2016年06月30日

[東京新聞] 舛添氏後の宿題 市民感覚を取り戻せ (2016年06月30日)

公金の不適切な使い方をとがめられ、舛添要一氏が東京都知事職を辞して一週間余。すでに関心は、次期知事選候補の顔触れに移りつつある。手つかずのまま残された宿題をお蔵にしてはなるまい。

一連の騒動は、豪華な海外出張を発端にして、公用車での別荘通いや、政治資金の野放図な使い方が明るみに出て広がった。ところが、どの問題も決着を見ることなく、棚ざらしの状態である。

舛添流の海外出張では、大勢の随行職員に加え、航空機のファーストクラス、高級ホテルのスイートルームの利用がほぼ定番だった。強い非難を浴びて、経費節減策が検討されたが、結論は封印されてしまった。

国内外の出張のあり方も、公用車の使い方も、新知事の理性に託される。金銭感覚が欠如したような舛添流を排し、市民の常識に寄り添った手だてが求められる。

もちろん、都議会も試される。

今夏のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックへの視察団の派遣を取りやめた。三十人近くが行く計画だったが、ホテル代などが高騰して、六千二百万円の予算を大幅に上回る見通しとなったからだ。世論の反発を恐れたようだ。

舛添氏を責めた手前、一つの見識には違いない。もっとも、中止しても支障の出ないような意義のない視察なら、初めから必要はない。税金の無駄遣いになる。

東京五輪に生かすべく、リオ閉幕後に課題を絞り込み、少数精鋭で赴く。成果は広く公開し、還元する。建設的かつ効率的な視察なら、理解は得られただろう。そうした常識がなぜ働かないのか。

家族旅行での宿泊や、大量の美術品の購入といった支出に政治資金を充てていた舛添氏の公私混同問題。その真相究明も、都議会は中途で投げ出した。やはり、市民の憤怒や不信への感度が鈍い。

都政トップとしての資質を欠いたのだから、舛添氏は退場させられて当然だった。ならば、追い詰めた都議会には、誠実に向き合うべき問いが残されたはずだ。

一連の騒動からどのような教訓をくみ取ったのか。政治とカネの不祥事を防ぐには、どのような手を打つべきなのか。いまだに有益な答えが発信されないのは、責任放棄と言うほかない。

問われているのは、政治家の自らを律する覚悟である。市民感覚に根ざした具体策として、それは掲げられねばなるまい。公示中の参院選や次期都知事選を機に、有権者もまた問題意識を磨きたい。
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[産経新聞] 【主張】トルコ空港でテロ 不安定化避け結束固めよ (2016年06月30日)

欧州とアジアにまたがる要衝に位置するトルコを不安定化させてはならない。

トルコ最大の都市、イスタンブールの国際空港がテロリストに襲撃され、多数が死傷した。

多くの罪のない命を奪う卑劣なテロは、いかなる理由があっても断じて許されない。

内戦が長期化するシリアと国境を接するトルコでは昨年秋、首都アンカラで起きた自爆テロで約100人が死亡したほか、観光名所や治安部隊を狙ったテロや攻撃が相次いでいる。

ユルドゥルム首相は今回、過激組織「イスラム国」(IS)の関与が濃厚との見方を示した。

シリア難民がトルコの財政を圧迫する中、治安の悪化は観光産業など国内経済にさらなる打撃を与えかねない。

イスラム教国でありながら政教分離を国是とするトルコは北大西洋条約機構(NATO)の一員であり、中東の安定を保つ役割を担ってきた。中東への野心を隠さないロシアの南下に対する防波堤ともなってきた。

こうした地位が揺らぐ事態は避けなければならない。

国際社会、とりわけ民主主義を共通の価値とする国々はトルコに連帯を示し、テロという共通の脅威に立ち向かう責務がある。

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イラクとシリアに拡大したIS支配地域に対する掃討作戦は、米欧など有志連合により徐々に効果を挙げているが、IS壊滅への道は遠い。

今月の米フロリダ州のナイトクラブ銃乱射事件のほか、昨年11月にはフランスのパリ、今年3月にはベルギーのブリュッセルで同時多発テロが起きた。過激思想に共鳴した住民によるテロが、米欧でも頻発している。

テロの拡散を阻止するためにも、各国の情報共有やテロ組織への資金流入阻止、貧困対策などをうたった伊勢志摩サミットでの対テロ行動計画などを、迅速に実行に移すことが必要だ。

難民支援などで日本が果たすべき役割は少なくなかろう。

気がかりなのは、トルコのエルドアン大統領が強権的な姿勢を強め、これを批判する米欧との関係がぎくしゃくしている点だ。大統領と良好な関係にある安倍晋三首相が、そうした懸念のあることを直言することも、対テロ結束を強める上で重要だろう。
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[産経新聞] 【主張】大震法の見直し 予知への依存は高めるな (2016年06月30日)

国の南海トラフ地震対策がようやく、抜本的に見直される。

東海地震だけを対象に「警戒宣言」などの防災対応を定めている現行の大規模地震対策特別措置法(大震法)は、現在の地震学の知見と防災の観点から「機能しない」「運用できない」といった指摘があった。

見直しは当然である。東日本大震災後の平成25年に改正された南海トラフ地震対策特別措置法との整合性を持たせ、地震防災の法体系を一貫性のあるものに改める必要がある。

中央防災会議に設置される有識者らの作業部会では、大地震の前兆現象が観測された場合の防災対応などが検討される。

昭和53年に制定された大震法では、南海トラフの東端に震源域がある東海地震だけを直前予知の対象とし、前兆現象が観測されると首相が警戒宣言を発令し、交通規制などの厳戒態勢が敷かれることになっている。

しかし、今は次の南海トラフ地震で東海の震源域だけが動くとは考えられていない。南海トラフの広い範囲が同時に動く巨大地震を想定し、広域で地震・津波に備えなければならない。

また、大震法の警戒宣言と規制を広域で適用すると、かえって防災力が低下する恐れもある。防災と住民生活の維持の観点から規制を緩和する必要があるだろう。

肝に銘じなければならないのは、対象範囲が広がっても、直前予知への依存度を高めてはならない、ということだ。

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中央防災会議は3年前に「確度の高い予測は困難」との見解を示している。前兆現象が観測される可能性はゼロではないが、「予知できない場合」を防災対応の根幹に置くべきである。

予知を前提としない南海トラフ地震特措法に国の法体系を一本化し、直前予知ができるのは特殊なケースと位置づけるべきだ。

予知、予測の手法や情報発信のあり方も作業部会の議題になる見込みだが、確度の低い予測に基づいて具体的な対応を決めるのは無理がある。あまり踏み込んだ議論をする必要はないだろう。

南海トラフ巨大地震では最悪で32万人もの死者が想定され、国の存亡にもかかわる。

なぜ、もっと早い見直しができなかったのか。政治や行政の反省点である。
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[東京新聞] 空港民営化 地域の拠点に育てよう (2016年06月30日)

仙台空港が完全民営化される。国管理の空港では第一号で、高松や福岡などが続く予定。柔軟な経営で収益を上げ、利便性の向上を図るとともに、地域の魅力を国内外に発信する拠点に育てたい。

空港民営化は滑走路などの所有権を国に残し、運営権を民間に与える方式を採る。東急電鉄グループ、前田建設工業、豊田通商の連合体が仙台国際空港株式会社を設立した。国に運営権料二十二億円を支払い、少なくとも三十年経営する。

既に空港ビル運営と物販、航空貨物取り扱い業務を始めており、七月一日から着陸料収受や滑走路の維持管理など、本格的に空港経営に乗り出す。管制とCIQ(税関、出入国管理、検疫)は従来通り国が担う。

民営化の狙いは機動的、効率的な空港経営だ。滑走路と空港ビルの一体経営により、空港ビルの収益を、これまで国が一律に決めていた着陸料の低減に充てられる。閑散期に着陸料を下げれば、路線維持につながる。海外路線の開拓に向けて自由度は広がる。メリットを最大限に生かしてほしい。

国管理二十八空港のうち、滑走路など航空系事業で営業黒字は新千歳と小松だけ。空港ビルなど非航空系を合わせても羽田、広島、松山を加えた五空港しかない(二〇一四年度)。小規模な自治体管理の六十五空港はなお厳しい。

ただ民営化=黒字化ではない。重複コストを削減できても、利用増につながるとは限らない。どう収益を得るかが最大の課題。経営側の創意工夫はもちろん、周辺地域挙げての努力も必要だ。

仙台は格安航空会社(LCC)の誘致を掲げ、ピーチ・アビエーションが来夏からの拠点化を表明した。ソウル便の毎日運航も決まった。民営化のたまものだ。

「東北ブランド」の発信もうたう。二次交通、広域観光などは民間のノウハウが生きる。空港を拠点に地域の魅力を高め、震災復興の象徴となってほしい。

海外では複数空港の一体経営が少なくない。北海道で検討されだした。地方空港の生き残り策として、近隣との経営統合は避けて通れない課題だろう。

統合といえば、北陸の小松、富山両空港は、新幹線開業で利用客が三〜四割減った。能登を含め三空港の一体化はできないか。地域の魅力向上へ民営化の“応用”と合わせ検討する価値は十分ある。

言うまでもないが、コスト面を優先するあまり、安全や環境対策を怠ることは許されない。
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[毎日新聞] NHK経営委員長 信頼回復の責任がある (2016年06月30日)

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会長の任免権を握るNHKの最高意思決定機関として信頼回復の責任を自覚してもらいたい。

NHK経営委員会が、浜田健一郎・前委員長の後任にJR九州相談役の石原進氏を全会一致で選出した。

記者会見した石原氏は、義務化を視野に入れた受信料制度の見直しや国際放送の強化などの課題を挙げ、NHKが変革期にあることを強調した。籾井勝人(もみいかつと)会長については「誤解されるような発言があり、経営委として3度注意した。そういったことがないよう求めたい」と述べた。

来年1月で任期が切れる籾井氏の去就を含めた会長人事が、経営委の最重要課題なのは言うまでもない。

経営委は放送法に規定があり、12人の委員で構成される。「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ」る者を、衆参両院の同意を得て首相が任命すると定められている。

第2次安倍内閣になってからは、首相に近い作家らが委員に選ばれ、資格要件に合わないと批判を招いたことがあった。2010年から委員を務める石原氏は、3年前に籾井氏を会長に推した経緯がある。

石原氏は会見で会長に求められる資質について、受信料に支えられる公共放送として国民の信頼が大事だと述べた。信頼を得るには、前回の会長指名をまず反省すべきだろう。

籾井氏は4月の熊本地震に関する局内会議で、原発報道は「公式発表をベースに」と述べ、国会で真意をただされた。一昨年の就任会見で、国際放送について「政府が右というものを左というわけにはいかない」と語った姿勢は改まっていない。

視聴者は、安全保障関連法や歴史認識などの見解の分かれるニュースを多様な意見を交えて伝えてほしいと考えている。だが、籾井氏の言動は現場に多角的な報道を放棄させ、NHKの信頼を揺るがしかねない。

会長人事は1970年代からほぼ内部昇格が続き、00年代半ばの不祥事で改革を期待された民間の経営者が選ばれるようになった。公共放送のトップとしての資質が置き去りにされているのではないだろうか。

NHK自身も08年の倫理・行動憲章の冒頭に「公共放送として自主自律を堅持し、健全な民主主義の発展と文化の向上に役立つ、豊かで良い放送」を使命として掲げる。

会長の選出手続きについて、経営委は籾井氏を選んだ13年に、密室の審議で混乱を招かぬよう、ルールを明文化した。ただ改善の方向は良くても、結果につながっていない。

経営委は近く指名部会を開いて、当時の経験も踏まえ会長選びの話し合いを始める。執行部に目を光らせながら、公共放送のありようを真剣に考えなければならない。
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[毎日新聞] トルコ空港テロ 安全対策の徹底検証を (2016年06月30日)

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またも空港での惨劇である。アジアと欧州の懸け橋とされるトルコ・イスタンブールのアタチュルク国際空港で、銃乱射と自爆によるテロがあり、多くの死傷者が出た。罪もない人々を無差別に殺傷する非道な手口に、改めて強い怒りを覚える。

同空港は欧州とアジア、中東などを結ぶハブ空港で、欧州地域ではロンドン、パリに次いで利用者が多いとされる。3人とみられる実行犯はタクシーで空港に乗り付け、いきなり銃を乱射、治安当局と銃撃戦になって次々に自爆したという。

今年3月にはベルギーの首都ブリュッセルの空港と駅で同時爆弾テロがあり、それ以来、各国の空港や駅などは警戒を強化していた。にもかかわらず今回のテロを防げなかった理由について、安全対策の徹底検証と見直しが必要だろう。

トルコでは昨年以降、過激派組織「イスラム国」(IS)やクルド系の武装組織「クルド労働者党」(PKK)によるテロが続いていた。今回の事件では犯行声明は出ていないが、ユルドゥルム首相はISが関与した可能性を示している。

ISはちょうど2年前(2014年6月29日)、シリアとイラクを中心とする国家樹立を宣言し、カリフを名乗るISの指導者、バグダディ容疑者に対して、全てのイスラム教徒が忠誠を誓うよう求めた。

それ以来、支配地を着々と広げ、欧州やアジアからも志願兵を集める一方、各地で無差別テロを続けてきた。しかし、イラク政府軍は26日、ISが支配していた拠点都市ファルージャの奪還を発表するなど、最近はISの衰えも目立つ。

アタチュルク空港のテロがISのしわざなら、反ISの前線国家トルコの観光に打撃を与える狙いがありそうだ。トルコは最近、ISと対立するロシアやイスラエルとの関係正常化を図る措置を取っており、これに反発した可能性も捨てきれない。

シリアに隣接するトルコは多くの難民を受け入れる一方、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国として、南部の空軍基地をIS攻撃の拠点として米軍に提供した。トルコは民生面でも軍事面でも、シリア内戦の重い負担に耐えている。

その一方で、エルドアン大統領は政府に批判的なメディアを政府管理下に置いて自由な言論を封じるなど、強権的な手法を取ってきた。テロ防止に努めるのは当然だが、強権政治が民衆の反発を生み、テロの土壌を形成することも自覚すべきである。

空港テロは決して人ごとではない。テロの「ソフトターゲット」とされる無防備な市民をいかに守るか、日本としても万全の対策を練っておきたい。
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[読売新聞] 株主総会 企業統治に向ける目は厳しい (2016年06月30日)

企業価値の向上に対する株主の目は、厳しさを増している。各企業は、収益力強化の前提となる統治体制(ガバナンス)の確立に一層取り組まなければならない。

3月期決算の上場企業の株主総会が山場を迎えた。集中日の29日に総会を開いた企業の割合は、過去最低の3割だった。

9割超の上場企業の総会が特定の日に集中していた1990年代と比べると、様変わりした。総会屋の活動が沈静化してきたことなどが、分散化の要因だろう。

株主は総会屋に煩わされず、社長から経営方針を聞くことができる。複数社の株主が各総会で議決権を行使する機会が増える。分散化は歓迎すべき傾向だ。

東京証券取引所と金融庁が定めた企業統治指針が導入されて、2年目となる。

指針は、ガバナンスの強化策として、73項目の順守を求めている。外部の目で経営を監視する社外取締役の積極活用や投資家との対話の充実などだ。

東証1部上場企業で、独立した社外取締役を選任した社は9割超に上る。2人以上を配置する社も8割にまで増えた。指針導入には一定の効果があったと言える。

取引先の株を保有する「持ち合い株式」の実施理由を開示している企業は9割に達する。収益向上に結び付かない株式をなれ合いで保有していないか、といった点を厳しくチェックするのも、社外取締役の重要な役割である。

不適切会計で歴代3社長が退任した東芝では、5人の社外取締役で構成する指名委員会が決めた綱川智社長らの新経営陣が承認された。指名委は外部登用も含めて検討し、トップにふさわしい人材として社内から選出したという。

社外取締役が人事を主導することにより、経営改革を成し得るかどうか、注目したい。

三菱自動車は、三菱グループなどから4人の社外取締役を招いている。燃費偽装の発覚前には「経営監視は十分機能している」と主張していたが、長年にわたる不正が見逃されていた。社外取締役が機能しなかった典型例だ。

経営陣は法令順守を徹底して事業を遂行する。社外取締役は暴走に歯止めをかける。こうしたガバナンスの確立が欠かせない。

マザーズなど新興市場の上場企業では、2人以上の社外取締役の選任比率が3割程度にとどまる。経営陣に対し、的確に助言できる人材をどう確保するか。経済界全体で取り組むべき課題である。
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[朝日新聞] NHK経営委 会長選ぶ責任は重い (2016年06月30日)

NHKの経営委員会は、最高意思決定機関である。視聴者の代表として経営の方針を決め、会長を選び、罷免(ひめん)もできる。極めて重い役割を負っている。

その新委員長にJR九州相談役の石原進氏が就いた。この5年半、経営委員を務めており、委員12人の互選で決まった。

経営委の当面の大きな仕事は次期会長を選ぶことだ。現在の籾井勝人会長の任期は来年1月で切れる。次こそは、公共放送のトップにふさわしい人物を探してほしい。

石原氏は就任会見で、自身も選任に深くかかわった籾井会長について「誤解されるような発言がある」とし、必要があれば「ご注意申し上げる」と述べた。一方で収支の改善などを「実績」と評価し、「是々非々で考えていきたい」と語った。

籾井会長は2014年の就任時に「政府が右ということを左というわけにはいかない」と述べて以来、政府に寄り添うような発言を繰り返し、報道機関であるNHKへの信頼を揺るがし続けている。経営委から3度にわたり注意された。

国会の予算承認は、通例の全会一致が3年連続で崩れた。付帯決議では「信頼が揺らいでいる現状を重く受け止め、一刻も早い収束と信頼回復に全力を」と、これも3年続けて警告された。さらに「役員は協会の名誉や信用を損ねるような発言は慎むこと」との注文もついた。

にもかかわらず籾井会長は、4月の熊本地震では、原発報道について「当局の発表の公式見解を伝えるべきだ。いろいろある専門家の見解を伝えても、いたずらに不安をかき立てる」と指示し、批判された。

いまに至るも政府の広報機関のような認識しかもたず、国会や経営委にいさめられても言動が改まらない。そんな会長を選んだ責任の重さを、石原氏は厳しく認識すべきである。

自民党からの選挙報道への「要望」や、高市総務相の「停波」発言など、安倍政権と自民党は放送に神経をとがらせる姿勢が目立つ。視聴者にはNHKが萎縮しているのではという懸念が広がっている。このままでは公共放送への信頼が危うい。

公共放送は、政府批判も含めた多様な意見や情報を幅広く伝えることに存在意義がある。

石原氏ら経営委は、政権と適切な距離を置くという当然の姿勢を心得てもらいたい。さらにそれが視聴者に伝わるよう情報発信に努める必要がある。

信頼回復のためには、新会長を選ぶ過程をしっかり開示するなどの透明化も不可欠だ。
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[読売新聞] 安保関連法 抑止力を高める議論が重要だ (2016年06月30日)

北朝鮮は、4回目の核実験を強行し、ミサイル発射を繰り返す。中国も、日本の領海や接続水域への進入や南シナ海での軍事拠点化を加速し、力による現状変更の動きを強める。

日本が、3月施行の安全保障関連法を適切に運用し、米国などとの防衛協力を強化する重要性は増している。各党は参院選で、厳しい安保環境を直視し、抑止力を向上させる議論を深めてほしい。

自民党は公約で、安保関連法を踏まえて、「あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な態勢を構築するとともに、日米同盟を不断に強化する」との方針を掲げた。「国際社会の平和と安定の確保に積極的に貢献する」とも明記した。

最近の北東アジア情勢をうかがえば、様々な不測の事態に備え、自衛隊と米軍の連携を強めねばなるまい。情報を共有し、共同の警戒監視活動を重ねることが、日米の信頼関係をより強固にする。

自衛隊が南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)やソマリア沖の海賊対処活動を通じて、世界の安定に寄与することは、日本の存在感や発言力を高める。日本自体の安全確保にもつながろう。

公明党は、「不断の外交努力と平和安全法制の両輪」を重視する考えを示している。

妥当な主張だ。外交と軍事は相互補完関係にある。防衛力の裏打ちがあってこそ、紛争を回避する外交を効果的に進められよう。

おおさか維新の会は、日本周辺に限定して集団的自衛権の行使を容認するという。日米同盟の強化などでは与党と共通する主張も少なくない。建設的な立場で論戦に参加することが大切だろう。

疑問なのは、民進、共産、社民、生活の4野党が安保関連法を「憲法違反」などと一方的に決めつけ、廃止を訴えていることだ。

集団的自衛権の行使を限定容認する安保関連法は、合理的な憲法解釈変更によって従来の政府見解と整合性があり、問題はない。

民進党が公約に「日米同盟の深化」を明記しつつ、安保関連法廃止を求めるのは矛盾している。

共産党の藤野保史政策委員長はNHK番組で、防衛費について「人を殺すための予算」と語った。あまりに不見識で、耳を疑う。

藤野氏は発言を取り消し、委員長を辞任したが、背景には、一般国民と乖離(かいり)した共産党の「反自衛隊」の姿勢がある。民進党は、共産党との連携の是非について、真剣に再検討すべきではないか。
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[朝日新聞] 参院選 震災の教訓 ハード偏重ではなく (2016年06月30日)

参院選が始まった。震災が話題になることが減った。でも、被災地のことを忘れないでほしい――。本紙声欄に、宮城県石巻市で被災した短大生(18)のこんな投書が載った。

「3・11」の東日本大震災から5年余り。いまも16万を超す人々が避難生活を送る。うち5万人は壁の薄いプレハブ仮設住宅で6度目の夏を迎える。

安倍首相は公示日に、民進党の岡田代表も2日後に福島県を訪れた。だが選挙戦では、防災や復興は脇に追いやられた印象がぬぐえない。岩手、宮城、福島の被災3県の地域課題のような扱いにも見えてしまう。

これではいけない。熊本地震や鬼怒川の決壊、御嶽山の噴火のように大規模災害はいつ、どこで起きるかわからない。どう備え、発生後にどう対応するのかは参院選の重要な論点だ。

「3・11」は防災を考えるうえで様々な教訓をもたらした。

「災害に上限なし」「巨大防潮堤などハード対応には限界がある」「土地利用規制や避難策などハード・ソフトを総動員する多重防御が必要だ」……。

多様な取り組みで被害の最小化をめざす「減災」という言葉も広まった。

こうした視点で各党の公約を見ると、気になる部分がある。

自民党は「住宅・建築物、道路、堤防、港湾等のインフラの耐震化」など国土強靱(きょうじん)化を前面に打ち出している。対策の柱に従来のハード重視の考え方が色濃く残る。

民進党は「災害対応のノウハウを持つ府省庁の職員を速やかに派遣」、公明党は「災害対策を担う専門的な人材の確保」を掲げる。共産党は乱開発を防ぐための「防災アセスメントの導入」を訴えている。

震災対応の経験を受け継ぐことは、学校での防災教育とともに重要なソフト対策だ。それだけに、もっと具体的な策を示せないだろうか。

公約とは別に、参院選の論戦で残念なのは、「3・11」の現場で見えた課題への対策が語られていないことだ。

たとえば、人口が減っていく津波被災地で、人口増を前提とした制度でまちづくりが進んでいる。人口減に対応する新制度が必要なのは明らかだ。

災害救助法は戦後まもない制定時のまま「現物給付」の原則で運用され、機動性に欠ける点がある。なぜ見直さないのか。

法や制度を平時に改善しておくことは国会議員の仕事だ。それが次の大災害への備えになる。だからこそ、現実を踏まえた具体的な議論を望む。
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2016年06月29日

[産経新聞] 【主張】リオ視察中止 都議会の存在意義を疑う (2016年06月29日)

今は翼を畳んで、吹きすさぶ強風がやむのを待つばかりと見える。そうであるならただ、自らの存在意義を否定しているにすぎない。

東京都議会はこの夏、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックに、27人の視察団を送る計画を中止した。

都議会は、諸経費の高騰などから当初予算の6200万円を大幅に超えると見込まれるためと説明した。舛添要一前知事の高額海外出張費に批判が集まったため、世論の反発を避けたということなのだろう。

東京は2020年、五輪を開催する。ホスト都市としての課題は山積しており、リオ五輪は最後の生きた教材でもある。視察が不可欠なものであるなら、都民への説明を尽くせばいい。規模が大きすぎるなら、縮小を図ればいい。

その努力もしないまま、視察団の派遣中止だけを決めた。これでは、最初から視察は必要がなかったのではないかと揶揄(やゆ)されても、仕方あるまい。

都議会が動かないのは、五輪視察だけではない。舛添氏は政治資金の公私混同など、多くの疑惑を残したまま辞職した。都議会総務委員会は、予定された2回目の集中審議を中止した。

舛添氏は、家族同伴で宿泊した千葉県内のホテルの料金明細書を提出することを言明していた。政治資金で購入した美術品などを開示することも約束したが、どちらも果たされていない。

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「けじめ」として舛添氏が表明した神奈川県湯河原町の別荘の売却や、美術品の寄付についても実行されるのか不透明なままだ。舛添氏は何も語らず都庁を後にし、それでも都議会は追及しない。

「知事を辞職したから」ですべてが終わるなら、あの追及は何のためだったのか。

政治資金の適正使用に対する都民の疑念、怒りを背景とする質疑だったはずである。疑惑を徹底的に追及し、同様の公私混同の再発防止に結びつけることこそ重要だったのではないか。

それともブーメランのごとく、都議の不正疑惑に飛び火することを恐れたか。否定するなら、追及を続ければいい。

疑惑追及は尻切れのまま、五輪視察には行かない。都議会とは、何もしないことが仕事なのか。そう言われて悔しければ、説明のつく行動で示してほしい。
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[産経新聞] 【主張】党首間の討論 まず開催に値する提案を (2016年06月29日)

参院選期間中に、安倍晋三首相との直接討論の場をさらに設けるよう、民進党の岡田克也代表らが求めている。

自らの主張を有権者に訴えるばかりの街頭演説だけでなく、党首が膝をつき合わせて議論する機会を増やす。

主張の違いが明確になり、聴く方からすれば分かりやすい。可能な限り開催すればよかろう。

問題は、期待に応える討論会になるかどうかである。共闘を組む野党4党が異口同音に抽象的な政権批判を繰り返すばかりのものなら、討論に値しない。

聴きたいのは、内外の危機を克服する具体的な答えなのだ。

公示から1週間を経て、諸課題をめぐる論戦の深まりがみられたとは言い難い。たとえば社会保障政策だ。

少子高齢化の本格化を控え、与野党は財源確保に関して今も具体的な処方箋を示していない。

消費税増税の再延期で実施が困難視される政策の財源に関しても、「税収を増やして賄う」といった曖昧な議論からどれだけ深化がみられただろう。

憲法がクローズアップされているのに、改憲を党是とする自民党は改正項目を具体的に語らない。民進党は党内の意見集約ができず具体的な議論に入れない。

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こうした状況を脱し、踏み込んだ主張をぶつけ合わなければ、魅力ある討論など望めない。

自民党は断ったようだが、再考すべきではないか。「期日前投票の前に議論を終えておくべきだ」という理由を挙げていたのは意味不明だ。

期間中、さまざまな機会を通じ、国のありようをぎりぎりまで有権者に訴えるのは当たり前のことだろう。とくに公示後に起きた重大な問題に対し、どのような所見を持っているのかも重要なポイントだ。

英国の欧州連合(EU)離脱問題を契機に、世界経済はもとより、外交・安全保障への影響が懸念されている。不確実性が強まっている国際社会に、どう向き合うべきか。

公示日には、北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射した。力による現状変更をやめない中国も含め、日本の安全を脅かしているのが実態である。安保関連法の廃止をうたう野党はこれに答えなければ討論の資格はない。
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[東京新聞] 来日から50年 ビートルズに教わった (2016年06月29日)

♪居場所のない者よ、お前は誰も見たことのない景色を見てる。世界は道を示している…。日本公演の九曲目に歌った「ひとりぼっちのあいつ」。あれから五十年。ビートルズは今も、そこにいる。

五十年前のきょう未明、ビートルズが初めてアジアにやってきた。台風4号の影響で一日遅れの到着だった。“二つの台風”と新聞は書いていた。

デビューから四年。“世界を変えた”四人もまだ二十代半ば。熱狂する若者に大人たちの多くは戸惑った。きっと恐れもあったのだろう。エレキは不良、長髪は不潔、ロックはただの騒音と決めつけた。

しかし若い世代は、それまでに聞いたことのない音楽や見たこともないスタイルから、新しい価値観をはぐくんだ。「こんなことができるんだ。してもいいんだ」と気づかされたのだ。

自分で作った楽曲を、自分で演奏してもいい。髪の毛を伸ばしても、襟なしスーツを着るのもいい。戦争に反対するのも、勲章をもらうのもいいだろう…。

時あたかも、いざなぎ景気と学園紛争真っただ中、戦中戦後の抑圧から解き放たれた若者たちが、主張を始めたころだった。

滞日わずか百三時間。東京・日本武道館限定。一ステージ三十分余の五回公演。チケットの抽選に全国から二十三万通の応募はがきが寄せられた。

愛知県西部の県立高校では、当選した一人の女子のため、交通費をカンパした。東海道新幹線は二年前に開通していたが、東京はまだ遠かった。クラスみんなの気持ちを武道館へ送りたかった。

開演。悲鳴の中に歌声が入り交じる。七曲目の「イエスタデイ」が始まると、場内がシーンとなった。「世界中の時が止まった」と、客席の多くが感じていた。

都内の女子大生は、武道館に空き瓶を持って行き、ビートルズと一緒に吸った空気を詰めて封をした。五十年解いていないという。

去年再来日したポール・マッカートニーのショーには、その孫の世代も詰め掛けた。

あの日の風が封印された小瓶のように、ビートルズは今も、時空をつないでいるのだが、時代は再び変わり目を迎えているようだ。

来日時の記者会見で「富と名声を得て、次にほしいものは」と問われ、ジョン・レノンはひと言、「ピース(平和)」と言った。

あれから半世紀。ジョンの望みは、まだかなえられていない。
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[東京新聞] 電力株主総会 原発頼み脱する道を (2016年06月29日)

福島原発の大事故から五年。今年も電力各社の株主総会では脱原発の株主提案が出され、紛糾の末、否決された。しかし脱原発を促す変化は広がっている。経営陣はそれを見逃してはいけない。

東京電力、中部電力など原発を抱える電力九社の株主総会は福島の事故後、はじめて「全社黒字」という好業績の中で開かれた。

株主席から経営陣への励ましが聞かれる穏当な総会になってもおかしくないところだが、九社すべてに脱原発を求める株主提案が出されて紛糾。昨年同様、なんとか閉会にこぎ着ける総会となった。

国内の原発は昨年再稼働した九州電力の川内1、2号機しか動いていない。にもかかわらず達成された好決算は、原油価格下落があるとはいえ、原発に依存しようとする経営に疑問を投げかける。

それだけではない。原発頼みの電力経営を取り巻く環境には、はっきりと変化が見える。まず司法の壁がある。

福島の事故後、原発の再稼働にストップをかける司法判断はすでに三件。今年三月には再稼働したばかりの高浜原発3、4号機で大津地裁が差し止めの仮処分を決めた。関西電力は安全対策などに多額の費用をかけたが再稼働は四十二日間で終了。期待した財務体質の大幅な改善は遠のいた。

福島の大事故は司法の判断にも影響を与えているはずだ。住民からは、各地の原発で即効性のある「仮処分での運転差し止め請求」が相次いでおり、再稼働の行方は見通せない。

電力不足はどうか。節電意識の定着で政府はこの夏、東日本大震災後初めて節電要請をしないと決めた。背景には日本の人口減少、少子高齢化、経済の低成長という電力需要を抑制する大きな要因が横たわっている。

再生エネルギーの技術革新は着実に進み、人工知能(AI)はあらゆる分野に抜本的な変革をもたらす可能性がある。

五年間にこれだけの変化がある一方で、福島原発の事故処理、廃炉や放射性廃棄物の処理には百年単位の厳格な対応が求められる。その見通しすら立てられない以上、この国で脱原発を求める世論が鎮まることはないだろう。

電力会社は民間企業ではあるが原子力発電は国策。経営陣が脱原発へと舵(かじ)を切るのは政府の判断抜きには困難だろう。だが、経営陣には原発が置かれた環境の確実な変化を見極める責任がある。
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[毎日新聞] 視点・2016参院選 日中関係 リスク正視し、対話を=論説委員・坂東賢治 (2016年06月29日)

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日中関係改善の動きが停滞する中、中国海軍が日本周辺での行動を活発化させている。日本に対する「航行の自由」作戦ともいえるものだ。

しかし、中国の新たな動きにどう対応し、日中関係の現状を打開していくのか。与野党ともに具体的な考え方を示しておらず、危機意識が感じられない。もっと議論が必要だ。

中国軍の活動は南シナ海で米軍が実施する「航行の自由」作戦を日本が支持し、5月の主要国首脳会議で南シナ海問題の議論を主導したことに対する意趣返しとみられている。

尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域にロシア海軍艦船を追尾して中国海軍の艦船が初めて入ったほか、口永良部(くちのえらぶ)島沖の領海内を情報収集艦が航行した。

緊張を高める、一方的な行動に日本政府が抗議したのは当然だが、接続水域の航行自体は国際法違反ではない。中国は領海侵入についても「国際海峡であるトカラ海峡」を通過通航したと合法性を主張している。

中国の主張を受け入れる必要はないが、シグナルは正確に受け止めるべきだろう。特に「国際海峡」との主張は初めてのことであり、日本の国連海洋法条約解釈に挑戦する、計算ずくの行動と考えられるからだ。

国際海峡には領海内でも通過通航権が認められる。潜水艦が潜行したり、航空機が上空を飛行したりすることも可能と解釈される点で領海通過の際の無害通航権より強い権利だ。

日本は宗谷、津軽など五つの海峡を「特定海域」として本来12カイリの領海を3カイリにとどめ、自由に航行できる公海の部分を残して国際海峡の認定や通過通航権の適用を回避する政策をとってきた。しかし、欧米の国際法学者の間には5海峡をはじめ、トカラ海峡など複数の海峡を国際海峡とする見解がある。米国の立場もこれに近いとされる。

日本はトカラ海峡は国際的な通航には使われておらず、国際海峡ではないとの立場だ。海洋法条約の解釈は確立しておらず、正当性を主張する余地がある。しかし、中国が実際に航空機や潜水艦を航行させた場合、どう対応するのか。米国の出方も不透明だ。

偶発的な衝突の回避のためには中国の真意をただすなど意思疎通が不可欠だろう。米中には一定の危機管理メカニズムがあるが、日中の海空連絡メカニズムの交渉は進んでいない。

9月には安倍晋三首相が訪中し、年内に日本で日中韓首脳会談が開かれる予定だ。日中間のリスクを正視し、危機管理のための対話を進めるべき時だ。
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[毎日新聞] ふるさと納税 返礼品の制限が必要だ (2016年06月29日)

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本来の趣旨を踏み外し、税のあり方をゆがめているのではないか。

故郷や応援したい自治体に寄付すると、税が軽減される「ふるさと納税」が急増している。2015年度の寄付額は1653億円と前年度の4倍以上になった。問題は、自治体が返礼品を豪華にして、寄付の獲得競争を過熱させていることだ。

寄付額から2000円を除いた分が所得税と住民税から控除される。寄付額は年収などに応じた上限があるが、「地方創生」を掲げる政府は15年度から上限を2倍にした。

上限引き上げが返礼品競争をあおった面は否めない。自治体が15年度に返礼品調達に費やした額は寄付額の4割だ。地元の農産品が多いが、無関係な商品券や家電も目立った。

千葉県大多喜町は1万円を寄付すると商品券7000円分がもらえる仕組みにした。15年度の寄付額は前年度の40倍近い約18億円に達した。

ふるさと納税は寄付税制の一環だ。見返りを求めない寄付を後押しするため、税控除を認めている。豪華な返礼品はこの趣旨に反する。

高所得者ほど寄付額の上限も高く、高額の返礼品を受け取れる。換金できる商品券が増えると、富裕層の節税に使われやすくなる。

ふるさと納税には一定の意義がある。都会の住民が応援したい自治体に認められる範囲で寄付ができる。地方は税収不足を補い、人口減対策や福祉などに充てられる。

自治体間の税収の偏りを調整しているのは、国が自治体に配分する地方交付税交付金だ。国民が国と異なる観点から自治体を支援すれば、多彩な地域活性化につながるだろう。

災害支援にも役立っている。熊本地震では、熊本県の被災自治体に30億円超が寄付された。

こうした制度の趣旨を生かすため、運用の改善に取り組むべきだ。

総務省は今年4月、商品券などの自粛を求める通知を出し、大多喜町も廃止を決めた。ただ、強制力はなく、競争は解消されていない。

自治体に求められるのは、返礼品に頼らず、独自のまちづくりで魅力を高め、寄付先に選ばれる工夫をすることだ。全国知事会などで自主的に返礼品の額に一定の上限を設けることなどを検討すべきではないか。

自治体の動きが鈍ければ、国が規制に乗り出す必要が出てくるかもしれない。しかし、国の干渉は自治体にとって好ましくないはずだ。

住民税は、居住地の自治体から受ける行政サービスに応じて税を払う「応益負担」の原則に基づく。ふるさと納税は、この原則から外れるが、政策効果を踏まえて許容されている。それだけに自治体は節度ある対応を心がけてほしい。
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[読売新聞] 高校教科書不正 業界に規範意識はないのか (2016年06月29日)

小中学校の教科書を巡る不正営業に続き、高校の教科書販売でも新たな問題が発覚した。

教科書会社の大修館書店が、自社の英語教科書を採用した高校に問題集を無償配布していた。選定関係者への金品の提供を禁じた業界の自主ルールに違反する行為だ。

文部科学省への報告では、確認できただけでも2013年から6万冊近くを配り、総額は約1700万円相当に上る。今年だけで30都道府県の91校に配った。各地の営業拠点が関与していた。

鈴木一行社長は、会社ぐるみの不正を否定した。しかし、組織的に行われ、常態化していたと見るのが自然だろう。

文科省は、高校教科書を発行する約40社に緊急調査を命じた。実態把握を急ぎたい。

教科書業界は、検定中の小中学校教科書を教員らに見せ、謝礼を渡していた問題で強い非難を浴びた。業界団体の教科書協会は4月に、過度な営業を自粛する新たな行動規範案をまとめた。

看過できないのは、大修館書店が、その頃もせっせと無償提供を続けていた点だ。営業担当者は、小中学校教科書の問題をよそ事と捉えていたのか。

鈴木社長は27日、無償提供問題の責任を取り、教科書協会の会長を辞任した。業界の信頼を再度、失墜させた責任の重大さを考えれば、当然の対応である。

小中学校の教科書は、教育委員会が地域ごとに一括採択するのに対し、高校の教科書は、学校ごとに選定し、教委が追認する。

このため、教員の意向が採用に影響しやすい。教科書会社の営業担当者と教員が癒着しやすい仕組みだと言えよう。選定にあたっては、教科書会社と教員の双方に、強い規範意識が求められる。

公正取引委員会は1956年、利益供与などの過度な売り込みを抑えるため、教科書を独占禁止法に基づく「特殊指定」の対象とした。規制緩和の流れの中、06年に指定が解除され、業界の自主的な取り組みに委ねられた。

相次ぐ不正は、ルールが形骸化していたことを物語る。

教科書業界の自浄能力が問われている。業者が違反営業を相互監視し、不正を見つけたら協会に報告する。協会は、違反を犯した業者に社名公表などのペナルティーを科す。こうした新ルールを厳格に運用せねばならない。

不正営業に接した教員も、教委に通報するなど、毅然(きぜん)と対処することが重要である。
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[読売新聞] 農業政策 TPP前提に競争力を高めよ (2016年06月29日)

日本農業の再生には、輸出拡大や農地の大規模化といった「攻め」の対策が欠かせない。

参院選では、次世代が明るい展望を描けるような前向きの政策を競うべきだ。

論戦の焦点は、日米など12か国による環太平洋経済連携協定(TPP)合意への対応である。

工業製品の輸出増などで、TPPの経済効果が13兆円を超える一方、農林水産品の生産額は年最大2100億円減ると、政府は試算する。農業関係者には、安い外国産品の流入への警戒感が強い。

自民党は公約に、TPP発効時の政府の需給対策として、輸入する外国産米と同量の国産米を備蓄用に買い入れると明記した。2020年に農林水産品の輸出を1兆円に増やす目標を前倒しで達成するとも訴えている。

15年の農林水産品の輸出額は7451億円に上り、3年連続で過去最高を更新した。TPPによる海外市場の開放は、日本産品の販路拡大にも寄与しよう。

農業の輸出産業化を推進するためにも、ブランド産品の育成や、生産から流通まで手がける6次産業化の具体策が問われる。

理解に苦しむのは、民主党政権時代にTPP交渉参加を目指した民進党が、「今回の合意に反対」していることだ。コメなど重要品目が「聖域」として扱われず、交渉経過が不透明だという。

だが、日本の農林水産品の関税撤廃率は81%で、他国を大きく下回る。交渉経過も、参加国間の取り決めで非公表とされた。民進党の主張は筋違いだろう。

農協政治連盟(農政連)は今回、自民党候補を推薦せず、自主投票とした県組織が相次ぐ。TPP合意と農協改革への不満からだ。

各党はTPPの発効を前提として、農業の国際競争力を高める具体的な戦略を競ってほしい。

民進党が主張する民主党政権の「戸別所得補償制度」の復活も疑問である。零細・兼業者も含めた一律の補助金が、農家の規模拡大や経営改善に逆行するからだ。

自民党が掲げる農業農村整備予算の増額も、費用対効果を吟味し、産業の高度化に役立つ事業を厳選して行うことが求められる。

国内の農業人口は昨年209万人と、5年間で2割も減少した。これに歯止めをかけるには、「稼げる農業」を実現することが肝要だ。自民党が唱える「コスト低減や高収益作物・栽培体系への転換」を徹底する必要があろう。
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[朝日新聞] 参院選 地方対策 自立を促す改革を (2016年06月29日)

東京ばかりに人が集まり、地方は過疎化が止まらない。こうした流れを変えるため、中央と地方の関係見直しは急務だ。

昨年の国勢調査では、8割を超す市町村で人口が減った。安倍政権が進める「地方創生」の方向性は正しいのか。参院選を通じ、改めて考えてみる。

ほぼ半数の自治体が消滅する可能性があるとの民間研究組織の推計が衝撃を広げ、安倍政権が「地方創生」を政策の柱に据えたのは2年前だった。

ただ、矢継ぎ早に打ち出した施策からは、根強い中央集権的な考え方がうかがえる。

典型は、JR東海のリニア中央新幹線計画への肩入れだ。

安倍首相は今月、数兆円規模の公的資金を低利でJRに貸し付け、東京―大阪間の全線開業を前倒しする考えを表明した。整備新幹線の建設も急ぎ、全国を一つの経済圏に統合する「地方創生回廊」にしたいという。

だが、すでに全人口の5割以上が集中する3大都市圏の直結が「地方創生」にどうつながるのだろう。田中角栄元首相が日本列島改造論を掲げた70年代以降、自民党政権が推し進めた新幹線や高速道路網の建設が、過疎化の歯止めにならなかった教訓を忘れてはなるまい。

政権が地方創生の目玉として設けた交付金制度にも上意下達の性格が色濃い。自治体の提案した事業を国が評価し、予算を配分する仕組みだ。今年度までに計3700億円が計上されたが、観光振興や地場産業育成などの事業が並び、人の流れを変えられるか、心もとない。

発想の転換が必要だ。一時的に金をばらまき、自治体を「元気にする」のではなく、恒久的な財源と権限を渡して「自立」を促す。そういう分権改革が今こそ必要ではないか。

この点で野党側の公約も迫力を欠く。民進党は「地域主権改革」を掲げるが、民主党政権当時に進められなかった分権の具体策を示していない。おおさか維新の会は、大阪の副首都化で東京一極集中を打破すると説く。他の地方にどんな波及効果があるのか、見えにくい。

「日本一の子育て村」構想を掲げ、積極的な子育て支援を打ち出している島根県邑南(おおなん)町、インターネット環境が整い、IT企業の進出が相次ぐ徳島県神山町など、近年注目される地域に共通するのは、お仕着せではなく、自発的な取り組みで人を引きつけていることだ。

自治体の足腰を強くし、柔軟な発想を引き出す。そういう方向に国全体を変えていくことが、政治に期待される役割だ。
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[朝日新聞] 民泊解禁へ 新たな価値を育むには (2016年06月29日)

自宅やマンションなどの空き部屋を宿泊用に提供する「民泊」について、政府の専門家会議が報告書をまとめた。

旅館業法に基づく許可が必要なホテルや旅館とは区別し、新たな法律を作って解禁する。部屋を提供する家主や、家主から管理を委託された不動産業者、貸し手と借り手をインターネットで仲介する専門業者に、届け出や登録制度を通じて一定の義務を課す。そんな内容である。

民泊は、近年注目されるシェアエコノミー(共有型経済)の代表例だ。個人が所有する住宅を開放し、旅行者との出会いや交流を楽しむことに価値を感じる。そんな変化を受けた新しい概念である。

ただ、法制度が整わないまま現実が先行している。民泊を巡っても、宿泊者が残したゴミの処理や騒音を巡る近隣住民とのトラブルが急増し、見知らぬ人が頻繁に出入りすることへの不安も高まっている。

紛争を防ぎつつ、新しい価値をどう育んでいくか。積み残した課題は多く、法案作成に向けて検討を尽くさねばならない。

家主や不動産業者には、宿泊者名簿の作成▽民泊施設としての表示▽マンションの契約や規約に反していないことの確認などを義務づける。ネットによる仲介業者には利用料金など取引条件の説明義務を課す。これが制度の骨格だ。

ただ、いまも現行法を無視した「ヤミ民泊」が横行していることを考えると、どこまで実効性を保てるのか、不安が残る。京都市は、自治体が規制を柔軟に決められる仕組みを求めている。民泊と直接向き合うのは自治体だ。一考に値しよう。

物件ごとの提供日数も課題だ。報告書は「年間180日以下」としただけで結論を持ち越した。旅館・ホテル業界は「宿泊施設には特別の設備が要求されるのに、民泊はいらない。不公平だ」と主張している。

政府が民泊解禁に踏み切るのは、訪日外国人の急増で大都市圏を中心にホテルが不足している事情が大きい。2020年の東京五輪もにらみ、既存の資産を活用するのは有効な方法だろう。ただ、海外では民泊の拡大で賃貸物件が不足し、家賃が高騰する弊害も指摘されている。

「共有」を通じて交流が増えること自体は好ましい。海外からの旅行者に日本の日常に触れてもらう機会となり、草の根での文化理解につながるだろう。

遊休資産を使った金もうけにとどめず、新たな価値につなげる。そんな意識で民泊の健全な発展を目指したい。
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