2017年03月17日

[東京新聞] 中国全人代 民生改善にこそ「力」を (2017年03月17日)

閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)では、習近平党総書記(国家主席)が「党の核心」と持ち上げられた。一強時代の中国は格差解消など民生改善に本気で取り組めるのか正念場だ。

全人代の主役であるはずの中国ナンバー2の李克強首相は開幕日の政府活動報告の冒頭、「党の核心」として習氏の地位が明確化されたことを「党と人民の根本的利益を反映したもの」「重要で深遠な意義を持つ」と持ち上げた。

首相が国務院(政府)を代表し政治、外交、経済各分野の施政方針を演説する年一回の舞台が、習氏の「一強」支配を内外に示す政治ショーになったように映る。

全人代期間中の閣僚会見や分科会でも習氏を「核心」とたたえる発言が目立った。最高指導部人事が予定される五年に一度の今秋の党大会を前に、習氏の支配体制固めの全人代との印象が濃厚だ。

中国の現状を観察すれば、拝金主義のまん延に伴う社会的な格差の解消が急務だといえる。上海中心部のマンション建設現場では、2LDK千二百万元(約二億四百万円)の広告チラシが配られている一方、現場で働く出稼ぎ農民工は昼食に一杯六元(約百二円)の汁麺をすするのが現状だ。

李氏は「民生は政府活動の要であり、常に心に留め、しっかりと担わねばならない」と力を込めた。採択された政府活動報告には確かに、農村貧困人口の一千万人以上の減少、低所得者向けの住宅の供給、青い空を守る環境保護対策など、民生に目配りした重点政策が数多く盛り込まれた。

だが、民衆が不満を抱える課題の改善は遅々として進まず、汚職腐敗撲滅を旗印に政敵を葬ってきた習氏の「一強支配」確立ばかり目立つのが実情であるといえる。

民生が改善しない大きな理由は、李氏が指摘したように「行政の法執行での規範、公正、理性の不足や、一部幹部の職務怠慢や責任のなすりつけあい、腐敗」にあることは、その通りであろう。

習氏は自身の政治的な権威強化ではなく、真の民生改善を図るための腐敗役人や既得権益層との闘いに力を発揮してほしい。

強権政治による香港民主の後退も気がかりだ。全人代で「香港独立に前途はない」と強調された。三月下旬の香港行政長官選に向け中国は親中派候補を露骨に支援している。「一国二制度下の香港の高度な自治」の保障が国際公約であったことを忘れてはならない。
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[東京新聞] 米国の利上げ 日銀の「転換」はいつだ (2017年03月17日)

米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを決め、年内の追加利上げも見込む。すでに超金融緩和終了へ動きつつあるのに対し、なぜ日本は異常な緩和政策を止められないのか。

世界金融危機、いわゆるリーマン・ショックから九年だ。震源国である米国はいち早く金融政策の正常化へ歩みを進めている。

物価上昇率が目標の2%に近づき、失業率も5%を下回って、ほぼ完全雇用に達したことが利上げの理由である。

米国の利上げは一昨年十二月に始まり、昨年も十二月に一回、引き上げた。だが今年は今回を含めて年三回程度を見込み、利上げペースは速まりそうだ。

これまで0・25%ずつ、計三回の利上げで短期の政策金利は「0・75〜1・0%」になった。これでトランプ大統領の政策は先行き不透明でも、大幅減税や官民による一兆ドル規模の大規模投資で景気が過熱すれば引き締めを、逆に政策がうまくいかず景気後退となれば緩和もできる。

対照的なのが日銀だ。金融政策の維持を決め、異次元緩和やマイナス金利をするも効果が出ない。この彼我の違いはなぜなのか。

米国は金融緩和をすれば雇用が改善し、労働市場が引き締まってパートタイマーがフルタイムに移行、賃金が上昇していく。マクロ経済の教科書通りだ。

対して日本は緩和で雇用環境が改善しても、非正規と正規の労働市場が分断されているので非正規から正規への移行はほとんどなく、賃金上昇に結びつかない。

また金融緩和は株価上昇を誘発し、株式投資が盛んな米国では株高は広く資産効果から消費拡大につながる。だが日本では「持てる富裕層」が富を増やしただけで消費増は極めて限定的だ。

アベノミクスは、賃金上昇を起点に消費増→生産増→設備投資増という好循環を目標とした。

しかし、いくら金融緩和しても労働市場の制約で非正規の賃金は上がらない。正規社員も、今春闘が示したように賃金上昇は鈍い。好循環どころか逆に、消費減→生産減→設備投資減の悪循環に陥っているためだ。

やるべきことは明白だ。働く人の四割にまで膨張した非正規を縮小すること、消費減の要因である将来不安を和らげるために社会保障を立て直すことだ。米国のノーベル経済学賞学者の意見をいいとこ取りしたり、財界と二人三脚でつくるような政策ではだめだ。
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[産経新聞] 【主張】中国の産経拒否 報道自由は普遍的価値だ (2017年03月17日)

中国の習近平国家主席は2014年、米中首脳会談後の会見で「中国は国民の言論の自由など正当な権利と、報道機関の利益を法規に沿って保護している」と述べた。果たして、そうか。

全国人民代表大会(全人代)閉幕後に行われた李克強首相の内外記者会見で、産経新聞の記者は出席を拒否された。

全人代後の首相会見は外国の記者が中国指導者と直接向き合うほぼ唯一の機会であり、例年、産経記者も出席してきた。全人代当局は「座席数」を理由に出席に必要な「招待状」の交付を拒んだが、複数枚交付された新聞社もあり、会場には空席があった。

会見締め出しの真意が報道規制にあることは疑いようがなく、強く抗議する。言論、報道、取材の自由は国際社会共通の普遍的価値である。「責任ある大国」の措置とは到底、いえまい。

産経新聞は、文化大革命中の1967年9月に当時の柴田穂・北京支局長が中国政府により追放処分を受けた。98年9月に中国総局として再開されるまで、31年にわたり中国に常駐記者を派遣できない状態が続いた。

再開は、日中両国民の相互理解のためである。そこには相互批判も含まれる。

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両国間には歴史認識や安全保障で立場や見解の違いが存在する。産経新聞が日本の国益や価値観に立脚する主張を続けてきたことは、表現の自由が保障される日本の新聞社として当然である。

菅義偉官房長官がこの問題で、表現の自由や基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値について、「いかなる国においても、その保障は重要だ」と述べたのはもっともである。

これまでも中国は査証(ビザ)発給や延長審査を外国人記者の規制に利用してきた。産経新聞は昨年9月まで、中国総局長のビザ発給が3年以上凍結された。中国要人の蓄財問題を報じたニューヨーク・タイムズなどもビザの発給が拒否された。

意に沿わない報道や言論に対する対抗手段として、あまりに露骨ではないか。産経記者に対する首相会見への出席拒否も、同じ文脈にあるのだろう。

日中は今年9月、国交正常化45年を迎える。両国関係の成熟には、普遍的価値をどこまで共有できるかが問われる。
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[産経新聞] 【主張】オランダ下院選 排他主義への「待った」を (2017年03月17日)

オランダ下院選で、反移民や反欧州連合(EU)を掲げ幅広い支持を得ていた自由党の躍進に待ったがかかった。

「自国第一」や排他的な主張を前面に出すポピュリズム(大衆迎合主義)が、欧米で勢いづいている。

与党自由民主党が下院選で第一党を維持したのは、新興勢力が浸透する一方ではないことを表した。ひとまず安堵(あんど)できる結果といえよう。

自由党のウィルダース党首は、イスラム教の聖典コーランや礼拝所の廃止を公約に挙げ、過激さを際立たせていた。

トランプ米大統領は過激発言を重ねながら超大国の指導者に就いた。イスラム圏からの入国制限措置にウィルダース氏は賛意を表しているが、米国の混乱が自由党失速の一因とも指摘される。

自民党も議席は減らし、連立相手の労働党が惨敗した。既成勢力への批判はなお根強い。

欧州では2015年以降、大量の難民が押し寄せ、治安が悪化したとされる。テロの頻発に、人々が不安を募らせるのは事実だ。

オランダは移民を積極的に受け入れてきただけに、移民に仕事を奪われる危機感や、福祉の恩恵が移民にのみ手厚いといった不満を抱く人も少なくない。

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ポピュリズム勢力の主張は、こうした人々の心に響いたのだろう。だが、治安や福祉は単に国を閉ざし、他者を排斥することで解決する問題ではない。強引な手法が大きな混乱を招くことは、米国から学びとれる。

米国では、入国条件を緩和した2度目の大統領令が出されたものの、司法から改めて差し止めを命じられるなど収拾がつかない。こうした状況が、欧州各国の動向に影響を与える可能性はある。

オランダはフランス、ドイツなどとともに「EU原加盟6カ国」と称され、統合推進派として知られる。それだけに、反移民、反EUの流れにのみこまれなかった意味は小さくない。

4?5月のフランス大統領選では、国民戦線(FN)のルペン党首が首位を争う。ドイツでは9月の連邦議会選に向けて「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢いを増す。いずれも反移民やEU離脱などを主張している。

英国の離脱交渉が近く始まり、EUは統合深化をめぐる岐路に立たされる。情勢を注視したい。
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[日経新聞] 稲田防衛相の管理能力を疑う (2017年03月17日)

閣僚の国会での説明がここまでいい加減では、野党が「隠蔽だ」と追及するのは当然だろう。南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の日報問題などを巡り、稲田朋美防衛相の管理能力に大きな疑問符がつく状況になっている。

南スーダンPKOの派遣部隊の日報に関して、防衛省がこれまで「廃棄して存在しない」と説明してきた陸自内で保管されていたことが明らかになった。

南スーダンでは昨年7月に政府軍と反政府勢力の大規模な武力衝突が起き、陸自の派遣部隊は日報で「戦闘」との表現を使った。

防衛省は昨年12月に日報への情報公開請求に対し「すでに廃棄した」として不開示とした。その後の調査で統合幕僚監部に電子データが残っていると判明したにもかかわらず、防衛相への報告まで1カ月を要し、公表はさらに2月7日にずれ込んだ。

陸自内に日報のデータがずっとあったとすれば、防衛相は国会で事実と異なる答弁を繰り返したことになる。それまでの説明と辻つまを合わせるため、陸自内で見つかったデータが消去されたとの疑いも浮上している。

防衛相は一連の経緯を踏まえ、直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を命じた。対応が後手に回っているとはいえ、情報管理の問題点や隠蔽の有無をきちんと明らかにしてほしい。

防衛省は日報の扱いについて、中央即応集団司令部の担当者が報告用の「モーニングレポート」を作成したら廃棄する仕組みだと説明してきた。現地情勢は隊員の安全に直結するだけに関心も高い。これを機に情報の保全と公開に関する基準を見直す必要がある。

防衛相は日報の扱いがこれだけ焦点になっても省内の動きを把握できていない。学校法人「森友学園」の訴訟への弁護士時代の関与を全面否定した先の答弁も「記憶違い」だったとして発言の撤回と謝罪に追い込まれた。国会審議に臨む姿勢が問われている。
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[毎日新聞] オランダ下院選 楽観できぬ極右の失速 (2017年03月17日)

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欧州連合(EU)離脱を決めた英国、トランプ大統領を誕生させた米国に続き、欧州大陸にも反グローバリズムの波が広がるか。今年欧州で相次ぐ選挙の行方を占ううえで注目されたオランダ下院選は、イスラム排斥とEU離脱を訴えた極右・自由党が伸び悩み、議席を増やしたものの第1党には届かなかった。

ルッテ首相率いる中道右派の与党・自由民主党は、議席を大幅に減らしながらも第1党の座を確保した。政権の枠組みは今後の連立交渉にかかってくるが、ひとまず大きな混乱は回避できた。

フランス、イタリア、ドイツなど他の欧州諸国首脳らも、この結果を歓迎している。

自由党は、モスク(イスラム礼拝所)の閉鎖やイスラム諸国からの移民受け入れ停止などを掲げ、移民増加に不安を強める国民を引きつけて社会の分断をあおってきた典型的なポピュリズム(大衆迎合主義)政党だ。当初の勢いを保って第1党になれば、フランス大統領選やドイツ総選挙でも極右政党をさらに勢いづかせる可能性があった。

またオランダは60年前、現在のEUの母体である欧州経済共同体が生まれた時の原加盟国である。反EUの自由党が躍進すれば、欧州の統合路線を土台から揺さぶることになっただろう。

だが選挙戦の終盤で自由党の勢いは失速した。その理由として、「オランダのトランプ」とも呼ばれたウィルダース党首が身の安全を理由に公の場に出る機会をひかえたこと、米トランプ政権の混迷ぶりへの失望がマイナス要因に働いたことなどが挙げられている。

ルッテ首相が、極右に票が流れることを阻止しようと移民への厳しい姿勢を強めた影響もあるだろう。

首相は今年1月、イスラム系移民を念頭に、男女平等などオランダの価値観に同意できない者は「この国にとどまるべきではない」と訴える新聞広告を出し、移民の増加で伝統が破壊されることへの国民の不安を鎮めようとした。

だが言い換えれば、移民を警戒するオランダ社会の分断の芽は消えていないとも言える。緊縮財政や不安定な雇用、経済格差の広がりなどによる国民の政治不信を解消していかなければ、今後も極右勢力の浸透を防ぐことはできない。

オランダと同様にイスラム系移民の比率が高い隣国フランスでは、4月の大統領選に向け、反移民を掲げる極右・国民戦線のルペン党首の勢いは衰えていない。オランダでの極右の失速が、欧州全体の流れを変える契機になると楽観するのは、早計だろう。
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[日経新聞] 経済の安定に資する米の緩やかな利上げ (2017年03月17日)

米国が昨年12月に続く利上げに踏み切った。経済が順調に回復しているのを映した決定である。緩やかな利上げの継続は、金融の不安定化を防ぎ、米景気拡大の持続力を高めることにもつながる。

米国の金利上昇は資金の米国への回帰や一層のドル高につながる可能性もある。海外からの資金依存度が高い新興国は、変化に耐えられるよう国内の経済構造を強固にしていく必要がある。

2015年、16年と1年に1回だけだった従来に比べれば利上げペースを速めるものの、内外の経済状況を見極めながら慎重に判断する姿勢は変えない。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が、利上げ発表後の記者会見で示したのはこうした考え方だろう。サプライズを避けつつ政策を決めていく姿勢は評価できる。

米国が経済回復に伴い金利を引き上げることは、将来景気が悪化したときの利下げ余地を増やす面もある。ゼロ金利の壁にぶつかる可能性を減らせるという意味でも、経済の安定に貢献する。

米国経済には、仕事がみつからない人がなお多いといった問題が残る。だが、その解決手段は景気刺激よりも、求職者の技能と需要が合わないミスマッチの解消といったミクロ政策に移っている。

米国経済や金融政策にとって最大の不透明要因は、皮肉なことにトランプ米新政権の政策運営だ。

減税やインフラ投資などの財政刺激策がどこまで実現するのか、保護主義的な政策を本当に実施するのか。これら次第では経済や金融政策が予想された道筋からはずれる可能性がある。トランプ大統領は来年2月に任期が切れるイエレン議長を再任しない姿勢を示しているが、どんな人を後任にするのかもまだ見えてこない。

日本にとっては、米経済の改善や米金利の緩やかな上昇はプラス材料だ。日本の景気押し上げや、円高が進みにくい環境をつくりだすからだ。副作用を伴う一段の金融緩和を迫られるリスクも減る。

物価がほぼ横ばいにとどまる日本は、短期の政策金利を米国と同じように高められる状況にはなっていない。ただ米国の利上げ継続に伴い、日本の長期国債金利には上昇圧力が高まる可能性がある。

日銀は、昨年9月に10年物国債の利回りを0%程度に誘導する政策を導入したが、この水準に抑え続けることの是非についても今後議論がなされるべきだろう。
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[毎日新聞] 日米外相会談 対北朝鮮で変化の兆し (2017年03月17日)

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岸田文雄外相とティラーソン米国務長官が東京で会談し、対北朝鮮政策などを協議した。

ティラーソン氏は会談後の共同記者会見で、北朝鮮の核・ミサイル開発を止めようとする過去の外交努力を失敗だったと断じ、新たなアプローチの必要性を強調した。

トランプ政権は対北朝鮮政策の見直しを進めている。先制攻撃を含めた「全ての選択肢」が検討対象になっているとされる。結果として北朝鮮に核・ミサイル開発を進める時間を与えたと批判されたオバマ前政権の「戦略的忍耐」路線からの転換を進めているのだろう。

米国が強い姿勢を示すことは、それだけでも北朝鮮への圧力となる。ただ性急な軍事行動は日韓両国に大きな被害をもたらす可能性があり、日本として簡単に受け入れられるものではない。韓国も事情は同じだ。

米国の事情だけで政策見直しを進めては実効性の確保も難しい。ティラーソン氏が日中韓と協議していく姿勢を示したことは妥当である。

北朝鮮の脅威は高まる一方だ。

日本近海へ向けて複数の弾道ミサイルを同時に発射し、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めている。これまでより爆発規模の大きな核実験をできる施設整備を進めているという分析もある。

不可解な点の多い金正男(キムジョンナム)氏殺害事件は、金正恩(キムジョンウン)政権が予測不能であることを改めて印象づけた。

ティラーソン氏は日本に続いて韓国に移動し、北朝鮮と向き合う最前線地帯を視察する。東アジア訪問の主眼が北朝鮮情勢にあることを行動で示すものといえる。

韓国は政治的混乱の中にあるが、日米との安全保障協力は着実に進んでいる。日米韓による弾道ミサイル情報共有訓練が今月あり、韓国では大規模な米韓合同軍事演習が行われている。こうした協力は今後も続けられねばならない。

日米韓連携には日韓関係の安定が必須であり、慰安婦問題に関する一昨年の日韓合意はその基盤となっている。ティラーソン氏が記者会見で合意への米国の支持を改めて確認したことは適切だった。

韓国世論は依然として合意に批判的だが、5月に発足する韓国の次期政権には合意を尊重してもらいたい。一方で、韓国政府が合意履行に取り組んでいける環境を作るために日本は協力していくべきである。

トランプ大統領は就任した際、米国の安全保障にとって最大の問題は北朝鮮だとオバマ前大統領から告げられたとされる。トランプ政権による対北朝鮮政策見直しの行方を注意深く見守っていきたい。
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[朝日新聞] オランダ選挙 排外主義になお警戒を (2017年03月17日)

難民や移民を敵視する排外主義に国をゆだねることは控えたい。だが、今の政治のありようには我慢しがたい。

15日に投票されたオランダ総選挙は、そんな悩める民意を映し出したといえるだろう。

「イスラム教の聖典コーランは発禁。モスク(礼拝所)は閉鎖する」「移民・難民を阻むために国境を閉じる」。こうした極端な反イスラム、反移民を掲げる右翼・自由党がどこまで支持を伸ばすかが注目された。

事前の調査では首位に立つとの予測もあったが、第2党以下の勢力にとどまる見通しだ。

ウィルダース党首は、ツイッターでメディアや既成政治への批判を繰り広げ、「オランダのトランプ」とも呼ばれた。だが、具体的な政策を欠いた実像が選挙戦で次第に露呈した。

わかりやすい主張で人々の感情に訴えるポピュリズム(大衆迎合)の政治家には、国政は任せられないというバランス感覚が働いた結果といえよう。

欧州連合離脱を決めた英国民投票、トランプ氏勝利と、昨年から加速した非寛容や排外主義の流れが欧州を覆うのかに関心が集まっている。

春のフランス大統領選や秋のドイツ総選挙を前に、オランダの結果が、この流れに歯止めをかけた、と安堵(あんど)する声もある。

だが、楽観は禁物だ。

予想は下回ったが、自由党は議席を増やす見通しだ。党首はこれまで社会保障費の削減などを批判してきた。「移民が雇用を脅かし、難民は社会保障にただ乗りしている」という短絡的な宣伝をある程度浸透させることには成功したといえよう。

ルッテ首相が選挙期間中に、「普通に行動できないなら国を去れ」と、移民やイスラム教徒への批判を思わせる広告を出したのも懸念される。右翼に押され政治全体が排斥に傾いているとしたら、ゆゆしき事態だ。

第1党を守るとはいえ、与党で中道右派の自由民主党は議席を減らす。連立を組む中道左派の労働党は議席が3分の1以下になりそうな惨敗ぶりだ。一方、格差是正を訴える左派政党が大きく議席を伸ばしそうだ。

オランダでも、グローバル化に伴って製造業が衰退し、非正規雇用が広がることへの不安や不満が広がっている。

むしろ今回の選挙は、国民を悩ませる問題に正面から取り組む処方箋(せん)を示してこなかった主要政党の怠慢に、国民が異議をつきつけたとみるべきだ。

排外的ポピュリズムの風がやんだわけではない。先進国の政治家には改めて自戒が必要だ。
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[読売新聞] DeNAサイト 情報を発信する責任は重い (2017年03月17日)

利益に目を奪われて、記事発信の原則を蔑(ないがし)ろにした代償は大きい。

IT企業ディー・エヌ・エー(DeNA)のまとめサイト問題で、弁護士で構成する第三者委員会が調査報告書を公表した。

37万件を超える記事から400件を抽出して調べた結果、全体で最大5・6%の記事に著作権侵害の可能性があったという。画像についても、全体の16%に当たる約75万点に侵害の疑いがある。

著作者保護の意識が欠如していると言うほかない。問題発覚後の昨年12月に、DeNAが全10サイトを休止したのは、当然だ。

サイト開設に伴う巨額の投資だけでなく、利用者からの信頼も失ったと言えよう。

報告書で注目すべきは、DeNAのまとめサイトについて、「プラットフォームではなくメディアだ」と判断した点である。サイトは一般利用者の投稿の場である「プラットフォーム」だ、というDeNAの主張を否定した。

多くのサイトでは、投稿の占める割合は5%以下で、ほとんどは、DeNAが企画、執筆に関わる記事だった。それを考えれば、報告書の見解はうなずける。

DeNAがプラットフォームだと主張すること自体、内容に関して責任を負うのを回避しようという意図の表れだ。

メディアである以上、記事には法的、社会的な責任が伴う。記事を公開する際には、正確性や公正性への細心の配慮が不可欠だ。

DeNAの実態は、それとはほど遠いものだった。医療系サイトの「ウェルク」では、専門知識を有する編集者はおらず、医療関係者らの監修も経ていなかった。

参照先の文章を丸ごとコピーしたり、原文の単語や表現を変えたりしただけの記事も多かった。

サイトの製作現場は、閲覧数を伸ばして、広告収入を増大させることに追われていたという。第三者委の弁護士は「数値偏重から公正な稼ぎ方に変えるべきだ」と戒めた。もっともな指摘だ。

DeNAは、守安功社長の役員報酬を半年にわたって50%減額するなど、関係者30人の処分を決めた。日本を代表するIT企業の一つであるDeNAは、抜本的な意識改革を避けて通れまい。

ネット上の情報を集めるまとめサイトは、著作権侵害の危険性と隣り合わせだ。他社でも同様の問題が生じている。一部のサイトを閉鎖した運営企業もある。

業界全体で、サイトの健全化に努めなければならない。
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[朝日新聞] 陸自日報問題 国民への重大な背信だ (2017年03月17日)

重大な国民への背信である。こんな稲田防衛相と自衛隊に、隊員を海外派遣する資格があるとは思えない。

南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊部隊の日報をめぐり、「廃棄した」としていたデータが、陸自内に保存されていたことが新たに判明した。

しかも情報公開請求への不開示決定後に、データが削除された可能性が指摘されている。事実なら、組織的な隠蔽(いんぺい)行為があった疑いが濃い。

問題の日報は、昨年7月の首都ジュバの状況を「戦闘」と記していたが、政府は「衝突」と言い続けた。「戦闘」と認めれば憲法との整合性がとれなくなり、派遣の正当性が崩れるのを恐れたからだ。

その日報が情報公開請求されると、防衛省は昨年12月、「廃棄した」として不開示を決定。その後、統合幕僚監部でデータが見つかったとして一部を公開したが、じつは陸自にもデータはあったということだ。

稲田氏がこのことを知っていたなら、明確な虚偽答弁を繰り返していたことになる。

知らなかったとしても、陸自の「隠蔽」を見抜けなかったことになる。自衛隊の海外派遣という重要政策で、結果として国会で虚偽の答弁を続け、国民に誤った情報を示した責任は免れない。文民統制の観点からも、稲田氏の責任は極めて重い。

陸自が「隠蔽」したとすれば、それはなぜか。

自衛隊派遣を継続し、「駆けつけ警護」など新任務付与の実績を作りたい――。そんな政権の思惑に合わせ、派遣先の厳しい治安情勢を国民の目から隠そうとしたのではないか。

その背景には、制服組の役割をより重視する安倍政権の姿勢もあるようにみえる。

稲田氏は、直轄の防衛監察本部に「特別防衛監察」の実施を指示した。事実関係を徹底的に調べ、速やかに公表するのは国民への当然の責務だ。

きのうの国会で稲田氏は「防衛省、自衛隊に改めるべき隠蔽体質があれば、私の責任で改善していきたい」と強調した。

だが、稲田氏は「森友学園」の代理人弁護士を務めたことをめぐり、事実に反する国会答弁を繰り返し謝罪したばかりだ。

自らの言葉の信頼性が揺らぐなかで「私の責任で改善を」と言っても説得力を欠く。

稲田氏を一貫して主要ポストに起用してきた安倍首相は、どう対応するのか。「徹底して調査してほしい」と言うだけで済むはずがない。
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[読売新聞] 米国務長官来日 対「北」共同対処を強化したい (2017年03月17日)

「新たな段階」を迎えた北朝鮮の脅威の抑止には、日米両国が外交、軍事両面で効果的に共同対処する具体的な戦略を練ることが急務である。

ティラーソン米国務長官が来日し、安倍首相、岸田外相と会談した。北朝鮮の核・ミサイル開発について「断じて容認できない」として、日米韓3か国が緊密に連携する方針を確認した。

北朝鮮は6日、弾道ミサイル4発をほぼ同時に発射し、能登半島沖に着弾させた。「在日米軍基地を攻撃する」部隊の訓練だとされる。マレーシアでの金正男氏殺害事件でも、北朝鮮政府の組織的な関与が濃厚となった。

常軌を逸した金正恩政権の暴走には、一段と警戒が必要だ。

外相会談では、トランプ米政権の北朝鮮政策見直しに関し、日米が意見調整することで一致した。ティラーソン氏は「過去20年間の非核化の努力は失敗した。違うアプローチが必要だ」と述べた。

北朝鮮が前向きな行動をしない限り対話に応じないというオバマ前政権の「戦略的忍耐」政策が機能せず、北朝鮮に核・ミサイル技術の進展を許したのは事実だ。

トランプ政権は「あらゆる選択肢が机上にある」として、軍事的手段も排除しない姿勢を示す。

金政権には、多角的に圧力を強めねばなるまい。米国による「テロ支援国」の再指定は有力な手段となろう。石炭禁輸を発表した中国に、より厳格な制裁の実施を働きかけることも大切である。

ティラーソン氏は、慰安婦問題に関する一昨年の日韓合意への支持を明言した。岸田氏は、5月に誕生する韓国新政権にも合意の履行を粘り強く求めると語った。

日米韓の北朝鮮包囲網を維持するには、慰安婦を象徴する少女像の撤去への努力を含む日韓合意の堅持と実行が欠かせない。

外相会談では、東・南シナ海の安定に向けて、日米が協力することで合意した。中国の独善的な海洋進出を念頭に置いたものだ。

中国が、尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返し、南シナ海の人工島の軍事拠点化を進めているのは看過できない。日米は、東南アジア諸国と協調し、力による現状変更の自制を中国に促すべきだ。

岸田、ティラーソン両氏は、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の早期開催で一致した。

北朝鮮に対するミサイル防衛の拡充や、自衛隊と米軍による共同の警戒監視活動や訓練を強化する方策を検討する機会としたい。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする