2015年12月31日

[産経新聞] 【主張】共産党と開会式 打算的な擬態に過ぎない (2015年12月31日)

天皇陛下をお迎えして行う国会の開会式への出席を拒否してきた共産党が、新年の通常国会から出席に転じるという。

志位和夫委員長は、党綱領で掲げる日米安全保障条約の廃棄や自衛隊解消といった従来の政策を凍結する考えもこれまでに示している。

他の野党との「国民連合政府」への呼び水とするためだ。だが、これは党への拒否反応を薄める擬態としか思えない。

そもそも天皇や自衛隊、日米安保の否定は同党の基本姿勢だろう。にわかに信用できない。

志位氏は「特別に高い玉座(ぎょくざ)が設けられ『お言葉』を賜る形式は、憲法の主権在民の原則と精神に反する」と、開会式の変更を求めていく考えも示している。とても納得できるものではない。

共産党は平成16年改定の現綱領で「天皇制」と「自衛隊」の当面容認を盛り込んだ。同時に、将来的な「民主共和制の政治体制の実現」を明記している。皇室の廃絶を狙うものだ。本音がそうだから、天皇が敬愛の念をもって遇されることが嫌なのだろうか。

世界には英国など民主的な君主国が少なくない。伝統を踏まえた立憲君主である天皇と国民主権はなんら矛盾しない。

天皇が参加する開会式は日本の憲政上、大切な式典である。

天皇は「日本国の象徴であり国民統合の象徴」と重く位置付けられており、お言葉によって国会の働きに期待感を示すのは国会の役割が大きいことを意味する。その意義を理解していないのか。

志位氏は、出席方針と政局との関わりは否定し、「(お言葉が)この三十数年来は儀礼的で憲法から逸脱していない」と語った。

なぜ今、出席かの理由にはなっていない。また、政党がお言葉の内容をあげつらい、制約をかけようとすること自体、政治利用にあたりかねない。

共産党は、防衛力の整備や米軍基地に反対する非現実的な政策を掲げてきた。反省の色もない。

野党連携の決め手が他にないからといって、民主党などは本気で、実質的な政策の転換を示さない共産党と手を組むのか。

こうした方針を急に打ち出せるのも、党内の自由な言論が保障されていない民主集中制がとられているからだろう。

今度のことでもっとも困惑しているのは党員ではないか。
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[産経新聞] 【主張】インフラ老朽化 確実な保守点検で命守れ (2015年12月31日)

山梨県の中央自動車道笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故をめぐり、横浜地裁がトンネルを管理する中日本高速道路とその子会社に対し、道路管理者の過失を認定した。

道路やトンネルなど、インフラに対する保守点検の重要性を改めて示したものといえる。

政府は事故の後、道路などの点検を強化しているが、予算や人員の制約などもあり、その実施率は低い水準にとどまっている。

高度成長期に建設したインフラの老朽化は急速に進んでいる。国民の生命を守るためには維持管理を徹底し、必要な補修工事を確実に実施すべきだ。

事故は平成24年、トンネルの開通から35年が経過した時点で起きた。コンクリート製の天井板を支えるアンカーボルトが経年劣化で抜け落ち、通行中の車両3台が下敷きになった。だれが巻き込まれてもおかしくない事故であり、国民に大きな衝撃を与えた。

中日本高速は事故を予見できなかったと主張したが、判決は「点検方法が甚だ不十分で、適切に点検していれば事故は回避できた」と指摘し、約4億4千万円の損害賠償を命じた。

道路会社などの道路管理者に対して厳正な点検と管理を求めたのは当然である。

政府は事故後、道路法を改正して道路管理者ごとにばらばらだった保守に関する基準を統一した。5年ごとの目視による点検などを義務化し、その健全性を4段階で診断するようにした。

点検の対象は全国で約77万カ所あり、昨年度はその約1割で点検を実施した。トンネルは約1万1千カ所あるが、点検を終えた1400カ所のうち、十数カ所で深刻な老朽化が発見された。

政府や道路会社、そして自治体はすべての場所での点検をスピードアップしてもらいたい。

国の道路事業費の中で、維持補修に充てる予算は年間3千億円程度だ。ここ数年は増加傾向にあるが、緊急性を考慮すれば、新規建設よりも補修にもっと重点配分すべきだろう。自治体への技術支援なども欠かせない。

これまでは損傷が見つかった後に補修工事を実施していたが、一定期間ごとに予防的な工事をすると、より長期にインフラを使用できることも分かっている。工事の効率化も考えたい。
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[東京新聞] 大みそかに考える 「紅白」が聞こえた夜 (2015年12月31日)

戦後七十年の大みそか。この節目にこそ思いをいたし、日本人ならいつも心にとどめておきたい原風景があります。七十年前の大みそかです。

八月十五日の玉音放送へなだれ込む瀬戸際の攻防−。映画『日本のいちばん長い日』が今年八月公開され話題を呼びました。思えばこの一番「長い日」を頂点にした一九四五年もまた、当時の人たちには限りなく「長い年」に感じられたはずです。とにかく、いろいろなことがありました。

二月からの本土空襲に続き硫黄島玉砕、沖縄戦、広島、長崎の原爆、シベリア抑留。歴史の陰で、個々の日本人にとっては無論、家族の戦死や再会など人生の重大事が数多く凝縮した一年でした。

終戦後は、それぞれの悲喜劇に心の区切りをつける間もなく、連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策です。新憲法を待つまでもなく財閥解体や農地解放と、秋から年末にかけて矢継ぎ早でした。

GHQが「民主主義」の浸透に重視した女性の参政権も、年末の法改正で実現しています。

米国で四五年秋、GHQ職員に採用された女性が、神奈川県の厚木基地に降り立ったのもちょうどそんな年の暮れでした。当時二十二歳。起草に携わった日本国憲法に「男女平等」を書き込んだベアテ・シロタ・ゴードンさん(二〇一二年死去)です。

十五歳まで約十年、戦前の日本に住んだ彼女は「貧しさゆえに身を売られる農家の娘」など、日本女性を苛(さいな)む不平等を知っていました。そのうえで、再来日の年の瀬に目にした女性のたくましさを、自伝『1945年のクリスマス』(柏書房)に活写しています。

東京都内で<すれ違った電車はどれも満員で赤ん坊をおぶった若いお母さんがドアにぶら下がっているのを見た…。後れ毛が風に踊り、ねんねこからはみ出た赤ん坊の足は、しもやけで熟れた柿のように赤くなっていた>


◆生きるすべを知っている
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辺りの焼け跡に麦が植わった光景にも重ね「みんな生きるすべを知っているんだ」と実感したベアテさん。行間を読めば、彼女がこの電車の母子に透写したのは、焼け跡の硬い土に芽吹いた麦の“生命力”だったかもしれません。

自伝でベアテさんは、実現した女性参政権に当時抱いた期待感を記しました。参政権が日本女性を苦境から解放する手だてになればと願い、「女性が幸せにならなければ、日本は平和にならない」との信念も随所ににじませて。

でも、当の女性たちはその意義に何の関心も払っていない。「ほとんどの女性が日々生きていくことに精いっぱいの日本では、それは無理もないことだった」とも。参政権や平等について、知識も考える余裕も乏しかった当時の、それが現実でした。


◆新時代のざわめき伝わる
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ともかくも、こうして迎えた一九四五年大みそかの夜。ラジオに初めて流れたのは「紅白」対抗の音楽番組でした。これもつまりは「男女平等」の先取りだったでしょう。あの玉音放送からまだ四カ月半しかたたないのに、今の「歌合戦」にもつながる斬新さ。新しい時代のざわめきが伝わります。人々はどんな感慨でこの「紅白」を聞いたのでしょうか。

ただ思い直せば、当時はまだ生活苦で、悠然とラジオを聞けた人が全国にどれだけいたか。おそらくは「長い一年」をよくぞ生き延びて、ただ年を越せる感慨に浸った人が大半ではなかったか。まだ貧しい現実と、見も知らぬ理想とが同居した年末、日本人が時代に一つの始末をつけた夜でした。

しかしこの時、長い一年を気丈に生き延びた人々の自信は、新時代を切り開く“生命力”に形を変えて芽吹き始めていたはずです。ベアテさんも思いを込めた新憲法がやがて施行され、民主国家への復興を皆が自覚して、年々希望の芽を膨らませていったのでした。

そんな戦後日本の起点にあった七十年前の大みそかのことを忘れずにいたい。あの焼け跡に何を積んできて、次代に何を残すか。考えるよすがにしたいからです。


◆「18歳」初選挙も控える
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さて二〇一五年のきょう大みそか。節目の一年を振り返って私たちは次世代に何を残したか。

政治家は安保法の成立で「平和の備え」を残せたと胸を張ります。その半面、安保法で次世代の人たちが戦争に巻き込まれる危険は高まります。それはまた、七十年前の人たちに対しても、私たちの贖(あがな)いきれない罪となるでしょう。

けれど、希望はあります。この夏、安保法反対デモなどで若者たちに芽生えた憲法の主権者意識です。来年には十八歳選挙権の初選挙も控えます。若者の自立がいつか新時代を切り開く“生命力”になると信じたいのです。
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[日経新聞] 抜本改革が急務のFIFA (2015年12月31日)

国際サッカー連盟(FIFA)の不祥事が拡大の一途だ。

12月に入り、米当局が新たに中米ホンジュラス出身のFIFA副会長ら計16人を収賄などの罪で起訴した。5月に放映権をめぐる汚職などで起訴した14人と合わせ、これで30人となり、改めて金まみれの体質を浮き彫りにした。

加えて、FIFAの独立機関である倫理委員会は、ブラッター会長がプラティニ副会長に不正な報酬を支払っていたとして、2人を8年間の活動停止処分にした。サッカーを最も人気の高いスポーツにし、ビジネスとしても育て上げたブラッター時代は終わりを告げたといっていい。

この報酬に関してはスイス当局が捜査中のうえ、米当局も汚職追及の手は緩めていない。FIFAは全面的に協力して徹底的に組織のウミを出しきるとともに、倫理委の体制を強化するなど自浄を尽くし、解体的な出直しを目指してほしい。

ブラッター体制の17年間、本人もインタビューで自賛した通り、サッカーは世界の「共通言語」になった。ワールドカップ(W杯)はトップブランドとなり、世界中で視聴され、多様なマーケティングを通じ、スポンサーやファンから巨額の金が流れ込んだ。

しかし、光が強ければ影も濃いとの言葉通り、裏ではW杯開催地や会長・理事の選挙、放映権などで巨大な利権が生まれ、幹部による口利きや金の授受が日常化するなど腐敗が進んでいたようだ。

FIFAは今月、理事会で改革案を承認している。巨大な権限を持ち、外部から決定過程が見えにくくなっていた理事会を、意思決定部門と実務部門に分割し、さらに会長ら幹部の任期を3期12年までとして、報酬も開示する。

来年2月の会長選を待たず、この改革が断行できるのか、新生FIFAの覚悟が試される。「サッカー選手」は世界中の子供らのあこがれの職業だ。夢のピッチを金や利権で汚すのは、絶対にやめてほしい。
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[日経新聞] 株価が映す世界経済のリスクに備えよ (2015年12月31日)

東京証券取引所で2015年の最後の株式取引が30日に行われた。日本経済の体温計といえる日経平均株価は1万9033円71銭で取引を終了した。14年末に比べ1582円94銭高い水準だ。

日経平均の暦年ベースでの上昇は4年続けてのことだ。これはバブル崩壊後では03?06年に並ぶ最長の期間だ。株価が示唆する日本経済の先行きは決して悲観すべきものではない。

とはいえ、今年は世界経済の様々なリスクを映し、日経平均が乱高下をくり返す場面も多かった。日本の政府と企業が警戒を怠るわけにはいかない。

今年の株式相場は前半と後半で様相が変わった。

日経平均は6月24日に終値で2万868円03銭の年初来高値をつけた。金融危機後の合理化で企業の収益力が高まったところへ円安の追い風も加わり、企業業績が好調に推移したからだ。

株価の上昇に背中を押されるように米欧での企業買収も増えた。それが市場での日本企業への成長期待を一段と高めるという好循環につながった。

しかし、8月に中国が人民元の切り下げを発表すると市場の雰囲気は一変した。グローバル経済のけん引役だった中国経済の先行きに対する懸念が浮上し、世界同時株安に日本も巻きこまれてしまった。新興国経済の減速懸念で原油安が加速したことも、市場の波乱要因になった。

世界経済は不透明感を増しながら越年する。

12月に米連邦準備理事会(FRB)が実施した利上げが新興国の経済や投資資金の流れにどんな影響を与えるか、まだ見通しにくい部分が多い。さらに、パリなどで発生したテロや欧州の難民危機は世界各地で政治的な緊張を生み、グローバルな金融市場に深い影を落としている。

こうした中で日本の政府と企業はともに、リスクが顕在化した場合への備えが求められる。

政府は規制改革で起業しやすい環境を整えるなど、経済の新陳代謝や潜在成長率の引き上げにつながる施策を急ぐべきだ。安倍晋三首相にはいま一度、経済最優先の姿勢を示してほしい。

業績が過去最高の水準にある企業は、豊富な資金を抱え込むことなく投資の機会を探る必要がある。持続的な成長を可能とする基盤固めを進めるべきだ。
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[毎日新聞] 戦後70年が終わる 過去との穏やかな対話を (2015年12月31日)

惨禍を極めた大戦の終結から70年という節目の年が間もなく暮れる。空前の数の人命を奪ったあの戦争はなぜ引き起こされたのか。戦争中に日本はどう振る舞ったのか。この1年、歴史の評価をめぐってさまざまな議論が交わされた。その多くで歴史はナショナリズムというよろいをまとわされ続けた。年初に私たちが最も懸念したのは、歴史認識の違いによって東アジアが際限のない「歴史戦争」にのめり込んでいく事態だった。実際に日中韓では摩擦が絶えなかった。それでも年末に日韓がたどり着いた合意は、対立を乗り越えようとする両国の強い意思を示した。負の連鎖を防ぐ上で重要な一歩だ。


日米離間を図った中国
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「さまざまな面で先の戦争のことを考えて過ごした1年だったように思います」。天皇陛下は誕生日にあたってそう振り返られた。南太平洋パラオへの慰霊の旅や、昭和天皇の聖断が下された御文庫(おぶんこ)付属室の公開など、例年にも増して戦争の記憶と向き合ってこられた陛下の思いは、国民にも伝わったことだろう。過去との対話は本来、冷静かつ穏やかな態度でなされるべきものだ。たけだけしく歴史を語れば、もともと異なる国家のアイデンティティーを闘争へと駆り立ててしまう。1年を通して歴史問題が強い政治性を帯びたのは、国際的な政治秩序の変動期と戦後史の節目が重なったためだ。軍事・経済両面で驚異的に膨張を続ける中国と、安倍晋三首相の再登場以来進んだ日本政治の右傾化が相互に刺激し合った。とりわけ中国による歴史の政治利用は、周到かつ執拗(しつよう)だった。2月の段階で中国は、戦後70年にちなむ国連安全保障理事会の公開討論を提案した。そして「いまだに侵略の歴史をごまかそうとする者がいる」と日本をけん制した。5月の核拡散防止条約再検討会議では、世界の指導者に被爆地への訪問を促す日本提出の決議案を、中国が「日本が\xC2
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過ち直視する勇気こそ
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首相は11月の講演で「今や談話が話題に上ることはほとんどない。多くの国民が共有できる談話を作成することができた」と自賛した。そうだろうか。安倍談話の特徴は新たな摩擦を避けようとする防御的な表現にあった。中韓両国が抑制的に反応したのは、談話の内容ではなく、経済の減速に伴う中国の対外政策変更や、日韓の不和を懸念する米国の働きかけなどが絡んでいる。明治中期に渡米し、米エール大で日本人初の教授になった歴史学者の朝河貫一(あさかわ・かんいち)は、日露戦争後の1909年に「日本の禍機(かき)」を出版した。中国の「領土保全」と列国の「機会均等」を掲げて日露戦争を戦ったはずの日本が、戦勝後はロシア同様に南満州を「私曲(しきょく)」し始めたことに国際世論が険しい目を向けていると母国に警鐘を鳴らした著作だ。「戦前世界が露国に対して有したる悪感は、今や変じて日本に対する悪感となり、当時日本に対したる同情は、今や転じて支那(しな)に対する同情となりたり」朝河は、日本がアジアで背信を続ければ、いずれは日米が戦うとまで予言していた。日本の対中侵略は満州事変で突然始まったわけではなく、そのはるか前に素\xC3
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[読売新聞] 中国大気汚染 環境改善を遅らせる強権統治 (2015年12月31日)

成長至上主義のツケに加えて、中国共産党の一党独裁による強権統治が事態の改善を遅らせていると言えよう。

中国各地が深刻な大気汚染に見舞われている。北京市当局は今月、2度にわたって、最悪レベルの汚染を示す「赤色警報」を発令した。

北京の一部地域では、直径2・5マイクロ・メートル以下の微小粒子状物質(PM2・5)の濃度が1立方メートルあたり日本の環境基準の20倍に相当する700マイクロ・グラムを超えた。

警報期間中の計約7日間、通行車両をほぼ半減させる交通規制や工場の稼働停止などの緊急措置をとった。日本人学校が休校し、日系企業が在宅勤務に切り替わるなど邦人社会への影響も心配だ。

強引な交通規制などは、昨秋のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や今年9月の軍事パレードでも実施された。

重要行事の際に、習近平政権のメンツを保つのが最大の目的だったのではないか。こうした場当たりな対応を繰り返すだけでは、抜本的解決は図れまい。

大気汚染悪化の原因は、石炭を燃やす際に生じる煤煙(ばいえん)や低品質のガソリンを使った自動車の排ガスなどだ。改善には、長期的で粘り強い取り組みが欠かせない。

政権は、改正大気汚染防止法を年明けに施行するなど環境対策を重視する姿勢は示している。

だが、中国では「法治」を掲げながら、「司法の独立」はない。迅速な情報公開が不可欠にもかかわらず、地方官僚の意識は概(おおむ)ね低く、隠蔽体質も甚だしい。

経済的な利益を優先し、汚染の蔓延(まんえん)を助長してきた地方当局と企業の癒着の構造にメスを入れるのは難しいだろう。

今春、大気汚染を巡って当局を告発し、大反響を呼んだインターネット動画は閲覧不能になった。民間活動団体(NGO)やメディアによる企業に対する監視が重要だが、政権はむしろNGOや報道への締め付けを強めている。

このままでは、地球温暖化問題を巡って表明した温室効果ガス削減の公約すら、そらぞらしい。

習政権は2020年までに、いくらかゆとりのある「小康社会」の構築を目標に掲げている。実現には、国民の生活水準の向上は無論、環境対策の徹底が急務だ。

中国の大気汚染は日本にとってもひとごとではない。PM2・5などが偏西風に乗って飛来している。日本は環境協力を進める一方、中国が対応に本腰を入れるよう促し続けねばならない。
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[読売新聞] ISS参加延長 安保面の国際協調も深めたい (2015年12月31日)

宇宙開発で、日本の存在感を示すための取り組みが求められよう。

政府は国際宇宙ステーション(ISS)への参加期間を2024年まで延長することを決めた。米国と合意文書を交わした。

米国は昨年、ISSの運用を20年以降も続けることを決め、他の14か国に引き続き参加するよう求めた。ロシアとカナダが継続の方針を示している。

日米両国は、宇宙分野で科学技術開発やビジネスに関する協力を進めている。ISSへの参加継続は日米協調の象徴と言える。

合意文書で両国は、ISSを通じた国際貢献を強調した。アジアでは、通信放送や災害対策などで宇宙利用への関心が高まっている。このため、合意文書には東南アジアなどに宇宙実験の機会を提供することが盛り込まれた。

日本がISS利用の窓口になれば、アジアでの求心力を高めるのに役立つだろう。

日米両国は、宇宙空間に浮かぶ人工衛星の破片など「宇宙ごみ」の回収技術の開発も進める。

日本は、ISSの実験棟「きぼう」で、08年から宇宙の観測や微小重力を生かした科学実験などを行っている。今月帰還した油井亀美也さんら、これまで5人の日本人宇宙飛行士が長期滞在した。

5回にわたって打ち上げた無人補給船「こうのとり」は、ISSへの物資輸送の欠かせない手段となっている。

ISSに参加することで、日本の宇宙技術は着実に進歩した。

ただ、費用に見合う成果が得られていないとの批判は根強い。

11月に行われた政府の「行政事業レビュー」では、年350億?400億円に上るISSの運用経費について、「額が適正かどうか議論が必要だ」と指摘された。

無重力空間を利用した新薬開発の実験などで、具体的な成果が求められるだろう。

安全保障面で、ISSの重要性は高まっている。

中国は、22年を目標に独自の宇宙ステーション建設を計画する。過去には人工衛星の破壊実験を強行し、国際的な非難を受けた。

ISSは、対中国の国際連携の要となる存在だ。この観点でも、日本の参加継続は意義がある。

米国はISSで培った成果を基に、火星での有人探査を目指している。一方、日本は、有人宇宙活動をさらに進めるかどうか、方向性が定まっていない。ISSへの参加継続を、宇宙政策の長期構想を描く契機としたい。
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[朝日新聞] 2015―2016 深くねむるために (2015年12月31日)

世界はどうやってできたか。アメリカ先住民のアコマヴィには、こんな神話があるという。

雲が固まってコヨーテになり、霧が凝縮してギンギツネとなる。ギンギツネは熱心に仕事をして、陸地をつくり、木や岩をつくる。コヨーテはその間、ただ眠っているだけ。コヨーテは眠ることでギンギツネの創造に協力しているのだ――。(河合隼雄「神話の心理学」)

何もせず、何の役にも立っていないコヨーテがどうして、世界をつくっていることになるのだろう? この、ちょっとおかしな創世神話は、夢をみたり、理想を語ったり、目には見えないものに思いをはせたりする力が、実際に現実を動かす力と同等に、世界を成り立たせるには必要なのだということを暗示しているのかもしれない。

2015年が終わる。

眠りの浅い、1年だった。

■私たちの「値札」

重機がうなり、ダンプカーが土ぼこりを巻き上げる。

東九州自動車道の北九州市から宮崎市までを結ぶ約320キロのうち、最後の1区間7・2キロの工事が、来春開通を目指して急ピッチで進んでいる。完成すれば約10分早く行き来できる。

当初予定から1年遅れ。ミカン園を営む岡本栄一さん(69)が用地買収に応じなかったためだが、今年9月、福岡県による強制収用が完了した。

道路でミカン園は分断された。だが岡本さんはいまも、約1億7千万円の補償金の受け取りを拒んでいる。もらえば、反対してきた16年間が「なかったこと」になってしまう。とはいえ、収用された倉庫などは新設せねばならず出費はかさむ。妙な袋小路に追い込まれている。

「今年のは見栄えが悪くて」

初出荷の日。岡本さんに手渡されたミカンの皮には黒い斑点がある。強制収用のごたごたで手入れが行き届かなかった。味は変わらない。でも、見栄えが良ければM寸10キロ2500円、悪いと1200円という。

中身より見かけ。この世界はいま、そんな風にできている。

「おやじの代からの土地を守ってミカンを作り続けたい」。思いが素朴であるほど、信じるのが難しくなるものだ。

どうせお金なんでしょ。

もっと巧(うま)くやればいいのに。

しかし、巧くやるとはどういうことか。思いをさっさと数字に変えて、できるだけ多額の補償金を手にすることだろうか。

巧く立ち回って億のお金を手にしたら、岡本さんの「値」は上がるのか下がるのか。10分の便利を喜ぶ私たちには、いったいいくらの値札がぶら下がっているのだろう。

ミカンを口に放り込む。

甘い。そして酸っぱい。

■「魂の飢餓感」

8月に閣議決定された、戦後70年の安倍首相談話は、とても巧く書かれていた。

「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのおわび」。焦点だったキーワードはすべて盛り込み、結果、中国や韓国の反応は抑制的だった。

あれから4カ月。いま、あの談話から最も強く伝わってきたことは何かと問われたら、どう答える人が多いだろう。

言葉とは不思議なものだ。

思いに裏打ちされていなければ、ほどなく雲散霧消する。

「歴史的にも現在においても沖縄県民は自由、平等、人権、自己決定権をないがしろにされて参りました。私はこのことを『魂の飢餓感』と表現をしております」

沖縄県の翁長雄志知事は12月、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり国と争う裁判で、こう訴えた。「魂の飢餓感」への理解がなければ、政府との課題の解決は困難なのだ、と。

キーワードを組み合わせて巧みに言葉を操ってみせた人は、この陳述をどう聞いただろう。

人には「魂」としか言いようのないものがあることを知っただろうか。技巧では、その飢えや渇きは満たせないことに、思いを致しただろうか。

12月。7年前に過労自殺した女性の両親が、ワタミなどを訴えた裁判は、ワタミ側が1億3千万円超の損害賠償を支払うことなどで和解した。

26歳。手帳に書き残された「どうか助けて下さい」。

享受してきた「安さ」の裏に何があるか、私たちは考えてきただろうか。目には見えないものへの感受性がもっと豊かな世界だったら、彼女はいま、来年の抱負を新しい手帳に書きつけているかもしれない。

■それでも考え続ける

深くねむるために 世界は あり/ねむりの深さが 世界の意味だ(「かたつむり」)

7月に没した哲学者の鶴見俊輔さんは、こんな詩を残した。

あなたが、私たちが、深く眠るために。世界がそうあるためには――。答えは出ないかもしれない。それでも、考え続けるしかない。私たちはこの世界に関わっているから。いや応もなく、どうしようもなく。
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2015年12月30日

[産経新聞] 【主張】郵貯限度額 懸念残る引き上げ判断だ (2015年12月30日)

政府の郵政民営化委員会が、ゆうちょ銀行の貯金限度額と、かんぽ生命保険の加入限度額の引き上げを認める報告書をまとめた。これを受けて政府は政令を改正し、来年4月にも実施する。

拙速な判断といわざるを得ない。両社は秋に上場したが、完全民営化への道筋もみえず、国の間接的な関与は残る。ここで前のめりに引き上げれば、民間との公正な競争環境をゆがめかねない。

限度額上げは、全国郵便局長会の要望を踏まえて自民党が提言してきた。これでは、参院選をにらんだ思惑先行の引き上げを認めたとみられても仕方あるまい。

報告書は、ゆうちょ銀の限度額を現行の1千万円から1300万円に、かんぽ生命は1300万円から2千万円に、それぞれ引き上げるのが妥当とした。

利用者の利便性を重視したという。確かに、郵便局しか金融機関のない過疎地の不便さは否めず、ここへの配慮に異論はない。

ただ、それには限度額の引き上げの前に、地域の金融機関との連携を強化してサービスの充実を図るなど、ほかにもやるべきことがたくさんあるはずだ。

郵政グループの金融2社は、国の信用を背景に民業を圧迫しないよう、限度額を含めて多くの業務上の制約が課されている。

民営化の進捗(しんちょく)に応じて、これを段階的に緩和するとしても、2社の株式を100%売却する時期や手法の見極めがつかぬ段階では、慎重な対応が求められよう。

民間金融機関は、預金がゆうちょ銀に向かう恐れがあるとして限度額上げに反対してきた。地域経済を支える役割を担うべき中小金融機関ほど危機感は大きい。

ゆうちょ銀の貯金残高は国内の銀行で最大だ。これがさらに肥大化すれば、運用する際のリスク管理も難しさを増すだろう。こうした懸念はまだ拭えていない。

民営化委は、ゆうちょ銀に資金が集中しかねないとの批判について「懸念の域を出ない」などと反論し、残高増加を前提に限度額を論ずべきでないとしている。

だが政府や金融2社が本来優先すべきは、警戒感を確実に解消できるよう民営化の将来像を明確に示すことだ。

このことが不十分なまま性急に動けば、郵政と民間の間で醸成されつつある連携機運に水を差しかねない。
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[東京新聞] 年のおわりに考える もう一つのノーベル賞 (2015年12月30日)

今年も日本から二人がノーベル賞を受賞しました。科学技術の成果は、人類への貢献です。貢献度が大きい、もう一つのノーベル賞受賞者を紹介します。

ノーベル賞は自然科学分野で、医学生理学賞、物理学賞、化学賞を選びます。重要な分野の数学の賞はありません。ノーベルの恋敵が数学者だったから、という伝説があるほどです。

遺言で賞は「人類のために最大の貢献をした」人に贈ることになっていますが、カバーできない分野は数学以外にもあります。情報通信もその一つです。インターネットなどによる革命的な変化は、ノーベルでも想像できなかったことでしょう。


◆20年連続で世界1位
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もう一つのノーベル賞とは、今年五月、国際電気通信連合(ITU)が六人に贈った「百五十周年賞」のことです。受賞者の一人が坂村健・東大教授。受賞理由は「IoTの起源となったTRON(トロン)を提唱」でした。

他の受賞者は、米マイクロソフト社の共同創業者ビル・ゲイツ氏、インターネットの原型を提案して基盤技術を開発したロバート・カーン氏、携帯電話を開発したマーティン・クーパー氏ら。

表彰式では「情報通信分野のノーベル賞」と紹介されたといいます。坂村教授は「ノーベル賞との違いは、賞金がないこととメダルが金メッキということ」と笑って教えてくれました。

トロンというのは、坂村教授の提唱で始まった、大規模なプロジェクトです。内容は多岐にわたっていますが、重要なのが、自動車や電気製品、携帯電話などを制御するコンピューターシステムに組み込まれる基本ソフトのトロンです。パソコンのウィンドウズにあたるもので、シェアは約60%。二十年連続で一位です。人気の秘密は、ソフトの情報が公開され、無料で使えることです。


◆英語がダメでもITで
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受賞理由のIoTはモノのインターネットと訳され、ビジネスの世界ではホットな話題です。それはトロンが目指してきた「どこでもコンピューター」がルーツだと評価されたのです。どこでもコンピューターとは漫画のドラえもんを思い出させるネーミングですが、すべての物にコンピューターを付け、ネットで結ぶという壮大な発想です。

今、話題の言葉に「インダストリー4・0」があります。情報技術の高度化によって製造業を革新しようというものです。坂村教授は「トヨタのかんばん方式をオープンにしたもの」と表現します。組織を超えてネットでつながり、情報を交換することで、みんなが利益を得る、というのです。

ネットでつながる利点は企業利益だけではありません。

二〇二〇年の東京五輪に向けて、坂村教授は「サービス4・0」を提唱しています。

「日本人は英語が苦手。それを逆手に取って、英語がダメなことから生まれるサービスを考えよう」というのです。うまくいけば英語以外の言葉にも利用でき、世界中で役に立ちます。また、視聴覚などに障害がある人にとっても便利なものになるでしょう。

首都圏の交通事業者らがつくる公共交通オープンデータ協議会という組織があります。鉄道やバスの運行情報や、駅や空港などの施設内の情報をリアルタイムで提供することを目指しています。エレベーターやトイレの位置も分かります。これを多言語化すれば、外国人旅行者への「おもてなし」になります。すべての事業者が情報を公開すれば、情報通信技術で可能になります。

興味深いのは、坂村教授はトロンが成功した理由は「オープン」だと考えていることです。オープンとは、情報を公開し、誰でも使えることです。「開放」とでも訳すのが適当でしょうか。

インターネットが世界を大きく変えたのもオープンだったからです。ルールを守れば誰でも参加できる仕組みです。ITUの受賞者は、ゲイツ氏以外はみな、分野は違ってもオープンがキーワードになっています。


◆時代は「オープン」へ
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同じようなことを二〇一二年のノーベル賞受賞者の山中伸弥京大教授もやっています。人工多能性幹細胞(iPS細胞)に関する基本特許を京大が取り、大学などの公的機関の研究者は無償でiPS細胞を作ることができるようにしたのです。

トヨタ自動車も今年、燃料電池に関する特許を無償開放して話題になりました。燃料電池車の普及を後押しするためだと言います。

企業は独占による利益を目指しがちですが、オープンにすることのメリットもあります。それは企業や研究者だけでなく、国や個人の生き方にも言えそうです。
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[産経新聞] 【主張】国際開発目標 新たな15年の戦略広げよ (2015年12月30日)

21世紀最初の15年間に国際社会が共通目標としてきたミレニアム開発目標(MDGs)が12月末で終わり、年始からは、新たに持続可能な開発目標(SDGs)がスタートする。

貧困撲滅を掲げたMDGsは、保健分野などで一定の成果をあげたが、それでも世界は難民や大規模テロ、地球温暖化など解決困難な課題に取り巻かれている。

新たな目標を看板の掛け替えに終わらせず、文字通り持続可能な仕組みを作る。これは、途上国にも先進国にも、共通に課された責務である。

SDGsは今年9月、国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」に盛り込まれた17項目の目標だ。17項目の下にはさらに、30年までに達成すべき169のターゲットが設定されている。

MDGsが8項目だったのに対し、SDGsはあれもこれもと課題を盛り込み、総花的になったという批判がある。そうなった理由の一つは、MDGsの成果が予想以上に大きかったことだろう。

保健分野を中心にMDGsの各目標も最初は、野心的すぎて「できるわけがない」といわれた。だが、世界の首脳が15年の期限を切って行った約束には求心力があり、予想に反して実現した目標も少なくない。

また地球規模の課題に分野横断的に取り組むことで、課題間の相乗効果も確認できた。たとえば保健分野の成果で感染症の流行が縮小すれば、子供や働き盛りの年齢の死亡率が下がり、地域が安定化するので難民やテロが発生する土壌が消えていく。現実の世界には逆の回転も多く、先進国も難民やテロの発生の影響を受け、社会の不安定化に苦しんでいる。

一方で環境や水陸の資源開発、エネルギーなどの分野で新たな課題が増え、途上国だけでなく、先進国が抱える問題にも共通で取り組める基盤が広がった。

このため、国や国際機関だけでなく、民間企業の間でも、SDGsに注目し、社会的な開発課題の解決をビジネスチャンスの拡大につなげようと新たな投資を検討する動きが生まれている。

来年の伊勢志摩サミットの議長国である日本政府には、こうした民間の意欲にも注目しつつ、新たな15年の国際開発戦略を主導する役割を期待したい。
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[日経新聞] 政府機関の地方移転に本腰を (2015年12月30日)

地方創生の柱である政府機関の地方移転に暗雲が漂っている。政府の検討状況を見る限り、大きな成果が上がるのか心もとない。

中央省庁や独立行政法人など政府機関は東京など首都圏に集中している。それを少しでも分散しようというのが今回の試みだ。8月末までに42道府県が69機関の誘致を提案した。

政府は今回、来年3月末の決定に向けて、ほぼ半分の34機関を検討対象にした。このうち、「組織全体の移転」を検討をするのは大阪が移転先になる国立健康・栄養研究所だけだ。

理化学研究所のような研究機関や森林技術総合研修所のような研修機関の多くは「一部移転」の検討にとどまる。それも地方の大学などとの共同研究の体制づくりなどといった、地方側からみれば移転とみなせない事例が多い。

文化庁や消費者庁など中央省庁の移転についてはさらに厳しい。検討対象には入っているが、方向性はまったく示されていない。

省庁側は東京から移転できない理由として、主に2つを挙げている。ひとつは国会対応や他の省庁との連携だ。一見するともっともなようだが、テレビ会議の活用など政府内部の仕事の進め方を見直せば不可能ではないはずだ。

もうひとつは東京のアクセスの良さだ。特に研修機関の移転について「地方では受講生や講師の利便性が確保できない」という指摘が多い。東京が便利なことは当初からわかっている。これを反対理由として認めるなら、最初から検討しなければいい。

政府は現在、東京にある企業の本社機能の移転を後押ししている。自ら範を示す必要があるのではないか。

安倍政権が地方創生の総合戦略をまとめて1年。全国の自治体も続々と地方版の戦略をまとめ、これから実行段階に入る。

政府は地方創生の最大の柱として東京に集中する人の流れを変えることをあげる。ならば政府機関の移転に本腰を入れるべきだ。
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[日経新聞] 原油安の負の影響にも警戒を怠るな (2015年12月30日)

原油相場の低迷が長期化している。世界の主要市場で国際相場が1バレル40ドルを下回り、欧州やアジア市場の指標油種は11年ぶりの安値に下げた。天然ガス価格も急落し、米国の先物相場は16年ぶりの安値を記録している。

原油相場が低迷する最大の要因は需給の緩みだ。中国など新興国の経済に減速感が強まり、世界のエネルギー需要の伸びは鈍った。一方、供給面では米国が40年ぶりに原油輸出を解禁することを決めた。経済制裁の解除でイランの原油輸出回復も見込まれる。

過去最高の水準に達した世界の原油在庫は削減のメドが立たない。安全保障の観点から1975年に原油輸出を原則禁止にした米国が政策を転換した理由も、シェール革命で原油生産が急増し、国内在庫が歴史的な水準に積み上がったことにある。

原油や天然ガスの供給が増え、相場が下落したことは資源の多くを輸入に頼る日本の経済にプラスの効果が大きい。直近11月の貿易統計で、原油と天然ガスの輸入額は計1兆円を下回った。急落前の2013年11月と比べると8600億円強の減少だ。年間に直せば海外への富の流出は10兆円減り、恩恵は企業収益や家計に及ぶ。

米国は今も大量の原油を輸入している。原油の品質も日本の精製設備には向かず、米国が安定した調達先になるかどうか不透明な要素はある。それでも原油供給の8割強を中東諸国に頼る日本にとって、調達の選択肢は増える。

しかし、原油安がもたらすのは、こうしたプラスの効果だけではない。原油などの相場が急落した背景には新興国の経済が減速し、世界の成長力が鈍ったことがある。世界銀行は、原油など1次産品の価格安が新興国経済を下押しする負の循環を指摘する。

世界の株式市場は、産油国が財政赤字を埋め合わせるために金融資産を売却するオイルマネーの逆流に揺れる。今後は、耐久力の弱い産油国や資源企業が危機的な状況に直面する可能性も否定できない。政府・日銀は、金融市場への影響に十分目配りすべきだ。

国際エネルギー機関(IEA)は相場急落によって原油関連の投資が16年まで2年連続で減少し、それが20年以降の相場高騰につながると予測する。中東情勢の悪化が及ぼす影響とともに、将来の原油供給が不安定になるリスクにも警戒が必要だ。
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[毎日新聞] 30%目標の断念 「輝く女性」の看板が泣く (2015年12月30日)

「2020年までに官民の指導的地位に女性が占める割合を30%程度とする」という目標を、政府が事実上、断念した。来年度からの5年を対象とする「第4次男女共同参画基本計画」が閣議決定された。最終年度は30%目標の期限と同じ20年度だ。政府は30%の旗を降ろしていないと言うが、実態があまりにも目標とかけ離れているため、分野ごとに現実的な数値を掲げざるを得なかった。その低さにはあきれるばかりである。特に本来、範を示すべき公的部門が遅れているのは問題だ。霞が関の本省で働く国家公務員の課長級は、20年度の目標が7%である。現状(3.5%)の倍とはいえ、民間企業の現状(9.2%)や目標(15%)に比べ見劣りする。確かに公務員の課長級ポストは限られており、短期間で女性の比率を大幅に引き上げようとすれば、多数の男性課長にポストを空けてもらわねばならなくなる。だが、30%目標が掲げられたのは03年のことだ。当初から本気で取り組んでいたら、12年後の今、3.5%ということはなかっただろう。今になって「人材が育っていない」は理由にならない。政治の分野でも遅れは甚だしい。列国議会同盟(IPU)によ\xA4
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[毎日新聞] 障害者虐待 通報者を守る仕組みを (2015年12月30日)

障害者への虐待が疑われる場合、それに気づいた人は市町村の窓口へ通報する義務がある。被害にあっても自ら声を上げられない人を救うため、障害者虐待防止法で定められている。ところが、同法に従って通報した職員が施設側から名誉毀損(きそん)で損害賠償を求められる例が、鹿児島市とさいたま市で相次いだ。これがまかり通ったら職員は萎縮して通報できなくなり、同法は骨抜きにされる。国は通報者を守る仕組みを早急に打ち立てるべきだ。鹿児島市の施設で勤務していた元職員は、女性障害者から「幹部職員にバインダーで頭をたたかれた」と聞いた。他の障害者に対する虐待の目撃証言が別の関係者からもあったため市へ通報した。施設側は「事実無根の中傷で名誉を毀損された」として110万円の損害賠償を求めて元職員を提訴した。さいたま市の施設では、上司の職員が撮影した障害者の裸の写真を無料通信アプリで送られた元女性職員が市に通報した。市は施設へ監査に入り、虐待を認定して改善勧告を出した。ところが、施設側は元女性職員に対して「テレビ局の取材も受け、他にも虐待があったと虚偽の説明をした」として672万円の損害賠償を請求する通知を\xC1
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[読売新聞] 郵貯限度額上げ 運用資産増にはリスクもある (2015年12月30日)

巨大な資産がさらに膨らみ、日本郵政グループの経営の足かせにならないだろうか。

政府の郵政民営化委員会が、ゆうちょ銀行の現行1000万円の貯金限度額を1300万円に引き上げるよう求める報告書をまとめた。かんぽ生命の契約限度額も1300万円から2000万円となる。

政府は政令を改正し、来年4月から実施する見通しだ。

報告書は、現行の規制が金融機関の少ない過疎地の高齢者に不便をもたらしていると指摘した。年金が振り込まれると、ゆうちょ銀の限度額を超過してしまうなど、利便性を損なっているという。

本来は、金融2社の業務規制の緩和は、完全民営化後に進めるのが筋だ。だが、報告書が高齢者ら個人の決済口座を使いやすくすることに主眼を置いているなら、一定の限度額引き上げも選択肢の一つだろう。

ただ、金融2社の運用資産の規模は300兆円近くに達し、その半分以上は国債が占めている。低金利下で国債による運用額を増やしても高い収益は見込み難い。

むしろ、国債価格の変動に伴い損失が発生するリスクが増えたと受け止められれば、11月に上場した金融2社の株価が足を引っ張られる懸念もあろう。

株価低迷で政府保有の日本郵政と金融2社の株式売却が遅れ、民営化のスケジュールに支障をきたす事態は避けたい。金融2社は限度額の引き上げに伴い、野放図に資金を集めるべきではない。

引き上げは元々、自民党の支持基盤である「全国郵便局長会」が求めていた。貯金額などに応じて、郵便局が受け取る手数料の増加が期待できるためだ。

来夏の参院選を見据え、自民党が貯金限度額2000万円への引き上げを提言したのに対し、民間金融機関は、金融2社による「民業圧迫」だと反発していた。

引き上げ幅が300万円に圧縮されたのは、民間の反発に配慮したためだろう。自民党が矛を収めたのには、大手銀行の政治献金再開を意識したとの見方もある。

肝要なのは、不採算の郵便事業を含め、日本郵政グループ各社が収益源の多様化と経営効率化を進めることである。全国遍(あまね)く公平なサービスと商品を提供する義務を果たしつつ、民営化を着実に進めねばならない。

金融2社は、単独で新規事業への参入を目指すだけでなく、民間金融機関と連携した地域活性化事業の展開などを検討すべきだ。
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[読売新聞] 司法試験漏洩 有罪判決を機に再発防止図れ (2015年12月30日)

司法試験の考査委員による問題漏洩(ろうえい)は、試験の公正さに対する信頼を大きく損ねた。

有罪判決を契機に、実効性のある再発防止策を講じなければならない。

東京地裁が、国家公務員法(守秘義務)違反に問われた明治大法科大学院の元教授、青柳幸一被告に対し、懲役1年、執行猶予5年の判決を言い渡した。

判決は「問題を作成する考査委員の立場にありながら、交際中の教え子の女性を合格させようと、自ら進んで犯行に及んだ」と認定した。「経緯や動機に酌むべきものはなく、強い非難に値する」と指弾したのは当然である。

実刑を選択しなかったのは、青柳被告が失職などの社会的制裁を受けている点を考慮したためだ。司法試験の根幹を揺るがせた犯行の重大性を踏まえた判決と受け止めるべきだろう。

考査委員は毎年、法科大学院の現役教員のほか、裁判官や弁護士ら法律実務家から任命される。今回の事件を受けて法務省は、来年の司法試験について、現役教員を問題作成者から除外した。

日常的に受験生と接する法科大学院教授の不正が明らかになった以上、不信を払拭するための当座の措置としては理解できる。

法務省は、現役教員の代わりに、法科大学院の教員経験者や法学部教授らを考査委員に選んだ。学術的な専門性も必要とされる分野の出題には、研究者の関与が不可欠との考えからだ。

だが、候補者が限られ、人選は難航したとされる。試験問題の質を担保する上で、再来年以降も現役教員を外し続けるのは、現実的とは言えまい。

法務省は、受験予定の法科大学院生らに課外指導を行わないことなど、考査委員の順守事項を改めて定めた。考査委員に誓約書を提出させ、自覚を促すという。

不正防止を徹底するためには、誓約を守らなかった場合に、何らかのペナルティーを科すといった方策も必要ではないか。

青柳被告は旧司法試験時代を含めると、14年間も考査委員を務めていた。任期が長期にわたれば、緊張感も失われやすい。考査委員の任期に一定の制限を設けることも検討すべきだろう。

考査委員の講義は、学生の間で人気が高い。法科大学院側にも、考査委員を教授に抱えておくと、経営上、プラスになるという意識があったことは否めない。生き残り競争にさらされる法科大学院の管理体制も問われている。
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[朝日新聞] 東京一極集中の是正 多極化へもっと本気を (2015年12月30日)

首都・東京へ向かう人の流れが止まらない。東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)は昨年、11万人近い転入超過となった。転入超過は19年連続だ。

安倍政権は地方創生を掲げ、東京一極集中の是正を目標とする。ただ、政府機関の地方移転が尻すぼみの兆しを見せるなど、本気度には疑問符がつく。

20年の五輪を前に、都心ではさまざまな開発が進む。地方から人が集まり、東京は日本の成長エンジンであり続ける。人々が信じていても無理はない。

だが忍び寄る高齢化が、東京の競争力を奪う恐れが出てきている。地方との共倒れを防ぐためにも、行き過ぎた一極集中に歯止めをかけていくべきだ。

■東京に迫る危機

五輪が終わった後、東京の高齢者の数はさらに増える。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によれば、1都3県では10年から25年までの15年間で、65歳以上の高齢者が計223万人増える。一方、15?64歳の生産年齢人口は、なお東京への流入が続くことを前提にしても、計195万人減る。

「東京圏の経済成長率は25年を境に急速に低下する」。人口問題に詳しい松谷明彦・政策研究大学院大名誉教授はみる。

すでに高齢化が進んでいる地方に比べ、高齢者の増え方が急激だ。「東京は相対的に貧しくなり、高齢者福祉のコストが財政を悪化させる。公共インフラの維持も難しくなる」と松谷さんは警鐘を鳴らす。

東京のもう一つの問題は出生率の低さだ。1人の女性が生涯に産む子の数を示す合計特殊出生率は全国最低の1・15(昨年)。子育て環境の厳しさが言われて久しい。

東京が若い世代を吸い寄せ、日本の人口減少が加速する。民間研究機関「日本創成会議」は「人口のブラックホール現象」と指摘した。

時間がない。東京の危機をいま一度認識し、国を挙げて対策を講じていくべきだ。

■伝わらぬ覚悟

政府が昨年末に決定した地方創生戦略には、「地方に30万人の雇用を創出する」「地方から東京圏への転入を6万人減らし、転出を4万人増やす」といった数値目標が盛られた。

目指す方向に異論はない。ただ、当の政府が、どれほどの覚悟を持って取り組んでいるか。

典型例が政府機関の地方移転だ。仕事と人の好循環を促すとして、今年3月から東京圏以外の自治体に提案を呼びかけた。

中小企業が多い大阪府が中小企業庁を、京都府が文化庁の誘致に名乗りを挙げるなど、計69機関が対象に上がった。

だが各省庁は「行政機能が下がる」「国会答弁に支障が出る」と反発した。政府は今月、検討対象を34機関に絞り込んだ。7省庁も候補には残ったものの、議論は先送りされた。

高齢者の移住を促す政府方針も波紋を呼んでいる。元気な時に入居し、必要に応じて医療・介護が受けられる共同体をつくる構想が柱で、263自治体が受け入れに前向きだという。

東京の高齢化の速度を抑える効果はあるかもしれない。ただ地方の人口構造を乱し、財政負担を転嫁する恐れはないか。制度設計は慎重に進めるべきだ。

■地方都市を拠点に

一極集中の是正に向けては、地方の力を相対的に強くしていくことが必要だ。

東京を除く46道府県と96%の市町村が地方交付税に頼る。この体質が変わらぬ限り、政府がことあるごとに「あめ」をばらまいても、格差解消は遠い。

地方創生も、中央集権の色合いは相変わらずだ。国の構造をどう変えるか。分権の方向性を打ち出すべきではないか。

東京一極ではなく、地方の大都市を拠点にした多極型に――。格差研究で知られる橘木俊詔(たちばなきとしあき)・京都女子大客員教授はこう提唱している。大阪や名古屋、札幌、福岡などの政令指定都市を核と位置づけ、東京の機能を分散していくとの主張だ。

現実的な道だろう。政府機関の移転も、国がまず全体的なビジョンを示し、自治体と議論を詰めていくほうがいい。

ただ、大都市が「ミニ東京」となるだけでは意味がない。多極化の効果が周辺全体に及び、新たな産業育成につながっていくような形が望ましい。

そのためには、自治体が真の自主性を発揮できる仕組みが必要だ。税源と権限の配分を抜本的に見直していくべきだ。

東京の華やかさに目を奪われがちな若い世代に、「地方で暮らす」という選択肢の魅力を示していくことも大切だろう。

福井県は先月、「ふくい暮らしライフデザイン設計書」を公表した。福井と東京で23?60歳を過ごす場合の家計収支を比べると、手元に残るお金は福井が3千万円多い、と試算した。

地方の持ち味である住みやすさを、各地がもっと競い合う。そうなれば、東京一辺倒の人の流れも変わってこよう。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

[東京新聞] 従軍慰安婦問題で合意 「妥結」の重さを学んだ (2015年12月29日)

日韓外相会談で、旧日本軍の従軍慰安婦問題を最終決着させると合意した。最大の懸案が解決に向かう。来年は対立から協力へと、流れを変えたい。

岸田文雄外相と尹炳世外相はソウルで会談し、慰安婦問題を「最終的、不可逆的に解決する」と確認した。韓国政府は今後、問題を蒸し返さないという明確な約束である。

元慰安婦を支援する財団を韓国政府が設立し、日本政府は財団に約十億円を拠出することで合意した。岸田外相は、安倍晋三首相がすべての元慰安婦に対し「責任を痛感し、心からのおわびと反省の気持ちを表明する」ことを明らかにした。


◆米国が背中押した
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韓国で初めて元慰安婦の女性が名乗りを上げてから二十四年。ようやく解決の道筋ができた。一九九〇年代に元慰安婦の支援事業として取り組んだ「アジア女性基金」や、民主党政権時代に提案された救済案など、これまで蓄積された日本の取り組みが実を結んだといえよう。

日韓外相は「解決」「決着」という言葉を使ったが、一連の交渉経過を見れば、キーワードは「妥結」という表現ではないか。実は韓国語にも妥結(タギョル)という漢語があり、日韓の辞典を見ると「利害の対立する者が折れ合って、話をまとめる」という部分が共通している。両首脳は当初の主張を和らげ互いに譲歩した。国内の反対世論を説得する決断もしたということだろう。

両政府とも妥結を急がねばならない事情があった。

元慰安婦の韓国人女性は生存者四十六人、平均年齢は九十歳近く、交渉をずっと続ける時間的余裕はなかった。また慰安婦問題で関係が冷えこんだままでは、経済、安保など協力すべき分野が進まないという不満が、双方の国内から出ていた。

日韓双方の背中を押したのは米国だった。オバマ政権は韓国に対し、歴史問題にこだわるばかりでは日米韓の共助体制が崩れていくと批判した。一方で、戦時下の女性に対する性暴力は深刻な人権侵害だとして、日本側に慰安婦問題の解決を迫った。


◆戦後70年談話が転機
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日韓両政府は当初、自説を強く主張していた。安倍政権は昨年、慰安婦問題で日本の官憲の関与を認めた「河野談話」の検証をしたが、国際社会は強い懸念を示した。河野談話の検証が慰安婦問題そのものを否定しかねないと見たからだ。

大きな転機は、八月に安倍首相が発表した「戦後七十年談話」だった。首相は従軍慰安婦には直接言及しなかったが、「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた」と述べた。

慰安婦問題は六五年の請求権協定によって解決済みというのが日本政府の原則的な見解だが、首相の談話は人道的な見地から救済の余地を示したものだ。韓国側に歩み寄ったといえよう。

この日の外相会談で言及された安倍首相の見解には、女性の名誉と尊厳という七十年談話と同じ表現があったことに注目したい。

朴槿恵大統領も妥結に向けて動いていた。慰安婦問題の解決に進展がない限り首脳会談には応じられないという立場だったが、今年に入り「歴史問題と経済、安保などの懸案は分けて対応する」と柔軟姿勢に変わった。

両政府が歩み寄り、ようやく妥結にこぎつけたことを、重く胸に刻みたい。ここ数年、広がった「反日」「嫌韓」という不幸な風潮を変えていかねばならない。

今後は両政府が国内世論をどう説得するかが重要になる。韓国の元慰安婦の支援団体「挺身(ていしん)隊問題対策協議会」は、今回の合意を評価せず、日本政府の法的責任を追及している。

日本の世論調査でも、慰安婦問題で譲歩する必要はないとの回答が多数を占める。政府予算を使って救済を図るのは、事実上の賠償ではないかという批判が予想される。在ソウル日本大使館前に置かれた慰安婦問題を象徴する少女像についても、撤去する確約はなかった。


◆火種は残っている
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歴史問題での火種は消えたわけではない。戦中の元徴用工問題で六五年の請求権協定が違憲だとする訴訟で、韓国憲法裁判所は今月、訴えを却下した。しかし、徴用工問題では地裁、高裁で争いが続いている。

韓国政府には日韓条約を尊重して、司法判断とは一線を画すよう望むが、日本側も、とりわけ政治家には歴史認識をめぐる発言に慎重さが必要だ。外相会談で弾みがついた関係改善の流れを止めないよう、日韓両国民の努力も求められる。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする