2016年08月31日

[産経新聞] 【主張】中国の海洋管轄権 仲裁を無視して法治とは (2016年08月31日)

中国の最高裁に当たる最高人民法院は、中国の「管轄海域」での外国船の漁労活動など「不法」行為に対し、刑事責任を追及できるとした新たな規定を定めた。すでに施行されている。

狙いが東・南シナ海のほぼ全域を中国の「管轄海域」とすることにあるのは明らかである。

一方的に「管轄海域」を拡大させて国内法を適用するとの宣言は、国連海洋法条約など国際規範への重大な挑戦である。到底、看過できない。

9月4、5の両日には中国の杭州で、習近平国家主席が議長を務める20カ国・地域(G20)首脳会合が開催される。同月内には東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会合も開かれる。

安倍晋三首相は、オバマ米大統領やASEANの関係首脳とともに、あらゆる機会を通じて、中国の不当な海洋支配に対して強く抗議すべきだ。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は7月、中国が南シナ海で主権が及ぶと主張している境界線「九段線」について、法的な根拠はないとの判断を下している。

だが中国は、この裁定を「紙くず」と呼んで拒絶し、新たな規定を設けてまで身勝手な「法治」を諸外国に押しつけている。およそ責任ある「大国」のありようとはいえない。

そもそも「管轄海域」という概念が理解に苦しむ。

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規定は「領海、接続水域、排他的経済水域(EEZ)、大陸棚」という条約の定める範囲のほか、「中国の管轄するその他の海域」を加えて、全てが「わが国の管轄海域」だと主張する。

これでは条約上の根拠の有無にかかわらず、中国の決めた縄張りで、わがもの顔でふるまうと公言したに等しい。中国では「法治」は共産党の指導下にある。法治に名を借りた無法とも「力による現状変更」の一環ともいえる。

中国は領有権を一方的に主張する沖縄県石垣市の尖閣諸島海域に海警局の公船を派遣し、「管轄権の行使」を掲げて領海侵入を繰り返している。

中国側の新たな規定を受け、尖閣周辺で日本の船舶が中国公船の妨害や臨検を受けるような事態は許されない。海上保安庁は、中国公船による日本の海での「法の執行」を断固として阻止しなくてはならない。
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[東京新聞] 今、憲法を考える(3) 明治の論争が試される (2016年08月31日)

大日本帝国憲法をめぐる枢密院での伊藤博文と森有礼との論争は有名である。伊藤は初代首相、森は初代文部相となる重鎮だ。伊藤は憲法創設の精神を語った。

<第一君権ヲ制限シ、第二臣民ノ権利ヲ保護スルニアリ>

立憲君主制をめざしたので、君主の権力を制限して、国民の権利を保護すると述べたのだ。憲法で権力を縛る立憲主義の根本である。

森の答えが実に興味深い。

<臣民ノ財産及言論ノ自由等ハ、人民ノ天然所持スル所ノモノニシテ(中略)憲法ニ於テ此(これ)等ノ権利始テ生レタルモノヽ如ク唱フルコトハ不可ナルカ如シ>

生まれながらにして持つ権利は憲法で明文化する必要はないと主張しているのだ。弁護士の伊藤真さんに解説してもらった。

「明文化すると、明文化されていない権利が無視されることを恐れたのです。人間の持つ自然権は、すべてを書き尽くせません。基本的なことを書き、時代に即して解釈していく方が幅広く人権を守れると考えたのです」

自然権は十七世紀に活躍した英国の思想家ジョン・ロックらが主張した。権利を守るために契約により政府をつくる。もし、正しい政治がなければ、国民が政府に抵抗する「抵抗権」を認めた。さて自然権を憲法に書くべきか−。

一七八七年の米合衆国憲法には当初なかった。九一年の修正条項で自由と権利が規定された。フランスの一九五八年の憲法でも規定がないが、前文で一七八九年宣言への至誠をうたう。フランス革命時の有名な人権宣言である。つまり、生まれながらに持つ自由と権利は自明の理なのだ。

「天賦人権説」という。日本国憲法もこの考え方に基づくが、自民党の憲法改正草案は同説を採用しないと公言する。草案は「公の秩序」が人権より上位にくるような書きぶりだ。まるで国が恩恵として与える明治憲法の「臣民の権利」と同じだ。

作家の高見順は一九四五年九月三十日の日記に書いた。

<戦に負け、占領軍が入ってきたので、自由が束縛されたというのなら分るが、逆に自由を保障されたのである。なんという恥かしいことだろう>

明治の森有礼でさえ、自由と権利を「人民ノ天然所持スル」と述べた。人権宣言から二百年を超す今、天賦人権説への異論が出るとは、まことに恥ずかしい。
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[東京新聞] ブルキニ騒動 人権大国らしからず (2016年08月31日)

イスラム教徒女性の水着「ブルキニ」をめぐり、フランスの自治体が相次ぎ禁止としたのは間違った対応だ。無効とした司法の判断に従うとともに今、本当に成すべきは何かを議論するべきだろう。

自治体側は禁止理由を「挑発的な宗教活動」と決め付けるが、それではイスラム教徒への差別や憎悪を助長し、社会の分断を深めるだろう。かえってテロを誘発しかねず、人権大国らしからぬ勇み足と言っても過言ではあるまい。

ブルキニとは、ムスリム女性の全身を覆う着衣「ブルカ」と水着の「ビキニ」を合わせた造語=写真、AFP・時事。頭から足首までつながった水着で髪や肌の露出を抑えつつ、体の線も出ないようゆったりしている。数年前に登場し、英国などでは非イスラムの女性が体形を隠すためや日焼け防止に着る場合もある。

政教分離を国是とするフランスは、イスラム教徒のシンボルであるスカーフの着用を公立学校などで禁止し、顔まで覆い隠すブルカは公共の場で禁止している。

問題のブルキニについては「イスラム国」(IS)などによるテロが頻発したことを受けて南仏の自治体が海岸での着用禁止に踏み切り、罰金を科したりビーチから追い出したりする例が起きた。七月にトラック暴走テロが起きたニースも禁止を決めた。

しかし、ブルカと違い、顔を覆っていないブルキニの禁止には「人権侵害だ」とする論調もあった。イスラム教徒らが禁止令の差し止めを求めたのに対し、行政裁判で最高裁にあたる国務院は「基本的自由に対する深刻かつ明白な侵害だ」と断じたのである。

判断は南仏の一自治体に対するもので、一部の自治体は撤回しない考えを示し、右派の政治家の中には禁止措置の法制化を目指す声もある。短絡的な禁止措置は問題をより困難にするだけだ。

フランスはイスラム圏旧植民地からの移民が二世、三世になり、国民の十人に一人の割合にまで達する。だが、移民への配慮を欠いた強引な同化政策が機能せず、しゃくし定規に政教分離を唱えても社会の分断を深めるばかりだ。

本来の人権大国の理念に立ち返り、移民を含めた国民の融和を進めることこそが望まれている。
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[産経新聞] 【主張】テロ準備罪の創設 国際連携の「弱い環」脱せ (2016年08月31日)

政府は過去に3回廃案となっている「共謀罪」について、罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」と変更する組織犯罪処罰法の改正案をまとめ、9月に召集される臨時国会への提出を検討している。

世界各地で悲惨な大規模テロ事件が頻発し、2020年には東京五輪の開催を控えている。国際社会と手を携えてテロと対峙(たいじ)するために、必要な法律である。今度こそ成立を急ぎ、関連法案の整備を進めてほしい。

国連は00年の総会で、国際組織犯罪防止条約を採択した。国際テロやマフィアなど国境を越える犯罪に対処するための条約で、各国に共謀罪を設けることを求めて批准の条件とした。すでに世界180以上の国・地域が条約を締結しているが、主要7カ国(G7)では日本だけが締結に至っていない。共謀罪を持たないためだ。

このため、小泉純一郎政権時代に共謀罪創設のための法案が3回提出されたが、民主党(当時)など野党の反対や、政府与党の腰砕けで廃案となってきた。結果として日本は、テロと戦う国際連携の「弱い環(わ)」となっている。

過去の反対論には「居酒屋で上司を殴ると相談しただけで処罰される」といった言いがかり的なものや、市民運動の弾圧に適用されないかなどの声があった。

こうした曲解を避けるため従来の法案で「団体」としていた適用対象は「組織的犯罪集団」に限定し、犯罪の合意だけではなく資金集めや使用する道具を用意するなど犯罪実行のための「準備行為」も構成要件に加えた。

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既遂の犯罪を処罰対象とする日本の刑法の原則に反するとの慎重意見もある。では、テロが起きるのを待てというのか。無辜(むこ)の人々を対象とするテロは、未然に防がなくては意味がない。

また、法案の創設だけでは効力を十分に発揮することはできない。刑事司法改革で導入された司法取引や対象罪種が拡大された通信傍受の対象にも共謀罪を加えるべきだ。テロを防ぐための、あらゆる手立てを検討してほしい。

国際組織犯罪防止条約に加われば、それだけでテロ情報を入手できると考えるのは誤りである。情報交換の基本は相互主義だ。日本独自の情報機関の創設も急がなくてはならない。東京五輪まで4年を切った。テロは政治の遅滞を待ってはくれない。
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[毎日新聞] ロボット兵器 戦争をゲーム化させる (2016年08月31日)

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人の手を介さずに、人工知能(AI)を搭載したロボット兵器が自ら判断し、「敵」を殺傷する。そんな自律型ロボットによる戦争が現実になろうとしている。

イスラエル軍が、自動運転の軍用車を世界で初めて実戦配備し始めたことを本紙の取材に明らかにした。現状ではまだ遠隔操作だが、完全自動化も可能な状態だという。同様の兵器はイスラエルのほか、米国、中国、ロシアなど少なくとも6カ国に開発能力があるとされる。

人を殺傷しても、現場から遠い操縦室では被害者の苦しみも恐怖も感じない。攻撃の決断まで機械にゆだねることになれば、戦争を現実感のない「ゲーム」にしてしまう。

国際平和・人権団体などは開発中止を求めている。物理学者のホーキング博士らは昨年、自律型AI兵器の開発禁止を求めて1万2000人以上の研究者らの署名を添えた公開書簡を公表した。

こうした呼びかけに応え、非人道的な兵器を規制する特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW、123カ国加盟)の非公式専門家会合は今年4月、「自律型致死兵器システム」の規制について検討を求める勧告を採択した。12月のCCW再検討会議で承認されれば、来年から公式の専門家会合がスタートする。

しかし、規制対象の定義の段階から議論は難航しそうだ。民生用ロボット技術の開発が進み、AIによる自動運転車の実用化も近い。日本は兵器開発には反対だが、災害救助ロボットなどに使われる特定の技術を規制することには反対の立場だ。技術を軍事転用すれば「兵器」になるが、線引きは難しい。

遠隔操作する無人機(ドローン)など広義のロボット兵器は、すでに実戦で使われている。米国は自国兵の被害を減らすためにアフガニスタンなどで「対テロ戦争」に無人攻撃機を投入しており、規制に消極的だとされる。

米南部ダラスでは7月、警察官5人が死亡した銃撃事件で遠隔操作によるロボットが投入され、容疑者を爆殺したことが議論を呼んだ。警察官の危険を回避するためだとはいえ人道上の疑問はぬぐえない。

本来、人には人を殺すことへの心理的抵抗がある。それが、何の痛みを感じることもなく敵を殺傷できるようになれば、戦闘行為に歯止めがきかなくなる。AIのプログラムに「人道的判断」を組み込めばすむという話ではない。

自制なき技術開発は、従来の戦争の概念を大きく変えることになる。私たちは大きな転換点に立っている。規制の国際的な議論を急がなければならない。
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[毎日新聞] 夏休み明け 子供の命を守るために (2016年08月31日)

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悲痛な最後の訴えに、胸が張り裂けそうになる。

青森県内のJR駅の線路上で今月25日、青森市立中2年の女子生徒(13)が列車にはねられて死亡した。飛び込み自殺したとみられる。生徒がスマホのメモに記した「遺書」には、こんな言葉が残されていた。

「ストレスでもう生きていけそうにないです」「もう、二度といじめたりしないでください」「家族へ。先立つ不幸(不孝)を許してください。もう無理です」「生きる価値本当にないし」……。

なぜ、女子生徒はここまで追い詰められてしまったのか。家族によると、校内の複数の生徒から無料通信アプリ「LINE(ライン)」で中傷を受けていたという。

いじめの実態は今後、学校などで詳細に調査しなくてはならない。同時にネットを通じたいじめが後を絶たないことを再認識すべきだろう。ラインでメッセージが送られた直後に返信しなければ、たちまちいじめの対象になるのは日常的なことだと言われる。状況は深刻だ。

もう一つ、重要なのは女子生徒が死亡したのが2学期の始業式翌日だった点だ。女子生徒をいじめている生徒と顔を合わせるのがつらくて苦しかったのかもしれない。

内閣府の自殺対策白書によると、1972〜2013年の42年間で18歳以下の子供の自殺は1万8048人。日付別では9月1日が131人と突出しており、その前後の日も多かった。夏休み明けに自殺が急増する傾向があるのは明らかだ。

自殺の理由は、いじめだけではない。学校の成績などさまざまな不安を抱える子供にとって、長い休みを終えて再び学校に通うのは大人が想像する以上に重荷となる。

スマホの普及をはじめ子供をめぐる環境が大きく変化する中で文部科学省もネット上に自殺をほのめかす書き込みがないかチェックするなどの夏休み明け対策を全国の教育委員会に要請している。一方、各地のNPOでは登校したくない子供を緊急的に受け入れたり、電話相談に応じたりする取り組みを始めている。

NPO関係者は「子供たちは学校に行きたくなくても、親や先生にしかられそうだから相談もできず、孤独感を深めていく」と指摘する。そして多くのNPOが今、「学校以外にも君たちの居場所はある」「我慢しないで話を聞かせてほしい」と子供たちに呼びかけている。

あすから多くの学校で2学期が始まる。夏休み明けの子供の変化に気を配り、SOSのサインに早く気づくためにはどうするか。親や教師だけでなく社会全体で子供の命を守るという発想に切り替えたい。
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[読売新聞] 「共謀罪」法案 テロの未然防止に不可欠だ (2016年08月31日)

世界中でテロの脅威が増大している。日本も抑止につながる対策を講じることが欠かせない。

政府が、組織的な重大犯罪を計画した段階で処罰できる組織犯罪処罰法改正案をまとめた。9月の臨時国会に提出する方向で検討している。

過去に3度廃案となった「共謀罪」創設に関する法案を基に、適用対象を絞り込み、新たな構成要件を加えたのが改正案だ。共謀罪の名称は、「テロ等組織犯罪準備罪」に変更する。

2020年に東京五輪の開催を控える。テロ組織の犯罪を未然に防ぐために、必要な法整備を進めることは重要である。

共謀罪を巡っては、「労働組合や市民団体まで対象になる」「居酒屋で上司を殴ろうと意気投合しただけで罰せられる」といった批判があった。対象となる団体の定義や、どんな場合が共謀になるかが不明確だったことが要因だ。

改正案では、適用対象を単なる団体ではなく、組織的な犯罪集団に限定した。構成要件についても、犯行の合意だけでは足りず、化学テロに使う薬品を購入するなど、計画した犯罪の具体的な準備行為が必要になる。

国民の懸念を払拭するためにも、捜査当局の恣意(しい)的な解釈で適用範囲が広がることがないような仕組みにしなければならない。

共謀罪の創設が議論されたきっかけは、00年の国連総会で、テロやマフィアなどの組織犯罪撲滅を目指す「国際組織犯罪防止条約」が採択されたことだ。条約は犯罪防止に効果的な共謀罪を設けるよう、参加国に義務づけた。

これまでに187か国・地域が条約を締結したが、日本は未締結だ。現状のままだと、テロ集団などに対する国際包囲網に加わらない弱みにつけ込まれ、日本が狙われる可能性は否定できまい。

国境を超えたテロや麻薬密売、人身売買は後を絶たない。法整備によって、国際連携の枠組みに参加し、要注意人物などに関する情報の交換を緊密にできるようになる意義は大きい。

テロの封じ込めには、端緒の迅速な察知も求められる。

5月に成立した改正通信傍受法により、傍受時の通信事業者の立ち会いが不要になった。

ただ、日本では、特定の犯罪捜査を目的に、裁判所の令状に基づいて実施する「司法傍受」のみが認められている。

欧州ではテロに関する情報収集としての「行政傍受」も行われている。この導入も検討課題だ。
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[朝日新聞] 私立小中補助 もっと吟味が必要だ (2016年08月31日)

ほかに優先すべき施策がないか、現場の実態はどうか、慎重な吟味が必要だ。

文部科学省が、私立の小中学校に通う子のいる年収590万円未満の世帯に、授業料の一部を補助する制度を考えている。

年収に応じ、年10万?14万円を支援する。来年度予算の概算要求に約13億円を盛り込んだ。

小中は、誰もが授業料がただで通える公立がある。私学を選んだ家庭になぜ補助するのか。

私学の多くは中高一貫教育や男女別学、宗教教育といった特徴を打ち出してきた。だが小中とも、平均で年40万円余の授業料を払わなければならない。

「家庭の経済状況にかかわらず、国公私を通じて多様な教育を選べるようにしたい」と文科省は話す。

中高一貫の中学段階は公立だと授業料が無償だが、私立は有償だ。私学からは「格差を是正すべきだ」との声も出ている。

子どもの学校選びが、家庭の豊かさに左右されないようにする。その方向性は正しい。

私学に行かせたいが経済的なゆとりがない家庭には、限られた額だが朗報だろう。

しかし制度化については、さらなる検討が欠かせない。

教育費の負担を軽くする制度は、大学生への奨学金や、小中で学用品や通学費を支援する「就学援助」などがあるが、貧困の実態に追いついていない。

公立に通いながら給食費を払うのに苦労する家庭や、学力があっても大学に行けない子がいるなか、私立小中の授業料の補助がどこまで優先されるのか。

小学校から高校までの公教育で保護者負担を軽くする制度がないのは私立小中だけだ。公教育外のフリースクールにも公的支援のモデル事業が始まった。

「義務教育にもかかわらず、私立小中に授業料の補助がないのは制度上、整合性を欠く」と文科省は言う。

だが制度の問題だけでなく、現実がどうなっているのかを、まず把握する必要がある。

恵まれない家庭が私学を選んでいるのはなぜか、どんな理由の世帯がどれだけあるのか。文科省は小中それぞれで実態を調査するべきだ。

私学、とくに小学校は都市部に多い。私立の授業料を支援すれば、都市と地方の教育環境の格差が広がる懸念がある。各地の実情も調べてもらいたい。

制度をつくる前にそもそも必要なのは、公立、さらには私学も含めた公教育でどこまで多様性を認めるのかという議論のはずだ。制度化は、そうした吟味を経てからでも遅くない。
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[朝日新聞] 予算概算要求 危機感の乏しさを憂う (2016年08月31日)

「施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化する」

来年度予算編成の出発点となる各省庁からの概算要求について、政府が今月初めに決めた基本方針の一節である。

言葉は力強い。だが現実はといえば、決意表明はどこへやら、未曽有の財政難への危機感の乏しさに驚くばかりだ。

きょう締め切られる概算要求の総額は、3年連続で100兆円を超える。

要求時の基準に天井(シーリング)を設けず、一部の予算については今年度当初予算から2割増し近くまで要求できる仕組みとしたことが大きい。

もちろん、全額がそのまま認められるわけではなく、財務省の査定などを通じて絞られる。

とはいえ、厳しい財政を直視すれば、政府の基本方針がうたう通り、「既存事業の実績や効果を効率性、有効性等の観点から徹底検証して見直した上で要求・要望を行う」のは当然だ。

省庁の姿勢はどうか。

国土交通省は、公共事業費として今年度当初予算から16%増の6兆円強を要求した。経済産業省も、特別会計分を含めて9%増の1兆4千億円余を求めた。被災地での復旧事業が峠を越えた復興庁が要求を減らした例もあるが、「できるだけ多くの予算を獲得するために目いっぱい要求する」と言わんばかりの省庁が多い。

そうした中で目を引くのが、内閣府が所管する沖縄振興予算だ。要求額は今年度当初より140億円少ない3210億円。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐって対立する翁長雄志知事を牽制(けんせい)したのでは、ともささやかれる。

菅官房長官はそうした見方を否定したうえで「予算については、効果的な政策を実現するために必要に応じて歳出の見直し、不断の努力をするのは当然。沖縄振興予算も例外ではない」と強調した。

ならば、問いたい。そうした「不断の努力」をすべての省庁がすべての予算について尽くしたのか、と。

来年度予算の概算要求に先立って、政府は今年度2次補正予算案を閣議決定した。2兆7千億円強の建設国債を追加発行して公共事業を積み増すなど、総額は3兆3千億円に迫る。当初予算と似た項目が並び、補正が抜け道となって歳出が膨らむ構図は相変わらずだ。

こんな財政運営をしていては健全化への道は遠い。それだけは確かである。
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[読売新聞] サバ漁国際規制 資源が枯渇してからでは遅い (2016年08月31日)

身近な魚でも、資源が枯渇すれば、手の届かない高級食材になりかねない。国際的管理を日本が主導せねばならない。

日中韓など6か国・地域で構成する「北太平洋漁業委員会」が、北太平洋の公海上でサバ漁船数を増やさないよう推奨することで一致した。

サバの資源保護に向けた初の国際合意だ。漁船数の抑制は、各国・地域の自主的取り組みに委ねられた。日本政府は「最低限のスタートラインに立てた」と評価している。今回の決定に、いかに実効性を持たせるかが課題である。

サバの国内漁獲量は1978年に160万トンを超えたが、91年には25万トンまで激減した。その後、資源保護を目的に漁獲量が制限され、現在は、主に排他的経済水域(EEZ)内で年50万トン前後の水揚げで推移している。

隣接する公海上では、中国漁船が急増している。2014年の20隻から、15年は報告されているだけで80隻となり、漁獲量も5倍の13万トン余に増えた。

東京で開かれた今回の会議で、日本は漁船数の抑制を義務化するよう求めた。中国の漁獲量がこのまま増えれば、再び資源が枯渇しかねないという危機感からだ。

しかし、中国は「資源量の減少が不明な段階で規制を強化すべきではない」と反発した。結局、義務化は見送られた。

規制の意義を中国に認めさせるためには、会議で合意した資源量の実態調査を日本が中心となって速やかに進め、科学的データを示すことが大切である。

中国などでの食生活の多様化や漁業の発達を背景に、主に日本が消費してきた漁業資源の持続性が危ぶまれる事態が増えている。

委員会は、日本の呼びかけで昨年発足し、サンマの漁船数を増やさないことを義務化した。

太平洋クロマグロについては、既に漁獲量を制限している未成魚が急減した場合の追加規制策が、当面の懸案だ。具体的なルールや発動条件を協議する国際会議が福岡市内で開かれている。

水産大国である日本には、資源量を把握した上で、未成魚の乱獲を防ぐなど、持続的な漁業に取り組む責任がある。多様な資源の保護と漁業振興のバランスを維持していくことが肝要だ。

狙った魚種以外の生物も捕獲してしまう底引き網漁やはえ縄漁など、大規模漁法も問題視されている。日本が率先して、可能な限り生態系に悪影響を及ぼさない手法に改善していきたい。
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2016年08月30日

[産経新聞] 【主張】韓国との通貨協定 あらゆる面で悪影響あった「反日」を改める契機とせよ (2016年08月30日)

昨年2月から途絶えていた日韓通貨交換(スワップ)協定が再開することになりそうだ。

ソウルでの日韓財務対話で韓国が提起し、麻生太郎財務相が応じた。両国は通貨危機時にドルなどを融通し合う新たな枠組みを協議する。

民主主義同士の隣国と経済・金融面で連携を強化するのは、世界経済の不確実性の高まりに備える上で大きな意義があるといえよう。

協定は日韓関係の悪化に伴い途絶した経緯がある。地域の安全保障環境の悪化を受け、関係改善に動き始めた流れを再協議が加速することを期待したい。

重要なのは、「反日」や中国傾斜を強めたことが、経済や安全保障などあらゆる面で悪影響を及ぼしたという点を、韓国側がきちんと認識することである。

通貨協定は、市場で円やウォンが暴落した際に、これを買い支える枠組みである。韓国側は双方の融通枠を同額とする対等な協定を提案したが、実際には韓国の危機を日本が救済する色彩が濃い。

旧協定は、アジア通貨危機で韓国経済が打撃を受けたことを踏まえて始まった。だが、李明博前大統領の竹島上陸などで急速に両国関係が冷却化し、協定延長はなされず昨年2月に打ち切られた。日本側は、あくまでも韓国側の要請を協定再開の条件としていた。

再協議で合意したのは、中国経済の減速や英国の欧州連合(EU)離脱問題などで世界経済のリスクが高まったことが大きい。

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特に外需依存の強い韓国は、日本以上に海外経済の影響を受けやすい懸念があり、協定再開を求める経済界の声も強かった。

韓国を含む多くの国が外貨準備を厚くし、通貨危機への耐性を強めている。それでもひとたび混乱に陥れば、一気に世界へ波及する。危機への安全網を構築しておく重要性は大きい。

財務対話では、少子高齢化への対応や生産性向上など、両国共通の構造問題で協力する重要性も確認した。貿易や投資を活性化して双方の持続的な成長につなげられるかも問われよう。

そのためにも、朴槿恵政権は歴史問題をカードとする対日外交を排する姿勢を明確にすべきだ。ソウルの日本大使館前にある慰安婦像の撤去はいまだ見通せない。これらへの対処こそ、経済を含む本格的な関係改善の前提である。
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[東京新聞] 今、憲法を考える(2) 過去幾多の試練に堪へ (2016年08月30日)

詩人の谷川俊太郎さんが世界人権宣言を訳している。一九四八年、国連で満場一致で採択された宣言である。第一条は−「わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです」。

第三〇条は「権利を奪う『権利』はない」。真理である。例えば基本的人権はどんなことがあっても奪われない。たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を乱用する恐れがあるため、憲法という鎖で縛ってある。その目的は人権保障であり、個人の尊重である。日本国憲法九七条はこう記す。

<基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託された>

信託とは信頼して管理や処分を任せることである。憲法学者の石川健治東大教授によれば、信託者、受託者、受益者の三者からなる。この九七条では過去の国民が現在・将来の国民に信託している。受託者は受益者のために厳粛な責任を負うという意味である。受益者は将来の国民でもある。

そうして過去・現在・未来をつないでいるわけだ。そもそも戦争の犠牲の上にある憲法だ。

「戦争犠牲者から常に問い掛けられている部分で、この憲法の深みにつながっています。見えない原動力です」と石川氏は語る。

国民への信託は憲法一二条とも響き合う。自由と権利のために国民に「不断の努力」を求める条文である。憲法は権力を縛る鎖であるから、憲法を尊重し、擁護する義務に国民は含まれない。だが、信託によって、国民は道徳的に、そして道義的に「不断の努力」が求められる。

人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されがちだ。移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法でわれわれの内なる愚かさをも拘束しているのである。

「信託」の言葉は、憲法前文にも「国政は、国民の厳粛な信託による」と記されている。この受託者は代表者であり、やはり道徳的な重い責任を負う。未来の国民のために信託を受け努力する。それが憲法に流れる精神である。

自民党の憲法改正草案は、その重要な九七条を全文削除する。権利を奪う「権利」はない−、それが過去から受け継ぐ真理だ。
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[東京新聞] アフリカ開発 日本流の技術と投資を (2016年08月30日)

政府が国連機関などと共催する第六回アフリカ開発会議(TICAD)がケニアで開かれた。アフリカは豊かな資源を持ち、将来は有望な市場になり得る。成長力を引き出す支援を続けたい。

会議ではアフリカ諸国が直面する課題と対策を盛り込んだ「ナイロビ宣言」が採択された。

宣言ではまず、経済の多角化・産業化を通じた経済構造の改革をうたった。原油や天然ガス、鉱物資源に依存度が高いアフリカ経済は資源価格の下落で成長率が鈍り、新たな産業創出を迫られている。

次に公衆衛生の危機に対応する強靱(きょうじん)な保健システムの促進を訴えた。西アフリカでエボラ出血熱が猛威を振るい、防疫体制の弱さが重い課題として残された。

三点目は、テロ対策や海洋安全保障に取り組み社会の安定を図ること。過激派組織が活動する地域では多数が難民になり、ソマリア沖の海賊は各国船籍の航行に深刻な脅威を与えている。

安倍晋三首相は会議で、今後三年間で民間資金も合わせ約三兆円を投資すると述べた。日本からは七十を超す企業や大学の首脳と幹部が参加し、各国企業などと契約に向けた覚書を交わした。

五十四カ国、人口約十億人のアフリカは「最後の巨大市場」といわれるが、交通網や電力などインフラが未発達で、政治体制も不安定な国が多く、投資にはリスクが伴う。

それでも、日本の高度な技術ときめ細かい支援プログラムは、各国にとって不可欠なものだろう。

日本の支援により、アフリカ東部では天然ガスや地熱発電など大規模事業が進行中だ。防虫処理を施した蚊帳をタンザニアで合弁生産し、マラリア対策に貢献する企業もある。農業面ではコメの生産指導が行われ、保健・衛生など特定分野に取り組む非政府組織(NGO)もある。

新しい産業をつくるよう手助けし、技術者や管理者など人材を育成することが何よりも重要だ。現地で雇用が創出されれば、アフリカは援助に頼らない、自立の道を歩み出す。

中国はアフリカにとって最大の貿易国で、大きな存在感を示す。人権を抑圧する独裁政権のインフラ整備を請け負い、危険な地域にも自国労働者を派遣するから、投資規模など量で対抗するのは容易ではない。日本にしかできない質の高い技術支援と投資こそが、多くの国々の要望に合うはずだ。
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[産経新聞] 【主張】日本とアフリカ 「平和な海」でも連携図れ (2016年08月30日)

ケニアで開催されたアフリカ開発会議(TICAD)では、「ナイロビ宣言」が採択され、「国際法の原則に基づく海洋秩序維持の重要性を強調する」と明記された。

中国は東シナ海の尖閣諸島(沖縄県)周辺で公船、漁船による領海侵入を繰り返している。南シナ海では岩礁を埋め立てて軍事化を進め、仲裁裁判所の全面敗訴の裁定も意に介さない。

さまざまな国際会議で、中国による力ずくの海洋進出の不当性を訴えて「国際問題化」を図り、各国に警鐘を鳴らすべきだ。

アフリカ諸国との連携を、経済協力に加えて安全保障へと広げる成果を得た意味は大きい。

安倍晋三首相は会議で、「自由で開かれたインド太平洋戦略」とする日本の新たな外交戦略を披露し、アジアとアフリカ大陸をつなぐインド洋と太平洋について、「平和な、ルールの支配する海に」と呼びかけた。

さらに、「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場として育て、豊かにする責任を担う」と強調した。

海洋の平和は、アジアとアフリカのつながりを強め、日本がアジアで培った開発支援のノウハウをアフリカにも持ち込み、質の高い援助を実現することにも役立つだろう。

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中国のアフリカへの援助金額は、他国を圧倒している。だが、人権や環境への配慮を欠き、中国企業の市場拡大や資源確保が優先され、労働力すら中国から持ち込まれるなど、批判は根強い。

日本に求められているのは、人材育成や技術移転など、被援助国の「自力」を高める支援である。3年で3兆円の投資のほか、5万人の若者への職業訓練を含め、1千万人の人づくりに取り組む方針を表明したのは適切だった。

ケニアのケニヤッタ大統領は会議後の記者会見で、「日本はアフリカ発展の力になり続けてくれる」と称賛した。

肝心なのは、アフリカ諸国の信頼を今後、どのようにつなぎとめていくかだ。

中国は、額にして日本の倍の援助を表明している。同じ土俵での競争には限界がある。

今回からの会議の現地開催、5年から3年への開催間隔の短縮は工夫の一つだろう。何よりも重要なのは、約束した支援を着実に進めていくことだ。
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[毎日新聞] テロ準備罪 本当に必要性はあるか (2016年08月30日)

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「テロ等組織犯罪準備罪」の新設を政府が検討している。国会で3度廃案になった「共謀罪」の内容を、成立要件を絞って盛り込むものだ。9月召集の臨時国会で、組織犯罪処罰法改正案を提出予定という。

共謀罪は、具体的な犯罪について2人以上が話し合って合意するだけで成立する犯罪だ。小泉政権時代の2003年から3年連続で関連法案が提出されたが、「一般市民が漠然と犯罪の実行を相談しただけで処罰されるのでは」との懸念が強く、いずれも廃案に追い込まれた。

20年の東京五輪・パラリンピックを前に、政府はテロ対策の一環と位置づけるが、立法の必要性について国会での徹底的な議論が必要だ。

テロをめぐる国際状況は、確かに小泉政権時代と一変した。過激派組織「イスラム国」によるテロが世界で頻発している。7月のバングラデシュでの人質テロ事件では日本人7人が犠牲になった。国内でのこうしたテロ防止は政府の最重要課題だ。

政府は昨年末に「国際テロ情報収集ユニット」を発足させ、テロ対策に取り組んでいる。共謀罪が、テロの芽をいち早く摘む重要手段になると考えたのだろう。とはいえ、10年以上再提出の動きがなかった法案である。リオデジャネイロ五輪の盛り上がりに便乗し、にわかに持ちだしてきたような唐突感は否めない。

00年に国連総会は、国際組織犯罪防止条約を採択した。条約は、国境を越える組織犯罪へ対処するため、重大な犯罪について共謀罪などを設けることを各国に求めた。ただし、共謀罪がその国の法体系になじまない場合があることが条約の起草段階で検討され、「各国が国内法の基本原則に従って(条約を)実施する」と明文化された。

日本も条約に署名し、03年に国会が承認した。しかし政府は、条約締結には共謀罪の新設が必要だとの立場で、いまだ締結に至っていない。

一方、日本の刑法では、一定の重大犯罪について、予備罪や準備罪などで、未遂より前の段階で処罰ができる規定が既にある。法律家の中には、テロに絡む犯罪でも既存の法の枠内で摘発ができ、条約締結は可能だとの意見がある。共謀罪の必要性は、改めて議論する際の重要な論点だ。

政府は今回、適用対象を絞り込む方針だ。また、合議に加え、犯罪の準備行為が行われることも要件に加えるとみられる。

だが、定義の仕方によっては、幅広い解釈が可能になる。廃案になった法案と同様、対象罪種は600を超えるとみられる。既遂の処罰を原則とする刑法の原則は大きく変わる。テロをめぐる環境変化を踏まえても副作用は大きい。
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[毎日新聞] チケット高額転売 歯止めの議論が必要だ (2016年08月30日)

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コンサートチケットの高額転売は、生の演奏を楽しむ機会を奪うとして音楽業界の団体が「高額転売の反対」を訴えている。中島みゆきさんや福山雅治さん、いきものがかり、嵐など116組のアーティストも賛同を表明した。

転売によって正規価格の10倍を軽く超えることも珍しくないという。チケットを売るのは急な事情で行けなくなった個人だけではなく、業者の存在も指摘される。スポーツや演劇でも同じ問題が起き、だれもが気軽に楽しめる「機会の平等」が揺らいでいる。歯止めをかけるための議論が不可欠だ。

業界などによると、高額の転売が目立ってきたのは、この10年くらいだ。人気のあるコンサートのチケットを人を雇って買いあさる組織的な動きもあるという。インターネットのオークションや転売専門業者のサイトを使って多額の利益を得ているとみられる。

一方、好きなアーティストの演奏を楽しみにするファンが、通常の方法による正規の値段でのチケット入手ができず、高額なのを承知で転売チケットに頼らざるを得ない状況が生じている。ファンの経済的な負担は大きくなるうえ、取引を装った詐欺の被害も増えているようだ。

業界も無策ではない。当初の購入者と入場者が一致することを確認するため、顔認証機器を導入したり、引換券方式での身分証提示を求めたりしている。だが、人手や時間がかかるうえ、その経費はチケットに上乗せせざるを得なくなる。

ネットなどを監視して高額転売がはっきりした座席は無効とし、観覧できなくする主催者もいる。しかし、転売で利益を得た者ではなく、高い金を払ったファンを罰するのはおかしい。業界も、すべての席を一斉に売り出す販売方法に見直すべき点がないか、検討する必要がある。

高額転売は犯罪にあたる「ダフ屋行為」との見方もある。だが、ダフ屋を取り締まる各都道府県の迷惑防止条例は「転売の目的で公共の場所をうろつき、人に売りつける」とあり、ネット空間は該当しない。1962年に東京都で最初の条例が生まれ、各地の条例もこれにならっており、時代の変化に対応できていないのだ。

チケットの高額転売は海外でも問題化し、規制に乗り出すケースもあるという。そうした事例も参考にしながら、さまざまな関係者が議論を進めるべきだろう。

アーティストたちは「音楽の未来を奪う、この問題について考えてほしい」と呼びかけている。需要があるのだから仕方ないと片付けず、芸術や娯楽を楽しむ豊かさを分かち合う方策を見いだしたい。
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[読売新聞] 埼玉16歳暴行死 救う手立てはなかったのか (2016年08月30日)

痛ましい事件である。救う手立てはなかったのだろうか。

埼玉県東松山市の河川敷で、16歳の井上翼さんの遺体が見つかった。全裸で溺死させられ、発見時には体の半分以上が砂利に埋まっていた。顔には殴打された複数の痕があった。

埼玉県警は、14?17歳の少年5人を殺人容疑で逮捕した。うち2人は地元の不良グループに属する無職少年で、残る3人は中学生だ。5人は、井上さんの体を川につけるといった暴行を加えたことを認めているという。

井上さんは、昨年11月に定時制の県立高校を中退した。定職に就かず、最近は友人宅などに身を寄せていた。5人とは、事件の1週間ほど前から行動をともにしていたとみられる。

供述などによると、少年らは電話やメールなどで井上さんを呼び出した際に、「地元にいない」などと嘘(うそ)をつかれて逆上した。

ささいな動機と、重大な結果との落差に唖然(あぜん)とする。あまりに短絡的な犯行と言うほかない。

事件の経緯を詳細に解明し、再発防止につなげねばならない。

少年が集団的な暴行に走る同様の事件は過去にも起きている。

昨年2月には、川崎市の河川敷で、中学1年の男子生徒が少年3人から暴行を受けて、殺害された。加害者の1人は、それまでの暴行を友人に告げ口されたと邪推して犯行に及んでいた。

こうした集団暴行について、専門家は「一人一人の犯罪意識が希薄化し、エスカレートしてしまう」と指摘する。取り返しのつかない事態に発展する前に、周囲の介入で芽を摘むことが大切だ。

川崎の事件の教訓が生かされなかったのは残念である。

今回の事件では、携帯電話で指示を受けながら買い物をさせられる井上さんの姿が、現場近くのコンビニ店で目撃されていた。たばこの火を押しつけられたような痕が手にあったとの証言もある。

親をはじめとする周りの大人が、異変を敏感に察知していれば、事件を防げた可能性もある。不良グループに対する警察などの対応は十分だったのか。中学生の3人については、学校の指導の在り方も問われよう。

現行の少年法は、少年の保護と更生に主眼を置く。川崎の事件などを契機に、法務省が見直し作業を進めている。

少年の凶悪犯罪を抑止するには、どのような仕組みが効果的なのか。議論を深めたい。
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[読売新聞] アフリカ会議 良質な支援で中国と差別化を (2016年08月30日)

アフリカの健全な発展は、世界の安定に欠かせない。官民を挙げて支援し、成長力を取り込む互恵関係を築きたい。

日本とアフリカの約50か国の首脳らによる第6回アフリカ開発会議(TICAD)がケニアで開かれた。経済構造改革や感染症対策の強化を柱とするナイロビ宣言を採択した。

安倍首相は基調講演で、3年間で官民総額300億ドル(約3兆円)規模を投資し、約1000万人の技術者らを育成する考えを表明した。「日本と日本企業の力を生かす時が来た」とも訴えた。

豊富な天然資源を有し、人口も急増するアフリカは、世界経済の「最後のフロンティア」と称され、各国が競って投資してきた。

しかし、近年は、資源価格の下落、エボラ出血熱など感染症の拡大、内戦やテロの多発といった課題に直面している。貧困の根絶や社会の安定にはほど遠い。

ナイロビ宣言が、資源輸出だけに頼らない「経済の多角化」を掲げたのは妥当だ。日本の技術力を生かした、質の高いインフラ投資や人材育成を進め、アフリカの自立を促すことが肝要である。

初めてアフリカで開かれたTICADには、多くの日本企業や団体が参加し、具体的な投資案件などを協議した。潜在的な巨大市場への経済界の期待は強い。

22企業・団体が計73事業の覚書に署名した。地熱発電や農業の開発、病院整備、マラリア対策など広範な協力の意義は大きい。

首相は、「日アフリカ官民経済フォーラム」の設立を発表した。日本の閣僚や企業関係者らが3年に1回、アフリカを訪問する枠組みだ。密接に連携し、双方の利益を追求することが重要だ。

中国は昨年12月、3年間で600億ドルを支援すると公表した。金額では日本の2倍だが、中国企業の儲(もう)けや資源確保などを優先するため、人材育成や技術移転につながらないとの批判が根強い。

日本は、質を重視したインフラ整備に加え、維持や運用のノウハウを提供し、現地の専門家を育てるきめ細かな支援で、中国との差別化を図ることが大切である。

首相は、太平洋とインド洋を「平和な、ルールの支配する海」とするインド太平洋戦略を打ち出した。ナイロビ宣言にも、海洋秩序の維持、国連安全保障理事会の改革の必要性が盛り込まれた。

いずれも中国を念頭に置いたものだ。中国に独善的な行動の自制を促すためにも、アフリカ諸国と戦略的な関係を構築したい。
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[朝日新聞] 主のない土地 柔軟に知恵を絞りたい (2016年08月30日)

被災地の復興事業をはじめとする公共事業、空き家対策やコンパクトシティーへのまちづくり、遊休農地の活用、間伐など森林の整備……。

私たちの生活の基盤を整え、次の世代に引き継いでいくための政策には、土地がからむものが少なくない。

そこに今、難題が横たわる。所有者がわからない、わかっても連絡がとれない土地が増えているという現実である。

バブル経済と土地神話が崩壊して久しく、税金など維持管理に費用がかかるばかりの「負の資産」となった不動産は珍しくない。血縁や地縁の薄れも重なり、所有者の死亡時に相続登記がきちんと行われないことが主な原因だ。

国土交通省や民間団体のアンケートを見ると、自治体の多くが問題に直面している。人口減が進む地方のまちでより深刻だが、都市部もけっして無縁ではないようだ。

背景には過疎化や少子高齢化、地域社会の揺らぎといった構造問題があるが、主がわからない土地の所有者を割り出す努力と、不明のままでも活用できる道をひらいていくことが欠かせない。

個人情報の保護や所有権の尊重という大原則を守るのは当然だが、例外がどこまで許されるか、議論を深めたい。

空き家対策や森林関連では、税務上の守秘義務がある固定資産税の課税情報を使えるようにした。遊休農地対策、森林の間伐と林道づくりでは、所有者がわからなくても知事の裁定など一定の手続きで土地を使い、木を伐採できる仕組みがある。

こうした例外措置を、頭を柔らかくして少しずつ積み重ねていけないか。

例えば、借地借家法に基づく定期借地権だ。バブル崩壊直後の90年代前半、「所有から利用へ」を掲げ、一定期間土地を使える制度が導入された。都市再開発などに活用されているが、所有者がわからないと対象にできない。必要に応じて例外を設ける余地がないだろうか。

問題の発生を防ぐには、自治体の関係部署が連携して対応することが有効だ。京都府精華町は死亡届を総合窓口で受け付けた後、戸籍や社会保障、登記や税務、農地、森林関連の手続きをワンストップで案内し、成果をあげているという。

国交省は3月、有識者検討会での議論を踏まえ報告書をまとめたが、現状分析と課題整理、当面の対策の列挙にとどまる。さらにどんな工夫が可能か、国と自治体で検討してほしい。
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[朝日新聞] 相次ぐ台風 経験超える想定が必要 (2016年08月30日)

台風10号が日本列島に接近している。上陸すれば1カ月で4個目で過去最多タイとなる。

今回の台風は南の海上からUターンするという、異例の進路をたどった。東北地方の太平洋側に上陸すれば1951年の統計開始以来初となる。東日本大震災で海岸線がダメージを受けた所も多く、警戒が必要だ。

沿岸での高潮や暴風、河川の氾濫(はんらん)には十分に気をつけたい。自治体や交通機関は、必要な情報を迅速に提供してほしい。

廃炉作業が進む福島第一原発への影響も心配だ。2013年には汚染水タンクを囲む堰(せき)から台風などによる雨水があふれ、対応が後手に回った。見回りを強化するなど、東京電力は緊張感をもって臨んでほしい。

9号上陸の際は、東日本の広い範囲で避難勧告が出された。首都圏でも地盤がゆるみ、土砂災害の危険や河川が増水しやすい所がある。勧告が出ていなくても早めの避難を心がけたい。

今年の夏の天気は異例続きだった。大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった。台風は1号が7月3日に発生、統計開始の51年以降で2番目に遅かったが、8月に入ってたて続けに7個が発生。北海道には初めて三つも上陸した。

昨年は関東・東北豪雨で鬼怒川(茨城県)が決壊し、8千戸以上が被災。14年には広島の土砂災害で75人が亡くなった。

相次ぐ極端な気象は、地球温暖化との関係も指摘される。海水温の上昇が、より強い集中豪雨や台風をもたらすとの予測もある。経験値では推しはかれない現象が、常に起こり得る時代だと考える必要がある。

防災の観点から気をつけたいのは、自分がなじみのない場所では、災害に巻きこまれるリスクが高いということだ。

台風の「当たり年」だった04年には、10個目に上陸した台風23号の豪雨で、京都府舞鶴市で由良川が氾濫して観光バスが水没、乗客がバスの屋根で一夜を明かしたことがある。一方で、いち早く自宅に避難して無事だった地元住民もかなりいた。

不要な外出を控え、出先では無理をしないことが大切だ。

9月1日は「防災の日」だ。最近は台風の襲来後に巨大地震が発生するといった複合災害を想定した訓練をする自治体もある。孤立集落への対応、電気・ガスなどライフラインの代替手段確保など、準備しておけば起きた時に対応しやすくなる。

一人ひとりが自分の身は自分で守ることを心がけて、被害を最小限に食い止めたい。
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