2017年03月03日

[産経新聞] 【主張】森友学園問題 不適切な働きかけ検証を (2017年03月03日)

学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校用地取得問題で、学園側から政治家への働きかけが表面化した。

自民党の鴻池祥肇参院議員が、学園理事長夫妻から用地取得をめぐる陳情を受けていたことを明らかにしたもので、謝礼を渡されそうになったことも紹介した。

極めて不適切な行為であり、子供たちが安心して通える学校の担い手とは思いがたい。

松井一郎大阪府知事も、用地にごみが埋まったままであるとの認識を示し、小学校の設置認可は困難だとの見解を示した。

大幅に減額された国有地売却をめぐる疑問と併せ、十分な経緯の検証が必要である。

鴻池氏によると、平成26年に学園理事長夫妻と面会した際、紙包みを手渡され、現金入りの可能性があると思い返したという。

学園理事長は、商品券を渡そうとしたと説明したが、「お見舞い」だったとするなど、食い違いがある。いずれにせよ、金品を用いて用地取得を政治家に働きかけていた状況は否定できまい。公の場できちんと説明すべきだ。

敷地内にごみがあるまま、子供の健康への懸念を考えない姿勢にもあきれる。

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小学校は4月開校予定だが、これほどの問題が解消するのだろうか。認可の是非を検討する大阪府私立学校審議会(私学審)は、冷静に再考する必要があろう。

私学審は26年12月、学園が提出した認可申請に対する答申を保留した。だが、翌1月の臨時会では一転して「認可適当」とする答申を出している。

小学校の開校にあたり、用地の所有や借地権の取得は必須条件とされた。学園が国有地の借地契約をしたのは、その後だ。「認可適当」の判断に変わった経緯も検証すべきだろう。

大阪府は24年、学園側の要望を受け入れ、私立小学校などの運営実績がなくても借入金を充てられるよう、認可基準を緩和した。私学の競争を促すなど規制緩和策が背景にあったとされる。

だが、開校の前提として、適正に学校の運営を続けるため、学校法人の財務状況にも信頼性が置かれることが必要だろう。財務状況の弱さがあることは、私学審でも指摘されていた。

学校を信じて入ってくる子供や保護者らにどう説明するのか。
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[東京新聞] 女性議員の数 クオータ制導入しては (2017年03月03日)

「ガラスの天井」を破る第一歩にしてほしい。国会や地方議会選挙で男女の候補者数を「均等」にするよう求める法律が今国会で成立する見通しになった。女性の政治参画の流れを加速化したい。

世界百九十三カ国中、日本は百六十三位。議会の国際組織・列国議会同盟が一月にまとめた各国の下院(日本は衆院)に占める女性議員の割合である。驚くべき低水準である。日本の衆院議員に占める女性の割合は9%。世界平均23%の半分にも満たない。

アジアだけでみても、四割近くを女性が占める一位の東ティモールの足元にも及ばないほか、中国、韓国にも離されている。日本は完全に国際潮流から取り残されている。

ようやくこの現状を打破するべく国会が動く。衆参両院選挙などで男女比率をできる限り「均等」にするよう政党に努力を求める「政治分野における男女共同参画推進法」が全党一致で成立する見通しになった。野党案の「同数」よりも後退した感はあるが、画期的な一歩と評価したい。

しかし、これだけでは不十分だ。法律は努力義務を各党に課す理念法にすぎない。同法成立を機に、「均等」を実現するためのさらなる仕掛けが必要だ。

女性議員比率が高い欧州なども、数十年かけて増やしてきた。比率を高めるために百二十カ国以上が実施するのが「クオータ制(人数割当制)」だ。割り当てる議席数や候補者の性別比率を法律で定めるほか、政党が自発的に定める場合もある。

フランスや韓国では憲法や法律で女性候補者の割合を義務付ける。スウェーデンやノルウェーでは、比例代表の候補者名簿を男女交互にするなど政党が独自の取り組みをしている。日本も法改正や党則変更などで、クオータ制を導入する時にきている。

専門家の研究では、女性議員は女性の権利、子育て、介護、女性に対する暴力といった政策に熱心に取り組み、こうした施策の前進に貢献しているという。日本でも男女共同参画社会基本法やDV(家庭内暴力)防止法などが、女性議員の尽力で制定されたことを忘れてはなるまい。

人口は男女ほぼ半々である。にもかかわらず、意思決定の場で男性が圧倒的に多数を占める現状は、政策にゆがみを生じさせる懸念がある。多様性のある国会や地方議会を実現するため、各党には推進法の次の手を急いでほしい。
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[産経新聞] 【主張】世耕経産相 情報開示も施錠するのか (2017年03月03日)

経済産業省が省内すべての執務室を日中でも施錠する措置を始めた。

世耕弘成経産相は「情報管理を徹底するため」としているが、情報公開に後ろ向きのメッセージと受け取れる。即時の撤回を求めたい。

同省を含めた大半の中央省庁は受付で訪問者の身元や行き先などを確認しており、各執務室は施錠していないところが多い。全室に鍵をかけるという同省の対応は極めて異例である。

施錠措置と併せて職員の取材対応には別の職員を同席させ、その内容を報告させるとするルールも導入した。これも取材活動の障害となりかねず、到底容認できるものではない。

都合の良い情報だけを公開し、不利益を被りそうな取材はなるべく制限する。そんな底意さえ感じられる。世耕氏は情報開示にも鍵を掛けるつもりなのか。

経産省の全室施錠は今週から始まった。世耕氏は「机の書類が見える状況には問題がある」と強調している。菅義偉官房長官も「経産省は来訪者が多い。機微な情報がたくさんあるので、一定のルールは自然だ」という。

通商交渉や企業再編など機密情報の保全は大事だが、それは限定した部署の施錠で対応できるはずだ。機微な情報を机上に放置するのは管理上の別問題である。

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実際に多くの機密情報を保管する外務省や財務省なども、一部の部署の施錠で済ませている。

また、取材内容を記録する別の担当者が同席すれば、本音での議論や意見交換もできなくなる恐れがある。不祥事の取材は受け付けないなどの事態が想定され、匿名証言を基とする調査報道にも制限がかかる。これでは、権力に対する監視というメディアの役割を損ないかねない。

施錠問題をめぐっては、先月の日米首脳会談に関する報道が影響したとの見方もある。経産省が関わった経済協力の提案内容が事前に報道された問題だ。

世耕氏は「全く関係がない。私が就任した当時から考えていた」と否定しているが、いかにもタイミングが悪い。

報道側の施錠措置撤回の申し入れを世耕氏は拒否している。だが閣僚の中にもその姿勢を問題視する声はある。経産省は本来、この分野における国の広報窓口であるはずだ。正常化を急ぐべきだ。
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[東京新聞] 企業の顕彰 経営の「常識」正しいか (2017年03月03日)

過重な長時間労働や業績を偽る不正会計…。名門といわれた大企業の不祥事が続く中、異彩を放つ企業表彰制度がある。「人」を大切にし、会社に関わる人々の幸せを優先する経営を選ぶのである。

七回目を数える「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞。その受賞者十七件が決まった。

残念ながら現在は株価や業績重視の経営が主流となっている。アベノミクスも経営者寄りの政策を進めてきた。だが、いくら業績が良くても、成果を求められる社員や家族らが豊かさも幸せも感じられないのであれば意味がない。業績はあくまでも経営の結果であって目的ではないはずだ。

しかし、不正会計が一昨年発覚した東芝のように業績を目的にし、無理に好業績を追求するから不幸な結末になる。過労死を招くような「人を大切にしない経営」はすぐにも変えなければならない。

賞の基準は厳格すぎるほどである。過去五年以上という長期にわたり、リストラなど人員整理をしていない▽仕入れ先にコストダウンを強制していない▽障害者を法定雇用率以上に雇用▽黒字経営(震災時など一過性の赤字は除く)▽重大な労働災害を起こしていない−というものだ。

この賞が重みを持つのは、「人を大切にする企業」は好不況の波に左右されず業績が良いという事実があるからだ。

今回、最高の経済産業大臣賞に選ばれたのはTOTO(北九州市)で、過去五年間に離職率が実質0%なこと、重度が半数を占める障害者ほぼ全員が正社員、有給休暇取得率や平均年収が高いなど人を大切にするからだ。

厚生労働大臣賞には学校法人・柿の実学園(川崎市)が選ばれた。三十八クラス、千六百人と全国最大規模の園児を受け入れ、重度障害児を優先的に入園させるなど二割が障害児。健常児と同一の環境で保育し、社会的包摂の成果を上げている。

実行委員会特別賞のウェルテクノス(岐阜県大垣市)は障害者雇用を支援するためにできたIT企業。創業者の服部義典氏は先天的に各臓器が左右逆という難病を持ち、就職に困難を極めた経験から起業した。自身の給与を十万円に抑え、障害者の働く場と、低すぎる賃金の増加に十年以上も尽くした。服部氏は昨年十二月、四十五歳の若さで永眠した。

「正しい経営」が広まれば日本はもっと良くなるはずだ。まずは経営の「常識」を変えねばならない。
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[毎日新聞] 宅配の問題 過剰な便利さの再考を (2017年03月03日)

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宅配最大手のヤマト運輸が、荷物の取扱量抑制に向けて労使で協議を始める。慢性的に人手が足りない配達の現場から「もう限界だ」との声が上がったためだ。

インターネット通販の普及で、業界が運ぶ荷物は増加の一途にある。荷を扱う現場では再配達や時間指定配達などに追われ、長時間労働が日常的になっている。

背景には「送料無料」「即日配達」など、利用者による利便性の追求と、それに応えて顧客を囲い込もうとする競争がある。だが、だれかに過重な負担を強いて提供されるサービスは長続きできない。

業界や通販会社が持続可能な宅配のあり方に取り組むだけでなく、便利さの恩恵を受ける利用者の意識の転換も必要だろう。

国土交通省によると、業界が扱う荷物量は2015年度に37億個を超えた。この10年間で約8億個も増えている。

このうちヤマトは17億3000万個で、今年度は19億個に迫る。13年から佐川急便に代わって、ネット通販最大手のアマゾンから宅配業務を受託した結果、個数が急増した。

ヤマトの配送担当者は全国に約6万人いるが、多い時期は1人で1日150?200個を宅配しなければいけないという。残業せずには処理できない量だ。

このため、ヤマトの労組は、来年度の扱い量が今年度実績を超えないように経営側に対策を求めている。会社は、時間指定配達のうち一部の時間帯廃止や夜の時間帯繰り上げなどを検討する方針だ。

業界としても、駅での宅配ボックス設置やコンビニでの受け取り普及を対策にあげる。

国交省の調査によると、受取人の不在による再配達は宅配便全体の約2割になる。扱う荷物が多いのに加え、むだ足に終わることが長時間労働や心身の消耗を招く。

こうした問題を招く原因の一端が、国交省による利用者調査で明らかになっている。

再配達になった理由を聞くと「配達が来るのを知らなかった」が最も多いが、これとほぼ同じ4割が「再配達してもらうのを前提に不在にしていた」と回答した。むだ足を踏ませても構わないという意識が読み取れる。

ネット通販の普及で、日々の生活は快適で便利になったが、荷物を運ぶのは生身の「人」だ。労力はかかるし、それに伴う対価も生じる。

社会に欠かせない基盤となった宅配の未来がこのままでは揺らぎかねない。利用者もどこまで利便性を求めるか、再配達や夜間配達に別料金の形で負担に応じることを含め、再考しなければならない。
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[毎日新聞] 森友学園 教育機関と言えるのか (2017年03月03日)

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果たして教育機関を名乗る資格があるのか。学校法人「森友学園」の実態が明らかになるにつれて疑念が深まる。

学園が運営する幼稚園の運動会で「安倍(晋三)首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです」などと園児に選手宣誓をさせていた。この映像を見て異様さを感じた人は少なくないはずだ。

教育基本法は思想が偏らないよう教育の政治的中立を求めている。園児にこうした宣誓をさせることが法を逸脱しているのは明らかだ。

政治について理解する力が身についていない幼児に、大人の思想を押しつけるのは教育ではなく、まさに洗脳である。

子供の健全な成長に影響を及ぼしかねない深刻な事態だと受け止めなければならない。

この幼稚園は教育勅語を園児に暗唱させており、新設予定の小学校でも素読させるとしている。

明治憲法下の教育理念である教育勅語は忠君と国家への奉仕を求めていた。1948年、「基本的人権を損ない、国際信義に対して疑いを残す」などと衆参両院で排除と失効確認が決議された。公式決議の意味は重く、教育現場での暗唱はふさわしくないはずだ。

強引に戦前回帰を進めようとする籠池(かごいけ)泰典理事長らの姿勢は時代錯誤と言わざるを得ない。

学園を監督する大阪府は、教育基本法の趣旨を踏まえた教育内容に改めるよう指導を徹底すべきだ。

教育以前の問題も相次いでいる。職員に「犬臭い」と非難されるなどの嫌がらせを受けたとして元園児の保護者が損害賠償訴訟を起こした。「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」という差別表現のある文書を保護者に配り、府が事情を聴いたことも明らかになっている。

学園は4月の小学校開校を予定しており、大阪府の審議会が認可を検討してきた。しかし、申請時から学園の財政状況や教育内容を不安視する意見が多く、「思想教育のよう」と懸念を示した委員もいる。

大阪府が認可を延期する方向で検討に入ったのは当然だ。学園を巡る疑念を拭い去ることができない限り、認可はすべきではないだろう。

学園の国有地取得を巡っては政治家に口利きを依頼していた疑いも浮上した。自民党参院議員の鴻池祥肇元防災担当相が理事長夫妻と面談していたことを明らかにした。

鴻池氏本人は財務省や国土交通省への働きかけを否定している。しかし売却の経緯に不可解な点が多く、国民の関心も極めて高い。安倍内閣として厳格に真相を究明するよう改めて求める。
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[日経新聞] 実効性ある受動喫煙対策を (2017年03月03日)

厚生労働省は他人が吸うたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」を防ぐための法案を今国会に提出する考えだ。たばこが健康を損なうことは明らかだ。自らの意思でたばこを吸う人以外に、その害が及ぶようなことがあってはならない。効果的な対策を講じてほしい。

今回の法整備は2020年の東京五輪が契機となっている。世界保健機関(WHO)などは「たばこのない五輪」を目指しており、最近の開催国はどこも罰則を伴う法規制によって受動喫煙対策を強化している。

日本は今のところ、法律で受動喫煙防止の努力義務をうたうにとどまる。依然として多くの人が飲食店や職場で受動喫煙の被害に遭っている。WHOによると、日本の対策は世界で最低レベルだ。

このため、厚労省は多くの人が利用する場所で禁煙を義務付け、違反した場合には罰則を科す法整備を検討中だ。医療機関や小中高校は敷地内をすべて禁煙にする。職場や劇場、飲食店は屋内禁煙だが、喫煙専用室を設けることは認めるという。妥当な方向だろう。

焦点になっているのは飲食店の扱いだ。飲食業界や与党・自民党から「喫煙の自由もある。一律規制はおかしい」といった強い批判が起こっている。批判に対し、同省は主に酒を提供する小規模なバーやスナックなどに限って例外的に喫煙可能とする方針だ。

妥協策を探る必要はあるだろう。ただ、どこで例外の線を引くかは難しい。一斉にしゃくし定規な規制をかけ、かえって抜け道を生んでしまっては意味がない。

当面、店の外から明確にわかるようにしておけば条件付きで喫煙可能とするなど、柔軟な対応もあり得るのではないか。国会でも受動喫煙対策を前進させる観点で責任ある対応をしてほしい。たばこの害に遭う人をなくしていくという実効性が大切だ。

法制度とは別に、喫煙者は吸うことが可能な場所でも周囲に配慮することが欠かせない。マナーももっと向上させたい。
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[日経新聞] 米政権のWTO軽視は貿易戦争に道開く (2017年03月03日)

公正なルールに基づく国際経済秩序が損なわれることにならないか。米トランプ政権が1日公表した通商政策報告書を読むと、そんな危惧を抱かざるをえない。

米通商代表部(USTR)による報告書は、世界貿易機関(WTO)が海外の不公正な貿易措置に甘く、米国が不利益をこうむってきたと指摘。不公正な措置には米国の国内法に基づく対抗措置を取るとし、米国の利益を損なうようなWTOの決定には従わない姿勢を明らかにした。

1995年に発足したWTOの紛争解決メカニズムは、拡大する世界の貿易取引を円滑に進める安定剤として機能してきた。特にWTOの手続きを経ない一方的な制裁措置の発動を禁じたことで、むやみな制裁合戦を防いできた。

最大の経済国である米国がこの手続きを無視して、高関税などの対抗措置を取るようになれば、世界の貿易秩序は乱れ、報復措置が相次ぐ貿易戦争につながりかねない。そうなれば世界だけでなく米国経済にも大きな害をもたらす。

米国がWTOの判断に不満を示し、最終的な是正勧告に従わなかった例はある。だが、これまでは貿易秩序の守護神であるWTO体制を擁護する立場を貫いてきた。方針転換を示唆するような今回の報告書は憂慮に堪えない。

米政権とWTOとの全面衝突につながりかねないテーマもすでにある。一例は、法人税改革の一環として下院共和党と政権が検討中の国境調整措置だ。輸出を免税にし、輸入費用を課税所得から控除できないようにするもので、実現すればWTO協定違反と判断される可能性がある。

また、新政権が中国に対し、「為替操作」を理由に報復措置を取る可能性が取り沙汰されているが、実施されればWTO協定違反となるのはほぼ間違いない。今回示した方針通りなら、こうしたWTOの判断を米国は無視しかねない。

もちろん、WTOが不公正な貿易措置の是正に十分貢献していないとの米国の主張には一理ある。中国などによる知的財産権の侵害や、様々な形を取った輸出補助が放置されている面は否めない。

この問題は、WTOでの粘り強い議論や説得を通じて是正すべきものだ。自国の利益を損なうルールは従わなくてよいとの姿勢を米国が見せれば、世界に悪い前例を残す。悪影響は経済だけでなく、安全保障秩序にも及びかねない。
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[朝日新聞] 長時間労働 是正の決意を労使で (2017年03月03日)

「働き方改革」で焦点となっている残業時間の上限規制をめぐり、経団連と連合のトップが会談した。3月末の政府の実行計画策定に向けて協議を重ね、合意を目指す。

今は実質青天井の残業時間に、年720時間(月平均60時間)の上限を新たに設けることでは、労使の足並みがそろった。焦点は、繁忙期など特定の月に残業が集中する場合に、どこまで特例を認めるかだ。

政府は、脳・心臓疾患の労災認定の基準である「1カ月100時間超」などのいわゆる「過労死ライン」を上回らないようにするとの考えで、経団連も受け入れる姿勢だ。一方の連合は「到底あり得ない」と反発し、100時間を下回る水準にするよう求めてきた。

安倍首相は「多数決では決めない」として労組の理解が重要との認識を示しつつ、「合意が得られなければ(改革のための)法案は出せない」と述べた。このため労組側には、自らの抵抗で上限規制自体が頓挫しかねないとの危機感から、歩み寄りを探る動きもあるようだ。

だが、月100時間の残業といえば、月20日働くとして毎日午前9時から深夜23時まで仕事をする状態だ。過労死で家族を失った人たちなどからは、「過労死ぎりぎりまで働かせることにお墨付きを与えるようなものだ」との声が出ている。

そもそも月100時間の基準を下回れば過労死が起きないわけではない。現状を追認するような規制で、先進諸国の中でも突出する日本の長時間労働を断ちきる決意を示すことになるだろうか。

経営側は、「働く人たちを大切にする」と強調するなら、再考すべきだ。労使がともに問われていることを自覚し、協議を急いでほしい。

もちろん、規制に実効性をもたせるには、働く現場の実態に合った内容にすることが必要だ。急な変更が難しいのなら、移行期間を設けて段階的に実施する、中長期の目標を掲げて工程表を示すといったやり方もある。大事なのは、どこに向かって進むのかを明確にすることだ。

長時間労働が当たり前という職場環境が、仕事と家庭の両立を難しくし、女性の活躍や、男性が育児などを担う妨げとなってきた。こうした現状を改めなければ日本が少子化から抜け出すことも難しい。改革は日本の将来のためでもあるということを、いま一度確認したい。

どのような社会を目指すのか。その覚悟が試されている。
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[朝日新聞] 森友学園 政治家の関与、解明を (2017年03月03日)

政治家の関与が疑われる以上、すみやかに関係者を国会に招致し、不自然な取引の背景を徹底して調べる必要がある。

学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題にからみ、新たな証言が出た。

自民党の鴻池祥肇(こうのいけよしただ)・参院議員が14年春、議員会館事務所を訪れた学園の理事長夫婦から「紙に入ったもの」を差し出され、「これでお願いします」と言われたという。鴻池氏は受け取らず、中身も見なかったと話す。

学園は当時、大阪府豊中市の国有地に小学校を設置する計画を進めており、国有地の賃借や取得を目指していた。紙の中身はわからない。だが、学園側が政治家に便宜を図ってもらおうとしたと考えるのが自然だ。

理事長には詳細を明らかにする責任がある。事実なら教育者としての資質も問われる話だ。

朝日新聞が入手した鴻池氏側作成の「陳情整理報告書」によると理事長や国との接触は2年半で25回あり、「賃借料をまけてもらえるようお願いしたい」などの要求も示されている。鴻池氏の地元秘書は理事長と国を仲介したことを認めている。

注目すべきは、取引が大筋、報告書にある依頼に沿って進んだことだ。

学園は当初、国有地を一定期間借りた上で購入する予定だった。しかし、財務省は府の認可方針が必要だと主張し、府は財務省の「確約」を求めた。

報告書には理事長の言葉として「鶏と卵の話。なんとかしてや」と書かれている。

実際、府私学審議会は15年1月、「認可適当」の答申を出し、翌月、国有財産近畿地方審議会が定期借地契約を「了承」した。府私学審議会の会長は「認可適当を出さないと国有財産の審議会が動かないこともあり、事務局同士が協議した」と取材に答えている。

小学校開設という結論ありきで物事が進み、中立公正であるべき審議会の議論がゆがめられた可能性はないのか。財務省と府はさらなる調査をすべきだ。

他の政治家の関与も焦点だ。財務省は交渉記録を廃棄したというが、記録がないなら、職員への聞き取りを進めるべきだ。

理解できないのは安倍首相の対応である。きのうの国会では「会計検査院がしっかり審査すべきだ。政府としてできることはそれが最大限だ」とまるでひとごとのようだ。

自ら疑惑の解明に指導力を発揮すべきだ。問われているのは、国民の共有財産である国有地が格安で売却されたのではないかという重大な疑惑だ。
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[読売新聞] 福島避難解除 「町のこし」に何をすべきか (2017年03月03日)

東日本大震災から間もなく6年になる。

今なお避難生活を強いられる人たちが、一人でも多く古里に戻れるように、政府と自治体は支援の手を緩めてはならない。

東京電力福島第一原子力発電所事故による避難指示が今春、福島県の川俣、浪江、富岡の3町と飯舘村で新たに解除される。

除染が終了した地域の生活基盤を整えて、町を再建する取り組みが本格化する。

避難指示は、3年前から5市町村で段階的に解除されたが、帰還の動きは鈍い。昨年6月に、ほぼ全域が解除になった葛尾村では、村民の1割しか戻っていない。

医師が不在のために、村が患者を隣接市の医療機関まで送迎している。小売店は休業のままで、村は生鮮食品や日用品の無料配達まで担っている。

それにもかかわらず、「環境整備が不十分だ」との声があり、小中学校の再開は先送りされた。

住民が戻らないために、復興が滞る。この悪循環に陥らない工夫が、各自治体には求められる。

富岡町では今月末、大型のショッピングモールが本格オープンする。避難指示解除を見据えて、町などが、廃屋同然だった旧施設を1年かけて改修した。政府の補助金や交付金が活用された。

人の流れを呼び込みたい、との期待が込められている。

浪江町では、役場周辺に診療所や商店、交流施設などを集める。暮らしの場をコンパクトに集約する手法に、町の将来を託す。

帰還困難区域を抱える浪江町などを対象に、政府は「特定復興再生拠点区域」制度を新設する。自治体の整備計画を、政府が後押しする仕組みだ。町が少しでも再生するよう機能させたい。

被災地の多くは元々、過疎化や高齢化に直面していた。

避難した高齢者は、概して帰還を願う気持ちが強い。若年層にも、古里に戻ろうという思いを持ってもらうことが大切だ。子供の学校の都合などで、避難先を離れるのをためらう人は少なくない。

生活環境の整備に加え、重要なのは、雇用の確保である。

復興庁は約8000の被災事業者への訪問を続けてきた。再開の意欲がある事業者の求人などのニーズを的確に把握し、効果的に支援する必要がある。

住民の帰還が進まねば、将来的には、自治体が成り立たない恐れさえある。「町のこし」のために、政府と自治体が連携して、再生の青写真を描いてもらいたい。
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[読売新聞] 監査法人指針 外部の目で質の向上を図ろう (2017年03月03日)

度重なる企業の会計不祥事を防ぐには、不正の芽を早期に摘む、質の高い監査体制を整備することが欠かせない。

金融庁が監査法人の規範に関する指針を導入する。2015年春に発覚した東芝の不適切会計で監査法人への不信感が高まったことに対応するものだ。

監査法人はパートナーと呼ばれる上級幹部が中心となって運営される独特の形態を持つ。監査方針が現場の会計士に浸透せず、責任の所在があいまいになる、といった弊害が長く指摘されてきた。

こうした現状を踏まえ、今回の指針は、経営方針を定めて業務全体に責任を持つ「経営機関」の新設を求めた。社外の有識者や企業経営者などで構成する「監督・評価機関」も設けるとしている。

一般企業で言えば、経営機関が取締役会に、監督・評価機関が社外監査役などに相当する。

監査の質を上げ、経営責任を明確化する。それを外部の目で監視する。監査法人の統治を徹底する指針の方向性は妥当である。

指針の実効性を担保するには、単に組織の改編を求めるだけでは十分ではあるまい。経営機関に人事面で強い権限を持たせるとともに、公正な監査を行う人材を着実に育成することが大切だ。

金融庁は13年、オリンパスの粉飾決算事件を機に監査法人の業務に求められる要素を「対応基準」としてまとめた。企業の会計処理に不正が潜んでいるかもしれないと考える「職業的懐疑心」を持ち、監査に臨むよう求めた。

しかし、2年後の東芝の不適切会計は防げなかった。金融庁は、「批判的な観点からの検証が十分に実施できなかった」として、担当した監査法人に対し、一部業務停止と課徴金納付を命じた。

東芝はその後、原発事業の巨額損失で経営危機に陥っている。

監査法人にとって、企業は報酬を得る顧客だ。監査でなれ合いが生じるリスクも存在する。

監査結果は、株主や投資家などが企業の価値を判断する重要指標だ。指針は、監査の内容や体制の積極的な開示も促している。監査の質の向上につながろう。

監査法人は、企業や株主が客観的に評価できる体制作りに取り組まねばならない。

日本では、大企業の監査を担当できる監査法人は数社に限られており、企業が特定の監査法人と長期の契約を結ぶケースが多い。

監査の透明性を高めるには、担当する監査法人を定期的に交代させる制度の導入も有効だろう。
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