2015年09月30日

[産経新聞] 【主張】日露首脳会談 プーチン氏頼みは危うい (2015年09月30日)

安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との10カ月ぶりの会談は、平和条約締結交渉の前進に向けて対話を継続させることを確認した。

長期政権を目指す首相が、懸案の北方領土問題を直談判で打開したいと考える。それ自体は妥当なものだ。問題はプーチン氏が信頼するに足りる相手かどうかにある。

8月にはメドベージェフ首相が北方領土の択捉島を訪れた。ラブロフ外相は領土問題の存在を無視する発言を重ねている。

対話の継続を困難にしているのはロシア側なのだ。プーチン氏がこうした姿勢の転換を図らない限り、前進はあり得ない。

会談の冒頭、プーチン氏は日露の経済協力に「大きな潜在力がある」と述べたが、「領土問題」への具体的言及はなかった。

21日の日露外相会談では、領土問題に時間を費やしたにもかかわらず、ラブロフ外相は「議論はなかった」と否定した。領土は棚上げして平和条約交渉を進めたいとのロシア側の思惑が露骨に表れている。プーチン氏の対応も実質的には大差ないのではないか。

2013年4月の会談で、両首脳は領土問題の協議再開で合意している。外交当局の作業を加速させることにもなっていたのに、実行に移されていない。

外務次官級協議が10月に再開する。領土問題の進展なしに、平和条約の締結はあり得ないとの立場を崩してはならない。

同じく「力による現状変更」は絶対に容認できないことも、ロシア側に正確に伝えるべきだ。プーチン氏の年内訪日を困難にした原因もウクライナのクリミア併合など一連のロシアの行動にある。

首脳会談ではウクライナ東部の停戦状況について話し合ったが、首相はクリミア併合にも言及すべきだった。

ロシアは米欧主導の制裁の影響などで経済的苦境が続いている。プーチン氏の訪日調整には、米政府も慎重対応を求めている。

国連総会では、大量の難民問題に発展したシリア情勢が主要議題となり、同国のアサド政権を支援するロシアと米欧が対立している。米露首脳会談でも溝は埋まらなかった。

プーチン氏の「年内訪日」を急ぐときではない。領土交渉に真摯(しんし)な態度をとるかを見極め、米欧との協調維持が重要だ。
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[産経新聞] 【主張】五輪追加競技 失点続きの反省はあるか (2015年09月30日)

2020年東京五輪の大会組織委員会が、国際オリンピック委員会(IOC)に提案する5競技18種目を決めた。来年8月のIOC総会で正式に決定する。

すでに新国立競技場建設計画と大会エンブレムが白紙撤回された。これ以上の失点は許されないが、追加競技の選定に反省が生かされたとは言い難い。

提案するのは、野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツ、スポーツクライミング、サーフィンの5競技だ。

新国立計画やエンブレムの問題で「密室協議」への批判が高まったことから、候補8競技を採点評価して透明性を確保するはずだったが、種目追加検討会議の御手洗冨士夫座長は「数字が独り歩きすると困る」と公表を拒んだ。スカッシュなど落選3競技には理由の説明さえなかったという。

野球は日本の国民的人気種目であり、ソフトは08年北京五輪金メダルの感動の記憶も新しい。大会の盛り上げには欠かせない。

空手は日本発祥の競技であり、残る3競技は若者へのアピールを重視するIOCの意向にかない、いずれも外し難い。

もともとは五輪正式種目から外れた野球・ソフトの復活を目指したことから始まった問題だ。IOCが昨年12月に採択した開催都市が提案できる種目数は「1あるいは複数」とあり、追加競技は2、あるいは3にとどまるとみられていた。今後の絞り込みは、IOCに丸投げしたように映る。

IOCが追加種目の選手数の上限を500人としたことから、団体競技の野球・ソフトはそれぞれチーム数を6とした。開催国の日本を1とすれば、5大陸から1チームずつしか出場できない。

米国、カナダ、キューバ、ドミニカなどの野球強豪国がそろう北中米と、ほとんど競技が普及していないアフリカで、どう公平に出場枠を定めるのか。

そもそも五輪憲章は、団体競技の出場チーム数を「12を超えず、かつ8以上」と定めている。憲章に外れた提案を、IOCが受け入れるのか。6チームで3つのメダルを争うことが五輪の意義にかなうのか。米国は大リーガーを五輪に送ると確約できるのか。

野球を例に挙げたが、それぞれの競技に課題はある。正式決定に向けて、失望を重ねる愚を冒さぬよう万全を期してほしい。
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[東京新聞] 地方版総合戦略 人口争奪戦なら不毛だ (2015年09月30日)

国の地方創生に沿って、都道府県や市区町村が人口減に歯止めをかける「総合戦略」づくりを進めている。UIターンによる移住促進が目立つ。これでは地方同士の人口争奪合戦になってしまう。

「総合戦略」づくりのきっかけは、日本創成会議が昨年に発表した消滅可能性都市のデータだ。二〇四〇年に自治体が半減する、と警鐘を鳴らした。これが契機となり、国は各地方自治体に対策を促した。

来年三月末までに、今後五年間の人口減対策を数値目標を含めて盛り込む「地方版総合戦略」の策定を要請。今年十月末までに前倒しした自治体には交付金を上乗せする。焦りすぎではないか。

先行して本年度予算でも、多くの自治体が導入したプレミアム商品券をはじめ、医療費負担の軽減や、新たな旅行商品の開発などの提案に交付金を活用した。

前倒しの策定案には、地元出身者のUターンや首都圏からのIターンなど移住の勧め、本社機能移転企業への優遇税制などが並ぶ。

知恵を競わす狙いは分かるが、尻をたたいてあおっている。全国首長アンケートでは「類似の既存プランがある」「職員の負担が増える」「じっくり考える時間がない」など戸惑う声も出る。

民間のシンクタンクに策定を丸投げの自治体も多い。よく似た事業になりそうで、住民の声を反映したプランとは到底言えない。

各自治体が一斉に同じような施策をやればどうなるか。日本全体が人口減の中、自治体同士が人口を奪い合うことになるだろう。悪く言えば「共食い」だ。

観光都市や個性を打ち出して勝ち抜く自治体はあるが、大半は負け組になる。全く不毛な“戦い”だ。これが政策と呼べるのか。

住民がいるから自治体が必要なのであり、自治体を維持するために人集め、では本末転倒だ。「住民より自治体が大事なら、なぜ平成の大合併をやったのか。市町村をなくしておいて、今さら自治体消滅は問題とは…」。金井利之東京大大学院教授(自治体行政学)の指摘は言い得ている。

総合戦略には「量より質」を求めたい。質で勝てる目標を立てることが肝心だ。地域が持つ個性、その可能性を追求してほしい。それには住民の声を聞き取り、じっくり考える時間が必要だ。

消滅可能性都市は大都市圏でも指摘されている。国には大都市圏での地方創生と具体的な少子化対策を真剣に考えてもらいたい。
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[東京新聞] 改正派遣法施行 これで経済良くなるか (2015年09月30日)

三十日施行の改正労働者派遣法は、これまで限定的だった派遣労働が人を入れ替えればいくらでも使えるようになる「悪(あ)しき転換」である。働く人の不安定さは一段と増す。再改正が必要だ。

改正法は残業代ゼロ法案や解雇の金銭解決など安倍政権が進めようとしている経営者寄りの政策と同根といえる。働く人を守る労働規制を緩めて、企業のコスト削減や利益増大を最優先するからだ。

改正法は二度廃案、三度目の国会提出で十一日に成立したが、施行までの周知期間はほとんどない。労働者保護などを求める三十九項目もの付帯決議が付いたことからも改正法の危うさは明らかだ。

改正法の柱は大きく三つある。これまで期間の制限がなかった通訳やデザインなど専門二十六業務も原則三年となる。これらの仕事に就いていた人は派遣全体(約百二十万人)の四割に上る。派遣会社の無期雇用にならないと続けたくても三年までの勤務となり、多くの雇い止めが出る懸念がある。

二つめは、企業は人を替えれば同じ業務をずっと派遣社員の活用でできるようになる。労働組合との協議を義務付けたが、合意ではないので歯止めにはなり得ない。

三つめは、派遣会社をすべて許可制にし、計画的な教育訓練や「雇用安定措置」を派遣会社に義務付けた。派遣期間が終了した派遣社員を企業に直接雇用するよう依頼させたりする。ただ、派遣会社の努力任せのような規定だけに実効性があるのか甚だ疑問だ。

どれも働く人の雇用を不安定化させるものばかりだが、最大の問題は労働者派遣法の根幹が変更されることである。職業安定法が禁じていた派遣を、専門業務に限って解禁する労働者派遣法が制定されたのは一九八五年。通訳など専門業務をこなす技能は企業が外部から調達するニーズを迫られていたことと、専門業務は正社員の仕事を奪うこと(常用代替)にはならないとの原則に合致したためだ。

その後、九九年の非専門業務の解禁など規制緩和は続いたが「常用代替の防止」という一線は守ってきた。改正法はこの原則を崩すものだ。企業が正社員を派遣社員に置き換え人件費を抑制することは目に見えている。

企業ばかりが利益を上げても日本経済が良くならないことは現状を見れば明らかだ。不安定・低賃金の派遣労働を増やす改正法は出生率引き上げ目標にも逆行する。ただちに軌道修正すべきである。
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[毎日新聞] 社説:主権者教育指針 着実に実践を進めよう (2015年09月30日)

選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることを踏まえ、政府は有権者としての意識を高める主権者教育の指針を作成した。学校がこれまで自主的に取り組んできた政策討論や模擬選挙などの積極活用を求め、政治的中立の維持に留意するよう教員側に促している。

現実の政治課題をテーマとした討論など、「実践的な教育活動」の重視を打ち出した点は評価できる。政治的中立を強調しすぎることで、教育現場が萎縮することがないような運用を求めたい。

改正公職選挙法の成立に伴い、来夏の参院選から「18歳選挙権」が実現し、現在の高校2年生の一部も3年の在学時に投票が可能になる。このため文部科学、総務両省は生徒用の副教材と、教員用の指導資料の作成を急いでいた。

生徒向けに「サマータイム」を例に討論の実施例を説明するなど、選挙の仕組みなどの知識にとどまらず、選挙への関心や複眼的な思考を養おうとする姿勢が全体的に感じられる。政策討論や、政党・候補名をあげた模擬選挙にはこれまで多くの学校長や教育委員会が腰が引けていただけに、前進だ。

一方で、教員用の資料では政治的中立の維持に多くの分量が割かれた。現実の政治課題をめぐり生徒が討論した場合、教員が特定の見解を「自分の考え」として述べることは避けるよう求めている。

教員が主権者教育にあたり特定の政党や候補を支援したり、個別テーマで生徒に一方的に意見を押しつけたりすることは中立性を損なう。ただ、教員に政策の中身に関する論評まで認めない風潮が広がると「偏向教育」との批判をおそれ、多くの学校が討論などの活動を手控えてしまう懸念がある。自民党には政治的中立の維持を厳格化するため教員への罰則強化を求める議論もあるが、過剰に規制すべきではあるまい。

模擬投票をめぐっては今夏、山口県の高校が安保関連法案をテーマとしてグループ討論の「説得力」を問う形で実施したことが県議会で追及され、県教委が陳謝したケースもある。教育方法について政府や教委がいちいち妥当かどうかを判断するのは現実的でない。新聞の活用方法や模擬投票結果の公表の仕方などについて、ある程度具体的な共通認識が形成されることが望ましい。

若者の低投票率傾向が目立つ中、主権者教育が軌道に乗るためには、生徒も参加した活動が占める役割は大きい。学校や教員は着実に実践を進めるべきだ。教育現場で生徒が「生きた政治」にふれ、議論しあうことへの社会的なコンセンサスの形成も同時に重要である。

2015年09月30日 02時32分
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[毎日新聞] 社説:新三本の矢 従来策の総括はどこへ (2015年09月30日)

これまでの「三本の矢」が行き詰まり、目先を変えようとしているのではないか。

安倍晋三首相が「アベノミクスの第2ステージ」と宣言し、新しい三本の矢を示した。「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」だ。

目標として、国内総生産(GDP)を600兆円に拡大▽希望出生率1.8の実現▽介護離職者ゼロ??を掲げた。

従来の矢のような政策手段ではなく、見栄えのするスローガンを並べたに過ぎない。裏付けに乏しく、実現への道筋が見えない。

2014年度の名目GDPは490兆円だった。内閣府は、名目3%の成長が続けば、20年度には594兆円に達すると試算している。

だが、名目成長率が3%を超えたのは1991年度が最後だ。今年4?6月期の成長率(年率換算)も名目は0.2%、実質はマイナス1.2%と低迷した。

目標達成のハードルは極めて高い。しかし、首相は、景気底上げの具体策には踏み込まなかった。

出生率も14年は1.42にとどまり、1.8に上げるのは至難の業だ。

首相は幼児教育の無償化拡大に言及した。自民党が昨年の衆院選で公約したが、財源のめどが立たず、15年度は見送られたものだ。首相も財源確保の手立てを説明していない。

家族の介護で仕事を辞める介護離職は年10万人程度に上る。働き盛りの世代が多く、対策は急務だ。

首相は介護施設の整備を表明したが、事業者の倒産が相次いでいる。今春の介護報酬引き下げが要因の一つとされ、対応がちぐはぐだ。

そもそもアベノミクスを次の段階に進めるのなら、従来の政策の総括が必要だ。課題を洗い出さなければ、効果的な戦略も打てないはずだ。

最初の三本の矢は「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「成長戦略」だ。このうち一定の効果を発揮したのは、円安で大企業の収益を押し上げた金融緩和ぐらいだ。

だが、円安は食料品などの値上げももたらした。大企業の業績が好調でも全体の賃金はそれほど上がらず、消費は振るわない。成長戦略も多くが不発だ。株価も急落している。

首相は「デフレ脱却は目の前」と成果ばかり強調したが、アベノミクスが目指してきた「経済の好循環」は見えていない。

安全保障関連法の成立強行で政権は世論の反発を招いた。来夏の参院選をにらみ、国民の関心が高い経済や社会保障に重点的に取り組む姿勢をアピールしている。だが、政策の検証を欠いた総花的なフレーズを示されても、国民は戸惑うだけだ。

2015年09月30日 02時30分
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[読売新聞] 日露首脳会談 領土交渉は腰を据えて進めよ (2015年09月30日)

平和条約交渉と領土問題の解決は不可分だ。

安倍首相はニューヨークで、ロシアのプーチン大統領と約10か月ぶりに会談した。

北方領土問題について、「双方が受け入れ可能な解決策をまとめる」とする2013年の合意に基づき、平和条約交渉を進める方針を確認した。国際会議を利用した首脳対話の継続でも一致した。

領土交渉を再び軌道に乗せた意義は小さくない。

首相は、プーチン氏の来日について「ベストなタイミングで実現させたい」と述べ、年内にはこだわらない考えを示した。

現状では領土問題で成果が見込めない以上、ウクライナ情勢を踏まえて対露制裁を継続中の先進7か国(G7)の足並みを乱してまで、年内来日に固執する必要はあるまい。首相の判断は妥当だ。

首相は、先の自らの自民党総裁再選に言及し、「さらに腰を据えて交渉に取り組む」と意欲を示した。総裁任期は残り3年ある。プーチン氏の任期もまた3年だ。

双方の政権基盤は強く、一定の信頼関係もある。国内の反対意見を抑える指導力や時間的余裕など、領土のように政治的に困難な問題の解決に必要な環境は、ある程度整っていると言えよう。

ただ、プーチン氏は今回、領土問題に深入りすることを避けた。会談冒頭、「残念ながら貿易額は減少が見られる」と語るなど、日本の経済協力を求めた。

背景には、欧米からの制裁や原油安による国内経済の落ち込みが深刻化していることがあろう。

首相は「経済協力の準備は建設的で静かな雰囲気で進めたい」と述べた。ロシアのメドベージェフ首相らの北方領土訪問が日露関係改善の障害になるとクギを刺したもので、当然の認識である。

最近、領土問題に対するロシア外務省の強硬姿勢が目に余る。

ラブロフ外相は先週、「戦後の歴史の現実を認識すべきだ」と発言した。モルグロフ外務次官は、北方領土について「第2次大戦の結果として合法的に我が国に移った」などと言い放っている。

ロシアは日本との外交文書で、北方4島の帰属問題の存在を確認している。ラブロフ氏らが過去の交渉を無視するような姿勢を見せるだけに、日本としては、絶大な権力を持つプーチン氏に直接働きかけることが重要となる。

10月8日からは次官級の平和条約交渉が再開される。日本は、今後2、3年を見据えた対露外交の総合戦略を練る必要がある。
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[読売新聞] 中韓国連演説 「反日宣伝」利用を憂慮する (2015年09月30日)

安全保障や歴史認識を巡って韓国と中国が共闘し、国連を「反日宣伝」の舞台として利用することは看過できない。

韓国の朴槿恵大統領は国連総会の一般討論演説で、北東アジア情勢に関し、「安保秩序に重大な影響を及ぼしかねない新たな動きがあり、地域諸国の憂慮を生んでいる」と主張した。

日本の安全保障関連法については、「透明性をもって履行されねばならない」と注文をつけた。

自衛隊の活動は法律に従い、国会の承認なども必要となる。「透明性」を日本に求めるのは根拠がない。むしろ中国の軍備増強に向けて主張すべきではないか。

安保関連法は、日米同盟を深化し、北朝鮮の軍事的挑発などを抑止するもので、韓国にも役立つ。米国は無論、アジア諸国の大半も高く評価している。日本への警戒感を煽(あお)るのは筋違いだ。

朴氏は、9月初めに行われた中国の「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードに出席するなど、露骨に対中傾斜を強めている。安保政策でも、日米韓の枠組みを軽んじるつもりなのだろうか。

今回の演説では、元慰安婦を念頭に、生存者が少なくなっており、「心の傷を癒やす解決策」が早急に必要だとも述べた。

問題は、朴氏が具体的な解決策を提示せず、日本の歩み寄りだけを求めていることだ。日本のアジア女性基金の活動を評価したこともない。基金は、韓国の元慰安婦61人に首相のお詫(わ)びの手紙とともに「償い金」を支給している。

朴氏は「国連人権委員会の特別報告者らの努力を無駄にしてはならない」と語った。クマラスワミ報告は、慰安婦を「強制連行された軍用性奴隷」とするなど、事実誤認が多い。これに依拠した日本批判は受け入れがたい。

中国の習近平国家主席も演説で歴史問題に言及した。「中国は死傷者3500万以上の犠牲を出して、日本の軍国主義の主要な兵力に抵抗した」と強調したが、数字の拠(よ)り所は示さなかった。

中韓は、日本に関する一方的な見解を、客観的事実であるかのように喧伝(けんでん)している。

習氏は、国連や多国間の平和事業に関する総額10億ドル(約1200億円)規模の基金の創設も表明した。経済力をてこに、中国の国際社会への影響力を強めようとする意図がうかがえる。

東・南シナ海で力による現状変更を図り、地域の緊張を高めている中国に、国際秩序を主導する資格があるとは言えまい。
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[朝日新聞] 対ロシア外交―より広い視野に立て (2015年09月30日)

ロシアとの粘り強い対話は維持すべきだ。同時に、国際情勢を踏まえたより広い視野で、対ロ外交を考えることの重要性も忘れてはならない。

訪米中の安倍首相が、国連総会の合間をぬってロシアのプーチン大統領と会談した。

懸案の北方領土問題で進展は見られなかった。

会談で首相は「プーチン氏の訪日をベストなタイミングで実現したい」と述べた。そのために、平和条約交渉を中心とする政治分野や経済分野で「成果を準備したい」と語った。プーチン氏は「日ロ間の経済協力には大きな潜在力があると信じている」と、日本の経済協力に期待感を示した。

北方領土問題を打開し、日ロ関係を長期的に安定させるためには対話が欠かせない。首脳同士がひんぱんに会い、信頼関係を築くことが効果を持ちうるのは首相の言う通りだろう。

一方で、日本が忘れてはならない原則がある。ウクライナ危機で顕在化したロシアの「力による現状変更」は決して容認できない、ということだ。

米欧が経済制裁を強め、ロシアに国際秩序への復帰を迫るなか、日本としても国際社会の結束を重視する必要がある。

世界がいま、注視しているのは、シリア内戦にかかわるロシアの活発な動きだ。

シリアなどで活動する過激派組織「イスラム国」を抑えるため、ロシアは、現在のアサド政権を支援するよう主張する。これに対し、米国は、シリア安定化のためアサド大統領の退陣を求めて対立している。

内戦の犠牲者や欧州に押し寄せる難民を減らすためには、地域に大きな影響力を持つロシアとの対話が重要な意味をもつ。オバマ米大統領がプーチン氏との2年ぶりの本格的な首脳会談に臨んだのはそのためだが、対立は容易に解けそうもない。

ここにきて、ロシアがシリアに積極的に介入しようとする背景には、ウクライナ問題から国際社会の目をそらすとともに、ロシアの発言力を高めようとする意図もうかがえる。

国連総会に限らず、最近の米国とロシアは、ウクライナとシリアの二つの問題をめぐって、つばぜり合いを演じている。

日本独自の対ロ外交も、こうした国際情勢の大きな流れと無縁ではいられない。

大切なのは、二国間の政治的な成果を焦ることではない。米欧と協調し、国際秩序を尊重する姿勢を示すことこそ、長期的には北方領土に関する日本の主張の正当性を強めるはずだ。
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[朝日新聞] 18歳と政治―先生の背中を押そう (2015年09月30日)

先生を萎縮させてはならない。むしろ背中を押したい。

選挙権年齢が18歳以上になるのを前に、文部科学省と総務省が、高校生向けの副教材と先生用の指導書を作った。

政治や選挙を学ぶうえで、知識の暗記より実践を重視した。討論や模擬選挙、模擬議会などの具体的な方法を示している。

生徒が多様な見解を知り、自ら考える。その大枠の方針には賛成だ。

日本の学校は「政治的中立」を理由に、生の政治を遠ざけてきた。新たに取り組むには、先生のやる気がカギを握る。

だが、指導書は「べからず集」の色が濃い。「教員が個人的な主義主張を述べることは避ける」と繰り返し、法律をふまえた注意点を細かに示した。

先生が生徒に自説を押しつけてはならないのは当然だ。ただ慎重になるあまり、授業に二の足を踏んでは困る。

文科省や教育委員会は現場を励まし、試行錯誤を認め、課題をいっしょに解決してほしい。

自民党は、公立高校の先生が「政治的中立」を逸脱した場合、罰則を科す法改正を安倍首相に提言した。主権者教育に水を差す動きだ。

いま必要なのは規制ではない。取り組みを促す工夫である。教委と選挙管理委員会が協力し、学校を支えてほしい。

副教材は何も役所だけが作るものではない。若者の団体が授業プログラムをつくり、広げる動きもある。多様な教材から、先生がふさわしいと思うものを選ぶ自由こそが欠かせない。

高校生の自主的な活動も応援したい。

文科省は1960年代末の学生運動を背景に、生徒の政治活動を広く制限してきた。それを改め、新しい通知案では、放課後や休日、校外でデモや集会に参加するのを認める方針だ。その点は一歩前進といえる。

すでに安保法制をめぐっては各地で高校生が団体をつくり、デモを呼びかけた。ところが、文科省の通知案は、学業に支障があると高校が判断すれば、禁止などの指導をするよう求めている。

憲法の思想・良心の自由に関わる問題だ。校外での活動に、学校がどこまで口を出すことが適切か。慎重な対応が必要だ。

次の学習指導要領では、社会参画を学ぶ科目「公共」が新設される。その先には、憲法改正の国民投票が見え隠れする。

民主主義を育てるために、いかに学校や生徒の主体性を大切にして見守るか。問われているのは、この社会の姿勢である。
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2015年09月29日

[産経新聞] 【主張】尖閣国有化3年 油断なく抑止力を高めよ (2015年09月29日)

日本固有の領土である尖閣諸島を、中国は虎視眈々(たんたん)とねらっている。油断なく守りを固めなければならない。

政府が尖閣諸島を地権者から買い上げ、国有化してから3年余がたった。中国海警の公船は、尖閣周辺で日本の排他的経済水域(EEZ)を徘徊(はいかい)し、毎月延べ7?9隻により領海侵入を繰り返すことが常態化している。

海上保安庁の巡視船がその都度退去を求めているが、日本から領土を奪い取ろうという、中国の執拗(しつよう)な意志がうかがえる。

米中首脳会談でオバマ大統領が南シナ海での人工島の軍事拠点化をやめるよう求めたのに対し、習近平国家主席は応じなかった。

対日外交で軟化の気配があるともいわれる中国だが、海洋覇権の追求では米国の抗議さえはねつける。尖閣でも強硬な態度を変えないだろう。

海保は今年度中に、千トンから3千トン級の巡視船12隻による尖閣専従の体制をとる。尖閣を24時間監視するために航空機の更新、整備も進める。

ところが中国海警は、海保が持たない1万トン級の大型船を建造した。いずれ尖閣海域に投入してくる。中国の「お家芸」である衝突や体当たりを仕掛けてきたらどうなるか。新たな対応は急務だ。

軍事的にも圧力をかけることをためらわないのが中国である。

中国海軍は、尖閣の画像を背景に「たとえ辺境の地でも、彼らの占領を許さない」というナレーション付きの新兵募集の動画を公開した。「彼ら」とは日本を指している。好戦的な姿勢を隠そうともしていない。

2年前には尖閣上空を含む東シナ海に防空識別圏を一方的に設定し、先の軍事パレードでは独自開発した早期警戒機を飛行させ、空軍力の増強を誇示した。

安倍晋三政権は、安保関連法の成立を踏まえ、自衛隊の離島防衛力の強化を急ぐとともに、日米同盟の抑止力を高めてほしい。

また、自民党が以前掲げていた公務員の尖閣常駐はどこへいったのか。東シナ海での不測の事態を避けるため、日本が中国に呼びかけた「海空連絡メカニズム」も早期に実現したい。

中国は公船の尖閣侵入に慣れさせることで、日本人の警戒心を弱めようとしている。その手に乗ってはならない。
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[産経新聞] 【主張】小学生の暴力 我慢と思いやり教えたい (2015年09月29日)

小学生の暴力行為が過去最多となった。とくに、低学年で増加が目立つことが心配だ。

暴力の芽を摘むしつけや指導ができているか。親も教師も日頃の教育を見直してもらいたい。

毎年、全国の小中高校などで把握された児童生徒の問題行動を文部科学省がまとめている。

同級生や教師を殴る、学校の物を壊すなどの暴力行為は昨年度、中学生が3万5千件余、高校生7千件余といずれも前年度より減少した。

しかし小学生は増え、2年連続で1万件を超えた。この8年間の加害児童の学年別増加率をみると、小6生の2倍に対し、小1生が5倍と急増している。

教育委員会からは、感情のコントロールがうまくできない児童が増え、ささいなことで暴力に訴える傾向が指摘された。暴れるのを制止した教師を蹴る、注意した通行人に暴力を振るうといった事例もあった。

どう防いでいくか。学校の対策とともに、親の責任が重いことを自覚してほしい。

家庭のしつけは何も難しいことではなく「普通に育てればいい」という専門家の指摘がある。ところが、厳しく罰すべきときに、子供の顔色を気にして、叱れない親が少なくない。「個性」を伸ばすことを勘違いして、わがままを許す放任になっていないか。

日常のあいさつの大切さを教え、家庭のルールを決めて、守らせる。「お手伝い」を通した小さな成功、失敗の体験も大事だ。我慢や思いやりの気持ちを体験的に育みたい。

学校との信頼関係も重要だ。

自分の子が悪いのに、叱った教師の悪口を親が言えば、子供の不信は教師に向かい、言うことを聞かなくなる。

もちろん、教師の指導力の向上も欠かせない。破れたガラス窓のような軽微な事象から早めに対処した方が治安悪化を防ぎやすいという。生徒指導にも、この「割れ窓理論」を応用したい。ルール違反には、その都度毅然(きぜん)と対応する、ぶれない指導が有効だ。

友人の発言を静かに聞くなどの基本的ルールを守らせて問題行動を減らした例もある。

何よりも授業が分かりやすく、話がおもしろい教師のクラスは落ち着いているといわれる。日々の指導が肝心だ。
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[東京新聞] 「新国立」検証 核心へ踏み込み不足だ (2015年09月29日)

責任者は一体誰だったのか。問題の核心は依然としてやぶの中である。新国立競技場の計画の失敗に学ぶには、文部科学省の第三者委員会が出した結論では物足りない。検証作業の継続を求めたい。

国民の強い批判を浴び、白紙撤回されるまでの新競技場の旧建設計画を検証した報告書である。

確かに、多くの問題点が明らかにされている。権限と責任を担うリーダーの不在、縦割り組織の機能不全、希薄なコスト意識や専門性の欠如…。

国家事業と向き合い、期せずして噴き出したのだろう。官僚機構の弊がいくつも指摘された。新計画の実現に向けて推進体制のチェックや意識改革は喫緊を要する。

事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長や、管理監督する下村博文文科相は、組織のトップとして責めを負うのは当然である。

とはいえ、形式的な意味合いの結果責任を問われたにすぎない。建築家ザハ・ハディド氏のデザインにこだわり、計画の迷走を招いた“主役”とは言い難い。

旧計画がなぜ破綻したのかを問うなら、その源流にまでさかのぼり、検証を尽くすべきだ。

石原慎太郎知事の時代に、二〇一六年東京五輪はじめ、サッカーやラグビーのワールドカップ(W杯)の招致活動が盛んだった時期がある。六年前の七月に先んじて勝ち取ったのは、一九年ラグビーW杯の日本開催だった。

ラグビーW杯の成功を目指す議員連盟は、一一年二月に旧競技場の八万人規模への再整備を決議した。四月には石原氏が二〇年東京五輪招致の意欲を示し、旧競技場を主会場とする機運が高まった。

まるで都民、国民不在のまま旧競技場の改修という選択肢が外され、建て替え路線が固まった。影響力を持つ政界やスポーツ界などの「重鎮」は、JSCの有識者会議委員に収まっていたのである。

報告書は当然「JSC理事長の諮問機関にもかかわらず、実質は重要事項の意思決定に関する承認機関となっていた」と問題視した。

なのに、第三者委は元委員の石原氏はもとより、日本ラグビー協会前会長で、五輪大会組織委員会会長の森喜朗氏ら歴代有力委員の聴取をしていない。時間不足は理由になるだろうか。

新計画は設計・施工業者選びに入った。並行して政府やJSCは権限と責任を明確にし、積極的に情報を公開してほしい。うやむやの霧に包まれたままでは困る。
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[東京新聞] 御嶽噴火1年 悲劇を繰り返すまい (2015年09月29日)

信仰の山を襲った突然の惨事から一年。戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火は、わたしたちに備えの見直しを厳しく迫ってきた。教訓は生かさねばならない。悲劇は繰り返してはいけない。

山は間もなく二度目の雪の季節を迎えるが、山頂付近は今も火山灰に覆われ、五人が行方不明のまま。捜索もままならぬ火山災害の恐ろしさを見せつけている。

御嶽は一九七九年十月、有史以来という噴火を起こしていた。犠牲者がなかったのは、今思えば、登山シーズンが終わっていたという幸運に恵まれただけだったのかもしれない。

火山防災では、地元住民ばかりでなく、不特定多数の登山者も想定することが必要になる。

惨事で悔やまれる点は、七九年の記憶が薄れ、この日だけでなく多くの登山者が恐らく警戒心を持たぬまま入山していたことだ。悲劇を繰り返すわけにはいかない。

昨秋の噴火後、国を挙げて火山防災の見直しが始まった。

内閣府は今春、火山監視・観測体制の強化や研究者の育成などを盛り込んだ報告をまとめた。七月に成立した改正活動火山対策特別措置法は、常時観測火山の周辺自治体に火山防災協議会の設置を義務付け、ホテルなどの事業者にも避難計画の作成を課した。

無論、制度の枠組みを整えるだけでは問題は解決しない。教訓を生かし、いかに対策を具体化するかが問われることになる。

登山者を守るためには、二つの要素が欠かせないだろう。

一つは、早く分かりやすい情報提供。噴火前、御嶽では火山性地震の増加が観測されていた。広く登山者に知らされていたら、被害状況は違っていたかもしれない。

御嶽の教訓として、噴火した場合に携帯端末やラジオで情報を提供する「噴火速報」が導入され、今月の阿蘇山の噴火で早速使われた。確実な避難に結び付くよう工夫を重ねたい。

もう一つは、避難場所の整備。

噴火の危険が高まった場合、確実に入山を制限できることが理想だが、現状では難しい。現実的な対策としては、シェルターの整備や山小屋の強化が欠かせない。たとえ「噴火速報」で登山者に情報を提供できても、避難できなければ宝の持ち腐れだ。

火山周辺の自治体の多くは過疎の問題を抱えている。登山者を守りたくとも、独自の努力には限度があろう。関係機関が広く当事者意識を持って対策を進めたい。
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[毎日新聞] 社説:大卒採用見直し 実情ふまえ学生本位で (2015年09月29日)

来春入社する大学生の採用内定式が10月1日、各地の企業で予定されている。

今年は経団連の指針変更で会社説明会開始が3月に、面接などの選考開始が8月に、いずれも4カ月遅くなった。就職活動の早期化と長期化で学生の勉強する時間がないという問題を解消するためだったが、さまざまな課題が浮上し、企業、学生双方から不満が出ている。

経団連は「何らかの改善ができるのではないか」と見直す方針だ。功罪や実情をふまえたうえで、学生の利益を第一に考えることが肝心だろう。高圧的な引き留めや巧妙な抜け駆けの余地を残せば、学生の希望が満たされないまま早期離職や意欲の低下を招きかねず、長い目で見て企業にもプラスをもたらさない。

学生には、前例のない日程だけに手さぐりで始まり、疲労と混乱の中で迎えた10月だろう。

「8月に選考開始」は名ばかりで、経団連の指針に縛られない外資系や中小企業などは春から選考を本格化した。全体像や秋までを展望しづらいので、早めの内々定をもらおうとして、代わりに活動の終了を求める「オワハラ」(他社への就活はさっさと終われと圧力をかける嫌がらせ)に直面した。文部科学省が全国82の大学、短大に調査したところ、約68%が「学生からオワハラの相談を受けた」と答えている。

大企業が面接などを始めた8月は、多くの地域で例年にない猛暑に見舞われた。

ダークスーツを着て汗だくになり、クールビズ姿の社員が働く企業を訪問しなくてはいけなかった。理工系の学生には卒業研究の準備を始める時期とも重なった。しかも、8月1日時点で大学生の6割が内々定を得たという調査もあり、経団連加盟企業でも解禁前に面接を始める企業があったとみられ、学生は入り乱れる情報にほんろうされた。

それでも、最近にない学生優位の「売り手市場」だっただけに、まだ救いはあった。理不尽なオワハラが表面化したのも、学生の立場が強かったからだろう。とはいえ、結果的に就活期間は長期化し、学生はやはり勉強どころではなかったようだ。

採用指針の見直しとともに、「4月に一括で採用」といった新卒採用のあり方も、根本から考え直すべき時期に来ている。日本的な雇用慣行である「終身雇用」「年功序列」が崩れつつある中、採用だけがそのままというのはおかしい。

また、新卒で就職できないと、次の機会はないというのも、日本全体の活力をそいでしまう。新卒に既卒者も含めた多様な採用活動を企業には求めたい。

2015年09月29日 02時30分
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[毎日新聞] 社説:安保転換を問う…首相の説明 レッテル論争は不毛だ (2015年09月29日)

安倍晋三首相は、安全保障関連法について、国民に丁寧に説明して理解を広げるつもりが本当にあるのだろうか。安保関連法が成立して10日たつが、この間の首相の発言を聞く限り、疑問を持たざるを得ない。

首相は通常国会の閉会時の記者会見で、法成立について「戦争法案といったレッテル貼りは根拠のない不安をあおろうとするもので、全く無責任だ」と語った。報道機関のインタビューでも同趣旨の発言をした。

首相の説明は次のようなものだ。

安保関連法は「戦争法案」ではなく「戦争を抑止する法案」だ。もし戦争法案なら、世界中から反対の声が寄せられるはずだが、現実には多くの国々から支持されている。戦争法案という根拠のないレッテルをはがしていきたい、と。

いくつか誤解があるように思う。

まず、反対論者がみんな戦争法案と言っているわけではない。

安保関連法に反対する野党の中でも、民主党の多くや、維新の党は、戦争法案とは呼んでいない。

私たちも戦争法案という言葉は使ってこなかった。

戦争法案か戦争抑止法案か、という二者択一では、重要な論点が抜け落ちてしまい、生産的な議論にならないことを恐れたからだ。

また、デモに参加した人たちも、単純にレッテルを貼り、不安をあおろうとしたわけではない。

背景には、多様な反対や疑問があった。11本の安保関連法のどこに着目したかは、人それぞれだった。

しかも、法の内容そのものへの反対だけではなかった。国会での政府答弁への不満もあれば、安倍政権の強引な進め方への反発もあった。中には賛否を決めきれず、通常国会での拙速な成立に反対する人もいた。

首相は、国民に丁寧に説明すると言いながら、反対論を十把一からげにして、戦争法案というレッテル貼りだと決めつけているように見える。そして、いつもと同じように「国民の命と暮らしを守るため」という抽象的な説明を繰り返すだけだ。

これでは皮肉にも、首相のほうがレッテル貼りをしているように見えてくる。ますます国論が二極化しかねない不毛な議論だ。

国民が首相に求めているのはこんな説明ではないはずだ。

法は30日に公布され、来年3月末までに施行される。首相は、現在の国際情勢の中で日本が置かれている状況や目指すべき方向性を、政治家らしい言葉で語ってほしい。

そのうえで、法の一つ一つがどう寄与するのかを、具体的なケースを挙げてわかりやすく説明すべきだ。

2015年09月29日 02時31分
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[読売新聞] 五輪追加種目 「東京」を盛り上げる決定打に (2015年09月29日)

五輪で実施する競技を開催都市が選ぶ。新たな試みを、大会の盛り上がりにつなげたい。

2020年東京五輪の組織委員会が、国際オリンピック委員会(IOC)に提案する追加種目を決めた。来夏のIOC総会で正式決定される。

野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツ(スケートボード)、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目だ。これらの選手にとって、東京五輪の舞台に立てる可能性が高まったことは、大きな励みになるだろう。

追加種目の実施は、IOCが昨年末から進めている五輪改革の目玉の一つだ。開催する国で人気のある競技や、メダル獲得が有望な競技を加えることにより、五輪への関心を高める狙いがある。

背景にあるのは、IOCの危機感である。巨額の財政負担に対する市民の反発などで、五輪招致を断念する都市が相次いでいる。

追加種目が五輪の新たな可能性を引き出せるかどうか、東京五輪が試金石となる。

日本において、野球は国民的スポーツだ。設備の整った球場が多数存在するため、建設コストを削減できる。組織委だけでなく、プロとアマチュア球界が協力し、日本に根付いた野球の魅力をIOCに訴えていく必要がある。

08年北京五輪を最後に、五輪競技から外れた。この際には、米大リーグのトップ選手が、シーズン中であるために出場しないことなどがマイナス材料となった。大リーグ側に可能な限りの協力を求めていく努力も欠かせない。

ソフトボール日本代表の女子選手たちが、北京五輪で金メダルを獲得した際の笑顔は、感動をもたらした。五輪への復帰は、ソフトボール界にとっても悲願だ。

今回、世界野球ソフトボール連盟を新設し、男子の野球と一体となってアピールしてきた戦略が実を結びつつある。

日本発祥の空手は、世界的に競技人口が多いことが強みだ。会場には、既存の日本武道館などを活用できる。ルールの周知などが課題となるだろう。

ローラースポーツ、スポーツクライミング、サーフィンについては、若者に人気の競技を重視するIOCの意向に沿った選考だ。

東京五輪を巡っては、新国立競技場建設計画とエンブレムの白紙撤回で失点が続く。

国民の期待をこれ以上、裏切らぬよう、組織委は最終決定に向けたIOCとの折衝に万全の態勢で臨まねばならない。
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[読売新聞] 原発交付金 制度見直しで再稼働の促進を (2015年09月29日)

政府は2016年度から、原子力発電所がある自治体に配分されている電源立地地域対策交付金の制度を見直す。

九州電力川内原発(鹿児島県)のように再稼働した原発を抱える自治体には、稼働実績に応じた交付金に加え、地域振興のため、県に最大5億円を配分することが柱だ。

電力の安定供給には、燃料費が安く、昼夜を問わず発電できる原発の活用が欠かせない。再稼働した原発の立地自治体への支援を手厚くし、原発の稼働率を上げようという狙いは妥当だ。

交付金制度の見直しを、再稼働に対する地元自治体の理解を得る一助としたい。

政府は、原発の新増設の推進についても、明確な方針を示し、自治体の支援を強化すべきだ。

交付金は元々、原発の稼働率に応じて増減されていた。ところが、東日本大震災後に稼働ゼロが続いたため、稼働率を一律約8割とみなして支払われてきた。今回の見直しで、その基準は段階的に約7割に引き下げられる。

他に有力産業がない地域では、交付金や固定資産税など原発関連の歳入に大きく依存している。

交付金の減額に、自治体には「住民生活への影響は避けられない」と、不安の声が多いが、再稼働を促すために、配分にメリハリを付けることはやむを得まい。

廃炉が決まった原発を抱える自治体への配慮は欠かせない。

原発が廃炉になると、原則として立地自治体に交付金は支払われなくなる。福井県敦賀市は、敦賀原発1号機の廃炉などにより、20年度の交付金は、15年度比で約4億円減り、約11億円に落ち込む見通しだという。

廃炉予定の原発がある自治体の地域振興に向けて、政府は財政支援する方針を示した。適切な措置だ。太陽光などの再生可能エネルギーや高効率の火力発電の誘致が有力な選択肢となろう。

財政支援が、予算のバラマキに陥ってはならない。有効に活用されているか、政府はしっかりと目配りしてもらいたい。

再稼働が進めば、原発の使用済み核燃料の保管場所の確保が問題となる。青森県六ヶ所村の再処理工場建設が遅れていることで、保管場所が満杯になり、原発の運転継続が困難になる恐れがある。

電力会社が原発での保管能力を増強するには、自治体の同意が必要だ。政府が、同意した自治体への交付金の増額を決めたのは、再稼働を進める上で有効だろう。
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[朝日新聞] 介護と仕事―両立支援を柔軟に (2015年09月29日)

働きながら家族を介護している人は240万人、介護のために勤め先を辞めた人は1年間で9・5万人。国の統計(2012年)が示す「介護と仕事」をめぐる状況である。

介護は、親が体調を崩して突然始まることもある。いつ終わるのか、わからない。40代、50代で退職すれば再就職は容易でなく、貧困に陥る恐れもある。経験豊かな社員に辞められたら、企業にとっても痛手だ。

共働きの増加やきょうだいの減少で、介護の分担は以前より難しくなっている。介護施設もすぐには増えない。それでも仕事を続けられる仕組みや取り組みは急務だ。

厚労省の有識者研究会が8月にまとめた報告書は、現在の両立支援制度が「家族を介護する労働者の現状に対応できていない」と指摘する。もっとも本質的な対策は、長時間労働を減らすなど働き方全体を変えることだという。その通りだろう。

疲労の蓄積を減らせるし、親が介護施設でのデイサービスから戻る時間に合わせて帰宅しやすくもなる。

ただ、働き方全体をすぐに見直すのは難しい。だから、まずは既にある介護と仕事の両立支援の制度を使いやすくし、利用を促すことが大切だ。

代表例は介護休業制度だろう。現在の仕組みでは介護を必要とする家族1人につき最長93日まで取得できるが、原則1回に限られる。病院から退院した後に利用する介護サービスを決めるなど、介護の態勢を整えるための制度とされる。

しかし、1回しか使えないことから「いざという時のためにとっておこう」と利用控えが起きているという。実際、介護中の労働者の利用率は3%余にすぎず、アンケートでは「1回」よりも「複数回」への分割を望む声が圧倒的に多い。

通院の付き添いなどにあてる介護休暇(年5日)も、利用率は3%に及ばない。現行の1日単位だけでなく、時間単位でも認めたほうが使いやすい。

報告書も介護休業の分割取得や、介護休暇の取り方について検討することを求めた。これを受けて厚労省の審議会が関連法の改正を視野に議論を重ねる。改正を急ぐべきだ。

介護を必要とする人も、支える人も状況は様々だ。制度に柔軟性を持たせることが欠かせない。介護に柔軟に対応できる仕組みは、育児や病気など他の事情を抱えた人にとっての働きやすさにもつながるはずだ。介護しやすい社会を築いて高齢化に備えたい。
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[朝日新聞] TPP交渉―意思と知恵が問われる (2015年09月29日)

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、近く参加12カ国の閣僚会合が開かれる。

「背水の陣」で臨んだはずの前回会合で大筋合意に失敗してから2カ月。今回も合意できないと、交渉が漂流する恐れが高まりそうだ。

世界貿易機関(WTO)での通商自由化交渉が停滞し、軸足は各国間や地域での交渉に移っている。成長著しいアジア太平洋地域が舞台のTPPの行方は、今後の各地の交渉の動向を左右する。アジアの活力を取り込みたい日本にとっても、避けて通れない課題である。

交渉を取り巻く政治状況は予断を許さない。

農業や自動車の分野でカギを握る国の一つ、カナダでは10月半ばに総選挙がある。今回の閣僚会合で合意できず、カナダの政権の枠組みが大きく変わることになれば、交渉が本格的に中断しかねない。来年になると、TPPを主導する米国の大統領選が本番を迎える。民主、共和両党の妥協は難しくなり、米議会による承認まで見すえた道のりは険しくなる。

甘利・TPP相は「今回の機を逃せば、交渉が年単位で先延ばしになりかねない」と指摘する。その危機感を他国の閣僚と共有し、会合に臨んでほしい。

各国が対立するテーマは、次第に絞られてきている。安価な後発薬の普及を左右する新薬のデータ保護期間など、知的財産権を巡る問題。マレーシアなど一部の国にとって難題である国有企業の扱い。7月の前回会合で争点になった、乳製品などの市場開放問題だ。

自動車の関税引き下げ・撤廃交渉に関連して、製品を「TPP産」として認める際に、TPP域内での部品調達比率をどの水準に設定するかという原産地規則を巡る協議も気がかりだ。

日本などは、タイなどTPP域外をからめた分業を念頭に、4割程度の比率を唱えている。これに対し、メキシコとカナダは共に加わる北米自由貿易協定(NAFTA)並みの6割程度を主張しているようだ。自国の自動車産業への配慮がある。

大詰めを迎えるにつれて、国内産業を保護しようと利害対立が激しくなるのが通商交渉の常だ。各国とも国内の雇用に一定の配慮が欠かせないとしても、広く消費者の利益を意識しないと交渉は前に進まない。

複雑な連立方程式に挑み、妥協を図る意思と知恵があるか。交渉参加国の中で突出した経済規模を誇る米国と日本の責任は大きい。今回の会合で大筋合意にこぎ着けてほしい。
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