2017年05月13日

[産経新聞] 【主張】東電の再建計画 料金下げの使命も果たせ (2017年05月13日)

東京電力は新たな再建計画に基づき、原子力や送配電事業などで他社と再編・統合を進め、収益力を高めるという。

福島第1原発事故の処理費用を賄うためだ。

経営改革を通じて収益基盤を強化する方向性は正しい。だが、国内最大の電力事業者として、高止まりする電気料金の引き下げに努めることを忘れてはならない。

それは、電力の安定供給と並び、同社に課せられた使命だ。その実現には、運転が長期にわたって停止している柏崎刈羽原発の早期再稼働が欠かせない。

東電は来月、経営陣を一新して持ち株会社の会長に日立製作所の川村隆名誉会長を起用する。東電の新社長には電力小売り子会社の小早川智明社長が就く。川村氏には、日本を代表する企業を復活させた手腕をみせてほしい。

福島原発事故の賠償や除染、廃炉などの費用は、総額で22兆円にのぼる。巨額費用を捻出するため、年4500億円を安定的に稼ぎ出す体質を目標に掲げた。現在は年3000億円であり、大幅な底上げを必要とする。

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他の電力会社との再編・統合といっても、福島関連費用の負担増を警戒する東北電力など、他社は慎重な姿勢だ。政府には「再編ありき」の姿勢もみられるが、それで経営改革は達成できまい。民間の活力を引き出す提携こそ検討すべきである。

東電が取り組むべき課題は山積している。昨年4月の電力自由化で1割以上の顧客が他電力に流れている。最大の要因は料金の高さにある。顧客を引き留め、日本の産業競争力を維持するためにも料金引き下げが肝要だ。

収益力を高めながら料金を値下げするには、7基ある柏崎刈羽原発の再稼働を急がねばならない。再建計画でも、平成31年度中にも2基を再稼働する方針を盛り込んだが、その通りに運転を再開できるメドは立っていない。

新潟県の米山隆一知事は「福島事故の検証をしない限り、再稼働は認められない」と繰り返している。政府は再稼働を東電任せにせず、新潟県への働きかけを強めるべきだ。

これまで、東電内部では経営路線をめぐる対立も目立っていた。川村氏は現場を含めて社内の結束を図り、再建に全力を尽くしてもらいたい。
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[東京新聞] FBI長官解任 世界が真相を知りたい (2017年05月13日)

あからさまな捜査つぶしと非難されても仕方がない。トランプ米大統領がコミー連邦捜査局(FBI)長官を解任した。「ロシアゲート疑惑」を解明しないと米国は深刻な禍根を残すと警告したい。

電撃解任の理由は、クリントン元国務長官の私用メール問題をめぐり昨年七月、コミー氏が司法長官の権限を侵害し、「訴追に相当せず」と勝手に発表したことだ。

前政権時代の行為を問題視するのなら、なぜトランプ氏は大統領就任時に更迭しなかったのか。説得力のある理由とは到底言えない。

それよりも、コミー氏が三月に議会で、ロシアゲート疑惑を捜査中だと明言したことが解任の引き金になったと見る方が自然だ。ニューヨーク・タイムズ紙は社説で「大統領を失脚させるかもしれない捜査を指揮したことで解任された」と断じた。

この疑惑は、昨年の大統領選中、民主党のクリントン陣営がサイバー攻撃を受けて大量のメールが外部に流出したことに絡む。米政府はロシアの仕業と断定したが、トランプ陣営も結託していたのでないかという疑いが広がった。

これが事実ならば、ロシアは自分の息のかかった人物をホワイトハウスに送り込んだわけで、米国の安全保障にとって由々しき事態だ。スパイ小説を地で行くような話である。

トランプ氏は大統領選の時からロシアとの関係改善に意欲を見せていた。実際に融和路線に踏み出せば、勘繰られるだろう。そうならないためにも、疑惑について黒白をはっきりさせる必要がある。

疑惑の渦中にあるフリン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が二月に更迭されたのは、駐米ロシア大使と対ロ制裁の扱いを就任前に協議していたことが明るみに出たためだった。

フリン氏は米当局の許可を得ずにロシア、トルコから報酬を受けていたことも露見している。

セッションズ司法長官は議会証言に反してロシア大使と二度会っていたことが判明。ロシアゲート疑惑の捜査には一切関与しないと表明せざるを得なくなった。トランプ政権にはうさんくささがつきまとっている。

ウォーターゲート事件を捜査していた特別検察官を解任したニクソン大統領は、結局退陣に追い込まれた。

真相を知ろうという人々の意志は強権よりも強い。トランプ氏はこれを肝に銘ずべきだ。
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[産経新聞] 【主張】韓国新政権 反日世論に迎合するのか (2017年05月13日)

安倍晋三首相が韓国の文在寅大統領と初めて電話で協議し、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった日韓合意の履行を求めた。

文大統領は日韓合意の再交渉を選挙戦で訴えてきた。これに対し、安倍首相が合意は未来志向の日韓関係を築く「基盤」だと指摘したのは当然のことといえよう。

政権が代わったとはいえ、国家間の合意をほごにする国は国際的信用を失う。約束を守れない国とは、未来に向けて信頼関係を築くこともできないのである。

文氏はその「基盤」について、「国民の大多数が心情的に受け入れられないのが現実だ」と語った。合意破りの責任を世論に押しつけようとする姿勢は残念だ。

慰安婦問題をめぐる反日世論の高まりは、韓国政府が合意の意義を国民に十分説明してこなかったツケでもある。国民を説得せず、世論に迎合するばかりで、まともな統治ができるだろうか。

日韓合意は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の暴挙など地域の安全保障の懸念が高まる中で、両国関係の改善は欠かせないという判断に基づき取り交わされた。

ソウルの日本大使館前や釜山の総領事館前の慰安婦像は、今も撤去されていない。像の存在は、旧日本軍が強制連行した「性奴隷」といった嘘をまき散らし、日本の名誉を著しく傷つけている。

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像のまわりでは反日集会が繰り返される。外国公館の安寧や尊厳を守る国際法を無視している。

文氏は「民間の領域で起きた問題を政府が解決するのは限界がある」と述べた。前政権も繰り返した逃げ口上を続けるのか。それが反日を助長してきたことを直視すべきである。同時に、日本をおとしめる慰安婦像は、即刻撤去する常識を示してもらいたい。

文氏は「歴史問題は賢く解決していかなければならない」とも語った。賢い解決に必要なのは、批判を浴びようとも、国民を諭すことだろう。

中国の習近平国家主席との電話協議では、「中国側の重大な懸念」を重視して行動するよう迫られたという。韓国に配備された米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)を念頭に置いたものだ。

北朝鮮の暴発を阻止する上で、THAADにどれだけ大きな意味があるか。文氏には冷静に考えてもらいたい。
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[東京新聞] 森林除染偽装 不正は絆を弱くする (2017年05月13日)

福島第一原発事故に伴う除染作業で不正請求があった。住民の安全と安心のために除染は必要だ。だが、費用は税金。関係者は不正が起きにくい仕組みを整え、チェックも厳しくしてほしい。

問題が明らかになったのは、福島市松川町の森林除染。三次下請けのゼルテック東北が、通常の森林除染を工事単価の高い竹林と偽装していた。本紙の報道を受けて同市は十一日、記者会見して「過剰請求額は一千万円超。刑事告訴も検討する」と述べた。

福島県内の除染作業は、旧警戒区域や旧計画的避難区域で放射線量が高い地域は国が実施計画を策定、実施する除染特別地域と、市町村が行う汚染状況重点調査地域がある。除染特別地域は大手ゼネコンなどが請け負い、市町村の除染は地元企業が多い。

今回のケースも市内の企業三社がつくる共同企業体(JV)が二〇一四年から昨年まで約十八万平方メートルの除染を受注していた。

ゼルテック東北は約二千六百平方メートル分について、工事完了報告書に短く切った竹を並べて竹林に見せ掛けたり、画像修整ソフトを使って写真を加工したりした。同市は「写真で確認し、疑いを持たなかった」と話す。

しかし、現地を見た本紙の記者は「驚いた。写真の場所も、周りも、太い竹はなかった」と話している。除染の工事単価は一平方メートルあたり約五百円だが、竹林は伐採が必要なので約四千六百円が加算される。竹林だけでも現場をチェックするようにしていれば不正は防げたはずである。

同市は昨年十一月に内部告発があるまで現地を見ていなかったという。これでは、不正は一社だけなのかという疑問も出てくる。他の事業者についても調査が必要ではないのか。

東日本大震災の被災地復興のために今、国民は復興特別税を納めている。復興の役に立てばと思うから応じているのである。しかし、今年三月にも環境省の職員と業者が贈収賄で逮捕されるという事件が起きた。信頼を失うことがないように努めてほしい。

今回の偽装の特徴は画像修整ソフトの使用である。写真の中のホワイトボードの数字が書き換えられていた。ソフトを使えば、写っていないものを加えたり、写っているものを消したりできる。最新の技術を使えば、音声も動画も加工できる。フェイクニュース(偽ニュース)だけでなく、偽データにも気をつけたい。
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[毎日新聞] 「共謀罪」で自公維が合意 欠陥の修正にはほど遠い (2017年05月13日)

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後半国会の焦点である「共謀罪」法案をめぐって、自民、公明両党と日本維新の会が修正で合意した。

修正案では、「捜査を行うに当たってはその適正の確保に十分配慮しなければならない」と本則に盛り込むという。だが、こうした訓示規定が行き過ぎた捜査の歯止めになるのか。実効性は疑わしい。

また、維新が求めた対象事件の取り調べ可視化(録音・録画)は、付則で検討課題と盛り込むにとどまった。抜本的な見直しにはほど遠い。

政府は、法案提出の目的を、国際組織犯罪防止条約を締結するためだという。だが、条約の締結に当たって、幅広い共謀罪の法整備が必要なのか。政府・与党と野党の主張は今も平行線のままだ。

一方で政府は法案提出に当たり、テロ対策を前面に打ち出している。

確かに多くの国民がテロ対策の必要性を感じている。ただし、「共謀罪」法案は、計画、準備段階の犯罪の処罰を可能とするものだ。捜査が市民生活への監視にまで及ぶことへの国民の懸念は根強い。

仮に「共謀罪」法案が必要ならば、まずは対象犯罪を徹底的に絞り込むことが最低限求められる。

そもそも、共謀罪新設に当たり、条約が求める600以上の対象犯罪は減らせないと政府は長年説明してきた。だが277に半減させた。

適用対象を組織的犯罪集団に限定などすれば対象犯罪を減らせる。条約もそれを容認しているというのが、新たに持ち出してきた論法だ。あまりにご都合主義的だ。結局、条約が各国の裁量を広く認め、解釈の余地があるのだろう。

対象犯罪の絞り込みは難しくないはずだ。国会審議でも、法学者が性犯罪など必要性の薄い犯罪が多数含まれていると指摘した。

もう一つ、捜査権の乱用の歯止め策について、与野党で徹底的に議論を深めることを求めたい。

組織的犯罪集団に適用対象を限定し、犯罪の準備行為も要件に加えたとはいえ、定義にあいまいさは依然残る。捜査機関に市民監視の武器を与えてしまうのではないか。その不安は当然だ。法案の条文で具体的な対策を書き込むしかない。

与党は来週にも採決する構えだ。数の力で押し切ってはならない。
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[毎日新聞] 五輪仮設費を都が全額負担 政治決着に疑問が残る (2017年05月13日)

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一歩前進ではあるが、割り切れなさが残る決着だ。

2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都外の7道県4政令市で実施する競技会場の仮設整備費約500億円は都が全額負担することになった。小池百合子知事が安倍晋三首相に直接、判断を伝えた。

仮設施設の整備費は資材高騰などで膨らんだ。大会組織委員会の負担分を除く2000億円のうち、都外分を巡り都と関係自治体の対立が先鋭化していた。都は費用分担の大枠を当初は3月末に示すはずだった。

仮設費用は大会組織委員会が全額負担し、不足分を都が補填(ほてん)するというのがそもそもの原則だった。

競技施設を新設するコストを考えれば、都外開催は都の負担軽減でもある。開催まであと3年に迫り、この問題が準備事業全体を停滞させていた。原則に沿った都の決断にはやむを得なかった面もある。

とはいえ、サッカー競技が予定される札幌ドームの仮設費用まで都が全額負担することに、都民には割り切れぬ思いもあるだろう。

都外の自治体側も地域活性化のプラス面を考慮すれば、相応に歩み寄り、負担を分担してもよかったのではないか。

今回は神奈川、千葉、埼玉の3県知事が首相や菅義偉官房長官に負担反対を直訴し、その直後に小池知事が全額負担を決めた。

小池知事は築地市場の豊洲移転問題の判断も迫られている。7月の東京都議選を控えて、結論をこれ以上先送りしづらいという事情が働いての政治決着ではないか。

今回の問題で際だったのは、都や都外自治体、組織委が責任を押しつけ合う調整役不在の構図である。

仮設費は道筋がついたが、さらなる懸案は大会運営費の分担である。

総額8200億円の半分は組織委が負うが、残りの4100億円の分担が決まっていない。

五輪開催の「ホストシティー」との理由だけで、国やほかの自治体が都に負担を押しつける構図を繰り返すべきではあるまい。

開催総額の圧縮努力を進めながら、運営費の分担スキームの策定を急がねばならない。今回も丸川珠代五輪担当相の影は薄かった。今度こそ調整の前面に立ってほしい。
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[日経新聞] 大型インフラを仕上げる力を高めるには (2017年05月13日)

日本企業が手掛ける大型インフラ案件で、顧客への引き渡しが遅れたり建設費用が予定を超過したりする事態が、相次いでいる。

三菱重工業を中心に開発する国産旅客機「MRJ」は5度目の納入延期を決めた。東芝が米国で進めた原子力発電所の建設事業は巨額の損失を招いた。

プラント建設や航空機開発に求められるのは、高度な加工や組み立ての技術だけではない。設計から建設・製造、完成後の運転・保守まで、全体をまとめあげるプロジェクト管理の力が問われる。

大型案件は完成までに長い時間がかかる。小さなつまずきの放置は後々、大きな損失につながる。東芝の原発事業の損失が膨らんだ背景には、2006年に買収した米ウエスチングハウスの経営実態を親会社が十分に把握できていなかったことがあるとみられる。

総合電機や総合重工業と呼ばれる企業は多様な事業領域を持つ。M&A(合併・買収)で外国企業が傘下に入る例も増えている。事業部門や子会社でのトラブルを見逃さない、企業統治の仕組みを整えることが、まず必要だ。

三菱重工は大型客船の建造で巨額の損失を出した。内装が主力客である富裕層の好みを満たせないなどとの理由で、設計や工事をやり直したためだ。

MRJは米当局から、安全性を確認する証明を取得する作業が難航している。設計を見直した結果、試験飛行の時間が増え、納入も先送りせざるをえなくなった。

こうした事態を避けるには、設計段階で顧客の要望を良く理解し、納入先の国が定める規制にも入念に対応する必要がある。ルールの変更をいち早くつかむアンテナも、大切だ。

日立製作所は鉄道車両事業の本社機能を情報の集まるロンドンに移し、鉄道事業に詳しい現地人材をトップに据えた。グローバル市場に挑むには、迅速に意思決定を下す体制が欠かせない。

MRJは約半世紀ぶりの国産旅客機開発だ。国内で新設原発の完工は09年が最後だ。大型案件の相次ぐ遅れや損失の背景には、案件が途絶えることによる経験や人材の不足もあるのではないか。

損失に懲りて事業から撤退するだけが答ではない。誤りを修正し継続案件にいかすことで競争力は高まる。個別企業の枠を超え、人材や経験を伝えていく方法を考えていくことも必要だろう。
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[日経新聞] なお心配な福島第1の凍土壁 (2017年05月13日)

東京電力福島第1原子力発電所で汚染水を減らす決定打になるとも期待される凍土壁が、稼働を始めて1年を過ぎた。7メートルほどの区間を残して凍結を終え、原子炉建屋に流れ込む水の量は減っているが、なお油断はできない。

凍土壁は、原子炉建屋を取り囲むように全長約1.5キロメートルにわたって土壌を凍らせ、作る。汚染水のもとになる地下水の流入を遮断する狙いだ。

建屋内外の水位差が変わると汚染水が外に漏れ出す可能性もあるため、水位を確認しながら段階的に凍らせている。完全な遮蔽までに時間がかかっている。

建屋への流入水量は過去3年で4分の1近くに減ったが、地下水くみ上げの効果が大きいとみられ、凍土壁がどれだけ寄与したかは明確でない。建設に345億円の国費を投じただけの効果が出ているのか、疑問視する声もある。

過去のデータでは流入水は雨量が多くなると増える。猛暑にも警戒が必要だ。地中に通した配管に冷却剤を流しコンピューターで温度管理するが、高温だと表面近くが溶けやすくなる恐れがある。

これからの季節は梅雨や台風による大雨と高温の両方が心配だ。東電はできるだけ早期にすべての凍結を完了する意向だが、効果を過信せず地下水くみ上げなど他の対策を強化して汚染水が増えないよう万全を期してほしい。

汚染水を多核種除去設備で処理しても取り除ききれないトリチウム(三重水素)の扱いも問題だ。処理済みの水を捨てることができず、保管タンクは1000基近くに達し、なお増え続けている。

国の基準ではトリチウム濃度を1リットルあたり6万ベクレル以下に薄めれば海に放出できる。技術的に不可能ではないが、風評被害に対する漁業関係者らの不安は大きく、実現の見通しが立たない。

東電はトリチウムの性質や健康への影響、除去法についてデータを示し繰り返し丁寧に説明する必要がある。理解を得られないと汚染水対策は行き詰まりかねない。
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[朝日新聞] 抗生物質 正しい使い方広めよう (2017年05月13日)

かぜの治療に抗菌薬(抗生物質)は必要ない――。

厚生労働省が開業医などに向けてつくる抗菌薬の「適正使用の手引き」に、こんな方針が明記されることになった。

発熱や鼻、せき、のどの痛みを伴うかぜのほとんどは、ウイルスが原因で起きる。抗菌薬は細菌には効くが、ウイルスには効かない。それどころか、吐き気や下痢、アレルギーなどの副作用をもたらす恐れがある。

にもかかわらず、外来診療の現場で広く使われているのが現実だ。処方する医師の責任が大きいのは言うまでもないが、患者やその家族も、正しい知識を身につける必要がある。

かぜは基本的に自然に治る。だが、抗菌薬を飲み、それが効いたと思う患者が少なくない。「抗菌薬を処方してくれるのが良いお医者さん」ということになれば、医者も患者の希望を無視できず、効かないと知りつつ処方する。

実際、東北大学のグループが14年に行ったネット調査では、「かぜで受診したら抗菌薬を処方してほしい」との項目に、約2割の人が「そう思う」と答えた。「抗菌薬はウイルスに効く」という説明に「はい」と答えた人も半数近くいた。同じことを聞いた別の調査で、日本の大人の正答率は米国などに比べて低いとの結果も出ている。

むだな投与がなくなれば医療費の抑制になるが、それよりも今回、厚労省が手引をつくる背景には、抗菌薬の効かない耐性菌の広がりがある。世界保健機関(WHO)によると日本は耐性菌が検出される割合が高く、中耳炎や膀胱(ぼうこう)炎といった身近な病気でも見つかっている。

抗菌薬の歴史は、1928年に青カビから発見されたペニシリンにさかのぼる。以来、新しい抗菌薬が開発されると、それに耐える菌が現れる「いたちごっこ」が繰り返され、新薬の開発は難しくなりつつある。

耐性菌への対応は、いまや世界的な課題で、昨年5月の伊勢志摩サミットの首脳宣言にも盛りこまれた。厚労省は、20年に抗菌薬の使用量を「13年比で3分の2」にまで減らす計画を掲げている。

これまで抗菌薬になじんできた人は、処方されないと不安に思うかもしれない。そんなときは、医師に疑問をぶつけてみればいい。逆に、細菌性の病気と診断されて抗菌薬を処方された場合は、飲み切って菌を完全に殺す。それが、新たな耐性菌の登場を防ぐことにもつながる。

患者も医師も正しい認識をもち、正しい使い方を進めたい。
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[読売新聞] 上場企業決算 円高に負けない収益構造作れ (2017年05月13日)

円安頼みの収益構造から脱皮し、成長に向けた構造改革を着実に進められるかどうか。日本企業は、岐路に差し掛かっていると言えよう。

東証1部上場企業の2017年3月期決算発表が相次ぎ、すでに9割近くが開示した。

今後発表される企業も含めた全体の最終利益は、過去最高だった15年3月期を上回る見通しだ。

今回注目されるのは、急激な円高で減益を余儀なくされた外需型企業でも、多くが業績悪化を最小限に食い止めた点である。

近年の好調な企業業績は、基幹産業である自動車や電機などが、円安を追い風にして収益を伸ばした要因が大きかった。

だが、円相場は、1ドル=120円程度だった前年に比べて、10円以上も円高が進んだ。

トヨタ自動車の営業利益は前年より30%落ち込み、円高だけで9400億円の減益となった。

それでも、生産体制の効率化による徹底したコスト削減で、資材価格や販売奨励金の増加といった減益要因を圧縮し、2兆円規模の利益水準を確保した。為替変動に左右されない収益基盤の構築に取り組んだ一つの成果だ。

円高の逆風を受けながら、かつて経営難にあえいだ老舗企業が、復活への足がかりをつかみ始めている例も目立つ。

台湾企業の傘下に入ったシャープは、液晶事業など不採算事業の経費削減を進め、3年ぶりの営業黒字に転じた。

スマートフォンの不振に苦しんだソニーも回復基調にある。高付加価値の製品に注力する戦略が奏功し、18年3月期は過去最高水準の営業利益を見込んでいる。

景気回復で内需が底堅さを増しつつあることも、企業業績全体の押し上げにつながった。

2月期決算のセブン&アイ・ホールディングスは、堅調なコンビニ事業を背景に過去最高の営業利益を計上した。

20年の東京五輪を控え、オフィスビルなどの受注が堅調な建設業や不動産業も好調だった。

日本経済の再生には、企業の活性化が欠かせない。競争力や収益力を強化するには、業種を問わず、深刻化している人手不足にどう対応するかが課題となる。

好業績をテコに、従業員の能力アップを狙う人材への投資を積極的に進めるべきである。生産性向上や顧客サービス強化を目指し、人工知能(AI)やロボット、情報通信技術などを活用した設備投資にも取り組まねばなるまい。
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[朝日新聞] 五輪経費分担 危機感がなさすぎる (2017年05月13日)

一歩前進ではある。だが、開催まで3年という時点でなお続く混迷に暗然とする。

東京五輪の経費分担問題で、小池都知事が都以外につくる仮設施設の整備費500億円全額を、都が負担する方針を表明した。とはいえ、これで事態が一気に進むとはとても思えない。

セーリング会場の江の島などをかかえる神奈川の黒岩知事の言葉が象徴的だ。「小池知事に安心して下さいと言われたが、何をもって安心なのか」

決着したのは仮設施設の扱いだけで、それ以外の運営経費をどうするかは依然未定だ。開閉会式や暑さ対策などもふくめ、最大7500億円にのぼる。

セーリングでいえば、漁業補償や1千隻を超す船の移動・係留の費用がかかる。バスケットボール会場となる「さいたまスーパーアリーナ」は、11カ月間の休業を求められている。その期間の当否や休業補償をめぐる検討も手つかずのままだ。

経費分担の協議は昨春始まる予定だった。その後、都知事の交代などがあったとはいえ、小池知事が「仮設分について3月中に負担の大枠を決める」という約束を守らなかったことが、スケジュールをさらに遅らせ、関係者の不信を増幅させた。

組織委員会の罪も重い。

開催都市である都、政府、自治体、競技団体の間を調整し、五輪の準備を主導するのが組織委の仕事だ。収支の折り合いをつけ、場合によっては、当初計画の変更を求めて国際オリンピック委員会や国際競技団体にかけあう窓口にもなる。

にもかかわらず組織委の森喜朗会長は、小池知事や日本オリンピック委員会を全面的に批判する著書を先月出版し、世間を驚かせた。今回の都の方針表明についても、「遅すぎる。500億円が空中で回っていたかのようだ」と述べた。一緒に準備を進めていこうという姿勢を、感じ取ることはできない。

こんな様子で、組織委トップの任にたえられるのか。もはや体制を抜本的に見直すべきときではないか。

政府の動きにも疑問が多い。

この間、丸川五輪相の存在感は皆無で、安倍首相がいきなり登場して調整を指示したと思ったら、直後に小池知事が全額負担を表明した。都議選を控え、どう立ち回れば自分たちに有利か、首相官邸と知事との間で思惑が交錯していたように映る。

五輪のイメージを傷つけ、人びとの間に嫌悪と不信を植えつける政治利用というほかない。

東京五輪を、この大きな危機から救い出さねばならない。
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[読売新聞] J1川崎処分 旭日旗に差別的な意図はない (2017年05月13日)

旭日(きょくじつ)旗(き)は、もはや戦前の軍国主義とは関係がない。日本として、旭日旗の今の位置付けを広く発信する必要があろう。

アジア・サッカー連盟(AFC)がJ1川崎に対し、1年間の執行猶予付きで、ホームゲーム1試合を無観客とする処分と罰金1万5000ドルを科した。

4月に韓国で行われた水原戦で川崎のサポーターが応援席で旭日旗を掲げたためだ。旗は没収され、試合後には水原サポーターが川崎の応援席の出口をふさぐなど、険悪な雰囲気になった。

ピッチの外でのトラブルは、残念な事態だが、処分の理由には問題がある。旭日旗を「政治的主張に関連する差別的象徴」としたAFCの認定には同調できない。

旭日旗は、日の丸に放射状の赤い線が描かれたデザインの旗の総称だ。旧日本軍が使用し、現在では、陸上自衛隊と海上自衛隊が、それぞれ自衛隊旗と自衛艦旗として用いている。

朝日新聞の社旗には、旭日がデザインされている。商品のマークなどに採用する企業もある。菅官房長官は「大漁旗や出産・節句の祝い旗など、現在も広く使用されている」と強調した。

AFCが指摘する「差別的象徴」とは何ら関係なく、今の日本社会に根付いているのは明らかだ。

韓国では、旭日旗を「日本の軍国主義の象徴」と見なす風潮が依然として強い。そうだとしても、旭日旗に対する韓国サポーターの振る舞いは、度を越している。

日本サッカー協会やJリーグが「旭日旗に政治的、差別的意図はない」と反論しているのは当然である。川崎はAFCに質問状を提出した。日本側の立場をしっかりと伝えねばならない。

日本のサポーターにも配慮が求められる。差別的な意図がなくても、無用な混乱を招く行為は避けるべきだ。日韓間の試合では、過去にも旭日旗を巡る騒動があっただけに、なおさらである。

熱狂的な応援がつきもののサッカーでは、サポーターのトラブルが後を絶たない。国内でも2014年、浦和のサポーターが人種差別と受け取れる垂れ幕を掲げ、対応が遅れた浦和には、無観客試合実施の厳罰が下された。

G大阪のサポーターが4月、ナチス親衛隊のマークに似た応援旗を掲げ、JリーグはG大阪に200万円の制裁金を科した。

問題を起こせば、応援するクラブに多大な迷惑がかかる。12人目の選手として、フェアプレーの精神を忘れてはならない。
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