2015年03月31日

[産経新聞] 【主張】イスラエル 和平への努力を再び示せ (2015年03月31日)

イスラエルのネタニヤフ首相は、今月の総選挙の結果を受けて、新政権発足に向けた連立交渉に着手した。

対パレスチナ強硬派のネタニヤフ氏は、与党・リクードを中心とした右派連立政権を目指す方針だとされる。

どのような政権となるにせよ、パレスチナ和平交渉の停滞についてネタニヤフ氏に厳しい目が注がれてきたことを忘れてはならない。まず交渉を再開させ、和平への道筋を国際社会に示してもらいたい。

ネタニヤフ氏に組閣を要請したリブリン大統領は記者会見で、対米関係改善を新首相への注文の最初に挙げた。

ネタニヤフ氏は投票直前、右派票獲得を狙ってパレスチナ国家樹立を認めないと発言し、オバマ米政権の激しい反発を招いた。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」案は、米国だけでなく国際的に広く認知されている。ネタニヤフ氏も受け入れていたはずだ。

その後、米メディアで軌道修正を図ったが、内外で発言を使い分けるようでは一国の指導者としての信頼を損ないかねない。国際法違反とされる占領地でのユダヤ人入植地建設も凍結すべきだ。

イラン核開発を制限する国際協議についての姿勢にも問題があった。米政府への断りもなく、共和党の招きで訪米し、「非常に悪い取引だ」と断じた。イランの核武装に対するイスラエルの懸念は理解できる。だが、交渉の内容に言及し、批判することはかえってイランを利することになる。賢明な外交姿勢とはいえまい。

イスラエルは米国の中東政策の要であり、それが揺らぐことは双方の利益にならない。ネタニヤフ氏は可能な限り中道に近いパートナーを連立に引き入れ、穏健な政策をもって米国をはじめとする各国の懸念を払拭してゆくことが大切だろう。

パレスチナ側にも、イスラエルの新政権に柔軟に対応し、交渉再開に協力する責任がある。

日本とイスラエルは、昨年5月にネタニヤフ首相、今年1月に安倍晋三首相と相互訪問が実現し、サイバーテロ対策やインテリジェンス(諜報)での協力、投資協定の年内締結などで合意した。

日本はイスラエルとの関係を強化しつつ、中東和平についてはネタニヤフ氏に粘り強く交渉進展を促してゆきたい。
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[産経新聞] 【主張】露の戦勝式典 首相欠席の判断は妥当だ (2015年03月31日)

妥当な判断である。安倍晋三首相が5月9日にモスクワで開かれる対独戦勝70周年記念式典を欠席する。

ロシアは昨年来、首相の出席を呼びかけてきた。政府は4月中に欠席を正式決定し、ロシア側に伝えるという。

ロシアのプーチン政権は1年余り前、ウクライナ南部クリミア半島を武力併合し、現在も実効支配している。

力による現状変更は絶対に認められない。式典を欠席することで、この問題に対する日本の強い意思表示とし、対露圧力の一環と位置づけるべきだ。

10年前の60周年式典には、日本のほか、戦争当事国のドイツを含む欧米の首脳が参集した。

だが、今回はドイツのメルケル首相が欠席を表明したほか、オバマ米大統領らも出席を見送る見通しである。首相の欠席によって先進7カ国(G7)の対露結束に足並みをそろえる効果もあろう。

日本の北方四島は70年間、ソ連と継承国家のロシアが不法占拠している状態にある。セレモニーよりロシアが返還に応じるのが先決だろう。

プーチン大統領は先ごろ、クリミア併合の際、核兵器を臨戦態勢に置く用意があったと明かした。国際社会への脅しであり大国の指導者と思えぬ無責任な発言だ。

日露は年内のプーチン氏来日で合意している。領土問題解決のため、首脳同士のパイプが重要なのは当然だ。だが、国際秩序への挑戦ともいうべきプーチン氏の言動を考えれば、同氏来日や首相訪露を模索する状況ではあるまい。

中国も戦後70年の記念式典に、安倍首相の出席を打診している。9月3日に北京で「反ファシズム戦争と抗日戦争勝利から70年」をテーマに開催するというが、式典にあわせて軍事パレードも行われる。国際ルールを無視した中国の海洋進出は、力による現状変更の試みだ。日本としてこれに反対する姿勢を示さなければならない。首相の出席はやはり見送るべきだろう。

中国はしかも、王毅外相が「(日本は)70年後に良識を失うべきではない」と発言するなど、歴史問題をめぐる対日圧力や批判をやめようとしない。

中露が、現在の両国のルール無視の行為から国際社会の目をそらすため、戦後70年の式典を利用することを許してはならない。
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[東京新聞] アジア投資銀 国際金融秩序の転換か (2015年03月31日)

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)は日米を除き、先進国から新興国まで広範な参加となる。米国内では外交上の判断ミスとの声が上がり、日本もアジアでの存在感低下の懸念がある。

基軸通貨「ドル」と世界銀行、国際通貨基金(IMF)を中心として米国が主導してきた戦後の国際金融秩序は歴史的転換点を迎えるかもしれない。米国偏重で「アジアで孤立化」した日本が、アジアのリーダー的な地位を中国に奪われつつあることは明らかである。

AIIBは二〇一三年に習近平国家主席が今後アジアで増える道路や鉄道などのインフラ整備に資金供給する目的で提唱。資本金五百億ドルでスタートし、その後一千億ドルまで増資する可能性がある。

日米両国は、出資の過半を中国が担って主導する運営では融資審査が甘く、環境破壊なども懸念されるとけん制、三月末までの創設国入りは見送ると表明してきた。

しかし、米国は自国が支配する既存体制を維持したい、日本は日米主導で築いたアジア開発銀行(ADB)による権益を侵されたくないというのが本音だろう。

中国がAIIB創設に動いたのは、IMF改革で中国の出資比率増加が二十カ国・地域(G20)で五年前に合意したのに米連邦議会の反対でいまだに実現していないことへの反発からである。新興国の参加が相次いだのも米国支配体制への不信が高まっているからとみられている。

日米のけん制にもかかわらず、英国やドイツ、フランス、イタリアの主要国や韓国、オーストラリア、さらには中国と領海争いを続けるフィリピン、ベトナムなども参加を表明した。それが国益にかなうとの判断からである。

急成長するアジアでのインフラ資金需要は年八千億ドルといわれるが、ADBの年間融資額は百億ドル台から増やしても二百億ドル台にとどまろう。とてもADBだけでは賄えないのが現実である。

好むと好まざるとに関係なくAIIBは発足する。中国主導の運営体制に対し、外部からいくら注文を付けても実効性は望めないだろう。懸念があるのなら、参加して他の国々と連携しながら改善の道を探るべきである。世銀やADBとの協調は欠かせない。

対中国の緊張関係にとらわれ、世界の動きが見えていなかったのではないか。米国とともに行動すれば大丈夫という時代ではなくなったことを理解すべきである。
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[東京新聞] 辺野古工事 既成事実化は許されぬ (2015年03月31日)

民意を背景にした沖縄県の判断は、またも退けられた。サンゴ礁を破壊しかねない名護市辺野古での海底掘削調査はこのまま進む。県民が拒む米軍基地新設を既成事実化することは許されない。

痛みを懸命に訴える沖縄県民の声を、巨大な権力が踏みつぶしているように見えてならない。

翁長雄志知事が防衛省沖縄防衛局に出した辺野古沿岸部での作業停止指示について、林芳正農相はきのう、その効力を一時的に停止することを決めた。防衛局は行政不服審査法に基づく正式な裁決が下るまでの間、掘削調査を継続できるのだという。

農相の決定を受け、菅義偉官房長官は記者会見で「引き続き粛々と対応したい」と繰り返した。

沖縄県側が何と言おうとも、このまま作業を進め、辺野古での米軍基地新設を後戻りできないくらいに既成事実化したいのだろう。

沖縄県と政府が法的手続きを取り合うのは異常だ。対立が先鋭化した状況で、米軍への基地提供という日米安全保障条約上の義務を円滑に果たせるのだろうか。

辺野古をめぐる現在の混乱の原因は、在日米軍基地の約74%が集中する現状を沖縄差別と感じ始めた県民と真摯(しんし)に向き合おうとしない安倍内閣の側にある。

安倍内閣が辺野古での米軍基地新設の根拠とするのは、仲井真弘多前知事による沿岸部の海面埋め立て許可だ。

しかし、仲井真氏による「県内移設」受け入れは、体裁は整っているが、自らの公約を踏みにじるものであり、県民の意思を反映していない。しかも、昨年の県知事選で明確に拒否されたものだ。

県は、仲井真氏の許可に法的な瑕疵(かし)がないか検証している。翁長氏は検証終了まで作業中止を求めているが、安倍内閣は耳を傾けようとせず、政権首脳部と翁長氏との会談もいまだ実現していない。

これでは県民が反発するのも無理もなかろう。安倍晋三首相は胸襟を開いて翁長氏ら沖縄県民と対話し、真の負担軽減に向けた解決策を見いだすべきではないか。日米関係ばかりを優先して沖縄を切り捨てる愚を犯すべきではない。

「沖縄の方々の理解を得る努力を続けながら…」。首相は今年二月の施政方針演説でこう述べた。首相が沖縄県民がたどった苦難の歴史と米軍基地を背負う苦悩とに向き合う誠意があるのなら、言葉を実行に移すべきだ。沖縄との溝をこれ以上、深めてはならない。
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[毎日新聞] 社説:辺野古移設 沖縄と敵対ばかりでは (2015年03月31日)

国と沖縄が行政法を使ってお互いに対抗措置を繰り出し、対立をますます深めている。両者は一刻も早く話し合いの場を持ち、この異常事態に終止符を打つべきだ。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、翁長雄志(おながたけし)知事が海底作業を停止するよう防衛省の沖縄防衛局に指示した問題で、農相は知事の指示の効力を一時的に止める執行停止を決めた。

経緯はこうだ。翁長知事は今月23日、防衛局が辺野古沖の許可区域外で岩礁を破壊した可能性が高いとして、海底作業を停止するよう指示した。従わなければ、埋め立て工事に必要となる昨年8月の県の岩礁破砕許可を取り消す考えも示した。

翌日、今度は防衛局が対抗措置として、行政不服審査法に基づき、知事の指示に対する審査請求と執行停止を農相に申し立てた。今回の執行停止はこれを受けたものだ。

根拠となっている行政不服審査法は、その法の趣旨について、行政庁の違法・不当な処分について国民に不服申し立ての道を開くと定めている。目的は行政に対し国民の権利や利益を守ることにある。

政府は、国が一事業者として私人と同じ立場で申立人になることは認められると主張する。仮に法的にそれが可能だとしても、法の趣旨から離れたところで、地方自治体を相手に国が国に訴えることや、国の訴えを同じ国が判断することに、強い違和感を抱かずにいられない。

翁長知事は執行停止について「国が申し立て、農水省が審査する対応は、審査が公平公正に行われたか理解できず、残念だ」と批判した。

政府のこれまでの姿勢をわかりやすく言えば、次のようになる。

辺野古移設の手続きは前知事時代に決まったことで、沖縄はこの期に及んで覆すべきでない。移設は普天間の危険除去のためであり、断固として進める。移設が頓挫し、普天間が固定化されてもいいのか??。

だが、沖縄の多くの人々は、普天間の危険性が除去されても、辺野古に新基地ができて固定化されれば、県全体としては負担軽減につながらないと感じている。政府の説明は沖縄に届いていない。

知事は先週、農相に出した意見書で「安全保障が大事だという思いは共有するが、負担を沖縄だけが背負うのではなく、国民全体で考えるべきだ。沖縄の痛みを感じようとしない政府の姿勢を国民に知ってほしい」と述べた。

政府内の推進派は、こうした声を感情論だといって切り捨てがちだ。だが、沖縄と敵対してばかりいては、県民感情は悪化する一方だ。県民の共感や理解のないまま政策を進める態度は、政治とは呼べない。

2015年03月31日 02時31分
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[毎日新聞] 社説:マイナンバー制 「何のために」を丁寧に (2015年03月31日)

年金や納税などの情報を一元管理する共通番号(マイナンバー)制度の利用が来年1月、始まる。今から半年後の10月には、赤ちゃんからお年寄りまで、住民票のある全ての人に12ケタの番号が通知されることになっている。

ところが、国民にも、また中小企業などにも、内容がほとんど伝わっていないのが実情だ。国民の理解や支持なしでは成功しない。政府は制度の目的と不安の解消策の説明に、もっと力を入れる必要がある。

今国会には、マイナンバーの利用対象を銀行預金口座などに広げるための法案が提出されている。だが、利用範囲の拡大という以前に、そもそもこの制度が何のために導入され、誰のためになり、どういうリスクを伴うのか、また伴わないのか、という基本的な情報が国民に十分届いていない点が問題だ。

内閣府が今年1月に実施した世論調査によると、「内容まで知っていた」と答えた人は28%に過ぎなかった。いまだに9割近くが制度の内容を知らないとの結果が出た民間調査もあるようだ。

不安が先行するのも無理はない。内閣府の調査では、マイナンバー情報の不正利用に対する懸念を挙げた人の割合が32%と、約3年前の調査と変わっていなかった。

理解が進んでいないのは一般市民だけではない。企業も従業員の税や社会保険に関する手続きで、従業員本人や扶養家族のマイナンバーを取り扱うことになる。情報が漏れれば罰則の対象となるため、どのような管理体制が必要なのか、何が違反にあたるかなど、不安や戸惑いがあるようだ。制度そのものを知らないという中小企業も珍しくないという。

マイナンバーの適用範囲を拡大する法案に盛り込まれた預金口座への付番は、高齢化に対応した税制や社会保障制度を取り入れていくうえで基盤となるものだ。本当に公的支援を必要とする人に給付を限定したり、裕福な高齢者の実質負担を増やしたりするなど、メリハリのある制度で、社会保障費の伸びを抑える必要がある。それには、共通番号を通じ、行政が個人の資産や所得を合算して正確に把握することが不可欠なのだ。

だが、今回の法案では、預金口座への付番が強制力の伴わない任意扱いとなった。「漏れ」を許すような制度では信頼が得られない。

早期の義務化には国民の強い拒否反応が予想されるが、だからこそ、「何のために」の説明に今、力を入れる必要があるのだ。「便利になる」「効率的に管理できる」だけでは、わざわざ不安を伴うものを導入しなければならない意味が、伝わらないだろう。

2015年03月31日 02時30分
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[読売新聞] 独旅客機墜落 二重三重の安全確保策が要る (2015年03月31日)

ドイツ旅客機の墜落事故は、副操縦士の意図的な操縦が原因だった疑いが強まってきた。

「想定外」の事故を極小化するためには、墜落に至る経緯を徹底的に解明するとともに、二重三重の安全確保策を講じることが肝要である。

格安航空会社(LCC)ジャーマンウィングスの旅客機がフランス南東部で墜落してから1週間になる。日本人2人を含む乗員乗客は計150人で、生存者は発見されていない。アルプス山中の現場では遺体回収作業が続く。

仏検察当局は、回収されたボイスレコーダーの録音を分析した結果、操縦室で1人になった副操縦士が機体を意図的に降下させたとの見解を示した。機長が操縦室の扉を開けるよう求めたが、副操縦士は応じなかったという。

2001年の米同時テロ後、ハイジャック対策として操縦室の扉を強化したことが裏目に出た。

今回、異様な行動をとった副操縦士は08年から、LCCの親会社である独大手ルフトハンザ航空の操縦士養成訓練を受けた。13年から現在の会社に勤務している。

独検察当局は、副操縦士の自宅の捜索で、墜落当日の勤務を不可とする医師の診断書を押収した。副操縦士が精神的な問題で治療を受けていたとの情報もある。

心身が不調なのに勤務を続けていたとすれば、航空会社によるチェックの甘さが問われよう。

世界の航空業界は今後、需要の大幅増やLCCの急成長で、操縦士不足の深刻化が懸念される。その中で、多数の人命を預かる操縦士の能力と資質を確保することが各国にとって大きな課題だ。

欧州航空安全局は、欧州の航空会社に対し、操縦士を含む乗員2人以上が操縦室に常駐するよう求める暫定的な勧告を出した。

日本では、操縦士が操縦室を離れる際は、代わりに客室乗務員が入室するなど、同様の措置をスカイマークがとっているが、そうでない会社が主流という。

太田国土交通相は、「国内でも安全上の措置を注意喚起したい」と述べ、航空会社に安全管理の徹底を求める考えを示した。

精神に変調をきたした機長が飛行中にエンジンを逆噴射させた1982年の羽田沖での日航機墜落事故を機に、国内の操縦士の健康管理体制は強化されている。

操縦士が定期的に受診する航空身体検査や、精神面のカウンセリングの充実を通じて、操縦士の異状を早期に発見し、搭乗させない体制を構築する必要がある。
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[読売新聞] 生活困窮者支援 早期の対応で自立を促したい (2015年03月31日)

仕事に就けず、生活に困っている人を自治体が手助けする。生活困窮者自立支援制度が4月から始まる。

生活保護に至る前段階の人を早期に発見し、働いて自立できるように援助するのが目的だ。「生活保護の手前の安全網」と言える。

都道府県や市区など福祉事務所を持つ全国約900の自治体が実施主体となる。政府は新制度の事業費として、2015年度は612億円を見込んでいる。

生活保護の受給者は217万人に上り、保護費は年3・8兆円に達する。不安定な雇用が増えた結果、働く世代の増加が目立つ。

生活保護を受けるまで窮乏してからでは、就労や自立がより困難になる。早期の支援は、長期的には、生活保護費の軽減につながるだろう。人口減に伴う労働力不足を補う効果も期待される。

新制度の下、自治体には総合的な相談窓口の設置が義務づけられた。個々の状況に応じて「支援プラン」を策定し、福祉サービスや就労支援につなげる。必要な場合は家賃補助も行う。

就労訓練や家計相談、子供の学習支援は任意で実施する。

親族や地域の結びつきが希薄化する中、新たな支え合いの仕組みとして機能させたい。

ただ、課題は多い。

困窮者は孤立しがちで、支援の情報が届きにくい。自ら窓口を訪れる人は少ないだろう。住民税や水道料金の滞納記録や、民生委員などの地域の目を糸口に、自治体は対象者を見つけ出す必要がある。関係機関の連携が大切だ。

困窮者が抱える問題は失業、心身の病気、借金、引きこもりなど様々だ。複合的に絡み合う場合も多い。的確に対処できる人材の養成も重要である。

自立を支えるには、就労や訓練の受け皿となる協力企業・団体の確保が欠かせない。

大阪府豊中市は、地元企業のデータベースを整備し、受け入れ先を開拓している。企業には継続雇用へ向けた助言をする。

北海道釧路市では、基幹産業の漁業を支える漁網作りを就労訓練に活用している。介護や農業など人手不足が深刻な分野で、困窮者の活躍を図る自治体もある。

ボランティア団体など地域の多様な組織とも連携し、困窮者を重層的に支える仕組みとしたい。

自治体の取り組み方次第では、地域格差が生じかねない。政府は先進事例を周知し、自治体を後押しすべきだ。
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[朝日新聞] 秘密の監視―国会は責任を自覚せよ (2015年03月31日)

政府による特定秘密の指定や解除の運用をチェックするために設置された、衆参両院の「情報監視審査会」がきのう、初会合を開いた。

ようやく、である。

本来、昨年12月の特定秘密保護法の施行にあわせて始動するのが筋だった。しかし昨年11月に安倍首相が衆院を解散したため協議が中断。越年しても委員を選任できない状態が続き、施行から4カ月近く経った。

「国民を代表して監視するという、審査会の果たすべき役割は極めて重要なものがある」。衆院の審査会で、会長に選ばれた自民党の額賀福志郎議員はこうあいさつした。だが「監視」の名にふさわしい機能を発揮できるかは、やはり疑問だ。

審査会は政府から毎年、秘密の指定や解除の状況に関する報告を受ける。政府に特定秘密の提出を要求し、運用に問題がある場合は改善を勧告できる。ただし、秘密の提出を求めても、政府は、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断すれば拒否できる。運用改善の勧告にも強制力はない。

問題は、「何が秘密にあたるかは秘密」という、秘密法それ自体にある。野党側は、国会への情報提供を義務づけるよう求めたが、与党側は「三権分立の観点から、行政権を侵してはならない」と受け入れなかった。ならば何のために国会に監視機関を置くのか。三権分立の観点から国会がやるべきことを、よくよく考えてもらいたい。

先月の衆院議院運営委員会で、民主党の後藤祐一議員が、「(昨年末に指定された)382件の特定秘密情報と、その中のおそらく47万件にわたる文書等」の題名すら提示しない場合があるのかとただしたところ、政府側は「精査中」と繰り返した。可能な限り具体的な形での提出を、審査会として強く要求し、政府は応じるべきだ。

実際の運営も不透明な点が多い。例えば、衆参各8人の委員の3分の1以上の要求があれば会長は審査会を開かねばならないと規定されている件。衆院では2人しかいない野党委員が開会を求めても、3分の1に満たないとして却下されるのか。

結局は審査会、とりわけ与党委員が「国民の代表として監視する」という責任をどれだけ自覚して動くかにかかっていると言える。積極的に秘密の提出要求をする。改善勧告を行う。そのような実績を積み重ねることによって存在感を示し、政府に緊張感を持たせる――。最低限の役割はせめて、果たしてもらわなければならない。
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[朝日新聞] 南海トラフ―地震の備え常時更新を (2015年03月31日)

太平洋沖の海底のくぼみ「南海トラフ」での巨大地震に備えて、国の中央防災会議がきのう応急対策活動計画をまとめた。

事前に大まかな計画をつくっておく。実際に発生したら、被災状況がわからなくても救援に動き出す。そんな内容には、東日本大震災の教訓を生かそうとする姿勢が感じられる。

この計画で、本物の災害時にどこまで有効に対処できるか。そこは不断の見直しによる更新を重ねてゆくしかあるまい。

さまざまな運用訓練を続けて計画の中身を常に検証し、定期的に改善することが重要だ。

静岡県沖の駿河湾から九州沖まで続く南海トラフでは、マグニチュード(M)7?8級の地震が繰り返し起きている。

東日本大震災では、最大でM8程度と考えられていた宮城県沖でM9が起きた。このため、国は南海トラフ地震の想定を最大M9・1まで上げた。この規模だと死者が約32万人、経済損失が東日本大震災の10倍を超える220兆円に達するとみる。

現代の地震学では、いつ、どれぐらいの地震が起きるかを予測することはできない。

今回の計画は、あしたかも知れない巨大地震が起きた際に、最善を尽くすためのものだ。

優先的に確保すべき道路をあらかじめ定め、災害時には通行情報を共有し、応急復旧や交通規制を一体的に進める▽海や空からの救助も事前に想定する。

全国で1300以上に増えた災害派遣医療チームをフルに活用する▽食料や毛布などは要請を待たずに調達・輸送に動く▽防災拠点に燃料を優先供給できる体制を石油業界と築く――。

東日本大震災での苦労や後悔が各所ににじんでいる。

内閣府の担当者は「計画を作り込み過ぎないよう心がけた」という。詳細すぎると、現実と違う場合に混乱するからだ。

当然、計画に寄りかからず、現実に対応して的確に判断できる人材がさまざまなレベルで求められよう。実践的な訓練を重ね、そうした人材を育てることが計画実行のカギになる。

国は昨年、「今後10年間で死者数を8割減らす」など南海トラフ地震の減災目標を定めた。

事後の計画だけでは目標は達成できない。建物の耐震化や津波避難場所の確保などが決定的に重要だ。医療機関など防災拠点の対策は、特に急がれる。

国は北海道から千葉県沖で発生が予想される日本海溝と千島海溝周辺の地震についても、被害想定を見直している。

警戒すべきは南海トラフだけではないと肝に銘じたい。
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2015年03月30日

[産経新聞] 【主張】大阪桐蔭裏金 教育の使命を忘れたのか (2015年03月30日)

野球の強豪で進学校としても知られる私立の大阪桐蔭中学・高校(大阪府大東市)で、裏金づくりが常態化していた。弁護士らによる第三者委員会の調査では、判明した約10年分で裏金総額は5億円を超える。

教材費などの一部を簿外の口座に隠してプールする悪質な手口だった。多額の公費助成を受けている学校教育の場であってはならない不正行為である。使途などさらに詳しい解明が欠かせないだろう。

第三者委は、開校時から校長を務めていた前校長の指示で幹部職員が組織的に裏金づくりに関わっていたと認めた。裏金原資は、教材費や校内で行う予備校の模擬試験料の余剰金で、複数の裏金口座にプールしていた。

学校法人には経理の透明性が高く求められる。今回のような隠し口座をつくること自体、法令に反するものだ。

裏金は幹部らが交際費として飲食、ゴルフ代のほか、贈答品などとして高級ブランド品購入にあてられていた。一部は予備校や塾関係者との接待費用などに使われたとみられる。

さらに裏金から約1700万円が前校長とその娘の口座に送金されていたことも分かっている。平成25年に校長を退任した後の報酬補填(ほてん)などとみられるが、不明朗な裏報酬は許されない。

学校側は刑事告訴や損害賠償請求を検討するという。大阪府は同校への私学補助金を減額することを決めた。再発防止のためにも厳正な対応は当然である。

大阪桐蔭は、高校が昭和63年に開校した新興校だが、野球の甲子園大会を何度も制覇するほか、難関大への進学コースを設け東大、京大など有名大学への合格者数を伸ばしてきた。

こうした実績をつくった前校長の発言力が強く、反対できない雰囲気で不正が見逃されてきたことを第三者委は指摘している。長期にわたる不正を見抜けなかった監査体制の甘さも問われよう。

少子化のなかで生徒獲得に追われる私学が少なくないのは確かだ。だが、裏金をつくってまで塾などのご機嫌を取る必要があるのだろうか。

カリキュラムや指導、教育環境をよりよくし、入学後の生徒を伸ばす教育にこそ知恵を絞り、競ってほしい。教育の使命を忘れないでもらいたい。
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[産経新聞] 【主張】食料自給率 実態踏まえ生産力向上を (2015年03月30日)

食料を国民に安定的に供給するため、自給率の向上を図るとしても、目標に現実味がなければ食を支える農業の強化にはつながらない。

政府は新たな農政指針である「食料・農業・農村基本計画」で、自給率目標(カロリーベース)を50%から45%へと引き下げることにした。

足元の自給率は4年連続で39%となり、実現可能性を念頭に目標を改めたのは理解できる。実態から乖離(かいり)した目標に固執し、あるべき農政をゆがめてはならない。

もっとも、新たな目標の達成も容易ではない。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が妥結すれば農産物輸入も増えよう。それに備え、担い手の確保や農地の集積を進め、国内生産者の競争力を高めることが急務である。

5年前に定めた50%目標は、農業資源をすべて投じたときに可能となる高い数値だったが、消費動向を踏まえずに生産目標を引き上げても、成果は期待できまい。

高すぎる目標を無理に達成しようとすれば、補助金が膨らむ。小麦増産で自給率を1%上げようとすると、年420億?790億円の国民負担が生じるとの試算もある。政治が重ねてきたばらまき政策の責任も大きいが、補助金依存では農業は育たない。

基本計画では主食用のコメの生産努力目標を減らす一方、飼料用米の目標を大幅に増やしたが、需要を見込めるのか。政府は目標の妥当性を絶えず検証すべきだ。

カロリーベースの自給率は農業の実態を示していないと指摘される。低カロリーである野菜などの生産活動が十分に反映されないためだ。だが、付加価値の高い野菜や果実の生産が拡大すれば、農家の所得向上にもつながろう。

今回、カロリーベースの目標とは別に、生産額でみた自給率目標が70%から73%に上げられた。肝心なのは「稼げる農業」への質的転換である。

忘れてはならないのが、輸入が途絶える不測の事態に備えた食糧安全保障の観点だ。政府は潜在的な国内生産能力を表す「食料自給力」を初めて示した。

農地をフル活用し、イモ類中心に作付けすれば、必要量以上のカロリーを得られるという。肥料や燃料をどう確保するかを考慮しないなど、非現実的な面は多い。ただ、大切なのはこれをきっかけに議論を深めることである。
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[東京新聞] 一票の不平等訴訟 甘すぎる司法の基準 (2015年03月30日)

有権者が投じる一票に不平等がある。昨年末の衆院選は格差が最大二・一三倍だった。全国の高裁・支部で相次ぐ判決は、国会の裁量権に甘すぎないか。

男性が「一票」なのに女性が「〇・五票」なら間違いなく違憲無効になる。仮に東京の有権者が「一票」で、大阪や名古屋の有権者が「〇・五票」ならばどうか。大阪の人も名古屋の人も声を上げて立腹するに違いない。

住んでいる地域によって、こんな不平等が起きるのはおかしい−、それが訴訟の本質だ。昨年十二月の総選挙は宮城5区が「一票」なのに、東京1区は「〇・四七票」だった。原告が求めるのは、「一人一票」の選挙だ。


◆温存される「一人別枠」
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一票の不平等をめぐる訴訟は一九六二年に始まった。衆院選では七六年と八五年の二回、最高裁が「違憲」判決を出した。「違憲状態」の判決も四回あるが、訴訟は今でも繰り返されている。それは司法がイエローカードを突きつけても、政治の側がいつも小手先の選挙制度改革しか示さず、抜本策を怠っているからだ。

それでも最高裁大法廷は選挙制度の“病根”のありかを具体的に示したことがある。二〇一一年のことだ。

「速やかに一人別枠方式を廃止する必要がある」と異例の指摘をしたのだ。

一人別枠方式とは、あらかじめ四十七都道府県に一議席ずつ配分する地方配慮の選挙制度である。現行の小選挙区比例代表並立制が導入された九四年には、この方式により激変緩和する意味があったが、もはや「立法当時の合理性は失われた」と最高裁は述べた。

では、この司法判断に政治はどう向き合ったか。衆院選挙区画定審議会設置法から同方式を定めた部分を削除し、五つの小選挙区を削減する「〇増五減」をした。実は条文を削除しただけなので、同方式は実態として残る内容だ。


◆一人二票を許容する?
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この「〇増五減」は昨年の総選挙で初めて実施されたため、今回の訴訟はそれをどう評価するかで、各地の判断が分かれた。

二十七日時点で、「合憲」としたのが四つの高裁、「違憲状態」としたのが九高裁・支部、「違憲」は福岡高裁の一つだ。全部で十七の判決が言い渡されるが、残りは四月中に出る予定だ。

従来この訴訟は三段論法で考えてきた。(1)選挙区割りが憲法が求める投票価値の平等に反するか(2)反していても、是正のための合理的期間を経過しているか(3)憲法違反の場合、選挙をやり直す「無効」にすべきか−だ。

「違憲状態」というのは、(1)の不平等を認めつつも、(2)の合理的期間、つまり国会の裁量権を重くみて、是正すべき期間はまだ経過していないという判断のことだ。

注目すべきは、まず「違憲状態」とした仙台高裁秋田支部の判決だ。「定数削減の対象外の都道府県は一人別枠方式の旧区割りの定数をそのまま維持している」とし、“病根”がまだ残っていることを指摘した。

そのうえで、二倍超の選挙区が十三あることについて、「二倍以上の格差は一人に二票を許容するに等しく、憲法の要求する一人一票の原則を実質的に破壊している」と表現した。

「違憲」判決だった福岡高裁も「一人別枠方式の構造的な問題が最終的に解決されていない以上、それ自体、憲法の投票価値の平等の要求に反する」と述べた。

かつ、合理的期間についても、一一年の最高裁大法廷の言い渡し日を起点とし、「約三年八カ月が経過している」とし違憲に導いた。明快な考え方と評価する。

「合憲」とする東京高裁などの判断は一三年の最高裁大法廷判決を引用する。まず選挙制度のテーマは合意形成に困難が伴うことを前提としたうえで、「漸次的な見直しを重ねることも、国会の裁量にかかる現実的な選択として許容される」と述べた部分だ。

ここに寄り掛かり、「〇増五減」の「区割りは大法廷判決に違反していない」と結論を導き出しているわけだ。


◆必要なのは抜本策だ
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小手先の改革であっても続けていれば、司法はその小さな努力を認めようという考え方とも読める。本当に政治に対し、それほど寛大であっていいのだろうか。国会の裁量権に甘すぎないか。

衆院では有識者会議が選挙制度改革を検討中だ。どんな改革案であったとしても、限りなく一人一票の原則に忠実であるべきだ。衆院はその権能や解散制度などから考えても、的確に国民の意思が反映されることが求められる。必要なのは抜本策である。半世紀以上も訴訟が繰り返される「愚」から早く脱するべきである。
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[毎日新聞] 社説:議員提案の条例 統一選でも積極提起を (2015年03月30日)

地方議会が議員提案で防災、空き家対策など政策に関する条例を制定する動きが広がりつつある。毎日新聞の集計によると2011年4月以降、274議会で可決している。

自治体の立法とも言える条例の立案にこれまで地方議会がほとんど関与せず、首長が提案を事実上独占してきたことがそもそも異常だった。地域の課題に議員が取り組み「住民から遠い地方議会」の印象を変えていく有力な手段だ。統一地方選でも大いにプランを競ってほしい。

地方議会が自ら提案して定める条例は通常、議員の報酬や定数、運営ルールに関わるものだ。政策に関する条例の大多数は首長が提案し議会が審査、可決して制定される。東京都議会を例に取ると、平成以降の26年間で議員提案で制定された政策条例は2件しかない。

こんな状況を見直し、国会の議員立法のように地方議会でも政策条例を立案、制定する取り組みが目立ってきた。さいたま市議会は11件、横浜市議会は10件もの政策条例を11年4月以降に議員提案で制定した。

これまで地方議会が提案に及び腰だった背景には、首長の権限を侵しかねないとの慎重論が根強かった事情がある。地方自治法は首長が予算を編成し執行する権限を定めており、議会は予算措置を伴う条例の立案を必要以上に自制してきた。

だが、予算を伴う政策条例であっても首長と事前にテーマなどを調整しておけば制定に問題はない。

防災、空き家対策、いじめ、自殺防止など役所がタテ割りで動きにくい場合や、迅速な対応が必要な課題は議員提案になじみやすい。首長と敵対するよりも、役割分担をしつつ領域を拡大するのが現実的だろう。

もちろん課題もある。たとえば、酒席などの「乾杯」に地酒などを用いることをすすめるいわゆる「乾杯条例」がこのところ議員提案でよく制定されている。アピール効果をいちがいに否定はしないが、最近は地域振興策などの肉付けもせず、他の自治体の条例をほぼそのままコピーしたような安易さも目立つ。

また、超党派で提案する場合は協議会で成案を得て提案する方法が一般的なため、議場での審査がおろそかになりやすい懸念もある。住民の意見をきちんと反映させる手続きを確保しないようでは、議員提案の意義は薄れる。条文作りを支える議会事務局など要員の確保も、中身のある条例を作ろうとすればするほど課題となるだろう。

「○△条例の制定を目指します」。こんな公約は決して首長選挙の専売特許ではない。議員候補者や政党支部も地域に密着した条例の構想を積極的に提起してもらいたい。

2015年03月30日 02時30分
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[毎日新聞] 社説:金銭で解雇 功罪両面の議論深めよ (2015年03月30日)

政府の規制改革会議は、裁判で「解雇無効」とされた人に企業側が金銭補償して解雇できる制度の導入を柱とする意見書をまとめた。労働者側から申し出た場合のみ制度を適用するとした。

「カネを払えば解雇できる」という風潮が強まるとの批判もあるだろう。ただ、現実には不当な解雇は多数あり、まともな金銭補償もされずに泣き寝入りしている人は多い。解雇に対する金銭補償を制度化することが労働者に不利になるのか、冷静に考える必要がある。

経営側の事情による整理解雇は、(1)人員削減しないと会社の存続が難しいこと(2)解雇を回避する努力義務を尽くしていること(3)解雇する労働者の人選の妥当性(4)説明など手続きの適正さ??の4要件をすべて満たした場合のみ認められている。

解雇で紛争になったときには、労働局のあっせん、労働審判、裁判という道がある。今回の制度は、裁判で「解雇無効」の判決が出た場合、復職せずに金銭で退職する解決方法を提示するものだ。

裁判に持ち込めば金銭補償の平均額は高いが、決着するまでに1年以上かかるのが普通だ。労働者側が解雇無効を勝ち取っても、会社との信頼関係がこじれてしまい、結局は補償金を得て退職するケースが多い。裁判自体が慰謝料請求よりも地位確認を求めた方が多額の補償金を得られるという事情もあるという。

金銭補償による解雇を制度化し解決金の相場を設けることで、労使双方に費用や事務負担がかかる裁判を回避し、迅速な解決が図られることが期待されている。

法的には厳しい解雇規制が定められているものの、4要件を満たさない「不当解雇」が横行しているという現実もある。中小企業で働く人を中心にわずかな金銭補償で解雇されている人が多い。非正規雇用労働者は補償もされず泣き寝入りしているのが実情だ。

大企業の正社員以外の弱い立場にある人々にとっては、解雇される際の金銭補償を制度化する意味は少なくない。

一方で懸念される点も多い。提案では労働者の申し出がある場合に限定されているが、いずれ経営者からの申し出でも認められるようになるのではないかと警戒する声は多い。解決金の水準が低く設定されれば、労働者の金銭面での救済が不十分なまま安易な解雇が広がる恐れがある。解雇された後の生活保障や職業訓練を充実させることも必要だ。

厚生労働省は検討会を設置して制度化について議論を始めるが、功罪両面を詳しく検討し議論を尽くすべきだ。

2015年03月30日 02時32分
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[読売新聞] インドネシア 海洋安保で戦略的協力強めよ (2015年03月30日)

安全保障面で、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心国と戦略的な協力関係を強化する意味は大きい。

インドネシアのジョコ大統領が来日し、安倍首相との会談で、海洋安保や産業振興を政府間で協議する「海洋フォーラム」を設立することで合意した。

首相は、「安定した海洋は地域の繁栄に不可欠だ」と強調した。ジョコ氏は「沿岸警備への協力に期待している」と述べた。

1万3000を超す島で構成されるインドネシアは、日本と同じ海洋国家だ。ジョコ氏は昨秋の就任以来、海洋国家構想を掲げ、海賊対策や資源管理を重視する。

インドネシアの海上保安能力の向上は、マラッカ海峡など、日本の海上交通路(シーレーン)の安全確保にも役立つ。

日本は2007年、インドネシアに巡視船3隻を供与している。日本の知見と技術を生かし、支援を着実に拡充すべきだ。

両国は今回、防衛協力に関する初の覚書に署名した。外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の早期開催でも一致した。防衛装備・技術面を含め、自衛隊とインドネシア軍の協力を強化する。

海上自衛隊は昨年3月、インドネシアが主催したASEANなどの多国間共同訓練に参加した。防衛交流は自衛隊の円滑な海外活動に資する。積極的に進めたい。

両首脳は、南シナ海の紛争防止に向けて、法的拘束力を持つ中国とASEANの「行動規範」の制定が急務との認識で一致した。

首相は、中国とフィリピン、ベトナムなどの対立を念頭に、「法の支配に基づく対応が重要だ」と述べ、インドネシアの積極的な関与を求めた。ジョコ氏は「和解に貢献したい」と応じた。

東・南シナ海で一方的な海洋進出を強める中国の「力による現状変更」を阻止することは、日本や米国、ASEANなどにとって共通の課題だ。関係国が緊密に連携し、中国に自制と協調を促し続けることが欠かせない。

会談では、貿易・投資の協力拡大も確認した。首相は、都市高速鉄道整備などで約1400億円の円借款の供与を表明した。

インドネシアは、人口、国内総生産(GDP)ともASEANの約4割を占める大国だ。経済成長のため、日中両国との関係強化を目指している。

日本は長年の友好関係と実績を生かして経済面の協力を拡大し、インドネシアの成長力を取り込むことが重要である。
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[読売新聞] 法テラス拡充案 DV被害を未然に防止したい (2015年03月30日)

いつでもどこでも、必要な法的支援を受けられる。そんな司法ネットワークの機能を高めることが大切である。

政府が、日本司法支援センター(法テラス)の業務拡充を柱とする総合法律支援法改正案を国会に提出した。今国会中の成立を目指している。

法テラスは、「身近な司法」の実現を目指し、2006年に設立された法務省所管の公的な法人だ。法律サービスの拠点として、全国に110の事務所がある。

紛争解決に役立つ情報を提供するほか、資力の乏しい人に対する無料法律相談や弁護士費用の立て替えを行っている。相談は年約32万件に上る。司法アクセスの向上に一定の役割を果たしてきた。

改正案のポイントは、配偶者らによる暴力(DV)やストーカーの被害者を、法テラスの法律相談の対象に加えた点である。

従来は民事分野に限定されていたため、刑事事件につながる案件は十分な対応がとれなかった。

加害者が近親者である場合、警察に訴えることをためらう被害者は多い。深刻な被害に発展する前に、まず弁護士が相談に乗る態勢を整える意義は大きい。

昨年、全国の警察が把握したDV被害は5万9000件、ストーカー被害も2万2800件に達する。中には、被害者の生命が危険にさらされたケースもある。

早期の相談を、重大事件の防止につなげねばならない。

認知症などの高齢者や障害者について、資力にかかわりなく、法テラスで法律相談を受けられるようにしたのも評価できる。

こうした人たちの多くは判断能力が低下しているため、金銭トラブルに巻き込まれやすい。ただ、現行の仕組みでは、経済的に余裕がある人は、法テラスの支援の対象外だった。

気がかりなのは、地域の弁護士会や弁護士の一部に、法テラスに対する警戒感が根強いことだ。

法テラスには、国の給与をもらう常勤のスタッフ弁護士がいる。司法制度改革に伴う弁護士の大幅増で、競争が厳しくなったこともあり、法テラスを「民業圧迫」と見る弁護士は少なくない。

地元弁護士会などとの調整がつかず、法テラスの事務所にスタッフ弁護士をいまだに一人も配置できていないところもある。

法テラスと弁護士会が協力関係を構築し、国民のニーズに応えることが重要だ。多くの人に利用してもらえるよう、法テラスの認知度を高める努力も欠かせない。
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[朝日新聞] 介護の人手不足―魅力向上に手を尽くせ (2015年03月30日)

団塊の世代が75歳以上になる2025年に介護を担う人材が全国で30万人不足する。厚生労働省がまとめた推計である。

今でも介護現場で人手は足りない。2月の有効求人倍率(常用)は2・51倍と、全職種平均の1・11倍を大きく上回る。賃金が安いことが大きな理由だ。

人材を確保するために、賃金アップは欠かせない。その原資は、事業所が介護保険サービスを提供した対価として受け取る介護報酬だ。

その介護報酬を国は4月に全体で2・27%引き下げる。人手不足からサービスが縮小する悪循環に陥ることをまず、避けなければならない。

報酬引き下げ後も、一定の条件を満たした事業所は、賃金上乗せ分を受け取れる。しかし、その代わりにボーナスを減らし、職員数を減らす事態が生じる懸念は労使双方から上がっている。年収ベースで増えているか、労働環境が悪化していないか、チェックすることが当面、必要になるだろう。

介護報酬を引き上げれば、税金や保険料を通じた国民の負担は増す。それでも、必要なサービスのためには、負担増も視野に入れるべきである。その前提として、現行の給付に無駄がないか点検し、効率的な使い方を考えることが必要だ。

また、賃金以外にも、待遇改善に工夫の余地はある。

京都府は、13年度に独自の認証制度をつくった。一定の基準で事業所にお墨付きを与え、ホームページで検索できるようにした。その基準は、人材育成の計画を作って全職員に公表する▽休暇取得や労働時間短縮に取り組んでいる、など17項目。すべてを満たすと認証される。認証を目指す事業所には研修や相談の機会も設けて、取得を促している。

こうした仕組みがあれば、学生らが職を選ぶ際の参考になるし、事業所が自らの業務や運営を見直すきっかけにもなる。国が後押ししていいやり方だ。

厚生労働省の専門委員会が人材確保策についてまとめた報告書にも、新人が将来の展望を持てるよう、事業所はキャリアパス制度や賃金の上がり方が分かるようにすることが盛り込まれている。

また、政府は今国会で介護福祉士の届け出制度を設ける法改正を目指している。離職時に届け出た介護福祉士に求人情報を流したり、復職時に研修の機会を設けたりする方針だ。これも人材確保の一助にはなる。

介護を「選ばれる職」にする知恵と工夫が求められている。
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[朝日新聞] 社外取締役―経営鍛える役割を (2015年03月30日)

会社を切り盛りする取締役に社外から少なくとも2人を登用すること。東京証券取引所が6月から適用する上場企業の行動指針に、そんな内容が盛り込まれる。実施しない場合はその理由の説明が求められる。

経歴も専門も異なる人が取締役会に入り、株主や社会の代表として経営を監視し、助言すれば、会社の発展につながるはずだ。そんな考えから、社外取締役の導入が進められている。

昨年の通常国会で成立した改正会社法も社外取締役の導入を強く促しており、東証1部上場企業ではすでに社外取締役を置く企業が7割を超える。

今回、東証の指針が「2人以上」とするのは、社内出身の取締役の中に1人だけ社外取締役がいても、力を十分に発揮しにくいと考えられるからだ。

日立製作所の場合、12年6月から取締役の過半数を社外取締役にした。「取締役会では『こんな低い営業利益率でよく満足してますね』と、社内役員では考えられない厳しい指摘が出るようになった」という。14年3月期に営業利益が23年ぶりに過去最高を更新したのは、円安の恩恵もあるが、取締役会の活性化も刺激になったという。

社外取締役が果たす役割は様々だ。社内の常識が社会とずれていないかチェックすることも、その一つ。創業者が始めた不採算事業からの撤退といった厳しい判断も、社外取締役の方がやりやすい。外国人や女性の社内登用に限界がある場合、外部から招くことで経営陣に多様性をもたらすことができる。

もちろん、社外取締役を置きさえすればよいわけではない。最近、注目を集めた大塚家具にも、複数の社外取締役がいたが、それでも騒動は防げなかった。社内と社外とを問わず、取締役には企業統治の重い責任がある。そのうえで、社外に人を求めるなら、それぞれの企業が、自分たちの弱点を認識し、それを補うにはどんな人材が必要か考えなければならない。

すべての上場企業が複数の社外取締役を置くには、新たに延べ数千人の社外取締役が必要になる。これまでも特定の経済人や研究者が何社も兼任する例があったが、職責を果たすには限界があるだろう。

人材をどう確保していくのかはこれからの課題だ。経営の経験者が、次は社外取締役として別の企業の経営にかかわることが当たり前になる。そんな流れを促すのも一案だろう。各企業も社会も、より広い視野から人材について考え、経営者と経営を鍛える取り組みを進めたい。
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2015年03月29日

[産経新聞] 【主張】18歳の責任 少年法適用年齢も検討を (2015年03月29日)

選挙権年齢を「18歳以上」とする公職選挙法の改正が検討されている。併せて「20歳未満」と規定される少年法の適用年齢についても議論すべきではないか。

選挙権を与えるということは、判断能力を備えた大人と認めることだ。同時に、相応の責任も負うことが望ましい。

終戦前は「25歳以上の男子」と規定された選挙権は昭和21年、新憲法公布とともに「20歳以上の男女」と改められた。逆に「18歳未満」を対象とした旧少年法は23年、GHQの指導もあり、「20歳未満」に引き上げられた。

現行では、世界の多くの主要国が選挙権、少年法とも、18歳を境界としている。

少年法は保護、更生を目的としており、犯罪に対する応報としての刑事罰を科す刑法とは趣旨が異なる。子供を守るのは国や大人の責務であり、本来の目的は堅持すべきだろう。

一方で少年法は、平成12年に検察官に送致できる年齢を「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げ、19年には少年院送致の対象年齢を「14歳以上」から「おおむね12歳以上」と改正するなど、厳罰化を繰り返してきた。少年による重大事件が頻発したことが、その理由に挙げられる。

また少年法は、17歳以下の死刑を禁じている。年長少年と位置づける18、19歳には死刑も可能ということだ。現実に24年には、山口県光市で起きた母子殺害事件で犯行時18歳だった被告に死刑判決が確定した。宮城県石巻市の3人殺傷事件では22年、同じく犯行当時18歳の被告に仙台地裁の裁判員裁判は死刑を選択した。

究極の刑罰である死刑の選択が可能であること自体、保護や更生を目的とする少年法の趣旨と大きく矛盾している。適用年齢の引き下げで、この矛盾を解消すべきではないか。

川崎市では2月、18歳の少年を主犯とする、信じがたいほど残虐な殺害事件があった。だが、法改正についての議論は感情的にならず、冷静に推し進めることが必要だろう。

この事件では、主犯少年の名前や写真が週刊誌やネットにさらされた。これは本人と推知できる記事、写真の掲載を禁じた少年法61条に反する。61条の是非や不備については大いに論じればいいが、脱法行為に胸は張れない。
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