2016年07月31日

[産経新聞] 【主張】ポケモンNO 危険な場で生息させるな (2016年07月31日)

スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」で、公共施設などからゲームの舞台にしないよう削除を求める「NO(ノー)」の動きが相次いでいる。

現実の街を移動して進行するゲームの特性上、トラブルは懸念されていた。開発・運営会社は問題を解決し、改善に努めてもらいたい。

日本国内でゲームが配信されて1週間になるが、世界的に人気を集める一方で、トラブルも現実となっている。

スマホのGPS(位置情報)機能を使い、実際の移動とスマホ画面を連動させて現実社会でポケモンを捕まえるなど、これまでにないゲームだ。

米ナイアンティック社が開発した。ゲームに登場する架空生物ポケモンは、日本で生まれた任天堂ゲームのキャラクターだ。

トラブルは、ポケモンが危険な場所や立ち入り禁止区域に現れるほか、対戦場所や捕まえるための道具が入手できる公園などに、プレーヤーが押しかけるためだ。

JRと私鉄各社はホームや線路に現れないよう開発会社に要請した。電力会社は原子力発電所の施設を外すよう求めている。当然の要請だ。

静謐(せいひつ)であるべき環境が損なわれる心配もでている。広島市は、平和記念公園の原爆の子の像や原爆ドームが対戦場所などに設定されているとして、8月6日の平和記念式典までに設定削除などの対応をするよう要請した。

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開発・運営会社側は、利用者に注意を呼びかけるほか、ゲームの公式ホームページを通じ、不適切な場所の削除要請を受け付けている。明らかに不適切な場所や、利用者を危険にさらす施設などは迅速に削除してほしい。

それ以前に、自らそうした場所を「生息地」から外しておくべきだった。

歩きスマホによる事故や、ゲームに熱中する女性を狙った痴漢が現れるトラブルも起きている。ポケモンが悪いわけでない。危険な場所で遊ばないよう、プレーヤー自身の良識も問われる。

鳥取県が鳥取砂丘をポケモンGOを安全で自由に遊べる「解放区」として宣言するなど、観光面の活用にも期待は高い。

ブームが最新技術を使うリテラシー(理解し活用する力)を高める機会となれば理想的だ。
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[産経新聞] 【主張】GPIF 長期の効率運用に徹せよ (2016年07月31日)

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が昨年度の運用成績で5・3兆円にのぼる損失を出した。年初からの株安や円高などの影響を大きく受けたためという。大事な老後資金である年金だけに、不安に思う人も多いはずだ。

安倍晋三政権は、低金利の国債から株式に運用比率を高めた。

そこには運用収益の向上という狙いに加え、年金資金で株高を支えたいとの思惑も透ける。先の参院選で野党側が安倍政権に対し、運用損の発生を厳しく批判したのもこのためだ。

一方で、平成25、26年度には合計25兆円の収益を上げた。年金積立金はあくまで長期的な運用が基本である。何よりも長く安全、効率的に資金を運用し、収益を高めることに徹すべきである。

そのためには徹底した情報開示による投資手法の評価や専門人材の育成を急ぐ必要がある。

GPIFの損失は5年ぶりで、損失額はリーマン・ショック時の約9兆3千億円に次ぐ規模だ。それでも市場運用を始めた13年度以降の累計運用益は、45兆円強の黒字を確保している。

それだけに、昨年度の損失だけをみて「年金が危ない」とする批判は当たらない。

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GPIFは一昨年10月、安倍政権の意向を受け、国内と外国の株式比率を全体の25%ずつに高め、それまでの国債中心の運用を修正した。運用先を分散し、投資効率を高めることが目的とされた。

ただし高い収益を狙えば、その分だけ投資リスクは高まる。問題は、そうした投資リスクや政治的な思惑を排除するような統治(ガバナンス)体制の整備が遅れている点にある。

最高投資責任者(CIO)を昨年配置したが、理事長に権限が集中する構図は変わっていない。投資配分や経営判断をめぐり、合議制を導入するなどの体制の強化が不可欠だ。

GPIFは26年度末時点で保有していた株式銘柄も初公開し、トヨタ自動車などへの投資を明らかにした。

これまで閉ざされてきた投資先の公表は、組織の透明化に向けて一歩前進といえる。

GPIFは、世界最大規模の機関投資家である。それだけに運用成績も注目されており、迅速な公表が必要である。
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[東京新聞] 週のはじめに考える 五輪の旗を持つ手には (2016年07月31日)

今日にも東京都の新知事が決まり、八月五日にブラジルで五輪開幕、六日は広島原爆の日。濃密な週のはじめに考えます。「東京五輪」のあとさきを。

二〇二〇年東京五輪に向けて全国も注視した都知事選は今日、投開票。それが誰になるかは別にして、新知事の最初の海外出張先はブラジルになるかもしれません。

八月下旬、リオデジャネイロ五輪の閉会式で、次の開催地が五輪旗を受け継ぐ晴れ舞台です。

けれども、晴れがましさはそのひととき。浴びる脚光が消えた後は、手にする五輪旗の重みが相当ズシリとくるはずです。


◆平和への思いが重く
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都知事の政治責任に加え、多くの国民が「東京五輪」の合言葉に込めてきた、平和への思いもまた重くのしかかるからです。それは平和だからこそ五輪も開ける時代を、尊いと思うこと。その尊さを身に染みてよく知っており、代々大切にしてきた日本人ならではの「思い」といえるでしょう。

歴史をたどれば、ちょうど八十年前のきょう、一九三六年七月三十一日。四〇年五輪の開催地に東京が決まったことを伝える大ニュースが歴史の始まりでした。東京新聞の前身「国民新聞」が翌日出した号外の見出しは「東京オリムピック 光輝ある実現」。だが、折から日中戦争が長引きそうな時局に日本政府は二年後、開催権の返上を決め、四〇年東京五輪は幻と消え去ります。

時は流れて、一九四九年夏のある日。東京・日比谷の連合国軍総司令部(GHQ)で、マッカーサー最高司令官と対峙(たいじ)する一団がいました。田畑政治会長率いる日本水泳連盟の表敬団です。後の“フジヤマのトビウオ”古橋広之進選手らも同席していました。


◆執念が呼び寄せた縁
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六四年東京五輪の招致までの流れに詳しい『祖国へ、熱き心を』(高杉良、角川書店)によれば、田畑会長らの訪問は、日本とはまだ国交のなかった米国への渡航許可を求める直談判でした。

一年前のロンドン五輪に「敗戦国」日本は出られずじまい。ならばロサンゼルスでの全米選手権大会に当時最強の古橋選手らを出場させて、その強さを公式記録に刻みたい。田畑氏の執念でした。

そこまでの執念の源泉を、著内の談話にくむことができます。

「わたしは悔しくて悔しくて歯ぎしりが出そうです。…戦争で(昭和)十五年と十九年の二度オリンピックが中止になったのが、残念でならんのです」

昭和十五年はすなわち幻の四〇年東京五輪。戦争への並々ならぬ憎しみがその源泉でした。

執念は通じ、選手団の渡米は実現しました。そして実はこの渡米が、日本スポーツ界に「恩人」を引き合わせることになります。

ロス在住の日系二世フレッド・イサム・ワダ氏。あの『祖国へ、熱き心を』の副題『東京にオリンピックを呼んだ男』その人です。

ワダ氏は、四九年の全米選手権に出場する選手団が宿舎を探しているとの新聞記事をたまたま目にし、自宅の提供を申し出ます。その縁でスポーツ界幹部と親交を結び、六四年東京五輪の招致では、中南米諸国を自費で回って東京への投票を呼び掛けました。

ロスでの古橋選手らの活躍は、米国で日本人、日系人社会への評価を高め、戦争の遺恨を引きずる日米間の軋轢(あつれき)の緩和に役立った。それへの感謝も、ワダ氏が祖国での「平和」五輪に身を尽くす原動力になったといいます。

開催地を決める西独ミュンヘンでの投票は東京の圧勝でした。

そしてもう一人。こうして実現した六四年東京五輪に、ひときわ強く「平和」を印象付けた人がいました。聖火リレーの最終走者、坂井義則氏です。当時無名の大学生ランナーになぜ大役が回ってきたか。自身には「何の説明もなかった」という坂井氏ですが、その出自から理由を推察できます。

広島に原爆が投下された一九四五年八月六日、爆心地近くの広島県三次市生まれ。三年前、坂井氏本人が本紙に、この人選の意義を語っていました。「平和の祭典の象徴として、敗戦国の日本が平和国家になったことを世界に示したかったんだろう」と。


◆引き継がねばならぬ
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「平和国家」になった日本は、六四年東京五輪を弾みに空前の繁栄を享受した。いま急速な高齢化が進む先の未来に、どれだけ繁栄の果実を引き継げるか微妙だが、「平和国家」は引き継げます。

むしろ引き継がねばならない。先人たちが平和への思いを託した「東京五輪」が再び巡ってくるのなら、なおさらしっかりと。

三週間後、ブラジルで誰かしら五輪旗を受け継ぐ舞台に重ねて、私たちの「平和国家」の引き継ぎにも思いを馳(は)せてみるのです。
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[毎日新聞] 沖縄ヘリ着陸帯 強引さが解決遅らせる (2016年07月31日)

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政府は、沖縄県の米軍北部訓練場(東村(ひがしそん)、国頭村(くにがみそん))の返還条件になっているヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を今月下旬、約2年ぶりに再開した。

全国から機動隊を含む数百人の警察官を動員し、抵抗する住民を排除して工事を強行するやり方は、県民感情を逆なでする恐れがある。

北部訓練場は面積約7800ヘクタールを有する沖縄県最大の米軍施設だ。日米両政府は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で、半分を超える約4000ヘクタールの返還で合意したが、条件として返還区域にあるヘリパッド6カ所を残る区域に移設することになっていた。

だが、新たなヘリパッドは東村の高江という人口約150人の集落を取り囲むようにして計画され、最も近いものは民家から約400メートルしか離れていない。高江には小中学校もある。

ヘリパッドの移設計画が作られた当時、米軍輸送機オスプレイの配備は明らかにされていなかった。すでに運用が始まっている2カ所のヘリパッドには、オスプレイが飛来し、騒音は激化しているといわれる。

沖縄防衛局の調べでは、6月に高江で観測されたヘリの騒音は、昼間600回、夜間383回。1日平均では昼間20回、夜間12・8回の計32・8回に上った。2014年度の月平均と比べると、6月の夜間の騒音は約24倍にもなった。

防衛局には「子供が怖がっている」「眠れない」「夜10時以降になぜオスプレイが飛んでいるのか」といった苦情が来ている。

政府は、オスプレイなどの米軍ヘリが集落上空を避けて飛ぶよう、高江に航空標識灯を設置する対策を検討しているが、どれほどの効果があるかはわからない。

北部訓練場の周辺は自然が豊かで、隣接地域は近く国立公園に指定される予定だ。将来的には世界自然遺産登録を目指すという。

SACOから約20年たち、米海兵隊の展開が変化する中、計画通り6カ所のヘリパッドが必要なのか柔軟に考えてみる必要もあるだろう。

北部訓練場の返還計画が実現すれば、沖縄の米軍専用施設・区域の約2割が返還されることになる。

だが、航空機騒音や事故に対する住民の不安の声を軽視し、工事を強行しては、県民に新たな負担を押し付けることになるのではないか。

普天間飛行場の辺野古移設の問題に加えて、北部訓練場のヘリパッドの移設工事でも国と沖縄の対立が深まれば、沖縄の基地負担を軽減し、日米安保体制を安定的に運用するという問題の解決はますます遠のくことになりかねない。
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[毎日新聞] 書店の活性化 未知の世界を届けたい (2016年07月31日)

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書店の減少が加速している。東京の紀伊国屋書店新宿南店が、洋書を残して売り場を大幅に縮小させる。1996年のオープン当時は、国内最大級と話題になった書店だった。

紀伊国屋書店は、村上春樹さんの新刊の初版9割を買い切り、話題を集めた。書店に元気がないと出版業界が活力をなくす。「ネット書店」の売り上げ比が増えれば出版物の総売上高が落ちる心配がある。流通のあり方を見直さなくてはいけない。そんな危機感によるものだった。

新宿南店が8月初旬に売り場を縮小するのはビルの賃料交渉がまとまらなかったのが理由だが、背景には「ネット書店」との競争もある。

街の書店の魅力は多様性にある。店頭で未知の世界に出合ったり、店主に読書の楽しみを教わったりした経験がある人も多いのではないか。また情報を簡便にインターネットで確かめるようになってきたが、物事を掘り下げ、人生の糧となる知識を得るには本が欠かせない。

集客策の一つとして書店はブックフェアに取り組んでいる。

大阪のジュンク堂書店難波店は、福嶋聡(あきら)店長が近著の「書店と民主主義」で紹介した本を集めて棚を設けている。「嫌韓嫌中」本の出版に問題意識を持ち、ヘイト本を考えるフェアを開いたこともある。

ブックフェアを巡っては、自由と民主主義をテーマにフェアを開いたMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店が、偏向していると批判され、一時撤去する出来事があった。

福嶋さんは「抗議はフェアに存在感がある証しとも言える。議論して率直に意見を言えばいい」と話す。

最近増えている読者と本、著者、編集者らをつなぐトークショーも、街の書店の強みだろう。

中小書店は大手にも増して厳しい経営環境に置かれている。

中小書店の全国組織、日本書店商業組合連合会(日書連)が組合員4015人を対象に行った調査によると、ここ数年間の経営状態が「悪くなった」との回答は85%にのぼる。悪化の原因としては、「客数・客単価の減少」「雑誌の低迷」「ネット書店」を挙げた人が多い。

出版取次大手の日本出版販売(日販)の2015年度決算は、32年ぶりに書籍の売上高が雑誌を上回った。「雑高書低」と言われた時代は終わりつつある。

今後の取り組みとして、中小書店は地域密着化や外商強化に意欲を見せている。書店活性化の成功例にならい、出版界全体で生き残りの知恵を絞らなければならない。

街の書店は、地域文化の担い手でもある。スマートフォンのゲームは楽しいけれど、この夏、書店にも足を運んでもらいたい。
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[朝日新聞] 公的年金運用 国民の理解あってこそ (2016年07月31日)

公的年金の積立金の運用で昨年度、約5・3兆円の損失が出た。運用を担う年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表した。

リーマン・ショックがあった08年度(マイナス約9・3兆円)、サブプライム・ショックの07年度(同約5・5兆円)に次ぐ損失の大きさである。

主因は国内外の株式投資の不振だ。14年秋に運用基準を見直し、株式の割合を増やしたことが裏目に出た。

短期の損失が即座に給付に影響するわけではない。自主運用を始めて以降の積立金の運用収益は累計で約45兆円にのぼる。年金は現役世代が払った保険料と国庫負担(税金)で毎年の給付を賄うのが基本的な仕組みで、積立金は給付に必要な財源の約1割に過ぎない。

だが、国債など国内債券を中心に運用していたころに比べ、株式市場の不安定な動きの影響を受けやすくなり、変動幅が大きくなったのは事実だ。

野党は「国民の大事な年金を危険にさらしている」と批判を強めている。それは、国民の間に根強い不安や不信があると見定めてのことでもある。年金制度にとって、国民の理解と納得を欠く状況が広がることは、見過ごせないリスクになる。

株式の比重を高めたことについて、GPIFはあくまで経済情勢や運用環境の変化に合わせた見直しだと強調する。

しかし、世界経済フォーラム(ダボス会議)で「GPIFは成長への投資に貢献する」と述べるなど、運用基準の変更を政権の成長戦略と結び付けて語ってきたのは、ほかならぬ安倍首相だ。「政治主導の見直し」「政権の株価維持対策」との見方が消えないゆえんである。

運用の見直しとセットのはずのGPIFの組織改革は積み残されたままだ。今年になってようやく、理事長に権限や責任が集中している体制を合議制に改める改革法案が国会に提出されたが、審議は進んでいない。

これでは、GPIFがいくら「不安にならず、長い目で見守って」と呼びかけても、国民には届かないだろう。

まずは約束した組織改革を早期に実現し、GPIFへの信頼を高めることが不可欠だ。

資産配分についても、どこまでリスクをとるのか、安定重視の運用だと将来の給付水準はどうなるのか、選択肢を示しながら、労使の代表も入った厚生労働省の審議会で改めて議論してはどうか。

国民の理解なくして安心なし。それを肝に銘じてほしい。
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[朝日新聞] 岡田氏退任へ 野党共闘を次に生かせ (2016年07月31日)

不可解なタイミングではある。民進党の岡田代表がきのう夕、任期満了に伴う9月の党代表選には立候補しない意向を表明した。

東京都知事選の投票日の前日。しかも、野党共闘で党が推す鳥越俊太郎候補への最後の応援演説に立つ直前のことだ。追い込みに水を差したと批判されても仕方がない。

岡田氏は都知事選で参院選に続き野党共闘の枠組みをつくった。ただ、鳥越氏の苦戦が伝えられると、参院選直後には小さかった岡田氏の責任論が党内で徐々に大きくなっていった。

岡田氏はこの時点での表明について「知事選とは基本的に関係ない問題だ」と説明したが、共闘をリードした野党第1党の党首としては無責任のそしりは免れまい。

もっとも、2014年の衆院選での海江田前代表の落選を受けて選ばれた岡田氏が、これまで党の立て直しに一定の役割を果たしたのは事実だ。

岡田氏は3月、党内の異論を押し切って維新の党と合流、党名を民主党から民進党に改めた。参院選では32の1人区すべてで野党統一候補の擁立に成功し、11選挙区で勝利した。3年前には野党系は2勝にとどまったのに比べれば、成果をあげたといえる。

一方、安倍首相が掲げた自民、公明の与党による改選過半数の確保を許した。与党におおさか維新の会や非改選議員らも加えた「改憲勢力」が、「3分の2」になることも阻止できなかった。

野党共闘は行き場を失いかけた政権批判票の受け皿にはなった。ただ、それは参院1人区の選挙対策としての意義にとどまり、自公の与党体制を脅かすだけの力にはなり得なかった。

与党の大勝を見れば、首相の経済対策「アベノミクス」への批判や「3分の2阻止」だけでは、有権者からは与党に代わり得る選択肢とは見なされなかったということだ。

岡田氏もそうした限界を認識しているようだ。きのうは「一区切りつけ、新しい人になった方が望ましいと判断した」と語った。

次の衆院選に向けて野党共闘を進めるのかどうかは、9月15日に予定される代表選で大きな争点になるだろう。

衆院選は政権選択を問う選挙である以上、共闘のハードルがさらに高くなるのは確かだ。

それでも、共闘の効果をあっさりと捨て去るのはもったいない。代表選では、次につながる建設的な論争を求めたい。
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[読売新聞] 最低賃金アップ 中小企業の足腰強化を急げ (2016年07月31日)

デフレ脱却を確実にして、持続的な経済成長につなげるには、賃金の底上げが欠かせない。

2016年度の最低賃金(時給)について、厚生労働省の中央最低賃金審議会が改定の目安を決めた。

全国平均で3%相当の24円引き上げる。昨年度の18円を上回り、時給で示すようになった02年度以降で最大の上げ幅だ。

この目安を参考に、各都道府県の審議会が地域の実情を踏まえて実際の上げ幅を決める。目安通りになれば、最低賃金は全国平均で822円となり、初めて全都道府県で700円を超える。

最低賃金は全労働者に適用され、これを下回る賃金は違法となる。最低賃金やそれに近い水準で働く人は、非正規雇用を中心に約400万人とされる。大幅アップは、こうした人の処遇改善に直結する。着実な実施が望まれる。

政府は「1億総活躍プラン」などで、最低賃金を毎年3%程度引き上げ、全国平均1000円にする目標を掲げる。安倍首相は「3%の引き上げに最大限の努力を」と、関係閣僚に指示していた。

今回の大幅アップは、政府の強い意向を反映させたものだ。

経済政策アベノミクスは、企業業績や雇用を改善させ、大企業では春闘を通じて賃上げが続いている。だが、中小企業や非正規雇用への波及は遅れ、全体の消費は低迷したままだ。

賃金アップを幅広く行き渡らせて、消費を刺激し、「経済の好循環」を実現する必要がある。

日本の最低賃金は先進国で最低レベルにある。パートの賃金水準は正社員の6割と、欧州の8割程度と比べて大きく見劣りする。若年層に非正規雇用が増え、低賃金のため、結婚や子供を持つことをあきらめる人も目立つ。

格差是正に加え、人口減対策としても、賃金底上げは重要だ。

課題は、中小・零細企業が賃金アップに耐えられるよう、経営基盤の強化を図ることだ。人件費増に耐えられず、雇用が縮小されては元も子もない。

世界経済の不透明感が増し、経営環境は厳しくなっている。

中小企業の収益力を高めるため、生産性向上に資する設備投資などへの助成拡大を急ぐべきだ。成長分野への進出を促す支援策の充実も求められる。

大企業による下請けへの不当な値下げ要求を防ぐため、取引状況の監視も強めねばならない。

多面的な対策で、無理なく賃上げできる環境を整備したい。
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[読売新聞] 米大統領選 団結を求めたクリントン候補 (2016年07月31日)

米大統領選で、「米国第一主義」を唱える共和党のドナルド・トランプ氏と、国際協調や国民融和を訴える民主党のヒラリー・クリントン氏の立場の違いが鮮明になった。

民主党大会でクリントン前国務長官が大統領候補に指名され、本格的な選挙戦が始まった。

クリントン氏は指名受諾演説で「我々はより完全な国になるための転換点に達した」と述べ、主要政党として初の女性大統領候補が生まれた意義を強調した。

重要なのは、クリントン氏が「米国は世界の同盟国と協力した時、より強くなる」と語り、同盟強化を打ち出したことである。

クリントン氏は国務長官時代に、アジア重視政策を推進した。沖縄県の尖閣諸島が、米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用対象であることを政権内でいち早く明言していた。

陣営にキャンベル前国務次官補ら知日派が少なくないことも、日本にとっては心強い材料だ。

クリントン氏は演説で、環太平洋経済連携協定(TPP)には直接言及せず、「不公正な貿易協定」への反対を表明するだけにとどめた。TPPに反発する党内左派に配慮しつつ、批准の余地を残したことは評価できる。

日本が国会の承認手続きを迅速に進め、米国が批准しやすい環境を整えることが欠かせない。

排他的な移民政策を掲げるトランプ氏に対し、クリントン氏は「世界や米国の分断を望んでいる」と非難した。「国民は堅実な指導者を求めている」と述べ、実行可能な政策をアピールした。

民主党大会では、オバマ大統領や、候補の座を激しく争ったバーニー・サンダース上院議員らが応援演説を行った。党内融和の演出には成功したと言えよう。

課題は、トランプ氏と同様、好感度が大統領候補として記録的に低いことだ。長官在任中、国務省の規定に反し、私用メールアドレスで機密情報を扱った。司法当局は立件を見送ったが、「極めて不注意だった」と指摘した。

発覚当初、十分な説明も謝罪も拒んだことが、「信用できない」という国民感情につながっているのではないか。

大統領夫人や上院議員も務めたクリントン氏は、サンダース氏を支持する若者らから、「既存の支配層の象徴」と目されてきた。

選挙戦では、「反トランプ」を主張するだけでなく、現状に不満を抱く人々の支持を得なければ、国全体の団結も実現できまい。
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2016年07月30日

[産経新聞] 【主張】米大統領選 分断克服する指導力示せ (2016年07月30日)

米民主党大会でクリントン前国務長官が大統領候補の指名受諾演説を行い、「一緒ならもっと強くなれる」と国民に団結を訴えた。

すでに共和党候補となったトランプ氏も、副大統領候補にインディアナ州知事のペンス氏を選んだ際に「党の団結」を呼びかけている。

本格的な選挙戦を始める両候補に問われるのは、共に口にする団結によって、何を実現したいのかである。とりわけ聞きたいのは、世界の中で米国が自らをどう位置付けるかだ。

「強い米国」として、いかなる道を歩もうとするのかを、明確に示してもらいたい。

団結が「強い米国」の源泉であることは疑いない。軍事力を背景に現状変更を図る中国などと対峙(たいじ)し、テロとの戦いを継続していくには、超大国としての力を米国が維持することが欠かせない。

むろんそれは、日本をはじめ自由と民主主義の価値観を共有する国々の国益にも直結する。

クリントン氏は演説で「打ち勝たなければならない敵がいる」と述べ、過激組織「イスラム国」(IS)などによるテロとの戦いに取り組む姿勢を示した。

自国のみならず、国際社会の平和と安全を守る姿勢を示したものと受け止めたい。その具体的な手立てをさらに語るべきだ。

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団結が強調されるのは、これまでの選挙戦などを通じ、米国政治や社会の分断というべき状況が際立ったからだ。分断を克服する指導力を競い合う戦いでもある。

共和党は、トランプ氏の「メキシコ国境に壁」など問題だらけの主張を止め切れなかった。党大会は、ブッシュ前大統領ら有力者多数が欠席した。

民主党では、格差是正を掲げたサンダース上院議員を若者らが熱狂的に支持し、クリントン氏への強い不満を抱いた。

そうした内部対立や矛盾は直ちには解消されないだろう。オバマ大統領もかつて「保守の米国もリベラルの米国もない」と団結を目指したが、果たせなかった。米民主主義をかたどってきた二大政党が、国民の希望を受け止め切れているのかも問われている。

クリントン氏の私用メール問題で、トランプ氏は失われたメールをハッキングして探し出すようロシアに呼びかけた。冗談のつもりかもしれないが、軽率すぎる。
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[東京新聞] 日銀追加緩和 通貨の番人はどこへ (2016年07月30日)

日銀は上場投資信託(ETF)の購入額拡大という小粒な追加緩和を決めた。政府の期待には応えたが、金融政策の手詰まり感を露呈し、中央銀行としての信認も一段と失うことにはならないか。

政府がまとめた経済対策に合わせるよう、あからさまな緩和圧力が強まり、市場からは緩和しなければ失望売りを浴びせる「催促相場」の圧力。かといって緩和手段は限界論も出るほど乏しい−。

追い込まれた日銀が「ギリギリ最低限の緩和」を決めたのは、こんな事情だろう。しかし、今回の決定は重い問題をはらんでいる。

政府は参院選を受け「アベノミクスのエンジンを最大限ふかす」と宣言し、二十八兆円規模の経済対策を近く発表する。だが経済界には追加の金融緩和も含め、一時的な景気浮揚のための対策が今、必要なのか疑問視する声が強い。

英国の欧州連合(EU)離脱の影響が大きな理由とされるが、震源の英国のイングランド銀行や欧州中央銀行(ECB)は金融政策を現状維持とし、米国も同様だ。動いたのは日銀だけなのである。

国債を年間八十兆円と大量に買い入れる緩和策は事実上、政府へ直接資金を供与する財政ファイナンスとの批判が根強い。この「政府への従属化」は、黒田東彦総裁以下、政策決定会合の出席者が政府の意向に沿った人事で固められていることからも顕著であり、中央銀行の使命である「通貨の番人」として最も重要な政府からの独立性は無きに等しい。

今回決めた株価指数に連動する上場投資信託の買い入れ額を年間六兆円に倍増する緩和策については、日銀がリスク資産を一段と買い進めることの是非に加え、市場の価格形成を左右する恐れもある。中央銀行の健全性を損ないかねない手段を取らざるを得なかったのは、裏を返せば金融緩和策の限界論を証明するのである。

この日発表された六月の消費者物価指数は、前年同月比で0・5%下落と、「黒田緩和」が始まる前の二〇一三年三月以来のマイナス幅になった。つまり、この三年間強、異次元緩和を続けても物価目標が達成できないどころか達成時期も見通せないままだ。やるべきは「ふかす」ことではなく、異次元緩和がなぜ効かなかったのかを分析し、見直すことだ。

黒田総裁も九月の次回会合で物価動向や政策効果の総括的な検証を行うとしたが、大事なのはアベノミクスと決別することである。
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[東京新聞] 米大統領選 国の在り方が問われる (2016年07月30日)

米大統領選候補の指名受諾演説に臨んだクリントン氏は、純白の衣装で登場した。今の米国を暗黒のように語るトランプ氏との対比を狙ったのだろう。選挙は明と暗の対立構図が出来上がった。

クリントン氏は演説で「われわれは世界で最も活力にあふれ、多様性にも富む国民だ」と指摘した。

トランプ氏が不法移民対策に「壁」の建設を主張するのに対し、クリントン氏は「われわれは壁を築かない。米国経済に貢献している数百万の移民に市民権を付与する道を開く」と述べ、開かれた米国を堅持する姿勢を見せた。

トランプ氏は共和党大会での指名受諾演説で、米国の治安悪化と国際社会での地位低下を強調し、ことさらに暗い米国像を描いてみせた。

一方、クリントン氏は明るい展望を提示し、対立軸に据えた。民主党が採択した政策綱領は、日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)などとの同盟重視の方針を打ち出し、これもトランプ氏とは正反対だ。

その政策綱領は大統領選を「民主党か共和党かという選択を超えて、われわれはどんな国で、将来はどういう国になるのかを問う選挙だ」と意義付けた。

トランプ氏が目指す排他的で孤立する米国に変わるのか、それともクリントン氏が唱える多様で開放的な米国であり続けるのか−。民主党は国の在り方を選挙テーマに設定したようだ。実際、米国は岐路に立っている。

クリントン氏が選挙戦を勝ち抜くには、課題が多い。その一つが「信頼性」だ。最新のCNNテレビの世論調査では、クリントン氏を「信用できない」と見る人は68%に上った。

国務長官時代のメール問題に加え、ワシントン政治に精通した経歴が、有権者に「いかがわしさ」を感じさせる。

英国の欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票では、政治エリートへの反感があらわになった。トランプ氏もクリントン氏は既成政治家の象徴だと攻撃する。

女性の進出を阻む見えない障壁を指す「ガラスの天井」。クリントン氏が最も高い所にあるそれを打ち破り、初の女性大統領になるのか。逆に、トランプ氏の持つ破壊力の前に屈するのか−。

超大国の動向は国際社会に計り知れない影響を及ぼす。米国民もその点をよく認識して、国のありようを選択してほしい。
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[産経新聞] 【主張】日銀の追加緩和 逐次投入で効果あるのか (2016年07月30日)

これは、日銀が自ら否定してきた「逐次投入」ではないのか。だとすれば、デフレからの脱却に強い期待を抱くわけにはいかない。日銀の追加金融緩和をみた印象だ。

黒田東彦総裁は、上場投資信託(ETF)の購入額を年6兆円に増やすことなどを通じて、「前向きな経済活動をサポートする」と説明した。

消費や物価が伸び悩み、2%の物価上昇目標も揺らいでいる。日銀が、経済対策を講じる政府との協調を強める必要はあろう。

政策の相乗効果と、脱デフレへの決意を示そうとした狙いは分かるが、追加緩和ありきで判断を急いだ面はなかったか。

決定内容は従来政策の一部強化にすぎないとして、市場では評価と同時に不十分だとする失望も広がり、株式相場は乱高下した。

株価指数に連動するETF購入は相場の下支えが期待される。半面、決定会合では市場における価格形成をゆがめかねないなどとする反対論もあった。

首をかしげるのは、今になって黒田総裁が、9月の次回会合に向けて経済や物価の動向、従来の金融政策の効果を総括的に検証する準備をするよう日銀執行部に指示したことである。

ならば、その結果を踏まえて本格的に政策強化すべきか否かを判断する選択肢もあったはずだ。これでは、後先が逆である。そうしなかったのは、真に必要な政策を吟味したというより、政府や市場の緩和圧力に応じざるを得なかったためだとみるほかない。

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2月以降のマイナス金利政策は金融機関の収益を圧迫する副作用などへの批判がなお強く、その効果の見極めには時間を要する。

それゆえ「バズーカ」と評されるような本格的な政策を9月の次回会合以降に温存したい思惑もあったのだろう。日銀は丁寧に説明を尽くすべきである。

先の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、金融と財政、構造改革の政策を総動員して世界経済の減速に対処する方針が確認された。

だが、同時に金融政策のみでは均衡ある成長につながらないという認識も共有している。英国の欧州連合(EU)からの離脱問題というリスクに対し、英国や欧州でも直近の金融政策は据え置いている。安易に日銀頼みを続けるわけにはいかない。
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[毎日新聞] 隠れ待機児童 切実な声を反映しよう (2016年07月30日)

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認可保育所に入れない待機児童の解消は安倍政権の掲げる重要課題である。ところが、保育所に入れないため親がやむを得ず育児休業を延長しているようなケースは、政府が公表する待機児童にはほとんど含まれていない。こうした「隠れ待機児童」は昨年より13%も増え、公表されている待機児童の3倍にも上ることがわかった。

働く女性が増えて保育所のニーズが高まる一方、認可保育所が足りないため入所に厳しい条件を付けて門を狭めている自治体は多い。だが、厚生労働省の待機児童の定義が狭いため公表される統計に真のニーズが反映されず、「隠れ待機児童」ばかり増えているのだ。

政府は保育所の受け入れを2017年度までに40万人分増やすことにしていたが、「1億総活躍プラン」で50万人分へと変更した。しかし、本当に50万人分で足りるのだろうか。実情を反映した待機児童の定義に改め、自治体からの待機児童数の申告も基準を統一し、的確なニーズの把握に努めるべきだ。

政府の公表では、政令指定市や東京23区など計152市区町村の4月1日時点の待機児童数は計1万7661人(前年比5%減)。一方、毎日新聞がこれらの自治体に対して認可保育所への利用申込数から入所できた児童数と待機児童数を差し引いた「隠れ待機児童」を調べたところ、計5万801人(同13%増)に上ることがわかった。

厚労省の定義では、自治体が独自に認定している施設を利用している場合は待機児童から除外できることになっている。保護者が特定の保育所を希望している場合や、親が育休中、あるいは求職活動をやめた場合も待機児童に含めなくてよいことになっている。

運用は自治体に任されており、東京都世田谷区のように、育児休業の延長や預け先が見つからないため仕事を辞めた場合も待機児童に含めている自治体もあるが、ほとんどは除外されているのが実情だ。

自宅に近い保育所に入れない、きょうだい別々の保育所になってしまうなどの理由でやむを得ずに育休を延長している人、仕事を辞めた人は多い。祖父母の実家に一時的に身を寄せて近くの保育所を利用している人もいる。こういうケースが待機児童にならないのはおかしい。

住民の切実なニーズが反映されない統計数字は、政策立案や予算確保にあたって基礎的なデータにはならない。政治や行政に対する不信を募らせることにもなるだろう。「保育園落ちた 日本死ね」という匿名ブログに象徴される親たちの怒りを忘れてはならない。
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[毎日新聞] 日銀の追加緩和 いよいよ手詰まりだ (2016年07月30日)

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日銀は追加の金融緩和を決めた。英国の欧州連合(EU)離脱問題など海外経済の不透明感の高まりに対応するという。

黒田東彦総裁は年80兆円ペースで保有残高が増えるよう国債を購入するなど「バズーカ砲」と呼ばれる異次元緩和を進めてきた。今回は株価指数に連動した上場投資信託(ETF)の購入を年3・3兆円から6兆円に増やす。従来より小ぶりだ。

大規模な緩和を3年以上続けてもデフレ脱却の道筋は見えない。さらに小出しの緩和を加えても効果は乏しいのではないか。異次元緩和の限界をうかがわせるような決定だ。

日銀はETFの購入拡大を株式市場への資金流入の呼び水とし、景気下支えにつなげたい考えだ。ただ、日銀が買い支える形で株価を押し上げても、景気の実態を反映しない。そうした相場は長続きしない。

そもそも追加緩和が必要なのか。英国のEU離脱問題で世界的な株安になった市場は落ち着きを取り戻した。米連邦準備制度理事会(FRB)は年内の追加利上げを探っている。日銀の判断は説得力を欠く。

追加緩和は政府が近くまとめる経済対策と歩調を合わせたものだ。

安倍晋三首相は「アベノミクスのエンジンを最大にふかす」と強調している。麻生太郎財務相らは追加緩和への期待を強くにじませてきた。

黒田総裁も記者会見で「政府の取り組みと相乗的効果を発揮する」と述べた。今回は緩和規模が限られたが、政府の圧力でさらなる緩和を余儀なくされると見られかねない。

異次元緩和は黒田総裁が就任直後の2013年4月から始めた。「2年程度で物価上昇率2%達成」という目標を掲げ、円安・株高が進んだが、期待したほど物価は上がらず、目標達成時期を先送りした。

14年に追加緩和、今年2月にはマイナス金利政策に踏み切った。それでも、きのう発表された6月の消費者物価指数は0・5%下落した。異次元緩和前の13年3月以来のマイナス幅で振り出しに戻った形だ。

銀行の企業向け融資や住宅ローンの金利は既に十分低い。日銀の国債大量購入による金利低下の効果は限られ、企業の設備投資や消費の活性化にはつながっていない。

むしろ異次元緩和のゆがみが目立つ。マイナス金利で銀行の収益は悪化しつつある。銀行が融資に消極的になると、日銀がいくら資金供給を増やしても世の中に出回らない。

日銀は次回9月の金融政策決定会合で異次元緩和の総括的検証を行うとも発表した。黒田総裁は「2%目標を早期に実現する観点からの検証」と説明するが、異次元緩和の軌道修正こそ急ぐべきだ。
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[朝日新聞] 米大統領選 分断乗り越える論戦を (2016年07月30日)

米国の大統領選は、経歴も政策も手法もまったく対照的な2人の戦いになる。

民主党候補のヒラリー・クリントン氏は政治経験が豊かだ。女性を政界の頂点から阻んできた「ガラスの天井」に挑む。

共和党候補ドナルド・トランプ氏は不動産業で名をなした実業家。政治の経歴が何もないことで改革の旗手を自認する。

目をこらすべきは、その異例の構図よりも政策の中身だろう。これまで指導者として理にかなう主張をしているのは明らかにクリントン氏である。

民主党大会での演説で強調したのは、米社会の融和だった。保守とリベラルの溝、富裕層と低中所得層の格差、人種間の緊張など様々な分断で揺れる米国にいま必要なのは、確かに国民の統合である。

移民についても比較的寛容な訴えや、国際社会との協働を重んじる点でも、クリントン氏の立場は評価に値する。国務長官として、アジア重視政策を主導したことも記憶に新しい。

テロや気候変動、租税回避の対策など、地球規模で取り組むべき課題が山積するいま、米国が同盟国との関係を重視するのは必然の流れでもある。

そうした国民融和と国際協調路線に反する主張が目立つのがトランプ氏である。相変わらず不法移民を阻む国境の壁建設や保護主義的な貿易を唱え、同盟国の負担増を求めている。

11月の投票に向けて論戦はこれからが本番だ。それぞれの公約が米国民の利益にどう資するのか、そして世界の安定にどう貢献するのか、理性的な論理とビジョンを語ってほしい。

両党とも、候補者選びが激戦になったことなどから、党内の結束に不安を抱える。だからといって、相手候補への攻撃心をあおって団結を演出するようでは政策論争は深まるまい。

両候補とも、自分の支持層だけを満足させる狭い政治ではなく、国民に広く目配りする包摂の政治をめざすべきだ。トランプ氏支持に走る白人労働者層の思いは何か。クリントン氏と競ったサンダース氏を支えた若者層の願いはどこにあるのか。

先進国に共通する低成長と財政難、格差拡大の問題に、簡単な解決策はない。だが、自国優先を連呼するのは、米国の国際的な威信を低下させるだけだ。

多極化の時代とはいえ、いまも世界の自由主義を引っ張る大国の矜持(きょうじ)を持ち続けられるかが問われている。「偉大な米国」を叫ぶならば、国際社会も認めるような米民主政治の価値を、この選挙戦で見せてほしい。
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[読売新聞] ウナギ激減 日本が資源保護を主導したい (2016年07月30日)

絶滅が危惧されるニホンウナギの資源保護をいかに進めるか。日本は最大の消費国として、リーダーシップを発揮せねばならない。

ニホンウナギは太平洋沖で孵化(ふか)し、稚魚は黒潮に乗って東アジア沿岸の河川を目指す。これを日本や中国、韓国、台湾の業者などが捕獲し、養殖池で育てている。日本の市場に出回る成魚は、ほとんどがこうした養殖ものだ。

稚魚の国内漁獲量は、50年前の10分の1に激減した。乱獲が主因とされる。国際自然保護連合(IUCN)は2014年、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。

資源の回復が見込めなければ、野生動植物の保護に関するワシントン条約に基づき、国際取引が規制される可能性がある。

今秋の締約国会議に向け、欧州連合(EU)は実態調査を提案している。3年後の次回会議では、取引規制が現実化しかねない。強制措置により、生産・消費両面で大きな打撃を被る前に、有効な保護策を打ち出すことが肝要だ。

日中韓台は14年に、養殖池に入れる稚魚の量を2割削減する自主規制で合意した。

問題は、高値で取引される稚魚の密漁が横行し、規制の実効性が上がっていないことである。

日本は法的拘束力のある枠組みへの格上げを提案しているが、中国などでは、生産量の減少を嫌う関連業者の反発が強いという。4か国・地域の協議は、1年以上開かれていない。

密漁した稚魚を使っていないか。成魚の出荷量は適正か。不正な取引を監視する仕組みを4か国・地域で構築することが重要である。輸入国として日本の果たすべき役割は大きい。

国内の河川に遡(そ)上(じょう)したウナギの保護も大切だ。

環境省は、生態調査に基づき、魚道整備など、成育しやすい河川の在り方を来年3月をめどに取りまとめる。河川改修の際の参考にしてもらう狙いがある。

秋から冬に産卵のため海に向かう「下りウナギ」の捕獲も控えねばならない。九州などでは禁漁や再放流の動きが広がっている。

資源不足を解消する決定打が、天然稚魚を捕獲せず、卵から孵(かえ)す完全養殖の実現だ。長年の研究を経て、実証試験に至っている。早期の事業化を期待したい。

日本の旺盛なウナギ需要も見直す時期にきているのではないか。きょうは土用の丑(うし)の日。伝統の食文化を末永く楽しむため、希少な資源の継承に思いを馳(は)せたい。
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[読売新聞] 日銀追加緩和 政府との協調は効果を生むか (2016年07月30日)

政府の経済対策と歩調を合わせ、デフレ脱却を目指す姿勢をアピールする狙いなのだろう。

日本銀行が金融政策決定会合で、追加の金融緩和に踏み切った。上場投資信託(ETF)の買い入れ規模を、現在の年3・3兆円から6兆円に増やすことが柱である。

金融緩和は、マイナス金利の導入を決めた今年1月以来だ。

企業の海外展開を支援するため、金融機関に対する米ドル資金の供給枠も倍増させた。

黒田総裁は記者会見で、「海外経済の不透明感が高まっており、企業や家計の経済活動をサポートする」と強調した。

英国の欧州連合(EU)離脱決定などで、世界経済の不安要因が増しているのは事実だ。脱デフレを果たすまで、緩和的な金融政策を粘り強く続ける必要がある。

だが、金融市場の混乱はひとまず沈静化している。日銀は、「国内の物価上昇基調は崩れていない」と説明し、物価上昇率2%の目標の達成時期も従来の「2017年度中」を変更しなかった。

このタイミングで、本格的な追加緩和に動く必要性を見いだし難かったのではないか。実際、日銀は、年間80兆円規模の市場からの国債購入額と、現行のマイナス金利政策は維持した。

それでも日銀がETFの購入額を増やしたのは、「政府の経済対策と相乗効果を発揮する」との考えに加え、決定会合前から、市場では追加緩和への期待が過剰に高まっていたためだ。閣僚からも緩和を求める声が相次いでいた。

こうした状況を踏まえ、日銀として「ゼロ回答」は避けた方が良いと判断したのだろう。

ただ、決定を受けて、市場では、緩和策が株価を下支えするとの思惑が広がる一方で、金融政策が手詰まりになってきたとの見方から円相場や株価が乱高下した。

日銀は次回の決定会合までに、金融政策の手法と効果について検証するとしている。

黒田総裁は従来、「異次元緩和」で市場にサプライズを与える手法で物価上昇を促してきた。

今後は、過去の金融緩和の検証結果を踏まえ、経済や物価の先行きや、政策の方向性について、より丁寧に市場と対話を重ねていくことが求められよう。

無論、脱デフレは、日銀の金融政策だけでは実現できない。

金融緩和と財政政策で景気を下支えしている間に、政府は、経済対策の成長戦略を一段と強化することが肝要である。
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[朝日新聞] 追加金融緩和 日銀は政権のしもべか (2016年07月30日)

日本銀行が金融緩和の追加策を決めた。日銀が買い入れる上場投資信託(ETF)の額を年間6兆円に倍増する。

安倍政権は近く事業規模28兆円の大型経済対策を発表する予定で、日銀に金融緩和で協力するよう求めていた。マイナス金利の拡大や国債買い入れの増額に弊害や限界が指摘されるなかで、政府に歩調を合わせるための苦肉の策と言えよう。

金融政策の本来の目的は、日本経済を安定させ持続的な発展を確かなものにすることだ。今回の緩和策がそれにかなっているかと言えば、疑わしい。

日銀は四半期に一度の「展望リポート」で日本の景気の現状を「緩やかな回復を続けている」とし、今後についても「緩やかに拡大していく」と見通した。有効求人倍率が全都道府県で初めて1倍を超えるなど多くの景気指標が改善を示し、景気はそれなりに安定している。

欧州経済や新興国経済に不透明感があるとはいえ、いま大型の経済対策を打ち出そうという政府の発想そのものがおかしい。日銀はそれに物申すべきだが、追加緩和でむしろ側面支援してしまった。政権の意を受けて追従したと見られても仕方あるまい。

金融政策を決める審議委員9人のうちETF購入増には2人が反対した。「市場の価格形成に悪影響を及ぼす」などもっともな理由からだが、こうした意見は出にくくなっている。委員の任期が来るたびに、政権がアベノミクス賛成論者に替えてきたからだ。反対の2人は第2次安倍政権の発足前から務める民間エコノミスト出身者である。

政権の考えに近い委員ばかりになれば、黒田東彦総裁が旗を振る異次元緩和に対するチェック機能は失われてしまう。今後ますます政権にとって都合のよい金融政策に傾きかねない点も気がかりだ。

ただ、金融機関の経営をますます圧迫しかねないマイナス金利政策の強化や、政府への財政ファイナンスと受け取られかねない国債買い入れの増額に手をつけなかった点は評価したい。市場では「実施しないと円高、株安になる」となかば脅しのように語られていたが、そのこと自体が金融政策と市場とのゆがんだ関係を表している。

企業や家計にとって、行きすぎた金融緩和は今や有害だ。マイナス金利政策では、金融機関だけでなく運用計画が狂った年金基金も悲鳴をあげている。日銀は正常な金融政策に立ち戻るため、早く異次元緩和からの出口政策を検討し始めるべきだ。
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2016年07月29日

[東京新聞] 慰安婦支援財団 解決まで日韓は共に (2016年07月29日)

旧日本軍の韓国人元慰安婦に対し、生活や福祉面で支援する財団が発足した。韓国側が運営し、日本政府が資金を拠出する。植民地時代の戦争被害である慰安婦問題を、今度こそ最終解決したい。

名称は「和解・癒やし財団」。日韓の和解を目指すとともに、元慰安婦たちの心の傷を癒やすことを目標に掲げる。日本政府は八月中にも、財団の運営資金として十億円程度を拠出する見通しだ。

財団理事長は生存する四十人のうち三十七人の元慰安婦や家族に面会したといい、「多くの方が財団の事業に参加したいという意思を示した」と述べた。韓国側には引き続き、当事者の理解を求める努力を望みたい。

昨年末の日韓合意の後、韓国政府は国際会議の場で批判を抑えている。メディアも日本側のこれまでの取り組み、民間募金を主体にした「アジア女性基金」の経過などを報道している。

しかし、韓国世論には依然、反対論が根強い。各種世論調査によると、日韓合意について「評価する」は20〜30%ほど。「評価しない」はこれを上回り、50%を超したこともある。この日も財団の記者会見場に大学生らが乱入して反対を叫び、前途多難なスタートになった。

特に元慰安婦らの支援団体は合意を拒否し、あくまで日本政府の公式謝罪と賠償を求める構えだ。支援団体が戦時下の女性に対する深刻な人権侵害だと訴え、国際社会の関心を高めたのは事実だ。日韓で最善の解決策をつくり、現在も世界の紛争地で起きる性暴力を根絶するモデルケースにしたいという考えも聞く。

しかし、生存する韓国人被害者の平均年齢は九十歳近い。今年に入って六人が死去した。残された時間は多くはない。財団の事業を迅速に進めて、一人でも多くの被害女性を物心両面で支援し、癒やしを実現することが最も現実的で、有効ではないか。

日韓合意では、ソウルの日本大使館前に置かれた少女像の撤去に向けた努力を確認したが、韓国の反対は強い。日本側は今後も像撤去を求めるが、動きだした支援財団の活動に影響を与えない対応が必要になろう。

財団の事業が軌道に乗れば、日本政府当局者が元慰安婦に面会して、謝罪と慰労を伝えるべきだろう。とげのように刺さった慰安婦問題の解決には、両政府は連携して交渉を進め、自国の世論にも訴える努力が不可欠になる。
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