2017年04月18日

[東京新聞] 韓国大統領選 対北政策を注目したい (2017年04月18日)

罷免された朴槿恵前大統領の後任を決める韓国大統領選が始まった。次期政権は核武装を進める北朝鮮の脅威と、正面から向き合うことになるだろう。各候補の北朝鮮政策を注視したい。

大統領選は五月九日に投開票される。革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅前代表と、中道の野党第二党「国民の党」の安哲秀元代表による事実上の一騎打ちになる公算が大きい。

朴前政権の腐敗を受けて、公正で透明性の高い政治の実現、政権と財閥企業の癒着解消などが主要争点になる。有権者は少子高齢化や社会全体に広がる格差への取り組みにも関心を寄せる。

この数週間で、外交、安全保障が大きな争点に浮上してきた。

韓国は北朝鮮の核とミサイルの脅威に直面している。韓国と同盟関係にある米国のトランプ政権は朝鮮半島近海に空母を派遣し、「あらゆる選択肢がテーブル上にある」と言明して、北朝鮮に軍事力使用も排除しない姿勢を示す。

文、安両氏とも、北朝鮮に対する先制攻撃に反対し、北朝鮮との対話を模索すべきだという主張では共通している。

文氏は南北対話を再開して、多様な方面で北朝鮮の変化を促す重要性を強調する。かつて盧武鉉政権の高官として、南北融和路線を進めた経験によるものだろう。一方、安氏はまず米韓同盟の強化が必要だと言う。今回の選挙で有力な投票先を持たない保守票を意識したといえる。

北朝鮮のミサイルを迎撃するための高高度防衛ミサイル(THAAD)の運用も、韓国内で意見が分かれる。THAAD配備に強く反対する中国を刺激し過ぎると、経済交流にマイナスになるとの懸念がある。

文、安両氏は安全保障、北朝鮮との対話など、公約を具体的に示してほしい。有権者である韓国国民はもちろん、日本や米中も強い関心を持っている。

北朝鮮の軍拡路線に歯止めをかけるには、韓国は的確な外交で周辺国と協調する必要がある。米中は北朝鮮制裁の強化に向けて協力する動きを見せている。韓国がどのような形で関与できるのか、十分な検討を望みたい。

慰安婦問題に関する日韓合意について、各候補は撤回あるいは見直しを主張するが、国家間の取り決めは政権交代後も維持すべきだ。日韓には歴史の懸案だけでなく、北朝鮮の核問題など協力が必要な事案も多い。
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[産経新聞] 【主張】科学技術週間 「ステキな未来」築けるか (2017年04月18日)

「なぜ?から始まるわくわくが ステキな未来をつくるんだ!」

今年度の科学技術週間(4月17?23日)の標語である。日本が世界の平和と繁栄に貢献し、国際社会から必要とされ信頼される国であるためには、科学技術は最も重要な分野の一つである。

しかし、日本の科学技術を支える研究現場は危機的な状況にあると、内外から指摘されている。子供たちの「わくわく」を「ステキな未来」につなげるために、科学技術立国の足もとを立て直さなければならない。

「日本の科学研究はこの10年間で失速し、科学界のエリートの地位が脅かされている」

英科学誌「ネイチャー」が3月に発表した日本の科学研究の現状分析である。2005年から15年までの10年間に世界で発表された論文は80%増えたが、日本は14%増にとどまる。世界シェアは7・4%から4・7%に低下した。

原因として「研究者の安定したポジションが少なくなり、国の予算が01年以降横ばいであること」などを挙げている。

00年以降、日本は17人(米国籍2人を含む)ものノーベル賞受賞者を輩出した。その業績の多くは20?30年前の「過去の光」である。大隅良典氏(16年、医学・生理学賞)をはじめ多くの受賞者は、近年の短期的成果主義の弊害を訴えてきた。

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ネイチャーの指摘は、受賞者が憂慮する日本の科学の危機が、目に見えて進行していることを示すものといえる。深刻に受け止めなければならない。

最も重要なのは、科学技術政策の根幹に「人を育てる」ことを据え、長期的な視野で研究開発の豊かな土壌を支えていくことだ。論文数の減少にとらわれて対症療法的な施策を急ぐと、学術研究の強化を目的に推進した「ポストドクター1万人計画」(1996?2000年)と同じ失敗の道をたどるだろう。

日本の大学は自立を尊重する傾向が強く、民間企業との共同研究や人材交流は、欧米に比べて大幅に少ない。予算の増額が困難な状況下で科学技術立国の土台を強固にするためには、産学連携の抜本的な拡充が不可欠である。

生命科学や人工知能(AI)がもたらす劇的な社会変革に対応するためにも、先見性を備えた産官学の協調が求められる。
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[産経新聞] 【主張】露のシリア擁護 それなら調査に協力せよ (2017年04月18日)

化学兵器使用をめぐり、ロシアがシリアのアサド政権をかばい、真相究明を阻んでいる。

「証拠がない」と主張しながら、現地調査を行うための国連安全保障理事会の決議案を、拒否権行使で葬り去った。

安保理常任理事国として、あまりにも無責任ではないか。シリアの戦争犯罪を隠蔽(いんぺい)する行為だと受け止められても仕方あるまい。

シリアの化学兵器を使った空爆の拠点となったのは、シャイラト空軍基地だったとみられる。

決議案では、化学兵器禁止機関による基地への立ち入り調査や、空軍機の飛行計画・日誌の提出などを求めていた。

基地には化学兵器が貯蔵されている疑いがある。国際機関の公正な調査は、真相を究明する上で極めて重要だ。早急に実施される必要がある。

米英両国は衛星写真や通信情報などから、シリアが空爆し、現場で採取したサンプルから、猛毒の神経ガス、サリンが検出されたと断定している。また、トランプ米政権はロシアが空爆を事前に把握していたともみている。

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ロシアのプーチン大統領とアサド大統領は「百パーセントでっちあげだ」と、口をそろえて否定する。ならば、積極的に調査に協力して「身の潔白」を証明すればよいだろう。

決議案に中国は棄権し、常任理事国5カ国で反対したのはロシアだけだった点も留意したい。

先の米露外相会談では、化学兵器禁止機関の調査実施で合意したという。拒否権行使と矛盾しているではないか。

そもそも2013年に、シリアの化学兵器を国際管理の下で廃棄することを提案したのは、ロシアだった。

シリアが申告した約1300トンが廃棄されたが、その後も化学兵器をひそかに開発し、隠匿していたと考えるしかないだろう。

それを許した責任の一端は、十分な監視を怠ったロシアにもある。アサド政権に影響力を行使し、調査の受け入れと協力を働きかけるべきである。

ロシアはまた、シリアと深い関係にある北朝鮮について、圧力強化には異論を唱え、中露外相の電話会談で対話推進を確認した。結果的に、北朝鮮の暴走を止められないという点では、中国と変わらないではないか。
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[東京新聞] トルコ国民投票 欧米との関係は壊さず (2017年04月18日)

トルコの国民投票は大統領権限を大幅に強化する憲法改正案が民意を得た。地域大国のトルコは中東安定の要だ。そのためにもエルドアン大統領には欧米と建設的な関係を築くよう期待する。

改憲案は首相職の廃止や大統領に閣僚の任免権を付与することなどが柱。議院内閣制から大統領制へ移行する国家体制の大転換となる。国家の安定と経済発展の実現には強いリーダーシップが不可欠だと主張するエルドアン氏が国民投票の旗を振った。

イスラム色の強いエルドアン政権下での改憲によって、一九二三年の建国以来、国是としてきた世俗主義も転機を迎えたという歴史的意義も加わる。

一方でトルコ内外には、国民投票の結果により独裁国家に変質しないかという懸念が深い。

それでなくともエルドアン氏は、昨年七月のクーデター未遂事件後、独裁色を強めている。事件の首謀者とみなす宗教指導者ギュレン師に関係があるとして、公務員、軍人、警官、教員ら十数万人を追放し、批判的なメディアも沈黙させた。

異論を強権で抑え込もうとすれば反発を招き、目標とする国家安定とは逆の結果になりかねない。

トルコでは最近、クルド人勢力や過激派組織「イスラム国」(IS)とみられるテロが頻発。海外からの投資や観光に暗い影を落とし、経済は減速している。

国民投票の賛否が僅差だったことを、エルドアン氏は肝に銘じてほしい。

欧州とは国民投票に絡んで摩擦が高まった。エルドアン政権は欧州に暮らすトルコ系住民の支持集めに、閣僚を送り込んで集会を開こうとしたが、ドイツは集会を禁じ、オランダは閣僚の入国を拒否した。欧州各国がトルコ国内の対立を持ち込んでほしくないのは理解できる。

米国とも在米のギュレン師の送還問題や、アサド政権と対峙(たいじ)するシリアのクルド人武装勢力の取り扱いで対立。トルコはシリア和平問題をめぐってロシアとイランに急接近した。

欧州にとってトルコはシリア難民流入の防波堤であり、米国にとってはIS掃討作戦でのパートナーだ。北大西洋条約機構(NATO)の要所の加盟国でもある。

トルコにしてもEUは最大の貿易相手であり、中東への米国の関与は歓迎すべきことだ。協力関係が相互利益につながることを双方が理解してほしい。
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[毎日新聞] 「森友」問題はどこへ行った 首相と与党は質疑阻むな (2017年04月18日)

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安倍晋三首相と自民党は、このままダンマリを決め込めば人々の関心は薄れると考えているのだろうか。

大阪市の学校法人「森友学園」の国有地売却問題について、国会ではこれに関する質疑さえままならない状況が続いている。

例えば介護保険関連法改正案などを審議していた先週の衆院厚生労働委員会だ。森友問題に関し民進党議員が、首相の妻昭恵氏が公の場で説明するよう求めたところ、自民党は「議案と関係ない」と猛反発し、改正案を強行採決する事態となった。

確かに改正案とは無関係だ。だが与党は昭恵氏らの証人喚問を拒み続けている。この委員会での質疑は適さないと言うのなら、森友問題に関する集中審議を行えばいいはずだが、それも拒否している。

民進党議員は報道機関の世論調査では関係者の証人喚問が必要だと考えている人が多いともただした。すると首相は「その調査によると内閣支持率は53%で、自民党の支持率、あるいは民進党の支持率はご承知の通りだ」と言い返した。

高支持率だから喚問は不要とでもいうような答弁に驚くばかりだ。

昭恵氏をめぐっては、昨夏の参院選で自民党候補を応援した際、夫人付の政府職員が計13回同行したことも明らかになった。公務員の選挙運動は法律で制限されている。

政府は旅費は昭恵氏が負担し、選挙応援は昭恵氏の「私的な行為」と説明している。一方で職員の同行は職務遂行のための「公務」と位置づけながら「自らの判断」だったとも言う。全く理解に苦しむ。

公私の区別がはっきりしない昭恵氏の行動は森友問題解明のための焦点の一つだ。しかし夫人付職員が問題の土地に関して財務省に問い合わせていた事実が判明した際、首相側が「職員の個人的な照会」と強引に結論づけたために、その後も無理な説明を重ねているように思われる。

与党が質疑を阻むのは、首相側がきちんと説明できないことをそんたくしているからではないかと疑う。

そもそもなぜ売却価格は格安になったのか。昭恵氏は本当に関与していないと言えるのか。解明はまだ何も進んでいない。

改めて昭恵氏ら関係者の記者会見や証人喚問を強く求める。
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[日経新聞] 構造改革が再び滞る中国経済 (2017年04月18日)

中国の1?3月期の実質経済成長率は前年同期比6.9%だった。2期連続の拡大だが、短期的なインフラ投資と不動産に頼っており、中国経済はなお不安を残している。

中国はここ数年、供給サイド重視の構造改革を断固、進めるとしてきた。習近平国家主席も年初に生産能力の削減など構造改革の推進を改めて宣言した。いわば対外的な公約である。

実態は異なる。過剰な生産能力が指摘されていた鉄鋼などは逆に生産量が増えている。目先の景気テコ入れを狙って道路、空港などインフラ投資を急拡大し、一時的に需給が締まった結果だ。

在庫を抱えている不動産市場にも、実需とは必ずしも関係ない様々な投機資金が流れ込んだ。特に都市部での住宅価格の高騰は深刻な社会問題になっている。

一連の景気テコ入れ策は副作用を伴う。資産バブルである。リスクを認識する中国人民銀行(中央銀行)は、過度の金融緩和を改め始めた。今後、不動産価格が急激に下がれば、金融システムが不安定化しかねない。十分な注意が必要だ。

中国景気の従来のけん引役は、黒字を積み上げてきた対外貿易、独自の発展を遂げた電子商取引による消費の伸び、第3次産業の成長などだった。

しかし、稼ぎ手の対米輸出を巡っては、先の米中首脳会談で貿易不均衡の是正を目指す「100日計画」づくりで合意した。個人消費も以前ほどの伸びはない。景気回復を確実にするには、新たな産業の育成と内需の開拓が不可欠だ。その前提となるのが産業の構造改革である。

中国は今秋、5年に1度、最高指導部を入れ替える共産党大会を控えている。経済低迷の印象を与えれば、現執行部の求心力に響く。経済安定に向けた短期的なテコ入れは政治優先の選択でもある。とはいえ中長期的な成長を確保する構造改革を棚上げすれば、後に大きなツケを回すことになる。
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[日経新聞] トルコは民主主義守り中東安定に貢献を (2017年04月18日)

トルコで大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が実施された。暫定の開票結果で、賛成票が改憲に必要となる過半数を上回った。

首相職を廃止し、象徴的な存在だった大統領が国家元首と行政の長を兼ねる。大統領は閣僚や司法の人事権や国会の解散権など、強大な権限を持つようになる。

1923年に誕生したトルコ共和国の転換点である。改憲を目指してきたエルドアン大統領は今回の勝利に、「歴史的な決定だ」と語った。エルドアン氏は最長で2029年まで大統領の座にいることが可能になった。

ただし、勝利は僅差だった。野党は開票結果に異議を唱えている。投票したほぼ半数の有権者が大統領への権限集中に懸念を表明したことを忘れてはならない。

トルコは欧州とアジアのつなぎ目に位置する。その安定が地域に不可欠であるのは言うまでもない。シリア内戦の解決や過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討にトルコの関与は欠かせない。

トルコ国内ではISやクルド人反政府勢力によるテロが頻発している。治安の悪化は高い伸びを続けてきた経済成長にも影を落としている。昨年7月にはクーデター未遂が起き、政府は事件への関与を理由に、軍や公務員、司法など、10万人以上の関係者を拘束・解職した。

国際社会もトルコの不安定化とエルドアン体制の行方を注視している。なかでも欧州は無関係ではいられない。シリアを逃れた難民の多くは、トルコを通って欧州に向かった。難民問題の解決にはトルコとの連携が欠かせない。

トルコ政府がクーデター未遂後に出した非常事態宣言は今も続いている。その状況の下で実施された国民投票が、エルドアン大統領による強権支配に道を開くことがあってはならない。

エルドアン大統領がすべきことは、こうした国内外の懸念を払拭することだ。実権型の大統領制への移行で手に入れる安定した政権基盤を、治安の安定と対外関係の改善にいかすべきだ。

民主主義とイスラム教が調和するトルコはイスラム世界の発展モデルと期待される。安倍晋三首相とエルドアン大統領が相互訪問するなど、日本とトルコは良好な関係にある。トルコが民主主義を守り、国際社会で果たす役割を後押しするのは日本の役目である。
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[毎日新聞] トルコの憲法改正承認 大統領の独裁を懸念する (2017年04月18日)

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地理的にも文化的にも「欧州とアジアの懸け橋」と言われてきたトルコの政治体制が大きく変わる。

議院内閣制と首相職を廃止して大統領が国家元首と行政の長を兼ね、国会の解散や非常事態を宣言する権限も与えられる。司法への人事権も強化される。

16日の国民投票で承認された憲法改正案の主な内容である。

注目すべきは大統領の任期だ。改正案でも任期は最長で2期10年だが、旧憲法下での任期を含める必要はない。だから2014年から大統領を務めるエルドアン氏は19年の大統領選で当選すると、29年まで大統領職にとどまることが可能になる。

その場合、公正発展党(AKP)を支持基盤として03年に首相に就任した同氏は26年も最高権力者として君臨することになる。同氏は建国の父ムスタファ・ケマルにも匹敵する権力を握るかもしれない。

だが、疑問を禁じえない。大統領制への移行は自由だが、トルコの場合は権力者が政治生命を延ばそうとして憲法に手を付けた印象がぬぐえない。エルドアン氏には後継者を育てて権力を譲る道もあったはずだ。

トルコは北大西洋条約機構(NATO)の一員であり欧州連合(EU)への加盟を望む。イスラム圏でいち早く政教分離を果たした国でもあり、欧米の仲間入りをめざす開明的なベクトルがある。

だが、イスラム重視で強権的なエルドアン氏に権力が集まれば国内の対立がさらに激化し、過激派組織「イスラム国」(IS)やシリア内戦への対応にも重大な支障が出かねない。そんな不安を覚える。

トルコで昨年クーデター未遂が起きてからエルドアン政権は4万人以上を逮捕し、これまでに閉鎖されたメディアは160社に上るという。

ISなどのテロに苦しむトルコの事情は分かる。だが、政治権力を乱用し、法の支配や言論の自由を軽んじれば、結局は国際的な理解も支援も得られまい。

賛成と反対が伯仲した国民投票についてエルドアン氏は独裁への懸念を見て取るべきだ。野党は選挙不正を叫んで票の数え直しを求めている。エルドアン氏は反対派の声にも耳を傾け、強権ではなく対話によって国内安定を図ってほしい。
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[朝日新聞] 諫早湾干拓 国の罪深さが招く混迷 (2017年04月18日)

この混迷からどうやって抜けだすのか。行政が本気で解決にとり組まなければ、対立と分断で地域は疲弊するばかりだ。

国の干拓事業によって諫早湾が鋼板で閉め切られて、今月でちょうど20年になる。

そしてきのう、干拓地で農業を営む人々が起こした裁判で、長崎地裁が潮受け堤防の水門を開くのを禁じる判決を言い渡した。開けば農業に重大な被害が生じる恐れがあるとの判断だ。

7年前には福岡高裁が、逆に漁業者の主張を認め、水質調査をするため期限をきって開門するよう命じている。相反する司法の結論に疑問が広がる。

だがこの事態は予測できた。干拓により漁業被害が出ていることを、今回の裁判で国が正面から主張しなかったためだ。

福岡高裁は両者の因果関係を一部認め、だからこそ開門を命じた。国はこれを受け入れ上告を断念した。にもかかわらず、理解しがたい対応である。

矛盾を指摘されながら改めようとしない国の態度が、矛盾する判決につながった。高裁の確定判決があるので口では「開門義務を負う」と言いつつ、本音ではそうさせないように、つまり国が進めてきた公共事業が失敗だったことが明らかにならないように立ち振る舞う。

その結果、有明海では不漁が深刻化し、漁業者の後継者難もより厳しさを増した。一方、開門の約束を果たさないことで、いわば罰金として国が漁業者側に日々支払う間接強制金の総額は、年内に10億円を超える。営農者は営農者で、引き続き中ぶらりんの状態におかれる。

どの観点から見ても、罪深い行いと言わざるを得ない。

国が何よりとり組むべきは、漁業者と営農者の双方が折り合える解決策を粘り強く探ることであり、干拓事業者の立場に固執することではない。

国は開門調査に備え、4年前に243億円を予算計上し、農業被害にも対処できると説明した。だが営農者を説得できないまま、毎年繰り越されている。

農業対策とは別に、02年からは海底に砂を入れて耕すなどの有明海再生事業も手がける。しかし、昨年度までに約500億円を投じても、漁獲量の減少傾向に歯止めはかかっていない。かつての「豊穣(ほうじょう)の海」を取りもどすには、やはり開門して調べるしかないのではないか。

営農者を抱える長崎県も、開門に反対するだけでなく、ともに調整にあたる姿勢を見せてほしい。こじれた感情を解きほぐすのは容易ではないが、その営みなくして問題の解決はない。
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[読売新聞] 諫早湾開門凍結 有明海の再生が打開のカギだ (2017年04月18日)

裁判所が正反対の結論を下す。司法判断の「ねじれ」は、今回も解消されなかった。

長崎県の諫早湾干拓事業を巡る訴訟で、長崎地裁は、湾内の堤防排水門の開門差し止めを国に命じた。

判決は、開門すれば、干拓地で塩害や潮風害、農業用水の水源の一部喪失が生じる恐れがある、と指摘し、「被害は重大」だと結論付けた。開門しても、「漁業環境の改善の効果は高くない」との見方も示している。

2013年の長崎地裁の仮処分決定と同様、干拓地の営農者らの訴えを認めた判断である。

別の訴訟で、福岡高裁は10年、漁業被害を認定して、国に5年間の開門調査を命じた。当時の菅首相の判断で、国が上告を断念したため、高裁判決は確定した。

上告して、下級審に強い影響力を持つ最高裁の判例が示されていれば、長期の混乱を招くことはなかったのではないか。

菅氏は「私なりの知見を持っている」と強調しながら、効果的な解決方法を示せなかった。

有明海沿岸の漁業者らが排水門の開門を主張する。干拓地の営農者らは開門に真っ向から反対している。これが、諫早湾干拓事業の裁判の構図だ。計7件が係争中で、両者の溝は今なお深い。

司法判断が割れているため、開門しても、しなくても、国はどちらか一方に制裁金を支払う義務を負っている。異常な状況だ。

開門を履行していない現在、漁業者側に1日90万円、総額は8億円に達している。対立の解消が見えないまま、公金を支出し続ける事態には終止符を打つべきだ。

7件の訴訟の一括解決を目指した長崎地裁での和解協議が、最終的に決裂し、今回の判決に至ったことは、残念である。

和解協議で、国は、有明海の漁業支援策を盛り込んだ100億円の基金創設を提示した。国策として干拓事業を進めてきた政府が、開門せずに解決を図る意思を改めて明確にしたと言えよう。

福岡、熊本、長崎、佐賀の漁業団体などのうち、佐賀以外は「開門を棚上げしてでも、有明海再生を優先したい」などと、和解案を受け入れる姿勢を見せた。膠着(こうちゃく)状態が続いたこれまでの経緯を考えれば、大きな前進である。

堤防の閉め切りから、20年になる。国が開門しない姿勢を貫くのであれば、いかに有明海の再生事業に取り組むかが、解決へのカギとなろう。漁業者側の信頼を得る一層の努力が欠かせない。
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[読売新聞] 朝鮮半島情勢 日米韓連携で対北警戒強めよ (2017年04月18日)

北朝鮮が米国への対決姿勢に固執すれば、朝鮮半島の危機は深まる一方だ。日米韓3か国が緊密に連携し、警戒を強めることが欠かせない。

ペンス米副大統領と韓国大統領代行を務める黄教安首相はソウルで会談し、北朝鮮が軍事的挑発に踏み切った場合、「強力な懲罰的措置」をとる方針で一致した。

看過できないのは、北朝鮮がペンス氏訪韓の直前に、弾道ミサイルを発射したことである。空中爆発して失敗したとはいえ、国連安全保障理事会の決議に違反する無謀な行為にほかならない。

北朝鮮は25日に、軍創建85年の記念日を控える。6回目の核実験や大陸間弾道弾(ICBM)発射を強行する恐れがある。

ペンス氏は記者会見で、「平和的手段で非核化を達成したいが、全ての選択肢がテーブルにある。戦略的忍耐の時代は終わった」と述べ、金正恩政権に警告した。

米国は、原子力空母「カールビンソン」やミサイル駆逐艦を朝鮮半島周辺に派遣した。

対北朝鮮圧力の強化には、中国への働きかけが一段と重要になっている。ミサイル発射が失敗した日、ティラーソン国務長官は楊潔チ国務委員と電話会談した。

トランプ大統領はツイッターで、中国と「北朝鮮問題で連携している」ことから、為替操作国に認定しなかったと指摘した。

安倍首相が国会で、「対話のための対話では意味がない。北朝鮮が真剣に対話に応じるよう、圧力をかけていくことが必要だ」と強調したのは当然である。

軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に基づく情報共有など、日韓の安全保障協力を進める意向を示した。着実に強めたい。

韓国では、朴槿恵前大統領の罷免(ひめん)に伴う大統領選が始まった。5月9日に投開票される。

緊迫する北朝鮮情勢への対応が重要な争点として浮上した。支持率でトップに立つ左派の文在寅候補を、中道左派の安哲秀候補が急速に追い上げている。

保守層では、北朝鮮に融和的な文氏への不信感が根強い。安氏支持が広がっている要因だろう。

米韓同盟重視を訴える安氏は、最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の韓国配備に賛成する立場を表明している。「次期政権が決めるべきだ」として、配備に消極的な文氏とは対照的だ。

韓国は、日米との協調が北朝鮮抑止に必須であるという認識に立った外交を忘れてはならない。
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[朝日新聞] トルコ改憲 強権政治深める危うさ (2017年04月18日)

欧州とアジアの懸け橋に位置するトルコで、国のあり方が大きく変わろうとしている。

16日の国民投票でわずかな差で憲法改正が認められ、議院内閣制をやめ大統領制に移ることになった。問題は、今は象徴的な国家元首と定められている大統領に強大な権力が集中し、立法府や司法府との三権分立が骨抜きになりかねないことだ。

新しい制度では、大統領は国会の承認なしに副大統領や閣僚を任命し、予算案も作成する。非常事態を宣言し、国会を解散できる。裁判官や検察官の人事にも強い影響力を持つ。

エルドアン大統領は、強い指導者のもとで意思決定が素早くなり、治安や経済が安定するとしている。しかし、野党や、トルコが加盟を求めている欧州連合(EU)は「民主主義が後退し、独裁への道を開く」と警戒する。大統領は、こうした批判に耳を傾けるべきだ。

国論が二分するなかで強権をふるう手法をとれば、社会の亀裂が深まり、不安定になる。近年増えているテロの危険性はさらに強まるだろう。欧州との関係が悪化すれば、中東の過激派組織「イスラム国」(IS)対策や難民問題への国際的な取り組みにも支障が出かねない。

エルドアン氏は「歴史上初めて国民の手で改革を実現した」と、正当な手続きで民意が示されたと強調した。だが、国民投票の内実には疑問も残る。

トルコでは昨年7月のクーデター未遂事件の後、いまも非常事態宣言が出されたままだ。事件に関わったとして公職を追われた人は6万に及ぶという。150以上の新聞社、放送局などの報道機関が閉鎖された。野党の有力議員も拘束されている。

そんな状況での国民投票である。政権与党が提案した改憲案に対し、国民は本当に自由な意思表示ができたのか。EUは報告書で「国際基準からみて自由で公正とは言い難い」と批判していた。それでも反対が49%にも上ったことを、大統領は重く受け止めなくてはならない。

トルコには隣国シリアの難民が300万人近くいる。トルコとEUは昨年、難民や移民が欧州に不法に渡るのをトルコが抑える代わりに、EUが財政支援することで合意した。両者は、今後も難民対策で密接に協力する必要がある。

トルコでは、日本を含む各国の援助団体が難民への人道支援をしている。親日国トルコと日本の外交関係は良好だ。民主的で安定した地域大国トルコこそが中東安定の要であると、日本政府もしっかり伝えるべきだ。
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