2016年01月31日

[産経新聞] 【主張】電力自由化 安定供給が競争の前提だ (2016年01月31日)

家庭向けの電力小売りが4月から全面的に自由化される。都市ガスや石油元売りなど約130社が参入を表明し、契約の受け付けも始まった。

既存の大手電力を含めて競争を促し、料金引き下げなど消費者利益を高めるのが自由化の狙いである。だが電力は暮らしや産業を支える重要な基盤であることを忘れてはならない。安定的な電力供給こそが競争の大前提だ。

そのためには、安全性を確認した原発を早期に再稼働させ、十分な電源を確保することが不可欠である。自由化の目的を達成するためにも、安定供給を最優先させてほしい。

これまで家庭向け料金は規制の下で、コストに一定の利益を上乗せする総括原価方式で決まっていた。これが4月から緩和され、消費者が自由に電力会社を選べるようになる。

通信会社やケーブルテレビなどを含めた新規参入組が新電力として登録済みだ。携帯電話と電気のセット契約など、各社とも多様な料金やサービスを売り物にしており、大都市部を中心に顧客の囲い込みが激しくなりつつある。

一方で料金体系が複雑になるなどの弊害も指摘されている。事業者には消費者の混乱を招かぬように丁寧な説明が求められる。解約時に違約金を徴収する例もある。新たに発足した電力取引監視等委員会はそうした契約内容を含めて監督と指導を徹底してほしい。

「電気が止まる」などと制度改革に便乗した悪質な商法も懸念される。とくに1人暮らしの高齢者らが被害に遭わないように政府や自治体は電力自由化の周知活動にも取り組むべきだ。

新規参入企業の中には、現在よりも1割程度安くなる料金を提示するところもある。これは主に電力使用量が多い家庭を対象にした契約だという。

だが、全国平均の家庭用料金は原発停止に伴い、東日本大震災前より2割程度上昇している。最近は原油安で値下がり傾向にあるが、さらなる料金引き下げを促すためにも多様な電源の活用を考えたい。

ほとんどの新規参入企業は自社電源を持たず、他社からの電力調達を想定している。安定的な電源の確保に加え、災害などによる停電復旧についても万全の顧客対応が取られなければならない。
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[産経新聞] 【主張】ラブロフ発言 領土否定なら交渉できぬ (2016年01月31日)

北方領土交渉の前提を真っ向から否定する発言を許してはおけない。

ロシアのラブロフ外相が日本との平和条約締結について「北方領土問題の解決と同義ではない」と述べたことである。

日本の立場は、わが国固有の領土である北方四島の帰属問題の解決が、平和条約を締結する大前提とするものだ。

しかも、この方針は過去の交渉の中で確立されてきたものでもある。これらを無視する発言をロシア側が撤回しないなら、領土交渉を続ける意義を問い直さなければなるまい。

発言に対し、萩生田光一官房副長官が「条約締結交渉の中核はまさに北方四島の帰属、すなわち領土問題そのものだ」と反論したのは当然としても、外務省などから誤りを明確に指摘する声が上がらないのはどうしたことか。

1993年に日露首脳が署名した東京宣言も、北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を早期に締結することを明記している。

政府が直ちになすべきは、こうした両国間の合意に立ち戻るようロシア側に厳重抗議することだ。2月には外務次官級協議を実施する方針だという。領土交渉の前提を否定する相手と、いったい何を話し合えるというのだろうか。

本質的な問題を棚上げしたままで、安倍晋三首相の非公式訪露とプーチン大統領との対話に向けた地ならしができればよい、という判断なら誤りだ。

ラブロフ氏が、第二次世界大戦の結果、北方四島がソ連領になったと主張し、それを日本側は受け入れよ、と繰り返し述べている点も容認できない。

ソ連が大戦の終結前後に日ソ中立条約を破り、武力で4島を不法占拠したのが史実である。火事場泥棒ともいえる行為を、大戦の結果と強弁しているにすぎない。

必要な反論を怠る日本政府の足元を見透かすように、ロシアは北方領土の実効支配を強める措置を急いでいる。ショイグ国防相は今月、択捉島と国後島で年内に220以上の軍事関連施設を完成させる必要性を強調した。

交渉の基本的な立場を損なってまで、対話を優先する姿勢は、誤ったメッセージをロシア側に与えかねない。政府間協議を続ける上で、ラブロフ発言の撤回が先決であることを、安倍政権は明確に表明すべきだ。
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[東京新聞] 民主党大会 政策にさらなる磨きを (2016年01月31日)

民主党にとって夏の参院選は、政権奪還の足場づくりができるのか否かの正念場である。国民の信頼を再び取り戻すには、実現を目指す政策に磨きをかけ、国民に地道に訴えていくしかあるまい。

「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」。夏の参院選向けポスターの文言が、党の苦しい立ち位置を象徴しているようだ。

民主党はきのう都内で定期大会を開き、岡田克也代表があいさつで、参院選について「安倍政治の暴走を止め、政権交代への大きな足掛かりにしなければならない」と訴えた。

民主党を取り巻く環境は依然厳しい。政権交代を許した二〇一二年の衆院選を含め、国政選挙で三連敗し、今や安倍晋三首相の「一強」といわれる政治状況である。

政権担当時の「失政」の記憶は依然、国民に深く刻まれ、昨年十二月の共同通信世論調査では民主党の支持率は10%に満たない。

安倍政権は昨年九月、憲法違反とも指摘される安全保障関連法の成立を強行し、若者や女性を含めて幅広い層が反対デモに参加したが、民主党は自らの政党支持に取り込めていないのが実態だろう。

安倍政権は衆院に加えて、夏の参院選でも「改憲派」で三分の二以上の議席を得て、憲法改正を発議したい考えのようだ。国民が憲法を通じて権力を律する「立憲主義」を蔑(ないがし)ろにする現政権下での改正は危ういと言わざるを得ない。

安倍政権は最近でこそ、再分配政策を口にし始めたが、企業寄りとされるこれまでの経済政策が格差拡大の一因となったことは否定できまい。甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題は、自民党の古い「口利き」体質が改まっていないことも明るみに出した。

自民党との対立軸は多い。自民党政治とは違う政策、政権の選択肢を示す責任が民主党にはある。

国民の声に耳を傾け、党内で議論を尽くし、政策としてまとめなければならない。磨き上げられた政策だけが、国民をひきつけ、信頼を得ることができる。

民主党は維新の党と衆院で統一会派を結成するなど、参院選に向けて野党勢力の結集を目指している。岡田氏は党大会で新党結成も選択肢だと明言した。

しかし、選挙目当ての新党がどれだけつくられ、消えていったことか。大事なことは理念・政策であり、それを実現する不退転の決意だ。議員個人の生き残りが主眼なら、新党を結成しても有権者に見透かされるのが落ちである。
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[東京新聞] マイナス金利 追い込まれての弥縫策 (2016年01月31日)

日銀が追加緩和で決めたマイナス金利導入は、決定会合での賛否拮抗(きっこう)が示すように効果が疑問視される弥縫策(びほうさく)だ。物価上昇目標の達成時期がまたも先送りされ、デフレ脱却は遠のくばかりだ。

賛成五、反対四。日銀の最高意思決定の場である金融政策決定会合の票数がすべてを物語っている。正副総裁の三人を除けば審議委員の大半が反対したのである。

マイナス金利の導入について黒田東彦総裁は、つい十八日の国会答弁も含め一貫して否定してきた。それが一転、「量的・質的緩和に金利を加えた三次元緩和によりデフレマインドを払拭(ふっしょく)したい」と言説が変わった。量的・質的緩和の限界を逆に印象づけた。

マイナス金利は、民間銀行が日銀の当座預金に預けるお金の金利(付利)をマイナスにすることで、日銀預金をやめ企業への貸し出しなどを促す狙いだ。金利が一段低下するが民間銀行は利ざや縮小で収益が減る。このため貸出金利の引き上げに動き、かえって実体経済を悪化させるおそれがある。

そもそも、これだけ超低金利の資金をあふれさせても企業の資金需要が高まらないのだから、マイナス金利による貸し出し増の効果などは限定的ではないのか。

それでも日銀がマイナス金利に踏み切らざるを得なかったのはなぜか。それは物価上昇目標の達成時期を先送りするのに何も追加緩和策をとらなければ、政策の本気度が疑われるからだろう。

これまで「二〇一六年度後半」としてきた達成時期を、今回は「一七年度前半」に先送りした。当初の「二年で2%の物価上昇目標」は「四年で2%」となる。ずるずると先送りを繰り返すだけでは、日銀の金融政策への信頼が失墜しかねない。すでに昨年十月に、達成時期を先送りしながら金融政策を維持したことで、市場から「異次元緩和は論理が破綻した」と批判が出たのである。

日銀は今回、同じ轍(てつ)は踏まないよう「目先を変える追加緩和策」を講じるとともに、三月の追加金融緩和を示唆している欧州中央銀行(ECB)と歩調を合わせ、国債などを大量購入する量的緩和策の拡大を行う可能性を残したともいえる。

とはいえ日銀が大量購入してきた国債は流通量に不安がある。何より金利が上がれば(国債価格は下落)、日銀に積み上がった国債は損失を抱え、結局は国民負担となる。現実的な物価目標に見直すなど早期に軌道修正すべきだ。
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[毎日新聞] 税収の増加 健全化の手を緩めるな (2016年01月31日)

企業の好業績を背景に税収が増えており、政府は増加分をどう使うかの検討に入った。

安倍晋三首相は「1億総活躍社会」関連政策への活用に意欲を示している。夏の参院選で「アベノミクスの成果を国民に分配する」という姿勢をアピールする思惑もある。

しかし、内閣府の最新の試算によると、財政見通しは一段と悪化した。税収増を歳出拡大につぎ込むと、健全化に逆行しかねない。財政規律を緩める余裕はないはずだ。

2016年度予算案の税収見通しは57・6兆円と25年ぶりの高水準だ。第2次安倍政権が発足する前の11年度より15兆円近く増加した。

経済財政諮問会議の民間議員は、1億総活躍関連の子育てや介護支援に充てることを提言した。「少子化対策の拡充などで成長を強化すれば、税収はさらに増え、財政健全化にも役立つ」との考えだ。

税収増を効果的な政策に絞って投じるのなら意味がある。しかし、ばらまきに使ってしまえば、成長の底上げに結びつかず、さらなる税収増につながる保証もない。

政府は税収増を活用した15年度補正予算の柱として、低所得の高齢者らへの3万円の給付金支給を計上した。だが、ばらまきで効果も限定的とみられている。今回も選挙目当ての大盤振る舞いになりかねない。

内閣府の試算では、国と地方の基礎的財政収支は、15年度に16・6兆円の赤字だが、20年度も6・5兆円の赤字が残り、昨年7月の試算から0・3兆円悪化した。政府は「20年度の黒字化」を目標にしているが、道のりはさらに険しくなった。

しかも試算の前提は、国内総生産(GDP)の成長率が名目3%、実質2%以上で推移することだ。抜本的な歳出抑制は含まず、赤字圧縮は高成長に伴う税収増頼みだ。

だが、税収は景気に左右されやすい。中国の景気減速などで下振れする恐れがある。不安定な財源に頼って歳出を拡大し、赤字は減らそうという姿勢は都合が良すぎる。

財政健全化には歳出抑制が欠かせない。肥大化する社会保障費への切り込みが必要だ。1億総活躍関連で必要な子育てなどの財源は、裕福な高齢者に負担増を求めるなどして工面することを検討すべきだ。

財政見通しが悪化したのは、17年4月の消費増税時に導入する軽減税率の財源が固まっていないためだ。政府・与党には「税収増を穴埋めに充てればいい」との意見がある。

しかし、政府・与党が合意した「安定財源の確保」と矛盾するのは明らかだ。軽減税率は低所得者対策として不可欠であり、歳出見直しなどで恒久的な財源を探すべきだ。
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[毎日新聞] 民主党大会 自らが強くならないと (2016年01月31日)

民主党の定期党大会が開かれた。甘利明前経済再生担当相が辞任して安倍政権の屋台骨が揺らぐ中、民主党にとっては反転攻勢に出るきっかけとしたかった大会だろう。だが、夏の参院選に向けて展望が開けたかといえば決してそうではない。

岡田克也代表は大会で、焦点となっている維新の党との連携について「新党結成も選択肢として排除されていない」と述べるにとどまった。

3月末までに結論を出すという新党問題では民主、維新双方に温度差があり、民主党内の意見もまちまちだ。より深刻なのは仮に新党ができても、それでイメージを一新できるのか、その保証もないことだろう。

気になる一件がある。

「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」「すぐに信じなくてもいい。野党として、止める役割をやらせてください」−−。参院選用に同党が発表した3種類のポスターの一つにはこんな文章が並ぶ。党に対する国民の厳しい視線を認めたものではあろう。だが、このコピーは自虐的というよりも、あまりにひ弱で主体性がなさ過ぎるのではないか。

確かに参院選は政権交代には即座に結びつかない。衆院で多数を握った自民党のおごりを戒めるため、多くの有権者が野党に投票した参院選もかつてはあった。

しかし、自民党に代わって政権を担うというのが民主党結党の原点であり、一度は政権交代を実現したのだ。岡田氏はこの日、「政策・理念が共有され、本気で政権を担う政治勢力ができるかどうかが最も大切だ」と語ったが、このコピーでは政権に抵抗するだけの野党に舞い戻るつもりなのかと疑ってしまう。

もう一つのポスターにある「一強打破」のコピーも同じだ。自民党の「一強」状況を変えるためには、有権者に懇願するより先に、まず民主党自らが強くなればいい話だ。

民主党が掲げる「1人ひとりを大切にする国」との理念が間違っているとは思わない。先の代表質問で岡田氏が安倍政権への批判だけでなく「提案」に重きを置いた点も評価したい。必要なのは理念を実現するための具体的な政策だ。

憲法や安全保障政策に関しては、依然、党内の意見はまとまっていない。参院選は憲法改正も大きな争点になりそうだ。その際、「安倍晋三首相のもとでの改憲は危険で反対」というだけでは、政権を目指す党としては無責任だ。当面、改憲する必要はないと考えるのか、改憲するとすれば、どこから変えていくのか。これも具体的に示す必要がある。

難問を先送りせず、とことん党内で詰めていく作業から、「強さ」は生まれてくるはずだ。
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[読売新聞] 天皇陛下比訪問 友好親善深めた「慰霊の旅」 (2016年01月31日)

先の大戦の記憶を深く胸に刻み、戦没者の慰霊を続ける天皇陛下の強い思いを体現したご訪問だったと言えるだろう。

国交正常化60周年を記念してフィリピンを公式訪問した天皇、皇后両陛下は5日間の日程を終え、帰国された。

両陛下の海外での戦没者慰霊は2005年のサイパン、昨年のパラオに続いて3度目だった。

日米の激戦地となったフィリピンでの日本人犠牲者は、約52万人に上る。多数のフィリピン人も戦闘に巻き込まれ、約111万人が死亡した。

今回、印象深かったのは、マニラに近いカリラヤにある日本政府建立の「比島戦没者の碑」を初めて訪問されたことだ。日本から持参した白い菊を供花された。

両陛下は、元日本兵や遺族ら一人ひとりに「体に気をつけて下さいね」などと、言葉をかけられた。関係者の感慨は、ひとしおだったのではないか。

両陛下は、皇太子時代の1962年にもフィリピンを訪問されている。強い反日感情が残る中、ご夫妻はフィリピン人犠牲者の遺族と対面し、戦争孤児の施設を訪ねられた。その姿に、日本への厳しい視線も和らいだとされる。

73年、カリラヤに日本人戦没者の碑が建てられた。そこでの慰霊は、両陛下の念願だったろう。

両陛下は国立英雄墓地も訪ね、慰霊碑の前で黙とうされた。アキノ大統領主催の晩餐(ばんさん)会のスピーチで、天皇陛下は、多くのフィリピン人が犠牲になったことに触れ、「日本人が決して忘れてはならないこと」と述べられた。

過去と真摯(しんし)に向き合う陛下の姿は、フィリピンの人々の心に、強く焼き付けられたに違いない。

アキノ大統領は、「貴国は堅実で有能かつ信頼できるパートナーとして、今日まで、わが国の発展を後押しして下さった」と感謝の意を表した。

今回のフィリピンご訪問は、昨年6月に国賓として来日したアキノ大統領が招請したものだ。大統領は、86年に母親のコラソン・アキノ大統領に同行して来日して以来、両陛下と交流がある。

今年6月、アキノ大統領は任期を終えて退任する。最後の年が国交正常化60周年と重なった。

フィリピンは、最も親日的な国の一つとされる。経済分野などで、アジアにおける日本の重要なパートナーでもある。

今回の両陛下のご訪問を、両国の友好親善をより確かなものにしていく契機としたい。
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[読売新聞] 民主党大会 野党結集を前に進められるか (2016年01月31日)

夏の参院選で、自民党の明確な対抗軸を作れるか。正念場となろう。

民主党が、東京都内で党大会を開いた。

岡田代表はあいさつで維新の党との新党結成について、「選択肢として排除されていない。私にお任せいただきたい」と述べた。維新の松野代表と協議し、3月末までに結論を出すという。

2016年度活動方針も、「衆参同日選も視野に、大きな力の結集を図る」と明記し、野党勢力の結集を呼びかけた。

だが、こうした掛け声と裏腹に、党内の足並みはそろわない。

細野政調会長ら保守系は、「負のイメージ」を一新できるとして、新党に積極的だ。一方、労働組合系などは、地方組織の混乱を懸念し、慎重論が強い。岡田氏は難しい判断を迫られよう。

新党結成は、理念の共有や基本政策の一致が前提となる。両党は政策協議を重ねているが、主要政策を巡る溝は埋まっていない。

憲法改正や集団的自衛権行使の限定容認について、維新の党は基本的に前向きだが、民主党内には賛否両論がある。

民主党政権が決めた消費税率の10%への引き上げについては、維新の党では反対論が根強い。

環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を維新の党が評価するのに対し、民主党は批判的だ。

対立点が残ったままの合流は、「野合」批判を免れまい。

岡田氏は、参院選について「安倍政治の暴走を止め、政権交代をする足がかりの選挙にしなければならない」と訴えた。党綱領に掲げる「共生社会」の具体像を夏までにまとめるという。

安倍政権との違いを強調するだけでなく、実効性のある現実的な政策にすることが大切だろう。

参院選での候補者調整など、野党協力も重要な課題である。

「1人区」で自民党と戦うには、野党候補の一本化が有効だ。ただ、民主党内では「保守票が逃げる」として共産党との協力に否定的な声が強い。岡田氏は協力を限定的にし、共産党の自主的な候補取り下げに期待する方向とされる。

各党が様々な選挙区事情を抱える中、どんな協力関係を構築するか、民主党の力量が問われる。

参院選では、ベテランの輿石東参院副議長、江田五月・元参院議長、北沢俊美・元防衛相らが立候補せず、引退すると表明した。

世代交代は両刃の剣だ。新たな党の姿を示し、党勢を回復できるか。それとも議席減少が続くか。民主党の将来を左右しよう。
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[朝日新聞] 川内原発 安全と信頼が揺らぐ (2016年01月31日)

九州電力が川内(せんだい)原発(鹿児島県)で新設を計画していた重大事故時の対応拠点「免震重要棟」を巡り、原子力規制委員会との間できしみを生じている。

発端は、川内原発の再稼働前から九電が示していた新設計画を、再稼働後の昨年12月に撤回すると規制委に申請したことだ。これに対し、規制委は撤回申請の出し直しを求めている。

免震棟は、原発の安全にかかわる大きな要素だ。その計画がなぜ、再稼働後になって撤回されるのか。地元の市民団体が「信義則違反」と反発するのは当然であり、九電に対する信頼を自ら損ねるものと言わざるをえない。規制委の対応はうなずける。

川内原発は、規制委の新規制基準に基づく審査に全国で初めて適合し、昨年8月から再稼働している。免震棟は福島第一原発事故で現場の拠点となり、有効性が実証された。揺れても壊れない耐震とは異なり、揺れ自体を抑えるのが免震だ。

再稼働に先立つ審査で、九電は今年3月末までに3階建ての免震棟を建て、その中に約620平方メートルの「緊急時対策所」を設けると説明。それまでの間は約4分の1の広さで耐震構造の「代替緊急時対策所」で機能を果たすとしていた。

だが、九電は今回、代替対策所で新基準を満たしていると主張。免震棟建設をやめ、現行施設を継続して使う代わり、隣に耐震の支援棟を設ける計画だ。免震棟に収容することになっていた宿泊室などの副次的機能は、支援棟に入れるという。

「より早期に建設できて安全性が向上する」と説明するが支援棟建設の時期は示さず、規制委に「安全性向上の根拠が示されていない」と指摘された。

確かに、新規制基準は、免震かどうかといった構造によって定めているわけではない。情報収集や指揮命令、外部との通信などが維持されるかどうか、機能に着目している。

それでも、九電はなぜ審査段階でそうした計画を示さなかったのか、という疑問が残る。そもそも基準は安全確保の最低ラインに過ぎない。電力会社には基準を超え、より安全な対策を講じる姿勢が求められている。

九電は玄海原発(佐賀県)での免震棟建設も「現時点で白紙」としている。今回の計画変更の行方は、他の原発審査や他の電力会社の安全への取り組みにも大きな影響を及ぼす。

規制委は、九電の安全確保への姿勢を見極めてほしい。電力会社の安全文化を監視するのも規制委の責務である。
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[朝日新聞] 税収増の使途 議論自体がおかしい (2016年01月31日)

税収が見込みより増えた分をどう使うか。そんな議論が熱を帯びてきた。

政府はこれまで「上ぶれ分」と呼んできたが、どうやら「底上げ」と称するようだ。表現はともかく、深刻な財政難を考えれば、どこかを起点に税収の増加分を取り出して使途を議論すること自体がずれており、財政状況への認識が甘すぎる。

16年度予算案で見込んだ国・地方の税収は100兆円に迫り、民主党政権が最後に編成した12年度当初予算と比べて13兆円増える(消費増税分を除く)。安倍政権はそう強調するが、16年度も国の財源不足を補うために新規国債を34兆円余も発行することを忘れたのか。

ドイツのように新規国債の発行がゼロになったのなら、前年度からの税収の増加分について「新たな事業に充てるか、借金減らしに回すか」を議論するのはわかる。日本の現状はそのはるか手前で、過去に発行した国債の元利払い費を切り離して考える「基礎的財政収支」の黒字化すら見通せない状況だ。

税収は景気に左右され、見通しから増えも減りもする。上ぶれ分は安定財源になり得ないのに、その使い道などという議論が起きたのは、夏の参院選を意識する政府・与党が税制改革と予算編成の両面で基本を逸脱したことが直接の原因だろう。

ひとつは、消費税率の10%への引き上げに伴う軽減税率の導入だ。低所得者ほど消費税の負担が重くなる「逆進性」対策を理由に、高所得者まで恩恵を受ける軽減税率を1兆円規模で導入することを決めた。それで計算が狂う社会保障財源の穴埋め策の一つとして、6千億円を税収増に頼ろうとする安易な発想である。

もう一つは、今年度の補正予算に盛り込んだ「1億総活躍」関連事業の予算を今後どう確保していくかという課題だ。

出産・子育て支援などの事業は重要で、継続すべき政策だ。ならば一時的な対応が趣旨の補正予算ではなく、当初予算で向き合うべきだ。参院選までに国民に恩恵を届けようと、国会で真っ先に審議・成立させる道筋がついていた補正予算にとびついたとの批判に、政権は反論できるだろうか。

経済を活性化し、税収を増やす努力は不可欠だ。一方で、税収が増えても手綱を緩めない。予算の全体像を見すえつつ必要な施策を絞り込み、国債発行という将来世代へのつけ回しを少しでも減らしていく。

それ以外に、財政を再建する道はない。
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2016年01月30日

[産経新聞] 【主張】米大統領選 対中国の決意を聞きたい (2016年01月30日)

「オバマ後」の米国像を問う大統領選は、アイオワ州で2月1日に行われる民主、共和両党の党員集会で幕を開ける。

世界は、暴力的過激主義が蔓延(まんえん)し、中国やロシアは力による現状変更を試みている。各候補は、国際秩序を守るため、超大国としてのあるべき姿を論じ合ってほしい。

とりわけ注目されるのは、経済的、軍事的に台頭する中国と、どう向き合うかである。

中国は、南シナ海で国際ルールを無視した人工島を造成し、軍事拠点化を進めている。東シナ海でも、日本の尖閣諸島近海で領海侵入を繰り返している。

オバマ政権は昨年10月、人工島付近にイージス艦を派遣し、牽制(けんせい)した。だが、中国側は先の米中外相会談でも、米側の懸念表明に聞く耳を持たなかった。

いかにして中国の一方的な海洋進出に歯止めをかけ、航行の自由を守るのか。逆に、対立を避けようとするのか。次期指導者としての決意を聞きたい。

北朝鮮は今月、4度目の核実験を強行し、長距離弾道ミサイルの発射準備を進める兆候をみせている。北朝鮮の核は日本と北東アジアのみならず、米国の安全保障をも脅かす。北朝鮮の暴走をどう阻止するのかについても、議論を深めるべきだ。

軍事・外交の軸足をアジア太平洋に移すオバマ政権のリバランス(再均衡)戦略の具体化も課題である。

地域の平和と安定を保つには米国の力と日米同盟の強化・充実が不可欠だ。地域の他の同盟国、友好国との連携強化も論じてもらいたい。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への考えも聞きたい。中国ではなく、日米が中心となって、新たな自由貿易のルールを作るものだ。反対を唱える候補者が目立つが、内向きな議論になっては困る。

オバマ政権は、米国民の融和を掲げて誕生したが、保守とリベラルの対立はむしろ深まった。一部の候補者の極端な発言が喝采を浴びている。諸課題に現実的に向き合う議論を期待したい。

当面、経済活性化や移民問題、銃規制の是非など国内問題が焦点となろう。日本の国益に大きくかかわる対中姿勢など、外交・安全保障政策をめぐる論議も注視してゆきたい。
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[産経新聞] 【主張】マイナス金利導入 日銀頼みの限界忘れるな (2016年01月30日)

日銀が追加金融緩和を決めた。民間銀行が日銀に資金を預ける際に手数料を課すマイナス金利を導入するという。

世界市場の混乱で脱デフレが滞る事態を絶対に避けるという、強い決意の表れである。同時にこれは、安倍晋三政権が期待するほどには経済再生を果たせていないことを示している。

問題は、これが十分な政策効果を発揮するかどうかだ。金融頼みには限界がある。ましてマイナス金利は、銀行の収益を圧迫するなど副作用も懸念される劇薬だ。実需が盛り上がらなければ、経済の好循環には結びつくまい。

規制緩和などで企業活動を後押しし、民間が前向きな経営に徹する。官民のこうした取り組みを着実に進めることが、アベノミクスを再加速し、強い経済を実現する前提なのは言うまでもない。

黒田東彦総裁は、マイナス金利で銀行の貸出金利などの低下を促し、消費や投資を拡大することが狙いだと説明した。円安効果も期待される。日銀は同時に、2%の物価上昇率の達成時期を「平成29年度前半ごろ」に先送りした。

日銀の金融政策の行き詰まりも指摘されていた。脱デフレの機運を低下させないためにも、あらゆる手段で目標を達成する姿勢を示すべきだと判断したのだろう。

欧州中央銀行(ECB)もマイナス金利を導入している。だが、3月の追加緩和が示唆されているように、直ちに景気が好転するとみるのは楽観的にすぎる。

もとより、世界経済が混迷の度を深めているのは、米利上げに伴う新興国からの資金流出や中国経済の減速、さらには原油安が重なったためだ。海外要因に大きな変化がなければ、日銀だけが動いても効果は限られよう。

マイナス金利で銀行の収益が過度に圧迫されれば、かえって貸し出しが低下する懸念もある。日銀はこれを避けるため、マイナス金利の適用を一部にとどめるなどの工夫も行った。それが十分に機能するかどうかも見極めたい。

すでに金利は歴史的な低水準である。それでも企業が投資に及び腰なのは、経済成長に確信を持てないからだ。だから海外市場が揺らげば、すぐ国内に跳ね返る。

その打開のためには、金融政策だけでなく、企業の生産性向上などで経済を早急に底上げしなければならない。
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[東京新聞] 高浜原発再稼働 信頼を結べぬままに (2016年01月30日)

絶対の安全などないという。だとすれば、大切なのは「信頼」だ。その信頼を結べぬままの関西電力高浜原発(福井県)再稼働。何をそんなに急ぐのか。

何度でも繰り返す。

原子力規制委員会をはじめ、誰も安全だとは言っていない。安全を保証するものはいない。

万一の事故が起きても、原状回復はおろか、満足な補償ができる力は国にもない。ほとんど無責任体制のまま、立地する自治体だけの同意を免罪符のようにして、原発が再稼働されていく。

これではまるで、無保険の自動車が人混みの中を高速で突っ走るようなものではないか。


◆お隣さんは口出すな
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あれから間もなく五年になる。福島の尊い教訓が、あまりにも軽視されてはいないだろうか。

今月二十五日、滋賀県と関電の間で、高浜原発に関する安全協定が締結された。

滋賀県は、原発が集中立地する福井県に隣接し、高浜原発の三十キロ圏内に一部が入る。

福島の事故のあと、原発三十キロ圏内には避難計画の策定が義務付けられた。それほど危険な所にあるということだ。

滋賀県の嘉田由紀子前知事は3・11後、原発事故の被害を受ける地域は原発の地元であるという「被害地元」という考え方を提唱した。

ところが、結ばれた協定の中身は、異常時の通報や、核燃料や放射性廃棄物輸送の際の連絡義務が中心で、原発再稼働の事前協議に加わる「同意権」は含まれない。

新増設など重要な変更を事前に説明する義務もない。

三十キロ圏内にかかる高島市なども、当事者扱いされてはおらず、通報内容などをその都度県に聞くしかない。


◆ちゃんと避難できるのか
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「安全」とは名ばかりの形式的な“通過儀礼”にとどまった。

京都府は滋賀県より一足早く、昨年二月、同様の協定を結んだが、全国でただ一つ、原発から県境を越えた五キロ圏内、最短三キロという舞鶴市さえ、再稼働に関しては、沈黙を強いられる。

高浜原発で重大事故が起きた場合の住民避難計画は昨年末、政府に了承されている。

高浜原発では今月十一日から三日間、関電社員らが重大事故を想定した対応訓練を実施した。しかし、住民参加の広域的な避難訓練をしないまま、原子炉が起動する。順序が違う。ぶっつけ本番でうまくいくとは思えない。

たとえば、京都市では六万五千人を受け入れる。府内では二千台以上のバスが必要になる。混乱は必至である。そもそもバスが確保できるのか。

はじめに再稼働ありき。政府も含め、ハードルを可能な限り下げたうえでの再稼働なのである。

福島では、福島第一原発から三十キロを超える飯舘村の一部が、いまだ帰還困難区域のままだ。

事故発生直後には、屋内退避の指示が出た二十〜三十キロ圏の病院の入院患者や福祉施設の入所者の移送の際に死者が出た。容体が重くて動かせず、圏内に取り残された患者も多かった。

原発事故の被害は広域に及ぶ−。私たちは十分思い知らされたはずである。若狭の“原発銀座”で重大事故が発生すれば、日本海の強風にあおられて、その影響は福島以上に遠く、広く、拡散する恐れがあるという。

被害地元の声に耳をふさぐということは、福島の教訓を踏みにじることにならないか。

そして安全神話が復活し、悲劇を再び招く恐れが増さないか。

“無責任”あるいは“先送り”は、ほかにもある。

使用済み核燃料を保管する高浜原発の燃料プールは、すでに約七割が埋まっている。

最終処分場選定のめどは立っていない。

関電は二〇三〇年に、福井県外で中間貯蔵施設を稼働させると言っている。

しかし、本紙の全国調査では、中間貯蔵施設の受け入れを前向きに検討すると答えた知事は一人もいない。やがてあふれ出す核のごみをどうするか。


◆安全はまた二の次か
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高浜原発3号機では、核兵器に転用可能なプルトニウムを核廃棄物から取り出して使うプルサーマル発電を実施する。

リサイクル計画が頓挫する中、すでにあるプルトニウムを減らすところを米国に示したいという国の事情もある。

プルサーマル発電では、原子炉を停止させる制御棒が効きにくくなるという。安全性の検討が尽くされているとは言い難い。

何度でも繰り返す。

電力会社の台所事情と政府の思惑が最優先の再稼働。住民にとっては「危険」と言うしかない。
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[毎日新聞] マイナス金利 苦しまぎれの冒険だ (2016年01月30日)

日銀が「マイナス金利」という新たな緩和策を打ち出した。普通はお金を借りる方が貸す方に金利を払うが、マイナス金利は逆だ。借りる方が借りるだけ得をし、貸す方が損をする。金融の常識が根底から覆る領域に日銀は足を踏み入れた。

民間の金融機関が日銀に預ける資金の金利を一部マイナスにする今回の政策について、黒田東彦総裁は最近まで「考えていない」と否定を続けていた。それをなぜ今回、導入となったのか。

ひとことで言えば、従来の異次元緩和策が期待した効果を上げずに行き詰まったから、である。

日銀は窮地に陥っていた。2013年4月に「2年で2%達成」と宣言したインフレ目標は、3年になろうというのに射程に入ってこない。14年10月に大規模緩和の第2弾を実施したにもかかわらず、である。

一方、黒田総裁は「必要になればちゅうちょなく追加の緩和を実施する」と断言し続けてきた。今の経済や金融市場を眺めると、14年10月の追加緩和時より懸念材料は多い。ここで何もしないと説明がつかず、株価が一段と下がる心配もあった。

とはいえ、これまでの大規模緩和はほぼ限界状態にある。第3弾を今実施すれば、「日銀は手持ちの弾薬を使い切った」と受け止められ、市場の不安をあおる恐れがあった。

日銀は、今回の政策により、民間の金利が押しなべて下がる効果があると説明する。しかし金利はすでに超低水準にあり、わずかな追加的低下が、設備投資や消費を刺激して物価を押し上げるとは思えない。

最近、円高に振れていた為替を円安方向に引き戻し、株価を押し上げる可能性はある。だが、本質的な日本経済の成長力増強にはつながらないだろう。

最も懸念するのは、円の価値を守るべき日銀への信用が大きく揺らぐことである。過去に例のない規模の量的緩和策を続けてきたにもかかわらず、物価目標の達成時期はたびたび先送りされ、今では17年度前半だ。それでも日銀は「経済は緩やかに拡大していく」と強気の見通しを崩さず、一方で劇薬の量や種類を増やす。2%の物価目標が実現するまで追加緩和を繰り返すというのだろうか。冒険の先に、円の価値の暴落が待ってはいないか。

利上げを始めたばかりの米国の中央銀行は、世界の金融市場の動揺や新興国経済の減速を前に苦しんでいる。行き過ぎた政策は多くのゆがみを生み、正常化がいかに困難であるかを示すものだ。米国よりはるかに大胆な緩和策を続ける黒田日銀はこの先どこまで突き進むのか。不安は募る一方である。
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[毎日新聞] 高浜原発再稼働 集中立地の危険直視を (2016年01月30日)

関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)が再稼働した。原子力規制委員会の新規制基準に合格した原発の再稼働は、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続き3基目となる。

私たちは、事故時の対応を含めた原発の安全性確保と脱原発依存の道筋を政府が示すことを条件に、必要最小限の再稼働は容認する立場をとってきた。現状ではいずれの条件も満たされておらず、高浜原発の再稼働に賛成することはできない。

高浜原発が立地する若狭湾一帯には、関電の11基をはじめ計15基の原発(廃炉中の4基を含む)が集中する。関電は高浜4号機も来月、再稼働させる方針で、その後も大飯原発3、4号機(福井県おおい町)などの再稼働を目指している。

東日本大震災の経験に照らしても、自然災害やテロ行為で若狭湾一帯の原発が同時に緊急事態に陥りかねない。核燃料が大量にある原発は、稼働していなくともリスクがある。こうした集中立地の問題点を、規制委も政府も直視していない。

規制委は、新規制基準の策定で、集中立地規制に踏み込まなかった。

事故時の住民避難計画の策定が義務づけられる高浜原発30キロ圏内の自治体は、地元福井と京都、滋賀の3府県にまたがる。政府は3府県の避難計画を了承したが、計画が想定するのは高浜原発の事故だけだ。

高浜3、4号機は、新規制基準下では初めてプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル発電」を実施する。

MOX燃料は通常の核燃料に比べ核反応を調節する制御棒の利きが悪くなるなど、安全性への懸念が以前から指摘されている。

また、使用済みMOX燃料は、具体的な処理方法が決まっていない。高浜原発は再稼働後7〜8年で使用済み核燃料の貯蔵プールが満杯になる見込みだ。関電は2020年ごろまでに中間貯蔵施設の場所を福井県外で決める方針を示しているものの、難航は必至だ。

過酷事故が起きれば、住民は府県境を越えて広域避難する。計画の実効性を高めていくには、訓練の実施が不可欠だ。ところが、広域避難訓練はまだ実施されていない。多くの自治体は、避難が計画通りに進むのか不安を抱えている。避難先の自治体の受け入れ準備も、整ったとは言えない状況にある。

再稼働の同意手続きで、立地県以外の自治体の意見を反映する仕組みも不十分なままだ。

こうしたいくつもの課題を置き去りにしたまま、政府と電力会社が再稼働に前のめりになっていることには、大きな疑問がある。
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[読売新聞] 高浜原発再稼働 電力の安定供給と負担軽減を (2016年01月30日)

首都圏に次ぐ規模の関西経済圏で、電力の供給体制が増強される意義は大きい。

関西電力高浜原子力発電所3号機(福井県)が再稼働した。2月下旬には4号機も動き始める。

両機の合計出力は、ピークとなる夏場で、関電管内の電力需要の約7%を占める。

再稼働により月100億円の収支改善を見込む関電は、4月にも電気料金を引き下げることを検討している。家計と企業の負担軽減に確実につなげてもらいたい。

高浜原発は、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電も行う。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムが原料だ。

資源の有効活用と放射性廃棄物の減容化につながる核燃料サイクルの進展につながろう。

高浜原発は、福島第一原発事故で厳格化された原子力規制委員会の新基準に対応している。九州電力川内原発1、2号機に続いて、事故後の再稼働となった。

想定される津波の高さを2・9倍に引き上げるなど、従来より大規模な自然災害を考慮して、安全対策を補強した。

万一の事故時に原子炉を冷却するための非常用発電機を増設した。火災に備えて、ケーブルの耐火性の強化といった対策も講じた。重大事故の危険性は大幅に下がったと言えよう。

ただ、4年間にわたる長期停止後の再稼働だ。運転には、細心の注意が必要である。

周辺自治体の避難計画を不断に見直すことも重要だ。計画の策定が義務付けられる半径30キロ圏には、原発が立地する福井県以外に、京都府、滋賀県が含まれ、計約18万人が暮らしている。

避難時の道路の渋滞対策やバスの確保、受け入れ先の自治体の体制整備などを進めねばならない。住民が参加する実践的な訓練を実施することも大切だろう。

今後、再稼働が見込まれるのは、四国電力伊方原発3号機だ。規制委の安全審査に「合格」し、地元自治体も再稼働に同意している。九電玄海原発3、4号機の審査も大詰めを迎えている。

だが、その他の原発は、規制委の審査が滞り、再稼働のめどが立っていない。電力の安定供給にはさらなる再稼働が欠かせない。

大規模停電が起きていないのは、老朽火力発電所をフル稼働させて、しのいでいるためだ。綱渡りの状況を脱するため、規制委には迅速な審査が求められる。
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[読売新聞] 日銀追加緩和 脱デフレの決意示す負の金利 (2016年01月30日)

物価目標を達成し、デフレ脱却を確実にする強い決意の表れだろう。

日銀が、異例の「マイナス金利」を導入する追加金融緩和策を決めた。日銀の当座預金口座に民間銀行が預けた一定以上のお金の金利をマイナス0・1%に引き下げ、0・1%の「手数料」を徴収する。

日銀の黒田東彦総裁は記者会見で、「必要なことは何でもすると示すことで、デフレマインドを転換する」と強調した。日経平均株価は500円近く上昇し、市場はサプライズ決定を好感した。

国際金融市場が年初から大混乱に陥り、世界経済の先行き不安が強まる中、日銀が機動的な対応を取ったことは評価できる。

マイナス金利には、民間金融機関に、より積極的な融資を促し、企業の設備投資などを活性化する狙いがある。欧州中央銀行(ECB)なども導入済みの政策だ。

ただ、その効果は限定的だとする見方もある。巨額の内部留保を抱える大企業は、資金不足で投資を控えているわけではない。

日銀に「手数料」を払う金融機関の収益圧迫も心配される。決定が僅差の表決となったのも、こうした疑念があったためだろう。

だが、金利水準が全体的に下がれば、リスクをとっても利益を得たい投資家の動きが活発となり、円高の防止や株価を押し上げることが期待できるのではないか。

中小企業やベンチャー企業は、資金調達が円滑になり、新事業への投資拡大などが望めよう。

無論、金融政策だけではデフレ脱却の達成はおぼつかない。日銀が景気を下支えしている間に、政府は成長戦略を充実させるとともに、実行を急ぐべきだ。

市場の動揺を鎮めるには、各国中央銀行の行動が重みを持つ。

新興国経済の行方が不安視されている。とりわけ日米欧の金融当局は、先進国が世界経済を牽引(けんいん)する必要性を自覚し、市場との対話に万全を期さねばなるまい。政策面での連携強化が欠かせない。

ECBのドラギ総裁は先週、3月の追加緩和を示唆した。日銀のマイナス金利導入は、これに連動した政策協調の一環だろう。

気がかりなのは、米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢だ。

FRBは、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを行う可能性を否定していない。どんな利上げペースを目指しているのかは不透明なままだ。

世界経済や市場に与える副作用も考慮し、利上げの時機を慎重に見定めてもらいたい。
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[朝日新聞] マイナス金利 効果ある政策なのか (2016年01月30日)

日本銀行が初めて「マイナス金利政策」の導入を決めた。きのう日銀が発表すると、株式市場や外国為替市場に大きな驚きが広がった。

日経平均株価はいったん大きく上昇し、すぐに前日の終値水準を割るまで下落。そして再び上昇。激しく乱高下する展開となった。

マイナス金利政策とは、民間銀行が日銀の当座預金に預けたお金に支払う金利をマイナスにすること。金利はふつうプラスだが、マイナスにすると、預けた銀行側が日銀に金利を払うことになる。いわば口座の管理手数料のようなものだ。

導入するのは、銀行が日銀の当座預金に滞留させているお金を、企業への貸し出しに回すように促すためだ。

しかし、いま歴史的な超低金利のもとでも銀行が貸し出しを大きく増やさないのは、企業の資金需要が乏しいからである。その根本的な問題がマイナス金利の導入によって解消するわけではない。

また、この手法は銀行が金利コストを預金者に転嫁し、預金金利までマイナスにしてしまう可能性がある。

こうした問題があるため導入は難しいとみられてきた政策なのだが、金融緩和手法の手詰まりが課題となっていた欧州中央銀行が2年前に採用。これまでの運用では大きな混乱がなかったことから、日銀も採用を決めた。

とはいえ欧州中銀をはるかに上回る規模で量的緩和をしている日銀では、当座預金残高が250兆円と大きい。マイナス金利の影響をはかりかねる面もある。

このため、きのうの日銀の金融政策決定会合では新政策導入の賛否が9人の審議委員で5対4の僅差(きんさ)だった。こうした経緯から、実体経済に効果を発揮する政策手段はもはや限られ、効果がはっきりしない政策に頼らざるをえなくなっている日銀の苦しい事情が見える。

黒田東彦総裁は記者会見で「2%物価目標の実現のためなら必要なことは何でもやる」と改めて強調した。とはいえ国民の期待に働きかけるこの手法を延々と続けていていいのか。

今回、中国をはじめとする新興国経済の減速や原油価格の下落など、世界経済の不安定さに対応して日銀は新政策を導入した。ただ、内外経済が不安定になるたびに、新たなサプライズを市場に与える今のやり方がいつまでも続けられるとは思えない。その手法はいよいよ限界にきている。
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[朝日新聞] 大学入試改革 見切り発車は混乱招く (2016年01月30日)

改革全体の設計図を改めて見直すべきではないか。

大学入試センター試験の代わりとして、文科省が2020年度の導入を検討している新テストの中身が迷走している。

昨秋、最初の4年とそれ以降を分け、4年間に方法や体制を詰める方針が打ち出された。

さらに年末、新たに採り入れる記述式について採点に手間がかかるからと、マークシート方式から切り離して前倒しする検討が始まった。

そして今度は、マークシート方式を複数回にする年度を先送りする案である。

記述式に加え、マークシート方式を複数回行えば、高校教育が受験づけになりかねない。

文科省の考えは、主体的な思考、判断力や表現力を見る記述式を優先させようというものだ。改革により知識の量だけでなく、考える力を試す。理念の方向性は理解できるが、それを実現させるのは容易ではない。

入試が教育に与える影響は、はかりしれない。高校や大学、何より受験生を振り回すことは許されない。相次ぐ方針の変更で現実路線にかじを切る文科省の判断は遅きに失した。

なぜここまで迷走したかを省みてほしい。あまりにも教育現場の現実を置き去りにした論議に走りすぎたのではないか。

出発点にさかのぼる。新テストの構想は13年秋、政府の教育再生実行会議の提言から始まった。一発勝負で1点刻みの試験を改め、複数回にし、点数の段階別表示をめざした。

ところが、文科相の諮問機関である中央教育審議会にバトンが渡されると、改革はさらに先鋭化する。

もっと思考力や表現力を問いたいと、記述式が盛り込まれた。この段階で実現可能性が十分検討されたとは言いがたい。

50万人を超す受験生の回答をどんな基準で評価するのか。作問や実施の負担をどうするか。そんな吟味は先送りされた。

新テストに理想を求めるあまり、大学の個別試験とどう役割分担するかの議論も中途半端だった。そもそもセンター試験のどこが欠陥かという具体的な分析も十分ではなかった。

そんな生煮えの議論のまま押し通そうとしたことが、混乱を生んでいるのではないか。

文科省は改革の姿勢自体を見直すべきだ。高校や大学の抱える現実に照らし、じっくり、多角的に議論してもらいたい。

文科省の有識者会議は3月末までに報告をまとめる。つぎはぎの見直しで見切り発車し、混乱を招いてはならない。
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2016年01月29日

[産経新聞] 【主張】甘利氏辞任 金銭授受の異常さに驚く (2016年01月29日)

甘利明経済再生担当相が辞任した。週刊文春が報じた自身と秘書の金銭授受を認めたものだ。

甘利氏は大臣室と地元事務所で2回にわたり、千葉県の建設会社側から現金100万円を受け取っていた。

政治資金として処理するよう秘書に指示し、収支報告書に記載があったことを強調したが、特定業者と菓子折りの紙袋に入った多額の現金をやりとりするような行為自体、異常である。

秘書は建設会社から500万円を受け取ったが、収支報告書には200万円の記載しかなかった。300万円は秘書が使ってしまったのだという。これは政治資金規正法の虚偽記載に当たる。

業務上横領に問われる可能性もあり、甘利氏は秘書を告発すべき事案だ。まさに甘利氏が自らいうように「恥ずかしい事実」である。辞任の決断は当然だ。

甘利氏は安倍晋三内閣における経済再生の責任者であり、大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉を一手に担ってきた。首相の盟友であり、最重要閣僚の一人だった。

今国会でも来年度予算案の審議や、TPP発効に向けた国民への説明役として、多くの重責を抱えていた。疑惑や事件の渦中の政治家として、これを全うすることは不可能だったろう。

閣僚を辞任しても、説明責任は果たされていない。自身、「調査は途上だ」とも述べている。道路工事をめぐる建設会社と都市再生機構(UR)などへの口利きの有無や、現金の授受や過剰な接待の趣旨についても明らかにしなくてはならない。

国会議員や秘書が権限に基づく影響力を行使した口利きの見返りに報酬を得ていたとすれば、あっせん利得処罰法に抵触する。

甘利氏を閣僚として続投させる考えを示していた安倍首相は、辞任を受けて「大変残念だが、甘利氏の意思を尊重する。任命責任は私にある。国民に深くおわび申し上げる」と述べた。

第2次安倍内閣以降での閣僚の辞任は甘利氏で4人目だ。多すぎる。第1次内閣が相次ぐ閣僚のスキャンダルで次第に崩壊した過去を忘れたわけではあるまい。

国内外に、喫緊の重要課題は山積している。安倍首相には気を引き締めて、政権運営にあたってもらいたい。
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