2017年04月17日

[東京新聞] 諫早分断 融和は政府の責任で (2017年04月17日)

“ギロチン”と呼ばれた鉄の堤防が諫早湾を分断して二十年。長く複雑な訴訟合戦を経て、海と陸、漁業と農業を隔てる壁は厚みを増すばかり。国策の誤りを認め、和解へ導く責任は政府にある。

二百九十三枚の鋼板が魚湧く宝の海をドミノ倒しのように切り裂き、長さ七キロの潮受け堤防が出現し、諫早湾の三分の一を閉め切った。その模様は“ギロチン”と形容された。ムツゴロウがはい回る国内最大級の干潟が消えて、六百七十二ヘクタールの農地ができた。

戦後の食糧難がまだ続く一九五二年に構想されて、世紀をまたいだ二〇〇八年に完了を見た国営諫早湾干拓事業。国策は時代の変化に適応できず、完成だけを目的とする、典型的な“止まらない”巨大公共事業と化した。

政府は米余りの時代の到来だけでなく、干潟の持つ海水の浄化能力も視野に入れてはいなかった。

空から湾を見下ろすと、陸側にできた真水の調整池と、堤外の湾の海面の色が明らかに違っているのが分かる。工事が進むに従って、赤潮の頻発で名産のノリの収穫が激減するなど海に異変が起きた。そこからがややこしい。

有明海沿岸四県の漁業者が〇二年、工事差し止めの仮処分を求めて提訴。〇四年、佐賀地裁はこれを認めた。巨大公共事業を止めた初めての司法判断と注目された。

仮処分は取り消されたが、その後の本訴で、潮受け堤防の排水門を五年間開門するよう命じた判決が一〇年、福岡高裁で確定した。

これを受け、干拓地に入植した営農者は一一年、利水や防災上の支障が出るとして、開門差し止めを求め、長崎地裁は一三年、仮処分を決めた。

国策の誤りを認めることになるからか、国は開門に踏み切れず、今は一日九十万円の制裁金を漁業者側に支払い続けている。開門すれば、営農者側への制裁金が課されることになっている。

最高裁は、下級審の事実認定を変更できず、両地裁の判断を統合することは不可能だ。法や制度の不備をここで指摘しても始まらない。長い訴訟合戦で明らかになったのは、裁判では解決できない問題なのだということだ。

政府がまず国策の不備を認めて、対話のテーブルに戻るよう誠意を尽くして双方を説得し、利水や防災に配慮した、農業も持続可能な開門の在り方を模索するしか道はない。

漁業、農業、そして地域をこれ以上疲弊させてはならない。
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[産経新聞] 【主張】金正恩政権 強硬姿勢で未来は開けぬ (2017年04月17日)

いくら軍事挑発を重ねても、国際社会は北朝鮮の核武装を認めない。核・弾道ミサイル戦力を放棄しない限り未来がないことを金正恩政権は理解しなければならない。

北朝鮮が16日早朝、弾道ミサイル1発を発射したが、直後に爆発し、失敗だったとみられる。

米国のトランプ政権が対北圧力を強めるさなかに挑発に踏み切ったこと自体が問題だ。度重なるミサイル発射や核開発で自らが招いた危機をさらに高めようとする暴挙というほかない。

首都平壌での15日の軍事パレードでは、米国に当てつけるように新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を搭載した可能性がある車両を行進させた。

北朝鮮のICBMは実戦段階に至っていないとされる。それでも、米本土を核攻撃する戦力の保有を諦めない意思を示したつもりなのだろう。

朝鮮労働党の崔竜海副委員長は「全面戦争には全面戦争で、核戦争には核攻撃戦で対応する」と演説した。

北朝鮮が、危機的状況を作り出すことでトランプ政権から妥協を引き出すつもりなら、大きな考え違いだと言わざるを得ない。

オバマ前政権とは異なり、トランプ政権は軍事力の行使を選択肢に入れている。北朝鮮の核戦力によって米本土が脅かされる状況は容認しまい。日本など同盟国への攻撃も強力に抑止する構えだ。

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原子力空母カール・ビンソンの朝鮮半島付近への派遣など軍事的な圧力に加え、北朝鮮経済の生命線を握る中国にも影響力の行使を迫っている。

ペンス米副大統領の日韓歴訪では、トランプ政権の対北姿勢が改めて示されるだろう。日韓両政府は米国と緊密に連携し、核・ミサイルや化学兵器などの放棄を迫るべきである。

北朝鮮は北東部の豊渓里で、6回目となる地下核実験の準備をほぼ完了させたといわれる。25日には、朝鮮人民軍創建記念日を控えている。

核実験やICBM発射という重大な挑発を行えば、朝鮮半島情勢は緊張の度合いが一層増すことになるだろう。

安倍晋三政権はさらに警戒を強めるべきだ。防衛省・自衛隊はもちろん、すべての政府機関と自治体が万一の事態に備え、国民を守り抜く対応を急いでほしい。
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[東京新聞] 原発避難いじめ 「心の傷」は見逃さない (2017年04月17日)

原発事故のために避難した子どもに対するいじめの状況を文部科学省が公表した。把握されたケースは氷山の一角かもしれない。避難を余儀なくされた子どもらを見守り、異変を見逃さずにいたい。

調査は、福島原発事故後に福島県の内外に避難した小中高生ら約一万二千人を対象に行われた。二〇一六年度は百二十九件、一五年度以前は七十件の計百九十九件。このうち震災や原発事故に関連したケースは十三件だった。

調査のきっかけは昨年秋、横浜に避難した男子生徒が小学校時代に、同級生から暴力をふるわれたり、遊興費などのために百五十万円を要求されていたことが発覚したことである。

同省は十二月、同様のいじめがないか調べるように学校に求め、子どもたちに面談などをして確認を行った。十三件の内容は「福島へ帰れ」「放射能がうつる」などと心ない言葉を投げ付けられ傷ついている場合が多い。被害に遭ってもすぐに親や教師には言えなかったというケースもある。慣れない避難先で不安な生活を送っている子どもが、さらにいじめに遭うのはあまりにも理不尽である。

原発避難者たちが各地で提訴している損害賠償裁判でもいじめの問題が出ている。避難者に限らず、いじめの問題への対応は難しいが、原発避難という特別な事情を踏まえ、子どもの様子を見守ることで異変のサインもキャッチできる。問題の芽を早めに摘めるのではないか。

避難者の子どもたちに放射能や賠償金のイメージがついて回るのは、大人が持っている差別や偏見の影響があるだろう。今村雅弘復興相が区域外の自主避難者の避難について「自己責任」と発言した。国策が招いた原発事故なのに、被害者に責任を転嫁するような認識を閣僚が率先して示すようでは、偏見や差別を助長させる。

松野博一文科相は避難者いじめの防止策として、子どもらが放射線に対する科学的な知識を身に付けることも呼び掛けた。だが、子どもたちに求める放射能の知識とは何を指すのか。原発事故の影響を矮小(わいしょう)化しようとする思惑があるのなら見逃せない。

横浜の生徒は「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」と手記に書いた。自分と同じように苦しむ子どもたちのために生徒が出した勇気に、大人たちは正面からこたえなくてはならない。
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[産経新聞] 【主張】将来推計人口 激減後の社会に向き合え (2017年04月17日)

総人口は9000万人を割り込み、今の7割にまで縮む。

国立社会保障・人口問題研究所が、極めて厳しい50年後の日本の姿を描き出した。

安倍晋三政権は「1億人程度」の人口を維持することを掲げている。だが、出産可能な女性が減っている以上、出生数の大きな回復は難しい。

政府・与党内には「移民を受け入れれば人口を維持できる」という意見もあるが、問題に正面から向き合う姿勢とはかけ離れている。それは、無理に「1億人」を維持しようとすれば、国柄までが大きく変質しかねないからだ。

出生数減に歯止めをかける努力は、言うまでもなく続けなければならない。しかし、当面は人口が減りゆくことを前提に考える必要がある。

それには、人口が大きく減った後に、どんな社会を目指すかについてのグランドデザインがいる。その際、当座の対策だけでなく、中長期的な視座に立った取り組みも求められる。

これまでの対策といえば、現在の人口規模を前提に発想するものが多かった。それどころか、人口が増えていた時代の大型開発計画を持ち出し、たいした見直しもせずに突き進む例があった。

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とりわけ急がれるのは、社会の支え手がハイペースで減ることへの対応である。平均寿命の延びで高齢者は過去の想定より増える見通しとなった。一方、生産年齢人口(15?64歳)の減り方は総人口が縮むスピードを上回る。

その影響は、社会保障制度や経済だけにとどまらない。税収の落ち込みは行政サービス全体を劣化させる。若者の少ない社会は活力がそがれ、あらゆる場面で人手不足が深刻化するだろう。

個々の事案に付け焼き刃で対処しても効果は薄い。過去の常識を打ち破る発想が大事だ。

コンパクトで効率的な町づくりは不可避である。自民党には定年を65歳に引き上げ、70歳ぐらいまで活躍できるようにする案が出ている。民間の24時間営業や過剰サービスを改め、労働力不足を解決しようという提言もある。

克服すべき課題は多いが、人口減少を乗り越える強固な政策づくりに、政府は本腰を入れてもらいたい。日本より小さくても豊かな国はある。縮みを否定せず、積極姿勢で臨みたい。
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[毎日新聞] ミサイルに固執する北朝鮮 危機を深める挑発やめよ (2017年04月17日)

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北朝鮮がまたミサイル発射を試みた。日本海側の東部・新浦(シンポ)近くで1発を発射し、直後に爆発した。失敗だったとしても、見過ごすことはできない。

米軍の原子力空母「カール・ビンソン」が朝鮮半島近海へ向かっている。韓国では今月末まで米韓合同軍事演習が続く。米軍の動きを念頭に置いた挑発だろう。

危機を演出することで有利な交渉を行おうとするのは、北朝鮮が繰り返してきた戦術だ。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、父の時代よりも開発速度を上げた核兵器とミサイルを武器に米国と対等の立場で外交ゲームをしようと考えているようだ。

しかし、米国のトランプ政権は過去20年間の対北朝鮮政策を失敗と断じた。今までと異なる新たなアプローチが必要だという認識に立って、「全ての選択肢」を検討すると表明している。

トランプ政権は、力の行使をためらわない姿勢をシリアやアフガニスタンへの攻撃で見せつけた。シリア攻撃後に朝鮮半島近海への空母派遣を命じたことで、緊張の度合いは一段と高まった。

そうした状況の中での軍事パレードで、北朝鮮は米本土を狙う新型とみられるミサイルを公開した。実際に発射したことはないので実態は不明だが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が進んでいるというアピールであろう。

北朝鮮はさらに6回目となる核実験の準備を終えた可能性がある。

ティラーソン米国務長官は最近、北朝鮮の体制転換ではなく、非核化が目標だと米メディアに語った。

だが、米朝双方が軍事力を前面に出す状況では、予期せぬ事態に発展する恐れが常に存在する。

中国は北朝鮮産石炭の輸入を2月から年末まで停止したことに加え、自国航空会社による北京?平壌間の定期便運航をきょうから一時停止する。米国の強硬姿勢を意識し、これ以上の緊張激化を避けるため北朝鮮への圧迫を強めたのだろう。

北朝鮮の最優先目標は金正恩体制の存続だが、危機を作り出すことが有効だった時代は終わった。核・ミサイル開発は体制存続という目標とは逆に、むしろ体制を危うい状況に追い込むだけである。
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[毎日新聞] 原発避難児童らへのいじめ 大人の無理解の反映だ (2017年04月17日)

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大人社会の避難者への無理解が、いじめの背景にないだろうか。

文部科学省は、東京電力福島第1原発事故で福島県から県内外に避難した児童・生徒に対するいじめの件数が、3月までに199件あったと発表した。このうち、東日本大震災や原発事故に起因するいじめは13件とした。

昨年11月、福島県から横浜市に避難した当時中学1年の男子生徒が「ばい菌」と呼ばれ、多額の金銭を要求されたいじめが発覚したことをきっかけにした初の全国調査だ。福島県から県内外に避難している小中高校生ら約1万2000人を対象に聞き取りで実施した。

いじめ問題は潜在化しやすい。特に避難家族にも影響を及ぼしかねない「原発いじめ」など、いじめられている子が学校での調査に、正直に答えぬことも容易に想像できる。優しい子ほどそうだろう。

今回も、転入した小学校時代のいじめを、保護者にも教員にも伝えていなかった例があった。調査の数字はほんの一部のケースだろう。文科省も「すべての状況が網羅されているとは限らない」とし、引き続き通報や相談を呼び掛けている。

教員によって、いじめに対する見方には差があるだろうから、見つけ方にも工夫が必要になる。今回はいずれも学校が対応した後に登校などできるようになっているという。子供の様子を注意深く見て、被害を受けている子に寄り添い、いじめた子に適切な指導をすることが大切だ。

調査では「福島へ帰れ」「放射能がうつるから来ないで」などと、心ない言葉のいじめも明らかになった。他者を思う気持ちが欠けた言葉が出てくる背景には何があるのか。

いじめは子供社会の中だけに原因があるのではない。放射線への理解不足や賠償金に対するねたみといった、周囲の大人の避難者への誤解や思いやりのなさが原因と言える。

松野博一文科相は調査結果を受けて、保護者らに「避難者への誤解や放射線に関する理解不足からくる大人の配慮に欠ける言動があるとも考えられる」との見方を示した。

子供は大人をよく見ている。私たち大人の「ざらついた心」が、いじめを誘発することをもっと意識しなければならない。
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[日経新聞] 持続可能なふるさと納税へ (2017年04月17日)

総務省が全国の自治体に対して、ふるさと納税に伴う過度な返礼品を是正するように要請した。寄付額の3割を超すような返礼品を提供している市町村に見直すように強く求めている。

ふるさと納税は寄付をすると2000円を超える部分について一定の上限額まで税金が戻ってくる制度だ。自分の出身地や興味がある地域に寄付し、都市と地方の税収格差を縮めようと2008年度に始まった。

寄付総額は当初、年間で100億円前後にとどまっていたが、13年度以降急増し、15年度は1653億円に増えた。返礼品競争に加えて、手続きを仲介する民間サイトが登場し、利用が増えている。

お礼として特産品などを提供することが悪いわけではないが、現状はネット通販とほぼ変わらない。寄付額の6、7割相当の商品を用意して宣伝したり、提供した商品券がネット上で転売されたり、様々な問題も生じている。

総務省が「良識のある対応」を求めるのは一昨年、昨年に続く3度目になる。今回は不適当な返礼品を細かく列挙するなど内容がより具体的だ。今後は国が自ら、市町村に見直しを求めるという。

今回のこまごました通知にはやや違和感もあるが、ふるさと納税は寄付制度である。過度な返礼品の見直しに消極的だった自治体側が招いた結果といえるのだろう。

返礼品がなくても熊本地震の被災地などには多額のお金が集まっており、ふるさと納税は日本の寄付文化を育てている面もある。制度を持続させるためには、市町村の節度ある対応が不可欠だ。

現行制度には他にもおかしな点がある。自分が暮らす地域に寄付しても同じように税金が戻ってくる。早急に見直す必要がある。

都市と地方の税収格差を縮めるためには、ふるさと納税だけでは力不足な点も指摘したい。地方向けの補助金を減らし、それを財源に地域間の偏在が小さい税源を国から地方に移す改革にも取り組むべきだろう。
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[日経新聞] 対話と圧力を駆使し東アジアの安定を (2017年04月17日)

朝鮮半島情勢が一段と緊迫してきた。北朝鮮は6カ国協議の再開を拒んでおり、対話の呼びかけだけで核・ミサイル開発に待ったをかけるのは難しい。軍事衝突の回避が最優先ではあるが、北朝鮮に影響力を持つ中国を巻き込み、硬軟あらゆる手段を用いて東アジア安定への道を探るべきだ。

北朝鮮は故金日成主席の生誕105年の15日、軍事パレードを催し、朝鮮労働党副委員長が「核戦争には核打撃戦で対応する」と訴えた。16日は弾道ミサイルを発射し、結果は失敗だったものの、対決姿勢をあらわにした。25日は朝鮮人民軍の創設85年を迎える。

一連の行動を通じて核保有国としての存在感を世界に印象付け、米国を交渉の場に引き出す思惑があるとみられる。通算6回目の核実験の実施も取り沙汰される。

他方、米国は空母カール・ビンソンを半島沖に向かわせ、先制攻撃や特殊部隊による金正恩(キム・ジョンウン)委員長の殺害も辞さない構えだ。在韓米軍への核兵器の再配備も視野に入れる。

シリアへの巡航ミサイル攻撃やアフガニスタンでの大規模爆風爆弾(MOAB)の使用は、北朝鮮をけん制する狙いもあるようだ。

緊張が高まると、不測の事態が起きかねない。政府は(1)北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の国内の避難・誘導の手順(2)韓国在留の邦人を救援する段取り――などを再確認すべきである。

朝鮮半島から多くの難民が船で漂着することも考えられる。小さな自治体には対応能力が乏しいところもある。政府があらかじめ手を打っておくべきだ。

トランプ米大統領がオバマ前政権の掲げた「戦略的忍耐」を否定し、対話から圧力に軸足を移したことで、これまで北朝鮮にあまり口出しせずにいた中国の態度にやや変化が見受けられる。習近平国家主席はトランプ氏に「半島の非核化には協力する」と伝えた。こうした変化は評価する。

もちろん、北朝鮮との対話の窓口は閉ざすべきではない。中国をさらに米中協調の方向に動かすには、日米韓の連携の強さをみせつけることが重要だ。日本の外交努力の見せどころである。歴史問題などでこの時期に日韓の溝が深まる愚は犯したくない。

東アジアの安定を回復するため、対話と圧力のバランスを上手に取り、現実的な落としどころを見いだしたい。
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[読売新聞] 米温室ガス対策 大排出国としての責任がある (2017年04月17日)

地球温暖化対策で求められるのは、世界全体の温室効果ガスの排出を減らすという考え方だ。

実効性のある取り組みを実現するためには、国際協調が欠かせない。

この観点から懸念されるのは、トランプ米大統領が、地球温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名したことだ。

発電所が排出する二酸化炭素(CO2)を減らす「クリーンパワープラン」など、オバマ前政権が掲げた政策の見直しを指示した。石炭産業の復興という大統領選での公約に沿った動きだ。

温暖化対策の新たな枠組みであるパリ協定が昨年11月に発効した。米国は、2025年までに05年比で26?28%の排出削減を打ち出していた。政策変更により、対策の後退は避けられまい。

発電方法は、世界的に天然ガスや太陽光、風力など、よりクリーンな方向に向かっている。

米国でも、CO2の排出が比較的少なく、低価格化が進む天然ガスでの発電の比重が高まっている。その結果、既に目標の半分近くの排出削減を達成している。トランプ政権は、現状認識を欠いていると言わざるを得ない。

トランプ氏は、地球温暖化に懐疑的だ。「でっち上げだ」と発言したこともある。

人間活動が温暖化の原因になっているというのが、長年の観測や研究による科学的な結論である。米国は中国に次ぐ排出国で、1人当たりの排出量は世界一だ。排出削減に大きな責任を負っていることを忘れてはならない。

米中が主導して採択されたパリ協定は、全排出国が参加した画期的な枠組みだ。国際社会は、これを維持しつつ、米国に対しても、排出削減の努力を続けるよう働きかける必要がある。

大統領令が及ぼす影響には、不透明な面もある。17州が一部撤回などを求めて提訴した。

各国には、米国の動きに惑わされず、連携して着実に対策を進める姿勢が求められる。

日本では、経済産業省と環境省が50年の低炭素社会実現に向けた計画案をまとめた。

経産省は、排出削減と経済成長を両立させるため、省エネ技術の開発と海外への普及などに力点を置く。環境省は、排出されるCO2への課税などを重視する。地球全体の排出量を削減するためには、原発の活用も大切だ。

先進7か国(G7)の中で、日本の計画策定は遅れている。政府は両省案の一本化を急ぎたい。
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[読売新聞] 将来人口推計 少子化克服へ対策を加速せよ (2017年04月17日)

やや改善傾向が見られるものの、依然として状況は厳しい。急速な人口減と超高齢化に歯止めをかけるために、対策を総動員せねばならない。

日本の総人口は、2015年の1億2709万人から65年に8808万人まで減少する。国立社会保障・人口問題研究所が、新たな将来推計を公表した。

1億人を割り込むのは53年で、5年前の前回推計より5年遅くなった。減少ペースが緩やかになったのは、推計の柱となる出生率の仮定値を引き上げたためだ。近年、30?40歳代の女性の出産が増えていることを反映させた。

無論、楽観できる水準ではない。今回の出生率1・44は、人口維持に必要な2・07にはほど遠く、政府が当面の目標とする1・8との隔たりも大きい。晩婚・晩産化の傾向は続いている。生涯未婚率も上昇していく見込みだ。

この結果、65年には現役世代の人口が今より4割も減る。高齢化率は38・4%まで上昇する。

少子高齢化は、社会・経済の活力を殺(そ)ぎ、社会保障制度の維持を危うくする。そうした将来への不安や悲観が、経済を停滞させ、一層の少子化を招くという悪循環に陥っている。

人口推計は、あくまで予測に過ぎない。未来を変えるのは可能だ。その決意で、少子化克服へ対策を加速させることが大切である。

まずは、仕事と子育てを両立できる環境の整備だ。女性の活躍促進の観点からも欠かせない。

政府は、17年度末までの待機児童解消を目指し、保育の受け皿確保を進めてきた。だが、需要増に追いつかず、達成は困難な情勢にある。6月にまとめる新たな待機児童解消プランで、実態を踏まえた拡充策を示してもらいたい。

長時間労働の是正を中心とした働き方改革も重要だ。男女ともに短時間で効率良く働くことで、仕事以外の生活を充実させられる。女性だけに家事・育児を委ねていては、出生率向上は望めまい。

若年層の経済基盤の安定は喫緊の課題だ。非正規雇用が働く人の4割を占めるまでになり、経済的事情から結婚や子育てをあきらめる若者が目立っている。非正規雇用の処遇改善と正社員への転換支援を一段と進める必要がある。

社会保障改革は待ったなしだ。高齢化に伴い、医療・介護の費用は膨張する。いかに効率化しつつ、質の高いサービスを提供していくかが問われる。高齢者を含めて、経済力に応じた負担を徹底させることも求められる。
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[朝日新聞] 大阪の地下鉄 民の力で利便向上を (2017年04月17日)

1日240万人超が利用している大阪市営地下鉄が来春、民営化される。全国各地にある地下鉄では、特殊法人を04年に民営化した東京メトロに続く。

人口減少時代に入り、大都市でも公共交通の先行きは厳しい。民営化で経営の自由度を高め、乗り切ろうとするのは一つの方向性として理解できる。

大阪の地下鉄は84年の歴史を持つ。民営化には根強い反対論があり、市議会で2回否決された。吉村洋文市長は、新会社の全株式を市が当面保有する条件を示し、可決にこぎつけた。

多くの利用者が「良かった」と実感できてこそ、民営化は初めて「成功」となる。ホームドア整備や南海トラフ地震対策といった安全上の課題も多い。新会社はやみくもな収益増に走らず、利用者目線でのサービス改善を一歩一歩進めてほしい。

地下鉄は建設費が高い。大阪以外の八つの公営地下鉄は数百億?数千億円の累積赤字を抱え、経営改善に苦しんでいる。

横浜市では03年に有識者会議が「民営化が望ましい」と提言したが、市は公営維持を選択した。ほかの都市で今のところ、ただちに民営化を目指す動きはないものの、大阪市の試みは、地下鉄経営のあり方をめぐる議論に一石を投じよう。

大阪市は、新会社の事業多角化に期待を寄せる。公営と違って法的な制約が少なくなるためだ。遊休不動産を活用した賃貸マンション建設や保育所運営などが想定される。東京メトロでは、鉄道以外の事業からの収入の割合が十数%に達している。

ただ、無理は禁物だ。大阪市は90年代に甘い見通しのもとで土地信託に手を染め、多額の損失を出した。本業以外への進出は、新会社の能力と体力を見極め、慎重に進めるべきだ。

新会社は利用者数と営業収益で関西の大手私鉄5社をしのぐ存在になる見込みだ。その潜在力は、関西全体の交通の質を高めるために生かしてほしい。

明治以来、大阪市では「市内の交通は市営が担う」という考え方が強く、他社との協調に消極的だったとされる。郊外と結ぶ他社の電車との相互直通運転は東京圏の地下鉄では10路線あるのに、大阪は3路線だけだ。

関西は急速に高齢化する。人々に外出を促し、まちの活力を保つには、より使いやすい公共交通が不可欠だ。地下鉄はもちろん、新会社の子会社に事業譲渡されることになった市営バスも高齢者には大切な足だ。

私鉄やJRとの連携を深め、「どうすれば便利になるか」の追求をリードしてもらいたい。
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[朝日新聞] たばこ対策 五輪にともる黄信号 (2017年04月17日)

「たばこのない五輪」に黄信号がともっている。受動喫煙対策をめぐる、厚生労働省と自民党たばこ議員連盟の対立だ。

厚労省は先月、健康増進法改正案の概要をまとめた。焦点の飲食店については、食堂や居酒屋を原則禁煙としつつ、小規模なバーなどは例外とした。世界標準と言っていい「屋内全面禁煙」に踏み込まず、喫煙専用室を設ける妥協をした昨秋のたたき台から、さらに後退した。

だが議連はこれにも反発。店が禁煙、分煙、喫煙を選び、外部に表示することだけを義務化する対案を唱えている。

一見、個人の選択を尊重し、ゆだねる案のようにみえる。しかし、喫煙できる店で働く従業員の被害は解消されない。仕事上の付き合いなどから喫煙店での会合を断れないケースも多数想定され、とても「対策」と呼べる代物ではない。

世界保健機関(WHO)は、20年の東京五輪・パラリンピックを機に、飲食店を含む公共の場での屋内全面禁煙を全国レベルで実施するよう、塩崎恭久厚労相に求めている。

このほど来日したダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は記者会見で「換気や喫煙室の設置では効果はない」と強調した。スペインは06年、飲食店に限って喫煙室方式を認める法律を施行した。だがその後の調査で、従業員の受動喫煙を十分に防げないことがわかり、11年に全面禁煙に移行したという。

社説でくり返し指摘しているように、たばこの煙は好き嫌いの話ではない。生命・健康に直結する問題である。

学校や病院、飲食店など公共の場所での規制状況を調べたWHOの分類によると、先月の厚労省案が実現しても、日本は4段階の最低レベル(70カ国)から1ランク上がるだけだ(47カ国)。最近、五輪を開いたカナダ、英国、ロシア、ブラジルを始めとする49カ国は、屋内全面禁煙を法制化している。

安倍首相は施政方針演説で、「五輪・パラリンピックの機をいかし受動喫煙対策の徹底を進める」と述べた。だが先月の参院予算委員会では「私の判断を待たずに(意見が)収斂(しゅうれん)すればいい」と答えるにとどまった。

国民への周知や準備のための期間を考えると、五輪に確実に間に合わせるには、今国会での法改正が望ましい。

開催国としての面目を何とか保つのか、それとも人々の健康に目をつむる「たばこ後進国」のまま、世界から選手や観客を迎えるのか。政府・与党の見識が問われている。
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