2015年08月31日

[産経新聞] 【主張】WTO提訴 韓国は不当規制の撤廃を (2015年08月31日)

科学的根拠のない日本製食品に対する輸入規制は、一刻も早く撤廃されるべきだ。

韓国が東京電力福島第1原発事故を理由に、福島、岩手、宮城など計8県の水産物輸入を全面禁止している問題で、日本政府は「不当な措置」の是正を求め、世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請した。

日本産の水産物の放射性物質は8県も含め基準値を下回っている。WTOの定める「科学的な原則、危険性評価に基づいて措置を行う義務」に韓国の措置が違反しているとの提訴は妥当だ。

政府は、風評被害から日本の食品を守り、公正な貿易体制を保つためにも、国際ルールにのっとった是正措置が下されるよう全力を尽くしてもらいたい。

韓国は福島の原発事故を受けて8県の一部水産物の輸入を禁止し、2013年9月に禁止対象を8県の全水産物に拡大した。

日本側は外交ルートを通じて撤廃を求めてきたが折り合わず、今年5月、WTOに提訴し、定められた60日間の2国間協議でも解決に至らなかった。

原発事故後の日本産食品に対する規制は撤廃や緩和に向かっており、オーストラリアなど14カ国は全廃した。政府による検査証明などを求める欧州連合(EU)も緩和の方向に進んでいる。その中で、根拠のない禁輸継続は合理的な判断とはいえない。

パネルが設置されても議論が長期化する懸念は強い。菅義偉官房長官は「WTOの結論を待つことなく、規制を早く撤廃すべきだ」と述べた。当然の指摘である。

韓国が、自由貿易のもたらす価値の意義を共有しているというのなら、韓国政府自らが、規制に根拠がないことを認める冷静な判断を示すべきである。

台湾も原発事故の直後から福島を含む5県の食品輸入を禁止し、5月には輸入規制を強化した。馬英九総統は「短期的措置だ」としているものの、いまだに解決していない。

福島、茨城、栃木など5県の知事会議は先月、韓国や台湾、中国などによる農林水産物の輸入規制に関し、国の働きかけを強めるよう求める要望書をまとめた。日本への不当な評価を早急に払拭できるよう、国はもっと本腰を入れて対応しなければなるまい。
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[産経新聞] 【主張】かかりつけ薬局 「患者本位」といえるのか (2015年08月31日)

これが本当に患者に役立つ制度だろうか。

厚生労働省が全国の薬局の役割を強化し、患者個々の服薬情報を一元管理する「かかりつけ薬局」として普及させようとしていることだ。年内策定の「薬局ビジョン」の目玉である。

高齢化に伴い複数の診療科を掛け持ちする患者が増えた。それぞれの医療機関から出される薬で飲みきれない量を抱え、飲み合わせの悪さから体調を崩す例が後を絶たない。

だから、複数の医療機関の処方箋を一手に扱うかかりつけ薬局が患者ごとに薬の種類や数量を管理する。これで副作用などの健康被害を防ごうというのである。

改革の理念はわかる。だが、普及を促すため、調剤報酬を加算するというのは合点がいかない。本来、服薬管理は薬剤師にとって当たり前の仕事ではないのか。

調剤報酬を手厚くすれば、窓口での患者負担は増え、税金を投じる医療費も膨らむ。薬局の経営を優先し過ぎではあるまいか。

厚労省は、かかりつけ薬局が服薬管理を徹底すれば、飲み残しや飲み忘れによる医療費の無駄が減らせると説明してきたはずだ。かえって医療費が増えることになれば、本末転倒である。

普及により医療費をどれぐらい抑制できるかも明示せず、加算ありきで検討を進める姿勢には違和感を覚える。

報酬の加算は、普及の妨げともなりかねない。同じ薬をもらうのに、かかりつけ薬局と、それ以外の薬局で価格が異なる事態を招くためだ。自己負担を抑えたいのが患者心理である。服薬管理より価格の安さを優先し、かかりつけ薬局が敬遠される可能性がある。

厚労省は、報酬を加算する要件として24時間対応や患者宅への訪問を課す考えだ。患者の健康をサポートするため時間外の対応なども求めているが、薬剤師の少ない小規模薬局が対処できるのかも疑問である。一部の大手薬局だけが加算を受け取れる仕組みとなるのではないか。

そもそも、服薬管理には医療機関との連携が不可欠だ。医師と薬剤師が情報共有できるシステムを確立しなければ十分に機能しないだろう。

地域住民が健康相談を含めて気軽に立ち寄れる薬局とは何か。行政も業界も、もっと患者の立場での見直しを考えてもらいたい。
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[東京新聞] 世界同時株安の行方 緩和の「宴」は終わりに (2015年08月31日)

世界同時株安は収束したのか。発端の中国経済の不安定さは変わらないうえ、米国の利上げもいずれ避けては通れない。「宴(うたげ)」は永遠に続きはしない。

ブラックマンデーの再来−。株価急落の波が、まるでドミノ倒しのように地球を何周も巡った今回の激震を、二十八年前の株価大暴落になぞらえる見方がある。

現象面だけみれば、上がりすぎていた株価が調整されたとか、数年おきに繰り返されるバブルの破裂の一つだといえなくもない。しかし、視野を広げてみると、歴史的な転換点がおぼろげに姿を見せる。すなわち「投機経済の終焉(しゅうえん)」とか、本来の原理を失いつつある資本主義経済の「終わりの始まり」といった大局である。


過剰マネーのおかげ
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同時株安の直接的な原因は大きく二つだった。世界経済のけん引役だった中国経済が想像以上に悪いとの見方が広まったこと、そして新興国から米国へマネーが還流する引き金となるであろう米国の早期利上げ観測である。中国当局の危機対応能力への疑念も高まり、世界中の市場に連鎖的に動揺が広がった。

これまで投資家が安心感を持っていられたのは、日米欧の政策的にばらまかれた過剰なマネーのおかげである。七年前のリーマン・ショック以降、景気を刺激するためにゼロ金利とともに通貨の供給量を大幅に増やす量的緩和政策がとられた。あふれたマネーは株式市場や新興国に向かい、投機資金に姿を変えて経済の実力以上に株価を大きくかさ上げした。

米国の中央銀行トップだったバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)前議長は、金融経済が実物経済を支配しているような時代状況を「犬の尻尾が頭を振り回している」と表現して警鐘を鳴らしたほどだ。


尻尾が頭を振り回す
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そもそも金利がゼロ近辺ということは、資本主義が機能していないことを意味する。なぜなら投下した資本が利子を得て増大することが資本主義の基本的な性質だからだ。ゼロ金利や量的緩和政策はやはり異例の金融政策であり、その上にしか成り立たない経済状況は、成長メカニズムがほとんど破綻しているといっていい。

だから米国は正常な金融政策に戻ろうと利上げを目指す。二〇〇八年から始めた米国の量的緩和は昨年終了したが、ゼロ金利の方は七年近くに及んでいる。

ゼロ金利に慣れきってしまった市場は、ちょっとのショックでも大きく動揺する。今回の同時株安や新興国市場での通貨安は、来るべき米国利上げの「予告編」といえるだろう。

異次元緩和に依存したまま、身動きがとれないアベノミクスは限界だといわざるを得ない。安倍晋三首相は「デフレは貨幣現象であり、金融政策で対応できる」と言い切った。しかし、二年で2%の物価上昇目標は達成できず、七月の消費者物価指数は横ばいだ。金融政策で物価はコントロールできないことが明らかになったのだ。

異次元緩和は結局、株価のつり上げと、金利を抑え込んで政府の借金依存を手助けするためといわれてもしょうがあるまい。むしろ円安→生活必需品の値上げ→消費落ち込みという負の影響を踏まえ、景気への有効性と物価目標未達の理由を検証すべきだ。「出口戦略」は遅れれば遅れるほど困難を極める。無批判のまま、いつまでも実験的な政策を続けることは許されない。

世界同時株安は、中国当局の預金準備率の引き下げと利下げをきっかけに沈静化の動きもある。しかし、中国経済の現状に対する専門家の見方は厳しい。

中国政府は「7%成長目標」を掲げたままだが、国内総生産(GDP)統計より正確に経済実態を反映するといわれる電力消費量や鉄道貨物輸送量、銀行貸し出しのいわゆる「李克強指数」によれば経済の落ち込みは著しい。

リーマン・ショック後に打ち出した四兆元(当時で五十兆〜六十兆円)の巨額投資は、世界経済の立て直しに貢献したが、今となっては、その投資が生み出した供給力が過剰となり、粗鋼や自動車など主要産業で深刻だ。


失われるのは何年か
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人民元の実質切り下げを突如として打ち出すなど、計画経済を引きずったような不透明な当局の対応も不信を買う。不動産バブルに続き、株式市場のバブルも事実上はじけたのである。

世界最大の貿易国であり、世界第二の経済大国である。日本がバブル崩壊後に陥った「失われた二十年」と比べるまでもなく、中国や、世界の市場がこのまま回復すると思うのは楽観的にすぎる。

緩和の「宴」に、いつまでも酔っているわけにはいかないのだ。
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[毎日新聞] 社説:安保転換を問う・南シナ海と日本 (2015年08月31日)

◇関与の危うさ議論せよ

自衛隊と米軍の軍事一体化をさらに進め、日米同盟の抑止力を高める。これにより南シナ海や東シナ海で活発化している中国の海洋進出に対応する。安全保障関連法案の目的は、突き詰めれば、こういうことだ。

ならば、いま国際社会の懸念の的となっている南シナ海の情勢に、日本は関与すべきか否か、どんなリスクがあるのかについて、国会でもっと議論すべきではないか。

周辺国が領有権を争う南シナ海の南沙諸島で、中国は七つの岩礁を大規模に埋め立て、人工島を建設している。6月末には埋め立てを完了し、次の段階として軍事目的を含めた施設の整備を進めると表明した。

米軍は、自衛隊が南シナ海でパトロールをすることに期待感を示す。中谷元防衛相は、同海域での警戒監視活動について「具体的な計画はない」としながら「今後の課題」とも述べ、将来的な活動に含みを残す。

南シナ海で中国の一方的な現状変更の動きをどう止めるかは、国際社会にとって重要な課題だ。だが、日本の領土から遠く離れた南シナ海での警戒監視活動が、日本がやるべきことなのかは、慎重に考える必要がある。警戒監視に踏み込めば、中国を刺激し、不測の事態を招く可能性も高まるだろう。

安保関連法案の中核をなす重要影響事態法案のもとでは、南シナ海でフィリピンやベトナムと中国が衝突したような場合、政府が日本の平和と安全に重要な影響を与える事態と認定すれば、自衛隊は米軍だけでなくフィリピン軍やベトナム軍に後方支援ができる。対象国は限定されない。地理的な制約もかからない。

事態の認定にあたっては、国連決議は必要ない。国会の承認は、原則として事前に得ることになっているが、緊急の場合は事後承認でいい。

重要影響事態で自衛隊が後方支援活動をしていて、日本の存立が脅かされる存立危機事態に発展したと認定されれば、集団的自衛権の行使もできるようになる。

中谷氏は「南シナ海の状況は、現時点で、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態に当たると考えていない」という。その通りだろう。だが、法的な枠組みが整えば、将来的な可能性は排除されなくなる。

安保関連法案は、日米同盟の抑止力を高めることを目的とした法案ではあるが、同時に大きなリスクを抱えている。日米中関係の将来像や、日本が南シナ海情勢にどう関わるべきかという根本的な議論を欠いたまま法案を通し、自衛隊がなし崩し的に南シナ海での活動を拡大することがあってはならない。

2015年08月31日 02時32分
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[毎日新聞] 社説:戦後70年視点・空襲と防空法=人羅格(論説委員) (2015年08月31日)

◇教訓を今に生かすには

終戦を迎えた1945年8月は、地方都市への空襲が激化した時期でもある。

広島、長崎への原爆投下だけではない。爆撃で富山市、新潟県長岡市、東京都八王子市、水戸市など多くの都市が焼かれ、おびただしい数の民間人が犠牲になった。神奈川県小田原市のように、8月15日未明の空襲で命を落とした市民もいる。

米軍による民間居住地への非人道的な空襲が生んだ惨禍だ。だが、政府の空襲対策の責任も解明されつつある。

「当時の住民はなぜ、避難しなかったのか」という疑問から水島朝穂早大教授と弁護士の大前治さんが丹念に資料を集め、昨年出版した「検証 防空法」(法律文化社)はその核心に迫るものだ。

空襲に備えるための戦前の防空法は37年に制定された。41年に改正され、都市からの退去禁止を命じられる条項や、空襲時の応急消火義務が加えられた。日米開戦直前に内務大臣による退去禁止の通達が出された。「空襲でも逃げずに火を消せ」という原則は疎開などを除き、終戦まで維持された。

空襲に現実味が増すと当局は焼夷(しょうい)弾の威力を過小評価し、「バケツ5、6杯で火を消せた例がある」「手でつかめる」など非現実的な消火法を説明した。青森市では米軍の空襲予告で避難した住民に当局が帰還を命じ、その期日の45年7月28日に市民が空襲に見舞われた。

こうした検証を通して、国の責任が浮かびあがる。空襲による民間被害の救済に関しては援護法制定を求める動きがあり、この問題に取り組む新たな超党派議連(鳩山邦夫会長)も今月、発足した。補償問題は一筋縄でいかない難題だ。ただ、東京大空襲をはじめ、全国の空襲の調査は民間、自治体まかせだ。国は悲惨な実態を調査する責任を最低限、負うべきだろう。

加えて重要なのは「空襲恐るるに足らず」との虚構が構築されたメカニズムの解明である。

「終戦時の空襲は焼夷弾の在庫を使い切るため市民を犠牲にした米軍の暴挙だ。それと同時に、被害を想定できたのに人命を軽んじた国の責任も重い」と水島氏は言う。戦意高揚のため真実を知らせず、メディアから必要な情報は提供されなかった。国の虚構を国民が信じ込めば、生命すら危うくなる教訓は過去のものではあるまい。

安倍晋三首相の戦後70年談話は、空襲による市井の人々の犠牲にふれた。空襲被害や防空法について真摯(しんし)に検証することの今日的な意義は、決して小さくないはずだ。

2015年08月31日 02時30分
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[読売新聞] 旧ソ連抑留者 「シベリア以外」の解明も急げ (2015年08月31日)

闇に埋もれた悲劇の全容解明を進める重要な手がかりとしたい。

第2次大戦終結後、旧ソ連の収容所などに抑留された日本人に関する新たな資料が続々と見つかった。

中国・大連で抑留された日本人の写真55点や、朝鮮半島北部、南樺太(現サハリン)、大連での抑留死亡者の名簿などが、ロシアの公文書館に保管されていた。

名簿に関する本紙報道を受け、厚生労働省は、のべ1万723人の抑留者名簿を既に開示している。旧ソ連とモンゴルで抑留された「シベリア抑留者」とは別の2130人の氏名が含まれる。

シベリア以外での抑留の実態は全体の死者数を含め、ほとんど明らかになっていない。実態調査と、高齢化する遺族らへの情報提供など支援を急がねばならない。

日ソ両国は1956年の「日ソ共同宣言」で、賠償請求権の相互放棄に合意した。

シベリアからの帰還者や遺族らは日本政府を相手取り、強制労働の賃金支払いや損害賠償を求める訴訟を起こした。

抑留者への慰労金支給を決めた88年の特別基金法や、政府に調査を義務づけた2010年の特別措置法は、シベリア抑留者に救済措置を講じるためのものだった。

しかし、シベリア以外の抑留死亡者については、政府は2000年以降、名簿を入手していたにもかかわらず、シベリアを優先し、公表や調査を行わなかった。塩崎厚労相がこれを陳謝し、是正を約束したのは、一歩前進である。

シベリア以外の抑留者に対する新たな支援や調査を実施するには、課題が少なくない。現行法は、その対象を旧ソ連とモンゴルでの抑留者に限定しているからだ。

調査体制の強化も検討したい。知見を持つ日本の専門家を参加させる工夫も考えられよう。

実態解明には、ロシアがまだ日本に提供していない情報の掘り起こしが欠かせない。

例えば、朝鮮半島北部に関し、ロシアは興南、元山両地区の「送還収容所」の情報は政府に提供したが、数千人が死亡したとされる平壌近郊の複数の収容所については、公開していない。

刑死や虐待が絡む記録は「機密」指定がなされ、担当の治安機関が解禁に消極的だという。

資料の公開には、プーチン大統領など、露政府の高いレベルでの判断がカギとなろう。

安倍首相は今秋、プーチン氏との会談を探っている。抑留問題の解明でも協力を求めるべきだ。
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[朝日新聞] 安保法制―NGOの危惧にも耳を (2015年08月31日)

新しい安全保障法制の行方が自分たちには死活問題だとして、大きな危惧を抱いている人たちがいる。世界各地で難民支援などに携わるNGO(非政府組織)の関係者だ。

一連の法案には、武装集団に襲われたNGO職員らのもとに自衛隊が駆けつけて警護できるようにするPKO協力法の改正も含まれている。

安倍首相は国会で「自衛隊の近くでNGOが武装集団に襲われた場合でも、自衛隊は駆けつけて救援できない。これでいいのか」と述べ、改正はNGOのためにもなると強調する。

だが、NGOの中には、自衛隊が他国軍への兵站(へいたん、後方支援)などで活動範囲を大幅に広げることが、やがては自分たちの活動の障害になりかねないとの危機感が強い。

国会審議をにらみ、この思いを共有するNGOが連携する「NGO非戦ネット」を発足させ、これまで58団体と450人が賛同者に名を連ねた。

同ネットが先に発表した声明は、自衛隊の海外での活動が拡大すれば、平和国家としての日本のイメージが一変し、「NGOの活動環境は著しく危険なものに変わることは明らかだ」として廃案を訴えている。

長年の内戦をへて南部が分離独立したスーダンで、07年から人道支援に携わってきた日本国際ボランティアセンター(JVC)の今井高樹・スーダン現地代表は、その背景を次のように説明する。

アラブ諸国への軍事介入も辞さない欧米とは違い、日本は友好的な国と見られている。欧米のNGOがスパイと疑われてしまうのに対し、日本の活動は純粋な人道支援だと評価されている。こうした中、自衛隊が他国軍の後方支援などをすれば、欧米に向けられているのと同様の敵対感情が日本のNGOにも向けられかねないという。

今井さんは11年、政府軍と反政府勢力の戦闘に巻き込まれ、事務所が略奪にあった。非武装の国連車両に救援されて郊外に脱出した。そんな経験から、各勢力が入り乱れるような市街戦の現場に自衛隊が救援に入ることも現実的ではないと語る。

こうした現場の声は、これまでの国会審議では十分に反映されてはいない。

一連の議論では、同盟国との連携強化という「軍」の論理が重視され、国際貢献の一翼を担うNGOなどの「民」の視点が抜け落ちている。

これも、多岐にわたる法案を短期間に一括審議しようという無理が生んだひずみである。
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[読売新聞] 地熱発電 豊富な資源を有効活用しよう (2015年08月31日)

火山国の日本は、地熱資源が豊かだ。地球温暖化対策にも役立つ地熱発電を普及させたい。

環境省は、国立・国定公園での地熱発電に対する規制を緩和する方針を決めた。近く都道府県などに通知する。

地熱発電は、火山のマグマの熱で生じる蒸気を井戸でくみ上げ、タービンを回す。二酸化炭素をほとんど排出せず、太陽光や風力のように天候に左右されない安定した再生可能エネルギーだ。

日本の地熱資源量は2340万キロ・ワットに達する。米国、インドネシアに次ぐ世界3位の量だ。

福島第一原発の事故後、再生エネへの期待が高まった。地熱発電も、再生エネの固定価格買い取り制度に後押しされ、事業計画が急増している。検討段階を含め、約70地点で開発の動きがある。

だが、現時点で利用されているのは、国内の資源量の2%に過ぎない。8割が集中する国立・国定公園での開発制限が、普及が遅れていた要因の一つだ。

今回、公園内で最も規制が厳しい特別保護地区を除き、全域での開発が可能になる。特別保護地区周辺の第1種特別地域では、発電所建設は認めないものの、地下の地熱資源に隣接地から斜めに掘り進む形での開発を解禁する。

その他の地域では、現行の高さ制限を超える発電施設も、景観と調和していれば建設を認める。

政府は、総発電量に占める地熱の割合を、現在の0・3%から2030年には約1%に引き上げる目標を掲げている。規制緩和で導入に弾みをつけたい。

地熱発電開発には10年以上の期間を要する。適地を探し、試掘をして事業の採算性を精査する必要があるからだ。大型発電所の初期投資額は200億円超に上る。

地熱資源が豊かな地域の多くは観光地だ。発電所建設では、温泉の枯渇を懸念する地元との合意形成が難航しがちだ。

経済産業省は、地元の理解促進や井戸掘削の補助、発電所建設の債務保証などに、年230億円を投じている。有望な発電計画を効果的に支援したい。

無論、生態系や景観に対する配慮は欠かせない。環境省は国立公園内の植生や希少動物についてデータ整備を進める。環境負荷の少ない発電所の建設地点を選ぶ参考になるだろう。

環境影響評価の対象外である小規模の計画も目立つ。コストを抑え、開発期間も短縮できるためだ。乱開発にならぬよう、環境省や自治体が監視する必要がある。
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[朝日新聞] 大学入試改革―本当に実現できるのか (2015年08月31日)

大学入試センター試験にかわる新しい「大学入学希望者学力評価テスト」が、2020年度から始まる。

その制度設計を検討する文部科学省の有識者会議が、中間まとめ案を了承した。

スタートまで5年だが、具体像は見えてこない。

本当に実現できるのか。問題の中身や実施方法を、できるだけ早く詰めてほしい。

今回の改革は高校、大学教育、それをつなぐ大学入試を三位一体で変えるのを目指す。入試を変えない限り教育も変わらないとの声が強いためだ。

狙いは知識を覚え込むだけでなく、問いを自ら立て、多様な人々と対話しながら答えを探る力を育てることだ。

小中高の教育内容を決める学習指導要領も同時に改訂する。

まれにみる大改革である。

まとめ案は新テストについて最初の4年を試行期間とし、その間に試験内容や体制を詰めるという。後ろ倒しにも見えるが、着実に進めるために助走を設けるのはやむを得ない。

心配なのは、案が生煮えなことだ。肝心な出題のイメージを示せず、採点や成績提供の方法もまだ具体化できていない。

今回の改革は、一発勝負で知識の量を一点刻みで問う日本の入試への批判から出発した。

そこで掲げたのが、複数回の受験を可能にし、思考力を問う「合教科・科目型」「総合型」や記述式の問題を出し、成績を段階別に表示することだった。

ところが、売りだった「合教科・科目型」「総合型」について、まとめ案はふれていない。

難しいと判断したのなら、きちんと説明してほしい。既に教育産業は新タイプの問題を試作し、講座を設けるなど走り出している。

まとめ案は実施に際して、いくつもの課題を挙げた。

記述式問題は採点に大勢の人が必要で、時間がかかる。多様な力を測るのにコンピューターでのテストを導入すると、端末の整備にお金がかかる。試験中に故障すると、混乱を招く。

複数回の試験では、難易度を調整するのに全問題の予備調査が要る……。

いずれも前提条件の問題だ。一つひとつ実現可能な道を探らなければ、理念倒れに終わる。

そもそもすべてを新テストに背負わせるのは無理がある。記述問題は大学の個別試験に任せるなど切り分けが必要だろう。

今回の改革は日本の試験風土を大きく変えるものだ。高校や大学と議論し、生徒や保護者に説明を尽くして進めてほしい。
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2015年08月30日

[産経新聞] 【主張】防災週間 地域連携を深める機会に (2015年08月30日)

8月最後の日曜日、地域の防災訓練に出かける人も多いだろう。きょうから9月5日までは防災週間である。

関東大震災(大正12年)が起きた1日の「防災の日」を中心に、期間中は全国で防災訓練や関連行事が実施される。

地震、津波、火山噴火、台風、豪雨などの大規模災害は日本列島のどこでも起こり得る。防災訓練などの場で自分の地域にどんな災害の可能性があるかを学び、自治体と住民の役割を確かめる必要がある。

命を守るため、災害への備えと心構えを新たにしたい。

日本列島は東日本大震災後、地震・火山が活発化している。地球温暖化の影響で、気象災害も強大化する傾向にある。

今夏も台風の上陸、接近が相次ぎ、記録的な暴風雨に襲われた地域もあった。また、鹿児島県の桜島、口永良部島(新岳)、神奈川県の箱根山などで噴火が続き、口永良部島の住民は今も避難生活を送っている。

ただ、これらが多くの犠牲者を出す惨事に至らなかったのは、昨年の広島市の土砂災害や御嶽山噴火を教訓として、早めに避難することの大切さを、住民と自治体が共有した結果でもあるだろう。この意識を今後も持ち続けることが大事だ。

災害時には、住民の避難状況をいかに正確に把握できるかも大きな課題である。

避難所での生活は、最善を尽くしても相当の不便が伴う。このため、指定された避難所ではなく、親類や知人宅に身を寄せる住民は少なくない。

だが、災害時に住民の行方がわからないと、捜索・救助活動に支障が出ることを認識しておかねばならない。災害直後の現場は混乱する。連絡が取れなければ、行方不明者に数えられるのだ。

避難時には、近隣の住民と声を掛け合い、指定の避難所以外に行くときには、避難先と連絡方法を知らせる。これを災害時の常識としたい。

その上で自治体や地区ごとに住民の避難状況を迅速に把握できる態勢を構築する必要がある。

避難状況を含む安否確認は、災害の規模が大きくなるほど重要で困難な課題となる。それを想定して避難方法を話し合い、地域の連携を深める。防災週間をそのための機会とすることが大切だ。
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[産経新聞] 【主張】潘氏中国式典へ 国連は軍拡許容するのか (2015年08月30日)

中国が力による現状変更を目指す動きは、国際社会が結束して阻止すべき問題だ。にもかかわらず、国連がこれに無力であるどころか、許容することを意味するのではないか。

潘基文事務総長が、北京で行われる抗日戦争勝利記念の式典に出席する。軍事パレードにも姿を見せるという。

日本政府は、中立性への懸念を国連に伝達した。それにとどまらず、国連が平和構築への責務を果たそうとしていないとの非難を正式に表明すべきである。

日米欧の首脳は軒並み行事への出席を見合わせた。中国の軍拡に対する抵抗感があるからにほかならない。

一方、ロシアのプーチン大統領らは出席する。韓国の朴槿恵大統領も米国や国内保守層の慎重論を押し切る形で参加を決めた。

中国は南シナ海の岩礁を埋め立て、軍事拠点化を進めている。米国防総省の最近の報告では、その規模は11・7平方キロを超えた。

国際ルールを無視した中国の海洋進出は地域の平和と安全への脅威であり、日本や米国のほか、フィリピン、ベトナムなどの周辺国が強く反発している。

本来、ここで国連が果たすべき役割は国際社会の懸念を解消するよう中国に働きかけることだ。

国連安全保障理事会は、中国など拒否権を持つ常任理事国が絡む問題に無力だ。だからこそ、事務総長が指導力を発揮すべきではないのか。潘氏の出席は、国際社会の期待に反するものである。

とくに軍事パレードは、1万2千人の兵士が参加し、航空機、戦車などを披露する場であり、中国の軍事力を世界に誇示する舞台となろう。そこには、ウクライナのクリミアを一方的に併合したロシアの部隊も参加するという。

潘氏は5月にロシアで行われた対ドイツ戦勝70周年記念式典にも出席した。力による現状変更で国際社会の批判を浴びる両国の行事に立て続けに顔を見せるのは、あまりに慎重さに欠けよう。

かねて潘氏は、中国への配慮が過剰だと指摘されてきた。中国の強い影響力を見込んでのことだろう。昨年秋の香港の選挙改革をめぐる民主派のデモも「内政問題」として深入りを避けた。

だが、国連トップがこうした行動を続けるようでは、国連への信頼が損なわれることになる。
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[東京新聞] 週のはじめに考える デモの民主主義が来た (2015年08月30日)

きょうも国会周辺などで行われる「デモ」が力を増しています。民衆の声をのせた風が政治に吹き込む時、日本の民主主義はどう変わるのでしょうか。

いま、安全保障法制で政治が国民世論から離れていくのを目の当たりにして「居ても立ってもいられずに」「子や孫たちのため私たちの手で何とかしなければ」。全国各地で繰り広げられるデモの渦中で、多くの市民が口にする、政治への強い参加意欲です。

日本の政治空間にデモの存在感が増しています。東日本大震災後の「脱原発」以降、ここ数年で定着した大規模デモは、個別の利害が絡む従来の組織動員型デモと区別して、「草の根デモ」と呼ばれることがあります。


◆シアトルの教え
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ほとんどはインターネットを介し、さまざまな生活感や価値観をもつ不特定の、つまり「草の根」の一般市民が自由につながり自発的に参加するデモの形です。

デモといえば思い浮かぶ光景があります。一九九九年十二月、米シアトルでの出来事です。

ちょうどインターネットが爆発的に普及したころ。世界貿易機関(WTO)閣僚会議の周辺に世界から約五万人が集結した「反グローバリズム」運動は、草の根型デモのはしりでした。このデモが今に残した教えが二つあります。

一つ目は、ネットがもたらす連帯力の効果です。会議の専門的な議論を、ネットの交流で一般市民向けにかみ砕き、デモ参加の敷居を低くしたことでしょう。

二つ目は、暴力の逆効果。草の根デモの自由さゆえに統制が利かず一部が暴徒化し、民主主義的なデモの効果を自らそいでしまったことです。

さて日本のデモがここまで大がかりに定着してきたのはなぜか。シアトルの教えをなぞれば見えてきます。


◆参加の敷居を下げる
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一つ目。市民レベルの議論が広まった背景には、原発政策をはじめ特定秘密保護法、安保法制と矢継ぎ早の国論を二分する大問題に対し、国民の関心がおのずと高まったことがあります。

さしずめ憲法や国民の命に関わる重大事では「選挙で全権一切を政権に預けたわけではない」との思いが、人々の政治参加意欲をかき立て、デモに向かわせたのでしょう。その過程で例えば安保法制では、自衛権の「集団的か個別的か」という政治家の議論が、ネットで「戦争か平和か」の選択に変換され、敷居を下げた議論の輪が広がっていったのです。

二つ目の暴力性は、当初の脱原発デモが暴力とは無縁の3・11追悼ムードから始まり、非暴力の流れが後のデモに根付いたことで、これも市民参加の敷居を下げデモの拡大を促しました。

日本の草の根デモはこうして、選挙とは別に、国民が求めた第二の参政権の使い方として定着しました。しかし、ここで問題となるのは、選挙を通じた議会制民主主義とデモとの関係です。

一二年春の脱原発デモ直後に、『「デモ」とは何か』(NHK出版)を著した五野井郁夫・高千穂大准教授がそこに引用した古い論文に興味深い考察があります。

いわゆる六〇年安保に際して、戦後を代表する政治学者、丸山真男氏が残した『議会政治をきずくには』の一節です。

要約すれば、議会内の「院内」政治と、デモなど社会運動による「院外」政治とを切り分けて、双方のずれをなくし、風通しをよくしていくことが、健全な議会政治には肝要なのだ、と。五野井氏はこれを踏まえ、議会制とは別の、デモによる直接民主主義への期待を記しています。


◆政治家の意識の中に
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そして今日、安保法制に挑むデモは高、中、若年の各層に広がり規模拡大の勢いは止まりません。 昨年は騒音を理由に国会前のデモ規制まで示唆して強気だった政権も、その勢いに押されてか、今年七月の安保法案の衆議院通過はその週末に企画された大規模デモの前に急ぎ足ですり抜けた印象です。安倍晋三首相も法案通過後、国民の理解が進んでいないことを認めざるを得ませんでした。

世論調査の結果もあるでしょうが、政治家たちの意識の中にデモが大きな地位を占めてもいるはずです。これはもはや、デモが議会制と並ぶ第二の民主主義に成長した姿なのかもしれません。

ともかくも「院外」の市民たちは、デモの民主主義を日本の政治に打ち立てつつあります。

あとは「院内」政治が窓を開けて風を通すことです。健全な議会政治を築くため、デモの声に耳を傾けることです。さもなければ、デモで巻き上がった風は次の「院内」をつくる選挙に、何らかの形で吹き込んでいくはずです。
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[毎日新聞] 社説:女性の活躍 変化の速度が遅すぎる (2015年08月30日)

遅れの大きさに対し、あまりに小幅な前進ではないか。やっと成立した女性活躍推進法のことだ。「すべての女性が輝く社会」を繰り返し強調する安倍政権が昨年の臨時国会に法案を提出したが、首相が衆院を解散したため一度廃案になっていた。

国や自治体、大企業に対し、新規採用や管理職に占める女性の比率など、数値目標を公表させ、努力を義務付けるものだ。女性の起用に積極的な企業とそうでない企業が外から分かり、企業間で良い競争が起きることを期待している。

前進ではあるが、世界的にみて日本の遅れは著しい。各種の国際ランキングで、日本は大抵、100位圏外である。例えば、「ダボス会議」で知られる世界経済フォーラムの調査(2014年)によると、日本の男女平等度は104位だった。

政府は「改善」をアピールするが、昨年、国家公務員の管理職に占める女性比率は3.3%、上場企業の女性役員の比率も2.1%(内閣府調べ)にとどまった。劇的な改革を即座に実行しない限り、政府が掲げる「20年までに社会のあらゆる分野で指導的地位に占める女性の比率を30%」とする目標達成は絶望的だ。

人口減少や経済の停滞といった観点からも、今の日本で女性の力をフル活用することは待ったなしだ。それなのに、新法が国や企業などに設定を課す目標に、拘束力はない。守れなくても罰則はなく、目標自体、自由に決められる。

海外で画期的な改善があったのは、厳しい罰則を伴う割当制度(クオータ制)を採用した国であることが多い。女性役員の比率が4割未満を続けた上場企業を、最終的に清算処分とするノルウェーは先駆的だ。周回遅れの日本が、組織の自主性任せでは、変化が目に見えるまで、相当な時間を費やすだろう。

政権の本気度を疑わざるを得ない理由がある。男性に関する改革の努力が見えないことだ。女性だけに育児や家事の負担が集中するようでは、もたない。男性も積極的に育児休業を取得し、柔軟な働き方ができるよう制度を変える必要がある。

男性国家公務員の育児休業取得比率は13年度、過去最高になったというが、わずか2.8%だ。民間企業を刺激する大胆な範を示してほしい時、これでは話にならない。

政府は昨年に続き、国内外の各界で活躍する女性らを集め29日まで東京都内でシンポジウムを開催した。変革のための知恵を交換したり、励まし合ったりするのも結構だが、もはや議論の段階ではない。まずは政府自らが、女性の起用や男性の育児休業取得などで劇的変化をもたらす対策を始めることである。

2015年08月30日 02時35分
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[読売新聞] 休眠預金法案 公正性の確保へ審議を尽くせ (2015年08月30日)

お金の出し入れが10年以上ない休眠預金を、社会福祉などに活用するための法案を、超党派の議員連盟がまとめた。

今国会に法案を提出して、成立を目指すという。

休眠預金は毎年、約500億円発生し、金融機関の利益に計上される。英国や韓国では、この休眠預金を福祉活動などの支援に使う制度がある。議連は、こうした例も参考に法案を作成した。

活用の対象として、生活困窮者や子供・若者に対する支援などが明記されている。預金者から請求があった場合は、休眠預金の払い戻しに応じる。

預金者保護に配慮しつつ、「眠れる資金」を福祉向上に役立てる趣旨は妥当だろう。

国などの公的支援が及ばない活動を助成する狙いから、資金配分を民間団体に委ねる。その司令塔が、一般財団法人として新設される「指定活用団体」だ。

活用団体は、全国の財団法人などから公募で複数の「資金分配団体」を選ぶ。この分配団体を通じて、実際に福祉事業に取り組むNPOやボランティア組織に助成金の給付や貸し付けを行う。

民間の知恵を生かし、現場の実情に合った支援が行き渡ることを期待したい。

気がかりなのは、法案の内容に関し、公正で透明な資金配分が行われるのか心もとない、とする声が少なくないことだ。

活用団体と分配団体のガバナンス(組織統治)やコンプライアンス(法令順守)に関する問題提起が目立つ。特に、支援先からの利益供与などの不正を防ぐ手立てがあいまいだとの指摘が多い。

多額の資金仲介を担う両団体には、厳格な運営が求められる。

制度の詳細は、内閣府令などで定める方向という。だが、監査の在り方など、資金配分の適正さを確保するための規定については、法律でもっと明確に定める必要があるのではないか。

配分に関与する人物が所属、関係する団体への支援など「お手盛り」を防ぐ措置も欠かせまい。

そもそも休眠預金は預金者のお金である。できるだけ減らすことが望ましい。英国や韓国は、休眠口座があるかどうか、一般の人が気軽に調べられるオンラインシステムを設けている。日本でも減らす工夫を検討してはどうか。

休眠預金の活用策を巡る様々な疑念を解消し、国民の理解を得ることが重要だ。より良い制度とするため、国会は法案審議を十分に尽くすべきだ。
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[読売新聞] ギリシャ総選挙 チプラス氏は延命できるのか (2015年08月30日)

欧州連合(EU)から巨額の金融支援を受けているギリシャで、議会が解散された。9月20日に総選挙が行われる。

経済危機の再燃を防ぐには、改革を実行できる安定政権の樹立が不可欠だ。その実現の可否が、ギリシャとEUの将来を大きく左右しよう。

急進左派連合のチプラス党首は1月の総選挙で、「反緊縮」を掲げて大勝し、首相に就任した。

だが、ユーロ圏離脱につながる債務不履行の瀬戸際に立ち、方針転換を迫られた。年金削減や増税など、抜本的な改革を条件とするEUの追加支援を受け入れた。

これに反発した一部の与党議員が政権を離れ、新党を結成したため、急進左派連合を中核とする連立与党は過半数割れに陥った。

チプラス氏がわずか7か月で首相を辞任し、総選挙を仕掛けたのは、それ以外に連立政権を延命させる手段がなかったためだ。

選挙戦では、構造改革の是非や、経済再建、弱者への救済策などが主要な争点になりそうだ。

最近の世論調査では、急進左派連合が優勢を保っているものの、チプラス人気には陰りも見える。7月の唐突な国民投票実施に代表される「大衆迎合政治」の行き詰まりが露呈したためだろう。

チプラス氏が今回、この政治手法を修正し、痛みを伴う改革も国民に訴えられるか。成長を実現する具体的な構想を提示できるか。これらが厳しく問われよう。

一方、最大野党の中道右派、新民主主義党は政権返り咲きを狙っている。1970年代から何度も政権を担ったが、バラマキ政治で財政難の素地を作った。EUとのパイプを生かし、均衡ある経済政策を示すことが求められる。

懸念されるのは、「反緊縮」の新党や反EUの極右政党などが伸長し、新連立政権発足までの政治空白が長期化することだ。

EUの支援で経済破綻の恐れはひとまず遠のいたが、選挙後のギリシャが改革を怠れば、EUとの協調関係が崩壊しかねない。

EUは2010年以降、3度にわたる金融支援でギリシャを救済した。ギリシャ発の危機の拡大でユーロの信頼が揺らぐことを回避するための苦渋の判断だった。

しかし、今や、支援を主導するドイツなどでは、ギリシャが再生できなければ、ユーロ圏離脱もやむを得ない、との冷めた声が強まっている。欧州の金融安定網の整備が進んだことが背景にある。

ギリシャの有権者は、EUの厳しい視線を自覚すべきだろう。
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[朝日新聞] 中国「戦勝」70年―過去から何を学ぶのか (2015年08月30日)

アジア太平洋戦争の終結は、日本では8月15日と記憶され、毎年その日で歴史回顧の季節が終わったかのようになる。

だが、日本が正式に連合国に降伏する文書に調印したのは9月2日。そちらを第2次大戦終結の節目とみる国もある。

日本に侵略された中国は、翌9月3日を記念日としている。今年のその日、習近平(シーチンピン)政権は「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」と題した行事を開く。北京・天安門周辺で大規模な軍事パレードをする。

どの国の節目でも、あの戦争の歴史を振り返るときに大事なことは何かを考えたい。

それは必ずしも戦勝国と敗戦国の区別ではあるまい。その立場を超え、70年前までとその後の歩みから何を学ぶかである。

人命が粗末に扱われた時代を過去のものとし、一人ひとりを人間として尊重する人権思想の基点を確認することである。

■日本と中国の一致点

中国政府は行事への安倍首相の出席を望んだが、実現しなかった。事情がどうあれ、日中首脳の同席が想像しにくい理由の一つは、「抗日戦争」という名に刺激的な響きがあるからだ。

中国の公式説明では、この行事名は今の日本ではなく、過去の日本軍国主義を指すとしている。アジアに多大な損害を与えたことへの反省は日本国内でほぼ共有され、日中間でも実はおおむね認識が一致している。だとすれば、行事名に過敏になる必要はないのかもしれない。

だが、90年代後半以降、中国政府が歴史を手段にして、対日批判を強めたのも事実だ。今回の行事について中国側が「特定の国に対するものではない」といっても、額面通り受け取るのは難しい。

日本側の政治家らにも、歴史認識をめぐり中国に疑念を抱かせる言動が少なからずあった。互いに疑心暗鬼を深める曲折をたどった近年の日中関係を振り返ると、歴史をどう学ぶかという記憶の問題とともに、教訓を今にどう生かすかという実践の難しさを痛感させる。

そのうえで気がかりなのは、いまの中国が歴史を強調するばかりで、古い国家統治から脱皮しない危うさである。

■人権理念を掲げて

中国が言う「反ファシズム」もまた、70年前までの戦争を意味づけるキーワードである。

確かに第2次大戦は、反ファシズムの性格を帯びた。国家を優先して市民を抑圧し、侵略に及んだ日独伊に対する旗印だ。だから連合国側が人権の戦いとして解釈するのは必然だった。

その理念づくりを主導したルーズベルト米大統領は、ドイツの脅威を前にした41年初めに、めざすべき「四つの自由を土台とする世界」を議会で語った。言論、信教、欠乏からの自由、恐怖からの自由である。

これが後に国連憲章や世界人権宣言、さらに国際人権規約へとつながり、国際社会の精神的支柱となる。日本国憲法にも人権規定が盛り込まれた。

そこには勝者による歴史の正当化という側面がある。だが、理念自体の意義は重い。

中国も、連合国の一員として国連憲章づくりを含む過程にかかわった。中国歴史学界の重鎮、袁偉時氏は「中国は70年前の理想を忘れてはならない」と呼びかけている。

■大国に問われる姿勢

だが、今の中国国内で人権が保障されているとは言えない。

貧困を劇的に減らしてきたのは事実だが、言論や宗教活動を制限し、弁護士や学者を簡単に拘束する。習政権下での抑圧ぶりは悪化する一方だ。

中国が外交で人権を掲げないのは国内問題と表裏一体だからだ。今年2月、国連安保理であった国連創設70年記念の公開討論で王毅(ワンイー)外相が強調したのは「各国の主権、独立性の尊重」で、人権への言及はなかった。

英国が「主権の名のもとに人権抑圧が放置されてはならない」、欧州連合が「安保理は基本的人権の擁護に貢献できる」と発言したのとは対照的だ。

国際社会は、人権を内政問題と片づける古い思考から脱している。紛争や災害のときなど、政府間では、主権か人権かという悩みはいまも残るが、市民の間では国境を超えた人権意識が着実に広まっている。

それが、先の大戦から70年をへて到達した国際社会の姿であり、その潮流は止まらない。

中国は、戦後も国内の動乱が続き、主権の安定をめざす時期があった。しかし、いまや世界第2の大国であり、他国からの侵略など想像しがたい。

それでもなお、人権より主権にこだわる習政権の姿勢は、それこそ70年前までの全体主義にも通じる統治ではないのか。

かつての戦勝を記念するとの名目で、道路や地下鉄駅、空港を閉鎖して市民生活を滞らせ、街頭で最新兵器を誇示することにどれほどの意味があるのか。

過去に学ぶことの意味がここでも問われている。
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2015年08月29日

[産経新聞] 【主張】山口組分裂 暴発防ぎつつ壊滅目指せ (2015年08月29日)

国内最大の指定暴力団「山口組」が、事実上の内部分裂状態に入った。暴力団が離散によって勢力を縮小するのは勝手だが、対立抗争によって一般社会が影響を被ることは迷惑千万だ。

過去の抗争では、一般市民が巻き込まれて犠牲となる痛ましい事件もあった。警察などの当局は社会を凶弾から守るとともに、ここが好機と暴力団の壊滅に向けて取り締まりを徹底してほしい。

警察庁によると、昨年末時点の山口組構成員と準構成員は約2万3400人を数え、暴力団全体の実に約43・7%を占める。

山谷えり子国家公安委員長は28日の会見で「傘下組織の一部に離脱の動きがあることは承知している」と述べた。

脱退するとみられているのは山口組前組長の出身母体である「山健組」(神戸市)などで、現在の6代目組長の出身母体である「弘道会」(名古屋市)が影響力を強めていることに不満が高まっているとされる。いわば、どこにでもある旧本流と新興勢力の内部対立なのだが、暴力団の分裂は抗争事件を伴うことが多い。

山口組をめぐっては、昭和59年から平成元年にかけて、山口組の4代目就任をめぐる主導権争いから独立した「一和会」との間で激しい抗争があり、暴力団関係者25人が死亡、一般市民と警察官を含む70人が負傷した。

抗争のさなかには兵庫県尼崎市で、山口組と別の暴力団との争いで流れ弾を受け、19歳の女性が死亡する事件もあった。こうした悲劇を繰り返してはならない。

最大組織の分裂の動きは、一方で断末魔の一つとも受け取れる。菅義偉官房長官は「暴力団はあってはならないもので、この機会に弱体化に向け、警察に対応してもらいたい」と強調した。

27年版警察白書によれば、17年に8万6300人だった全国の暴力団勢力は、26年末で5万3500人に減少した。社会の暴力団排除活動の進展や、暴力団犯罪の取り締まりに伴う資金難が構成員の離脱を促した結果だろう。

警察は26年中に山口組直系組長14人、弘道会直系組長など11人、弘道会直系組織幹部30人を検挙した。金融庁や経済界も、暴力団の資金獲得や資金洗浄の阻止に向け、締め付けを強化している。

暴発を防ぎつつ、壊滅へ。ここが暴力団対策の正念場だ。
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[東京新聞] 新国立競技場 目標は国民の納得感だ (2015年08月29日)

これで適正な価格といえるだろうか。新国立競技場の工費は千五百五十億円までに抑えると、政府は言う。内訳を説明し、国民の理解を得る努力が欠かせない。“もったいない”の精神を忘れずに。

医療や介護、年金といった社会保障費の抑制圧力、対照的な防衛費の増大。働く人たちの賃金の伸び悩み、貧困層の広がり…。

華やかな東京五輪・パラリンピックに向けられる国民のまなざしには、さまざまな思いが込められている。政府は常にその点をわきまえるべきだ。

その意味でも、基本理念に東日本大震災からの復興が盛り込まれなかったのは残念である。今後の計画の具体化の過程で、そうした視点も生かしてもらいたい。

白紙に戻す前の旧計画の工費は、未公表だった必要経費を加えると二千六百五十一億円だったという。それと比べて千百億円余り削減したと、政府は言う。

三年前、英国在住の建築家ザハ・ハディド氏のデザインを選んだ国際コンペでは、競技場本体の工費の条件は千三百億円だった。今回決まった計画では、千三百五十億円となる見込みという。残る二百億円は周辺整備に充てる。

競技機能に絞り、屋根は開閉式をやめて観客席上部に限った。延べ床面積を一割余り削り、常設席も大幅に減らした。アスリートや国民の声を聞き、コスト圧縮に努力した跡はうかがえる。

とはいえ、結論までの過程が不透明だ。サッカー・ワールドカップ(W杯)の招致要件となる八万人の収容能力にこだわり、見積もりが膨らんだ面はないか。少子高齢社会に見合う規模なのか。政府は説明責任を果たすべきだ。

工費の上限を守ることができるのかも、気がかりである。

震災復興や五輪準備などに伴う資材や人手の需給は、いまだに逼迫(ひっぱく)気味だ。旧計画で工費の乱高下を招いた要因にもなった。二〇一七年四月からの消費税率10%への引き上げも加味されていない。

プレイベントやリハーサルを心配する国際オリンピック委員会(IOC)は二〇年一月の完成を望んでいる。その意向をくめば、三年間の突貫工事になる。

無理な工期の短縮が工費を押し上げたり、耐震性能を含めた安全性を損ねたりしては元も子もない。政府は設計や施工を厳しくチェックし、こまめに情報を公開し、丁寧に説明する必要がある。

景観や環境に配慮し、誰からも愛される競技場を目指したい。
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[東京新聞] 軍縮会議・広島 各国指導者は被爆地へ (2015年08月29日)

国連軍縮会議が広島市で開かれ、外交から市民運動まで多角的に核廃絶に取り組むことを確認した。被爆七十年だが、世界には一万六千発の核兵器がある。停滞する軍縮を再び前進させたい。

会議は日本各地を巡回して開かれ、今回が二十五回目。軍縮、不拡散担当の各国政府や国連、民間の専門家ら約八十人が参加した。

討論では五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が最終文書を採択できず決裂したことについて、軍縮の機運が低下していると強い危機感が示された。

地球上の核兵器の九割以上を保有する米国とロシアが、ウクライナ情勢などで対立して削減交渉を進めない。中国が核兵器の配備数を明らかにしないなど、懸念される事実が報告された。北朝鮮が核開発を急ぎ、不拡散の分野でも対応が遅れている。

一方で国際社会ではここ数年、核兵器があるから大規模な戦争を防いできたという抑止論ではなく、「使用された場合、壊滅的な結果をもたらす」現実を重視する考えが広がる。百を超す国々が「核兵器禁止条約」の制定に賛同している。

広島の会議でも「核の非人道性」を議題とする国際会議に、米ロなど核保有国の参加を促そうと提案された。日本政府の主導的役割を期待する声もあった。

世界の首脳や指導者は広島、長崎を訪れ、被爆者の声に直接耳を傾けるべきだという意見が繰り返し聞かれた。一九九〇年代に米国の安全保障、核戦略を担当したペリー元国防長官は「核の恐怖を知らない人をぜひ広島に招こう」と呼びかけた。

各国の指導者、特にオバマ米大統領の訪問を粘り強く働きかけたい。在任中には伊勢志摩サミットもあり、退任後であってもオバマ氏には被爆地を訪れ、あらためて「核なき世界」の実現を訴えるよう望む。米国の指導者が原爆を投下した場所に来てほしい。多くの日本国民の願いだ。

被爆者の平均年齢は八十歳を超えた。記録を保存、整理して、原爆の悲惨さを若い世代に語り継がなくてはならない。

軍縮や平和構築を研究し、成果を世界に発信する人材の育成も必要だろう。

「放射能による苦しみは死ぬまで続くが、私は最後のひと呼吸まで廃絶をあきらめない」。広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長(90)の訴えは、会議参加者に届いたはずだ。
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[産経新聞] 【主張】日米連携 秩序と繁栄守る緊密さを (2015年08月29日)

日米同盟は国際秩序と繁栄を支える礎である。それを実際に運用していく上で、両国首脳の緊密な連携が求められることは言うまでもない。

さきの安倍晋三首相とオバマ大統領の電話協議は、中国経済の減速を背景に世界市場の混乱が続くさなかに行われた。

両首脳が主要7カ国(G7)で連携して対応することを確認した意味は大きい。大筋合意が見送られた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉についても、早期妥結への努力を続けることで一致した。

協議は多岐にわたった。日米が意思疎通を図るべき課題がいかに多いかが、改めて浮き彫りになったともいえよう。両首脳にはより多くの機会をとらえ、同盟の意義と効果を具体的な形で示してもらいたい。

韓国と北朝鮮の軍事的衝突が回避されたことも話題となり、引き続き協調して対応することを確認した。同盟の根幹である安全保障をめぐり、認識を共有しておくことは極めて重要である。

とくに、国際ルールを無視して「力による現状変更」の動きを続ける中国にどう対処するかは、日米の最重要課題の一つだ。

オバマ政権は、アジア・リバランス(再均衡)政策をとっているが、国防費減額など相対的な衰退は否定できない。

習近平国家主席の9月下旬の訪米を前に、米中は両国関係の再調整をはじめたが、「強い日米同盟」は米国の交渉力を高めることにも寄与するだろう。

日本やオーストラリアが安全保障面での協力を強化することが、米国のプレゼンスの維持に欠かせない。新たな日米防衛指針(ガイドライン)などに基づき、同盟による共同対処能力を高めることについても、首脳レベルで推進することが不可欠である。

首相は米国による盗聴問題に抗議し、信頼の重要性を指摘した。オバマ氏は謝罪し、「両国でグローバルな課題に対処していきたい」と語った。この問題で首相はバイデン副大統領とすでに協議しているが、同盟の信頼性を損ねかねない問題について、首脳同士が直接、話したのはよかった。

首相の4月の訪米以後、協議が途絶えていた印象は否めない。TPPの合意をこれ以上遅らせないためにも首脳の指導力がより必要なときだろう。
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