2017年05月31日

[産経新聞] 【主張】「女性宮家」 皇位継承の大原則を守れ (2017年05月31日)

天皇陛下の譲位を実現する特例法案と併せ、「女性宮家」の創設を検討課題とする内容の付帯決議案を採択することで与野党が合意した。

与党の当初案に女性宮家は記されていなかった。だが、それを主張する民進党が審議拒否までちらつかせたため、賛否が分かれるのを避けたい与党が妥協した結果である。

女性宮家は安定的な皇位継承につながらないことを、改めて明確にしておきたい。その制度づくりによっては、女性宮家から「女系天皇」が現れる事態につながりかねない点は見過ごせない。

125代にわたり、一度の例外もなく男系で継承されてきた皇統の大原則が根底から崩れる。そうした事態を招いてはなるまい。

付帯決議に直接的な法的拘束力はない。だが、政府に対して創設の是非を含めた検討を促す立法府の意思を示す意味を持つ。

自民党など男系継承を重視する主張から、付帯決議案では「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」と「女性宮家の創設等」の検討を別のものとして位置付けた。妥当である。

女性皇族が結婚後も皇室にとどまる女性宮家は、旧民主党政権の野田佳彦首相が検討した。その野田氏自身が「(女性宮家は)皇位継承の問題ではない。男系で続いてきた歴史的な重みを受け止める」と国会答弁している。

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男系継承という伝統と原則が放棄されれば、天皇の正統性や権威、国民の尊崇の念が毀損(きそん)されかねない。皇室とともに歩んできた日本人の長い歴史を軽々に変えては、取り返しがつかない。

「女系天皇」の即位は、別の王朝の創始にも等しい。男系継承の原則を踏まえ、今も親族として皇室と交流のある旧宮家の皇籍復帰を検討するのが先決だろう。

女性宮家の創設だけでは、女性皇族の結婚による皇族減少の抜本的な解決にならない。仮に創るとしても、皇室に属するのは女性皇族に限られるべきである。

女性宮家にこだわらず、女性皇族が結婚で皇籍を離れても「皇室御用係」「宮内庁参与」などの公務に就き、皇室活動を支援するのも有力案だ。公務案は野田内閣の「論点整理」に挙げられ、安倍晋三内閣も検討している。

原則を守りつつ、皇位継承を安定化し、皇室活動を保っていくことに工夫をこらしてほしい。
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[産経新聞] 【主張】個人情報 「実名」の重みを考えたい (2017年05月31日)

「匿名社会」は感情を希薄化させ、事実を遠ざけ、矮小(わいしょう)化させることにつながらないか。

改めて「実名」の重みを考えさせられる事案が続いている。

東京都江戸川区の高校3年、岩瀬加奈さんが殺害され、強盗殺人などの罪が問われた東京地裁の裁判員裁判では被害者氏名の秘匿も検討されたが、遺族の意向で実名で審理された。

母親は「私たちの娘は『少女A』ではなく、加奈です」と話し、判決後に裁判員は「実名審理で、より遺族に寄り添うことができた」と感想を述べた。

千葉県松戸市に住む小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさんが殺害された事件では、父親が実名報道を希望した。一度は匿名への切り替えを要請したが、「これではリンちゃんがどんな女の子か分からない」「多くの人にリンちゃんのことが伝わってほしい」と考え直したのだという。

きっかけは全国から届く「リンちゃんへ」と書かれた多くの手紙や花だった。そこには「リンちゃん」という一人の女の子の死を悼む気持ちが込められていた。

英マンチェスターのコンサート会場で発生した爆弾テロ事件で、全世界のテロへの怒りを新たにさせたのは、犠牲となった8歳の女児、サフィー・ローズ・ルーソスさんの愛らしい写真だった。

被害者の人数、性別、年齢だけが公表されても、事件の実相は伝わらない。それはいかなる自然災害、事故でも同様だ。

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保護対象情報を明確化した改正個人情報保護法が30日、施行された。平成17年の同法施行以降、公的機関などが同法を根拠に個人情報の公表を拒否するケースが相次いでいる。

だが改正前も後も、同法は報道機関への情報提供については禁止規定の適用対象外としている。個人情報の報道については、その公共性や公益性に鑑み、プライバシーなどに配慮した上で、報道機関の責任において判断する。

この点について周知が不十分で、守られていない。改正法が過剰反応を助長する恐れもある。

加奈さんや、リンさんのケースは遺族の判断であり、保護法の趣旨とは別問題である。ただし、実名の重みや、匿名社会に潜む落とし穴を考慮する上では、同根である。生身の人間一人一人は、実名とともに生きている。
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[東京新聞] 公文書管理 意思決定が見えるよう (2017年05月31日)

学校法人加計学園をめぐる「文書」は怪文書扱いだった。森友学園への国有地売却の関連文書は財務省で廃棄されたという。役所での文書の扱いがあまりにずさんだ。公文書管理を見直すべきだ。

公文書管理法という法律がある。第一条に崇高な目的が書かれている。まず公文書とは「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であると位置づける。だから、それに鑑み「現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的」としているのだ。

さらに第四条でもこう記す。「行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程」をも合理的に後になって検証することができるように、文書を作成することを義務付けるのだ。

つまり行政機関の意思決定のプロセスが現在・未来の国民にもよくわかるようにするために、この法で定めているわけだ。

ところが、昨今、政権周辺で起きていることは、この精神をまったく踏みにじっている。むしろ国民に知らしめないために文書がなかったことにしているかのようだ。その典型例が陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣をめぐる行政文書である。

「戦闘」などの表現が入った日報の原本が削除されたのである。その後、写しファイルが別の部署で見つかったにもかかわらず公表せず、「情報隠し」と厳しく指摘される事態になった。

大阪の学校法人「森友学園」に国有地が格安で払い下げられた問題では、財務省との交渉内容が焦点だ。だが、国会答弁で同省は「記録の保存期間は一年未満。速やかに廃棄した」とし、電子データも同様に削除したという。

しかも、六月には財務省は省内システムを入れ替える。記録の復元が不可能になる恐れがある。八億円もの値引きに関わる証拠書類の保存期間は五年に該当するという指摘もある。恣意(しい)的な解釈で記録を廃棄した判断には違法性すら伴う可能性があろう。

「総理のご意向」と書かれた加計学園をめぐる文書もそうだ。政府は「確認できない」とするが、前川喜平・文部科学省前事務次官が存在を認めている。同省内で作成されたことなどを極めて具体的に証言している。

前川証言に基づけば、怪文書どころか立派な行政文書である。省内に残っているはずであり、国会などで意思決定がどう働いたか徹底追及してもらいたい。
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[東京新聞] 独軍内の密謀 警戒すべき右傾の空気 (2017年05月31日)

軍の中で前大統領らの暗殺を企てたというから穏やかではない。極右らがドイツ軍内部にもネットワークを広げていた。ナチスを繰り返さないことを国是としているだけに衝撃は大きい。

“巣”となっていたのは、ドイツ軍とフランス軍が一緒に駐屯する仏東部の部隊。ドイツ兵中尉二人(二十八歳と二十七歳)と、共犯の大学生(24)が逮捕された。容疑者らが持っていた暗殺の標的リストには、ガウク前大統領やマース法相らの名前があった。寛容な難民政策への反発が動機だったという。部隊から持ち去ったとみられる約一千発の実弾や爆弾製造教本なども見つかった。事件は広がりを見せている。

中尉はシリア人に成り済まし、難民申請して登録が認められていた。難民によるテロを偽装し、国内の反難民感情をあおる狙いだったとみられている。

戦後、東西に分かれたドイツは冷戦の最前線となり、旧西ドイツは再軍備を進めた。ナチスからの決別を明確にするため、呼称も第二次大戦時の「国防軍」から「連邦軍」に変え、古い体質を一掃したはずだった。しかし、これまでにも、兵士によるいじめ、性的虐待などの人権侵害、人種差別的な言動は後を絶たなかった。

ドイツでは、旧国防軍の伝統をナチスとは切り離し、懐かしむ風潮が今も残る。容疑者らはエリート校で学び、知的な印象だったという。ヒトラー暗殺を企てた将校らが英雄視されるように、暴政への抵抗も軍エリートの使命との考えも根強い。今回の事件が同様の発想だったとすれば、時代錯誤もはなはだしい。

二〇一一年に徴兵制を停止したことが、軍が透明性を欠く一因となったとの指摘もある。

難民に成り済ました中尉が過去に人種差別的論文を書いていたことも明らかになり、メルケル首相の信頼が厚い女性閣僚、フォンデアライエン国防相らの責任を問う声も高まっている。

北大西洋条約機構(NATO)の多国間枠組みの中でアフガニスタン派兵など軍事力行使の範囲を拡大させ、軍が存在感を強めてきた中での事件だった。

事件後、独国防省は軍紀や教育の徹底を指示し、兵舎に旧国防軍時代の記録がないか調査を進めている。軍の暴走を防ぐには、透明性を高め、古い体質への郷愁や親近感など右傾化への芽を摘み取っていくことが欠かせない。ドイツに限らない課題である。
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[毎日新聞] 「加計」の解明拒む安倍政権 その姿勢が行政ゆがめる (2017年05月31日)

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なぜ、安倍晋三首相と与党は解明を拒み続けるのか。

学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題で、首相は「法令に基づき適切に手続きを進め、圧力が働いたということは一切ない」との国会答弁を繰り返している。

文部科学省の前川喜平前事務次官が「本物だ」と証言した「総理の意向」と記された文書に関しては「文科省の調査で確認できなかった」と答えるだけだ。

一方、自民党も「政治の本質に関係がない」(竹下亘国対委員長)と前川氏の証人喚問を拒んでいる。

幕引きをひたすら急ぐ、こうした姿勢に強い疑問を抱く。

前川氏は昨秋、和泉洋人首相補佐官から官邸に呼ばれ、獣医学部新設を急ぐよう直接求められたことも新たに明らかにしている。

安倍首相の長い友人だったから加計学園に有利な手続きが急速に進んだのか。そこに首相の意向は働いたのか。あるいは内閣府などが首相の意向をそんたくしたのか。そして前川氏が証言したように「行政はゆがめられた」のか??。

まさにこれは公正でなくてはならない政治の本質の問題である。いずれの疑問にもまだ答えは出ていないにもかかわらず、首相はそんな疑問を抱くことそのものが「恣意(しい)的な議論だ」とまで答弁している。

そもそも行政の記録文書は、行政が公正に行われていたかどうかを後に検証するために残すものだろう。

首相らは文書の存在を認めると、これまでの全ての説明が揺らいでしまうと恐れているのだろうか。もはや怪文書などとは言えない状況なのに、「あるものを無かった」というような姿勢を続けること自体、既に行政をゆがめていると言っていい。

首相は、国家戦略特区で既得権益を打ち破り、規制を緩和して獣医学部を新設する意義を強調している。だが、その政策判断が間違っていなかったかどうかは事実関係を確認したうえで検証すべき次の課題だ。

手続きが適正だったと言うのなら、堂々と当事者を国会に呼んで話を聞けばいい。前川氏も応じる意向を示している証人喚問を行い、和泉氏らの説明も国会で聞くことだ。安倍首相が出席して衆院予算委員会の集中審議を開くことも必要だ。
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[毎日新聞] 原子力規制委員長に更田氏 独立性保ち厳格な判断を (2017年05月31日)

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原発の安全審査などを担う原子力規制委員会の次期委員長に、更田(ふけた)豊志委員長代理が昇格する。国会同意を得ており、今年9月に田中俊一・初代委員長からバトンを引き継ぐ。

更田氏は国会の所信聴取で安全審査の遅れを指摘された際、「安全には妥協できない。判断するまで十分納得いく議論をする必要がある」と述べた。その言葉通りに、政治権力や電力会社の干渉に左右されない独立性の高い機関のトップとして、原子力の安全を追求してほしい。

東京電力福島第1原発事故では、規制当局と電力会社のもたれあいが指摘された。それを教訓に、5年前に発足したのが規制委だ。

規制委は原発の新規制基準を策定し、安全審査会合などを原則公開した。高速増殖原型炉「もんじゅ」を巡っては、運営主体の原子力研究開発機構の交代を勧告し、政府による廃炉の決断を導いた。福島以前に比べ、原子力規制行政の透明性と独立性が高まったことは確かだ。

更田氏は原子炉の安全工学の専門家で、規制委の初代委員として田中委員長を支えてきた。

しかし、原発再稼働に反対する国民が多数を占めるなど、原子力規制行政に対する国民の不信、不安はいまだに根強いものがある。これには規制委の対応も関係している。

一つは、原発事故に備えた避難計画の策定が自治体任せにされ、原発の安全審査の対象外であることだ。避難計画が機能するのかどうか、住民が不安に思うのは当然である。

原発の安全対策と避難計画は原子力防災の車の両輪だ。本来なら、避難計画も安全審査の対象とすべきであり、更田氏は制度の見直しを政府に働きかける必要がある。

もう一つは、福島第1原発事故をきっかけに定められた原発40年廃炉の原則が骨抜きになったことだ。

審査期間が限られる中、規制委は関西電力の老朽原発の審査を他の原発より優先して進め、既に3基の原発の延命を認めている。「延長は相当に困難」と言ってきた規制委の言動と現実が乖離(かいり)している。

規制委は発足時に「確かな規制を通じて、人と環境を守る」ことを使命に掲げた。更田氏には、その使命にもとることなく、国民の安全を最優先にした対応を求めたい。
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[読売新聞] 成長戦略 新産業創出の実績が見たい (2017年05月31日)

目新しいメニューを並べるだけでは、日本経済の底力は強まらない。

政策を着実に実行することが欠かせまい。

政府は、アベノミクスで5回目の成長戦略「日本再興戦略2017」の案をまとめた。

生産性を高める第4次産業革命の実現が柱だ。物流などの「移動革命」、医療などの「健康」、「金融」といった戦略5分野に政策資源を集中投入する。

具体的には、ドライバーが運転する1台のトラックを複数の無人車両が追従する隊列走行を、20年までに高速道路で実現する。ドローンによる無人配送も20年代に都市部で行うことを目指す。

物流効率化は、運送業界で深刻な人手不足の解消に役立とう。

健康分野では、人工知能(AI)を活用した遠隔診療の普及促進策などを盛り込んだ。

医療サービスの充実を通じて健康寿命を延ばし、働き手を増やす効果が期待できる。

ロボットやAIなど新技術を活用し、新しいビジネスを創ろうという政策の方向性は妥当だ。

気がかりなのは、過去4回の成長戦略が目に見える成果を上げていないことだ。

AIなどを活用した生産性向上の取り組みは、個々の大企業では進んできている。だが、他企業とデータを共有するなど、業種を超えた動きには至っていない。特に、小売業など非製造業の生産性は世界的にみて低い。

政府は、過去の施策の問題点を包括的に洗い直し、戦略を修正、改善する必要がある。

カギを握るのは、規制緩和策だ。働いた時間ではなく、成果に応じて賃金を決める「脱時間給」制度の実現は遅れたままだ。成長が見込める農業分野でも株式会社の参入が遅れており、経済活性化には力不足が目立つ。

政府の規制改革推進会議が今年5月にまとめた答申は、混合介護の拡大策を先送りするなど、全体に小粒な印象が拭えない。

今年の成長戦略では、新産業育成のため、期限を定めて規制を縮小する「レギュラトリー・サンドボックス」制度が創設された。

一例として、電波法の規制緩和による電力線の通信利用を挙げている。中小企業でもコストをかけずに、効率的な生産管理などが可能になるという。

有望分野で大胆な規制緩和を行えば、新しい産業を生み出すことにつながろう。政府は、聖域なく規制を見直し、日本の潜在成長率を引き上げるべきだ。
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[朝日新聞] 加計学園問題 論点をすり替えるな (2017年05月31日)

安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画をめぐり、前文部科学事務次官の前川喜平氏が新たな証言をした。

昨年9?10月、和泉洋人・首相補佐官に首相官邸に複数回呼ばれ、新設を認める規制改革を早く進めるよう求められた。和泉氏はその際、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」と述べたという。

事実なら、すでに明らかになった内閣府からの求めに加え、首相補佐官も「総理」の名を直接あげて、文科省に働きかけていたことになる。

証言は、国家戦略特区という政権の目玉政策に公私混同があった疑いを抱かせる。国政への信頼がいっそう揺らいでいることを政権は自覚すべきだ。

信じられないのは、事実関係を調査し、国民に対して説明する姿勢が首相らにまったく見られないことだ。

菅官房長官は記者会見で政府として調査はしないとし、「前川さんが勝手に言っていることに、いちいち政府として答えることはない」と突き放した。

首相は国会で「改革を進めていくうえでは常に抵抗勢力がある。抵抗勢力に屈せずにしっかりと改革を前に進めていくことが大切だ」と述べた。

だが今回、問われているのは特区で獣医学部新設を認めることの是非ではない。トップダウンで規制に風穴を開ける特区である以上、首相が指導力を発揮すること自体は当然あろう。

問題はその手続きが公平、公正で透明であるかどうかだ。

行政府として当然の責務を安倍政権は軽んじている。そう思わざるをえない証言や文書がこれだけ明らかになっている。

特区であれ、通常の政策であれ、行政府として、それを進める手続きが妥当であると国民や国会から納得がえられるようなものでなくてはならない。

なのに首相は自ら調べようとせず、「私が知り合いだから頼むと言ったことは一度もない。そうではないというなら証明してほしい」と野党に立証責任を転嫁するような発言をした。考え違いもはなはだしい。

政府が説明責任を果たさないなら、国会が事実究明の役割を担う必要がある。前川氏はじめ関係者の国会招致が不可欠だ。

自民党の竹下亘国会対策委員長が前川氏の証人喚問について「政治の本質になんの関係もない」と拒んでいることは、まったく同意できない。

問われているのは、政治が信頼に足るかどうかだ。それは政治の本質にかかわらないのか。
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[読売新聞] 村議会廃止論議 住民総会で代替は可能なのか (2017年05月31日)

地方の衰退が深刻化する中で、議会が果たすべき役割は大きい。廃止しか選択肢はないのか、慎重に判断したい。

高知県大川村が村議会を廃止して、有権者が直接、予算案などを審議する「町村総会」の設置を検討している。

地方自治法は、議会の代わりに町村総会を置くことができると規定する。1950年代に東京・八丈小島の旧宇津木村(現八丈町)で設置された例がある。

大川村では、東京の世田谷区と杉並区を合わせた面積に約400人が住む。4割が65歳以上だ。村議会は定数6で、2015年の村議選では、50歳代後半から70歳代の6人が無投票で当選した。

次回は候補者不足に陥る可能性があるという。町村総会の設置は、村議の担い手不足に対処する窮余の策だと言えよう。

大川村は過去に周辺自治体との合併を検討したが、不調に終わった経緯がある。村議会は13年と14年にも町村総会への移行を議論したが、結論は出なかった。「有権者の半数が集まることも無理だろう」といった理由からだ。

山間部のため、交通手段が乏しい。村外の病院や施設で過ごす高齢者もいる。こうした状況は、今も変わっていない。

自治体の首長は予算案の策定や人事などに強い権限を持つ。議会は首長の政策判断が正しいかどうかをチェックする役割を担っている。首長と議会が議論を重ねる中で、政策の精度が高まる。

議会の廃止は、首長と議会の二元代表制という地方自治の原則が崩れることを意味する。

高市総務相は「著しく人口が少ない町村では、町村総会も選択肢となり得る」と述べているが、一足飛びに町村総会を設置することには、疑問を拭えない。

重要案件を大人数でどう議論し、集約させるのか。一定の専門知識を要する議案の審議で、一般の住民が適切に判断できるのか。町村総会には課題が多い。

まずは、議員定数を削減し、人材確保に知恵を絞るべきではないか。必要なら議員報酬の見直しも検討すべきだろう。夜間や休日の開会など、議会に出席しやすい環境を整えたい。若年層や女性の政治参加を促すことも大切だ。

議会と住民が勉強会を重ねて政策を提案する取り組みから、新たな候補者が生まれた例もある。

議員のなり手不足に悩む自治体は多い。地域の将来に資する議会の在り方について、各自治体で議論を深めてもらいたい。
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[朝日新聞] たばこ規制 自民党よ、都連に続け (2017年05月31日)

7月投開票の東京都議選にむけて、ほとんどの政党が選挙公約に受動喫煙対策を盛り込む方針を打ち出している。

2020年の東京五輪・パラリンピックに備え、公共施設や飲食店などを「全面禁煙」「原則禁煙」とする都条例を制定しようというものだ。

具体案が示されていないため細部の評価は難しいが、政策を競い合い、関心が高まるのは結構なことだ。同時に「五輪対策ならば東京だけがやればいい」という話にならないよう、目を光らせる必要がある。

飲食店をふくむ屋内での禁煙や分煙を義務づける条例づくりは、2年前に検討されながら先送りになった経緯がある。都が設けた検討会では、条例によって損害を受けたと主張する業者から裁判を起こされる可能性を心配する声も出た。

訴訟リスクを個々の自治体に押しつけないために、そして何より、国民全体の健康を守るために、やはり条例ではなく法律で規制するのが望ましい。

ところが国レベルでは、厚生労働省と自民党の対立がいまだ続いていて、目標とされてきた今国会への法案提出は難しい状況になっている。

厚労省案は、食堂や居酒屋を原則禁煙としつつも、喫煙室を設けることを認め、さらに小規模なバーなどは喫煙可とするものだ。かたや自民党は、業態を問わず、一定の面積以下の飲食店は「喫煙」「分煙」の表示をすれば、たばこを吸えるという案を示している。

これまでも指摘してきたように、厚労省案も十分とは言い難い。まして自民党案では、従業員をはじめ、望まない煙を吸わされる被害は解消されない。

自民党の厚生労働部会では、「がんの治療をしながら働く患者は仕事場を選べない」との訴えに対し、「(がん患者は)働かなければいいんだよ」というやじが飛んだ。高額な治療費のため、働かなければならない患者は多数いる。患者の置かれた状況を理解しない発言だ。

注目すべきは、自民党も都議選の公約に「原則、屋内全面禁煙」の条例制定をかかげたことだ。ひと足先に受動喫煙対策を打ち出した小池百合子知事に対し、争点つぶしに出たとの見方もあるが、まさかそんな都民を欺くようなことはするまい。

東京でやれて全国でやれない理由はない。都連は党本部に本気で働きかけ、党本部もそれを真摯(しんし)に検討してはどうか。

きょう31日は世界禁煙デー。禁煙週間が始まった。この機運を逃さず、踏み出すときだ。
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2017年05月30日

[産経新聞] 【主張】北のミサイル 抑止に資する制裁強化を (2017年05月30日)

先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の成果が早速、試される。

北朝鮮が29日早朝、またもや弾道ミサイルを発射し、島根県・隠岐諸島から約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した。

北朝鮮の核・ミサイル問題を「新たな段階の脅威」と宣言したG7の議論は、安倍晋三首相がトランプ米大統領とともに主導した。

それが日本のEEZへ撃ち込んできた理由とも受け取れる。米国が3隻目の空母を西太平洋に増派したのも圧力となっていよう。

国連安全保障理事会の決議が禁じている北朝鮮の弾道ミサイル発射は、どんな理由をつけても正当化されない。挑発を阻止する実効性ある手立てを、G7として早急に講じることが求められる。

弾道ミサイルの発射は今年9回目であり、日本のEEZ内へのものは今年3月以来で4回目だ。

首相は北朝鮮を非難し、「抑止するため、米国とともに具体的な行動をとる」と表明した。

北朝鮮の核・ミサイル戦力は、国民の安全を脅かしている。その脅威を取り除くのに有効な制裁に踏み切るのは当然である。

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核・ミサイル戦力の保有や強化を断念させるには、金融制裁と石油禁輸が効果的とされる。

北朝鮮と取引する第三国の金融機関や企業に対し、日米などが取引停止や資産凍結を科す「二次的制裁」を早急に実施すべきだ。

それにより、北朝鮮を延命させている、中国の金融機関や企業の対北取引を押さえ込むことが欠かせない。

石油禁輸は中国が制裁に本腰を入れなければできない。今年1?4月の中国の北朝鮮向け輸出は、前年同期比で31・7%増えた。石油製品の輸出拡大とみられる。

北朝鮮の暴走をやめさせることにつながる制裁となるよう、政府は中国に改めて促すべきだ。

日本の独自制裁も強化の余地は大きい。自民党は既に、北朝鮮へ渡航する朝鮮総連幹部の再入国禁止対象の再拡大を提言しているが、政府は実施していない。追加措置を考えるべきではないか。

安保理での新たな制裁に向けた作業も必要だが、それでは不十分だ。制裁強化に消極的な中国、ロシアがいるためだ。

首相の言葉通り、日米両国がリードする形で、他のG7各国や友好国との連携を急ぐときだ。
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[東京新聞] PKO撤収完了 貢献の在り方考えたい (2017年05月30日)

南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊部隊の撤収が完了した。これで部隊派遣によるPKOは途切れるが、引き続き日本にふさわしい国際貢献の在り方を考えたい。

五年四カ月に及んだ南スーダンでのPKO活動が全て終了した。十一次にわたる部隊派遣で、約四千人の隊員が道路補修や給水、医療支援活動などに当たった。無事の帰国をまずはねぎらいたい。

一九九二年のカンボジアから本格的に始まった日本のPKOは、海外での武力の行使を禁じた憲法九条の下、紛争当事者間の停戦合意や必要最小限の武器の使用など、参加五原則に基づいて派遣されてきた。

十三のPKO活動に約一万一千五百人の自衛隊員らが参加した二十五年間、一発の銃弾も撃たず、一人も殺さず、殺されていない。

軍事的に抑制された活動は、日本らしい国際貢献の在り方の一つだ。過去の戦争への反省から、専守防衛に徹する「平和国家」への信頼をさらに高めただろう。

停戦監視などが主な役割だったPKOは九四年のルワンダでの大虐殺以降、住民保護が最重要任務となり、そのための武力行使も認められている、という。

安倍政権が成立を強行した安全保障関連法に基づき、南スーダン派遣部隊に「駆け付け警護」任務を与えたのも、PKO活動の「変質」と無縁ではあるまい。

とはいえ、より危険な地域での活動に、実績づくりのために派遣を強いるようなことがあってはならない。仮に戦闘で現地の人を殺傷することになれば、平和国家としての歩みを傷つけるからだ。

南スーダンの首都ジュバでは昨年七月、「戦闘」や「激しい銃撃戦」が起き、現地部隊からも「日報」の形で報告されていた。政府は五原則を満たさなくなったその時点で撤収を検討すべきだった。

にもかかわらず政府は派遣を継続し、防衛省は日報を隠した疑惑も持たれている。国民の理解が必要な国際貢献で情報隠しがあってはならない。特別防衛監察の結果に基づいて厳正な処分を行い、今後の教訓とすべきである。

国際貢献は経済大国としての責務でもある。PKOにとどまらず災害・復興支援や資金・技術協力など、平和国家だからこそできる「非軍事」的な支援の在り方を追求し続けるべきである。戦後、廃虚から立ち上がった日本の経験や知見は南スーダンに限らず、新しい国造りに生かせるはずだ。
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[産経新聞] 【主張】大飯原発合格 有識者リスクも見逃せぬ (2017年05月30日)

関西電力の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全対策が原発の新規制基準を満たしている、と原子力規制委員会に認められた。

今秋以降の再稼働に向けて関門を通過した。

両基は加圧水型だ。同社の高浜原発4号機は今月、再稼働し、6月上旬には3号機も続く。順調な足取りである。

関電管内の電気料金は3・11後、火力発電の拡大による燃料代の膨張で2度にわたって値上げされている。原発の復活による値下げへの転換を急いでほしい。

関電の原発は、美浜原発3号機が昨年秋に「40年超」の運転延長を認められており、規制委に申請した3発電所・7基の全合格という好成績である。

原発の安全性向上と、安価で安定した電力の供給に向けて努力を続けた関電の姿勢は、評価に値する。収支改善を通じて、原発のさらなる安全強化への予算割り増しも望めよう。

それにしても原発の復活は、顕著な西高東低だ。これまでに規制委に安全審査を申請して合格したのは26基中12基で、いずれも近畿以西の加圧水型原発だ。

東日本を中心に10基申請されている沸騰水型の合格はゼロのままだ。事故を起こした東京電力福島第1原発が沸騰水型であったとはいえ、地域経済の格差にもつながるアンバランスぶりである。

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沸騰水型の中では、東電の柏崎刈羽原発の安全審査が比較的進んでいるが、新潟県の米山隆一知事は原発に慎重な姿勢を示しており、再稼働の同意を得る上での大きなネックとなっている。

西日本では地方裁判所に原発の運転差し止めを求める仮処分申請が多発し、高浜3、4号機では認められた経緯がある。「司法リスク」も電力安定供給を妨げる要因であることを再認識したい。

東西共通の事象も存在する。法的根拠も不明確なまま、規制委の島崎邦彦委員(当時)とともに、大飯をはじめとする原発敷地内の活断層調査に当たった外部専門家による有識者会合の審議だ。

一方的に「ないことの証明」を求めた手法は「有識者リスク」と言えよう。大飯原発の審査でもあった。東日本の原発の安全審査の遅れに影響していないのか、検証が必要だ。

原発の将来を左右する「3大リスク」の存在を直視したい。
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[東京新聞] 商工中金の不正 官製組織にメス入れよ (2017年05月30日)

金融庁が不正融資を繰り返した商工中金に検査に入ったのは組織風土などの実態把握には厳格な調査が必要と判断したためだ。この際、存続に疑義がある公的金融全般について点検すべきである。

そもそも存在意義が薄れてきたから、それをカバーするために不正に手を染めてしまったということだろう。役割を終え、税金を無駄遣いする天下り組織なら、廃止や民営化するのが筋である。

不正が横行したのは、震災などで業績が悪化した中小企業を救済するための「危機対応融資業務」である。

商工中金が設けた第三者委員会の調査結果によると、この融資業務の対象を水増ししようと、経営が悪くない企業の売上高や利益の数字を改ざんし、悪化しているように見せかけていた。自らの組織の存続のために国の制度を悪用した、許し難い行為である。

商工中金は一九三六年の設立以来、歴代トップの多くは経済産業省の事務次官や幹部経験者が占めてきた。かつては政府が約八割出資していたが、行財政改革の一環で二〇〇六年に「一五年までの完全民営化」が決まった。

ところが〇八年のリーマン・ショックで三年半先送りされ、さらに当分の間、政府が必要な株式を保有する「半官半民」状態になっていた。

このため民営化を回避し政府の関与を維持する目的で危機対応の実績を上げようとして不正につながったとみられている。

三十五の支店、約百人が関わった大規模な不正で、本部による隠蔽(いんぺい)指示もあったとされ、組織の体質に問題があるのは間違いない。

確かにリーマン・ショックや一一年の東日本大震災の直後には危機対応の融資は一定の役割はあっただろう。セーフティーネット(金融安全網)としての公的金融の必要性は否定しない。

しかし、金融危機や震災という有事が収束し平時に戻れば、危機対応業務は縮小するのが当然である。商工中金に限らず、政府系金融機関や官民ファンドといった公的金融がやたら肥大化していないか総点検すべきだ。民業を圧迫したり、単に官僚の天下り先として延命しているなら納税者への背信行為である。

主管官庁の経済産業省などが業務改善命令を下した後に金融庁が検査に入るのは異例だ。それは厳格な検査でウミを出さなければならないほど腐敗しているということだ。抜本改革は避けられない。
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[毎日新聞] ミサイル発射やめぬ北朝鮮 中国への働きかけが鍵だ (2017年05月30日)

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北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射した。今年9回目の発射で、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。とうてい容認できない危険な行為だ。

主要7カ国(G7)首脳が、核・ミサイル開発の放棄を求める宣言を出したばかりである。北朝鮮の国際的孤立はさらに深まるだろう。

安倍晋三首相は、米国とともに「具体的行動を取っていく」と述べた。

だが、日本の取れる「具体的行動」を挙げることは実際には難しい。独自制裁でできることは、ほぼやり尽くしているからだ。

先週の日米首脳会談では「対話より圧力」という認識で一致したが、軍事的圧迫には限界がある。マティス米国防長官は、北朝鮮への攻撃には「信じられない規模の悲劇」が伴うと警告している。

やはり鍵となるのは、中国の関与だろう。

最近の中朝関係は摩擦も伝えられるが、北朝鮮に最も大きな影響力を持つのは中国だという構図は変わらない。北朝鮮の貿易額の9割は中国を相手としたものであり、原油供給も中国に依存している。

一方で中国は朝鮮半島情勢の安定を重視し、北朝鮮の核開発には反対してきた。日米や韓国と、核開発の阻止では連携できるはずだ。

トランプ米大統領は中国への働きかけを強めている。核・ミサイル問題解決のために中国が影響力を行使するなら、米中の通商交渉で譲歩してもいいとまで述べた。

日本も米国と足並みをそろえ、中国を国際包囲網に取り込む努力をすべきである。そのためには中国と円滑な意思疎通をできる環境を作る必要があろう。

中国外交トップである楊潔〓(ようけつち)国務委員が来日している。7月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議での日中首脳会談を調整するためとみられる。首脳の相互訪問再開への糸口になることも期待される。

今年は日中国交正常化45周年という節目の年だ。中国との協力強化を模索する好機でもある。

北朝鮮の核・ミサイルは日本にとって現実の脅威だ。日本には、問題解決へ向けた前向きの姿勢を中国から引き出す戦略的な外交が求められている。
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[毎日新聞] 天皇退位法案の付帯決議 自民は皇族減少の直視を (2017年05月30日)

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天皇陛下の退位を実現する特例法案審議入りの前提となる付帯決議案を巡り与野党協議が難航している。

皇族の減少対策について「女性宮家の創設」の文言や検討期限を明記するかで対立しているためだ。

歩み寄りを探る動きが続くが、自民党が当初「女性宮家」の明記を見送る態度を見せたことは、皇族減少を直視した対応とは言い難い。

衆参両院の正副議長が3月に示した国会見解は「女性宮家の創設」を検討すべきだというのが「各党派の共通認識」と明確にしている。

にもかかわらず、自民党が先週示した与党案では「女性皇族の婚姻等」に起因する問題に置き換え、「女性宮家」には触れなかった。

与党が国会見解を軽視したのは初めてではない。特例法案の名称付けでも今の陛下限りの退位を印象付けようと見解を逸脱した経緯がある。

皇族減少を巡っては、安倍政権が女性宮家創設ではなく、結婚後も女性皇族に公的な身分を与え公務を委嘱する案を検討しているという。

女性皇族は結婚に伴い皇籍を離脱し一般国民になるが、明治には結婚後も「内親王」などの称号を保持できる制度があった。

2012年に民主党の野田政権が女性宮家創設を検討した際、有識者からこれを参考にした案が提起され、論点整理に盛り込まれた。

しかし、問題点は多い。

元皇族であっても民間人が皇室の活動を行えば、皇族という特別な身分をあいまいにする恐れがある。

また、公的な身分でも皇族ではないため、女性皇族が持つ摂政や国事行為の代行の資格はなくなる。

なにより、皇族の公務負担増を避けることはできても、皇族の減少に歯止めをかけることはできない。

自民党には女性・女系天皇につながるとして女性宮家創設への反対が強い。衛藤晟一首相補佐官は「万策尽きたらあり得るかもしれない」というが、それでは遅すぎる。

委嘱案は女性宮家を阻止するための方策と疑われても仕方がないのではないか。女性宮家が明記されても政府の検討が進む保証もない。

秋篠宮家の長女眞子さまが近く婚約される。皇族減少は身近な問題になるが、これを現実的に解決する視点が自民党には欠けている。
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[読売新聞] 北ミサイル発射 国際包囲網への無謀な挑戦だ (2017年05月30日)

国際包囲網構築に対する無謀な挑戦である。軍事、外交の両面で、北朝鮮への圧力を着実に高めねばなるまい。

北朝鮮が、日本海方向に、「スカッド」系列とみられる短距離弾道ミサイルを発射した。約400キロ飛行し、島根県・隠岐諸島から約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

3週連続の発射である。EEZ内には昨年8月に初めて着弾し、今回で4回目だ。

国連安全保障理事会の決議に違反するだけでなく、漁船や民間航空機に被害が及びかねなかった。北朝鮮が危険な挑発を繰り返すことは、決して容認できない。

懸念されるのは、北朝鮮のミサイル発射への慣れが生じることだ。安倍首相は「国民の安全を確保するために万全を期す」と強調した。政府は不測の事態に備えて、自治体との協議を緊密化し、避難訓練などの拡充を急ぐべきだ。

イタリアでの主要国首脳会議(タオルミーナ・サミット)は、核・弾道ミサイル計画を放棄するよう、北朝鮮にかつてない強いメッセージを発した。ミサイル発射は、これへの反発だろう。

前日には、北朝鮮国営メディアが、「新型」対空迎撃ミサイルの発射実験の成功を喧伝(けんでん)した。朝鮮労働党の金正恩委員長は米国を念頭に、「敵の制空権の妄想を粉砕すべきだ」と言い放った。

北朝鮮の不毛な対抗姿勢は、地域の緊張を高めるだけである。

米軍は近く、朝鮮半島周辺に展開中の原子力空母「カール・ビンソン」に加え、「ロナルド・レーガン」を投入するとされる。

さらに、「ニミッツ」も派遣する方向で、一時的に空母3隻態勢となる可能性がある。北朝鮮の軍事的脅威への抑止力となろう。

問題なのは、中国が国連安保理による追加制裁を拒むなど、いまだに北朝鮮を支え続け、増長させていることだ。

中国外交を統括する楊潔チ国務委員が来日した。岸田外相らと会談する。原油供給の制限など実効性のある制裁に向けて、前向きに対応すべきではないか。

韓国の文在寅政権は、北朝鮮のミサイル発射が相次ぐ中、韓国の民間団体に対して、人道支援目的で北朝鮮側と接触することを承認した。当局間対話の環境整備の狙いがあるとみられる。

対話のための対話では、核・ミサイル問題の解決に役立たない。北朝鮮政策で日米と協調を維持することが求められよう。
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[読売新聞] 個人情報保護法 改正への過剰反応を懸念する (2017年05月30日)

国民の「知る権利」が損なわれてはならない。改正法施行にあたり、社会全体で共有すべき視点だと言えよう。

情報技術(IT)の進展に対応する改正個人情報保護法が施行された。

柱の一つが、個人を特定できないように加工した「匿名加工情報」に関する規定の新設だ。厳格に保護すべき個人情報とは区別し、本人の同意がなくても第三者に提供できるようにした。

企業は、個人情報を含む購入履歴などを蓄積している。これらのビッグデータは、商品開発などの際の貴重な情報として期待されるものの、情報の拡散に不安を抱く消費者は少なくない。

取引のルールを設けることで、トラブルを防ぎ、活用を推進する。この狙いは理解できる。

問題は、情報を加工する手順が必ずしも明確ではないことだ。氏名や住所を削除するほかに、どのような措置が必要か。加工が不十分であれば、他の情報との照合で個人が特定される恐れもある。

監督機関である政府の個人情報保護委員会が定めた基準は、細部には及んでいない。情報を加工する企業が、ケースごとに最終判断するしかないのが実情だ。

混乱も予想されるだけに、委員会は、企業などの相談に丁寧に対応せねばならない。業界団体による自主ルールの整備も大切だ。

活用推進と安全確保を両立させる取り組みが求められる。

改正法には、規制強化も盛り込まれた。人種や病歴、犯罪歴などを「要配慮個人情報」と規定し、本人の同意なしに取得することを原則として禁じた。不当な差別や偏見を防ぐことは重要だ。

規制強化で、懸念されるのは過剰反応である。日本新聞協会は「『匿名社会』の深刻化につながる」との声明を発表した。

事件・事故や災害で、被害者らの実名を公的機関が明らかにしなければ、真相に迫る取材は困難になる。当事者に対する公権力の不正な行使などをチェックするためにも、実名は不可欠だ。

匿名社会の問題は、2005年に個人情報保護法が全面施行されたのを機に顕在化した。これ以上、過剰反応を広げてはなるまい。

そもそも、報道機関が報道目的で情報を取得する場合には、個人情報保護法は適用されず、情報の提供者も規制を受けない。

報道機関は、当事者のプライバシーに十分に配慮し、実名を報じるかどうかを自らの責任で判断する。それが本来の在り方だ。
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[朝日新聞] 「共謀罪」審議 国内外の懸念に応えよ (2017年05月30日)

最近明るみに出た警察の活動をあらためてふり返る。

大阪府警は盗みの疑いをかけた男性の車に、裁判所の令状をとらずにGPS装置を装着し、半年以上監視した。事件とは無関係の知人が使う車にも取りつけた。警視庁が捜査した別のケースでは、GPSを使った事実が外部にわからないよう、捜査資料の記載を細工した。

大分県警は昨年の参院選のとき、労働組合の事務所などが入る建物の前に無断でカメラを設置した。出入りする多くの市民の姿がそこには映っていた。

岐阜県警は、風力発電の建設に疑問をもって勉強会を開いた住民の動きを監視し、活動にかかわっていない人も含め、病歴などのさまざまな情報を電力会社側に複数回伝えた――。

参院で「共謀罪」法案の審議が始まった。277の犯罪について計画の段階から処罰できるようにする法案だ。政府は、捜査当局が法を恣意(しい)的・政治的に運用することはありえず、「一般の方々」が捜査対象になることはないと繰り返している。

しかし、「一般の方々」のプライバシーに踏み込み、権利を侵害する捜査が、現に各地で行われている。発覚しても、「正当な警察業務」として処理される例がほとんどだ。

共謀罪が包括的に導入されれば、監視や情報収集を正当化する根拠となり、その範囲がさらに広がるのではないか。

そう考えるのはごく自然なことだ。ところが衆院の審議では多くの人が納得できる説明はなく、捜査にブレーキをかける具体策も示されなかった。

法案の修正協議が行われ、共謀罪の疑いで逮捕した後の取り調べの様子の録音・録画が、付則に盛り込まれはした。しかしそれは、制度のあり方について今後「可及的速やかに検討を加える」というものに過ぎず、むろん任意段階の捜査への歯止めにもなり得ない。

各国のプライバシー保護状況を調査・監視する国連の特別報告者が、法案への懸念を書いた手紙を安倍首相に送った。摘発の要件とされる「組織的犯罪集団」などの定義があいまいで、このままでは市民の自由や権利が侵害されるおそれがあるという、もっともな指摘だ。

政府はこれを「一方的で不適切」と切り捨てた。批判を受けつけず、議論を拒む政権の姿勢がここにも見てとれる。

法案をめぐる疑念は解消にほど遠く、未消化の論点もたくさん残る。憲法はなぜ、二院制を採用しているのか。その意義が問われる参院審議となる。
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[朝日新聞] 森友問題 財務省は情報を消すな (2017年05月30日)

真相が解明されていないのに、データを消してはならない。財務省は文書管理システムの更新を中止するべきだ。

学校法人・森友学園への国有地売却問題をめぐり、同省は学園との交渉記録などを「廃棄した」と主張している。しかし、バックアップデータから復元は可能という指摘もある。

このままでは6月から新システムに移行し、旧システム上のデータは2カ月かけて消去される。機器の入れ替えで復元が物理的に不可能になる前に、情報の保全を優先すべきだ。

「記録は残っていない」という同省の説明を、うのみにはできない。新たな資料が明らかになるたび、後追いで釈明する姿勢に終始してきたからだ。

今月も新たな疑惑が発覚した。国有地の売却が決まる前の2016年4月。近畿財務局が価格の評価を不動産鑑定士に頼んだ際、ごみ撤去費に加え、高層建築を想定した約5億円の地盤改良費も考えて値引きを求めていたことが明らかになった。

着工済みの校舎は3階建てなのに、財務局は高層建築が前提の資料を鑑定士に渡し、評価での「考慮」を求めていた。

国会で佐川宣寿理財局長は「地盤の状況について考慮してくださいというのは普通のこと」と答弁したが、不必要な値引きまで示唆するような条件をなぜ示したのか。今まで黙っていたことも不可解だ。

森友問題では調べたい記録類が、ほかにもたくさんある。

安倍首相の妻の昭恵氏付職員が学園側にファクスを送った際、財務省は事前に職員とどんなやりとりをしたのか。

同省は、売買契約締結までの手続きを学園に「親切に」手順書まで示していたが、これがつくられるにいたった経緯。

学園の籠池(かごいけ)泰典・前理事長と財務省室長の面会について、同省の面談記録はないのか。

廃棄したなら、職員から聞き取りをして記録を作成することや手控えのメモの調査など方法はある。NPO法人は、パソコンから削除された情報のバックアップデータなどの証拠保全を東京地裁に申し立てたが、6月を目前に控え、同省が自主的にデータの保存をすべきだ。

学校法人・加計(かけ)学園の獣医学部新設問題でも、前文部科学事務次官が「ある」と話している文書を、安倍政権は怪文書扱いし、前次官への人格攻撃で問題をすり替えようとしている。

問われているのは政府の公文書管理に対する姿勢だ。都合の悪い資料をなかったことにするような態度は許されない。
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