2015年01月31日

[産経新聞] 【主張】「安倍談話」 国際平和への歩み唱えよ (2015年01月31日)

安倍晋三首相が検討している戦後70年談話をめぐる議論が、国会でも活発化した。

談話は大きな節目に自国の歴史を振り返り、日本が今後歩もうとする道を内外に示すものとなる。多くの意見がかわされることは望ましい。

過去への反省という観点から、「村山談話」を継承するかどうかが焦点となっている。

だが、村山談話は当時の村山富市首相が「植民地支配と侵略」を一方的に謝罪したもので、政府内でもほとんど議論はなかった。

作成経緯の検証が不可欠であり、それなしに歴代内閣が踏襲することは弊害が大きすぎる。根拠なしに慰安婦の「強制連行」を認めた河野談話も同様である。

首相は衆院予算委員会で、村山談話について「全体として受け継ぐ」と述べるとともに「一つ一つの字句を論評するつもりはない」と語った。「全体として」というのは、村山談話の継承に一定の留保をつけたとも受け取れる。

談話は過去の一時期の「国策の誤り」に言及したが、それがいかなる時代に限定したものなのかは、はっきりしていない。

ロシアの帝国主義に立ち向かい、国の独立を全うした明治まで含めるかどうかは問題になっていた。そうしたことなども検証を急いでほしい。

首相はまた、「今後、日本がどういう貢献をしていくかなどを明確に発信したい」と未来への歩みを盛り込む意向も示した。

戦後、一貫して平和路線を歩んできた日本が、引き続き自由と民主主義の価値観を重視し、積極的平和主義で国際平和に貢献していくというのは当然の判断だ。

首相は日本の抑止力強化に必要な集団的自衛権の行使容認をはじめ安全保障法制の見直しを図っており、憲法改正も視野に入れている。これらは、国際貢献路線に実効性を与える意味からも妥当なものといえる。

慰安婦を「日本軍の性奴隷」と決めつけるなど、史実に基づかない日本批判が国連や米国内にも広がっている。日本の戦争責任を喧伝(けんでん)する中国や韓国などの歴史戦には、事実による反論でしっかり対抗しなければならない。

日本は過去の教訓を忘れず、国際平和秩序を維持する役割を果たそうとしている。その点を丁寧に説明していくことも重要だ。
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[産経新聞] 【主張】ウクライナ東部 対露圧力強め流血阻止を (2015年01月31日)

ウクライナ東部で、同国政府との停戦合意を破って、親ロシア派武装勢力が攻勢を強め、再び戦火が広がっている。

プーチン露政権が親露派を後押ししているのは明らかである。欧米など国際社会は、制裁を中心に対露圧力を一段と強化し、一刻も早くこの軍事介入と流血の拡大を食い止めなければならない。

北大西洋条約機構(NATO)によると、親露派側に流入する兵器が増大し、ロシアからの援軍とされる兵員も9千に上るとウクライナ政府はみている。

親露派勢力に制圧された港町マリウポリでは、砲撃により民間人30人以上が死亡した。国連のフェルトマン政治局長は欧州安保協力機構(OSCE)監視団の報告として、「砲弾は親露派支配地から発射され、戦闘と関係ない場所が攻撃された」と述べた。

民間人を意図的に狙ったとすれば、絶対に許されない。

マリウポリは黒海の北のアゾフ海に面し、ロシアが武力併合したクリミア半島とロシア本土を陸路で結ぶ要衝だ。そこを親露派の支配下に置きクリミアの「孤島化」を避けることが、今回の作戦の目標の一つともいわれる。

クリミアをウクライナ領の旧状に復するよう求める国際社会に対し、武力でもぎ取ったものは手放さないというプーチン氏の意思を示しているともいえる。決して認めるわけにはいかない。

昨春来の東部の戦闘で死者はすでに5千人を超えた。犠牲者をこれ以上増やさないためにも、親露派と後ろ盾のプーチン政権は停戦合意に立ち返るべきだろう。

ロシア経済は制裁と収入の柱である原油価格の下落で悪化した。プーチン氏が軍事介入を、苦境から国民の目をそらす手段と考えているなら大きな間違いである。

欧州連合(EU)は臨時の外相理事会を開き、在欧資産を凍結する露政権と親露派の対象者を拡大することを決めた。オバマ米大統領も一般教書演説で、対露強硬姿勢の維持を表明している。

米国にはさらなる実効性ある制裁を発動し、ウクライナへの支援強化も検討してもらいたい。

日本も先進7カ国(G7)の一員として対露圧力とウクライナ支援で応分の責任を果たすべきだ。プーチン大統領の年内訪日にこだわるあまり、国際的な対露結束の足並みを乱してはなるまい。
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[東京新聞] 原発汚染水 処理に欠かせぬ信頼 (2015年01月31日)

東京電力は、福島第一原発内の高濃度汚染水を年度内に処理する目標を断念し、五月中へと延期した。大量の汚染水は廃炉作業の妨げになっている。しかし、その処分には国民の理解が欠かせない。

メルトダウン(炉心溶融)して溶け落ちた核燃料は、それが、どこに、どのような状態であるのかもわかっていない。

建屋には今も、一日三百五十トンの地下水が流れ込み、放射能に汚染され、たまっていきつつある。

対策の切り札として、東電は一昨年、多核種除去設備(ALPS)を導入した。六十二種類の放射性物質を除去できる。ただし水とそっくりな性質を持つトリチウム(三重水素、半減期一二・三年)汚染水だけは、ろ過できない。

この切り札もトラブル続きで、昨秋増強されたが、当初の目標には追いつかず、敷地内に立ち並ぶタンクには、二十七万トンの高濃度汚染水が残されて、廃炉・解体作業の支障になっている。

東電は、地盤を凍らせて地下水の流入を食い止める凍土遮水壁の運用に三月から取りかかる。しかし、効果は未知数だ。

汚水処理の入り口でつまずいた状態で、安倍晋三首相が表明した「コントロール下」の状態からはほど遠い。

ALPSが今後順調に機能し続けたとしても、トリチウムを残した水をどうするか、という問題は残る。

原子力規制委員会は二〇一七年以降に海洋へ放出すべきだとしているが、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は反発を強めている。水産関係者にとっては死活問題だけに、当然だ。

米スリーマイル島原発事故の際にも、約六千トンのトリチウム汚染水が残された。

米原子力規制委は、河川への放出など九通りの選択肢を地元住民に提示した。そうして選ばれたのが、ボイラーで少しずつ大気中に蒸発させるという方法で、処理には十年をかけた。

福島とは量が違う。廃炉は早く進めたい。しかし、トップダウンで決めるべきではない。

今のところ最終処理の決め手はない。だからなおさら、漁業関係者や地元以外にも選択肢を示し、それぞれの利点、難点、安全性や危険性を十分説明した上で、理解と合意を求めるべきである。

住民・国民の信頼なしには、汚染水の処理も廃炉も、円滑には進まない。
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[東京新聞] 外国人介護実習 低賃金固定化しないか (2015年01月31日)

厚生労働省は海外から「強制労働」とも批判される外国人技能実習制度の対象職種に介護職を加える方針だ。日本人の介護職員全体の待遇引き下げや、サービスの低下につながりかねず、問題だ。

外国人技能実習制度は、外国人に日本で働きながら技術を学んでもらい、その技術を途上国に移転させることを目的として一九九三年に導入された。しかし、実態は安価な労働力を供給する仕組みと指摘され、賃金未払いや低賃金の長時間労働といったトラブル、実習生が逃げ出すのを防ぐためにパスポートを取り上げるなどの人権侵害も起きている。

現在、製造業や農業など六十九職種を対象に約十五万五千人受け入れている。期間は最長三年。厚労省が二〇一三年に実施した調査では、実習生が働いている二千三百十八事業所のうち、八割で労働関係法令の違反があった。賃金不払いが二割あった。「日本人と同等額以上の報酬」と規定されているが、実習生の平均月収は十二万五千円。失踪者は増加傾向にあり、法務省によると一三年は約三千五百人に上っている。

米国国務省は一三年の人身売買報告書で日本の実習制度は「強制労働」と批判し、パスポートの取り上げや行動制限などを厳しく取り締まるよう勧告している。

問題の多い制度の対象に介護職を追加する狙いは人材確保だ。介護現場は人手不足が深刻だ。厚労省は二五年度に介護職員が最大二百五十万人必要になると見込むが、三十万人も不足するという。

厚労省の検討会がまとめた報告で、特別養護老人ホームなどの施設に限定する方針が示された。受け入れの条件とする日本語能力は小学校低学年程度のレベルに相当する第四段階。小学校高学年程度の第三段階で議論は進んでいたが、最終的に一段階落とされた。

介護は対人サービスであり、コミュニケーション能力は欠かせない。施設関係者は「日本語がまともにできなくては、高齢者との交流はできない。また、一番怖いのは事故。介護の事故は死に直結する」と不安を隠さない。

また、介護現場の人手不足の要因は低賃金だ。常勤の施設職員の平均月収は全産業平均よりも約十万円低い。実習制度の対象になることで、介護職員全体の賃金引き上げが妨げられる恐れがある。

厚労省は一五年度中に介護職を追加する方針だ。介護保険の将来に関わる問題であり、国会での活発な議論を求める。
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[毎日新聞] 社説:朝鮮総連本部 転売の経緯に疑問残る (2015年01月31日)

競売で高松市の不動産会社マルナカホールディングスが約22億円で落札した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地建物が、山形県酒田市の不動産会社に44億円で転売されるという。総連が賃借により継続使用する見通しだ。

最高裁がマルナカへの売却を最終的に認める決定をしたのが昨年11月だ。その際、マルナカは総連に立ち退きを求める方針を明らかにしていた。一転、総連の意向に沿って解決が図られることになったのはなぜだろうか。不可解な印象を受ける。

1990年代後半以降、相次ぎ破綻した朝銀系信用組合に巨額の公的資金が投入された。その焦げ付いた融資の多くが総連向けだったため、本部ビルが競売にかけられたのだ。

総連が実質的な痛みを伴わないまま本部ビルに居続けられるとすれば、いったい何のための競売だったのか。一連の経緯について国民への説明責任が政府にはある。国会の場でも真相を明らかにしてほしい。

経緯を振り返ってみたい。

破綻した朝銀信用組合の債権約627億円を譲り受けた整理回収機構が総連に対して返済を求めた訴訟で、全額返済を命じた判決が確定した。機構はそれを受け、2012年7月に東京地裁に本部ビルの競売を申し立てた。

1回目の入札で落札した宗教法人は代金を調達できずに取得を断念した。13年10月の2回目の入札でモンゴル企業が約50億円で落札したが、書類不備で許可されなかった。結局、次点だったマルナカへの売却が昨年決まった。

一方、北朝鮮による拉致被害者の再調査についての外交交渉が日朝政府間で進んだ。本部ビルの売買問題の影響が取りざたされたが、菅義偉官房長官は「司法的な手続きについて政府が口を出すことはない」と述べ、日朝交渉への影響も否定した。

そうした中、マルナカと酒田市の不動産会社の間を山内俊夫元参院議員が仲介し、総連側の意向も踏まえた上で、売却が決まったとされる。

毎日新聞の取材に対し、山内氏は「競売問題を解決することで、拉致問題を含めた日朝関係を進展させたいと考えた」と答えたという。

拉致被害者の再調査は、今回の本部ビル売買とは全く別の問題だ。本部ビルの売買は、公正な手続きの下で粛々と行われるのが筋だ。

それにしても、今回の転売には疑問が残る。民間の取引とはいえ、転売先の不動産会社の資金はどう調達されたのか。総連との賃借契約の内容が妥当なのかも気になる。

適切なかたちで公的資金が回収されたかどうかに最終的に結びつく問題ゆえうやむやにすべきではない。

2015年01月31日 02時30分
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[毎日新聞] 社説:ウクライナ緊迫 逆戻りは許されない (2015年01月31日)

和平を模索していたはずのウクライナ東部と南部で、激しい戦闘が再燃している。親ロシア派武装勢力とウクライナ政府軍の衝突による死者は今月だけで約300人に上り、昨年9月の停戦合意は破綻した。ロシアと欧米の対立も一気に緊迫している。逆回転を始めた時計の針を一刻も早く止めなければいけない。

昨年12月初め、それまでの停戦状態を確実にする手順が合意され、いったん戦火はやんでいた。当初はこれを受けて今月中旬にロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国首脳が集まり、和平への道を目指すことになっていた。

ところが今月初め、要衝のドネツク国際空港をめぐる戦闘が再燃し、親露派が制圧した。和平交渉を前に有利な立場を確保しようとしたのだろうが、戦火は市街地に拡大した。親露派と政府側それぞれの支配地区に相次いで砲弾が撃ち込まれ、多くの市民が犠牲になった。首脳会談の予定は取り消された。

国際社会に衝撃を与えたのは、政府側が支配するマリウポリの市場が砲撃され、30人以上が死亡した事件だ。国連のフェルトマン事務次長は安保理の緊急会合で「国際人道法違反の疑いがある」と親露派を非難した。一方の親露派は、先に住宅地への砲撃を始めたのは政府側だと主張して停戦合意破棄を宣言した。

米国や欧州諸国は、親露派がロシアの支援で戦闘能力を急速に向上させているとみて、ロシアが戦闘の沈静化に協力しなければ対露制裁を強化する方針を打ち出した。

ロシアはウクライナ介入を否定し続けている。プーチン大統領は、ウクライナ政府側の部隊の中核は「民族主義者の義勇兵」から成る「北大西洋条約機構(NATO)の外国人部隊」であり、その目的は「ロシアの抑え込み」だとして欧米への敵意をむき出しにしている。ウクライナ側も、最高会議(国会)がロシアを「侵略国家」、親露派を「テロリスト」と決めつける声明を採択するなど強硬姿勢を強めている。

だが双方とも自らの足元を直視してほしい。流血が続けば犠牲になるのは市民だ。欧米の制裁と原油安でロシア経済は悪化の一途をたどっており、これを止めるにはまず親露派の攻撃をやめさせることが先決のはずだ。

一方のウクライナには財政破綻の危機が迫っており、欧米や日本の支援を当て込んで戦闘を続けるべきではない。欧米も支援には限界があることを率直に伝え、双方を和平交渉のテーブルにつかせる努力をすべきだろう。

国連によると、昨年4月の戦闘開始からの死者数は5000人を超えた。これ以上の犠牲は許されない。

2015年01月31日 02時31分
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[読売新聞] 国内生産回帰 事業環境の改善を急ぎたい (2015年01月31日)

主要メーカーが、海外に移した生産拠点を国内に戻し始めている。

キヤノンは、コピーとプリンターの複合機など高価格品の製造を国内に移す方針を決めた。

日産自動車やパナソニックなどの大手企業も、生産の一部を国内に切り替える方向だ。

雇用や消費の拡大など、メリットは大きい。工場の立地する地方の経済活性化にもつながる。国内回帰の流れを歓迎したい。

日本メーカーは、1980年代以降、生産拠点の海外移転を加速させた。円高の進行で輸出価格が上昇する中、人件費などの安い新興国で生産することで、厳しい国際競争に勝ち抜くためだ。

特に、2008年のリーマン・ショック以降、1ドル=80円という超円高に直面し、国内の産業空洞化に拍車がかかった。

国内工場を閉鎖した大企業の雇用が失われただけでなく、大手に部品などを納入していた下請けや取引先の仕事も減った。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」による大胆な金融緩和が奏功し、円高は是正されたが、輸出回復の足取りは鈍い。14年は過去最大の貿易赤字を記録した。

円高の後遺症で、国内の生産基盤が弱体化し、日本の「稼ぐ力」が低下しているのではないか。

生産の国内回帰は、各企業にとっても利点がある。開発部門と生産現場の連携が密になり、製品化までの期間を短縮できる。海外の拠点から、独自技術が流出するリスクも軽減できる。

既存の施設の再利用にとどまらず、新たな設備投資につなげることが重要だ。各企業は省力化による生産性向上や、製品の高付加価値化を進め、再び円高に振れても空洞化に逆戻りしない、強い収益構造を作ってもらいたい。

民間の努力を後押しするためにも、国内の事業環境の改善は、喫緊の課題である。

原子力発電所が1基も稼働していない状態が続き、企業向けの電気料金は東日本大震災前に比べて平均3割も上昇している。

安全性の確認できた原発を着実に再稼働し、電力コストを引き下げなければならない。

政策による後押しも不可欠だ。労働規制の緩和や法人税実効税率の継続的な引き下げなど、成長戦略の推進が求められる。

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結もカギとなる。工業製品の関税引き下げによって、日本企業が輸出しやすい環境を整える必要がある。
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[読売新聞] 邦人人質事件 ヨルダンとの連携を大切に (2015年01月31日)

過激派組織「イスラム国」とみられるグループが指定した人質殺害の期限が過ぎた。今後の展開は予断を許さない。

政府は、ヨルダンと緊密に連携し、後藤健二さんの救出に向けて総力を挙げるべきだ。

犯行グループは、後藤さんの解放と引き換えに、ヨルダンで収監中の女死刑囚の釈放を要求した。実現しない場合、ヨルダン軍パイロットと後藤さんを殺すと脅している。死刑囚をシリア・トルコ国境に連れてくることも求めた。

人質殺害を予告し、解放の条件や期限を次々に変え、揺さぶりをかける。人命を弄ぶ卑劣な手口には、強い憤りを禁じ得ない。

ヨルダン政府は、パイロット解放を条件に、死刑囚釈放の用意があると表明した。死刑囚は同時爆破テロの実行犯だ。人質の命を優先し、超法規的措置を取るという厳しい決断をしたのだろう。

後藤さんと死刑囚の「1対1」の交換を求めるイスラム国と、どう折り合うか。水面下でギリギリの交渉が行われている模様だ。

ヨルダン情報相は「後藤さんの解放についても日本と協力して努力を続けている」と明言した。

長年の日本との友好関係を重視したものだ。日本は、欧米とも協調する穏健なヨルダンの役割を高く評価し、計3000億円以上の経済支援を実施してきた。

首脳の相互訪問も活発で、安倍首相とアブドラ国王は個人的な信頼関係を築いている。

政府が、ヨルダンに事件の現地対策本部を設置し、強固な協力体制を維持しているのは適切だ。日本が独自にできることは限られている以上、ヨルダンとの連帯を大切にしたい。

ヨルダン同様、日本との関係が良好なトルコの役割も重要だ。

イスラム国の支配地域に近いトルコ南部の国境周辺は、過去にも人質解放の舞台となった。イスラム国に拉致されたフランス人記者や、トルコ外交官らは、いずれもこの近辺で解放されている。

人質交換では、不測の事態もあり得る。人質を迅速に保護できるよう、トルコと十分協議し、万全の対策を講じる必要がある。

後藤さん救出は今が正念場だ。日本政府は、情報収集や関係国との調整に、従来以上に緊張感を持って取り組んでほしい。

野党の一部議員は、安倍首相の中東歴訪やイスラム国対策の2億ドル支援表明が過激派を刺激した、と批判する。だが、そうした批判は、日本の援助の趣旨をねじ曲げ、テロ組織を利するだけだ。
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[朝日新聞] 年金額の抑制―低所得者対策と一体で (2015年01月31日)

年金額が16年ぶりに引き上げられることになった。

実施は新年度から。だが、物価の伸びほど年金額は増えない。理由は、保険料を払う若い世代の減少を年金額に反映させる「マクロ経済スライド」が初めて適用されるからだ。

この仕組みは、2004年の法改正で導入された、年金額の抑制ルールだ。物価と賃金のうち低いほうの上昇率を見て、それより下回る幅での引き上げにとどめる仕組みだ。

年金制度は「世代間の仕送り」でもある。少子高齢化が進むなか、仕送りする側・支える側の保険料負担が重くなり続けることを避けるため、受けとる側の金額を実質目減りさせて「入りと出」のバランスを取る。制度維持のために必要な仕組みといえよう。

しかし、これまで一度も適用されたことはなかった。物価がマイナスになるデフレが続き、「デフレ下では適用しない」という前提条件があったことなどが理由だ。このため徐々に給付水準が目減りしていく見通しは外れ、現在の給付水準は想定より高い。

いまの高齢者への給付に将来分の原資を使っている格好で、その分、将来の水準は下がる。厚労省が昨年出した試算によると、インフレ時を想定したいまの抑制ルールを適用しても30年後に厚生年金は2割、国民年金は3割下がる。今後再びデフレが起これば、将来の給付水準はさらに低くなる。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省の審議会は報告書で、この仕組みによる給付水準の抑制が「極力先送りされないよう工夫することが重要」と指摘、デフレでも実施するような見直しをうながした。

若い世代が老後を迎えたときの「生活の安心」が底上げされれば、いま保険料を支払う納得感にもつながる。

高齢者にとって厳しい見直しになるのは確かだが、制度の維持と若い世代のために検討は必要だろう。その場合でも、低所得者への配慮は欠かせない。国民年金を実際に受け取っている額は、平均で月5万円程度。こうした人たちにも、抑制は一律に適用される。影響を少しでも和らげる手立てと一体でなければならない。

年金額が低い人に最大で月5千円支給する制度ができてはいるものの、消費税率の10%への引き上げ先送りによって支給開始も先送りになった。こうした手立てが確実に実施されなければ、抑制ルールの見直しに対する納得は得られない。
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[朝日新聞] 原爆症訴訟―法改正で解決図れ (2015年01月31日)

高齢の被爆者たちをいつまで法廷で争わせるのか。国は原爆症認定制度を根底から改め、全面解決を図るべきだ。

厚生労働相に原爆症認定申請を却下された被爆者らが起こした裁判で、大阪地裁は原告4人の病気を原爆症と認め、却下処分を取り消した。

全国で集団訴訟が始まった03年以降、国の敗訴は30回を超える。一連の司法判断を受け、厚労省は13年12月に基準を改め、がん以外の病気をより幅広く認定するようにした。

4人は、新基準でも認定の対象外とされた人たちだ。判決は、放射性物質を体内に取り込む内部被曝(ひばく)の影響を考慮せず、「過小評価の疑いがある」と、新基準の不十分さを指摘した。

認定についての国の考え方そのものに、疑問が投げかけられたといっていい。

原爆でどれほど放射線を浴びたかは、主に当時いた場所から推定するしかない。長年の研究で、被曝線量が高いほど病気になりやすいことはわかってきている。国は爆心地からの距離や投下後の時間をもとに原爆症と認めるか、線引きしている。

しかし内部被曝をはじめ、放射線の人体への影響は未解明な点が多い。裁判所はそういう前提に立ち、基準にあてはまらない人でも当時の状況や行動などを詳しく検討し、原爆放射線の影響が疑われる場合には原爆症と柔軟に認めてきた。

行政がこうした考え方を共有しない限り、司法判断とのずれは永遠に埋まるまい。

全国では今も被爆者89人が5地裁と2高裁で裁判を続ける。裁判を起こせずにいる被爆者はさらに多いだろう。

問題解決に向け、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は、今の認定制度の全廃を提案している。被爆者全員に月3万円程度の手当を支給し、放射線との関連が疑われる病気になった時は症状に応じて最高13万円程度まで加算する。その方向で法改正すべきだとの主張だ。

今も被爆者の9割超が月1万6千?13万円程度の手当を受けており、試算では、国の支出増は小幅にとどまるという。

不確かな被曝線量で線引きする今の認定制度より、妥当な制度といえるのではないか。

広島、長崎への原爆投下から8月で70年たつ。被爆者援護法も7月で施行20年となる。法改正を考えるいい機会だ。

被爆者は「戦争を起こした国が原爆被害者に償うことで、将来の不戦の証しにしたい」と願ってやまない。国はいま一度、その声に耳を傾けるべきだ。
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2015年01月30日

[東京新聞] 航空3位破綻 消費者利益を損なうな (2015年01月30日)

国内航空三位のスカイマークの破綻は格安航空との競争が激化する中で拡大投資が裏目に出たためだ。運賃引き下げを先導した同社の蹉跌(さてつ)が消費者利益を損なわぬよう政府や業界の努力を望みたい。

スカイマークは、旅行業大手、エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社として、一九九六年に設立された。大手の寡占状態だった市場に風穴をあけるため、政府の規制緩和によって相次ぎ誕生した新興航空会社の一つである。

当初の業績は低迷したが、起業家の西久保慎一氏が社長に就任した二〇〇四年から経営を刷新。機内サービスの簡素化や運航管理システムの自社開発化などにより全日本空輸や日本航空より割安な運賃を実現し、国内航空業界三位の地位を確立した。

だが、大手二社に対抗するかのような拡大路線が裏目に出る。国際線参入に向け、欧州エアバス社製の五百人乗り超大型旅客機「A380」を六機購入する契約をいったん結んだ。

年間売上高の二倍を超える身の丈に合わない巨額投資は、解約をめぐって巨額の違約金をエアバスから求められ、経営危機の引き金になった。

格安航空会社(LCC)の相次ぐ参入も、同社のビジネスモデルを根底から脅かす存在となった。

厳しい競争環境から、AIRDO(エア・ドゥ)やスターフライヤーといった新興航空会社の多くは単独では生き残れず、ANAホールディングスの出資を受けるなど軍門に下った。LCCの多くも全日空や日航など、大手の傘下にある。

心配なのは、大手二社の市場支配力がLCCや新興航空会社を含めて一段と強まる恐れがあることだ。新規参入があった路線では、大手が対抗して大幅な割引運賃を設定するなど、競争による運賃引き下げ効果が生まれた。独立経営を維持してきたスカイマークの破綻により、こうした動きが停滞したり寡占状態に逆戻りすることがあってはならない。

政府は、破綻した日本航空の再建で過剰な公的支援が競争をゆがめたと批判を浴びた。その経験も生かし、公正さを追求するのはもちろんだが、新興勢力の成長を後押しするなど利用者利便につながる競争環境は躊躇(ちゅうちょ)なく整えていくべきだろう。

スカイマークは路線便数を15%減らして運航を継続する。効率化を進め、いま一度消費者に支持される経営を目指してほしい。
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[産経新聞] 【主張】総連ビル転売 明確な経緯説明求めたい (2015年01月30日)

懸念していたことが起きた。都心の一等地にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビルが、競売で落札した不動産業者から別の業者に転売され、朝鮮総連が賃借で入居を続ける見通しとなった。

さまざまな関係者が登場して入札が繰り返される展開のあげく、本部維持を強く望んでいた総連を利する形になったといえる。

中央本部は北朝鮮の「大使館」としての機能を持つ一方、対日工作や事件にかかわってきたとされ、公安調査庁などは競売の行方を警戒していた。

転売の当事者や仲介者には、総連との関係や売買資金などをよく説明してもらいたい。それなしには、一体この入札は何だったのかという疑念は消えまい。

本部ビルが競売にかけられた発端は、破綻処理で多額の公的資金が投じられた在日朝鮮人系信用組合の不良債権問題にある。朝鮮総連に対する約627億円の債権を引き継いだ整理回収機構が、競売を申し立てた。

競売は1回目の入札で落札した宗教法人が資金を調達できずに断念し、2回目の入札でモンゴル企業が落札したものの、提出書類の不備で無効とされた。その結果、次点だった高松市の不動産業「マルナカホールディングス」が約22億円で落札した。

同社は「朝鮮総連の関係先に売却することはない」と明言していたが、山内俊夫元参院議員から山形県の不動産会社への転売を持ちかけられ、約44億円で転売する契約を結んだという。

山内氏は「日朝関係を考えてのこと」などと仲介理由を説明しており、総連は転売先から賃借して入居を続けるとみられる。

血税が投じられた不良債権問題で、その債務者が立ち退かずに入居し続ける事態となれば、国民の理解が得られるだろうか。民間取引だといっても、転売先業者がどこから資金を調達したのか、朝鮮総連と適正な賃貸契約が結ばれるのかなど、疑問点は多い。

日朝協議の交渉過程で、北朝鮮側はこの競売について日本政府に配慮を求めたが、菅義偉官房長官は「裁判所で手続きが行われており、司法に政治は介入できない」との見解を示していた。

この件で北朝鮮に譲歩したと受け取られてはなるまい。政府にも明確な説明を求めたい。
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[東京新聞] 辺野古海底調査 検証を待ち作業止めよ (2015年01月30日)

米軍基地新設のための海底掘削調査に向けた作業が再開された。翁長雄志沖縄県知事の中止要請にもかかわらずだ。政府はせめて、県の第三者委員会が検証を終えるまでは作業を中止すべきである。

沖縄の民意を踏みにじる暴挙と言わざるを得ない。米軍普天間飛行場(宜野湾市)返還のための代替施設の建設に向けて、防衛省沖縄防衛局が名護市辺野古沖で調査再開に向けた作業を始めた。

辺野古沖や埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、抗議活動を続ける県民らと警察官や海上保安庁職員らがもみ合い、けが人が出るなど騒然としている、という。

翁長氏が県警と保安庁の幹部を県庁に呼んで、抗議する県民らの安全に配慮して警備するよう申し入れざるを得ない異常さだ。

沖縄の民意は、普天間返還のためとはいえ、辺野古沖を埋め立てて新しい米軍基地を建設する「県内移設」を拒否し続けている。

昨年十一月の知事選に続き、十二月の衆院選でも県内四小選挙区の全てで「県内移設」反対派が勝利した結果を見れば明らかだ。

安倍晋三首相は「沖縄県での選挙結果は真摯(しんし)に受け止めたい」と言いながら、なぜ抗議する県民らを強権的に排除してまで「県内移設」を強行するのか。

安倍内閣は、知事選で敗北した仲井真弘多前知事の辺野古沖埋め立て承認を「県内移設」推進の根拠としているが、この承認の正当性が今、問われているのである。

沖縄県は前知事の埋め立て承認に法的な瑕疵(かし)がなかったか否かを検証する有識者六人による「第三者委員会」を設置した。二月上旬に初会合を開き、早ければ四月にも検証結果をまとめるという。

翁長氏は、埋め立て承認に瑕疵があるとの結論が出た場合、最大限尊重して対応し、瑕疵がなくても、辺野古に新基地を造らせない政策に変わりはない、という。

そもそも「県外移設」を公約して当選した仲井真氏の「県内」承認は民意を反映していない。安全保障政策上も県内移設の妥当性は疑問視されている。

安倍内閣は「県内移設」を白紙に戻すべきだが、せめて第三者委が検証を終えるまでは、作業を中止すべきだ。それが県民に対する最低限の礼儀ではないのか。

沖縄県以外に住む私たちにとっても人ごとではあり得ない。在日米軍基地の約74%が集中する沖縄の現実を、自らの問題と受け止めるべきであろう。
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[産経新聞] 【主張】スカイマーク破綻 安全と競争忘れず再生を (2015年01月30日)

国内3位の航空会社、スカイマークが民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。競争の激化による業績悪化に、大型航空機への投資失敗が追い打ちをかけた。

当面の運航は継続し、不採算路線の縮小などで再建を目指す上で、安全確保を最優先すべきなのは言うまでもない。

航空自由化の中、同社は平成8年に日本航空と全日本空輸に続く「第三極」として誕生した。市場競争を通じ、国内航空の運賃低下を促す一定の役割を果たした。

それだけに、再生にあたっては顧客の利便性を高め、航空市場の発展につながるよう、健全な競争を維持する視点が欠かせない。

経営責任を取って退任した筆頭株主の西久保慎一氏に代わり、社長に就いた有森正和氏は「当面の資金繰りにはめどがついている。運航に支障が出ることは一切ない」と会見で強調した。

だが、突然の経営破綻で社内外には動揺が広がっている。パイロットを含む社員らに対し、改めて安全運航の重要性を徹底するだけでなく、利用者にも運航状況などを丁寧に説明し、不安の払拭に努めてもらいたい。

スカイマークは航空市場への参入に際し、収益性が高い羽田空港の発着枠を優先的に割り当てられ、大手2社の寡占を切り崩す役割を期待された。料金の引き下げを先導し、現在の格安航空会社(LCC)が台頭する足がかりを築いたといえる。

LCCとの競争激化で、西久保氏は欧州エアバスからの大型航空機導入で巻き返しを考えたが、売上高の2倍を超える投資は円安などで撤回に追い込まれた。

大型機の解約をめぐり多額の賠償を請求されたことも、資金調達を圧迫したようだ。公共輸送機関として企業統治が機能しなかったとすれば、大きな問題である。

業績不振を打開するため、日本航空と全日空に求めていた共同運航について、引き続き協議するという。収益向上には、効率的に座席を販売するため提携が必要との判断だが、大手2社を含む健全な競争環境の確保が前提でなければなるまい。

同社以外の新興航空会社も競争に苦戦し、全日空の支援を受け入れた経緯がある。競争を通じ、多様なサービスや料金を提供するという、航空自由化の本分が改めて問われている。
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[毎日新聞] 社説:スカイマーク 新たな挑戦に期待する (2015年01月30日)

国内航空3位のスカイマークが経営破綻した。民事再生法のもとで支援先を探し、再建を目指す構えだ。大手による寡占状態に風穴を開ける新参者として期待された同社だっただけに、残念な結果である。

エア・ドゥ、スカイネットアジア航空など他の新規参入組は、すでに経営不振により大手の傘下に入っている。独立系で唯一生き残っていたスカイマークだ。日本の空から、競争を仕掛ける挑戦者がいなくなるようなことのないよう願いたい。

政府の航空自由化政策による参入規制緩和を受けて、1996年に設立されたスカイマークは、当時としては画期的な半額運賃を導入し、航空運賃に対する利用者の意識を大きく変える役目を果たした。

利用者ばかりではない。スカイマークや他の新規組に刺激されて、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)の既存大手も、割引運賃や新しいサービスの導入で対抗した。

しかし次第に、本格的な格安航空でも大手でもない中途半端な存在となっていったようだ。安さを徹底的に追求するのであれば、同一の小型機をそろえた方が効率的だが、座席間隔の広い中型機を新たに就航させ、コスト高で業績悪化を招いた。

とどめを刺したのが、エアバス社製超大型機「A380」の購入だ。結局、支払い能力の不足からキャンセルせざるを得ず、巨額の違約金を課されてしまった。大株主で社長だった西久保慎一氏が圧倒的支配力を持ち、暴走を制御する経営体制が不在だったことが失敗を決定的にしたと見られる。

失敗の責任は重いが、役所の采配のもとでJALやANAとの提携を進めるより、経営責任者が交代し、法律に沿った透明な形で再生を試みる方が望ましい。

もちろん容易ではないだろう。エアバス社が違約金の大幅減額に応じるか不透明で、交渉が長引けば、利用者離れが進む。時間との闘いだ。

ただ、世界を見渡せば航空会社の倒産や合併は珍しくない。スカイマークの破綻をもって「航空自由化は失敗した」と結論付けるのは間違いだ。寡占状態に戻り、競争を刺激する存在がいなくなることはJALやANAにとっても、利用者にとっても長期的に不幸である。

国内線市場は、放置すれば人口減に伴い縮小する一方だ。増加余地の大きい外国人渡航者をいかに引き込むかが、活性化の大きなカギとなる。アジアの格安航空会社と組むのも一つの手ではないか。不採算路線の削減などで再建を図るというが、リストラだけでは不十分だろう。

業界秩序重視の発想や常識を打ち破る挑戦者の浮上を期待する。

2015年01月30日 02時40分
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[毎日新聞] 社説:汚染水処理 態勢整え着実に進めよ (2015年01月30日)

東京電力福島第1原発の汚染水対策が、一筋縄ではいかないことが改めて浮き彫りになった。

東電は、同原発に保管中の高濃度汚染水について、目標としていた今年度中の全量浄化処理を断念した。放射性物質を取り除く多核種除去設備「ALPS」が想定通りに稼働していないためだ。今後の廃炉作業にも影響が及びかねない事態である。政府・東電は問題点を洗い出し、処理を着実に進める必要がある。

福島第1原発の敷地内には汚染水を保管するタンクが林立する。まるで石油備蓄基地のようだ。

同原発では、地下水が建屋に流入して溶け落ちた核燃料に触れ、汚染水が1日約300?400トンずつ発生している。高濃度汚染水をタンクにため続けると、漏えいのリスクが増す。強い放射線を出すため、作業員の被ばくにつながる。東電はALPSなどで処理してきたが、27万トン余りが未処理のままだ。

今年度中の処理終了は、東京五輪招致活動で安倍晋三首相が「(同原発の)状況はコントロールされている」と述べたことなどを受け、東電が約束した。しかし、ALPSには国の予算が投入されており、安倍首相は「国が(汚染水対策の)前面に立つ」と述べてきた。首相や政府も処理遅れの責任を免れない。

ALPSは汚染水が含む放射性物質のうちトリチウム(三重水素)を除く62種類を除去できる。新たな技術であり、必ずしも期待通りに稼働するわけではない。政府・東電は見通しの甘さを反省すべきだ。

汚染水増加防止の抜本策として、東電は1?4号機を氷の壁で囲み、地下水流入を止める「凍土遮水壁」の運用を今年3月に始める予定だ。世界初の試みで、計画通りにできるか疑問視する専門家もいる。

政府・東電は3月にも廃炉工程を見直す方針だ。スケジュールありきでなく、対策の失敗も織り込んだ重層的な対応を求めたい。

福島第1原発の廃炉を巡っては、国の関与を強めようと昨年8月に原子力損害賠償・廃炉等支援機構が発足した。原子力規制委員会や経済産業省の汚染水処理対策委員会など他にも関係する組織は多い。政府は、東電への指導・監督体制や責任の所在を明確化すべきだ。

今月、福島第1原発と第2原発で労災死亡事故が続けて起きた。安全管理の緊急点検のため、第1原発では事故の収束作業の中断が続く。

第1原発の作業員は1日当たり約7000人に上る。遮水壁の建設などに伴い、2年前に比べ倍増した。労災が相次ぐようでは、廃炉作業も進まない。作業員の安全性確保は、最優先の課題だ。

2015年01月30日 02時30分
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[読売新聞] スカイマーク 強引な経営手法が招いた破綻 (2015年01月30日)

強引な拡大路線が招いた破綻劇と言えよう。

国内航空会社3位のスカイマークが、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。

今後は裁判所の管理下で、経営再建を目指す。コスト削減のため路線や便数を絞り込み、運航を継続していく方針という。

突然の経営破綻だけに、社内の動揺も大きいだろう。現場の混乱を防ぎ、安全運航に万全を期さなければならない。

スカイマークは、独立系航空会社として1998年に就航した。全日本空輸と日本航空の2強に対抗する「第3極」を育て、競争を促進する。こうした政府の航空自由化政策に沿った設立だった。

「大手の半額」という低料金を売り物に注目されたが、値下げ競争で収益は低迷した。

2004年にIT企業創業者の西久保慎一氏が社長に就任し、業績を盛り返したものの、格安航空会社(LCC)の相次ぐ参入などで、再び苦境に立たされた。

LCCとの差別化を狙った座席の広い中型機への切り替えは、乗客数の伸び悩みで裏目に出た。

国際線への参入のため一括契約したエアバスの超大型機6機の購入も、支払いのメドが立たなくなり、7億ドル(830億円)の違約金を請求される事態となった。

6機の価格は、年間売上高の2倍と巨額だった。ワンマンとも評される西久保氏ならではのトップダウンの判断だったが、見通しの甘さは否めまい。

当面は、国内の投資ファンドが資金繰りなどを支える。だが、本格的な再建には、他の航空会社の協力が欠かせない。

スカイマークは、羽田空港に36の発着枠を持つ。乗客の多い「ドル箱路線」の増便が期待できることから、全日空や日航に加え、海外勢がスカイマーク支援に名乗りを上げる可能性もあろう。

ブランド力に勝る大手と、安さが人気のLCCの狭間(はざま)で、スカイマークがどう活路を開くか。再生計画の実効性が試される。

スカイマーク破綻に、航空行政も有効な手を打てなかった。

経営改善策として、スカイマークは日航との共同運航を提案したが、公的支援で再生した日航の事業拡大につながることを理由に国土交通省は難色を示した。全日空を交えた共同運航などを模索するうちに、経営が行き詰まった。

競争促進による利便性向上と、航空会社の経営安定をいかに両立させていくか。航空行政の在り方を点検すべきだ。
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[読売新聞] 内閣官房改革 効率的な「官邸主導」の実現を (2015年01月30日)

肥大化した組織を整理し、内閣が全体として、より効率的に業務を行える体制を築きたい。

政府が、内閣官房と内閣府をスリム化する業務見直しの基本方針を決めた。与党の提言に基づき、計20業務の統廃合や移管を3年程度で行う。関連法案を今国会に提出する。

内閣官房では、郵政民営化、法曹養成制度改革など4業務を廃止する。宇宙開発や地域活性化など6業務は内閣府に移管する。

内閣府からは、犯罪被害者施策を国家公安委員会、自殺や薬物の対策を厚生労働省に移すなど、10業務を最も大きな役割を担う他省庁に移管する予定だ。

2001年の中央省庁再編後、内閣の看板政策や省庁横断的な政策を、縦割りを排して「首相官邸主導」で進めるため、内閣官房と内閣府に約90業務が追加された。併任を含む職員は計約3500人から約5900人に膨らんだ。

この中には、既に一定の役割を終え、「官邸主導」で取り組む必要性が薄れた業務が少なくない。職員を出向させている省庁が恒常的に人員不足に陥り、関係省庁間で責任の所在が不明確になるといった深刻な弊害も生じている。

山口沖縄・北方相が現内閣で最多の12部局を担当するなど、内閣府特命相が多数の業務を抱え、個別政策に目配りできない状況にある。国会でも、内閣委員会に法案が集中し審議が滞りがちだ。

この現状を整理し、各閣僚を優先度の高い業務に専念させるのが今回の狙いだ。方向性は妥当であり、着実に進める必要がある。

スリム化は、12年にも実施されたが、限定的だった。

今回は、業務の移管先の省庁に、定員・予算のほか、政策の「総合調整権限」を与える。

これにより、例えば、自殺対策を担当する厚労省は、警察庁や文部科学省との政策調整がしやすくなる。適切な措置である。

今回の改革を、看板の掛け替えに終わらせてはならない。関係省庁の対立による「縦割り行政」が復活しないよう、担当閣僚が指導力を発揮することが重要だ。業務見直しに合わせた適正な人員の配置も欠かせない。

基本方針には、内閣官房と内閣府に新たな業務を追加する場合、原則として法律に期限を明記し、3年後をメドに業務を再び見直すことも定めた。新たな肥大化を防ぐことが大切である。

今回の見直しを機に、より効率的な「官邸主導」を可能とする組織改革を続けるべきだ。
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[朝日新聞] 原発事故処理―安全と着実さが最優先 (2015年01月30日)

大量の放射性物質が放出された福島第一原発の事故から3月で4年。4号機からの核燃料取り出しは予定通り昨年末に終わった。放射線源になるがれきの撤去が進み、顔全体を覆う全面マスクの必要な範囲が狭まるなど、事故処理の歯車がようやくかみ合ってきた部分がある。

一方、東京電力は昨秋、1号機の燃料取り出しが従来の見込みより2?5年遅れると明らかにし、今月はタンクにたまった放射能汚染水の処理が予定通りには終わらないとも公表した。

ずれ込みの背景には、未曽有の事態で既存の技術やノウハウが通用せず、想定通りに進めない実情がある。

いまだに巨大なリスクを抱える現場である。東電は安全と着実さを最優先に事故処理を進めるべきで、迅速さを求めるあまり、拙速になってはならない。

福島第一では13年4月に約3千人だった平日の作業員が、現在は2倍以上の約7千人に増えている。

それでも、燃料が溶け落ちた1号機では、燃料がどこにどんな形状であるのか、どこから取り出したらいいのかも、まだわかっていない。強い放射線の下で燃料の状態を確かめる技術から開発しなければならない。

国と東電の13年6月段階の廃炉工程表では19年度だった使用済み燃料の取り出し開始を21年度に、20年度だった溶け落ちた燃料の取り出し開始を25年度に遅らす。それが東電の方針で、事情は2、3号機も同じだ。

高濃度汚染水の処理も、東電の広瀬直己社長が13年9月に安倍首相に今年3月末までに終えると約束した。だが、それも放射性物質を取り除く設備の不調などで、想定の約6割しか処理できていない。

いずれも、予定通りにはいかない固有の事情がある。

先週、協力会社の作業員が高さ11メートルのタンクから転落して死亡する労災事故が起きた。原因は調査中だが、作業員が増えるにしたがって、事故も増えてきている。今年度は昨年11月までに40件と、13年度(23件)から大幅に増えている。

スケジュールに縛られ、安全管理が二の次になっていなかったか。労災を招くミスは新たな放射能汚染も招きかねない。

原子力規制委員会は先週、福島第一の中期的なリスク低減目標の見取り図をまとめた。労災を重く見て労働環境の改善を含めている。

事故処理が安全に、着実に進むために、規制委に限らず、政府は現場の実情を踏まえて支援する必要がある。
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[朝日新聞] スカイマーク―空の競争を立て直せ (2015年01月30日)

国内航空3位のスカイマークが民事再生法の適用を申請した。日本航空と全日本空輸を中心とする体制に風穴を開けようと、政府の後押しも得て参入したが、20年弱での挫折である。

民間投資会社の支援で運航を続けながら、大手2社との業務提携も視野に再建を目指すという。航空会社にとって安全の徹底は最低限の責任だ。関係者全員が肝に銘じてほしい。

格安航空会社(LCC)が台頭するなかで、スカイマークが売りにしてきた「安さ」が強みを失いつつあった。その打開策としてもくろんだ国際線への進出は頓挫し、航空機を納めるはずだった欧エアバス社とトラブルに陥った。経営を主導してきた西久保慎一社長の退任は当然だろう。まずは足元を固め、戦略を練り直してほしい。

スカイマークの動向とともに気がかりなのは、わが国の国内航空の競争の行方である。

スカイマークなどの参入で価格(運賃)競争がやっと本格化した路線は少なくない。航空会社にとってドル箱でもある羽田空港の発着路線で、大手2社以外の「第3極」を維持・拡大していけるかがカギになる。

スカイマークと同様に羽田便に参入した地域航空3社は、いずれも単独での経営を断念し、全日空から出資を受けている。LCCが少しずつ力をつけてきているが、大手2社のグループ企業が中心だ。

国土交通省が進めてきた航空分野の自由化は大原則だ。ただ、その結果が寡占では利用者利益の実現が怪しくなる。大手2強と羽田一極集中という国内航空の特殊性を踏まえ、どうかじ取りするのか。国交省の役割と責任は小さくない。

その際のキーワードは「透明性」だろう。関係業界だけでなく国民の納得を得るには、政策判断の過程と理由を明らかにすることが欠かせない。

国交省は自らの姿勢を省みるべきだ。スカイマークを巡っても、日航との提携方針を打ち出した際に太田国交相が「厳しく判断する」と語り、全日空を巻き込む方向に事実上誘導した。

民主党政権のもとで破綻(はたん)しながら劇的な再生をとげた日航に対しては、かつて蜜月関係にあった自民党の厳しい姿勢が目につく。そんな政治状況への配慮がなかったと言い切れるかどうか。日航だけとの提携が公平な競争を妨げると考えたのなら、きちんと説明するべきだ。

スカイマークとともに頓挫した空の競争を立て直すには、国交省が「政治」との関係を見直すことが出発点となる。
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