書館が増えることを期待したい。

問題なのは、図書館を運営する人材や予算が足りないことだ。臨時職員なしでは日常業務もままならないケースもみられる。

効率化を目指し、民間企業などに運営を委ねる自治体が相次いでいる。民間ならではの柔軟な発想やノウハウを活用するのは一案だ。利用者や貸出数が飛躍的に伸びた例も少なくない。

斬新なアイデアの具体化には、やる気のある司書の存在と行政の後押しが不可欠である。

幅広い知識を持つ司書の確保という点で、現行の資格制度は物足りないとの声もある。

優秀な人材の発掘・育成に向けてどんな手立てがあるのか。政府は真剣に検討してもらいたい。自治体にも時間をかけて司書を育てる心構えが必要だ。

図書館は地域に根ざした公的拠点である。中長期的な視点が重要だ。健康福祉や子育て支援といった自治体の部署と司書との連携が求められる。知恵を出し合うことで、より充実した施策が期待できるのではないか。
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