2014年03月31日

[読売新聞] あす消費税8% 社会保障安定への大きな一歩 (2014年03月31日)

◆景気失速の回避に全力尽くせ◆

消費税率があす1日、5%から8%に引き上げられる。増税分は社会保障費の財源になる。

政府は、社会保障制度を充実させるとともに、増税の打撃を緩和し、春以降の景気失速を回避しなければならない。

安倍政権の経済政策、アベノミクスの効果で景気は回復してきたが、デフレ脱却や、本格的な経済成長は道半ばである。日本経済は正念場を迎えよう。

消費増税は、自民、公明、民主の3党が合意した社会保障と税の一体改革で決まった。8%に続き、2015年10月には10%へ引き上げる予定になっている。

◆次世代につけを回すな◆

国の借金は1000兆円を超え、先進国最悪の財政状況だ。少子高齢化や、働く世代の減少などにより、特に膨張しているのが、医療、年金、介護、子育て支援などの社会保障費である。

年30兆円に達している社会保障費はさらに毎年1兆円程度も増える見通しだ。

巨額の赤字国債発行で、将来世代へのつけ回しを続けるべきではない。

消費者全体で幅広く負担する消費税の増税によって、安定的な税収を確保し、社会保障制度を維持・充実する意義は大きい。

政府は増税分の使途について、高齢者を支える医療と介護の連携体制の強化、子育て支援、少子化対策などに充てる方針だ。

国民に一層の負担を求める以上、効果的な施策を実施しなければならない。社会保障制度を安定させるため、医療、年金、介護の給付費抑制も含めて、政府はさらなる検討を急ぐ必要がある。

消費増税に先立ち、消費者の間では、自動車、家電といった耐久消費財をはじめ、食品、家庭用品など幅広い商品で駆け込み需要が高まり、消費が拡大してきた。

それにより、今年1?3月期の成長率は5%前後の伸びが見込まれているが、問題は、増税後の日本経済の動向といえる。

◆成長戦略で基盤強化を◆

1997年4月に消費税率が3%から5%に引き上げられた際、アジア通貨危機や金融不安も重なり、景気は急激に悪化した。

今回も、駆け込み需要の反動減による販売の落ち込みなどで、増税後の4?6月期にマイナス成長に陥るとの予測が大勢を占める。7?9月期以降、再びプラス成長に回復するとみられるが、先行きは楽観できない。

安倍首相が、「増税の悪影響を最小限に抑え、速やかに景気が回復軌道に戻るよう万全を期す」と強調しているのはもっともだ。

政府が景気下支えの「切り札」としているのが、公共投資を柱とした5・5兆円の13年度補正予算と一般会計総額が過去最大の95・9兆円の14年度当初予算だ。

予算が前倒しで使われるよう、政府は新年度予算の公共事業などの執行率を「9月末に6割以上」とする数値目標を設けた。

迅速な執行を通じ、景気の腰折れを防ぐ効果が期待される。ただ、建設現場の人手不足や建材価格の値上がりで、入札が不調となる例が目立つのは気がかりだ。

景気の牽引(けんいん)役である企業の設備投資と輸出は依然、力強さを欠いている。

企業各社は、4月以降の販売減などの逆風も覚悟しなければなるまい。民需が主導する力強い景気回復に向け、試練が続きそうだ。

それだけに重要なのが、政府が6月にまとめる成長戦略の第2弾である。企業活力を引き出したり、新産業の育成に弾みをつけたりする規制改革や、大胆な法人税率引き下げなどを打ち出し、経済の基盤を強化してもらいたい。

消費増税分を円滑に販売価格に転嫁できるよう、政府や自治体が監視を強めることも大切だ。

◆価格への転嫁は着実に◆

大企業が有利な立場を利用し、納入業者に価格据え置きを強いる買いたたきを防ぐ必要がある。

一方、消費増税で負担が増す家計への対策が不十分な点は問題だ。政府は低所得者に給付金を支給することにした。

だが、対象者を絞った1回限りの給付では、負担軽減の効果は限定的だろう。

首相は、今年末に15年10月に消費税率を10%に引き上げるかどうか決定する方針だ。今年7?9月期の経済成長率が決断のポイントになるに違いない。

10%とする場合は、生活必需品の税率を低く抑える軽減税率の導入が不可欠だ。軽減税率の協議を再開した自民、公明両党は、10%と同時の導入を決断し、対象品目の選定を急ぐべきである。
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[東京新聞] 国家戦略特区 「岩盤規制」の元凶正せ (2014年03月31日)

政府が首都圏など六地域を指定した国家戦略特区は中途半端な印象だ。強固な岩盤規制に穴をあけ既得権益を打破するというなら、岩盤そのものである「古い政治」にメスを入れるべきではないか。

国家戦略特区は、地域を限定して大胆な規制緩和を目指すという。日本の経済・社会が沈滞してきた大きな要因が、長く問題を指摘されながら打破できなかった「岩盤規制」にあり、改革するにはまず地域限定で突破口となる特区をつくろう−そんな問題意識である。岩盤規制は農業や医療、雇用分野を指し、既得権益を守ろうとする勢力の抵抗で緩和できなかったとする。

だが、よく考えれば、おかしな話である。農業や医療の既得権益死守を訴えてきたのは農協や日本医師会であり、カネや票で自民党政治を支えてきた有力な支持母体である。本気で岩盤規制を打破するのであれば、こうした古い政治と決別し、しがらみを絶たなければ実現できないはずだ。

安倍晋三首相は一月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で「いかなる既得権益といえども、私の『ドリル』から無傷ではいられない」と大見えを切った。だが、今回の第一弾の指定を見るかぎり、大仰な宣言とは裏腹に、ドリルを手加減しているのか岩盤をうがつ穴は見えにくい。

そんな中で、小粒だが期待したいのは、農業分野の特区に指定された兵庫県養父(やぶ)市という人口二万五千人強の自治体である。農地の取引は従来、農業関係者が取り仕切る農業委員会が決めてきたが、その関与をなくす規制緩和を求めた。市が立ち上げた株式会社が遊休農地を取得して農業を発展させようという試みで、岩盤打破の第一歩になるか見守りたい。

だが、国家戦略特区の本当の姿は注意深く見る必要がある。懸念されるのは、目指す規制緩和が必ずしも国民にとって良いものばかりでないことだ。安倍政権は「世界で最もビジネスがしやすい環境」を掲げており、解雇規制の緩和も模索している。外国企業や大手企業が人件費を抑え、思う存分稼ぎやすい環境である。

今回「ビジネス特区」に指定された東京圏や関西圏は、医療や公教育、街づくりで企業の参入や関与の道を開く規制緩和を行う方針だ。営利を旨とする企業の論理に委ねてしまえば、米国がそうであったように公教育や医療といった国の土台が揺るぎかねない。守るべき規制を見誤ってはならない。
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[産経新聞] あすから消費増税 国民が納得する成果示せ (2014年03月31日)

■円滑実施で早期の経済再生を

17年ぶりの消費税増税が4月1日から実施される。モノやサービスなどにかかる税率は5%から8%に引き上げられる。

消費税はその全額が社会保障に充てられている。膨張が続く社会保障費の財源を安定的に確保し、財政健全化にもつなげることが、今回の増税の目的である。この原点を忘れてはならない。

それを踏まえれば、税収増を前提に予算をばらまくといった余裕は全くない。安倍晋三政権は今後も歳出の効率化に取り組み、増税への国民の理解を得るためにも具体的な成果を示すべきだ。

≪歳出効率化が不可欠だ≫

今回は消費税分を抜いた本体価格のみの表示など、複数の価格表示が認められた。小売りの店頭では混乱も予想される。事業者は顧客への周知徹底を図り、円滑な実施に全力を尽くしてほしい。

平成9年の前回増税時には、個人消費の低迷が予想より長引き、その後の金融危機なども重なって景気が大きく落ち込んだ。だが、現在の経済環境は当時と比べて改善している。これを追い風に、政府と民間が力を合わせて増税を乗り切り、自律的な景気回復軌道にいち早く戻すことが重要だ。

安倍首相は28日の参院本会議で消費税増税について、「社会保障の持続性と安心の確保に取り組む」と強調し、増税後も歳入・歳出改革を進める考えを示した。首相はこれらを着実に実行し、増税の意義を国民に納得してもらう努力が欠かせない。

日本の財政は、少子高齢化が進んで社会保障費が急増し、国債の大量発行で帳尻を合わせているのが現状だ。国と地方の長期債務はとうに1千兆円を超え、先進国で最悪の状況にある。

アベノミクス効果で景気回復機運が高まり、幸い、税収は復調傾向にある。それでも来年度は40兆円超の国債を発行する予定だ。

これほど大量の国債を購入してもらうには、政府が歳出効率化に取り組む姿勢を明示し、財政に対する信認を確保しなければならない。消費税増税が国際公約であることも忘れてはなるまい。

ただ、財政健全化は増税だけでは達成できない。経済成長の同時実現が不可欠だ。その意味で、安倍政権が来年度予算などで増税に伴う景気の落ち込みを抑制する対策を講じ、その前倒し執行で景気の下支えを図るのは当然だ。

気がかりなのは、最近、人手不足などで公共事業の執行が遅れていることだ。優先順位を定め、景気浮揚効果の高い事業から発注するなどの工夫を求めたい。

産経新聞の主要企業アンケートによると、増税が来年度業績に与える影響について、「まったくない」「軽微」とした回答が7割超を占めた。増税後の景気の先行きに自信をみせたものだが、一方で中小・零細企業による増税分の円滑な価格転嫁も必要だ。大手による買いたたきを防ぐため、政府の厳しい監視が求められる。

≪国は家計の痛み認識を≫

今の価格表示は、消費税込みの総額方式が原則だが、1日からの増税では税抜きなどの価格表示も容認された。消費税率10%への引き上げが予定される来年10月に、再び値札をはり替える事業者の負担を軽減するため、3年の時限措置で認められたものだ。

これにより複数の価格表示が混在する形になり、消費者が戸惑うことも予想される。小売り事業者は混乱を避けるため、何よりも丁寧な説明を心がけてほしい。

鉄道などの交通機関では、乗車券の種類によって同じ区間の料金が異なってくる地域もあるので、注意が必要だ。「スイカ」などIC乗車券は1円単位、切符は10円単位で消費税を転嫁するからだ。こうした二重運賃には、乗客から苦情が寄せられる恐れもあり、注意喚起を徹底してほしい。

民間調査によると、8%への増税で家庭の税負担は標準世帯で年7万円超増える。日本経済がデフレからの脱却をいまだ果たしていない中で、政府はこうした家計の痛みを強く認識してほしい。

10%への再増税については、首相が今年7?9月期の国内総生産(GDP)などを勘案して年末に判断することになっている。

しかし、まずは今回の増税を混乱なく実施し、経済再生に向けた足取りを早期に取り戻すことが先決だ。それがなければ、増税に対する国民の理解は到底獲得できないと銘記すべきである。
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[東京新聞] 猪瀬氏に罰金 これで“終章”とするな (2014年03月31日)

猪瀬直樹前東京都知事に罰金が科された。医療法人から受け取った五千万円は「選挙のカネ」だと東京地検が略式起訴したからだ。「個人の借金」との説明は虚偽だったわけで、言語道断である。

疑惑が浮かんだ当初から、猪瀬氏の説明は不自然極まりなかった。まず、昨年十一月下旬には、医療法人「徳洲会」グループからの五千万円は「資金提供という形で応援してもらうことになった」と述べたが、すぐに前言を翻し、「選挙資金ではないと断言できる」と語った。

その後には「全く個人の借金だ」と言い切った。「選挙後の生活とか、先のことが見えなかったので、個人的に借りる気持ちになった」とも述べていた。

借用書があったが、形だけのもので、現金を受け取った時点で、本当に返済するつもりだったか疑わしい。実際に公開された借用書には、押印も印紙もなかった。無利子・無担保でもある。

「手つかずで触ってもいない」はずだった現金なのに、別の銀行の金庫に移っていた。「妻が貸金庫を開けた」「妻が別の銀行に移した」…。要するに、ぐるぐる変わる猪瀬氏の言い分は、全く信用性に欠けていたのだ。

東京地検が略式起訴にとどめたのは、選挙のための五千万円だったものの、結果的に選挙に使われなかったからにすぎない。徳洲会グループの徳田虎雄前理事長も「選挙のための資金として貸した」と話したとされる。

略式起訴は公判手続きを経ないで、罰金刑を科す仕組みだ。検察側の言い分に異議を唱えないわけだから、当然、猪瀬氏も「選挙のカネ」だと東京地検に認めた。「個人の借り入れ」との説明は全くウソだったことになる。

でたらめな説明を都民にも都議会にも続けていたわけだ。もし猪瀬氏が五十万円の罰金を払えば済むと思っているなら、あまりに事を軽く考えすぎていよう。

「借金は一つの側面で、記憶を整理すると選挙の資金の側面があった」と猪瀬氏は記者会見で話した。真実を探りだすノンフィクション作家としては、まだもどかしい。今後も丁寧な説明をする努力を尽くしていかなければ誰も納得しまい。

徳洲会が取得しようとした「東京電力病院」は、現金授受の前に猪瀬氏が東電に対し売却を迫った案件だ。疑惑は完全に晴れたわけでもなかろう。まだ事件の“終章”とさせるべきでない。
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[毎日新聞] 社説:東京五輪組織委 前例にとらわれないで (2014年03月31日)

2020年東京オリンピック・パラリンピックの最高意思決定機関となる組織委員会が本格的に動き出した。「史上最高の大会」「記憶に残る大会」とするためには、前例にとらわれることなく、国民の幅広い意見に耳を傾けてほしい。

組織委を構成する理事は34人で、招致段階から掲げられた「オールジャパン」に基づき、政治、経済、官僚、スポーツ、文化の各界から選ばれた。元首相で76歳の森喜朗会長を筆頭に副会長、専務理事、常務理事の役員計11人は全員男性で、しかも50歳以上。「オールドジャパン」との批判を意識して20?40代を加えたものの、60代以上が21人と6割を超え、平均年齢は58.7歳だ。

女性は元オリンピック選手ら7人を選び、2割を確保した。今年1月のダボス会議で安倍晋三首相が「20年までに指導的地位にいる女性の割合を3割に引き上げる」と明言した国際公約を先取りして実行できなかったのは残念だ。

近代オリンピックの創始者クーベルタンの思想や哲学などに詳しい学識経験者らが見当たらないことも気になる。理事会は有識者や一般の国民が意見を述べる機会を定期的に設け、議論に反映させてほしい。

全理事が初めて顔を合わせ、抱負を述べた26日の理事会で首をかしげる場面があった。大会の成功は日本が獲得するメダル数にかかっているかのような発言をした理事が複数いた。組織委の任務は国際オリンピック委員会(IOC)に提出する開催基本計画の作成やマーケティング活動の推進をはじめ円滑な大会運営の実現に力を注ぐことであり、自国のメダル数を増やすことではない。

大会の成功はまず、世界中から集まる選手たちが競技に専念できる環境を整えられるかどうかにかかっている。各理事は東京開催の意義やビジョンなどが書かれている立候補ファイルを読み込んでほしい。

オリンピック閉幕の16日後にパラリンピックが開幕することについて先日、自民党の野田聖子総務会長が「パラリンピックを最初にやってほしい」と述べた。傾聴に値する提案であり、賛同者も少なくない。オリンピックより先に開催することは前例がなく、IOCなどの承認も必要だが、実現すれば障害者スポーツへの注目度は飛躍的に高まり、理解も深まる。東京がオリンピックとパラリンピックの歴史に名を残す大会となることは間違いない。

未来を見据えた議論も欠かせない。学校におけるオリンピック教育を通して子どもたちが理念や歴史だけでなく、スポーツと政治や経済などの関係を学ぶことができれば、大会後の無形の遺産となるだろう。

2014年03月31日 02時32分
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[毎日新聞] 社説:ハーグ条約発効 子のため穏便な解決も (2014年03月31日)

国際結婚が破綻し、一方の親が無断で子供を連れて出国した場合、原則としていったん元の国に子供を戻す国際的なルールを定めたのがハーグ条約だ。日本が加盟を決めたこの条約が4月1日に発効し、昨年国会で成立した関連法が施行される。

日本人と外国人の国際結婚は年間4万件前後。結婚関係が破綻し、子供の監護権をめぐり争いになることも少なくない。「子供の連れ去り」に発展した場合、元の国から誘拐で指名手配されることさえある。

欧米の主だった国が条約に加盟し、既に91カ国に上る。日本の早期加盟を求める声は強かった。子供の利益を最優先に、国際社会の枠組みで紛争解決を図る第一歩としたい。

条約と関連法で決まった手続きはこうだ。無断で外国から子供を日本に連れ帰った場合、配偶者の申し立てがあれば、外務省が子供の所在調査をし、東京、大阪家裁のいずれかで返還の是非を決める。逆に、日本から無断で外国に子供を連れ去られた場合、外務省が相手国と交渉し、相手国で返還の是非を判断する。

子供は元の国に戻すのが原則だが、例えば連れ帰った理由に配偶者の暴力などがあれば、返還拒否ができる規定がある。ドメスティックバイオレンス(DV)については、各国で既に司法判断の実績が積み重ねられている。そうした事案も参考にしながら、子供にとってよりよい解決の道を探るべきだ。

子供の帰属をめぐる争いは、「返す」か「返さない」かの二者択一だ。「返す」となれば、母親と幼い子供を引き離すといった作業も伴う。親が子供を抱えて抵抗した場合、子供の精神的ダメージを考慮して、裁判所の執行官は無理強いしないといった対応も細かく規定されている。

できれば、穏便な解決が望ましい。実は、条約には裁判外の調停での話し合い解決が望ましいと書かれている。例えば、子供を連れ去った母親が、配偶者と子供の面会を認めれば、配偶者が返還請求を放棄するといった解決が現実には少なくない。

国内でも、東京や大阪の弁護士会が、紛争解決センターなど既にある裁判外の調停組織を活用して問題解決を図る準備を進めている。条約の運用実績の長い英国やドイツなど欧州では、児童心理士や精神科医といった専門家が、こうした話し合い解決の場に加わっている。

だが、日本では法律家以外の専門家が加わる体制はまだ不十分だ。例えば子供の返還命令が出た場合、当事者を落ち着かせたり、外国から子供を連れ戻した後に、日本での生活に早く慣れさせたりといった場合も、こうした専門家は不可欠だ。しっかり体制を整えたい。

2014年03月31日 02時30分
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[朝日新聞] 中間貯蔵施設―ボールはまだ国にある (2014年03月31日)

福島県内での除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐって、政府が修正案を県や地元町村に示した。

当初3カ所で予定されていた施設の建設は、地元の見直し要望を受けて双葉、大熊の2町に集約された。ただ、それ以外は当初案からの修正がほとんどなく、首長からは「もう少しスピード感をもって対応してもらいたい」(大熊町長)と、いらだちの声があがった。

現状では、国が予定する来年1月の搬入開始は、とても無理だろう。計画がいたずらに遅れれば、復興に支障が出る。国は合意への道筋をつける努力と工夫を重ねるべきだ。

国と地元との溝は大きい。

例えば施設用地について、地元は賃貸も認めるよう求めている。たとえ長期間住めなくても先祖伝来の土地を手放したくない住民が少なくないからだ。だが、国は「管理上の困難」を理由に買収する方針を譲らない。

代替案として、「地元の意向も踏まえた跡地利用」を提示したが、例示もないままでは住民も判断に困る。地域振興策についても、「財政措置を講じる」との言及にとどまった。

最大の課題は、除染廃棄物の最終処分だ。

国は搬入開始から30年以内に県外に移して最終処分するという方針を掲げるが、県民の間には「結局はほごにされる」との懸念が強い。現実に、東京ドーム23個分とされる量の汚染土などを、ほかの自治体が引き受けることは考えにくい。

原発の安全対策や使用済み核燃料の処理にみられるように、難題を先送りして結局は壁にぶち当たるのが過去の原子力政策だった。その反省にたてば、現時点で30年後の約束にこだわることは、必ずしも生産的ではないという見方もある。

むしろ、廃棄物の量を減らしたり有害物質を除去したりする技術開発や安全管理面での地元の継続的な関与などについて議論を重ね、誠実に履行する道を探るべきではないか。

原発事故の直接の被害者でありながら、後始末の過程で生じる負担を受け入れなければ前を向けないところに、福島の苦悩がある。

中間貯蔵についても、各住民が意見や希望を口にし、それに対し最大限の努力がはらわれたことを確認する「納得」のためのプロセスが重要だ。

もちろん、「福島に押しつけて終わり」であってはならない。その点で国の対応は「通り一遍」の印象が強い。ボールはなお国の側にある。
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[朝日新聞] 国民投票法―「18歳」着実に進めよ (2014年03月31日)

憲法改正手続きの一環である国民投票法の改正案が、いまの国会で成立する見通しになった。自民、公明、民主など7党が、法案を共同提出することで合意した。

改正の柱は、投票に参加できる年齢を、改正法施行から4年後に「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げることだ。

また、選挙権も18歳からとする公職選挙法の改正を2年以内にめざすこととし、その旨を新たに付則に書き込む。

この合意を、手放しで評価するわけにはいかない。

憲法を改正するなら、将来を担う若い世代の意見も幅広く反映させる。あわせて成人や選挙権年齢も世界標準である18歳にすることで、社会や政治への参加を促す――。

こうした法制定当時の議論からすれば、後退した感が否めないからだ。

07年に成立した国民投票法は、投票権を18歳以上に認めている。ただし、法施行までの3年以内に、成人や選挙権の年齢も18歳以上にそろえるための法的措置をとると明記し、それまでは国民投票も20歳以上にするとしていた。

その後、法相の諮問機関である法制審議会が、成人年齢を「18歳に引き下げるのが適当」と答申したものの、必要な民法などの改正に向けた議論は事実上、放置されてきた。

自民党内には、保守派を中心に18歳を大人扱いすることに猛烈に反対する勢力がある。

それでも今回、民主党の要求をいれて選挙権年齢引き下げを改めて付則に盛り込むのは、改憲に向けた法的環境を整えておく狙いがあったからだ。

加えて自民党には、改憲に反対する共産党や社民党を除く政党で共同提案の枠組みをつくっておけば、憲法改正の発議に必要な3分の2の勢力を集めやすくなるとの思惑もある。

だが、改正案が成立したとしても、それで憲法改正に向けた準備ができたと考えるのは大きな間違いだ。

選挙権年齢のほか、今回の合意では、公務員の組織的な投票運動の規制についても今後の検討課題とされた。

これらに加え、今回はうやむやにされている成人年齢の引き下げも、同時に検討されるべきだ。自民党は改憲への環境整備を急ぐあまり、大事な問題を先送りしようとしていないか。

こうした「宿題」にきちんと答えを出さない限り、国民投票の実施など不可能だ。

「18歳」の議論は、着実に進めなければならない。
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2014年03月30日

[東京新聞] 週のはじめに考える 人類と科学への情熱 (2014年03月30日)

新入生、新入社員の皆さん、スタートの春です。夢にさぞ胸膨らむことでしょう。とりわけ自然科学を志す人たちには、情熱を思い切り燃やしてほしい。

自然科学を志す人たちには…、と、いうのは、STAP細胞をめぐる論文不正に内外が大きく揺れたばかりだからです。若い人たちに、科学とは何かをもう一度考えてほしいと思ったからです。

科学的思考とは、古代ギリシャあたりに始まるのでしょうか。この世界は一体何からできているのか。土、水、空気、火の四元素というのが当時の答えでした。

ばかばかしいようですが、笑ってはいけません。考えること、探究心こそが今に至る人類の力の源なのです。


◆16歳のアインシュタイン
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一九〇五年、二十六歳の青年アインシュタインは物理学史を塗り替える特殊相対性理論をドイツの物理学年報に発表します。工科大学では講義に飽き足らず欠席しがち。教授の信頼が得られず、研究室に残れなくなってスイスの特許局の技師に就職したころです。

自伝ノートによれば、彼は十六歳の時、光の矢を光の速さで追いかけたら、光の波は止まって見えるのか、いやそんなはずはない、と自問したそうです。以来長い思考の論理的帰結として光速度不変の原理、相対論は出てきました。だれも思い付かなかった論文は、むろん引用文献なしでした。

大学との関係はどうあれ、探究心を燃やし続けていた。そういう情熱は、だれもがもちうるもの、つまり人間の本能のようなものではないでしょうか。学問の世界とは、そういうものでしょう。

はた目には怠け者にみえる学生にせよ、それはじつは権威主義を嫌ったらしいのですが、論理に誤りがないのなら正しいのかもしれない。たとえ当時自然界を完璧かつ美しく説明していたニュートン力学を超えてしまおうとも。


◆一人の英知は万人へ
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発見にはプライオリティー、先取権とでも呼ぶべき名誉、栄光が伴います。未踏の高峰への初登頂にも似ていますが、一人の英知が万人の知恵となる人類への貢献でもあります。

先陣争いで知られるものの一つに、微積分法をめぐる英国のニュートンと、ドイツの数学者ライプニッツの対決があります。

ニュートンは十七世紀半ば、ペストで大学が閉鎖され故郷に戻っていたころ、微積分法を着想し論文も書いたが、仲間内の回覧にとどまっていた。その少し後、ライプニッツは独自に発見し、論文として発表しました。

のちにライプニッツはプロイセン科学アカデミー院長、ニュートンはロンドン王立協会の会長となり、国の威信もかかって、結局決着はつきかねたのですが、二人の功績は今に続く数学のまさに基礎となっています。

“初登頂”は二人いたということでしょうか。ニュートンの代表的力学書「プリンキピア」の初版は同じ発見者としてライプニッツの名も記していました。

先取権でいえば、エンドウを使って遺伝法則を見つけたオーストリアの修道院僧メンデルが「植物の雑種に関する実験」と題する発表を行ったのは、一八六五年でした。小さな研究会での発表論文は長く埋もれたままでしたが、一九〇〇年に日の目を見る。

同じ法則をオランダやドイツの学者らが見つけ、念のため過去の論文を調べたらメンデルの先行が判明したのです。残念ながらメンデルは亡くなっていました。

人は死すとも、その情熱は死なず。しかも先人の情熱が積み重なった上に、次の情熱は生まれるのです。ニュートンの言葉を借りれば、私たちは「巨人の肩の上に乗っている」のです。

科学とは人類史の蓄積にほかなりません。自然科学のみならず、政治、経済、文学などの人文科学ももちろん先哲たちの情熱のたまものに違いありません。


◆堕落しないためには
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研究には競争が、また人間ですから欲望もあるでしょう。

そこでアインシュタインはこんなふうに言います。

「人間が世間から称賛されるため自らが堕落することを防ぐ道はただ一つ、それは働くことだ」

ひたすら研究に打ち込め、真理を探す情熱を持ち続けよ、というのです。その確信の裏側には自然は決して裏切らないという信念があります。真理はわが手中でなく、自然界の中にあるのです。

新入生、また新入研究者の皆さん。あなた方は疑いもなく先人たちの大きな肩の上に乗っているのです。それに恥じぬよう、自然のまだ見せぬ真理を見つけてください。情熱は必ず燃え上がってきます。なぜなら、人間とはそもそもそういう存在なのですから。
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[産経新聞] 対北人権決議 拉致解決へ包囲網強めよ (2014年03月30日)

外国人拉致など北朝鮮の人権侵害を「人道に対する罪」と断じた調査委員会の報告書に基づき、国連人権理事会が対北非難決議を採択した。

北朝鮮が取るべき行動の一つに拉致被害者とその子供の帰国を挙げている。北には、「拉致問題は解決済み」という立場の撤回と、速やかな再調査の開始を求めたい。

決議は国連安保理に対し、北指導部の責任追及や制裁の検討を促した。具体的には、報告書が勧告したように、国際刑事裁判所(ICC)への付託である。安保理は素早く行動すべきだ。

北の人権状況の監視を強化するため、国連人権高等弁務官事務所に活動拠点を新設するよう要請した点も重要だ。拠点を設ければ、国際社会が継続して北の人権に目を光らせられるようになる。

調査委は日本などの提案を受け、昨年3月に設置が決まった。約1年かけ日韓両国などで拉致被害者家族や脱北者らの証言を集め、北の国家犯罪を立証した。報告書で任務を終えるが、厳しい決議を導いた労を多としたい。

報告書が理事会に提出された際には、拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんが出席し、被害者の帰国と北の人権状況改善へ「一層の努力をお願いする」と述べた。

機会を捉えて国際世論を喚起することが肝要だ。それを重ねることが北への圧力強化となる。

北朝鮮代表は決議に対し、「断固として拒否する」と反発した。北は今回、調査委の入国を拒否して調査も行わせなかった。やましいところがないなら、国際調査を受け入れるべきだったろう。

中国は調査委に一貫して批判的だった。自らも脛(すね)に人権抑圧の傷を持つからでもあろうが、安保理の今後の動きに拒否権を行使することがないよう強く要求する。

30、31の両日、北京で日朝局長級協議が行われる。安倍晋三首相はそれに先立ち、拉致被害者家族と会い、「対話と圧力」による問題解決への決意を表明した。拉致問題は家族の高齢化もあり、解決が急がれる。決議をその大きな一歩にしなければならない。

「対話と圧力」のさじ加減は難しい。ただ、北は、日米韓首脳会談にタイミングを合わせたように弾道ミサイルを発射し、地域の平和と安全に対する脅威でもある。軽々に制裁緩和や経済支援を示すことがあってはならない。
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[産経新聞] 国家戦略特区 失敗は成長戦略の崩壊だ (2014年03月30日)

もう「かけ声倒れ」は許されない。どこまで実効性のある規制改革に踏み込めるかが、アベノミクス第3の矢である成長戦略の成否を左右することを認識すべきだ。

政府が地域を限って規制緩和などを実施する「国家戦略特区」に、東京や大阪など全国6地域を指定した。日本に対する海外の投資受け入れや新産業育成の拠点として活用する。

戦略特区は、安倍晋三首相が掲げる成長戦略の柱である。医療や農業などの岩盤規制を突き崩し、民間企業の活躍の場を広げる成果を生み出せなければ、アベノミクスも失敗に終わりかねない。

都道府県単位の広域特区として東京圏と関西圏、沖縄県が選ばれた。農業活性化を進める農業特区には新潟市と兵庫県養父(やぶ)市、そして労働規制を緩和する雇用特区には福岡市が選定された。追加の地域指定も検討するという。

東京圏は、都市再生を通じて外国企業を誘致する国際ビジネス拠点とし、関西圏は成長が見込まれる医療のイノベーション拠点と位置付ける。企業活動を促す真の規制緩和に結実させてほしい。

一方、農業特区では農地集約などを通じて生産性の向上を図る。中でも人口3万人弱の養父市が選ばれたことを評価したい。過疎に悩む農村地域活性化のモデルにしていかなければならない。

特区が進める具体的な規制緩和を盛り込んだ事業計画は、今夏までに国と自治体、民間企業が一体となってまとめる。関係省庁の強い抵抗を受け、構想が各論段階で骨抜きにされかねない難所である。過去の規制改革が経験した失敗を繰り返してはならない。

これまでも、規制を緩和する地域限定の特区は設けられてきた。今回は首相を議長とする会議を新設し、地域提案を踏まえてトップダウンで緩和を進める構えだ。まさに首相の指導力が問われる。

三本の矢から成るアベノミクスで最も重要なのは、民需主導の自律的成長を促す3本目の成長戦略である。だが、目に見える成果は上がらず、アベノミクスへの期待から株高を支えてきた外国人投資家には失望も広がっている。

特区で実施した規制緩和で効果的なものは全国に広げ、民間投資を引き出す起爆剤とすべきだ。そして今後も、女性活用をはじめ、民間に活力を与える成長戦略の具体化を急ぐ必要がある。
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[毎日新聞] 社説:消費税8%へ 増税の原点、再確認せよ (2014年03月30日)

全国各地のスーパーや家電量販店などは、4月1日の消費税増税を目前にして買い物客でにぎわっている。税率5%のうちに日用品や保存のきく食料品などをまとめ買いしたり、家電製品を駆け込み購入したりする人たちだ。

消費税8%となる2014年度の家計の負担はふくらむ。みずほ総合研究所によると、年収300万円未満の世帯で年間平均5万7529円、年収600万?700万円の世帯で9万5562円、それぞれ増える見込みだ。

◇国民裏切るかけ声倒れ

負担増をやわらげようと、消費者は生活防衛を図る。それに比べ、税の効果的な使い道を考え、国の財政のかじ取りを任された現政権には、節約の発想も、やりくりの工夫も見られない。

安倍晋三首相は昨年10月の記者会見で消費税増税を表明し、国民に「歳出のむだは不断に削減していく」と約束した。ところが、実際にはかけ声倒れが続いている。

昨年末にまとめた新年度予算の政府案は、公共事業費をはじめ、防衛、農業関連などの主要な経費がそろって増額だった。予算規模は95兆円を超えている。

今年になって国会で成立させた13年度補正予算は「だまし討ち」のようなことが起きた。政府の行政改革推進会議が「むだ」と判定し、新年度予算からそぎ落とした事業の多くを復活させたのである。

自らの身を削って、えりを正すための改革もできていない。

「国民に負担増を求める以上、身を削る必要がある」と自民、公明、民主3党が、衆院の大幅な定数削減で合意して1年4カ月もたつ。しかし、定数を「0増5減」する応急手当てだけで、放置したままだ。

今回の負担増が、社会保障制度の充実や将来の不安解消に大きな力となるならば、まだいい。実際のところ、税率8%で生まれる財政のゆとりはわずかで、借金を穴埋めするのにも不十分だ。新しい対策はほとんど始められない。

法律に定めた通り15年10月に消費税率を10%に引き上げ、財政の余裕度をもう一段高めることが、将来につけを回さず、次世代への責任を果たすうえで欠かせない。だが、むだを見直さず、自らの身を削ろうとしないまま現政権がそれを言い出しても、国民は納得しないだろう。

今、求められるのは消費税増税の二つの原点の再確認である。

まず社会保障を持続可能なものにすることだ。

制度改革の骨格となるプログラム法は昨年末に成立した。所得に応じて負担を上乗せしたり、給付を減らしたりする新しい考えに基づいている。痛みを伴う方針転換だけに、強い反発があるだろう。だが、圧力に負ければプログラム法を肉付けする個別分野の法改正が遅れ、給付の抑制が進まない。政治的な困難さを克服して着実に実行すべきだ。

緩んだ財政規律を改め、むだを削る姿勢を国内外に明らかにすることも非常に大事だ。

国の借金残高は昨年6月、ついに1000兆円を超えた。借金増加の勢いは衰えない。一方で、民間も含めた国としての「稼ぐ力」である経常収支は12年度まで黒字だが、その黒字額は小さくなる傾向にある。「双子の赤字」が現実味を帯び、内外の市場関係者が今後の動きと政府の対応を注目している。

◇不可欠な弱者への配慮

こうした中で次の15年度予算編成に向けた議論が6月ごろに始まる。増税による経済の停滞が心配になる時期でもあるが、一時的な動きにとらわれて公共事業などの歳出をふくらませる方向を目指さず、長期的な視点に立って歳出膨張に歯止めをかける姿勢を明確にすべきである。

重要なことがもう一つある。かつての消費税増税時に比べ、目配りしなくてはいけない経済的な弱者が増えている点だ。

政府は今回、低所得者対策として住民税を払っていない2400万人に1万円を給付する。条件は異なるが、同じ狙いだった消費税導入の1989年度は対象者563万人、5%に上げた97年度は890万人だった。四半世紀で、それだけ生活に苦しむ層が増えているわけだ。

食品など生活必需品の税率を低く抑える軽減税率の導入を急がなくてはいけない。自民、公明は5月までに「基本的な考え」をまとめる方針だが、10%に引き上げる段階での導入を可能にするため、具体的な制度設計に早く取り組むべきだ。

食品のほか新聞、書籍類の税率も欧州各国のほとんどがゼロや数%に抑えている。「知識には課税しない」という考えは、だれもが情報を入手しやすい環境を整え、民主主義を支えるうえで不可欠である。

17年ぶりの消費税増税は、国民の日々の暮らしに大きな痛みを伴う。この痛みが未来の明るい展望につながるならば、まだ我慢できる。しかし、政治の怠慢によって無になるならば、腹立たしい限りである。

そのためにも消費税を含めた税金の使われ方、さまざまな政策の進め方をしっかり監視し、はっきり意思表示していかなくてはならない。

2014年03月30日 02時30分
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[読売新聞] 国家戦略特区 成長戦略を加速する起爆剤に (2014年03月30日)

岩盤のような堅い規制に突破口を開き、成長戦略を加速できるか。

政府が国家戦略特区の第1弾として、東京圏、関西圏、沖縄県など6か所の地域を指定した。

地域活性化を目指す従来の特区と異なり、国主導で先進プロジェクトを進めるのが特徴だ。国家戦略特区を日本経済再生の起爆剤とする狙いは妥当だろう。

特区ごとに、特区担当相と自治体、民間企業の代表らによる「特区会議」を設け、詳細な事業計画を策定する。

安倍首相は「岩盤規制を打破するためのドリルを実際に動かせる態勢が整った」と述べた。スピード感をもって実現に取り組むことが求められる。

特区に期待されているのは、経済成長を先導する役割である。

東京圏は、世界で最もビジネス展開しやすい国際都市作りが目標だ。規制緩和をテコに都心部や周辺自治体で外国人向けの住居や医療施設を整備し、職住近接の環境作りを進める。

大阪など関西圏は、高度医療を推進する拠点と位置づける。保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の拡大や、先端医療研究の充実を図る。沖縄県は国際観光の拠点として、新たなビジネスの創出を目指すという。

いずれも速やかに成果を上げることを期待したい。

このほか、新潟市と兵庫県養父市は「農業改革」を、福岡市では「創業のための雇用改革」をテーマに事業を具体化する。

農地売買に関する農業委員会の権限を自治体に移譲し、農業への企業参入を目指す養父市の提案など、注目される構想もある。

ただ、農業団体の反発などで実現のハードルは高い。政府の強力なバックアップが不可欠だ。

特区で実施できる規制緩和メニューも、まだまだ物足りない。特区制度の策定段階で、関係府省や業界団体の抵抗が激しくなり、農業や医療、雇用などの改革案が骨抜きにされたためである。

政府は特区のアイデアをさらに募り、有望な案件について追加指定する方針という。

成長戦略に資する規制緩和策を積極的に発掘し、規制改革のメニューを大幅に拡充することが重要と言える。

特区の規制緩和をフォローアップし、有効なものは速やかに全国で実施するべきだ。こうした取り組みを実行するためには、首相が指導力を発揮し、ドリルの威力を高めることが肝心である。
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[読売新聞] 高松塚壁画 現地復元より劣化防止優先だ (2014年03月30日)

かけがえのない文化遺産を損なわずに後世へ継承する。その難しい課題を改めて問いかけたと言えるだろう。

「飛鳥美人」に代表される高松塚古墳(奈良県明日香村)の極彩色壁画の保存法を検討してきた文化庁の有識者会議は、壁画修復後も当分の間、古墳外で管理する方針を決めた。

壁画は、2007年に石室ごと解体され、外部で修復が続いている。17年度にも古墳に戻す予定だった。事実上の方針転換だ。

有識者会議は、その理由として、石室内に戻した場合に、「現在の技術では再びカビ等の生物被害が間違いなく生じる」ことを挙げている。石材の強度や漆喰(しっくい)の状態についても、大地震が発生した際に耐えられないと指摘した。

石室内にきちんと復元できないというのであれば、方針を変えるのは、やむを得まい。

42年前、「考古学最大の発見」と言われ、古代史ブームを巻き起こした8世紀初めの壁画である。国宝にも指定されている。

再び劣化せぬよう、確実に残すことを最優先すべきだ。

そもそも、なぜこんな事態に至ったのか。壁画保存に関する文化庁の対応が、ずさんだったからにほかならない。壁画発見後、修理に伴う薬剤や石室内への多数の人の出入りなどの影響で環境が変化し、大量のカビ発生を招いた。

現場は、早くからカビや退色に気づきながら、十分対策を講じなかった。壁画損傷事故を隠していたことまで明るみに出た。

一連の教訓を、政府は文化財保護行政に生かさねばならない。

壁画・石室の保存管理・公開の方法、場所について、有識者会議は具体的に言及していない。

会議の中では、高松塚古墳の近くの施設に保存することが望ましいとの主張もあった。

遺跡には、現地保存の原則がある。訪れる人は現地だからこそ、その存在する歴史的な背景や意義に思いをはせることができる。こうした考え方を、できるだけ大事にしたいからだろう。

たとえば、高松塚古墳から約1キロ南のキトラ古墳の極彩色壁画も外部で補修されているが、当面、墳丘には戻さない代わりに、16年度から古墳付近に展示施設を設けて公開する方針だ。

高松塚古墳の壁画についても、こうした形で、国民が歴史的な文化遺産に触れる機会を広げるのは一案である。しっかり保存することを前提に、期限を区切っての公開なども考えていい。
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[朝日新聞] ODAと腐敗 法守る意識の輸出こそ (2014年03月30日)

政府の途上国援助(ODA)をめぐる疑惑がまた発覚した。

鉄道コンサルタント会社がベトナムなど3国で計60億円の事業を受注した見返りに、計1億円のリベートを相手国の公務員らに渡した疑いがある。

政府は民主主義や法の支配を広める「価値観外交」を掲げ、東南アジア諸国への2兆円規模のODAを表明した。インフラ輸出の拡大も打ち出している。

それだけに、断じて腐敗に甘い国とみられてはならない。

現に、国際NGOの報告書では、日本は海外への贈賄の摘発に熱心でない国に分類されている。汚名返上のためにも、国内の取り締まりはもちろん、相手国への腐敗防止の働きかけも強化すべきだ。

海外で贈賄した企業への罰金は最高3億円と、決して軽くない。それでも、事業のうまみが罰金額を上回れば抑止にならない。そう指摘されてきた。

国連腐敗防止条約は、賄賂を使って獲得した事業の収益を没収する法の制定を求めている。日本が署名してから10年以上たつ。法改正を急ぐべきだ。

最近、日本の商社もインドネシアでの贈賄で米司法省に罰金90億円を科された。英米は不正防止策を怠った企業への制裁を強めている。法を守らない企業は深手を負う時代だ。

贈賄工作は海外の子会社が実行することが多いとされる。企業グループ全体でチェック体制を敷き、親会社が子会社や関連会社へ指導する仕組みが要ると識者は言う。傾聴すべきだ。

賄賂は相手側から求められるケースが多いようだ。しかし、腐敗に手を貸すのは成長を邪魔するのに等しい。腐敗した国は投資を避けられ、市場が育たない。ODAの本旨を損なう。

裏返せば、相手国に腐敗根絶を働きかけ、支援することも立派な途上国援助になる。

賄賂で受注を競うと、支援国の側は出費がかさみ、相手国の事業額にもはね返る。双方に害をなす背信行為だ。

一国だけで浄化を働きかけても、効果は薄い。他国と連携し、援助の条件として汚職対策を求めるべきだ。

外務省は新時代のODAの重点の一つに「法制度整備支援」を打ち出した。法の専門家を派遣し、腐敗防止を含む法制度作りや法律家の育成を支える。

実は6年前にベトナムへの贈賄事件が発覚した際も、再発防止策として掲げていた。だが、現実にはこの分野の日本の支援額はまだ多いとはいえない。

日本の信頼を取り戻すため、今度こそ有言実行を求めたい。
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[朝日新聞] いじめ対策 教訓くみ工夫重ねよう (2014年03月30日)

「いろんな人から『死ね』と言われた」

中学2年生の男子生徒は遺書にそうつづっていた。昨年夏、名古屋市南区のマンションから飛び降りて命を絶った。

同市と市教育委員会は第三者検証委員会を設けた。いじめが要因の一つとする報告書を今月まとめ、遺書も含めた全文をホームページで公開した。

すべてを公開することをめぐり議論は尽きなかった。だが、「悲劇を繰り返さないで」との遺族の思いを重視した。

生徒はなぜ、痛ましい道を選んだのか。そこには読み取るべき教訓があるはずだ。

教育現場でも、子どもの心理に配慮しつつ報告書を活用すれば、貴重な教材になろう。

いじめの調査では、遺族が学校や教育委員会に不信感をもつケースがたびたび起きた。大津市のいじめ事件でも、教委の調査姿勢が遺族を傷つけた。

名古屋市の対応は早かった。独自の判断で検証委の即時設置を決めた。遺族に調査状況を丁寧に伝え、信頼関係を築いた。

「疑問が明らかになり、胸のつかえが取れた」。遺族のコメントである。同様の事態に向き合う場合の手本になろう。

検証委は、生徒が教室や部活で暴言や、机への落書きなどの嫌がらせを繰り返し受け、苦痛を蓄積させたと認定した。

日ごろから多くの生徒の間で「うざい」などの悪態が常用されていたため、この生徒への暴言も埋没した。学校全体での是正の努力が欠けていたことが背景として指摘されている。

いじめに気づくには、思春期の心理について知識を深める必要がある。名古屋市は4月から、拠点中学に常勤のスクールカウンセラーなどを置き、多忙な教員を支援する。評価できる試みだ。

いじめを防ぐには、教員だけでなく、子どもたち自身の力を伸ばすことも大切だろう。

生徒は学校の出来事をしばしば教員よりもよく見ている。今回の調査でも教員が気づかなかったいじめの証言があり、「なぜ相談に乗れなかったのか」と後悔する生徒もいた。仲裁に乗り出す生徒が増えれば、大きな効果を生むだろう。

「学校をよくする主体は自分たちだ」。生徒たちにそんな自覚を促す取り組みがもっとほしい。地域の中学校の生徒会役員が集まり、いじめ問題などを話し合う「サミット」を開いている自治体もある。

さまざまな工夫をこらし、学校と地域の全体で、いじめをなくす意識を高めたい。
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2014年03月29日

[東京新聞] 渡辺氏借入金 納得のいく説明尽くせ (2014年03月29日)

八億円もの大金を何に使ったのか。みんなの党の渡辺喜美代表の借入金問題である。収支報告をせずに選挙運動や政治活動に充てたのなら法に触れる。国民に納得のいく説明を尽くさねばならない。

「みんなの党は自慢じゃないけど、お金もない、組織もない、支援団体もない。でも、しがらみがない。だから思い切った改革プランを提示できる」。渡辺氏のこんな選挙演説を覚えている人も多いのではないか。

組織も支援団体もしがらみもないが、借入金とはいえ、党首が八億円もの巨資を使えるとしたら、有権者にその訴えは響くまい。

貸主の化粧品販売会社会長によると、渡辺氏側から選挙資金として借金の申し出があり、二〇一〇年六月に三億円、一二年十一月に五億円を渡辺氏の個人口座に振り込んだ。しかし、渡辺氏の選挙運動費用や政治資金の収支報告書に該当する記載はない。

渡辺氏は「純粋に個人として借り、選挙資金や政治資金としては使っていない」と説明する。

だとしたら、何に使ったのか。「政治家として生きていく上で必要なもろもろの費用」として交際費や旅費を挙げたが、「酉(とり)の市で買った大きな熊手」という使途を真に受ける人は、まずいまい。

借り入れ時期はいずれも国政選挙直前であり、額も大きい。やはり、選挙運動や政治活動に使ったのではないかとの疑いは残る。

それらに借金を充て、収支報告書に未記載なら公職選挙法や政治資金規正法に抵触する。違法性が明らかなら検察、警察の出番だ。

同様に選挙前、医療法人「徳洲会」グループから受け取った五千万円を「個人的な借入金」と主張した猪瀬直樹前東京都知事は辞任し、公選法違反(収支報告書の虚偽記入)の罪で略式起訴された。

途切れぬ「政治とカネ」の問題である。渡辺氏が自ら厳しい姿勢で臨み、真相を明らかにしなければ、政治に対する国民の不信感は増すばかりだ。政治倫理審査会など国会の場で進んで説明したらどうか。弁護士資格を持つ党所属議員に個人の通帳を預け、違法性を調べるというが、内輪の調査では限界があろう。

みんなの党は渡辺氏が党務や資金管理を取り仕切る「個人商店」的な色彩が濃いとされてきたが、年間二十億円余りの政党交付金を受け取る公党だ。代表の借入金問題を党とは無関係とやり過ごすわけにはいくまい。党を挙げて真相解明に努めるべきである。
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[東京新聞] プロ野球開幕 ファンの支持が最優先 (2014年03月29日)

いよいよプロ野球が開幕した。今年はプロ野球ができて八十周年の節目。統一球問題で揺れた昨年からコミッショナーも代わり新しい歴史が始まる。熱いプレーでファンの支持を回復してほしい。

一九三四年に大リーグ選抜軍と試合をするためプロ野球選手が誕生、大日本東京野球倶楽部が設立され、日本のプロ野球の歴史が始まった。

その間、数々のスターが誕生、野球が文化的公共財として圧倒的な支持を集めてきた。しかし昨年は統一球問題で野球界が大きく揺れた。

三年前に導入した統一球が規定を下回る反発係数で「飛ばないボール」になっていた。昨年になり選手、ファンに知らせず、こっそり飛ぶボールに変更していた。

事態が表面化して有識者による第三者調査・検証委員会で調査結果をまとめたが、ガバナンスの欠如など日本野球機構(NPB)の体質そのものを厳しく批判するものだった。

新たに就任した熊崎勝彦コミッショナーは「反省すべきは反省して、前へ進みたい」と、組織力の強化などプロ野球改革に意欲的だ。法律家でもあるコミッショナーへの期待は大きい。プロ野球の重みを考えても開かれた機構にすることが大切だ。

ダルビッシュ有投手に続き田中将大投手が大リーグに入団するなどスターの海外への流出が人気低迷の一因になっている。人気の回復が球界にとって重要な課題だ。コミッショナーも「ファンあってのプロ野球の考えが何より大事だ」と強調する。各球団、選手もこの原点を忘れないでほしい。

昨年のシーズンでは、東北楽天イーグルスが日本一に輝き、震災復興途上の東北に元気を与えた。野球の持つ底力をあらためて見せてくれた。二〇二〇年の東京五輪で野球・ソフトボールが正式種目として復活する可能性もまだ残っている。プロ野球が日本中を盛りあげることもその実現への近道だ。

今年のシーズンは松井裕樹投手をはじめ注目される新人も多い。球界の“レジェンド”山本昌投手も健在だ。新旧の力がぶつかり合う戦いはファンにもたまらない。

セ・リーグで唯一監督が代わったドラゴンズの戦いも楽しみだ。谷繁元信捕手が選手兼任監督という久々の大役で、どこまで野球を面白くしてくれるか。球界、日本中を熱く盛りあげてほしい。
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[産経新聞] 地震防災 総力挙げ「国難」に備えよ (2014年03月29日)

南海トラフ巨大地震と首都直下地震に備える防災対策の骨格となる国の基本計画が決まった。

日本の大動脈である太平洋ベルト地帯や政治、経済の中枢が直撃されれば、ともに「国家の存亡にかかわる巨大災害」になりかねない。

基本計画は、防災・減災のために取り組むべき課題を示したものである。国、自治体、企業や家庭でそれぞれ対策を具体化し、早急に実行に移さなければならない。自助、共助、公助の総力戦で大地震に立ち向かう覚悟を新たにしたい。

最悪の想定だと死者数が30万人を超える南海トラフ地震では、防災対策推進地域(29都府県・707市町村)と津波避難対策の特別強化地域(14都県・139市町村)を指定し、今後10年間で死者数を5分の1程度(8割減)とする減災目標を掲げた。

東日本大震災を教訓に、防波堤などのハード面ではなく、住民の避難に津波対策の重点を置いたことは評価できる。

一方、住宅の耐震化や防火など津波以外の地震対策に関しては、南海トラフ地震だけにとらわれるとかえって危険だ。

推進地域には関東以西の太平洋、瀬戸内海沿岸の広い範囲が指定されたが、山陰や北陸など日本海側の地域が震度6弱以上の強い揺れに襲われる恐れは、推進地域より小さいわけではない。

南海トラフの前回の活動は、昭和19年の東南海地震と21年の南海地震だが、これを挟むように18年に鳥取、20年三河、23年福井とマグニチュード7級の内陸直下型地震が発生し、いずれも千人を超える死者を出した。

「想定外」をなくすことを主眼に見直しを進めた地震対策で、どこでも起こり得る直下型地震が死角になってはならない。海溝型地震の前後に発生する直下型も視野に入れて、南海トラフの次の活動に備えるべきである。

また、自治体の防災対策や広域支援体制を推進するためには、東海地震の直前予知を前提としてきた大規模地震対策特別措置法(大震法)を撤廃し、新たな法体系を築く必要がある。

東海地震は歴史的に単独で発生した例はないし、直前予知は成功した実績がない。

2つを組み合わせた現行の大震法は防災の現場を混乱させる恐れが大きすぎる。
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[産経新聞] 渡辺氏に8億円 まず熊手を見せてほしい (2014年03月29日)

8億円は大金である。参院選直前に3億円、衆院選直前に5億円を借り入れたが、選挙資金ではない。約5億5千万円が未返済だが、借入金は「手元に残っていない」といい、使い道は「もろもろ」なのだそうだ。

具体的に挙げた一例は「酉の市でかなり大きな熊手を買った」。この説明は、国民を愚弄していないか。どれほど高価で大きな熊手であったのか、見てみたいものだ。

みんなの党の渡辺喜美代表が化粧品会社会長から巨額資金を借り入れていたことが明らかになり、「個人的借り入れで違法性の認識はない」と釈明した。一方の会社会長は「選挙資金として貸した」と明言している。5億円については借用書もない。

選挙運動費用、政治資金収支報告書に8億円の記載はなく、公職選挙法や政治資金規正法に抵触する可能性がある。資産報告書の借入金残高も食い違っているのは「事務的ミス」なのだという。いちいち、納得がいかない。熊手代を含む8億円の使途を正確につまびらかにすることが必要だ。

猪瀬直樹前東京都知事が知事選を前に医療法人徳洲会側から現金5千万円を受領し、辞職に追い込まれた事件と構図は酷似し、金額は実に16倍である。

東京地検は28日、猪瀬氏を公選法違反(収支報告書の不記載)の罪で略式起訴した。猪瀬氏は現金の趣旨が選挙資金であったことを大筋で認め、公判が開かれることはない。不起訴処分の事案ではないため、検察審査会への審査申し立て対象にもならない。

それでは、都政を長期に混乱させた、あの弁明は何だったのか。現金受領が明らかになって以降、都議会などで、時に大汗をかきながら「生活不安のため個人的に借り入れたもので、選挙資金ではない」と繰り返した。

しどろもどろの弁明に終始する間、都政も、2020年東京五輪の準備も立ち往生した。

事件の幕引きを図るために一転して容疑を認めたのであれば、政治家の言葉はあまりに軽い。

主張が正しいと信じるのであれば公判で争うべきだし、言を百八十度翻すのなら、都民にきちんと説明すべきだ。

渡辺氏にも、重い説明責任がある。8億円について誰もが納得できる説明ができなければ、公党の代表者である資格はない。
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