2017年03月06日

[日経新聞] 自民総裁3選を狙う首相は何をすべきか (2017年03月06日)

自民党が5日に党大会を開き、安倍晋三首相の総裁3選を可能とする党則改正を決めた。安倍政権の下で雇用や企業収益は改善したが、景気の足取りはなお力強さを欠いている。首相がさらに長期政権を目指すのであれば、成長力底上げや財政健全化といった中長期的な課題への取り組みをもう一段加速していく必要がある。

首相はあいさつで「長引く不況で失われた国民総所得50兆円を昨年とうとう私たちは取り戻すことができた」と力説した。雇用や賃上げ、首脳外交の実績を列挙する姿は自信にあふれ、会場は多くの参加者で熱気に包まれた。

自民党は2012年末の政権復帰から国政選挙で4連勝し、内閣支持率は約6割と高い。二階俊博幹事長は党務報告で昨年末時点の党員数が8年ぶりに100万人を回復したと胸を張った。首相が来年に総裁3選を果たせば、次の任期は21年秋までとなる。

首相は肝煎りの安全保障関連法などを成立させ、政界は「安倍1強」が際立っている。ただ日本を取り巻く状況は順風満帆とは言いがたい。足元の景気は底堅さも一部に見えるが、個人消費などは伸びを欠いたままだ。

安倍政権は消費税率の10%への引き上げを2度にわたって延期した。財政均衡と社会保障制度の改革という難題に正面から取り組まなければ、国民の根強い将来不安は解消できない。規制改革や働き方の見直しなどを通じて生産性を向上し、日本の潜在成長力を引き上げていく必要がある。

首相はあいさつで「憲法改正の発議に向けて具体的な議論をリードしていく。それこそが自民党の歴史的使命ではないか」とも強調した。憲法のあり方は重要なテーマだが、野党との丁寧な議論の積み重ねが有権者の理解の前提となることを忘れてはならない。

今国会では南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)の日報問題やテロ等準備罪(共謀罪)の新設などを巡り、閣僚が追及を受ける場面が目立つ。大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に評価額より大幅に安く売却された問題も波紋を広げている。

自民党は短命内閣の負の連鎖を断ち切り、安定した政治を回復した。だが長期政権の緩みやおごりが目立つようだと有権者の信頼は一気に揺らぐ。与えられた力を何に使うのか。その選択と結果が厳しく問われる時期に入っている。
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[日経新聞] 経済左右する習主席の責任 (2017年03月06日)

5日開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強首相は今年の実質経済成長の目標を6.5%前後とした。目標下げは3年連続だ。無理な高成長を追わず、中長期の安定を重視する現実的な姿勢は評価したい。

中国は2020年までに経済規模、所得水準を10年比で倍増する目標を掲げる。道は険しい。構造改革を進めつつ、景気の急減速は避け、雇用も確保するには周到な目配りが要る。中国の外貨準備の急減など資金流出対策も急務だ。

重点の「供給側改革」には疑問が多い。16年の粗鋼生産能力の削減は目標の4500万トンを上回る6500万トンに達したという。だが世界鉄鋼協会まとめでは中国の同年生産量は前年を上回った。中国が示した能力削減はもともと、停止中の老朽設備を数えた数合わせにすぎないとの指摘がある。

中国は全人代の予算案報告で17年国防予算の実数を公表しなかった。世界が関心を寄せる数字を省いた理由は不明で、閉鎖的である。先の記者会見では前年実績比7%前後の伸びと明かしており、初の1兆元(16兆5000億円)突破は確実だ。これは日本の防衛関係予算の3倍を超す。

そもそも中国の国防費の中身は不透明だ。研究開発費などを含めれば公表規模を大幅に上回るとの見方も多い。米トランプ政権は国防費約1割増の方針を示している。アジア・太平洋地域で米中の軍拡競争が激化すれば、日本の安全保障にも大きく影響する。

中国は年後半、最高指導部が入れ替わる5年に1度の共産党大会を控えている。これに先立ち習近平国家主席は共産党の別格の指導者を指す「核心」の地位を手にした。今回の全人代では李首相も「習近平核心」を明確にしている。

集権の結果、重要な経済政策づくりの主導権も習氏に移りつつある。新任の主要経済閣僚は習氏に近い人物が目立つ。経済規模で世界2位の中国の行方は、アジアばかりではなく世界経済を左右する。習氏の責任は極めて重い。
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[産経新聞] 【主張】慰安婦像 反日は危機を招くだけだ それでも韓国は世論に抗しきれないのか (2017年03月06日)

韓国・釜山の日本総領事館前への慰安婦像の設置を受け、安倍晋三政権が長嶺安政駐韓国大使らを一時帰国させてから約2カ月がたつ。

外交にとどまらず、経済など日韓関係全般が悪化していることに、韓国も強い危機を認識し始めたのだろうか。

尹炳世外相は先月、ドイツで行われた岸田文雄外相との会談で、釜山の像の撤去について、「可能な限り最大限の努力を行っていく」と表明した。

「外国公館前に造形物を設置することは外交儀礼にかんがみて適切でない」とも述べている。

今さらながら当たり前だ。自らの言葉に従って早急に撤去すべきだが、反日世論に抗しきれず「努力」にとどめるのが精いっぱいなのだろうか。

一昨年末の日韓合意は、慰安婦問題の最終的解決をうたった。国と国との約束として守るのは当然である。

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それに基づけば、反日の象徴である像は直ちに撤去するほかない。できないというのなら、韓国は国際的に信を失い、孤立を招くばかりだ。

韓国政府は日韓合意時、ソウルの日本大使館前の慰安婦像について適切な解決を約束した。

それを果たせないばかりか、釜山の新たな像にも、すぐに手を打たず、地元自治体に責任を押し付け、事態を悪化させた。

このうえ政府が世論に迎合するなら、反日を助長する悪循環に陥り、自らの首を絞めていることを知るべきだ。

韓国の「3・1独立運動」の記念式典で、職務停止中の朴槿恵大統領の代行を務める黄教安首相は、日韓合意について「合意の精神を心から尊重し、実践しなければならない」と述べた。

同式典で過去に繰り返された対日批判を抑え、国民に合意への理解を求めたかたちだ。

合意の重要性を知っているのであれば、背景となった韓国を取り巻く情勢こそ国民に説くべきものだろう。

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日韓合意は核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮の暴挙などで、地域の安全保障上の懸念が高まるなか、交わされた。

韓国にとって、中国は自由と民主主義など価値観を共有する友となり得るのか。真の敵を見失わず、日米韓の結束こそ考える必要がある。
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[東京新聞] 見過ごせぬ「健康格差」 まず地域の“処方”から (2017年03月06日)

貧富の格差が広がっている。私たちの国も例外ではない。しかも命や病気の不平等ともいえる「健康格差」も生んでいる。見過ごすことはできない。

世界でもっとも裕福な富豪八人の資産と、世界人口の半分に近い所得が低い層の人々三十六億人分の総資産とが、ほぼ同じ−。

格差社会をまざまざと見せつけるような報告書が、国際非政府組織(NGO)によって公表されたのは、今年一月のことだ。

報告は貧富の拡大が社会の分断を招き、貧困の撲滅を後退させると、警鐘も鳴らしている。

日本でも「富の集中」が加速化している現実が、野村総合研究所の調査で先月、明らかになった。


◆避けられる病気なのに
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二〇一五年に一億円以上の金融資産を持っていた富裕層の世帯数が、「アベノミクス」が始まる前の一一年に比べ、約四十万世帯(約50%)増えたという。

その結果、全体の二割の資産をわずか2%ほどが持つ実態が浮かび上がったのだ。

問題は、こうした経済的な不平等などが、本来避けられるはずの病気や死−自己責任論では片付けられぬ「健康格差」という事態を生み出していることである。

富の偏りや貧困はもとより、学歴、家庭や職場、地域の環境、ストレス、社会保障政策など、一見バラバラの要因が、健康にとって大きな決定要因としてつながっているのだ。

そのような「健康格差」のことを少し堅苦しく表現すれば「地域や社会・経済状況の違いによる集団間の健康状態の差」となる。

社会疫学が専門で、この問題と長く向き合っている近藤克則教授=国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長=が、そう説明してくれた。


◆データの裏付け不可欠
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国内の高齢者約一万五千人を追跡した調査では、年収二百万円未満の人ががんで亡くなるリスクは、四百万円以上の人の約二倍というデータがある。さらに別の調査では、認知症の発症リスクに約三倍になる地域差があることもわかってきたという。

体をこわしても通院もままならぬほどの貧困に苦しむ階層が病気にかかりやすいだろうことは容易に推察できよう。

そんな状況を少しでも変えようと施策や政策に反映させていくには、健康格差に関する国内のデータの収集が重要になる。だが残念なことに欧州などと比べ、質、量ともにまだ不足している。

愛知県武豊町で、近藤教授(当時・日本福祉大)ら大学の研究者が地元の自治体とプロジェクトを組み、地域レベルでの実践と調査・データ収集(AGES)に入ったのは十年ほど前のことだ。

具体的には六十五歳以上の高齢者を対象にした介護予防の取り組み「憩いのサロン」である。お年寄りの外出機会や地域でのつながりをつくる場として、交流サロンは全国で行われているが、研究者チームが検証作業もしているケースはまれだ。

武豊町の場合、高齢者約一万人のうちの一割ほどが参加。月一、二回とはいえ、ゲームなど多彩なプログラムを楽しんでいる。

今の段階でも、サロン参加者で要介護認定が出る割合が、非参加者群のおよそ三分の二にとどまることや、うつ病予防に有効な場となり得る可能性があることなどが検証されている。

研究グループはさらに対象を広げ、全国約三十市町村、十四万人の高齢者調査などを実施。幼いころ虐待を受けた人は老いてから歯を失う確率がなぜか14%高いなどのデータを得ている。

さまざまな社会格差が広がれば健康格差も広がる。

その格差が広がらぬよう、すぐにでも手を打たねばならない。高齢者向けの交流サロン、子どもの貧困を救う子ども食堂など、地域でできることはいくらでもある。給付型奨学金の支給などももっと増やしたい。

ただ既に一九九〇年代から世界保健機関(WHO)は、より総合的な対応を求めている。医療、介護政策だけでは不十分なのだ。


◆総合的な公共政策こそ
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その意味でも政府が進めている健康長寿の数字を追うだけに見える「健康日本21」の取り組みは心もとない。

欧州では健康格差が公認され、政府文書に明文化されている国々がいくつもある。

英国では医療・健康政策担当の保健省だけでなく、縦割りを排し住宅、社会ネットワーク、ボランティアの強化、社会保障、教育、交通網など、地方も巻き込み幅広い政策連携に取り組んでいる。

こうした対策は、効果に時間もかかろう。だが結局は、総合的な公共政策こそが健康格差解消への“近道”なのではないか。
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[産経新聞] 【主張】受動喫煙防止 厳格な分煙に歩み進めよ (2017年03月06日)

他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙による健康被害の防止に向け、厚生労働省が健康増進法の改正を目指している。

受動喫煙で肺がんや脳卒中、乳幼児突然死症候群などのリスクが高まる結果、少なくとも年間1万5千人が亡くなっているとの推計もある。

放置できない事態といえよう。対策を急ぐのは当然のことである。

改正案では、医療機関や小中高校は敷地内のすべてを禁煙とする。官公庁や大学、運動施設では屋内を禁煙とし、喫煙専用室の設置も認めない。飲食店や劇場、職場などは禁煙とするが、喫煙専用室は認めるという。

自宅やホテルの客室といったプライベート空間は、規制の対象外とされた。子供の健康被害などの懸念は残るが、多くの人が利用する場所での制限を「厳格な分煙」に向けた一歩につなげたい。

違反した悪質な喫煙者には30万円以下、飲食店など施設管理者は50万円以下の過料とする。現在の受動喫煙対策が努力義務にすぎず、実効性が上がらない実情を考えれば、やむを得まい。

自民党など政界には反発も根強い。居酒屋や焼き鳥店といった酒を提供する店舗などについて「分煙コーナーを設けて対応すれば十分だ」との意見もある。

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ただ、分煙コーナーを設けるだけでは、配膳する店員やアルバイト学生などが受動喫煙の危険にさらされることを忘れてはならない。子連れ客もいる。企業接待で取引先から喫煙席に誘われると断りづらい場面も出てこよう。

厚労省は妊婦や子供の利用は想定しにくいバーやスナックなどのうち、小規模店舗は対象外とした。妥当な線引きではないか。

法改正の趣旨はあくまでも「分煙の厳格化」であり、「禁煙の推進」そのものではない。路上喫煙に何らかの規制をする自治体も多い。さらに喫煙者を屋外へ閉め出すだけでは、混乱も生じよう。

こうした点も踏まえながら、分煙の厳格化を考えていく必要があろう。もとより、喫煙場所を得られた側にも、常に周囲への配慮は欠かせない。

たばこによる健康被害をいかに減らしていくのか。法改正に頼るだけではうまくいくまい。実効性ある取り組みに向けて、喫煙者も非喫煙者も命を救うことへの認識を共有すべきだ。
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[毎日新聞] 総裁任期延長 議論なき自民いつまで (2017年03月06日)

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自民党はきのう開いた党大会で、総裁の任期を現行の「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長する党則改正を正式に決めた。

これにより来年秋、2期目の任期満了となる安倍晋三首相(党総裁)は、3期目(2021年秋まで)も続けることが可能になる。いや、むしろ「安倍3選」のための変更といっていいだろう。それが昨年来、大きな議論もなく決まったことが今の「安倍1強」状況を象徴している。

安倍首相は大会のあいさつで「自民党は憲法改正の発議に向けて具体的な議論をリードしていく。それが自民党の歴史的使命だ」と語った。

今回決めた今年の運動方針にも改憲に関して「改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」と明記された。発議に触れたのは初めてで安倍首相の意向とされる。時期は明示していないものの、首相・総裁を続け、自らの手で改憲を実現したいという意欲の表れと思われる。

総裁任期は現実には首相の在任期間に直結する。それは何年が適切かは議論が分かれるところだ。

第2次安倍政権発足前、ほぼ1年で首相交代が続いていたのは、無論正常な姿とは思えない。一方で同じ政権が長く続けば、おごりや独走が目立ち始めるのが常だ。

「安倍1強」の下、自民党内では活発な議論が乏しくなり、意見の多様性も見られなくなっている。

今度の延長で「安倍3選」が既定路線となり、「安倍首相にはますます逆らえない」とばかりに「議論なき自民党」に拍車がかからないか。

懸念するのはそこだ。

自民党がこれまで「総裁3選」を禁じていたのは派閥の領袖(りょうしゅう)が総裁を競い合った派閥全盛時代のなごりだ。確かに派閥政治には弊害があった。ただし首相を狙う有力候補が目白押しで、政策も含めて党内に激しい議論があったのも事実だ。

今はどうか。例えば学校法人「森友学園」への国有地売却問題だ。

自民党では先週になって石破茂前地方創生担当相が「奇怪な話。政府・与党として解明すべきものだ」と語った。石破氏は来秋の党総裁選への出馬を目指す数少ない一人だ。ところがこうした当たり前と思われる発言も党内で広がる様子はない。

仕組みのうえでは、安倍政権は戦前の桂太郎首相を超え憲政史上最長の長期政権となることも可能になった。だが、それはいずれ行われる衆院選で自民党が勝つのが前提だ。

野党の弱さもあって依然、安倍内閣の支持率は高いが、森友学園問題をはじめ、政権を取り巻く環境が今後、どう変化していくかは分からない。自民党議員は今、国民よりも安倍首相ばかりを見ていないか。
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[毎日新聞] 敵基地攻撃能力 専守防衛を超える恐れ (2017年03月06日)

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北朝鮮の核・弾道ミサイル開発の進展を受け、攻撃される前に敵のミサイル基地などをたたく敵基地攻撃能力の議論が進んでいる。

安倍晋三首相は検討に前向きな考えを示し、自民党の弾道ミサイル防衛に関する検討チームも議論を始めた。2019年度からの次期中期防衛力整備計画をにらんだ動きだ。

敵基地攻撃能力を持つことが、憲法に反しないかどうかについて、政府は法理論的には可能としてきた。

1956年に鳩山一郎内閣は「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とは考えられない」として、攻撃を防御するのに「他に手段がない」場合に限り、ミサイル基地をたたくことは「法理的には自衛の範囲」との見解を示している。

さらに政府は、先制攻撃とは区別し、第一撃を受けたり、ミサイルに燃料を注入するなど敵が攻撃に着手したりした時点で、敵基地攻撃が可能になるとの見解も示している。

しかし、こうした政府の見解はあくまで法理を説明したものだ。現実の状況をあてはめた時、数多くの問題点が浮上する。

ポイントの一つは「他に手段がない」場合をどう考えるかだ。

日米安全保障条約によって、米国は日本防衛の義務を負っている。

米軍が「矛」としての打撃力を持ち、日本は憲法や専守防衛のもと「盾」である防御力に徹するという役割分担になっている。

いざという時、在日米軍による報復攻撃という手段がありながら、自衛隊が敵基地攻撃をすることは、日米の役割分担の枠組みを超える。

さらに大きいのが装備の問題だ。日本は専守防衛のもと攻撃的防衛力を持たないことを原則にしてきた。

敵基地攻撃で考えられる装備には、精密誘導爆弾を搭載した戦闘機や、弾道ミサイル、巡航ミサイルなどがあるが、自衛隊はこうした装備を持っていない。

敵基地攻撃をするためには、まず敵基地の場所を正確に把握し、次に敵の防空用レーダーの機能をつぶし、そのうえで敵基地をたたくわけで、それぞれに装備が必要だ。

専守防衛の武器の体系を抜本的に変える必要が出てくるだろう。

防衛費は大幅に増え、逆に安全保障環境を悪化させかねない。

そもそも、移動式発射台や潜水艦から撃たれるミサイルの発射場所をどう把握し、正確にたたくことができるのか。実効性や費用対効果への疑問も尽きない。

課題はあまりに多いのに、軍事的な対抗策に議論が偏り過ぎていないだろうか。そんな状況で首相が前のめりに検討する姿勢を示していることに懸念を覚える。
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[朝日新聞] 中国全人代 安定の陰で進まぬ改革 (2017年03月06日)

中国の国会に当たる全国人民代表大会がきのう、北京で開幕した。李克強(リーコーチアン)首相の政府活動報告からにじみ出たのは「安定」の重視である。

昨年来の欧米の動向、なかでも米トランプ政権の登場は、世界を不確実性で覆っている。

米国に次ぐ大国として、どう対応すべきか。中国にとっても多難な年になりうるだけに、深刻な問いである。

今年は秋に共産党大会があり、大幅な人事異動が控えている。例年に比べて守りの姿勢にならざるを得ないのだろう。

重点政策で目立つのは、民生部門の改善だ。貧困対策の強化。低所得者向け住宅の供給。大気汚染の解消。さらに、携帯電話の国内長距離通話など一部料金の廃止・引き下げに李首相が言及し、拍手を浴びた。

だが、その半面、改革の精神が置き去りにされていることは否めない。

4年前の共産党の会議で習近平(シーチンピン)政権は幅広い改革メニューを打ち出し、特に「市場が資源配分の中で決定的役割を果たすようにする」という言葉は内外で好意的に受け止められた。

ところが何かと共産党・政府が、たづなを放さない。昨年の統計では、固定資産投資は政府・国有部門が主導し、民間企業による投資は細る一方だ。

携帯電話料金の引き下げにしても、国有企業が課す不当に高い料金を政府が調整するにすぎない。本来の改革は、市場メカニズムに委ねるものだ。

李首相は報告で、国家主席で党トップの習氏を「核心」とする表現を繰り返した。昨年の共産党の会議で採用された、習氏個人への権威づけだ。汚職摘発の強化と相まって、党大会を前に支配体制固めが進む。

市民社会への締めつけも相変わらずだ。インターネット規制やNGO活動の管理が強められ、息苦しさが増している。

司法部門も改革の柱の一つだったはずだが、最近は最高裁トップから「司法の独立」や「三権分立」を否定する発言が飛び出し、法学者らを憤慨させた。

要するに習氏を頂点として国内を引き締め、民生の安定を図りつつ難局を乗り切る、という構えなのだろう。

米国がどうあれ、世界で中国の重みは増す。習主席も李首相も、多国間協力を支持し、貿易の保護主義への反対姿勢を明確にしているのは評価できる。

だが、そうした原則を真剣に重んじるのならば、中国自身が政策決定の透明性を高め、経済の自由化を進め、公正な社会をつくる行動をみせるべきだ。
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[朝日新聞] 自民党大会 異論なき1強の危うさ (2017年03月06日)

まさに安倍「1強」を謳歌(おうか)するかのようだった。

自民党はきのうの大会で、党総裁の任期を「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長することを正式に決めた。これで安倍首相は1期目をあわせれば通算10年、3500日超、政権を担うことが可能になる。

大会では党員が8年ぶりに100万人を回復したことが報告され、安倍氏はあいさつで憲法改正発議に強い意欲を示した。

だが衆参両院で過半数を占める党内に目を転じれば、「もう一つの自民党」が見えてくる。開かれた議論や、活発な政策論争を失った、単色の政党だ。

総裁任期の延長は、一部の党幹部がまとめた案に、目立った異論も出ないまま、短期間であっさり決まった。

天皇陛下の退位をめぐっても首相に近い執行部を中心に議論を進め、全議員が参加できる論議の場は設けられなかった。

党や内閣の方針を、多様な視点から吟味する。そんな政党として当たり前の機能が、今の自民党は劣化していないか。

「1強」ゆえのおごりや緩みも目につく。昨年の臨時国会では、首相の所信表明演説中に若手議員らが「スタンディングオベーション」で応えた。今国会では、森友学園の国有地売却問題で参考人招致に難色を示すなど、解明に後ろ向きと言われても仕方がない。

「1強」の背景には、1990年代の衆院への小選挙区制や政党交付金の導入と、首相への権力集中の積み重ねがある。

選挙での公認権や政治資金、内閣や官僚の人事権を握る首相官邸に異を唱えれば、自らの立場を危うくしかねない――。そんな空気が党内を覆う。

一方で「1強」を支える民意は、積極的な支持ばかりとは言えない。国政選挙での連勝は、民進党が旧民主党政権の挫折から立ち直れていないことに助けられている面が大きい。

小選挙区制は、得票率に比べて勝者の側の議席の占有率が高くなりやすい制度でもある。2014年の衆院選で自民党は小選挙区で75%の議席を得たが、得票率は48%に過ぎなかった。

昨年の新潟、東京の知事選では自民党の推薦候補が敗れた。「脱原発」「都政改革」といった鮮明な対立軸と有力な選択肢が示されれば、有権者の判断は大きく変わる可能性がある。

異論や批判に耳を傾け、常に自省する。そんな姿勢がなければ権力は腐敗する。その影響は広く国民に及ぶ。歴史が教える権力の危うさを自民党はいま一度、胸に刻むべきだ。
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[読売新聞] 自民党大会 長期的課題に果敢に取り組め (2017年03月06日)

長期的で困難な課題に腰を据えて取り組むには有効な党則改正である。安倍政権は、どう活用するかが問われよう。

自民党が定期党大会を開いた。総裁任期の「連続2期6年まで」から「連続3期9年まで」への延長を正式決定した。

安倍首相は演説で「総裁に再就任以来、5度目の党大会だが、初心を忘れてはならない。謙虚に力強く挑戦し続ける」と語った。

首相は、来年9月の総裁選で信任されれば、任期は2021年9月まで延びる。20年の東京五輪をまたいで、歴代1位の長期政権が視野に入る。国際会議の経験や人脈を首脳外交に生かしたい。

19年10月に延期した消費税率10%への引き上げにも直面する。

アベノミクスは道半ばだ。消費増税に耐え得る経済状況の実現は簡単でない。規制緩和などを通じて、成長を底上げせねばならない。同時に、財政健全化、社会保障改革など、国民の痛みを伴う政策からも逃げてはなるまい。

任期延長がすんなり決まったのは、高い内閣支持率と、国政選での4連勝が大きい。首相は、衆院解散時期の選択肢が広がった。

来年の総裁選後の解散を唱える政権幹部もいる。今夏の東京都議選や、衆院小選挙区の区割り変更の影響を抑える計算だろう。

「ポスト安倍」の候補とされる岸田外相、石破茂・前地方創生相らは、来年の総裁選出馬の是非を含め、戦略見直しを迫られる。

現下の「安倍1強」は、後継者不足の裏返しでもある。首相官邸が政策決定を主導する「政高党低」が続く中、党内論議が低調になりがちなことが気がかりだ。

積極的な政策提言など、党活動を再び活性化させて、若手を鍛え、次世代のリーダーを育成することも、政権党の重要な課題だ。

党大会では、「憲法改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」とする17年運動方針を採択した。首相は、憲法改正を「自民党の歴史的使命」と位置付け、「発議」の明記を主導した。

衆参両院の3分の2以上かつ国民投票で過半数の賛成を得る。そんな改正の高いハードルを考えれば、野党第1党の民進党も支持する内容にすることが望ましい。

残念なのは、最近、慎重な民進党に配慮するあまり、国会での憲法論議が停滞していることだ。

衆院憲法審査会は16日に議論を再開する。具体的な改正項目の絞り込みへ、自民党は、公明党、日本維新の会と連携し、民進党の建設的な対応を促すべきだ。
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[読売新聞] 中国全人代開幕 成長減速でも改革果たせるか (2017年03月06日)

痛みを伴う構造改革と経済安定の両立をいかに実現するのか。中国の直面する課題は重い。

中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が開幕した。

李克強首相は政府活動報告で、今年の成長率目標を前年の「6・5?7%」から「6・5%前後」に引き下げることを表明した。

鉄鋼などの過剰設備の廃棄を進め、輸出と投資が中心の高成長から、消費など内需主導の安定成長への着実な転換を目指す。

予算規模については、国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率を3%に据え置くとし、経済成長に沿った拡大を続ける。

重工業地帯の景気悪化や、都市部の不動産価格急落を防ぐ狙いだろう。5年に1度の共産党大会を秋に控える習近平政権が、社会の安定を重視する表れだ。

世界2位となった中国経済が、急減速することなく、構造改革を進められるかどうかは、世界経済の行方を左右する。

李氏は、克服すべき課題として、「経済・金融分野のリスク要因が無視できない」と語った。

実質破綻したゾンビ企業の整理といった改革には、銀行の不良債権問題を表面化させる副作用がある。世界に波及する金融システム不安の発生につながらないよう、十分な目配りが求められる。

一方、今年の軍事予算は、前年比7・0%増だった。日本の防衛関係費とロシアの軍事費の3倍以上に当たる。昨年同様に1桁の伸びにとどまったが、日本などとの差は拡大するばかりだ。

李氏は「戦争準備を強化し、国家の主権と安全を断固守らねばならない」と強調した。トランプ米政権の軍備増強方針への対抗姿勢を鮮明にしたと言えよう。

習政権が現代戦に即応するため、ロケット軍と海空軍に予算を重点投入するのは確実だ。

米本土を射程に入れた多弾頭の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を相次いで実施しているとの情報もある。建造中の中国初の国産空母は、2020年までに就役するとみられる。

最近、南シナ海の複数の人工島で、長距離地対空ミサイルを収容可能な施設がほぼ完成に近づいていると報じられた。「法の支配」を無視し、南シナ海のほぼ全域を強大な軍事力で支配しようとする独善的な行動にほかならない。

そもそも中国の実際の軍事費は、公表分を大きく上回るとされる。軍事大国の不透明さが地域の緊張を一段と高めている。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする