2014年09月30日

[東京新聞] 土井さん死去 護憲と政権の間で葛藤 (2014年09月30日)

亡くなった土井たか子元社会党委員長(元衆院議長)は「おたかさん」の愛称で親しまれ、「護憲のシンボル」的存在だった。同時に、護憲と政権参加との間で葛藤し続けた政治家人生でもあった。

ブームをつくり出せる政治家はそうたくさんはいない。土井さんは社会党委員長当時の一九八九年参院選で女性候補を多く擁立してマドンナ旋風を起こし、自民党を参院で過半数割れに追い込んだ。「山が動いた」という名文句はこの時のものだ。好きな言葉が「動かざる初心」だった。その連想もあり、社会党躍進を「山が動いた」と表現したのだろう。

翌年の衆院選でも土井ブームは続き、同党は百三十六議席を獲得した。六七年衆院選での獲得議席が百四十だから、「やるっきゃない」のおたかさんパワーで六〇年代の勢力まで回復できた。現在の社民党勢力が衆参合わせて一けた台にとどまることをみても、土井ブームのすごさを物語る。

土井さんは九三年、自民党の単独政権が崩壊し、小沢一郎氏の主導で社会党を含む八党派連立の細川護熙政権が誕生した際、衆院議長に就任。憲政史上初めての女性議長として登壇者を慣例の「君付け」ではなく「さん付け」で呼ぶなど、国会に新風を吹き込んだ。

しかし、細川、羽田孜両政権の後、自民、社会、さきがけ三党連立の村山富市政権で与党の座を死守したころから、「護憲」と「政権」との間で矛盾が拡大した。

九六年に党名を社民党に変更したが、旧民主党結成に伴って大量の議員が離党。土井さんが党首に返り咲いても、ブームの再来はなく、党勢衰退の道を歩んだ。

土井さん自身も二〇〇五年衆院選で落選した。その後も護憲、人権、軍縮などの活動を続け、近ごろは、政治的風潮が同郷・兵庫県の政治家、斎藤隆夫氏が「反軍演説」を行った戦前に似ていることを強く懸念していたという。

社民党も一時期参加していた三年三カ月間の民主党政権時代を経て、自民党の安倍晋三首相が政権に復帰。結党以来の党是である憲法改正発議の機をうかがっているようにも見える。

国会では自民党の「一強」支配が強まり、社民党だけでなく、野党の存在意義も問われている。

憲法の平和主義を守り抜くにはどうすればいいのか。護憲を理念だけでなく、現実に生かす政治を新たに構築し、国民の支持を取り付ける。それが土井さんの遺志を継承する道ではないだろうか。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 首相所信表明 大事なことを話さねば (2014年09月30日)

安倍晋三首相の所信表明演説には、消費税率の10%への引き上げも、集団的自衛権という言葉も登場しなかった。国民の関心事に全く触れない演説では、説明責任を果たしたとはとてもいえない。

「行間を読め」ということなのか。言質を取られることを避けたのか。そもそも説明する責任などないと、開き直っているのか。

きのうの所信表明演説である。九月初めに発足した第二次安倍改造内閣は「地方創生」を最重要課題に掲げ、臨時国会も「地方創生国会」と位置付ける。

首相は愛知県旧稲橋村(現豊田市)に生まれた明治期の農業指導者、古橋源六郎暉皃(てるのり)が植林や養蚕、茶栽培という土地に合った産業を興した例などを紹介し、「日本の中に眠る可能性を開花させることでまだまだ成長できる」と訴えた。

人口減少や超高齢化社会の到来は日本全体、特に大都市圏以外の地域には深刻な問題だ。

どう克服し、若者が将来に夢や希望を持てる地域の社会、経済をつくるのか。一部自治体の消滅という研究も発表され、地域再生は喫緊の課題だ。演説の多くが地方創生に割かれたことも理解する。

地域の発展を妨げる規制の打破はもちろん、権限、財源の自治体への大胆な移譲も求めたい。

ただ、国民が直面する課題はそれだけにとどまらない。

まずは経済。実質賃金が上がらず、景気が四月の消費税増税で腰折れしても、消費税は来年十月、10%に再増税されるのか否か。国民の関心が集まるのは当然だ。

しかし、首相は「慎重に目配りしていくことが必要だ」と素っ気ない。景気動向を見て、国会終了後の十二月に判断するつもりなのだろうが、国会論戦のためにも考えを示すべきでなかったか。

もう一つは集団的自衛権の問題だ。安倍内閣は七月一日、政府の憲法解釈を変更し、行使を容認する閣議決定を行った。平和主義、専守防衛など、戦後日本の「国のかたち」を変える方針転換だ。世論調査でも依然、行使容認反対は六割を超える。

なぜ堂々と方針を示して、国会論戦に臨まないのか。来年以降の法整備を念頭に「切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進める」と言うだけでは、説明を避けたとのそしりは免れまい。

首相が自らの考えを、全国民を代表する国会の場で披歴しようとしないのは許されない。各党首はきょうから始まる代表質問で、徹底的に問いただすべきである。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 所信表明演説 地方消滅防ぐ青写真示せ (2014年09月30日)

安倍晋三首相が「地方創生国会」と位置付ける臨時国会の所信表明演説で、「ふるさとを消滅させてはならない。もはや時間の猶予はない」との危機感を表明した。

わが国は人口減少という国難に直面している。超高齢化の問題と併せ、手をこまねいていれば人は地方を去り、衰退は加速される。それは日本全体が立ちゆかなくなることにつながる。

トップリーダーが、地方に焦点をあて、人口減少対策に積極的に取り組む姿勢を明確にした意義は大きい。政府が総力を挙げるのはもとより、与野党も「日本生き残りへのラストチャンス」になるとの認識を共有し、大いに論じあってほしい。

演説には気になる点もあった。多くの地方活性化の成功例を紹介したのは分かりやすい。だが、根っこにある人口減少などに対応しうる政策の青写真は、まだ見えてこない。

国家ビジョンを描く大きな構想力が問われている。東京圏では高齢者の激増で医療や介護施設の不足が懸念される。人口激減地域では、拠点市への人口集約が急がれる。こうしたヒトの移動をどう実現するかを語る必要がある。

首相は「景気回復の実感を全国津々浦々にまで届ける」ことの重要性も語った。地方経済を元気づける当面の対応は重要だ。しかし、地方創生を一時的な経済対策に矮小(わいしょう)化させてはならない。

数十年先を見越した地方の姿や人口減少対策の全体図を示してほしい。

首相が地方の自主的な取り組みの必要性を強調したのは妥当だ。地方が抱える課題はそれぞれに異なり、一律の「お仕着せ政策」を国が作ってもうまく機能しない。地方の力量も厳しく問われる。

使い道を自治体に任せる「一括交付金」も課題だ。人材の派遣や民間のアイデアを結集する必要もある。仕掛けづくりの後押しを国は惜しむべきでない。国家百年の計といえる地方創生には、腰を据えた取り組みが必要だ。

地方創生の関連法案も提出された。地方のやる気とアイデアを引き出せる、規制緩和や税財源移譲のあり方を具体化すべきだ。

集団的自衛権をめぐる安全保障法制や「イスラム国」など新たな国際情勢への言及は十分でなかった。代表質問などを通じて丁寧な説明を求めたい。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 香港民主化デモ 流血招く鎮圧より対話だ (2014年09月30日)

香港の民主化後退に民主派団体や学生らが抗議行動を続けている問題は、中心部での座り込みを警官隊が催涙弾を使って排除に乗り出し、緊迫した状況となった。

中国は、2017年に予定される香港特別行政区の次期行政長官選びで直接選挙(普通選挙)の導入を認める一方、親中派から成る指名委員会で候補を事前選考し、民主派を事実上、排除する仕組みを決定した。

名ばかりの普通選挙に抗議運動が起きるのは当然である。

中国は1997年に香港が英国から返還される際に、「一国二制度」下での「高度な自治」を保証した。香港トップの候補者の恣意(しい)的な選抜は「国際公約」違反であり、撤回すべきである。

抗議行動は、中心部の金融街、「セントラル(中環)」の占拠を目指して26日に始まった。民主派は近隣の幹線道路や繁華街に陣取り、デモ継続を宣言している。

梁振英行政長官は「街頭占拠は違法行為だ」とし、より強硬な措置も辞さない構えだ。

すでに民主派と警官隊の衝突で多数の負傷者が発生し、拘束された者も少なくない。

民主派や学生らの平和的なデモをさらに暴力的な手段で鎮圧すれば、流血の事態となる。絶対に避けなければならない。香港当局に求められているのは、真の普通選挙に向けた対話である。

週明けの香港株価は急落するなど経済への影響も目立ち始めた。市場では、デモが拡大し長期化すれば、金融センターの機能に支障が出るとの見方も出ている。

香港は英国譲りの、アジアで最も成熟した金融センターだ。それは自由で規範重視の社会に下支えされている。約束が反故(ほご)にされて民主化が後戻りすれば、香港の信用も価値も傷つくことを香港、中国当局とも認識してほしい。

中国の習近平国家主席は最近、台湾野党党首らとの会見で、統一には「一国二制度が最も良い」と述べた。香港の現状を見て台湾側が納得するはずがあるまい。

それにしても、「一国二制度」合意の当事国である英国から民主化を強く後押しする声が聞こえず、動きも見えないのはどうしたことか。

英国に限らず、米国や他の欧州諸国、そして日本も、中国に対して公約の順守を促すべく、強く働きかけてもらいたい。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:首相所信表明 核心の説明が足りない (2014年09月30日)

臨時国会が29日召集され、安倍晋三首相による所信表明演説が行われた。首相は地方と女性の活躍を重視しつつ経済成長を目指していく姿勢を強調した。

野党と対決色の薄そうな課題を主軸に据える一方で、消費税の再増税や集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更などの問題にはほとんど言及しなかった。臨時国会のテーマと頼む「地方創生」も構造的に人口減少に取り組む本気度が伝わったとはいいがたい。改造内閣の掲げる「実行実現」の中身が問われよう。

通常国会が閉幕して3カ月を経てやっと始まる論戦だ。首相が演説で日中関係で「安定的な友好関係」を掲げ、首脳会談の早期実現に意欲を示したことは評価できる。

だが、全体としてみれば、演説は内外の課題への方針を率直に訴えかけるものではなかった。

さきの国会の閉幕後に行われた集団的自衛権行使を可能とする閣議決定について直接の言及はなく「切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備」を表明するなどにとどまった。いくら法整備を来年に先送りしたからといって、解釈改憲の具体的な中身の説明を進んでしないようでは、議論なき既成事実化を図ったとすら取られかねない。

税率を10%に引き上げるかの判断を12月に迫られる消費増税問題も、さきの引き上げに伴う影響への「目配り」の指摘にとどめた。自民党の谷垣禎一幹事長は再増税をしない場合の財政への危険を強調するが、一方で先送り論も根強い。首相の基本姿勢を示すべきではないか。

地方創生にも不安がある。首相は「人口減少は避けられない」との見方を悲観的だとまで言い切った。「次元の異なる大胆な政策をまとめる」と説明、各地で展開する地域再生の取り組みを紹介した。

地方の人口減少問題が注目された端緒は民間研究機関による「消滅可能性自治体」の公表だった。人口減少の流れ自体は不可避だとしても地方での減少を可能な限り食い止めることが議論の主眼だったはずだ。

首相も「地方が直面する構造的な課題は深刻」だと語った。だが、その背景以上に演説では「若者がチャレンジしやすい環境」「発想の転換」が強調された。国会に提出された基本法案は具体的な施策の中身まで示したものではない。「やれば、できる」と地方を督励するのであれば、それを裏付ける「異次元」政策のイメージをもっと語るべきだった。

地方創生、女性の進出ともに政策に十分な中身が伴わなければ論戦の主役たり得ない。位置づけがあいまいな国会とならぬよう、野党も論点の提示に努めなければならない。

2014年09月30日 02時33分
posted by (-@∀@) at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:欧州経済の停滞 構造改革から逃げるな (2014年09月30日)

欧州経済の停滞に、懸念が広がっている。特にこれまでけん引役を果たしてきたドイツで経済成長が止まり、新たな景気対策を取るよう、米国など他地域からも要求の声が強まってきた。

しかし、雇用をとりまく構造的な問題から、金融機関の財務の健全性、ウクライナを巡る対露制裁の先行きまで、欧州経済が直面する課題や不安材料は多様で複雑だ。財政出動、金融緩和といった従来型の政策には限界があると考えた方がよい。

18カ国からなるユーロ圏の4?6月期の経済成長率は前期比横ばいとゼロ成長に沈んだ。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は今年後半には緩やかな回復が始まると見通すが、対露経済制裁の影響が今後広がることも予想され予断は許さない。物価上昇率が0・4%まで落ち、デフレへの警戒も高まっている。

このため域外国からは財政出動を求める声が根強い。だが、ギリシャ危機後、財政健全化の決意を新たにしたユーロ圏である。決意に逆行する財政出動の道を安易に選ぶことは、ユーロの信用を揺るがすことになり、望ましくない。

一方、ECBによる金融緩和も、政策金利をほぼゼロまで下げた以上、追加の利下げ余地はない。そこで中央銀行が国債を大量に購入し市中に出回るお金の量を増やす量的緩和が、「最後の切り札」として期待を集めている。

ただ、量的緩和はユーロ安や株高をもたらす可能性があっても、銀行貸し出しを刺激し、投資を促し、雇用を改善させる効果は不明だ。

そのうえ、不良債権が再び増加したり、財政再建や構造改革といった政治家への宿題がおざなりになったりする弊害が心配である。

欧州の深刻な問題の一つに、高止まりした若年層の失業率が挙げられる。ユーロ圏全体の失業率も11.5%(7月)と他の先進国より高いが、25歳未満の若者は23%を超えている。スペインやギリシャでは50%超、イタリアでも40%超だ。最悪期よりやや改善したとはいえ、20%台が何年も続いている。

背景をみてみると、企業が若者を採用したくても、求めている人材が見つからないという問題があるようだ。若手の教育、人材育成で教育機関と企業の間に連携がある国では若者の失業率は相対的に低いという。

こうした課題は当然ながら金融政策の領域ではない。難しく、手間はかかっても、結局は一つ一つ解決していくしかない。

痛みを伴う構造改革は政治が国民から信頼されていなければ進まない。世界全体に響く欧州経済だ。政治の指導力と責任ある政策を望む。

2014年09月30日 02時30分
posted by (-@∀@) at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 土井さん逝く―変わらぬことの意味 (2014年09月30日)

元社民党党首の土井たか子さんが85歳で亡くなった。

護憲勢力の代表的な担い手であり、女性として憲政史上初の衆院議長でもあった。

なにより異彩を放ったのは、頑固なまでに持論を曲げなかった政治姿勢だろう。賛否はあろうが、一本筋の通った個性を持ち合わせていた。

その個性がブームを呼び、数々の名文句が政治の「変化」を体現していた時代があった。

1986年に女性初の社会党委員長に就任し、「やるっきゃない」。88年、政府・自民党が消費税導入を打ち出すと、「だめなものはだめ」と反対姿勢を鮮明にした。

89年の参院選、女性候補を前面にたてた「マドンナ旋風」で与野党逆転を実現し、「山が動いた」。女性の目覚めをうたう与謝野晶子の詩から援用した、決めぜりふだった。

一方で、土井さんの絶頂期は、冷戦の終焉(しゅうえん)やバブル崩壊といった転換期とも重なる。

冷戦構造や成長神話に支えられた自民党とそれに対抗する社会党という55年体制が崩れた。

自民党の地盤沈下に伴い、連立と政権交代の時代となり、変化に対応できなかった社会党(のち社民党)は、凋落(ちょうらく)の道に入り込んだ。

94年にできた自社さ連立政権で、社会党委員長だった村山富市首相は日米安保を容認するなど政策転換に踏み切った。多くの支持者が離れた。失地回復の期待を背負い、土井さんは96年に社民党党首を引き受けたが、「だめなものはだめ」の姿勢は変わらなかった。

安倍政権が集団的自衛権の行使容認に踏み切り、日本の針路が問われる今、土井さんが変わらなかったことの意味に思いを巡らせる。

変わることの大切さと、変わらないことの大切さと。政治家には、ときどきの局面で違った生き方があり得る。土井さんも他党との幅広い連携の中に活路を見いだす道があったかもしれない。それが結果的に護憲の理念をいかすことにつながったかもしれない。

しかし、土井さんはそうしなかった。孤立を恐れない姿勢こそ、今の時代に必要だと思う人も少なくあるまい。「1強」と呼ばれる政治を、土井さんはどう見ていたのだろう。

〈生きることは一すじがよし寒椿(かんつばき)〉

映画監督の五所平之助さんの句が書かれた色紙を、土井さんは大切にしていたという。

その言葉に忠実だった政治家の、静かな旅立ちである。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 交流サイト被害 便利な機能には危険も潜む (2014年09月30日)

見知らぬ人と情報交換する交流サイトをきっかけに、性暴力などの被害に遭う。子供を卑劣な犯罪から守る対策を急ぐ必要がある。

一口に交流サイトと言っても、種類は様々だ。

フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、LINE、カカオトークといった無料通話アプリ、友人を募る掲示板などがある。

警察庁によると、交流サイトで知り合った相手から被害に遭った18歳未満の子供が、今年上半期に698人を数え、2008年に調査が始まって以来、最多となった。被害者の9割以上が少女だ。深刻な事態である。

淫行や児童買春、児童ポルノなどの犯罪に巻き込まれるケースが多い。熊本県では女子高生が殺害される事件も起きた。

人気の無料通話アプリの利用者IDを不特定多数の人と交換できる掲示板が登場したことが、被害を広げている。

無料通話アプリは、IDさえ分かれば、電話番号やメールアドレスを知らなくてもメッセージの交換や通話ができる。IDを安易に掲示板に公開したことがきっかけで、やりとりが始まり、誘い出されて被害に遭う例が目立つ。

面識がないことに乗じ、若い別人の写真を送信して、少女をおびき出す手口もある。少女の方から援助交際を持ちかけるような書き込みも見られる。

LINEは昨年末までに、18歳未満の利用者について、IDしか知らない相手との通話やメッセージ交換をできないようにした。その結果、被害は減少傾向にあるという。他のアプリ事業者にも対策を講じてもらいたい。

出会い系サイトに関しては、子供の性被害を防ぐ規制法が設けられている。サイト運営業者の届け出や18歳未満の書き込み禁止の規制がある。しかし、趣味仲間や友達の募集などをうたう交流サイトは、規制の対象外だ。

交流サイトの機能は、連絡手段などとしては便利だが、危険も潜んでいることを、家庭や学校できちんと教える必要がある。

子供の携帯端末から特定のアプリやサイトに接続できないようにする「フィルタリング」も有効だろう。内閣府の調査では利用率は半数程度にとどまっている。設定しているかどうか「わからない」という保護者も約2割に上る。

子供が携帯電話やスマートフォンをどう使っているのか。親はしっかりと把握しておきたい。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 臨時国会―課題は地方だけでなく (2014年09月30日)

安倍内閣の改造から初めてとなる臨時国会が開会した。首相が論戦の中心テーマに掲げるのは「地方創生」と「女性が輝く社会」である。

首相はきのうの所信表明演説で、こう強調した。

「若者にとって魅力ある町づくり、人づくり、仕事づくりを進める。これまでとは次元の異なる大胆な政策をとりまとめ、実行していく」

「女性の活躍は、社会の閉塞(へいそく)感を打ち破る大きな原動力となる。その認識を共有し、国民運動を展開していく」

確かに、これからの日本の人口減少を考えれば、ともに重要な論点ではある。少なくとも方向性に異議はない。

ただし、このふたつをことさら強調する首相の姿勢には、来春の統一地方選をにらんだ得点稼ぎのにおいがする。この国会で議論すべき課題は、これだけにとどまるわけがない。

安倍首相は先の通常国会で、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を会期内にすませるため、自民、公明の与党協議を急がせた。最終的に閣議決定は閉会後となったが、あまりに短兵急な運びだった。

ところが、首相は閣議決定の内容を実行に移すための関連法の改正は来年の通常国会に先送り。きのうの演説でも「切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進める」とあっさり触れただけだ。

法案づくりに時間がかかる事情はあるにせよ、根強い反対を抑えて突き進んだあの性急さはいったい何だったのか。

首相は、消費税率の10%への再引き上げを、臨時国会の閉会後に判断する構えだ。「アベノミクス」の成果を強調する首相だが、一連の政策が日本の経済再生に本当に有効だったのか、これからも成果が見込めるのか、論戦を通じて明らかにすべきだ。

首相はまた、原子力規制委員会が求める安全性が確認された原発は再稼働を進めると語った。だが、御嶽山の突然の噴火は、火山列島と呼ばれる国土で原発を稼働させることの危うさを改めて思い起こさせた。

この国会が政権の思い描く通りに進むかどうかは、ひとえに野党の力量にかかっている。

先の通常国会では「責任野党とは政策協議を行っていく」との首相の分断策に、野党は押され気味だった。

臨時国会を前に民主党は執行部を刷新、維新の党も政権との対決姿勢を見せる。野党は「多弱」の汚名を返上する気概を、論戦の中で示してほしい。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 所信表明演説 地方創生の具体論が問われる (2014年09月30日)

地方創生や「女性が輝く社会」の実現を通じて日本の成長力回復を目指す。安倍首相の狙いは理解できる。肝心なのは、その具体論である。

首相が衆参両院本会議で所信表明演説を行った。臨時国会を「地方創生国会」と位置づけ、地方の活性化と人口減対策のため、「これまでとは次元の異なる大胆な政策」を実行すると強調した。

「若者こそが危機に歯止めをかける鍵」と語り、若者に魅力的な町づくりや観光・地場産業の振興などに努める考えも示した。

首相の決意は伝わってくるが、各論の議論は始まったばかりだ。処方箋は明確ではない。今国会で成立を図る「まち・ひと・しごと創生法案」も、基本理念や国の役割などを定めるにとどまる。

日本の人口は50年後に8700万人と、現在の3分の2に落ち込み、全国の自治体の半数が消滅するとの推計もある。1億人程度の人口構造を保つ、という政府目標の達成は容易ではない。

政府は、自治体や民間とアイデアを出し合い、地域の実情に応じた対策を講じる必要がある。

過去の国土開発計画のように旧来型の公共事業や交付金をばらまくのでは効果は限られる。町づくりの成功事例を検証し、費用対効果の観点で有望な政策に重点的に予算配分することが大切だ。

首相は、女性の活躍を支援するため、子育て支援の拡充や、上場企業への女性役員数の公表義務づけに取り組む意向を表明した。女性の能力の活用は、成長戦略の一つの柱となろう。

大胆な規制改革や、安全性の確認された原発の再稼働も着実に進め、「経済最優先」の方針に有言実行で取り組んでもらいたい。

首相は、年内に是非を判断する消費税率の10%への引き上げに言及しなかった。どんな手続きと考え方で判断するのか、今後、丁寧に説明することが求められる。

外交面では、環太平洋経済連携協定(TPP)など、経済連携を戦略的に進める考えを示した。首相は就任以来、49か国を訪問し、原発、高速鉄道のトップセールスなど経済外交を重視してきた。

新興国の活力を取り込むことは日本経済の成長に資するし、経済力は外交カードとなる。外交と経済の好循環を目指したい。

中国、韓国との関係改善も急務だ。中韓両国にも前向きな兆候があり、11月の北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)は首脳会談の好機となる。静かな外交で中韓との調整を進めたい。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月29日

[東京新聞] よく恐れよく備えよう 御嶽山噴火 (2014年09月29日)

火山の猛威を、あらためて見せつけられる惨事となった。予知は困難というが、火山国に暮らす私たちは、自然災害をよく恐れ、よく備えねばならない。

長野、岐阜県境にそびえる御嶽山が噴火するのは、二〇〇七年三月の小規模噴火以来、七年ぶりのことである。

下界よりも一足早い紅葉の時期を迎え、しかも、晴天に恵まれた週末。絶好の登山日和だったことが、残念なことに、被害を大きくする背景となってしまった。


◆噴火の予知は難しい
----------

突然降りかかってくる噴石や火山灰から、逃げる間はほとんどない。何人もの登山者が、逃げきれずに火山灰に埋もれた。

噴火を予測することは、できなかったのだろうか。

山頂付近では半月前、地震活動が活発化していた。

御嶽山では、前回〇七年の小規模噴火の前も、多い時には一日百六十回を超える地震活動があったが、その後は静かな状態が続いていた。

ところが、今月に入り、十日に五十回超、十一日には八十回超の微小な地震を観測した。それを受けて気象庁は、活動が活発化したことを地元自治体などに情報提供していた。

しかし、震源が徐々に浅くなるなど危険な兆候は見られず、十二日以降は地震回数も減ったため、五段階で示す噴火警戒レベルを、レベル1の「平常」から引き上げることはなかった。

気象庁は「これだけで噴火の前兆と言うのは難しい」と説明している。

地球上には約千五百の活火山がある。日本列島には、そのうち百十、約7%が集中している。

気象庁は、この百十の活火山のうち四十七を常時観測火山と位置付け、さまざまな観測計器を置いて監視している。


◆専門家常駐は5カ所
----------

ただ、大学の研究者など火山専門家が常駐する観測施設があるのは桜島(鹿児島県)や有珠山(北海道)など五カ所だけ。富士山や御嶽山にはない。

噴火予知には、場所、時期、規模、様式、推移という五つの要素を的確に予告できる必要がある、とされる。それではじめて、住民の避難勧告ができる。

火山噴火予知計画は、地震予知計画に十年遅れて一九七四年に始まった。気象庁に置かれた火山噴火予知連絡会は、この予知計画と同時に発足している。これまで何回も噴火し、常時監視している火山については、噴火の時期をある程度予測できるまでになったが、避難勧告に必要な規模、様式、推移の予知にはほど遠いのが現状という。

予知の成功例とされるのは、〇〇年の有珠山の噴火だ。国内で初めて緊急火山情報が出され、周辺の住民約一万五千人が避難し、人的被害を防ぐことができた。周期的に噴火を繰り返してきたことなどから、的確な予知や避難ができたとされる。

逆に、一九九八年の岩手山(岩手県)では、火山活動が活発化して臨時火山情報が出されたが、結局、噴火はしなかった。

このように、火山の予知は難しいが、火山国に暮らすわれわれとしては“不意打ち”されるのを待っているわけにはいくまい。噴火の危険と隣り合わせでいることを再確認し、謙虚に火山を恐れ、よく備えなければならない。

今回の噴火でも、山上の山小屋は避難場所となり、関係機関との連絡の拠点ともなった。山に親しむための施設は、危機管理の施設でもある。各火山の山小屋の備えが十分か、再点検したい。

山に登るな、などとは言うまい。山に、自然に親しんでこそ、その良さも怖さも分かるはずだ。そうして心構えも、装備などの備えもできてくる。

東日本大震災との関係で、津波の発生状況がよく似ていた八六九年の貞観地震が注目された。その貞観地震の五年前には、富士山で貞観噴火が起きている。


◆東日本大震災の反省
----------

一七〇七年には富士山で宝永大噴火が起きた。その四十九日前には、南海トラフを震源とする宝永大地震が起きている。

関連は明らかではないが、不気味な一致である。

東日本大震災でわれわれが学んだのは、想定外の災害が起こりうるということだ。

原子力規制委員会は今月、周辺に活火山群がある鹿児島県の九州電力川内原発について、新規制基準にかなうと判断した。突然の火山噴火の恐ろしさは、今回、あらためて目の当たりにした通りである。原発は、対応できるのか。

自然の脅威に、私たちは、何よりも謙虚に向きあっていくしかない。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 再生エネ買い取り 強引な普及計画は見直せ (2014年09月29日)

九州電力が太陽光など再生可能エネルギーの買い取りを中断することを決めた。他の電力会社でも同様の動きが出ている。実態を踏まえない普及制度の杜撰(ずさん)さが露呈したといえる。

買い取り制度に基づく申請が急増し、安定的な電力供給に支障を来しかねない事態に陥ったという。割高な価格で買い取りを進めていることが大きな原因だ。

多様な電源の確保を目的とした制度とはいえ、電力需給の不均衡を招くようでは本末転倒だ。

割高な買い取り価格は料金に転嫁される。国民負担や電源構成のバランスを考えず、再生エネの普及ばかりを優先させる姿勢は転換すべきだ。買い取り価格の引き下げを含め、導入策の再設計を求めたい。

再生エネによる発電設備は、一昨年7月の制度開始から今年3月末までに、約900万キロワット分の稼働が始まった。このうち9割超を太陽光発電が占める。とくに九州は土地が比較的安く、日照時間が長いこともあり、九電に太陽光発電の買い取り申請が集中した。

だが、太陽光は天候や昼夜の発電量の差が大きく、安定性に欠ける。これを大量に受け入れると、周波数が乱れて電気の質が下がったり、停電が起きたりする恐れもあるという。

電力の安定供給のため、九電が受け入れ中断を決めたのはやむを得ない。

送電網の容量が限られていることもあり、東北電力や東京電力でも地域によって再生エネの受け入れを制限している。北海道電力では風力発電の受け入れ能力が限界に近づいている。

電気代に上乗せした徴収分は、すでに標準家庭で年間2700円の負担となっており、これからも増えることが確実視される。それとは別に、原発の運転停止による料金の大幅上昇もある。

制度改革は待ったなしだ。大規模な発電事業者には、送電網の容量増や接続設備などで一定の負担を求めたい。年1回の買い取り価格の見直しの機会を増やし、割高な価格の是正も急ぐべきだ。

再生エネは環境に対する負荷が小さい。「地産地消」型の分散電源として、将来にわたって大事に育成すべきものだ。

無理な普及策をごり押しするなら、かえって普及を妨げることになりかねない。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:おたかさん死去 確かに「山」を動かした (2014年09月29日)

「ダメなものはダメ」「やるっきゃない」、そして「山が動いた」。数々の言葉が今も多くの人々の記憶に残っていることだろう。元衆院議長の土井たか子さんが亡くなった。85歳だった。

女性初の旧社会党委員長で、女性初の衆院議長。土井さんは政界における女性のトップランナーだった。しかし、戦後の日本政治史の中で最も特筆すべきは、やはり政権交代時代のきっかけを作ったことである。

1986年の衆参同日選での旧社会党惨敗を受け、土井さんが同党の委員長に選ばれたのは、いわば窮余の策だった。ところが、はっきりした物言いと自民党との激しい対決姿勢が人気を博し、89年夏の参院選では消費税導入やリクルート事件などを追い風に、「おたかさんブーム」「マドンナブーム」を巻き起こし旧社会党は躍進。自民党は大敗して参院では与野党が逆転した。

これが、ねじれ国会の始まりであり、後の非自民各党による細川政権、さらに民主党による政権交代につながっていく出発点だった。

自民党は2年前、政権に復帰したものの、89年以降、参院では一度も自民単独では過半数を得ていない。それを考えれば当時の土井旋風がいかにすさまじかったかを物語っている。「山」は確かに動いたのだ。

細川政権下で衆院議長に就任した時、議員の名前に従来の「君」ではなく「さん」をつけて呼んだのも時代の変化を示す出来事だった。

しかし、その後、旧社会党、社民党は選挙のたびに退潮。土井さんは一度は社民党党首となるが、そのさなかに秘書給与をめぐる詐欺事件で自身の秘書が逮捕され、最後は寂しく政界を去っていった。

既に引退から9年。安倍政権が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する中での訃報である。

土井さんは元々は大学で教壇に立った憲法学者で、「護憲」のシンボルだった。一方で憲法に対してあまりにも柔軟さを欠いたことや、「何でも反対」の抵抗野党路線が無責任との批判を浴び、社民党が少数政党に転落し、護憲勢力が退潮する要因となったのは事実だ。

ただし、安保政策の大転換となる憲法解釈の変更をいとも簡単にしてしまった今の安倍政権の姿勢を「護憲勢力が退潮しているから」の一言で片付けるわけにはいかない。

土井さんが元気だったら「今の野党は政権に対して物わかりがよすぎる。なぜ、もっと激しく向かい合わないのか」と叱咤(しった)していたに違いない。なぜ、あの時代、土井さんが国民の大きな支持を集めたのか。おたかさんの迫力を野党はもう一度、見直す時と思える。

2014年09月29日 02時30分
posted by (-@∀@) at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:海外犯罪被害者 国内と同等の支援を (2014年09月29日)

29日召集の臨時国会で自民、公明の与党は議員立法による「国外犯罪被害者の遺族に対する弔慰金の支給に関する法律案」の成立を目指すという。これまで国の支援の対象外だった海外での犯罪被害者について援助に転じる第一歩ではあるが、国内の犯罪被害者と比べて十分な支援には程遠い。見直しを求めたい。

殺人など故意の犯罪行為で死亡した被害者の遺族や障害が残った被害者には、国が経済的に支援するため、犯罪被害者等給付金支給法に基づき最高約4000万円を支給する。ところが同法は犯罪の発生場所を国内か日本の船舶・航空機内に限っている。海外での犯罪被害の認定は難しいというのが理由だが、それでは理不尽だとの意見が強まっていた。

しかし与党の法案は、海外の犯罪で亡くなった日本人被害者の遺族にだけ弔慰金として100万円を支給するにとどまる。国内の被害者との落差はあまりにも大きい。被害者の苦しみに国内も海外も変わりがないことを考えれば、国が同等に支援する仕組みに練り直すべきだ。

被害者や遺族を社会が連帯共助の精神で援助するのが犯罪被害給付制度だ。各都道府県公安委員会が裁定し、支給額は被害程度などにより障害約4000万?18万円、重傷病最高120万円、遺族約3000万?320万円。昨年度は516人に計12億3000万円余が支給された。

昨年2月に米領グアムで起きた無差別殺傷事件などを契機に、海外の被害者にも給付制度の適用を求める声が高まった。だが内閣府に置かれた有識者らの検討会は今年1月、別の枠組みによる支援を目指すべきだと結論づけ、与党案につながった。海外には犯罪事実を詳細に調査する足場がなく、調査の濃淡によって公平性に問題が出るため、在外公館が入手可能な情報で遺族に一律支給する単純な制度にするというのだ。実務を担うことになる警察庁と外務省の強い抵抗があったためだ。

これでは何よりも国内の被害者との公平性を欠くことになる。調査が困難だから支援全体を縮小するというのではなく、幅広い支援を優先する考え方に立つべきだ。

一方、野党側は海外の被害者も遺族も国内と同様に支援するため、給付金支給法改正案を提出している。試算では支給額を含めた年間経費は約1億5400万円で足りるという。この案を軸に与党は野党に歩み寄ってはどうか。

外務省によると、海外で犯罪被害に遭った日本人は一昨年5852人で、このうち亡くなったのは20人、負傷者198人。毎年1700万人前後が海外に出かけ、誰もが犯罪に巻き込まれて被害者になり得る時代だ。支援のあり方が問われる。

2014年09月29日 02時31分
posted by (-@∀@) at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] チーム学校構想 事務職員も欠かせない戦力だ (2014年09月29日)

教育現場の様々な課題に対処するため、教師だけでなく、事務職員や外部人材の力を有効に活用したい。

中央教育審議会が、学校組織の総合力を高める方策の議論を始める。

教師と事務職員の役割分担を見直す。児童心理や福祉の専門家を積極的に受け入れる。学校をいわば一つのチームとして活性化させようという構想である。

いじめや不登校、保護者からのクレームの対応、貧困家庭の子供の支援、学校施設の地域開放など、教育現場の業務は授業以外にも多岐にわたる。教師はこれらをすべて抱え込みがちで、多忙化の要因の一つになっている。

業務の内容を再点検し、事務職員や専門スタッフに任せられる仕事は任せていく。それによって、教師が授業の準備をする時間や、子供と向き合う機会を増やし、指導の充実につなげようという方向性は妥当と言えよう。

文部科学省は今後10年間で、3000人の事務職員の増員を計画している。現在、主に学級数の多い大規模校で認められている事務職員の複数配置を、中規模校にも広げることを目指している。

増員を図る上で重要なのは、事務職員の資質の向上である。

学校の事務職員は、自治体によって採用や育成の方法にばらつきがある。パソコンを使った情報処理の技術など、現場で必要とされる能力をしっかり身に付けられるよう、各自治体の研修を充実させることが求められる。

児童・生徒の心のケアを担うスクールカウンセラーや、家庭訪問などを通じて環境の改善にあたるスクールソーシャルワーカーを、どう確保していくかも課題だ。

こうした外部の専門スタッフは、臨床心理士や社会福祉士といった資格を持ち、現場のニーズは高い。にもかかわらず、勤務形態は非常勤で、複数の学校を掛け持ちするケースが多い。

学校教育法上、学校の職員としても位置づけられていない。継続的・安定的な配置を実現するためには、職務を法的に明確にすることを検討してはどうか。

外部の人材をも束ねることになれば、校長や副校長ら学校管理職の役割は一層、重くなる。

現在、公立学校の教師の年齢構成は、50歳代に比べて30?40歳代が少なく、将来の管理職候補が手薄な状況だ。中堅教師が学校運営の手法を学べる講座を教職大学院に設けるなど、管理職養成の体系的な仕組みを整えたい。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] ソニー経営不振 大胆な発想で活路を開きたい (2014年09月29日)

かつて独創的な製品で世界市場を席巻したソニーが、深刻な経営不振にあえいでいる。

「過去の栄光」に安住していては、厳しい国際競争に勝ち抜けない。一から出直す覚悟で、再建を果たしてもらいたい。

ソニーは、2015年3月期決算の予想赤字額を500億円から2300億円に修正した。株主配当を見送り、1958年の上場以来、初めて無配に転落する。

ソニーの赤字決算は、最近7年で6回目となる。長期低迷からの再生を託され、一昨年に就任した平井一夫社長は、スマートフォンを中核事業に据え、反転攻勢をかける方針を示していた。

だが、肝心のスマホ事業で収益目標を達成できず、大幅な損失計上を迫られた。高級端末は米アップルのiPhone(アイフォーン)に大差をつけられ、低価格帯でも中国など新興国メーカーに市場を奪われた。

平井社長は高級端末への絞り込みなどで収益性を高める考えを強調したが、同様の手法で巻き返しを目指した薄型テレビは、今も赤字続きである。スマホも同じ轍(てつ)を踏む懸念が拭えない。

高度成長を支えた電機メーカーの多くは、新興国勢との競争で苦戦し、利益の薄い消費者向けから企業向けビジネスに軸足を移し、生き残りを図った。

日立製作所や東芝は、原子力発電や鉄道などインフラ事業に経営資源を集中し、安定した収益を上げている。パナソニックも薄型テレビやスマホを縮小する一方で、住宅や自動車の事業に注力し、業績を回復させた。

これらの総合電機メーカーとは違い、ソニーは東京通信工業として創業し、ラジオ、テレビ、ゲームなどで成長してきた。消費者向けの事業を単純に切り捨てる手法では、再生は望めまい。

ソニーは映像や音声の技術力に定評がある。11月に発売する新型ウォークマンは、CDより高音質な規格に対応した再生機として、世界最小、最軽量を実現した。

こうした性能向上や改良で、支持を広げてほしい。さらに、消費者が待っているのは、ソニーらしい大胆な発想をヒット商品に結びつける力の復活だろう。

かつてウォークマンでは、「音楽を持ち歩く」という生活スタイルそのものを提案し、絶大な支持を得た。「ソニー神話」を支えた自由闊達(かったつ)な企業風土を生かし、全く新しい消費者ニーズを掘り起こすことが、活路を切り開こう。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 御嶽山噴火―火山リスクの直視を (2014年09月29日)

紅葉を楽しむ、楽しい登山が暗転し、30人以上の登山者が心肺停止状態で発見された。うち4人の死亡が確認された。

長野・岐阜県境の御嶽山(おんたけさん)の噴火は、多くの被災者を出す惨事になった。身を隠す場所が限られる山頂付近で、噴石に直撃されたのだろうか。

今回、噴火するまで御嶽山の警戒レベルは、5段階で最低の「レベル1」(平常)だった。

気象庁は噴火を予知することは困難だったとしている。火山性の地震が今月になって増えたが、ほかに異常がなく地震も落ち着いていた。地震の続発は、地元自治体に伝えてもいた。

もし地震が増えた段階で、火口周辺への立ち入りを規制する「レベル2」に警戒レベルを引き上げていたら、あるいは立ち入り自粛を呼びかけていたら、被害を減らすことができただろうか。検証が必要だろう。

自己責任にゆだねられる部分が多い登山で、こうした警戒情報をどのように伝え、万が一の事態にどう備えるのか。それぞれの火山で、地元自治体は気象庁や登山愛好者らと相談してみてはどうだろう。

火山噴火予知連絡会の拡大幹事会はきのう見解をまとめた。今回の噴火は、地下水がマグマで熱せられて起きた水蒸気爆発で、火砕流を伴った。今後も同程度の噴火や火砕流の発生に警戒が必要と呼びかけている。

国内の噴火で犠牲者が出たのは、1991年の長崎県の雲仙・普賢岳以来だ。110もの活火山がある日本だが、全体としては静穏な歳月が続いてきた。

火山噴火は比較的低いリスクと見なされ、他の災害に比べ対策が遅れている。火山予知連が監視強化を求め、気象庁が常時監視する47火山でさえ、必ずしも観測体制は充実していない。

地震よりまれにしか起きず、直接的で実証的な研究が進みにくい難しさもある。大学など研究現場で実用的な成果を短期間で求める風潮が強まるなか、火山研究者は減少の一途だ。

このままでいいはずはない。

300年前の1707年に起きた富士山の宝永大噴火は、噴火規模を0?8で示す火山爆発指数で5相当と考えられているが、横浜で10センチ、江戸で5センチもの火山灰が降り積もった。

現代なら電子機器や交通網、上下水道など、都市機能は壊滅的な打撃を受けるだろう。

世界有数の火山国である以上、政府は火山のリスクを軽視していてはならない。

火山の観測や研究を強化するとともに、噴火被害の軽減策を着実に図るべきである。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 日本と韓国―前を向き進むしかない (2014年09月29日)

すっかりさび付いてしまった歯車が、やっと少しずつかみ合い始めた感がある。国連総会が開かれたニューヨークを舞台にした日韓の政治の言動は、そんな思いを抱かせた。

韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は、おそらくこれまででもっとも穏やかな表情で岸田外相と握手した。

両首脳の演説も印象的だった。朴槿恵(パククネ)大統領が「慰安婦」という言葉を使わずに、戦時の女性への性暴力問題を取り上げると、安倍首相は「日本は紛争下での(女性に対する)性的暴力をなくすため、国際社会の先頭に立つ」と呼応した。

このきっかけを日韓両国は大切に育てていかねばならない。そのためには互いに無用な刺激をしないことが求められる。

安倍政権の発足に続き、韓国で朴政権が誕生したのは約1年半前のこと。新政権同士の関係は空回りを続けた。

双方ともこれまで自国の「世論」を気にして、外交の柔軟さを欠いていた。だが、国交正常化50年となる来年が迫るなか、疎遠な政治の関係をこのまま放置していいのか、という危機感が背中を押している。

朴大統領は、これまで歴史認識問題に熱心とはいえなかった安倍政権に強い警戒心を抱いてきた。政権発足以来、対日強硬論を唱えた尹外相の存在も大きかった。

だが、政権内の権力構造の変化にともない、最近では経済分野など外交当局以外の部署から多様な日本情報が入ってくるようになった。尹外相の発言力は弱まり、大統領も軟化を始めたようだ。

日本も「対話のドアはオープン」(安倍首相)と言うだけで中韓の首脳をドアに近づける努力は十分ではなかった。

日韓の外務当局間で続いている局長級協議の主議題は慰安婦問題である。歴史認識がからむ問題の解決には政治指導者の決断が欠かせない。

だからこそ、首脳会談を始めるべきだ。トップ同士の対話は重くのしかかった懸案を改善する役割を当然担っている。

関係改善に向けた始動は遅きに失したが、前を向いて歩みを進めるしかない。

両首脳がともに出席する年内の国際会議は、11月の北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)などいくつかある。これらの機会を上手に使い、国交半世紀の節目をどう迎えるか、思い描くイメージを伝えあうべきだ。

隣国の首脳同士が行き来しあえるという本来の関係を、早く取り戻さなければならない。
posted by (-@∀@) at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月28日

[東京新聞] 週のはじめに考える 新幹線と安全思想 (2014年09月28日)

新幹線の高速正確な運行は、世界に誇るべき日本技術の一つです。十月一日で開業から五十年。安全を追い求めてきた半世紀といってもいいでしょう。

東日本大震災の二〇一一年三月十一日。大地が揺れ始めた時、東北新幹線は十九本の列車が走っていました。震源に近い宮城県の仙台−古川間を時速二百七十キロで走行中の列車も。

その十九本は、間もなく、いずれも脱線することなく無事に停車しました。


◆5秒早く地震を検知
----------

新幹線は、早期地震検知システムを備えています。沿線のみならず海岸部にも地震計を設置し、初期微動の検知により、送電を遮断。電気が止まれば列車には非常ブレーキがかかり、主要動の前に停止動作が始まるわけです。

金華山の海岸地震計は、沿線の地震計より五秒早く大地震を検知しました。この五秒の余裕が時速二百七十キロで疾走していた列車を救った、ともいいます。

こうして、東海道新幹線開業から続く「列車事故による乗客の死傷者ゼロ」の記録を更新できたのです。

世界に冠たる安全実績をもたらしたものは、どこまでも事故を恐れることで鍛えられた安全思想でしょう。

安全記録途絶の危機は、幾度も繰り返されてきました。

一九九五年の阪神大震災で、山陽新幹線は高架橋八カ所が倒壊。午前六時に始発列車が出る直前でした。幸運だった、と言うべきでしょう。

〇四年の新潟県中越地震では、上越新幹線を走行中の下り列車が脱線し、上り線側に大きく逸脱しました。対向列車との衝突を免れたのは、列車密度の低い上越新幹線ならではの幸運、とも言われています。


◆運転士の目では遅い
----------

新幹線を運行するJR各社は、阪神大震災を教訓に橋脚など構造物の耐震性強化を進め、中越地震を教訓に非常ブレーキ作動までの時間短縮を図りました。

東日本大震災で全列車が無事に停車できたのは、阪神、中越両地震後にきちんと地震対策をした成果でもあるのです。

では、その安全思想は、どこから生まれてきたのでしょう。

新幹線の生みの親といわれるのは、当時の国鉄総裁だった十河(そごう)信二氏と技師長の島秀雄氏(ともに故人)です。

五〇年の朝鮮戦争特需を機に日本経済の復興が始まり、五六年に全線電化が完了した国鉄東海道線も輸送力が追い付かなくなりました。既存路線の複々線化、別ルートでの新線建設などが議論される中、スピードの出せる広軌での新線建設を主導したのが十河総裁、島技師長でした。

目指したものは、従来の鉄道とは異次元といっていい高速鉄道のシステムでした。

鉄道事故は踏切で多発する−ならば、踏切のない完全立体交差の路線にすればよい。

時速二百キロ以上の高速走行では、運転士の目による判断は間に合わない。では、どうするか−運転士が非常ブレーキをかけるのではなく、その必要をなくすシステムを考えればよい。

自動列車制御装置(ATC)、列車集中制御装置(CTC)など、幾重にも張り巡らされた新幹線の安全装置は、このような考え方から生まれました。

在来の国鉄線では、五一年に根岸線の桜木町駅で架線作業ミスから死者百六人を出した車両火災「桜木町事故」、六二年に常磐線三河島駅構内で死者百六十人を出した「三河島事故」など大事故が続きました。

桜木町事故の責任を取って国鉄から去ったのが、当時の車両局長だった島氏でした。新幹線建設のため十河総裁に呼び戻された島技師長は、だからこそ、どこまでも安全を追い求めたのでしょう。

新幹線計画が発表されたのは五八年。世界の大勢は、船と鉄道は斜陽化し、飛行機と自動車へ、という時代でした。国内でも、巨費を投ずるなら高速道路整備を、と新幹線反対論が噴き出しました。

鉄道ファンの作家、阿川弘之さんも、後にその発言は撤回していますが、「世界の三バカ」と言われた万里の長城、ピラミッド、戦艦大和に例えて計画の再検討を求めたほどでした。


◆リニアは人に優しく
----------

逆風も吹く中で構想された新幹線が、その後の日本社会にどれほど影響を与えたか、あえて書くまでもないでしょう。

次の半世紀は、リニア新幹線の時代になるのでしょうか。

リニアが継承すべきは、まず、これまでの半世紀で磨き上げてきた安全思想です。それに、半世紀前にはなかった環境の重視です。つまり、人に優しい、ということではないでしょうか。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 御嶽山噴火 被害拡大防ぎ観測強化を (2014年09月28日)

長野・岐阜県境の御嶽山が噴火した。

国土交通省中部地方整備局のカメラが、南側の斜面を這(は)うように噴煙が流れ下る噴火時の状況をとらえている。

この噴煙や降灰に登山者らが巻き込まれ、多くの被害が生じた。

安倍晋三首相は登山者の救助や安全確保を最優先に、状況の把握を急ぐよう指示した。

今後の火山活動にも十分注意しながら、降灰による農作物への被害なども拡大しないよう総合的な対策を講じるべきだ。

登山者にとって、今回の御嶽山の活動は「突然の噴火」であったに違いない。気象庁が御嶽山の警戒レベルを「平常」の1から「入山規制」の3に引き上げたのは、噴火から約40分が過ぎた27日午後0時半過ぎである。

気象庁によると、御嶽山では今月10日ごろから火山性の地震が増加し、今後の火山活動の推移に注意するよう呼びかけていた。

噴火の直前には、火山性微動とよばれるマグマの動きに伴う現象も観測されている。

ただし、これらの現象が必ず噴火に結びつくわけではなく、気象庁は「噴火の予測は難しかった」としている。

日本は地震や火山噴火の多発国であり、台風の接近や前線の活動に伴う風水害も多い。

観測技術の向上により、自然災害の予測がある程度可能になった分野もある。しかし、全ての災害を予測し、リスクを回避することは不可能だ。

竜巻や落雷、地震・津波などの自然災害に突然、巻き込まれる可能性は、日本列島のどこにいてもあることを、改めて認識する必要がある。

山に登るときは山のリスクと、海に行くときは海の危険と向き合う。起こり得る災害を正しく恐れ、自然と共存する道を探ることが大切だ。

噴火に備えるためには、火山を知らなければならない。御嶽山噴火を機に、火山観測の重要性を再認識したい。

御嶽山のような活動的な火山であっても、一定規模の大きな噴火が起きるのはまれだ。火山学は、平常時の地道な観測と、噴火前後の大きな変化を比較、検証することによって前進する。

政府としても、火山の観測と研究を支えるべきである。
posted by (-@∀@) at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする