2015年02月28日

[産経新聞] 【主張】川崎の中1殺害 少年は救えなかったのか (2015年02月28日)

川崎市の中学1年生、上村遼太さんは、首を切られるなど全身に傷を負い、多摩川の河川敷に捨てられていた。殺人容疑で、18歳の少年らが逮捕された。

亡くなった少年がかわいそうでならない。13歳の少年を救うことは本当にできなかったのか。

不登校を心配した担任教師は30回以上、自宅訪問や電話連絡を試みていた。事件の4日前には「そろそろ学校へ行こうかな」の返事ももらっていた。安易に責める気にはなれない。

グループを抜けたがっていた少年から「殺されるかもしれない」と聞いた友人もいる。事件前にも暴行を受け、顔面を腫らしていたことを知る者もいた。だが学校や警察へ訴えることはなかった。

彼らを責めることもできない。不良グループへの恐怖もあったろう。だが今となっては、やはり大人に相談してほしかった。

地元警察や市教育委員会は、少年の不登校を情報として知っていた。だが暴行を受けているとの報告はなく、対応は取れなかった。もっと緊密に学校や地域と情報を共有できていれば、違う結果があったかもしれない。

すべて後悔は先に立たずだが、誰かがもう少し早く、もう一歩前に踏み出していれば、彼の命を救えた可能性がある。そう思うと悔しくてならない。

上村さんは島根県の隠岐諸島西ノ島で育った。一昨年7月、川崎に引っ越すため島を離れる際には約70人の友人らが港に集まり、横断幕と紙テープで送り出したのだという。大変な人気者だったのだろう。残された、屈託のない笑顔の写真が痛々しい。

集団による少年犯罪は時に、その未成熟や無知が手伝い、信じ難いほど残酷なものとなる。

集団の中の地位を守るため、残虐性を競い合うような事例も過去にあった。携帯電話や無料通信アプリが大人の目や耳を遠ざけている側面もある。

警察にはまず、悲惨な事件の全容を解明してほしい。教委と学校には事件に至る経緯を詳細に検討し、公表してもらいたい。

いじめや暴力に悩む君には、恐れず学校や警察の大人に相談してほしい。子供を守るのは大人の責任だ。事件の芽に気づいた人は、通報や通告をためらわないでほしい。こんな悲劇を一件でも減らすため、すべきことをやろう。
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[産経新聞] 【主張】広がる献金疑惑 不祥事への謙虚さ足りぬ (2015年02月28日)

辞任した西川公也前農林水産相だけではなかった。閣僚をめぐる不適切な献金問題がさらに広がっている。

もらってはならない補助金企業からの献金をはじめ、政治資金の基本的ルールがこれほど軽視されているのかと驚く。

行政庁のトップとしてとりわけ高い透明性を求められる閣僚が、資金問題を相次いで追及される事態は極めて深刻だと言わざるを得ない。

自民党は国民の期待を受けて政権に復帰したが、このような状況を放置するなら、政治献金を通じて企業と深く結びつく「古い体質」が再び顔をのぞかせているとの印象を与えよう。

望月義夫環境相の政党支部が、国の補助金を支給された静岡市の物流会社から140万円の献金を受けていたほか、上川陽子法相の政党支部にも同じ会社から60万円の献金があった。

政治資金規正法は、補助金の交付決定から1年以内の献金を禁じている。望月氏らは「補助金を受けていることは知らなかった」「法に抵触するとの認識はなかった」と語る。それで正当化できると考えているのだろうか。

数十万円から100万円を超える規模の寄付を、相手がどういう会社かも十分認識しないまま、受け取る。寄付をくれる会社は良い会社で、補助金の有無など気にしない。説明は、そう言っているに等しい。

「どれくらい」という量的制限に加え、「どういう相手から」という質的制限を設ける政治資金規正法の趣旨を無視している。

下村博文文部科学相の各地にある任意の支援団体が、政治団体の届け出を行わずに資金集めなどを担っていた疑いを持たれているのも、極めて初歩的な問題だ。

安倍晋三首相や菅義偉官房長官は、そのつど「違法性はなく問題にならない」との見解を示しているが、大きな問題であることは、当事者らがあわてて献金を返しているのが何よりの証明だろう。

西川氏に対する衆院予算委員会での追及のさなか、安倍首相が野党の質問者にやじを飛ばし、その後、陳謝する場面もあった。

国民に疑いを持たれる事態を引き起こしているのは、自民党であることを忘れているようだ。政権復帰後に執行部ともども口にしていた「おごらず、謙虚に」を行動としてみせたらどうか。
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[東京新聞] 政治とカネ 政権がたるんでいる (2015年02月28日)

西川公也前農相が引責辞任したばかりなのに、またも「政治とカネ」の問題で国会が紛糾している。望月義夫環境相らへの献金疑惑が発覚したためだ。政権は緊張感を欠いているのではないか。

企業・団体からの献金が明るみに出る。その法人は国から補助金を受けている。補助金交付の決定から一年以内は政治献金が禁止だ。違法の疑いが生じる。だが、政治家は「補助金を受けていた法人とは知らなかった」と弁明しつつ、返金する。首相も内閣官房長官も「全く問題はない」と理解を示す−。

西川氏のケースと同じ構図が繰り返されている。望月環境相の場合は、自ら代表をつとめる自民党支部に物流会社から二〇一三年に百四十万円の献金があった。この会社は環境省所管の社団法人から一億七千万円、国土交通省から四千二百万円の補助金を受けていた。政治資金規正法に抵触するのではないか−。そんな疑惑だ。

同じ会社から上川陽子法相が代表の政党支部にも六十万円が寄付されていた。二人とも「補助金交付を知らなかった」と記者会見で述べ、違法性を否定した。

西川氏は砂糖メーカーの団体や木材加工会社からの献金が疑問視された。農相の立場と利害が絡む恐れがあったからだ。望月氏の場合はどうだろうか。社団法人からの提供とはいえ、環境省が行う二酸化炭素排出量削減に絡む補助金である。利害関係が全くないと言い切れるだろうか。

昨年には政治資金収支報告書の記載に問題があった人物だ。物流会社とどんな関係にあるのか、もっと詳細に説明してもらいたい。

相変わらず献金疑惑で紛糾するありさまに国民はあきれているだろう。安倍晋三首相は国会で「この問題は民主主義のコストをどのように国民が負担するかにかかわる」とも語った。確かに約三百二十億円にものぼる政党交付金は国民が負担している。

この制度はもともと政治家がカネ集めに走らなくても済むようにつくられた。約三百二十億円という金額は庶民感覚では決して少なくない。それでも献金問題が相次ぐ背景には何があるのか。

二十七日には維新の党から企業・団体献金を全面的に禁止する法案が衆院に提出された。同党は「政党助成制度の導入時に国民に約束した献金禁止の措置を実施するのは今だ」と語っている。この提案を一笑に付さず、議員はまじめに議論すべきである。
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[東京新聞] 中1殺害逮捕 届かなかったかSOS (2015年02月28日)

川崎市の多摩川河川敷で遺体で見つかった中学一年上村遼太(うえむらりょうた)さん(13)は、早くから“SOS”を発していた。救えた命だったのではと悔やまれる。子どもの異変に、大人はもっと敏感でなければ。

傷やあざだらけになって、事切れている上村さんが見つかったのは二十日の早朝。近くの公園のトイレでは、服や靴が燃える火事があった。身元を隠す工作だったのだろうか、悪質極まりない。

殺人の疑いで逮捕されたのは、上村さんの知り合いだった十八歳と十七歳の三人。容疑を認めていないというが、加害者までも少年だったとすれば、周りの大人の責任はあまりにも重い。

真相究明は警察に委ねるとしても、学校や教育委員会、家庭、地域は一致協力し、なぜ凶悪犯罪を食い止められなかったのか徹底的に検証するべきだ。上村さんの変化を読み解き、手を差し伸べることに失敗した原因である。

バスケットボール部で頑張っていたはずなのに、昨年夏ごろから部活に参加しなくなった。年明けから不登校になった。担任の先生が家庭に電話をしたり、訪問したりしても、本人にまつわる確たる情報がなかなか得られない。

これだけでも重大な事態だ。不登校生の一人と軽くみて、学校は担任に対応を任せきりにしていなかったか。少年非行や犯罪被害を防ぐための学校警察連絡協議会が情報をうまく共有できていないのではないか。疑問は尽きない。

上村さんは小学六年だった一昨年夏、島根県・隠岐諸島の西ノ島から川崎に引っ越してきた。大人をふくめ約七十人が別れのフェリーを盛大に見送ったという。

地域の結びつきが強い小さな町から人間関係が希薄な大都会に移り住み、戸惑ったに違いない。中学校に進めば、教育環境も様変わりする。学校や家庭で孤立感を深めていたのかもしれない。

友人らは、上村さんの異変について豊富な情報を持っていた。

昨年十一月ごろに少年らの仲間に加わり、ショッピングセンターや公園などで遊んでいたこと。万引を強要され、断ったら殴られたり、学校に行くなと命じられたりしていたこと。仲間から抜けようとして暴力を振るわれ、命の危険におびえていたことも。

こうした重要情報は大人に伝わらなかったのか。地域ぐるみで子どもや若者を見守り、声を掛ける取り組みが大切だ。上村さんは西ノ島のような暮らしを川崎に求め、裏切られたのかもしれない。
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[毎日新聞] 社説:大臣とカネ 「知らない」では済まぬ (2015年02月28日)

ますます深刻な事態である。西川公也前農相の辞任に続き、安倍内閣の閣僚に関連した政治資金問題が次々と明るみに出ている。そんな中、とりわけ看過できないのは、政権側が「知らなかった」という弁明で乗り切ろうとしている点である。

望月義夫環境相と上川陽子法相がそれぞれ代表を務める自民党支部は、国の補助金交付が決まっていた地元の同じ総合物流会社から政治献金を受けていた。

政治資金規正法は補助金の交付決定を受けた企業や団体に1年間、政治献金を禁じている。補助金は税金であり、それを受けた企業や団体が献金するのは税金が政治家に還流する形となりかねないからだ。「政治家と業界の癒着」につながる根本的な問題といえ、西川氏の辞任も同様の献金問題がきっかけだった。

ただし、同法は政治家側に対しては補助金の交付を知りつつ献金を受けてはならないと規定している。つまり知らなければ違反にならないというわけだ。望月氏らが「補助金交付は知らなかった。だから違法でない」と強調するのはそのためだ。

だが、一連の問題は報道各社が調査・取材して判明したものだ。当事者である政治家側が事前に把握するのは不可能ではないはずだ。逆に今の規正法が政治家側の怠慢を生み、言い逃れに利用されているとすれば、この際、「知らなくても違反」と法改正し、厳格化すべきである。

下村博文文部科学相は、同氏を支援している各地の団体「博友会」が政治団体として届け出をせず、同法違反の可能性が指摘されているほか、同法で禁じられている外国人からの寄付なども明らかになった。

一方、西川氏については辞任後に国会に提出した資料で、補助金を受けていた会社から約4年間で1000万円近い顧問料を受けていたことが明らかになった。

昨秋、不透明な政治資金支出で小渕優子前経済産業相が閣僚を辞任する際、「知らなかったでは済まされない」と語った。ところが、その後の衆院選で再選されたから決着済みということなのか、辞任時に約束していた詳細な調査報告をいまだにしていない。

西川、望月両氏も小渕氏と同様、昨秋発足した第2次安倍改造内閣で入閣している。その時にも今回とは別の資金問題が指摘されていたのを忘れたわけではあるまい。第3次安倍内閣の組閣に当たり、本人も安倍晋三首相らも厳密にチェックをしなかったのだろうか。

「知らなかった」で済まそうとする閣僚に対し、安倍首相は「与野党ともに政治家は自ら説明責任を」などと繰り返すだけだ。衆院選で大勝したおごりというほかない。

2015年02月28日 02時31分
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[毎日新聞] 社説:船舶検査の拡大 武力行使と区別可能か (2015年02月28日)

政府は海上交通路(シーレーン)をはじめとする世界の海で、自衛隊による強制的な船舶検査を可能にするような新たな提案をした。安全保障法制の整備について話し合う与党協議で、自衛隊の船舶検査活動の範囲を大幅に拡大するとともに、検査要件を緩和する方針を示した。

現行の船舶検査活動法は、朝鮮半島有事や台湾海峡有事といった「日本の平和と安全」に重要な影響を与える周辺事態の際、自衛隊が船舶の積み荷や目的地を検査できると定めている。これを「国際社会の平和と安定」のためにも活動できるようにし、地理的制約を外すという。

また現在は国連安保理決議か旗国(船舶が属する国)の同意を得た上で、乗船時には「船長の承諾」を必要とする任意検査になっているが、船長の承諾がなくても強制的な検査ができるよう検査要件を緩める。

船長の承諾なしに強制的な船舶検査を行うため、現在は正当防衛に限定している武器使用権限を拡大することも検討しているという。

国際法では、軍が行う戦時の強制的な船舶検査(臨検)は武力の行使とみなされる。

今回の提案では、強制的な船舶検査を行うのは、平時の国際的な船舶検査の場合で、武力の行使にはあたらないと政府は説明する。国連安保理決議に基づくイランの核関連物資の禁輸のための船舶検査のようなイメージだ。だがケースによっては相手国から武力の行使とみなされる可能性があることに留意すべきだ。

与党協議は昨年7月の閣議決定を法制化するために開かれている。ところが閣議決定文に船舶検査は登場しない。政府は「切れ目のない対応を可能とする国内法制の整備」という表現から読み込めると考えているようだが、閣議決定のあいまいさを突いた拡大解釈の印象が否めない。

与党協議では日本人が海外でテロなどに巻き込まれた場合、自衛隊を派遣して救出、奪還する活動についても議論された。

閣議決定では、領域国の受け入れ同意があり、現場で領域国の権力が維持されていることを条件に、邦人救出を可能にする法整備を検討することが盛り込まれた。これを受けて、政府は現行の自衛隊法で認めている邦人輸送に加えて、邦人の救出や奪還を認め、武器使用権限も現在の正当防衛だけでなく任務遂行のための武器使用も可能にしたいという。

しかし公明党が指摘したように、人質救出は領域国に任せるのが原則だ。自衛隊を派遣しなければならないとすれば、領域国の治安維持機能が低下しているということだろう。そんな現場で自衛隊が邦人救出活動をすべきか、慎重な議論が必要だ。

2015年02月28日 02時30分
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[読売新聞] 水俣条約批准へ 世界の「脱水銀」を進めたい (2015年02月28日)

水銀による健康被害や環境汚染を防ぐ取り組みを加速させたい。

2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」の批准に向け、政府は関連法案を今国会に提出する。水俣病を引き起こした日本は、重い教訓を「脱水銀」に生かしていくことが重要である。

水銀は、蛍光灯や電池、体温計など、身近な製品に使われてきた。毒性が強く、体内に大量に取り込まれると、手足の震えや運動障害などを発症する。

石炭火力発電所などから大気に排出された水銀は、分解されずに遠くまで運ばれる。土壌や海に沈着し、生物の体内に蓄積する。

水俣条約は、水銀の使用や排出を世界的に抑制することが目的だ。一定含有量以上の製品の製造や輸出入を20年以降、禁止する。条約発効には50か国の批准が必要で、既に10か国が批准した。日本も批准を急ぐ必要がある。

関連法案の特徴は、条約で義務付けられている以上の厳しい規制になっている点だ。20年よりも前に、水銀含有製品の製造・輸出入を禁止する。

市町村には、使用済み製品を速やかに回収し、適正処理するよう求める。国内では、水銀を使わない製品開発が早くから進んだが、家庭に眠る古い製品も多い。

水銀含有製品の分別回収を行っている市町村は、約7割だ。分別回収の徹底に加え、店頭回収の拡大など、消費者が利用しやすい仕組みを整備することも大切だ。

回収された水銀の多くは、アジア諸国などへの輸出に回されている。再製品化の需要があるためだ。輸出量は年間約70トンに上る。

政府は、回収水銀の輸出も原則禁止とする。今後は国内での処分技術の開発が課題となる。

大気中への排出抑制も重要である。国内の年間排出量は約20トンで、世界全体の1%程度だが、政府は大気汚染防止法を改正し、新たに排出基準を設ける方針だ。

条約の対象外である製鉄所には、自主的な取り組みを求める。業界の姿勢が問われる。

世界的に見ると、途上国の小規模金採掘の現場で大量の水銀が使用されている。鉱石から金を取り出す溶剤として用いられ、約1000万人に上る作業員に健康被害が多発しているという。

採掘現場からは、大気中にも大量の水銀が排出されている。

日本など先進国には、途上国での脱水銀を後押しする技術支援が求められる。金採掘に代わる産業育成も必要だろう。
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[読売新聞] 自衛隊「恒久法」 国連決議なしの活動も可能に (2015年02月28日)

様々な事態が発生した際に、自衛隊を機動的に派遣し、世界の平和と安定に協力できる法制にすることが肝要だ。

新たな安全保障法制に関する与党協議が本格化してきた。自衛隊の国際協力活動は、現行の周辺事態法と国連平和維持活動(PKO)協力法の改正と、新たな恒久法の3本柱の法制とする方向で調整している。

無論、自衛隊が戦闘行動に参加することはない。他国部隊に対する補給・輸送などの後方支援を柔軟かつ効果的に実施できるようにしておくことが欠かせない。

その観点から、周辺事態法を改正し、地理的な制約を外すとともに、米軍以外の他国軍への後方支援を可能にすることが重要だ。

肝心なのは、危機が発生した場所がどこかでなく、日本の平和と安全にどんな影響を与えるかだ。朝鮮半島有事に限らず、日本から離れた地域の事態が重大な影響を及ぼすことは十分あり得る。

米軍以外の部隊と自衛隊が連携する機会も少なくなかろう。

恒久法では、国連安全保障理事会の決議がない場合も含めるかどうかが焦点となっている。

自衛隊が役割を果たせる活動はPKOやインド洋での給油、イラク復興支援のように国連決議に基づくものに限定されまい。

2000年以降だけでも、スリランカやフィリピン・ミンダナオ島の停戦監視、ソロモン諸島の治安維持など、決議がない活動に多国籍部隊が従事した例は多い。

そもそも安保理は、一部の国が拒否権を発動すれば、決議の採択はできない。決議のない「有志連合」の活動にも自衛隊が参加する余地を恒久法に残すべきだ。

恒久法を制定すれば、平時から訓練や調査を重ね、装備を整えるなどの派遣準備が可能となる。

自衛隊はすべての活動に参加するわけではない。任務の重要・緊急性や、日本との関係、他国の動向などを総合的に勘案し、その都度、派遣の是非を判断する。

原則、国会の事前承認を得るなどの手続きを定めておくことが、文民統制上の歯止めとなろう。

自衛隊による海外で拘束された邦人の救出や、周辺事態以外での船舶検査を可能にすることも検討されている。邦人救出は、受け入れ国の同意などの厳しい条件が付くし、特殊な訓練も必要だ。

実際に自衛隊を派遣する可能性が高くなくても、あらゆる事態に備えた法制を整備することが、切れ目のない対応と、迅速な国際協調行動を可能にしよう。
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[朝日新聞] 政治とカネ―疑惑の連鎖を断ち切れ (2015年02月28日)

安倍内閣の閣僚に、政治献金の疑惑が相次いでいる。

国からの補助金交付が決まった企業からの寄付が問題とされ、西川前農水相が辞職したばかり。きのうは、望月環境相と上川法相が代表を務める自民党支部が、やはり補助金交付対象の企業から禁止された期間内に寄付を受けていたことが明らかになった。

また、下村文科相を支援する団体が政治団体の届け出をしないまま活動していることが違法ではないかと週刊誌で報じられ、国会で民主党などから追及を受けている。

望月氏は、企業が補助金を受けていることは知らなかったなどとして「法には触れない」。下村氏は「世上いわれるような政治活動をする後援会とは全く違う」と説明する。安倍首相も、問題はないとの認識だ。

しかし、単に「知らなかった」ですませられる問題なのか。辞めた西川氏は、寄付を受けた企業から顧問として報酬を受け取っていたことも明らかになった。野党が厳しく追及するのは当然である。

この種の問題が発覚するたびに、政治資金規正法の限界が指摘されてきた。改正を重ねても、政治とカネをめぐる不祥事は尽きることがない。

疑惑の連鎖を断ち切るためには、問題の根っこから改めることが必要だ。企業・団体献金の禁止である。

1994年の一連の政治改革では、5年後に政治家個人への企業・団体献金を禁止し、政党への寄付のあり方についても見直すと決められた。

確かに、99年の政治資金規正法の改正で政治家個人への企業・団体献金は禁止された。だが、大きな抜け穴がいまだに温存されている。

政治家が代表する政党支部への企業・団体献金が、いまだに認められているのだ。

今回、西川前農水相や望月環境相、上川法相が問題にされている寄付は、まさにこの政党支部に寄せられたものだ。

企業や団体が献金を通じて政治家とつながれば、癒着や腐敗を招きやすい。そのもとを断ち、国民1人あたり250円分の税金による政党助成と個人献金を中心に政治を支えるようにしていく。国会は20年前そう説明していたのではなかったか。

おりしもきのう、維新の党が企業・団体献金を全面禁止する法案を衆院に出した。

20年前の「約束」を実行に移す時ではないか。安倍首相をはじめ与党も、その他の野党も、明確な態度を示すべきだ。
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[朝日新聞] 中1殺害事件―なぜ異変を見逃したか (2015年02月28日)

なぜ、13歳の命を守れなかったのだろう。

川崎市で中学1年の上村(うえむら)遼太さんが殺された事件で、10代の3人が殺人容疑で逮捕された。

上村さんは未明に河原で暴行を受け、首を何カ所も切られて命を絶たれた。どれほどの恐怖と苦しみを味わったことか。

周りが異変に気づく契機はいくつもあった。学校、行政、地域はなぜあと一歩踏み出せなかったのか。そのことが悔しい。

まず不登校だ。彼は冬休み明けから欠席するようになった。

川崎市教育委員会によると、担任教諭は自宅や母の携帯に30回以上電話し、5回家庭訪問していた。本人とは1回電話で話したが、会えなかったという。

彼は昨年の夏休み過ぎから部活動を休み始めていた。学校は、他校の生徒たちと一緒にいる姿を把握していたという。だが、暴力を受けた事実は知らなかったとしている。

市教委の発表からは、学校の組織としての対応が見えてこない。学校と警察、教委が集まる会合でも、名前を伏せて「不登校の子がいる」と報告しただけだったという。これでは情報交換になっていない。

思春期の子が気持ちを打ち明けるのは、教師や親より同じ世代の友達であることが多い。

今回も友人が1カ月前、目の周りに大きな黒いあざができた上村さんに会い、「殴られた」と聞いていたという。「柄の良くない人と遊んでいるのを見た」という生徒もいる。

子どもたちがこうした話を、そっと寄せる関係が、教員や保護者、地域の大人との間にあったなら、と残念でならない。

彼は5人きょうだいで一昨年秋、転校してきた。母が家計を支えていた。島根県の島の港から「遼太頑張れ」の横断幕を掲げた数十人の子たちに送り出されていた。都会に来た彼の居場所はどこにあったのだろう。

ケアを要する子どもは少なくない。だとしても彼の場合、もっと周りに家庭ごと支える視点が必要だったのではないか。

市教委は市内全区にスクールソーシャルワーカーを置いている。家庭や地域など環境に働きかけて子どもを支える役目だ。だが学校は市教委に派遣を求めていなかった。学校と市の福祉部局、児童相談所などの連携のあり方も問われる。

文部科学省は学校や教委の対応を検証する会議を設けた。経緯を公表し再発防止策を打ち出してほしい。全国の学校や地域は自分ならどうするか考えてもらいたい。大人が13歳の死を無にしない道は、それしかない。
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2015年02月27日

[東京新聞] 統一地方選 女性議員を増やしたい (2015年02月27日)

女性議員がなかなか増えない。生活に根差した住民運動の現場などで女性は地域を変える力だ。多様な声を生かし、開かれた議会にするために、今春の統一地方選で女性を増やしたい。

女性政治家の少なさは日本の政治の悲しい現実だ。地方議会に占める女性の割合は十人に一人。自治体の首長ではさらに少ない。四十七都道府県で女性が知事を務めるのは北海道と山形県だけ。東京二十三区を含めた全国八百十三市区で女性市区長は十七人。女性が一人もいない議会は全議会の二割にあたる三百七十九。ワーストの青森県は四十一議会のうち二十一議会に女性がいない。

一方、神奈川県大磯町は女性議員の割合が日本一多い。十三人のうち女性が八人で、男性よりも多い唯一の議会だ。再生可能エネルギー推進条例を議員提案で制定したり、情報公開を重視した議会改革に取り組む。

他の議会でも、待機児童問題に取り組む母親が活動の延長に議員になった例などがある。

女性の声を政策決定に生かすために、男性議員が圧倒的に多い政治の不均衡は正したい。

どうすれば女性議員を増やせるのか。女性が政治参加しやすい制度や仕組みは不可欠だ。

家事や育児、介護などの負担が女性だけに重くのしかかるのでは、休日も夜もある議員活動は難しい。議会を休日や夜間に開くようにすれば地域の人も参加しやすい。人々の地域の課題に対する関心も高まるだろう。

女性の問題に限らず、貧困や格差などさまざまな問題に直面している人たちが議員になれる条件や環境を整える。それが開かれた議会をつくることにつながる。

一定議席を女性枠に割り当てる「クオータ制」は海外で広く導入されている。本紙実施の東京都内市区町村の全女性議員アンケートで賛成は四割、反対は三割に上った。有権者の複雑な希望を反映させやすい制度として、有権者一人が一票でなく複数票を投じる「連記制」もある。

「市川房枝記念会」によると、保守的な風土や文化、地域のしがらみなども、依然として女性の立候補をためらわせているという。

各地の女性センターで学生や一般を対象に政治の勉強会を開くのもいい。地域の課題を探れる。

二十七年前に約一割だった東京都多摩市の女性議員は、今では四割に増えた。試行錯誤をあきらめず、女性議員を増やしたい。
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[産経新聞] 【主張】戦後70年談話 未来志向の発信が大切だ (2015年02月27日)

戦後70年談話に向けた有識者会議が発足し、安倍晋三首相は「これからの日本がどのような国を目指すのか考えていきたい」と、未来志向の談話を出す考えを示した。

談話を構想するにあたり、有識者から意見を聞くのは順当な手法といえよう。談話はあくまでも首相の責任で作成されるが、示唆に富んだ論点が提示されることが期待される。

留意すべきは、政府が特定の歴史観を打ち出すような談話は望ましくないということだ。

戦後50年の村山富市首相談話は、過去の「侵略」や「植民地支配」を一方的に謝罪した。その弊害が極めて大きかったことを、忘れてはなるまい。

村山談話は日本が「過去の一時期」に国策を誤ったと断罪したものの、時期は特定しなかった。閣僚への十分な説明がなく、「終戦の日」に唐突に閣議へ提出されるなどその内容、手順ともに問題があった。

にもかかわらず、村山談話に反する言動をしたと見なされた閣僚や政府関係者は強い批判を受けてきた。こうした日本国内の情勢から、中国や韓国は「歴史問題」が日本に対する効果的な外交カードになるとみて利用してきた。

安倍首相は村山談話について「全体として受け継いでいく」といった見解を示している。

与野党には、村山談話にある「侵略」や「植民地支配」をキーワードと断じ、70年談話に書き込むことが重要だとの意見がある。だが、その表現にこだわりすぎれば、中韓の歴史戦、宣伝戦にからめとられかねない。

歴史にはさまざまな見方があることを無視する態度はおかしいし、特定の見方が入り込む懸念がある。西室泰三座長が初会合後、「キーワードを談話に入れろと指示するつもりは全くない」と語ったのは当然である。

むしろ、戦後に日本が果たしてきた役割、未来へ向かう道筋をうたうことこそ、建設的な談話に必要な要素といえよう。

若い世代を含め、自虐的な歴史観を迫られ、国民が萎縮するような内容の談話が、いつまでも受け継がれるべきではない。

首相は「中韓をはじめとするアジアの国々との和解」を論点の一つに挙げた。反日に傾く中韓に限らず、アジアの多くの国と築いた関係にも目を向けてほしい。
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[産経新聞] 【主張】年金抑制見送り 改革への腰が定まらない (2015年02月27日)

いかにも腰のすわらない改革姿勢ではないか。厚生労働省が年金額を抑制する「マクロ経済スライド」のデフレ下での実施について、見送る案を自民党に提示した。

1月にまとめた制度改革の報告書のなかで唯一、抑制に踏み込む内容だったが、わずか1カ月での方針転換である。

4月の統一地方選や来年夏の参院選を控え、高齢有権者の反発を恐れる与党から難色が示されたのが原因だ。選挙が近づくたびに負担増を伴う改革から逃げて、少子高齢社会にどう対応するのか。

見送り案は撤回すべきだ。「役所が決めたこと」と、与党が知らぬ顔をするのも許されない。

年金には物価に連動して給付額を増減する「物価スライド」のルールがある。マクロ経済スライドは勤労世代の減少や平均余命の延びに応じて、給付水準をさらに抑える仕組みだ。将来世代の給付水準が、下がり過ぎないようにするために必要な措置である。

ただ、マクロ経済スライドは物価下落が続くデフレ下では適用されないことになっている。そうしたやり方では、将来世代へのしわ寄せが拡大する。経済状況に左右されずに実施できるようにしておくというのが、当初の改革案の趣旨だったはずだ。

現役世代の保険料は上がり続け、受給者になったときの給付水準は現在より下がる見通しだ。高齢有権者に気兼ねして改革を見送った。そんな説明で、若い世代の理解など得られまい。

厚労省は先送りの代わりに、デフレ時に年金を抑制できなかった分は翌年度以降に繰り越し、賃金や物価が大きく上昇した年度にまとめて減額する案も示した。

その時点で、大きな引き下げを高齢者に納得させる自信があるとでもいうのだろうか。文字通りのつけ回しであり、およそ政策として成り立つとは考えにくい。

年金受給者は毎年少しずつ入れ替わっている。「大幅減額にあたった人は運が悪い」ことになるようなやり方で、受給者間の公平性を保つことはできない。

年金を強固な制度にするには、すべての世代で痛みを分かち合うしかない。受給額を減らされる高齢者に、実情をより丁寧に説明することは重要だ。「大衆迎合」的な判断から政策がふらつけば、改革姿勢は疑われ、高齢者、現役世代の双方から不信を招こう。
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[東京新聞] 言葉のセクハラ 男の“甘え”は通じない (2015年02月27日)

軽い気持ちで不用意な性的発言をしてはならない。職場の女性に「言葉のセクハラ」をし、懲戒処分を受けた男性の裁判で、最高裁は会社の処分を妥当とした。男社会の“甘え”は許されない。

「いくつになったん?」「結婚もせんで、こんな所で何してんの。親泣くで」「もうお局(つぼね)さんやで。怖がられてるんちゃうん」「俺の性欲は年々増すねん。なんでやろうな」「夜の仕事とかせえへんのか」…。

大阪高裁と最高裁が認めた主なセクハラ発言の数々だ。大阪にある水族館の運営会社で働く二十代、三十代の女性派遣社員ら二人が被害を会社に届け出た。

会社側は課長代理だった四十代の男性二人から事情を聴いた上で、出勤停止の懲戒処分を行い、さらに係長への降格処分をした。だが、男性二人は受け入れがたかった。会社側から注意や警告がなく、「不意打ち」で処分が下されたことや処分が重すぎるとして、裁判所に訴えたのだ。

一審は「処分は妥当」としたものの、二審は「処分は重すぎ、無効だ」と正反対の判断をした。女性が明確に拒否の姿勢を示していない点や、セクハラに対する具体的な処分方針を認識する機会がなかった点を考慮したためだ。

だが、最高裁はそうした二審の見方をとらなかった。職場がセクハラ防止を重要課題と位置付け、セクハラ禁止文書をつくり全従業員に周知するなどの取り組みをしていたからだ。二人の男性も研修を受けていた。男性はむしろ管理職としてセクハラ防止を指導すべき立場にあったといえよう。

最高裁は「職責や立場に照らし、著しく不適切」「反復継続的に行ったセクハラ行為が企業秩序や職場規律に及ぼした有害な影響は看過しがたい」などと厳しい言葉を並べて指摘した。

一九八六年に施行された男女雇用機会均等法は、企業にセクハラ対応を義務付けている。しかし、議会でのセクハラやじに象徴されるように、社会の意識は十分に高まったとはまだ言えない。

全国の労働局に二〇一三年度に寄せられたセクハラ相談は約六千二百件にのぼる。この数字も氷山の一角にすぎないだろう。

下品な言辞で困惑させたり侮辱するのは、個人を傷つけるだけでない。就業意欲も職場環境も壊してしまう。企業ブランドにさえ傷がつきかねない。働く場の指針も厳しく見直す時代といえる。
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[毎日新聞] 社説:汚染土搬入容認 地元決断復興に生かせ (2015年02月27日)

除染と復興の加速に向けた、新たな一歩といえるだろう。

東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設(福島県大熊、双葉両町)について、県と両町が施設への汚染土搬入を容認し、政府との間で安全協定を結んだ。内堀雅雄知事は、復興には「早急に汚染土を処理する必要がある」と述べた。政府は決断を受け止め、施設の建設、運用を安全かつ着実に進めなければならない。

中間貯蔵施設は、福島第1原発の周囲16平方キロに汚染土を入れる設備や焼却炉などを造る。貯蔵容量は約2550万立方メートル(東京ドーム約20杯分)で、最長で30年間保管する。

昨年9月、佐藤雄平前知事が建設受け入れを政府に伝えた。その際、搬入開始については、汚染土の県外最終処分の法律への明記や新たな交付金の創設など5項目の条件を示した。政府も了解し、最後まで協議が続いていた項目が安全協定だった。

締結された協定では、県と両町に施設への立ち入り権限を認めた。地域住民も参加する環境安全委員会を設置し、施設の監視や安全確保のための助言をすることも盛り込んだ。

これらは、住民の安心、安全を担保する上で妥当な措置だろう。

政府は東日本大震災から4年となる3月11日までの搬入開始を掲げていたが、両町長は「鎮魂の日なので遅らせてほしい」と求めた。当然の要望で、政府も応えるべきだ。

施設を巡る政府と地元自治体との交渉は決着したとはいえ、約2300人とされる地権者との用地交渉が難航するなど課題は山積している。

福島県内では除染で出た汚染土が約7万6000カ所で分散保管されている。できるだけ早くなくしたいというのが地元の総意だろう。

だが、施設予定地の地権者の半数とは連絡も取れていない。政府は急きょ、予定地を所有する企業などから無償借用した土地を保管場として整備し、汚染土の仮置き場とした。用地交渉では、地権者それぞれの事情も考慮し、丁寧な説明を重ねて、理解を得ていかなければならない。

汚染土の搬入は、施設に近い9市町村から始まり、その後、全県に拡大する。当初1年間は試験搬入期間だが、搬入が本格化すれば、1日に約2000台の10トントラックが行き交う。国道6号や常磐道など一般車両も通行する道路が使われる。安全対策を徹底し、万が一事故が起きた場合も迅速に対処できる体制を整えておくことが重要だ。

騒音や排ガスなどの影響も心配される。住民の意見を反映し、渋滞を減らして環境面の影響を最小限に抑えるなど、輸送計画は柔軟に見直していくべきだ。

2015年02月27日 02時30分
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[毎日新聞] 社説:70年談話の論点 教訓をあいまいにせず (2015年02月27日)

安倍晋三首相が戦後70年の首相談話に盛り込もうと考えているテーマの輪郭が見えてきた。有識者会議(21世紀構想懇談会)の初会合で示された5項目の論点がそれである。

第1に「20世紀の経験からくむべき教訓は何か」。第2、第3は、その教訓を踏まえて「戦後日本の歩みをどう評価するか」「戦後日本が欧米やアジアの国々とどのような和解の道を歩んできたか」。

そして第4は「21世紀のビジョンをどう描き、日本がどのような貢献をすべきか」。最後に「戦後70周年にあたって日本が取るべき具体的施策とは」という構成だ。

敗戦までと、戦後の70年間にたどった日本の歩みを総括したうえで、未来志向に力点を置く談話にしたいという首相の狙いがうかがえる。

注意したいのは、最初に挙げられた「20世紀の教訓」という論点のくくり方だ。

20世紀は戦争の世紀だった。2度にわたる世界大戦は、局地戦が主体だったそれまでの戦争とは異なり、国家間の総力戦となった。加えて兵器の近代化により、おびただしい数の戦死者を出した。

その背景には、19世紀に本格化した列強の帝国主義政策がある。世界規模で始まった植民地の拡張競争に、日本など後発の帝国主義国が参入し、軍事衝突に発展した。

このため、20世紀の教訓という形で論点を一般化すると、日本の朝鮮半島支配や中国大陸への軍事侵略などが、帝国主義の一形態として相対化され、くみ取るべき教訓が曖昧になってしまう恐れがある。

そもそも戦後70年談話が国内外の注目を集めるようになったのは、安倍首相が1995年の村山富市首相談話にある「植民地支配と侵略」という歴史認識に否定的な姿勢を見せてきたからである。

もしも、村山談話の核心的な表現を薄めるために、20世紀の教訓が語られるとしたら、70年談話は日本の国際的な立場を強めるどころか、無用な反発を招き寄せてしまう。

安倍首相は有識者会議の初会合で「未来への土台は、過去と断絶したものではあり得ない」と語った。その言葉通りに過去に対する認識を揺るぎないものにすべきである。

国連で中国の王毅外相は「いまだに過去の侵略の罪をごまかそうとする者がいる」と演説した。中国が歴史を過度に政治利用し、自国の利益に結びつけようとするならば、日中の関係を傷つけるだけだ。

日本は中国の挑発に乗ることなく、欧米や東南アジアの各国を味方につけるような国際世論の形成に努めるべきだろう。その役割を担い得る70年談話であってほしい。

2015年02月27日 02時40分
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[読売新聞] 年金制度改革案 将来世代守る視点を忘れるな (2015年02月27日)

年金制度を老後の支えとなる形で将来世代に引き継ぐには、痛みを伴う改革が待ったなしだ。

その点で、厚生労働省がまとめた年金制度改革案には、疑問がある。今国会に関連法案を提出する方針だが、内容の再検討を求めたい。

最大の問題は、少子高齢化の進み具合に応じて給付水準を引き下げる「マクロ経済スライド」の完全実施を先送りしたことだ。

物価や賃金の上昇分より年金の増額を小幅にとどめ、給付抑制を図る仕組みだが、物価や賃金が下がるデフレ下や上昇率が低い時の抑制を制限するルールがある。

高齢者の反発を和らげるための措置が、給付抑制の遅れを招き、年金財政を悪化させている。

少子高齢化に伴い、将来世代の給付水準は、今より2、3割低下する見込みだ。今の高齢者に対する給付引き下げが遅れると、将来世代の年金財源が目減りし、給付水準はさらに下がってしまう。

将来世代の年金を確保するためには、経済情勢にかかわらず、マクロ経済スライドを完全実施することが不可欠である。

厚労省は完全実施を模索してきた。ところが、改革案では適用制限のルールを維持しつつ、抑制できなかった分を翌年度以降に繰り越す方式にとどまった。物価や賃金が大幅に上昇した際、まとめて差し引くという。

この案で懸念されるのは、デフレや低成長が続けば、繰り越しが重なり、いつまでも解消できなくなることだ。かつてのような高成長が難しい時代だけに、その可能性は低くない。

実例がある。マクロ経済スライド導入前の2000年前後に物価が下落した際、年金の減額を見送った。物価上昇時に調整する予定だったが、デフレが長引き、実現しなかった。結局、13年秋から3段階で減額する事態となった。

今回の改革案が後退した背景には、与党の反対がある。4月の統一地方選などを控え、高齢者の反発を避けたいという思惑があるのだろう。自民党の会合では「政権は選挙で成り立つ」と、完全実施に異議を唱える声が上がった。

高齢者に痛みを求める改革は、子や孫世代の安心につながることを、丁寧に説明し、理解を得る。それが政治の責任ではないか。

医療・介護を含めた社会保障改革は、安倍政権の重要課題だ。財政健全化のカギを握る。選挙の度に不人気な政策から逃げていては、実現は遠のくばかりだ。政府・与党の姿勢が問われる。
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[読売新聞] 言葉のセクハラ 厳格な処分を支持した最高裁 (2015年02月27日)

度を越した従業員のセクハラ発言に、企業が厳格に対応するのはもっともだ――。最高裁の明快なメッセージだろう。

女性従業員にセクハラ発言を繰り返した男性社員2人に対する懲戒処分を巡り、最高裁は処分を妥当だとする判決を言い渡した。

大阪の水族館運営会社で課長代理を務めていた2人は、部下の女性に「結婚もせんでこんな所で何してんの。親泣くで」「夜の仕事とかせえへんのか?」といった言葉を度々発した。

露骨な性的話題を口にすることもあったという。

会社は、2人を30日間と10日間の出勤停止処分としたうえで、係長に降格させた。

最高裁は、「強い不快感や嫌悪感、屈辱感を与え、執務環境を著しく害した」と、一連の発言の悪質性を認定した。

体への接触の有無にかかわらず、性的な言動で相手を不快にさせることは許されない。そんな警告と捉えることもできる。

1審の大阪地裁は、会社の処分を支持した。2審の大阪高裁は逆に、処分を無効と判断した。

高裁は、女性が明確に抗議しなかったことから、2人は自分たちの発言が許容されていると受け止めたと認定した。これを踏まえ、処分が重すぎると結論付けた。

セクハラへの理解を欠いた判断だったと言わざるを得ない。

最高裁は、セクハラの被害者について、「職場の人間関係の悪化などを懸念し、抗議や抵抗、会社への申告を躊躇(ちゅうちょ)することが少なくない」という点を重視した。実態を的確に捉えている。

ハラスメント被害に対し、「我慢した」「諦めて仕事を辞めた」という女性は、それぞれ3割前後に上るという調査結果もある。

2人は、職場のセクハラ防止に努めるべき管理職の立場にあった。それにもかかわらず、悪質な発言は1年余りにも及んだ。

こうした状況を考えれば、最高裁が、処分無効を求めた2人の訴えを退けたのは、当然である。

2007年に施行された改正男女雇用機会均等法は、相談体制の整備など、必要な措置を講じるよう事業主に義務付けた。運用指針では、厳正な対処を就業規則に定めることも求めている。積極的に取り組んでいる企業は多い。

だが、言葉のセクハラを軽視する風潮は、一部に根強く残っているのも事実だろう。最高裁判決を機に、セクハラに対する意識改革をさらに進めたい。
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[朝日新聞] ドローン―ルールと法の整備急げ (2015年02月27日)

「ドローン」と呼ばれる小型の無人飛行ロボットが、さまざまな分野で使われ始めている。

御嶽山噴火の際には降灰の確認に、福島第一原発では放射線が高い区域での調査に利用された。道路橋やトンネルの老朽化チェック、物資の輸送、不審者の発見・追跡といった防犯にも活用が期待されている。その一方で、事故やトラブルの増加や犯罪への悪用といった心配も生じている。

今ある法律は、ドローンの登場を想定していない。政府は成長戦略の一つとしてドローンの普及に向けた特区を設ける検討を進めているが、まずは安全確保や悪用防止へ、ルール作りや法整備を急ぐべきだ。

今、注目されているのは、複数の回転翼をもつヘリコプター型のドローンだ。コンピューターを搭載し、GPS(全地球測位システム)などから情報を得て翼の回転速度や姿勢を制御する。事前にプログラムを組み込むことで、完全自動飛行も可能だ。小型カメラつきの機種もあり、ネットで数万円から手に入れることができる。

様々な分野で活用され始めている一方で、事故やトラブルも目立つようになった。

昨年秋、神奈川県のマラソン大会で撮影用の無人ヘリが落ち、スタッフが負傷した。フランスでも不審な無人飛行機が大統領府や原発の上空で目撃されて騒ぎになり、米国では今年1月にドローンがホワイトハウスに墜落した。旅客機とのニアミス、麻薬の運搬や無断空撮によるプライバシー侵害なども懸念されている。

しかし、法整備は遅れている。日本の場合、空港周辺などを除き地上から250メートルまでなら航空法の規制外で、届け出や申請の必要もない。自動飛行時に事故を起こした場合の責任の所在も、操縦者なのかメーカーなのか、あいまいだ。すでに数千機ともされる普及の現状も十分に把握できていない。

米国政府は先日、商業目的のドローンについて、高度約152メートルまでで昼に限る、といった飛行条件や、操縦者の資格などを含めた規制案を公表した。また、政府機関がドローンを使用する際のガイドラインを検討し始めた。データ収集で人権を侵害する恐れがあるためだ。

日本政府は、法整備を今後5年以内に進める方針を打ち出してはいる。しかし、年内にも国内メーカーによるドローンの量産が始まるなど、現実が先行している。ドローンの問題点や懸念材料を洗い出して、早急に着手してほしい。
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[朝日新聞] 衆院選挙制度―アダムズと「朝三暮四」 (2015年02月27日)

猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ夕方に四つとしたら猿たちは少ないと怒ったので、朝に四つ夕方に三つとしたら喜んだ――。衆院の選挙制度改革を検討する衆院議長の諮問機関「衆議院選挙制度に関する調査会」(座長=佐々木毅・元東大総長)の議論をみると、「朝三暮四」の言葉が頭をよぎる。

調査会は「一票の格差」を是正するため、小選挙区の定数配分を「アダムズ方式」と呼ばれる新しいやり方で行うことを軸に検討を進めている。

この方式で現行の295議席を配分すると、青森、鹿児島など9県で1議席ずつ減る一方、愛知など4県で1議席、神奈川は2議席、東京が3議席増えて「9増9減」となる。2010年の国勢調査に基づく試算では、都道府県間の最大格差は1・598倍になるという。

佐々木座長は「アダムズ方式」の利点として?議席の増減の幅が小さい?人口減少にある程度対応することができる――などを挙げる。

しかし、アダムズ方式は、標準的な比例代表制の議席配分方式であるドント方式に基づいて各都道府県に議席を割り振った後、すべての都道府県に1議席ずつ加えた場合と同じ結果をもたらす。かつての「1人別枠方式」はあらかじめ1議席を各都道府県に割り振ったのに対し、アダムズ方式は後から1議席を加えるというだけの違いと言え、11年の最高裁判決の趣旨に照らして疑問がある。

同判決は、投票価値の不平等をもたらす「1人別枠」には合理性がないとし、速やかな廃止を求めた。3年前の法改正で1人別枠方式は条文から削除されたが、実質的には温存され、最高裁は国会に抜本的な改革を求めている。

調査会の議論では、アダムズ方式の計算過程には「1人別枠」の考え方は入っておらず、結果として同じになるだけだから問題ないという趣旨の意見も出ているようだが、果たして国民の理解を得られるだろうか。

そもそも、公表されている議事概要を読む限り、調査会には、民主的平等とは何かという根本的な議論が欠けている印象がぬぐえない。

有権者の意思を適正に反映する選挙制度は、民主政治の基盤であり、本来、衆参両院の役割分担を踏まえた一体的な議論が不可欠である。昨年12月に衆院選が行われたことで、調査会は時間的余裕を手にしたはずだ。拙速と短絡に流れることなく、「専門家」として、幅広い見地からの議論をお願いしたい。
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