2017年04月30日

[東京新聞] 週のはじめに考える 杉山さんが生きている (2017年04月30日)

「空襲被害者」援護の法制化に向け、法案の素案が決まるなど政治の動きが急です。見えない力でその背中を押しているのは…。やはりあなたですか。

名古屋市東部、住宅地の真ん中に広がる千種(ちくさ)公園(約六ヘクタール)の辺りはかつて、旧名古屋陸軍造兵廠(しょう)の工場跡地でした。先の大戦中、軍需産業の一大拠点だった名古屋市は、米軍のひときわ激しい空襲を受けて街は壊滅、約八千人が死亡、一万人超が負傷しました。


◆名古屋から始まった
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公園の片隅には、空襲の爆撃によって、拳大の穴が幾つも開いた造兵廠外塀の一部が古びたまま移設されています。同じ一角で、輝きを放っていたのは真新しい白板の石碑(高さ約二メートル)でした。

二〇一四年、名古屋市が建てた「民間戦災傷害者の碑」です。

碑文の一節にはこうあります。

<(空襲で)死傷した民間人も国が援護すべきという運動は、昭和四十七年、全国戦災傷害者連絡会(全傷連)により、ここ名古屋から始まった。一方、名古屋市は平成二十二年に「民間戦災傷害者援護見舞金」制度を設け、独自の援護を開始した。>

二年半前の除幕式には、あの杉山千佐子さんの姿もありました。名古屋空襲で左目を失うなどの障害が残る身で、長く全傷連会長として運動を率いた人です。昨年九月、百一歳で亡くなりました。

同じ戦災でも「国との雇用関係があった」旧軍人や軍属、その遺族には恩給や年金が支給されるのに、空襲などでの民間戦傷者に国の補償がないのはおかしい−。杉山さんたちの国に援護法制定を求める運動は、司法や政治の冷徹な壁に幾度となく阻まれ、長く膠着(こうちゃく)してきました。杉山さんはそれでも、全国の集会を車いすで巡っては声をあげ続け、最後まで反戦の執念に貫かれた生涯でした。


◆国に先駆け公に認定
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その死去からまだ半年余の短い間に、三十年近く途絶えていた政治の動きが、にわかに勢いづきました。援護法を目指す超党派の国会議員連盟(空襲議連)が、法案の今国会提出へ準備を加速させていることです。先週の議連総会では法案の素案も決定しました。

この急展開。まるで杉山さんが現世に残した執念の力に、突き動かされているようでもあります。何より杉山さんの百歳を超えての死去が、被害者の高齢化を受けて「急がねば」と議員たちの危機感に火を付けました。

そして、これも杉山さんとの因縁か。議連が法案作りの手本にと着目したのが名古屋市の制度だったということです。公園の碑文にもあった援護見舞金です。

全傷連の地元でこそ芽生えたこの制度の眼目は、援護すべき「民間戦災傷害者」の存在を国に先駆け、公に認定したことでしょう。見舞金は年二万六千円でも、杉山さんは「金額の問題ではなく、認められたことが本当にうれしい」と感極まった様子でした。

でも、それはまだ入り口でしかなかったはずです。杉山さんたちにとっての出口、つまり最終的に認定を引き出すべき相手は、あくまで戦争を引き起こした張本人の「国」だったからです。

こんな一幕がありました。

二〇一〇年の秋、杉山さんが見舞金の受給資格の認定書を市長から受けた時のやりとりです。

国会議員時代から全傷連の運動に共感し、活動してきた河村たかし市長が「本当は総理になって全国でやれるとよかったのだけど」と話すと、九十五歳の杉山さんは「最近は(右)目がほとんど見えなくなり転んでばかりいますが、援護法の制定に向け、あと五年は頑張りたい」と。やはり国を動かすまでは死にきれない。その一念だったのでしょう。

この二月、空襲議連は名古屋市の担当者を招き、見舞金制度について説明を聞きました。それらを踏まえて結局、議連が今回決めた素案の骨格も、見舞金と同様、援護の対象を「障害などが残る人」に絞り込む“名古屋方式”で決着したのです。杉山さんたちが切り開いた見舞金の入り口から、国の援護法という出口へ。長いトンネルの先にやっと貫通の明かりが見えてきたということでしょう。


◆勢いが今あるうちに
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あとは各党内の調整を経て法案提出への流れですが、ここで国会運営などの駆け引きに紛れ、法案の扱いが後回しにされるようなことは、もはや許されません。あまり時間がない高齢の被害者たちにとって、今回の動きは悲願達成への「最後の機会」です。

杉山さんたちに後押しされた勢いが今あるうちに、今国会で成立させなければ、政治が超党派で取り組んだ意味さえなくなります。杉山さんの反戦にかけた生涯を、歴史に生かすためにも、そうしなければならないのです。
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[産経新聞] 【主張】アスリートの発掘 能力伸ばし世界へ飛躍を (2017年04月30日)

2020年東京五輪・パラリンピックやそれ以降を見据え、将来性の豊かなアスリートを発掘する取り組みが全国規模で始まる。

日本体育協会が窓口となる「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」は、身体能力のすぐれた13?18歳の若者に五輪・パラリンピックの扉を開く新たな試みだ。

自分の中に秘められた可能性を伸ばし、世界へ飛躍するチャンスでもある。多くの若者に挑戦してほしい。

中学、高校の競技人口は、野球とサッカーだけで計約82万人に上る。身体能力が高くても、補欠として埋もれる選手は多い。同プロジェクトの狙いは、瞬発系や持久系など自分の特性にあった競技に引き合わせる「マッチング」を通じ、若者の多様な才能を伸ばすことにある。

対象は、7人制ラグビー女子やソフトボールなど五輪7競技、ボッチャなどパラリンピック5競技で、これらは短期間の鍛錬で成果が望める。新たな競技に出合い、可能性に気づき、世界が開ける。その経験を通して若者が磨かれる機会になればいい。

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体協は6月から参加者を募り、各地での測定会を経て、各競技で3?5人程度に絞り込む。競技ごとに「拠点県」を設け、月1回程度行う合宿では、専門の指導者によるトレーニングを積んでもらう。日本オリンピック委員会などと連携し、能力の秀でた選手には、ナショナルレベルの強化選手への道も開かれる。

スポーツの魅力と可能性が、今ほど問われているときはない。笹川スポーツ財団の平成27年度調査によると、週5回以上の運動・スポーツ実施率は10代が52・8%にとどまる。全く行わなかったのは13・2%だった。スマートフォンなど情報通信機器の普及により、若者の「スポーツ離れ」が世界各地で進んでいるといわれる。

若者の関心を高めるには、金銭面を含め、生涯にわたって生活設計ができるような仕組みをスポーツ界が提示することだ。競技人口が増えれば、草の根レベルの指導者も増え、スポーツ市場の活性化が期待できる。

今の中学、高校世代がスポーツを通じて世界に飛躍する。その姿に子供たちが胸を躍らせ、次代を担う才能が芽吹く。そのような好循環が実現すれば理想的だ。
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[産経新聞] 【主張】北のミサイル 中露はなお擁護するのか (2017年04月30日)

北朝鮮の挑発が止まらない。国連安全保障理事会閣僚級会合で、核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮への対処が協議された直後に、またも弾道ミサイルを発射した。

ミサイルは発射の数分後に爆発し、北朝鮮領内に落下したとみられる。そのタイミングから、これは安保理会合開催への反発なのだろう。国際社会の懸念の声に威嚇で応じたもので、あまりに愚かな行為である。

トランプ米政権は外交、経済、軍事の全方面で、対北圧力を強めており、安保理会合はティラーソン国務長官が主宰した。多国間外交による解決努力の手順を踏んだものといえる。

同長官は、軍事力行使を含む「全ての選択肢」を検討するという米国の従来の立場を説明するとともに対北制裁の強化を求め、制裁では「貿易の9割を占める中国」の役割が重要と指摘した。

岸田文雄外相も中国の王毅外相との会談で、「さらなる役割」を果たすよう求めた。

だが王毅氏は「問題を解決するカギは中国側にはない」と反発し、対話再開の重要性を強調した。ロシア代表もこれに同調し、日米との違いが鮮明になった。

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北朝鮮のミサイル発射が数時間早ければ、中露はそれでも金正恩政権を擁護できたろうか。北朝鮮が中露の発言を待ってミサイルを撃ったなら、狡猾(こうかつ)である。

トランプ大統領はミサイル発射を受け、「中国と(習近平)国家主席の願いを軽視するものだ」と非難した。これは、中国へ向けた強いメッセージでもある。

弾道ミサイルの発射は安保理決議違反である。閣僚級会合終了を狙いすました暴挙に対し、安保理はただちに、新たな制裁決議への協議を開始すべきだ。

北朝鮮は今月、故金日成主席生誕105年の軍事パレードに弾道ミサイル各種を登場させた。ミサイル発射は5日、16日に続き3度目となる。いずれも失敗したとされるが、技術を向上させているともみなければならない。

ティラーソン長官は「ソウル、東京への核攻撃は現実の脅威」と指摘し、近い将来、米国本土への攻撃能力を持つとの危機感を示した。事態は切迫している。6回目の核実験を含む、さらなる挑発の阻止へ国際社会はあらゆる手段を尽くすべきであり、中露はその責任を果たさなくてはならない。
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[毎日新聞] ミサイル発射やめぬ北朝鮮 圧力無視の姿勢を危ぶむ (2017年04月30日)

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北朝鮮がまたもや弾道ミサイルを発射した。朝鮮半島情勢の緊張を一段と高める行為であり、決して容認できない。

ミサイルは発射から数分後に空中爆発した。北朝鮮による発射は今月3回目で、すべて失敗したとみられる。それでも警戒を怠れないのは、失敗を繰り返してでも新型ミサイル開発を急ごうとしているからだ。

米国のトランプ政権が北朝鮮の核開発を「外交政策の最優先課題」と表明し、圧力をさらに強めようとしている最中の挑発である。

発射の数時間前には、北朝鮮情勢に関する国連安全保障理事会の閣僚級会合が開かれていた。

ティラーソン米国務長官は会合でソウルや東京への核攻撃が「現実の脅威」になっていると警告した。米本土への攻撃能力を持つようになるのも「時間の問題だ」と述べた。

米国がこれまでになく強硬な姿勢を見せる背景には、米本土への危機が迫っているという認識がある。

トランプ政権が上下両院議員を集めて示した新たな対北朝鮮政策は、軍事・外交両面での圧迫を可能な限り強めることで北朝鮮を対話の場に引き出そうとするものだ。

米空母を朝鮮半島周辺に派遣し、日韓それぞれと合同訓練をさせるのも強い圧迫の手段である。

平壌ではガソリン価格が高騰を始めた。中国からの原油供給が停止された場合に備え、北朝鮮当局が備蓄を増やし、市中に回す量を制限したからではないかとみられている。

中国は従来よりも前向きな姿勢を見せるようになってきたが、それでも安保理会合では依然として日米韓と中露の間に温度差があった。日本は米国とともに、両国への働きかけをさらに強めていくべきだ。

きのうのミサイル発射の報道を受けて、地下鉄を運行する東京メトロなど一部の鉄道は列車を一時停止させた。一方で、政府の全国瞬時警報システム(Jアラート)を判断基準としている他の鉄道会社は通常通りの運転を続けた。

今回は休日の早朝だったが、平日の通勤時だったら大きな影響が出たはずだ。いざという時の備えは必要だが、過剰な反応は混乱を招く可能性がある。公共交通機関は慎重に対応策を練ってほしい。
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[日経新聞] トランプ政権は現実路線を歩め (2017年04月30日)

トランプ米大統領が就任100日を迎えた。序盤のつまずきから立ち直ろうと、外交・安保や経済などの分野で現実路線へと軌道修正する兆しが見え始めている。とはいえ、国際社会の不安を解消するには至っていない。まず外は同盟国、内は議会やメディアとの摩擦を和らげ、政権の安定度を高めることが肝要だ。

米メディアには政権発足100日まではお手並み拝見にとどめ、厳しく批判しないという慣習があった。トランプ氏がメディアを敵視した結果、今回は出だしから非難合戦を展開中だ。

議会との関係の改善を

ギャラップ世論調査によると、トランプ政権の支持率は40%前後で推移している。在任中の平均支持率が45%台だったトルーマン、カーター両氏を下回り、第2次世界大戦後では最も不人気な大統領になっている。

政権に勢いがつかないのは、与党をまとめられないからだ。上下両院とも共和党が多数を占めているのに、医療保険制度改革法(オバマケア)の見直し法案の成立に必要な票数を確保できず、廃案に追い込まれた。

ライアン下院議長ら共和党の主流派は現制度の部分的な手直しなど現実的改革を志向する。他方、フリーダム・コーカスと呼ばれる極端に「小さな政府」を志向する議員グループは「オバマケアは全廃すべきだ」との立場である。トランプ氏はうまく仲立ちできず、結果としてオバマケアが存続することになった。

この構図が続く限り、政権100日に先立って発表した法人税率の劇的な引き下げを柱とする税制の抜本改革案が実現するかどうかも見通せない。1兆ドル規模とぶち上げたインフラ投資が宙に浮くことも十分あり得る。

大風呂敷を広げ、過剰に期待感をあおる過去のビジネス手法で政権を運営されては困る。

ホワイトハウス内では政治経験が乏しい側近たちが激しい権力闘争を展開し、政権の方向性がふらついている。選挙戦で陣営を仕切ったバノン首席戦略官、娘婿のクシュナー氏、共和党主流派が送り込んだプリーバス首席大統領補佐官、軍出身のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)らがぶつかり合う。

主な省庁の高官ポストがなかなか埋まらないのは、こうしたホワイトハウス内のごたごたが影響しているようだ。閣僚を支える人材が乏しいことで、よいアイデアが出てこず、支持率がますます低下して側近の責任の押し付け合いが激しくなるという悪循環を指摘する向きもある。

政権の軸足がどこにあるのかがわからない典型例は対シリア政策だ。ロシアが支持するアサド政権を温存し、まずは過激派組織「イスラム国」(IS)を倒すはずだったのが、逆にアサド政権を攻撃し、世界を驚かせた。

国際紛争への不介入方針を撤回し、「世界の警察官」の座に返り咲いたことで、北朝鮮の暴走を抑止する反射効果が生まれたことは認める。とはいえ、あまりに極端な政策転換は、理由をもっと丁寧に説明しなければ、新たな国際秩序づくりにつながらない。

政権の不人気に歯止めをかけるために、外交・安保でサプライズを起こし、米国民の視線を外にそらそうとしているのだとすれば、それこそ問題である。

市場への介入は問題だ

経済政策の揺らぎも何とかしなければならない。公約の柱であった(1)北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱(2)中国を為替操作国に認定――などにすぐ踏み切らなかったのは評価できる。

しかし、高関税などの脅しをちらつかせながら、2国間で貿易赤字を減らそうとする「アメリカ・ファースト」の姿勢は変わっていない。世界貿易機関(WTO)のような国際機関を軽視し、米国の都合次第で従わないこともあるという態度は容認できない。

過去のビジネスにおいて、マーケットは操る対象だったのかもしれない。国家を動かす立場になったからには「ドルは高すぎる」「低金利政策が好きだ」と安易に口先介入すべきではない。

トランプ政権が現実路線を加速することを期待するが、そうなるかはまだ読めない。ワシントン・ポストの世論調査によると、トランプ氏に投票した人の96%がなおトランプ氏支持だった。白人の低・中所得層をにらんだ政策選択は続くと見た方がよい。

日本としては広くアンテナを張り、さまざまな保険をかけつつ、つきあうしかあるまい。
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[毎日新聞] 国連事務次長に中満泉さん 核軍縮の推進に期待する (2017年04月30日)

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国連本部の軍縮担当上級代表に、日本人国連職員の中満泉(なかみついずみ)さんが、あす就任する。

国連の事務総長、副事務総長に次ぐ事務次長ポストだ。国連生え抜きの日本人職員では、1980?90年代に事務次長を務めた明石康さん以来の高位で、女性は初めてだ。

米国の大学院を修了後、89年に国連に入り、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトルコや旧ユーゴスラビアの事務所で難民支援に取り組んだ。

現場で成果を積み重ねてきたことが、国連内部での評価と信頼につながったのだろう。

核兵器などの大量破壊兵器から、銃などの小型武器まで、取り組む課題は多岐にわたる。責任は重い。

今年注目されるのは、核兵器禁止条約の制定に向けた交渉だ。

核保有国や日本など米国の「核の傘」に依存する同盟国が交渉参加を拒否し、オーストリアなど交渉を主導する非核保有国と対立している。

その溝を埋め、核軍縮の進展につなげられるか。国連での長いキャリアを生かし、調整役として貢献できることがあるはずだ。

軍縮の専門家ではないが、グテレス事務総長から「組織を揺さぶってほしい」と要請されたという。

国連と関連機関で働く日本人職員は約800人で、国別では世界で7番目(2014年時点)。近年増えてはいるが、分担金で米国に次ぐ2番目の日本には、さらに多くの人的貢献が求められている。

日本の特徴は、他国と比べて女性職員の割合が高いことだ。男女格差が残る国内の職場と比べ、女性を公平に評価する国際機関での仕事が、より魅力的だからとも言われる。

一昨年、日本で講演した際、国際機関の仕事を「家庭かキャリアかの選択を迫られないワーク・ライフ・バランスの取れた職場」と紹介し、若い日本人の挑戦を呼びかけた。

中満さんにはスウェーデン人外交官の夫と娘2人がおり、家庭と仕事を両立させている。

積極的に若い人たちの相談に乗ることも大切にしているという。中満さんの事務次長就任が、これから国際機関を目指そうと考える日本の若者たちを勇気づけ、励みになることにも期待したい。
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[読売新聞] 藤井四段快進撃 将棋界の隆盛につなげたい (2017年04月30日)

弱冠14歳の天才棋士の快進撃には、無限の可能性を感じる。

中学生棋士の藤井聡太四段が、昨年10月のプロ入り以来、公式戦で14連勝を続けている。従来の記録だった10連勝を軽々と突破し、「実力は既にトップ棋士級」との評も聞こえる。

5歳で祖母から手ほどきを受けたのが将棋との出会いだった。将棋教室に通い、小学4年の時、プロ養成機関の奨励会に入った。

14歳2か月で四段に昇格し、プロ入りした。「神武以来の天才」と称された加藤一二三九段の最年少記録を62年ぶりに更新した。

加藤九段、谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王――。過去の中学生棋士には、後に超一流となったそうそうたる名が並ぶ。

将棋界は、スター棋士が登場する度に人気が盛り上がった。将棋人口が近年、約1000万人で横ばいとなっている中、「希望の星」として、藤井四段に大きな期待が集まるのは無理もない。

詰将棋日本一を決める大会で3連覇中であることが、終盤の強さを物語る。序盤、中盤の指し手にも鋭さが増している。非公式戦では、羽生三冠をも下した。

攻守にバランスの取れた棋風をさらに磨いてもらいたい。

若き棋士の苦悩と成長を描く漫画「3月のライオン」や、早世した棋士が主人公のノンフィクション「聖の青春」が最近、相次いで映画化された。全霊を込めて一手一手を指す人間ドラマが、感動を呼んでいるのだろう。

対局のネット中継も、人気を集める。外国人初の女流プロになったポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカさんは、日本の漫画で将棋を知り、ネット対局で力をつけたという。

伝統文化が新たな形で広まっているのは、明るい兆しだ。

将棋ソフトの発達には、目覚ましいものがある。棋力ではプロ棋士を超えつつあるが、悲観的に捉える必要はないだろう。

ソフトによる新手の発見などで、棋士のレベルが向上すれば、ファンはこれまでにない対局を楽しめるのではないか。

昨年から今年にかけて、将棋界はソフトを巡る疑惑に揺れた。日本将棋連盟は、対局中に頻繁に席を外したなどとして、棋士を出場停止にしたが、不正の証拠はなかった。谷川前会長は辞任した。

連盟では5月に全理事が改選され、新体制がスタートする。信頼回復のためにも、連盟には各棋戦の適正な運営が求められる。
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[朝日新聞] 商工中金不正 組織の根本が問われる (2017年04月30日)

商工組合中央金庫(商工中金)で、国の予算を使った「危機対応融資」をめぐる大規模な不正がわかった。政府系金融機関としての存在意義が問われる事態だ。組織の体質や経営体制を根底から見直す必要がある。

社外の弁護士による第三者委員会の調査報告によれば、判明分だけでも35の支店で不正があり、99人が関わっていた。

危機対応融資は、景気変動や災害で経営が悪化した企業に、国からの利子補給付きで資金を貸し出す制度だ。売り上げ減や雇用の維持を示す書類を提出してもらうが、それを要件を満たすように改ざんしたり、支店側で自作したりする不正がはびこっていた。融資額が支店ごとに割り当てられ、ノルマ化していたことが背景にあった。

深刻なのは本部の対応だ。2014年に内部監査で一部の実態を把握したが、是正を担うべき「コンプライアンス統括室」などが、不正をもみ消すような行為をしていた。問題がなかったと装う証言を誘導したり、書類を差し替えたりしていた。悪質と言わざるを得ない。

商工中金は中小企業のための金融機関で、かつては政府が約8割を出資していた。06年には15年までの完全民営化が決まったが、世界的な経済危機で3年半先送りされ、さらに一昨年の法改正で、当分、政府が必要な株式を保有することになった。

政府関与を残す根拠の一つが、危機対応での役割だ。直近で、政府の危機対応融資残高の過半は商工中金が担う。逆に、商工中金の融資残高の3分の1が危機対応融資だ。事業枠の確保を政府側に要望していた時期もあったという。

そうした重要な役割を舞台に起きた今回の不正は、政策を担わせる資格を疑わせる。

経営が不安定な企業に融資すべきカネを健全な企業に貸したので、焦げ付きには至っていない。だが、本来民間では出来ない融資への公的補助を、自らの業績拡大に流用しており、民業圧迫の色彩が濃い。

「半官半民」というあいまいな経営体制の帰結ともいえ、政策遂行と営利追求をどう切り分けるべきか、商工中金のあり方を政府も再検討すべきだ。

今回の不正、特に本部の隠蔽(いんぺい)について、調査報告書は、特定の人物の指示ではなく、組織内の「場の空気」によるものと結論づけた。「特殊・例外的な事案ではなく日本型不祥事の典型」とも指摘している。

内輪のなれ合いが組織の目的をゆがめていないか。他山の石として学ぶべきことは多い。
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[読売新聞] 安保理閣僚会合 厳格な対「北」制裁を追求せよ (2017年04月30日)

北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を本格的に迫る。そのためには、国際社会が一致して、厳格かつ実効性ある制裁を科すことが欠かせない。

国連安全保障理事会が北朝鮮の核問題に関する閣僚級会合を開いた。議長のティラーソン米国務長官は、外交関係の停止・制限、金融面での孤立化など、新たな対北朝鮮制裁を提案した。

「北朝鮮によるソウルと東京への核攻撃は今や現実の脅威だ」との強い危機感も表明した。

米国の軍事的な圧力と並行し、多国間外交で北朝鮮包囲網を構築する基本戦略は妥当である。

北朝鮮は、安保理会合を牽制(けんせい)するように、弾道ミサイルを発射した。発射直後に内陸部に落下したが、国際社会に対する無謀な挑戦であることに変わりはない。

安倍首相は「断じて容認できない」と北朝鮮を強く非難した。

ロシアが言及した6か国協議の再開については、「対話のための対話は解決につながらない」と否定した。「むしろ国際社会が、北朝鮮に対する圧力を一致結束して高める必要がある」と語った。

過去の経緯を踏まえれば、当然だろう。北朝鮮は6か国協議に応じて経済支援を受けつつ、時間稼ぎの陰で核開発を続けた。この苦い教訓を忘れてはならない。

何度も核実験を強行したのに、核開発の停止などの約束もないまま、対話を始めるのは、北朝鮮へ誤ったメッセージを送ろう。今は北朝鮮制裁を強化する時だ。

岸田外相は中国の王毅外相と会談し、「さらなる挑発行動がある場合は、断固たる対応が必要だ」と制裁への協力を求めた。王氏は「対話を通じた平和的解決が重要だ」と述べるにとどめた。

北朝鮮は、原油調達の9割以上を中国に依存している。裏を返せば、中国による原油の供給制限が極めて効果的な制裁となる。

中国は、新たな北朝鮮の挑発行為があれば、独自制裁を科す方針とされる。中国が強力な制裁も辞さず、北朝鮮の説得に本腰を入れるよう、日米などは中国への働きかけを強めることが大切だ。

ロシアも、万景峰号の定期航路を開設するなど、北朝鮮への融和姿勢が目立つ。他の安保理理事国と足並みをそろえるべきだ。

米国は、北朝鮮に対する「テロ支援国家」の再指定を検討している。再指定は、北朝鮮制裁の重要な象徴であり、支持したい。

北朝鮮の暴走を抑止するため、関係国が連携し、あらゆる手段を追求せねばならない。
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[朝日新聞] トランプ政権 戦略欠く強権の危うさ (2017年04月30日)

米国の政権は就任から100日間の実績が、力量を測る最初の目安の一つとされる。トランプ政権は、29日が節目である。

目玉とする政策は実現の見通しが立たない。政府機関の基盤固めも難航を極めている。その前途を危惧せざるをえない。

打ち上げた花火は華々しかった。この100日間に発した大統領令は、第2次大戦後で歴代最多とされる30にのぼる。

だが、中東など一部の国からの入国禁止は裁判所が待ったをかけた。医療保険改革制度(オバマケア)見直しは議会の反対で頓挫した。メキシコ国境の壁建設は財源のめどが立たない。

司法や議会がチェック役を果たしたことは、米国の三権分立が機能した証左と評価したい。

むしろ懸念すべきは、目先の成果を期待して、政策がもたらす影響の検討も関係者への説明も尽くさないトランプ流強権政治の「独走」である。

財源確保を後回しにしたまま打ち出した15%への法人減税案も、その典型だ。

保護貿易など支持層が欲する政策か、共和党の伝統政策か、軸が定まらない。一貫するのはオバマ前政権との違いを打ち出したい願望にほぼ尽きる。

政府機関の中枢を占める政治任用職と呼ばれるポストの8割が、いまだに指名すらされていないのも尋常ではない。

政策に通じた人材よりも側近や親族を重用したり、議会などとの調整を軽視したりするトランプ氏の稚拙な政治手法が政策の停滞と社会分断を招いているならば、ゆゆしき事態である。

大統領として米国全体の利益を目指す立場にあることを、トランプ氏はまず自覚すべきだ。

不透明で不確実な意思決定は対外政策にもつきまとう。

就任前は「米国は世界の警察官にならない」と主張していたが、シリアへのミサイル攻撃など軍事偏重に一転した。

悪化したロシアとの関係をどう立て直すのか。中東の混乱をいかに収拾するか。問題は、軍事と両輪をなすべき「外交」の具体像が見えないことだ。

同じことは、緊張が高まる北朝鮮情勢にも当てはまる。

事態打開を急ぐあまり軍事行動にはやらないか。安全保障と通商をてんびんにかけて、中国と「取引」するのではないか。そんな疑念がぬぐえない。

口では「外交圧力を強める」というが、担い手たる国務省の幹部ポストの大半が空席だ。

内政、外交ともに長期的な戦略を立て、手間を惜しまずに合意を目指す。それも大統領の基本動作と心得てほしい。
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2017年04月29日

[産経新聞] 【主張】日露首脳会談 「万景峰号」抗議したのか (2017年04月29日)

核・ミサイルをめぐる北朝鮮への脅威にどう対処するかは国際社会の喫緊の課題だ。そのさなかに行われた日露首脳会談でこれをどう話すかは、おのずと注目された。

だが、対北圧力を高める点でロシア側の同意を取り付けられたのか。ロシアは圧力強化に反する動きもとっており、これにクギを刺すことが欠かせないはずだった。

北方領土問題を抱え、安倍晋三首相がプーチン大統領との信頼関係を維持したいのはわかる。だが、そのために主張すべきことを抑制すれば、相手に誤ったメッセージを与え、国益を損なうことにもつながりかねない。

会談後の会見で、安倍首相は「国連安全保障理事会決議の完全な順守を働きかけることで一致した」と述べた。ロシアに建設的役割を果たすよう促したという。

それ自体は妥当なものだが、問題はその「意見の一致」にどれだけ実効性があるかである。

対するプーチン氏は「全ての国に好戦的な言い回しを自制し、冷静で建設的な対話を呼びかける」と語った。武力行使の可能性を示唆する米国への牽制(けんせい)である。

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トランプ米政権は、軍事措置を含むあらゆる選択肢を検討しており、日本はその方針を支持している。ここで日露間の議論がとまったのなら、立場は実質的には平行線ということではないか。

ロシアは首脳会談に先立ち、北朝鮮の「万景峰号」を極東ロシアに定期就航させると決めた。日本が対北朝鮮制裁で、入港を禁止した貨客船である。かつてこの船が新潟港に出入りし、ミサイル関連部品の運搬や工作員の移動に利用された経緯がある。

定期就航は、北朝鮮の労働者を極東ロシアに輸送し、外貨稼ぎに手を貸すものだ。日本として受け入れがたいが、ロシア側に提起したのかどうか、明確な説明を避けているのは腑(ふ)に落ちない。

会談では、北方領土での共同経済活動の実現に向け、多くの合意が得られたという。

岸田文雄外相がさきに札幌市内で北方四島の元島民と懇談した際、「領土問題が置き去りにされることのないよう取り組んでもらいたい」と要請された。

わが国固有の領土の主権を重視しない協議のありように、元島民らが懸念を抱いている。そのことを重く受け止めるべきである。
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[産経新聞] 【主張】昭和の日 元号あればこその歴史だ (2017年04月29日)

「昭和」と聞いて人は、いつの頃を、また、どのような出来事を顧みるのだろうか。

戦時を中心とした苦難の日々か。昭和39(1964)年の東京五輪か。それとも経済大国への道を歩んだ力強い軌跡か。作曲家の船村徹さんが今年2月に亡くなったことを受け、昭和を彩った数々の流行歌を懐かしく思い出した人も少なくなかろう。

昭和天皇のお誕生日にちなむ祝日「昭和の日」は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日とされている。

ここにいう昭和の時代とは、単に昭和天皇の在位期間を表すだけでなく、天皇のお人柄や理念、さらには天皇を仰ぎつつ幾多の困難を乗り越えてきた国民の歴史を映し出すものでもあろう。

国民一人一人の心象を包み込んで「昭和」は、まるで人物の個性が語られるかのように世上の話題となり続けてきた。元号の深い意義と味わいがあればこそだ。

ところが昨今は、年数計算が便利で合理的だといった理由から西暦が重視される傾向にある。全国紙でも、西暦を記事表記の原則とし、元号は補助的な扱いにとどめているところが大半だ。

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そのような新聞でさえ、事あるごとに「明治の…」「昭和の…」などと書いて時代の諸相に触れたりするのは、元号が利便性や合理性を超えて国民の日常に密着しているからにほかならない。

日本の元号は西暦645年の「大化」に始まる。701年に「大宝」と改元されて後は、中断もなく現在まで継承されてきた。もともと中国由来の元号制度ではあるが、特筆すべきは、中国の威に屈する形で中国の元号を遵奉(じゅんぽう)し、自らの元号をほとんど建てられなかった周辺の多くの国とは異なり、わが国では独自の元号を使い続けてきた事実である。

中国では既に失われ、今や日本にのみ存続している元号は、いわば国家独立の象徴でもあり、今後も大切に守っていきたい。

天皇陛下の譲位を可能にする特例法の制定に向けて、議論もいよいよ大詰めの段階に入る。次の元号へ国民の関心もおのずと高まってこようか。元号とともに刻まれたこれまでの歴史を振り返り、併せて、まだ見ぬ元号と時代に思いをはせてみるのも意義あることに違いない。
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[東京新聞] 昭和の日に考える さよなら人口1億人 (2017年04月29日)

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次の時代には、人口の減少が本格化します。戦争を挟んで一億人を超えるまで人口が増えた「昭和」を振り返りつつ、将来の社会の姿を考えてみます。

五十年後、日本の人口は三割減の八千八百八万人となる。そんな推計を国立社会保障・人口問題研究所が今月、公表しました。

五年前に出された前回の推計より、人口減少や高齢化の進み方はわずかに緩くなっています。それでも、わたしたちの社会の見通しが依然、厳しい状況にあることに変わりはありません。

推計の出発点になっているのは、総人口一億二千七百九万人余となった二〇一五年国勢調査の確定数です。推計結果に基づけば、この総人口は以後、長期の減少過程に入り、五三年には一億人を割り込んで九千九百二十四万人となるといいます。

人口が一億人を下回る時期は、四八年と見込んでいた五年前の推計に比べれば五年ほど後ずれしたことになります。とはいえ、大きく流れが変わる兆しは見当たりません。一億人を割る日は必ずやってくるということです。

日本の人口が一億人を超えたのは五十年前、一九六七(昭和四十二)年のことです。一億は、右肩上がりの昭和という時代を象徴する数字に見えます。

昭和に改元された一九二六年の人口は六千七十四万人でした。その後、人口は年八十万〜百万人のペースで増えていきます。


◆「オーナス」の時代へ
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ところが、三七年に日中戦争が始まると増加率が鈍り、三八、三九年の人口増は年四十万人に届いていません。

そこで、太平洋戦争が始まる直前、四一(昭和十六)年の一月には「昭和三十五年総人口一億を目標とす」という「人口政策確立要綱」が閣議決定されることになります。四〇年時点で人口は七千百九十三万人。年百四十万人のペースで人口を増やせ、という大号令でした。

もちろん、若い男性が次々と出征していく中、スローガン頼みで人口が増えるはずもなく、再び人口が増えていくのは終戦後、ベビーブームを迎えてからです。

こうして、目標だった昭和三十五年からは七年遅れで一億人を超え、昭和の終わりには一億二千三百万人を数えました。昭和という時代の間に、人口は倍になったわけです。

総人口に占める働き手の割合が上昇する「人口ボーナス」の恩恵に浴した昭和は遠くなり、これからは、一人の働き手にかかる負担が増えていく「人口オーナス(重荷)」の時代となります。

例えば、今回の将来推計人口によれば、二〇六五年には、一人の高齢者を現役世代一・三人で支える「肩車型」の社会構造になる見通しです。つまり、今までの人口規模を前提とした社会の仕組みを維持しようとすれば、どこかで行き詰まることになります。

安倍政権は「五十年後も人口一億人を維持する」という目標を掲げていますが、今回の将来推計人口が示すところ、残念ながら、非現実的な目標と言わざるをえないようです。

もちろん、子どもを産み、育てやすい社会を目指す努力は今以上に進めなければなりませんが、一世代、二世代のうちに出生数が大きく回復することは望めません。当面は、人口が減り続けることを前提に社会の将来像を考えねばならない、ということです。

一億人が暮らしうる大きな器を無理に用意する必要は、もうありません。必要なのは、むしろ、人口が大きく減った後にどんな社会を目指すか、という発想の転換ではないでしょうか。


◆縮小しても豊かな社会
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人口が減れば、国内総生産(GDP)の縮小は避けられないかもしれません。でも、一人当たりのGDPが増えていれば、個々人の生活は豊かになるはずです。

「高齢者」の考え方を変えることも現実的な課題です。高齢でも健康な人が増えています。六十五歳を過ぎても働ける人を現役世代並みに遇する社会にはできないでしょうか。

二十四時間営業などの過剰なサービスを見直し、労働力不足に対応する工夫も待ったなしです。

一億人を前提とした社会像は忘れ、人口減の現実に向き合い、コンパクトで充実した社会の将来像を探らねばなりません。
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[日経新聞] 日ロ首脳が真の信頼関係を築くには (2017年04月29日)

安倍晋三首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。

両首脳の会談は昨年12月の大統領来日以来で、通算17回目だ。個人的な関係づくりという意味では十分なほど会談を重ねてきたが、日ロ間の信頼醸成になかなか結びつかないのはもどかしい。

北方領土問題では確かに、昨年末の合意に基づいて共同経済活動を進めるべく、日本が官民調査団を現地派遣することになった。元島民らの墓参については航空機利用を含めた簡素化で一致した。

北方領土の共同経済活動は、双方が事業案を提案済みだ。ただし「両国の法的立場を害さない」との原則にもかかわらず、ロシアは自国の法制度に矛盾しないことを条件にしている。具体化できるかどうかはなお予断を許さない。

プーチン大統領は領土問題を含めた平和条約締結交渉を進める意思を改めて表明したが、解決策は日ロの「戦略的利益に合致し、両国民に受け入れられる」ものでなければならないと強調した。

共同経済活動の成否を試金石とみなしているのは明らかだ。調整が長らく難航すれば、日本は北方領土に関心がないとして、条約締結交渉そのものを中止する事態も予想される。互恵的な経済協力の裾野を広げて領土問題解決への環境づくりをめざす方向性は理解できるが、ロシア側の思惑も冷静に分析していく必要があろう。

首脳会談では、緊迫する北朝鮮やシリアなど国際情勢をめぐる議論も大きな焦点となった。

軍事的挑発を続ける北朝鮮に対し、国際社会が結束して強い圧力を加えようとするなか、ロシアは貨客船「万景峰号」による定期航路新設を決めるなど国際協調に逆行する動きを強めている。

シリア問題でも、ロシアはアサド政権による化学兵器使用疑惑に真っ向から反論。同政権に立ち入り調査受け入れなどを求めた国連安全保障理事会の決議案に拒否権を行使し、廃案に追い込んだ。

国際協調を乱す試みがあれば胸襟を開いてとことん話し合い、過ちがあれば正すのが筋だろう。首相はロシアに「建設的な役割」を求めたというが、果たしてどこまで苦言を呈したのだろうか。

協力や協調の成果だけを演出していても、真の信頼関係は望めまい。領土交渉を進展させたいがゆえにロシアに甘い態度ばかり示せば、結局は領土問題でも足元をみられてしまう。
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[毎日新聞] 北朝鮮が絡む日露交渉 ジレンマ深まる安倍戦略 (2017年04月29日)

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北朝鮮をめぐる日露の立場の違いが鮮明になった。

安倍晋三首相がロシアを訪れ、プーチン大統領と会談した。北朝鮮情勢についても時間を割いて協議し、挑発行為の自制を働きかけていくことで一致したという。

しかし、むしろ北朝鮮情勢の険悪化によって、安倍首相が思い描いてきた対露戦略は、ジレンマが深まったのではないか。

安倍首相の対露外交には、北方領土問題の打開を目指すと同時に、軍事力を強める中国がロシアに接近することをけん制し、北東アジアで日本に不利な安保環境が築かれることを阻止しようという戦略があった。

ところが北朝鮮の核・ミサイル開発に対し、米国がオバマ前政権とは異なる強硬姿勢を見せたことが、状況を大きく変えた。

安倍政権は、米国の圧倒的な軍事力を背景とする圧力に頼ることで北朝鮮の挑発を抑え込み、危機を収束させたいと考えている。

だがプーチン氏は、首脳会談後の共同記者発表で、軍事的な圧力に反対し、「冷静で建設的な対話」を求めた。圧力より対話を訴えてきた中国の立場を擁護したとも言える。

ロシアは北東アジアで米軍のプレゼンス(存在感)が高まることを強く警戒している。昨年12月の日露首脳会談でも、日米安保への警戒感をあらわにしていた。

ロシアに融和的なトランプ米政権の発足は対露関係強化を目指す日本にも追い風と期待されたが、米国のシリアへのミサイル攻撃などで米露関係はむしろ悪化し、プーチン政権は米国への警戒心を強めている。それは日米同盟や、日米韓による北朝鮮包囲網にも向けられている。

ロシアは、国際社会の北朝鮮への制裁強化の流れに逆行して、日本が入港を禁止した貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」による北朝鮮との定期航路開設を決めた。米国が主導する包囲網から距離を置くことで、北朝鮮問題を米国との駆け引きに利用しようとしているようにも見える。

日露首脳会談では、北方領土への官民調査団の派遣や、元島民の空路による墓参などの合意もあった。だがあくまで、領土問題を解決に導くための環境整備の一環だ。解決への道筋はまだ見えていない。
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[毎日新聞] 小中の教員、週60時間勤務 先生の悲鳴が聞こえる (2017年04月29日)

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多忙は限界を超える状況ではないだろうか。

文部科学省が小中学校の教員の勤務実態調査を公表した。全国の公立小中学校から抽出した約1万9000人の結果で、10年前との比較も示された。

小中学校とも勤務時間は延びている。1週間の勤務時間は小学校が4時間余り延びて57時間25分、中学校でも5時間余り長くなり63時間18分だ。忙しさに拍車がかかっている。

週約60時間もの労働実態だ。いわゆる「過労死ライン」に達する計算となる週60時間以上の勤務は、小学校で3人に1人、中学では6割近くに上っている。

国際機関の調査では、先進諸国の中学教員は平均すると週約38時間の勤務で、日本は突出して長い。

長時間勤務の大きな要因は、授業時間数の増加と部活動指導だ。

いわゆる「ゆとり教育」で学習内容が削減された学習指導要領が改定され、小学校低学年では週2コマ、それ以上は週1コマ授業が増えた。準備のための時間や成績をつける時間も増える。少人数指導が広まり、先生が受け持つ授業も多くなった。

中学では休日の部活動の指導時間が倍増し、平均で2時間を超えている。大会等に向けた指導でつきっきりになっている姿も浮かび上がる。

年間で5000人前後もの教員が精神疾患で休職しているのが現状だ。教員増とともに、外部の支援や仕事内容の見直しが不可欠だ。

文科省も、スクールカウンセラーや部活動指導員を学校職員と位置付けるなど、福祉・心理や部活動の専門家を学校に導入することで見直しを図ろうとしている。だが、まだ緒に就いたばかりだ。この流れをさらに加速させる必要がある。

外部への報告書作りなどの事務作業の多さも相変わらずだ。教育委員会なども教員の負担になる調査を実施していないか、見直す必要がある。学校自身も行事や研修、会合を精査すべきだ。

2020年度からは小学校で英語が教科として加わり、討論などで能動的に学ぶアクティブ・ラーニングも導入される。さらに忙しくなる。

先生が疲れ果てていては、教育の質も低下する。負担軽減は日本の将来に向けた喫緊の課題だ。
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[日経新聞] 「1日インターン」への懸念 (2017年04月29日)

企業が学生を受け入れて職業意識を養ってもらうインターンシップ(就業体験)について、経団連が日数の規定の廃止を決めた。今は5日間以上としているが、2019年春に卒業する大学生からは1日だけの実施が可能になる。

インターンシップは企業が優秀な学生を見つける場としている例が少なくない。日数規定の廃止により、学生が働きながら自分の適性を見極めるという、本来の趣旨に反する例が増えないか心配だ。

企業説明会の解禁前にインターンシップを開きやすくなることで、採用活動が早くから過熱する心配もある。企業に節度ある対応を求めたい。

経団連に加盟していない外資系やIT(情報技術)企業などの間では、現在も1日限りのインターンシップが多い。会員企業からは日数のルールの見直しを要求する声があがっていた。

経団連は16年春に卒業する大学生から、採用説明会の開始を3年生の12月から3月に繰り下げた。これに伴い、説明会の解禁前にインターンシップの形で事実上の採用活動を始める企業が増えた。

人材サービス大手のリクルートキャリアによると、来春卒業する大学生の4月1日時点の内定率は14.5%と前年より4.8ポイント高まっている。「1日インターンシップ」が広がれば就職活動の早期化に拍車をかけかねない。

インターンシップには、大学などでは習得できない実践的な知識や技能を身につけたりする意味がある。経団連も教育的効果の乏しいプログラムは望ましくないとしている。企業に徹底してほしい。

商社の業界団体である日本貿易会の10年の提言をきっかけに、経団連は、それまで大学3年の秋から始まっていた説明会の開始を遅らせるなど採用活動の見直しを進めた。学生が就職活動に時間をとられ、学業がおろそかになりがちなことへの危機感からだった。

これから社会を担う若い人材の質が低下すれば悪影響は大きい。企業は常に念頭におくべきだ。
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[朝日新聞] 地方の大学 強み磨いて活路あり (2017年04月29日)

大学への進学のしやすさが、生まれ育った場所がどこかで大きく左右される。そんな理不尽な現象が広がっている。

大学進学率は最も高い東京都が64%なのに対し、最も低い鹿児島県は31%。しかも約10年前の調査から差は開いている。

東京、大阪、愛知の高校を卒業した人は5?7割が地元の大学に進むのに、東北の一部や山陰では逆に8割の生徒が県外に出るという統計もある。

生徒に県内への進学を促しても解決策にはならない。志望する学科がなかったり、教育や研究の水準がいまひとつだったりすれば、当然、二の足を踏む。地方の小規模な大学に定員割れが目立つ一因でもある。

そして、県外に出ることになれば下宿代を含め教育費がかさむ。家計に余裕がない生徒は進学自体をあきらめる――。こうした事情が重なり、深刻な進学格差が生まれているのだろう。

放置していい問題ではない。奨学金の充実や、単位互換の協定を結ぶ大学同士の「国内留学」の活性化などを急ぎたい。

何より考えるべきは、現にある地方大学の魅力を見いだし、磨き、輝かせることだ。

地元の自治体や企業と手を結び、地域の課題を探る。その解決に必要な研究をし、人材を送り出す。そんな取り組みで存在感を増している大学がある。

長野県の松本大学は周辺の市町村と連携。お年寄りに健康指導をして、医療費の削減に貢献している。同大の教授が開発に携わったという「速歩」による健康法を生かした事業だ。

学生も、現場実習に出ることで地域の人々に育てられる。専門性を買われて役所や病院に採用される学生も出てきた。

福岡市の中村学園大学は、「食」に活路を見いだす。この春の新学科開設にあたっては、九州の食品企業や自治体に呼びかけ、一緒にカリキュラムを練った。商品開発やインターンシップでも協力し合う。

政府の有識者会議では、東京での学部の新増設を抑えるなどの策が検討されている。だが過去に似たような施策を行ったときも効果は思わしくなかった。人為的な規制や調整で実現できることは限られよう。

地元の大学が魅力に欠けていては、優秀な人材は育たず、地域の将来の担い手たる若者が流出するのも止められない。手をこまぬいていては、活力はそがれるばかりだ。

県や市町村は危機意識を共有し、大学を地域のシンクタンクとして育て、活用していく連携の輪に加わってほしい。
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[読売新聞] トランプ米政権 外交の軌道修正は道半ばだ (2017年04月29日)

選挙のスローガン通りには、実際の政治は進まない。厳しい現実に直面し、側近の意見に耳を傾けて、柔軟に軌道修正したことは理解できる。

トランプ米大統領が就任から100日を迎えた。成果を点検する最初の節目である。

世界を驚かせたのは、外交・安全保障政策での豹変(ひょうへん)ぶりだ。「米国第一」の孤立主義に陥らず、米軍にシリア軍基地を攻撃させた。化学兵器使用を容認しない原則を行動で示した意義は大きい。

核ミサイル開発を進める北朝鮮を牽制(けんせい)する効果を持とう。

トランプ氏は軍事、外交両面で対北朝鮮圧力を強める。情勢を悪化させたオバマ前政権の「戦略的忍耐」を否定し、「力による平和」を目指す方針は理に適(かな)う。

軍人出身のマティス国防長官やマクマスター大統領補佐官ら、安保の専門家が政権内で影響力を増したことが背景にあろう。

日本との同盟の重要性を繰り返し強調するのも評価したい。

中国には、北朝鮮制裁の徹底を促す。貿易戦争も辞さない勢いだった対中強硬発言を控え、習近平国家主席との良好な関係を演出する。トランプ氏の常套(じょうとう)手段の「取引」は功を奏するだろうか。

ロシアのプーチン政権との関係改善が、元側近らの対露癒着疑惑により、頓挫したのは誤算と言えよう。「米露関係は史上最低かもしれない」と語り、「時代遅れ」と非難していた北大西洋条約機構(NATO)の重視に転じた。

予測不能の言動と変わり身の早さは、長期的には米国への信頼を損ないかねない面もある。高官人事を急ぎ、経済外交や通商交渉も含めた包括的な戦略を構築することが求められる。

内政の目玉公約は、ことごとく行き詰まっている。

テロ阻止を名目に、イスラム圏の国民の入国を制限する大統領令は、裁判所に差し止められた。メキシコ国境に壁を建設する予算の目途も立っていない。医療保険制度「オバマケア」の代替法案は議会で激しい対立を招いた。

どの政策も、賛否を巡り、世論が二分する。丁寧な説明を怠り、拙速に進めたことが混乱に拍車をかけた。国民融和の視点を欠く政権運営では、約40%と低い水準にとどまる支持率は上がるまい。

議会で多数派を占める共和党は政権を支える立場にある。強硬派と穏健派が分裂し、妥協に消極的な現状は問題だ。大統領選で露呈した既存の支配層に対する有権者の不信は、増すばかりだろう。
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[読売新聞] 日露首脳会談 領土交渉の環境整備を幅広く (2017年04月29日)

昨年12月の首脳会談での幅広い合意を着実に前進させる。それが、困難な北方領土問題を解決する環境整備となろう。

安倍首相がモスクワでロシアのプーチン大統領と約3時間、会談した。通算17回目の首脳会談では、北方4島での「共同経済活動」の実現を目指し、5月中にも日本の官民合同調査団を現地に派遣することで一致した。

首相は会談後、「協力を積み重ね、大きく発展させたい」と強調した。魚やウニの養殖、エコツーリズムを具体例に挙げた。プーチン氏も、「相互理解と信頼が深まるのは大変良い」と応じた。

どんな事業が可能なのか、まずは現地の状況や採算性をきちんと調査することが大切だ。

共同経済活動が軌道に乗れば、日本企業・関係者とロシア人島民の交流が深まろう。ロシア側の対日観が向上し、領土返還への理解が広がる可能性がある。

無論、日本の法的立場を害さない「特別な制度」が大前提だ。ロシア側が受け入れ可能な制度設計に知恵を絞らねばなるまい。

対露経済協力も進んでいる。ハバロフスクへの予防医療センター開設や、ロシア南西部の都市開発などの作業計画が了承された。

エネルギー分野では、イルクーツクでの原油・天然ガスの共同開発などで合意した。

経済協力だけが先行する印象を与えないよう、領土問題とのバランスにも留意したい。

元島民の墓参に関し、国後、択捉両島訪問時の航空機活用と、歯舞群島沖での出入域地点の新設が決まったのは、朗報である。

高齢化が進む元島民の負担は軽減され、里帰りもしやすくなる。自由往来の拡大に向けて、円滑な実施に努めてもらいたい。

首相とプーチン氏は、7月のドイツでの再会談を決めた。9月にも、首相はウラジオストクを訪問し、首脳会談を行う予定だ。

領土問題の次のヤマ場は、プーチン氏が再選を目指す来年春の大統領選後とみられる。

当面は、首脳会談を重ね、信頼関係を一層深める。同時に、共同経済活動の具体化を図る中で、領土交渉進展の機会をうかがう。そんな首相の戦略は理解できる。

北朝鮮情勢については、日露が緊密に協力し、挑発行為の自制を働きかけることを確認した。

ただ、ロシア側は、北朝鮮への圧力強化に消極姿勢が目立つ。首相が、国連安全保障理事会常任理事国として建設的な役割を果たすよう促したのは当然である。
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