2016年09月30日

[東京新聞] イグ・ノーベル賞 笑った後で考える科学 (2016年09月30日)

米ハーバード大で先週、イグ・ノーベル賞の授賞式があり、日本人が十年連続で受賞した。賞は「まず人を笑わせ、そして考えさせる」研究が対象。ユーモアが科学を身近にしてくれる。

本年度の「知覚賞」に選ばれたのが、立命館大の東山篤規(あつき)教授らの「股のぞき」だ。

京都府の天橋立に行くと誰もがやってみる。天地がひっくり返るとともに、遠くのものが近くに見える。日本人にはなじみの行動だが、見え方が変わるのはなぜか。学生ボランティアを使った実験での結論は、意外にも「いつもと違う姿勢によって知覚の精度が下がる」ということだった。「なぜ」と考えることの大事さを教えてくれる。

授賞式後、東山教授が股のぞきを実演すると爆笑が起きた。講演会の会場では「逆立ちでは」との質問が出たという。まさに「笑わせ、考えさせる」研究である。

同賞は一九九一年に始まった。特典は、本物のノーベル賞受賞者から認定書が贈られることで、旅費も出ない。例年、十件のテーマが選ばれるが、すべてが科学的な業績とは限らない。

今年の化学賞は、排ガス規制で不正を働いたフォルクスワーゲン社。授賞理由は、排ガス問題を検査時に自動的・電気機械的に処理したという皮肉である。

国別では、米国が圧倒的に多い。日本はカラオケが「人々が互いに寛容になることを教えた」として平和賞に選ばれるなど二十二件。英国と二位を争う。ドイツは少なく、中国が健闘している。

オランダ人物理学者のアンドレ・ガイム博士は二〇一〇年に「炭素新素材グラフェン」でノーベル物理学賞を受賞しているが、〇〇年に「カエルの磁気浮上」でイグ・ノーベル賞も取っている。

独創的な研究はときに巧まざるユーモアを感じさせる。クラゲを八十五万匹捕まえた。何度も実験装置を爆発させた。これはどちらの賞だろうか。

〇八年にノーベル化学賞を受賞した下村脩・名古屋大特別教授は家族総出でクラゲを捕った。緑色に光るタンパク質GFPを見つけるためだった。

中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授は実験装置を何度も爆発させた末、青色発光ダイオードの製作に成功。一四年にノーベル物理学賞を受賞した。

来週からノーベル賞の発表が始まる。三年連続の日本人受賞を期待したい。
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[産経新聞] 【主張】五輪計画 仕切り直しを躊躇するな (2016年09月30日)

不都合な事実があるなら、これを改めるに躊躇(ちゅうちょ)すべきではない。ただし決断の根拠は明確に示さなければならない。

2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用を検証する都の調査チームが、競技会場となる3施設について、建設中止を含む抜本的な見直し案を小池百合子都知事に報告した。大会経費は推計3兆円を超える可能性を指摘し、コストの削減を提案している。

小池知事も「しっかりと受け止めたい」とし、代替地開催などを検討する考えを示した。

さっそく五輪組織委員会の森喜朗会長は「国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で決まっていることをひっくり返すことは、極めて難しい問題だろう」と小池知事に伝え、丸川珠代五輪相も「別途新たな負担が生じる可能性がある」などと述べた。

調査対象の3施設は、ボートとカヌー会場の「海の森水上競技場」、水泳会場の「五輪水泳センター」、バレーボール会場の「有明アリーナ」だ。

当初計画の69億円が491億円に膨らんだボート会場は宮城県の「長沼ボート場」へ、321億円から683億円の水泳会場は近接の「東京辰巳国際水泳場」、176億円から404億円のバレー会場は横浜市の「パシフィコ横浜」などへ、代替地の候補もあげられた。費用の暴騰や代替案の問題点について詳細を明らかにし、公明正大な判断を求めたい。

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五輪準備をめぐっては、新国立競技場の建設計画や大会エンブレムが白紙撤回されるなどの不手際が続いた。小池知事は28日の所信表明演説で「都政は都民の信頼を失った」と述べたが、それは五輪準備も同様だ。都や組織委、スポーツ界、国の役割分担が不明瞭で、一連の不祥事でも責任の所在は常にあいまいだった。

東京五輪は、明るい気持ちで迎える夢の大会でありたい。リオデジャネイロ大会の選手の奮闘はその機運を盛り上げたが、競技以外の場面で負の話題が多すぎる。

小池知事は「都民ファースト」を基本姿勢に掲げるが、五輪招致時の理念であった「アスリート・ファースト(選手第一)」も忘れてはならない。選手は、華美で豪勢な施設を求めていない。必要なのは良好な競技環境と、観衆の興奮である。このことを判断材料の第一に据えてもらいたい。
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[東京新聞] 東京五輪の検証 「コンパクト」の初心に (2016年09月30日)

二〇二〇年東京五輪・パラリンピックはコンパクトに。小池百合子東京都知事はその約束を果たしてほしい。徹底した情報公開と合意づくりに努め、いわば都民、国民の手に五輪を取り戻すことだ。

五輪の招致計画段階での開催費用の見積もりは、七千三百億円余りだった。それが、いつの間にか二兆円、三兆円に増えそうだという想定外の見通しが飛び交い、不安と懸念が強まっている。

問題なのは、その根拠も、資金の出所も、責任の所在さえも、都民、国民によく知らされていなかったという点だ。

小池氏が設けた都政改革本部の調査チームは、その原因を曲がりなりにも摘出した。いまの野放図な準備の進め方では、費用は三兆円を超えるかもしれないという。

都の本年度予算に基づけば、高齢者や障害者、子どもらの医療や保健、介護、福祉分野の予算のざっと三年分に匹敵する。市民感覚からすれば納得し難いだろう。

なぜ費用が膨らみがちになるのか。調査チームの一次報告書はいくつもの課題を示している。

致命的なのは、五輪推進体制の欠陥ではないか。大会組織委員会が準備や運営を担いながら、開催都市の都が財政責任を負っている。国はそれに協力するのみだ。

現状の三者体制を会社に例えれば、社長と財務部長が不在というわけだ。組織委の民間からの収入は五千億円程度にとどまるとみられ、残りの請求書は都民に回される仕組みになっている。

計画の立案から予算の見積もり、人員の配置まで、チェックが利かない無責任体制も同然だ。報告書の提案通りに、国や都による風通しの良い一元的な管理体制に速やかに改めるべきである。

司令塔をはっきりさせ、無駄を省くという方針を隅々まで貫徹させるだけでも、現場のコスト意識は変わるのではないか。

競技施設の整備では、既存施設の利用を最優先する。仮設施設は質素を旨とし、恒久施設は負の遺産にしない。そうした不退転の決意で、国際オリンピック委員会や国内外の競技団体と粘り強く協議してほしい。

最大一兆六千億円に上る見込みという大会運営や警備、輸送、広報といったソフト面の費用の圧縮にも衆知を集めねばならない。

諸外国では、財政難から二四年夏季五輪への立候補を取りやめる都市が相次ぐ。東京五輪では、五輪そのものの持続可能性をも問われていることを銘記したい。
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[産経新聞] 【主張】中国企業訴追 北制裁の抜け穴をふさげ (2016年09月30日)

北朝鮮の制裁逃れに加担し、核兵器開発を助けていた中国企業とその幹部を、米政府が初めて訴追した。併せて金融制裁にも踏み切った。

北朝鮮の貿易総額の、実に9割を中国企業が占めている。これは北朝鮮制裁の「抜け穴」にメスを入れたものであり、監督すべき中国政府の責任は重大である。

米政府は2月、中国など「第三国」の法人・個人を金融制裁の対象とする、北朝鮮への独自制裁法を成立させた。今回の訴追は、これを受けたものだ。中国企業に対する発動は、抜け穴を放置した中国政府に圧力をかける上でも大きな意味を持つ。

中国・丹東(遼寧省)の貿易会社「鴻祥実業発展有限公司」は、戦略物資である重油や、汎用(はんよう)品バッテリーなどを北朝鮮に輸出してきた。高濃度ウランを製造する遠心分離機用の酸化アルミニウムまで含まれていたという。

中朝貿易を管理するはずの中国税関は、女性経営者の贈賄で、検査機能を果たしていなかったとも伝えられる。

米国から核関連物資輸出の証拠を突きつけられ、中国当局も同社を含む複数の国内関係先の調べにようやく乗りだしたようだ。

北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するため、国連安全保障理事会はジェット燃料の禁輸を含む厳しい制裁を科し、日米韓なども独自の制裁を実施している。だが抜け穴があっては、国際社会の努力は実を結ばない。

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北朝鮮は今月、制裁をあざ笑うかのように、軍用機などによる航空ショーを開催した。制裁下にあってもふんだんにジェット燃料を消費するショーを開けることを強調したかったのだろう。中国ルートの抜け穴がこれを支えていたとすれば、許されないことだ。

5回目の核実験強行を受けて安保理は、新たな制裁決議を調整している。同時に、現行の制裁が厳格に履行されるよう中国に圧力をかけ続けなくてはならない。

米国務省のラッセル次官補(東アジア・太平洋担当)は、核・ミサイル開発阻止のため、北朝鮮の資金源を断つ新たな措置を日韓とともに検討中だと公表した。欧州連合(EU)との間では北朝鮮を国際金融システムから排除する協議も始まった。あらゆる制裁の手段を総動員し、北朝鮮の暴挙を押しとどめるべきだ。
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[毎日新聞] 都の五輪報告 肥大した予算にメスを (2016年09月30日)

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今のままでは開催費用は3兆円を超える可能性がある。

2020年東京五輪・パラリンピックの予算などを検証している東京都の都政改革本部の調査チームが約2兆円だった12年ロンドン大会を参考に試算した。招致活動時に公表した約7300億円の4倍を超える巨額な費用に、五輪の成功を願う人たちも驚いたのではないか。

ほとんどを税金で賄うことになる開催費用には多くの国民が不安と懸念を抱いている。昨年来、東日本大震災の復興事業などに伴う建設資材や人件費などの高騰、テロ対策の強化などを理由に大会組織委員会の森喜朗会長らの口から2兆〜3兆円という数字が出ていた。だが、大会の準備と運営の主体となる組織委員会から詳細な説明はないままだった。

「一体いくらかかるのか」という国民の疑問に答える中間報告には全体費用のほか、組織委員会と東京都、国の役割分担の見直しを求める提言も盛り込まれている。前向きに検討する価値がある内容だ。

招致段階で国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルでは「恒久施設は東京都、仮設施設は組織委員会」が担当することになっていた。だが、民間資金の約5000億円が収入となる組織委員会だけでは賄い切れないため、東京都が仮設施設の整備費約1500億円を全額負担すべきだとした。

経費削減のために、中間報告は七つの恒久施設のうち三つについて代替施設への変更を含めた抜本的な見直しを迫った。具体的にはボートとカヌー・スプリントの競技会場を「海の森水上競技場」から宮城県の長沼ボート場に移すことなどだ。長沼ボート場は国際大会の開催実績があり、もし実現すれば「復興五輪」の理念に合致する。

ただ、会場変更は国際競技団体との交渉やIOCの承認が必要となる。森会長は難色を示しているが、新国立競技場整備計画の白紙撤回をIOCが難なく認めた例もある。

中間報告は組織委員会が中心となっている現在の体制について、全体を取り仕切る司令塔が明確ではなく、「社長と財務部長がいない会社と同じ」と指摘した。つまり予算の上限が設定されないまま、各部門が必要と考える経費をそれぞれ計上している状態で、これが予算が膨れあがった最大の理由だろう。予算、人員を一元管理する組織が必要だ。

東京都は四つある残りの恒久施設などについても同様の調査を行う方針だ。レガシー(遺産)として後世に引き継ぐためには肥大した予算にメスを入れ、「負の遺産」とならないよう、適正な支出に努めなければならない。
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[毎日新聞] OPEC「減産」 影響力には限界がある (2016年09月30日)

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主要産油国など14カ国が加盟する石油輸出国機構(OPEC)が、生産量の新たな目標を決めた。最近の実際の生産量を下回るもので、先物市場では、予期せぬ約8年ぶりの「減産合意」に原油価格が急騰した。

世界的な供給過剰により価格が暴落したにもかかわらず、足並みをそろえられなかったOPECが減産合意にこぎ着けたのは大きな変化だ。とはいえ、これで原油価格が上昇し続けると見るのは早計だろう。

まず、減産が小幅にとどまったことがある。日量約3320万バレルが3250万〜3300万バレルに下がる程度だ。また、総量の目標は決めたものの、実際、各加盟国がいくら減らすかという難題は11月末の次回総会に先送りした。そこで合意できたとしても、これまで何度となく約束が破られてきたOPECである。

何より価格の本格上昇を困難にしそうなのが、世界の原油市場におけるOPECの影響力低下だ。ロシアなど非加盟の主要産油国が、歩調を合わせて減産を実行する必要があるが、協調の保証はない。

そして、北米のシェールオイル台頭がある。技術革新により生産量が格段と増加したシェールオイルは、米国をサウジアラビアやロシアと並ぶトップ級の産油国に押し上げた。

OPECの減産が奏功し原油が値上がりすると、皮肉にもOPECのライバルであるシェールオイルの生産者が、代償なく価格上昇の果実を得ることになる。彼らがもうけを増やそうと増産すれば価格は再び崩れかねない。OPECがこれまで減産できなかった大きな理由である。

だが、価格低迷の長期化により石油収入に支えられた産油国の財政はどこも窮迫する一方だ。OPECの盟主として君臨してきたサウジでさえ、財政赤字の膨張により、手厚い国民への補助金や公務員の好待遇を改めざるを得なくなった。

他方、日本などエネルギー輸入国にとっては、空から降ってきたボーナスのような価格下落である。物価全般を押し下げるため、日銀が目指す物価上昇率2%の達成は遠のくかもしれないが、国民の暮らしには、エネルギー価格が安いに越したことはない。

しかし、価格の決定権は今や市場が握る。消費国はもちろんのこと、生産者が多様化する中、主要な産油国でさえ、かつてのように価格を動かせないのが実情だ。

問題なのは短期間のうちに価格が急変する不安定さだ。世界にあふれる投機マネーが振れ幅をかつてないほど大きくしているが、主要国の中央銀行による大規模な金融緩和がもたらした副作用でもある。

限界のある生産量の調整より、極端な価格変動の元を注視すべきだ。
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[朝日新聞] 東京五輪 司令塔が不可欠だ (2016年09月30日)

2020年の東京五輪・パラリンピックの経費について、東京都の調査チームが小池百合子知事への報告書をまとめた。

総費用が3兆円を超える可能性を指摘し、ボート会場の変更など施設の見直しを求めた。小池氏が検討する姿勢を示したのに対し、大会組織委の森喜朗会長は「(計画を)ひっくり返すのは難しい」とさっそく難色を示した。

膨らむ予算に、関係者のバトル……。五輪を巡って繰り返されるそうした状況に、報告書が本質的な問題としてあげる「司令塔の不在」が表れている。

東京都、組織委、政府。いったい誰が全体を統括し、責任をもつのか。開催まで4年をきったというのにはっきりしない。

約1カ月前にチームが調べ始めた時、各施設を政府や都、その他の自治体がどこにいくらで建て、工事はどこまで進んでいるのか一覧できる資料すらなかったという。上限もなく経費が積みあがる状態に、報告書をまとめた経営コンサルタントらは「社長と財務部長がいない会社と同じ」と警鐘を鳴らした。

つけを払わされるのは都民だ。組織委の収入は5千億円が限界とされ、不足分は都にふりかかる仕組みになっている。

ここは小池知事が前面に立つべきだろう。五輪を開催する20年に東京は人口減に転じる。巨額のつけを丸々背負えば、都民の暮らしを支えつつ首都の魅力を保っていけるのか、大きな影がさしかねない。

報告書は、開催計画や予算、人員などを一元管理する体制が必要だとしている。リオ、ロンドンの両五輪には組織横断的な枠組みがあり、施設整備を担ったり、準備状況の情報公開を進めたりした。参考になるものは取り入れながら、体制づくりを急いでほしい。

競技施設の変更は、確かに容易ではないだろう。一部ではすでに工事が始まっている。競技団体の間では「さまざまな見直しや検討を重ねていまの計画になったはずだ」との声が強い。

しかし、予想される費用の巨額さを考えると、組織委は都と協力して変更の可能性を探るべきだ。リオ五輪では工事現場と見間違えるような簡素な会場も使われた。柔軟に考えたい。

国も傍観者ではいられない。安倍首相はリオ五輪の閉会式でマリオに扮して東京五輪をPRし、国会では「必ずや、世界一の大会にする」と述べた。

2回目の五輪開催で、成熟都市での運営モデルを示す。見直しへの最後のチャンスとして、提言と向き合うべきだ。
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[読売新聞] 東京五輪施設費 野放図な膨張は許されない (2016年09月30日)

2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用は、膨張が避けられない状況だ。手をこまぬいてはいられない。

東京都の小池百合子知事が設置した都政改革本部の調査チームが、五輪費用などに関する報告書を公表した。総費用が「3兆円を超える可能性がある」と警鐘を鳴らした。

東京五輪の総費用は当初、約7340億円と試算されていた。だが、計画が具体化される中で大幅に膨張する実態が分かった。

都や大会組織委員会は、資材や人件費の高騰などを要因に挙げるものの、招致段階の見積もりが甘過ぎたことは否定できまい。

大会まで4年を切り、小池氏は「見直しの最後の機会になるかもしれない」と強調した。多額の公費が投入される以上、費用を可能な限り縮減するのは当然だ。

将来にわたって活用する恒久施設を都が建設する。五輪後に取り壊す仮設会場については、大会組織委が受け持つ。当初は1538億円だった都の費用は、約3倍に跳ね上がることが判明し、2241億円に抑えた経緯がある。

報告書は恒久の3施設の抜本的見直しを提言している。ボート・カヌー競技用の「海の森水上競技場」の建設を中止して、会場を宮城県内に移す案などを示した。既存施設の活用により、一層の費用圧縮を図る姿勢はうなずける。

会場変更には、国際オリンピック委員会(IOC)や競技団体の承認が必要になる。大会組織委の森喜朗会長は、ここにきての変更に否定的な見解を示している。

小池氏と森氏の調整力が問われよう。都と大会組織委の費用分担の在り方をどう見直すかも、大きな課題だ。遅れがちな大会準備を加速させるためには、総費用を早急に算出して、全体計画を確定させねばならない。

報告書は、都が大会組織委の指導・監督を強化する必要性に言及した。都が資金を拠出している団体である点を重視したためだ。

大会エンブレムの撤回問題などで、大会組織委の閉鎖的体質への不信は根強い。透明性の向上とガバナンスの確立が欠かせない。

政府、都、大会組織委による準備体制について、報告書は「社長と財務部長のいない会社と同じ」と批判している。大会準備を一体的に進めるためには、責任の所在を明確にすることが急務だ。

丸川五輪相と小池氏、森氏は、角を突き合わせるのではなく、協力し合って、五輪を成功に導く重い責任を負っている。
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[朝日新聞] 全国学力調査 本当の力測れているか (2016年09月30日)

文部科学省が、小6と中3の全員を対象にした全国学力調査の結果を公表した。

本来は例年どおり8月末には数字がまとまるはずだった。ところが、中3の採点を担当した業者の集計ミスが直前になってわかり、延期されていた。

教育委員会や学校が待ちぼうけを食わされた――という、単純な話ではない。

調査の目的は、教育施策を検証し、指導の充実や学習の改善にいかすことにある。それが動きだすのが1カ月遅れた。子どもたちの学びにも、それだけ影響が出たことになる。

業者はもちろん、作業を委託した文科省も責任が問われる。再発防止策の検討が必要だ。

文科省は今回の発表で、都道府県別の一覧表での表示方法を改めた。これまで平均正答率を小数点以下まで出していたが、四捨五入して整数で示すようにした。「正答率のわずかな差は学力の違いを表すものではないから」というのが理由だ。

一覧表はたしかに世間の注目を集める。地方議会で前年からの順位の上下や近県との比較が話題になることもしばしばだ。

数字のもつ意味を正しく理解し、わずかな差異や変化に一喜一憂すべきではない、という文科省のメッセージは正しい。

だが、表示方法の見直しは対症療法でしかない。

きっかけとなったのは、当時の馳浩(はせひろし)文科相に届いた情報だ。「教委の内々の指示で、4月に行われる調査の2カ月くらい前から、過去のテストを解く練習をしている」。現場の教員からの告発だった。

問題の根は、点数をあげることが自己目的になっている現実にあるといえる。

以前の設問を指導に使うことは認められている。とはいえ、本番の調査前に子どもたちにそれらを解かせ、慣れさせるのは「指導」ではなく、明らかなテスト対策だろう。

それで素顔の学力が測れるのか。今後の指導に本当に役立つ分析が得られるのか。

制度の趣旨は損なわれ、そもそもこれほど大規模な調査をする必要があるのかとの根源的な疑問まで引き起こす。文科省はこうしたゆきすぎた措置がどこまで広がっているかを調べ、是正を指導すべきだ。

1960年代の学力調査は、成績のふるわない生徒を当日休ませるなどの行為がはびこり、結局、中止になった。そんな愚を繰り返してはならない。

子どもたちの未来のために、大人は何をすべきか。原点に立って考えたい。
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[読売新聞] 全国学力テスト 地域の指導改善に蓄積生かせ (2016年09月30日)

子供たちの基礎的な学力は着実に伸びている。地域ごとの順位に過度にとらわれず、授業や教育内容の改善につなげていくことが重要である。

文部科学省が4月に行った全国学力テストの結果を公表した。小学6年生、中学3年生の全員を対象に、国語と算数・数学の基礎知識と応用力を測る。2007年度から実施され、今年で10年目を迎えた。

目立つのは、成績の振るわなかった県の学力向上だ。

各教科の平均正答数をみると、成績下位県が近年、全国平均に近づき、上位県との差も縮小している。下位県が上位県に教員を派遣して指導方法を学んだり、補習を強化したりしたことが功を奏したとみられる。

民主党政権下の10、12年度は、「競争をあおる」として、約3割の学校を抽出して実施された。

全員が受ければ、抽出方式よりも正確に現状を把握でき、教員が当事者意識を持ちやすい。全員参加方式の継続が、指導内容の見直しにつながった面があろう。

一方で課題も残る。

計算や漢字の読み書きなど基礎問題の正答率は向上したが、資料を読みとって考えをまとめるといった応用問題の成績は伸び悩んでいる。記述式は無解答も多い。

グローバル社会で活躍する人材を育成するには、思考力や表現力を高めることが欠かせない。一方的に教師が教える授業を見直し、討論や発表を重視する学習方法を取り入れることが求められる。

今回は、家庭の経済状況と学校ごとの成績、指導法の関係を調査し、詳細に分析した。

自治体から就学援助を受けている家庭の割合が高い学校ほど、テスト結果は低い傾向にあった。塾通いができない、落ち着いた家庭環境になく学習に集中しづらいといったケースが考えられる。

経済状況が学力に影響しているとみられる子供が多い学校に対し、文科省は来年度、教員配置を増やす方針だ。

子供の状況に応じてきめ細かい指導を行い、家計による学力格差を抑えることが大切である。

教育委員会が都道府県別の順位を気にして、試験対策が過熱する傾向も一部で指摘されている。

学力テストは本来、結果を丁寧に分析し、指導の改善に役立てることが目的のはずだ。

実施には60億円弱の費用がかかっている。これまでの蓄積を活用し、新たな時代に求められる学力を育みたい。
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2016年09月29日

[東京新聞] 蓮舫氏代表質問 選ばれる党への一歩に (2016年09月29日)

蓮舫代表の下、民進党は「選択される政党」に生まれ変わることはできるのか。きのう参院でも始まった本格論戦。日本の民主主義のためにも、再生への第一歩を力強く踏み出さなければならない。

安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問がきのう参院でも始まり、代表として初めて登壇した蓮舫氏は「選挙後の初めての本会議のとき、与党議員の多さに正直、愕然(がくぜん)とした」と率直に切り出した。その言葉は参院選後の政治状況を如実に表す。

前身である旧民主党の一時期、百を超えていた参院での議席も、今やほぼ半分にまで落ち込んだ。

一方、旧民主党から政権を奪還した自民党は安倍総裁の下で党勢を拡大し、同党が悲願とする憲法改正に前向きな「改憲派」は今や衆参両院で三分の二を超える。

「安倍一強」と指摘される情勢は有権者の選択の結果ではある。政権時代、有権者の期待を集めながらも、力量不足から裏切った旧民主党の責任も小さくはない。

しかし、党勢拡大とともに、安倍政権の傲慢(ごうまん)さも目立ち始めた。

二十六日には所信表明演説中の首相に促され、自民党議員が立ち上がって拍手した。それが自衛隊員や海上保安官らをたたえるものでも、独裁国家のような異様な光景には与党内からも批判が出た。

答弁にも乱暴さが散見される。

蓮舫氏が株式運用比率を倍増させた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が十兆円の運用損を出したと指摘すると、首相は「短期的な評価損をことさら取り上げて年金制度への不安をあおることは慎むべきだ」と反論した。

批判することさえ認めようとしないのでは論戦は成り立たない。こうした政権のおごりを正すのは野党の役目である。たじろぐことなく堂々と切り込めばいい。

同時に、民進党には政権交代可能な二大政党の一翼を担う役割も課せられている。政権の選択肢を有権者に示すことは責務だ。

特に、首相主導の経済政策「アベノミクス」は、経済格差を拡大し、個人消費の低迷や実質賃金の低下に有効な処方箋とはなり得ていない。

政権が軌道修正しないのなら、民進党の出番だ。問題解決に寄与する、実現可能で、財源の裏付けのある具体的な政策体系を練り上げ、有権者に示すべきである。

一度失った信頼を取り戻すのは容易ではないが、野党に安住し、政権奪還の気概を示せなければ、民進党に存在価値はない。
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[東京新聞] トリエンナーレ 創造の旅に加わろう (2016年09月29日)

現代アートの祭典、あいちトリエンナーレが、名古屋など愛知県の三都市で開かれている。三回目を迎え、その最大の魅力としている“街なかミュージアム”が広範に根づくか。正念場にもなる。

テーマは「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」。

今回の芸術監督を務める港千尋さん(多摩美術大教授)が打ち出した。「サライ」は旅の疲れを癒やす「家」を意味するという。

世界を旅し、写真家で著述家、大学では映像人類学を教える港さんらしい着想だ。

トリエンナーレはイタリア語で三年ごとの意味。三年に一度の芸術展覧会をいい、二年に一度なら「ビエンナーレ」。最も古い国際芸術祭は、一八九五年に始まったベネチア・ビエンナーレだ。国同士が数々の芸術部門で競う芸術の「五輪」としても知られる。

「あいち」の始まりは二〇一〇年。三回目の今回は、名古屋(主会場)・岡崎両市に新たに豊橋を加え、三都市に会場を広げた。

現代美術、舞台芸術などに過去最多の三十八の国・地域から百十九組のアーティストが参加。その内訳は海外組が上回る。

分かりにくいともされる現代アートに親しむだけでなく、テーマが暗示する通り、異文化発見、交流の場となる期待も大きい。

中でも、リオ五輪・パラリンピックの舞台だったブラジルとの関わりに注目したい。

愛知県で暮らすブラジル人は約四万八千人。全国の都道府県で最も多い。そのつながりを意識し、祭典の総合学芸員的な役割(キュレーター)の一人にブラジル人女性を初めて抜てき。前回はゼロだったブラジル人作家も四人が出品し、地球の反対側から発せられた熱気との共鳴を試みたのだ。

都市型では横浜トリエンナーレ(〇一年から)が先輩格だが、今秋から、さいたまトリエンナーレ(テーマ「未来の発見!」、十二月十一日まで)、茨城県北芸術祭(「海か、山か、芸術か?」、十一月二十日まで)なども開かれ、芸術祭は地域振興型も含めてそれぞれの真価が問われる。

国内最大級の規模と目される、「あいち」の最大の個性は、街中を、丸ごと美術館や博物館に見立てた市民参加型の取り組みだ。

それを一過性に終わらせぬためには十月二十三日までの会期中、市民側の盛り上がりも試される。「創造」のキャラヴァン(隊商)の乗組員は、街なかでアートを楽しむ人々でもあるのだから。
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[産経新聞] 【主張】「豊洲」解明は小池百合子知事と議会の共通の課題…不毛な対立脱却良かった (2016年09月29日)

小池百合子東京都知事が初の都議会に臨み、所信表明演説で「都民ファースト」という都政運営の基本姿勢を示した。

都政において最大の焦点となった豊洲市場問題への対応でも、都民の疑問に誠実に答え、信頼を回復する考え方に徹するという意味だろう。

就任早々、小池氏は11月の豊洲開場の延期を決めた。大きな混乱を招くだけに賛否両論があったが、その後に「盛り土」をめぐる都庁の虚偽説明などが判明して状況は一変した。

2020(平成32)年の東京五輪・パラリンピックの計画見直しにも着手するという。

いずれも巨大な課題を抱え、都政が停滞することは避けねばならないが、情報公開を徹底し、組織のゆがみを正す取り組みを優先させる判断は妥当である。

豊洲問題をめぐっては、知事と議会がその解明という共通の課題を持ったともいえる。最大会派の自民党も、都庁への疑問を深めているためだ。

小池氏は知事選公約で議会の冒頭解散に言及していたが、不毛な対立の構図から脱することができたのは良かった。

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豊洲移転の延期決定後、当初の計画にあった敷地全体への盛り土が行われず、水産物を取り扱う主要施設などに地下空洞が造られ、地下水がたまっている状況なども判明した。

主要施設の工事の落札率が100%近いことなどの不自然さも指摘されている。

とりわけ、土壌汚染対策の柱だった盛り土がいつの間にかなくなり建設方法が変更された問題は、都の問題にとどまらず関心が広がっている。食品を扱う主要施設だけに消費者の厳しい目が向けられるのは当然だろう。

都庁は変更について公表してこなかったし、責任の所在も明らかにできていない。小池氏が、計画変更の経緯などの調査結果を、30日までに報告させるとしたのは妥当である。

だが、この段階でどこまで事実関係が明らかになるかは不明だ。「原因を探求する義務」を、知事も議会も十分に果たさなければならない。

都庁の組織としてのあり方、透明性が厳しく問われている。都議会もチェック能力の欠如への批判を免れない。緊張感を失わず改革につなげてもらいたい。
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[産経新聞] 【主張】働き方改革 賃上げにつながる成果を (2016年09月29日)

安倍晋三政権が目玉政策と位置付ける働き方改革を進めるための「実現会議」が始まった。

人口、労働力が減少する日本が経済成長を遂げるには、労働生産性の向上が欠かせない。働きやすい環境づくりと併せ、効率的な働き方を導き出す場としてほしい。

課題には、長時間労働是正や同一労働同一賃金の実現などが挙がる。とくに、長時間労働の温床となる行き過ぎた残業の規制は急務である。

働く人の健康を守り、女性の就労を促すことにもつなげるため、必要な法改正を急ぐべきだ。

「働き方」は労働者の暮らしに直結するだけに、改革がもたらす影響も大きい。理念先行で労働実態とかけ離れた改革は混乱も招きかねない。

大事なのは、その成果を着実な賃上げにつなげることにある。政権が世論受けを狙うようなやり方は排してもらいたい。

会議の議長を務める安倍首相は初会合で、「改革のポイントは働く人により良い将来展望を持ってもらうことだ」と強調した。今年度中に実行計画を作り、来年の通常国会に関連法改正案を提出するという。

労働基準法には1日8時間、週40時間という勤務上限があり、同法36条に基づいて労使協定を結ぶことにより、月45時間まで残業が認められる。

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だが、さらに特別条項を設ければ上限はなくなる。過労死の認定基準となるような「月80時間超」まで働いている事例が多い。

残業規制を厳格化して一定時間以上は原則禁止とし、罰則を設けることも検討すべきだろう。それを前提として、中小企業などがどの程度の影響を受けるかを判断すればよかろう。効率的な業務のあり方を促すことも必要だ。

非正規社員の待遇改善も急務である。正社員と同じ仕事をする人の給与を引き上げる一方、短時間だけ働く正社員を認めるなど、多様な就労形態も柔軟に整備することが求められている。

自宅で仕事をするテレワークの推進も、子育て中の女性が働きやすい環境づくりに役立つ。

働き方改革の中で、外国人労働者の活用を取り上げるのは甚だ疑問である。安価な労働力と位置付けるなら、同一労働同一賃金の考え方とも矛盾する。若年者らの職業教育こそ重要である。
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[毎日新聞] 小池都政 議会も目を覚ます時だ (2016年09月29日)

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小池百合子東京都知事が就任して初めての都議会が開会した。小池氏は所信表明で焦点の豊洲市場問題について「都政は信頼を失った」と指摘し、責任の所在の明確化など実態解明に取り組む姿勢を示した。

就任2カ月足らずだが、小池流の改革は一定の成果を上げている。「都議会と知事、職員がなれ合いや根回しで収める」と批判したような体質が不透明な行政の温床になってきたのではないか。議会も意識を改めるべきだ。

所信の冒頭から小池氏は築地市場の豊洲移転問題を取り上げた。

知事選で都議会自民党を厳しく批判していた小池氏は、議会に根回しせず移転延期を決めた。都議会自民党は猛反発したため、当初は議会側との激しい攻防が予想されていた。

ところが、豊洲の主要な建物に土壌汚染対策の「盛り土」がなかったことが発覚し、様相は一変した。豊洲問題は、どこで誰が何を決めたかすら判然としない深刻さをみせている。多くの会派が調査に乗り出したのは当然である。

都議会は豊洲問題をテーマとする集中審議を予定している。とりわけ、共産党都議団は地方自治法に基づき、議会が強制的に調査を進められる「百条委員会」の設置を求めている。本当に問題を重視しているのであれば同委を設置し、当時の責任者である石原慎太郎元知事らの招致を実施すべきだろう。

本来、議会は問題点をもっと早く指摘すべきだった。豊洲移転を最終的に決める条例は3月に可決された。だが、安全性をめぐる議論が尽くされた形跡はほとんどない。

そもそも、都が移転期日を11月7日とする方針を発表したのはこの条例を可決する半年以上前の昨年7月だった。都庁幹部が都議会の重鎮に根回しをし、審議と無関係に物事を決める手法が常態化していたのではないか。

就任以来、小池氏は新設した「都政改革本部」に外部の識者を加え、情報公開とコスト見直しを旗印に「築地市場移転」「五輪開催費」の2大課題の点検を進めている。

トップダウン方式には庁内に反発がある。それでも、都政に構造的な問題があることを浮き彫りにした。

東京都議には全国でも最高クラスの年間約1700万円の報酬に加え、月額60万円の政務活動費が支給されている。豊洲問題のこれまでの経緯を見る限り、それに見合う仕事をしてきたかは疑問である。

首長と議会が住民から直接選ばれる二元代表制は双方が車の両輪として競争、協調してこそ機能する。都議会は建設的な議論で知事と政策を競う原点に立ち返る必要がある。
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[毎日新聞] 首相VS蓮舫氏 論戦にはなっていない (2016年09月29日)

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得意分野にテーマを絞りメリハリをつける狙いだったのだろうか。その点では異例のデビュー戦だった。

民進党の蓮舫代表が参院本会議で質問に立ち、党首就任後初めて安倍晋三首相との論戦に挑んだ。

まず目を引いたのは、蓮舫氏が外交・安全保障や憲法には言及せず、アベノミクスの転換を迫るなど経済や社会保障に質問を限定した点だ。

蓮舫氏は次のようにただした。

日銀の金融政策は行き詰まっている。地方創生、女性が輝く社会、1億総活躍、未来への投資……と安倍政権のスローガンは変わっても経済の好循環には至っていない。今回の補正予算案は依然として公共事業中心だ−−。いずれも私たちもかねて指摘してきたところだ。

「性別や出自で制限されることのない国」「多様性を認め、経済数値だけでは測れない豊かさをすべての人が感じられる国」といった主張は蓮舫氏らしさを打ち出したものではあるだろう。子供の貧困問題を厳しく追及したのも評価したい。

ただし、蓮舫氏が「提案型」野党を目指すと言っている割には、具体的な新提案は乏しかった。

例えば蓮舫氏は個人消費が伸びないのは未来への不安が消えないからで、教育や子育て支援など「人への投資」を強化することが経済再生につながると強調した。だが、これらは安倍政権も重視し始めている。

そんな中で民進党が国民にどうアピールしていくのか。蓮舫氏には課題が残った。

外交・安保に触れなかったのも、やはり疑問が残る。北朝鮮や中国問題、日露の北方領土交渉などに関しては、既に衆院本会議で同党の野田佳彦幹事長が質問し、憲法問題でも野田氏は自民党の憲法改正草案を撤回するよう安倍首相に求めている。

このため蓮舫氏は重複を避けようとしたのかもしれない。今後も衆参両院で野田氏と役割分担して論戦に臨む方針でもあるのだろう。

しかし、外交・安保や憲法は民進党の中でも意見が分かれ、同党の弱点とされる分野だ。そこから逃げている印象は否めない。党代表なのだから言及は不可欠だった。

一方、安倍首相の答弁は相変わらず、批判や異論に対して謙虚に耳を傾ける姿勢とはほど遠かった。旧民主党政権時代と比べプラスになった経済指標を何度も挙げて実績を強調し、「批判は当たらない」と突っぱねた。これでは議論にならない。

与党が圧倒的多数を占めている国会だが、野党の提案でも国民のためになると思えば政府・与党も受け入れて、よりよい案に修正していくのが立法府の本来の役目だ。そのためには与野党双方の努力が必要だ。
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[朝日新聞] 原発の廃炉費 「新電力も負担」は論外 (2016年09月29日)

消費者の理解を得られるとは到底思えない。

経済産業省の有識者会議で、大手電力が持つ原発の廃炉費用を巡る議論が始まった。電力自由化で生まれ、原発を持たない「新電力」にも廃炉費用の一部を負担させる案が検討される。

新電力は、自ら発電したり他社から調達したりした電気を顧客に売っているが、その際に大手電力の送電線を使う。その使用料に廃炉費用の一部を上乗せするという。電気料金を通じて、新電力の契約者が廃炉費用を負担することになる。

電力小売りの自由化はこの春から一般家庭にまで広がったが、かつては「地域独占」のもとで全ての家庭が地元の大手電力と契約し、原発がつくった電気を使ってきた。だから、大手から離れた人も廃炉費用を負担してほしい――。原発を特別扱いする、そんな理屈のようだ。

ガスや水道など、日々の生活に欠かせない他のサービスを考えてみる。引っ越しで新たな会社と契約した。そこへ以前の契約先から設備の後始末に伴う請求書が届いた。支払いに応じる人がいるだろうか。

新規参入を促し、大手もまじえた競い合いを活発にする。「料金が安い」「環境にやさしい」といった多様な理由から契約先を選べるようにする。それが自由化の目的だ。新電力にも廃炉のつけを回せば、競争と選択の土俵をゆがめる。

なぜこんな理不尽な案が出てくるのか。

大手が持つ原発の廃炉費用は電気料金を通じて契約者が負担してきた。しかし、費用を料金に反映させる仕組みは自由化に伴っていずれ廃止される。新電力にも開放している送電線の使用料に上乗せする制度をつくり、費用を確実に回収する思惑がある。自由化で大手からの顧客離れがじわじわと進んでおり、危機感は強いようだ。

今回の検討は、福島第一原発の廃炉をにらみながら進む。通常の原発の廃炉費が1基あたり大型炉でも800億円程度なのに対し、炉心溶融を起こした福島第一の廃炉には数兆?十数兆円かかるとの見方が出ており、他の廃炉とは事情が異なる。

東電は7月の会見で支援を求めた。リストラ策とともに別の有識者会議で検討されることになったが、まずは廃炉費がどこまで膨らむかを厳しく見通すことが先決だろう。

廃炉費のつけ回しが、大手電力の原発への優遇策となり、新電力の多くが手がける再生エネルギー導入への逆風となる。そんな事態は許されない。
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[朝日新聞] 代表質問 すれ違い埋める論戦を (2016年09月29日)

衆参両院での代表質問に対する安倍首相の答弁は、自らが所信表明演説で呼びかけた「建設的な議論」とは言いがたい。

論点をはぐらかしたり、野党批判で切り返したり。きのうまで2日間の野党党首らとの論戦は、すれ違いが目立った。

衆参ともに与党が圧倒的多数を占める国会の力関係を、映し出しているようにも見える。

たとえば民進党の蓮舫代表は消費税引き上げ再延期を受け、介護や子育てなど社会保障政策にどう優先順位をつけるかや、実際に使える「アベノミクスの果実」の予算規模を問うた。

これに対して首相は、優先順位も金額も明確には示さず、「最大限努力する」などと、参院選での論戦をなぞるような答弁を繰り返した。

民進党の野田佳彦幹事長らはアベノミクスへの疑問をぶつけた。金融緩和に手詰まり感があることや、日銀による国債購入が限界ではないかなどと指摘。蓮舫氏も「本当に必要なのはアベノミクスそのものの検証ではないか」と追及した。

これに対し首相は、安倍政権になってからの税収増や、就労者が100万人近く増えた点などを列挙してアベノミクスの正しさを強調。「経済の好循環」を自画自賛した。

環太平洋経済連携協定(TPP)問題で、コメなどの聖域が守られていないと指摘されると、首相は「決断すべき時に決断しきれない過去の轍(てつ)は踏まない」と、与党時代に交渉参加に踏み切らなかった旧民主党を皮肉るような態度で応酬。中身の議論にほとんど立ち入ろうとはしなかった。

違憲の疑いが指摘されている安全保障法制をめぐっては、共産党の志位和夫委員長が、首相が所信表明演説で触れなかった点を問うた。

首相は7月の参院選で法案の意義を訴え、圧勝したなどと答えつつ、「国民の信認を得ることができた」と切り返した。

質問1回、答弁1回の代表質問では論点を絞り込み、議論を深めるのは難しい。それでも、今国会で与野党が論じ合うべきテーマは見えてきた。

まずは事業規模28兆円の補正予算案の中身、TPP承認や関連法案の是非、アベノミクスの検証、具体的な運用に動き出そうとしている安保法制についても十分な議論が欠かせない。

あすにも衆院予算委員会で一問一答形式の議論が始まる。

与党が数の力で押し切るのではなく、野党ともできる限り共通の基盤をつくる。真の意味での「建設的な議論」を望む。
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[読売新聞] 首相VS蓮舫氏 「人への投資」偏重では危うい (2016年09月29日)

民進党の蓮舫代表が就任以来、初めて国会論戦にデビューした。

看板政策の「人への投資」に過度に偏った主張は、野党第1党の党首として、物足りなかった。

蓮舫氏は参院本会議での代表質問で、アベノミクスについて「スローガンだけは活発に循環しているが、経済はまったく好循環していない」などと批判した。

「教育、雇用、老後の不安を取り除いて初めて個人消費が動き出す。『人への投資』の強化が経済再生につながる王道だ」とも述べ、経済政策の転換を求めた。

持論の「提案」路線の一環だろう。ただ、「人への投資」は、民主党政権の「コンクリートから人へ」の焼き直しの色彩が濃い。

公共事業が悪いかのような誤解を与え、財源不足で破綻したため、「人への投資」に衣替えしたが、この方針は行き過ぎれば、バラマキにつながる恐れが大きい。

安倍首相は、アベノミクスが雇用、賃上げなどで効果を上げたと反論した。「安倍内閣は、成長と分配の好循環を作り上げる。成長の果実も生かし、子育て支援や介護離職者ゼロ、若者への投資も拡大する」とも強調した。

「人への投資」という分配政策は、低迷する個人消費を刺激し、高齢者や女性の労働力を活用して成長力を高める一定の効果は持とう。安倍政権も、「1億総活躍社会」という形で民進党の主張を取り入れているのは事実だ。

しかし、最優先課題のデフレ脱却や、財政健全化のためには、民間企業の創意工夫を政府が支援して、生産性や国際競争力を高める成長戦略の拡充が欠かせない。分配の原資の確保にも、「稼ぐ力」の強化が必要である。

蓮舫氏は、「人への投資」では様々な提案をしたが、企業を通じた成長戦略には全く言及しなかった。この点を抜本的に改善しなければ、蓮舫氏の唱える「民進党が選択される政党になる」という目標の実現は難しいだろう。

疑問なのは、蓮舫氏の質問が経済、社会保障政策に集中し、国の基本である憲法や外交・安全保障政策に触れなかったことだ。野田幹事長は前日の質問で、幅広く重要課題を網羅した。どちらが党首なのか、という感さえする。

蓮舫氏は、行政刷新相を務め、行政改革を重視してきた。外交・安保は、必ずしも得意分野ではないのかもしれない。だが、国政選での勝利を目指すのなら、もっと聞き応えのある骨太の論争を仕掛けることが求められよう。
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[読売新聞] 働き方改革会議 まずは長時間残業を減らそう (2016年09月29日)

人口減社会で経済の活力を維持するためには、女性や高齢者がより能力を発揮して活躍できる環境の整備が不可欠だ。

政府の「働き方改革実現会議」が初会合を開いた。今年度中に実行計画をまとめる。安倍首相は「必ずやり遂げるという強い意志を持って取り組んでいく」と強調した。実効性ある施策を練り上げてもらいたい。

最大の課題は、長時間労働の是正である。日本の正社員の労働時間は年2000時間程度で高止まりしている。長時間労働者の割合も欧米に比べて際立って高い。

残業が常態化した労働慣行は、育児や介護で時間が制約される女性らの活躍を阻んできた。仕事と家庭の両立を困難にし、少子化の大きな要因ともなっている。

焦点は、「36(サブロク)協定」の見直しだ。労働基準法は、労働時間を1日8時間、週40時間までと定めている。ただし、労基法36条に基づく労使協定を結べば、使用者側は実質的に無制限で残業させることも可能だ。

企業の過半数が36協定を結んでいる。大企業では94%に上る。過労死ラインとされる「月80時間超」の残業が可能な協定も目立つ。

政府は残業時間に上限規制を設ける方針だ。長時間労働に歯止めをかけるには必要な措置だろう。罰則の導入も検討するという。

経済界は、業種の特性を無視した一律規制に反対している。業務実態への配慮は必要だが、安易な例外の拡大は避けるべきだ。

同一労働同一賃金の実現も重要テーマだ。非正規雇用が労働者全体の4割近くにまで増えている。非正規の賃金水準は、正社員の6割にとどまる。その処遇改善を急がねばならない。

政府は、どのような格差が不合理なのかを示すガイドラインを年内に作成する。労働契約法など関連法の改正にも踏み込む。年功賃金といった日本の雇用慣行に留意しつつ、非正規雇用の賃金底上げにつなげることが大切だ。

正社員への転換を促進して、雇用の安定を図る必要もある。

働き方改革を進めるには、働き手一人一人の生産性の向上が欠かせない。企業の収益力を損なうようでは、実現はおぼつかない。職業訓練の充実や大学での「学び直し」の機会拡充などで、能力開発を支援することが求められる。

国会で継続審議中の労基法改正案は、時間ではなく成果で賃金を決める雇用形態の導入などが柱だ。生産性向上に資する内容だけに、早期に成立させたい。
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