2017年02月19日

[産経新聞] 【主張】豊洲問題と都議会 真相解明への責務果たせ (2017年02月19日)

豊洲市場(東京都江東区)の移転問題は膠着(こうちゃく)したままだ。「食の安全」の問題に加え、移転決定の経緯がいまなお謎に包まれているからだ。

チェック機能を欠いていた東京都議会が、ようやく問題の根幹に迫ろうとしている。決定時の知事だった石原慎太郎氏らから聴取するという。

この問題にメスを入れた、小池百合子知事と石原氏らとの政治的な対立の構図への関心も高い。

だが、何よりも事実解明の機会として生かすことに努めてもらいたい。膠着から抜け出すうえで、極めて重要な過程である。

都議会特別委員会の参考人招致は3月中に行われる。不可解なのは、3連休にあたる18?20日の間に実施するという日程である。なぜ平日ではないのか。

都議会が招致方針を決めたのを受けて、石原氏は「喜んで応じる」と語った。

ただ、招致を控えて近く記者会見を行うと表明したが、実現は不透明となっている。

当時のトップとして事実関係を明かし、謎の解明に全力で協力してもらいたい。

明らかにすべき点は多い。豊洲市場の用地は東京ガスの工場跡地で、当初から土壌汚染の懸念があった。東ガス側が食を扱う市場には適さないと都に難色を示したことも分かっている。それがなぜ、売却に至ったのか。

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そもそも、移転先に挙がっていた複数候補のうち、豊洲が選定された理由も明確ではない。大規模な敷地確保の必要性や交通アクセスの利便性が優先されたという。土壌汚染への対策が十分でないままでの選定は、あり得ないはずである。

石原氏にただしても分からない問題は少なくないだろう。必要に応じ、当時の都幹部ら、より多くの関係者から聴取すべきなのは当然である。

その意味で、参考人招致ではなく、虚偽答弁への罰則があるなど強い調査権を持つ百条委員会の設置を求める意見もある。事実解明のため、実効性のある方法をさらに検討してほしい。

移転問題には国民の関心も高く、都議会は都政の監視者としての存在意義を問われている。もとより、7月の都議選向けにパフォーマンスが目的のような追及劇を演じ、事実を突き止められないような事態は避けねばならない。
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[産経新聞] 【主張】北とテロ対策 緊張欠く審議を憂慮する (2017年02月19日)

北朝鮮は、金正恩朝鮮労働党委員長の兄、金正男氏をマレーシアで殺害した。国際社会の反発を無視して核兵器やミサイルの開発も続けている。歯止めのきかない独裁体制の暴発を、強く懸念する。これに対して国内のテロ対策は、あまりに緊張感を欠いている。

19日には、札幌市で冬季アジア大会が開幕する。来春には韓国で平昌冬季五輪があり、2020年には東京五輪が開催される。北朝鮮には、過去にも国際スポーツ大会をテロの標的としてきた歴史がある。

1986年9月、ソウルアジア大会の開幕直前には金浦空港が爆破され、5人が死亡した。ソウル五輪前年の87年11月にはインド洋上空で大韓航空機が爆破され、乗員乗客115人全員が死亡した。いずれも目的は、大会開催の阻止だった。

大韓機爆破の実行犯、金賢姫元死刑囚らは日本人になりすまし、日本の旅券を所持していた。拉致被害者の田口八重子さんが金元死刑囚の日本語教育係を強いられたことも分かっている。拉致事件も国家によるテロだ。

「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐる国会審議が遅々として進まない。法改正は、国連が国際社会でテロと対峙(たいじ)するために採択した「国際組織犯罪防止条約」批准の条件として求められたものだ。すでに180カ国以上が締結している。

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安倍晋三首相は国会審議で「条約を締結できなければ東京五輪を開催できないと言っても過言ではない」と述べた。警戒対象はイスラム過激派だけではなく、アジアを舞台にテロ事件を繰り返してきた北朝鮮も当然、含まれる。

だが国会審議では、法改正を推進すべき金田勝年法相が質疑に立ち往生し、野党の集中攻撃を受け続けている。答弁に窮しているかとみれば、テロ等準備罪は通信傍受法の対象外などと答えてしまう。これこそ法案提出後に議論を深めるべき問題だろう。やることなすことが、ちぐはぐだ。

法の新設は、いわばテロ対策の入り口である。法があればテロが起きないわけではない。成立した法をいかに運用して、国民の命を守るかが問われるのだ。周囲を取り巻く安全環境の悪化と審議のもたつきぶりが、別世界のように乖離(かいり)している。国会中継を平静な気持ちで見ることができない。
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[東京新聞] 週のはじめに考える 財政拡大の亡霊が再び (2017年02月19日)

トランプ米政権に耳目を奪われがちですが、足元ではデフレ脱却できずに財政が急速に悪化している。終戦直後の「悪夢」の二の舞いはご免です。

昨秋、経済界に衝撃が走りました。「私は考え直した」。安倍政権のブレーン、アベノミクスの理論的支柱といわれる浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)が政策の手詰まりを認めたのです。


◆理論的支柱の変節
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衝撃には二つの大きな意味があります。一つはアベノミクスの行き詰まりがいよいよはっきりとしたこと。四年近く異常な金融政策を続けてきたが、物価は目標の2%上昇どころか、以前の水準に逆戻りしています。

浜田氏の理論は、デフレとはお金の量に起因する現象だから通貨供給量を大量に増やし、そして人々に物価は今後上がると予想させることができれば、消費が活発になりデフレから脱却する、というものでした。

それが、あっさりと理論の誤りを言い出したのです。発言と軌を一にするように日銀は、お金の量から金利を目標とする金融政策に転換し、アベノミクスの迷走を印象づけてしまいました。

もう一つの大きな意味は−これこそ大問題なのですが−財政拡大への依存を強める可能性が出てきたこと。先進国で最悪の財政状況なのに、さらに悪化の危険性が増すということです。

浜田氏は、ノーベル経済学賞受賞者である米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授の理論に出会ったことで「目からうろこが落ちた」と変節を説明する。

曰(いわ)く「(金融政策は)同じ処方を続けたのでは効かなくなる。政府の財政による助けが必要な状況になった。景気を押し上げる必要がある時に政府が借金をして財政出動をする。これからは将来増税をしてすぐ回収することはないと人々に思わせる。そうすれば人々もお金を使い、マイルドなインフレが起きる」(一月三十一日付本紙インタビュー)。

財政赤字の拡大は気にせずに財政出動し、消費税増税はデフレ脱却が実現するまで延期すべきだというのです。


◆増税延期の口実に
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「またか」と疑念を抱く人もいるでしょう。そう、消費税増税の再々延期の口実です。前回の先送りは「新しい判断」という理解しがたい口実でしたが、前々回は米ノーベル経済学賞学者の意見を錦の御旗のようにしたことを思い起こさせるのです。

シムズ理論とは、単純化するとこうです。政府は財政再建を放棄しインフレを起こすと宣言→国民がインフレを予想→お金の価値が下がり国の借金(債務価値)は縮む→デフレも脱却−。政治家は選挙を意識して増税や歳出削減を避けたいのですから、都合いいシムズ理論に飛び付きかねません。

しかし、そんなにうまくいくのでしょうか。財政再建を放棄すれば国債が暴落し、市場の標的となって制御不能になりかねない。日本がデフレから抜け出せないのは社会保障など「将来不安」からであり、不安を増幅するインフレ予想や消費が高まるか。結局、傷口を広げ、財政破綻に近づくという見方も少なくないのです。

経済成長頼みのアベノミクスだが税収は頭打ちになり、財政は急速に悪化している。いよいよ財政破綻が現実味を帯びています。

考えたくもないのですが、財政運営が危機に陥ると何が起きるのでしょう。資金が流出し、円安加速で超インフレ。金利が跳ね上がり、利払い費が膨らんで財政は破綻−。

万策が尽き、財政破綻した例が実は身近にあります。終戦直後の日本です。国の債務のGDP比率は250%を超え、現在と同じような水準でした。膨大な債務をどう処理したか。

「取れるものは取る、返すものは返す」。つまり一回限りの約束で預金や不動産などに最高税率90%の空前の「財産税」を断行。貧しい層も例外なく対象とし、なけなしの資産を収奪した。財産税で徴収した合計額は、その年(一九四六年度)の一般会計予算に匹敵する規模に達し、それを原資に可能な限り国債を償還した。

その際、国民が預金を引き出せなくする預金封鎖と、通貨切り替えを先行して実施。あらかじめ課税資産を把握して差し押さえる荒業です。国民は反発したが、どうすることもできなかった。


◆国家が暴力装置に
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国家は、いざとなれば「課税」という合法的な形で国民から財産を奪う暴力装置と化す。

泣くのは国民です。負担をし、正当な給付を受ける。それがあるべき姿です。増税先送りの甘言や楽観論に惑わされず、政治家を厳しく選別することの大切さを歴史は示しているのです。
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[日経新聞] 企業は最高益に安住せずさらに強さ磨け (2017年02月19日)

日本企業が効率よく利益を上げる体制を整えつつある。強みを持つ事業や製品に経営資源を集中させることにより、売り上げが伸び悩んだり、環境が急に変わったりした場合に備える動きだ。企業はこの流れを途切れさせることなく、事業基盤をさらに強固なものとしなければならない。

本紙集計によれば上場企業の2017年3月期は売上高が3%減る一方、純利益は11%増えて2期ぶりに過去最高となる見通しだ。減収増益の決算が示すものは、ここ数年で日本企業が進めた事業再編や合理化の効果だ。

日立製作所は物流や金融といった本業と関係の薄い事業を切り離すことにより、収益力の向上をはかってきた。その結果、今期は売上高が10%減りそうだが、経営の効率化が寄与し純利益は16%増えると見込んでいる。

日立は非中核と位置づけた黒字の子会社、日立工機の売却も決め、インフラ事業などに集中する方針を改めて示した。得意分野をさらに強くする姿勢は他の日本企業の刺激ともなり、業種を越えて広がっている。

たとえば不採算品を減らしてきた三井化学は今期、1割の減収だが10期ぶりの最高益となる見通しだ。機能性肌着の販売に力を入れたグンゼは2%の微減収にもかかわらず、最終損益が黒字に転換するという。

世界経済の不透明感がいまひとつ晴れないため、景気が多少回復しても必要以上には規模の拡大は追わない。減収増益の決算の背景には、こんな経営判断もはたらいているのだろう。なんといっても心配なのは、自国優先の姿勢を崩そうとしないトランプ米大統領の経済政策だ。

輸出企業の税負担を軽くする一方、輸入企業への課税を重くする措置が米国で導入された場合、日本の自動車メーカーが打撃を受けるのは避けられそうにない。トヨタ自動車などの16年4?12月期決算は、収益の北米依存が浮き彫りになった。

英国が欧州連合(EU)からの離脱を通告する時期も近づきつつある。欧州全域での生産・販売体制を再検討する必要に迫られている企業も多い。

米欧の経済と政治に懸念がくすぶるなか、企業の最善策は環境に左右されにくい収益構造を築くことだ。自らの強みを見きわめ、磨きをかける必要がある。
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[毎日新聞] 原賠法見直し 被害者の救済最優先で (2017年02月19日)

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原発事故を起こした電力会社に、無制限で賠償責任を負わせる「無限責任」制が、維持されることになった。原子力損害賠償法の見直しを検討している内閣府原子力委員会の専門部会で、方針がまとまった。

妥当な結論だと言えるだろう。

電力業界は賠償責任に上限を持たせる「有限責任」制の導入を要望していた。しかし、専門部会は、事故を起こした電力会社を免責することは法制度上の課題が多く、国民の理解も得られないと判断した。

有限責任制にすると、電力会社の安全対策がおろそかになりかねないことも考慮されている。

ただし、無限責任制では、電力会社に損害賠償の原資をどう確保させるかが大きな課題だ。福島第1原発事故では、東電の負担能力を超える巨額の賠償費が発生し、同社は実質国有化された。

原発事故の被害者を確実に漏れなく救済することが、原賠法の最大の理念である。救済にあたって国が果たすべき責任を、法改正で明確に位置付けるべきだ。

原賠法は「異常に巨大な天災地変や社会的動乱」を除き、過失の有無にかかわらず、原発事故を起こした電力会社が無制限に賠償責任を負うと定めている。1200億円までは保険などによる事前の賠償措置で賄い、それを超える場合は国が「必要な援助」をするとされる。

だが、福島第1原発事故では、原賠法の不備が浮き彫りになった。賠償措置額が不十分で、「必要な援助」の内容もあいまいなことだ。

専門部会は、賠償措置額を引き上げる方向で検討を進めている。当然必要だが、大幅増額は保険の引き受け手などの関係で難しそうだ。そうであれば、国の責任をどう位置づけるかが一層重要となる。

政府は福島第1原発事故後、新設した原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて東電に賠償費用を融資、東電と大手電力会社が協力して返済する仕組みを作った。政府は、新たな事故が起きた場合も原賠機構を活用する方針だが、電力自由化で、この仕組みも揺らいでいる。

電気事業法改正で、電力会社は国に届け出るだけで事業の廃止や解散ができるようになった。事故を起こした電力会社が法的整理を選択することもあり得る。損害賠償の主体がいなくなるのだ。政府が救済の最終責任を負うことも含め、対応策を準備しておく必要がある。

原賠法は原発メーカーに対する製造物責任法の適用を除外しており、機器の欠陥が事故原因でも、損害賠償責任を負わなくて済む。被害者救済のためには、製造物責任の在り方も再検討すべきだ。
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[日経新聞] 揺らぐ香港の「一国二制度」 (2017年02月19日)

香港政府トップである行政長官を決める選挙が、3月26日投票に向けて本格化する。中国政府が香港に約束した「一国二制度」の下での高度の自治が、真の意味で機能しているのか問い直す良い機会である。

1月下旬、多くの香港市民が不安を感じる事件が起きた。高級ホテルから中国出身の著名な大富豪が失踪した問題だ。中国当局の関係者に強要される形で大陸に連れ出されたとみられている。

香港では先に中国に批判的な書籍を扱う銅鑼湾書店の関係者らが次々、連れ去られた。一連の事件が浮き彫りにした香港の法規を無視した越権行為は「一国二制度」の根幹に関わる。それは国際的な信用にも影響しかねない。

中国は1997年の返還の際、香港の有権者「1人1票」の普通選挙を将来、導入すると公約した。だが2014年、事実上、親中派しか出馬できない制度を一方的に示す。反発した学生らは真の普通選挙を求め長期間、道路を占拠した。いわゆる「雨傘運動」だ。

習近平指導部はかたくなだった。制度改革は白紙に戻り、今回の選挙も従来の間接方式で実施する。親中派が多数の選挙委員会(定数1200)で選ぶ仕組みでは、中国政府の意向が反映される。現職の梁振英氏は出馬せず、前政務官の林鄭月娥氏、前財政官の曽俊華氏らが立候補を表明している。

香港の若者らは奇怪な「連れ去り事件」を目の当たりにし、将来に強い不安を抱いている。中国は今年後半、共産党大会の最高指導部人事を控えている。一連の事件の裏には、中央の権力を巡る闘いがあるとの見方も多い。だからといって香港の高度の自治をないがしろにしてよいはずがない。

「一国二制度」は、香港の繁栄が大陸の発展を後押しするとの理念に支えられてきた。香港の自由な雰囲気が消えれば都市の魅力は半減し、世界から資本や人材も集まらなくなる。香港は今後の選挙戦を通じて高度な自治を守る決意を新たにする必要がある。
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[毎日新聞] 参院改革 70年機に一から議論を (2017年02月19日)

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参院各会派の幹部による選挙制度改革協議が始まった。参院選挙区の「1票の格差」是正が主題だが、そもそも参院の役割とは何かについても議論していくという。

参院が創設されて今年は70年になる。今度こそ「抜本的改革」の名に値する結論を出してもらいたい。

1票の格差を是正するため「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区が初めて実施された昨年7月の参院選での格差(最大3・08倍)に対し、各地の高裁・高裁支部判決は「違憲状態」10件、「合憲」6件と判断が分かれている。

最高裁は今夏以降に判断を示す見通しだ。ただし合区を決めた一昨年の改正公職選挙法の付則には、選挙制度の抜本的な見直しについて、2019年の次期参院選に向け「必ず結論を得る」と明記してある。どんな最高裁判断が出ようと見直しが急務であるのは言うまでもない。

民進党は合区の数をさらに増やす案を中心に検討している。だが昨年の参院選では統合された選挙区での関心は高まらず、著しい投票率低下を招くなど合区の弊害は大きい。

一方、自民党は各都道府県を単位とする選挙区から最低1人は選ぶという前提に立って、憲法改正も含め検討するよう求めている。

憲法で参院に地方代表の性格を持たせるのは、私たちも一つの考え方だと書いてきた。ところが自民党は割を食っている関係議員のための合区解消が最優先で、地方代表とは何か、中央と地方を含めた政治全体の中で考えているようには見えない。

確かにベストの選挙制度は簡単に見つからない。だからこそ「参院とは」から議論すべきではないか。

衆参両院で与党が圧倒的多数を握る今、数の力で押し切る国会運営が横行し、参院は衆院の決定を追認するだけという場面が目立つ。

逆に旧民主党への政権交代前のように衆参で与野党がねじれると、法案の成否を握る参院が「政局の府」と化し、決めるべき話も決まらぬ混乱が続く。それをどう克服するか。

先の大戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の意向は貴族院を廃止する1院制だったが、日本側の要請で2院制が残った。「参院の役割とは」は当時から今に続く課題である。

だが、やはり参院に求められるのは衆院の決定を再考し、行き過ぎがあれば正して補完することだろう。

そのためにはどんな人材が必要で、どんな選挙制度がいいのか。この際、一から議論してみたらどうか。

党の決定に所属議員が従う党議拘束を参院では緩くして、個々の判断を重んじるなど法改正を伴わない改革案も前からある。1票の格差是正にとどまらない議論を期待する。
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[読売新聞] 日米韓外相会談 対「北」国際圧力を強化せよ (2017年02月19日)

北朝鮮の暴走を止めるため、国際社会の圧力を一層強めねばならない。その先頭に立つべきは、日米韓3か国である。

岸田外相がドイツでティラーソン米国務長官、韓国の尹炳世外相と会談した。12日の北朝鮮の弾道ミサイル発射について「最も強い表現で非難」する3か国共同声明を発表した。

岸田氏は「日米韓が団結し、北朝鮮に断固たる姿勢を示すとともに、国際社会の対応をリードしなければならない」と強調した。

トランプ米政権の発足後、3か国外相が会談するのは初めてだ。日米首脳会談で同盟強化で合意した直後に、韓国を交えて固い結束を確認した意義は大きい。

北朝鮮は、米本土に到達する弾道ミサイルの完成に近づいているとの見方がある。米国は危機感を持ち、軍事的な圧力を強める構えで、安倍首相は「米国の姿勢はより厳しくなる」と指摘する。

北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるには、日米韓や中国などによる北朝鮮包囲網の実効性を高めることが欠かせない。

外相会談では、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議について、「全ての国が義務を完全かつ効果的に実施する」ため、日米韓が連携する方針で一致した。特に重要なのは、原油供給などで北朝鮮を支えてきた中国の対応である。

岸田氏は中国の王毅外相との会談で、「責任ある安保理常任理事国として、建設的な対応を求める」と述べた。石炭輸入制限など、厳格な制裁実施を求めたものだ。

王氏は「中国は決議をきちんと履行している」と反論した。

しかし、北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止できなかった要因の一つは、中国の従来の制裁実施が不完全だったことにある。

中国は、その点を深刻に受け止め、北朝鮮に対する働きかけにもっと本腰を入れるべきだ。

岸田氏は尹氏との個別会談で、韓国・釜山の日本総領事館前に設置された、慰安婦を象徴する少女像の撤去を求めた。

尹氏は、少女像について「外交儀礼に鑑(かんが)みて適切ではない。最大限の努力を行う」と語ったが、撤去は確約しなかった。

重要なのは、言葉ではなく、具体的な行動である。少女像を設置した民間団体や地元自治体との協議に早期に動いてもらいたい。

長嶺安政駐韓大使の一時帰国は1か月を超え、長期化している。対北朝鮮政策で日韓の連携を密にするためにも、韓国側の真剣な対応が求められる。
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[朝日新聞] 米政権1カ月 混乱深めたトランプ流 (2017年02月19日)

過激な発言に眉をひそめつつも、「大統領になれば、腰を据えて政策に取り組んでくれるのでは」と予想した向きも少なくなかっただろう。

その期待は、就任1カ月を前に急速にしぼみつつある。

政権の混乱は深まる一方だ。トランプ大統領のみならず、側近らの軽率さが目に余る。

国家安全保障担当の大統領補佐官は、就任前に駐米ロシア大使と対ロ制裁について協議していた疑惑が発覚、辞任した。

別の高官は、トランプ氏の娘が手がける衣料ブランドの購入をテレビで呼びかけ、懲戒勧告を受けた。「メディアは黙っていろ」とすごんだ高官もいる。

国の安全保障の中枢を担う緊張感、公人としての倫理観、説明責任を果たす自覚を欠いた振るまいに、あぜんとする。

公職を担う資質より、選挙の論功行賞で腹心を要職に配した責任はトランプ氏にある。

大統領と閣僚、高官同士の発言がしばしば食い違うのも問題だ。ロシアを「脅威」とするマティス国防長官に対し、トランプ氏はプーチン大統領を「尊敬している」と繰り返す。

練られた政策なのか、政権内でどんな認識が共有されているのか、疑念は深まるばかりだ。

混乱の源はトランプ氏自身の政治手法にある。

環太平洋経済連携協定(TPP)離脱、メキシコ国境への壁建設、中東・アフリカ7カ国からの入国一時禁止などの大統領令を矢継ぎ早に繰り出した。

国内雇用の保護、移民の規制、テロ対策など選挙中の公約をただちに実行に移し、指導力を印象づける狙いだろう。

だが、自由貿易体制を後退させるリスクや、隣国関係への悪影響、現場の混乱や憲法に抵触する恐れなど、中身の吟味が尽くされた形跡はない。

疑問を呈した高官を解任し、批判するメディアを「偽ニュース」と切り捨てて異論を封じる独善ぶりは、およそ自由主義のリーダーの姿とは言えない。

熱心な支持層ばかりを喜ばせる政策を並べる手法は、米社会の分断を広げ、米国の国益や信頼を損なうことを、トランプ氏は悟る必要がある。

実際、論争を呼ぶ政策や人事が、党派を超えた協力をより難しくさせ、議会での閣僚承認が滞る悪循環を招いている。

「全ての米国民の大統領になる」「支持しなかった人にも助言と支援を求めたい」。トランプ氏は、当選の日に語った初心から出直すべきだ。もちろん政権をチェックする議会やメディアの役割はますます重い。
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[読売新聞] 部活動の休養日 楽しんでこそのスポーツだ (2017年02月19日)

適度な練習により、生徒や指導教員が楽しく、前向きに取り組める部活動にしたい。

中学や高校の運動部の活動に関し、文部科学省は、休養日を適切に設けるよう教育委員会に通知した。

スポーツ庁が約1万600の中学校を対象に実施した調査で、2割が週に1日も休養日を設けていないことが分かった。東京や大阪では6割超に上った。

行き過ぎた部活動は、身体の故障や精神的な「燃え尽き」につながる。疲れ切って、勉強が疎(おろそ)かになっては、本末転倒だ。文科省が「生徒、教員ともに、様々な無理や弊害を生む」として、改善を求めたのは、もっともである。

部活動は学校教育の一環だ。学習指導要領は、学習意欲の向上や責任感、連帯感を育むのに役立つ、と謳(うた)っている。練習や試合を通して培った友情が、大きな財産となっている人も多いだろう。

部活動は、アスリート養成の役割も担う。競技力向上の最前線として、猛練習を容認する風潮が少なからずある。各競技の名門校で、特にその傾向が強い。

政府の有識者会議が1997年に、「中学は週2日の休養日、土日の練習は3、4時間以内」といった指導例を示したものの、十分に浸透していないのが現状だ。

より多くの生徒がスポーツに親しむ環境作りのために、部活動の在り方を見直すべきだ。トップ選手を目指す生徒の受け皿としては、地域や民間のクラブなどを充実させることが求められる。

部活動は、教員を多忙にする大きな要因でもある。練習や試合への引率などで時間を割かれる。

横浜市教委は一昨年、「部活ノーデー」を設けた。大阪府教委は、府立校に週最低1日の休養を義務付ける試みを1月から始めた。

スポーツ庁も、医学の観点を取り入れた調査を実施した上で、練習時間や休養日に関する新たな指針を新年度に策定する。

確実に改善するためには、教諭以外の外部人材を積極的に活用することが欠かせない。

少年野球チームの監督や各競技の元選手らを指導者として受け入れている自治体もあるが、身分や責任は必ずしもはっきりしない。教員ではないため、大会への引率ができないケースも多い。

文科省は、学校教育法の施行規則を改正して、法的立場を明確にした「部活動指導員」の配置を促し、問題点を解消する方針だ。

適切な指導を徹底させて、つら過ぎる部活動をなくしたい。
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[朝日新聞] 家庭教育法案 なぜ今、何のために (2017年02月19日)

いま、このような法律をつくる必要がどこにあるのか。

自民党が今国会への提出をめざしている「家庭教育支援法案」のことだ。

家庭における教育を支援するために、国や自治体、学校・保育所の設置者、さらには地域住民の責務や役割を法律で定めるという。家族がともに過ごす時間が減ったり、家庭と地域の関係が薄まったりしていることを制定の理由にあげている。

確かに一人親や経済的に余裕のない家庭が増え、虐待や家庭内暴力の相談も絶えない。そうした人々のサポートに、従来以上に力を注がねばならない。

だが法案に書かれている施策は、学習機会や情報の提供、相談体制の整備など、国や自治体がすでに取り組んでいるものばかりだ。それらを着実に進めればよいのであって、あえて法律をつくる意図は何か、疑いの目を向けざるを得ない。

というのも、家庭や家族の意義をことさらに強調し、思い描く「あるべき家庭像」を人々に押しつけようとする、この間の自民党や政権の逆立ちした発想と施策があるからだ。

第1次安倍内閣で成立した改正教育基本法は、「家庭教育」の名のもと、父母ら保護者の責任を定める条文を新設した。政府の教育再生会議は、子育て指南として「子守唄を歌い、おっぱいをあげる」との提言をまとめようとして批判を浴びた。

自民党改憲草案は「国民は、個人として尊重される」の「個人」を「人」に変え、憲法の基本理念をあいまいにする一方、「家族は、互いに助け合わなければならない」と書く。

今回の法案づくりでも自民党は当初、子どもに「国家及び社会の形成者として必要な資質が備わるようにすること」を家庭の役割と位置づけていた。

底を流れるのは、まず国家や社会があり、その役に立つ人材を育てるために家庭がある。そして、そのような家庭を築く目標に向けて、国などは支援をするという考えだ。

法案を先取りする形で、家庭教育に関する条例を設ける動きが全国の自治体に見られるが、中には「祖父母の役割」にまで言及しているケースもある。

求められるのは、法律をつくって国民や家庭をひとつの鋳型にはめることではない。

さまざまな生き方や家族の姿があることを認めたうえで、困難をかかえる家庭を福祉や医療につなぎ、貧困や経済不安の解消をめざす。国や自治体の役割は、本来そうした環境整備にあることを改めて確認したい。
posted by (-@∀@) at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする