2017年03月09日

[産経新聞] 【主張】北の核戦力 「日本標的」に備えあるか (2017年03月09日)

4発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射した北朝鮮が、あれは在日米軍基地を攻撃する訓練だったと主張している。

つまり、本番では日本領土を標的にすると公言したようなものであり、看過できない。

露骨な挑発に屈することなく、核・ミサイルの脅威から国民の生命をどう守るか。政府与党にはもっと切迫感を持った対応を求めたい。

国連安全保障理事会がミサイル発射後、迅速に北朝鮮を非難する報道声明を発表したのは、適切だった。「さらなる重大な措置」に言及して北朝鮮を牽制(けんせい)した。

今後、制裁強化などどれだけ実効性のある措置をとれるか。「抜け穴」を作ってきた中国をどう動かすかも課題である。

問われているのは、直接的にミサイルの脅威にさらされている日本が、どれだけ自らの問題として考えぬくかである。

ミサイル発射当日、自民党の二階俊博幹事長は党対策本部の会合で、「4発も撃ったのに(日本から)何も反応がないのでは、世界中からバカにされる」と述べた。従来と変わらない政府の対応について、真剣さが足りないと指摘したものだ。

国会では、参院がミサイル発射に抗議し、北朝鮮を非難する決議を採択した。衆院も同様の決議を行う。抗議の意思を示す決議をすること自体はよいが、この事態に日本はどう対処すべきかの具体論を避けているのは、極めて不十分である。

続きを読む

日本が攻撃を受けた場合の措置が問われていることを明確にし、エスカレートする行為にどう対処するかを考える必要がある。敵基地攻撃能力の保有についても、立法府として積極的な検討に取り組むべきである。

日米首脳がすぐに電話協議を行い、「新たな脅威」として認識を共有したのは妥当だ。さらに、今月中旬に来日するティラーソン米国務長官との協議は、北朝鮮への対応を直接、話し合う重要な機会となる。

今回、北朝鮮は4発のミサイルをほぼ同時に発射し、約50キロの範囲内に着弾させた。技術の向上が迎撃を難しくしていることを、日米双方が冷静に分析し、かつ重く受け止めなければならない。

新たな脅威に対し、どのような措置が必要かを率直に話し合うことは、喫緊の課題である。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 3・11と原発避難者 支援の幕引きは早い (2017年03月09日)

政府は福島原発事故による避難指示を一部区域を除いて一斉解除する。故郷に帰るか、移住するのかを避難者に迫る。支援の幕引きなら早すぎる。

原発事故のために横浜市に避難中の生徒が、同級生に飲食代など百五十万円を払わされるいじめが発覚したとき、村田弘さん(74)は自分を責めた。生徒は国の避難指示の区域外からの「自主避難者」で、同じ地域に住んでいたこともある子どもだったからだ。

福島県南相馬市から避難した村田さんは「福島原発かながわ訴訟」の原告団長を務める。被害賠償などを求めて争う各地の集団訴訟でも、子どもがいじめられているという訴えを何度も耳にしていたが、向き合えていなかった。


◆いじめ許容する空気
----------

原発避難者へのいじめはその後も次々に発覚した。大人たちの避難者への無理解や差別、偏見が影を落としているのではないか。

福島県内外に避難している人は約八万人、そのうち強制ではない自主避難者は約三万人いる。被ばくを避けようと自ら決めた避難だとみなされるために「いつまで避難するの」「放射能を気にしすぎ」と非難めいた言葉も投げ付けられている。避難者問題を早く片付けようとする国の姿勢がそのまま重なるようである。

政府は東京五輪が開催される二〇二〇年から逆算するように今春、避難者政策を一気に終わらせようとしている。居住制限区域や帰還困難区域の一部の計三万二千人の避難を解除し、賠償も来春に終える。

福島県では各地の自主避難者に対し、公営や民間の物件を仮設住宅とみなして無償提供を続けてきたが、政府方針に歩調を合わせるように今月末で打ち切る。


◆消されていく存在
---------

原発事故によって生活を壊されたのは同じでも、自主避難者には月十万円の精神的賠償もない。文字通り“命綱”だった住まいからも退去を迫られ、経済的事情から地元に帰った人は少なくない。

住宅の無償提供にかかるのは年間約八十億円。除染に兆単位の復興予算がつぎ込まれていることを思えば過大な額ではないはずだが、国が決めた避難者がいなくなるのだから、自主避難者に支援する理由はなくなるという判断か。問題の根本は、原発事故という避難原因をつくりながら住宅ひとつ、避難者救済に関与しない国の無責任さにある。原発は国策だ。

納得できないのは、避難指示解除を通告された住民も同じだ。放射線量の避難解除基準は、事故時に「緊急時」を理由に設定された年間二〇ミリシーベルトのまま。「大丈夫」と安全を押しつけられても、被ばくリスクを甘受するいわれはない。

汚染土を詰めた袋が山積みになった故郷に帰還を促す。帰還しないなら移住の決断を迫る。原発避難者という存在は、こうして見えない存在にさせられていく。避難先から追われている自主避難者はすべての避難者の明日の姿だ。

事故から六年という人為的区切りの後はもう、生活再建を自己責任に任せるというのでは、避難者は追い詰められるばかりだ。最悪の場合、自殺を選びかねない−。原発避難者の心の状態を調べてきた早稲田大学教授の辻内琢也さんはこう警告する。支援が乏しい自主避難者は、帰還のめどがたたない帰還困難区域の人とともに強いストレスを感じていた。

原発事故によって被災者は人生や生活を奪われただけに終わらず、加害者である国や東京電力が主導する帰還や賠償の政策にも苦しめられている。辻内さんはこの状態を「構造的暴力」と呼ぶ。そこには当然、差別やいじめを醸成する社会の空気もある。賠償の一部を電気料金に上乗せして回収するという議論は、その反発が被災者にはね返りかねない象徴的口実ではないか。「基地建設に反対する沖縄県民に向けられるような直接的暴力はなくても、真綿で首を絞められるような息苦しさがある」と村田さんは言う。

すでに避難解除した楢葉町などでも肝心の住民は一割程度しか帰っていない。賠償の打ち切りと一体となった解除には懸念する声の方が強いのである。


◆帰還か移住かでなく
----------

幼い子や学齢期の子たちの将来が見通せるようになるには、最低でもまだ十年はかかるだろう。

原点に戻ろう。避難の権利を認めた「子ども・被災者支援法」に基づいて、故郷に帰る人にも、避難を続ける人にも支援を続ける。従来の「みなし仮設住宅」を「みなし復興住宅」に変えて認める中間的制度をつくることも、孤立死を防ぐと辻内さんは提案する。

原発災害は長く続く。復興の掛け声の下で避難解除を優先し、少数派の避難者を切り捨てていくようでは、“棄民”政策だというそしりは免れない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】三越伊勢丹 百貨店の価値見つめ直せ (2017年03月09日)

百貨店最大手、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が、業績低迷から事実上の引責辞任に追い込まれた。

ネット通販や低価格衣料の伸びなどで、百貨店の経営環境は厳しさを増している。大西氏は事業の多角化に活路を求めたが、十分な成果は挙げられなかった。

百貨店業界において、消費構造の変化に対応した経営改革は同社に限らず急務である。高コスト体質の是正は欠かせず、セール乱発の安売り依存によって将来を展望することは難しい。

百貨店らしい付加価値の高い商品やサービスとは何か。消費者の信頼維持に何が求められるのか。改めて見つめ直すべきだろう。

9年前、三越と伊勢丹の統合で発足した同社は、「社内融和」の優先がネックとなり、経営構造の改革が遅れた。

大西氏は平成24年に社長に就任後、三越千葉店など不採算店の閉店を決める一方、旅行や結婚式などの新規事業で収益増を図ろうとしていた。

十分な結果を出せなかったとはいえ、改革の必要性は今後も変わらない。同社は百貨店本業の販売比率が他社より高く、それを引き下げながら収益基盤を強化するには事業の多角化が必要だった。

新経営陣はその流れを加速するのか見直すのか。新戦略として早急に打ち出さねばなるまい。

続きを読む

業界で広がる店舗閉鎖は、都心郊外店にも及んでいる。中心市街地にある百貨店の閉鎖後、跡地利用が進まない地域も多い。街の活性化の妨げにもなっている。

低価格で集客力のあるテナントの誘致にも有効な面はあるだろう。だが、何よりも大切なのは接客業のプロとして、顧客に魅力ある商品を売り込む能力を備えた人材を育てることである。

大西氏に代わり、4月1日付で杉江俊彦取締役専務執行役員が昇格する。大西氏は業界の顔である日本百貨店協会長も務めてきた。新社長を含む経営陣の記者会見が開かれないのはおかしい。

背景には、伊勢丹出身の大西氏への三越出身者の反発があるとの見方もある。大西氏の改革路線に対し、業務負担が増えるという反発もあったというが、社内の「不協和音」を残したまま新たなビジネスモデルを切り開くことなど望めまい。「お家騒動」で貴重な経営資源を浪費する余裕はない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[日経新聞] アジアと世界の安定に資する米中関係を (2017年03月09日)

トランプ米大統領の台湾問題への発言などで不透明感が漂った米中間の接触が再び活発化している。中国の王毅外相は8日の記者会見で、習近平国家主席とトランプ氏の電話会談に続く、実際の首脳会談へ向けた調整に言及した。近くティラーソン米国務長官による初の訪中も予定されている。

安倍晋三首相は先に米国でトランプ大統領と会談し、一定の信頼関係を築いた。とはいえ今後の米中関係の行方も、日本やアジア地域の安全保障に大きく影響するという点では重要だ。中国には、中長期的なアジアと世界の安定に資する米国との関係づくりを望みたい。

問題は山積している。中国による南シナ海での岩礁埋め立てには多くの周辺国が反発している。

北朝鮮の核・ミサイル開発問題も解決の道が見えない。中国は年内の北朝鮮からの石炭輸入を止めるとしたものの、開発阻止へ向けて持てる影響力の全ては使っていない。それどころか北朝鮮の脅威に備える米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備に強く反対している。

中国人の韓国旅行を制限し、THAAD向けに土地を提供した韓国企業にも圧力を加えている。北朝鮮による金正男氏の殺害事件への態度も曖昧だ。中国は矛先を向ける相手を間違えている。

中国は5月、欧州やアフリカまで陸路と海路でつなぐ「新シルクロード構想」の実現に向けた首脳会議を北京で開く。この枠組みが米国に対抗するための手段として使われるのなら、世界経済の安定にはつながらない。中国は、日米韓や周辺国との真の融和へ明確にカジを切るべきだ。

日中関係は5年前の沖縄県尖閣諸島の国有化を機に冷え込んだ。その後、安倍首相と習主席が数度会談し、回復軌道に入るかに見えたが、なお足踏みしている。

今年は1972年の日中国交正常化から45年という節目の年に当たる。ところが王外相は記者会見で、日中戦争の端緒となった盧溝橋事件から80年である事実にもあえて触れた。「歴史認識問題」を通じて日本国内の動きをけん制するのは、かつて見た風景だ。

昨年は韓国の政局問題もあって日本での日中韓首脳会談の開催が先送りになった。道はかなり険しいが、今年はまず李克強・中国首相の来日を実現し、その後の日中トップの相互往来を探るべきだ。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 北朝鮮 国家の卑劣さが際立つ (2017年03月09日)

[PR]

北朝鮮が自国内にいるマレーシア国民の出国を禁止した。マレーシアに滞在している自国の外交官と国民の「安全が完全に保証される」までの措置だと説明している。

金正男(キムジョンナム)氏殺害事件で警察が追っている高麗航空職員と北朝鮮大使館2等書記官を、捜査に応じないまま出国させる狙いのようだ。

2人ともクアラルンプールの大使館内にいるとみられる。警察の厳しい監視で身動きの取れない状況を打破しようというのだろう。

マレーシアのナジブ首相は「人質を取る行為」と強く非難し、自国内にいる北朝鮮国民の出国を禁じる対抗措置を取った。

異国に閉じこめられた人々の不安は想像に難くない。本人の意思に反して出国を認めないことは、移動の自由を定めた国際人権規約違反である。犯罪の疑いがある場合などは例外だが、特定の国籍であることは理由となりえない。速やかに撤回されるべきだ。

北朝鮮が出国を禁じたマレーシア人の中には国連職員もいる。北朝鮮は、国際社会全体に対する挑発と受け取られることを分かっているのだろうか。

マレーシアは事件後に北朝鮮へ戻った容疑者4人の引き渡しも求めている。北朝鮮はこれにも応じないどころか、韓国の陰謀説を主張してマレーシア批判を強めるばかりだ。友好的だった両国の関係は急速に悪化しており、互いの大使を国外退去処分にした。

事件への関与を否定する北朝鮮の猛反発は、むしろ国家犯罪ではないのかという疑念を強めている。

一方で、マレーシアを強く圧迫すれば状況を好転させられるはずだという意識も感じられる。

北朝鮮の身勝手な思い込みにすぎないものの、最近の北朝鮮の行動に共通する傾向でもある。経験の浅い金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が強気一辺倒で、独裁下で忠誠競争に走る官僚たちも強硬さを競っているのなら極めて危険だ。

北朝鮮は6日の弾道ミサイル発射について、有事に在日米軍を攻撃する部隊の訓練だったと発表した。米国にミサイル能力を誇示する目的を明示したものだが、実際にはトランプ政権を強硬な政策に追いやるだけだろう。

金正日(キムジョンイル)政権の時代には北朝鮮なりの計算をうかがわせる行動が少なくなかった。冷静さを欠いたようにしか見えない行動が目立つ現在との違いは大きい。

韓国の外相は、国連加盟国としての資格停止や国際刑事裁判所(ICC)の活用を提唱した。北朝鮮の無法ぶりを考えれば、真剣に検討されるべきだろう。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[日経新聞] サウジ改革をアジアの好機に (2017年03月09日)

サウジアラビアのサルマン国王がアジアを歴訪中だ。マレーシアやインドネシア、中国に続き、12日からは日本を訪れる。

多数の閣僚を含む大訪問団はサウジのアジア重視の現れだ。アジアの国々がこの期待に応え、双方向の関係を深める機会にしたい。

高齢のサルマン国王がこの時期に数週間をかけてアジア諸国を回るのは、国際政治・経済におけるサウジの立ち位置の変化と無縁ではないだろう。

サウジは世界最大の原油輸出国だ。イスラム教の聖地メッカを抱えるイスラム世界の盟主でもある。米国の重要な同盟国だが、イランとの和解を探ったオバマ政権との間で関係が冷え込んだ。

トランプ政権誕生に期待する一方、米国に傾斜してきた外交の軸足を見直す兆しもある。国王は脱石油依存を掲げ、大胆な経済・社会改革に着手した。雇用を生み、ものづくりや観光などの産業を育てるパートナーを求めている。

それがアジアだ。石油頼み脱却には、まず原資を稼ぐ強い石油産業が必要だ。安定した原油供給先を確保しなければならない。

サルマン国王はマレーシアとインドネシアで、それぞれ製油所建設への巨額投資で合意した。サウジの関与は、アジア諸国のエネルギー安定調達の点からも重要だ。

同時にサウジが目指す国づくりへの協力を積極的に進めたい。製造業を誘致し、民間部門を育てるには、日本の経験や技術、資金はもちろん、インドネシアやマレーシアなどアジアのイスラム教徒の多い国の役割も大切だ。

これらの国々からは毎年、多数の巡礼旅行者がメッカを訪れる。サウジにとって旅行者が生む需要は大きな商機だ。インドネシアやマレーシアではイスラム教の戒律に沿った食品生産や医療などのサービスも充実している。

こうした企業がサウジに進出したり、サウジ人がマレーシアで医療サービスを受けたりするなど、イスラム経済園ならではの関係強化も期待できるはずだ。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 皇室と国会 安定継承の議論確約を (2017年03月09日)

[PR]

天皇陛下の退位に関し、衆参両院の正副議長が主催する与野党の全体会議が開かれた。正副議長は3回にわたった会議の議論を踏まえ、改めて各党派から個別に意見を聞いたうえで今月中に見解を示す考えだ。

退位の問題は、天皇の地位をどう安定的に継承するかの問題と切り離すことはできない。与野党は皇位の安定継承についての議論を次の課題とすると確約すべきだ。

皇位継承の安定を巡っては、与野党に温度差がある。

全体会議で民進党の野田佳彦幹事長は、皇族減少対策につながる女性宮家創設に触れ「可及的速やかに検討し、結論を得るべきだ」と述べ、期限を定めて国会の場で議論するよう求めた。

これに対し自民党の茂木敏充政調会長は「女性皇族の年齢からしても女性宮家の問題は先延ばしできない」としつつ「検討の在り方、検討の場は慎重な対応が必要」と語った。

自民党が議論の必要性を認める一方、議論の時期や協議機関の設置などを明言しないのは、女性宮家創設に対する党内の反対論に配慮したためだろう。

女性宮家創設は旧民主党政権の2012年に野田内閣が検討した。直ちに皇位継承の安定につながるわけではないが、将来の女性・女系天皇の布石になるとみられている。

天皇と皇族は計19人いる。天皇家は10人で、ほかの9人のうち8人は女性皇族だ。未婚の女性皇族は7人いるが、結婚した場合は皇室典範の規定により皇籍を離脱する。

対策を講じなければ、将来的には天皇家を除いて宮家が途絶え、皇室制度が立ち行かなくなるおそれもある。女性宮家はこうした事態を回避する目的がある。

皇位はかつて女性天皇、側室の子や養子によって継承された時代があった。しかし、現在は皇統の重視や人権の尊重からなくなり、皇位継承資格者の対象は狭まっている。

小泉内閣は05年、今の陛下の孫の代に男系男子がいなかった状況を踏まえて女性・女系天皇容認に動いたが、悠仁さまの誕生で立ち消えた。

野田内閣時の女性宮家創設も、直後の自民党への政権交代で棚上げになった。結論を先送りしてきたのは政治の不作為だ。とくにこの問題を避けてきた自民党は反省すべきだ。

天皇退位を実現する法整備を巡っては、特例法か皇室典範改正かで与野党の溝がなおある。皇位の安定継承の議論に確実につなげるという認識を与野党が明確にすれば、歩み寄りを後押しすることにもなろう。

天皇退位の円満決着を優先する与党が野党の譲歩を促すための「口約束」で終わってはならない。
posted by (-@∀@) at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 大震災から6年 「原発は安い」では済まぬ (2017年03月09日)

東日本大震災からまもなく6年。復興はまだ道半ばだが、とりわけ原発被災地の福島県では今も8万人が避難生活を強いられ、地域社会の再生は見えない。原発事故の被害とその処理費用も膨らみ続けている。

にもかかわらず、政権は原発を「重要な基幹電源」として、今後も積極的に使う構えだ。

事故の惨禍を目の当たりにしてもなお、原発に頼り続けることに理はあるのだろうか。政府や電力業界が言うように、本当に「原発は安い」のか。

■膨らみ続ける費用

東京都内のホール。福島第一原発の事故で全町避難を強いられた福島県浪江町が2月に開いた住民との懇談会で、避難者たちが次々に悲痛な声を上げた。

「除染が終わったと連絡が来たが、線量は十分に下がっていない。これでは家に帰れない」

「私たちは原発事故で町を追い出された。帰れない人には東電が家賃を払い続けるべきだ」

浪江町の中心部は今月末に避難指示が解除され、住民は戻れるようになる。ただ、楢葉町など指示がすでに解除された地区では帰還率が1割ほどのところが多く、先行きは厳しい。

炉心溶融を起こした原子炉の内部は、惨状がようやく見え始めたところだ。高熱で曲がった鉄格子、こびりついた黒い塊……。東京電力は2号機に調査ロボットを投入したが、人間なら数分足らずで致死量に達する強い放射線や堆積(たいせき)物に途中で阻まれた。溶け落ちた核燃料を取り出す道筋は見当もつかない。

賠償や除染、廃炉などの費用について経済産業省は昨年末、総額21・5兆円にのぼるとの見通しを示した。従来想定の2倍で、巨額の負担が電気料金や税金として国民にのしかかる。そもそも、壊された生活や地域社会など金銭では表せない被害もある。痛手は計り知れない。

■保護ありきの政府

政府は東電をつぶさないため、支援策のてこ入れに乗り出した。東電や原発を持つ電力大手各社が負担してきた賠償費を、今後40年間にわたって、電力自由化で参入した「新電力」にも一部負担させる方針だ。

これは、自由化でめざす消費者の利益より、原発の保護を優先するやり方にほかならない。原発を持たない新電力にも原発固有のコストを押しつけ、大手の負担を軽くするからだ。

なりふり構わぬ姿勢から浮かび上がるのは、原発はもはや強力な政策支援がないと成り立たないという実態である。

それでも、経産省は「福島事故の費用を織り込んでも、原発のコスト面の優位性は変わらない」と言う。引き合いに出すのは15年に示した試算だ。原発を新設する場合の発電コストについて、火力や自然エネルギーなど他の電源より低いとする。30年度時点で必要な電気の2割ほどを原発でまかなう政策の根拠としている。

だが、これにはさまざまな疑問が出ている。原発に批判的な専門家は「試算は、原発を大きなトラブルなく長く運転できることが前提。過去の稼働状況や費用の実績をもとに計算すれば、発電コストは高くなる。建設費用も震災後は世界的に上昇している」と指摘する。

経産省の試算には、費用の見積もりが仮置きにすぎない項目も目につく。たとえば核燃料サイクルは技術が確立されておらず、具体的な進め方も未定の部分が多い。長年の懸案である高レベル放射性廃棄物の最終処分地選びは遅々として進まない。これらは既存の原発にもかかわる問題だ。

歴代の政権は、原発推進の旗を振りつつ、「負の課題」については先送りやその場しのぎを繰り返してきた。そんなやり方は、もはや限界だ。

■脱原発への具体策を

今年は国のエネルギー基本計画を見直す時期に当たる。この機をとらえ、原発をはじめ各電源の経済性やリスク、利点を精査し、新計画に反映させるべきだ。原発推進派だけでなく、批判的な専門家も招き、多角的に検討することが欠かせない。

海外に目を向ければ、ドイツや台湾が脱原発を決めた。他の先進国でも原発を前倒しで閉鎖したり、原発への依存度を下げる目標を掲げたりする動きが出ている。安全性を重視する社会では、事故や廃棄物への対策が解決できていない原発は、手に余るものになりつつある。

そのきっかけとなったのが、福島の事故だった。安全規制の強化とコストの上昇は最近の東芝の経営危機にもつながった。

安倍政権がなすべきなのは、原発を取り巻く現実や再稼働に慎重な民意に向き合い、原発への依存度を着実に下げていく具体策を真剣に練ることである。

閉鎖的な「原子力ムラ」の論理が幅を利かせ、安全神話がはびこった結果、福島で何が起きたか。この6年間をいま一度思い起こし、エネルギー政策を合理的で持続可能なものに作り替えなければならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 福島の除染 復興促進へ効率的に進めたい (2017年03月09日)

福島の復興を着実に進めるためには、効率的な除染を続けていくことが欠かせない。

東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質の除染は、ヤマ場を越えたと言える。帰還困難区域を除く地域での政府直轄の除染作業が、今月末でほぼ終了する。

家屋や道路を洗浄したり、庭や農地の表土を削り取ったりする。1月末時点で、南相馬市、浪江町の計300ヘクタールほどが残るだけだ。除染を終えたほとんどの地域で、避難指示解除の目安である年間被曝(ひばく)量20ミリ・シーベルトを十分に下回る。

今後も、泥がたまる側溝などで放射線量が高くなることもあろう。柔軟な対応が求められる。

森林の除染範囲は原則として、縁から20メートル奥までだ。政府は昨年、森林内の遊歩道やシイタケ栽培地など10か所を除染モデル地区に選定した。住民や林業関係者が除染範囲の拡大を要求したためだ。

山の表土を広くはぎ取ると、土壌流出の危険性が高まる。費用対効果を見極めて、最良の方法を探ってもらいたい。

帰還困難区域の除染は、課題として残る。対象地域の一部について、政府は、東電に費用を求めずに、国費で除染とインフラ整備を並行して進める方針だ。地域の再生を少しでも前進させるためには、現実的な手法だろう。

除染に関して、大切なのは、正確な情報を伝えて、住民が抱く放射線への不安を軽減することだ。避難指示が解除されても、「安全だと分かっているが、心配だ」といった理由で、避難先にとどまったままの住民は少なくない。

環境省や福島県は、市町村や学校、自治会などで、説明会を繰り返し開いている。専門家が分かりやすく説明するなど、不安軽減に向けた一層の工夫が必要だ。

第一原発周辺の中間貯蔵施設では、県内各地から搬入された汚染土の中の草木などを除去する施設の建設が進む。秋から本格稼働し、汚染土の埋め立ても始まる。

用地取得が難航し、中間貯蔵施設全体の整備は遅れている。保管量は最大で2200万立方メートルだが、これまでに運び込まれたのは、その1%にも満たない。

県内では、いまだに軒先や農地に置かれたままの汚染土が多い。政府は、中間貯蔵施設の必要性を粘り強く訴えねばならない。

保管量を減らす努力も重要になる。環境省は、低線量の汚染土を道路や堤防の建設に活用する実験を行う。安全な再利用法を確立し、理解を求めていくべきだ。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 森友学園問題 昭恵夫人は言動の重さ自覚を (2017年03月09日)

学園理事長の教育者としての資質が問われる事態になりつつある。

学校法人「森友学園」が大阪府に提出した、豊中市に建設中の小学校の設置認可申請を巡る資料に、事実と異なる点が次々と発覚した。

資料には、校舎などの建築費に関し、国土交通省への補助金申請書類と異なる金額を記載した契約書が含まれる。府には「7億5600万円」、国交省には「23億8400万円」と報告していた。

別の金額の契約書も、大阪空港の運営会社に提出された。

学園側は、建築費の増額分を見込んで申請したというが、より多くの補助金を受け取るために虚偽の契約書を提出したのなら、学校法人としてあるまじき行為だ。

資料は、愛知県の私立中高一貫校の推薦入学枠を確保したとも記載していた。相手校が「事実無根」と否定すると、ミスを認めた。

松井一郎府知事は学園側の姿勢に不信感を募らせている。府は申請内容を精査し、設置の不認可も検討する。当然の対応だろう。

国会で野党は、森友学園の問題で政府を追及している。

小学校用地の国有地が評価額を8億円余も下回る価格で学園に売却されたことについて、財務省などは、国有地内のゴミ撤去費用を差し引いたと説明する。

現地調査を踏まえ、公共事業に使用される積算基準に基づき、ゴミの処分量と作業単価から国交省大阪航空局が算出したという。

膨大な廃棄物が埋まった土地である以上、売却価格の減額は正当であり、政治家の関与はなかった、という見解は理解できる。

自民党の鴻池祥肇・元防災相は森友学園の籠池泰典理事長から、財務省への働きかけを要請され、謝礼を渡されそうになったことを明らかにした。ただ、仲介については明確に否定している。

野党は、衆参両院予算委員会での籠池氏の参考人招致を求めているが、狙いはどこにあるのか。

首相夫人の安倍昭恵氏と森友学園との関係も、国会審議の焦点の一つとなっている。

昭恵氏は、問題の小学校のホームページに名誉校長として高く評価する挨拶文が掲載された。2014年12月と15年9月には、学園の運営する幼稚園で講演し、政府職員も同行している。

首相夫人は政府の公式行事や外交活動に参加する機会が多く、その発言の影響力は大きい。単なる「私人」では済まされない。そのことを自覚し、より慎重な振る舞いに努めねばならない。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする