2013年09月30日

[東京新聞] イラン核開発 交渉進展の好機逃すな (2013年9月30日)

国連総会を舞台にして、イランの核開発をめぐる外交が活発化している。イランのロウハニ大統領は核兵器を保有する考えはないと明言し、経済制裁を科した欧米との関係修復にも動きだした。

ロウハニ大統領は国連総会演説で「核開発は平和目的であり、国防のために核兵器が存在する余地はない」と述べ、欧米と対決したアハマディネジャド前大統領とは異なる融和姿勢を打ち出した。

さらにオバマ米大統領とは電話で会談した。両国首脳の対話は一九八〇年の断交以来初めて。和解への一歩を踏みだしたといえる。ザリフ外相は安全保障理事会の常任理事国にドイツを加えた六カ国の外相との協議に臨み「一年以内の核問題交渉妥結を目指す」と述べた。

イランは米国や英仏などによる制裁で経済事情が悪化。原油や天然ガスの輸出収入は半減し、通貨リアルの下落、40%を超すインフレにより市民生活の混乱と失業者増加が続く。

外交を転換したのは、国民が穏健路線と制裁解除取り付けを求め、イスラム教高位指導者も支持しているためだ。

欧米側はイランの核兵器製造を防ぐため、保有する20%の濃縮ウランを核燃料に転換し、さらに5%濃縮ウランは第三国に搬出することを求めている。併せて起爆実験をした疑いがあるパルチンの軍事施設について、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れも要求している。

イランと六カ国は十月中旬に核問題協議を再開するが、ようやく訪れた交渉進展の好機を逃してはならない。イラン側は原子力発電など平和利用の権利を主張するが、それにはまず、疑惑を晴らす具体的な行動を取るべきだ。

イスラエルはイランの核開発が「一線を越えた」場合は、核施設を空爆する可能性を繰り返し示している。またイランはシリアのアサド政権を支持しており、内戦の沈静化に大きな役割を担う。

イランの核問題打開に道筋を付けないと、中東全体がいっそう不安定になろう。関係国による迅速で、粘り強い外交努力が必要だ。

日本はイラン産原油の輸入を削減して制裁に加わっているが、以前は交流も活発だった。安倍晋三首相はニューヨークでロウハニ大統領と会談した。今後も、唯一の被爆国として核の平和利用を訴えるとともに、米とイランの関係修復に向けた橋渡しをしたい。
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[東京新聞] JR西無罪 遺族の無念を胸に刻め (2013年9月30日)

乗客ら百七人が死亡した尼崎脱線事故で、JR西日本の歴代三社長は無罪となった。強制起訴を選択した市民判断は、司法の壁を崩せなかったが、経営陣は遺族の無念の思いを胸に刻むべきだ。

刑事裁判の限界なのだろう。神戸地裁は歴代三社長について、「事故は予見できなかった」と判断した。検察が起訴した元社長は既に無罪判決が確定しており、事故当時の経営幹部は誰ひとり、刑事責任を負うことはなかった。

「刑事責任が問われないことをおかしいと思うのももっともだが、厳格に考えなくてはならない」と最後に裁判長は付言した。

強制起訴に持ち込んだ検察審査会の判断にも、一定の理解を示したとも受け止められる。確かに現場は「魔のカーブ」だった。半径六百メートルあったカーブを半減させる工事をしたからだ。危険性が増すのは当然だが、当時の経営陣は自動列車停止装置(ATS)を設置しなかった。

これも争点だったが、たまたま当時、法的義務がなかっただけだ。鉄道会社として、自主的に設置することもできたはずだ。「ATS整備を指示するべき注意義務はなかった」とする判決には、疑問が残る。国土交通省の事故調査委員会は「ATSがあれば事故は防げた」と指摘しているからだ。急カーブへの配慮をしなかったのは経営ミスといえよう。

私鉄各社との激しい競争もあって、過密ダイヤを組んでいた。電車に遅れなどが出ると、懲罰的な「日勤教育」が科された。無意味な草むしり、就業規則の書き写し…。非人間的な懲罰である。

事故を起こした運転士は、日勤教育の経験があり、当日も前の駅でオーバーランをした。遅れを取り戻そうとして、制限速度を大幅に超え、ブレーキ操作を誤ったのだ。少なくとも、事故調はそんな見方の報告をした。

利益優先、安全軽視ともいえる経営陣にも反省すべき点は、多々あったはずだ。だが、裁判でJR西日本の“ドン”は、十秒間のおわびをしただけだ。企業体質についての質問には「変えなければいけないという気持ちはない」と突っぱねていた。

遺族の無念さが、本当にわかるのか。「納得できない」「許せない」−。判決に遺族は天を仰いだ。JR北海道では二百七十カ所ものレール異常放置が判明したばかりだ。脱線事故なども相次いだ。鉄道の安全規律がたるんでいる。
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[産経新聞] 柏崎原発申請 再稼働へ迅速審査求める (2013/09/30)

東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)6、7号機の再稼働に向け、原子力規制委員会に安全審査を申請した。地元の泉田裕彦知事が条件付きながら、東電の申請を認めたことを受けた。

柏崎刈羽原発は首都圏に電力を供給する重要な役割を担う。規制委は迅速に審査を進め、早期の再稼働につなげてほしい。

再稼働にあたっては地元の了解も必要となる。安倍晋三政権も原発立地自治体の理解を得る努力をするとしてきた。政府は安全協定を根拠に東電と対立する泉田氏と調整し、原発の運転再開を主導する責務を忘れてはならない。

東電は、7月初旬の新安全基準の施行と同時に安全審査を申請する方針だったが、泉田氏の同意が得られなかった。宙に浮いたままだった申請にこぎ着けることができたのは一歩前進といえよう。

しかし、泉田氏は申請容認にあたり、原発事故時に放射性物質の放出を抑える「フィルター付き排気装置」を使用するさいには、事前に地元了解を取り付けることを条件にした。

だが、この条件は問題だ。一刻を争う緊急時の安全対策で、運用に法的根拠のない地元独自の煩雑な手続きを課すことになるからである。早急に見直さなければならない。

柏崎刈羽原発の審査は、敷地内を走る断層の評価も課題だ。規制委は予断を持つことなく、科学的な知見にもとづく客観的な審査に徹してほしい。他の電力会社の審査も進行中であり、必要なら人員などの体制を増強して遅滞なく作業を進めるべきだ。

東電は昨年9月、原発停止に伴って発電コストが上昇したため、電気料金を大幅に引き上げた。

一方、同社の再建に向けた経営計画では、今年度中に柏崎刈羽原発7基のうち4基の再稼働を予定している。これが大幅に遅れる事態になれば、追加値上げを迫られる可能性が強まる。

来年4月には消費税率が8%に引き上げられる。これに電気料金の追加値上げが加われば、中小企業などへのダメージは大きい。景気への影響も避けられまい。

福島原発の汚染水処理や被災者への事故賠償を円滑に進めるには、東電経営の持続性を確保しなければならない。そのためにも、政府が責任を持って再稼働に導く姿勢を示すべきだ。
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[産経新聞] 全国学力テスト 結果公表のルール早急に (2013/09/30)

小中学校で実施される全国学力テストの結果を教育現場にどう生かしていくべきか。

学力テストの一部科目で今回、47都道府県中最下位だった静岡県の川勝平太知事が、全国平均を下回った学校については校長名を公表すると述べたこととも絡み、議論を呼んでいる。

学力テストの原点は、教育現場のレベルを高め、児童生徒の学力向上に役立てることにある。川勝氏の方式で学力伸長がはかれるかどうかは疑問だが、結果は、自分たちの学習到達度を知る上でも、基本的に公表するのが筋だろう。文部科学省は、その方向であらためて検討を進めるべきだ。

川勝知事は、自身の発言に批判が集まると、今度は、公表するのは、平均点を「上回った」学校の校長名にすると方針を切り替えた。いずれも理由は「学校現場の責任の所在を明確にするためだ」と述べている。

しかし、成績は、現場の責任を問うことだけで改善されるものとは思えない。最大の問題は、せっかくのデータを生かしきれずにいることにあるのではないか。現状の学力テストは受けっぱなしにすぎず、結果を踏まえたフィードバックがあまりに少ない。

個人の成績はもちろん、学校別の成績も公表されていない。「過度の競争を招く」(文科省)からだというが、学力向上への健全な競争心まで一律に否定する必要はなかろう。

自治体側からも、市町村別や学校別のデータを公表すべきだとする意見が相次いでいる。なによりも、確固とした公表のルールづくりが必要だ。

教育的な配慮を欠いたり、見せしめにしたりするような公表方式であってはならないのは当然だ。テスト結果については、原則は公表することにして、地域に応じて例外も認めるような方式を取るのが自然だろう。

注目すべきは、自治体の判断で市町村や学校の成績を公表した大阪府や秋田県、佐賀県武雄市などで、いずれも「過度な競争」は報告されていないことだ。

学校や地域社会が良識をもって対応する限り、大きな混乱は考えにくい。そのことを実例が示している。全ての自治体に、そのまま当てはまるとはかぎらないにしても、こうした取り組みは大いに参考にしてほしい。
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[日経新聞] 規制改革の再起動で既得権打ち破れ (2013/9/30)

安倍政権が規制改革会議の活動を再開させた。6月に改革会議が出した初の答申は雇用改革などに前進があったが、医療と農業の岩盤規制には踏みこまなかった。

アベノミクスの3本の矢のなかで、日本経済を安定成長に導くのに最も効果があるのが第3の矢の成長戦略、とりわけ規制改革だ。

医療・農業に踏みこめ

改革は既得権益を守りたい勢力とそれを後押しする官庁や族議員との闘いだ。硬い岩盤を砕く力を蓄えられるよう改革会議を支えるのは、首相官邸の責任である。

改革会議は2014年6月の第2次答申に向けて優先して取り組む案件を決めた。(1)医療分野で保険診療と自由診療の併用を認める混合診療を原則解禁する(2)保育・介護分野で社会福祉法人と株式会社などとの競争条件を対等にする(3)農業分野で農地の所有規制を見直す――の3つだ。

混合診療は、厚生労働省が今も一部の自由診療にかぎって併用を認めている。先端医療技術は日進月歩の革新を遂げており、健康保険が利かなくとも安全で有効ならその恩恵に浴したいという患者は少なくない。混合診療を原則解禁に導くのが改革会議の責務だ。

保育・介護分野は、たとえば用地難に悩む都市部で株式会社が運営する保育所や介護施設に国公有地の利用を認めるなどの改革を求めたい。規制面だけでなく、税制を対等にすることも必要だ。

農業分野は、農地を集約して生産規模を広げる法案を次期国会に出すべく農水省が準備している。県単位で設ける中間管理機構が耕作放棄地などをまとめて整備し、希望者にリースするやり方だ。

それは一歩前進だが、本丸は企業の農地所有に道を開く農業生産法人の要件緩和だ。農協の組織改革にもぜひ踏みこんでほしい。

これら3分野はともに岩盤規制の典型だ。ほかの政権より改革に熱心だった小泉政権のときから取り組んできた案件だが、今なお顕著な実績をあげていない。

改革会議は3分野について、分野別の作業グループに解決を委ねるのではなく、改革会議の委員全員で早く結論を出す方針だ。議長がいかんなく指導力を発揮し、各委員が知恵と工夫を結集させ、既得権益団体や規制官庁の岩盤を打ち破れるよう稲田朋美担当相らがもっと前へ出るべきだろう。

気になるのは、この3分野以外に新たに規制をつくったり、いったん緩めた規制を再強化したりする動きがしだいに強まってきたことだ。参院選後に巨大与党が誕生し、既得権益団体などの支援を受けた族議員が復活しつつあるのが背景ではないか。

そうした動きに官邸が歯止めをかけようとしないのは問題だ。

市販薬のインターネット販売を制限していた厚労省の裁量行政は違法だと最高裁判決が1月に断じた後、首相はネット販売の全面解禁を宣言した。だが同省は今になって解熱鎮痛剤「ロキソニンS」など28品目を数年間、ネット販売から外す規制を画策している。

改革会議はネット販売と店頭販売に不合理な差を設けないことが消費者利便を高めるという内容の意見書を出した。正論だ。それでも厚労省が規制復活にこだわる場合は、首相が厚労相に指示してやめさせなければならない。

復活・再強化の阻止を

自公両与党は民主党と組みタクシー規制を再強化する法案を次の国会に出す。タクシーの台数が多いと認めた地域は新規参入と台数増を一定の期間、禁ずる内容だ。

タクシー規制は緩和のたびに業界団体が再規制をもくろみ、国土交通省や運輸族議員に働きかける繰り返しだ。そこでは往々にして参入規制や台数制限を強めて競争を排除しようという供給側の論理が優先する。運転手として新たに職を得ようとする人や利用者の利便を高める視点を置き去りにしてよいはずがない。

法曹人口の拡大に対して日弁連は強く反対している。しかし質の高い法務サービスを企業や個人に提供する弁護士はもっと増やす必要がある。弁護士同士が切磋琢磨(せっさたくま)し、利用者のニーズに応えられない弁護士が淘汰されるのは、やむを得まい。

ほかにも日本郵政が事実上、独占する手紙・はがき事業を宅配便業者などに開放するのが積年の課題だ。信書の秘密を守りつつ、より安く確実に届ける力を備えた企業には参入を認めてよい。

改革会議の役割は事ほどさように多い。かつて首相は規制改革こそがアベノミクスの一丁目一番地だと語った。いま一度それを明確にすべきときだ。
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[毎日新聞] 社説:汚染水問題質疑 首相こそ国会で説明を (2013年09月30日)

遅きに失した始動だ。福島第1原発の汚染水事故に伴う衆院経済産業委員会の国会閉会中の審査が行われ、政府や東京電力などによる対策への具体的検証が始まった。

さきの参院選以来論戦を放置してきた国会だが、この期に及んでも臨時国会の召集時期で駆け引きを演じているのだからあきれる。安倍晋三首相が国会で説明する場を一日も早く設けなければならない。

27日の質疑には東電の広瀬直己社長が出席、首相補佐官として汚染水対策を担当していた馬淵澄夫議員(民主)らが質問に立った。

馬淵氏は、粘土遮水壁の配置計画を2011年6月に発表予定だったが、東電から「市場から債務超過と評価されかねない」との懸念を示され、見送った経緯を説明。広瀬社長も東電が遮水壁の基本仕様をまとめていたことを公式に認めた。

馬淵氏は同氏が補佐官を外れたあとに遮水壁の建設が棚上げになった経緯を含め、党として検証作業を進めていることを説明した。単純に政府を追及するだけでなく、民主党前政権の責任も問われる課題だ。

閉会中審査は30日も行う。だが、汚染水問題の深刻さが表面化して以降、首相が国会で国民に説明する場面はいまだに設けられていない。

東京五輪招致演説で首相が「状況はコントロールされている」と発言したことをめぐり、東電幹部は「コントロールできていないと考える」と述べた。広瀬氏は国会で首相と同じ考えだと強調したが、現状認識や長期的取り組みの態勢をどう構築するか、首相は説明する責任がある。

首相の「汚染水の影響は原発の港湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」という発言も波紋を広げている。政府は海洋モニタリングで放射性セシウム上昇がみられないなどと説明しているが「影響は完全にブロック」とは、そもそも何を意味するのか。

野党側は参院で92人の議員の署名を集め、国会の早期召集を要求した。憲法は4分の1以上の求めがあれば召集するよう定めるが時期の規定はなく、与党に召集を来月15日から前倒しする気配はない。

汚染水浄化装置「ALPS(アルプス)」が不具合で運転停止したように、既存の汚染水対策がうまくいく保証はない。これまで想定していない新たな事故が起こる可能性もある。政府の汚染水処理対策委員会はそうした潜在的な事故リスクを洗い出した上で追加の対策案を新たにまとめた。当然とも言えるが、それぞれの対策の実現性すらわからないのが実情だ。

政府が対策の前面に立つ以上、首相が明確な対処方針を語るべきだ。国会こそ、その場にふさわしい。
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[毎日新聞] 社説:堺市長再選 橋下構想に厳しい審判 (2013年09月30日)

「大阪都構想」への参加の是非が争点となった堺市長選で、参加に反対する現職の竹山修身(おさみ)氏が、都構想推進を訴える大阪維新の会公認の新人を破り再選を決めた。

橋下徹大阪市長が唱える都構想にとって大きな打撃だ。このまま堺市抜きで進めるのであれば、橋下氏は住民が納得できる「大阪都」の具体像を明確に示さなければならない。

大阪都構想は元々、大阪市と堺市の2政令指定市を廃止して東京都のように複数の特別区に再編する構想だ。二重行政を解消し、広域政策を府に一元化して大阪を国際競争力のある都市に再生する狙いがある。昨年8月には都構想を実現できる法律が成立した。

ところが堺市の竹山市長は「歴史ある市の解体につながる」と協議への参加を拒否し、大阪府と大阪市だけで調整が進められてきた。維新の会は堺市長選に対立候補を擁立し、堺市も参加する道を開こうとした。

竹山氏勝利は都構想への参加は望まないという堺市民の意思表示だ。中世から国際交易都市として栄えた歴史を持つ市が特別区に分割されることへの抵抗感や、維新の会側が都構想の利点を説得力ある形で説明できなかったことが主な要因である。

橋下氏は記者会見で、引き続き大阪府・市で協議を進めると強調したが、選挙結果は大阪市民にも影響を与える。大阪都のメリットが見えてこなければ「大阪市が解体されるだけでは」という疑念が広がるだろう。

都構想実現に向けたハードルは高い。目標とする15年春に大阪都を実現するためには、14年秋までに大阪府・市の議会での議決を経て、大阪市民を対象にした住民投票で過半数の賛成が必要だ。だが、維新の会は大阪市議会で過半数を持たないだけに、このままでは住民投票にまでこぎ着けられるかも疑問だ。

維新の会は党の浮沈を握る重要選挙と位置づけ、全国から国会議員らを動員して総力戦を展開した。そのうえでの敗北は、府内で無敵だった「橋下人気」の失速を意味する。

橋下氏が共同代表を務める国政での日本維新の会の迷走とも無縁であるまい。従軍慰安婦をめぐる発言など、橋下氏の言動はこのところ分権改革以外の分野で物議を醸し、参院選で伸び悩んだ。合流前の旧太陽の党、旧維新の会両勢力の不協和音も目立つ。与党寄りの対応も目につき、国民からは方向性がよく分からない政党だと見られ始めているのではないか。

こんな状況では分権改革の旗印も色あせるばかりだ。橋下氏は共同代表辞任を否定した。だが、原点であるはずの都構想が揺らぎ始めた今、大阪府民が期待する大阪再生という宿題と真剣に向き合う必要がある。
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[読売新聞] 米イラン会談 核問題の外交解決につなげよ(9月30日付・読売社説) (2013年9月30日)

対話で終わらせてはなるまい。具体的な実績を粘り強く積み上げていくことが肝要である。

オバマ米大統領が、国連総会出席のため滞米中だったロハニ・イラン大統領と電話で会談し、イラン核問題の早期解決を目指すことで合意した。

米国とイランの首脳が言葉を直接交わすのは、1979年のイラン革命以来初めてだ。

革命でイスラム政権が誕生してから、米国とイランは断交し、敵対的な関係を続けてきた。首脳会談が行われたこと自体、外交上、大きな意味があるといえよう。

イランの核兵器開発疑惑が深刻化して以降、米国は国際社会を主導してイランに経済制裁を科し、疑惑の払拭を迫ってきた。

だが、疑惑解明は進まず、米国内では政権のイラン政策に対する不満が募っていた。オバマ氏は行き詰まった事態の突破口として、直接対話を選んだのだろう。

ロハニ師にとっては、会談で対米関係を打開し、制裁緩和を引き出す狙いがある。制裁でイラン経済は原油輸出が半減するなど悪化の一途をたどっているからだ。

ただ、ロハニ師は国連演説で核兵器を保有する意図はないと強調しつつも、ウラン濃縮は「譲れない権利」と訴えた。これでは従来のイランの主張と変わらない。

「核の平和利用」を隠れみのにして核兵器を開発するのではないかという疑いは晴れまい。

オバマ氏が記者会見で、イランが核兵器を開発しないことを示す「有意義、透明かつ検証可能な行動」を取らぬ限り制裁は解除できないと述べたのは当然である。

来月中旬には、イランと国連安全保障理事会常任理事国及びドイツによる、核問題を巡る協議が開かれる。イランは、核爆弾製造につながる濃縮度20%ウランの生産停止や国外搬出など、具体的な措置を提案するべきだ。

気がかりなのは、イラン国内に少なからず存在する対米強硬派の動向だ。最高指導者ハメネイ師の意向も今後の事態を左右する。ロハニ師は粘り強く国内対応を続ける必要がある。

イランの核開発は中東全体の不安定要因だ。イスラエルとの軍事緊張も高まっている。イランはまた、テロ活動を支援しているとの非難も受けている。

イラン核問題が収拾に向かえば、中東全体の緊張関係に好影響がもたらされるのではないか。オバマ氏にも、中東戦略を意識して、イランとの関係改善に取り組む姿勢が求められよう。
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[読売新聞] JR西事故無罪 惨事忘れず不断の安全対策を(9月30日付・読売社説) (2013年9月30日)

元社長の刑事責任は問われなくとも、公共輸送機関としての社会的責任は免れない。JR西日本は、安全対策を徹底せねばならない。

乗客106人が犠牲になった2005年4月のJR福知山線脱線事故で、神戸地裁は、業務上過失致死傷罪に問われた井手正敬氏らJR西日本の3人の元社長に無罪を言い渡した。

検察官役の指定弁護士は、控訴する意向を示した。

歴代3社長は、市民により構成される検察審査会の議決で強制起訴された。現場のカーブに自動列車停止装置(ATS)を整備する指示を怠ったとの理由からだ。

しかし、判決は「部下からの説明がなかったため、経営幹部はカーブの危険性を認識できる機会がなかった」と判断し、「3人が事故を具体的に予見することはできなかった」と結論づけた。

業務上過失致死傷罪の成立要件である予見可能性が認められない以上、無罪しか選択肢はなかったということだろう。

昨年1月には、検察がこの事故で唯一、起訴した山崎正夫元社長の無罪も確定している。山崎氏は、現場を急カーブに造り替えた当時、安全対策の責任者である鉄道本部長を務めていた。

山崎氏の立場でも、危険認識がなかったと認定された。さらに上の地位にいた3人に刑事責任を問うのは困難だったと言えよう。

刑法上、刑事責任の対象は個人であり、企業の責任を問える制度にはなっていない。企業を代表する社長であっても、例外ではないことを考えれば、無罪の結論は、やむを得ない面がある。

だが、遺族が割り切れぬ思いを抱くのは無理もない。裁判長も判決後、「誰一人、刑事責任を問われないのはおかしいと思うのは、もっともだ」と述べた。

ATS整備の遅れが事故を招いたのは、動かぬ事実だ。事故を教訓に、JR西日本には、万全の安全対策を講じる責務がある。

今回の無罪判決は、強制起訴制度のあり方を議論する契機となろう。これまでに8件が強制起訴され、有罪判決は1件だ。

刑事司法に市民の感覚を反映させる意義がある一方で、問題点も浮かび上がってきている。

限られた証拠で立証を強いられる指定弁護士の負担は重い。強制起訴された被告が、公判対策に膨大な時間を割かれることも無視できない。法務省が中心になり、これまでの事例を検証し、制度の改善に努めてもらいたい。
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[朝日社説] 首都への投資―量より質を目指そう (2013年9月30日)

「さあ、東京に投資だ」。そんな機運が不動産・建設業界を中心に盛り上がっている。

安倍政権は成長戦略の目玉として、国家戦略特区を設ける考えだ。首都東京にヒト、モノ、カネをもっと集め、世界的な都市間競争を勝ち抜こうと、容積率の大胆な緩和などを検討している。

そこへ、2020年の東京五輪の開催決定が拍車をかける。競技施設や選手村の建設にとどまらず、道路をはじめとする公共インフラ、ホテルやオフィスビル、マンションといった民間施設とも、拡充を急ぐ動きが活発になりそうだ。

しかし、立ち止まって考えたい。首都圏でも急速に高齢化が進む。首都直下型地震など大規模な災害も予想される。必要なのは、「量」を追い求める投資だろうか。

公共インフラでは、老朽化対策が大きな課題だ。64年の東京五輪に合わせて造られた首都高速道路は、取り換えや大規模な修繕を迫られている。他の多くの社会基盤も、高度成長期に集中的に建設された。税金や利用料金を通じた国民負担を抑えようとすれば、新たな施設をどんどん造る余裕はない。

民間分野でも、耐震化が不十分なビルやマンションはごまんとある。建物の省エネ化で温暖化対策を進めることなど、課題は山積している。

こうした大都市の弱点を改め、「質」を高めるための投資こそが重要だ。

2回目の東京五輪は、意識を改める機会としたい。パラリンピックの開催にあわせて障害者にやさしい街に変えていけば、高齢者や妊婦、子どもらも暮らしやすくなり、少子高齢化への対策になろう。

街づくりの妨げとなる空き家・空き室問題では、五輪もにらんだ観光客の受け入れ策として一般の賃貸住宅を宿泊施設に転用するアイデアが出ている。すぐに新設・増設へと走るのではなく、既存の施設を有効に使う姿勢が欠かせない。

都道府県地価調査(7月1日時点)によると、東京圏の商業地の地価は大阪、名古屋圏とともに5年ぶりに上昇に転じた。資産デフレから脱する好機を迎えたのは確かだろう。

しかし、容積率の緩和で投資マネーを呼び込み、地価上昇を後押ししようとの発想では、バブルとその崩壊という愚を繰り返しかねない。

安全・安心に暮らし、働ける街を目指す。その取り組みが地価に反映される。

都市開発の基本である。
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[朝日社説] 君が代義務化―本当に大切なことは (2013年9月30日)

特定の歌を歌えと命じられる。口を動かしているかチェックされ、歌っていないと罰を受ける――まるで時計の針を戻すような動きだ。

卒業式などで教職員が君が代を起立斉唱するよう、全国で初めて条例で義務づけた大阪府の教育委員会が、実際に歌っているかどうか、口元を確認、報告するよう府立の全学校長に通知した。

国の学習指導要領は、式典で国歌斉唱を義務づけており、他の教委でも指導を強める動きがある。だが実際にはチェックの対象は起立で、口元の点検まで指示したのは異例だ。

大阪府での義務づけは、橋下徹・大阪市長の考えにもとづく。公務員はルールを守るべきだとの判断から、指導の徹底をはかってきた。

府教委の中原徹教育長は、条例づくりを主導した橋下市長の友人で、府立高校長だった昨年、卒業式で教員の口元をチェックして議論を呼んだ。今回も、「起立斉唱」を義務づけた条例のもとで当然のことを書いたまでだと説明する。

スポーツの国際試合では、選手を鼓舞したり勝利をたたえたりする観客が君が代を歌う風景が当たり前になった。ただ、かつて君が代は、軍国主義教育のなかで戦意高揚に使われた。その反省の思いから、式典での起立を拒否する先生がいるのも重い事実である。

世間の反応は鈍い。学力低下やいじめなど様々な問題を抱える公教育への不信も、「ルールを守らない」先生への厳しい視線につながっている。今回の動きも、そんな空気を読んでのことかもしれない。

不起立教員そのものも激減している。いずれ、君が代に反対した先生がいたことも知らない子ばかりになるだろう。これはよいことなのだろうか。

時の流れとともに、戦争を知る世代が減っていくが、戦後の日本の歩みを方向付けたあの戦争は、決して遠い過去の遺物ではない。

日本が無謀な戦争への道を進んだとき、先生たちはなぜ止められなかったのか。痛恨の体験が、君が代を歌わない先生の思いをかき消していく末に、忘れ去られてよいはずがない。

中原氏は昨年、口元チェックが問題になった後のブログで、この問題では「君が代賛否の人々の意見を、根拠のある史実と合わせて若者に紹介し、人材育成に生かすことが肝要」と述べた。そのとおりだと思う。

教育長として、そのことにこそもっと力を注いでほしい。
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2013年09月29日

[東京新聞] 週のはじめに考える 不安を乗り越えるには (2013年9月29日)

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3・11から二年半。誰もが原発災害の再発を恐れています。なのに、なぜ…。私たちの不安と不信は、私たち自身の力で乗り越えるしかありません。

東京・原宿。表参道の交差点に近いオフィスで、安全・安心研究センター長、東京女子大名誉教授の広瀬弘忠さんに、原発のリスクに関する最新の調査結果を聞きました。

専門は災害・リスク心理学。二十年前から、原発や核廃棄物、地震や地球温暖化などに対する意識調査を同じ手法で続けています。

最近の二回、今年三月と八月の調査は特に、福島第一原発事故が一向に収まらない中で、原発推進に積極的な安倍政権がなぜ七月の参院選に大勝したか、その背景を探る意味合いもありました。

大都市、中小都市、農村、漁村など全国二百地点を抽出し、十五歳から七十九歳までの男女約千二百人に質問用紙を直接配って調査した。

米仏と共同で調査を始めた当初、日本では、原発や核廃棄物が社会に対するリスクではあるけれど、個人、すなわち自分自身にとってのリスクという感覚が鈍いのが気がかりでした。

しかし3・11以降、「原発は一つ間違えば、社会的にも個人にとっても、非常に危険なものになるという危機感が定着した」と広瀬さんは考えます。

八月の調査結果は次の通り。三月とほとんど一致します。


◆終息などとんでもない
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東日本大震災で最も深刻な被害を与えたものは何か、という質問に、59・9%が原発災害、と回答し、津波や地震を大きく上回っています。

福島第一原発の現状では、全く終息していない、と答えた人が51・3%で前回とぴったり同じ。ほとんど終息していない、を合わせると、95%に上る。

政府が言うコントロールもブロックも、全然信用されていないのが分かります。

各地の原発再稼働で福島第一原発と同じ程度事故が起きる可能性について、起こる、という答えは25・5%と前回よりも3ポイントほど増えています。たぶん起こる、という回答は55・7%で、合わせて八割以上に上っています。

その理由として、地震、津波、テロなどが挙がっています。

国の原子力事故対策は、全くできていない、も33・4%と、前回の27・1%より増えている。あまりできていない、と答えた人を合わせると、九割を上回ります。

原発の未来について、直ちにやめるべき、が31・4%と前回より微増、再稼働を認めながら段階的に縮小すべき、が51・9%という結果です。

大規模な原発災害が発生した場合には、自分自身も深刻な健康被害を受けると答えた人は、七割以上に達しています。

これらの数字はどう見ても、原発に対する人々の依然として強い不信と不安、そして忌避感を示しています。なのにどうして、選挙では原発に積極的な政権が選ばれたのか。

調査結果を続けましょう。

参院選の結果が日本の原発政策に影響を及ぼす、と答えた人は48・5%と半数を割っています。投票をするときに何を最も参考にしたか、では、政党のイメージが25・0%、原発政策は5・1%にすぎません。

はっきりした理由はないけれど、何となく、が11・4%に上っています。

このずれは、何なのか。

読み取れるのは、選挙や政治に対する期待の薄さです。

原発災害は恐ろしい。かといって、選挙や政治は当てにできないし、期待しない。そんなあきらめの深さです。


◆安心安全は自らの手で
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私たちは安全よりも原発を、安心よりも経済を、積極的に選んだわけではないようです。

心にたまった不安を自らぬぐい、持続可能な社会へ向かうため、選挙と政治、そして民主主義の価値や力を、見直してみる必要もありそうです。
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[産経新聞] 米イラン首脳対話 歴史的和解の一歩とせよ (2013/09/29)

国交断絶が30年以上も続いている米国とイランの大統領が断交以来初めて電話で協議した。

オバマ米大統領は協議について「困難な歴史を乗り越える展望を示すものだ」と述べ、関係改善に意欲を見せた。歴史的和解の第一歩となることを期待したい。

関係改善には、イランの核問題の平和的解決に向けた前進が欠かせない。イランは、核兵器を持たないという約束が口先だけではないことを示さなければならない。

イランのロウハニ新大統領は国連総会演説のため訪米した。米側は当初、両大統領の直接接触を模索した。イラン側は国内事情を理由に断り、ロウハニ師の米国滞在中の電話協議となった。

首脳間の直接対話は、穏健派のハタミ元大統領の時代にも実現しなかった。最高指導者のハメネイ師は今回、「英雄的な柔軟性」を口にし、ロウハニ師の対米姿勢の軟化に一定の支持を与えているとみていいだろう。

核問題をめぐり、両大統領はすでに書簡のやりとりをしている。首脳同士の信頼醸成は、関係改善を目指す上で有用だ。

米国は、イラン・イスラム革命の1979年に発生したテヘランの米大使館占拠事件をきっかけに翌年、イランと断交した。

米側は、イランを北朝鮮などと並ぶ「悪の枢軸」と位置づけもし、イラン側では米国はなお「大悪魔」である。関係改善の道は容易ではあるまい。

ロウハニ師は融和路線を強調し、総会演説でイランに核兵器保有の意思はないと表明した。米・イラン外相会談も実現させた。

こうした言動が、国連や欧米による経済制裁の緩和を狙った演出であっては困る。

核問題を話し合う米英仏独露中の6カ国とイランは国連本部で外相級協議を行った。10月中旬の実務者協議でイランは、核兵器疑惑を晴らすための具体案を示さなければならない。

両国関係の改善は中東の情勢全体にも大きな影響を与える。

国連安保理は、シリアの化学兵器全廃を義務づける決議案を全会一致で採択した。国際社会は内戦の終結も目指さねばならない。シリアのアサド政権に影響力を持つイランの果たすべき役割は小さくない。その意味からも、米・イランの歩み寄りは不可欠である。
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[産経新聞] 楽天初優勝 野球の力見せてもらった (2013/09/29)

プロ野球パ・リーグの東北楽天が球団創設9年目で初優勝を果たした。東日本大震災で、当時の嶋基宏選手会長が、「見せましょう、野球の底力を」と宣言してから2年半の快挙でもある。

存分に、野球の底力を見せてもらった。それは優勝の瞬間の、宮城県南三陸町の仮設商店街に集まった約60人の被災者の喜びように象徴されていた。

今季開幕から22連勝の田中将大投手が優勝を決める最後の打者を三振にとり、投球を受けた嶋捕手はマウンドに駆け寄りながら、もう泣いていた。「いつになったら底力を見せるんだ」の声に、悩んだ夜もあったのだという。

選手らはグラウンドだけで戦ったわけではない。被災地の子供らと交流を続け、募金活動など支援の先頭に立った。

今季加入のアンドリュー・ジョーンズ選手は満塁一掃の逆転打で優勝決定試合の立役者となった。米大リーグで434本塁打のスター選手はキャンプ前の1月、被災地を訪ねて「このチームは特別だと思っていた」のだという。

嶋選手は震災直後のスピーチで「誰かのために戦う人間は強い」とも話していた。

被災者のことを思い、被災地の人々に励まされながら戦い続けた結果の優勝である。野球の底力、スポーツの力を、改めて思い知らせてくれた。

震災の年の7月、ドイツで行われたサッカーの女子ワールドカップで、日本代表「なでしこジャパン」は被災地のビデオに涙し、優勝した。帰国後は多くの選手が被災地を訪れた。

阪神大震災が起きた平成7年には、オリックスが「がんばろう神戸」を合言葉に、イチロー選手らの活躍でリーグ優勝した。こうしたドラマが、スポーツの世界にはあり得る。

2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地となった東京は招致活動で、震災で知った「スポーツの力」の確認と発信を訴えてきた。

最終プレゼンテーションに登壇した宮城県気仙沼市出身のパラリンピック代表選手、佐藤真海さんは「スポーツの力」を、「新たな夢と笑顔を育む力、希望をもたらす力。人々を結びつける力」と表現した。

楽天優勝の機会に、このスピーチの意味をかみしめたい。
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[日経新聞] 日本の安保戦略にどう理解を広げるか (2013/9/29)

日本の安全保障政策は大きな転機を迎えようとしている。なかでもいちばん大きいのは、集団的自衛権の行使に向け、安倍政権が議論を加速していることだ。

北朝鮮による核開発や中国の軍備増強が進み、アジアの安全保障の環境は厳しくなっている。テロやサイバー攻撃など、国境を越えた脅威も広がっている。自分の国が攻撃されなければ安全という一国平和主義の発想では、日本を守りきれない。

こうした現実を踏まえれば、日本が集団的自衛権の憲法解釈を見直し、行使に道を開くのは理にかなっている。

だからといって、日本の意図が誤解され、国際社会の疑心暗鬼を招いたら元も子もない。米政府は日本による集団的自衛権行使の解禁を歓迎する意向を示しているが、アジアの国々からも十分、理解を得ていく必要がある。

安倍晋三首相は先週訪れたニューヨークでの講演で、日本が集団的自衛権の行使を可能にしようとしていることについて、積極的平和主義の担い手になるためであると説明した。アジアや世界の平和や安定のため、日本としても積極的に貢献していくという意味だ。

ただ、中国内などには日本の安保戦略について、右傾化や軍国主義復活の兆しではないかと指摘する向きもある。中国は日米同盟の強化を警戒しており、あえてそうした論調を広めようとしているふしもうかがえる。

安倍首相は講演で、名指しを避けつつ中国の軍拡ぶりにふれ、日本の防衛予算の伸びが比較にならないほど低い事実を説明した。具体的な数字を示し、反論したのはよかった。

そのうえで、安倍首相は「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたければ、どうぞそうお呼びいただきたい」とも語った。全体の文脈でみれば真意は分かるが、中国はさっそくこの発言を切り取り、日本批判に利用している。冷静な反論に徹するほうが効果的だろう。

中国の宣伝戦に対抗し、日本の安保戦略への理解を広めるには、歴史認識問題をめぐる各国の疑念を取りのぞく努力も欠かせない。

安倍首相は国連総会の演説で、女性の人権保護などに取り組む姿勢をみせた。旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、日本への批判がくすぶっている現実を意識した発言だろう。安保戦略の見直しと併せ、日本の発信力も問われる。
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[毎日新聞] 社説:JR歴代社長無罪 なお重い経営者の責任 (2013年09月29日)

乗客106人が死亡した2005年4月のJR福知山線脱線事故で、神戸地裁は、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の井手正敬(まさたか)元会長ら歴代3社長に無罪を言い渡した。

判決は、3人に脱線の危険性を具体的に予見できたと認める証拠はなく、事故を防ぐための自動列車停止装置(ATS)の整備を指示する義務もなかったと結論付けた。既に確定した山崎正夫元社長の無罪判決と同様、過失の範囲を厳密にとらえる従来の判断を踏襲したものだ。

裁判長は「会社の代表とはいえ、社長個人の刑事責任を追及するには厳格に検討しなければならない」と述べた。刑法では個人の責任しか問えない限界を示したと言えるが、だからといってJR西の安全対策に問題がなかったことにはならない。

国の事故調査報告書は、経営幹部が組織を統括し、徹底して安全性を追求する必要があると指摘した。山崎元社長の判決も、安全対策が期待される水準になかったと批判している。多くの人命を預かる公共交通機関の経営トップの責任の重さを改めて胸に刻むべきである。

事故は、列車が制限速度を超えてカーブに突っ込んで起きた。だが、急カーブに変更されたのは新線開業の経営方針に伴うもので、後に余裕に乏しいダイヤになった。懲罰的な日勤教育も運転士に重圧を与えたとされた。検察官役の指定弁護士も論告で「井手元会長らが利益優先の企業体質を確立した」と主張した。

判決は、事故と企業体質との関係に言及しなかったが、未曽有の事故でJR西も責任を認めているのに誰一人処罰されないのは、一般市民にも納得がいかないはずだ。企業に刑事罰を科す制度の導入を含め、組織が絡む事故の責任追及や真相解明のあり方について議論を深めるべきではないか。

公判では、井手元会長が事故について「重大な経営責任も痛感している」と公の場で初めて陳謝した。被害者参加制度で遺族らも直接質問し、意見を述べた。無罪とはいえ、強制起訴の意義は小さくはない。

脱線事故は、効率化や高速化を進め、安全を二の次とする経営姿勢にも反省を迫った。だが、JR北海道のあまりの安全意識の低さといい、鉄道各社は事故の教訓を生かしているのだろうかと疑わざるを得ない。

JR西は事故後、安全投資を増やし、事故の予兆を分析するリスクアセスメントも導入した。それらを着実に進め、安全対策を徹底しなければ信頼回復はおぼつかない。安全意識が根づく組織風土を築くことが経営者の責任であると肝に銘じなければならない。
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[日経新聞] 「安全優先」の組織に立て直せ (2013/9/29)

タガのゆるみは深刻だ。北海道旅客鉄道(JR北海道)でレールの点検や保守のずさんさが次々に明らかになった。交通機関として何より優先される運行の安全確保が、なぜおろそかになったのか。背景を究明し、再発防止へ早急に手を打たなければならない。

JR北海道では列車の出火や脱線事故が絶えなかった。19日に函館線で起きた貨物列車脱線事故の調査を機に、レールの幅などの異常を放置してきた箇所がこれまでに267にのぼることがわかった。特急列車が最高時速130キロで走る区間も含まれていた。

レールの異常の多くは30年近く、そのままにしてきた可能性があることも判明している。旧国鉄時代に設置した古いレールの点検に、誤って新しい整備基準を使っていたという。乗客の命を預かる鉄道会社として、あまりにもお粗末な管理体制ではないか。

JR北海道は営業範囲の広さや積雪対策で列車運行のコストが重く、営業損益は赤字が続いている。このため安全対策の設備投資が不十分になったとの指摘がある。人員の確保も手薄になり、保守点検の技術が若手に受け継がれていないともいわれる。

だが問題は、そうした資金難などの点だけではあるまい。同社ではレールの問題に先立ち、運転士が操作ミスを隠すため自動列車停止装置(ATS)をハンマーで壊していたことも明らかになっている。問われるのは一人ひとりが安全への意識をしっかり持つ組織をつくれていたかどうかだ。

幹部の発言から本社が保守点検の進め方や検査結果を掌握できていない実態が浮かび上がっている。情報共有のあり方など組織を一から見直す必要がある。

JR北海道は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が株主で政府は監督責任がある。再発防止へ外部の人材を積極的に活用すべきだ。2015年度末には同社が運行する北海道新幹線の新青森―新函館(仮称)間が開業する。安全管理の立て直しに時間の余裕はない。
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[毎日新聞] 社説:化学兵器決議 シリア和平への弾みに (2013年09月29日)

国連安保理がシリアに化学兵器の全廃を義務付ける決議を全会一致で採択した。2年半に及ぶ内戦下、初めて安保理常任理事国(米英仏露中)が足並みをそろえた形である。だが戦闘はなお続き、数百万人が国内外で避難生活を送る。決議を弾みに、国際社会は和平会議の早期開催と内戦収拾に努めるべきである。

シリア混迷の一因は、新孤立主義といわれるほど米オバマ政権が紛争への関与を避け、「世界の警察官」の座からはっきりと降りる意思を示したことだ。他方、米国の影響力も関心も薄れた中東では、独裁体制への抗議活動(アラブの春)が次第に過激化しながら広がり、シリアに至って大詰めを迎えた感がある。

ロシアや中国にとって米国の影響力低下は悪いことではないが、イスラム主義の高揚や宗派対立は歓迎できない。多数のイスラム教徒が住む両国にも「春」が飛び火する可能性があるからだ。両国がシリア関連の安保理決議案に3回も拒否権を使った裏には、シリア情勢の波及を避けたい気持ちもあっただろう。

シリアは、アサド大統領自身が言うようにイスラム教の宗派や民族が入り組む「断層の国」だ。アラウィ派(イスラム教シーア派の一派)を基盤とするアサド政権が倒れれば、多数派であるスンニ派主導の政権が誕生する可能性が高い。だが、すんなり新政権ができればいいが、ソ連軍撤退後のアフガニスタンがそうだったように、今度は別の構図で内戦が始まる恐れがある。

これは米国も避けたいシナリオであり、米露それぞれの思惑で手を打ったのが「シリアの化学兵器の廃棄」だったのだろう。決議によると、シリアが義務を怠れば、国連憲章第7章による措置(武力行使など)を検討できるが、実際には来年前半の廃棄期限まで米国は見守るしかなさそうだ。しかも武力行使には新決議を必要とする。事実上、米国もアサド政権の存続を認めたと見える点で、ロシアは大きな得点を稼いだ。

だが、大国の駆け引きはともかく、シリアの一般庶民にとって、悲惨な現実は何一つ変わっていないことを再認識すべきである。シリアが化学兵器禁止条約に加入し、1000トン以上とされる同国の化学兵器が全廃されるのは意義深い。廃棄の技術を持つ日本が協力する余地もあろう。

ただ、最も重要なのは戦闘停止だ。決議には、アサド政権と反体制派の代表が参加する和平会議の早期開催や移行政府の樹立も盛り込まれた。これを歓迎し、潘基文(バン・キムン)国連事務総長が言った通り和平会議が11月に開かれるよう期待したい。開催が遅れれば、それだけ内戦の死者と難民が増えていくことを忘れてはなるまい。
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[朝日社説] 米国とイラン―対話の機運を逃すな (2013年9月29日)

世界の和平と安定に影響力をもつ大国同士でありながら、35年近く絶縁状態を続けている。米国と中東のイランは、そんないびつな関係にある。

欧米の自由主義と厳格なイスラム教シーア派。両国が背負う文明の衝突は冷戦期から世界に数々のひずみを生んできた。

その首脳同士が、電話で直接会話を交わした。1979年のイラン革命での断交以来、初めてのトップ対話である。

わずか15分とはいえ、かつて「大悪魔」「悪の枢軸」と憎しみ合った宿敵の間柄だ。友好の意思を確かめた意義は大きい。

だが、むろん、この一歩は外交儀礼に過ぎない。実質的な関係の進展はまだ何もない。国際社会全体で、対話の芽を育てる辛抱強い構えが必要だ。

両国の対立は、諸悪の根源といっていい。イランが反米に転じた革命後、抗争は激化し、80年代のイラン・イラク戦争で米国はイラクに肩入れした。

それがのちにフセイン政権を強大化させ、米自身が打倒したのが03年のイラク戦争だった。世界に残した傷は深かった。

反イラン政策が自らの首を絞める。その構図は原油市場にも通じている。大産油国イランへの禁輸制裁は、米欧の石油大手の市場開拓にも足かせとなり、日本も油田権益を手放した。

一方のイランの疲弊も深い。テロの輸出ともいわれた極端なイスラム主義と反米政策のため孤立し、経済は細った。国民生活の困窮がこの夏、対話重視型の大統領を選んだ主因だ。

不毛な争いをやめるのが理にかなうことは明らかだ。双方の国内では今後も保守派が歩み寄りに抵抗するだろう。それでも今の不安定な世界には、この対話の機運を逃す余裕はない。

最大の争点は核問題である。イランの疑惑は、周りのサウジアラビアなどに連鎖する核開発のドミノ現象を起こしている。

イスラエルが軍事行動を起こせば、地球規模のテロ戦争にもなりかねない。そんな悪夢を防ぐ責務が、両首脳にはある。

イランがもし米国と歴史的な和解を果たすことがあれば、それは北朝鮮にも核放棄を迫る強力なメッセージとなろう。

まずは、核をめぐる国際交渉の前進を図ることが大切だ。濃縮ウランの国外処理などでは、ロシアが果たす役割が大きい。

折しも、シリア問題をめぐる国連安保理決議が米ロの粘り強い交渉と合意で実現した。

イランは、シリアのアサド政権の最大の後ろ盾でもある。米ロは引き続き、暗雲を吹き払う外交力を発揮してもらいたい。
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[読売新聞] 日韓外相会談 関係改善への道筋が見えない(9月29日付・読売社説) (2013年9月29日)

2月の朴槿恵韓国大統領の就任以来、一度も首脳会談が開かれず、見通しさえ立たない。この異常事態をどう打開するのか。日韓両国首脳と外交当局の姿勢と力量が問われる。

岸田外相と韓国の尹炳世外交相がニューヨークで会談し、今後も「様々なレベルの意思疎通を続ける」ことで一致した。

尹外相は「過去の傷を治癒する勇気ある指導力を期待する」と強調した。岸田外相は「安倍内閣は歴史認識に関する歴代内閣の立場を引き継いでいる。しっかり受け止めてほしい」と応じた。

ただ、肝心の首脳会談の実現に向けた具体的な進展はなかった。残念な結果である。

個別案件でも、両国の主張が平行線をたどる場面が目立った。

韓国による福島県などの水産物輸入禁止について、岸田外相は「(原発の)汚染水対策に万全を期し、情報提供を行う」として禁輸の撤廃を要請した。尹外相は禁輸の経緯を説明するにとどめた。

日本は、国際基準より厳しい放射性物質の規制を食品全般に課している。韓国産水産物の売り上げに影響が出た事情があるにせよ、韓国の措置は、科学的根拠に乏しい過剰反応だ。禁輸撤廃へ、冷静な対応を取ってもらいたい。

韓国の高裁で元徴用工への日本企業の賠償を命じる判決が出たことに関して、岸田外相は、日韓請求権協定に基づく「適切な対応」を求めた。尹外相は「裁判が進行中だ」と語るだけだった。

韓国人の個人賠償については、1965年の国交正常化時の請求権協定が「完全かつ最終的に解決された」と定めている。このまま放置すれば、同様の判決が相次ぎ、事態をより悪化させよう。

法治国家としての信用にも関わる問題だ。韓国政府には、前向きな対応が求められる。

尹外相は、いわゆる元従軍慰安婦問題について、日本が解決に努力するよう改めて促した。

だが、この問題も本来、請求権協定で解決済みであり、日本は安易な譲歩をすべきでない。

気がかりなのは、日韓両政府内で、関係改善への機運や意欲が減退しつつあることだ。

黒鉛減速炉の再稼働の動きが顕在化している北朝鮮の核問題や、日韓・日中韓の自由貿易協定交渉など、日韓両国が今、連携して取り組むべき重要課題は多い。

簡単には解決できない懸案を抱えていても、日韓双方が大局的見地から粘り強く対話を重ね、真剣に接点を探る努力が重要だ。
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