2017年03月04日

[東京新聞] 石原元知事会見 責任逃れではないか (2017年03月04日)

見事に肩透かしを食らった。築地市場の豊洲への移転問題を巡り、きのう開かれた石原慎太郎元東京都知事の記者会見である。なぜ豊洲だったのかは氷解せず、元トップの無責任さだけが漂った。

豊洲市場問題は、小池百合子知事が築地からの移転を差し止めてから予想外の展開を見せてきた。 建物下にあるはずの盛り土が消えていたり、きれいなはずの土壌の地下水から環境基準を超す有害物質が検出されたりと、事態は悪化の様相である。

移転先としてガス工場跡地を選び、市場建設を軌道に乗せた時期の都のトップは石原氏だった。負の遺産と化しかねないとの風評さえ広がる今、詳しく経緯を説明する責任があるのは当然だろう。

ところが、石原氏が語った言葉は、およそ重要な論点を解き明かすに足るものではなかった。残念ながら、記者会見の意味すら見いだし難かった。

つまびらかにされるべき疑問点は、いくつもあった。

・なぜ土壌汚染が分かっている豊洲への移転を決めたのか。

・地権者の東京ガス側とどういう土地売買交渉がされたのか。

・売買契約に伴って、東京ガス側には以後、土壌汚染対策費を請求しないと約束したのはなぜか。結果として、都の負担は約八百六十億円にまで膨らんだのに、東京ガス側は七十八億円だった。

しかし、石原氏からは具体的な説明は一切聞かれなかった。

要するに、知事就任前から豊洲への移転は既定路線で、仕事は部下に任せ、求められた通りに裁可したにすぎないと訴えたかったようだ。「私一人というよりも行政全体の責任」と発言するに及んでは、開き直りにも等しい。

リーダーとしての責任の重みをわきまえないまま十三年余にわたり、首都の代表を務めていたのか。知事の役割とは何なのか。六千億円近い公金が投じられた揚げ句、凍結状態に陥った大事業を前に何らの痛痒(つうよう)も感じないのか。

石原氏は二十日に、強い権限を持つ都議会百条委員会での証人喚問を控えている。都民に対して丁寧に説明する絶好の機会である。当時の自らの役割と責任を進んで明らかにしてもらいたい。

豊洲市場の安全性は科学的に担保されているのに、移転を中断して無駄遣いをしているとして、小池氏を批判もした。だが、その前に、どうすれば都民や業者の安心感を取り戻せるか知恵を絞ることこそが、責任ある態度だろう。
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[産経新聞] 【主張】米の通商政策 貿易戦争を仕掛けるのか (2017年03月04日)

「米国第一」のためならば、貿易戦争も辞さないということか。米通商代表部(USTR)が議会に提出した通商政策の報告書は、他国に対する問答無用の恫喝(どうかつ)だと断ぜざるを得ない。

通商問題の解決手段として、世界貿易機関(WTO)の判断より国内法を優先するという。貿易相手国に一方的な制裁を科す通商法301条の発動も検討する。

トランプ大統領の保護主義志向を色濃く反映した方針であり、容認できるものではない。早急に撤回するよう求めたい。

米国の都合を強引に押し通そうとする手法は、WTOが築いてきた世界の貿易秩序を崩す危うさをはらむ。米国に対する他国の報復を誘発して泥沼の貿易戦争に陥れば、世界の貿易は停滞しよう。

それは米国のためにもならないはずだ。トランプ氏はこうした懸念に耳を傾けるべきである。

トランプ政権は、貿易赤字を解消するため、輸入品に税を課す国境調整などを検討している。これらはWTO協定に違反する可能性が高い。そのため早々とWTOに従わない可能性に言及したのだとすれば、あまりに身勝手だ。

WTOは1995年に設立された。貿易紛争が生じればルールに基づく手続きで処理される。敗訴すれば違反行為をやめなければならず、これを受け入れない国への対抗措置も規定されている。

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それでも不公正貿易が後を絶たないというのが米国の問題意識なのだろう。特に中国は、WTO加盟で自由貿易の恩恵を享受しながら、国家による輸出補助を受けた不当廉売(ダンピング)などの問題がいまだに相次いでいる。

それでも不公正貿易を減じたいのであれば、WTOの場で実効性のある対策を議論するのが筋である。WTOを主導してきた米国はその責務を負っているはずだ。

トランプ政権のUSTR代表がまだ議会承認を受けていない段階で、USTRがこれほどの政策転換を打ち出すことにも首をかしげる。それが政権の意向だとしても、乱暴すぎないか。

他国に市場開放を迫る「強力な手段となり得る」として通商法301条を持ち出したことで、日米経済摩擦の再燃がさらに現実味を帯びるようになった。日本はこれを断じて許さない姿勢を貫くべきだ。4月にも開かれる経済対話で厳しくただすべきである。
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[産経新聞] 【主張】テロ等準備罪 必要な法案は堂々と通せ (2017年03月04日)

「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案のとりまとめが停滞している。条文に「テロリズム」の文言がないとして与野党から疑問が噴出しているためだ。

政府が目指す10日の閣議決定は困難との見方が強まっている。法案は国民をテロから守るためのものだ。そう説明されてきた。必要な法案は、堂々と通してほしい。

審議が「テロ等準備罪」をめぐって進められ、これを「説明のための呼称だった」と法案から文言を切り捨てては、「国民に分かりにくい」との批判が出るのも当然だろう。政府や法務省内に、その程度の予見がなかったのか、理解に苦しむ。

ただし、問題の解決は容易である。処罰の対象である「組織的犯罪集団」の例として「テロリズム集団を含む」などの一文を追加すればいい。閣議決定を遅らせるほどの手間はかからない。

法律用語には極力、外来語を避ける慣例が残っている。コンピューターはいまだに電子計算機、あるいは電子情報処理組織と表記される。テロリズムも法律上は「公衆等脅迫目的の犯罪行為」などと表記された。

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一方で生活様式や犯罪形態の変化により、外来語の使用を避けては実態とかけ離れることもあり、外来語を冠した新法も珍しくはない。平成12年に施行された「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー規制法)は、その代表例といえる。テロリズムが国際社会共通の脅威である今、この用語を避けて対処法を新設することに何の意味があろう。

特定秘密保護法はテロリズムを「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」と定義している。必要であれば、新法で再定義すればいいではないか。

共謀罪の新設は、国連が採択した「国際組織犯罪防止条約」に批准するための条件だった。それが過去に3回廃案となり、名称を改め、要件を厳格化して出し直した「テロ等準備罪」で、またもこのもたつきぶりだ。

国際協力を抜きにテロと対峙(たいじ)することはできない。政府与党は、揺るぎない信念を持ってこの法案を通すべきだろう。
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[東京新聞] 「共謀罪」 市民監視の脅威となる (2017年03月04日)

政府が創設したい「テロ等準備罪」の原案は、やはり「共謀罪」と趣旨が同じだ。処罰対象を二百七十七の罪名に絞り込んだというが、一般市民が対象となりうる罪も含み、到底賛成できない。

安倍晋三首相は「二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けて創設が不可欠だ」と国会で強調した。だが、これは国民を誤信させる。あたかもテロ対策の法案だと思わせるからだ。

実際に明らかになった原案には、テロの定義もテロの文字もなかった。これでは看板と中身が一致しない。しかも、目的は国連の国際組織犯罪防止条約の締結であるから、どう考えても共謀罪である。

国連が求めるのは、国境をまたぐマフィアなど組織犯罪対策だ。金銭的・物質的な利益を得る犯罪、つまり麻薬や人身売買、マネーロンダリング(資金洗浄)などが念頭にある。国連の立法ガイドには「目的が非物質的利益にあるテロリストグループは原則として含まれない」と記していることからも明白だ。

日本の場合、共謀罪を創設しなくとも、マフィアや暴力団などの犯罪に対処できる国内法は十分に整っている。とくに重大な犯罪については、十三の共謀罪、三十七の予備罪も持っている。つまり現行法のままで条約を批准できる−。そんな議論によって、過去三回、この法案を阻止・廃案にしてきた経緯がある。

今回の場合は、政府が法案に「テロ」を冠することにより、テロに対する国民の不安を利用し、共謀罪を成立させる発想があるのではないか。そう疑われても仕方があるまい。政府は現在、法案にわざわざ「テロ」の文字をあえて入れる方針を決めたが、あまりに本末転倒である。

処罰対象の罪を六百七十六から二百七十七に絞ったが、一般市民が対象になる恐れが残っている。実際に、正当な活動をしている普通の団体であっても、その目的が「犯罪を実行する団体」に一変したと認定されれば、「組織的犯罪集団」とみなされる。政府はそんな見解を出している。その判断は捜査機関などが担うのだ。

極めて危うい。これでは一般市民が「座り込みをしよう」と話し合い、準備にとりかかれば、何らかの犯罪行為とみなされて、一網打尽にされる可能性がある。こんな発想を持つなら、もはやマフィア対策どころか、狙いは市民監視にあると疑われよう。
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[朝日新聞] 経産省の施錠 密室化は不信を招く (2017年03月04日)

数ある省庁の中で、経済産業省は民間企業とも幅広く付き合い、情報交換を重ねることを強みとしてきた。そんな組織の特徴は、もはや過去のものになったのだろうか。

今週初めから、経産省が各部署の執務室の扉に原則としてカギをかけ、開閉のたびに職員がカードなどで解除する運用を始めた。訪問者とは面談専用のスペースで応接する。「情報管理の必要性が高まる中、行政の信頼性を確保するため」という。

取材するメディア関係者にも同様の措置をとり、「メモ取り担当の職員が同席」「広報室への報告を徹底」などの対応マニュアルも配られた。実際に、メモ取り担当の職員が雑談中さえ同席する事例が出ている。

民間企業でも情報管理の徹底や広報対応の一元化が進んでいる。だが、行政機関と民間企業には大きな違いがある。企業が自らの利益を増やそうとするのに対し、行政はあくまで国民生活に資すべき存在だ。

情報公開法はその第1条で「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」をうたっている。国民に開かれ、「知る権利」に応えることが原則だ。それこそが、行政への信頼性につながる。

官庁に集まる膨大な情報の中に秘密保持を要するものはあるだろう。だが、部屋にカギをかけ、部外者を入れないという「密室化」が不可欠とは思えない。警察庁や国税庁でも施錠は一部の部屋にとどまる。

経産省の今回の対策のきっかけは、日米経済協力の検討案が報じられたことだとの見方もある。世耕経産相は「個別案件とはまったく関係ない」「取材を規制するようなことは考えていない」と説明する。ならばなぜ今、対策が必要なのか、疑問は増すばかりだ。

政策立案の面から見ても、外部と壁をつくり、接点が減ってしまっては、むしろマイナスだろう。省外の知見や批判を積極的に取り込んでこそ、政策は洗練され、納得度も増すはずだ。

他省庁と比べて自由な気風で知られた経産省が、今回のように突出した対策をとれば、同様の動きが広がりかねない。折しも、南スーダンへの自衛隊の派遣や、国有地払い下げをめぐって、官庁の記録の短期間での「廃棄」が問題になっている。「知らしむべからず」の傾向が助長されてはならない。

経産省には施錠の再検討を求める。取材対応マニュアルについては、記者会の抗議を受けて「改善」するとの姿勢を示しているが、明確な撤回が必要だ。
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[読売新聞] 豊洲市場問題 石原氏は責任を回避するな (2017年03月04日)

部下や専門家にすべてを任せ、追認するだけだったという。都政の最高責任を担っていたとは、思えない。

築地市場の豊洲への移転問題で、石原慎太郎・元東京都知事が記者会見し、自らの関与などについて説明した。この問題に関して、公の場で見解を語ったのは、初めてだ。

土壌汚染が判明していた東京ガスの工場跡地を、なぜ移転先に選んだのか。用地取得の売買交渉をどのように進めたのか。この二つが、焦点になった。

石原氏は「最高責任者として、移転を裁可した責任はある」と認めた。その一方で、「個人の意思や意向ではなく、議会も含めて都政全体で決めたことだ」とも述べ、最終判断を下した責任を回避するような発言が目立った。

移転先の選定についても、知事就任時に「既定の路線だと説明を受けた」と強調した。豊洲移転が具体化したのが、石原氏が初当選した1999年から2001年にかけてだったことを考えれば、にわかには、うなずけない。

土壌汚染は、その頃から判明していた。08年には環境基準の4万3000倍にあたるベンゼンが検出された。節目節目で移転を再検討する機会はあったはずだ。

石原氏は「私には専門的な知見がない。専門家や部下を信用せざるを得ない」と釈明した。

豊洲移転を正式表明した10年秋の記者会見では、「首都を預かる知事として決断した」「日本の先端技術で土壌汚染を克服できる」と言明している。この時の自信に満ちた発言は、何だったのか。

小池百合子知事から不透明さを指摘された用地売買交渉についての疑問も、解消されていない。

土壌汚染対策費の約860億円のうち、東京ガスの負担は78億円だった。それ以上の負担を負わない「瑕疵(かし)担保責任の免責」が協定書に盛り込まれた。

石原氏が、副知事だった浜渦武生氏らに交渉を任せ、報告を受けていなかったのは信じがたい。

都議会百条委員会は20日に石原氏の証人喚問を行う。元知事としての責任ある証言を求めたい。

石原氏は「豊洲は安全だ、と専門家は言っている」と、早期の移転を主張し、判断を保留する小池氏を繰り返し攻撃した。

小池氏も、夏の都議選を意識して石原氏を追及し、都議会がそれに追随している面は否めまい。

百条委を対決の場に終わらせてはならない。市場移転問題の決着に資する検証が求められる。
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[読売新聞] 金正男氏殺害 「北」の化学兵器も警戒対象だ (2017年03月04日)

化学兵器にも用いられる猛毒による重大犯罪である。国際社会は、北朝鮮に対する警戒を一段と強めねばならない。

北朝鮮の金正男氏殺害事件で、マレーシア検察当局は、実行犯とされるベトナム人とインドネシア人の女2人を殺人罪で起訴した。北朝鮮国籍の男4人と共謀したと認定した。

事件の全容解明に向けて、一歩前進したとは言えるが、前途は険しい。事件のカギを握る4人は既に帰国したとみられる。北朝鮮国籍で唯一逮捕された容疑者も、証拠不十分で釈放となった。

警察当局は、在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官に、重要参考人として出頭を求めたが、実現の見通しは立っていない。北朝鮮が殺人事件自体を認めず、捜査を妨害しているためだ。

朝鮮中央通信は、北朝鮮の政権転覆を狙う米韓両国による「政治的妄動」だと喧伝(けんでん)した。

北朝鮮はこれまで、朝鮮労働党の金正恩委員長の異母兄である金正男氏の存在さえ、国民に伝えていない。事件を巡る情報が拡散して、最高指導者の威信が揺らぐことを恐れているのだろう。

司法解剖の結果、犯行に猛毒の神経剤VXが用いられたことが判明している。

マレーシア政府は声明で、VXが化学兵器禁止条約の対象である点を指摘し、VXが使用されたことを強く非難した。化学兵器禁止機関(OPCW)から、事件捜査で支援を受けているという。

北朝鮮は条約に未署名だ。韓国政府の推定では、最大約5000トンの化学兵器を保有している。テロへの転用は現実的な脅威だ。

マレーシアは、北朝鮮国民に認めてきたビザなし渡航の停止を決めた。国家ぐるみの犯行が濃厚になった以上、妥当な措置である。北朝鮮の出方次第では、駐マレーシア大使の国外退去や在北朝鮮の大使館閉鎖も対抗策となろう。

北朝鮮の関与を追及し続けるには、関係国の協力が重要だ。

米国の議会では、今回の事件を機に、北朝鮮を「テロ支援国家」として再指定するよう求める声が上がっている。

米国は1988年、大韓航空機爆破事件を理由に北朝鮮をテロ支援国リストに載せた。ブッシュ政権は2008年、核放棄を促すために指定を解除したが、目標とする非核化には至らなかった。

トランプ政権は従来の北朝鮮政策を見直し、「あらゆる選択肢」を検討している。再指定は圧力強化の有効な手段となるはずだ。
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[日経新聞] 仏大統領選は経済再生を競え (2017年03月04日)

4?5月のフランス大統領選挙に向け、主な候補者の選挙公約が出そろった。焦点のひとつが経済政策である。

フランスは失業率が10%前後で高止まりし、成長力もドイツより劣る。その経済再生策は欧州安定のカギを握る。

大統領選は4月の1回目の投票で過半数の票を獲得した候補がいない場合、5月の決選投票で上位2人の候補が争う。

世論調査によると、1回目の投票で極右政党の国民戦線のルペン党首が首位に立つが、決選投票では中道系の独立候補マクロン元経済産業デジタル相が優位とみられている。もちろん予断は禁物だ。

マクロン氏の経済政策は成長重視だ。法人減税や歳出削減を唱えているのは評価できる。中道右派の共和党の候補であるフィヨン元首相の公約と共通点が多い。

ユーロ圏の予算や財務相ポストの新設など欧州統合の強化に踏み込んだのも特徴だ。ただ、年金支給開始年齢の引き上げは見送り、財政健全化の実現性にはやや疑問も残る。

これに対し、EU離脱を掲げるルペン氏の経済政策は国家主義・保護主義の様相を帯びる。ユーロ圏離脱、輸入品への課税、外資規制の強化といった内容を並べたが、実施すればフランス経済の混乱は避けられないだろう。

フィヨン氏は年金支給開始年齢引き上げを打ち出している。中道左派の社会党の候補アモン氏は最低所得保障制度の創設、ロボット税などの斬新な策を訴えるが、経済活性化の視点は乏しい。

フランス経済の課題は成長力の強化と財政健全化の両立である。硬直的な労働市場を柔軟にしたり、規制緩和によりイノベーションを促したりする。そんな改革から逃げてはいけない。

フランスはユーロ圏での存在感が低下して久しい。イタリアやギリシャなど南欧経済が低迷する中、ドイツと並ぶ中核国としてユーロ圏をけん引してほしい。大統領選はその成否を左右する。
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[日経新聞] 採用ミスマッチ解消へ丁寧な企業説明を (2017年03月04日)

就職活動が早くから始まる実態は相変わらずだ。経団連加盟企業による来春の大卒者向け採用説明会が解禁されたが、事実上の会社説明会を解禁前からインターンシップ(就業体験)のなかで実施している企業は少なくない。

採用活動の早期化で、企業の仕事内容を理解する時間が十分確保できないまま就活を進める学生も多い。入社しても早く辞めてしまう人の増加の一因にもなっていよう。企業は学生に、具体的な日常業務などを含め、自社について丁寧に説明すべきだ。

経団連は昨年から、3月の説明会解禁はそのままにして、面接など選考試験の開始を8月から6月に前倒しした。これも学生が企業や業界の研究に十分な時間をとりにくくなった原因だ。

人材サービス大手リクルートキャリアの調査によると、企業が100人に内定を出した場合に辞退した学生の数は、2015年の卒業者で38人だったが17年卒では43.9人に増えている。企業の業務内容への理解が不十分だったことも背景にあるだろう。

厚生労働省によれば大学新卒者で卒業後3年以内に離職した人の割合は、13年の卒業者で31.9%あった。30%を超えるのは4年連続だ。「採用のミスマッチ」は企業にとっても損失になる。放置はできない。

仕事内容はもちろん、自社の特色や社風なども含め、企業は学生と十分なコミュニケーションをとる必要がある。効果が見込める手立てのひとつは、新卒者の採用を4年生の秋や冬にも選考する通年型とし、学生に企業研究などの時間を確保しやすくすることだ。

インターンシップの期間をいま主流になっている1日?数日程度から、もっと長期にすることも考えられる。欧米では1カ月を超える場合が珍しくない。

職種別採用や事業部門ごとの採用も、学生が自分が働く職場の姿を描きやすくなり、会社への理解が進むだろう。

何より大事なのは経営者が明確な企業戦略を持ち、どんな会社になろうとしているか、学生と接する幹部や社員が語れることだ。

ある時期に横並びで採用活動をする「新卒一括」方式が定着してきたため、企業は学生とのコミュニケーションをとる力が磨かれなかった面があろう。学生との意思疎通を重視し、双方が納得のいく採用を進めてほしい。
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[毎日新聞] トランプ税制 公正な競争ゆがめるな (2017年03月04日)

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トランプ米大統領が「歴史的な税制改革」を目指している。就任後初の議会演説では詳細に踏み込まなかったが、法人税改革と中間層向けの減税に意欲を見せた。

米国内外で特に注目を集めているのが「国境調整税」と呼ばれる措置だ。企業が米国製品を輸出して得た所得は法人税を免除する一方、輸入された製品や部品には高率の税金を課す。税の形をした事実上の輸出補助金であり、輸入制裁金と言える。

国境調整税は、共和党のライアン下院議長が提案したものだが、雇用創出のため輸出推進、輸入制限を唱えるトランプ氏が同調する可能性はある。下院議長案が、現行35%の法人税率を20%へ引き下げることを盛りこんでいるのも、「法人税15%」を選挙戦で唱えたトランプ氏と方向が重なる。

輸入品を法人税で差別する国境調整は、世界貿易機関(WTO)のルール違反となる恐れがある。ただ、米政府は、このほど議会に提出した年次通商報告の中で、WTOの勧告や裁定に必ずしも従わないとの方針を打ち出した。「米国第一主義」の通商政策実施に向け、先手を打ったような形である。

世界一の大国が、国際秩序に背を向け、なりふり構わぬ輸出優遇や輸入排除に走れば、WTOなど多国間の約束が空洞化する一方、対抗措置の広がりにより、世界経済が収縮することにもなりかねない。

もっとも、国境調整税導入のハードルは高そうだ。与党内にも問題視する向きがあり、すんなり導入されるとは考えにくい。

とはいえ、法人税の大幅引き下げは共和党が目指しているばかりか、トランプ氏の公約でもある。その財源として、国境調整税から得られる税収は魅力的なのだろう。だが、国境調整税導入によるコストが販売価格に転嫁されれば、大企業、特に輸出企業が受ける恩恵の対価を、一般の消費者が「値上げ」という形で支払うことになる。中間層の負担軽減と矛盾する政策だ。

国境調整税の支持者は、ドル高を招く政策であるため、価格への打撃は軽減されると主張する。だが、外国為替市場は、さまざまな要因で日々変動するものだ。課税によるコスト上昇分を相殺するドル高が教科書通りに起きる保証はない。

ムニューシン米財務長官は米メディアのインタビューで、大規模な税制改革案を「近い将来」とりまとめ、8月までに関連法を成立させる意向を明らかにした。米国の税制とはいえ、世界に大きな影響を与える可能性がある。日本政府は他国と協調し、米国に公正な制度やルール順守を促していく必要がある。
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[毎日新聞] 石原氏記者会見 結局は責任逃れなのか (2017年03月04日)

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豊洲市場(東京都江東区)への移転をめぐる疑問に正面から答えたとは言えないだろう。

石原慎太郎元東京都知事が日本記者クラブで記者会見した。

会見は石原氏の希望で行われた。石原氏は先月、「逃げているとか、隠れているとかの屈辱を晴らしたい」「言うべきことを言う」と述べ、弁明の機会を求めたのだ。

石原氏としては、豊洲市場をめぐる混迷は石原都政に根ざしているとして攻勢を強める小池百合子知事に反論したかったのだろう。

石原氏は、豊洲市場への移転を決めたことについて「裁可した責任はある」と認めたが、一連の問題は都議会を含めた都庁全体で決めてきたことだと強調した。

こまかな対応を問われると「いちいち報告を受けていない」と繰り返した。これでは責任逃れと受け取られても仕方ない。

経緯を押さえておきたい。

石原氏が知事に就任したのは1999年だ。東京ガスの工場跡地だった豊洲が市場の移転先候補に挙がっており、長く石原氏の秘書を務めていた浜渦(はまうず)武生副知事が2000年に東京ガスとの交渉役となった。

01年1月、豊洲市場用地の土壌から環境基準の1500倍のベンゼンが検出されたが、都はその年の末、豊洲への移転を正式決定した。

さらに08年には基準値の4万3000倍のベンゼンが検出されたが、都は移転の契約を結んだ。

なぜ、高濃度のベンゼンなどが検出された豊洲への移転が決められたのか。石原氏は「豊洲移転は知事就任時、既定路線だった」との従来の主張を繰り返すにとどまった。

会見で最も焦点になったのは、11年3月に都と東京ガスが結んだ土地の売買契約と土壌汚染対策の費用負担に関する協定書の妥当性だ。

東京ガスの負担は586億円のうち78億円のみで、それ以上の責任を負わない「瑕疵(かし)担保責任の放棄」が明記されたからだ。最終的に都の土壌汚染対策費は約860億円にまでふくれあがった。

この点について石原氏は、浜渦氏に任せていたとし、報告は受けていないと述べた。主要な建物下の盛り土がされなかった問題も、具体的に判断した記憶はないという。

専門家や行政各部署の責任者の判断を尊重してきたというが、結局は丸投げだ。これが行政手腕を誇ってきた石原氏のセリフなのか。

石原氏は20日、東京都議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)で証人として喚問される。浜渦氏も喚問予定だ。関係者が委員会に出席し、真摯(しんし)に対応することが、豊洲移転問題の解明には欠かせない。
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[朝日新聞] 共謀罪と与党 許されぬ「了承ありき」 (2017年03月04日)

重大犯罪が実際に行われなくても、共謀の段階で処罰できるようにする法律の政府原案が、自民、公明両党に示された。

政府はこれまで、案が固まっていないことを理由に、野党やメディアの質問の多くに回答を拒んできた。もはやそのような逃げの姿勢は通用しない。

確認したいことはたくさんある。たとえば共謀罪が導入される犯罪の種別と数だ。

組織犯罪防止の国際条約に加盟するには、重大犯罪のすべてに共謀罪を設ける必要があると政府は主張してきた。その数は670を超すはずだが、原案では277になっている。過去の閣議決定や答弁との整合性について明確な説明が必要だ。

取り締まりの対象となる組織の定義も問題をはらむ。

かつて国会に提出された共謀罪法案をめぐっては、市民団体や労組の構成員も摘発されるおそれがあるとの指摘があった。そこで政府は、「重大な犯罪の実行を目的とする組織的犯罪集団」との要件を追加し、不安の解消を図ったと説明する。一方で、正当な活動をしていた団体でも性格が一変すれば、当然、対象になるという。

問題は「一変」と判断する根拠であり、その証拠をいつ、どうやって集め、捜索などの令状を出す裁判所に説明するかだ。ここがあいまいなため、ふつうの人にも幅広く監視の網がかかることに変わりはないとの批判が出ている。しかし金田法相は「捜査を始める時期は一概に言えない。疑いの程度次第だ」という答えに終始している。

性格が一変した例として首相が挙げるのがオウム真理教だ。

ならば、ヨガのサークルから始まった集団の性格が変わったと認定できるのは、ふり返ってどの時点か。いかなる証拠や事実からそう判断できるのか。あるいは最後まで認定は難しいのか。新法の下ではどんな展開があり得るのか――などを、具体的に説明してもらいたい。

法相の答弁は、要は当局を信用せよと言っているだけだ。

だが、犯罪の疑いのある人物の自動車にGPS端末を勝手に装着して行動を監視し、その行為が発覚してもシラを切り通したり、労組などが入る建物の前に監視カメラを取りつけたりする警察である。恣意(しい)的な運用はあり得ないと言われても説得力を欠く。検察についても、証拠を改ざんしてまで有罪をとろうとした事件は記憶に新しい。

自公両党には、自分の言葉で国民にしっかり説明できるだけの審査をする責任がある。「了承ありき」は許されない。
posted by (-@∀@) at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする