2017年03月07日

[産経新聞] 【主張】北朝鮮のミサイル 国民守る全ての策講じよ 日米は「核抑止」強化へ協議を (2017年03月07日)

北朝鮮が弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射し、うち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。操業中の漁船などを危険にさらす重大な敵対行為を、容認することはできない。

安倍晋三首相が「北朝鮮が新たな脅威となった」と、厳しい認識を示したのは当然である。

そもそも、北朝鮮は国連安全保障理事会決議で、あらゆる弾道ミサイル発射を禁じられている。

それを封じようと、国際社会がこれまで重ねてきた努力は何なのか。北朝鮮がまったく態度を変えない状況を目の当たりにし、改めて考えねばなるまい。

《異常性を放置できない》

危険性を増すこの国の暴発を回避するには、日米両国や国際社会がより連携を強め、あらゆる手立てを尽くす必要があろう。

金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が神経剤VXを用いて殺害されたさきの事件は、北朝鮮の残虐性や異常性を改めて示した。それに対する世界の冷たい視線を気にすることもなく、違法なミサイル発射を繰り返す。

そのタイミングは、米韓両軍が今月1日開始した定例の合同軍事演習にぶつけたものであり、北朝鮮は事前に「容赦なく粉砕する」などと主張していた。

同時に注目すべきは、中国で年1回の全人代(国会)の開会中だったという点である。

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中国は経済制裁として北朝鮮からの石炭輸入の年内禁止に踏み切った。これは中国が今後の対米関係を考えての措置だったとみることができる。ミサイル発射には中国への反発もうかがえる。

問われるのは、挑戦的態度をとられた米中両国の対応だ。トランプ政権は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、「テロ支援国家」への再指定や武力行使も選択肢に含めることを検討している。対決姿勢はより鮮明となろう。

後見役の中国は、その姿勢により対北経済制裁の効果を減殺してきた。今回、国家の最重要会議の最中にメンツをつぶされたことをどう考えるのか。

ただ、中国は韓国への「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備計画について、米韓への反発を強めている。北朝鮮の封じ込めに向けて、他の関係国との連携を重視する姿勢が求められる。

韓国は職務停止中の朴槿恵大統領の罷免か否かで国が二分している。政界内に親北勢力も広がる中で、朝鮮半島の平和と安定を熟慮し、次期大統領選に臨む冷静さが不可欠だろう。

政府は参院で開催中の予算委員会を中断し、国家安全保障会議(NSC)の会合を開いた。外交ルートで抗議したのも、これまでと同様の対応だ。

それぞれ必要な措置だが、それらによって日本の安全が直接、高まる効果は期待できない。

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《首相が「敵基地」決断を》

状況を分析、論評するだけの段階は終えて、国の守りを固める新たな対応に乗り出すときだ。未着手の方策は多くあるはずだ。

弾道ミサイルの迎撃をめぐっては、昨年8月から自衛隊に対する「破壊措置命令」が常時発令されている。

領土への着弾など国民の生命が脅かされそうな場合には、ためらわずに迎撃しなければならない。その際、自衛隊に防衛出動を命ずることも政治の責任である。事態が起きてからゆっくり考える時間はないのである。

自衛隊の迎撃ミサイルの弾数補充も必要だ。いくら発射機があっても十分な弾数がなければ役に立たない。予算を確保し、備蓄増を急ぐべきだ。

弾道ミサイル防衛の強化を進めるのと並行して、敵基地攻撃能力の保有が必要だ。安倍首相が決断し、自衛隊への巡航ミサイルなどの導入を進めてほしい。

北朝鮮の政権崩壊時などに、自衛隊が日本人拉致被害者を救出するための法解釈の変更、態勢の整備も忘れてはならない課題だ。

政府や自治体の重い責務である国民保護にも万全を期さねばならない。秋田県男鹿市で、弾道ミサイル攻撃を想定して17日に初めて行われる住民避難訓練の成果が注目される。

北朝鮮が米本土を核攻撃する能力を持てば、日米安保条約に基づく「核の傘」に破れが生じる。近く開く外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、核抑止の態勢強化の協議を始めるべきだ。
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[東京新聞] 森友学園問題 国会に解明の重い責任 (2017年03月07日)

学校法人「森友学園」への格安での国有地売却は、解明すべき問題点があまりにも多い。会計検査院の検査は当然だが、国会こそ国政調査権を最大限行使すべきだ。与野党ともに、その責任は重い。

大阪府の松井一郎知事がきのう森友学園が四月開校を目指していた小学校の設置認可判断の先送りに言及した。学園をめぐる問題は国有地売却にとどまらず、運営する幼稚園での政治的中立性を逸脱した教育内容や、小学校新設のための申請関連書類の信ぴょう性にまで及ぶ。このまま開校を認め、国有地の格安売却を既成事実化してはならない。

自民党の石破茂前地方創生担当相が「非常に奇怪な話」と言うほど、この問題をめぐる闇は深い。

学園が購入した大阪府豊中市の国有地の評価額は当初、九億五千六百万円だったが、地中から廃棄物が出たとの学園側の申し出を受け、撤去費用などとして八億円余りを差し引き、さらに分割払いとした。異例ずくめである。

籠池泰典理事長が自民党の鴻池祥肇参院議員と面会して紙包みを渡そうとしたり、鴻池氏の神戸事務所と接触して財務省への働き掛けを求めていたことも分かった。

国有地売却はいずれも学園側の意向に沿う形で進み、ルールが次々と変更された。管理する財務省独自の判断か、政治的圧力があったのか、謎は深まるばかりだ。

不可解な経緯はこれだけではない。小学校新設をめぐり、大阪府の審議会は財務面の不安などから認可をいったん保留したが、一カ月後の臨時会で一転、条件付きながら認可適当と答申した。籠池氏がこの間、大阪府議に「小学校の件よろしくお願いします」と要請していたことも明らかになった。

学園は愛知県蒲郡市の私立「海陽中等教育学校」と推薦入学枠の提供で合意したとの文書も府教育庁に提示したが、同校側は合意や交渉の事実すら否定している。虚偽申請なら、教育にたずさわる者として許されるはずがない。

籠池氏の国会への参考人招致が必要だが、自民党はなぜ拒むのか。国有地売却で国会議員の関与はあったのか、籠池氏に学校法人運営の資格があるのか、国会の場で徹底的に究明すべきだ。

夫人が一時、小学校の名誉校長を務め、学園の寄付集めに自分の名前が使われたこともある安倍晋三首相も無関係たり得ない。会計検査院の検査を盾に、国会での調査や籠池氏招致に消極的では、国民の疑念を払拭するには程遠い。
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[東京新聞] 北ミサイル連射 挑発行動は代償を伴う (2017年03月07日)

北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル四発を連射した。大量破壊兵器の開発を続けて緊張を高めるが、挑発行動を繰り返せば多くのものを失うと、国際社会は北朝鮮に理解させねばならない。

ミサイル四発が約千キロ飛行し日本海に落下。うち三発が秋田県・男鹿半島西沖の日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。日本側に被害はなかったが、政府は北朝鮮に厳重抗議した。

詳細な性能は分析中だが、韓国軍合同参謀本部は飛距離や高度から、米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の可能性は低いとの見方を示した。

しかし、先月のミサイルは固体燃料で移動式発射台を使ったとみられ、技術が向上して、事前探知が難しく迅速に発射する態勢が整いつつある。日本は米韓とともにミサイルの分析を急ぎ、外交での連携を強める必要がある。

今回の連射は、一日から始まった米韓合同軍事演習に対抗したとの見方が有力だ。米韓は演習で、軍事力の差を誇示して抑止しながらも、偶発的衝突が起きないように慎重さも求められる。

北朝鮮は国連安全保障理事会の制裁決議を受けながら、核実験とミサイル発射を続ける。だが、挑発行動は必ず代償を伴うものだ。

中国は二月、北朝鮮産石炭の輸入を今年末まで停止すると発表した。最大の外貨獲得手段であり、打撃は大きい。北朝鮮の外務次官が先週訪中し中国外相らと会談したが、直後にまたミサイルを発射したことで中国側を刺激したのは間違いない。中国は安保理決議を着実に履行して、圧力をかけることが重要だ。

クアラルンプール国際空港で起きた金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の殺害事件も、化学兵器の材料になる神経剤VXが使われたことで、深刻な挑発行動と受け止めなくてはならない。

マレーシア政府は北朝鮮の姜哲大使を外交上「好ましからざる人物」として国外追放すると発表し、大使は六日出国した。捜査を一貫して非難し、事件との関与が疑われる大使館二等書記官の聴取も拒否したためという。

北朝鮮にとってマレーシアは、貿易や投資だけでなく、工作員の活動拠点といわれるが、国交断絶に次ぐレベルにまで関係は悪化している。ほかの東南アジア諸国の見る目も厳しい。北朝鮮が捜査に協力せず、陰謀説を唱えるばかりでは、数少ない友好国も離反していくのではないか。
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[毎日新聞] 中国全人代 世界安定の責任自覚を (2017年03月07日)

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中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が始まった。李克強(りこくきょう)首相は政府活動報告で、秋の中国共産党の第19回党大会やトランプ米大統領の誕生を意識し、内外情勢を安定させる重要性を強調した。

世界第2位の経済大国である中国の安定は世界にとっても重要だが、中国の行動が世界の安定に影響を及ぼしていることも自覚すべきだ。

「安定を保ちつつ、前進を求める」ことが今年の政府活動の基調だ。成長率目標は昨年を下回る6・5%前後。低成長が「新常態」となった現実を受け入れたものだ。

一方で都市の新規就業者数目標は1100万人以上と昨年より100万人増やした。失業者増は社会の不安定化に直結する。安定を脅かすリスクを排除しようとする狙いだ。

難易度は高い。安定を重視すれば、ゾンビ企業の解体など合理化につながる改革は進めづらくなる。改革をためらえば、新たな産業の育成などの雇用創出は困難だ。

内需拡大が持続的な成長を実現するカギだ。そのためには農村の生活向上で都市との格差を縮小し、社会保障の充実で将来への不安を取り除くことが必要になる。

李首相は脱グローバリズムや保護主義の傾向が強まり、世界経済の不安定性が増していると警告した。米国と並ぶ貿易大国である中国が自由貿易体制を擁護するのは当然だ。

しかし、鉄鋼などの過剰生産は世界市場をゆがめている。国有企業を保護する規制も多い。トランプ政権に保護主義政策の口実を与えないためにも過剰生産能力の解消などの政策を着実に進める必要がある。

安全保障では、中国の軍備拡張が東シナ海や南シナ海など地域の安定を崩している。国防費は約7%増となり、初めて1兆元(約16兆5000億円)を超えた。日本の防衛費の3倍を上回る。自国の安全を確保しようとしても軍拡競争になれば、安全には結びつかない。

トランプ政権が国防費を増やす背景に中国の軍事的台頭があることを直視すべきだ。むしろ、北朝鮮の核、ミサイル開発を食い止め、朝鮮半島を安定化させることが安全につながるのではないか。

内政の安定を強調すれば、政治的な引き締めにつながりやすい。人権など普遍的価値の軽視は世界との協調の障害だ。李首相が台湾の蔡英文(さいえいぶん)政権や26日に行政長官選が実施される香港に強い姿勢を示したことも懸念される。

李首相は習近平(しゅうきんぺい)国家主席の突出した地位を示す「核心」の言葉を5度使った。党大会に向け、結束を示す狙いだろうが、内外に安心感をもたらすような政策が実現できなければ、真の求心力にはつながるまい。
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[毎日新聞] 北朝鮮ミサイル 自らの苦境を招く暴走 (2017年03月07日)

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金正恩(キムジョンウン)政権の無軌道ぶりは、とどまるところを知らないようだ。

北朝鮮がまた弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。4発で、うち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。

落下地点で漁船が操業していなかったのは偶然にすぎない。事前通報もなしに発射することは危険極まりない行為である。

北朝鮮は昨年も複数のミサイルを同時に発射し、日本のEEZ内に落下させている。同時発射を重ねる背景には、精度の高さを誇示しようとする意図を読み取れる。

なぜこのタイミングでミサイルを発射したのだろうか。

まずは、1日に始まった米韓合同軍事演習への反発が挙げられる。発足したばかりのトランプ新政権に対し、核・ミサイル開発の決意を見せつけようとしたのかもしれない。

マレーシアでの金正男(キムジョンナム)氏殺害事件の余波が広がっている中での発射でもある。事件を巡って北朝鮮は守勢を強いられているが、局面転換を図れるとでも考えたのだろうか。

しかし、独りよがりの行動は自らを苦境に追い込むだけだ。

トランプ政権は、オバマ前政権の「戦略的忍耐」政策を転換する姿勢を見せており、前政権より強硬な政策を取る可能性が高い。

米国では既に、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する議論が強まっているという。北朝鮮による挑発は、トランプ政権を強硬路線に向かわせる効果しかないだろう。

発射は、在韓米軍への「終末高高度防衛(THAAD=サード)ミサイル」配備の必要性を強調する論拠にもなりうる。配備に反発する中国の怒りは強いはずだ。

中国の重要な政治行事である全国人民代表大会(全人代)の開会中に行われたミサイル発射は、中国のメンツをつぶすものでもあった。

中国は既に、北朝鮮からの石炭輸入を年末まで停止すると発表している。北朝鮮にとって最大の後ろ盾である中国との関係修復は、さらに遠のきそうだ。

友好国の多い東南アジアとの関係にも暗雲が漂っている。

シンガポールは昨年、国連制裁に同調して北朝鮮国民のビザなし入国を停止した。金正男氏殺害事件の舞台となったマレーシアはビザなし入国の停止に加え、北朝鮮大使の国外追放に踏み切った。

国際的孤立をさらに深めた北朝鮮の存在は、北東アジアにおける大きな脅威である。

米国のティラーソン国務長官は来週後半から日本と中国、韓国を訪問する。日米韓の連携を強め、中国とも協力を進める契機とすべきだ。
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[日経新聞] 軍民両用研究は透明性重視で (2017年03月07日)

日本学術会議の検討委員会は7日、科学者が軍事研究にどう向き合うべきかについて報告をまとめる。防衛省が大学の研究費を出す制度を拡大するなか、「軍事目的の研究はしない」という過去の声明を見直すか議論してきた。

声明は科学者の戦争協力への反省を踏まえて1950年と67年に出した。これまでの報告案では防衛省予算受け入れの是非は技術、倫理の両面から大学が判断するよう提案している。4月の総会で最終決定するが、防衛省予算を一律に排除しないのは妥当だろう。

インターネットや全地球測位システム(GPS)など軍事研究が民生用に転じた例は多い。逆に材料や光学の基礎研究が軍事に使われる場合もある。軍民両用(デュアルユース)研究の拡大は世界的な傾向で切り分けは難しい。

多くの研究者は科学研究を真理の探究や人類の幸福、平和に生かしたいという純粋な気持ちをもっている。それが防衛省予算の利用に対する慎重論にもつながっている。しかし、軍事転用を恐れて自己規制しすぎては、健全な科学研究の発展を阻みかねない。

どの省庁の研究予算かによって軍事、民生を色分けするのは現実的ではない。ある国立大学には、文部科学省予算で進めていた数学研究を知った米軍関係者が詳しい話を聞きに来たという。

防衛省も既存の科学研究のなかから、安全保障に応用できそうなものを探す努力をもっとしてもよい。一方で、自ら資金を出す場合でも研究成果が学会や論文で発表されるのを拒んではならない。

どこの予算であろうと、研究成果の公開と透明性の原則を保てるかどうか、大学も研究者も常に確認する必要がある。秘密裏に進める兵器開発に特化した技術もあるだろうが、大学で取り組むべきものではない。

学術会議の議論は2月に開いた公開フォーラムを含め、デュアルユース研究に対する人々の意識を高めるのに役立った。こうした場は今後も設けてほしい。
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[日経新聞] 軍事挑発を重ねる北朝鮮に強力な圧力を (2017年03月07日)

日本の安全保障を揺るがす深刻な脅威といえる。北朝鮮が弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射し、このうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。断じて容認できない暴挙だ。

航空機や船舶への被害は確認されていないが、極めて危険な行為で、「新たな脅威」(安倍晋三首相)と認識せざるを得ない。北朝鮮は今後も挑発を重ねる恐れが大きい。政府は不測の事態に備え、万全の態勢を敷いてほしい。

北朝鮮は先月、米国でトランプ政権発足後初めて弾道ミサイルを発射した。今回の発射はそれに続くものだ。米国と韓国が今月1日から始めた定例の合同軍事演習に反発したとの説が有力だ。

米国では金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件などを受け、北朝鮮をテロ支援国家に再指定すべきだとの議論が浮上している。さらにトランプ政権が北朝鮮への武力行使を選択肢として検討しているとの情報もあり、こうした動きをけん制する狙いもうかがえる。

北朝鮮がトランプ政権下でも軍事挑発を続ける意思を誇示したのは確かだ。北朝鮮の暴走にどう歯止めをかけるか。日米韓を中心に国際社会が結束して圧力を一段と強め、北朝鮮に対する強力な包囲網を築いていくことが肝要だ。

日米韓は情報共有をこれまで以上に緊密にするとともに、ミサイル防衛などの協力を急ぐ必要がある。米国にはテロ支援国家の再指定を含め、北朝鮮にさらに厳格な対応をとってもらいたい。

北朝鮮の後ろ盾とされる中国の役割も大きい。中国は先月、国連安全保障理事会の制裁決議に基づき、北朝鮮からの石炭輸入を年末まで停止すると発表した。厳格に履行するとともに、原油供給の停止など金正恩体制に一段の圧力をかける方策を検討すべきだ。

中国は一方で、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備に反対し、韓国に様々な圧力をかけている。しかし、米韓は決して中国を標的にしたものではないと主張している。

北朝鮮は中国による石炭輸入停止措置に反発し、度重なる自制要求も聞き入れなくなっている。北朝鮮の核・ミサイル開発が中国の安保を脅かす可能性も完全には否定できない。中国はこうした現実も直視し、日米韓との協調に軸足を置くべきではないか。
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[読売新聞] 福島原発廃炉 ようやく「登山口」にまで来た (2017年03月07日)

東京電力福島第一原子力発電所からの放射能放出のリスクは、大幅に低減している。

東日本大震災から6年を迎え、事故の初期対応は、ほぼ終了したと言えよう。

難関はこれからだ。政府・東電は、30?40年間に及ぶ廃炉作業を着実に進めねばならない。

事故の直後、核燃料が溶けて、原子炉内の温度は300度を超えた。現在は、外気温とほぼ同レベルにまで下がっている。再び核反応が起こる事態は考えにくい。

作業員も、一時の7000人超から約6000人に減った。敷地の9割では、通常の作業服で行動できるようになった。

危機的状況は解消されたが、溶けた核燃料を取り出す作業が控える。東電は、廃炉作業の「登山口」に来た、との認識を示す。

まずは、原子炉内部の状況把握が不可欠だ。炉はどの程度壊れているのか。溶けた核燃料は塊の状態なのか、飛散したのか。

調査は壁にぶつかっている。建屋内で極めて高い放射線量が測定され、容易に近づけない。原子炉内にロボットを投入しても、障害物に行く手を阻まれる。

2号機では今年に入って、炉内の破損状況が辛うじて捉えられた。原子炉の圧力容器直下の床には、大きな穴が開いていた。核燃料が落下した痕跡とみられる。

破損が深刻な1、3号機では、ロボットの投入さえ難しい。

政府・東電は、2021年に核燃料取り出しに着手する計画だ。その手法を9月にも決める方針だが、データ不足は否めない。

遠隔操作技術などのさらなる進歩が必要である。

原子炉建屋への地下水の流入などで発生する汚染水の問題も、抜本的な解決には至っていない。

汚染前の地下水を井戸からくみ上げる手法が奏功し、発生量は当初の1日400トンから100トン余に減った。地下水流入を止めるための凍土壁も、完成が近い。

問題は、敷地内のタンクに保管されている大量の水の扱いだ。

全体の約8割は浄化されている。浄化後の水には、海洋放出できる物質しか含まれていない。内外の原子力施設では、政府の基準に従って放出されている。地元の理解を得るため、政府・東電には丁寧な説明が求められる。

福島第一原発の廃炉には、約8兆円を要すると試算されている。国を挙げて立ち向かわねばならない難事業である。政府が陣頭に立って、内外の知見や技術を結集することが肝要だ。
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[朝日新聞] 北朝鮮の挑発 暴挙の連続が招く孤立 (2017年03月07日)

きのうの早朝、北朝鮮西岸から、4発の弾道ミサイルが日本海に向けて発射された。

3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、残りの1発もその付近に落ちた。

予告もない暴挙である。船舶などに被害はなかったが、危険極まりない行為であり、絶対に容認できない。

国際社会が核・ミサイル開発に強い反対の意を唱えているにもかかわらず、北朝鮮は挑発行動をやめようとしない。

北朝鮮メディアは、自衛のための発射は不法ではないなどと身勝手な主張を繰り返したが、今回も国連安保理決議に対する明白な違反である。

行動の背景には、ことしも始まった大規模な米韓合同軍事演習への反発があるのだろう。

トランプ米政権は、オバマ前政権が北朝鮮にとった「戦略的忍耐」の政策を変える方針とされる。北朝鮮は、米本土を脅かすミサイルの開発を急ぐが、本音では対米関係の改善を望んでおり、真っ向から対決姿勢をとることにためらいがにじむ。

中距離の射程にとどめているのはそのためとみられるが、核・ミサイル開発を続ける限り、米国との対話は遠のくばかりだということを悟るべきだ。

中国の国会にあたる全国人民代表大会が開かれているさなかに発射したことも注目される。北朝鮮は昨年9月にも、北京で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催中に、中距離弾道ミサイル3発を日本のEEZに落下させた。

北朝鮮経済を支える中国は、日米韓から北朝鮮への制裁履行を迫られている。中国商務省は先月、北朝鮮産の石炭の輸入を年末まで止めると発表した。

そうした中国の動きに対しても北朝鮮は反発を募らせ、危うい行動を続けているようだ。

だが、北朝鮮が自身の姿勢を改めない限り、中国の国内でも北朝鮮を突き放せという声が強まるのは自然の流れだろう。

最高指導者、金正恩(キムジョンウン)委員長の異母兄がクアラルンプール空港で殺害された事件では、相互にビザなし渡航を認めていたほどの友好国、マレーシアとの関係も急速に悪化している。

北朝鮮側は現地警察の捜査に応じないばかりか、激しい捜査批判を続けている。そのため、マレーシア政府は北朝鮮大使を国外退去処分にした。異常な振るまいへの当然の対応だ。

国際社会からの制裁には慣れている、と公言してきた北朝鮮だが、包囲網は一歩ずつ狭まっている。すべては北朝鮮自らが招いた孤立と苦境である。
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[朝日新聞] 安倍昭恵氏 公的立場の説明責任を (2017年03月07日)

首相夫人は公人か、それとも私人か――国会でそんな論争が交わされている。

きっかけは、大阪市の学校法人「森友学園」にからむ安倍首相の妻・昭恵氏の言動だ。

昭恵氏は2015年9月、学園の幼稚園で講演し「こちらの教育方針は大変、主人も素晴らしいと思っている」と語った。

首相は、国会で野党から学園理事長と昭恵氏の関係を説明するよう求められると、「妻は私人なんです」と反論。菅官房長官も「首相夫人は私人だ。国家公務員としての発令を要するものではない」と述べた。

確かに首相夫人は公務員ではない。選挙で選ばれたわけでもない。一方で、昭恵氏は学園が新設予定の小学校の名誉校長に就き、学園はホームページで昭恵氏を「内閣総理大臣夫人」と紹介。先の講演には政府職員が同行していた。

職員の旅費は昭恵氏が負担したというが、だとしても、一連の森友学園とのかかわりを単なる一私人の行為ということには無理がある。少なくとも公的な立場での活動とみるべきだ。

政府の説明によれば、昭恵氏の行動は外務、経済産業両省の職員計5人が「サポート」しており、うち2人は常駐だ。

首相の出張に同行した際には、国家公務員旅費法に基づき交通費が昭恵氏に支払われる。昭恵氏は第2次安倍内閣以降の日当は辞退しているというが、第1次内閣以降、約145万円が支払われている。

昭恵氏は首相夫人の立場を活用して発信を続けてきた。

昭恵氏がパーソナリティーを務めるインターネット番組「安倍昭恵チャンネル」は、「憲政史上初!! 首相公邸よりお送りします!!」と銘打つ。自民党の会議に出席し、東日本大震災の被災地での防潮堤建設に異論を唱えたこともある。

首相夫人がその肩書を離れ、独立した個人として活動する場合もあるだろう。

その場合も、言動には慎重な判断と、重い責任が求められるのは当然のことだ。

昭恵氏自身、ファーストレディーの立場について、10年の朝日新聞の取材に「表舞台に出るからには、きちんと戦略を練って行動しないと、国益を損ないかねないと感じた」と語ったことがある。

昭恵氏と森友学園や理事長との関係はどのようなものだったのか、疑念を呼んでいる。

公的立場にある者として、昭恵氏には「私人」を盾にすることなく、国民が納得できる説明をする責任がある。
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[読売新聞] 北ミサイル脅威 日米韓の協調で抑止力高めよ (2017年03月07日)

北朝鮮のミサイルの脅威が一段と増大した。日米韓3か国が緊密な連携を維持し、抑止力を高めることが欠かせない。

北朝鮮が北西部から日本海に向けて、弾道ミサイル4発をほぼ同時に発射した。このうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

EEZ内への落下は昨年9月以来で、3回目である。漁船などに被害が出かねない極めて危険な挑発だ。弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議への明白な違反であり、決して容認できない。

北朝鮮には、1日に始まった米韓合同軍事演習に対抗する狙いがあったのだろう。2日には軍総参謀部が「超強硬対応措置で立ち向かう」と恫喝(どうかつ)してみせた。

北朝鮮は、核が搭載可能なミサイルの開発を加速させている。朝鮮労働党の金正恩委員長は今年の新年の辞で、大陸間弾道弾(ICBM)の試験発射準備が「最終段階にある」と言い放っていた。

2月には、新型弾道ミサイルの実験を強行した。発射の兆候が探知しづらい固体燃料エンジンや移動式発射台が用いられたとされる。度重なる発射で奇襲能力や命中精度などミサイル技術を向上させていることは否定できまい。

合同演習は4月末まで続く。北朝鮮のさらなる軍事挑発に対する警戒は怠れない。

安倍首相はミサイル発射を受けて「北朝鮮が新たな段階の脅威であることを明確に示すものだ」と強調した。岸田外相は、ティラーソン米国務長官、尹炳世韓国外相と相次いで電話会談し、北朝鮮に自制を求めることで一致した。

ティラーソン氏は今月中旬、日韓と中国を歴訪する。北朝鮮の暴走に歯止めをかけるメッセージを発する機会とせねばならない。

日本にとっては、弾道ミサイルへの対処能力を拡充させる取り組みが重要だ。ミサイル防衛の強化が柱となるが、多数のミサイルで同時に攻撃された場合、すべてを打ち落とすのは容易ではない。

自衛隊が巡航ミサイルなどによる敵基地攻撃能力を持つことも、本格的に検討すべきだ。

懸念されるのは、韓国政治の行方だ。憲法裁判所が近く、朴槿恵大統領に対する弾劾の是非を判断する。大統領選候補に関する世論調査では、北朝鮮に融和的な左派野党の前代表がトップに立つ。

核ミサイルをちらつかせて揺さぶりをかける北朝鮮に対峙(たいじ)するには、日米韓の協調が最も効果的で現実的な選択肢だ。韓国では、その認識が薄弱なのではないか。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする