2017年04月04日

[産経新聞] 【主張】聖徳太子「復活」 歴史の魅力奪わぬ授業に (2017年04月04日)

小中学校の新学習指導要領が告示された。歴史学習で「聖徳太子」の名称を避けようとする方針に異論が出され、復活させたことを率直に評価したい。

国民に浸透した人物・用語を生かしつつ、先人の国造りなどを興味を持って学ぶ。そうした授業につなげてほしい。

文部科学省が2月に公表した改定案で、小学校で「聖徳太子(厩戸王(うまやどのおう))」とカッコ書きを添え、中学では「厩戸王(聖徳太子)」と表記する方針が示されていた。

近年の歴史学で、厩戸王が一般的で聖徳太子は後の時代の呼称、といった理由だった。しかし、なじみの薄い表記に変えることに対しては、学校現場からも「混乱を招く」と批判が相次いだ。

聖徳太子は、古代日本の内政や外交の基礎や方向づけに大きな役割を果たした。そうした業績のほか、後の時代の太子への信仰などが、現代の社会、文化に根付いている。

聖徳太子の「一度に10人の訴えを聞き分けた」といった伝説的なエピソードにしても、「嘘」というより、歴史への興味をひくものではないか。

おもしろければ、もっと知りたいと学ぶ意欲も生まれる。

江戸時代の鎖国についても、幕府の管理下で交易が一定程度行われていたことから、改定案では「対外政策」と書き換えられた。これも、かえって理解しにくいことから復活した。

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学者の使う専門用語にとらわれ、時代を貫いて流れる国民の物語を教えなければ、授業は無味乾燥なものになる。学ぶ意欲という点について、改定案は忘れていなかったか。

新指導要領に沿って教科書が一新されるのは、小学校で3年後、中学で4年後からだ。内容によって順次先行実施される。これを機に、学校現場で歴史を学ぶ意義を改めて問い直してほしい。

戦後の歴史教育は、日本をことさら悪く描く自虐史観が拭えないでいる。古代の人々の暮らしや考え方を伝える国造りの神話・伝承についても正当に評価されず、十分教えられていない。

年表の暗記や難解な事項の羅列では歴史への理解は深まらない。先人が国のため悪戦苦闘した物語などを通し、歴史を誇れるよう指導してもらいたい。教師の知識と理解の深さも問われよう。
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[産経新聞] 【主張】米中首脳会談 「北の脅威」本格的協議を (2017年04月04日)

トランプ米政権の発足後、最初の米中首脳会談が今週開かれる。

経済、軍事などあらゆる面で影響力を増大させる中国との関係を、米国はどう規定するのか。

それは、これからのアジア太平洋地域と国際社会の行方にも直結する。トランプ氏の手腕が大きく問われる。

初の会談では、東・南シナ海での動きを強める中国に対し、明確にクギを刺すことを求めたい。北朝鮮への対応で、いかに突っ込んだ協議をするか、注目したい。

米国は、これまでの北朝鮮政策が失敗だったと表明している。技術を高める核・ミサイルへの対処に時間はかけられない。

トランプ氏は英紙のインタビューで「中国が解決しようとしない場合は、われわれが対処する」と語った。米国単独での対応も辞さない意味だろう。

すでに、トランプ政権は北朝鮮をテロ支援国家に再指定することを検討中だ。中国企業などへの追加制裁を発動してもいる。

中国は対話路線に固執している。それによる非核化は非現実的なことについて、習近平国家主席とどれだけ認識を共有できるかである。具体的には、中国の金融機関や企業が、北朝鮮を支援する構図を断ち切るよう、習氏に確約を求める必要がある。

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米国は「あらゆる選択肢」があることを強調しており、そこには北朝鮮への防衛的な先制攻撃、体制転換を含む「新しいアプローチ」も含まれる。

中国は北朝鮮に強い影響力を持つと思われながら、挑発行動を抑えきれず、メンツをつぶされている面もある。暴発阻止は自らの利益にもなるだろう。踏み込んだ議論を期待したい。

いうまでもなく、東・南シナ海における中国の力による現状変更の動きに対しては、日米両国が同盟関係を背景に対峙(たいじ)している。

引き続き、米国は中国の野望の前に立ちはだかる意志を明確に示してほしい。

トランプ政権は、貿易不均衡の是正や対米投資拡大などを狙い、中国の為替操作を問題視する。経済問題のウエートは大きいが、東・南シナ海など外交・安全保障と取引することは許されまい。

中国が呼びかける「新型大国関係」という議論の土俵に乗ってはならない。そのこと自体が、地域の平和と安定を損なう。
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[東京新聞] 文科省天下り 法の支配を貫徹させよ (2017年04月04日)

官僚の天下り規制を巡るイタチごっこに、終止符を打たねばならない。逸脱行為には、もはや刑罰を科すべきではないか。天下りによる支配を排し、法の支配を貫徹させる仕組みが欠かせない。

官僚は公僕としての高邁(こうまい)な精神を見失い、私利私欲を満たす道具として公務を利用しているのではないか。違法天下りの実態を調べた文部科学省の最終報告は、そうした強い疑いを抱かせる。

二〇〇八年施行の改正国家公務員法は、現役職員による再就職のあっせんなどを禁じた。ところが、規制の網をかいくぐるために人事課OBを隠れみのにしたり、現職が仲介したりして六十二件の違反を犯していた。

遅くとも一〇年には逸脱行為があったことが確認され、歴代の事務次官を含めて四十三人が処分された。組織ぐるみであっせんシステムを築き、水面下で引き継いでいたとは深刻な事態である。

法律作りのプロ集団である官僚が不正に走った根底には、順法意識の欠如もさることながら国民に対する畏れの喪失をうかがわせる。もとより、それは官僚機構を統制すべき政治の責任といえる。

外務省や旧経済企画庁のOBの口利きまでしていた現実は、天下りの慣行が全省庁共通の既得権益として固守されている証左と見るほかない。他省庁の実態調査を徹底せねばならない。

文科省は許認可や助成といった権限を背景に、教育界に対して影響力を持つ。文教行政の中立性や公正性がゆがめられた事実はなかったか。今度の調査はその肝心な点に切り込んでおらず、かえって国民の不信を増幅させかねない。

官僚とはいえ、職業選択の自由は守られるべきだし、民間の場で公共の福祉のために再び才能を発揮する道があってしかるべきだろう。だからこそ、天下りを一律に禁じるのではなく、法律で再就職の適正手続きを定めたわけだ。

しかし、文科省の組織的な法律破りはその甘さを露呈させた。不正に天下りを送り出した側と天下ったOB、さらには受け入れた側の三者に刑罰を科す仕組みを導入することが効果的だろう。

改正前の国家公務員法では、離職後二年間は密接な関係のある企業への再就職を禁じていた。違反すれば、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処された。参考にしてはどうか。

天下りを介して文教行政が差配されては困る。権力を法律で縛る法の支配原理に立ち返りたい。
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[東京新聞] JR発足30年 切り捨ては改革でない (2017年04月04日)

JR七社の発足から三十年を迎えた。首都圏や大都市の利便は高まった半面、路線減少や駅の無人化が進む地方はむしろ切り捨てに近い。分割民営化の弊害を検証し、新たな改革を目指すべきだ。

無責任・非効率な経営で借金の山を築いた旧国鉄は、再建の切り札として北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州の旅客六社と貨物に分割民営化された。解体時の債務は三十七兆円を超えた。

発足から三十年たった今、成果はどうか。JRグループ全体でみれば、売上高は発足直前の三・二兆円から六・八兆円に倍増。経常損益も一・八兆円の赤字から一・一兆円の黒字へと大幅改善した。民間企業として意識改革がなされ、サービスも向上したといえる。

しかし、黒字化は当然といえば当然だ。もうからない路線は整理し、駅員のいない無人駅を激増させるなど効率化を優先させたからだ。過疎化や地方衰退、大都市への集中を助長した面は否めない。

七社全体では黒字でも、会社別にみると実態はまるで異なる。経常利益のうち東日本、西日本、東海の本州三社で実に九割以上を占める。大規模な需要を見込める大都市圏や東海道新幹線というドル箱のおかげである。

一方の北海道、四国、九州の三島会社は、最初から鉄道事業の赤字が分かっていた。だから持参金(経営安定基金)を分配され、その利子収入で損失を穴埋めする方式がとられた。だが当時7%以上だった金利はバブル崩壊後に大幅低下し、目算は狂った。この決定的な環境変化に対応して国は抜本改革に手をつけるべきだった。

JR北海道は自社単独では現在の路線の半分も維持できない苦境にある。このままでは経営格差を生んだ分割の失敗と、ユニバーサルサービスより利益優先という民営化の負の側面が強いとの評価にならざるを得ない。

公共交通の社会的価値は経済性だけでは測れないことは言をまたない。不採算でも地域にとっては必要な鉄道網はあり得る。当然バスや乗り合いタクシーなどへの転換も選択肢になろう。

JR各社は国鉄債務の整理に血税が使われたことや地域独占が認められている公益性をいま一度かみしめてほしい。各社の利益の一部をプールして赤字穴埋めに充てるなどの対策を検討してほしい。

政府も地方創生を掲げるならJRや自治体任せにせず地域交通の解決に関わるべきではないのか。
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[日経新聞] 米国の政策に振り回されず温暖化対策を (2017年04月04日)

トランプ米大統領は温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名した。排出削減のペースが鈍るのは確実だが、日欧をはじめ各国は米国の政策に振り回されることなく温暖化対策を進めるべきだ。

大統領令は火力発電所からの二酸化炭素(CO2)の排出規制撤廃などを掲げた。温暖化ガス排出量が中国に次いで世界2位の米国の政策転換は、「パリ協定」の発効で勢いづいた排出削減の動きに水を差す。

ただ、規制撤廃には法改正が必要で議会承認などに年単位の時間がかかる。カリフォルニア州など独自に厳しい規制を設けている州もある。また、米政府はシェールガス・オイルの生産を増やす方針で、石炭からの切り替えが進めば温暖化ガスの排出を抑えられる。

このため、大統領令によって温暖化ガス排出量は大きく変わらない公算が大きい。2025年までに05年比で26?28%減らす目標を達成できる可能性も残っている。

米産業界も、温暖化対策を織り込んで長期的な事業計画を立てている例が多い。シェール開発に力を入れる米エクソンモービルは米政府に対し、パリ協定にとどまるべきだとする書簡を送った。

トランプ氏は大統領選中、パリ協定から離脱の意向を示していたが、いまだに「検討中」としているのはこうした現実も背景にあるのだろう。

一方、中国は温暖化対策強化を打ち出している。習近平国家主席は1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「協定を離脱すべきではない」と言明した。

温暖化を巡る今後の国際交渉では米国に代わり、中国が主導権確保に動くことが予想される。米国が外交戦略上、離脱は得策でないと判断する可能性もある。

温暖化は今世紀末にかけて、さらに進むとみられる。パリ協定は産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えるのが目標だ。日米欧や中国などが提出済みの削減目標を合計しても達成にはほど遠く、今後、より厳しい削減を迫られるのは確実だ。

低炭素技術の開発や普及は一朝一夕にはできない。対策が後手に回るほど削減手法の選択肢は狭まり、コストは膨らむ。

パリ協定に参加する各国・地域はトランプ大統領の出方に一喜一憂することなく、数十年単位の長期で何をすべきかを冷静に考え、実行に移していく必要がある。
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[毎日新聞] 沈黙続ける昭恵氏 首相夫人の役割を明確に (2017年04月04日)

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大阪市の学校法人「森友学園」の国有地取得問題に関する国会の真相解明が止まっている。

同学園の籠池泰典前理事長の証人喚問で、他の関係者の国会招致が一段と必要になったにもかかわらず、与党が拒否しているからだ。中でも与党が譲らないのは、安倍晋三首相の妻昭恵氏の証人喚問のようだ。

だが昭恵氏に対する疑問は学園側に100万円寄付したかどうかだけではない。昭恵氏付の政府職員が問題の土地に関して財務省に問い合わせていたことも明らかになった。

これを「職員の個人的な照会」という政府の説明には無理がある。やはり「首相夫人の行動」の解明抜きには前に進まない。

昭恵氏の立場について政府は「首相夫人は公務員の発令を要さず、公人ではない。首相の公務を私人として補助している」と説明している。

しかし昭恵氏の活動は歴代の首相夫人と比べて大きく広がっている。各地での講演やイベント参加のほか、諸団体が昭恵氏にさまざまな形で協力を求める例も多いという。

昭恵氏に5人もの政府職員がサポート役として指定されているのは、活動の拡大に対応するためだろう。ところが、その活動に公私の区別がきちんとついているとは言い難い。

昭恵氏が気安く応じてくれるという面もあるようだ。ただし要請する側が最も期待するのは首相夫人としての影響力の大きさではないか。

特に力が大きいのは官僚に対してだろう。各府省の幹部人事は今、首相官邸が内閣人事局を通じて決める仕組みになっている。安倍政権はこれを最大限利用し、各府省ににらみを利かせていると言っていい。

人事を握られた官僚が、従来以上に首相の考えに従わざるを得なくなっているのは確かだ。そんな中、官僚が「昭恵氏の意向は首相の意向」と見なして配慮するのは当然かもしれない。「森友問題」は、この「安倍1強」状況の中で起きたことを忘れてはならない。

昭恵氏が自らの力の大きさを自覚しているようには見えない。フェイスブックにコメントを載せただけで沈黙を続ける昭恵氏だが、重ねて国会や記者会見での説明を求める。

同時に政府はこの際、首相夫人の役割をもっと明確にすべきだろう。
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[毎日新聞] 駐韓大使3カ月ぶり帰任 選挙を控え妥当な判断だ (2017年04月04日)

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政府は長嶺安政駐韓大使の帰任を決めた。慰安婦を象徴する少女像が韓国・釜山の日本総領事館前に建てられたことを受けて1月に帰国させていたが、きょうソウルに戻す。

外国公館前への新たな少女像設置は、慰安婦問題を巡る一昨年の日韓合意の精神に反している。外交的な強い不快感を表明するために大使を一時帰国させた判断は理解できるものだった。

釜山の少女像移転のめどは現在も立っていない。だが、帰国期間が長期化することによって外交的なデメリットが大きくなっていた。

韓国では来月9日に大統領選が行われる。大使不在では次期政権との人脈作りも進まない。

大統領選は、世論調査の支持率1位である最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表と、急速に支持を伸ばしている第2野党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)前共同代表による事実上の一騎打ちとなる可能性が高い。

2人とも日本との接点をほとんど持たず、慰安婦問題を巡る日韓合意を批判している。ただ、繰り上げ選挙で日程の余裕がないこともあって公約発表はこれからだ。

次期政権の政策作りに携わるブレーンたちに日本の考えを丁寧に説明する必要がある。肩書をとりわけ重視する韓国社会においては、その際に大使の存在が大きな意味を持つ。

安全保障上の観点からも、いざという時に韓国政府との窓口となる駐韓大使の不在は望ましくない。

北朝鮮は、今週後半の米中首脳会談に合わせて核実験などの挑発行為をする恐れがある。日韓関係の悪化は、北朝鮮につけ入るすきを与えるだけだ。

韓国政府も何もしていないわけではない。2月には釜山の自治体に少女像移転を要請し、合意を守る考えを明確に示した。

以上のことを踏まえれば、やや遅きに失したとはいえ、ここで大使を帰任させる判断は妥当であろう。

慰安婦問題を巡る日韓合意の重要性は変わらない。

大使帰任を発表した岸田文雄外相が強調したように国際社会との約束であり、日韓両国は合意を守る責任を共有している。誠実な合意履行のために、日韓は協力していかなければならない。
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[日経新聞] 景気好循環へ企業は縮むな (2017年04月04日)

足元の業況は悪くないが、先行き不安はなお消えない。日銀が3日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業のこのような景況感が明らかになった。米トランプ政権の政策や為替相場など不安材料を数えればきりはないが、企業が縮こまりすぎると景気の好循環はおぼつかない。

企業の足元の景況感を示す業況判断指数は、大企業・製造業で2四半期連続で改善、非製造業や中堅、中小企業でも好転している。米欧など海外経済の回復、前年に比べればなお円安水準の為替相場、東京五輪をにらんだ建設需要などから、多くの企業は足元の景気は底堅いとみている。ところが3カ月後の先行きを示す業況判断指数は、製造業、非製造業とも軒並み悪化を見込んでいる。

最大の不安は、保護主義的な政策に傾くトランプ米政権の政策やそれに伴う為替相場の変動など海外要因だ。政府は今月に予定している日米経済対話などを通じて、米国に世界経済や市場に動揺をもたらしかねない極端な政策をとらないようクギをさすべきだ。

企業の不安材料のもう1つは深刻な人手不足だ。雇用人員判断指数は、全規模・全産業でバブル崩壊直後の1992年以来25年ぶりの人員不足の水準だ。特に宿泊・飲食サービスなど中小企業では、人手不足が経営上の難題となっている。

人手不足に対応した雇用市場改革や、規制緩和など構造改革を通じた政府の成長戦略も、こうした企業の不安をとりのぞくには欠かせない。

ただ、民間企業も先行きを過度に心配して身を縮めるときではない。雇用が回復して、賃金が上がり、消費が増えて、さらに企業収益が拡大するという好循環をもたらすには民間企業のがんばりが欠かせない。

先行き不安に駆られて設備投資や人材確保のための賃上げを抑えると、かえって不安が現実になってしまう恐れもある。政策も大事だが、企業も踏ん張りどころだ。
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[朝日新聞] 森友学園問題 大阪府も解明に全力を (2017年04月04日)

学校法人・森友学園の問題では、小学校の設置認可をめぐる様々な疑問も未解明のままだ。

学園側の申請に対し、大阪府私学審議会には多くの異論があったのに、なぜ「認可適当」と答申したのか。学校用地に関する財務省と府の言い分も大きく食い違う。政府をチェックする国会はもちろん、認可に責任をもつ府も徹底調査すべきだ。

学園が府に認可を申請したのは14年10月。同年12月の府私学審では、「永続的に小学校を運営できるか疑問」「思想教育のような部分がある」などの指摘が噴出した。だが翌年1月に臨時に開かれた審議会は、「進捗(しんちょく)状況を報告させる」という条件つきで、認可適当とした。

府私学審の梶田叡一会長は先月の府議会で「学園が用地を取得する前に、認可の審議に入ったのは極めて異例だった」としたうえで、府が認可の見通しを出せば、国(近畿財務局)の審議会で森友側に国有地が渡る「確約があった」と語った。

疑義に目をつむって、府と財務局が認可の流れを作ったように受け取れる。公平な審査がなされたのか、大いに疑問だ。

松井一郎知事も会見で、「国から『認可の見込みと発表してくれ』と言われた」と、国側の要請があったことを認めた。しかし財務省は否定する。両者で責任を押しつけあっていては、らちが明かない。双方が公の場で詳細を語るしかない。

府議会では、この問題のための百条委員会の設置案が否決された。自民の提案に、大阪維新の会と公明が反対した。維新の会代表の松井知事は賛意を示していたのに、理解に苦しむ。

反対理由は「まず参考人招致をするのが筋」だった。ならば速やかに財務省や大阪航空局の担当者を招き、府議会として事実関係をただすべきだ。

理事長を退いた籠池(かごいけ)泰典氏は国会の証人喚問で、協力を求めた複数の議員名をあげた。中には自民や維新の元府議もいる。真相にどこまで迫れるか、府議会の本気度が問われる。

知事は、安倍昭恵氏が小学校の名誉校長だったことに触れ、「役所組織みんなでおもんぱかったのだろう」と語った。

公正であるべき行政手続きを逸脱しなかったか、検証する必要がある。昭恵氏が名誉校長に就任したのは15年9月。14年12月にも、学園が運営する幼稚園で講演している。まさに府が認可を審査していた時期だ。

府は補助金不正受給の疑いで幼稚園を調査したが、それ以外にも明らかにすべき点は多い。幕引きモードは許されない。
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[読売新聞] 姫路・こども園 監督体制に無精はなかったか (2017年04月04日)

行政がお墨付きを与えた保育施設で、信じ難い劣悪な運営が、まかり通っていた。

兵庫県が、姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」に対する認定を取り消した。

2015年度に始まった子ども・子育て支援新制度で、認定こども園は、保育サービス拡充の柱と位置付けられる。認定取り消しに至ったのは、今回が初めてだ。

市に無断で保護者と私的に契約を結び、定員の1・5倍の園児を受け入れていた。保育士の数を水増しして、県に虚偽報告した。国や県などから給付費を不正に受給していた疑いがある。

悪質な実態を考えれば、認定の剥奪(はくだつ)は、当然である。

特に問題なのは、子供の健康や安全を蔑(ないがし)ろにして、収益を優先させた女性園長の運営姿勢だ。

約70人の園児に対して、35?45人分の給食しか発注しなかった。おかずがスプーン1杯程度の幼児もいた。問題発覚後、母親の一人は「子供の体重が増えないので、おかしいと思った」と憤った。

子供を預けなければ、仕事を続けられない保護者は多い。不満があっても、子供を退園させられない保護者の弱みにつけ込んだ不正だと言えよう。

園は、無届けでベビーシッター業や学童保育も運営し、保育士に兼務させていた。欠勤や遅刻をした保育士に罰金や無給労働を強いたとして、労働基準法違反の疑いも浮上している。

認定こども園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ。0歳から就学前までの子供を親の就労状況にかかわらず預かるのが特徴だ。

17年度末までに「待機児童ゼロ」を掲げる政府と自治体は、既存の保育所や幼稚園からの移行を積極的に後押ししてきた。

認可外保育施設だった「わんずまざー保育園」も、15年3月に認定されたが、移行当初から定員の超過が常態化していたという。

昨年1月には、市に「無断で子供を預かっている」との情報提供があった。市が園長に事情を聞いたものの、不正を見抜けなかった失態は、見過ごせない。

施設の増設を急ぐあまり、適格性の判断や、監督・指導体制に怠りはなかったのか。

他の自治体も、チェック体制を再点検してもらいたい。

行政が不正の端緒を早期につかむことができる工夫も必要だ。保護者へのアンケートの実施や、問題点を訴え出る保護者や保育士向けの窓口の設置は有効だろう。
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[読売新聞] 日銀短観改善 人手不足リスクに注意したい (2017年04月04日)

企業の多くは景気回復を実感する一方で、先行きの不安を払拭できないでいるようだ。

リスクに対処しつつ成長力をどう強化するか。企業経営者の手腕が問われる。

日銀の3月の企業短期経済観測調査(短観)は、景況感を示す業況判断指数が、大企業・製造業で前期比2ポイント高い12となり、2四半期連続で改善した。

大企業・非製造業は前期比2ポイント高い20で、6四半期ぶりの改善だった。中小企業も製造業、非製造業ともに指数が上昇した。

昨年からの円安・株高などを背景に、輸出関連業種を中心に指数が上向いた。非製造業も、宿泊・飲食や個人向けサービス業などで改善が目立った。景気回復の裾野が広がってきたのは心強い。

一方で、企業は依然として先行きを慎重に見ているようだ。3か月先を予想する指数は、大企業も中小企業も悪化を見込む。

トランプ米政権が「オバマケア」見直しでつまずき、大規模な減税やインフラ投資の実現性に疑問符がついた。仏大統領選など欧州政治にも波乱要素がある。こうした点への警戒感があるのだろう。

設備投資も勢いがつかない。大企業の2016年度の設備投資計画は前年度比1・4%増と、前回の5・5%増から減速した。

企業が守りの姿勢を続ければ、縮小再生産に陥り、日本経済はいつまでも浮上しまい。新たな需要創出に知恵を絞り、挑戦を続けることで活路を開きたい。

人手不足感の高まりも気がかりだ。雇用判断指数は労働力の「不足」を訴える企業が「過剰」とする企業を大きく上回り、バブル末期なみの水準を記録した。

失業率は2%台に低下し、ほぼ完全雇用状態にある。宅配や建設などの業種では、必要な人材を確保できず、業務の縮小などを迫られるケースが出ている。

労働人口が減る中、人手不足は企業の成長を阻むリスク要因だ。十分な注意を要する。

企業は賃上げなどの処遇改善を継続するとともに、省力化投資などで生産性を高める必要がある。能力向上のための職業訓練を、官民で充実させることも大事だ。

トランプ氏の唱える保護主義が世界に蔓延(まんえん)すれば、日本の輸出産業などが受ける痛手は計り知れない。トランプリスクの軽減へ、政府は力を尽くさねばならない。

再来週に予定される日米経済対話などの機会に、米側に自由貿易の重要性を丁寧に説き、企業の不安払拭に努めるべきだ。
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[朝日新聞] 駐韓大使帰任 日韓関係の再生を急げ (2017年04月04日)

日本政府を代表する駐韓大使と釜山総領事が、韓国での任地に戻ることになった。岸田文雄外相がきのう、発表した。

3カ月近くも大使らが隣国にいないという異常事態がやっと解消される。遅きに失したとはいえ、当然の措置である。

韓国はいま、前大統領の朴槿恵(パククネ)氏が弾劾(だんがい)されて座を追われ、次期大統領選が1カ月余り後に迫っている。日韓関係の立て直しを急がねばならない。

大使らの「一時帰国」は、釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する少女像が立ったことへの対抗措置とされた。

この間、韓国政界では大統領選へ向けた様々な動きが活発化した。きのうは最大野党「共に民主党」の公認候補に、文在寅(ムンジェイン)・前代表が決まった。

ところが外務省関係者によると、日本は大使が不在のため、有力候補の陣営幹部との人脈づくりなどが遅れた。

これまで韓国では選挙の後、約2カ月間の政権引き継ぎ期間があったが、今回は違う。現職大統領がいないため、当選者による新政権が即時発足する。

それだけに、選挙の途中過程からしっかり情報を集め、来月からの新政権との対話に備える必要がある。出遅れを取り戻すよう努めねばならない。

日韓間には懸案が多くあり、とくに歴史認識問題をめぐってはナショナリズムが高揚しがちだ。その壁を越えて健全な互恵関係を築くには、冷静に現実を見すえる外交が欠かせない。

その意味で大使らの「一時帰国」は短慮だったと言わざるをえない。像の移転問題の進展を求めてきたが、結果として事態に何の変化もないまま、矛を収めることになった。

帰任する大使らには、2年前の日韓の慰安婦合意の意義を粘り強く韓国に説き、少女像問題の進展につなげてほしい。

一方、韓国の次期大統領候補者たちも、両国関係を改善させる大局的な意義を、国民にきちんと説くべきである。選挙での人気獲得を狙って対日批判に走るなら、責任ある指導者とはいえない。

北朝鮮は再び、核実験の兆候ともとれる動きをみせている。トランプ米政権は、北朝鮮への軍事攻撃を排除しない新政策を検討しているとされる。今週開かれる米中首脳会談でも、北朝鮮政策は主要議題となる。

東アジアの情勢が混沌(こんとん)とするなか、歴史問題に拘泥して外交の選択肢を狭める余裕はない。安倍政権は、韓国の政権移行の時機を逸することなく、日韓関係を再建すべきである。
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