2012年11月30日

[東京新聞] 都知事選告示 足元の暮らしこそ語れ (2012年11月30日)

石原慎太郎氏の辞職に伴う東京都知事選が告示された。首都の新リーダーを選ぶ都民の大仕事となる。候補者は長期に及んだ石原都政の功罪を仕分けし、地に足のついた政策を競い合ってほしい。

ヒト、モノ、カネ、情報があふれ、昼間人口が千五百万人にまで膨れ上がる東京。この大都市の足元で病気や飢えで力尽き、ほっておかれる悲劇が後を絶たない。

一人暮らしのお年寄りとは限らない。障害のある子と老親といった家族が共倒れになっている。これが繁栄を誇ってきたもう一つの首都の現実だ。

急速な高齢化や独居化、貧困化が背景に浮かぶ。医療や介護、福祉の救いが届かず、地域で孤立する高齢者や障害者らは増えるばかりだ。それは同時に交通弱者や災害弱者の増大を意味している。

行政は施設を造ったり、見守りサービスを広げたりとモノとカネをあてがい、ほころびを繕おうと腐心してきた。だが、インフラ整備だけでは行き詰まらないか。

大震災と原発事故が教えたのは、信頼に根差した支え合いの大切さだ。その“住民力”は東京でも水面下で息づいているはずだ。

そんな予感を抱かせるのは、放射能から子どもを守りたいという一心でつながったお母さんたちの活躍ぶりだ。安全な環境や給食を求めて勉強を重ね、放射線量を調べた。地元の行政や議会に働きかけて態勢を整えさせた。

少子高齢化や防災に備え、そうした知恵と工夫に裏打ちされた“住民力”をもっと地域から引き出せないか。草の根に分け入って情報を発信し、元気なヒトを呼び込めるリーダーを期待したい。

日本の首都が原発とどう向き合うかは重要な争点だ。都知事は国政への影響力も大きい。

原発リスクを地方に任せて発展を遂げた大都市として、東京はけじめをつけないといけない。放射能漏れ事故を招いた東京電力の大株主としての責任も重大だ。

原発の是非を問う住民投票の機会が奪われ、都民は意思表示ができずにいる。候補者はその民意の受け皿となるよう原発への姿勢を鮮明にすべきだ。

「脱原発」を訴える主要候補者は、元自民党総務会長の笹川尭氏と前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏。前神奈川県知事の松沢成文氏と前副知事の猪瀬直樹氏の主張が曖昧に響くのはなぜか。

命と暮らしを左右しかねない問題だ。どう乗り越えるのか説得力のある道筋を示してほしい。
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[東京新聞] 日本維新公約 脱原発の議論深めたい (2012年11月30日)

日本維新の会が衆院選公約を発表した。「卒原発」を掲げる日本未来の党も近く発表する。原発ゼロを目指すにしても、それを実現する具体的な政策が必要だ。選挙戦を通じて議論を深めてほしい。

「原発ゼロの気持ちは捨てていない」と言う橋下徹大阪市長(代表代行)が創設した日本維新の会である。合流した石原慎太郎代表がこれを個人的発言と受け止めようが、公約ににじみ出る橋下色を読み取りたい。

公約に当たる「骨太2013−2016」はエネルギー供給体制の基本方針について「脱原発依存体制の構築」「原発政策のメカニズム、ルールを変える」と表明。

付随する政策実例で原発の安全規制、使用済み燃料の総量規制、廃炉、東京電力の破綻処理、発送電分離、再生エネルギー(促進)などを挙げ、「既設原発は二〇三〇年代までにフェードアウトする(次第に消える)」と記した。

橋下氏の説明によれば、三〇年代の原発ゼロは公約ではない。大きな方向性を示すのが政治家の役割で、目標年限を含む具体的な工程表づくりは行政機構・官僚の仕事と考えるからだそうだ。

そうした役割分担は妥当な面もある。政治家が工程表にこだわりすぎて大局を見失い、実現可能性を軽視したのが、民主党政権の失敗でもあるからだ。

ただ、行政機構・官僚が工程表を作成するという機会を利用し、政策を自分たちの都合のいいように誘導してきたのも、また現実である。甘く見てはいけない。

原発のような国民生活を左右する重要政策は、政治家が大きな方向性とともに目標年限を明確に示すことが必要ではないか。それが国民の支持を得れば、行政機構を動かす大きな力ともなろう。

脱原発をどう実現するかはより重要だ。政策実例に挙げられた使用済み燃料の総量規制や東電の破綻処理、発送電分離などは実現すれば、脱原発への原動力になる。その採否を官僚に任せ、骨抜きにされてはたまらない。

日本未来の党が発表すれば、各党の公約は出そろう。経済政策や雇用対策、消費税増税、社会保障、憲法問題に加え、原発・エネルギー政策は福島第一原発事故後、日本国民の生命と財産を大きく左右する重要政策となった。

各党、各候補は原発稼働を「いつまでに」「どうやって」停止するのかの議論を深めてほしい。それを聞き、公約をじっくり見比べて、貴重な一票を投じたい。
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[産経新聞] 維新の会公約 「大衆迎合」が気がかりだ (2012/11/30)

日本維新の会は自公両党による過半数を阻止し「強力な第二極」を目指すとしている。公約の基本方針に自主憲法の制定を掲げた点は評価したいが、主要政策の方向付けが明確になっておらず、極めて残念だ。

橋下徹代表代行は「『石原首相』を誕生させたい」としているが、石原慎太郎代表は「私はなるつもりはない」と述べている。政権をうかがうという以上、首相候補をはっきりさせなければ、有権者は判断できない。

焦点の原子力・エネルギー政策は危うさがつきまとう。「脱原発依存メカニズム」を構築することによって、既設の原子力発電を「2030年代までにフェードアウトする」とした。

徐々に消えてなくなるという意味だろうが、太陽の党との合流を決めた際の政策合意では、いったん引っ込めたかに見えた原発ゼロ政策を復活させた格好だ。橋下氏は会見で「30年代にゼロにすることは捨てていない」と語った。

公約は、電力市場の自由化や発送電分離などをエネルギー供給体制の強化策として並べているが、産業空洞化が進むのを回避するため、足元の電力確保に必要な再稼働には触れていない。

「脱原発」をめぐる大衆迎合的な姿勢は気がかりだ。基本政策をめぐる揺れは有権者の判断を惑わすだけである。

自主憲法制定は合流時に消えていたのが公約で書き込まれた。だが、首相公選制は首相を国民が直接選んで元首と位置付けるものだ。事実上の大統領制ともいえ、天皇制度とは両立しないことを認識すべきだ。

橋下氏は「憲法を変えるべきだというグループと、今のままでいいとするグループに分かれるべきだ」とも指摘している。

自民党は「衆参両院の各3分の2以上の賛成」とする憲法96条の改正要件緩和を重視している。そうした点で連携を図り、新憲法制定を目指す潮流を拡大してもらいたい。

消費税の地方税化を進める中で「地方共有税」を創設することも盛り込んだが、都市と地方の自治体間でどのように財政調整を行うのかなど具体的に示すべきだ。

石原、橋下両氏は政策の細部を決める必要はなく、「細かいことは官僚の仕事だ」と主張したが、それでは理解されないだろう。
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[産経新聞] 都知事選告示 原発再稼働と教育を語れ (2012/11/30)

東京都知事選が29日告示された。今回は国政進出を決めた石原慎太郎前知事の辞任に伴う選挙だ。4期13年半の石原都政がどう引き継がれるかが問われている。

とりわけ首都機能の強化と教育改革は石原氏が最優先で進めてきた政策の柱だ。各候補は選挙戦を通じて石原後の都政をどう進めるのか明確に論じてほしい。有権者もまた、強力な指導力が要求される首都の新たな顔選びにあたっては、冷静で現実的な判断が求められている。

原発政策は、都知事選でも重要な争点に浮上している。特に、首都の電力供給の大黒柱を担う東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は重要だが、その是非をめぐる主張は大きく分かれる。

告示前の合同会見で、前神奈川県知事の松沢成文氏は原発について「電力不足は企業の海外流出につながり、一時的には認めざるを得ない」と述べた。副知事の猪瀬直樹氏は原子力規制委員会の体制づくりが先決とした。両氏は原発を否定しない立場だ。

これに対し、前日弁連会長の宇都宮健児氏は「再稼働すべきでない」とし、元自民党総務会長の笹川堯氏は「最終的に脱原発」と述べている。

東京は中央省庁や主要企業の本社が集中し、人口1300万を数える巨大都市だ。今年度予算は国家予算の8分の1にあたる11兆円強に上り、国内総生産(GDP)の5分の1を生む。電力消費量も全国の1割以上を占める。

その東京で、住民や企業にコスト面でも多大な犠牲を強いる脱原発政策は本当に可能なのか。首都機能の維持からも、求められるのは有権者の賢明な選択だ。

教育問題では、松沢氏が「一般教員への民間人登用」を提案し、宇都宮氏が「教育現場での国旗・国歌『強制』反対」を唱えている以外、他の候補からは、具体的な主張が聞こえてこない。

石原氏は「大人が子供を叱る」など「心の東京革命」を訴え、徳育を充実させた。今春から高校の日本史を必修化し、日本が米国と開戦したのは「安全保障」のためだったとする連合国軍最高司令官、マッカーサー元帥の証言などを載せた独自教材を作成した。

こうした石原都政の教育改革をさらに進めるのか、あるいは別方向に切り替えるのか。各候補は、はっきりと語ってほしい。
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[毎日新聞] 社説:税金の無駄遣い 政治の責任も重大だ (2012年11月30日)

国民から集めた税金に対する中央省庁や独立行政法人の甘いコスト意識が改めて浮き彫りになった。

会計検査院が11年度の決算検査報告をまとめた。国の事業の無駄遣いなど不適切な会計経理の指摘は513件、総額5296億円に上った。額としては過去2番目に多い。

衆院が解散され、来月4日公示の衆院選では消費税増税が争点の一つだ。増税の前にまず税金の無駄遣いをやめさせるのは当然だ。どんな政権になっても、納税者への裏切り行為に等しい公金のずさん運用や無駄遣いには厳しく臨むべきだ。それは政治の責任でもある。

検査院の指摘金額が膨らんだのは、独立行政法人の保有資産や剰余金に積極的に切り込んだからだ。例えば、独立行政法人「都市再生機構」に対しては、ニュータウン整備事業で約223ヘクタール(約897億円)の土地が売れ残っているとして、需要の掘り起こしを求めた。民間ならば厳しく精査する費用対効果の検討がいかにいいかげんだったことか。

また、独立行政法人「郵便貯金・簡易生命保険管理機構」には、長期間の放置で預金者の権利が失われた預金など607億円の内部留保が必要性に乏しいとして国庫納付を求めた。他にも内部留保を国に返すよう求められた独立行政法人が相次いだ。本来国に入るべきこうした資金はさらに洗い出してもらいたい。

官僚のでたらめなコスト感覚を象徴する事例もあった。防衛省が、情報ネットワークシステムで使用する機器を標準価格の9倍近くでメーカーと賃貸借契約していたのだ。カタログで価格を確認すれば避けられた話だというからあきれるほかない。

東日本大震災の復旧・復興施策の検査も始まった。

検査院はがれき処理について実地検査した。その結果、市町村に出される補助金が国と県に分かれていることが判明し、事務負担軽減のため国に助成方法の改善を求めた。

また、民間賃貸住宅を自治体が被災者のために借り入れる「みなし仮設」についても「所見」を述べた。現状では、県などが賃貸借契約をして自ら借り主となって被災者に提供するため、事務作業が増えて入居までに時間がかかる。検査院は被災者が自ら入居先を探すことを認め、その場合家賃を県が支払う運用も認めるよう提言した。

「救助は現品支給が原則で、金銭支給は原則認めない」との立場の厚生労働省は反論した。「所見」に強制力はないが、被災者目線で政策をチェックする意味は小さくない。

今年度以降、被災地と関連の薄い復興予算の流用問題にもメスが入る。監視役の責任が一層問われる。
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[毎日新聞] 社説:維新の会公約 中身が大ざっぱ過ぎる (2012年11月30日)

日本維新の会が政権公約を発表した。争点のエネルギー政策で脱原発依存体制の構築を掲げ、消費税の地方税化など統治システムの改革を打ち出した。

民主、自民に対抗するいわゆる第三極として進出をうかがう維新の会だが、原発など基本政策などをめぐり石原慎太郎代表と橋下徹代表代行の認識がどこまで一致しているかの懸念がなおつきまとう。スローガン重視の公約からは個別政策の中身や、実現する手順のイメージがつかみにくい。政権を担うに値する説明を尽くすべきである。

旧太陽の党との合流で政策が「グレーになった」との指摘も出る中での公約発表だけに注目された。「自主憲法の制定」を盛り込むなど、保守色では石原氏に配慮した。

その一方で、旧太陽の党との合流過程で外した「脱原発」の表現が復活、政策文書に「原子力発電は2030年代までにフェードアウトすることになる」と記した。双方の力点を尊重したということだろう。

だが、有権者が政策を判断するにはなお材料不足と言わざるを得ない。公約発表の記者会見で石原氏から「脱原発」路線に積極的に賛成するような発言はなかった。

橋下氏は脱原発依存の道筋を示す工程表の提示は行政、官僚機構の作業を経なければ不可能と強調した。大きな目標期限を示し、実現の手順をできるだけ具体的に説明することは脱原発を論じるうえで欠かせない。選挙での論戦はその説得力が有権者に吟味される場であるはずだ。

自主憲法を掲げる一方で、政策集に列記されたのは首相公選制など橋下氏が重視する統治機構改革が中心だ。やはり両氏は「なぜ改憲か」のスタート地点が違うのではないか。

公約で気になるのは政策の方向に力点を置く一方で、個別政策が説明が省略されたまま列記される傾向だ。確かに09年の民主党マニフェストが破綻したように過剰に「数値」「期限」にこだわる傾向は見直し、公約は総論も重視していくべきだ。

だからといって、政党が公約に掲げた政策の説明を尽くす責任がなくなるわけでないのは当然だ。国民生活に影響の大きい社会保障の制度改革など、より具体的にビジョンや手順を説明することが広範な理解を得るためには不可欠であろう。

中央集権打破を掲げる維新の会が各種世論調査で一定の支持を集めているのは政治の停滞打破への期待のあらわれだろう。首相候補となるかについて石原氏は明言しなかったが、政権の枠組みも併せて重要なポイントだ。強烈なキャラクターで押しまくるだけではなく、政権の姿や政策をていねいに語ってほしい。
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[読売新聞] 維新の会公約 二枚看板だけの戦いにするな(11月30日付・読売社説) (2012年11月30日)

政策が生煮えで、急ごしらえであることは否めない。これで国政を担えるのだろうか。

日本維新の会が衆院選政権公約を発表した。

石原慎太郎代表は、記者会見で「硬直した中央官僚の支配を壊す」と述べ、国のあり方を抜本的に見直すことを唱えた。

かつて民主党も「霞が関の既得権益を一掃する」と大言壮語したものの、多くの公約を実現できなかった。維新の会にも、似たような危うさを感じざるを得ない。

石原、橋下徹両氏の個性だけでは有権者は判断できない。やはり、説得力のある実行可能な政策に練り上げていく必要がある。

公約は、借金依存の財政について「維持不可能」と断定した。

しかし、財政再建を実現する道筋は不透明である。年に1兆円ずつ増える社会保障費についても新たな財源は、年金目的の特別相続税の新設などとあるだけだ。しかも、社会保障を支えてきた消費税は地方税化するという。

公約を読む限りでは、財政危機への対応や、持続可能な年金、医療制度の構築について、有効な処方箋を示したとは言えない。

原発政策は揺れているように見える。「脱原発依存」を掲げ、既存の原発は「結果として、2030年代までにフェードアウトする」と言及したが、曖昧だ。

原発の再稼働問題への対応を明記していないことも問題である。当面、原発を活用するのなら、公約にそう書き込むべきだ。

憲法改正を打ち出したのは結構だが、人気投票に陥りがちな「首相公選制」や、極めて難しい「参院廃止」などを具体例として挙げたのは理解に苦しむ。

全体として、公約が分かりにくいのは、すぐに着手する政策と、中長期の課題を一律に並べているからだ。実現の優先順位を明確にしてもらいたい。

一方、アジアの発展を取り込むための環太平洋経済連携協定(TPP)について「交渉参加」を掲げたのは評価できる。これに備えて農業にメスを入れ、競争力を高めようとする姿勢も妥当である。

例えば、民主党政権が創設した戸別所得補償を専業農家に限定することや、農協組織の大幅見直しを目指すという。

外交・安保政策では、集団的自衛権の行使を盛り込んだ。これは外交の基軸である日米同盟の深化に欠かせない。ぜひ実現を図ってもらいたい。
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[読売新聞] 都知事選告示 東京の将来像示す政策論議を(11月30日付・読売社説) (2012年11月30日)

東京都知事選が告示された。4期13年半に及んだ「石原都政」の継承か転換かを問う選挙だ。

衆院選と同じ12月16日に投開票される。異例の同日選となり、投票率アップが見込まれる。無党派層の投票動向が焦点となるだろう。有権者は各候補の主張を見極め、首都の将来へ1票を投じてほしい。

9人が立候補を届け出た。有力4候補のうち、突然辞職した石原慎太郎前知事から後継指名を受けたのが、前副知事の猪瀬直樹氏だ。自民党が支援し、公明党、日本維新の会が支持している。

日弁連前会長の宇都宮健児氏は日本未来、共産、社民の各党から支持を受けている。前神奈川県知事の松沢成文氏、元自民党総務会長の笹川尭氏は、特定の政党の支援を受けていない。

政権党であり、都議会でも最大会派の民主党は独自候補を擁立できず、自主投票を決めている。

石原都政の継承を訴える猪瀬氏に対し、他の3氏は刷新を主張する。最も対立しているテーマが、石原都政の「負の遺産」である新銀行東京をどう再建するかだ。

中小企業の資金繰り支援のため石原前知事の肝煎りで設立されたが、ずさんな融資や業績低迷で経営難に陥った。すでに1400億円の都税をつぎ込んでいる。

経営再建を掲げる猪瀬氏に対し、他の3氏は銀行の売却や清算を公約している。これ以上、都民の負担を増やすわけにはいくまい。4氏には、より具体的で迅速な対応策を示してもらいたい。

原子力発電については、宇都宮氏と笹川氏が「脱原発」を打ち出している。

東京は電力の大消費地であり、電力の安定供給が崩れれば、都市機能はマヒする。知事には都民生活を守る責務がある。原発の代替エネルギーを確保する見通しがない現状での脱原発は、無責任な主張ではないか。

2020年の夏季五輪招致に関しては、宇都宮氏以外の3氏が積極的な姿勢を示している。宇都宮氏は「都民の意見を聞いた上で判断したい」と慎重な構えだ。

五輪は日本全体を元気づける起爆剤ともなろう。新知事は招致活動の先頭に立ってもらいたい。

首都直下型地震への備えを急がねばならない。帰宅困難者対策をより充実させる必要がある。

独り暮らしのお年寄りの増加など、急速に進む高齢化対策は待ったなしだ。

東京が抱える様々な問題について、活発な論戦を期待したい。
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[朝日社説] 教育の課題―未来の大人に投資を (2012年11月30日)

「危機的状況に陥ったわが国の『教育』を立て直します」

自民党が政権公約に掲げた。そして、「自虐史観偏向教育は行わせない」「教職員組合の政治的中立を確保する」と訴えている。

だれかを敵に仕立てるより、訴えるべき「危機的な状況」がほかにあるのではないか。

切実で解決の難しい問題を、現場は抱えている。

3年前の国際学力調査で、日本の子どもたちの成績は改善した。しかし、成績の高い層がふえた一方で、低い層も多いことが問題点として指摘された。

全国学力調査では、家庭の年収が高い子どもほど成績が良いという傾向がみられる。

問題は、学力格差が大きく、しかも家庭の経済力の格差と結びついていることだ。

先進国の中で日本は教育への公的な支出の割合が低く、家計の負担が重い。そのことが格差を生む要因になっている。

子どもの学力がばらつき、家庭環境も多様になった。いじめにも目を光らせなくてはならない。一人ひとりに目の届くきめ細かい教え方が必要になる。

日本の先生は、他の先進国に比べて一人でたくさんの子をみる。他の専門スタッフが少ないため事務作業や親への対応に追われ、勉強を教えることに専念しにくい。

先生の定数や仕事のしかたを見直さなくてはならない。

民主党政権は、格差を是正しようと、高校の授業料を無償化し、大学生らの奨学金の充実に取り組んだ。少人数学級化も、実現したのはまだ小1、小2までだが、進めた。

自民党も教育投資の充実を訴えている。教員の定数の見直しや、格差の縮小に効く就学援助などの政策を掲げている。

教育に金と人を投資すべきだという方向性は一致している。総選挙で追求すべきは、古めかしい右左の違いより、こちらではないか。

高齢者の社会保障費が膨らむ一方、教育は受益者たる子どもが減っている。それに、投資しても効果はすぐには見えない。

だから、教育への投資は理解を得にくい。けれども、放っておけば、さきざき私たちみんなにツケが回る。

いま、企業は国際競争力の低下に悩んでいる。他方、この春卒業した大学生の2割は進路が決まらないか非正規で働いている。少子化によって、社会保障の担い手も細っていく。

人を育てることに投資しなければ、社会の活力が失われる。それこそが教育の危機だ。
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[朝日社説] 維新の公約―これでは分からない (2012年11月30日)

日本維新の会が、衆院選での公約となる「骨太2013〜2016」を発表した。A4判で4ページ。民主、自民両党と比べ、簡略ぶりが際だつ。

石原代表と橋下代表代行は「政治家は方向性を示せばいい。具体的な工程表はあとで官僚に作らせる」と強調する。

確かに、メッセージだけである程度わかる項目もある。「公共工事拡大路線とは異なる経済成長」「国の役割を絞り込み、究極は道州制へ」などは、そうだろう。

しかし、あまりに漠然としている項目が少なくない。代表例が社会保障だ。

高齢化で社会保障の給付は毎年3兆円ずつ膨らみ、連動して国の一般会計からの支出が1兆円前後増えていく。

民主、自民、公明の3党は消費税率を10%に引き上げ、社会保障にあてることを決めた。私たちも社説で、「国民全体で支える社会保障には、幅広い世代が負担する消費税が望ましい」と主張してきた。

これに対し、維新は「消費税の地方税化」を掲げる。消費税は地方の財源とし、国が地方に配っている地方交付税を廃止する。税率のメドは11%という。

地方の自立は大切な課題だが、では、社会保障の財源をどう確保するのか。

公約には、平均余命を勘案し、年金制度を再構築▼税金の投入は低所得層の負担軽減、最低生活保障目的に限る▼社会保険料、所得税を公平公正に徴収▼広く薄い年金目的の特別相続税を創設、などが並ぶ。

年金を支給し始める年齢を引き上げたりして給付を減らし、所得や資産のある人を中心に保険料や税金を上げて財源にする考えのようだ。

橋下氏が言うとおり、消費税率を10%に上げても財源不足は解消しない。相続税の強化にも賛同する。給付の削減も避けては通れない。

だが社会保障で肝心なのは、どこでどれぐらい給付を削り、負担を増やすのかという具体策であり、それで帳尻が合うかどうかである。

想定される政策を箇条書きにしただけで、大まかな数字も示さず、具体的な設計は政権を取ってからというのでは、白紙委任を求めているのに等しい。

社会保障と税への有権者の関心は高い。維新の公約は今の税体系を根本からひっくり返す提案でもある。

このままでは有権者は是非を判断できない。政権を狙うからには、選挙戦を通じて肉付けし、国民に示すことが責務だ。
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2012年11月29日

[東京新聞] 韓国大統領選 「対日強硬」は変わるか (2012年11月29日)

韓国大統領選がスタートした。島根県・竹島(韓国名・独島)領有権をめぐる対立などで日韓関係は冷え込んでいるが、次の大統領はどう立て直すつもりなのか、隣国の選挙戦も注視したい。

李明博大統領が八月に竹島に突然上陸し領土論争に火がついた。日本が解決済みとみなす従軍慰安婦問題でも、韓国側は女性に対する人権侵害だと、日本政府による謝罪と補償を求める。

日韓関係は冷却したまま小康状態にある。外相や財務相の会談など政府間対話は続き、自治体や民間の交流も徐々に回復している。韓国では中国のように、過激な反日デモや日本製品の不買運動は起きていない。

大統領選の主な争点は経済政策と格差是正など内政だが、底流には戦後の日韓関係をどう位置付け、評価するのかという韓国内の「歴史論争」がある。

韓国は一九六五年、日本と国交正常化をし、有償、無償計五億ドルの請求権資金を道路やダム、製鉄所などインフラ整備に充てた。植民地支配で受けた被害の個人補償は求めず、竹島領有も密約により棚上げした。決断したのは当時の朴正熙大統領。与党セヌリ党、朴槿恵候補の父である。

対抗馬の野党、民主統合党の文在寅候補は保守勢力が経済成長を優先した結果、民主主義、人権向上が遅れたと言う。いま大企業だけが繁栄し貧富の差が拡大するのは、軍事政権が進めた開発独裁の産物であり、朴候補は父の負の遺産を引き継いでいると批判する。

両候補とも竹島の国際司法裁判所(ICJ)提訴を拒否し、慰安婦問題の解決を求めて譲る様子はない。だが、どちらが大統領になるかによって、中長期的な対日外交は異なるとみられる。

文氏は「新しい秩序のもとで関係を築く」と言う。「歴史の見直し」を掲げた盧武鉉前大統領の側近であり、慰安婦問題や教科書記述で妥協する余地は少なそうだ。

朴氏は「日本は重要な友好国だ」と明言している。父の業績を全面否定はできないから、歴史の問題を提起しつつも、日中韓自由貿易協定(FTA)推進など経済協力に力を入れるのではないか。

日韓両国には北朝鮮の核、ミサイルへの対応をはじめ、先端技術開発、さらに少子高齢化や若年層の就職難といった共通の課題がある。未来志向という大きな枠組みの中で、歴史問題を冷静に扱う努力がそれぞれに求められる。
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[東京新聞] 電気料金 抑え込め値上げドミノ (2012年11月29日)

関西、九州電力が政府に料金値上げを申請した。東北、四国電力も追随する。原発に代わる火力発電の燃料を世界最高値で買えば、そのツケは消費者に回る。政府には悪循環を断ち切る責任がある。

関電が家庭向け料金を来年四月から平均約12%値上げしたいと経済産業省に申請した。国の認可が不要な企業向けなど大口の値上げは平均19%。九電も申請し、東北、四国電力も続く。福島第一原発事故を起こした東京電力は九月に値上げしており、さながらドミノ倒しである。

関電は既に再稼働している福井県大飯原発の二基に加え、高浜原発の二基、九電も四基の再稼働を前提とした値上げ申請だ。

九電の瓜生道明社長は再稼働が遅れれば、一段の値上げを「考えざるを得ないかもしれない」と語っている。消費者に再稼働容認を迫ったとも受け取れる内容であり、経産省からお墨付きを得た発言ではないかと疑いたくもなる。

今夏、電力各社は家庭などの後押しで電力不足を乗り切った。東電は過去の最大電力より一千万キロワット、関電も原発七基分に相当する七百万キロワット近く減っている。こまめな冷房調節などが計画停電回避の原動力だ。それを思えば、供給側の電力会社も身を切るコスト削減に踏み出すべきというほかない。

経産省が設置する「審査専門委員会」は燃料費や人件費削減が焦点になる。関電は燃料費が毎年四千四百億円増えるので、合理化策だけでなく値上げも不可避と説明しているが、釈然としない。

現在、電力コストのほぼ半分は燃料費だ。関電はこれまで電力供給の半分強を原発に頼ってきており、原発代替の火力用燃料増加による負担増は一応理解できる。

しかし、産ガス国に液化天然ガスの価格を決定する原油価格連動方式の見直しを粘り強く迫らず、世界最高値で買い続けていることまで理解するわけにはいかない。

人件費削減にも甘さがある。関電は経費削減策として社員の平均年収七百九十万円を六百六十四万円へと、16%減らすことを申請に盛り込んだが、電機のシャープのように民間でしばしば見られる人員整理はしていない。

それなら、東電値上げの際に指針となった一千人以上の大企業平均五百九十六万円を選択肢とすべきだ。人件費を電気料金に転嫁する総括原価方式を認め、燃料の高値買いを黙認してきたのは政府ではないのか。その抜本見直しは値上げ審査をする政府の役割だ。
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[産経新聞] 電力料金値上げ 産業界の悲鳴が聞こえる (2012/11/29)

産業界が「悲鳴」を上げている。全国に広がる電力料金値上げの動きのためだ。関西電力と九州電力が引き上げを申請し、東北電力や四国電力なども追随する。

値上げの理由は原子力発電所の再稼働が進まず、これに代わる火力発電の燃料費が嵩(かさ)んでいるからだ。中でも産業用は家庭用に比べて値上げ幅が約14?19%と大きく、影響が深刻だ。このまま原発を再稼働できなければ追加値上げも避けられない。

工場などが海外に移転し、国内の雇用が失われる産業空洞化が一気に加速してしまう。政府は日本企業を救う視点に立ち、安価で安定的に電力を確保できる原発の早期再稼働を検討すべきだ。

関電と九電は来春、家庭用で約12%と8・5%の値上げをそれぞれ目指している。内部留保の取り崩しや経費削減では対応し切れないと、申請に踏み切った。

今年上期には原発を持つ9電力会社のうち北陸電力を除く8社が赤字となった。修繕費などの削減が続けば、電力の安定供給に支障が生じる恐れもある。

関電などは社員の平均年収を15%以上下げるリストラを打ち出した。引き続き徹底した合理化が欠かせないのはもちろんだが、燃料費と他社からの電力購入でコストの半分を占める。企業努力だけではやはり、限界がある。

大幅値上げに際し、中小企業は価格転嫁が難しく、影響はより直接的だ。大阪商工会議所の調査では、会員企業の8割超が「価格転嫁できない」と答えている。

その結果として廃業が進んでいくと、地域経済が成り立たなくなる。円高に悩む輸出企業の国際競争力も低下する。鉄鋼業界だけで年間1千億円の負担増になるとの試算もある。

すでに値上げした東京電力に加え、関電や九電も来年度の原発再稼働を前提に料金を設定している。再稼働できなければ、追加的な値上げも必要となる。

嘉田由紀子滋賀県知事が率いる日本未来の党は「10年後に原発を廃止する」という。民主党も「2030年代の原発ゼロ」を主張する。原発ゼロだと、政府試算で電力料金は2倍まで上昇するというのに、どう対応するのか。

「脱原発」を掲げる政党は理念ばかりが先行し、現実を見ていない。企業が上げる悲鳴に、逃げない答えを示すべきだ。
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[産経新聞] 社保国民会議 具体的な抑制案まとめよ (2012/11/29)

「社会保障制度改革国民会議」の委員がようやく決まり、30日に初会合が開かれる。

国民会議に求められる使命は、人口の高齢化に伴い膨らみ続ける年金や医療・介護費用について、具体的な抑制策をまとめることだ。消費税増税によって財源確保が一息つくとはいえ、社会保障費に切り込まなければ、将来的に制度は維持できなくなる。

団塊世代が引退し、社会保障財政は厳しい局面を迎える。会議のメンバーには、会長に選出予定の清家篤慶応義塾長はじめ学識経験者らが選ばれたが、もはや「議論のための議論」の段階は終わり、政策を実行に移す段階に入ったという厳しい認識をもって臨んでもらいたい。

気掛かりなのは、各政党が衆院選を控えて国民に負担を求めることに口をつぐみ、サービス拡充策を訴えていることだ。万が一にも、国民会議が「政治的思惑」に翻弄され、結論をあいまいにすることがあってはならない。

国民会議は社会保障・税一体改革関連法に基づき設置される組織で、与野党は出される結論を最大限尊重しなければならない。メンバーは大局に立って今後の日本が進むべき道をしっかり示し、むしろ与野党の議論をリードする役割を担ってほしい。

とはいえ、与えられた時間は多くない。関連法は社会保障制度の抜本改革について「国民会議で議論して1年以内に法制上の措置を講じる」と定めているためだ。来年の通常国会に法案提出できるよう結論を得るには、最低保障年金や後期高齢者医療制度廃止といった非現実的な政策の是非を一から議論する余裕などない。

改革のメニューについては、歴代政権下の有識者会議で、おおむね出尽くしている。その中から何を選択し、導入にあたって生じる問題点をどう解決するかが問われる。生産的な議論にこそ時間を割き、積極的に解決策を探ってゆくことが肝要である。

社会保障を取り巻く状況は厳しい。不安定な雇用環境に置かれた人も増え、勤労世代への負担は限界に達しつつある。

高齢者も含め、支払い能力に応じた負担を求めなければ世代間の不公平感は広がるばかりだ。政府は具体的にどこまでのサービスを提供すべきなのか、タブー視しない議論が必要となる。
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[毎日新聞] 社説:東京都知事選 都市生活のビジョン描け (2012年11月29日)

東京都知事選が29日告示される。石原慎太郎前知事の4期目途中の国政転身を受けたもので、来月16日の投開票は総選挙と同日になる。

その総選挙が政党の乱立、離合集散で事前情勢が揺れ動き、ともすれば首都の新たなトップを決める選挙から関心を奪いがちだ。

だが、巨大都市・東京が直面する防災や急速な高齢化などにどう取り組むかは、全国に共通した課題だ。人を中心に、いかに生活しやすい街に東京を整え直すか、そのビジョンと具体策を論じ合ってほしい。

都によると、進学、就職などの転入者で増加を続け、現在1300万余の都人口は、20年ごろには減少に転じる見込みだ。そのころ、65歳以上の高齢者の4人に1人は1人暮らしで、全体の人口が減っても1人暮らし高齢者は増え続ける。

また、今年、1世帯当たりの平均人数が1.99人となり、初めて2人を切った。独居化傾向は、高齢者の場合、災害時の安全や孤立問題もからみ、深刻だ。

相次ぐ孤立死や事件事故が、その一端をのぞかせる。

例えば、昨年11月、新宿の古い木造アパートで7人が死傷した火災。行き場がなく、生活保護を受けながら独居する高齢者らが犠牲になった。高度成長期に東京の経済繁栄を支え、今こうした孤立生活を送る高齢者は多い。政治の出番だ。

経済成長や一極集中などで、「独り勝ち」ともいわれる繁栄を享受してきた東京に、過去に経験したことのない状況が足早に近づく。その的確な対応のため、23区(特別区)のあり方を改める論議も聴きたい。

防災では、過密のうえ木造建築が多い都市構造など、課題が山積だ。東日本大震災から、備えと互助の意識は高まり、各種の支援協定も広がっているが、役所と企業など民間組織の細部にわたる連携が不可欠だ。

選挙はこうした問題を訴え、論議を起こす機会でもある。

前都政への検証的視点も必要だ。

石原前知事はディーゼル車排ガス規制などで実行力、発信力を見せ、中央に挑む地方自治体首長のイメージが人気の一要因だった。

一方、巨費を投じながら赤字を抱え、所期の成果が出ない新銀行東京問題など、石原都政が手をつけながらやり残したり、放置されたりした課題も少なくない。学校教育の現場では、管理が強まったという批判もある。

これらについても、是々非々で見直し、継承すべきこと、正すべきことを見分けるべきだ。

これまでにない施策、街のかたちづくりのビジョン。人と富の集中によりかかってきた時代に幕を引く決意こそを論じてほしい。
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[毎日新聞] 社説:日本未来の党結成 原発をとことん論じよ (2012年11月29日)

号砲直前の急転である。今衆院選で民主、自民両党に対抗する第三極の結集をめぐり滋賀県の嘉田由紀子知事を代表とする「日本未来の党」が発足し、国民の生活が第一(小沢一郎代表)などが合流を決めた。

日本未来の党は段階的に全原発の廃炉実現を目指す「卒原発」を政策の柱に据えたため、政党乱立で混乱気味だった対決構図がより明確になった。新党の挑戦を各党は正面から受け止め、原発や将来のエネルギー政策を徹底的に論じてほしい。

第三極の動向が主として日本維新の会を軸に注目される中、意表をつくような早業の結集劇だった。小沢代表をはじめ50人近い前衆院議員を擁する政党が解党を即決、つい先日まで「石原新党」と合流を相談していた旧減税日本の勢力も嘉田氏のもとに参集する。日々刻々と続く離合集散に「政党とは何か」との思いを抱いてしまう。

それでも、新党が原発問題を最大の争点に掲げ衆院選に参入する意味を軽視すべきでない。

嘉田氏は新党結成の動機について「今のままでは選ぶ政党がない」と述べ、脱原発路線などに賛同する民意の受け皿となる意欲を語る。民主、自民両党のエネルギー政策はあいまいさを抱え、維新の会も勢力結集の過程で「原発ゼロ」目標の提示を見送った。福島原発事故の教訓を踏まえ、エネルギー政策転換の針路こそ今衆院選で本来、最も政党が問われる課題のはずだ。

それだけに、新党が公約に掲げる「卒原発」の具体性、実現性が厳しく吟味される。嘉田氏は2022年をめどに「原発ゼロ」の実現を目指す考えを示した。民主党の「2030年代ゼロ」より相当踏み込んだ目標だ。票目当ての結集との疑念をぬぐい去るためには原発再稼働への対処基準や核燃料サイクル問題解決の道筋、再生可能エネルギーや電力コストの見通しなど説得力ある工程を示せるかどうかが問われよう。

外交、内政で政策の全体像を示すべきなのも当然だ。「脱増税」を掲げ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対する勢力も合流するが、いわゆる「反対政党」では責任政党とは言えまい。

新党結成には小沢氏が深く関わったとされる。嘉田氏は知事職にとどまる予定だけに、不透明な二重権力構造としない党の体制が問われる。目指す政権の枠組み、誰を首相候補とするかも示す必要がある。

混とんとしていた第三極の結集も日本未来の党、日本維新の会、みんなの党などに分かれることでひとまず整理がつきそうだ。政界再編の軸たり得るような明確な針路を示し、大いに競いあうべきである。
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[読売新聞] 日本未来の党 「卒原発」には国政を託せない(11月29日付・読売社説) (2012年11月29日)

国力を衰退させる「脱原発」を政治目標に掲げる政党に、日本の未来を託せるだろうか。

日本未来の党が、正式に発足した。代表に就任した嘉田由紀子滋賀県知事は「卒原発プログラム」を作成し、徐々に原発を減らして10年後をめどに原発ゼロにする意向を示した。

「脱増税」「脱官僚」「品格ある外交」など抽象的な言葉ばかりを掲げている。経済や社会保障、安全保障といった重要なテーマでさえまだ政策がない政党だ。

嘉田氏が「この指止まれ」と呼びかけたように見えるが、実態は国民の生活が第一の小沢一郎代表や、民主党を離党して新党を結成した山田正彦元農相らが根回しをして、合流を決めたものだ。

空疎なスローガンと、生き残りのために右往左往する前衆院議員たちの姿には、政治家の劣化を痛感せざるを得ない。

嘉田氏が掲げる「卒原発」は脱原発と大差はない。それだけでは願望に過ぎず、無責任である。

電力の安定供給や代替エネルギー確保、経済・雇用対策、原子力の人材育成などについて現実的な計画を明確に示すべきだ。

結党に際して発表した「びわこ宣言」には「原発事故の潜在的リスクが最も高いのは老朽化した多数の原発が集中立地する若狭湾に近い滋賀県」とある。電力供給の恩恵を受けておきながら、原発立地自治体への配慮が不十分だ。

滋賀県の利害のために国政に進出するとの発想も改める必要がある。嘉田氏は知事と党首との兼務が可能かどうか悩んだという。政党運営の経験がないだけに、両立には困難が伴うに違いない。

小沢氏が名称にもこだわった政党をあっさり捨てても、驚くには当たるまい。党首として前面に出たくなかったのだろう。その分、未来の党の公約原案には小沢氏の従来の主張が反映されている。

日本維新の会と連携できず、民主党離党組の党だけでは選挙戦で埋没する。クリーンイメージの嘉田氏を「表の顔」に担ぎ出して巻き返そうと考えたようだ。相変わらずの小沢流である。

「決められない政治」で既存政党に対する国民の不信感が高まる中、急ごしらえの新党の離合集散が目立っている。だが、新党は、国政を担う能力に疑問符が付き、政策も大衆迎合色が濃厚だ。

有権者はそのことを十分理解した上で、新党の真価を見極めることが重要である。
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[読売新聞] 就職内定率 新卒者へ一層の支援が必要だ(11月29日付・読売社説) (2012年11月29日)

「超氷河期」と言われた新卒者の就職事情は、最悪の時期を脱したが、状況は依然厳しい。

来春卒業予定の大学生の就職内定率は10月1日現在、63・1%だった。東日本大震災の復興需要などで、2年連続で上向いたものの、2008年のリーマン・ショック以前の水準には回復していない。

今年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)がマイナス成長になり、来年にかけての景気の先行きは不透明だ。今後、企業が採用を抑制する可能性もある。来春の卒業時までに、内定率がどこまで伸びるか、楽観はできない。

それだけに、政府や各大学は、学生の就職支援に一層力を入れることが大切だ。

新卒者の大企業志向は根強い一方、魅力的な事業を展開している中小企業に就職し、活路を見いだす若者も少なくない。未内定の学生も、広い視野を持って就職活動に取り組んでほしい。

厚生労働省は、新卒者らの就職を手助けする「ジョブサポーター」事業を行っている。ハローワークの専門職員が大学に出張し、学生を個別企業に紹介するなど、きめ細かく指導する。この結果、昨年度は16万人余が就職した。

衆院選の政権公約でも、民主、自民両党は、新卒者の就職率向上を掲げている。

未就職者を試行的に短期雇用した企業への補助金支給や、ハローワークでの職業相談など、両党が唱える政策の一部は既に実施され、成果を上げ始めている。さらに充実させることが重要だ。

今春の大卒者のうち、非正規雇用またはアルバイトで職に就いた人と、進学も就職もしていない人は計23%に上った。未就職者がいずれ仕事を見つけても、非正規雇用となる例が多いという。

非正規労働者は、正社員に比べ賃金水準が低いうえにリストラの対象になりやすい。生活が安定しないため、結婚しない割合も高い。厚生年金が適用されない場合が多く、高齢期に低年金・無年金に陥る恐れもある。

非正規雇用は企業にとって安価な労働力であり、非正規労働者が正社員になるのは容易ではないのが実情だ。非正規雇用の待遇改善は大きな政策課題である。

雇用環境を改善するには、人手が必要とされている分野への就職を促すことが求められる。例えば高齢化で需要が伸びている医療・介護分野だ。人材不足の背景には低賃金などの事情がある。介護職員らの待遇改善策も必要だ。
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[朝日社説] 国防軍構想―自衛隊でなぜ悪い (2012年11月29日)

自民党が政権公約で、憲法を改正して自衛隊を「国防軍」に位置づけると明記した。

安倍総裁は「外に向かって軍隊、内に向かって自衛隊。こんな詭弁(きべん)はやめようというのが自民党だ」という。

日本の安全保障政策の根幹に関わる問題であり、強い危惧を感じざるを得ない。

国防軍構想は自民党の4月の憲法改正案に盛り込まれた。

自民党作成のQ&Aによると、改正案では、(1)集団的自衛権行使に関する憲法上の制約をはずす(2)国際平和活動における武力行使を可能にする(3)軍法会議である「軍事審判所」も置く、などとしている。

単なる名称の変更にとどまらず、「普通の軍隊」に近づけたいということだろう。

だが、自衛隊は憲法9条の平和主義に基づき、専守防衛に徹し、海外での武力行使を禁じるなど、制約された実力組織として内外に広く認知されている。

この制約を取り払えば、国際社会、とりわけ周辺諸国に「軍の復活」と受けとめられ、不信感を抱かせかねない。

さらに、現在の自衛隊のままで、なぜ期待される役割が果たせないのかも疑問だ。

有事対応や抑止力としての機能はもとより、災害救助などを通じて自衛隊は国民の信頼を得ている。東日本大震災での献身的な活動は記憶に新しい。

国連の平和維持活動(PKO)にも積極的に参加し、その仕事ぶりは各国から高く評価されている。

それを、なぜ変える必要があるのか。

折しも、尖閣諸島や竹島をめぐり、中国や韓国との関係が悪化した。

国防軍をめぐる論争は、タカ派でならす日本維新の会の石原代表らと強い姿勢を競い、「右」の支持層を奪い合っているようにも見える。しかし、内向きの安保論議は、中韓との関係改善には逆行する。

ここで議論を喚起して、安倍氏主導で憲法改正に道を開きたい思惑もあるのだろう。

もっとも、憲法改正の発議には衆参両院の3分の2以上の賛成が必要だ。

国防軍構想には、民主党のみならず、総選挙後に自民党と連立を組む可能性のある公明党も強く反発している。

それらを考えると、果たして現実味のある話といえるのか。

領土をめぐる対立にしろ、沖縄の基地問題にしろ、地に足をつけ、着実に取り組むべきだ。これこそ政治の第一の責任ではないか。
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[朝日社説] 未来の党―脱原発の工程を示せ (2012年11月29日)

「卒原発」をかかげる滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事が、新党「日本未来の党」を結成した。

国民の生活が第一や減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の議員ら70人以上が合流し、日本維新の会とはまた別の勢力として名乗りをあげた。

3・11以後、初の国政選挙なのに脱原発が選択肢として見えない。琵琶湖の自然保護に取り組む知事としてじっとしていられなかった――。結党に踏み切った嘉田氏の思いはわかる。

嘉田氏は、隣りあう福井県にある関西電力大飯原発の再稼働の反対を呼びかけてきた。脱原発世論をすくい上げ、国会に反映する意味がある。

各政党の原発政策にはあいまいな言いまわしが多く、違いが見えにくい。原発ゼロへの具体的な政策を打ち出すことで、議論が深まることを期待したい。

嘉田氏はまた、地域や女性、子どもを党の理念の柱にしたいという。身のまわりのことを大切にする姿勢に、共感する人も少なくないだろう。

ただ、気になる点もある。

一つは小沢一郎氏の存在だ。自らの党の埋没に危機感を抱いていた小沢氏は選挙の顔として嘉田氏をかつぎ、生き残りのために結党をおぜんだてした。そうした見方があるのは事実だ。

新党を作っては壊し、力を保ってきた小沢氏の政治スタイルが復活するようなら、脱原発も選挙むけの口実に終わる。

知事にとどまる嘉田氏が党をどう取り仕切るか。東京で活動する党を、大津から指揮するやり方を示してほしい。

もう一つは、新党内で他の政策の考え方に違いはあっても、脱原発では同じ方向を貫くことを確約できるかどうかだ。

嘉田氏は「小異を生かしながら大同を作る仕組みをつくりたい」と語る。ならば、各党から集まった議員が選挙後も原発ゼロをめざす政策で一致し、有権者を裏切らない姿勢を示すことが必要だ。段階的に原発をなくす卒原発の言葉だけでは、他党と大差ない。ゼロへの工程表の提案が不可欠だ。

原発が立地する地域の雇用問題の解決や、使用済み核燃料の再処理の即時廃止、高速増殖原型炉もんじゅの廃炉を経て、2022年をめどにすべての原発を段階的に廃炉にしてゆくという。それを、実現可能な公約にする必要がある。

結党の背景には、ともに脱原発を訴えてきた橋下徹大阪市長が、石原慎太郎氏との合流で後退したことがある。嘉田氏は現場をもつ首長として、脱原発の論戦を引っ張ってほしい。
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