2017年05月11日

[産経新聞] 【主張】小中の勤務調査 熱血教師を支える職場に (2017年05月11日)

文部科学省が公立小中学校の教員の勤務実態調査をまとめた。「過労死ライン」にあたる週60時間以上の勤務をしている教諭が、小学校で3割、中学で6割にのぼるという。実態に応じ、改善を図らねばなるまい。

だが、これほど働いていながら同情や信頼の声がいまひとつ高まらないのはなぜか。教育の質を高める職場改善につなげてもらいたい。

平成28年度の調査で、前回18年度調査と比べた。平日の1日平均で一般の教諭は11時間超、副校長・教頭は12時間を超える。

1週間の勤務時間は、小学校教諭で平均57時間25分、中学教諭は63時間18分で、前回調査より4?5時間増えている。

ゆとり教育を見直し、授業時間が増えたことが要因の一つだ。また、中学では土日の部活動にあてる時間が大幅に増えている。副校長・教頭の忙しさを含め、以前から指摘されていたことが数字で裏付けられている。

公立教員の勤務時間は週約40時間と規定されている。仕事の性格上、残業手当がない代わり、基本給の4%が支給されている。

調査では週60時間以上勤務する教諭が目立つが、常態化すれば月の残業80時間以上の過労死ラインを超える。働き方の見直しは教員こそ急務だろう。

今後、中央教育審議会で改善策が検討される。その際、勤務時間の削減だけにとらわれず、職責を踏まえ、先生たちの意欲を削(そ)がないよう留意してほしい。

教員を増やすにしても、財政上の限りがある。

続きを読む

教員の世界は、寝食を忘れて子供と向き合う熱血教師がいる一方で、授業が終わればさっさと帰宅する人もおり、個人差は大きいといわれてきた。足を引っ張るダメ教師の処分や研修も不十分だ。

団塊世代の退職で若手が増える中、一人一人の資質向上を図る工夫が必要だ。意欲ある教員には教材費や待遇を含めて厚く報い、力をふるえる環境を充実させたい。多忙さばかりが強調される職場に優秀な人材は集まらない。

部活動では学外の人材活用も必要だろう。連携する教員のコミュニケーション能力も問われる。

教員の孤立が多忙感を増しているとの指摘もある。一人で問題を抱え込まず、校長のリーダーシップのもと、連携して学校のチーム力を上げてほしい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】中国国産空母 海洋覇権の拡大警戒せよ (2017年05月11日)

中国海軍の新たな空母が大連で進水した。2020年ごろに就役する予定で、中国は空母2隻を手にすることになる。

注視すべきは、中国が今回、空母の国産態勢を整えた点である。今後の建艦計画と併せて見通せば、海洋覇権への着実な取り組みを示すものといえる。一層の警戒が必要である。

中国最初の空母である「遼寧」は、ウクライナから船体を輸入、改装したもので、2隻目はこの技術をもとに建造された。

中国空母の規格、艦載機の数などは米海軍の大型空母と比べ、なお技術格差が歴然としている。

だが、現在建造中という3隻目では、艦載機を射出するカタパルトなどの導入が伝えられる。国産の原子力潜水艦を運用する実績を踏まえれば、原子力空母の建造も視野に入れていよう。

中国軍の機関紙「解放軍報」は「空母に関する技術と運用ノウハウを完全に掌握した」と明言している。自信過剰を揶揄(やゆ)する前に国防上の備えが必要だ。

中国の国防費は、今年初めて1兆元(約16兆円)の大台を突破した。実質的な軍事経費は、全体で公表分を大きく上回る。

空母艦隊の編成、運用には巨額の費用を要する。艦載機を含めた要員養成には時間も必要だ。総合的な経費はさらにかさむ。

続きを読む

空母に限らず、国防費や軍事政策の透明性を欠く中国の状況は引き続き問題である。

王毅外相は「中国には自国の国防力を高める十分な理由がある」と、新空母に対する諸外国の懸念を一蹴した。

だが、中国空母は今年1月、台湾を1周して蔡英文政権に圧力を加えた。露骨な威嚇だったと言わざるを得ない。周辺との対話を欠く軍備増強を正当化する理屈は立たない。

進水した空母は就役後南シナ海に配備されるとの見方が強い。

スプラトリー(南沙)諸島の人工島では、すでに滑走路の整備など軍事拠点化が進んでいる。さらに空母航行が常態化すれば、南シナ海が中国の内海と化しかねない。中国の狙いもそこだろう。

海洋問題で「法の支配」を守り、航行の自由を確保することは日米にとって死活問題である。

ベトナム、フィリピンなど南シナ海沿岸国との安保協力にも、日本は知恵を絞る必要がある。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 先生の過重労働 しわ寄せは子どもに (2017年05月11日)

先生が疲れ切っていては、子どもたちへの目配りがおろそかになる。学校の“ブラック企業化”を食い止め、先生の心身のゆとりを取り戻さなくてはならない。教育者であり、労働者でもある。

公立小中学校の先生がいかに過酷な勤務を強いられているか。文部科学省の二〇一六年度の調査は、その実態を浮き彫りにした。

一週間あたりの教諭の平均労働時間は、小学校で五十七時間二十五分、中学校では六十三時間十八分に達している。

「過労死ライン」とされる月八十時間超の残業を余儀なくされている教諭は、小学校で三割、中学校で六割に及ぶすさまじさだ。

国を挙げて働き方改革が進められる中、公立校の先生は蚊帳の外に置かれている。残業の上限を規制し、健全な労働環境を守る法的枠組みを整えるべきだ。

最大の問題は、一九七一年制定の「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」だろう。残業代の請求訴訟が相次いだことを契機に、先生の給与や勤務のあり方を定めたのだ。

先生の仕事は自発性や創造性が期待され、働いた時間の長短で評価できない特殊なものとされ、時間外手当は出ない。代わりに、八時間分の勤務に相当する本給の4%が毎月一律に支給される。

つまり、残業そのものを原則として想定していない。一日七時間四十五分の所定の勤務時間をやりくりし、仕事を片づける建前になっている。たとえ授業の準備や部活動の指導、家庭訪問が長引いても、ボランティア扱いなのだ。

残業代を支払う必要がないので、学校は際限なく仕事を増やすことができる。しかも、先生の勤務時間を把握する意味合いは薄れるから、長時間労働が常態化しやすい。労働の無法地帯に等しい。

連合総研の調査では、タイムカードなどで出退勤時刻を記録する小中学校は一割程度にすぎない。

この法制度の欠陥はかねて指摘されてきた。なのに、国は人件費を抑制したいからか抜本見直しに踏み込まず、仕事の量と質のハードルを上げるばかりだ。

グローバル人材育成を目指すとして授業時間を増やす。いじめや不登校、発達障害には丁寧な対応を求め、地域や家庭との連携を促す。精神疾患で休職する先生は、高校を含め年間五千人に上る。

もはや先生の熱意や責任感に頼る精神主義では、教育現場の崩壊を招きかねない。そのしわ寄せを被るのは子どもたちなのだ。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 性的少数者 人権守る法整備急ごう (2017年05月11日)

同性愛や性同一性障害などの性的少数者(LGBT)が社会のさまざまな場面で差別に遭っている。性のあり方を理由にした人権侵害を禁じる仕組みが必要だ。当事者の声を聴き、法制化を急ぎたい。

「LGBT」という言葉がニュースなどで知られるようになった。

同性カップルに公的証明を発行する条例が二年前、東京都渋谷区でつくられたことなどがきっかけで、同様の条例は世田谷区や三重県伊賀市、那覇市などでもつくられた。

恋愛対象となる性は何か(性的指向)、自分の心の性(性自認)は人によって違う。

性のあり方は多様だという視点を取り入れ、施策に取り組む自治体は徐々に増えている。文京区は当事者が行政窓口や学校で差別的言動を受けないようにするため区職員や教員用の対応指針を作った。同性パートナーを持つ社員に結婚休暇や介護休暇の取得を認める企業もあらわれ始めた。

しかし、問題は命や尊厳にかかわる。自治体や企業の努力だけでは改善しきれない。やはり差別を禁じる理念を持った法が必要だ。

国連は二〇一一年に性的指向による差別問題に取り組む決議を採択し、五輪憲章にも一四年に「性的指向による差別禁止」が明記された。先進国では法整備が進んだが、日本ではまだだ。

二〇年の東京五輪開催を見据え、性的少数者の権利を考える超党派の国会議員連盟が一昨年結成された。当事者への理解促進にとどめるとの意見もあり、与野党で意見が対立、議論が止まっている。差別解消に実効性ある法案を早急にまとめてほしい。

民間団体が実施した調査では性的少数者の約七割が学校でいじめを受けており、三割が自殺を考えたことがあった。都内大学で同性愛者の学生が同級生に同性愛者であるとソーシャルメディアで暴露された後に自殺したのはあまりに痛ましい。

当事者の多くは小中学生の頃に自分の性について気づいているが、性的少数者のことは学校でも教えられない。「思春期には異性を意識するようになる」という教え方では不十分で、むしろ誤りだ。偏った教え方は当事者を疎外する。

当事者の電話相談を受ける「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」の原ミナ汰さんは「相談の八割は個人の問題でなく、人間関係によるものだ」と分析する。問題から目をそらしてはいけない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[日経新聞] マイナンバーを医療に生かせ (2017年05月11日)

日本に住む人すべてに12桁の番号をふり、社会保障・税などに関する国と自治体のサービス向上に生かすマイナンバー制度が始まって1年半になろうとしている。だが制度について理解はさほど進んでいない。

問題は番号を医療情報に結びつける肝心の制度設計が行きづまっていることだ。マイナンバーはもともと医療の無駄を省き、患者の利便性を高め、大災害などの非常時に病院や診療所が困らないようにする社会基盤として設計した。

東日本大震災では津波で診療録や処方箋が流され適切な医療を受けられなかった高齢患者が多かった。番号から電子カルテなどをたぐり寄せられるようにすれば、同様の災害があった際に医師や看護師は遅滞なく対処できるはずだ。

また診療報酬明細(レセプト)の情報とつなげば病院や診療所ごとの医療費の動向をつかみやすくなる。匿名のビッグデータを生かして医療提供が標準化・効率化できる。政府はこの利点への理解を促す努力を改めて強化し、制度設計を加速させる必要がある。

医療情報は取り扱いに特に慎重を要するプライバシー情報だ。マイナンバーとつなぐにあたっては堅固なセキュリティー対策を施すのは、言うまでもない。

公の身分証明になるICチップ入りカードの普及も課題だ。初年度に3千万枚を配る政府の目算に対し、1300万枚にとどまっているのは、発行元である「情報システム機構」の大規模システム障害が尾を引いているためだ。

機構は旧自治省の出身者などが役員に名を連ねる。信頼される組織になるには役所仕事を排すべく自らを厳しく律すべきだ。

政府はカードに国家公務員の職員証の役割を持たせたが、警察庁など一部の役所が使用を拒むなど行政府内の足並みが乱れているのも問題だ。国・自治体の公務員は当然として、国民健康保険や民間企業の健康保険証として使うなど「不可欠なカード」にするのが普及拡大への特効薬であろう。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[日経新聞] 公的金融は「平時縮小」の原則を徹底せよ (2017年05月11日)

政府系金融機関である商工組合中央金庫が、大規模災害などで一時的に業績が悪化した企業に融資する「危機対応業務」で不正をしていたことが明らかになった。

震災や金融危機で経営が急速に悪化する企業は多い。危機対応業務の対象と認められると、企業は利子補給で負担が小さくて済む。この利子補給は、別の政府系機関である日本政策金融公庫むけの政府の出資金が元になっている。

商工中金が設けた第三者委員会の調査結果によると、危機対応業務の対象を増やそうと取引先企業の売上高や純利益の数字などを書き換え、減ったように見せる不正が広い範囲であったという。

不正は全国35支店で760件、99人の職員が関与していた。実態よりも顧客の業績が悪化したように数値を改ざんし、融資を積み上げていった不正の温床は、肥大化した公的金融にある。

2008年のリーマン危機や11年の東日本大震災の際には危機対応の資金需要は大きく、商工中金は円滑に融資を実行できていた。だが、その後は「円高対策」「原材料高対策」と名目を変え、無理に事業規模を保とうとした。

金融安全網としての公的金融の機能は否定しない。しかし、金融危機や震災という「有事」から「平時」へと経済が移れば、民間金融機関の経営を圧迫しないように危機対応業務は縮小していくのが本来の姿だ。

商工中金はその原則を徹底できず、税金の無駄遣いに手を染めた。経済が平時に戻っているのに、事実上のノルマとして危機対応を各営業店に割り振り、実績を職員の評価対象にしていた。

しかも不正融資が経営陣に伝えられていながら、結果として組織の自浄作用が働かなかったのはきわめて深刻な事態である。最近の商工中金の社長は2代続けて経済産業省の事務次官経験者だ。

商工中金は役員報酬の一部返納などの措置を発表しているが、組織や人材の刷新を含む解体的な出直しをすべきではないか。

政府も商工中金に業務改善命令を出すだけで事態を収拾しようとするなら問題だ。

これを機に商工中金に限らず、政府系金融機関のすべてを対象に業務が肥大化していないかを総点検すべきだ。官民ファンドも例外ではない。会計検査院も速やかに調査に入り、徹底的に問題点を洗い出してほしい。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] アフリカ・中東の飢餓 支援が圧倒的に足りぬ (2017年05月11日)

[PR]

アフリカや中東で深刻な食糧危機が広がっている。

国連のグテレス事務総長は2月、アフリカの南スーダン、ソマリア、ナイジェリア北東部と、中東のイエメンで、約2000万人が飢餓に直面する恐れがあると警告した。

放置すれば、第二次世界大戦後で最悪の人道危機になりかねない。

しかし、国際社会の関心が高まっていないのが気がかりだ。

国連は44億ドル(約5000億円)の支援を国際社会に求めているが、3月までに集まったのはその1割にすぎない。圧倒的に足りない。

かつて戦争と飢餓の「暗黒大陸」とも呼ばれたアフリカは、冷戦終結後に急速な経済成長をとげ、今では「最後のフロンティア」として潜在力が期待されている。だが経済基盤のもろさも抱えている。

干ばつなどの自然現象に加え、紛争が事態を悪化させている。

南スーダンでは、民族対立による内戦で農地が荒廃し、国連は2月、北部地域が「飢饉(ききん)」に陥ったと宣言した。約26万人が死亡した2011?12年のソマリア以来で、1万人に2人以上が毎日餓死する最悪の状況を指す。

日本は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に陸上自衛隊を派遣した。また、飢餓対策に約6億9000万円の緊急無償資金協力の供与を発表した。できる支援を今後も続けなくてはならない。

貧困層の不満に乗じてイスラム過激派が浸透し、内戦状態に苦しむナイジェリアやソマリアには、経済格差解消を進める対策も必要だ。

イスラム教シーア派の武装勢力と政府軍の内戦が続く中東のイエメンでは、約50万人の子供たちが餓死する恐れがある。生き延びるために戦闘に参加する子供たちも増えているという。

最大の資金拠出国である米国のトランプ政権は、対外援助を大幅に減額する方針を打ち出している。大国としての責任が感じられない。

食糧を届ける支援関係者への相次ぐ襲撃も問題になっている。援助を阻む行為を中止させるよう、紛争当事者に強く働きかけ、供給ルートを確保する工夫が必要だろう。

危機を直視し、国際社会が一致して行動を起こすべき時だ。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 赤ちゃんポスト10年 命を守る活動を広げたい (2017年05月11日)

[PR]

貧困や暴力などが絡んだ不慮の妊娠によって、望まれずに生まれる子供がいる。

そうした子を守ろうと、熊本市の慈恵病院が「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を始めて10年になる。親が育てられない子を匿名で受け入れる国内唯一の施設だ。

預けられた赤ちゃんは昨年3月までに125人に上る。同病院は児童相談所と協力し実親の調査や、特別養子縁組につないで赤ちゃんが手厚く養育されるよう取り組んできた。

赤ちゃんポストをめぐっては開設当初「安易な子育て放棄を助長する」との批判があった。当時、安倍晋三首相も「匿名で子供を置いていけるものを作るのには大変抵抗を感じる」などと否定的な発言をした。

だが、最近は若者の貧困や家族の機能低下などを背景に「望まない妊娠」は増え、小中学生の出産も少なくない。同病院が受ける妊娠や出産に関する問い合わせも年間5000件を超える。ポストの必要性は感じられるようになってきた。

厚生労働省によると、無理心中以外の虐待で亡くなった18歳未満の子供は2003?14年度で計626人に上る。このうち半数近くが0歳児で、実の母親が加害者である場合がほとんどだ。

もともと日本は望まれずに生まれてきた子への対応が遅れてきた。妊娠中絶の件数が多いことも背景にある。ドイツをはじめ諸外国では赤ちゃんポストに類似した制度が古くから存在し、多くの命を救ってきたのとは対照的だ。

最近になって厚労省は産科のある医療機関、貧困や家庭内暴力の被害者を支援するNPOなどに児童福祉司を配置し、「望まない妊娠」をした女性の支援に乗り出している。

今年4月から施行された改正児童福祉法では、里親や特別養子縁組の支援を強化することになった。さらに、養子縁組をあっせんする民間団体への法規制を強化し、金銭目的の団体を排除するなどして質の向上に取り組んでいる。

それでも網の目からこぼれるケースはあるだろう。赤ちゃんポストが受け止めてきたものの重さを認め、より幅広い支援体制を構築すべきだ。どんな事情があっても生まれてきた命は守られねばならない。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 自殺対策 「生きる支援」を地域ぐるみで (2017年05月11日)

日本は、自殺による死亡率が先進国の中で突出して高い。対策を加速させねばならない。

厚生労働省の有識者検討会が、5年ごとの自殺総合対策大綱見直しに向けた報告書を公表した。政府は、今夏に新大綱を決定する。

国内の年間自殺者数は、バブル経済崩壊後の1998年から14年連続で3万人を超えた。近年は、景気回復の影響などで減少傾向だとはいえ、2016年も2万1897人に上っている。深刻な状況であることに変わりはない。

報告書は、自殺死亡率を今後10年間で3割以上減らす目標を掲げた。人口10万人当たりの自殺による死亡者数を、15年の18・5人から13人以下にする。

米国13・4人、英国7・5人など、先進諸国は日本を大幅に下回る。着実に実現させたい。

重点課題として報告書は、若者対策の強化を打ち出した。中高年層の自殺は顕著に減っているが、若年層の減少幅は小さい。15?34歳で死因のトップとなっているのは、先進諸国で日本だけだ。

自殺が多く発生する学校の長期休業明けに見守り活動を行う。インターネットを活用した相談や情報発信に力を入れる。こうした取り組みが有効だろう。

スクールカウンセラーなど専門職の配置拡充と資質向上など、学校の体制整備も求められる。

過重労働など勤務問題による自殺対策も重要視している。

長時間残業やパワーハラスメントが原因で自殺に追い込まれる若者が目立つ。自殺対策の観点からも、官民で「働き方改革」を急ぎたい。職場のメンタルヘルス対策は、中小企業で遅れが目立つ。啓発と支援強化が必要である。

昨年4月に施行された改正自殺対策基本法は、自殺対策を「生きることの包括的な支援」と定義し、自治体に防止計画策定を義務づけた。自殺者の年代や原因など地域の傾向に合わせた、よりきめ細かな取り組みを促すためだ。

自殺の原因は、経済的困窮や病気、職場や家庭の悩みなどが複合的に絡み合う場合が多い。地域の福祉、医療、教育、雇用などの関係機関が連携し、自殺リスクの高い人を早期に発見して支援につなげることが重要である。

悩みを抱える人の孤立を防ぐための居場所作りも欠かせない。交流する相手がいることは、心の支えになる。周囲も問題に気づきやすい。生活困窮者や高齢者の支援制度など、既存施策とも連動し、命を守る地域社会を築きたい。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 米艦防護 説明責任はどうした (2017年05月11日)

国民の目と耳から遠いところで、米軍と自衛隊の一体化が進み、国会の監視も機能しない。そんな安全保障関連法の欠陥が改めてあらわになった。

米軍の艦船を海上自衛隊が守る「武器等防護」が初めて実施された。安保法で付与された、米艦防護と呼ばれる任務だ。

初の実施が報道機関の取材で明らかになった後も、政府はその事実を公表していない。

安倍首相は一昨年、安保法案の国会審議で、米艦防護についてこう約束したはずである。

「国会及び国民に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えだ」

しかし8日の衆院予算委員会で首相は、その考えを繰り返しながら「米軍等の活動への影響や相手方との関係もあり、実施の逐一について答えは差し控えたい」と前言を翻した。

法案審議の過程で国会と国民に誓った「丁寧な説明」を、法成立後はあっさり反故(ほご)にする。ご都合主義が過ぎないか。

安保法は米艦防護を実施するかどうかの判断を、防衛相に委ねている。国会報告は必要とされておらず、昨年末に政府が決めた運用指針によると、速やかに公表するのは「警護の実施中に特異な事象が発生した場合」などに限られている。

米艦防護には地理的制約がない。自衛隊を世界中で活動させることが可能なのに、情報公開の制度も、国会が関与する仕組みも決定的に足りない。

政府の恣意(しい)的な判断の余地があまりに広く、実効性のある歯止めを欠く現状は、早急に正さねばならない。

このままでは国会も国民も知らないうちに、海自の艦艇が海外に派遣されて米艦を護衛し、ある時突然、戦闘状態に入ったと発表される――。そんな事態も起こらないとは言えない。

国会の関与強化については一昨年、政府与党が当時の新党改革など野党3党の要望を受け入れ、安保法への賛成をとりつけた経緯がある。

その際の合意は、安保法に基づく自衛隊の活動継続中の常時監視や、終了後の事後検証のため、(1)適時適切に所管の委員会などで審査を行うこと(2)国会の組織のあり方について、法成立後に各党間で検討し結論を得ることをうたった。

だが、この合意は今も実現していない。法成立までの、政府与党の方便だったのか。

現状は、自衛隊への民主的統制の不全を映し出す。憲法9条改正論の前に、安保法を正す議論が必要だ。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] アジア開銀50年 インフラ需要にどう応えるか (2017年05月11日)

世界の成長センターであるアジアの旺盛なインフラ需要に、どう応えていくか。設立から半世紀を迎えたアジア開発銀行(ADB)の役割が一段と問われよう。

ADB総会が横浜で開かれた。10年ぶりの日本開催である。

道路や発電所などのインフラ整備は途上国の発展に直結する。ADB融資の貢献は小さくない。

最大出資国の日本は、歴代9人全ての総裁を輩出し、資金、人材両面でADBを主導してきた。

総会で日本は、ADBの新基金に4000万ドルの拠出を表明した。経済性や環境に配慮した質の高いインフラ投資を促すものだ。日本が今後もアジアの発展を牽引(けんいん)する決意を示したと言える。

交通システムや新エネルギーなど高度な技術を要するインフラは、日本企業の得意分野だ。新基金を軌道に乗せてもらいたい。

アジアのインフラ需要は急増しており、年間1・7兆ドルに及ぶ。これに対し、ADBの融資額は175億ドルにとどまっている。

現地の資金需要を最大限満たすには、ADBを軸とする重層的な態勢作りが求められる。

中国の主導で一昨年設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の加盟国・地域は70を数え、ADBの67を超えた。

それでも現時点の融資額、職員数はADBの10分の1程度に過ぎない。手がける案件はADBや世界銀行との協調融資が中心だ。

今後、陣容が拡大して独自融資が増えると、中国の意向に振り回される不安が残る。このため、日米は参加を見送っている。

ADBがAIIBと連携を強化すれば、適正な活動を促すことにもつながるのではないか。

中尾武彦ADB総裁が総会で「インフラ資金の必要額は巨大だ。AIIBと協力する必要がある」と指摘したのは理解できる。

ADB自身の改革も欠かせない。平均2年かかる審査期間の短縮を求める声は根強い。融資の使い勝手を高めねばなるまい。

インフラ融資専門のAIIBとは異なる機能を生かすことも重要だ。感染症の拡大防止といった保健分野を始め、多面的な開発支援に取り組んでほしい。

今回、日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)向けに、4兆円規模の資金枠創設も打ち出した。金融危機による外貨不足時に、ドルや円を融通する仕組みだ。

成長を支えるADB、危機に備えた資金枠を両輪として、日本とアジアの経済関係を深めたい。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 憲法70年 首相は身勝手が過ぎる (2017年05月11日)

きょう予定されていた衆院憲法審査会の開催が見送られる。安倍首相の憲法改正をめぐる発言に野党が反発した。改憲を悲願とする首相のふるまいが、国会での議論を停滞させている。皮肉な話である。

首相は先週、9条に自衛隊の存在を明記し、2020年に改正憲法の施行をめざす考えを、読売新聞のインタビューと憲法記念日の改憲派集会に寄せたビデオメッセージで示した。

だが、そもそも憲法のどの条項をどう変えるかを国民に発議する権限を持つのは国会だ。

行政府の長である首相が、その頭越しに具体的な改憲項目や目標年限を示せば、与野党を超えた幅広い合意をめざしてきた憲法審が混乱するのは当然である。

それでも首相が改憲という重大な発信をした以上、国会の場でその狙いや中身をただすのは野党の当たり前の仕事だ。これに誠実にこたえ、真意を説明する責任が首相にはある。

だが国会での説明責任を、首相はあまりにも軽く見ている。

衆院予算委員会で発言の意図を問われた首相は、国会審議には首相として出席しており、インタビューなどは自民党総裁として語ったことだと答弁。「自民党総裁の考え方は読売新聞に書いてある。ぜひ熟読していただいてもいい」と述べた。

首相と自民党総裁の肩書の、なんとも都合よい使い分けである。国会議員の背後に多くの国民の存在があることを忘れた、おごった発言だ。

野党の質問の多くにまともに答えない一方で、首相は「民進党も具体的な提案を出していただきたい」と挑発した。

これも、手前勝手な「自己都合」の押しつけである。

報道各社の世論調査を見ても国民の大半が改憲を望む状況にはない。なのになぜ、野党が改憲案を示す必要があるのか。

首相は国会で「(改憲発議に必要な衆参の)3分の2を形成し、かつ国民投票で過半数を得ることができる案はなにかを考えるのが、政治家の責任ある行動だ」と述べた。

首相が、日本維新の会が掲げる教育無償化を改憲項目にあげたのはそのためだろう。3分の2を確保するために「教育」を道具に使う。そんな政局的思惑が見える。

自らの自民党総裁3選を視野に、東京五輪が開かれる2020年に、首相として改正憲法を施行したい――。首相は結局、自己都合を自公維の数の力で押し通すつもりなのか。

1強の慢心というほかない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする