2017年02月09日

[東京新聞] 東京一極集中 是正はもっと大胆に (2017年02月09日)

日本の総人口が減少に転じた一方で、東京圏への人口集中が止まらない。安倍内閣が旗を振る「地方創生」の成果が見えぬということでもある。一極集中の是正には、もっと大胆な対応が必要だ。

総務省がまとめた昨年の人口移動報告によると、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は十一万七千八百六十八人の転入超過、名古屋圏(愛知、岐阜、三重)は二千三百六十三人、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は九千三百三十五人の転出超過だった。

東京圏の転入超過は二十一年連続。一方、名古屋圏、大阪圏は四年連続の転出超過である。

東京圏の転入超過数は前年を千五百人ほど下回ったものの、その五年ぶりの縮小は、そもそも移動する若い世代が少子高齢化で減ってきた影響だと考えられる。つまり、東京一極集中には一向に歯止めがかかっていないのである。

安倍内閣の地方創生総合戦略は新年度、五カ年計画の三年目に入る。地方からの転入を六万人減らし、地方への転出を四万人増やして東京圏への転入・転出を二〇二〇年に均衡させるという目標の達成は極めて難しい状況にある。

政府は昨年末、その総合戦略の改定版を閣議決定した。目玉の一つが地方大学の振興である。

東京での大学の新増設抑制や地方移転促進など、その具体策を検討する政府有識者会議が今週、初会合を開いた。夏ごろまでに対応方針をまとめる予定という。

若者に、より魅力的な切磋琢磨(せっさたくま)の場を用意しようという試みなら大いに賛成したい。だが、東京での大学の新増設抑制に傾けば、少子化で競争が厳しくなる大学運営の自由を縛る、という別の問題を引き起こすことになろう。

東京に遊学した若者が東京圏にとどまるのは、大学の問題ではない。問題は、卒業後に活躍すべき舞台がどこにあるか、である。

総合戦略の改定版では、中央省庁の出先拠点「サテライトオフィス」設置も検討課題とされた。

鳴り物入りで動きだした中央省庁の地方移転は、結局、文化庁が数年後に京都へ移転するだけの看板倒れに終わった。代わりにサテライトオフィスを持ち出しても、出先は出先であり、求心力は持ち得ないのではないか。

求められるのは、人の流れを変える国土の構造改革、多極化である。中央から地方に国の機能や権限を大胆に移譲して求心力を分散させねば、いつまでたっても東京一極集中は是正できまい。
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[産経新聞] 【主張】辺野古海上工事 「平和と安全」への一歩だ (2017年02月09日)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古で、国が海上部分の本体工事に着手した。移設の要となる埋め立てに直結する工事である。確実に進めてほしい。

菅義偉官房長官は会見で「日米同盟の抑止力の維持と普天間の危険性を考えたとき、辺野古移設が唯一の解決策だ」と述べ、海上工事を推進する考えを示した。

マティス米国防長官も来日時の安倍晋三首相との会談で「(沖縄の)負担軽減策は、一に辺野古、二に辺野古だ」と強調した。

辺野古移設こそ、日本やアジア太平洋地域の平和を保ち、普天間飛行場周辺に暮らす住民の安全を優先する方策である。

国は、昨年12月の最高裁判決で、翁長雄志(おなが・たけし)知事による埋め立て承認取り消しが違法とされたのを受けて工事を再開した。海上工事へ進むのは当然の流れである。

激しい反対運動が存在するが、工事の進捗(しんちょく)と安全の確保のため、警察当局や防衛省は、法に基づく厳正な警備をしてほしい。

日米両政府が、沖縄の負担軽減を進めていることも指摘しておきたい。昨年12月には、沖縄の本土復帰後、最大規模となった北部訓練場(同県東村など)の過半の返還も実現させた。

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極めて残念なのは、翁長氏が、最高裁の判断後は「協力して誠実に対応」することになっていた国との和解条項を顧みず、移設阻止を叫び続け、海上工事の中止も求めたことである。日本が法治国家であることを、疑わせるような振る舞いにほかならない。

海上工事について翁長氏は「反対する県民の感情的高まりは米軍全体への抗議に変わり、日米安全保障体制に大きな禍根を残す事態を招く」と語った。これが中国が狙う尖閣諸島(同県石垣市)を抱え、東シナ海に接する沖縄の知事の発言とは信じ難い。

翁長氏は、地勢上、いや応なく防衛の最前線となった自治体を預かっている。安全保障を国民から託されている国と協力する姿勢をとってもらいたい。沖縄を含む日本の平和を、命がけの任務として守っている在日米軍の重要性について、県民に説く姿をみたい。

尖閣の奪取と海洋覇権を目指す中国や、核・弾道ミサイル開発を強行する北朝鮮は、沖縄と日米同盟の混乱をうかがっている。現実に向き合うのが首長の責務だ。
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[東京新聞] 外国人労働者 ルール作りへの議論を (2017年02月09日)

外国人労働者が百万人を突破した。人口減少による人手不足を背景に安価な労働力と批判される技能実習生や留学生アルバイトの増加が目立つ。受け入れの新たなルール作りが求められるだろう。

「移民政策はとらない」。これが政府の方針だが、一方で外国人労働者の受け入れは広げている。

厚生労働省によると、昨年十月末時点の外国人労働者数は前年よりも十七万人余増え百八万人と過去最高となった。実に前年比二割増だ。

政府が積極的に受け入れを進める高度で専門的な知識を持つ人材も増えているが、単純労働に就く技能実習生や留学生アルバイトがそれぞれ25%増と、全体を押し上げている。単純労働に従事する外国人材は認めないとしながら、なし崩しに受け入れを拡大する政府の姿勢はあまりに身勝手であろう。

そもそも、外国人技能実習制度は、途上国に技能を伝えることを目的とする。現在、建設、農業など七十四職種で約二十一万人を受け入れている。だが、実際には人手不足を補う安い労働力として使われているのは公然の事実だ。 フィリピン国籍の青年が昨夏、長時間労働が原因の過労死として労災認定された。岐阜県の鋳造会社で働いていたが、心疾患で死亡した。亡くなる前の三カ月間は月百時間前後の残業をしていた。

厚労省の二〇一五年の調査によると、実習生を受け入れている事業所の七割、約三千七百カ所で賃金不払いや長時間労働などの労働基準関係法違反があった。国内外から「奴隷労働」と非難されるのも当然である。

政府は一七年度、実習生の受け入れをさらに拡大する。受け入れ期間を三年から最長五年に延ばすことに加え、対象職種に新たに「介護」を加える方針だ。

併せて、実習生の受け入れ団体や企業を指導・監督する機関を新設するなどの適正化策も実施するとしているが、どこまで実効性があるかは分からない。まずは、劣悪な労働環境を正した上で、拡大するべきではなかったか。

政府は東京五輪を前に建設業などで外国人材の活用を広げようとしている。しかし、本来、就労を目的として入国したのではない外国人で穴埋めするのは筋違いだ。

政府の働き方改革実現会議でも外国人労働が議題に上る予定だ。高度人材以外の労働者を受け入れるための態勢づくりへ向け、正面から議論を始める時だろう。
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[産経新聞] 【主張】東芝の経営再建 原発企業の重責忘れるな (2017年02月09日)

米原発事業で巨額な損失を計上する東芝が、資本増強の策定を急いでいる。高収益の半導体事業を分社化し、外部からの資本を受け入れるほか、他の子会社の売却なども検討している。

同社は不正会計事件で歴代の経営トップが辞任し、経営再建の途上だ。そこに追い打ちをかける巨額な赤字は、会社の存続を揺るがす深刻な事態である。

ここまで損失が拡大した原因を究明し、再発防止を徹底する必要がある。今度こそ実効性ある企業統治の確立が求められる。

これを欠いたまま財務基盤だけを強化しても、市場の懸念は払拭されまい。それでは原発事業を含めた同社の再生も見込めないことを肝に銘じるべきだ。

巨額な損失計上は、東芝傘下のウェスチングハウスが買収した原発建設会社の赤字が原因だ。工事の遅れに伴うものとされるが、東芝が損失の存在に気付いたのは昨年末だった。海外事業のリスクを見逃していた責任は重大だ。

同社はすでに医療機器や白物家電などの事業を売却済みだ。このため、今度は稼ぎ頭である半導体事業を切り離し、入札で外部からの出資を仰ぎ、負債が資産を上回る債務超過に陥るのを避ける計画だ。海外企業や投資ファンドなどが候補に挙がっているという。

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ただ、時間が限られているとはいえ、資産の切り売りだけでは信頼の回復はおぼつかない。金融機関の支援を得るためにも経営責任を明確化し、リスク管理を徹底する体制の整備を急ぐべきだ。

原発事業をめぐる経営環境は厳しい。国内の原発は福島事故で再稼働が遅れ、海外でも安全対策費用が上昇している。東芝の経営再建にも、原発事業からの撤退を求める声があるという。

だが、原発は安全保障にもかかわる日本のエネルギー政策の基盤である。安全性を確認した原発の再稼働だけでなく、次世代原発の安全技術開発などでも原発関連メーカーが担う役割は重い。

そのためにも、東芝は経営の再建を果たさなければならない。事業基盤を強めるための再編が望まれる。

政府も国内原発の建て替えなどを後押しし、原発の将来像を明示する必要がある。政府が決めた2030年度の原発比率目標2割を達成するには、原発メーカーの協力が不可欠である。
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金田法相 「答弁できぬ」が問題だ

毎日新聞
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[毎日新聞] 安倍首相の訪米 言うべき事を言う旅に (2017年02月09日)

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日米関係がアジア太平洋地域の安定と国際秩序の維持に貢献していけるよう、その土台づくりとなるような首脳会談にすべきだ。

安倍晋三首相がトランプ大統領との会談に向け、きょう米国に出発する。ワシントンでの会談の後、フロリダ州のトランプ氏の別荘を訪れ、ともにゴルフをする予定だ。

会談は、経済と安全保障が2大テーマとなりそうだ。

経済は、どんな話し合いになるか見通しは不透明だ。トランプ氏は、日本の自動車市場が閉鎖的と批判するなど的外れな発言を続けている。

首相は会談で経済協力のパッケージ案を提示するとみられる。トランプ氏が重視するインフラ投資や雇用拡大に日本が貢献する姿勢を示し、対日貿易赤字をめぐる批判をかわす思惑があるのだろう。

しかし、日本に非がないのに米国に一方的にすり寄っていく印象を与えてしまっては、トランプ氏に不当な対日要求を持ち出す余地を与えかねない。

首相は安易に相手の土俵に乗るべきではない。トランプ氏の保護主義は米国の利益にもならないことをしっかり説明し、自由貿易体制の重要性を理解してもらうべきだ。

安全保障分野では、先日、来日したマティス米国防長官が、尖閣諸島は米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用範囲と明言するなど、不安の払拭(ふっしょく)に努めた。

だが、トランプ政権では大統領と閣僚との意見の食い違いも起きており、首脳会談では、トランプ氏自身から日米安保体制についての認識を確認する必要がある。

中国や北朝鮮などアジア太平洋地域はもちろんのこと、ロシア、中東、欧州などの情勢についても十分に意見を交わしてもらいたい。

今回の会談は、日米2国間だけの問題ではない。

会談に世界が注目するのは、トランプ流の自国第一主義に日本がいや応なく組み込まれていくのか、日本が国際協調へのつなぎ役を果たすのかが問われているからだ。

初めは首脳間の個人的な信頼関係を築くことから始めるしかないだろう。互いに言うべき事を言い、反論すべきは反論する、そんな関係につなげたい。首脳間の関係を通じて、米国を国際秩序づくりに積極的に関与させ続けるよう、各国と協調しながら対応することが肝心だ。

日米関係の強化は重要だが、トランプ政権は従来の米政権とは違う。

自国の利益を第一に掲げ、そのために理不尽な主張をする米国に同調していては、日本に対する国際社会の信頼が損なわれる。首相にその自覚を求めたい。
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[日経新聞] ファンドの力を生かして経営改革を (2017年02月09日)

米国で誕生したプライベート・エクイティ(PE)ファンドが、日本でも存在感を増している。リスクマネーを投じて企業に変革を促すPEファンドは、日本企業が進化するうえで重要な役割を果たす可能性を秘める。警戒感を持つ経営者も少なくないが、彼らの力をうまく使いたい。

最近の動向で注目されるのは、企業が非中核企業を外に切り出す時に受け皿となるケースだ。米欧では、大企業が「事業の選択と集中」を進め事業構成を戦略的に組み替える際の欠かせないパートナーが、ファンドである。

日本でもすでに実例がある。たとえば1月には、日立製作所子会社の日立工機が米大手ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下に入ることになった。インフラ事業に注力する日立製作所にとって工具メーカーの日立工機との相乗効果は薄く、保有株を手放すことにした。

一方でKKRは、豊富な海外ネットワークを生かして日立工機の国際展開やM&A(合併・買収)を進めることで、同社の企業価値を高められると判断した。

もう一つのパターンは、創業者やオーナーから株式を譲り受けて経営の仕組みを整える、事業継承型の投資だ。米カーライルが株式の過半を握るスナック菓子メーカーのおやつカンパニー(津市)が、この例にあたる。

後継者難に苦しむ企業にとって、ファンドの活用は事業を続けるための一つの選択肢である。

PEファンドの特長は短期志向とは一線を画していることだ。最終的に再上場などで持ち株を手放して利益を手にすることを目指しているのはいうまでもないが、一つの案件に5年程度の時間をかけて、じっくりと改革に取り組むのが通例だ。

経営能力の高い人材を送り込み事業再編をしかけることも多い。経験豊富なファンドの経営への参画を通じて、他の業界や他の会社で成功した経営手法(ベストプラクティス)が移植され、その会社の実力を引き上げる効果も期待できる。

PEファンドは米国で株主の力が強まり、企業が経営改革を迫られた1980年代以降に台頭してきた。企業統治の改革が進む現在の日本でも、活躍の舞台が広がるだろう。今は米系ファンド中心の展開だが、これからは国内系ファンドの育成も課題である。
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[日経新聞] 福島第1の険しいデブリ除去 (2017年02月09日)

東京電力福島第1原子力発電所の原子炉内の様子が少しずつわかってきた。東電は2号機で、溶け落ちた核燃料(デブリ)らしきものを初めて撮影した。廃炉へ向けた重要な一歩だが、大きな損傷も映っており、今後の作業の険しさを予感させる。

原発構内は除染が進み、大型休憩所や新しい事務本館ができて作業環境が改善した。1、3号機建屋プール内の使用済み核燃料の取り出し準備も始まっている。

しかし、デブリに関してはどこにどんな状態で、どれだけあるのかわからず、取り出し法も決まっていない。手掛かりとなる画像を得るだけで約6年を要した。

デブリは核燃料や金属部品が混ざり、高い放射線量をもたらすとみられる。取り出しは廃炉作業の最大の難関とされる。

2号機の画像では、デブリの可能性がある堆積物のほかに1メートル四方の穴も確認できた。カメラを通した通路には推定で毎時530シーベルトと、人間が浴びれば1分足らずで死ぬ放射線量の場所があった。

撮影には7時間ほどかけ、安全に配慮してのべ63人が短時間ずつ交代してカメラを入れた。これだけでも大変な作業だ。

近く、カメラが2台付いたサソリ型ロボットを投入してさらに詳しく調べるが、堆積物や穴、高い放射線量などが障害となり作業が遅れる可能性がある。

デブリは原子炉の圧力容器を突き破り、格納容器に達してコンクリートなどと反応した可能性がある。世界を見渡しても経験したことのない現象で、常に予想外の事態を覚悟しておく必要がある。

政府と東電の工程表(ロードマップ)によると、今夏にもデブリの取り出し法を決め2021年に除去を始める。デブリの広がりや原子炉内の損傷によっては計画の軌道修正も迫られるだろう。

ロードマップは実態に即して柔軟に見直していくべきだ。海外の技術やノウハウも積極的に活用したい。安全第一に、焦らず着実に作業を前進させてほしい。
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[読売新聞] 対韓措置1か月 少女像撤去へ行動が見えない (2017年02月09日)

日韓関係がさらに悪化しないよう、韓国は、慰安婦問題の合意を誠実に履行し、具体的な行動を取らねばならない。

長嶺安政駐韓大使らが一時帰国してから、9日で1か月になる。帰国は、昨年末に、慰安婦を象徴する少女像が韓国・釜山の日本総領事館前に設置された問題を受けた措置だ。

2012年に李明博大統領が竹島を訪れた際の大使帰国が13日間だったのと比べても、今回の長期化が異例であるのは確かだ。

少女像の設置は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」や、ソウルの少女像撤去への韓国側の努力を明記した15年12月の日韓合意の精神に反している。在外公館や領事機関の保護を定めたウィーン条約上も、問題がある。

この1か月、韓国側が少女像の撤去に向けて、目に見える努力を行っていない以上、大使を帰任させようがないではないか。

朴槿恵大統領が職務停止中で、韓国政府が機能不全になっているという事情はあろう。しかし、少女像は民間団体が設置したので、政府の対応は限られるという釈明は、国内世論の反発を恐れるあまりの責任逃れに過ぎない。

少女像は設置直後、釜山市東区によって、道路法違反でいったん強制撤去された経緯がある。

大統領代行の黄教安首相は「時間がかかるが、必ず克服できるよう努力する」と明言した。政府高官を釜山に派遣し、自治体や民間団体と協議するなど、発言を行動に移すことが求められる。

日本は合意に基づき、韓国の財団に10億円を拠出した。昨年末時点で、元慰安婦や遺族の7割超が財団の支援金を受け入れている。韓国政府も、合意を着実に履行してこそ、国際社会から「約束を守る国」と評価されよう。

在日本大韓民国民団の団長も今月上旬、訪韓し、少女像の移転を尹炳世外相に要望している。

懸念されるのは、左派系の最大野党「共に民主党」が、日本への対抗策として、駐日大使の一時帰国や、10億円の返還などに公然と言及していることだ。

北朝鮮の軍事的な脅威を踏まえれば、日米韓の連携の重要性は増している。これ以上、日韓双方が非友好的な行動に走り、悪循環に陥る愚は避けねばなるまい。

まずは韓国側が事態の打開に向けて、日本側と真剣に話し合い、少女像の撤去について前向きな行政措置を取るべきだ。韓国の努力が見えれば、日本側も、柔軟な対応を示すことが欠かせない。
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[朝日新聞] PKO日報 国民に隠された「戦闘」 (2017年02月09日)

これまでの政府の説明は何だったのか。現場とのあまりの落差にあぜんとする。

昨年7月の南スーダンの状況を記録した、国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報などの文書を防衛省が公表した。

この当時、政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘が起きた。文書には、部隊が派遣された首都ジュバの、生々しい状況が記録されている。

「宿営地5、6時方向で激しい銃撃戦」「戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘」。事態が悪化すれば、PKOが継続不能になる可能性にも言及している。

こうした状況について、政府はどう説明していたか。

昨年7月12日、当時の中谷元防衛相は「散発的に発砲事案が生じている」と述べた。安倍首相は10月に「戦闘行為ではなかった。衝突、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」と国会答弁した。

ジュバの状況を、政府はなぜ「戦闘」と認めないのか。

稲田防衛相はきのうの衆院予算委員会でこう説明した。

「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」

政府は「戦闘行為」について「国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し、または物を破壊する行為」と定義する。こうした「戦闘」が起きていると認めれば、憲法やPKO参加5原則に抵触し、自衛隊はPKOからの撤退を迫られる。

稲田氏は「国際的な武力紛争の一環とは評価できない」とするが、派遣継続ありきで「戦闘」と認めないとも取れる。

「戦闘」が記された文書は、昨年9月に情報公開請求され、防衛省は文書を「廃棄した」として不開示とした。ところが、自民党の河野太郎衆院議員に再調査を求められ、範囲を広げて調べ直すと別の部署で見つかったとして一転、公開された。

この間、政府は10月に南スーダンPKOの派遣を延長し、11月以降、安全保障関連法に基づく「駆けつけ警護」が初めて付与された部隊が出発した。

こうした政府の決定は結果として、国民にも、国会にも重要な判断材料を隠したままで行われた。駆けつけ警護の付与、さらにはPKO派遣継続自体の正当性が疑われる事態だ。

そもそも、このような重要な記録を「廃棄した」で済ませていいはずがない。不都合な文書を恣意(しい)的に隠したと疑われても仕方がない。安倍政権は厳しく襟を正すべきだ。
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[朝日新聞] BPO見解 改めて問う放送の自律 (2017年02月09日)

選挙に関するテレビ番組に求められるのは、政治家の発言回数や時間などの「量の公平」ではなく、事実と適切な評論による「質の公平」である――。

放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会が、昨夏の参院選と東京都知事選をめぐるテレビ放送をふまえ、こんな意見書を出した。個別の番組ではなく、選挙報道全般への見解を示したのは初めてだ。

意見書は、放送局には番組編集の自由があるとしたうえで、民主主義における選挙の重要性に言及。その観点に立ったとき「真の争点に焦点を合わせて、各政党・候補者の主張の違いとその評価を浮き彫りにする挑戦的な番組が目立たないことは残念」と苦言を呈した。

BPOは公権力が放送に口出しするのを防ぐため、NHKと民放がつくった第三者機関で、長年の実績がある。その組織からの、重く苦い指摘である。

背景には、放送界を取りまく息苦しい状況がある。

14年衆院選の時、自民党はNHKと民放に文書を送り、出演者の発言回数や時間などに公平を期すよう求めた。翌年には特定の番組についてNHKとテレビ朝日の幹部を呼び、1年前には高市総務相が「停波」の可能性に言及して物議をかもした。

政権側の強圧的な姿勢を前に放送現場に萎縮と忖度(そんたく)のムードが広がってはいないか。

そんな危機感がBPO側にあったのだろう。会見した委員らは番組の内容を「表面的」「軽い」などと批判しつつ、放送の自律への期待を語った。

同じ思いをいだく視聴者も少なくないと思う。放送局は、現場の一人一人が意見書の趣旨を理解し、課せられた使命にかなう番組を送り出せるよう、体制と意識を見直してほしい。

今回の意見書を根底で支えるのが、番組づくりの基準として「政治的に公平であること」などを定めた放送法の解釈だ。

政府は行政指導などを行う根拠になるとの立場をとる。だがそれは、憲法が定める表現の自由や、放送が政府に支配された時代の教訓を踏まえない誤った考えと言わざるを得ない。

BPOも意見書で、この規定は「放送局が自律的に守るべき倫理規範」との見解を改めて示した。根拠をていねいに説明しており、説得力に富む。

権力による放送への介入は許されない。倫理を逸脱しているか否かを判断するのはあくまでも視聴者だ。視聴者もまた、民主社会で放送が果たす責務を理解し、質の高い放送に向けて声を上げていかねばならない。
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[読売新聞] 放射線審議会 民主党政権時の基準を見直せ (2017年02月09日)

ゼロリスクを求める放射線の基準は、科学的データに基づき、改める必要がある。

放射線審議会の権限と機能を強化する放射線障害防止技術基準法の改正案が、今国会に提出されている。

原子力規制委員会が所管するこの審議会は、放射線防護などの専門家8人で構成される。従来は、各省庁からの諮問を受けないと、審議さえできなかった。

制約をなくす改正案が成立すれば、独自の判断で調査・審議することが可能になる。関係省庁に対して、基準値を定める法令改正などを促すこともできる。

東日本大震災後、放射線を巡る科学的根拠に乏しい情報が、インターネットなどで流布され、福島の復興の足かせとなっている。速やかに法案を成立させて、審議会を有効に機能させるべきだ。

重要テーマの一つが、震災後の2012年に適用された食品中の放射性物質量に関する基準の見直しだ。当時の民主党政権は、国民の不安解消を名目に、国際基準とかけ離れた基準値を設けた。

例えば、飲料水中のセシウム量の基準値は、米国が1キロ・グラム当たり1200ベクレル、欧州が1000ベクレルなのに対して、日本は10ベクレルだ。

日本は汚染地帯なので、食品の基準も厳しい、と国際的に誤解され、日本産の食品などを輸入規制する国が相次いだ。中国や韓国は今も厳しい措置を続けている。

規制委の田中俊一委員長は、現行の基準のままでは、日本の食品に対する不信感は解消できないと指摘し、「(基準を)国際レベルに持っていくことが大事だ」と強調する。見直しを急ぎたい。

除染に関しても、民主党政権下で、実質的に年間1ミリ・シーベルト以下とする目標が設けられた。

科学的には、100ミリ・シーベルト以下の被曝(ひばく)による健康への影響はないとされる。国際放射線防護委員会(ICRP)は、これに余裕を見込んで、20ミリ・シーベルト以下で避難措置を解除し、長期的に1ミリ・シーベルトを目指すとの考え方を示している。

今では政府も、こうした方針を掲げているが、法的な規定はない。被災地には、「1ミリ・シーベルトの呪縛」が根強く残る。住民が帰還をためらう一因になっている。

放射線審議会で、国際的な考え方を改めて検討し、政府は法令に基づく明確な基準を打ち出すべきだ。被災者の理解を得られるよう、丁寧な説明も欠かせない。

震災から間もなく6年となる。国中が不安で覆われた中で決定された施策を見直す時期である。
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