2014年10月21日

[東京新聞] 幕引きは許されぬ 安倍内閣2閣僚辞任 (2014年10月21日)

安倍内閣の閣僚が相次いで辞任した。ともに有権者への利益供与疑惑での引責だ。これを幕引きとせず、事実関係を徹底調査し、明らかにすべきである。

九月の内閣改造から一カ月半あまり。小渕優子経済産業相と松島みどり法相が、一日のうちに続けて辞表を提出し、受理された。

閣僚をめぐる問題が次々と発覚した第一次内閣では、対応が後手に回って五人の閣僚が相次いで辞任し、安倍晋三首相自らも、一年の短命内閣に終わった。

首相官邸には今回、早めに手を打ち、政権運営への影響を極力避ける狙いがあったのだろう。


◆首相の任命責任重い
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改造内閣では、過去最多に並ぶ女性五人が閣僚に起用された。小渕、松島両氏も、女性の活躍推進という第二次安倍改造内閣の象徴として起用された二人である。

そもそも閣僚として適格か、十分に検討した上での起用だったのか。首相の任命責任は重大だ。

特に松島氏は法務をつかさどる閣僚だ。選挙区内で配布した「うちわ」が公職選挙法違反の疑いで告発状が受理される異例の事態である。辞任はやむを得まい。

小渕氏は、後援会の観劇会で、会費収入を上回る支出が政治資金収支報告書に記載されていた。

辞表提出後の記者会見で、参加者からは実費を集めており、公選法違反の利益供与には当たらないと強調した。一方、虚偽記載で政治資金規正法違反の疑いがあることは事実上認め、弁護士や税理士を交えて調査する考えを示した。

ただ、弁護士らを交えるとはいえ、身内が主体の調査では限界があるのではないか。

群馬の市民団体は、小渕氏の問題について、公選法と政治資金規正法違反の疑いで東京地検に告発した。法律にのっとって手続きを進めるべきではある。


◆国会で説明を尽くせ
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ただ国会議員は、国権の最高機関である国会という場を何よりも大事にすべきではないか。

小渕、松島両氏は辞任理由に、国会審議への影響を挙げている。閣僚としては当然の心構えだろうが、小渕氏は委員会での答弁で調査すると約束した以上、辞表提出前に国会で説明すべきだった。

両氏とも、閣僚を辞めたからといって国会議員としての責任を免れるわけではない。法律違反が明らかになれば、議員の要件を欠くことになりかねないからだ。

国会ではまず、原則非公開で偽証罪に問われない「政治倫理審査会」(政倫審)で審査するのが、現実的な方法だろう。疑惑が深まれば、証人喚問もやむを得まい。

今、求められているのは、国会や国会議員としての自浄能力である。閣僚辞任を疑惑解明の幕引きにしてはならない。

小渕氏の「政治とカネ」の問題が見せつけたのは、政治資金をめぐる病根の深さだ。

政治家側が差額を補填(ほてん)する公選法違反の利益供与は論外だが、観劇会のような後援会行事は小渕氏に限ったことではないという。

有権者側に政治家から何かをもらおうとの意識はなかったか。松島氏のうちわも、そうした意識に応える意図があるのではないか。

政治家の姿勢を正すには、有権者の側がまず意識を改めることが必要だ。自重を呼び掛けたい。

収支報告書の虚偽記載や、政治資金の不適切な使用も深刻だ。

小渕氏側が、観劇会費用の差額を補填していなかったら、報告書の虚偽記載は一千万円を超える。こんな巨額の虚偽記載が日常的に行われているとしたら驚きだ。

小渕氏は、親族企業からネクタイやハンカチを政治資金で購入し、選挙区外の有力支援者らに贈っていたという。適切な支出だったのか。いくら否定しても公私混同批判は免れまい。

「政治とカネ」の問題は政治不信の元凶だ。政治資金は正しく集め、正しく使うことはもちろん、使途報告やその証明も厳格に行うべきである。各議員はもちろん、政治にたずさわるすべての人は、いま一度、襟を正してほしい。


◆文書通信費にメスを
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小渕氏の「政治とカネ」をめぐる問題は、公開前提の政治資金収支報告書から辛うじて明らかになったが、問題とすべきカネはほかにもある。歳費とは別に国会議員一人当たり年額千二百万円が支給される文書通信交通滞在費だ。

郵便や電話の料金、出張旅費などに充てる経費として支給されているが、正しく使われていたとしても、使途報告や領収書提出が不要のため、確かめようがない。

この際、使途公開と領収書添付を義務付けるべきではないか。年額千二百万円が妥当なのか、約三百二十億円の政党交付金の見直しと合わせて検討すべきだ。小渕氏の問題を「トカゲの尻尾切り」に終わらせてはならない。
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[産経新聞] 【主張】2閣僚辞任 「議員の資格」も疑わしい (2014年10月21日)

改造から2カ月もたずに看板閣僚が降板する異常事態である。

後援会の観劇会の収支に巨額の食い違いが生じた小渕優子経済産業相が、安倍晋三首相に辞表を出し、受理された。選挙区で名前入りのうちわを配った松島みどり法相も辞任した。

いやしくも閣僚による違法性を疑われる行為の続発は、国民の信頼を著しく損なう。女性活躍推進の方針にも泥を塗った。辞任はやむを得ない。政権のたがの緩みも指摘される。

首相は当事者が疑惑を徹底解明し、説明責任を果たすよう、自浄作用を強く促すべきだ。

小渕氏は調査結果の公表を待たずに辞任した。巨額な食い違いの説明が困難で、辞任によってしか乗り切れないと判断し、職責を放棄したとの印象が拭えない。

最大の問題は、観劇会の参加者から集めた実費の総額と劇場への支払額に乖離(かいり)があり、政治団体側が補填(ほてん)していなかったかどうかという点にある。

観劇などへの招待は、当選を得る目的で行えば公選法上の買収にあたる。候補者や選挙運動の責任者らの場合、4年以下の懲役、禁錮または100万円以下の罰金という罰則がある。連座制が適用されれば、本人の関与がなくても当選が無効となり、公民権が停止される重い犯罪である。

小渕氏が会見で、第三者による客観的調査を行うと述べたのもおかしな話だ。自分や会計責任者には、政治資金をコントロールできないと認めるものだ。

松島氏は辞任会見で、うちわ配布について「法に触れることをしたとは思っていない」と語った。選挙の公正さを確保する公選法の趣旨を否定するのか。非を認めない態度にはあきれる。このような認識や態度で、両氏とも議員活動を続けられるのだろうか。

小渕氏に限らず、観劇会のような支持者向けの行事のあり方も再考すべきではないか。会費を徴収しても主催者側の一定の持ち出しはあり得る。それが大きな金額となり、「格安ツアー」として定着すれば問題だ。

支援者への贈答品の問題は、有権者へのサービス合戦がいまなお続いている疑念を抱かせる。

これを契機に、党として政治資金の透明化に改めてメスを入れなければ、古い自民党のあしきイメージを想起させるだろう。
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[産経新聞] 【主張】国連慰安婦報告 反論書を公開し誤解正せ (2014年10月21日)

事実をねじ曲げ、誤解を助長する報告書を放置はできない。

慰安婦を「性奴隷」とした国連人権委員会(現人権理事会)の「クマラスワミ報告書」に対し、日本政府が一部撤回を求めたのは当然である。

作成者であるスリランカの女性法律家、クマラスワミ氏は修正を拒否したというが、極めて残念で不誠実な対応と言わざるを得ない。事実に基づき撤回すべきだ。

同報告書は、1996(平成8)年に国連人権委に提出され、慰安婦を「軍性奴隷」と表現し、日本政府に元慰安婦への賠償などを勧告した。「1000人もの女性を慰安婦として連行した奴隷狩りに加わっていた」とする吉田清治氏の証言が引用されている。

日本政府は、朝日新聞の吉田証言に関する記事が誤報として取り消されたことを機会に、外務省の佐藤地(くに)人権人道担当大使がクマラスワミ氏に会って要請した。

クマラスワミ氏は、「吉田証言は証拠の一つにすぎない」として報告書の正当性を強弁しているという。しかし、強制連行説の発端となった証言である吉田証言が嘘だと明確になり、慰安婦を「性奴隷」だとして問題を追及する根拠は破綻している。

吉田証言だけではない。同報告書が依拠しているオーストラリア人ジャーナリストの著作も明らかな誤りが多いことが分かっている。ほかにも根拠とされる元慰安婦らの証言も一方的なもので、事実確認されたものではない。

日本政府は96年の同報告書提出直後に、「歴史の歪曲(わいきょく)に等しい」などと批判する反論書をつくり、いったん提出したが、反発を恐れて撤回してしまった。

産経新聞の取材でこの反論書は、報告書が「本来依拠すべきでない資料を無批判に採用」していることなど事実誤認を詳しく指摘したことが分かっている。法的責任も解決済みであることを国際法に基づき明確にしている。反論書を公開し、国際社会に分かりやすく説明していくことが有効だ。

日本政府は先の国連の場でも「女性の人権を重視し、元慰安婦を救済してきた」ことを説明している。誤解を放置すれば、問題が蒸し返され、日本がおとしめられるばかりだ。誤解払拭には河野洋平官房長官談話の見直しも欠かせない。事実をもとに正していかなければならない。
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[毎日新聞] 社説:閣僚ダブル辞任 失態を謙虚に反省せよ (2014年10月21日)

異常な事態である。不明朗な政治資金や地元での物品配布がそれぞれ問題になっていた小渕優子経済産業相、松島みどり法相が同じ日にダブル辞任に追い込まれた。

第2次安倍内閣で閣僚が不祥事で交代するのは初めてだ。わずか1カ月半前の改造人事で目玉だった女性5閣僚のうち2氏の失脚だけに政権の受けた打撃は深刻だ。

安倍晋三首相の任命責任は重い。幕引きを急ぐばかりではなく政権のゆるみを真摯(しんし)に反省し、信頼回復に努めなければならない。

◇責任重い首相人事

「国民の皆様に深くおわびを申しあげる」。午前に経産相、午後に法相から辞表を受け取った後に首相はこう語り、国民に陳謝した。

まず、政治資金問題の深刻さを露呈したのが辞任に伴う小渕氏の記者会見である。自ら「大きな疑念がある」と矛盾を認める以上、閣僚辞任は当然だ。だが、疑問点の解明からはあまりに遠い内容だった。

小渕氏の疑惑の核心は、支援者向けに恒例で実施していた観劇会をめぐる政治資金の不透明さだ。小渕氏の二つの政治団体は2010年と11年の観劇会での支出が収入よりも2600万円以上、上回っていた。しかも、12年分については記載すらないことも新たに判明した。

記者会見で小渕氏は参加者から1人1万2000円の実費を集めたとの説明を繰り返した。それでも記載された収入額とずれがある。政治資金収支報告書への記載義務違反や、選挙民への利益供与を禁じる公職選挙法に抵触しかねないという疑惑は残されたままだ。「わからないことが多すぎる」というのは小渕氏以上に国民が抱いた印象であろう。

小渕氏は故小渕恵三元首相の地盤を継いだ。「監督責任が十分でなかった」と語るが、父譲りの組織に安易に乗っかってきたツケではないか。資金管理団体で、親族が経営する店から購入した多額の「品代」を支出するなど公私のあいまいさも指摘された。基本的に政治資金管理の認識が甘すぎる。

野党からは議員辞職を求める声も出始めている。国会で早急に調査結果を説明しなければならない。

やはり改造で入閣した松島法相も地元での「うちわ」配布について民主党議員から公選法違反容疑で刑事告発され、法務行政のトップとして深刻な状況となっていた。

法相就任後もうちわを配っていたことからは順法精神の希薄さがうかがわれ、法相として責任は免れなかった。小渕氏との同時決着には早期の収拾を図る政権側の意向も感じられた。

理解できないのは松島氏が記者会見で語る辞任理由が「内閣の足を引っ張れない」などの説明に終始し、選挙管理委員会によっては配布禁止を明示しているうちわを配ったことへの反省がほとんど聞かれなかったことだ。うちわについて「(寄付行為となる)有価物ではない。法律に反しない」と開き直るようでは政治家としての資質すら疑問だ。

2閣僚辞任で思い起こすのは第1次安倍内閣の迷走である。政治とカネをめぐるスキャンダルなどから5閣僚が相次ぎ交代する「ドミノ」が起きたことは政権に極めて大きな打撃を与えた。

◇古い政治体質と決別を

第2次内閣は閣僚に進退に波及する事態が起きなかったことが政権の安定に寄与してきた。それだけにダブル辞任が政権に与える影響は大きい。野党側は江渡聡徳防衛相の収支報告書に資金管理団体が江渡氏個人に寄付した記載があり、報告書を訂正した問題も追及している。政権の自浄能力が問われよう。

今回の疑惑で浮かんだのは有権者に取り入ろうとする古い政治体質だ。衆院で中選挙区制度が廃止され、小選挙区で政策本位の選挙導入がうたわれて約20年もたつのに、観劇ツアーによる後援会の組織票固めという旧態依然たる方法が踏襲されている。うちわ配布は物品の提供をめぐる感覚の鈍さの表れだ。安倍内閣や自民党が本当に事態を重くみているのであれば、こうした体質こそ謙虚に直視しなければなるまい。

さきの改造で起用した女性5閣僚のうち、2閣僚が失脚したことで首相人事は裏目に出てしまった。女性の積極登用をアピールしようとする狙いばかりが先走り、人選の吟味が後手に回らなかったかが結果的に問われる。

一方で、今回の一件が内閣が掲げる女性の進出に水を差すようなことがあってはならない。むしろ国会議員、地方議員を問わず女性全体の人材を厚くしていくための努力が政党に欠かせないはずだ。

与党は閣僚のダブル辞任を区切りとして政権運営の立て直しを急ぐ構えだ。確かに国会で議論すべき内外の課題は山積しており、建設的な政策論争が望ましい。とりわけ経産相が受け持つエネルギー政策は重要な岐路に立っている。

だが、政府や与党が説明や反省もなく幕引きを急ぐようでは、論戦の前提となる政治への信頼が損なわれる。第1次内閣の二の舞いを演じないためにも、首相や自民党が襟をただす時である。

2014年10月21日 02時30分
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[読売新聞] 女性2閣僚辞任 早急に政権の態勢を立て直せ (2014年10月21日)

政治とカネの問題を巡り、改造内閣の発足後、わずか1か月半で女性2閣僚が辞任した。安倍政権への大きな打撃だ。

首相は、早急に態勢を立て直し、国政運営に取り組まなければならない。

小渕経済産業相は記者会見で、「経済、エネルギー政策に停滞は許されない。大臣を辞し、疑念を調査する」と語った。調査は弁護士ら第三者に委ねるという。

小渕氏の関連政治団体の収支報告書では、判明分だけで、支援者向け観劇会の4年分の支出が会費収入を約4200万円上回っている。団体が差額を補填(ほてん)していれば公職選挙法違反の恐れがある。

小渕氏は、参加者から実費を徴収していたと説明し、公選法違反の疑いを否定した。ただ、その場合でも、報告書への収入の過少記載や不記載により、政治資金規正法に抵触する可能性がある。

政治資金の管理を会計担当者などに任せ切りにし、これほど杜撰(ずさん)な報告書を提出し続けた小渕氏の監督責任は極めて重い。

小渕氏は、資金管理団体による地元特産のネギやベビー用品などの購入について、「公私の区別はつけている」と釈明しているが、より丁寧な説明が求められる。

辞任による問題の幕引きは許されない。衆院政治倫理審査会での弁明などを検討すべきだろう。

小渕氏は衆院当選5回で再入閣し、女性首相候補と目されていた。元首相の次女として恵まれた環境にあった。自らをより厳しく律するべきではなかったのか。

今後の調査次第で、一層厳しい局面を迎えることもあろう。

松島法相は、地元行事で「うちわ」を配布したとして公選法違反の疑いが持たれている。民主党は、東京地検に刑事告発している。

松島氏は、辞任の理由について「私の言動で国政に遅滞をもたらした」と語る一方、配布については「問題になる寄付行為とは思わない」と強調した。違法かどうかを明確にする必要がある。

安倍首相は、両氏の辞任について「任命責任は私にある」と語り、国民に陳謝した。過去最多の女性閣僚5人の起用は「女性が輝く社会」の象徴とする狙いがあった。閣僚起用に関する事前調査が甘かったと言えよう。

後任の経産相に自民党の宮沢洋一政調会長代理、法相には、上川陽子・元少子化相が起用される。野党は今後、国会で政権批判を強めるだろう。首相と全閣僚は、政策の遂行を最優先し、緊張感を持って職務に専念すべきだ。
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[読売新聞] 子供のいじめ 様子の変化に敏感でありたい (2014年10月21日)

学校でのいじめがなかなか減らない。根絶に向け、さらに取り組みを強化する必要がある。

文部科学省の調査によると、2013年度中に全国の小中高校などで起きたいじめの認知件数は、計18万5860件に上った。前年度より約1万2000件減ってはいるものの、依然として高い水準である。

小学校での件数は、過去最多だった。児童の場合、悪ふざけといじめの区別が難しいケースもある。教師は普段から子供たちの変化に目を配り、早期にいじめの芽を摘むことが大切だ。

大津市の中学生が自殺した事件を受け、昨年9月にいじめ防止対策推進法が施行された。被害者が生命を脅かされたり、長期の不登校になったりする悪質ないじめを「重大事態」と定義し、教育委員会や学校に調査を義務づけた。

その重大事態が、いじめ防止法施行後の半年間で181件起きているのは、深刻な状況だ。

最近も、「失神ゲーム」と称して中3男子の胸を強く圧迫し、何度も気絶させたとして、東京都内の中学生3人が逮捕された。被害者の母親が気づいて発覚した。

保護者は子供の様子を注意深く見守ることが重要である。

パソコンや携帯電話を通じた「ネットいじめ」は、過去最多の8787件に上った。無料通話アプリ「LINE(ライン)」の仲間など、特定のグループ内で起きる例が目立つ。

メッセージへの返信を忘れたといったことが、いじめの発端になる場合も多い。広島県では2月、部活動でウソの集合場所を伝えられるなど、LINEを通じていじめを受けていた高1の男子生徒が自殺した。

ネットいじめの実態は、連絡を取り合っている当事者以外には見えにくい。いじめを受けた子供は、周りに気づかれぬまま、悩みを抱え込んでしまいがちだ。

日頃から親や教師が子供と意思疎通を図り、子供が相談しやすい関係を築いておきたい。

学校側に積極的な対応を求めたいじめ防止法の施行後も、被害者側が教委や学校に不信感を抱くケースは少なくない。山形県で1月に中1女子が自殺した際も、学校側は当初、いじめの存在を否定し、対応が後手に回った。

責任追及などを恐れ、教育現場には、いじめを認めたがらない傾向が強い。隠蔽体質は変わっていないとの批判もある。教委や学校は真摯(しんし)に受け止め、早期の対応に努めてもらいたい。
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[朝日新聞] 閣僚同時辞任―首相が招いた異常事態 (2014年10月21日)

2人の閣僚が、有権者への利益供与や寄付を疑われて同時に辞める。極めて異例、いや異常というべき事態である。

安倍首相は「国民に深くおわびする」と頭を下げたが、その任命責任は極めて重い。

小渕経産相は、疑惑が報じられてから5日目の辞表提出だ。苦しい言い訳を重ねた過去の例に比べれば、引き際はよかったと言えるのかもしれない。

しかしそのことは、今回の疑惑がもはや国会で説明ができぬほど悪質だったことの裏返しだろう。

閣僚を辞めても、小渕氏は衆院議員としての説明責任から逃れることはできない。

いくつかの疑惑の中でもっとも重大なのは、後援会員の観劇会の費用の収支が大幅に食い違っていることだ。

小渕氏はきのうの記者会見で、観劇の費用は「参加者から全額集めている」と説明。公職選挙法が禁じる選挙区の有権者への利益供与は否定した。だが、観劇会は毎年催されているのに、その収支が報告書に全く記載されていない年もあり、「大きな疑念があると言わざるを得ない」と認めた。

報告書への不記載は政治資金規正法に違反するし、利益供与の疑いも晴れたわけではない。

まさに小渕氏自身がいうように「知らなかったではすまされない」重大な行為である。

松島法相は、自身の似顔絵入りのうちわを選挙区内で配ったことが、公選法が禁じる寄付にあたるのではないかと国会で追及された。それが「雑音」であるかのような発言までして、法務行政の責任者が刑事告発される倒錯した事態を招いた。

先月までの第2次安倍内閣は、1年8カ月あまり閣僚が1人も交代しない戦後最長記録をつくった。ところが、改造したとたんに閣僚の問題行為が次々と明るみに出ている。

小渕氏も松島氏も、「女性が輝く社会」を掲げる安倍首相の肝いりで入閣した。

改造内閣の看板づくりを優先するあまり、資質を十分に吟味せず、不祥事の芽を見逃してはいなかったか。

ほかにも、江渡防衛相の政治資金収支報告書の訂正や、山谷国家公安委員長が「在日特権を許さない市民の会」の元幹部と一緒に写真撮影していた問題などが発覚している。

安倍政権の気の緩みやおごり、あるいは体質そのものが一連の事態を招いているとしたら、極めて深刻だ。

こうした疑念をぬぐい去る責任もまた、首相にはある。
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[朝日新聞] 学校のいじめ―粘り強く取り組もう (2014年10月21日)

小中高校の児童生徒の問題行動について、文部科学省が年に一度の調査結果を発表した。

13年度のいじめの認知件数は18万5千件だった。なお多いが、ピークだった12年度より1万2千件減っている。12年度といえば、大津市の中学生の自殺が問題になった年だ。

調査がいじめの統計を取り始めて30年近い。件数は社会問題化した年に急増するが、その後は減り出し、数年後、また問題になると増える。そのサイクルを繰り返してきた。

文科省は「防止の成果で減ったと答えた自治体が多い」としつつ、「認知の意識が低くなった地域があるのも否定できない」と言う。

「のど元過ぎれば熱さ忘れる」では困る。無料通信アプリ「LINE」などの普及で、見えにくいいじめも増えている。粘り強い取り組みが必要だ。

件数が急増や急減を繰り返すのは、調査自体の問題も大きい。いじめは暴力行為や不登校と違い、何をいじめとするかで判断が分かれがちだからだ。

京都府はいじめを数える方法を変えた。嫌な思いをした子どもがいるレベルを「1段階」、継続的に見る必要があるケースを「2段階」、命にかかわるなど重大な事態を「3段階」と分け、「1段階」からすべて数えた。すると件数が3倍になり、都道府県で最多になった。積極的にとらえるヒントとしたい。

いじめ防止対策推進法が施行されて1年がたつ。文科省は、その状況も調べた。

学校は、いじめを防ぐ基本方針をまとめ、対策の組織をつくることを義務づけられた。そのため、ほとんどの学校が方針や組織をつくり終えている。

年度途中の施行だったこともあり、国や都道府県の基本方針を要約しただけの学校が目立つ。大切なのは、教職員の意識を高めることだ。何がいじめで、どう対応するか。現場で互いに議論し、共通の土台をつくる機会としたい。

心配なのは市町村の自治体だ。都道府県はほとんど方針をつくったが、市町村は4割ほどで、連絡組織の設置も3割どまりだ。職員が少ない事情もあろうが、そうならなおさら、都道府県や近くの自治体との連携を考えてほしい。

今回の調査では、小中高校生の自殺のうち、「いじめ問題」があったと学校が報告したのが6人から9人に増えた。いじめが理由ではと疑われるケースはもっと多い。いじめ問題は終わるどころか、なお深刻だ。その意識を持ち続けたい。
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