2017年03月15日

[東京新聞] サウジ国王来日 国家改造と地域安定と (2017年03月15日)

中東の安定とともに日本のエネルギー安全保障にも不可欠の国だ。サウジアラビアの国王が四十六年ぶりに来日した。サウジが石油依存脱却を目指して進める国家改造を、日本も後押ししたい。

十三日にサルマン国王と会談した安倍首相は、サウジの改革プラン「ビジョン2030」に官民挙げて協力する意向を表明した。

世界最大級の産油国サウジには、原油価格の低迷に加え、隣国のイエメン内戦に軍事介入した戦費が重くのしかかる。ここ数年は赤字財政を余儀なくされている。

一バレル=一〇〇ドルを超えたひところのような油価は、米国のシェール革命によってもはや望むべくもない。このままでは国の行く末は先細りになるという危機感から、国王は若きムハンマド副皇太子(31)に改革のかじ取りを任せた。

サウジは三十歳未満が全人口の六割近くを占める。増え続ける若者の雇用の場を確保するためにも石油以外の産業を生み出し、石油頼みから抜け出すのがビジョン2030の眼目だ。

脱石油の試みは挫折を何度も繰り返してきた。今回も補助金削減や付加価値税の導入といった痛みを伴うメニューもある。野心的な計画である分、激しい抵抗は避けられない。

サウジは豊かなオイルマネーを国民にばらまくことで王室支配を維持してきた。国家改造は王室だけでなく、国家丸抱えで養われてきた国民にも意識変革を迫るものだ。人々の英知を期待したい。

一方、海外に目を転じれば、中東地域の覇権を争うイランの台頭が、サウジにとって最大の懸案である。イエメン内戦に介入したのも、イランが後ろ盾のシーア派武装勢力をたたくためだ。

頼みとするのは米国だ。一九四五年、ルーズベルト米大統領はヤルタ会談の帰路、サウジ建国の父アブドルアジズ国王と洋上会談した。サウジが米国へ石油を安定供給する代わりに、米国はサウジの安全を保障するという同盟関係の始まりだった。

ところが、オバマ前政権がイランとの和解に向かったことから関係は悪化した。それだけにイランを敵視するトランプ政権の誕生は、サウジには朗報だ。中東への関与回復を米国に期待している。

イラク戦争と民主化要求運動「アラブの春」を引き金に、中東情勢は混迷を深める。サウジの国家改造の成功は地域の安定にもつながるだけに応援したい。
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[東京新聞] 残業の上限規制 「欧州並み」目標どこへ (2017年03月15日)

長時間労働の抑制に向けて第一歩になりそうだが、ワークライフバランスを実現するには程遠い。残業の上限規制について政労使が大筋合意した。政府目標の「欧州並み」はどうなったのか。

事実上“青天井”になっている残業時間に、初めて法的な強制力がある歯止めがかけられることになる。安倍晋三首相は「歴史的な大改革だ」と胸をはった。

月四十五時間を超える残業時間の特例は年六カ月までとし、年間七百二十時間の枠内で「一カ月百時間未満」「二〜六カ月平均八十時間」の上限を、罰則付きで法定化する方針だ。

連合の要求で当初案の「一カ月最大百時間」よりは若干修正された。しかし、労災認定基準のいわゆる過労死ラインに相当する働き方を、国が容認するものであることに変わりはない。

そもそも政府の働き方改革は、家庭生活と仕事の両立(ワークライフバランス)を容易にすることが出発点だったはずだ。労働時間についても「欧州並み」の少なさを目指すという目標を掲げていた。ならば過労死根絶は当然のことながら、さらに進んだ対策が求められよう。

現行は残業規制の対象外となっている建設業や運輸業、企業の研究開発部門などの扱いも決まっていない。抜け穴はなくすべきだ。

また、管理職も規制から外れているほか、働いた時間とは関係なく一定時間働いたものとみなす裁量労働制や事業場外みなし制の労働者も事実上、対象外となる。十分な権限がない「名ばかり管理職」や、無理やり裁量労働制を適用するケースが増える懸念もある。管理職の要件を明確にするとともに、行政の監督・指導を強化することは実効性を担保する上で不可欠である。

仕事が終わり、次に働くまでに一定の休息時間を取る「インターバル制度」も企業への努力義務を課すにとどまった。この規制があれば「ほとんどの過労死は防げる」と多くの専門家は指摘する。罰則付きの義務化を検討するべきだ。

長時間労働の抑制は、育児時間がとれないことによる少子化、介護を理由とする離職、一人で子育てを担うため非正規雇用が多くなるひとり親家庭の貧困など、あらゆる社会問題の解決にもつながる。

見直し規定も盛り込まれたが、導入から「五年後以降」といわずより速やかに、残業の上限を下げることを検討するべきだろう。
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[産経新聞] 【主張】裁判員判決の破棄 国民感覚との距離埋めよ (2017年03月15日)

裁判員裁判で下された死刑判決が上級審で無期懲役に減刑されるケースが続いている。

裁判員制度の導入に際しては、職業裁判官だけによる判断は、国民の良識や常識に照らして乖離(かいり)していないか、との反省が込められていたはずである。国民視点の反映という観点が軽視されてはいないか。

大阪・心斎橋の路上で起きた通り魔事件(2人死亡)で大阪高裁は、大阪地裁の裁判員裁判による死刑判決を破棄した。

神戸市長田区の小1女児殺害事件でも大阪高裁は1審の裁判員裁判による死刑判決を破棄した。

心斎橋の事件では「計画性の低さ」が減刑の理由とされた。では衝動的な殺人は社会が一定程度、許容しなければならないのか。

この事件では犯罪被害者支援に取り組む弁護士が「誰でも差し支えないという強固な意志で人を殺していく以上、生命侵害の危険性は計画殺人と同等か、それ以上に高い」と指摘し、「裁判員裁判の否定」であるとして大阪高検に上告するよう申し入れた。

国民の常識にかんがみ、妥当な指摘である。

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神戸の事件では、被害者が1人だったことが減刑の主な要因となった。殺害された被害者が1人の場合、原則として死刑を回避するなどの判断は、昭和58年に最高裁が示した「永山基準」に基づくものとされる。

平成27年2月、最高裁は裁判員裁判の死刑判決を破棄した2件の高裁判決を支持した。いずれも被害者が1人であることなどが減刑の理由とされ、「判例の集積からうかがわれる検討結果を量刑を決める共通認識とし、それを出発点として評議を進めるべきだ」とする補足意見があった。

神戸の事件もこれに沿った判断だろう。だが、判例の集積が量刑を決めるなら、裁判員による真剣な評議はいらない。

被害者が1人の事件でも、多くの裁判員は先例を承知しながら、殺害の動機や犯行態様を考慮し、自身の全人格をかけて死刑判決を選択してきた。

その事実を司法関係者は重く受け止めてほしい。特に性犯罪事件では、裁判員の判断がより厳しくなる傾向が指摘されている。

そうした「国民の感覚」と「先例」の距離を埋める努力こそ求められているのではないか。
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[産経新聞] 【主張】サウジ国王来日 改革支援で中東安定化を (2017年03月15日)

日本が、サウジアラビアの石油依存脱却へ向けた取り組みを、全面的に支援する。

来日したサルマン国王との会談で安倍晋三首相は「中東の要であるサウジとの関係をさらに力強く前進させていきたい」と述べた。

インフラなど9分野での協力を明記した「日・サウジ・ビジョン2030」は、その関係強化に意義あるものだ。中東地域の安定化を図るためにも、日本は戦略的パートナーとして改革を支えたい。

サウジは世界最大の原油輸出国であり、日本の原油輸入の3割を占めている。その国も財政収入の8?9割を原油に依存し、近年、原油価格の低下で財政赤字に苦しんでいる。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国による協調減産を主導したものの、米国のシェールオイル増産により、減産効果は低減した。

サウジとイランの「代理戦争」と評される、イエメンでの戦闘における財政負担も、重くのしかかっている。

産業構造の改革は待ったなしである。日本が寄与できることは多い。エネルギーの安定的な調達は、日本の死活問題であり、生命線である。

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製造業や観光などの産業を育成し、雇用を創出するために、日本からの投資を促し、経験と技術を大いに注入したい。30歳未満の若年層が人口の半分ほどを占め若い労働力が豊富だという。勤勉さといった日本流の美徳も輸出すれば改革の後押しにつながるかもしれない。

日本にとってもビジネスチャンスである。協力の目玉政策の一つである経済特区の創設は、サウジ国内の規制緩和や、企業に対する税制優遇を伴い、日本企業の進出を容易にするからだ。

サウジの体制は、自由民主主義とは異なる。報道の自由が制限され、インターネットへの検閲や接続規制があるという。

それでも、米国の同盟国として中東の安定に寄与してきたことを、忘れてはなるまい。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に対する掃討作戦の一翼を、担ってもいる。

サウジは「脱石油」への協力を、中国にも期待する。中国のエネルギー戦略の狡猾(こうかつ)さは、改めて指摘するまでもない。日本もここは、したたかにいきたい。
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[毎日新聞] 日本とサウジ 幅広く戦略的な協力を (2017年03月15日)

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サウジアラビアの国王が46年ぶりに日本を訪れた。随行者は約1000人とも言われ、宿泊や買い物への期待から「サウジ特需」という言葉も生まれた。裕福なイメージが強いサウジならではの社会現象だ。

だが、実は将来に対するサウジの危機感は強い。輸出総額の9割を石油が占める同国では原油安による財政難もさることながら、新たな産業を育てないと石油埋蔵量の減少とともに困窮する恐れがあるからだ。

今回訪日したサルマン国王の息子であるムハンマド副皇太子は現状を「石油依存症」と呼び、2030年までに非石油分野における政府歳入を今の約6倍に増やすという「ビジョン2030」をまとめた。

これに日本の協力を盛り込んで新たに作られたのが「日・サウジ・ビジョン2030」だ。両国の「戦略的パートナーシップ」の強化を図るもので、安倍晋三首相とサルマン国王の首脳会談後に発表された。

石油大国サウジとの関係強化を歓迎したい。「ビジョン」の柱はサウジにおける経済特区の新設で、日本はサウジへの企業進出や投資の加速による経済成長が期待できる。サウジは日本の技術協力を得て新たな産業育成が容易になる。

国有石油会社サウジアラムコの新規株式公開で研究会設置に協力することにも注目したい。上場先はニューヨークやロンドンが有力とされるが、東京誘致への明るい材料だ。

サルマン国王は日本から中国へ向かう。高齢の国王が約1カ月間も歴訪し、1971年のファイサル国王後では初の国王訪日となったのは、アジア重視と日本への期待の表れだろう。サウジは元来親米国だが、米オバマ政権はサウジの反対を押し切る形でイラン核問題の合意を推進し、米・サウジ関係は悪化した。

トランプ政権との関係は悪くないが、例えば在イスラエルの米大使館がエルサレムに移されれば、イスラムの「守護者」を自任するサウジの対米関係は一気に悪化しよう。

首脳会談でサルマン国王がシリア、イエメン、パレスチナ情勢などに言及したのは、難問山積の中東情勢について、対米関係が良好な日本の理解や支援を得たいからだろう。その期待感を真摯(しんし)に受け止めたい。

とはいえサウジはシリアやイエメン情勢に関してイランを非難し、同国との断交を続けている。中東の安定にはサウジとイランの関係改善が欠かせない。イランとも率直に話せる日本は、米国が偏った政策を取らないよう留意しながら、サウジとイランの融和にも努めるべきだ。

そのためにも、幅広い分野で長期的な視野に立った、サウジとの戦略的な協力が必要である。
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[日経新聞] 迷走する東芝再生の糸口は (2017年03月15日)

東芝の迷走が止まらない。14日に発表予定だった2016年10?12月期決算は監査法人の承認が得られず、再延期された。米原子力発電子会社、ウエスチングハウス(WH)の内部統制の不備が発覚し、調査などにさらに時間がかかるという。

決算の数字は経営にとって最も基礎的なデータであり、それを確定できないようでは、会社の体をなしているとはいえない。一般の株主らに迷惑のかかる上場廃止などを避けるためにも、一日も早い事態の解明が必要だ。

同時に経営再建の道筋を示し、それを遅延なく実行することも急務だ。14日に公表した「今後の東芝の姿について」という計画では、冒頭に「海外原子力事業のリスク遮断」の方針を掲げた。

巨額損失の原因をつくり、東京の本社からの統治が十分に効いているとは思えないWHを切り離すのは妥当な考え方だろう。WH問題を引きずる限り、同社が米国で建設中の原発4基に関わる追加損失の恐れが払拭できないからだ。

ただ、具体的にWHとの関係をどう断ち切るのか。一部には同社の法的整理案も浮上しているが、その場合は東芝にも追加的な費用負担が発生する可能性がある。

そうした衝撃を吸収し、財務基盤を強化するための手が「今後の姿」の2番目に掲げた半導体事業への外部資本の導入だ。

東芝のフラッシュメモリー事業は韓国企業と並ぶ「世界2強」の座にあったが、そんな優良事業を会社存続のために手放さざるを得ない状態に追い詰められた。

買い手は外国資本になる可能性も高いが、国内の生産拠点や技術陣の力を引き続き活用し、半導体の技術基盤が日本にしっかり残るような展開を期待したい。

こうした再建案がうまく進めば、東芝はビル設備や鉄道、水道を担う「社会の裏方」的なインフラ企業として存続の道が開ける。だがそこに至るにはなお様々な課題を乗り越える必要があり、経営陣の決断力と実行力が鍵を握る。
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[日経新聞] 長期の温暖化ガス削減へ具体策を詰めよ (2017年03月15日)

2050年にかけての温暖化ガスの削減戦略を環境省、経済産業省の有識者会議がそれぞれまとめた。双方の内容には隔たりがあるが、政府はこれらをもとに新しい国際的枠組み「パリ協定」の削減目標達成へ向け、着実に長期戦略づくりを進めてほしい。

パリ協定は世界の平均気温の上昇を2度未満に抑え、今世紀後半に温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げた。参加国に短期の削減目標を出させ、5年ごとに見直して最終目標に近づける。

より長期の戦略も20年までに出すよう求めている。両省のとりまとめはその基礎となるが、日本が50年までに排出を80%減らす目標に、どこまで真剣に向き合うかという点で考え方が異なる。

環境省の会議は排出を80%減らした社会の姿を可能な限り具体的に描き、実現に必要な対策や技術を例示した。経産省側の会議はこの目標が現実的ではなく、達成にこだわらないとしている。

50年は遠い将来で、何が起きるかわからない。米国のトランプ政権も温暖化対策に後ろ向きだ。だが、着手が遅れるほど後が大変になるのは間違いない。日本は対策の手を緩めるべきではない。

両省の会議の見解は、温暖化ガスの削減手段でも異なる。環境省側は排出上限を決めて超えた分を買い取る排出量取引や炭素税など「カーボンプライシング」の早期導入を提唱した。

一方、経産省側は海外の失敗例も目立つなどとして効果を疑問視し、導入に極めて慎重だ。日本鉄鋼連盟などは、排出量取引はイノベーションへの投資を妨げかねないと批判する。

しかし、温暖化ガス排出をコストととらえるカーボンプライシングが脱化石燃料への転換を促すとの考えは世界で広がっている。国内でも炭素税は工夫次第で受け入れ可能とする声もあり、選択肢として検討すべきだろう。

もちろん、世界の排出量の3%しか占めない日本の努力だけでは限界がある。優れた環境技術の輸出で途上国の排出削減をめざす取り組みなども一層推進したい。

温暖化ガスの排出量を大きく左右する、原子力発電への依存度をどうするかも極めて重要だ。政府は30年時点の電源構成の20?22%を原発で確保する計画だが、再稼働が進まない現状を考えると実現は難しい。新増設の是非を含め方針を明確にする必要がある。
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[毎日新聞] 稲田防衛相 虚偽答弁の責任は重い (2017年03月15日)

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答弁を訂正して謝罪すれば済む問題ではない。

稲田朋美防衛相が14日、これまでの説明から一転して学校法人「森友学園」関連の民事訴訟に原告側代理人弁護士として出廷していた事実を認め、過去の国会答弁を撤回した。

まず経過を確認しておく。

稲田氏は13日の参院予算委員会でも「私は森友学園や籠池泰典氏の事件を受任したことも裁判を行ったこともなく、法律相談を受けたこともない」と断言していた。

ところが、森友学園が2004年に起こした民事訴訟の口頭弁論に、稲田氏が森友側の弁護士として出廷していたことを示す裁判所作成記録の存在が発覚した。すると姿勢は一変し、「出廷したことがあるのではないかと推測している」と人ごとのように記者会見で語ったうえで「裁判所の記録がある以上、記憶違いだった」と国会で釈明した。

結果として答弁が虚偽であったことは間違いない。「虚偽ではなく記憶違いだった」という稲田氏の説明は著しく説得力を欠く。

そもそも今回の国有地売却問題は、籠池氏と政治家とのつながりがあったかどうかが大きな焦点だ。

稲田氏は明言は避けながらも同じく弁護士の夫が裁判に関わっていたことは否定していなかった。「(前日まで)自信を持って答弁していた」と言うなら、なぜ自らの接点もきちんと確認しなかったのか疑問だ。

一方で稲田氏は、森友学園の系列幼稚園で園児に教育勅語を暗唱させていることに関連し、戦前の教育勅語を再評価する国会答弁をして野党などから批判を浴びている。

ならば稲田氏は森友学園と近いと見られるのを嫌って、無関係であることを強調したかったのだろうか。

いずれにしても、結局、ウソがばれたから認めたのではないかと見られても仕方がない。閣僚が国会答弁を軽んじるのは許されない。

にもかかわらず菅義偉官房長官は稲田氏の責任について「全く問題ない」と早々と語り、安倍晋三首相も擁護する構えだ。

菅氏は務台俊介・前内閣府政務官が岩手県の台風被害視察を巡り「長靴業界はだいぶもうかった」と軽口をたたいて辞任した際には「不謹慎極まりない」と強く批判していた。虚偽答弁の方が責任はより重大だ。この政権の対応も理解に苦しむ。

稲田氏が「籠池氏とは10年来、まったく会っていない」と答弁している点に対しても、籠池氏は一部のインタビューで「1年か2年前、会合でお目にかかった」と語っている。

稲田氏との関係だけでなく、確認すべき点は多い。やはり籠池氏ら関係者の国会招致が必要である。
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[朝日新聞] 豊洲百条委 「安全軽視」の末の混迷 (2017年03月15日)

東京・築地市場の豊洲移転をめぐる都議会百条委員会の審議が進んでいる。

提出された資料や質疑から浮かび上がるのは、東京ガスの工場跡地が移転先候補地になった00年以降、「食の安全」への十分な配慮を欠いたまま既成事実を積み重ね、身動きがとれなくなっていく都の不手際だ。

その結果、巨額の土壌汚染対策費を都民の税金で負担せざるを得なくなり、いまに至っても移転のメドが立たないという混迷を招いている。

今月11日の質疑では、都が土壌汚染の実態を把握していない初期の時点から、東ガスに「安全宣言」を与える姿勢で臨んでいた疑いが指摘された。00年12月、当時の浜渦武生副知事の指示を受けた都庁幹部が「安全宣言をしないと東ガスにとっても地価が下がって困るだろう」と持ちかけたという。同社が提出した文書に記録されていた。

土地の売却を渋る東ガスへの「脅し」とも受け取れるが、市場の利用者や都民の目には、安全を置き去りにした駆け引きと映る。都は何を考え、実際にどんなやり取りがあったのか、引き続き解明が必要だ。

その後の対応も疑問が続く。

東ガスは翌月、環境基準の1500倍のベンゼンが移転用地から検出されたと公表し、対策工事後も汚染が残ることを都に伝えた。だが、都は議会に対し、「東ガスが適切に処理する。市場用地として支障はない」などと安全性を繰り返し強調していた。

都民とその代表である議会の存在をどう考えていたのか。認識が問われてしかるべきだ。

立ち止まる機会は失われたまま、東ガスによる土壌処理が終わった後の08年、今度は基準の4万3千倍ものベンゼンが検出された。対策費860億円の大半に都税が投入されている。

この間、当時の石原慎太郎知事と浜渦氏は、都の最高幹部としてどんな協議を重ね、判断を下し、指示を出したのか。両氏はこの連休中に百条委に喚問される。正確・丁寧に都議の質問に答えてほしい。

石原氏は今月3日に記者会見をしたが、内容に明らかな事実誤認があり、会見後に自ら訂正のコメントを出すという醜態をさらした。「豊洲移転は私が知事に就任する以前からの既定路線」という釈明も、元部下たちが先日の百条委で具体的な事実をあげて否定している。

改めて事実を精査し、今度こそ都民への説明責任を果たす。4期13年余にわたって知事の座にあった氏の責務である。
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[朝日新聞] 稲田防衛相 こんな釈明は通らない (2017年03月15日)

国会答弁の重みを、稲田防衛相は理解していないのではないか。閣僚としての責任が厳しく問われる事態だ。

国有地売却問題で揺れる「森友学園」の代理人弁護士を、稲田氏が務めたかどうか。

一昨日の参院予算委員会で、稲田氏は「裁判を行ったことはない」と言い切っていた。

ところが、学園が2004年に起こした民事訴訟で、稲田氏が原告側代理人弁護士として出廷したことを示す大阪地裁の記録が見つかったと報道された。

すると稲田氏はきのう自らの出廷を認めたうえで、答弁を訂正し、謝罪した。

森友学園の理事長を退任する意向を示した籠池(かごいけ)泰典氏が、稲田氏夫妻がかつて「私の顧問弁護士だった」と語ったことについても、きのうになって一転、「夫が顧問弁護士契約を結んでいた」と認めた。

基本的な事実関係について、事実に反する国会答弁を繰り返していたことになる。

耳を疑うのは稲田氏の記者会見での釈明だ。「私は本当に自分の記憶に基づいて答弁をしている。従って私の記憶に基づいた答弁であって、虚偽の答弁をしたという認識はない」

こんな言い訳が通るなら、都合の悪い事実を隠したり、ごまかしたりしたことが後に明らかになっても、「記憶に基づいた答弁だった」と言えば済むことになりはしないか。

閣僚の国会答弁は歴史として後世に残る。不明確な点があれば答弁を保留し、事実を確認したうえで答弁すべきだ。

南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐっても、稲田氏の答弁は信頼性を欠いた。

陸上自衛隊部隊が派遣されている首都ジュバでの昨年7月の大規模な戦闘を「衝突」と言い張った。なぜ「戦闘」と認めないのかを問われると、「憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではない」と答えた。

自衛隊派遣の正当性を主張したい政権の思惑に合わせるため、現実をねじ曲げた答弁だ。本末転倒もはなはだしい。

稲田氏と籠池氏の主張の矛盾は他にもある。

たとえば、籠池氏は稲田氏と「2年か1年前に業界の筋の会合でお目にかかって直接話した」としているが、稲田氏は籠池氏とは「ここ10年来、全く会っていない」と語っている。

正しいのはどちらか。やはり籠池氏の国会招致が不可欠だ。

国防を預かる稲田氏の答弁の信頼性そのものが揺らぐ、深刻な事態である。任命権者の安倍首相の対応も問われている。
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[読売新聞] 米国通商政策 国際ルールに背を向けるのか (2017年03月15日)

自国に不利益なら国際的な通商ルールを無視する。一方的な対抗措置も取る。あまりに独善的な態度である。

「米国第一」を掲げるトランプ米政権の通商政策の方針が、明らかになってきた。

通商代表部(USTR)が年次報告を発表し、世界貿易機関(WTO)の決定が米国の利益を損なうなら従わない、と明記した。

WTO協定は、自由貿易促進のために守るべきルールを定める。米国の方針は、各国が利害を超えて維持してきた貿易秩序に背を向ける、と宣言したに等しい。

紛争が生じた貿易相手国に対するWTO提訴が最も多いのは、他ならぬ米国である。「勝てば、相手に従わせる。負けたら、自分の非は認めない」という、ご都合主義が通じるはずはあるまい。

見逃せないのは、年次報告が、発動すればWTO違反の可能性がある米通商法301条に言及し、市場開放を促す「強力な手段になり得る」と指摘したことだ。

301条は、米国が貿易相手国に高関税などの制裁を一方的に発動できると規定している。

自動車や半導体など、日米貿易摩擦の度に振りかざした米政権の「伝家の宝刀」だ。クリントン政権時代には、日本製高級車に100%の関税を課す案を示した。

トランプ政権は、多国間の貿易協定から2国間交渉に軸足を移すと表明している。301条をちらつかせて威嚇的な姿勢で臨むつもりならば、看過できない。

トランプ政権は、まず日米貿易の実情を正確に把握せねばならない。WTOに最近、送付した意見書でも、日本の自動車市場に非関税障壁があると批判し、農産物の高関税も問題視している。

いずれも的外れな指摘だ。

日本は輸入車に関税をかけていない。米国がやり玉に挙げる車検制度も、特定の国を狙い撃ちにしたものではない。欧州車は日本で着実に販売を伸ばしている。

米国勢は、商品開発や販売戦略などで、日本の消費者を引き付ける努力と工夫を怠っている。それが売れ行き不振の主因だろう。

農産品にしても、環太平洋経済連携協定(TPP)で、日本の牛肉関税などの大幅な引き下げが実現するはずだった。TPPから離脱し、その恩恵をみすみす手放したのは米国自身ではないか。

貿易などを幅広く協議する「日米経済対話」が来月始まる。日本側は、米国の誤解に基づく主張に屈することなく、事実に根ざした建設的な議論を深めるべきだ。
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[読売新聞] 残業上限規制 過重労働の横行改める契機に (2017年03月15日)

長時間労働に歯止めをかけ、多様な人材が活躍できる環境を整える。過重労働が蔓延(まんえん)する現状を改める契機としたい。

残業時間の上限規制に関する協議で、経団連と連合が合意した。残業は月45時間、年360時間までを原則とする。繁忙期などには特例として年720時間、月平均60時間まで認める。

焦点だった繁忙期の1か月当たりの上限は、「100時間未満」とすることで事実上決着した。

100時間を巡り、経団連は「以内」、連合は「未満」を主張して譲らず、安倍首相が連合の意を汲(く)んで裁定した。

「働き方改革」を断行しようという首相の意思の表れだろう。労使の合意は、大きな前進だ。

政府は合意を反映した働き方改革実行計画を近く策定し、関連法案の早期の国会提出を目指す。

労働基準法は、労働時間を1日8時間、週40時間までと定めるが、労使協定を結べば、残業が可能だ。月45時間、年360時間以内が基準だが、強制力はない。しかも、協定で特例を定めれば、基準を無制限に超過できる。

実質的に青天井で残業が認められる現状を改め、残業時間の上限を法定化する。違反に対する罰則も設ける。過重労働を抑制する上で、その意義は大きい。

「月100時間」は、脳・心臓疾患による労災認定基準に準拠する。「過労死ライン」ぎりぎりの残業を許容することに対し、過労死遺族らは強く反発している。

繁忙期の特例上限は、超えてはならない最終ラインだ。上限いっぱいの残業を肯定する趣旨ではない。経営側は、その点を肝に銘じる必要がある。やむを得ず特例を適用する場合も、月45時間の原則に近づける努力が求められる。

労使合意は、終業と始業の間に一定時間を確保する「インターバル制度」の普及も掲げた。企業に導入の努力義務を課す。従業員の疲労回復のために有効な制度である。政府の支援も拡充したい。

課題は、残業規制が当面、適用されない建設・運送業などの扱いである。実効性のある規制の在り方を検討すべきだ。

電通の過労自殺問題などでは、残業時間の過少申告や「隠れ残業」が発覚した。上限が規制されても、守られなければ意味がない。監督・指導体制の強化が不可欠だ。

企業は人手不足感を強めている。業務の量や内容が変わらなければ、残業は減らせない。情報通信技術(ICT)の活用などで効率化を図ることが重要である。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする