2017年05月10日

[東京新聞] 韓国大統領に文在寅氏 「核危機」回避が使命だ (2017年05月10日)

韓国大統領選で野党の文在寅候補が当選確実になった。北朝鮮の核、ミサイル開発による東アジア危機の回避が、内外とも最も重要な使命になる。

文氏が率いる次期政権で注目すべき課題は三点になろう。

まず、朴槿恵前大統領の罷免、逮捕によって混乱する韓国政治を早く安定させること。

併せて、北朝鮮の暴走に歯止めをかけるという差し迫った課題がある。既に抑止に動きだした米国さらに中国との政策調整を進めなくてはならない。そして、冷えこんでいる日韓関係の立て直しだ。


◆多様な意見に耳傾けよ
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朴前大統領は財閥企業との贈収賄、友人を国政に関与させた職権乱用などで弾劾、罷免された。

文氏はかつて人権派弁護士として活動し、二〇〇〇年代には盧武鉉政権で大統領秘書室長など要職を務めた。公正で透明性が高い政治の実現を訴え、金銭面でも清潔だと評価される文氏の勝利は、不正との決別を願う韓国社会の熱気を反映したものだと言えよう。

韓国は経済成長が鈍化する一方で、少子高齢化が急速に進む。大企業に富が集中し、競争力を持つ中小企業が育たない。若者は就職難で、結婚も諦めるしかないという不安が広がる。

文氏が属する「共に民主党」は学生運動や市民団体出身者が多くリベラル左派とされ、財閥中心の経済構造を改めて社会格差をなくすと約束する。だが、現実の韓国社会は保革両極論では割り切れないほど複雑化している。文政権には保守との理念対立を和らげ、社会の多様な意見、価値観に耳を傾ける姿勢が必要だ。

与党になる共に民主党は国会の議席が単独過半数に届かず、法案可決では中道党派の協力が欠かせないという事情もある。


◆米中と政策調整急げ
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北朝鮮による「核危機」は深刻な段階に入った。米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発など脅威の高まりと、対応を誤れば朝鮮半島が戦場になりかねないという両面で考えるべきだ。

もし米国がICBM完成を阻止しようと先制攻撃をし、北朝鮮が反撃すれば、標的はまず韓国になるだろう。日本も含め東アジア全体に拡大する恐れも否定できない。韓国の次期政権は北朝鮮の核、ミサイル開発を止めるだけでなく、軍事衝突を防ぐため総力を挙げなくてはならない。

北朝鮮のミサイルを迎撃するため、米軍が韓国南部に配備した高高度防衛ミサイル(THAAD)システムも波乱含みだ。付属のレーダーの範囲を拡大すれば中国本土の軍事情報が流出すると、中国は配備に強く反対している。文政権は米中の板挟みで苦悩することになろう。

一方で、トランプ米政権は北朝鮮に強い軍事的圧力をかけ、中国は石炭輸入削減、さらに停止を公表するなど経済制裁を強めている。米中両国は今回初めて、北朝鮮の核とミサイルを抑止するために連携を強めたと言える。

韓国はむしろ好機と捉え、抑止に動く米中双方と連携すべきだ。文氏は早い時期に米中の両首脳と意見交換をし、政策調整を進める必要がある。

文氏はかつて盧政権の対北融和政策に関わった経緯もあり、南北対話の再開に積極的だ。韓国民にも、北朝鮮が対話に応じれば衝突の危険性が減るのではないかとの期待感もある。

しかし、北朝鮮は核開発を放棄しないと言い張り、各国が制裁で足並みをそろえる以上、対話再開には国際社会の理解を十分に取り付ける必要がある。

日韓関係も楽観はできない。文氏と側近、支持組織は歴史認識を重視し、日本側は「反日」姿勢が強まるのではないかと懸念する。最大の焦点は旧日本軍の慰安婦問題だろう。

日韓は一五年末、日本政府が十億円を拠出し、韓国が財団をつくって元慰安婦を救済する措置で合意した。文氏は合意には被害者の要望が反映されておらず、国民の七〜八割が反対しているとして、再交渉を求めている。


◆慰安婦合意の尊重を
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それでも、元慰安婦の平均年齢が九十歳近いことを考えれば、日韓合意は現実的で的確な判断だった。次期政権も尊重するよう強く求めたい。歴史問題で両国関係が冷えこんだままでは、北朝鮮の軍拡を抑える日米韓の連携にもマイナスだ。

一五年末時点の生存者四十六人のうち七割以上に当たる三十四人が、日本からの拠出金を受け取っている。本人や家族がどのような思いで日韓合意による措置に応じたのか、韓国政府はまず明らかにしてほしい。支援団体の主張や世論調査の結果は伝えられるが、当事者の本当の考えがはっきりわからないからだ。
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[産経新聞] 【主張】韓国新大統領 まず日米と「対北」連携を (2017年05月10日)

韓国新大統領は、「親北・反日」姿勢が色濃い左派系「共に民主党」の文在寅氏に決まった。

北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まり、朝鮮半島情勢は緊迫している。無謀な挑発をやめさせるため、日米韓の結束がとりわけ重要なときだ。

それだけに、文氏の姿勢には大きな危惧を抱かざるを得ない。

新政権が最重視すべきは、日米両国政府と対北朝鮮政策のすり合わせを急ぐことにほかならない。外交、経済、軍事の各面で、隙のない連携を維持してほしい。

北朝鮮は今年に入り、6度も弾道ミサイルを発射し、核実験や大陸間弾道弾(ICBM)発射を強行する構えを崩していない。

トランプ米政権は北朝鮮に核開発の放棄を迫り、軍事的圧力を強める一方、各国に働きかけ、北朝鮮包囲網の構築を進めている。

こうした状況下で、韓国が北朝鮮の暴走阻止へ果たすべき役割は極めて大きい。文氏も核放棄を求めてはいる。だが、日米と連携して圧力をかけることより「『核か南北協力か選択しろ』と説得する」と、直接対話を優先させる意向のようだ。

南北経済協力事業である、開城工業団地の操業再開も主張する。だが国際社会は、国連安全保障理事会決議などに基づき北朝鮮の核・ミサイル開発資金を断とうとしている。そのさなかに北朝鮮の労働力に外貨を提供するのは、各国の努力を無にするものだ。

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在韓米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備の見直しを示唆しているのも看過できない。北朝鮮への圧力を弱める判断は、より危機を強める選択でしかあるまい。

核の放棄を迫るため北朝鮮との交渉に臨むとしても、日米と緊密に意思疎通を図りながら、行うことが大前提である。

文氏の融和政策は、日米韓連携に亀裂を生じさせかねない。喜ぶのは金正恩政権に他ならない。

文氏は昨年7月、韓国が不法占拠する竹島(島根県)に上陸し、今年1月には釜山の慰安婦像を訪れた。もはや露骨な反日パフォーマンスは厳に慎むべきである。

日韓合意の再交渉も主張しているが、合意は慰安婦問題の不可逆的決着を表明したものだ。これを破るというなら、世界に対して「約束を守れない国」であることを宣言するに等しい。
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[産経新聞] 【主張】憲法改正 「9条」論議の好機生かせ (2017年05月10日)

憲法9条を改正し、平成32年に施行する目標を掲げた安倍晋三首相の発言を受け、国会の憲法論議に活性化の兆しがみえてきた。

各党は、優先して改正すべきだと考える項目を持ち寄り、憲法改正原案をつくる作業に乗り出してほしい。

改正原案をまとめる場として衆参両院に憲法審査会が設置されて、まもなく10年がたつ。「論点整理」を繰り返す段階から抜け出すときである。

改正は立法府のみならず、国民挙げての作業だ。首相は9条をなぜ改正すべきかについて、国民への説明の先頭に立つべきだ。

首相は9日の参院予算委員会で「まずやらねばならないのは自衛隊だ」と強調した。8日の自民党役員会では「わが党は議論をリードする責任がある」と語り、「本年、改憲へ歴史的一歩を踏み出したい」と作業の加速を求めた。

首相の構想では、戦争放棄の9条1項と戦力不保持の2項を残し、自衛隊の存在を明記する。新憲法下の自衛隊の性格について、「今までの憲法の制約を受ける」と答弁した。自民党が「3項」を検討する際には、国民をどう守り抜くかの観点を重視すべきだ。

首相は「党内の議論を加速し、憲法審査会への提案を、いかに苦しくてもまとめ上げる決意だ」とも語った。有言実行が肝心だ。

今後の論議では、もはや首相と自民党総裁の立場を使い分ける必要はあるまい。党首討論で憲法を取り上げ、憲法審査会への出席も求め、大いに語るべきである。

驚いたのは、自民党の船田元・憲法改正推進本部長代行が首相発言について「野党の反発を招くのは必至だ」と、後ろ向きの反応を示したことである。

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船田氏は党の実務担当者でありながら、憲法改正に正面から向き合わない民進党に配慮し、議論の停滞を許容してきた面はないか。反発を恐れる前に、9条改正の実現に協力してもらいたい。

自民党は日本維新の会、日本のこころの2党との政党間協議も始めたらよかろう。

首相の提案は、公明党が唱えていた「加憲」の一種でもある。公明党は改正への態度をより明確にしてほしい。

民進党の蓮舫代表は参院予算委で党の取り組みをはっきり示さなかった。議論に加わる前提を早急に整えるべきだ。
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[毎日新聞] 韓国新大統領に文在寅氏 地域安定へ日韓で協力を (2017年05月10日)

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前大統領の失脚に伴う韓国政局の混乱を収拾し、安定へ向かう一歩となってほしい。

韓国大統領選で革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏が当選を確実にした。

2008年まで続いた盧武鉉(ノムヒョン)政権以来の左派政権となる。

この1カ月間、北朝鮮情勢は緊張し続けてきた。それを受けて保守派は、文氏の北朝鮮に対する融和的な姿勢を攻撃した。それでも結果に大きな影響はなかった。

むしろ韓国の株価は上昇し、先週は6年ぶりに最高値を更新した。半年にわたった政治の空白が終わることへの期待が大きいのだろう。

大統領選が現職の罷免に伴って行われたのは初めてだ。新政権は、罷免された朴槿恵(パククネ)前大統領の負の遺産を背負ってのスタートとなる。それを乗り越える国造りが最大の使命となろう。


慰安婦合意を基礎に
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新大統領にはまず日韓関係の安定に向けた取り組みを求めたい。

現在の日韓関係の基礎となっているのは、慰安婦問題に関する一昨年の日韓合意だ。それは、懸案だった日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結にもつながった。

ところが文氏は合意に否定的で、日本との再交渉を訴えてきた。国家間の合意を一方的に覆すようなことは許されない。

文氏は元慰安婦の考えが反映されていないと主張するが、実際には、元慰安婦の7割以上が合意に盛り込まれた事業を受け入れている。高齢の元慰安婦が存命のうちに解決策を探ろうとしたことは正当に評価されるべきだろう。

日本側は、ソウルの大使館前に建つ慰安婦問題を象徴する少女像を問題視してきた。その問題が解決されていないのに、釜山の日本総領事館前にも新たな像が建てられたことへの反発は強い。

残念なのは、少女像問題の深刻さを軽く見る傾向が韓国側にあることだ。新政権には合意の精神を踏まえた対応を求めたい。

緊迫する北東アジア情勢を考えれば、日韓の協力強化は互いにとって利益となる。それなのに近年は歴史認識や領土の問題に足を取られ続けてきた。

日韓間の懸案は、互いの国民感情を刺激しやすい。自国世論への目配りが欠かせない点で、日韓両国政府は同じ立場にある。

両国の政治指導者には、いたずらに相手を追い込んで互いに強く出ざるを得ないような悪循環を避ける責任がある。

対北朝鮮政策では日米韓の連携が基本である。文氏には、対北朝鮮政策でも現実的な対応を求めたい。

米国のトランプ政権は、軍事・外交両面での圧迫を最大限に高めて核問題の対話解決に道筋をつけるという新たな対北朝鮮政策を策定した。米国はいま、中国を巻き込んで圧迫を強めようとしている。


社会の統合が必要だ
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文氏の掲げた対北朝鮮政策はこれと衝突しかねない。特に、韓国企業が北朝鮮の労働者を雇用していた開城(ケソン)工業団地の再開は、北朝鮮に圧迫を加えようという国際的な動きに逆行している。

米国も、北朝鮮の体制転換を狙っているわけではない。最終的に対話で解決するという目標は韓国と同じだ。それにもかかわらず韓国が性急に融和策を探ろうとすれば、日米韓の連携を乱し、北朝鮮に付け入るすきを与えかねない。

新大統領が取り組まねばならない国内の改革は困難を極める。

民主化後の歴代大統領は例外なく政権末期に親族や側近のスキャンダルに見舞われてきた。大統領に権力が集中していることが背景にあると指摘され、それが財閥と権力の癒着につながったと批判される。

改革の必要性は今までも叫ばれ、大統領の権限を制限しようという努力も行われた。それでも大統領罷免という前代未聞の事態が起きてしまった。

より根本的な対策を取るために憲法改正が必要だと指摘されている。新大統領には、改革の具体策について社会の合意をまとめるという重い課題がある。

前大統領罷免と激しい選挙戦で、韓国社会における左右両派の対立は激化している。これを沈静化させる社会統合を図ることが、まずは必要だ。新大統領にとってはそれが試金石となる。
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[日経新聞] 親北路線で韓国は乗り切れるのか (2017年05月10日)

朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免に伴う韓国大統領選挙で、革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が当選を確実にした。

文氏は貧しい家庭に生まれ、学生時代に軍事政権に抵抗する民主化運動に身を投じた。同じ人権派弁護士出身の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下で秘書室長などを務めた。保守系の前大統領の醜聞を追い風に、庶民的で実直な人柄も有権者の支持を集めたようだ。

韓国ではその盧政権以来、約9年ぶりの革新政権の誕生となる。

日米との連携欠かせず

師と仰ぐ故盧元大統領の志を継ぎ、2代続いた保守政権からの政策転換をめざすとみられるが、難題は山積する。直ちに大統領就任後、まずは組閣を含めた新政権の体制を早急に整える必要がある。

国民の多くは前大統領の醜聞をきっかけに、政治不信、政財界の癒着、貧富の格差など、閉塞感が漂う社会の現実に強い不満を抱いている。新体制を固めても、これを解消するのは容易ではない。

ただでさえ韓国は近年、経済成長率が2%台と低迷し、若年層の失業率は直近で10%台に達している。財閥など大企業と中小企業の賃金格差も大きい。

文氏は例えば公共部門の雇用を創出するとともに、政界との癒着がとりざたされる財閥改革に本腰を入れるとしている。だが、政府の役割を重視し、韓国経済のけん引役である財閥に本格的にメスを入れれば、民間の経済活力をそぎかねない危うさも抱える。

外交・安全保障政策、とりわけ核開発を続ける北朝鮮への対応には、懸念を拭えない。

文氏は北朝鮮への制裁と圧力に終始した朴前大統領の路線を批判し、韓国が南北の対話や協力を通じて北朝鮮の核問題を主導的に解決する方策を提唱する。「核問題を解決できるならどこでも行く」と、訪米に先だって北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談する構えすら示している。

さらに朴政権が制裁措置として中断した南北共同事業の開城工業団地の操業再開や、南北の新経済ベルト構築にも意欲を示す。

北朝鮮のミサイル開発をけん制するため、米韓が進めている米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備については「自らの政権で判断する」というのが、かねての持論だ。

核やミサイルの挑発を繰り返す北朝鮮に対し、米トランプ政権は原子力空母「カール・ビンソン」を周辺海域に派遣するなど軍事的な圧力を強めた。北朝鮮の後ろ盾とされる中国も北朝鮮からの石炭輸入を停止したという。国際社会が結束して強力な包囲網を築こうとしているなか、文氏の唱える親北路線は明らかに逆行する。

もちろん軍事的な衝突を避けるには、対話と圧力のバランスが欠かせない。トランプ大統領が米朝首脳会談の可能性に言及したのもその証左だろう。とはいえ北朝鮮に核開発を放棄させる道筋が全くみえないのに、韓国がむやみに融和政策に傾斜すれば、国際的な結束を大きく乱しかねない。

まずは日米との連携を基軸に、中国やロシアなども含めて北朝鮮に強い制裁圧力をかけていくのが筋だろう。北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威と国際社会の懸念を共有し、くれぐれも冷静な言動を保つよう文氏には求めたい。

慰安婦合意の順守を

文氏の当選で日韓関係の行方にも不透明感が漂う。北朝鮮の核問題を含めた協力には前向きだが、日韓の歴史問題について「原則的に対応する」と明言。とくに朴前大統領が進めた慰安婦問題をめぐる一昨年末の日韓合意は再交渉を求めると主張してきたからだ。

日韓はこの合意で「最終的かつ不可逆的な解決」をうたっている。仮にほごにするようなら日韓の信頼関係は損なわれ、国際的な信用も失墜することを肝に銘じるべきだ。日韓合意を順守するとともに、ソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前の少女像撤去に努力してもらいたい。

日韓には竹島(韓国名は独島)の領有権問題がくすぶり、韓国では戦時中に日本企業に徴用された韓国人への損害賠償を求める訴訟も相次ぐ。韓国の市民団体は日本大使館前などに徴用工を象徴する像の設置も計画中だ。文氏が歴史問題で強硬な態度をとれば、日韓の関係修復はますます遠のく。

朴前大統領は任期中、一度も日本を訪問しなかった。日本政府は文氏に早期訪日を招請するとともに、慰安婦合意の重要性と、未来に向けた関係づくりの大切さを粘り強く説いていくべきだ。
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[読売新聞] テロ準備罪審議 政府参考人の答弁は問題ない (2017年05月10日)

民進党は、国会審議の引き延ばしでなく、質疑の質で存在意義を示すのが筋だろう。

テロ等準備罪を創設する組織犯罪処罰法改正案を巡って、民進党が提出した鈴木淳司衆院法務委員長(自民党)の解任決議案が衆院本会議で、賛成少数で否決された。

鈴木氏は4月19日、法務省の林真琴刑事局長の政府参考人としての出席について、委員長職権で採決し、与党の賛成多数で決まった。全会一致が慣例とされるため、民進党などが「強権的で、衆院規則違反だ」などと反発している。

だが、衆院規則には、全会一致を求める規定はない。行政の細目や技術的事項については、政府参考人の答弁を認めている。与党が「事実上の審議拒否」と民進党などを批判したのは当然だろう。

政治家が大局的な見地から法案の内容や意義を自ら説明することは重要だ。ただ、重箱の隅をつつくような詳細まで政治家に答弁を求めるのは、「政治主導」をはき違えているのではないか。

答弁が不安定な金田法相を集中攻撃するため、林氏の出席を拒む。これが野党の本音だろう。

捜査に関する専門知識を有する刑事局長の出席は、審議を充実させる観点からも適切である。実際、林氏の答弁は、法案内容の理解を深めるのに役立っている。

保安林での森林窃盗罪がテロ等準備罪に含まれる理由について、林氏は、「組織的犯罪集団の計画が現実的に想定される」と強調した。長期間、保安林内を掘削し、時価4000万円相当の山砂を窃取した実例を紹介した。

海産物を盗む漁業法違反事件はテロ等準備罪に問われない、とも指摘した。懲役・禁錮4年以上の罪でなく、国際組織犯罪防止条約が求める対象ではないためだ。

問題なのは、野党が「監視社会化する」「一般人が捜査対象になる」などと、極論に走り、国民の不安をいたずらに煽(あお)ろうとしていることだ。もっと現実的かつ建設的な議論を仕掛けるべきだ。

金田氏も、主管閣僚として緊張感を持ち、国民にも分かりやすい答弁を心掛ける必要がある。

政府・与党は来週中にも、改正案の衆院通過を図る構えだ。だが、今村雅弘前復興相辞任などの影響で、審議は予定より遅れており、日程が窮屈になっている。

2020年東京五輪に向けて、テロ対策には万全を期すことが求められる。6月18日までの今国会の会期を大幅に延長してでも、成立を図らねばなるまい。
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[読売新聞] 韓国大統領選 文氏は「親北・反日」を貫くのか (2017年05月10日)

北朝鮮と軍事的に対峙(たいじ)する韓国が、北東アジア地域の安定に負う責任は重い。新政権が日米との連携を重視し、現実的な安全保障・外交政策を展開することを期待したい。

朴槿恵前大統領の罷免(ひめん)を受けて実施された韓国大統領選で、親北朝鮮で左派「共に民主党」の文在寅候補の当選が確実になった。

中央選挙管理委員会が当選を確定する10日に就任し、5年間の任期が始まる。李明博元大統領以来、2期9年続いた保守から左派への政権交代である。政権移行期のない異例の船出となる。

文氏は、朴政権を倒した世論のうねりに乗じた。政界と財界の癒着など「積弊」の清算を訴えたことが奏功した。

新政権は、国民が切実な関心を寄せる若年層の就職難や格差拡大といった問題の解決に取り組むことが求められよう。

喫緊の課題は、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応である。トランプ米政権は関係国と協調して、圧力を強めている。

文氏は選挙戦で、対立が続く南北関係について、「共栄に転換させる」との信念を強調した。北朝鮮が核廃棄に向けた対話に応じるなら、独自制裁を解除し、経済協力を再開する方針も示した。

北朝鮮への融和政策は、緊張緩和を図る狙いもあろう。だが、関係改善を急ぐあまり、国際社会の対北朝鮮包囲網に穴を開けてはなるまい。日米韓が結束して抑止力を維持することも重要だ。

文氏は歴史認識の問題では、反日姿勢を打ち出している。その一方で、経済分野に関しては、日本と「実務的で成熟したパートナー関係」の構築を目指すという。

日韓両国は、歴史問題で摩擦を繰り返しながらも、企業間の相互依存や文化交流を深めてきた。文氏は、多方面で関係構築を進める努力が欠かせない。

文氏は、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、昨年11月の締結時には批判した。ただ、最近は「実効性を検討して延長の是非を決める」と軌道修正した。冷静な判断を求めたい。

疑問なのは、2015年末の慰安婦問題を巡る日韓合意について、「間違いだ」と断言し、再交渉を要求していることだ。

日本では、韓国が「ゴールポストを動かす」との不満も強い。歴史問題での合意を反故(ほご)にしようとするからだ。「最終的かつ不可逆的な解決」を定めた合意の再交渉があり得ないことを、文氏はどこまで理解しているだろうか。
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[朝日新聞] 憲法70年 教育をだしにするな (2017年05月10日)

本気で取り組む気があるのなら、できるところからどんどん実行すればいい。わざわざ憲法を持ち出す意図は何なのか。

安倍首相が高等教育(大学)の無償化を憲法にうたうことに前向きな姿勢を示した。

日本は教育支出を家計負担に頼る割合がきわめて高い。

たとえ貧しくても、意欲と能力があれば、高校や大学に進める。夢をかなえる道が公平に開かれている――。そんな社会をめざすこと自体に、ほとんどの人は異論がないだろう。

けれども、国民が求めているのは「教育無償化」であって、「教育無償化を口実とした改憲」ではない。世論調査の結果からも、それは明らかだ。

そもそも無償化は改憲しなくてもできることだ。憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」と定めるが、範囲を広げることを禁じてはいない。

だからこそ、民主党政権で高校無償化が実現した。それを、ばらまきだ、投資に見合う効果がないと批判し、所得制限をつけたのは安倍政権ではないか。

その後の教育機会を保証する政策も十分とは言いがたい。

大学や短大などに進む学生向けに、返さなくていい「給付型奨学金」の導入がやっと決まった。だが、対象は1学年あたり約2万人だけ。所得の低い家庭から進学する若者の3分の1しかカバーできない。

また、自民党が無償化を公約に掲げてきた幼児教育に目を向けると、たしかに低所得や一人親の家庭などを優先した無償化が段階的に進んではいる。だがそれ以前に保育園の絶対数が足りず、割高な認可外の施設に通う子どもが18万人近くいる。

文部科学省の試算によると、幼児教育から大学までの無償化を実施するには、追加でいまの文教予算とほぼ同じ規模の4兆円強がかかる。一方で年金や介護にも多額のお金が要る。

消費増税を2度も先送りした政権は、こうした財源をどうやってまかなうつもりなのか。首相が憲法改正にまで踏みこむ以上、確保の道筋を示し、国民に相応の負担をする覚悟を求めなければ、無責任に過ぎる。

改憲による「全ての教育の無償化」は、もともと日本維新の会が掲げてきた。維新を取り込む手段として教育を持ち出し、9条改定につなげる狙いであれば、有権者と憲法をあまりにもないがしろにした行いだ。

無償化は法律の制定と予算の手当て、つまり政権担当者の意欲次第で実現できる。首相が改憲の目標とする2020年まで待つ必要は、まったくない。
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[朝日新聞] 韓国新大統領 融和図り国政の再建を (2017年05月10日)

朴槿恵(パククネ)・前韓国大統領の罷免(ひめん)に伴う異例の大統領選で、野党の文在寅(ムンジェイン)候補が当選確実となった。政権は2期続いた保守から9年ぶりに革新側に移る。

韓国を取りまく状況は内政外交ともに困難を極める。文氏は冷静な判断で国政の正常化を急ぎ、着実に未来を切り開く指導力を発揮してほしい。

元人権派弁護士で、身内への不正金銭疑惑が浮上して自死した故盧武鉉(ノムヒョン)・元大統領の盟友。

公私混同で国家運営を進めた疑いがもたれる朴氏の責任追及を力説し、多くの支持を得た。

選挙戦で、文氏の陣営からは「(政権奪取後)極右保守勢力を完全に壊滅する」といった発言もあった。しかし、国民は、政争の激化や社会の分断を望んでいないのは明らかだ。

新大統領を支える与党は国会で過半数に及ばない。法案や人事案を通すためには、他党との協力が不可欠となる。

人柄の良さは保守陣営からも認められるほどと言われる文氏だが、どれだけ国内融和を図れるのか手腕が問われる。

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮について文氏は、対話を重ねて解決を図る太陽(包容)政策の精神を受け継ぐという。

国連制裁など国際社会の取り決めを守りつつ、南北交流の象徴である開城工業団地の事業再開を将来的に目指す考えだ。

中国が反発する在韓米軍への新型迎撃ミサイルシステムの配備をめぐっては、あいまいな発言に終始した。だが就任後は優柔不断な姿勢は許されない。

朝鮮半島の当事者である南北が本格的な対話を進めることは望ましい。一方で北朝鮮は常に日米韓の結束を乱すことで圧力から逃れようとしてきた。文政権は、対話を急ぐあまり、日米との歩調に変調をもたらすような性急な行動は慎むべきだ。

日本との二国間関係でも文氏には、大局観にもとづく理性的な判断が求められる。

懸念されるのは、一昨年暮れに日韓両政府が交わした慰安婦合意について、再交渉を求めると主張してきたことだ。

日韓がともに外交の知恵を生かし、譲歩し合って築いた合意である。これを認め、尊重することなしに話は始まらない。

一方で日本政府も当面、静かに見守る姿勢が必要だ。文政権が全閣僚をそろえ、本格的な政策を決めるまでには相当の時間がかかるとみられる。

北朝鮮による挑発と、韓国の政権交代が重なる微妙な時期である。日本政府は北東アジアの情勢を慎重に見極め、隣国との関係再建の道筋を探るべきだ。
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