2017年05月01日

[産経新聞] 【主張】電通事件 過労死撲滅の契機とせよ (2017年05月01日)

過労死という悲劇を繰り返さぬ契機としなくてはならない。

電通の長時間労働をめぐり、同社3支社の幹部らが新たに労働基準法違反の疑いで書類送検された。新入女性社員が過労自殺した事件を発端に始まった厚生労働省の捜査は、これで終結する。

これに先立ち、政府は「働き方改革実行計画」で、残業時間の上限を明確化した。

罰則を導入し、厳格な順守を促すが、当局の取り締まり体制も強化すべきだ。サービス残業が増えるようでは本末転倒である。

過重労働を解消するには、業務の抜本的な見直しを通じて仕事量を削減することが肝要だ。働く人の健康を守ることは、生産性や業績の向上に結びつく。経営者は、単に言葉の上でそうとらえるのではなく、実践してほしい。

厚労省は昨年末、過労自殺した女性社員の元上司と法人としての電通を書類送検したが、名古屋と大阪、京都の支社でも社員に違法な残業をさせていた疑いがあるとして送検した。

過去に何度も是正勧告を受け、それでも体質が改まらなかった同社の社会的な信用は大きく損なわれたといえる。

これまで同省による立ち入り調査は、小売業の販売現場が中心だった。だが今回は、大手企業のホワイトカラーの職場に対し、違法な長時間労働が横行する就労実態へのメスが入った。ルールは変わった。産業界は厳しく受け止めなければならない。

電通事件後も、パナソニックが工場の長時間残業で書類送検された。関西電力やヤマト運輸などでは、サービス残業による給与未払いが発覚した。産業界に残る過重労働を一掃する、意識改革を加速すべきだ。

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安倍晋三政権は労基法を改正し、繁忙期における残業時間の上限を「月100時間未満」「2?6カ月間で平均80時間以内」などとする方針だ。

現状は、労使協定があれば青天井で働かせることができる。前進とはいえ、各企業はさらなる残業の削減に取り組む必要がある。

勤務終了から翌日の勤務開始までに一定時間を設ける「インターバル規制」も積極的に導入すべきである。労働環境の改善は、深刻化する人手不足を乗り切る第一歩となるだけでなく、優秀な人材の獲得にもつながる。
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[産経新聞] 【主張】トランプ大統領100日 「世界の警察官」の復活を (2017年05月01日)

反対派が懸念したほどでも、支持者が期待したほどでもない。就任から100日が経過したトランプ大統領への米国民の評価は、おおかたこんなところではないか。

無論、排外的とも思える主張や保護主義を捨てたわけではない。楽観はできない。

だとしても、いま米国が直面している課題の重要性、深刻度から考えて、トランプ氏がとっている姿勢は強く支持できるし、そうする必要がある。

それは、オバマ前政権が放棄した「世界の警察官」の役割を、再び担おうとしていることである。トランプ氏が警察官を自任しているかはともかくもだ。

米国の国益保持が、国際社会にとっても価値を持ち、日本の利益にもかなうものである以上、確固たる姿勢を貫いてもらいたい。

当初、トランプ氏の言動からは、テロとの戦いを除き、地域紛争などに米国は関与しない「孤立主義」の道を歩むと思われた。

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劇的にその見方を変えたのは、電撃的なシリア攻撃であり、北朝鮮に対する極度の圧力強化だ。

米国は世界の外交・安全保障をリードできる超大国として今も存在している。その自覚とともに米国の同盟国も重視している。

マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)やマティス国防長官ら、軍事のプロがこの時期の政権を強く支えていることも見逃せない。

北朝鮮への対応を優先させるため、トランプ氏も中国の影響力行使を強く求める局面にある。だがそのために、南シナ海問題で中国への毅然(きぜん)とした姿勢を欠いてはなるまい。

ロシアとの関係構築やイラン核合意の見直しなど、波乱含みの課題も多い。日本とともに価値観を追求できる国であってほしい。

国内政策を実現するうえで、議会などの基盤は十分でない。医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案が頓挫するなど、目玉政策は議会の拒否に遭っている。

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政策の打ち出し方に、中途半端さも感じられる。法人税率を35%から15%に引き下げる大型減税案は、事前にさんざん指摘されながら、財源を明示できなかった。これでは議会を説得できようはずもなかろう。

世界での指導的役割を全うする上でも、政権運営能力を高めることが急務となろう。
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[東京新聞] 北陸新幹線 外国人誘う「新黄金道」 (2017年05月01日)

北陸新幹線は敦賀−新大阪ルートが決まり、整備計画から四十四年かかって全ルートが確定した。しかし肝心な財源がなければ着工できない。沿線自治体には早期開業につなぐ戦略が求められる。

北陸新幹線は一九九七年に東京−長野、二〇一五年に長野−金沢が開業、二三年に敦賀延伸が予定される。昨年末に敦賀以西ルートが京都まで決まり、新大阪までが京都南部の京田辺市を通る「南回り」で決着した。

同市付近に新駅を設け、大阪、奈良にまたがる関西文化学術研究都市への利便性を図るのは京都府の意向を尊重した政治判断だ。「北回り」支持の沿線自治体が「南回り」を受け入れたのも財源確保へ議論を急がねばならないからだ。

整備新幹線の財源はJRが国に支払う施設使用料を除いた額を国と地方が二対一で負担している。

地方負担をめぐり、府域の大半がトンネルとなる京都府が、レールの長さに応じて算定する現ルールの見直しを求めている。ルートから外れた滋賀県は、湖西線が並行在来線となることに反対している。関西広域連合で議論を始め、統一見解を示してほしい。

さて、大きな壁は総事業費二兆一千億円をどう確保するかだ。

国土交通省によると、毎年七百五十五億円を計上する国費は現状、北海道新幹線札幌開業の三〇年度末までしか確保されていない。国は敦賀以西を三一年度着工、四六年度完成と想定するが、今から三十年後の全線開業では到底受け入れられない。

想定を前倒しするには国費の積み増しとともに、現行の財源計画を延長または見直す政治判断が必要となる。それには国民が納得する根拠が求められよう。沿線自治体は戦略を絞る必要がある。全線開業の経済効果として見込めるインバウンド(外国人旅行客)の増加をもっとアピールすべきだ。

日本観光の王道は、東京−箱根−富士山−京都・大阪のゴールデンルートだ。しかしモノからコト消費に変わり、訪日外国人のニーズも多様化し、北海道のスキー、四国のお遍路、沖縄のマリンスポーツに人気が出ている。

外国人にとって東京、京都・大阪と比べれば、経由する北陸の認知度はまだまだ低い。雪と戯れ、温泉につかり、立山連峰と日本海を展望し、金沢の伝統文化を体験する。これを新ゴールデンルートとして売り込みたい。経済波及効果が大きいインバウンド増への近道が、北陸新幹線の全線開業だ。
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[東京新聞] 子どもの自殺 SOSに気づきたい (2017年05月01日)

ゴールデンウイーク(GW)中は、子どもをよく見守りたい。連休明けに自ら命を絶つ子が増える傾向にあるからだ。SOSを発していないか。信頼される大人でいるか。社会の意識を高めたい。

二年前、過去四十年間余りの十八歳以下の自殺者数を調べた内閣府は、学校の長期休業明けに大きな山を描くと警鐘を鳴らした。

突出して高かったのが夏休み明け、次に春休み明け、そしてGW明けだった。いま一度、危うい季節を心に留めたい。

昨年五月のGW明けにも、東京都内の駅のホームで悲劇があった。中学二年の女子生徒二人が一緒に電車に飛び込んだ。二人のかばんには人間関係の悩みを記したメモが残されていたという。ともに演劇部に所属する友人だった。

連休中はストレスから解放されるものの、日常生活に戻るころは、その反動で心に大きな負荷がかかりやすいと考えられている。無限の可能性に満ちた子どもの自殺ほど痛ましいものはない。

日本の自殺者数は、全体では減っているのに、小中高校生では減る兆しが見られない。警察庁の統計では、毎年三百人前後で推移し、昨年は三百二十人に上った。

厚生労働省によれば、十〜十四歳の死因は、自殺が男子では一位、女子では二位。十五〜十九歳の死因は、自殺が男女のどちらも一位。子どもにとっていかに生きづらい社会かが分かる。

昨年の小中高校生の自殺の背景にはどういう問題があったか。よく注目されるいじめは、原因としては目立たなかった。大きな割合を占めたのは、学業不振や進路に関する悩み、親子関係の不和、家族からのしつけや叱責(しっせき)だった。

素朴な疑問が浮かぶ。学校の成績という物さしでしか評価されず、将来の希望さえ否定され、居場所を失ったのではないか。もちろん、多様な要因が絡み合って追い込まれるのだが、逃げ場がないと思い込んでしまうのだろう。

日本の子どもの自己肯定感は、諸外国に比べて低いと指摘されて久しい。自分には生きる価値がないと感じる子が多いのは、やっぱり大人社会の責任だ。

自殺とうつ病の関係は深い。ふだんと違う著しい行動や性格の変化がもしも表れたら要注意だ。

言葉に出して心配していることを伝える。死にたいと思っているか率直に尋ねる。絶望的な気持ちを傾聴する。安全を確保する。日頃から対応の原則を学び、子どもの信頼を勝ち得ておきたい。
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[日経新聞] 政権は社会保障の歳出改革に取り組め (2017年05月01日)

少子高齢化と総人口の減少は日本が抱える最大の構造問題のひとつだ。減り続ける働き手の保険料・税で高齢層への社会保障給付を賄うやり方は早晩、行きづまる。

負担と給付に関する世代間の不公平を和らげ、高齢世代内で持てる者から持たざる者への所得移転を促す制度改革が待ったなしだ。

にもかかわらず安倍政権は改革に消極的にみえる。高齢の有権者に不人気な改革は強い政権でこそなし得る。1強といわれる政権なのだから、特に歳出面を中心に社会保障改革に取り組んでほしい。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は最新の将来推計人口で半世紀後の平均寿命を男が約85歳、女は約90歳と仮定した。ともに今より4歳強も長い。これは喜ばしいことだが保険医療費の一部を賄っている国・自治体の財政や年金財政には逆風になる。

医療保険や厚生・国民年金などの給付の元手は現役世代と企業が払う保険料・税が大半を占める。少子化傾向の目立った改善は見通しにくい。現役世代の負担を過重にしない処方箋のひとつが早めの増税だが、政権は消費税率の10%への引き上げを凍結した。であれば給付の野放図な膨張を抑える制度改革が不可欠である。

医療は患者が病院・診療所にかかったときの窓口負担を増やしたり、薬局の市販薬と同じ効果・効能の処方薬への保険給付を圧縮したりする必要がある。

医師の専門性をより高めつつ、初期医療を担う家庭医と高度医療の専門医との役割分担も課題だ。英国やオランダは家庭医が医療費を抑える先兵役になっている。

年金は一定の収入・資産がある受給者への年金課税を強め、その分を基礎年金の税財源に充てれば高齢世代内の不均衡の緩和につながる。消費者物価の下落時などに年金の名目額を前年比マイナスにしない仕組みも見直すべきだ。

子育て支援は保育所増設が急務だ。主に女性の働く機会を広げ、日本の成長力の強化につながる。政権は民間の力を生かす規制・税制の改革で後押ししてほしい。

税財源で賄う生活保護世帯の医療費が野放図に増えないよう、規律を働かせる仕組みもいる。

社会保障の持続性を高め、現役世代の負担を過重にしない改革は年金積立金の株式運用を増やすよりも経済の基盤を強くする。有権者におもねるのではなく、納得させる政権の力量が試されている。
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[日経新聞] アジア開銀は官民連携加速を (2017年05月01日)

日米などが主導する国際開発金融機関、アジア開発銀行(ADB)の設立から半世紀が過ぎた。ADBは50回目となる年次総会を4日から横浜で開く。

アジア太平洋地域は今後も世界経済をけん引する成長センターとして期待される。ADBがそのために果たすべき役割は大きい。民間金融機関と連携しつつ、域内のインフラ整備や貧困削減にこれまで以上に貢献してほしい。

アジアでは戦後、日本が真っ先に先進国入りし、韓国やシンガポール、台湾などがその後を追った。さらに改革開放にカジを切った中国は今や米国に次ぐ世界第2の経済大国となった。

アジア経済が世界経済に占める規模は1960年の10%強から2015年に30%強になり、貧困層も大きく減った。日本が最大の出資国であるADBの投融資が、その一助になった点は評価できる。

課題はある。まずアジア域内のインフラ整備だ。ADBによれば、16?30年のアジアの電力や道路といったインフラへの需要は年1.7兆ドルにのぼるという。

ADBや、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)だけでこの需要を満たすことはできない。大事なのは、ADBの資金を呼び水に、民間金融機関の融資を引き出す「官民連携」を加速することだ。

AIIBとの協力拡大もためらうべきではない。AIIBの加盟国・地域の数はADBを上回る見通しとなったが、その数だけを競うのは意味がない。

ADBは3000人を超える職員を抱え、その数はAIIBを大きく上回る。ADBが持つ融資ノウハウや目利き力をAIIBが一部共有すれば、域内のインフラを効率よく整えやすくなる。

「米国第一」を掲げるトランプ米政権の誕生をうけ、ADBの増資に米国の理解を得るのは難しくなった。そんな時こそADBは都市問題や気候変動といった課題に高度な金融技術でこたえるソフト力を大いに発揮すべきだ。
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[毎日新聞] 朝日新聞襲撃から30年 むしろ広がる異論封じ (2017年05月01日)

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異論も受け入れ、自由にものが言える社会を支える。報道機関としての決意を新たにしたい。

1987年の憲法記念日、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局に押し入った男が散弾銃を発砲、記者2人を殺傷した。それから30年がたつ。東京本社や名古屋本社寮への銃撃を含めた一連の事件は2003年までに時効となった。

捜査で動機は解明されず、「赤報隊」を名乗る犯人の正体はわからない。犯行声明に「反日分子には極刑あるのみ」「五十年前にかえれ」とあり、戦前回帰を求める思想の持ち主の可能性がある。

テロと暴力が吹き荒れ、戦争に突き進んだのが昭和初期だ。そんな悲惨な時代に戻るわけにはいかない。

戦後の日本は、国民の多大な犠牲のうえに「言論の自由」をうたう憲法を制定した。言論は多様な価値を認め合う民主主義の土台である。それを封殺するテロには屈しないと改めて誓いたい。

だが、異論を封じる手段は有形の暴力とは限らない。赤報隊の使った「反日」という言葉は、今やインターネット上や雑誌にあふれかえる。

自分の気に入らない意見を認めず、一方的にレッテルを貼って排除する。激しい非難や極論は相手を萎縮させ、沈黙をもたらす。

異を唱えにくい時代へと時計が逆戻りしている。そんな心配が募る。

言論や表現活動に対する攻撃もなくならない。15年1月、イスラム教の預言者の風刺画を掲載したフランスの週刊紙「シャルリーエブド」が襲撃され、多数の死傷者が出た。

表現の自由は無制限に許されるものではない。だが、暴力で表現を圧殺する考えは非難されるべきだ。価値観が異なっても共存を図ることが大事である。

国内では06年8月、当時の小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判した加藤紘一元自民党幹事長の実家が放火された。右翼団体幹部が逮捕されたが、靖国問題の発言を控える風潮が強まった。

そうした不寛容な空気はむしろ広がりを見せている。襲撃事件が過去のものになったとは言い難い。

有形無形の圧力が少数意見を抑え付けていないか。その監視役をメディアが果たさねばならない。
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[毎日新聞] 東京都議選と既成政党 戦う前から目立つもろさ (2017年05月01日)

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主役はやはり小池百合子東京都知事のようだ。近づく都議選(6月23日告示、7月2日投票)である。

従来都議選は、無党派を掲げる知事の下でも基本的に国政とほぼ同じ政党間の対決構図が続いてきた。直後の国政選挙の先行指標となると言われてきたのはそのためだ。

ところが様相は一変している。

今、もっぱら注目を集めているのは小池知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」だ。この新勢力の候補者がまだ出そろっていない段階だというのに、既存の政党側は「小池人気」を恐れて、あたふたぶりが目立っている。

深刻なのは民進党だ。当初、同党の公認で出馬を予定していた36人中、これまで3分の1を超える候補が離党届を提出。都民ファーストの公認を得た候補も少なくない。

党の支持率低迷が続き、いずれもこのままでは生き残れないと判断したのだろう。都連幹事長だった長島昭久衆院議員が離党するなど、戦う前から影響が出始めている。

一方、公明党は「小池人気」を意識していち早く動いた。国政で連立政権を保ちながら、都政では自民党との連携を解消したのは、ともかく都議会与党であり続けることを優先した打算の結果と思われる。

自民党は全選挙区に候補者を立てる見通しとなったが、擁立が難航した選挙区もあった。公明党との協力なしで、しかも小池氏が自民党を「敵」と見立てる中で臨む選挙だけに「結果次第では安倍晋三政権への打撃となる」との不安が消えない。

自民党以外の有力な選択肢が出てくると途端に動揺する姿は、「1強」と言われながら、実は基盤はもろいと見ることもできる。

そんな中で政策が二の次になっている点も指摘しておきたい。

小池氏側は「小池都政にイエスかノーかが争点」という。だが例えば迷走気味の豊洲市場(江東区)問題に対し、小池氏は移転するのかしないのか、まだ判断を示していない。

自民党は豊洲への移転に賛成、共産党は反対姿勢を明確にしている。争点隠しと言われないためにも小池氏は選挙時に方向性を示すべきだ。

豊洲問題だけでない。各党が政策論争を仕掛けてこそ、国政の先行指標の名にふさわしい選挙となる。
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[読売新聞] 異次元緩和4年 物価回復の兆しを生かせるか (2017年05月01日)

明るい動きを確実なデフレ脱却につなげることができるだろうか。

日銀が金融政策の現状維持を決めた。短期金利をマイナス0・1%、長期金利をゼロ%程度に誘導し、物価上昇率2%の脱デフレ目標の達成を目指す。

金融政策決定会合がまとめた経済・物価情勢の展望(展望リポート)は、景気判断を「緩やかな回復基調」から「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正した。

日銀が「拡大」との表現を使うのは、リーマン・ショック前の2008年3月以来9年ぶりだ。

黒田東彦総裁は記者会見で「経済の需給ギャップの改善が続く中で、物価上昇率は上がっていく」と述べた。持続的な物価回復の入り口に立ったとの認識だろう。

確かに消費者物価の上昇率は3か月連続でプラスだが、その水準は0・2%にとどまる。自ら掲げた「2%」への道は険しい。

好調な企業業績や賃金上昇が消費を活性化し、物価を緩やかに押し上げていく「好循環」を実現しなければならない。

そのためには、企業の生産性を向上させ、経済成長力を底上げすることが欠かせない。

円安修正を迫るトランプ米政権の動きや、緊迫の度を増す北朝鮮情勢など、景気の先行きには懸念材料もある。政府と日銀の緊密な連携が求められる。

黒田氏が導入した異次元の金融緩和は、既に4年が経過した。残りの任期は1年を切っている。

昨年9月からは、金融緩和の軸足をマネーの量から金利に切り替える、新手法に移行した。国債大量購入やマイナス金利の悪影響を和らげ、長期戦を可能とする手法は理解できる。

気がかりなのは、異次元緩和の副作用も広がりつつあることだ。日銀が保有する国債は、発行残高の約4割に達した。国債市場が日銀の動静に過敏に反応し、金利は乱高下しやすくなっている。

マイナス金利の影響で、金融機関の収益力は低下した。低金利が預金者の心理的不安につながっているとの厳しい指摘もある。

日銀が金融緩和から引き締めに向かう「出口戦略」の実施は時期尚早だが、市場の関心は高い。

難しいかじ取りの成否は、日銀が市場と上手に「対話」できるかどうかにかかっていよう。

黒田総裁は当初の「サプライズ手法」を封印している。金融政策の予見可能性や透明性が高まるよう、今後も慎重かつ真摯(しんし)に市場と向き合ってもらいたい。
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[朝日新聞] 学芸員の仕事 豊かな知、今も未来も (2017年05月01日)

文化を守り、育てる仕事にたずさわる学芸員。日頃、美や知、歴史、科学に向きあう彼ら彼女らが、静かに、しかし強い怒りの声をあげている。

文化財を活用した観光の振興をめぐり、「一番のがんは学芸員。ふつうの観光マインドが全くない。この連中を一掃しないと」と発言した山本幸三・地方創生相への抗議である。

知人の話を聞きかじり、間違った事実認識をかさねたうえでの中傷だ。政治家として軽率、かつ著しく見識を欠く。

学芸員は博物館法に基づく国家資格だ。資料の収集や保管、調査研究、普及活動などにとり組む。国内には約5700の博物館・美術館などがあり、学芸員やそれに準じた専門性をもつ職員が働いている。

いまを生きる人々に、文化財や美術品をわかりやすく紹介し理解を助ける。それらを保護・保全し、後世に伝える。この二つが最も大切な仕事だ。

たとえば企画展を開くとき、学芸員はテーマや展示内容を決め、外部との借り入れ交渉を行い、図録やチラシをつくり、関連講座も準備する。あわせて、作品の破損や劣化がないよう展示に細心の注意をはらい、保険契約を結び、会期が終われば作品を確実に返却・収蔵する。

見せて生かす。守って残す。

この両輪を、バランスよく、着実にまわすことが学芸員の使命であり、日々、悩み、考えるところでもある。

今回の騒動の背景には、外国人観光客をさらに呼びこむために、地域の文化財や博物館を活用しようという、政府の観光立国戦略がある。だがそうした政策がなり立つのは、豊かな文化資源の維持があってこそだ。

近年は、地域の芸術祭などの大型イベントを観光の柱にすえる自治体も多く、学芸員の仕事はますます増えている。ところが国や自治体の文化予算は十分とはいえない。現場には採算重視の圧力がかかり、学芸員の世界でも、待遇の低さや、期限つきの雇用がうむ定着率の悪さなどが問題になっている。

これを放置したまま、行政が集客だ、地域活性化だと笛を吹いても、実はあがらず、先細りを招くのは明らかだ。しかるべき手当てをするとともに、広報宣伝や来館者へのサービス、円滑な輸送など、企画・展示本体を支える周辺のさまざまな整備にも知恵を絞る必要がある。

むろん学芸員自身のさらなる努力も欠かせない。展示会場でのツアーガイドの充実やネットを活用した発信などを通じて、豊かな知を届けてほしい。
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[朝日新聞] 郵政巨額損失 買収失敗の徹底検証を (2017年05月01日)

日本郵政が海外事業で巨額の損失を招き、赤字決算に陥った。同社は一昨年に上場したが、依然株式の8割を政府が持つ。なぜこんな事態に至ったのか徹底的に検証し、株主である国民に説明する義務がある。

上場の半年前にオーストラリアの物流企業「トール社」を6200億円で買収し、グループ内で郵便事業を担う日本郵便の子会社にした。しかし、トール社の業績が悪化し、企業としての価値が落ちたとして、4千億円もの損失を計上した。

資源価格の下落による豪州経済の低迷が背景にあるというが、当初から「高値づかみ」の懸念や批判があった。当時の経営陣の責任は極めて重い。

買収時の日本郵政社長だった西室泰三氏は、発表の会見で「もしもうまくいかない場合には、潔く失敗を認めて、それなりの対応をさせていただく覚悟であります」「国家からお預かりした財産を毀損(きそん)しない、それを元に成長していける基盤をつくるのが一番大事」といった趣旨の発言をした。資源価格の下落についても、現地の経営陣が手を打っていることを確認済みだと説明していた。

長門正貢・現社長は、損失計上を発表した会見で「株式上場前に成長ストーリーを示したいという意図もあったのでは」と述べた。買収決定後に入社し、昨春に西室氏の後任に就いた長門氏は、買収・統合にあたっては、「安い値段で買い、買った後は現地に任せきりにしないことが大事」とも指摘した。

前経営陣になぜそれが出来なかったのか、意思決定の過程を詳しく検証し、国民に報告する必要がある。監督官庁である総務省の責任も重い。

今後の展開も課題だ。そもそも郵便事業は先細りが懸念され、その将来像をどう描けるかが「郵政民営化」の大きな懸案になってきたからだ。

現経営陣は引き続きトール社を拠点に国際物流事業を強化し、必要な買収・統合も続けるという。確かに成長が期待できる分野であり、国内事業との連携も想定できる。民間企業に移っていく以上、一定のリスクをとることも避けられない。

だが、国際物流のノウハウや体制を得るための「時間を買った」はずのトール社買収で、逆に立て直しに時間をとられるのは、手痛いつまずきだ。

難局を乗り越え、地に足の着いた成長の姿を示せるか。収入を震災復興財源にあてる政府保有株の今後の売却や、郵政民営化全体の成否にも影響するだけに、経営に緊張感が必要だ。
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[読売新聞] 教員勤務調査 業務を厳選して授業に集中を (2017年05月01日)

教員が事務作業や部活動で疲弊していては、肝心の授業が疎(おろそ)かになりかねない。教室で指導に集中できるようにすることが大切である。

文部科学省が、昨年度の教員勤務実態調査の結果を公表した。全国の小中学校800校で、約2万人の1週間の勤務状況を、10年前の調査と比較した。

平日の勤務は小学校教諭で11時間、中学校教諭で11時間半を超える。前回調査より30?40分長く、長時間労働に拍車がかかった。

「過労死ライン」とされる月80時間超の残業に携わる教諭が、小学校で約3割、中学で約6割に上る。現状は深刻である。

教員には時間外手当がなく、代わりに基本給の4%の額が一律に支給されている。勤務時間の記録すらしていない学校も多い。

政府や企業が働き方改革を進める中、意識の遅れは否めない。各地の教育委員会は早急に実態を把握し、対策を講じるべきだ。

「脱ゆとり」を目指す現行の学習指導要領では、教える内容や授業時間が増えた。ベテランの大量退職で急増した若手教員は、授業準備に時間がかかる。発達障害や家庭の事情を抱えた子供には、きめ細かい対応が求められる。

新指導要領が2020年度から実施されれば、小学3年から英語教育が始まり、授業時間はさらに増える。英語や理科の専科教員を配置するなど、学校現場への支援を充実させる必要がある。

中学校では、部活動の負担の重さが際立つ。土日の部活指導は平均2時間余で、前回調査から倍増した。対外試合の増加などで、練習が過熱しているためだ。

生徒の健全な育成のためにも、文科省が通知した「休養日」の適切な確保を徹底しなければならない。地域の人材を活用する目的で、今年度から制度化された部活動指導員を普及させることは、教員の負担軽減につながろう。

教員が教材の発注や集金などの雑務まで抱え込む慣行も、見直すべきだ。事務職員の活用やIT化で効率化を進めたい。

副校長・教頭の勤務が12時間を超えている実態も、見過ごせない。保護者対応や地域との連携などを担い、文科省や教委の調査への対応や報告書作成に追われている。本当に必要な調査に絞るなど、現場への配慮が不可欠だ。

教員が多忙で、子供に向き合うゆとりがなければ、授業に工夫を凝らすこともおぼつかない。学校の業務の在り方を整理し、長時間労働を是正する契機としたい。
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