2017年02月27日

[産経新聞] 【主張】新学習指導要領案 聖徳太子が消え、「厩戸王(うまやどのおう)」と呼ぼう これには首をひねる (2017年02月27日)

小中学校の新学習指導要領案で歴史用語の見直しに批判や戸惑いが出ている。とりわけ、聖徳太子について、なじみの薄い「厩戸王(うまやどのおう)」と呼ぼうというのは首をひねる。

国民が共有する豊かな知識の継承を妨げ、歴史への興味を削(そ)ぐことにならないだろうか。強く再考を求めたい。

聖徳太子は冠位十二階や十七条憲法などにより古代日本の国造りに大きな役割を果たした。歴史学習で最重要人物の一人である。

現行指導要領で「聖徳太子」だが、改定案では小学校で「聖徳太子(厩戸王)」、中学で「厩戸王(聖徳太子)」とされた。

聖徳太子は死後につけられた呼称で、近年の歴史学で厩戸王の表記が一般的だから、というのが見直しの理由とされる。

しかし、国民に親しまれ、浸透している名は聖徳太子である。厩戸王は、学年の理解度により、併せて教えればいい。小中で教え方が異なる理由もよく分からない。聖徳太子が一般的なことを、自ら認めるようなものではないか。

聖徳太子の威徳は早くからさまざまな形に伝説化されていった。一度に10人の訴えを聞き分けたという超人的な説話もある。

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このような話が史実ではないとしても、太子への信仰が広く定着していった事実は疑いようがない。鎌倉時代には太子を日本仏教の祖とあがめる風潮が強まったといわれる。

聖徳太子が建立したとされる四天王寺(大阪)や法隆寺(奈良)は言うに及ばず、多くのゆかりの寺院が現在もなお、太子を信仰したり敬慕したりする善男善女でにぎわっている。それは、日本の仏教史や精神文化史などを顧みる上で極めて重要なことである。

わが国真言宗の開祖は空海であり、弘法大師はその諡(おくりな)とされているが、弘法大師の名を知らなければ、全国各地で盛んな大師信仰を理解することはできない。

同じことが聖徳太子についても言える。

厩戸王を教えるだけでは歴史は細切れの無味乾燥のものとなり、子供は興味を抱くまい。

厩戸王が後に聖徳太子として信仰の対象となり、日本人の心の持ち方に大きな影響を与えた。それを併せて教えればよい。

時代を貫いて流れるダイナミックさを知ることこそ、歴史を学ぶ醍醐味(だいごみ)ではないだろうか。
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[東京新聞] 米欧の溝 価値観共有で真の絆を (2017年02月27日)

米トランプ政権幹部らが米欧の結束を確認した。欧州は安堵(あんど)したが、強硬なトランプ大統領との溝は、なお深い。人権重視や国際協調などの価値観共有を訴え、真の信頼関係を築きたい。

トランプ氏は選挙期間中、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)を「時代遅れ」と批判し、ロシア寄りの発言を繰り返していた。欧州連合(EU)からの英国の離脱決定を称賛した。欧州の不信は強まっていた。

今月、NATO国防相理事会に初めて出席したマティス米国防長官は「米国は責任を果たす」と述べ、ペンス米副大統領はドイツ・ミュンヘンでの安全保障会議で「NATOへの関与を続けていく。ロシアには責任を負ってもらう」とロシアへの強い姿勢を示した。

ペンス氏はEUとの連携強化も明言した。欧州の懸念はひとまず払拭(ふっしょく)された。

マティス、ペンス両氏とも、NATOを支える国防費増額を加盟各国に求めた。メルケル独首相は要求に応じる考えを示した。

しかし、これでは既定路線にすぎない。かろうじて確認されただけの絆では心もとない。

不安要因も多い。

トランプ氏が敵視する米CNNテレビによると、トランプ氏への影響力が強いとされるバノン首席戦略官兼上級顧問は、ペンス氏訪欧の一週間前、独外交官に、EUには欠陥があり、加盟各国との二国間の関係強化を望んでいる、と伝えたという。ペンス氏、バノン氏どちらの対応がトランプ政権の本音なのか、混乱は広がる。

さらに問題なのが、米欧の価値観共有が揺らいでいることだ。

宗教差別にも映るイスラム圏七カ国からの入国禁止に固執し、メディアを敵視し言論の自由を軽視する、トランプ氏の政策は欧州で強い反発を呼んでいる。

トランプ氏は、ありもしないスウェーデンの「テロ」まで引き合いに出して、移民の脅威を強調した。そもそも欧州への関心があるのだろうか。

日本も共有する人権などの価値観の軽視は、先進七カ国(G7)などの枠組みの存在意義にも関わり、国際秩序をも覆しかねない。

欧州自体が難民問題などで揺れるが、協調を確認し、思いを一つにするよう米国に訴え続けたい。トランプ氏は聞く耳を持たないかもしれないが、毅然(きぜん)と是々非々で向き合いたい。ディール(取引)だけの関係はもろい。
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[東京新聞] 保育園落ちた いつになれば解消する (2017年02月27日)

四月の保育所入所をめぐり、今年も「保育園落ちた」の悲痛な声が相次ぐ。首相は新年度末までの「待機児童ゼロ」の目標達成は困難との見方を示した。対症療法でなく抜本的に政策転換すべきだ。

積年の待機児童問題はいつになったら解消するのか。

子どもが四月から認可保育所に入所できるのか、二月は自治体から可否通知が届く。「妊娠中から保活に走り回ったが入所できなかった」「入所先が見つからず退職」「会社の託児所に一歳児を預かってもらうことになったが、子連れで満員電車に揺られることになる」。国会内で開かれた集会では、認可保育所に入れなかった母親たちの怒りの声があふれた。

「保育園落ちた」と窮状を訴える匿名ブログが話題を集めて一年たつが、問題はさらに深刻化している。厚生労働省によると、待機児童数は二〇一六年四月で約二万三千人で前年より増えた。背景には非正規雇用の増加で世帯収入が減り、幼い子を持つ母親の就業率が高まったことなどがある。

国や自治体は保育施設を新設するなどして定員を増やすものの、入所希望者がそれを上回る勢いで増えるために追いつかない。

国はどう責任を持つのか。一三年に発表した「待機児童解消加速化プラン」は、五年間に保育の受け皿を五十万人分整備し、待機児童をゼロにする計画だった。だが目標達成について安倍晋三首相は「厳しい」と国会で答弁。

この間の対策には応急策が目立った。保育士配置や施設面で基準を緩和し、狭いスペースに子どもを詰め込もうとする。二歳児までの小規模保育所を増やしたが、それも三歳になれば行き場を失い、また保活を迫られる。企業主導型保育所も保育士の配置基準が緩く、親たちの心配は尽きない。

もっと政策の優先度を上げて予算を投じ、国の基準を満たした保育所を増やす。保育士の給与引き上げも一部でなく全体の処遇改善につながる政策が必要だ。

国はいまだに正確な待機児童数を把握していない。自治体によっては認可保育所に入れずに育休を延長したり、認可外施設などに入った場合は待機児童に数えていない。こうした「隠れ待機児童」を含めて九万人規模とも。都会の問題だとみられてきた待機児童は地方にも広がっている。

子どもの数は減っても保育の需要はこの先も増える。今こそこうした社会構造の変化に向き合った抜本的な政策転換を図るべきだ。
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[産経新聞] 【主張】人工島のミサイル 「中国の海」にはさせない (2017年02月27日)

中国のあくなき海洋覇権の追求を、抑えていけるか。そこにアジア太平洋地域と世界の平和と繁栄がかかっている。

南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の3つの人工島で、中国が長距離地対空ミサイル用とみられる格納施設を建設している。その数はおよそ20カ所に達し、完成間近だという。

そもそも人工島の造成自体が国際法違反である。中国は撤収すべきであり、地対空ミサイル配備などは到底認められない。

中国外務省は「自らの領土に必要な施設を建設している」と強弁しているが、あきれてはいられない。ミサイル配備が強行されれば、人工島にある機関砲どころではなく、南シナ海上空の多くの航空機に脅威が及ぶからである。

フィリピンのヤサイ外相が「挑発的であり、抗議も辞さない」と批判したのは当然である。

中国は今年1月、中国南部や南シナ海を管轄する南部戦区の司令官に海軍出身の中将を充てた。5つしかない戦区のトップに陸軍以外の将官を起用するのは異例だ。南シナ海の制覇にこだわっていることがうかがえる。

昨年2、3月には、南シナ海の西沙(パラセル)諸島で、地対空ミサイルや対艦巡航ミサイルを配備したことも明らかになった。

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米海軍は南シナ海で今月18日から、空母カール・ビンソンを中心とする艦隊(第1空母打撃群)による定期哨戒(パトロール)を始めた。航行の自由を守る上で適切な行動である。

中国は主権侵害だと反発したが、「力による現状変更」をはかっているのは中国である。それに最も効果的に圧力をかけられるのは、米軍の存在である。

安倍晋三首相とトランプ米大統領は先の首脳会談で、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の開催で合意した。

日米の役割分担の見直しでは、南シナ海での新たな連携を打ち出す好機とすべきである。海上自衛隊の艦船、航空機による哨戒活動の将来的な実施は、検討に値するものだ。

トランプ政権はアジア太平洋での米軍の前方展開を維持する方針だ。それには日本など地域の同盟国、友好国の協力が不可欠だ。

南シナ海での緊密な日米協力が、東シナ海での尖閣諸島防衛に資することも言うまでもない。
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[毎日新聞] 原発の検査体制 質量ともに転換を図れ (2017年02月27日)

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原発の検査制度が大幅に見直されることになる。

原子力規制庁の検査官が、原発にいつでもどこでも自由に立ち入ることができる「抜き打ち検査」や、国が検査結果などを原発ごとに総合評価して公表する仕組みを導入する。

政府は、こうした改革を盛り込んだ原子炉等規制法改正案を国会に提出した。2020年度からの実施が見込まれる。

抜き打ちの導入で、電力会社はトラブルを隠しにくくなるだろう。評価結果は他社と比較されることになるため、競争原理が働いて、電力会社が自主的に安全対策に取り組む効果も期待できる。

原子力規制委員会は、検査官の能力や人員の増強を図り、法改正が原発の安全性向上につながるよう努めてもらいたい。

東京電力福島第1原発事故を受けて規制委が発足し、原発の新規制基準が施行された。新基準に基づく再稼働も進む。一方で、検査制度の見直しは、後手に回っていた。

国や電力会社が実施する原発の検査は、約13カ月に1回の定期検査と年に4回の保安検査が大きな柱となっている。定期検査は重要度が高い設備を、保安検査は原発が安全に運営されているかを中心に点検する。

しかし、時期や内容はあらかじめ決まっており、国が臨機応変に問題点をチェックする柔軟性に欠けた。

電力会社には「規制側の検査に通ればいいという受け身的な伝統があった」(田中俊一・規制委員長)という。国際原子力機関(IAEA)もこうした点を問題視し、福島第1原発事故前の07年と昨年1月の2度、改善を勧告していた。

今回の原子炉等規制法改正案では、原発の検査に関する国と電力会社の役割分担を明確化する。

設備などが基準に適合していることの確認義務は、電力会社に一元化する。国は検査状況や電力会社の安全対策全般を監視し、総合評価する。そのために抜き打ち検査などを導入し、評価結果は次の検査内容に反映させる。

米国などに準じた仕組みだ。法改正で制度的には追いつくが、それだけではまだ不十分だ。

約100基の原発が稼働する米国の原子力規制委員会には約1000人の検査官がいて、2年間の研修を受ける。40基余りの原発が運用される日本の検査官は約100人で、研修は2週間だけだ。検査官の質と量を確保しなければ、制度見直しの効果も薄らぐ。

原発の総合評価は、国民にも分かりやすい形で公表してほしい。結果に応じて、事故に備えた損害賠償保険の保険料を変えるといった活用法も検討されるべきだ。
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[毎日新聞] 持ち主不明地 増加に歯止めかけよう (2017年02月27日)

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所有者が分からない土地が増えている。耕作放棄された農地などでかつて顕在化したが、現在では住宅地でも見られ、全国的な問題となりつつある。

所有者を探るのに時間がかかり、行政が道路建設など公共工事を計画しても、利用承諾や買収が進まない原因になっている。

土地を所有者が適切に管理しなければ新たな利用の妨げになり、社会の活力をそぐことになりかねない。社会全体で問題を共有し、解決策を探るべきだろう。

土地の所有者不明問題は、1990年代になって表れ始めた。間伐されず荒れ果てた山林や、農地集約の妨げになっている耕作放棄地があちこちで見られるようになった。

問題の深刻さを突きつけたのは東日本大震災だ。

福島第1原発事故が発生し、中間貯蔵施設の建設が福島県内で進む。計画地の登記簿上の土地所有者は2360人に及ぶが、1月末現在でも4分の1以上の人の連絡先が把握できておらず、建設の妨げになっている。津波被害を受けた被災地の高台移転でも、用地取得に当たって土地所有者が特定できず、権利調整に自治体が四苦八苦した。

所有者不明の土地の存在が、地域防災や震災復興の壁になっている現実を直視すべきだろう。

土地所有者の把握が難しい最大の要因は、法律通りに相続の登記がなされていないことだ。国土交通省が4市町村で行ったサンプル調査では、最後の登記から50年以上たった土地が、11?30%に上った。

資産価値の乏しい土地が所有者の死亡に伴って放置されている現状が数字からは読みとれる。

相続登記の促進がやはり欠かせない。京都府精華町は、死亡届が提出された際、登記や社会保障などの手続きを併せて案内することで登記の届け出数が増加したという。

日本司法書士会連合会は、制度の手直しを提言している。転出によって住民登録が抹消された住民票の除票の保存期間を現在の5年からもっと長くすることで、所有者を捜しやすくなるという。

問題の根っこには、人口減少と都市への集中がある。この結果、代替わりのたびに所有者不明の土地が増えていく。

空き家については、一昨年、空き家対策特別措置法が施行され、倒壊の恐れのある空き家を市町村が強制撤去できるようになった。ハードルは高いが、土地についても行政の裁量で柔軟に利用できる仕組みを検討する余地はないか。

人口減少はさらに進む。登記手続きの簡素化を含め、実効性のある対策についてさらに議論を深めたい。
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[日経新聞] 審査待ち原発の安全対策を引き締め直せ (2017年02月27日)

再稼働に向けて審査中の原子力発電所で、安全対策の不備が相次いで見つかった。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では事故対応の拠点となる免震棟の耐震性が不足していた。中部電力浜岡原発(静岡県)でも非常時に使う設備で欠陥工事が明らかになった。

問題がなぜ生じたのかは原子力規制委員会などが調査中だが、これらの原発は審査が長引いたり、後回しになったりしている点で共通する。電力会社が早く再稼働させたいと焦り、審査がさらに延びるのを恐れて、対応や報告を怠った疑いが強い。

東電や中部電は安全確保に万全を期すことを誓って審査を申請したはずだ。その意識にゆるみが生じているのなら、看過できない。両社は問題の根っこにあるものを調べ、安全対策を引き締め直すべきだ。審査中の原発をもつ他の電力会社も安全策の再点検が要る。

柏崎刈羽6、7号機の免震棟は2014年の東電社内の試算で耐震性の不足がわかっていた。だが社内で情報を共有せず、規制委にも事実と違う説明をしていた。

規制委の田中俊一委員長が「組織として信頼できるのか、疑義を持たざるを得ない」と述べたように、東電の安全への意識が根底から疑われる問題といえる。

浜岡3、4号機でも、事故時に格納容器の圧力を下げる設備で、配管の金具100カ所以上を規定外の方法で取り付けていた。中部電は「担当した社員が工程の遅れを心配し、規定が守られなかった」と説明している。

2つの原発は「沸騰水型」と呼ばれる。国内の原発のうち西日本に多い「加圧水型」は、内定を含めて12基が審査に合格した。一方で、沸騰水型は10基が審査中だが、合格はまだゼロだ。事故を起こした福島第1原発と同型であるため、審査の項目も多い。

これらの原発の大半は運転停止が5年以上に及び、作業員らの士気が低下していないかも心配だ。工事や検査の記録を社内で共有して改善策を助言しあうなど、組織として安全への意識を高めていく取り組みが欠かせない。

沸騰水型の審査の長期化について、規制委は「多くが地震リスクの高い地域に立地するためで、必要以上に時間をかけているわけではない」としている。念入りに審査するのは当然だが、どの原発に審査員を重点配置するかや審査の順番は、見直す余地がある。
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[日経新聞] 米温暖化対策の後退が心配だ (2017年02月27日)

米環境保護局(EPA)長官に、地球温暖化対策などに反対するスコット・プルイット氏が就任した。温暖化に懐疑的なトランプ大統領の意を受けた人事で、米国の対策が後退するのは確実だ。

プルイット氏はエネルギー産業が集まるオクラホマ州の司法長官を長く務め、環境規制が行き過ぎであるとして環境保護局を相手取り訴訟を繰り返してきた。エネルギー関連企業との過去の緊密な交流も明らかになっている。

長官への就任挨拶では職員に「エネルギー開発を進め雇用を生みつつ、環境を大切にすることは可能だ」と語った。経済成長と雇用創出を最優先するトランプ政権の方針に沿った考えだ。

今後、火力発電所の温暖化ガス排出規制の撤廃に加え、石炭開発規制や水質汚濁防止策の緩和などに動くとみられる。政策転換の影響は米国内にとどまらない。

世界2位の温暖化ガス排出国である米国は、1位の中国とともに新しい温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の早期発効を主導した。米国が削減目標をないがしろにすれば、ただでさえ難しい世界全体の目標達成はさらに遠のく。

そうした事態を避けるため、日本や欧州連合(EU)の役割は一層大きくなる。これから本格化するパリ協定の細則づくりでは、米国に代わって影響力を増す中国との連携も重要になる。

環境保護局は長期にわたる気象観測データなどを蓄積し、広く公開してきた。プルイット氏の下で、データ利用が制限されるのではないかとの懸念も出ている。

すでに米大統領府のホームページからは、温暖化に関する多くの情報が消えた。19日には、トランプ大統領が科学的な事実を軽視しているとして数百人の科学者がボストンで抗議集会を開いた。

大統領の主張と合わない科学研究やデータの公開を拒む姿勢は、温暖化対策だけでなく科学技術全体の進展を妨げかねない。世界の不利益になることを、米政府は常に認識してほしい。
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[朝日新聞] 豊洲百条委 都議会も問われている (2017年02月27日)

あるはずの盛り土がない。環境基準を超えるベンゼンやヒ素が検出される――。

東京・豊洲新市場で次々と起こる問題の元をたどると、なぜ築地市場の移転先を東京ガスの工場跡地としたのか、汚染対策に巨額の費用がかかることが明らかになるなか、立ち止まることはできなかったのか、という疑問にいきつく。

東京都議会が、市場の移転問題について調べる百条委員会を設置した。

議会に求められるのは、偽証した場合の刑事罰など百条委がもつ強い権限を背景に、これまでの経緯を丁寧にときほぐすこと、そして、本来その時どきに果たすべきだったチェック機能をいまこそ発揮して、都民の関心にこたえることだ。

豊洲への移転は石原慎太郎氏が知事だった2001年に具体化し、以来、都議会でも長年にわたって審議されてきた。

だが、不明の点も残る。

たとえば、昨年開示された都と東京ガスの00年秋の交渉記録によると、土地売却に難色を示した同社に対し、当時の浜渦武生副知事は「水面下」での交渉をもちかけた。その3年後、土壌汚染が残っていることを問題視した都の別の担当者に、東ガス側は「都も了解しているはずだ」と反論したという。

何らかの約束があったことをうかがわせるやり取りだ。

小池知事から書面で尋ねられた石原氏は「記憶がない」と答えた。百条委は石原、浜渦両氏はもちろん、東ガス関係者や当時の都庁職員らも広く招致し、全体像の解明に努めてほしい。

一方で、この間の都議らの言動には疑問も少なくない。

百条委の設置があっという間に決まった背景には、夏の都議選に向けて改革姿勢をアピールしたい思惑がある。

だが、百条委は都議のパフォーマンスの舞台ではない。

移転が本決まりになったのは、移転費用を計上した予算案が自民・公明・民主の一部などの賛成で可決された12年だ。土地の来歴や、新たに汚染が見つかっても東ガスに法的責任を問う仕組みがないことなど、いま挙がっている問題の多くは、すでに指摘されていた。

「なぜ豊洲に決めたのか」という問いが向けられる先には、計画を認めた都議会も含まれる。その自覚なしに、勢いに乗る小池知事と共同歩調をとることを競う姿を見せられても、都民は鼻白むばかりだ。

独自の調査力、真相を引き出す質問力、過去への責任。都議会もまた、問われる場となる。
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[朝日新聞] ふるさと納税 返礼品より使途で競え (2017年02月27日)

返礼品ばかりが注目されるようでは、本来の目的からはずれ、寄付のあり方や税制をゆがめるばかりだ。自治体がもっと使い道を競うように改めていくべきではないか。

自治体に寄付すると、国への所得税や住まいがある自治体への住民税が軽くなる「ふるさと納税」の勢いが止まらない。

寄付総額は2015年度に前年度から4倍の1600億円余に増えた後、16年度はさらに倍増の3千億円程度になりそうだ。安倍政権が地方創生の目玉として制度を拡充したこともあるが、最大の要因は自治体が寄付者に贈る返礼品である。

高級牛肉をはじめとする特産品や、立地する工場で作られる家電や情報機器、さらには地元の店や施設で使える商品券まで、ネット上の関連サイトはさながら通販の様相だ。

ふるさと納税では、所得に応じて決まる限度額までの寄付なら、寄付額から2千円を引いた金額が手元に戻る。つまり、2千円の負担で欲しい商品やサービスが手に入る。

見返りがないか乏しい民間団体への寄付が不利になる。高所得者ほど限度額も膨らみ、多くの返礼品を得られるため、所得再分配を妨げる。そんな批判が強いのに改善が進まないのは、自治体に一定のメリットがあるからだろう。

地元の産業が潤って雇用が守られ、知名度も上がる。寄付金を返礼品につぎ込んでもおつりが来る――。過疎化と財政難に苦しむ地域から漏れる本音は、わからなくはない。

しかし、NPOや公益法人など民間団体への寄付や、急速に広がるネットを使った資金集めの「クラウドファンディング」を見ても、具体的な事業の目的や内容を示した上でお金を募るのが原則だ。地元の農林漁業や商工業を支えたいのなら、まずは行政としての取り組みを示すのが筋ではないか。

ここ数年、過度な返礼の自粛を求めてきた総務省はこの春、改善策をまとめる。あまりに高額な商品や換金しやすい金券類の見直しや、寄付額に対する返礼品額の比率の制限を求めることが考えられるが、具体的な線引きをどうするか。

ここは寄付の原則を思い起こすことだ。まずは使い道を示す。いくら集まり、どう使ったかの報告も怠らない。昨年の総務省の調査では、寄付額と活用状況をともに公開する自治体は全体の半数にとどまる。

政策や事業への共感でお金が集まる、そんなふるさと納税を目指すべきだ。
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[読売新聞] 北朝鮮石炭輸出 中国の制裁履行は緩すぎる (2017年02月27日)

核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に対し、中国が制裁の履行をなおざりにしている実態が浮き彫りになった。関係国は包囲網の抜け穴を放置してはならない。

国連安全保障理事会の制裁委員会は、北朝鮮が昨年11月末から1か月間に輸出した石炭の量が、制裁決議で定めた上限の約2倍、金額は約3・5倍に上ると発表した。輸出先は明示していないが、ほぼすべてが中国とみられる。

中国政府は昨年12月上旬、年末までの輸入停止を公表していた。輸入が増えたことについて、国内法との調整や企業への伝達のため、決議に従うまでに「時間差があった」と釈明している。

制裁は、北朝鮮の金正恩政権の主要な外貨獲得源である石炭の輸出を絞り込むのが狙いである。

安保理常任理事国として決議作成に当たった中国が自ら蔑(ないがし)ろにするようでは、制裁実施の意思を疑われても仕方があるまい。

王毅外相は今月半ばの岸田外相との会談で、「中国は決議をきちんと履行している」と語った。

その翌日、中国政府は19日から年末まで、石炭輸入を停止する措置を明らかにした。今年1年間の「輸入上限額に近づいたためだ」という。制裁を厳格に履行する姿勢を示すことで、国際社会の圧力をかわす思惑があるのだろう。

中朝間には国境周辺での密輸や第三国を迂回(うかい)する貿易もあるとされる。中国は王氏の言葉通り、制裁逃れを摘発し、決議の実効性を高める取り組みが欠かせない。

看過できないのは、王氏が「直接の当事国である米朝が、速やかに必要な政治的決断をすべきだ」と述べ、トランプ米政権に核問題解決の責任を転嫁したことだ。

金政権の暴走に歯止めをかけるには、北朝鮮経済の生命線を握る中国が重大な役割を担っていることを忘れてはならない。

そもそも、中国が北朝鮮の体制不安定化につながる制裁に消極的で、その内容を骨抜きにしてきたことが核・ミサイル開発を許している主な要因ではないのか。

習近平政権は、最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の韓国配備に反対し、圧力をかける。

中国の新華社通信は韓国大手財閥ロッテグループに対して、「中国の顧客と市場を失うことになる」と警告する論評を伝えた。

ロッテの所有するゴルフ場がTHAADの配備予定先となる。一企業を脅迫する振る舞いは、地域の不信感を高めるだけである。
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[読売新聞] クロマグロ漁 食べ続けたいなら範を示そう (2017年02月27日)

人気のすしネタが幻の食材になりかねない。最大消費国が規制を蔑ろにしては、世界の理解は得られまい。

絶滅の恐れがある太平洋クロマグロの漁で、国際的な規制に基づく国内の漁獲ルールに反する水揚げが横行していた。沿岸39都道府県のうち、三重、長崎、静岡、岩手など10県に及んだ。

水産庁の調査によると、未承認漁船での操業、別の魚種とする虚偽報告、上限を超えた水揚げなど違反の形態は様々だ。

かつて10万トンを超えた太平洋クロマグロの資源量は、乱獲で1万トン余まで激減している。国際自然保護連合(IUCN)は2014年、絶滅危惧種に指定した。

日本などが加盟する「中西部太平洋まぐろ類委員会」は、30キロ未満の未成魚の漁獲量を半減させる規制を15年から導入している。

日本は、太平洋クロマグロの大半を消費する。率先して資源保護に努めるのは当然である。

委員会は昨年、未成魚がさらに激減した際の緊急規制の導入を検討したが、合意には至らなかった。過度の規制に慎重な日本の提案に対し、欧米などが「生ぬるい」と反発したためだ。

科学的知見に基づき、資源保護と活用のバランスを取る。それが日本の基本方針だ。現行規制さえ順守できないという国際的な評価が定着すれば、日本の主張は到底、受け入れられないだろう。

まず問われるのは、漁業者のモラルだ。水産庁は18年から、違反した漁業者に罰則を導入する。

罰則付き規制は、サンマ、スケトウダラなど7魚種で実施済みだが、クロマグロほど資源量が逼迫(ひっぱく)し、一段と厳格な運用が求められる例は初めてと言っていい。

問題は、これにとどまらない。自治体や漁協などの管理体制が十分ではなく、規制の周知徹底も進んでいないのが現状だ。

国や県、漁協などが連携し、現場への指導強化で違反行為を未然に防ぐ取り組みが求められる。

定置網漁などでは、他の魚種が目当てでも、クロマグロが紛れ込んでくることがある。規制を守るためには、操業を自粛する以外にないとの声も出ている。

許される漁獲量を巡っては、漁法や規模の大小などで漁業者も一枚岩ではない。多くの人が納得できる方向を探ることが大切だ。

水産大国・日本は、クジラやウナギなどの資源保護に関しても矢面に立つことが多い。クロマグロへの対応は、日本漁業全体の信用にもかかわってこよう。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする