2015年05月31日

[産経新聞] 【主張】五輪担当相 大会準備の責任は重大だ (2015年05月31日)

近く専任の五輪担当相が誕生する。特別措置法を通し、あえて閣僚枠を増やしてまで任命される責任は重大である。

新国立競技場の建設計画が迷走している。総工費の膨張で、費用負担を求められた東京都の舛添要一知事は文部科学省への不信を隠さない。

コンパクトを売り物に招致を成功させながら、広域化・分散化案が相次ぎ、スポーツ界も不満を募らせている。

五輪担当相は就任早々、対処を迫られる。処方をひとつ誤れば事態はさらに悪化しかねない。腹を据えてかかってほしい。単なる調整役にとどまらない、指導力と胆力が求められる。

専任の五輪担当相は1964年の河野一郎氏以来となる。72年札幌冬季は専任を置かず、98年長野冬季では担当相すら設置しなかった。河野氏の就任は開会の約3カ月前だが、今回は5年も前だ。

一昨年、自ら国際オリンピック委員会(IOC)総会に乗り込み東京招致を訴えた安倍晋三首相の、大会成功に向けた意気込みの表れだろう。

過去の大会と今回とでは決定的に状況が異なる。大会の参加国・地域数や選手数、実施競技数が拡大し、テロ対策が喫緊の大きな課題となっている。

競技会場など関連施設の警備はもちろん、サイバー攻撃や核、生物、化学兵器への対策も必要となる。外務、警察、防衛など関係省庁は多岐にわたる。

管轄の文科省、皇室関係の宮内庁、財政面では財務省など各省庁との折衝は大事な職務だ。

東京都や組織委員会と調整し、日本オリンピック委員会や日本パラリンピック委員会などスポーツ組織との関係も十全に保たねばならない。

求められているのはこれらの調整役だが、相当のリーダーシップがなくては乗り切れない。大会準備の相次ぐ変更には責任の所在も問われている。自らその重責を担う覚悟も必要となろう。

10月には政策中枢としてのスポーツ庁が発足する。同庁長官との役割分担も明確にすべきだ。

さしあたり担当相が「五輪の大会準備と運営の調整」にあたり、長官は「五輪の選手成績を含む競技力向上と振興、普及」の司令塔となる。いたずらに船頭を増やして責任の所在があいまいになることは戒めたい。
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[産経新聞] 【主張】日欧EPA 年内合意へ着実な進展を (2015年05月31日)

中国への傾斜を強める欧州との間で緊密な経済関係を築くことは、日本が戦略的に取り組むべき重要な課題である。

その柱となる日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉について、安倍晋三首相とEUのトゥスク大統領らが、年末までの合意を目指す方針を確認した。

これを弾みに難航する交渉を加速し、着実な進展を図りたい。日米中心の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と、日欧EPAの2本柱で、新たな貿易・投資ルールを確立する。これこそ、日本の成長のための基盤となろう。

年末合意を目指す方針は、日EU首脳協議の共同声明に明記された。加盟国との意見調整に手間がかかるEU側には前のめりの交渉に警戒もあろうが、質の高いEPAとするためにも期限を明確に示して議論を深めるべきである。

2年前に始まった交渉では、日本側が自動車や電子機器、EU側は農産品の関税撤廃を主張している。EUは自動車などの規制緩和や公共調達分野の市場開放も求めており、交渉は難航している。

すでにEUとの自由貿易協定(FTA)を発効させている韓国と比べて日本は対EU貿易で不利な状況に置かれている。早期妥結を目指すべき理由の一つだ。

同時に、TPPや日欧EPAには、中国を牽制(けんせい)する意味合いがあることを忘れてはならない。軍事を含む中国の覇権主義的な動きを踏まえれば、日本が米欧と連携して新たな国際経済のルール作りを急ぐことは重要である。この点では米国と足並みがそろう。

だが欧州とは、対中国の経済外交に温度差がある。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)と距離を置く日米と違い、欧州からは参加が相次いだ。

こういう時期だからこそ、これまで以上に欧州と関係を強める意味は大きい。

日本がEUとのEPA交渉を加速するためには、TPPの早期妥結も欠かせまい。

もともとEUは、日本の輸出攻勢を警戒して日本とのEPA交渉に慎重だった。それが一転して交渉に応じたのは、日本のTPP参加により、国際標準となり得るルール作りが日米主導で進むことへの焦りがあったといわれる。

TPP交渉が停滞すれば、EUとの交渉も推進力が失われる。そうした事態は許されない。
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[東京新聞] 週のはじめに考える ペルシャ湾の教え (2015年05月31日)

安保法制審議でしばしば出てくるホルムズ海峡。掃海艇の派遣とは果たして現実的な選択なのでしょうか。二十八年前の出来事を振り返ってみよう。

古い出来事を引っ張り出すのは、国会論戦を具体的に考えてみたいからです。

当時は、イラン・イラク戦争の最中。実際にペルシャ湾に機雷がまかれ、タンカー攻撃も起き、アメリカは欧州の同盟国とともに、ホルムズ海峡経由で石油を輸入している日本にも安全航行のための貢献を求めてきました。


◆アメリカの派遣要請
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最初はこうでした。

<日本は憲法の規定によりペルシャ湾での船舶護衛活動への参加は規制されている。その代わり資金面での支援は可能だろう>(一九八七年六月、ワインバーガー国防長官の議会報告)

憲法の制約はもちろん理解されています。公にはそうです。

しかし触雷事故が増えてくると、非公式に掃海艇の派遣を求めてきたのです。

事態を整理してみましょう。

まず一九七九年にイラン革命が起きる。アメリカの支援を受けていた国王シャー・パーレビは巨額の石油収入を使って上からの改革を進めていたが、富むのは上ばかりだと民衆が不満を爆発させたのでした。

イランからアメリカが出て行くと、それを弱体化とみて戦争を仕掛けたのが隣国イラクのフセイン大統領でした。

アメリカも、そしてペルシャ湾をはさんでイランとにらみあうサウジアラビアもイラクの側につきました。

戦線は一進一退し、米ソをはじめ中国、欧州諸国は両国へ武器輸出は行えど、停戦調停の努力はあまり見られませんでした。


◆軍民の区別はつかず
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タンカー攻撃の始まりは八四年春。

イラク機がイランの石油積み出し港の船を攻撃したのです。戦争の膠着(こうちゃく)に対し、フセイン大統領が世界の目を向けさせようとしたともいわれ、やがて機雷がばらまかれます。八七年までに航行の二百隻以上が被害を受け、死者は百人を超えました。

戦場とはそういうものです。軍民の区別はつかない。危険の範囲などわかるものではありません。

アメリカは自国の出動はもちろん、西側同盟諸国に掃海活動の協力を要請。米ソ、英仏、イタリア、オランダ、ベルギーから二十隻を超す掃海舟艇が出動。

あわてたのは日本政府でした。政府内では自衛隊は出せないが、代わりに海上保安庁の巡視船派遣案が浮上します。前例がないわけではありません(一九五〇年、朝鮮戦争でアメリカの要請により海保・掃海隊を派遣。触雷沈没で一人死亡)。しかしながら戦闘機もミサイルも飛び交うペルシャ湾ではもとより稚拙な案です。

戦争を知る世代の官房長官後藤田正晴氏がぴしゃり、はねつけたといいます。もし派遣なら内閣が倒れるどころか、何より戦闘に巻き込まれていたでしょう。

世界を驚かせる事件も起きていました。米フリゲート艦スタークがイラク機のミサイル誤爆を受け三十七人が死亡。公海上では自動迎撃用スイッチを切っていたためとされ、その方針変更後には今度は米イージス艦がイランの二百九十人乗り旅客機を誤って撃墜してしまいます。

まさに戦場では何が起こるかわからない。

今だって精密爆撃を誇る無人機が多数の住民を誤って、また巻き込んで殺しているではありませんか。元米国防長官は「民間人に対しこれほど配慮した戦争はない」と述べたそうだが、この言葉は戦争の不道徳を如実に示しているでしょう。

話を戻しますと、二十八年前に日本の行った貢献とは、機雷を避けて航行する高度電波支援施設の構築と米軍への資金拠出でした。できることをしたのです。

国会のホルムズ海峡論議は到底実際的とは思われません。それが南シナ海警戒への布石かもしれないなどと想像はされても、実際の戦場が想定されなければ真実の議論とはいえないでしょう。


◆掃海持ち出す狙いは
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ホルムズ海峡の機雷封鎖の可能性は、中東専門家に聞けば大半がないと言うでしょう。またないようにせねばなりません。

自衛隊の派遣を、また集団的自衛権の行使を国民に受け入れやすくするために機雷掃海を持ち出したとするならば、大きな過ちであり、危険でもあります。

今、私たちが考えるべきは戦争の参加可能性ではなく、戦争の回避可能性なのです。そのためには過去の戦争をよく振り返る必要があるのです。危険かもしれない未来は過去を通して見るしかないのです。
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[毎日新聞] 社説:教育機会の保障 多様化の利点を生かせ (2015年05月31日)

義務教育でも、学びの多様なかたちや学び直しの機会は、広く保障されるべきだ。

超党派の国会議員が立法準備を進めている「多様な教育機会確保法」(仮称)案は、そうした考えに立っている。学校教育法の学校に該当しないフリースクールなど、不登校の子供らが選択した学びの場を制度的に認め、支援も行うという。

不登校の小中学生らが通うフリースクールは全国に約400、学ぶ子供は約2000人ともいわれるが、文部科学省もまだ把握しきれていない。一方、2013年度の不登校小中学生は約12万人に達している。公的支援がないため、フリースクールに通うにも学費などの経済的負担は小さくない。

また、夜間中学に多い、学齢期を超過したが学び直したいという人たちへの機会保障も課題だ。

この議員立法は基本的な理念と国の責務などを骨格にし、成立すれば、文科省が具体的な制度設計をした後、学校教育法改正を経て、17年度施行を目指している。

実現すれば、学習指導要領を軸に固定された「単線型」の義務教育制が、多様な「複線型」に幅を広げるともいえ、大きな転換だ。

案では、フリースクールや自宅など、学校外での学びを選ぶ場合、保護者は子供との話し合いやスクールなどの助言を踏まえ「個別学習計画」を作成、市町村教育委員会に申請する。教委が認めて計画が実行されれば、修了とみなす想定だ。

また教委の指導やスクールソーシャルワーカーらの訪問などで学習の質を保証し、財政支援も図る。

だが、懸念もぬぐえない。

教委の関与が条件を狭めたり、一定の型にはめたりするおそれはないか。審査や認定はどんな手法で行うのか。フリースクールなどには定型化されない多様性や個性を特徴とする面もあり、メリットでもあろう。

それらの難しい課題をどういう仕組みで解決していくか。学校教育改革の弾みにしていくためにも、細心の設計が必要だ。

かつて例外的な問題とみなされがちだった不登校は、1990年代には「どの子にも起こりうる」と認識を改められた。その選択する学びの場やかたちが制度的にも「例外」ではないとされれば、教育機会の保障だけではなく、学校教育を豊かにする効果も期待できよう。

また忘れてはならないのは、深刻な貧困率や境遇の格差、虐待、放置などといった問題で就学の機会を奪われた子供たちだ。

今回の改革をそうした実態にも扉を開き、改善へつながる手立ての一つともしたい。

2015年05月31日 02時35分
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[毎日新聞] 社説:再生エネ比率 「抑制目標」では困る (2015年05月31日)

二酸化炭素を排出せず、原発のような巨大リスクもない。再生可能エネルギーは自前の電源として重要だ。当面のコスト高は課題だが、これを抑えつつどこまで本気で増やすのか。経済産業省が示している2030年の電源構成(エネルギーミックス)案からは、覚悟も戦略も伝わってこない。

原発事故前の日本では再生エネが電源に占める割合は約1割(水力を含む)だった。政府案では30年にこれらを22?24%にするという。しかし、事故前でも目標は21%だった。それをわずかに上回る程度で最大限の導入とはとてもいえない。

しかも、その内訳を見ると風力が1.7%、太陽光が7%に過ぎない。世界の潮流から見て、風力や太陽光は確実に伸ばすべき電源である。デンマークではすでに電源の4割近く、英国で7%以上、中国でも2%以上を風力でまかなう。太陽光の割合もイタリアでは8%近く、ドイツでも6%近い。欧州では20年に30%程度の再生エネ割合を目指す国が多い。中国でも30年に53%まで拡大が可能という。こうした国際動向から見ると日本の目標はあまりに低い。

太陽光は固定価格買い取り制度(FIT)の導入で急速に伸びた。風力も北海道、東北を中心に潜在力は非常に大きい。拡大の余地は十分にあるのに、この程度の数字に抑えられているのはなぜなのか。

経産省は火力の燃料費とFIT買い取り費用などを足し合わせた「電力コスト」を今より低下させることを電源構成を決める前提条件とした。その上で、低コストなどを理由に原発を温存、高コストと自然変動を理由に風力や太陽光の導入量を大きく制限した。「これでは再生エネ抑制目標だ」という声が環境NGOなどから上がるのはもっともだ。

もちろん、コスト抑制は重要だ。FITの賦課金が一定期間、電力料金を押し上げるのも事実で、特に中小企業への影響が大きい。しかし、経産省が示す電力コストには減価償却費や運転維持費、事故対応費、廃炉費用などが含まれていない。これらを考慮に入れると今より30年のコストが増すかもしれない。火力の燃料費も影響が大きく、安く調達する努力を怠れば電力コストにはねかえる。風力と太陽光を抑制すれば電力料金を抑えられるという保証はない。

30年以降への発想が欠けているのも問題だ。FIT費は30年を過ぎると減少に転じ、設置費用を回収した設備で燃料費をかけずに安く発電できる可能性がある。将来はFITの必要性もなくなるだろう。再生エネが生み出す市場や雇用も大きい。電源構成は、そうした将来見通しも念頭に決めるべきだ。

2015年05月31日 02時30分
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[読売新聞] 日韓防衛相会談 安保協力強化の一歩となるか (2015年05月31日)

北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける中、停滞している日韓の安全保障協力を強化する一歩となるのだろうか。

中谷防衛相はシンガポールで韓国の韓民求国防相と会談した。自衛隊と韓国軍の共同訓練や、韓国軍艦船の日本訪問など、防衛交流の拡充を目指す方針で一致した。

冷え込んだ日韓関係の影響で、防衛相会談の開催は4年ぶりだ。軍事面の連携が大きく前進したとは言えないが、閣僚会談が実現したことは前向きに評価したい。

中谷氏は、国会で審議中の安全保障関連法案について説明し、理解を求めた。韓氏が、「韓国に関係することは相談してほしい」と要請したのに対し、中谷氏は、事前同意なしに自衛隊を韓国領域に派遣しない方針を強調した。

日韓の安保関係がぎくしゃくしたままでは、北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない。今後も様々なレベルで対話を重ね、防衛協力を再構築することが重要だ。

中谷、韓両氏は会談後、カーター米国防長官を交えた日米韓防衛相会談を行った。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験に成功したとする北朝鮮の発表などを踏まえ、3か国の情報共有を強化する方針を確認した。

残念なのは、日韓が幅広い防衛秘密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結問題に進展がなかったことだ。

韓国は2012年6月、いったん締結する方針を決めたが、世論の反発を受けて、延期した。現在は、北朝鮮関係の情報に限って、米国を通じて共有する仕組みがあるだけだ。

自衛隊と韓国軍による水や食料などの相互提供を可能にする物品役務相互提供協定(ACSA)の締結も、めどが立っていない。

両協定は、日韓双方にとってメリットが大きい。韓国は、大局的な観点に立ち、協定締結を前向きに検討することが求められる。

韓国は、安全保障と経済分野の対日協力は、歴史問題と切り離して進める方針だという。

韓国国会は、安倍首相の米議会演説に韓国への謝罪がなかったことを糾弾する決議を採択した。朴槿恵政権は、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録について、戦時中の強制労働問題を理由に反対する運動も展開する。

こうした一方的な反日姿勢を継続しながら、実務的な協力を強化しようとすることには、無理がある。このままでは、日韓関係の改善は簡単ではない。
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[読売新聞] FIFA汚職 根深い強欲体質にあきれる (2015年05月31日)

国際サッカー連盟(FIFA)の闇が暴かれつつある。

FIFAの副会長らが国際試合の放送権やスポンサー権などの便宜を図った見返りに、賄賂を受け取っていたとして、米司法省が関連業者5人を含む計14人を起訴した。

起訴事実は、組織的な不当利得や資金洗浄などの罪だ。副会長らが1991年から受け取っていた賄賂やリベートの総額は、180億円を上回るという。

米司法省は「被告らは、信用度の高い自らの地位を乱用し、世界中のファンらを深く傷つけた」と批判した。「捜査は、これが最終章ではない」とも強調した。

不正の全容解明を求めたい。

スイス当局も、ワールドカップ(W杯)の2018年大会と22年大会の開催地選定などを巡る不正疑惑の捜査に乗り出した。

開催地は、それぞれロシアと、酷暑が懸念されたカタールに決まった。22年大会の招致には、日本も名乗りを上げていた。

W杯は夏季に開かれてきたが、FIFAは、カタール大会の時期については11?12月とする異例の決定をした。カタール開催に固執したことがうかがえる。

五輪と並ぶ巨大なスポーツイベントであるW杯は、FIFAの最大の収入源だ。11?14年の総収入7100億円のうち、W杯関連の放送権料やスポンサー料が7割を占めている。

世界で延べ300億人以上がW杯をテレビ観戦するとされる。テレビ局にとっては、魅力的な大会だ。スポンサー企業はイメージアップを期待できる。経済効果を見越し、開催を求める国は多い。

W杯などに絡む利権を買い取り、テレビ局や企業に転売しようと、専門業者がFIFA幹部を抱き込んだのが、一連の事件の構図だ。重要事項の決定権限が二十数人の理事に集中するFIFAの閉鎖的な組織運営が背景にある。

FIFAでは、ゼップ・ブラッター氏が会長に就いた98年以降、金銭に絡む様々なトラブル、疑惑が取りざたされてきた。

FIFAが事件の最中に総会を開き、ブラッター氏の5選を決めたことは、理解に苦しむ。多数の幹部が起訴されれば、通常ならトップも監督責任を免れまい。

日本サッカー協会の大仁邦弥会長が、ブラッター氏支持の意向を示していたのも釈然としない。

総会では、日本協会副会長の田嶋幸三氏がFIFA理事に任命された。FIFAの改革に、日本も積極的に関与していくべきだ。
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[朝日新聞] 復興と負担―国は地元と協議尽くせ (2015年05月31日)

東日本大震災の被災地での復興予算について、政府が16年度から5年間の考え方を示した。

15年度までの5年間は全額を国費でまかなってきたが、これを改め、一部の事業で被災自治体にも負担を求めるのが柱だ。

津波被災地での高台移転や被災者の生活支援、除染など原発事故への対策は引き続き国が全額を出す。一方、地域振興や防災など全国に共通する事業には地元負担を導入する。

復興の進展と事業内容に応じて、地方にも段階的に負担を求めていくことは必要だろう。

復興予算は当初5年間で26兆円を超え、次の5年でも6兆円程度が必要になる見通しだ。当初5年分は所得税などの臨時増税を中心に手当てしたが、次の5年分は毎年度の剰余金や国の資産売却でまかなえそうだという。とはいえ、国民による負担である点は変わらない。

ただ、自治体によって財政状況はまちまちだ。宮城、岩手両県は税収が回復しているが、被災市町村には国からの特別交付税に頼るところが少なくない。

どの事業でどの程度の地方負担が適当なのか、国と県、市町村は、正式決定する6月下旬まで協議を尽くしてほしい。

事業を一つひとつチェックすることは、負担を抑えつつ効果をあげるためにも欠かせない。

震災が起きた11年、政府が当初10年間の予算枠を決めた際には、阪神・淡路大震災の例などを参考にしながら、ある程度「見込み」で判断するしかなかった。それが被災地以外でのさまざまな事業への「流用」や、被災地での過大な事業につながった面は否めない。

震災から4年がたち、より確実な見積もりと検証ができるはずだ。状況の変化に合わせて見直しが不可欠な事業もあるだろう。不断のチェックは予算編成と執行の基本である。

忘れてならないのは、原発事故に直撃され、復興が遅れている福島県への配慮だ。

政府は今年度限りで終える事業として、福島県での再生可能エネルギー関連の2事業を挙げた。福島県は、原発事故からの復興の象徴として、県内で消費するエネルギーを再エネでまかなう長期目標を掲げている。

もともと期間限定事業だったことなどが終了の理由で、国は「有効な事業を見極め、地元の方針を支援していく」という。

原発被災地では、放射能汚染で復旧もままならないなか、復興を目指す困難な取り組みが続く。地元の思いを大切にしてこそ予算の見直しが説得力を持つことを肝に銘じてほしい。
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[朝日新聞] 禁煙週間―東京五輪を無煙の国で (2015年05月31日)

「世界禁煙デー」のきょう、禁煙週間が始まった。

日本も批准しているたばこ規制枠組み条約が発効して10年がたった。加盟国は受動喫煙を法律で防止するよう求められているのに、日本の動きは鈍い。

13年の厚生労働省の調査では屋内を全面禁煙にした職場は4割強で、4割弱は場所や時間を限って喫煙を認める「分煙」にとどまる。働く人の47%が「受動喫煙がある」と答えた。

政府は速やかに法律での受動喫煙対策を強化すべきだ。

11年に政府は全面禁煙か喫煙室を設ける空間分煙を事業者に義務づける労働安全衛生法の改正案を、国会に提出した。だが、たばこ関係業界の反発を背景に一部の国会議員が強く抵抗し、廃案になった。あす施行される改正法には努力義務が盛り込まれただけだ。

これでは実効性ある法規制とは到底いえない。

「20年、スモークフリーの国を目指して」。厚労省は東京五輪を意識し、今年の禁煙週間でこんなテーマを掲げた。

五輪は対策の遅れを取り戻すチャンスととらえたい。スポーツの祭典を機に、健康に害を及ぼす受動喫煙を抑え込むのは世界の潮流だ。近年の開催決定国は、飲食店など公共の場での喫煙を法令で厳しく規制した。

ところが東京都の舛添要一知事は今月、「国の法律でやってもらいたい」と、一時前向きだった受動喫煙防止条例の制定を見送る考えを示した。飲食店やホテルなどの業界が反対しており、配慮したようだ。

生活習慣病予防のためにも、たばこ対策がいかに重要か、厚労相だった舛添氏は熟知していよう。首都が先導して国の尻をたたく勢いで取り組んでほしい。全国への波及効果は大きいはずだ。再考を求めたい。

業界側も喫煙客が離れるのを心配する前に、煙を吸わされる客や従業員への配慮を優先してほしい。非喫煙者の多くが受動喫煙対策の強化を望んでいることも真剣に受け止めるべきだ。

分煙を実施した企業や店も、それで終わりではない。

分煙は日本で支持が根強いが、専門家は「時代遅れ」と批判している。世界保健機関(WHO)は「分煙で煙を完全には防げない」とし、屋内全面禁煙を求める。施設の種類や規模に応じて徐々に禁煙化を進め、最終的には全面禁煙にすべきだ。

全面禁煙にした国や地域では、心臓や呼吸器の疾患が減少したとの研究報告もある。

東京五輪を迎えた時、「禁煙後進国」では恥ずかしい。
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2015年05月30日

[産経新聞] 【主張】安保法制の審議 抑止力そぐ議論に陥るな (2015年05月30日)

衆院平和安全法制特別委員会で始まった安全保障法制論議が、かえって抑止力を損なう方向に陥る懸念を指摘したい。

とくに、防衛政策の手足を縛ってきた「専守防衛」の概念に拘泥し、自衛権行使にどれだけ多くの制約を設けるかに終始するような議論は排すべきだ。

日米同盟の信頼性を高め、抑止力を強めるのは、厳しい安全保障環境の中で平和を守り抜くためにそれが不可欠だからだ。必要な法制を整え、自衛隊の活動範囲をどのように広げていくかを、もっと具体的に論じてもらいたい。

野党の多くは、集団的自衛権に基づき自衛隊が他国の領域で武力を行使することを「専守防衛に反する」などと指摘し、法制の整備を阻止しようとしている。

これまで個別的自衛権の行使しか認めてこなかった現行法制の下でも、他に選択肢がなければ、自衛隊が外国領域内の弾道ミサイル発射基地を攻撃することは合憲と解釈されてきた。「座して死を待つ」ことを望む法制などあり得ないからだ。集団的自衛権の行使でも、他国領域での武力行使を直ちに排除する理由はなかろう。

関連法案が成立すれば、日本の防衛に命をかけてあたる米軍将兵を、自衛隊が助けられる。それは、日米同盟の結束を強める。

平和と安定を脅かそうとする国に、手ごわい相手だと思わせることが、挑発的な行動を控えさせる。衝突を未然に防ぐ効果を持つ抑止力だ。

集団的自衛権を行使する範囲を法制上、極めて小さなものに狭めるより、相手の目に日米同盟がより大きなものに映るようにしておく観点からの議論も必要だ。

安倍晋三首相は「軍事力を増強している国がある。南シナ海や東シナ海で起きていることの中で軍事バランスを保ち、平和と安定を維持し抑止力を利かせていく」と強調した。軍事的な挑発を重ねる中国を念頭に、同盟の抑止力強化を図るのは当然のことである。

野党側は自衛隊員が負うリスクをことさら強調し、「戦争に巻き込まれる」と危険を説く。安保政策を大きく転換する議論の中で、平和のために自衛隊をどう活用するかをもっと語るべきだ。

国を守る意志の乏しい論戦では、他国の挑発行動をさらに誘発するリスクを生じかねないことも考えなければならない。
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[産経新聞] 【主張】口永良部島の噴火 研究と観測態勢の充実を (2015年05月30日)

鹿児島県屋久島町の口永良部島の新岳で29日午前、爆発的な噴火が発生した。屋久島町は全島民に島外避難を指示し、一時滞在者を含む約140人が同日午後、船で屋久島に避難した。

気象庁によると、噴火に伴って発生した火砕流は約2キロ離れた海岸まで到達し、上空9千メートルまで噴煙があがった。同庁は噴火の8分後に「噴火警報」を発令し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から5(避難)に引き上げた。

やけどを負った男性がヘリコプターで搬送されたが、人命にかかわる被害は報告されていない。町の対応や住民の避難行動は、おおむね適切だったと考えられる。

昨年9月の御嶽山(おんたけさん)噴火では、多くの登山者が犠牲になった。箱根では今月初旬から、火山活動の活発な状態が続いている。多くの研究者が、東日本大震災以降は日本列島の火山活動が全体的に高まっていると指摘する。

日本には、110の活火山が連なる。一部の地域を除けば「最寄りの火山」がある。噴火への備えや火山とともに生きる心構えを再確認したい。

口永良部島で噴火が起きる直前の閣議で、政府は活動火山対策特別措置法の改正案を決定した。

御嶽山噴火を教訓とした改正案では、自治体や観光業者に避難計画の策定を義務づけることなどが盛り込まれ、常時監視の対象を47から50火山に増やす。今国会での成立を目指す。

最も重要な課題は、火山観測態勢の強化と、研究・観測を担う人材の育成である。

最寄りの火山でどんな噴火が起こり得るのかを理解しなければ、避難計画も立てられない。防災・減災には、火山を知ることが不可欠である。しかし、観測態勢も研究人材も近年は縮小・衰退の傾向が続いてきた。

大学や研究機関と自治体が連携し、火山ごとに観測態勢の強化に取り組むことが重要だ。国は、それを支える必要がある。

住民が地元の火山について学び、常時観測の一翼を担うといった取り組みも有効だろう。

人材の育成には、長期的な視野が求められる。高校の理科教育のあり方や、博士課程修了者の身分など、教育、科学界全体の問題点が、火山研究の人材不足を招く大きな要因となっていることを忘れないでもらいたい。
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[東京新聞] 口永良部島噴火 火山と共に生きるには (2015年05月30日)

鹿児島県・口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳(しんだけ)が二十九日午前、噴火した。御嶽山(長野、岐阜県)や箱根山(神奈川県)など、日本列島では火山活動が活発化している。南の島から学ぶべきことは多い。

口永良部島で二十九日、爆発的な噴火が起き、火砕流も発生した。噴煙は九千メートルまで上がり、航空機への影響が心配されるほどだ。地下のマグマが噴出したマグマ噴火の可能性が高い。長期化し、規模が拡大する恐れがある。

同島は水深六〇〇メートルほどの海底からそそり立つ火山の、五合目から上が海面に出ているような島だ。「全島避難」も仕方がない。

早くから気象庁や京大などが観測を続け、噴火警戒レベルは3(入山規制)だった。4(避難準備)への引き上げも検討されていたという。火山の動きをかなり正確につかんでいたといえる。

噴火後、住民は迅速に避難している。午後には全島民がフェリーで島を離れた。けがをした人はいるが、犠牲者を出さずにすんだ。しっかりした避難場所があったことなどが役立ったのだろう。

新岳の噴火の歴史をみると、一九三一年から三五年、六六年から八〇年に活動が活発だった。死傷者が出たこともある。火山は災害だけでなく、温泉などの恵みもある。繰り返し起きる噴火を上回る魅力が島にはあるようだ。国や自治体は、避難した住民が安全に帰還できる日まで、十分な対応をしてほしい。

御嶽山が昨年秋、水蒸気爆発してから噴火のニュースが多くなった。東日本大震災後、火山活動が活発化したと警告する専門家もいる。噴火予知は、御嶽山のような水蒸気爆発は難しいが、今回のようなマグマが関与する噴火ではかなり信頼できる。

噴火から学ぶことは多い。(1)火山情報に敏感になる(2)安全な避難場所や避難路を知る(3)非常用の持ち出し袋などを用意する(4)緊急時、家族や職場などとの連絡方法を確認する−などだ。

一方、観測を強化しても、直前予知や規模の把握は難しいことをあらためて知った。同じ鹿児島県で、九州電力の川内原発の再稼働が近い。原子力規制委員会で再稼働が認められたのは、九州電力が大規模噴火を何年も前に察知できると主張したからだった。

自然の力の前では、人間はもっと謙虚でなければならない。これも川内原発から百五十キロ離れた火山から学ぶべきことだ。
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[東京新聞] FIFA汚職 遅すぎたレッドカード (2015年05月30日)

国際サッカー連盟(FIFA)の幹部による汚職問題はその期間、規模の大きさに言葉を失う。速やかに全容を解明し、根本的に組織を改革、大きく失墜した信用を取り戻してほしい。

米司法省が摘発したFIFAの汚職はサッカー試合の放映権にからみ金銭を受け取ったとして、副会長二人を含む十四人が起訴された。不正な金銭の授受は過去二十四年間に及び、賄賂などの総額は一億五千万ドル(約百八十五億円)になるという。

二〇一〇年のワールドカップ(W杯)南アフリカ開催にからんでも多額の金銭が動いたとみられる。FIFA本部があるスイスの当局も捜査に乗り出した。開催地の決定では、一八年のロシア大会、二二年のカタール大会での不正も捜査対象になった。会長選でも金銭のやりとりがあったという。こうなると、FIFAの決定は全て金がものをいう、とみられても仕方がない。

一連の問題に対するブラッター会長の対応には首をかしげざるを得ない。

欧州サッカー連盟(UEFA)からの辞任要求も拒否、「全員をずっと監視できない」と、自らの責任を回避。「当局の調べはこれまで取り組んできた不正撲滅を加速させる」と今後も内部での改革を強調している。しかし、彼に責任がないと思う人間はいない。これまで、この金権体質を継続させてきた責任は重い。

世界中で失墜したサッカー界の信用は現体制で回復するとは思えない。二十五人の理事で放映権、W杯開催地などを決定するシステムの透明性は以前から疑われていた。内部では金を受け取ることへの罪悪感はなく、当然と、受け取られていたのだろう。

組織内に自浄作用がないから、司法当局の手が入った。危機意識を持ち、根本的に組織の在り方を変えないとだれもが納得しまい。

FIFAの理事などでは日本人の清廉さは評判だという。組織の出直しに当たっては、日本のサッカー界も率先して声を上げてほしい。

事件の背景には、国際スポーツ界でのテレビ放映権などによる巨額の収入がある。FIFAの収入は一四年で二千五百八十億円に上っている。

サッカーに限らず、あらゆるスポーツで不透明な金の流れなどをあらためて調査してほしい。世界中の子どもたちに夢を与えるスポーツ界での不正は絶対に撲滅してほしい。
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[毎日新聞] 社説:口永良部島噴火 避難島民の支援万全に (2015年05月30日)

鹿児島県屋久島町の口永良部島(くちのえらぶじま)・新岳(しんだけ)で爆発的噴火が起きた。噴火に伴って火砕流が発生し、一部は海岸に到達した。火口から9000メートル以上にも達した噴煙は、日本が火山国であることを思い知らせた。

幸いにも82世帯137人の島民は全員の生存が確認されたが、島外への避難を強いられた。火山活動が長期に及ぶ恐れがあり、現時点では帰島時期は見通せない。政府や関係自治体は火山活動の観測を強化するとともに、避難島民の支援に万全を期してもらいたい。

口永良部島は火山島で、噴火を繰り返してきた。1933?34年にかけての噴火では、8人の死者が出た。昨年8月にも小規模な噴火があり、気象庁は火山の活動状況を5段階で表す噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から3(入山規制)に引き上げていた。住民も避難訓練を継続して実施していたという。こうした備えが、人的被害を最小限に抑えることにつながったと言えるのではないか。

専門家によれば、今回の噴火はマグマ自体が噴出する「マグマ噴火」の可能性が高い。昨年9月の御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境)噴火は、マグマの熱で温められた地下水が気化して起きる水蒸気噴火だった。マグマ噴火は一般により規模が大きくなる。気象庁は「爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火が今後発生する可能性はある」と警戒を呼びかけている。

口永良部島の島民はフェリーなどで約12キロ東の屋久島に逃れた。避難所は屋久島島内に5カ所ある。生活支援に加え、精神的なケアなどについても関係機関によるきめ細かな対応が求められる。

2011年の東日本大震災をきっかけに、日本列島は地震と火山の活動期に入ったと指摘する専門家もいる。九州に限っても、熊本県の阿蘇山・中岳が昨年11月に噴火し、鹿児島市の桜島も爆発的噴火を繰り返している。

気象庁が常時観測している火山は現在47あるが、周辺市町村の8割以上で噴火に備えた避難計画が作成されていない。このため政府は、活動火山対策特別措置法(活火山法)改正案を閣議決定した。常時観測対象に追加予定の3火山を含む50火山の周辺129市町村を「火山災害警戒地域」に指定し、市町村や集客施設に避難計画策定を義務づける。火山ごとに市町村や専門家らが参加する「火山防災協議会」も設置する。

火山国日本では、いつ、どこで大規模な噴火が起きても不思議ではない。予知は難しく、日ごろの備えが重要となる。政府は改正法案の成立を急ぎ、各地の火山対策の充実に努めてもらいたい。

2015年05月30日 02時31分
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[毎日新聞] 社説:空き家対策法 住宅文化を見直す契機 (2015年05月30日)

空き家対策特別措置法が全面施行された。所有者の管理が行き届かず、倒壊の恐れや衛生上の問題がある空き家について、市町村が撤去命令を出せる権限を新たに定めた。

空き家は全国に約820万戸あり、全住宅の7?8戸に1戸の割合だ。今も増え続け、20年後には3戸に1戸になるとの予想もある。

防災や防犯、生活環境などさまざまな面で空き家の増加は問題が大きい。老朽空き家の撤去はやむを得ない。同時に将来を見据え、法の施行を住宅文化を見直して空き家を減らす契機としたい。

特措法は、放置され近隣の生活環境に悪影響を及ぼす空き家などを「特定空き家」と定義する。市町村は立ち入り調査し、撤去や修繕を所有者に指導、勧告、命令できる。勧告後は固定資産税の優遇措置が解除される。命令違反には過料が科せられ、強制的な解体もできる。

特措法は空き家所有者に適切な対応を促す面では有効だ。ただし、空き家を減らすには、空き家の活用を進める施策が欠かせない。

日本の住宅総数は6000万戸を超え、既に総世帯数を上回る。それでも年間100万戸の新築住宅が建てられる。住宅の建築戸数が景気判断の材料とされ、景気対策として建設が促進されてきたからだ。税制面などで新規住宅の購入を促す施策も建設を後押しした。

だが、これから本格的な人口減少社会を迎える。新たな住宅を増やせば空き家も増え、街の衰退につながりかねない。中古住宅の流通を活発化させる方が望ましいだろう。

日本の全住宅流通量に占める中古住宅の割合は約15%にすぎない。良質の住宅に手を入れて長く住み続ける欧米と比べ格段に少ない。国土交通省の審議会で、住宅政策の見直しについて議論が始まる。中古住宅の活性化策を示してほしい。

市町村など自治体の知恵も試される。空き家を取り壊し、災害時の避難場所にしたり、移住者を呼び込む手段として活用したり、空き家率の比較的高い地方の都市でもさまざまな試行がされている。

東京23区で唯一、将来の消滅可能性都市に挙げられた東京都豊島区は、シングルマザーや高齢者ら住宅が必要な人を空き家に呼び込む支援をしている。民間と協力してリノベーションと呼ばれる大規模改修で中古住宅をよみがえらせる取り組みも始めた。実際の物件の再利用計画を競わせる講座を開き、所有者と合意し実現に向けて動き出した事案もある。

空き家の活用は、新たな街の魅力を開拓し、街を活性化することにつながるだけに、自治体は一層力を入れてもらいたい。

2015年05月30日 02時30分
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[読売新聞] 口永良部島噴火 円滑避難に生きた事前の備え (2015年05月30日)

大規模噴火にもかかわらず、人的被害は軽微で済んだ。備えの大切さを印象付けた。

鹿児島県屋久島町の口永良部島にある新岳が噴火した。噴煙は9000メートルに達し、火砕流も発生した。

屋久島町は直ちに、自衛隊や海上保安庁に支援を要請し、島民ら約140人に島外避難を指示した。政府も、首相官邸に対策室を設置し、救援活動を指揮した。

7時間半後には全員が、町営フェリーや海保の巡視船などで隣の屋久島に移った。円滑な避難は、今後のモデルケースとなろう。

新岳は昨年8月、34年ぶりに噴火した後、小康状態だった。今年初めに、再び火山性地震が増え始め、再噴火が警戒されていた。

注目すべきは、屋久島町の噴火に備えた取り組みだ。

前回の噴火まで、島内の避難所は、火口に近い地域にしかなかった。このため、火口から4キロ余り離れた高台にある鉄筋コンクリート造の元NTT関連施設を、新たに避難所として整備した。

島民は、この施設までの避難訓練を実施していた。気象庁も、再噴火に警戒するよう、住民説明会を繰り返し開いた。

今回の噴火直後に、島民と観光客らの8割超に当たる約120人が避難所に退避した。自宅待機の島民も含め、全員の安否をスムーズに確認できたのは、島を挙げての準備があったからだろう。

気象庁は、噴火直後に、5段階の噴火警戒レベルを「3(入山規制)」から「5(避難)」に引き上げた。2007年の新基準導入後、最高の「5」となった火山は初めてだ。

新岳は、爆発的噴火を繰り返しており、活動が1か月以上続いたこともある。火山活動の長期化を念頭に、政府や自治体は、島民の生活支援に取り組むべきだ。

屋久島町が島民の帰還の可否を判断するには、新岳の活動データを集め、分析する必要がある。観測体制を充実させたい。

国内では、各地で火山活動が活発化している。昨秋には、御嶽山の噴火で多数の犠牲者が出た。箱根山の一部地域では、4月から続く活動が静まらない。桜島も噴火を繰り返している。

警戒が必要な火山の周辺自治体のうち、8割以上で避難計画が未整備だ。政府は活動火山対策特別措置法改正案を閣議決定した。関係自治体などに避難計画の策定を義務付けたことが柱だ。

口永良部島の取り組みを参考に、備えを急がねばならない。
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[読売新聞] 安保法案審議 専守防衛の本質は変わらない (2015年05月30日)

安全保障関連法案を巡る衆院特別委員会の審議が本格化している。与野党は、いかに日本と世界の安全を維持するかという観点から、建設的な議論を展開してもらいたい。

安倍首相は、集団的自衛権の行使の限定容認に関して「専守防衛の考え方は全く変わらない。新3要件で許容される武力行使はあくまで自衛の措置だ」と語った。

集団的自衛権の行使が可能なのは、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があるケースに限られる。

さらに、政府は、「国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響」の有無などを総合評価し、行使の可否を判断する方針だ。相当、厳格な歯止めがかかっている。

世界平和のための自衛隊の活動も、後方支援や人道復興支援に限定され、武力行使は含まれない。憲法の精神に基づく専守防衛の原則は堅持される、と言えよう。

民主党の岡田代表などは、自衛隊の活動の拡大に伴い、自衛隊員のリスクが高まると主張した。

首相は、「切れ目のない法制と日米同盟の強化で抑止力が高まれば、日本が攻撃を受けるリスクが下がる」と反論した。

野党は、自衛隊員のリスクばかりを強調するが、安全保障環境の悪化による日本人全体のリスクも冷静に直視する必要がある。

集団的自衛権の行使容認や、有事に至らないグレーゾーン事態での米艦防護は、切れ目のない日米共同対処を可能にする。日本が「守るに値する国」との認識を米国に広めることが、抑止力を高め、日本人全体のリスクを下げる。

自衛隊の海外派遣について、首相は3項目の判断基準を示した。「紛争解決の外交努力を尽くす」「日本が主体的に判断する」「自衛隊の能力、装備、経験にふさわしい役割を果たす」である。

法律上、自衛隊が可能な任務が拡大しても、実際に派遣するかどうかは、政府が、自衛隊の能力などを勘案し、慎重に判断するのは当然である。

首相が、過激派組織「イスラム国」と戦う有志連合に自衛隊を参加させない、と明言しているのも、一つの政治判断だろう。

野党は、基準があいまいで活動が広がりすぎる、などと批判する。だが、どのような国際情勢の下、どんな危機が発生するかを事前に網羅的に想定するのは困難だ。

国会の承認を前提に、政府に一定の裁量範囲を与えなければ、自衛隊が柔軟かつ効果的な活動をすることはできない。
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[朝日新聞] 首相のヤジ―立法府と国民への侮辱 (2015年05月30日)

安全保障法制を審議している衆院特別委員会で安倍首相が飛ばしたヤジについて、改めて取り上げたい。国会における品位という問題にとどまらず、首相の立法府に対する理解や敬意が決定的に欠けているという根深い問題だからだ。

おとといの特別委員会でのこと。中東で機雷掃海をすれば日本がテロリストに狙われたり、自衛隊員に死傷者が出たりしないか。民主党の辻元清美氏が3分間ほど、そんな指摘を続けているとき、「早く質問しろよ」と声があがった。

このヤジを飛ばしたのが、ほかならぬ安倍首相である。

紛糾すると、首相は「延々と自説を述べて私に質問をしないので、早く質問をしたらどうだと言った」と釈明。「言葉が少し強かったとすれば、おわびを申し上げたい」と謝罪した。

こんな言い訳で済まされる話ではない。首相自身の答弁が長いとの指摘を受け、委員長から「簡潔な答弁」を求められてもいた。しかも辻元氏の質問は、国民や自衛隊員の命にかかわる問題だ。その最中に国会議員や審議を軽んじるような言葉を言い放ったのである。

国会論戦には、与野党の対決という側面もたしかにあるだろう。だが、国会は立法府として行政府と向き合う場でもある。行政府の長である首相は、みずからの内閣が提出した安保関連法案の中身を説明する責任がある。国会議員は、国民を代表して、それを問いただす役割を負っている。

口頭試問を受ける受験生と面接官のようなもの――。首相と議員の関係を、政治学者の杉田敦・法政大教授はそう例えている。受験生が面接官にヤジを飛ばすことは許されない。

安倍首相のヤジによって侮辱されたのは、国会そのものであり、国会議員を送り出した国民でもある。国会全体として首相に対し、改めて強い怒りを表明すべきだ。

安倍首相は2月の衆院予算委員会でも「日教組!」「日教組どうするの、日教組!」と民主党の質問者にヤジを飛ばして問題になった。反省どころか、数の力を頼んだおごりも極まれりというほかない。

国会審議の前に米議会で演説し、安保法制について「戦後初めての大改革です。この夏までに成就させます」と誓った首相である。異論に耳を傾ける気は毛頭ないのかもしれない。

しかし、まさにその大改革が議論されているのである。首相が国会をないがしろにする姿は二度と見たくない。
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[朝日新聞] 口永良部島―火山活動の監視強化を (2015年05月30日)

鹿児島県・口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳(しんだけ)がきのう、爆発的な噴火を起こした。

噴煙が高さ9千メートル以上まであがり、空気を巻き込んだ火山灰が斜面を流れ下る火砕流は海まで達した。相当な規模である。

やけどした人が出たが、島にいた約140人がみな島外に避難できて不幸中の幸いだった。

今後、噴火が拡大するのか、終息に向かうのか。避難解除までどれぐらいかかるのか――。

残念ながら、現在の火山学で精度よく予測することはできない。予断や希望的観測を排し、火山活動の動向を見守りたい。

人的被害が最小限で済んだのは、新岳が昨年8月に34年ぶりに噴火してから、観測が強化され、地元の人たちも十分に警戒していたからだ。

直前の噴火警戒レベルこそ5段階のうち「レベル3」(入山規制)だったが、気象台は噴石の飛散や海に達する火砕流発生の可能性があると注意を呼びかけていた。

住民も、昨夏の噴火時に約半数が島外に一時避難するなど、火山島に住むリスクを熟知しており、注意が浸透していた。

総務省消防庁によると、噴火時に逃げ込むシェルターのない活火山は全国に多いが、新岳には17カ所設けてあった。

さらに特筆したいのは、火砕流の到達範囲が危険区域を予測するハザードマップと、ほぼ合致したことである。

もちろん、噴火の規模や火口の位置が事前の想定と近かったからではあるが、物心両面での準備が大事だとわかる。

昨秋の御嶽山(おんたけさん)噴火、今月に入っての箱根大涌谷の火山性地震多発など、各地で火山活動が活発になっている。日本が世界有数の火山国であると思い起こすには十分だろう。

折しも政府はきのう、活火山法の改正法案を閣議決定した。

死者・行方不明63人を出した御嶽山の噴火災害を受けて、国が常時監視する火山について、周辺の自治体や観光事業者らに避難計画づくりを義務づけることなどが柱だ。

現在47ある常時監視火山の周辺延べ130市町村で、避難計画があるのは20しかないという。関係者がよく話し合って、ハザードマップや警戒避難態勢を早くつくってもらいたい。

将来にわたって重要なのは人材の育成である。火山は個性豊かで個別の研究も欠かせない。火山研究者が国内に110もある活火山より少ない状況は、着実に改善しなければならない。

政府も市民も、火山にもっと関心を払うべきだろう。
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2015年05月29日

[産経新聞] 【主張】FIFA幹部起訴 日本が正常化の牽引役に (2015年05月29日)

米司法省が国際サッカー連盟(FIFA)の副会長ら9人を含む計14人を、贈収賄などの罪で起訴した。世界最大の人気スポーツ、サッカーの総本山は大揺れである。

サッカー界は立ち直らなくてはならない。この際、不正のうみを自ら出し切り、公正な組織として出直すべきだ。日本のサッカー界には、正常化の先頭に立つことを期待したい。

米国のリンチ司法長官は「世界のサッカー界にはびこる不正を根絶する」と宣言し、捜査幹部は今回の起訴を「端緒にすぎず、最終章ではない」と語った。

FIFA本部のあるスイスの検察当局も、2018年、22年のワールドカップ(W杯)開催地選定をめぐり不正があったとして、本格捜査に入った。混乱は容易に収まらないだろう。

悲しいかな、本来、最も公正であるべき世界のスポーツ界が、長く金銭スキャンダルにまみれ続けてきたのは事実である。

今回起訴された幹部らにも、過去に公表された疑惑、噂される不正は多々あった。捜査のメスが入るまで、半ば放置されてきたこと自体、恥じ入るべきである。

FIFAが不正の温床となった要因は、サッカーという巨大市場の方向性を、ごく少数の理事らが決定してきた仕組みにある。理事や各大陸連盟、各国協会トップの多くを王族、貴族、財閥総帥、独裁者の親族らが占めてきた。

02年W杯開催地を日本が目指していたころ、海外の記者に日本協会幹部の構成を聞かれたことがある。「東京五輪代表の監督が会長で、コーチとセンターフォワードが副会長だ」と答えた。

長沼健、岡野俊一郎、川淵三郎各氏のことである。この記者は「政治力も経済的基盤もなければ、FIFAのスタイルとはいえない」と一笑に付した。

だが欧州連盟の会長をミシェル・プラティニ氏が務め、FIFA会長選にルイス・フィーゴ氏が名乗りを上げるなど、世界のサッカー界は変わりつつある。

FIFA理事を務めた前任の小倉純二氏は「清廉」の評価を受けてきた。新任理事に当選したばかりの田嶋幸三氏は元日本代表選手でもある。サッカー界が自ら競技を牽引(けんいん)してきた日本の経験を、堂々と改革に生かしてほしい。

組織が汚濁にまみれた今こそ、青臭い理想論を語るときだ。
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