2014年10月17日

[東京新聞] 政治とカネ 国会議員が範示さねば (2014年10月17日)

小渕優子経済産業相の資金管理団体の使途が不適切と指摘されている。「政治とカネ」の問題は政治不信の元凶だ。使途の適正化と透明性の確保に向けて、国会議員自身が範を示さねばならない。

「李下(りか)に冠を正さず」との教えは、いつになれば浸透するのか。小渕氏の資金管理団体が二〇一二年までの五年間に、小渕氏の実姉の夫が経営する服飾雑貨店や、実姉のデザイン事務所に三十八回、計三百六十二万円を支出していたことが分かった。

小渕氏は国会で使途について、実姉がデザインしたネクタイ、ハンカチや、父親の故小渕恵三元首相について実姉が書いた書籍を購入したと説明し、「公私混同ではないと思う。政治活動に必要な範囲内の支出と考える」と述べた。

しかし、政治資金はそもそも公私混同が疑われるような、不明瞭な使い方をすべきではない。

さらに週刊新潮は、小渕氏関連の政治団体が、支持者向けに開いた観劇会などで二千万円を超える金額を支出していたと報じた。

政治団体側が実費を超える負担をしていれば有権者への利益供与に当たり、集票目的なら公職選挙法違反、政治資金報告に虚偽の記載をしていれば、政治資金規正法違反に問われる可能性がある。

小渕氏は「しっかり調査して対応したい」と述べた。言葉をたがえず、まずは徹底的に調べ、真実を明らかにすべきである。

公開が前提の政治資金ですら、不適切な使途が指摘されるのだから、非公開なら何に使われているのか、分かったものではない。

歳費とは別に国会議員一人当たり月額百万円が支給される文書通信交通滞在費(文通費)である。

郵便や電話の料金、出張旅費などに充てる経費で非課税。使途報告や領収書提出は不要で、余っても返還しなくてもよい。

十年以上も前から領収書の提出や使途公開の必要性が指摘されながら、改革に取り組んでこなかった。怠慢のそしりは免れまい。

日本維新の会と結いの党が合流した「維新の党」は文通費の支出内容を公開する方針を決めた。他党に呼び掛け、公開を義務づける法改正も目指すという。この際、各党も応じたらどうか。

政治に多額の資金が必要でも、使途を公開し、証明して国民の理解を得ることが大前提だ。地方議会の政務活動費も不正使用が指摘されている。国権の最高機関たる国会議員こそ、率先して透明性確保に努める責任を負っている。
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[東京新聞] 奪われる子の命 親を支え虐待の芽摘む (2014年10月17日)

子どもの命を脅かす事件が絶えない。全国の児童相談所が二〇一三年度に対応した児童虐待件数は七万件を超え過去最多に。行政や医療、地域が妊娠期から親の支援に連携し、虐待の芽を摘みたい。

親が育てられない子どもを預かる慈恵病院(熊本市)の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」に今月初め、生後間もない男児の遺体が放置されていた。

警察の調べによると、死体遺棄容疑で逮捕された無職の母親(31)は数日前、頼る者もない中でひとり、自宅で出産した。同居する両親は妊娠や出産を知らず、母親は死んでしまった男児を家に置いておけないと、自分の車で病院に運んだ、という。

遺体を置き去りにされた病院の関係者は無念だろう。相次ぐ乳児遺棄事件に心を痛めてこの七年、全国で例のない事業に奔走してきた。目前でまた一人、小さな命を救えなかった。

病院側は匿名のまま子どもを預かるという、今のやり方を変えない。名乗ることを条件にすれば、親の事情で預けられないケースが出て、救える命も救えなくなる。

厚生労働省のまとめによると、〇三年七月から約十年間で、虐待死した子どもは五百四十六人。ゼロ歳児は二百四十人で約四割を占める。身体的暴力、育児放棄、生まれたまま放置など、虐待死のケースで加害者の大半は実母だ。貧困や精神疾患、夫のDV、未成年など、虐待におよぶリスクをいくつも抱え、親としてどう振る舞えばいいのかが分からない。

助けて、と声を上げられない彼女たちにこそ、妊娠時から支援の手が差し伸べられるべきだ。

小児科のある中核的病院には虐待に対応する組織が整えられつつある。産科のある病院では妊娠期から不安な人を見つけ、出産後に育児支援が必要と判断すれば、地域の保健サービスにつなぐ。全国には予算や人手不足で体制をとれない施設が多い。地域や病院間の格差とならないよう、国は予算を投じ、取り組みを加速させてほしい。

「望まない妊娠」のために妊婦検診も受けず、病院に行かずに自宅で出産する人が少なくない。名古屋市や大阪府では電話やメールで助産師が相談を受ける「妊娠SOS」を開設し、効果を上げている。

地道な取り組みが親たちを孤立から守る。児童相談所や病院、保健所、地域が、支援の窓はいつでも開かれているのだというメッセージを、絶えず発信してほしい。
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[産経新聞] 【主張】女性活躍法案 働き方見直す契機とせよ (2014年10月17日)

女性の活躍を成長戦略の柱に位置付ける安倍晋三政権が、この国会で成立を目指す女性活躍推進法案をまとめた。

従業員300人超の企業に女性の活躍を促す「行動計画」の策定と公表を義務付けているが、女性幹部の割合など一律の数値目標を設けることは見送り、具体的な目標は企業が決める。

幹部登用などの人事は、企業経営の根幹にあたる。それぞれの企業が実情に応じ、個別に判断する仕組みとしたのは妥当だ。本腰を入れた取り組みを、企業が求められていることに変わりはない。

企業の行動計画には、女性の新規採用や管理職に占める女性比率などの数値目標のほか、その達成に向けた具体策を盛り込む。ただ、目標は企業が自由に定めることができ、罰則も設けない。

企業ごとに女性社員を取り巻く状況は異なる。政府が民間企業に対して一律に女性登用の目標を課せば、企業の活性化を損ないかねない。無理な目標を立て、部下がいない「名ばかり管理職」に女性を就かせたとしても、女性を登用したとはいえない。

このため、行動計画の公表にあたっても、それが独り歩きして、一方的な批判の材料とされることなどは避ける配慮が必要だ。

企業には自発的、かつ真に女性登用を促進する努力が期待されている点を忘れてはならない。女性を含めて多様な人材が活躍する企業は、経営環境の変化に強いとされる。女性の力をどれだけ生かせるかも、経営の要諦となる。

必要なのは、女性が働きやすい環境をつくり上げることだ。育児や介護の休暇を取得しやすい職場が欠かせない。午前中だけ働くなど「短時間正社員」の制度導入も有効だろう。女性が働きやすい職場は、男性にとっても働きやすいとの指摘にも耳を傾けたい。

長時間労働などの慣習を打破し、働き方を見直す契機ととらえる発想も持ちたい。それは労働生産性を高め、ひいては日本経済の再生にもつながるからだ。

長時間労働の慣行は生産性が低い原因ともされる。無駄な残業をなくす業務の改善を進めるためには、短い時間で仕事を終えることをきちんと評価する仕組み作りもカギとなる。

女性の力で収益を高め、賃金増や雇用拡大につながる具体策を労使で話し合ってほしい。
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[産経新聞] 【主張】出国禁止3カ月 あくまで起訴撤回を求む (2014年10月17日)

異様な状態が続いている。日韓両国にとどまらず、欧米の民主主義国からも批判の声が相次いでいる。韓国は報道、表現の自由に反する起訴をそれでも維持するのか。

あくまで起訴処分の撤回を求める。

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に関するコラムをめぐり、名誉毀損(きそん)で在宅起訴された産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長に対する出国禁止措置が3カ月間延長された。

加藤前支局長はソウル中央地検から3度にわたる事情聴取を受けるなど、出国できない状態がすでに2カ月以上続いている。

検察当局による捜査は終了しており、証拠隠滅を図る恐れはない。公判への出廷も確約している。加藤前支局長は逃げも隠れもしないし、その必要もない。

韓国の出入国管理法第4条には「出国を禁止する必要がないと認める際には、直ちに出国禁止を解除しなければならない」とある。第6条には「出国禁止は必要最小限の範囲で行われなければならない」ともある。

加藤前支局長の出国は、当然、認められなくてはならない。

それ以前に、名誉毀損による起訴そのものが不当である。公人中の公人である大統領に対する論評が名誉毀損に当たるなら、そこに民主主義の根幹をなす報道、表現の自由があるとはいえない。

日本新聞協会は15日、起訴を「言論の自由を侵害し、人々の知る権利に応えるための取材活動を萎縮させる行為である」として、速やかな処分の撤回を求める決議を採択した。

菅義偉官房長官は出国禁止に「人道上大きな問題だ」と懸念を示し、起訴については「国際社会の常識と大きくかけ離れている。民主国家としてあるまじき行為と言わざるを得ない」と述べた。

韓国野党にも「言論の自由がない国であることを世界に広めてしまった」「国益を損ねた」といった批判がある。

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は非難声明を繰り返し、米紙ウォールストリート・ジャーナルは厳しく批判する社説を掲載した。これらの声は、韓国の検察・司法当局、大統領府にも届いているだろう。

重ねて求めたい。まず加藤前支局長の出国を許可すべきだ。その上で起訴処分についても再考し、これを撤回すべきである。
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[毎日新聞] 社説:子供の問題行動 情報わかちあい連携を (2014年10月17日)

文部科学省が昨年度の小・中・高校生の「問題行動調査」結果を公表した。小学生の暴力行為が初めて1万件台となり、近年いわれてきた暴力的な言葉遣いやふるまいの「低年齢化」を改めて印象づけた。

また小・中学生の不登校が増えたほか、全体のいじめ認知件数は前年よりやや減ったものの高水準だ。

政府は表看板に教育制度改革を掲げ、「グローバル人材の育成」をうたう。その大前提には、土台となる心の成長の安定があるはずだ。

「問題行動」というが、その行動は、むしろ学校教育が抱える問題点や家庭、大人社会のありようを色濃く反映したものである。

暴力の低年齢化現象については近年、一線の先生らがしばしば語るところだ。今回の調査で文科省が、なぜ暴力行為が増えたか都道府県教育委員会にアンケートしたところ「感情コントロールがうまくできない児童が増え、ささいなことから暴力に至る」などが挙げられた。

不登校増加には「人間関係が構築できない」「家庭の教育力が低下し、基本的な生活習慣が身につかない」などの指摘があったという。

そうした不安定さは、むろん学校だけではなく、家庭、社会などさまざまな環境がかかわっている。先生が一人で背負い込んで簡単に改善・解決されるものではない。

自分を大切な存在と思い、自信を持つ「自己肯定感」の低さを子供の中に感じ取る先生もいる。

いわゆる団塊の世代の大量退職後、若手の先生たちのよき助言者、協力者となるベテラン層が薄くなったといわれる。

また国際比較調査でも、細かな校務などで日本の先生たちはあまりに多忙で、子供たちと向き合う時間が不足しがちだ。

それらを補い、先生を孤立無援の状況に置かないよう、複数担任学級の普及や、家庭、地域社会を含めた情報、問題意識の共有と支援態勢の充実を求めたい。

また、従来の経験だけでは対処が難しいような、新しい課題もある。それらは時を追うようにして増えていくだろう。

例えば、メールなどで中傷を流す「ネットいじめ」は、いじめの認知件数全体の4.7%、8787件だが、増え続けている。水面下に、大人たちの目が届きにくい新たないじめが広がる恐れがある。

毎年の「問題行動調査」の意義は、細かな数値の動向をつかみ整理するよりも、教育の一線にどう生かすかにあるのではないか。

具体的な取り組み例の成否に見いだす教訓や知恵をくみ取る工夫が、今後ますます重要になる。

2014年10月17日 02時30分
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[毎日新聞] 社説:小渕氏資金問題 明確な説明を求める (2014年10月17日)

政治とカネの問題が再燃した。小渕優子経済産業相の資金管理団体や後援会で不適切な支出が疑われる事態となっている。

判明した資料に照らせば小渕氏が政治資金を適切に管理していたかには疑問があり、公職選挙法が禁じる利益供与の疑惑すら招くおそれがある。小渕氏は事実関係を調査する考えを示した。閣僚としての適格性が問われかねない事態であり、明確で徹底した説明を求める。

これが本当に「政治資金」の収支報告だろうか。小渕氏の資金管理団体が添付した領収書などの中身からはそんな印象すら受けてしまう。

報告書や領収書などによると2008年から5年間、資金管理団体は小渕氏の実姉の夫が経営する服飾店などに「品代」として計362万円を支出した。小渕氏は「ネクタイやハンカチの贈答品に使った」と述べ、政治活動の範囲内だと説明する。だが、公私の区別があいまいな印象はぬぐえない。

資金管理団体からはほかにも事務所費をベビー用品、組織活動費を著名デザイナーズブランドへの支払いなどにあてていた。毎日新聞の集計によると不適切、不透明さが疑われる支出は5年で1000万円を超す。あまりにずさんではないか。

小渕氏の二つの政治団体が10年と11年に支援者向けの観劇会を開き約3381万円の支出をしたにもかかわらず、観劇料の収入が記載上約742万円にとどまるのも問題をはらむ。小渕氏は参加者から実費を徴収したかを確認すると説明した。差額を小渕氏側が負担したとすれば有権者への利益供与を禁じる公職選挙法に抵触する疑いがある。

今回の事態を小渕氏は「指摘を受けて分かった」というが、当然ながら「知らなかった」で済む問題ではない。資金の使い道を詳細に説明すべきだ。暗礁に乗り上げそうな再生可能エネルギー問題などが重要な局面にある。行政の停滞を招きかねない責任を自覚しなければなるまい。

政治資金の使途をめぐっては第1次安倍内閣だった07年にいずれも農相だった松岡利勝氏の光熱水費、赤城徳彦氏の事務所費の不透明さが問題化した。今年もみんなの党の渡辺喜美氏が8億円借り入れ問題で代表辞任に追い込まれるなど、政治とカネの問題は後を絶たない。

今国会では国会議員に年間1200万円支給される文書通信交通滞在費について、維新の党が使い道の厳格・透明化に動いている。

ところが、多くの政党の反応は鈍いままである。小渕氏の説明責任はもちろんだが、国会全体が政治資金のあり方を自らの問題として受け止めるべきだ。

2014年10月17日 02時40分
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[読売新聞] エボラ出血熱 封じ込めへ世界の結束を急げ (2014年10月17日)

エボラ出血熱の拡大が止まらない。ウイルスの封じ込めへ、国際社会の結束が問われている。

エボラウイルスが猛威を振るっているのは、リベリア、シエラレオネ、ギニアの西アフリカ3国だ。約9000人が感染し、半数が死亡した。

感染者は週に1000人のペースで増えている。適切な治療を受けられないまま、自宅などで死亡する人が多い。犠牲者が路上で放置されている例もあるという。

国連の緊急対策チームは、安全保障理事会への報告で、「今、エボラウイルスを抑え込まなければ、我々は前例のない事態に直面する」と警告した。

世界保健機関(WHO)は、このままでは2か月後に、感染者の発生が週1万人に増加すると試算している。極めて深刻である。

国境を越えた人の往来が活発になった現代社会では、感染症は世界規模で拡散しやすくなっている。エボラ出血熱の患者は、すでに欧米でも確認された。

世界的に不安が拡大している。国際経済にも悪影響が及びかねない。オバマ米大統領が英仏独伊首脳とのテレビ会議で、「国際社会の安全に対する脅威だ」と強調したのは、もっともである。

オバマ氏は、封じ込めに必要な資金や人員の確保のため、国際協力の強化を呼びかけた。何より重要なのは、患者の多い地域に治療の専用施設を整備し、医療スタッフを増強することだ。

米国は、軍隊を派遣し、治療施設の増設に乗り出した。兵員は4000人近くになる見込みだ。英国軍も同様の活動に着手した。

医療スタッフの感染が増えているのも問題だ。犠牲者は死者全体の約1割を占める。防護服が足りず、手を洗う水も十分でない。資機材の提供が急務である。

安倍首相はオバマ氏との電話会談で、「あらゆる支援を加速させる」と述べた。日本政府は、国連総会などの際に約束した4500万ドルの支援の実施を急ぐ方針だ。医師や看護師ら20人以上を現地に派遣することも計画している。

治療薬での貢献も求められる。期待されているのが、日本製の抗インフルエンザ薬だ。エボラウイルスにも有効とされ、現地政府などによる臨床試験が検討されている。積極的に協力すべきだ。

日本でエボラ患者が発生した時の備えも欠かせない。

発症していなければ、空港など水際での発見は難しい。医療機関での的確な診断と隔離、治療の体制を充実させておきたい。
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[読売新聞] カジノ解禁法案 弊害の議論が浅薄では困る (2014年10月17日)

臨時国会中の法案成立を最優先する、前のめりの姿勢ばかりが目立つ。肝心なカジノ解禁の功罪に関する議論が拙速であってはなるまい。

超党派の「国際観光産業振興議員連盟」が、統合型リゾート(IR)推進法案(カジノ解禁法案)の修正案をまとめた。ギャンブル依存症の拡大への懸念を踏まえ、日本人の利用制限を政府に義務づける規定を加える。

議連は当初、カジノ解禁に慎重な公明党などに配慮し、利用者を外国人に限定する方針だった。

ところが、「外国人客だけでは経営が成り立たない」といった異論が出て、わずか3日後に、日本人の利用を条件付きで認める方針に転換した。論議は煮詰まっていない、と言わざるを得ない。

法案は、IR推進の骨格だけを定め、詳細な制度設計は政府に任せて1年以内に法整備を進める、という2段階方式の内容だ。

とにかく2020年東京五輪にIR整備を間に合わせよう、という安直な発想で、依存症の人や犯罪の増加など、カジノの「負の側面」に正面から向き合おうとしないのは、極めて問題である。

安倍首相は「観光振興、雇用創出の効果は大きい」と語り、カジノ解禁に前向きだ。成長戦略の目玉になり得るとの判断がある。一方で、治安や青少年への悪影響を防ぐ対策の必要性を認めた。議連の最高顧問も辞任した。

地域振興や税収増への期待から北海道、大阪、長崎、沖縄などでは誘致の動きがある。ただ、既存の海外カジノとの競合が予想される。経済効果の持続性がどの程度あるのかも不透明だ。

ギャンブルに頼らない活性化策を検討するのが本筋だろう。

厚生労働省の研究班の推計によると、パチンコなどを含めたギャンブル依存症の疑いがある人は全国で536万人に上る。成人男性では8・7%を占め、他国と比べてかなり高いとされる。

カジノを解禁した場合、依存症の人が増え、多重債務や家庭崩壊に陥ったり、資金欲しさに犯罪に走ったりする懸念が拭えない。

依存症の人の治療・支援に加えて、青少年対策、資金洗浄(マネーロンダリング)の防止、反社会的勢力の排除など、解決すべき課題は多岐にわたっている。

カジノが刑法の賭博罪の対象になるのは、それだけ弊害があると考えられるからだ。カジノを合法化するなら、説得力ある包括的な対策を明示し、国民の幅広い理解を得ることが不可欠である。
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[朝日新聞] 小渕経産相―自ら解明し、説明を (2014年10月17日)

小渕経産相に、政治とカネにまつわる疑惑が浮上した。

小渕氏はきのうの参院経産委員会で「お騒がせしていることを申し訳なく思う」と陳謝したが、まずは納得できる説明を求めたい。

疑惑は、小渕氏の後援会などふたつの政治団体が支援者向けに催した「観劇会」で、費用の一部を負担していたのではないかというものだ。

政治資金収支報告書によると、2005年から11年までの間で、観劇会に関連する収入に比べ、支出が5300万円あまり上回っていたという。

政治団体がこの差額を負担していたならば、選挙区の有権者への利益供与を禁じた公職選挙法に触れる可能性がある。

小渕氏はきのう、観劇会の参加者からは実費を集めていたが、収入と支出に差があることについては「指摘を受けて初めて知った」と答弁した。

さらに「私の方で補塡(ほてん)したことになれば、法律にひっかかるものだという認識は持っている」と述べた。

経産委ではこのほか、小渕氏の資金管理団体が、小渕氏の親族が経営する企業からネクタイやハンカチを贈答品として購入していたことが「公私混同ではないか」と指摘された。

いずれも重大な問題である。小渕氏は後援会などに事実関係の調査を求めているが、自らの責任で結果を早急に明らかにすべきだ。

政治とカネといえば、2006年からの第1次安倍内閣では、「事務所費」などの名目による不透明な支出が次々と明らかになった。閣僚が苦しい説明を繰り返したあげく、辞任ばかりか自殺にまでいたるという悲劇も起きた。

先の第2次内閣ではこの種の不祥事は影を潜めていた。ところが改造されたとたんに松島法相が選挙区内で自身の似顔絵入りのうちわを配ったり、江渡防衛相が政治資金収支報告書を訂正したりといった問題が表面化した。相次ぐ事態を安倍首相はどう考えているのか。

閣僚に限らず政治家は、疑惑を持たれれば説明するのは当然だし、公選法や政治資金規正法は厳格に運用されなければならない。野党が国会で厳しく追及するのは当然だ。

国会で議論すべき課題はたくさんある。それなのに経済の成長戦略やエネルギー問題、安全保障政策などの重要政策を担当する閣僚が、貴重な審議時間を自らの疑惑の釈明に費やさざるを得ない状況にしてしまった責任は極めて大きい。
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[朝日新聞] 靖国参拝―高市さん、自重すべきだ (2014年10月17日)

高市総務相が、17日からの例大祭にあわせ靖国神社に参拝する意向を示している。

だが、高市さん、ここは自重すべきではないか。

そもそも、首相をはじめ政治指導者は、A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社に参拝すべきではない。政教分離の原則に反するとの指摘もある。

しかも、北京で来月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日中首脳会談の実現に向けて、関係者が努力を重ねているときである。それに水を差しかねない行為を慎むのは、閣僚として当然だ。

戦争で命を失った肉親や友を悼むため、遺族や一般の人々が靖国で心静かに手を合わせる。それは自然で尊い行為だし、だれも否定はできない。

一方、かつての戦争指導者がまつられている場所にいまの政治指導者が参拝すれば、その意味は全く変わってしまう。

A級戦犯が罪を問われた東京裁判には、勝者による裁きといった批判がある。それでも、日本はサンフランシスコ平和条約で裁判を受け入れ、これを区切りに平和国家としての戦後の歩みを踏み出した。

靖国に参拝する政治家たちは、「英霊に尊崇の念を表すのは当然だ」という。だが、A級戦犯は、多くの若者をアジアや太平洋の戦場に送った側にある。送られた側とひとくくりにすることはできない。

そこをあいまいにしたまま政治家が参拝を続ければ、不快に思う遺族もいる。また、中国や韓国のみならず欧米からも、日本がかつての戦争責任や戦後の国際秩序に挑戦しようとしているとの疑いが出てくる。

高市氏は、戦後50年の「村山談話」などにかねて疑問を示してきた。最近も、ナチスの思想に同調しているとみられる団体の代表と写真を撮っていたことが海外で報じられた。

自民党政調会長や総務相として安倍首相に重用され続けている高市氏の言動は、個人の思いにとどまらず、政権の意思と受け止められかねない。

その高市氏が靖国神社に参拝すれば、国際社会が抱きつつある疑いをますますかき立てることになりはしないか。

戦後70年が控えているというのに、いまだ歴史問題にピリオドを打てないのは不幸なことだ。だれもが参拝できる新たな追悼施設をつくるといった、抜本的な解決策を真剣に検討すべき時だ。

戦没者への強い思いがある高市氏ならばこそ、こうした課題に取り組むべきではないか。
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