2013年10月31日

[東京新聞] 日本版NSC 秘密保護法を切り離せ (2013年10月31日)

日本版NSC(国家安全保障会議)を設ける法案の審議が衆院で始まった。外交・安全保障に関する首相官邸の司令塔機能を強化するというが、特定秘密保護法案と一体である限り、認められない。

内閣には現在、国防上の重要事項などを審議するため、首相を議長、外相、防衛相、官房長官らを議員とする「安全保障会議」が置かれている。しかし、審議はするものの、決定はあくまで閣議に委ねられており、形骸化も指摘されてきた。

省庁の縦割りで情報が円滑に伝わらないなどの弊害もあった。

NSCはこうした問題を解消するため、安保会議を改組し、機能を強化しようというものだ。

外交・安全保障について協議するため、首相、外相、防衛相、官房長官の四者会議を常設。事務局として内閣官房に「国家安全保障局」を新設し、外務、防衛、警察などの省庁から要員を集めるという。モデルは米英両国の組織だ。

中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発など、アジア・太平洋地域の緊張は増している。

それが軍事的な衝突に発展しないよう、情報を集約、分析し、外交・安保政策の決定に生かすのは政府の役割である。

万が一、偶発的な衝突があった場合でも、持てる情報を最大限生かし、外交力を駆使して危機を拡大させない冷静さが必要になる。

NSCにより、省庁が縄張り意識を捨てて情報を寄せ合い、総合的な分析が可能になることで、首相の賢明な決断に資するなら、設置も一手かもしれない。

しかし、NSCを置くために、国民の「知る権利」や基本的人権を侵す危険性がぬぐえない秘密保護法を成立させようというのは、本末転倒ではないのか。

NSC法と秘密保護法が成立すれば、官邸機能が強化される一方で、外交・安保にかかわる事項が機密のベールに隠されてしまう。

われわれは、誤った情報で攻撃に踏み切った米国を支持し、自衛隊を「戦地」派遣したイラク戦争の過ちを繰り返してはならない。

イラク戦争をめぐる日本政府の政策判断が正しかったのか、政府や国会は秘密保護法がなくても十分な検証をしようとしないのに秘密保護法で、ますます闇の中だ。

この際、秘密保護法案はNSC法案と切り離し、成立を断念したらどうか。秘密保護法と一体ならNSCも見送った方が賢明だ。禍根を残してはならない。
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[東京新聞] 小泉元首相 まっとうな脱原発論だ (2013年10月31日)

小泉純一郎元首相が脱原発を唱えている。社民党の吉田忠智党首とも会談した。世論を喚起し、政府にエネルギー政策の転換を促すことが狙いだ。多くの国民がうなずけるまっとうな議論でもある。

会談で小泉氏は「世論を変えることで、脱原発に向けた政治決断をさせることが必ずできると確信している」と強調、原発推進に積極的な安倍晋三首相に「お互いの立場で脱原発を訴えていこう」と語ったという。

小泉氏は折々に原発ゼロは無責任だとする経済界などに対して、「核のごみを処分するあてもないのに原発を推進するのは無責任だ」とやり返してきた。

小泉氏には原発ゼロの思いを決定づけた伏線がある。フィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」や、脱原発を宣言して風力や太陽光などの自然エネルギー先進国に躍り出たドイツの視察だ。

「最終処分場は四百メートルの岩盤をくりぬいた地下にある。十万年後まで管理できるのか」「原発ゼロを自民党が打ち出せば、自然エネルギーによる循環型社会に向けて結束できる」などとよどみない。明快、かつ説得力も併せ持つ。

オンカロは世界でただ一つ着工された最終処分場であり、原発は「トイレなきマンション」も同然だ。日本には原発が燃やした一万七千トンの使用済み燃料が原発の建屋などに積み上がっている。

放射性物質が減衰するとされる十万年もの超長期にわたり、地震国の日本で安全な保管が可能なのか。学者の間にも懐疑的な意見がある。オンカロには、小泉氏に理解を得ようと原発メーカーの担当者も同行したが、逆に脱原発志向をより強固にさせてしまう事態を招いてしまったともいわれる。

いかに原発ゼロに近づけ、自然エネルギーを基幹電源に育て上げる社会を築くのか。小泉氏は、エネルギー転換こそが日本の未来をひらくと力説もするが、民主、共産、社民、みんな、生活の党など、原発ゼロを目指す勢力との連携には否定的で「それぞれの政党が努力していくべきだ」が持論だ。

「大方の国民は賛成してくれる」とも語っている。自民党にも脱原発グループが存在する。与野党、国民が束になっての原発ゼロへの挑戦が視野にあるのかもしれない。

小泉氏は十一月十二日に東京で記者会見し、自らの脱原発論を語る。私たちも、日本のエネルギー社会のありようと、あらためて向き合う機会とすべきだ。
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[産経新聞] 読書週間 本との旅は「各駅停車」で (2013/10/31)

「今夜新たに読む本は未知の世界の旅ぞかし。初めの程は著者とわれ少し離れて行くも好(よ)し」(与謝野晶子)

灯火親しむべき秋の読書週間(10月27日?11月9日)に入っている。時間がゆったりと流れていく夜長を、読書の楽しいひとときとしたい。

今年の読書週間の標語は「本と旅する 本を旅する」だ。晶子の詩にもあるように、読書は旅になぞらえられることが多い。車窓の景色を眺め、見知らぬ土地の人とふれあい、ときに自らとも対話してみるのが旅の醍醐味(だいごみ)だとするなら、本との旅も特急列車で急ぐのではなく、各駅停車でゆっくりと楽しみたいものだ。

ともすれば知識や情報をより短時間で得ることを読書の目的としがちだが、読書の本当の喜びを知るには、時間をかけて思索を深めることが大切だ。じっくり味わうなかで国語力が磨かれ、ものの見方も洗練されていく。

読書週間中の11月1日は「古典の日」でもある。「源氏物語」にちなんで昨年、古典の価値を確認し、国民が古典に親しむことを促す目的で制定された記念日だ。

平安時代の日記文学「更級(さらしな)日記」では、念願かなって源氏物語全巻を入手した作者の菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が、源氏を一の巻から耽読(たんどく)できる喜びを「后(きさき)の位も何にかはせむ」とつづった。后の位なんか問題ではないというのである。

あまりにも多くの娯楽があふれている現代では、このように胸が躍るばかりの読書体験というのはそれほどあるものではない。若い世代なら、なおさらだろう。

読書量については、小学生は比較的豊富であるものの、中高生へと年齢が増すにしたがって本を読まなくなり、1カ月に1冊も読まない高校生は半数前後にも上るといった調査結果もある。

受験勉強に時間を割かれたりする事情もあるにせよ、多感な青年期にこそ本を読みたい。若い頃に読んだ本は間違いなく心の深みに染みて記憶され、情緒や感性を養い、人格を育ててくれる。

今はスマートフォンなどの情報端末機器でも本が読めるようになった。この新しい読書形態にはさまざまな評価がなされているが、若者が本好きとなるきっかけを得られるのなら、そのような機器の活用も意義があろう。

要はまず、「一冊」を手にとることである。
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[産経新聞] 軽減税率 導入見据え年内決着急げ (2013/10/31)

自民、公明両党が消費税率の引き上げにともなう軽減税率の導入に向けた議論を4カ月ぶりに再開した。

消費税率は、来年4月から8%に引き上げられるが、一方で食料品や新聞などへの負担を軽くする軽減税率の議論が進んでいないのは問題だ。

消費税は、税率が高くなるほど、低所得者層の負担が重くなる逆進性が指摘されている。国民の負担感を緩和するためにも軽減税率の導入は不可欠だ。

低所得者対策では、来年4月の8%引き上げ時に住民税の非課税世帯の約2400万人に1万?1万5千円を支給する。だが、平成27年10月に予定されている10%への増税時の具体的な対策は決まっていない。

自公両党は今年1月、年末までに決める26年度の税制改正大綱で、軽減税率の導入を判断すると合意した経緯がある。

その意味でも、結論の先送りは許されない。両党は軽減税率の早期導入に向け、議論の年内決着を急いでもらいたい。

30日に開かれた自公両党の軽減税率に関する調査委員会で、意見を表明した全国知事会は「混乱を招きかねない」と導入に慎重な対応を求めた。一方、日本新聞協会は「消費税率10%の際には、新聞に軽減税率を適用してほしい」と要望した。

日本の消費税に相当する付加価値税の税率が20%前後と高い欧州では、ほとんどの国で軽減税率を導入しており、国民生活への税負担を軽くしている。

生鮮食料品のほか、活字文化の維持や民主主義の健全な発展に欠かせない新聞も軽減の対象となっている。英国などでは食料品や新聞の税率はゼロだ。

欧州では、国民生活への影響を回避する工夫を凝らすことで、高い税率に対する国民の理解を得ている。

こうした欧州の先行事例を参考にして、日本も制度設計に取り組んでほしい。

公明党が軽減税率の導入に積極的なのに対し、自民党では「中小企業の事務負担が増える」と慎重な姿勢が目立つのは残念だ。

軽減税率の導入が決まらなければ、その対象品目を詰めることもできない。そうした作業を円滑に進めるためにも、まずは早期に導入を決定し、具体的な準備に万全を期さねばならない。
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[毎日新聞] 社説:国民投票法改正 「18歳選挙権」も同時に (2013年10月31日)

憲法改正の手続きを定めた国民投票法の自民党による改正案取りまとめが大詰めだ。同党は「18歳以上」への投票年齢の引き下げを選挙権や成人年齢と切り離して確定させる方針だが、調整は難航している。

国民投票の投票年齢を選挙年齢と区別することに合理的根拠があるのかは疑問だ。公務員による投票運動の解禁もむしろ規制との抱き合わせが目立つ。与党は今国会提出を目指すが、慎重な扱いを求めたい。

安倍晋三首相は改憲の環境整備として国民投票法の制定時に積み残された課題を「宿題」とし、結論を急ぐ考えを示す。(1)投票年齢(2)公務員による投票運動(3)国民投票の対象拡大の3課題のうち、与党は年齢と投票運動について対処する考えだ。

現行法は投票年齢を「18歳以上」とする一方で、成人、選挙権年齢の18歳への引き下げまでは経過措置として「20歳以上」とするよう付則で定めている。このため現状で投票を実施した場合に年齢をめぐる解釈が混乱を来しかねず、与党は国民投票だけ「18歳以上」を先行して確定させようとしている。

もともと国民投票権は選挙権と別の原則から議論され、選挙権者より対象は広い。このため、死刑囚や受刑者の投票も認められている。

だが、国の骨格を決める憲法改正の投票権と、国民や住民の代表を選ぶ選挙権で年齢による扱いの差を設けることは慎重に考えるべきではないか。自民党内も投票権の引き下げ先行に批判が強く、選挙年齢についても実施期限を示すなど落としどころを探っているようだ。若い世代の政治参加意識を高めるためにも、やはり公職選挙法改正を行い「18歳選挙権」も同時に実現するのが筋だ。

司法にも動きがでている。受刑者に対する選挙権の一律的な制限を違憲としたさきの大阪高裁判決はその理由のひとつに国民投票法で受刑者による投票が認められている点を挙げた。国民投票権と選挙権のバランスを意識したと言えよう。

一方、公務員が投票への賛否を勧誘する運動については地方公務員法でこうした運動が禁じられていることへの対応や、許される勧誘行為の範囲が課題となる。

ところが自民党案は公務員による投票運動を認めるかわりにもともと禁止されている「地位を利用した運動」への罰則の追加や、運動が禁じられる特定公務員の対象の拡大などを図っている。「官公労の組織運動に利用されかねない」などの議論への過剰反応ではないか。

国民投票法で残された課題を解決することは必要だ。だが、改憲手続きに関わる問題だけに十分な議論と幅広い合意形成が必要なことは言うまでもない。拙速は禁物である。
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[毎日新聞] 社説:最高裁を軽視 自民党は思い上がるな (2013年10月31日)

憲法で保障された最高裁の違憲審査権に異議をとなえ、軽視するかのような自民党の姿勢にあきれる。

最高裁が9月、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を結婚した男女間の子の半分とした民法の相続格差規定について、違憲判断を示した。それを受け、政府は規定を削除し、差別を是正する民法改正案の今国会提出を目指している。だが、自民党の法務部会が「伝統的な家族制度を崩壊させる」として、法案の提出を了承せず、今国会での是正が不透明な状態になっている。

憲法14条の「法の下の平等」という国民の基本的人権の擁護に基づく最高裁の結論だ。三権分立に照らしても、司法の判断をないがしろにすることは許されない。早急に党内手続きを進め、今国会で法改正を成し遂げねばならない。

29日の部会での発言を紹介したい。「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイハイと従うわけにはいかない」「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」「違憲審査権があるからといって、オートマチックには受け入れられない」「最高裁決定によれば、安心して婚外子を産めるようになってしまう」−−などだ。

もちろん、個々の議員の意見だ。自民党総体としての考え方ではないだろう。最高裁の判断に従うべきだとの声も一部であった。だが、全体として反対意見に押され、部会の結論がまとまっていないのは確かだ。

自民党よ思い上がるな、と言わざるを得ない。

日本は法治国家として、憲法の規定で立法、行政、司法の役割や権限を定めている。三権が互いにチェック機能を働かせる中で、国民主権の実現を目指す仕組みだ。違憲審査権に基づく最高裁判断を立法府が尊重するのは当然のことだ。1票の格差問題にも通じるが、三権の一角である司法判断への鈍感さは目に余る。

自民党の憲法改正草案では、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」との規定を新設する。そうした考えに基づき、正妻の相続分の引き上げなどを主張する意見も部会で出た。

法務省にそれを検討させることを条件に、民法改正案を了承しようという動きもある。だが、交換条件はなじまない。まず、司法の最終結論を立法府が重く受け止める。その上で、必要ならば別途検討するのが筋ではないか。菅義偉官房長官は最高裁の決定後、「厳粛に受け止め、立法的な手当てを早くしたい」と述べていた。自民党総裁である安倍晋三首相のリーダーシップが問われる。
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[読売新聞] 首相トルコ訪問 インフラ輸出に弾みつけたい(10月31日付・読売社説) (2013年10月31日)

インフラ(社会基盤)輸出を成長戦略の柱に据える日本にとって、経済成長著しいトルコなど新興国の魅力は大きい。

官民一体となった取り組みを強化することで、輸出に弾みをつけるべきだ。

トルコを訪れた安倍首相は、エルドアン首相との会談で、三菱重工業などの企業連合がトルコ政府と原子力発電所建設で合意したことを歓迎した。

「福島第一原発事故の教訓を共有することにより、世界の原子力安全の向上を図っていくことはわが国の責務だ」とも表明した。

トルコでは、経済成長に伴い拡大する電力需要をまかなうことが重要な課題だ。原発建設は国家的なプロジェクトと言える。

国際的な受注合戦の末、日本企業が受注に成功したのは、5月に続いて再訪した首相の「トップセールス」の効果もあろう。

原発技術で国際貢献を目指す首相の姿勢は評価できる。原発を輸出することは、中長期的な原子力の技術者の確保にもつながる。

首脳会談では、トルコに科学技術大学を共同で設立することでも合意した。原子力分野の専門家育成も目的としており、日本からの技術支援の拠点としたい。

原発だけでなく、鉄道をはじめとした交通インフラでも日本の協力は進んでいる。

安倍首相は、アジアと欧州を結ぶボスポラス海峡の海底トンネルを通る地下鉄の開通式に出席した。大成建設などが工事を担当し、総工費約3900億円の4割を円借款でまかなった。

地理的な要衝に位置するトルコは、現地に進出した日本企業にとって、欧州などへの輸出拠点となる。トヨタ自動車などがすでに進出している。

日本とトルコの経済連携協定(EPA)交渉を加速させる必要がある。貿易や投資を促進するための環境を整えることで、さらに協力関係を強化すべきだ。

トルコは内戦が続く隣国シリアのアサド政権と対立している。難民支援や化学兵器廃棄で、日本とトルコが協力する意義もある。

気がかりなのは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコが、中国製防空システムの導入に向けて交渉を進めていることだ。中国と軍事的に協力することになれば、NATOの軍事機密が中国へ流出する恐れもある。

NATO加盟国の間に中国企業との交渉の再考を促す声が広がっている。トルコには、慎重な対応が求められよう。
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[読売新聞] 天安門突入事件 中国社会の不安定さが見える(10月31日付・読売社説) (2013年10月31日)

少数民族による自爆テロと見られる。中国共産党支配に反抗する意思を示したのではないか。

北京中心部の天安門前に車が突っ込んで炎上した。車に乗っていた3人を含む5人が死亡し、日本人ら約40人が負傷した。車内からはガソリンなどが発見されたという。

巨大な毛沢東の肖像画が掲げられた天安門は、党指導部の所在地・中南海にも近く、一党独裁の象徴的存在だ。周辺では、1989年の天安門事件はじめ、数々の反政府行動が発生している。

当局は、事件をテロと見て、容疑者グループ5人を拘束したと発表した。この5人も車内の3人もいずれもウイグル族と見られる。ウイグル族は、新疆ウイグル自治区を主な居住地とするイスラム教徒のトルコ系少数民族だ。

新疆では、警察が反テロ作戦と称し、ウイグル族「武装集団」への攻撃を繰り返している。習近平政権になってからは、10人以上の死者が出る場合もあったという。今回の事件も、新疆の緊張の高まりと関係があるのではないか。

ウイグル族は、事実上、政治的には共産党、経済的には多数派の漢族の支配下に置かれている。「自治」や「宗教の自由」は名ばかりの状態だ。平均的な所得水準は低く、生活は豊かでない。

ウイグル族住民の間では、党と漢族への反感が広がっており、くすぶり続けてきた新疆独立を目指す動きも活発だ。

力による支配とインフラ整備などへの財政出動を二本柱とする党の少数民族政策では、統治が以前より困難になってきていることを示すものと言えよう。

今回の事件で、共産党政権は報道を厳しく規制し、インターネット上の書き込みも削除した。NHK衛星放送のニュースは遮断された。新たな反政府行動の誘発を恐れているからだろう。

隣接するチベット自治区でも、少数民族が党と漢族に反発する構図は同じだ。既に100人を超すチベット族の仏教僧らが焼身自殺を図っている。

少数民族に限らず、人口の9割以上を占める漢族の間でも、格差社会への憤りが充満している。デモや暴動などの集団抗議行動が年間18万件程度発生していると言われるほど、中国社会の不安定化は進行している。

党の重要政策を決める中央委員会総会が11月9日から始まる。習総書記が事件を踏まえ、社会安定に向けたいかなる政策を打ち出すか、注視しなければならない。
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[朝日社説] 保育での急死―防げるのに防げてない (2013年10月31日)

保育施設で子どもが死亡する事故が絶えない。厚生労働省への報告によると、11年に14件、12年は18件だった。

子を突然失った親が「なぜ」と疑問を抱くのは当然だ。だが、事故原因を究明し、明らかにする公的な制度はない。警察が捜査するのもまれだ。

遺族らでつくる「赤ちゃんの急死を考える会」は厚労省への報告を情報公開請求した。白玉で窒息死する事故が昨年だけで2件あり、どちらも刻んでいない状態だった。初めて施設に預けられた子が数時間後に息絶える事故も3件あったが、いずれも理由ははっきりしない。

原因が十分に調査されず、教訓も公にされないため、同じような事故が繰り返されている、と遺族らは憤る。

検証の実例はある。

愛知県碧南(へきなん)市の認可保育所で3年前、1歳の栗並寛也(くりなみひろや)ちゃんがおやつでのどを詰まらせ、39日後に亡くなった。国の基準を超える多くの子を預かっていたのが背景では、とする両親の訴えを受け、県と市は1年7カ月後、有識者委員会で検証した。

報告書は、保育所の態勢不備や市の事故対応の鈍さを指摘し、今後は行政が原因究明にすみやかに取り組むよう求めた。

報告後、県は事故対応を定めた指針をつくった。それに先立ち、0〜1歳児1人あたりの面積基準も国より広げた。

母のえみさんは「遺族が前を向いて生きるためにも必要だ」と検証の必要性を強調する。

子は思いがけない行動をとることがあり、事故の危険をどう減らすかがカギとなる。保育所のニーズが高まる一方、現場の人手不足も深刻になっている。

だからこそ、起きてしまった事故から教訓を引き出し、再発を防ぐ仕組みを整えるべきだ。

15年度から、保育制度が大きく変わる。詳細を検討する政府の子ども・子育て会議では、事故検証の制度化も議論されている。ぜひ実現してもらいたい。

厚労省は今年3月、認可保育所に関し、保育実施主体の市町村の責任で事故を検証するよう求めたが、義務ではない。

しかも死亡例は認可外のほうが多い傾向がある。認可の有無を問わず、施設の監督権限を持つ都道府県や政令指定・中核市に検証させるほうがよいのではないか。具体的な進め方について、国は指針を示すべきだ。

保育施設で過ごす子は240万人ほどいる。年々増え、就学前の3人に1人を超す。

早すぎた死を「不幸な事故」で終わらせない。それが、安全を高める何よりの道である。
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[朝日社説] 情報を守る―盗聴国家の言いなりか (2013年10月31日)

いまの世界でまず守らなければならない情報とは、何だろうか。政府の秘密か、それとも市民の個人情報か。

米政府による世界規模の盗聴や情報収集に批判が高まっている。その底知れない広がりに驚いた国際社会では、市民の情報を守る動きが加速している。

欧州連合(EU)はグーグルなど外国企業に、個人情報の勝手な流用を許さないルールづくりに力を入れる。

国連では、ネット上の個人プライバシーの保護を、国際人権規約に照らして確認する総会決議案の検討が始まった。

いずれも、だれかが勝手に個人の情報を盗んだり記録したりするのを防ごうとする危機感から生まれた国際潮流だ。

ところが日本では、論議が逆の方向に動いている。政府が米国からもらう断片情報を守るために、公務員や市民ら自国民の監視を強めようとしている。

特定秘密保護法案である。スパイ疑惑の当事者である米政府の求めに従って、日本人に秘密の厳守を義務づけ、重罰を設けようというのだ。

世界の潮流に逆行しているといわざるをえない。

米国の軍事機関のひとつである国家安全保障局による膨大な情報吸い上げの疑惑は連日、各国で報じられている。

ドイツのメルケル首相は私用の携帯電話を長年盗聴されていた。35カ国の首脳の電話が盗み聞きされているという。フランスやスペインでは1カ月に市民の数千万のメールや電話が傍受され、ブラジルでは国営石油企業の通信など産業情報も盗まれていた疑いがある。

そこから露呈したのは、ほぼ独占しているネット技術などを駆使する米国の身勝手さだ。外交の看板に民主主義や自由をうたう一方、実際は自国の国益を最大限追求し、同盟国さえも広く深く盗聴するという寒々しい現実がさらけだされた。

日本政府がそのさなかに米国情報の保護を優先し、日本社会の「知る権利」を削るならば、あまりに理不尽である。

ドイツとフランスは、EUと米国との自由貿易交渉でも、諜報(ちょうほう)活動の釈明を求めるなど攻勢を強める構えでいる。

いま情報保護のために矛先を向ける相手は自国民ではなく、米政府であるのは明らかだ。

安倍政権がやるべきことは、日本の市民のプライバシーが侵されていないかを確認し、個人情報を守る国際規範づくりに率先して参画することだろう。それこそ積極的平和主義と呼ぶにふさわしい行動だ。
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2013年10月30日

[東京新聞] 食材偽装 おもてなしの心が泣く (2013年10月30日)

頭は下げる。社長も辞める。でも偽装とは認めない。「一流」と呼ばれたホテルトップの引き際に、グルメブームの陰に根を張る病根の深さが見て取れる。客はただ本物をおいしく食べたいのだ。

結局、故意ではない、偽装ではないというのか。

阪急阪神ホテルズの出崎弘社長は記者会見で「偽装ではないが、偽装と受け止められてもいたしかたない」と繰り返した。しかし、社長自らの調査結果を基にした、その言い訳はいかにも苦しい。

普通の白ネギが、人気の京野菜に化けたのは、メーンの料理ならともかく、付け合わせの変更はわざわざ知らせるまでもないという現場の判断だったという。

シバエビのチリソースに、半値程度のバナメイエビが使われていた理由に至っては、中華料理の責任者が「中華の世界では、シバエビは小エビの総称」と説明した。まさしく噴飯物である。

このようなことが七年間で、二十三もの傘下の店に広がっていた。偽装でなくても極めて恥ずべきことではないか。

出崎社長は会見で、“誤表示”をした理由として、チェックの甘さ、知識の不足、連携の悪さを挙げていた。どれ一つあっても「一流」とは言い難い。

阪急阪神ホテルズの無自覚は、ホテルの看板だけではなく、看板を見て訪れた客を傷つけ、世界無形文化遺産への登録を控えた日本の料理の信頼も損なった。

なぜ、このようなことが起きたのか。安く仕入れて高く売り、より利潤を挙げたい経営者。できれば上質のサービスをより安く求める顧客。両者の視線のずれが、後を絶たない食品偽装のあしき土壌になっているのではないか。

客の思いを踏みにじり、利潤を最優先させたようにも見えるレストラン運営のあり方は“おもてなし”の心にはほど遠い。

グルメブームの広がりで、産地や飼育法、栽培法などで修飾されて、メニューの表記は複雑になる一方だ。お客がその場で真偽を見極めるのは不可能に近い。だが、複雑になればなるほど、一般に値段は高くなるものだ。

「食材の持ち味を生かす」。和食が世界遺産に推薦された理由の一つである。

名前より値段より、その知恵と技を賞味したい。これを機に、ブランドに惑わされることなく本物の食を楽しめるよう、その選び方、味わい方も見直したい。
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[東京新聞] 天安門車突入 安定には平等と公平を (2013年10月30日)

中国の天安門前で車が群衆に突っ込んだ事件は、社会の不安定さを浮き彫りにしたようでもある。党や政府への批判を許さぬ経済優先の体制を見直し、社会の平等や公平に一層気を配るべきである。

北京市は「関係部門が事件捜査をしている」と明らかにし、計画的犯行との見方を強めている。

現場の南西には国会議事堂にあたる人民大会堂、北西には最高指導者たちが執務、居住する権力中枢の「中南海」が広がる。

中国で最も警備が厳重ともいえる場所で多数の死傷者が出た。中国指導部は、同じような事件が起こらぬよう、全容を解明し、公表してほしい。

中国ではデモや暴動などの抗議活動は「群体性事件」と言われる。一九九〇年代から顕著になり、二〇〇五年ごろに年間約八万七千件が発生した。現在は二十万件に近づいているともいわれる。

群体性事件の原因は、土地収用や立ち退きが最も多く、環境汚染、労働争議、少数民族の不満などさまざまである。

ウイグル族の関与が疑われるが、社会不満が底流にあるという見方がある。六月には福建省アモイで男がバスに放火し四十人以上が死亡、七月には北京空港で車いすの男が手製爆弾を爆発させた。

二件の事件は、生活苦や障害に対して納得いく補償が得られなかったという不満であった。

社会矛盾に対する恨みが、テロリストでもない庶民を過激な「群体性事件」に走らせてしまうとするなら、指導部は強い危機感をもってほしい。

所得格差の大きさを表す「ジニ係数」は一二年時点で〇・四七四と、社会不安が起こる警戒ラインの〇・四を大きく上回っている。

権力者の汚職腐敗やとめどない格差など社会矛盾の解消に全力を挙げるべきである。それが、こうした権力中枢を狙うような事件を防ぐ最大の処方箋でもある。

中国当局が、これほどの事件を、国内では国営新華社通信を使う形でごく簡単にしか報道させないのも問題である。言論を統制し、党や政府への批判を許さない姿勢であれば、国民の不信感を増すだけではないだろうか。

胡錦濤政権が調和の取れた「和諧社会」を目指したことは評価できるが、十分ではなかった。

習近平政権は官僚主義、享楽主義など「四つの気風」の一掃を目指す。党の求心力を高めるためだけでなく、真に社会の平等と公平を実現するものにしてほしい。
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[産経新聞] 臓器提供 意思をはっきりと示そう (2013/10/30)

助かることのない脳死と診断されたとき、臓器を提供するのかしないのか。内閣府の調査によると、意思表示している人は12・6%と少ない。

残された家族のためにもドナー(臓器提供者)カードなどをうまく利用して、自分の意思をはっきり示しておきたい。

たとえば、交通事故に遭った人がいて救急病院に運び込まれ、脳死と判定されたとする。救急医は家族に、選択肢の一つとして臓器提供の話をするだろう。だが、突然の悲報に冷静な判断は難しく、家族は迷い悩む。生前に意思が明確になっていれば、どれだけ家族は助かるか。

内閣府が全国の20歳以上の3000人を対象に「臓器移植に関する世論調査」を実施し、1855人からの有効回答をまとめた。

臓器提供について意思表示がなかった場合、「家族として提供に同意しない」と答えた人は49・5%、「提供に同意する」とした人は38・6%だった。一方で、意思が表明されていればそれを尊重する、と9割近くが答えている。

調査からは、本人の生前の意思表示の有無が家族の判断を大きく左右することが分かる。

改正臓器移植法(平成22年7月施行)によって、本人の意思が不明でも家族の同意があれば臓器提供ができるようにはなった。しかし、本人の意思が最も重いことは言うまでもない。

問題は意思表示する人をどう増やしていくかだ。臓器提供を推進する厚生労働省は「提供するしないにかかわらず、意思表示はしてもらいたい」と訴えている。臓器提供につながるかどうかのカギを握るのが本人の意思であることは、調査結果からも明らかだ。

いまでは、ドナーカードだけでなく、健康保険証や運転免許証の裏にも意思を記せるようになっている。日本臓器移植ネットワークのホームページ(HP)を通じても意思表示の登録ができる。

まだ利用していないという人は、保険証や免許証の裏面、HPを見ながら、脳死や臓器提供について考えてみてほしい。同時に、家族みんなでよく話し合っておくことも大切だ。

改正臓器移植法によって脳死ドナーの数は増えているものの、ドナー不足は世界的に深刻だ。多くの人が意思表示をすることで、ドナーが増える可能性があることを忘れないでほしい。
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[産経新聞] 米盗聴問題 丁寧な説明で信頼回復を (2013/10/30)

米国の通信傍受機関、国家安全保障局(NSA)が、ドイツのメルケル首相の通話など欧州を舞台に盗聴活動をしていた疑惑が表面化し、ドイツを中心に欧州の対米不信が強まっている。

通信傍受をはじめ諜報活動は、どの国も大なり小なり行っており、互いに言い分があろう。しかし、その問題で世界の安定作用を果たす大西洋同盟の結束が乱れることは避けなければならない。

米国はドイツなどへの丁寧な事情説明と傍受方法の改善などで、ドイツは冷静な対応で、ともに亀裂の修復に努めてほしい。

携帯電話を盗聴されていたとされるメルケル首相はオバマ米大統領に電話して抗議した。「重大な信義違反」と反発している。フランスのオランド大統領も国内通話の盗聴疑惑で、オバマ氏を「プライバシーの侵害」と非難した。

欧州の中でもドイツがいきり立つ裏に、同国の特殊性がある。ナチス・ドイツ、そして戦後も東独は情報監視体制下にあった。メルケル氏はその東独育ちであり、傍受疑惑への怒りは理解できる。半面、傍受されたとすれば、防諜に不備があった面も否めない。

米国は英国を中心に、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英連邦諸国との間で、機密情報を交換すると同時に、相互に盗聴しないという関係を結ぶ。ドイツはかねて同様の関係の構築を模索しており、盗聴疑惑を機に米国に働きかけるとの見方もある。

ドイツは、米国率いる北大西洋条約機構(NATO)の主要加盟国であり、イランの核開発疑惑をめぐっても国連安保理5大国とともに交渉に当たっている。

米欧のきしみはイラン問題はもちろん、国際テロ対策などにも支障を与えかねず、米指導力に対抗しようとする中国やロシアを利するだけではないのか。

米政府は盗聴の事実を認めていないが、2001年米中枢同時テロ後に傍受活動が肥大化し、入手困難だったデータが情報技術革新で獲得しやすくなったことが、今回の問題の背景にありそうだ。

テロ対策の強化は国家として当然だが、同盟国指導者への盗聴など行き過ぎがあったなら、改めるべきであり、実際、米国は年内をめどに諜報活動に制限を設ける方向で見直しを進めるという。

それによる相互信頼回復こそが米欧同盟の盟主の責任である。
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[毎日新聞] 社説:減反の見直し 農業自立へ改革を急げ (2013年10月30日)

政府はコメの生産調整(減反)や一律補助金の見直しに向け、検討を始めた。さらに、担い手のいない農地を集約して生産者に貸し出す「農地中間管理機構」を創設するため、関連法案を国会に提出した。いずれも営農規模を拡大し、産業として自立できる力を養うのが目的だ。

政府・与党は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)もにらみ、農業の構造改革を急ぐ必要がある。

安倍晋三首相は、今後10年間で農家の所得を倍増させるという目標を掲げた。しかし現状は厳しい。農家の平均年齢は66歳、地域の中心的な農家にしても9割は50歳以上だ。後継者難で耕作放棄地も広がり滋賀県の広さに匹敵する。このままでは産業としての基盤が失われかねない。

体質強化には、規模拡大が欠かせない。農地面積が2ヘクタール程度の平均的な農家の農業所得は年122万円にとどまる。コメだけに限れば約50万円しかない。それが20ヘクタール規模になれば1000万円を超える。しかし、農地の集約はなかなか進まない。離農するにしても農地を売却して手放すことへの抵抗感が根強いからだ。

そこで、農地中間管理機構はおおむね賃貸借に特化する。都道府県ごとに設置し、引退予定の農家などから農地を借り、大規模農地に整備した上で大手生産者や企業に貸し付ける仕組みだ。

農地の利用希望者は公募する。新規参入する企業も公平に借りられる機会を確保するためだという。一方で政府は、地域の中で担い手を選び営農の将来像を自主的に描いてもらう政策も進めている。貸付先を選ぶ際には、そうした政策との整合性にも配慮すべきだ。

もっとも、こうした仕組みを作っても農地の貸手が増えなければ絵に描いた餅に終わる。その意味で、コメの減反制度と戸別所得補償の見直しが重要だ。

減反は政府が需給見通しに基づいて生産量の目標を決める制度だ。過剰生産による米価下落を防ぐため1970年に本格導入された。しかし、生産性の低い零細農家の温存につながり、規模拡大を目指す農家の意欲もそいでいる。

戸別所得補償も、減反への協力を条件に耕作規模の大小に関わらずに農家を支援する制度であるため、規模拡大には逆行する。

どちらも廃止すべき政策といえるが、廃止に伴って一時的に農業経営の悪化を招くおそれがある。米価急落時に一定の収入を補償する仕組みを導入するなど激変を緩和し、意欲ある農家を育てる制度設計を工夫してほしい。条件の不利な山間地域などには農地の多面的な機能を守るための助成も検討する必要がある。
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[毎日新聞] 社説:柏崎の審査凍結 東電は福島に集中せよ (2013年10月30日)

東京電力福島第1原発で汚染水漏れが相次ぐ事態を受け、原子力規制委員会の田中俊一委員長が東電の広瀬直己社長と面談し、「長期的な視点で、ドラスチック(抜本的)な改革をしてほしい」と要請した。東電が再稼働に向けて9月に申請した柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査は、福島第1原発の現状が改善されたかどうかを見極めたうえで開始時期を検討するという。

東電は柏崎刈羽原発の再稼働を経営再建の切り札に据える。だが、最優先すべきは福島の汚染水対策だ。規制委が柏崎刈羽の安全審査を事実上凍結したのは妥当な判断である。

東電は今月、汚染水対策と再稼働の両立は可能とする報告書を規制委に提出したが、委員からは「福島の状態を見たとき、柏崎は十全だといえるのか」などの疑問が出た。当然だ。汚染水の制御もままならない会社に原発の運転を託すことができるのか。東電は人材や資金を福島に集中投入しなければならない。

ボタンの押し間違えでポンプが停止した。配管を誤って外し、作業員が汚染水を浴びた。福島第1原発ではこんなミスが続発している。放射性物質を吸い込まないようマスクを装着しての作業が続くなど、現場の環境は厳しい。被ばく線量限度に近づいたベテラン作業員が離脱するケースも出ている。現場の士気が落ちていることは、容易に想像がつく。

広瀬社長は面談で、作業員の確保が困難になっている現状を明かした上で、福島第1原発の作業環境の改善や東電全体で同原発に人を回すことを田中委員長に約束したという。速やかに実行に移す必要がある。

原子力規制庁の池田克彦長官は「これからもミスが出るようでは(同原発の現状の)改善とは言えない」と述べている。規制委には、妥協することなく、東電の改善の取り組みをチェックしてもらいたい。

政府の一層の関与も欠かせない。

汚染水対策で、安倍晋三首相は「国が前面に出て責任を果たす」と繰り返している。470億円の国費投入は決まったものの、地下水の流入を防ぐ遮水壁の建設や放射性物質除去装置の増設など技術的難度の高いものに使途は限定されている。

政府は汚染水の貯留や処理などに関する技術提案も公募した。汚染水処理対策委員会で実現可能性を検討し、年内にまとめる汚染水対策の全体像に盛り込む方針だ。しかし、東電と政府の費用負担のあり方などは決まっていない。

汚染水対策や廃炉を着実に進めるには、どのような体制が望ましいのか。東電の経営形態の変更も視野に入れつつ、政府は具体案を提示し、国会で徹底的な審議を行うべきだ。
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[読売新聞] 福島原発汚染水 政府と東電はどう封じ込める(10月30日付・読売社説) (2013年10月30日)

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策は待ったなしだ。政府と東電は、実効性ある対策をまとめねばならない。

原子力規制委員会の田中俊一委員長が広瀬直己東電社長と会談して、汚染水問題は「極めて憂慮すべき状態」と指摘し、抜本的な改善を求めた。

作業ミスや貯蔵タンクの欠陥などで、汚染水の漏出が相次いでいる。遅きに失した感はあるが、規制当局のトップが直接、事業者に注文するのは当然のことだ。

これに対し、広瀬社長は、東電の組織全体から福島に要員を派遣し、体制を強化する当面の対策を説明した、という。

現場の除染などを進め、顔を覆うマスクなしで作業できる環境を整える。現場付近に宿泊施設を造り、作業員の移動量も減らす。

問題収束のめどが立たない中、社員らの士気低下を懸念する声がある。作業環境の改善をテコにミスをなくすことが必要だ。

現状では周辺の海に汚染の影響は出ていない。放射性物質の量は飲料水の基準をも下回っている。大切なのは、今後も、外部への影響を抑えていくことである。

汚染水は、1日平均で400トンずつ増え続けている。敷地内に設置した貯蔵タンクはすでに約1000基に上り、いずれ増設する場所はなくなるだろう。

汚染水増加の主な原因は、原発建屋内に流れ込む地下水だ。放射能を含む冷却水に触れ、汚染水となる。雨水にも、地表の汚染物質が混入している。

建屋に入る前の地下水をくみ上げて海に流す計画については、漁業者の了解を得られていない。

試運転中の汚染水浄化装置がトラブル続きなのも問題だ。安定稼働すれば、汚染水が漏出した時のリスクを軽減できる。浄化後の水は海に流しても危険性はかなり低いと指摘する専門家は多い。

政府は前面に立って対処する姿勢を示している。地元関係者への説明を含め、汚染水を減らすための取り組み強化が求められる。

政府の汚染水処理対策委員会は年内に包括的な対策をまとめる。対処案を公募したところ、779件が寄せられた。有力な手法はできる限り採用し、国費投入をためらうべきではない。

規制委の責任も重い。汚染水問題を理由に、東電柏崎刈羽原発の再稼働に向けた安全審査を1か月以上、放置していることが懸念される。再稼働問題を前に進めるためにも、規制委として汚染水対策に積極的に関与すべきだ。
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[読売新聞] 減反見直し 政治主導で競争力強化を図れ(10月30日付・読売社説) (2013年10月30日)

貿易自由化に備え、農業の競争力強化が急務である。中核農家を重視した農業政策への転換が求められよう。

政府・与党は、コメの生産目標を国が定め、農家に割り当てる生産調整(減反)制度の段階的な見直しに着手した。廃止も視野に検討する。

減反は、コメの生産量を抑えることで価格の低下を防ぎ、農家の収入を安定させる狙いがある。コメ余りを背景に、1970年代に本格的に導入された。

だが、割高なコメ価格がコメ離れを加速し、農地が縮小するという悪循環を招いた。零細農家も手厚く保護される農政を続け、中核農家の生産意欲を減退させ、農業の活力を奪ってきたと言える。

減反が見直されると、意欲的な農家は国の目標に縛られず、市場動向や消費者の好みを見極め、生産量を独自に決める。生産性の向上も期待できよう。

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が本格化している。日本が一層の市場開放を迫られれば輸入農産物との競争は激化する。減反見直しで大規模化に道を開き、農家の経営努力を促すのは適切だ。

安倍政権が見直しに踏み込むのは、国政選挙まで最大3年近く時間があるからだろう。2009年にも、当時の石破農相が減反改革を唱えたが、農業団体や自民党内の反発で実現しなかった。

減反を廃止すれば、生産量が増えて米価が急落するとの見方は根強い。「収益が下がり、かえって農業の競争力が低下する」といった反対論がくすぶっている。

こうした不安を和らげ、打撃を最小限に抑えるには、一定の移行期間を設け、減反に協力する農家への補助金を段階的に減らす激変緩和策が有益だろう。

直ちに見直すべきなのは、民主党政権が導入した戸別所得補償制度である。減反農家へ一律に補助金を支給するもので、これを継続すると、零細農家が補助金を目当てに農地を手放さず、大規模化を目指す政策と矛盾するからだ。

一律支給をやめ、生産性の高い中核農家を重点的に支援する仕組みに改めてもらいたい。

自民党は、「国土保全」を名目に山間地などの農村を支援する新制度も検討中だ。地域振興や環境保全は大切だが、バラマキとならぬよう制度設計に工夫が要る。

安倍政権は農業を新たな成長産業と位置付けている。減反見直しに加え、企業参入を促す規制緩和など、政治主導で農業の活性化策を加速しなければならない。
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[朝日社説] 秘密保護法案―首相動静も■■■か? (2013年10月30日)

特定秘密保護法案をめぐり、こんな議論まで飛び出した。

小池百合子元防衛相が衆院特別委員会で、新聞の「首相動静」をやり玉に挙げた。

「毎日、何時何分に誰が入って何分に出たとか、必ず各紙に出ている。知る権利を超えているのではないか」

その意に沿うように、27日の首相動静の一部を黒塗りにしてみると――。

首相動静、■日

【午前】■時■分、東京・■■■■町の■■省。■分、■■自衛隊ヘリコプターで同所発。■■、■■■■■■■■■同行。■分、東京・■■■■町の■■■■駐屯地着。

【午後】■時■分、■■方面総監部庁舎で■■■■■相、■■■■副大臣らと食事。■時■分、■■ヘリで同駐屯地発。■分、■■空港着。

情報統制のもとで、あえて首相の動きを伝えようとすると、こうなってしまう。

小池氏は「日本は機密に対する感覚をほぼ失っている平和ボケの国だ」とも述べた。

そうだろうか。

菅官房長官はその後の記者会見で「各社が取材して公になっている首相の動向なので、特定秘密の要件にはあたらない」と説明した。当然だ。

小池氏は第1次安倍内閣で、安全保障担当の首相補佐官に任命され、国家安全保障会議(日本版NSC)の創設を主導してきた政治家である。情報公開を軽んじる考えを国会で公言するような人物が、NSC法案や秘密保護法案を進めているということか。

同じ安倍内閣で小池氏が経験した防衛相ポストは、秘密保護法案によれば、まさに特定秘密を指定する権限をもつ「行政機関の長」にあたる。

それを考えると、やはり秘密が際限なく増えていく懸念はぬぐえない。

一方、民主党政権の時代にも、秘密保全法制がらみの情報公開請求に対し、全面黒塗りの資料が公開されたことがある。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

こんな具合だ。

政治家や官僚は、だれのために働いているのか。原点から考え直してもらいたい。

たしかに首相動静は、他国の新聞ではあまり見ない欄だが、むしろ日本政府の透明性を誇るべきではないか。

いったん秘密保護法が成立すれば、何が特定秘密かもわからなくなる。

黒塗りの文書でさえ出てこないのである。
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[朝日社説] みずほ銀行―本当に出直すには (2013年10月30日)

失敗を繰り返す企業体質がこれで本当に改まり、再出発ができるのだろうか。疑念がぬぐえないまま、問題の幕引きだけを急いでいるようにみえる。

「みずほ銀行」がグループ信販会社を通じた暴力団関係者向け融資を放置していた問題で、第三者委員会による調査報告と業務改善計画が発表された。再発防止策と社内処分を主な柱に据え、金融庁に提出した。

1カ月前に行政処分を受けた際は、問題の報告が担当役員止まりとしていながら、今月になって一転、経営トップも知っていたと説明を翻した。そんな失態の裏には、金融庁の検査を逃れる意図があったのではないかとの疑惑も浮上していた。

ことの次第では、経営責任や処分内容も大きく左右されかねない。だが、第三者委員会の調査結果は経営側の説明をほぼなぞるものだった。

金融庁への誤った説明は「担当者の記憶違いによる」と不正を否定。震災後のシステム障害への対応や引責で役職員が入れ替わっていたことに加え、頭取レベルで解決に向けた引き継ぎがなく、問題が見過ごされたとし、「認識が低い」「組織として重大な問題」と強調した。

処分としては、問題の時期に取締役だった現旧役員54人に対し、減俸や過去の報酬の一部返却などを決めた。関係する歴代トップ3人のうち、引責辞任は、みずほ銀行の前頭取で現会長の塚本隆史氏が会長職を退くだけ。ただし兼任の持ち株会社会長は続ける。

そもそも強制力がない20日足らずの調査で、金融庁の検査もかわした問題の真相をどこまで解明できるのか、最初から疑問がつきまとった。案の定、それが払拭(ふっしょく)されたとは言えない。

薄く広い処分も、引責辞任の拡大で経営が動揺するのは避けたいという内向きの配慮が優先されたのではないかとの疑いが残る。組織風土を刷新して出直そうという危機感がかすんでいるとすれば、病状は重篤なままではないか。

再発防止策としては、元裁判官を社外取締役に迎え、反社会的勢力との取引を防ぐ専門組織を新設するなど、当然なことが並ぶ。だが、形つくっても魂が入らないのがみずほの悪弊だ。今度こそ更生できるのか。経営陣が背負う十字架は重い。

一方、業務改善計画を受けとった金融庁は、検査への信頼を回復する責を負う。報告をうのみにするだけでは、当局と業界との関係をむしろ疑われよう。こちらも業務改善計画をつくり、国民に示してはどうか。
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