2013年07月31日

[東京新聞] オスプレイ 民意顧みぬ配備強行だ (2013年7月31日)

沖縄県の米軍普天間飛行場に追加配備されるMV22オスプレイ十二機が山口県の米軍岩国基地に搬入された。仲井真弘多知事ら沖縄県民の多くが配備強行に反対している。なぜ民意を顧みないのか。

外国軍である米軍機が日本の空を自由に飛び回る。その軍用機は安全性に疑念が残るから、配備をやめてほしいと基地周辺住民が再三求めても聞き入れられない。これが安倍晋三首相が思い描く「主権」国家なのか。

垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、八月上旬にも岩国基地から普天間飛行場(宜野湾市)に移動し、配備済みの十二機と合わせて二十四機態勢が整う、という。

住宅地に囲まれ、かつて米国防長官が「世界一危険」と認めた普天間飛行場に、開発段階から実戦配備後まで墜落事故を繰り返す軍用機を、なぜ配備できるのか。日本政府もなぜそれを許すのか。

事故の危険性が指摘される飛行方法を米軍施設上空に限定し、人口密集地上空の飛行は避けるなどの日米合意も守られていない。

仲井真知事は九日、菅義偉官房長官らに追加配備の見直しを要請した。沖縄県議会も十一日、全機撤収を求める意見書と抗議決議を全会一致で可決している。二十一日の参院選では、配備に反対する糸数慶子氏が当選したばかりだ。

日米両政府は直近の民意がオスプレイ配備反対であることを、重く受け止めるべきではないか。

米国内ではオスプレイの低空飛行訓練計画に周辺住民から懸念が出て、中止や見直しが行われたという。米国内では住民の意見に耳を傾け、国外では聞く耳を持たないというのでは二重基準だ。

これでは自由と民主主義を「人類共通の価値観」と位置付ける米国が世界の民主化の先頭に立とうと意気込んでも、信用されまい。

米太平洋空軍のカーライル司令官は、空軍仕様のオスプレイCV22の、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)や横田基地(東京都福生市など)への配備に言及した。

CV22は陸軍特殊部隊の輸送など特殊作戦機として運用されるため、MV22に比べて事故率が高いという。昨年六月には米国内で訓練中に墜落事故を起こしている。

危険な軍用機が日本中を飛び回り、その配備も止められない。オスプレイは沖縄にとどまらず、「国の在り方」にもかかわる重い課題だ。日本国民全体が自らの問題として考えなければならない時機に来ているのではないか。
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[東京新聞] 観光立国道半ば 外国人の目で見つめよ (2013年7月31日)

円安で訪日外国人数は過去最高ペースだ。しかし、日中関係の悪化で中国人観光客は激減し、安倍政権が成長戦略で掲げる目標にはほど遠い状況である。魅力ある国でなければ、成果は望めない。

日本政府観光局によると六月の訪日外国人数は、前年同月比で30%以上も増え、九十万一千人と過去最高を記録、上半期では四百九十五万人に達した。政府は十年前から本格的に観光立国に取り組み始め「年間一千万人の訪日客」を目標にしてきたが、このままのペースだと初めて達成できそうだ。

とはいえ、政府はさらに二〇一六年に千八百万人、六月にまとめた成長戦略では「三〇年に三千万人まで拡大」を掲げており、その遠大な道筋はとても見えてこない状況である。

目標に少しでも近づくには、幅広い国々から誘客を図ることも必要だが、やはりまずは中国人観光客の大幅拡大は欠かせない。

しかし、韓国や台湾、マレーシアなどからは大幅増加となる一方で、中国本土からは減り続けている。上半期は韓国の半数以下にとどまった。尖閣問題をきっかけとした日中関係の冷え込みで、団体旅行客の訪日中止が続いているのである。

安倍政権は関係修復に向け努力を続けているだろうが、領土や歴史をめぐる姿勢で反省すべき点は多々あるはずだ。譲れない一線は堅持し、主張すべきは主張するとしても、経済的に重要なパートナーとして互恵の理念で共栄を図るべきだ。旺盛な中国マネーを取り込んで成長に生かす。それこそが成長戦略であるはずだ。

訪日客は、消費や雇用増をもたらし、国を豊かにしてくれる「金の卵」の存在だ。昨年一年間に訪日客が国内で消費した金額は約一・一兆円で、訪日客三千万人になれば、それが四兆円に膨らむ。少子高齢化で国内需要が先細るわが国にとって経済効果は大きい。

だが、外国人旅行者の受け入れ数で日本は世界で三十位、アジアでも中国や韓国、タイなどに後れを取り、八位に沈んでいる。欧米のリゾート客が集まるタイなどよりも参考にすべきは韓国である。国を挙げて外国人の関心を細かくくみ取り、交通や宿泊など受け入れ体制を整えた。

日本は地方の観光地の知名度向上や外国語の案内表示といった課題も多いが、何よりまず近隣の国を引き付けるような安全で温かいおもてなしの国を目指すべきだ。
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[産経新聞] 日本版NSC 年内発足で国家戦略急げ (2013/07/31)

外交・安全保障に関する国家戦略を構築する国家安全保障会議(日本版NSC)の年内発足に向けた環境が整った。

菅義偉官房長官は30日、「できるだけ早く発足できるよう努力したい」と述べた。当初想定の来年4月発足からの前倒しに意欲を示した発言であり、歓迎したい。

参院選で衆参の「ねじれ」状態が解消し、政府与党は安定した国会運営が可能になった。10月召集予定の臨時国会で、日本版NSC関連法案を、確実に成立させる必要がある。

安倍晋三首相は、5月のNSC創設に関する有識者会議の席上、「外交・安全保障体制の強化は喫緊の課題だ」と述べた。

NSCを一日も早く発足させなくてはならないのは、厳しさを増す一方の東アジア情勢に対し、国家の総力を挙げて的確に対処するためだ。

尖閣諸島の奪取をねらう中国は、不測の事態を招きかねない挑発行為を繰り返している。

1月には、中国海軍艦船が海上自衛隊の護衛艦に対して射撃管制用レーダーを照射した。5月には中国潜水艦が3度にわたり、日本の接続水域へ潜航したまま侵入した。今月26日には、新設された中国海警局所属の「海警」4隻が尖閣周辺の領海に侵入した。

北朝鮮は、国連など国際社会の非難も意に介さず、2月に核実験を強行するなど、核・ミサイル開発を続けている。

NSCは、形骸(けいがい)化が指摘される現在の安全保障会議を大幅に改組し、外交・安全保障の司令塔となる機関にしようというものだ。事務局である国家安全保障局は、政府の各機関から国家安全保障に関する重要情報の提供を受け、政策立案に活用する。

その意義は、東アジア情勢への対処にとどまらない。自由な通商に支えられたわが国の繁栄は、中東など世界各地と密接にかかわっている。地域分析にも力を入れるNSCは、日本の政治が、世界的な視野で国家戦略を構想することにも資するだろう。

発足後も、より実効性のある機関とする努力が欠かせない。内外の機密情報を得るため秘密保全法制が必要だ。ポストや組織の性格をめぐり、外務省や警察庁など省庁間の主導権争いも伝えられる。縄張り意識を捨て、国のためによりよい仕組みを作ってほしい。
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[産経新聞] 全柔連会長辞任へ 新体制で前を向きなおせ (2013/07/31)

不祥事が続く全日本柔道連盟の上村春樹会長が8月中に辞任する意向を表明した。執行部も総辞職する。遅きに失する決断だが、速やかに新体制へ移行し、そろそろ前を向いてもらいたい。

女子代表選手らへの暴力指導や指導者助成金の不正受給、さらには幹部のセクハラ問題と、全柔連の名声と信用は地に墜(お)ちた。

上村会長は「改革をやり切る」と辞任を先延ばしにしてきた。内閣府の公益認定等委員会に認定取り消しをちらつかされての勧告に従った辞任前倒しの表明だ。

競技団体の自立性を保つためにも、先に自らの判断で辞めるべきだった。到底、潔しとは言い難い辞意の表明だが、これを契機に組織を立て直さなくては、柔道そのものがつぶれてしまう。

不祥事の多くは、トップ選手強化の場を舞台に起きていた。当事者でもある執行部の総辞職は当然である。問題は、会長や執行部の延命を、全柔連幹部の多くが支持してきたことだ。

30日に行われた臨時評議員会では、上村会長を含む23理事の解任動議も否決された。現体制を擁護する空気の中で、徹底的な改革は断行できるのだろうか。

上村会長は理事職も同時に辞任する意向だが、一方で講道館館長の座にはとどまるという。

柔道の創始者、嘉納治五郎氏が初代館長を務め、4代目の上村氏は、初めて嘉納家以外から館長となった。柔道の象徴ともいえる館長に、一方の組織で引責辞任した人物が居座ることを、妥当とはいえまい。上村氏は、館長の職も辞すべきだ。

嘉納氏は教育者であるとともに、日本人で初めて国際オリンピック委員会(IOC)委員となった「日本五輪の父」でもある。柔道の名が汚濁にまみれ、五輪招致の足を引っ張っている現状を、どう報告しようというのか。

柔道は日本で生まれ、世界で育った競技である。早急に組織を立て直さなくてはならない。

人心一新を図るには、従来のように、柔道の強さや、獲得したメダルの色ばかりがものを言う人選ではだめだ。

金メダリストが不適格だというのではない。純粋に組織を統括するにふさわしい人物を選んでほしいということだ。柔道界に、人がまったくいないというわけではあるまい。
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[毎日新聞] 社説:参院1票の格差 その場しのぎは限界だ (2013年07月31日)

参院が衆院と同等、もしくはそれ以上のがけっぷちに立たされていることを国会は自覚すべきだ。

21日投開票の参院選は「1票の格差」が憲法の定める法の下の平等に反し、無効だとする訴訟が47の全ての選挙区について起こされた。

参院の格差問題は現在の選挙制度を維持する限り解決困難という極めて厳しい状況にある。にもかかわらず政党の動きは鈍い。とりわけ与党は責任を持ち、参院のあり方も含めた議論を主導すべきだ。

今参院選は一部の選挙区の定数を是正して行われた。

2010年に行われた参院選について最高裁は昨年10月、最大格差5.00倍を「違憲状態」と判断、格差拡大の要因となっている都道府県単位の選挙区の抜本見直しを求めた。

ところが国会は制度見直しには踏み込まず、「4増4減」のびほう策でお茶を濁した。是正で最大格差は4.77倍に縮小したとはいえ、今後の司法判断は予断を許さない。

「1票の格差」をめぐっては昨年の衆院選についても高裁で「合憲」判断は皆無で、2件の選挙無効判決まで下された。その後「0増5減」の緊急是正がやっと実現し、年内にも最高裁判決が下される。衆参両院が「違憲の府」の烙印(らくいん)を押されかねない危機的状況である。

参院格差のさらなる是正策として一部では比例代表の定数を削り、大都市圏などの選挙区定数を増やす案などが取りざたされているようだ。だが、選挙のたびに違憲状態が指摘される状況をその場しのぎでかわし続けることには限界がある。

やはり最高裁が指摘するように、31ある「1人区」を持つ都道府県選挙区の抜本見直しに踏み込まざるを得まい。地域ブロックを選挙区とするのも一案だろう。

同時に問われるのは参院のあり方だ。衆院との役割分担がはっきりせず「ねじれ国会」で健全な監視機能を発揮できなかったことを与野党が真剣に検証する必要がある。

「1票の格差」で都道府県選挙区が注目を浴びるが、比例代表も課題がないわけではない。今参院選も業界、労組代表や「有名人」が各党の候補には目立った。こうした人選がどれだけ一般有権者に魅力ある顔ぶれに映ったかは疑問である。

憲法をめぐる議論で私たちは統治機構のありかた、とりわけ衆参両院の機能を優先して論じるよう求めてきた。参院を地方代表の府として位置づけるような思い切った考え方も有り得よう。

次期参院選まで3年の間がある今こそ「1票の格差」是正と並行して参院の役割を精力的に論じてほしい。もう、怠慢は許されない。
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[毎日新聞] 社説:大阪・誤認逮捕 これでは捜査と言えぬ (2013年07月31日)

ずさんとしか言いようのない捜査である。大阪府警が誤認逮捕した男性会社員について、大阪地検が起訴を取り消した一件だ。関与を否定する男性の主張を裏付けるため、弁護人が車の走行実験など独自調査をした結果、男性にアリバイがあることを突き止め、無実と判明したが、男性は85日間勾留された。

基本的な裏付け捜査をなぜしなかったのか。府警は捜査の経緯を検証し、公表するが、新たな冤罪(えんざい)被害者を出さないために詳細な分析が必要だ。捜査が不十分なことを見逃して起訴に踏み切った地検についても同じことが言える。

男性は、盗品のガソリンカードを使って給油したとする窃盗罪で6月に起訴された。現場のガソリンスタンドにある防犯カメラに男性が映っていたことを決め手に府警が逮捕していた。

ところが、カメラの撮影時刻は実際の時刻と数分違っていた。北堺署は映像を過信し、この時刻のずれや、男性が給油後に利用した高速道路の自動料金収受システム(ETC)の記録などの確認を怠った。男性の言い分を聴き、裏取りをすれば、男性は無関係とわかり、第三者による犯行の可能性を検討できたはずだ。

経験の浅い若手が捜査したとはいえ、上司が捜査結果の報告を受けて決裁している。男性を犯人と決めつけた見込み捜査が修正されなかったことには指導力不足の問題もある。

パソコンの遠隔操作事件で大阪府警は昨年、アニメ演出家の男性を誤って逮捕した。検証の結果、インターネット上の住所であるIPアドレスなどの客観的証拠を過大に評価し、否認の供述内容の吟味が足りなかったことを問題点に挙げている。どうすれば捜査の現場にその教訓を浸透させられるのか、警察幹部は真剣に考えなければならない。

大阪府警では6月から証拠品や調書の捏造(ねつぞう)が相次いで発覚した。公務執行妨害事件で堺署員が複数の虚偽調書を作成、公判でも偽証したことが判明し、結審した裁判がやり直しとなった。証拠の注射器が紛失したと思い込んだ当時の警部補が同型の注射器を調達して偽装していたことも明らかになった。

証拠類を適切に取り扱うことは、捜査の基本だ。順法意識を欠いていると指摘されても仕方のない不祥事が続いており、組織に潜む問題の洗い出しは急務である。

今回の誤認逮捕で、男性は取り調べ時に捜査員から「あなたは普通じゃない」などと屈辱的なことを言われ、長期間の拘束で体力も落ち、現在休職中だ。ずさんな捜査は、深刻な人権侵害を引き起こす。危機感を持って捜査の基本に徹しなければ、国民の信頼は遠のくばかりだ。
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[読売新聞] 原子力委員会 司令塔の役割強化する改革を(7月31日付・読売社説) (2013年7月31日)

東日本大震災以降、混迷が続いてきた原子力政策を立て直すには、政府内に確固たる総合司令塔が必要である。

組織や権能の在り方が問われている内閣府の原子力委員会を、どう改革するか。政府の有識者会議が検討に乗り出した。

原子力委は、原子力政策大綱の立案や平和利用の確認作業を担ってきた。原子力利用を推進、維持する行政組織だ。

原子力発電所の安全確保を担うため、昨年発足した原子力規制委員会とは車の両輪と言える。

ところが、「脱原発」政策を掲げる民主党政権は、原子力委から政策立案の権限を奪った。その上で、法的根拠がないまま、関係閣僚らで組織するエネルギー・環境会議に権限を移した。

野田内閣は昨年10月、原子力委の廃止も視野に見直し会議を設けたが、結論は出なかった。

脱原発とは一線を画す安倍内閣が、新たに有識者会議を設け、原子力委の立て直しに乗り出したことは適切な判断である。

政府内で、原子力委にどのような責任を持たせるのか。行政組織としての役割を、有識者会議でしっかりと議論してもらいたい。

原子力委は1956年に発足した。初期には委員長を閣僚である科学技術庁長官が務め、原発立地から安全規制まで、原子力政策全般を一手に担った。

その後、原発の増加やトラブル対応強化のため、安全規制部門が分離された。省庁再編の後には、有識者が委員長職に就き、権限も大幅に縮小した。

だが、専門的な知識を要する原子力政策の立案、推進における役割は今こそ大きい。

30日の初会合でも、メンバーから原子力委の機能を再活性化させる必要性を説く声が相次いだ。

日本の原発輸出の取り組みを踏まえ、「国際協力が重要」との指摘があった。「プルトニウム利用について、国内外への説明責任を担う」「廃炉も重要な仕事だ」といった見解が示された。

日本が世界有数の原発保有国であることを考えれば、もっともな意見である。

原子力委の意見を政府内で反映させるためには、委員長を閣僚に戻し、責任を明確にした組織にすることも十分考えられよう。

政府は年内をめどにエネルギー基本計画を策定する方針だ。

その中で原発をどう位置づけるべきか。現実的な戦略を作るためには、原子力委の専門的な検討が不可欠である。
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[読売新聞] 郵政保険提携 企業価値の向上占う試金石だ(7月31日付・読売社説) (2013年7月31日)

郵政事業の収益を向上させ、日本の保険市場の公正な競争を阻害しない提携が求められる。

日本郵政と米保険大手のアメリカンファミリー生命保険(アフラック)が、がん保険の提携強化で合意した。

アフラックは日本のがん保険市場の7割を占める最大手で、日本政府が出資する日本郵政のがん保険参入に強く反対していた。

それが一転して、がん保険を本格的に共同販売するという異例の提携劇である。

具体的には、アフラックのがん保険を販売する郵便局を、現在の1000局から2万局へ拡大し、かんぽ生命保険の直営店でも取り扱うようにする。

アフラックは、日本郵政が販売するがん保険の専用商品を開発するという。

6月に就任した西室泰三・日本郵政社長は記者会見で、「顧客の利便性を高め、グループの企業価値を高められる」と述べ、提携拡大の意義を強調した。

重要なのは日本郵政の保険ビジネスの成長につなげることだ。販売手数料を得るだけではメリットは乏しい。アフラックと提携内容をさらに詰める必要がある。

環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米交渉で、米国は日本郵政の保険事業拡大に難色を示していた。両社の提携で支障の一つがなくなる。これから本格化するTPP交渉には追い風となろう。

一方、日本の生保業界には、国の後ろ盾がある日本郵政とアフラックの“巨大提携”が、新たな民業圧迫につながるのではないかとの懸念がくすぶっている。

保険市場の活性化を図るには、公正な競争が確保されていることが不可欠だ。政府はしっかり監視してもらいたい。

日本郵政は、政府が持つ日本郵政株を2015年度に上場することを目指している。上場に伴う政府保有株の売却益は、東日本大震災の復興財源に活用される。着実な上場の実現が望まれる。

気がかりなのは、日本郵政の事業が縮小傾向にあることだ。上場の障害となりかねない。

かんぽ生命の保有契約件数は減少が続き、郵便の取扱数や、ゆうちょ銀行の残高も民営化前より大きく目減りした。

日本郵政は、住宅ローンなどへの参入で収益向上を図りたい考えだが、融資審査や内部管理などの体制は依然として心もとない。

長引く低迷から脱却し、目に見える成果を出せるか。西室体制の経営手腕が問われよう。
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[朝日社説] もう一つの参院選―参加と対話の政治を育む (2013年7月31日)

先の参院選は、自民党1強体制を生んだだけではない。底流では、着目すべき変化の兆しがあった。

ミュージシャンの三宅洋平さん(35)は、緑の党から比例区に立候補した。

有名ではないし、組織の後ろ盾もない。でも17万6970票は、落選した比例区候補の中で最も多く、最少得票で当選した人の7倍近い。

選挙戦最終日。東京・渋谷での「選挙フェス」は、演説と音楽を融合させた手法もさることながら、訴えの内容もまた、他の候補にはないものだった。

■「パワハラ民主主義」

「民主主義は、多数決じゃあだめなんだ。すべての人が大声を出せるシステムじゃなきゃだめだと思うんだ」

「議会をパワハラじゃなく、おれたちの話し合いの場に戻そうよ」

考えてみれば、多数決で勝てない人たちの利益は、あれもこれも侵害されている。非正社員の待遇。将来世代への負担のつけ回し。沖縄への安保のしわ寄せ。たしかに多数派によるパワハラかもしれない。

「だけどね、国会議員を孤独にさせて闇を生んだのはおれたちだぜ。注目し続け、意見し続け、政治を孤独にしないこと」

「一票入れてくれなんて、おこがましくていえない。好きに選んだらいい。自分が『こいつとなら6年、付き添える』っていう人間に、意見し続け、情報長者にするんだよ」

問題の根っこは、有権者の政治へのかかわり方にもある。演説は、私たちの民主主義の問題点を言い当てている。

三宅さんは、単純に敵・味方で分けることもしない。原発の廃炉を唱えたが、「原発をつくったやつにも事情があったんだよ」。中国でライブやったよ、いいやついっぱいいるぜ。韓国にも、マッコリ飲むたび尊敬の念しかわかないね……。

異なる意見をたたきつぶそうとする物言いが、世にあふれている。その連鎖をとめたい。

三宅さんはそう話す。

■「敵」をつくる政治

そんな訴えが新鮮に聞こえるのは、現実の政治が対極にあるからだろう。

郵政事業が、抵抗勢力が、官僚が悪い。生活保護は問題だ。既得権益に切り込めば日本は立ち直る――。近頃の政治は、「敵」や「悪者」を仕立てあげ、たたいてばかりだ。

経済成長が止まり、利益の分配で支持者をひきつけるのは難しくなった。それを穴埋めするために、敵との戦いを演出する「劇場型」の政治が広まった。

だが、それで少子高齢化やグローバル化といった問題が解決するわけではない。それどころか、支持をつなぎとめるため、さらに敵意をあおる悪循環に陥りかねない。

「敵」への不信感を接着剤にして、有権者とつながろうとする政治は危うい。信頼でつながる方法を探らねばならない。

かぎは、政治への市民の「参加」と「対話」にある。

三宅さんへの支援の核となったのは、音楽仲間やファンたち若い世代だ。

三宅さんは、ネットを活用する一方、ネットから飛びだそうと呼びかけていた。それに応えた若者たちが、一晩かけて親を説得したりして、支持が広がったという。

■流されない民意を

この選挙では、有名無名の個人が、特定候補を推薦する動きも目についた。

「年越し派遣村」村長だった湯浅誠さん(44)は5人の候補を推した。民主党政権で内閣府参与を務めたとき、どの政治家が何に、どんな思いで取り組んでいるか間近に見たからだ。

業界団体や労組のような組織は細った。代わりに個人が、人と人、人と政治をつなぐ役割を買って出ている。ネットの普及やネット選挙運動解禁で、働きかけやすくもなっている。

そんな環境を生かしながら、政治的立場を明かして対話することを当たり前にしたい。大切なのは、世代や立場の異なる人と話すことだ。そうすれば「敵」と思っていた人の抱える事情もわかってくる。その繰り返しが、敵をたたく論法に流されない「民意」をつくり出す。

参加と対話をどう促すか。そのための環境整備も必要だ。

壁となる制度は取り払わなければならない。たとえば選挙の際の戸別訪問だ。1925年に禁止され、同時に治安維持法が制定された。庶民が政治運動に加わるのを抑えるねらいがあったとされる。こんな時代遅れの規制は撤廃すべきだろう。

仕事でくたくたになり、対話どころではないという人が大勢いる。湯浅さんは「長時間労働を規制し、『市民としての時間』を取り戻さなければならない」という。

気の遠くなるような道のりだ。だが、そんなところから積み上げなければ、政治は育たないのかもしれない。
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2013年07月30日

[東京新聞] エジプト衝突 和解へモルシ氏解放を (2013年7月30日)

エジプトで衝突が続いている。その停止には、デモを続けるムスリム同胞団と、世俗派中心の暫定政府との和解協議が不可欠だ。それには、軍部が拘束するモルシ前大統領が解放されねばならない。

エジプトのアラブの春は、なお模索中だ。

いや、模索中ならまだいいが、軍による“クーデター”は二年前の民衆革命で始まった民主主義を急速に冷え込ませた。

モルシ政権のイスラム教傾斜と経済不振へのいら立ちが、国民の間に積もっていたとはいえ、民主主義のルールでは、選挙で勝ったモルシ氏には明白な正統性がある。

それが、あっさりと軍によりその座を追われ、拘束された。

エジプトでは、国軍に対する一定の信頼性がある。国王を追放したナセルらの自由将校団は民衆の喝采を浴びた。以来、比較的安定した統治を続けてきた。

しかし、アラブの春はさび付いていた歴史の歯車を回し、軍政の独裁を投げ捨てたはずだった。

それが、また息を吹き返しそうなのだ。

エジプトにとって一番恐ろしいのは小麦の備蓄と安定供給が危うくなることだ。パンを求める全国的暴動は国を脅かす。そこで軍の出番となったのかもしれない。

しかし、それでもモルシ氏の拘束は正しかったのか。

裁判所は新たに十五日間の拘束を認めた。二年前の革命時に同胞団員らを閉じこめていた刑務所や警察署を襲ったというのだ。だが古い事件を持ち出したこと自体、拘束の不当性を表してもいる。拘束の長期化に対し、米欧などは解放を求めだしている。

目下、駆け引きは急である。

暫定政権は軍の行程表をもとに和解協議を呼びかけ、同胞団はモルシ氏解放が先だとして拒否している。ほかに宗教権威や知識人らからも国民対話や早期の選挙実施を求める提案が出ている。

しかしいずれにせよ、モルシ氏の解放なしに和解協議はありえない。民主化とは、力ずくの政治、抑圧を過去のものとしたのではなかったか。

これ以上、溝が深まり、衝突と流血が繰り返されるのなら、かつての軍、治安警察による同胞団の徹底弾圧という暗い歴史に逆戻りしかねない。

それはアラブの春の死を意味しかねず、中東全体にも、テロの撲滅を求める世界にとっても大きな損失となるだろう。
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[東京新聞] 児童虐待激増 見守り力で苦境を救え (2013年7月30日)

全国の児童相談所が昨年度に対応した虐待件数が過去最多を更新、六万件を超えた。関係機関が動いたのに子どもを救えなかった例がなくならない。地域・自治体間の連携を強くする努力が要る。

六歳の女児の遺体は、雑木林に埋められていた。

四月横浜市で、母親(30)と元同居人男性(28)が女児に暴力を加え死亡させ、遺体を遺棄したとして死体遺棄容疑で逮捕された。

保護を受けるべき大人から暴力を振るわれるだけでなく、命を奪われ捨てられてしまう不条理はやりきれない。

厚生労働省の集計では、児童相談所の対応件数は六万六千八百七件、初めて六万件を突破した。この十年で二・五倍になった。

件数の増加は、地域の児童虐待への関心が高まり住民の通報が増えたからだ。警察も危機感が強まり通報をするようになった。子どもたちのSOSに耳をそばだてる住民が増えたことは心強い。

だが、課題は多い。横浜市の事件で、母子は千葉県松戸市から神奈川県秦野市へ転居、その後横浜市に移り住んだ。松戸市で小学校入学を迎えた女児が学校に来ていなかった情報が自治体間で共有されず、虐待に気付くのが遅れた。

松戸市の学校関係者が母子宅を再三訪問していただけに、残念でならない。

児童相談所が動きながら防げなかった心中以外の虐待死事例は昨年度十七件と三割を占める。自治体や医療機関、学校、警察など関係機関でつくる地域協議会が対応したケースでも十四件あり25%になる。これまでより高い比率だ。

せっかく救いを求める親子に手が届きながら、救えない事態は避けなければならない。虐待に至る家庭は地域で孤立しがちだ。いち早く見つけ虐待を防ぐために、地域の連携力をもっと強めたい。

虐待を疑われた家庭は転居を繰り返すことも多い。自治体間の連携は法的には努力義務で、現場に任されている。情報共有のルール化に現場は知恵を絞ってほしい。

地域では、児童相談所や自治体は関係機関との情報共有や対応手順などの徹底を再点検すべきだ。

自治体は独自に実施する母子健康手帳の交付時や乳幼児健診などを通した目配りも引き続き要る。

現場の人材確保は課題だが、今でもやれる連携はあるはずだ。住民の見守りは確実に広がっている。その温かい心をもっと地域でつないで苦境の親子を救いたい。
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[産経新聞] 中東和平 相互努力で本交渉目指せ (2013/07/30)

中東和平交渉が米国の仲介で、約3年ぶりに再開する。イスラエルとパレスチナ双方の交渉担当者がワシントンで予備交渉のテーブルに着く。

シリア内戦の泥沼化、エジプトのクーデターなど「アラブの春」の激動が続くが、パレスチナ和平は地域の安定の根幹をなす問題だ。イスラエルの入植問題など両者の主張は対立したままで、難航が予想されるが、まずは交渉を軌道に乗せる努力を求めたい。

予備交渉は2日間で、イスラエルのリブニ法相、パレスチナの和平交渉責任者のアリカット氏らが参加する。今後数カ月間の交渉の進め方を決めるという。

オバマ米大統領は今年3月、2期目の最初の外遊でイスラエルとパレスチナを訪れた。その後、ケリー国務長官が頻繁に中東入りして両者に交渉再開を強く促した。オバマ政権の外交的成果だが、真価が問われるのはこれからだ。

イスラエル側は交渉再開に先だって、パレスチナ側の要求を受け入れる形で、パレスチナ人政治犯104人を釈放する決定を下した。本格交渉へ前向きな姿勢を示したといえる。

イスラエルはしかし、パレスチナ側が求める占領地でのユダヤ人入植地建設の凍結は拒んでいる。中東和平交渉は2010年10月、入植活動をめぐってパレスチナ側が反発、中断が続いていた。

イスラエル側は、この拒否姿勢を改める必要がある。一方、パレスチナ側も、ガザ地区はイスラム原理主義組織ハマスが支配し、自治政府の統治が及ばないという現状を解消しなければならない。

和平交渉では、聖地エルサレムの帰属やパレスチナ難民がイスラエル領内の故郷に帰還する権利など多くの問題が未解決のままだ。交渉進展に向け国際社会全体が支えていかなければならない。

日本は、岸田文雄外相が先ごろ、ヨルダンのほか、イスラエルとパレスチナを訪問し、両者に交渉再開を促した。

パレスチナ自治区のエリコ郊外で日本は、農産品加工団地の建設を進めている。イスラエルとパレスチナが共同で農業開発に取り組むことで、相互の信頼醸成を図る考えだ。

米国のパレスチナ和平仲介を側面支援する形であり、日本らしい貢献で中東でも日米協力を実現させることは極めて重要だ。
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[産経新聞] 呉氏の入国拒否 韓国は納得のいく説明を (2013/07/30)

韓国出身の評論家で日本国籍をもつ呉善花・拓殖大教授が明確な理由を告げられず、韓国への入国を拒否された。

呉氏は歴史問題などをめぐって、韓国に厳しい評論活動で知られる。入国拒否の理由について、韓国当局に納得のいく説明を求めたい。

呉氏によると、ソウルで行われる親族の結婚式に出席するため、27日、韓国・仁川空港に着いたところ、パスポートの詳細な確認を受け、入管職員に「入国は許可できない」と言われた。理由を尋ねても「上からの命令」などと答えるだけだったという。

しかも、夕刻の日本行きの便まで待機させられ、その機内で呉氏が着席するまで職員がついてきたという。理解に苦しむ対応だ。

韓国に批判的な呉氏の言論活動が入国拒否の理由だったとすれば、由々しき問題である。

韓国は中国や北朝鮮と違い、自由な言論を尊重しなければならない民主国家だ。どんな批判でも、それがテロなど危険な行為を伴うものでない限り、許容し、入国を認めるべきではないか。

本紙の取材に、入管当局は「プライバシーに関することで回答できない」と語ったが、説明として不十分だ。菅義偉官房長官は「思想信条を理由に入国を拒否されたのであれば、日本国民に対する極めて残念な措置だ」「事実関係を把握した後、適切に対応する」と述べた。当然である。

韓国は一昨年、当時野党だった自民党の国会議員3人が竹島に近い鬱陵(うつりょう)島を視察しようとした際も、「公共の安全を害する行動を起こす恐れがある」として、ソウルの空港で入国を拒否した。入管当局は入国目的も聞かず、いきなり不許可を告げた。これも著しく礼を失した対応だった。

また、ソウルで28日に行われたサッカー東アジア・カップ男子の日韓戦で、韓国側応援団が「歴史を忘れた民族に未来はない」と日本を誹謗(ひぼう)する横断幕を掲げた。韓国政府の意向ではないにしても、国際的なスポーツ競技でのマナーに反する行為である。

日本と韓国は、歴史認識や領土問題で対立しても、北朝鮮の核開発や中国の軍拡など安全保障面では協力しなければならない関係にある。経済的なつながりも深い。日本と同じ自由と民主主義を重んじる隣国として、韓国には冷静で理性的な対応を望みたい。

日本非難の巨大横断幕「歴史忘れた民族」 FIFA規定違反の疑い
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[毎日新聞] 社説:日韓戦の横断幕 観客もフェアプレーで (2013年07月30日)

ソウルで開催されたサッカーの東アジア・カップ最終日(28日)、男子の日本対韓国戦で両国の難しい関係をさらに悪化させるような出来事があった。試合開始から間もなく、歴史問題にからむ巨大な横断幕が韓国側の観客席に掲げられたのだ。前半終了後に撤去されたが、競技場での政治的メッセージを伝える応援を禁止した国際サッカー連盟(FIFA)の規定に違反する疑いがある。

横断幕は縦数メートル、横30〜40メートルで、「歴史を忘れた民族に未来はない」とハングルで書かれていた。また、試合開始直前には、初代韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺し、韓国で英雄視されている安重根(アン・ジュングン)の肖像とみられる幕も登場し、スタンドのほとんどを埋めた韓国人の観客から大きな歓声が上がった。

一方、日本側の応援席では、韓国においては戦前の日本による植民地支配の象徴とされがちな「旭日旗(きょくじつき)」が掲げられる場面があった。

今大会では、女子の韓国対北朝鮮戦で「祖国は一つ」と書かれたプラカードや、南北が国際大会で統一チームを構成した際に使用される「統一旗」を掲げた観客もいて、主催者側に制止されている。

昨年のロンドン五輪では、男子の日韓戦後、韓国の選手が観客から手渡された竹島(韓国名・独島)の領有権を主張するメッセージを掲げたことが問題となり、FIFAから出場停止などの処分を受けた。

スポーツの中でも、とりわけサッカーは見る側のナショナリズムを刺激しやすい。本来はグッドゲームをともに作り上げる相手を「敵」とみなしがちで、負けると相手への憎しみを感じたりする場合もある。

だからこそ「12番目の選手」とも言われる見る側は悪循環を断ち切るためにも、過度な感情移入は慎み、抑制的でありたい。

選手レベルでの両国の交流は日韓共催だった2002年ワールドカップ大会を契機に加速している。先月就任した韓国の洪明甫(ホンミョンボ)監督はJリーグの柏などでプレーした経験を持ち、東アジア・カップ日本戦の先発メンバー11人の中には2人のJリーガーがいた。女子も同様だ。27日の日本戦で2ゴールを決めて勝利に貢献した韓国の池笑然(チ・ソヨン)選手は普段、日本のINAC神戸でプレーしている。

ピッチ上で問われるのはサッカーの技術や相手をパートナーとして尊重する態度であり、国籍、人種、民族、宗教などは決して持ち込まないことは世界共通の了解事項だ。その意味で、スポーツの場で政治的なメッセージを主張することは明白なルール違反であり、フェアプレーに努める選手たちの気持ちに背く行為になることを指摘したい。
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[毎日新聞] 社説:視点・テレビと選挙=重里徹也(論説委員) (2013年07月30日)

先の参院選でインターネットによる選挙運動が解禁されたが、テレビに出演する芸能人や文化人が候補を応援することは許されないのだろうか。

NHKは、男性グループ「EXILE(エグザイル)」と女性グループ「E−girls(イーガールズ)」が出演する二つの番組の放送を延期したり、中止したりした。メンバーが自民党候補を応援している写真が、候補者のブログに掲載されたのが理由だ。また、報道番組にレギュラー出演している会社経営者、小室淑恵さんの出演を見合わせた。民主党候補予定者のホームページに応援動画が掲載されたためだ。

NHKは放送法に基づいてガイドラインを定めている。その中に「選挙の応援をする学者・文化人や芸能人などの番組出演は、政治的公平性に疑念を持たれないように配慮する」という項目があり、そこに照らして決めたという。しかし、疑問が残る。論点を列挙してみよう。

芸能人にももちろん、政治活動の自由がある。NHKの対応は、それを萎縮させることになりかねない。「政治的公平性」とは何かを考えることも必要だ。出演中に主張するのならともかく、番組外の行為が放送の公平性に関係するのだろうか。

どこまでがOKで、どこからが出演見合わせになるのか、その線引きも難しい。

連続テレビ小説「あまちゃん」に出演中の渡辺えりさんは14日付の共産党機関紙のインタビュー記事に写真付きで登場し、党への期待感を表したが、選挙期間中もドラマに登場した。

石田研一・放送総局長は「選挙へのかかわり方と番組内での役回りを総合的に判断した」と答えたが、わかりにくい説明だった。エグザイルのメンバーが出演していたのは、子供たちにダンスを教えるEテレの番組で、選挙に関係ない。

エグザイルと渡辺さんでは、特定候補への応援と政党への支持という違いがある。でも、渡辺さんの記事の横には共産党候補の写真が掲載されている。

テレビで親しんでいる人たちが選挙について意見を言うことは、政治への関心を幅広く呼ぶきっかけになる。政治を語り合う土壌をつくれば、民主主義が活性化するだろう。

誰もがブログやツイッターで意見を表明できる時代になった。インターネットの発展はテレビと選挙のあり方についても、新しい課題を突きつけている。番組外での選挙運動をどう考えるか。NHKに限らず、テレビ各局は過度に神経質にならず、議論を深めてほしい。
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[読売新聞] 「多弱」の野党 再編は政策論議から始めよ(7月30日付・読売社説) (2013年7月30日)

「1強」の自民党と、「多弱」の野党と言われる。巨大与党に対抗し得る野党像を模索すべきなのに、展望は厳しい。

参院選後、執行部の責任問題が取り沙汰された民主党、日本維新の会は、ともにトップが続投することになった。

みんなの党を加えた3党間で野党再編も浮上しているが、参院選で共闘できなかった党首の下、結束や再編は容易ではあるまい。

民主党は、参院選で無所属候補を応援した菅元代表の処分を「党員資格3か月停止」とした。当初案の「除籍」に比べて後退した。海江田代表の続投に不満が根強く、党再建の道筋は不透明だ。

民主党では結党以来、基本政策を巡って隔たりが大きい。最大の弱点とされる党の一体感の欠如を招いている。海江田氏が、路線対立を乗り越える指導力を発揮できるのか、はなはだ疑問である。

幹事長には、大畠章宏代表代行が就いた。大畠氏は旧社会党出身で労働組合色が濃く、民主党の労組依存体質は強まるだろう。

参院選の比例選でも、当選者7人のうち連合の組織内候補が6人を占めている。

海江田氏は、野党再編に関し、「大切なのは民主党が中心になることだ」と述べたが、民主党の置かれた状況を理解していない。

維新の会の橋下共同代表らは、まさに民主党の労組依存を問題視しており、結束を呼びかける相手は、みんなの党と民主党の保守・非労組系議員だからだ。

その維新の会では、橋下氏が辞意を表明したものの、石原共同代表らに慰留された。本拠地の大阪と、東京の国会議員団との対立という問題は今後もくすぶろう。

みんなの党には、渡辺代表と江田幹事長の確執がある。江田氏はみんなの党が再編を主導すべきだと前のめりだが、渡辺氏は「拙速な再編は野合に終わり、失敗する」と慎重な構えだ。

長年、政界再編の中心だった生活の党の小沢代表は、政治力の低下が著しい。社民党を10年間率いてきた福島党首も退く。

政党は本来、内外の課題を把握し、処方箋たる政策を実行していくためにある。政治家の都合で離合集散すべきものではないし、国民の支持なしに生き残れない。

新しい野党には、ガバナンスを確立できるリーダーの下、憲法など政策での一致が欠かせない。

次の国政選まで最大3年ある。野党各党は、浮ついた再編論議ではなく、現実的で地道な政策論から始めるべきである。
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[読売新聞] 公的研究費 不正使用の徹底防止を図れ(7月30日付・読売社説) (2013年7月30日)

科学技術の向上を支える公的研究費の在り方が問われている。

東京大学政策ビジョン研究センターの教授が、架空業務を業者に発注し東大などから2180万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕された。

引き出された資金には、IT技術を医療分野に活用する研究支援として、厚生労働省が支給した補助金が含まれていた。特捜部は私的流用があったと見ている。

教授は容疑を否認しているが、事実であれば、大学の研究事業に対する期待と信頼を裏切る行為と言わざるを得ない。

特捜部は、事実関係の解明に全力を挙げてもらいたい。

公的研究費を巡っては、かねて不正使用が問題視されてきた。

文部科学省が4月に発表した調査結果によると、46の大学と研究機関で不正使用が確認され、その額は3億6100万円に上る。

中でも目立つのが、「預け金」と呼ばれる手口だ。

研究者が物品を購入したように装って、代金を業者に渡し、プールさせておく。自由に使える資金を確保したり、年度内に消化できなかった予算を次年度以降に繰り越したりする目的で行われる。

大学との取引が有利になると期待して、業者が研究者に協力するため、癒着につながりやすい。

研究者側には、年度ごとに消化することが求められる公的研究費について、弾力性に欠けるといった不満が根強くあるようだ。

ただ、研究費の原資は、言うまでもなく国民の税金であり、都合の良い流用は許されない。

政府の成長戦略の柱として、科学技術振興が盛り込まれた。今後、予算増額の可能性もあるだけに、なおさら、研究費は適正に利用されなければならない。

各府省が今年度から、不正使用を行った研究者に対する罰則を強化したのは当然である。

研究費の応募資格を停止する期間を、私的流用の場合には5年から10年に延長した。新たに、研究を管理する上司についても、必要な注意義務を怠れば、応募資格を最長2年停止することにした。

大学側のチェックの甘さも問題だ。文科省は2007年にガイドラインを策定し、発注通りに物品が納品されたか、監査の徹底を求めた。だが、取り組みが依然、不十分な大学が少なくない。

各大学は管理体制を再点検すべきだ。文科省もガイドラインの履行状況を検証し、不正の根絶につなげていく必要がある。
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[朝日社説] エジプト流血―人命軽視に未来はない (2013年7月30日)

国際社会が恐れていた事態が現実のものになってしまった。市民の痛ましい流血をこれ以上拡大させてはならない。

エジプトの首都カイロ郊外で先週、ムルシ前大統領派のデモ隊に向け治安部隊が発砲した。少なくとも75人が死亡し、1千人が負傷した。

ムバラク独裁政権の打倒に民衆が立ち上がった民主革命から2年あまり。一度にこれほどの死傷者が出たのは、革命以降では初めてだ。

今月初めのクーデターで政権を奪った暫定政府の統治責任は重い。いかなる状況でも、市民への武力の行使を禁じる措置を徹底しなくてはならない。

治安を担う内務省は、前政権の母体「ムスリム同胞団」の抗議活動を「テロ」と呼んで取り締まろうとしている。だが、民主選挙で選ばれた政権を力ずくですげ替えたのだから、反発を生むのは自然だった。

テロ対策と称して反対勢力を弾圧しようとするのは、シリアなどでも繰り返された独裁政権の手法である。エジプト革命がめざしたはずの民主化に逆行しており、国民和解の道を遠ざける愚行というべきだ。

もともと同胞団は20世紀前半の創設時から、体制側に抑圧された歴史をもつ。その組織が初めて政権を担ったことは、現代民主主義とイスラム主義の両立をめざす実験でもあった。

それが武力で倒されただけでなく、その後の抗議も銃弾で鎮圧されたとなれば、イスラム主義派は今後長らく民主主義に背を向けかねない。それは、アラブ世界全体に広がった民主化の希望の芽を摘むことになる。

いま何より必要なのは、冷静な対話にほかならない。暫定政府は一方的に定めた政権移行の行程表を唱え、同胞団は前政権の復帰を叫ぶが、互いに受けいれられず出口は見えない。

そんな中で、知識層や前政権関係者らが調停案を探り始めたのは、せめてもの光といえる。まずはムルシ前大統領らの安否確認などから始まる信頼醸成の提言に、軍は真剣に耳を傾けなければならない。

国際社会も、もはや静観できる事態ではなくなった。とくに軍に影響力をもつ米政府は、暫定政府に自制を求めるべきだ。各主要国は、国民に銃を向ける政府には正統性を認めないことを明示する必要がある。

エジプトの命運を決めるのは国民自身だが、人命が失われる惨状は看過できない。本来は中東の安定役を担うべき大国である。国際社会は、この国を長い内乱に陥らせてはならない。
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[朝日社説] 朝鮮休戦60年―対話の好機を逃すな (2013年7月30日)

交戦はやんでいても、平和ははるか遠い。朝鮮半島では60年間、そんな状態が続く。

1953年に休戦協定が結ばれた27日、北朝鮮は閲兵式を含む式典を平壌で盛大に開いた。

だが、金正恩(キムジョンウン)・第1書記が直接には演説せず、新型兵器も登場しなかったとされる。

北朝鮮はこの春、挑発行為を続け、最大限に危機をあおったが、最近は一転して対話攻勢をしかけている。

同じ国とは思えない変わりようだが、すべては米国を本格対話に引き出すための戦術だったとみれば、わかりやすい。

休戦協定を平和協定にかえる方向で米国と話しあう。対話基調になれば、やがて国際的な支援も得られる――。

正恩体制がそんな明るい未来を切り開くことを、休戦60年の節目に合わせ、国内にアピールするねらいだったのだろう。

一時は「もはや存在しない」とまで言い切っていた6者協議への復帰を最近は示唆し、米国との高官協議も呼びかけた。

核の保有は米国の敵視政策に対抗するためだと訴える一方、朝鮮半島の非核化は祖父や父の「遺訓」とも強調した。

だが、もくろみは外れた。いずれの対話も開かれていない。それは、秘密裏に核開発を続けてきた北朝鮮の真意に関係各国が疑念を抱いているからだ。単なる口約束だけで見返りを与えてはならないという認識は、日米韓に共通している。

米国が6者協議再開の条件として、非核化に向けた具体的な行動を求めているのもそのためで、北朝鮮は対話を望むなら決断するしかない。時間をかせいでも窮状は変わらない。

ただ一方で、休戦という不安定で中途半端な状態が60年も続いてきたという事実は、南北のみならず、関係国も見過ごすことはできない。

朝鮮半島の将来的な平和体制をめぐる問題は、韓国の李明博(イミョンバク)・前政権が消極的だったため、実質的な進展がなかった。

もちろん非核化協議のめどがたつ前に、平和協定は話し合えない。だが、平和体制問題は北朝鮮が強い関心を示すだけに、いずれは話し合う姿勢をみせ、その入り口に核問題をおくアプローチも一考に値する。

肝心なのは、正恩体制下で初めて生まれた対話の機運を、日米韓でどう生かすかだ。

6者協議が中断して約5年。本格的な対話の再開には、積もった不信感を一つずつ取り払う以外に方法はない。いびつな60年を経た朝鮮半島の未来を描くには辛抱強い思考が必要だ。
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2013年07月29日

[東京新聞] 化粧品の「白斑」 被害に対応誠意を示せ (2013年7月29日)

カネボウ化粧品の「美白」をうたった製品の利用者に「白斑」が拡大したのは、被害者の情報を個人的な病気と判断した当初の対応ミスだった。原因の究明と被害回復に万全を尽くしてほしい。

「肌の色が白くまだらに抜けた」。製品を使った後に、顔や首などに白斑の症状が表れ、どんなにショックを受けたことだろう。

カネボウが今月十九日までに把握した被害者は六千八百人。そのうち、白斑が三カ所以上に表れたりした症状の重い人は二千二百五十人に上る。

原因とみられるのは、同社が二〇〇八年に開発した医薬部外品の有効成分「ロドデノール」。しみやそばかすを抑える効果があるとして、化粧水や乳液、美容液など多くの製品に使われてきた。

同社は今月四日、発症のメカニズムはまだ分からないとしながらも、健康被害を引き起こす可能性があるのを理由に、この成分を使った製品名を公表し、五十四製品四十五万個の自主回収に乗り出した。異常を訴える人が相次いでいるが、そもそも、対応はずっと後手に回ってきた。被害を拡大させた罪は深い。

問題が発覚するきっかけは、今年五月。皮膚科の医師からカネボウに「製品を使った患者三人に白斑の症状が出た」と連絡が寄せられたことだった。

同社が過去に寄せられた利用者からの被害相談を調べたところ、一一年以降、三十九人から相談を受けていたことが分かった。当時、対応した担当者は「個人の体質による問題だ」と判断し、社内の被害情報システムにも登録していなかった。

成分を厚生労働省に承認申請する際の試験では白斑は出ていなかったという。だが、製品となって流通すると、予測しなかった問題が起きる可能性はある。当初から利用者の訴えを軽視せず対応していれば、被害も少なくすんだ。

カネボウは日本皮膚科学会と協力して専門医の紹介もしている。異常が疑われる人はまずは早く、専門医の診断を受けたい。

美白商品はブームに乗って、化粧品市場二兆円のうち、二千億円規模に膨らんだ。各社とも製品開発にしのぎを削るが、忘れてならないことは言うまでもなく、安全性を守ることだ。それは企業生命にかかわる。

被害が起きたら即座に対応する。カネボウ一社の問題にとどまらず、それぞれの企業が共有すべき教訓としたい。
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