2012年08月31日

[東京新聞] 「浜岡」住民投票 熟した民意の表れだ (2012年8月31日)

浜岡原発(御前崎市)再稼働の是非を問う住民投票条例の制定に、静岡県知事が賛意を表明した。政府も「過半が脱原発を望む」と国民的議論を総括。福島事故から一年半。民意は熟しつつある。

十六万五千百二十七人の「民意」は、重い。

福島第一原発事故のあと、原発再稼働の是非をめぐって住民投票を求める市民の動きが盛んになった。だが、大阪市では五万人、東京都では三十二万人を超える有効署名がありながら、それぞれ議会が条例案を否決した。橋下徹市長、石原慎太郎都知事とも反対意見を付けていた。静岡県の川勝平太知事も従来、再稼働は「マルかバツの単純な問題ではない」などとして、住民投票には、消極的な立場を取ってきた。

選挙で選ばれた首長や議員は「代表制の否定だ」と、住民投票を嫌う傾向がある。「直接民主主義はまだ地に着いていない」という川勝知事の言葉もあった。

しかし、福島事故からやがて一年半、国民は原発事故の惨状を目の当たりにし、福島県民の悲しみを感じ取り、電力会社や国の事故対応を見守ってきた。ましてや、静岡県は長年、東海大地震の脅威に向き合ってきた土地柄だ。二十九日には南海トラフの巨大地震で浜岡原発を最大十九メートルの津波が襲うと公表された。署名は、一時の感情によるものではありえない。生活実感からにじみ出た、やむにやまれぬ行動であり、積もり積もった危機感の表れなのだ。

「今を生きる大人の責任として、原発問題とはしっかり向き合わなければならない」。川勝知事に県民投票への賛同を求める手紙を手渡した母親グループの言葉である。住民はただ反対を唱えるだけでなく、自らが使うエネルギーの選択も含め、原発問題の現実に真っすぐ向き合おうとし始めたのだ。それは二〇三〇年の原発比率をめぐる「国民的議論」の結果にも、色濃く表れたばかりである。

原発関連の住民投票条例は、一九八二年の高知県窪川町(現四万十町)以来、七市町村で制定された。このうち、新設をめぐって、九六年の新潟県巻町(現新潟市)と〇一年の三重県海山町(現紀北町)、〇一年には使用済み燃料を再利用するプルサーマル計画の是非を問う新潟県刈羽村でも実施され、いずれも計画中止の契機になった。

今度は、静岡県議会が署名簿と真摯(しんし)に向き合って、その重みをよく考える番ではないか。
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[東京新聞] 社会保障会議 抜本改革はやらぬのか (2012年8月31日)

野田佳彦首相への問責決議が参院で可決され、与野党の対立は決定的だ。年金や医療などの抜本改革を話し合う社会保障制度改革国民会議の設置はめどが立たない。これでは増税だけになる。

改革をやる気があるのか。国会の体たらくを見ているとそう思わざるを得ない。今国会で取り組むべき最大の課題は社会保障と税の「一体」改革だったはずだ。

政府・民主党は消費税を増税し、それを社会保障の財源に改革案を提示した。だが、消費税増税に一直線に突き進んだ姿勢とは対照的に、改革案は現行制度の手直しに終始した。社会保障制度の再構築に真剣に取り組む政治姿勢は、全く感じられなかった。

野党からも年金などの将来像をしっかり示せと注文が付いた。政府はマニフェストに盛り込んだ最低保障年金制度などを提示したが、自民、公明両党が反発すると大幅に譲歩した。「ねじれ国会」の参院では、消費税増税法案可決に両党の協力が必要だからだ。

社会保障の抜本改革は、増税法案協力と引き換えに国民会議を設置し一年以内に結論を出すことで自公両党と合意した。改革は先送りされた。

さらに自公が首相の問責決議を提出・可決したことで、国民会議は設置すら見通しが立たなくなった。政局に明け暮れ社会保障改革は眼中にないようだ。民自公の三党合意は改革を口実にした増税だけが目的だったのではないか。

国民から税や保険料としてお金を集め生活の安心を支えるために年金や医療、介護、子育て支援に分ける。これが社会保障の基本だが、だれから集めだれに分けるかには所得再分配の難しい判断が要る。だから党利党略を超えた政治主導が求められる。

福祉国家のスウェーデンは年金改革の際、主要政党の代表者が参加する検討会を設置し議論した。その後、二度の政権交代を経験したが制度は政争の具になることはなかった。制度存続の危機感と解決するとの決意を政治の責任として各党が共有したからだ。

社会保障は持続可能なものにしてこそ将来の安心につながる。どの政党が政権を担っても信頼される制度に改革する必要がある。だが、今国会の混乱ぶりからはそんな気概は見えない。

国民会議の設置期限は一年しかない。このままでは増税だけに終わる。与野党は政治の責任をきっちり果たすべきだ。
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[産経新聞] エネルギーと原発 世論で基本政策決めるな (2012/08/31)

世論に耳を傾ける努力は大切だが、エネルギー問題のような国の基本政策が世論によって決められるルールを確立させてはならない。高度で冷静な政治判断こそが優先されるべきだ。

2030年の原発比率など日本のエネルギー構成について、寄せられた国民の意見を分析した有識者による検証会合(座長・古川元久国家戦略相)が「少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」とする見解をまとめた。

この見解は、これから政府が着手する国の中・長期的なエネルギー問題と温暖化対策の方向性を定める「革新的エネルギー・環境戦略」の策定作業の本質に影響を及ぼしかねない内容だ。

検証会合の見解を“お墨付き”として、デモに代表される反原発の時論に迎合し、「原発ゼロ」を軸とする新戦略の構築に傾斜するのは禁物だ。

そうした迎合は、日本の発展に終止符を打つ行為に他ならない。国の存続と繁栄に安定したエネルギーが必須であることは、歴史が示す自明の理である。

次の選挙で世論の逆風を受けるとしても、エネルギー安全保障の重要性を有権者に説いて、国の将来を確かなものにしてゆくことが、政治家の責務である。再生可能エネルギーの発電能力は、原発に比べると格段に小さく、不安定だからだ。

そもそも政府が実施した意見聴取会やパブリックコメント(意見公募)、討論型世論調査は、準備不足で問題点も多い。意見聴取会で電力会社の社員の意見表明の機会を奪ったことなどにより、脱原発派が勢いを得た感がある。

政府の調査では、新聞社などによる世論調査より「原発ゼロ」の回答率が高い。政府の調査そのものが脱原発ムードを醸し出した可能性が疑われる現象だ。

こうした不確かな調査をよりどころに、エネルギー計画の策定を急ぐのは短慮に過ぎよう。皮相的な原発の好悪論にとどまらず、原発をなくした場合の経済や文化への影響までを視野に入れた議論の深化が必要だ。

有識者の検証では、20代以下の30%強が「原発維持」の意見であることが注目された。政府は約20年後のエネルギー構成を考えている。若い世代の意見に重みを置いて検討することも重要だ。
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[産経新聞] 改正海保法 尖閣防衛の一歩にすぎぬ (2012/08/31)

沖縄県・尖閣諸島の防衛を念頭に、海上保安官に離島での逮捕権などを与える改正海上保安庁法がようやく成立した。

海上保安官の警察権が及ぶ範囲を海上だけでなく離島にも拡大したことで、外国人の不法上陸といった事態にも、より迅速に対応できる。領土主権の守りは前進したと評価したい。

ともに改正された外国船舶航行法によって、無害でない航行を行う外国船には、立ち入り検査なしに領海からの退去命令を出す迅速対応も可能になった。

しかし、これで十分だとはいえない。国連海洋法条約は「沿岸国が無害でない通航を防止するため自国の領海内で必要な措置をとることができる」と規定している。日本は、これに対応し、領海侵犯した外国公船を強制排除する法整備を怠ってきた。今回の法改正は第一段階にすぎない。

問題は、不法な主権侵害行動を排除する有効な対抗措置が、依然として取れていないことだ。

尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土である。にもかかわらず、周辺海域で石油資源埋蔵の可能性が浮上した昭和40年代後半から中国と台湾が領有権を主張し始めた。中国公船は頻繁に尖閣周辺の領海侵犯を繰り返し、今月15日には香港の反日活動家が不法上陸した。

この事件では海保とともに沖縄県警の警察官が島で待ち受け、上陸後すぐに現行犯逮捕した。しかし、平成16年3月の中国人活動家の不法上陸の際は警察官が逮捕するまでに12時間かかった。

香港の活動家は尖閣再上陸を公言している。改正法を抑止力とするためにも、これまでのような強制送還では済まさないとする強い姿勢を示すべきだ。

海保は現在、小さな巡視艇を含め巡視船を357隻保有するが、1千トン以上は51隻、5千トン以上の大型は3隻しかない。しかも、尖閣などを警備する第11管区海上保安本部(沖縄県)には1千トン以上が7隻配備されているだけである。尖閣を含めた領土防衛に必要な体制を早急に整備すべきだ。

中国は尖閣奪取の意図を隠さなくなった。仮に武装した漁民が大量の船団を組んで押しかけてきた場合、海保だけでは対応できない。主権の侵害を自衛隊が排除するための領域警備法制定も喫緊の課題である。
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[毎日新聞] 社説:南海トラフ地震 正しく恐れて対策を (2012年08月31日)

東海から九州沖を震源域とする「南海トラフ巨大地震」について、国の二つの有識者会議が被害想定などを公表した。

死者は最大で32万3000人、倒壊・焼失建物は238万棟に上る。死者の7割は津波によるものだ。また、死者想定は国が03年、東海・東南海・南海の3連動地震が起きた場合に出した数字の13倍にも及ぶ。

被害の大きさに驚くが、対策をあきらめるようなことがあってはならない。避難や建物の耐震化など適切な減災対策によって、最悪ケースの死者は6万1000人に減らせるとの試算も併せて示された。

想定は東日本大震災で得られたデータも踏まえた推計だ。ただし、「発生頻度は極めて低い」ことに留意すべきだ。有識者会議は「正しく恐れてほしい」と提言した。国、自治体、さらに住民一人一人がとるべき対策を着実に進めることが肝心だ。

中川正春防災担当相は、南海トラフ地震に備えた特別措置法案を来年の通常国会に提出する方針を示した。現行の法制では、予知が可能とされている東海地震の強化地域に施設整備費などの補助が集中する。しかし、想定によれば、近畿や四国など広範囲で深刻な被害が生じる。地域によって必要な防災対策にばらつきがあってはならないのは当然だ。

津波避難ビルを確保するために、建蔽(けんぺい)率の緩和を求める声もある。国は率先して財源確保や法整備に全力を挙げてもらいたい。

都道府県や市町村の役割も大切だ。地域によって必要な防災対策は異なる。高台に逃げるためにどう避難路を整備するのか。高台が遠い場合、既存のビルを含めて避難ビルの確保も必要だ。場合によっては、学校や医療施設、自治体庁舎などの移転や高層化も検討課題になる。

東日本大震災後、多くの自治体が、災害対策基本法で作成が定められた地域防災計画の見直しを進めている。適切な避難はその柱となる。

中央防災会議の専門調査会は昨年、津波対策の最終報告で「原則として歩いて5分程度で安全な場所に避難できるまちづくり」を提言した。だが、地形によっては徒歩避難は現実的でない。自動車利用を前提とした場合、どういった方法で交通渋滞が防げるのか。きめ細かい防災計画の策定を急ぐべきだ。

宮城県で30日、震度5強の地震が起きた。日本は災害とは無縁でいられない。1日は防災の日だ。89年前のこの日、関東大震災が起きた。明日は各地で避難訓練などが行われるが、防災教育も含めて日ごろの備えが減災を可能にする。自分の身を最後に守るのは自分しかいない。自助の大切さも改めて肝に銘じたい。
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[毎日新聞] 社説:「大阪都」法成立 地域住民が決定権者だ (2012年08月31日)

地域主導で自治のかたちを決める一歩としたい。「大阪都構想」を実現可能とする新法が成立、東京都以外の大都市圏でも市町村にかわり、特別区を設置する道が開かれた。

橋下徹大阪市長に与野党が配慮し、異例の急ピッチで法制化に至った。だが実現への課題は多く、まだスタートラインについたようなものだ。大阪府・市が住民理解に足る制度設計をできるかが問われよう。

大阪都構想は政令市の大阪市を8〜9の特別区に分割再編し、広域行政は府に一元化し、住民に身近な行政は自治体である特別区に委ね二重行政を解消する構想だ。

民主、自民など7会派が共同提案し成立した新法は、政令市と隣接市町村で人口200万人以上の区域であれば、道府県と関係市町村が合意して特別区の設置を認める手続き法だ。大阪も含め10政令市の8都市圏が対象となる。

重要なのは自治体が自治の枠組みを選ぶ道を限定的ながら認め、地方議会のみならず住民投票による同意も条件としたことだ。大阪の場合、大阪市民による投票を経ることが必要となる。他の大都市圏が都構想に同調する可能性は低いかもしれないが、地域主導の方向は評価できる。

与野党を動かし法制化を実現した以上、橋下氏はもちろん、大阪府・市は最後まで誠実に制度構築にあたる責任がある。とりわけハードルが高いとみられるのが大阪市を再編する際の区割りである。

大阪市では現行の24行政区の下で公募区長制が始動した。だが、住民投票や周知期間を考えた場合、目標と掲げる2015年春の新制度移行を本気で目指すのであれば、区割り案の検討を急がねばならない。

新設される特別区と大阪府の間で事務や権限、財源をどう配分するかも難題だ。東京都や23特別区と異なり大阪府・市は財政力が弱い。大阪市が分割される結果、多額の地方交付税が必要とならないか。

新体制移行にあたり、新法は関係自治体に国との事前協議を義務づけた。なお相当の立法措置が必要とみられるだけに、綿密な協議が欠かせない。橋下氏は「府」の名称も変更するよう求めているが、より重要なのは実効性だろう。

橋下氏が率いる大阪維新の会は国政進出に向け、道州制を重点政策として掲げる。「関西州」を展望する場合、大阪都構想をどう位置づけるか、より明確に説明すべきだ。

大都市圏については道府県並みの権限を政令市に認める「特別自治市」制の創設を求める議論もある。都構想の行方は地域主導の地方制度の将来を左右するだけに、住民が納得できるビジョンを示してほしい。
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[朝日社説] 河野談話―枝でなく、幹を見よう (2012年8月31日)

旧日本軍の慰安婦問題をめぐって、日韓関係がまたきしんでいる。

きっかけは、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が今月、竹島に上陸したのは、慰安婦問題で日本政府の対応に進展がなかったからだとしたことだ。

これに対し、野田首相が「強制連行の事実を文書で確認できなかった」と語ったことが、韓国国内で「歴史の歪曲(わいきょく)」などと反発を広げている。

歴史問題を持ち出してナショナリズムをあおるような大統領の言動には首をかしげる。

だが、日本の政治家の対応にも問題がある。

見過ごせないのは、松原仁・国家公安委員長や安倍晋三元首相ら一部の政治家から、1993年の河野官房長官談話の見直しを求める声が出ていることである。

河野談話は、様々な資料や証言をもとに、慰安所の設置や慰安婦の管理などで幅広く軍の関与を認め、日本政府として「おわびと反省」を表明した。

多くの女性が心身の自由を侵害され、名誉と尊厳を踏みにじられたことは否定しようのない事実なのである。

松原氏らは、強制連行を示す資料が確認されないことを見直しの理由に挙げる。枝を見て幹を見ない態度と言うほかない。

韓国の人たちにも、わかってほしいことがある。

河野談話を受けて、日本政府の主導で官民合同のアジア女性基金を設立し、元慰安婦に対して「償い金」を出してきた。それには歴代首相名のおわびの手紙も添えた。

こうした取り組みが、韓国国内でほとんど知られていないのは残念だ。

もっとも、今回に限らず日本の一部の政治家は、政府見解を否定するような発言を繰り返してきた。これではいくら首相が謝罪しても、本気かどうか疑われても仕方ない。

5年前、当時の安倍首相は当局が人さらいのように慰安婦を連行する「狭義の強制性」はなかった、と発言した。

その後、米下院や欧州議会が慰安婦問題は「20世紀最悪の人身売買事件の一つ」として、日本政府に謝罪を求める決議を採択した。

自らの歴史の過ちにきちんと向き合えない日本の政治に対する、国際社会の警鐘である。

河野談話の見直しを求める政治家は、韓国や欧米でも同じ発言ができるのだろうか。

野田首相も誤解を招く発言は避け、河野談話の踏襲を改めて内外に明らかにすべきだ。
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[読売新聞] 南海トラフ地震 減災対策を着実に進めたい(8月31日付・読売社説) (2012年8月31日)

巨大地震と津波による深刻な被害を最小限に食い止めるため、減災対策を着実に進めたい。

東海、東南海、南海などの地震が連動する「南海トラフ巨大地震」について、内閣府の有識者会議が被害想定を公表した。

東海から九州沖までの海底が広範に動くと、マグニチュード9級の巨大地震になり、犠牲者数は最大で32万3000人に上る。

国内の地震では、これまで、10万5000人以上とされる関東大震災の犠牲者数が最多だった。

想定では、津波の犠牲者数が23万人で、全体の7割を占める。13都県124市町村で、津波の高さが平均5メートルを超えるためだ。建物倒壊など地震による犠牲者数も8万2000人に及ぶ。

「国難」とも言えよう。

この想定を参考に、政府や関係自治体が協力して、津波避難所や避難ルートの整備など、有効な対策を講じる必要がある。

無論、これほどの巨大地震が起きる可能性は大きくない。有識者会議でも、最大級を前提にすると「自治体や住民が対策をあきらめる」と懸念する声が出た。

しかし、想定が甘く、備えが疎(おろそ)かだったことが、東日本大震災の教訓である。

有識者会議は、具体的な減災対策も提示している。

地震後、10分以内に全員が避難を始めれば、津波の犠牲者は想定より8割少なくできるとして、素早い避難の重要性を指摘した。

建築基準法の耐震基準を満たした建物の比率が、今の76%から100%に上がれば、倒壊による犠牲者も同程度減らせるという。

これで犠牲者の総数は、約5分の1の6万1000人になる。政府や自治体の参考になろう。

厳しい財政状況の下、防潮堤建設など大規模な公共事業は容易ではない。避難ビルの確保や避難訓練の強化など、すぐに着手できる対策を優先することが大切だ。

被災が予想される地域は、産業の集積地も多い。高台移転を検討したり、自前の津波避難所を設けたりする企業が増えつつある。

対応が遅れがちな中小企業の支援策も必要だろう。

政府は、関係地域を対象に、必要な防災施設の整備をさらに促進する特別措置法制定の方針を打ち出している。東海地震を対象とした発生予知の範囲を拡大することも検討するという。

ただ、地震の予知はできないとの批判もある。その是非を含め、法整備の論議を深めるべきだ。
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[読売新聞] 韓国提訴拒否 竹島はやはり国際裁判が筋だ(8月31日付・読売社説) (2012年8月31日)

あくまで国際司法裁判所(ICJ)の法廷での決着を追求し続けることが重要である。

島根県・竹島の領有権問題を日韓両国がICJに共同付託するとの日本政府の提案について、韓国政府は拒否する口上書を日本側に渡した。

玄葉外相は、韓国側回答に「極めて失望」したとする談話を発表した。外務省は、ICJへの日本単独の提訴に向けて、訴状の作成などの準備作業を始めている。

政府は1954年と62年にICJ提訴を韓国に提案したが、韓国に拒否された段階で断念した。単独提訴を行えば、初めてだ。

当時は65年の国交正常化前であり、韓国との決定的対立を避ける外交的配慮があったのだろう。だが、李明博大統領が政権浮揚の思惑などから竹島訪問を強行し、重大な一線を越えた事実は重い。単独提訴は当然の対応である。

韓国は、自らの領有権が正当だと考えるなら、ICJ提訴に応じ、法廷で堂々と主張すべきだ。過去の日本の提訴提案時は、国連未加盟だったが、今は主要な加盟国で「グローバル・コリア」を標榜(ひょうぼう)しているのだから、なおさらだ。

韓国側は口上書で、竹島は「歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国の不可分の領土」「いかなる紛争もない」などと強弁した。

竹島が「日本帝国主義の韓半島侵奪の過程で初めて犠牲になった」「カイロ宣言、ポツダム宣言及び日本の無条件降伏を通じて韓国領土に回復した」とも、日本側に口頭で伝えたという。

だが、日本は17世紀には竹島を漁場などに利用し、領有権を確立した。大戦後、韓国は竹島を韓国領とするよう米国に要請したが、拒否されたため、一方的に「李承晩ライン」を設定し、不法占拠した。

日本が単独提訴しても、韓国が裁判を拒否し続けた場合、公判は開かれない。それでも、日本が国際社会に竹島の領有権の正当性をアピールするとともに、日本の提訴を韓国が拒否した事実を歴史に残す意義は小さくあるまい。

日本は、自民党政権時代を含め、日韓関係の悪化を懸念して、竹島問題で主張を抑制してきたことは否めない。単独提訴をその対応を改める一歩とすべきだ。

一方で、韓国が重要な隣国であることに変わりはない。北朝鮮問題、経済連携など、日韓両国が取り組むべき案件は多い。

来年2月までの李大統領在任中に日韓関係を改善するのは難しいとしても、対話や協議はきちんと継続することが大切である。
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[朝日社説] エネルギー政策―原発ゼロの時期明示を (2012年8月31日)

原発への依存度を減らす新しいエネルギー戦略の策定が大詰めを迎えた。国民的議論のまとめを終え、週明けにも政治決定に向けた会合が開かれる。

多様な手法による国民的議論は、「少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会を望んでいる」と総括された。

野田政権はこれを重く受け止め、原発をゼロにすることと、その実現時期の目標を明確に打ち出すべきだ。

国民的議論のまとめでは、約8万9千件に達したパブリックコメントをはじめ、意見聴取会や各種団体から寄せられた声を集計し、意見の背景となる理由や問題意識を分類した。

討論型世論調査といった新しい手法にも取り組んだ。全体の総括にあたっては、世論調査やコミュニケーションの専門家による第三者評価も受けた。

手順には混乱や未熟さも見受けられたが、一つの課題に政治がここまで「民意のありか」を探ることに手間をかけ、「見える化」した例はないだろう。

エネルギー政策はそれだけ重く、むずかしいテーマであり、だからこそ、今回得られた成果は、政権交代や党首の違いを超えて尊重すべきだ。

もちろん、原発ゼロの実現には多くの課題があり、不確実な要素も多い。

このため、政府内では「将来のゼロはうたうが、実現時期は明示しない」とする案も検討されているという。

だが、あいまいな結論では、政治に対する国民の不信が募るだけだ。電力市場への投資意欲も高まらず、発電の新たな担い手や革新的なアイデアが育つ余地を狭めかねない。

課題の克服度合いを確認しながらスピード調整する余地は残してもいいが、まずは目標時期を設けるべきだ。

「過半が脱原発」の総括を裏返せば、「原発が要る」と考えている人が一定割合いると読み取れる。脱原発が望ましいが、電力不足や電気料金の高騰を招いては困ると考える人は少なくないだろう。

政府の分析でも、原発ゼロへの不安や問題意識として、自然エネルギーや省エネの普及に対する実現性や、電気料金の値上げ・電力不足が雇用や経済に与える影響、福島の事故処理や核燃料の処分・廃炉作業を進めていくうえでの人材確保などの論点があげられた。

政治決定の際には、こうした課題について、具体的なデータや取りうべき政策も、ていねいに説明し、理解を得る作業が不可欠だ。
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2012年08月30日

[東京新聞] 南海トラフ地震 「最悪の想定」を胸に (2012年8月30日)

南海トラフと呼ばれる、浅い海溝沿いで起きる巨大地震の被害想定を政府が公表した。最悪のシナリオだと、三十二万人を超す犠牲者が出るという。住民を守る防災対策を早く再構築すべきだ。

駿河湾から四国沖に延びる、浅い海溝のことを南海トラフと呼ぶ。この海溝型の巨大地震はマグニチュード(M)9クラスと予想され、津波が関東から九州にかけての太平洋沿岸部に押し寄せる。東海・東南海・南海の三連動地震だ。

内閣府の中央防災会議が公表した被害想定は、想像を絶する。東海地方が大きく被災するケースだと、冬の深夜に毎秒八メートルの風が吹いていると、最悪三十二万三千人の死者が出るという。近畿地方のケースは、約二十七万五千人とはじき出されている。津波による犠牲者が多いとされる。

二〇〇三年にも同会議は、三連動地震の被害想定を出しているが、犠牲者数は最大で約二万五千人だった。今回の推計値は、十三倍以上にも跳ね上がった。

震源域を陸側に近い方にも広げたため、津波到達時間などが早まった。マグニチュードも8・7から9・1へと引き上げ、津波の高さも大きくなったからだ。東日本大震災の被害が想定外で、その“反省”を踏まえた結果だろう。

人的被害は最少の想定では、東海地方で約八万人、近畿地方で約五万人と大きな幅がある。どんな地震動かも分からず、M9クラスの巨大地震の発生確率は低いかもしれない。

ただし、名古屋などの大都市圏が襲われれば、被害が深刻化するのは間違いない。

地盤の液状化や建物倒壊、浸水、火災、帰宅難民など、さまざまな複合災害が待ち受ける。最悪の事態を回避する防護策はあるはずだ。それぞれの地域で、防災計画の見直しは必至だ。

防潮堤や水門が機能しないと、犠牲者数は二万三千人も増えるとも指摘されている。ハード面の点検は不可欠といえる。

ソフト面の重要さも、むろん東日本大震災の教訓だ。住民の立場で、どう避難し、行動すべきなのか、指針を示す必要がある。自宅や勤め先、そのルートに潜む危険を事前に把握すれば、被害の程度は大幅に減らすことができる。その周知徹底が必要だ。

巨大地震はいつか来る。自分で守るしかないかもしれない。「最悪の想定」を胸に、備えも心構えも万全を期したい。
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[東京新聞] 国会「閉会」へ 政治責任なぜ果たさぬ (2012年8月30日)

首相問責決議可決を受け、国会は会期末を待たずに閉会状態となる。衆院「一票の格差」是正など処理すべき重要法案を棚上げしての職場放棄だ。与野党ともに政治の責任を果たしたとは言えない。

自民、公明両党と、それ以外の野党七会派が別々に参院に提出した野田佳彦首相問責決議案は七会派案が可決された。各野党は今後、政府提出法案などの審議には応じない方針で、国会は八日までの会期を一週間以上残したまま、事実上閉会する。

首相問責決議には内閣不信任決議案と違い法的根拠はない。首相が内閣総辞職や衆院解散の要求を受け入れないからといって、野党側が審議拒否などで国会を混乱させる対応は本来好ましくない。

しかし、首相は二〇〇九年衆院選の民主党マニフェストにはない消費税増税を強行し、明確な安全基準を欠いたまま関西電力大飯原発3、4号機を再稼働させた。

内閣不信任にも値する状況だ。首相は問責決議を重く受け止め、内閣総辞職か、「一票の格差」解消を速やかに実現した上で、衆院解散に踏み切るべきた。野党側も格差是正には協力すべきである。

今国会は結局、消費税増税法が先に成立しただけであった。

「一体」であったはずの社会保障制度の抜本改革は先送りされ、改革案を検討する「社会保障制度改革国民会議」の設置も見送られた。政府や国会の無駄削減も口先だけで実現されていない。民主党ばかりか増税に協力した自民、公明両党の責任も重大だ。

ただ、政権与党として民主党の責任はより重い。お盆休み明けの終盤国会の運営は強引にすぎた。

民主党は、赤字国債を発行するための公債発行特例法案と、小選挙区定数を「〇増五減」し、比例代表定数を四十減らして一部に連用制を導入する公職選挙法改正の同党案の衆院採決を強行した。

野党の反発で成立しないことを見越して、歳入不足で国民生活に影響が出たり、衆院を解散できない状況が続く責任を野党側に押し付ける。政権与党としてあまりにも姑息(こそく)ではないのか。

国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関である。国民のために法律をつくることが仕事だ。それを放棄しては国会議員の責務を果たしたことにならない。

なぜこのような状況に陥ることが回避できずに放置されたのか。指導力を発揮したとは言い難い横路孝弘衆院議長の責任もこの際、厳しく追及されるべきである。
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[産経新聞] 首相問責可決 この体たらくに終止符を (2012/08/30)

参院本会議での野田佳彦首相に対する問責決議が、「反消費税増税」を掲げて中小野党7会派の提出した決議案に自民党が乗っかるかたちで可決された。

ほんの20日前、自民党は社会保障・税一体改革を実現するため与野党協力の枠組みを構築したのに、この決議に賛成するのは自己否定でしかない。公明党は反発して棄権した。

政権与党である民主党も、問責可決の事態を回避する努力を見せなかった。

大幅な議席減を恐れて解散を先送りさせたい民主党と、解散に追い込むポーズはとっておきたい自民党の谷垣禎一総裁らの思惑が優先された格好だ。

主要政党が国民そっちのけで政局の駆け引きに奔走する、国会の体たらくがさらけ出された。与野党とも国民の政治不信を甘くみており、「決められない政治」に戻ったことは極めて問題だ。

決議内容は民主、自民、公明の3党による国会運営などを取り上げ、野田首相に加え自公両党にも批判の矛先を向けている。

消費税増税法の採決時には、自民党は中小野党の首相問責決議案を採決せず、同じく中小野党が衆院に提出した内閣不信任決議案の採決では欠席した。

自民党が今回取った行動は、問責決議の理由などどうでもよく、とにかく可決しておきたいという党利党略に基づく行動であることを自ら認めたようなものだ。

問題は、実際に解散を迫る効力も乏しい問責決議の可決に固執したことが、日本の危機克服に必要な与野党の枠組みの破壊につながりかねないことにある。

問責決議により、通常国会は会期が9月8日まで残っているのに法案審議は事実上、行われない。今回も問責に先立ち、海上保安官に離島での警察権を認めることを盛り込んだ改正海上保安庁法などを成立させた。

赤字国債発行に必要な特例公債法案は成立していない。原子力規制委員会の同意人事も残されている。一票の格差をめぐる違憲状態の解消に必要な衆院小選挙区の「0増5減」も実現していない。歩み寄りができないなら、早期解散して国民の信を問うべきだ。

国民の支持も得られないような問責決議に突っ込み、自らの業績を否定した谷垣総裁の責任を問わざるを得ない。
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[産経新聞] 南海トラフ地震 「避難と耐震化」徹底せよ (2012/08/30)

南海トラフ(浅い海溝)で起こりうる「最大級の巨大地震」の被害想定が公表された。最悪の場合の死者数は32万人という衝撃的な内容だが、過剰反応は禁物だ。

地震の切迫度と、今回想定された超巨大地震・津波の発生確率は全く違うことを、まず理解しなければならない。

想定された「最大クラスの地震・津波」は、従来の地震モデルに、科学的知見の範囲で考えられる限りの被害拡大要因を加えたもので、発生確率は極めて低い。

一方、南海トラフに震源域が連なる東海・東南海・南海地震は、30年以内の発生確率がそれぞれ88%、70%程度、60%程度と切迫度が高まっている。両者を混同して「超巨大地震が近づいている」と思い込むと、かえって地震防災の支障にもなりかねない。

今回の被害想定を、家庭や地域の防災にどう生かせばいいのか。最悪のケースとして巨大津波と強い揺れを念頭に置き、被害が拡大する要因を一つ一つ解消していく努力を続けることが大事だ。

最大で23万人に達する津波による犠牲者は、「強い揺れがきたら逃げる」という意識を住民一人一人が持つことで大幅に減らせる。「津波到達までの時間が短い」と住民の不安が増大した地域もあるが、緊急地震速報を最大限に活用し、高台への避難路を整備するなど早期避難の手立てを講じてもらいたい。

また、8万2千人の犠牲者が想定される建物の倒壊に対しては、耐震化の推進と家具の固定を確実に実施することが肝要だ。

日本列島に大きな被害を及ぼす地震のほとんどは、マグニチュード(M)8級の海溝型地震とM7級の内陸直下型地震だ。耐震化と津波からの避難という「ごく普通の地震・津波対策」を充実させることが、超巨大地震・津波が起こる万が一のケースでも減災につながることを再認識したい。

一方、国の南海トラフ地震対策は抜本的な改革が必要だ。東海地震の直前予知を目指す大規模地震対策特別措置法(大震法)をはじめとする現行の対策は、東海地震と東南海・南海地震が切り離されている欠陥がある。

中央防災会議の作業部会が提言する、3地震の同時発生やM9級超巨大地震に対応できる「特別法の制定」は大きな課題だ。早急に前進させてほしい。
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[毎日新聞] 社説:パラリンピック 限界に挑む姿を見よう (2012年08月30日)

オリンピックと並ぶもうひとつのスポーツの祭典、パラリンピックがロンドンで開幕した。

1948年、ロンドン郊外の病院で16人の車いす患者が参加して行われたアーチェリー大会が原点だ。生みの親のグトマン博士は「失った機能を数えるな。残った機能を最大限生かせ」という言葉を残した。障害があっても活用できる能力を生かしてプレーできるように考案されたのが障害者のスポーツで、ルールや用具を障害の種類や程度に適合(アダプト)させることから「アダプテッドスポーツ」とも呼ばれる。

車いすテニスはツーバウンドでの返球が認められている。だからといって、ネットをはさんでボールを打ち合うというテニス本来の魅力が損なわれるわけではない。個人の身体条件に合わせてルールを変えていく「アダプテッドスポーツ」という考え方は障害者だけでなく高齢者や子どもを含めたより多くの人がスポーツに参加する道を開いている。

車いすバスケットボールにはスポーツのあり方を考えるうえで重要なヒントとなるルールがある。障害の程度の重い順に1.0〜4.5の持ち点を与え、コートでプレーする5人の持ち点の合計が14点を超えないようにしている。障害の重い人も軽い人も等しく試合に出場できる工夫で、このルールがなければ障害の重い選手の出場機会を奪ってしまうことになりかねない。

健常者のバスケットは長身者が有利といわれるが、例えば5人の身長の合計が9メートル以下とするようなルールを採用すれば背の低い選手の活躍の機会も膨らむだろう。

車いすバスケットを楽しむ健常者も増え、10年ほど前から学生のリーグ戦が始まっている。障害のない人も車いすに座ることで一緒に楽しめる。「障害者のスポーツ」は「みんなのスポーツ」にもなっている。

一方、「オリンピック化」への懸念も表面化してきた。高度化に伴って出場資格を得るための競争が激しくなり、海外遠征や合宿などが増えた。細かなクラス分けは競技の公平性を担保する半面、多数のメダリストを生んでメダルの価値を薄めてしまうとしてクラスの統合、削減が進む。しかし、それによって重度障害者が取り残され、障害者スポーツの裾野を狭める恐れがないか心配だ。

能力の限界に挑む姿は美しい。障害者のスポーツはまず見ることが大切と言われる。パラリンピックの舞台に立つまで選手たちは障害をどう乗り越えてきたのかなどについて思いをめぐらすことは障害者への理解を深め、障害のある人もない人も共に生きる「ノーマライゼーション社会」の実現につながるはずだ。
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[毎日新聞] 社説:首相問責可決 責任放棄し幕引きとは (2012年08月30日)

無責任のきわみである。野田佳彦首相に対する問責決議が参院本会議で野党の賛成多数で可決された。野党は一部案件を除き参院で審議を拒否する構えで、通常国会は空転したまま事実上、閉幕しそうな状況だ。

民主、自民両党とも筋の通らぬ強硬策に訴えたあげくの混乱だが、実態は違憲状態である衆院の「1票の格差」など懸案を放り出し、国会の幕引きを図る茶番劇に等しい。「決めない政治」に逆戻りした首相と谷垣禎一自民党総裁の責任感を疑う。

どっちもどっちと言わざるを得ない攻防だ。

民主党は喫緊の課題である「1票の格差」是正に生煮えの選挙制度改革案などもあえて抱き合わせ、衆院通過を強行した。衆院解散の先送りを狙い、野党を挑発することで格差是正をつぶそうとしたのである。

「待ってました」とばかりに自民は反応した。確かに民主のやり口は非難すべきだが、首相問責決議案の提出は筋違いで、矛盾している。

谷垣氏は民自公3党首による「近いうちに国民に信を問う」合意をたてに、首相は今国会で衆院解散に踏み切るべきだと対決姿勢を強めた。両氏にどんなやりとりがあったかは不明だが文言上、「今国会解散」の約束と解するには無理がある。

しかも、谷垣氏は首相と協力し、消費増税を実現したばかりである。増税を批判し問責決議案を提出していた中小野党案との調整が難航、自民は結局同調したが、公明は棄権に回った。これでは谷垣氏の自己否定とすら取られかねない。

「1票の格差」を放置して国会を閉じれば、それこそ解散先送りを図る民主党の思うツボだろう。法的に裏づけのない問責決議を審議拒否戦術などの道具にそもそも使うべきでない。問責決議で絶縁状を突きつけたからといって、早期解散が保証されるというわけでもあるまい。

結局、非難合戦のどさくさにまぎれて党首選びに突入する体裁を民自両党首が取り繕おうとしているのが実態ではないか。赤字国債を発行するための特例公債法案など懸案を決着させる責任感が首相と谷垣氏に感じられない。「決める政治」はどうしたのか。

中国、韓国など近隣諸国と緊張が高まる中で混乱が好ましくないことも言うまでもない。わざわざ隙(すき)をみせ、国益を損なうと言っても過言ではあるまい。

民主からは問責決議を受けて「『近いうちに解散』は白紙だ」との無責任な発言が早くも聞こえてくる。

増税問題を決着し「決める政治」を示したはずの国会がこんな終わり方でいいのか。まだ会期は1週間以上ある。2大政党の両党首の見識が問われる。
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[読売新聞] 首相問責可決 自らを貶めた自民党の「賛成」(8月30日付・読売社説) (2012年8月30日)

野田首相への問責決議に一体、どんな意味があるというのか。

首相を衆院解散に追い込めるわけではない。立法府の一員としての責任を放棄し、党利党略に走る野党の姿勢には、あきれるばかりだ。

国民の生活が第一、みんなの党など参院の野党7会派が提出した首相問責決議案は29日、野党の賛成多数により、可決された。自民党は賛成票を投じた。

問責決議は、消費税率引き上げは国民の声に背くとし、関連法を成立させた民主、自民、公明の3党協議も「議会制民主主義が守られていない」と非難している。

だが、これはおかしい。自民党を含め、衆参両院議員の約8割が賛成した法律である。

自民党が今更、こんな決議に賛成したことは到底、理解できない。政党として自らを貶(おとし)める行為だ。公明党は採決で棄権して、筋を通したではないか。

自民党の谷垣総裁は、問責の理由について、「内政、外交の両面にわたって今の野田政権が国政を進めることは限界だ」と述べた。「日本外交の基礎がガタガタになっている」とも批判した。

だが、首相を問責する根拠としては説得力に欠ける。

竹島など領土問題では、長年政権を担当してきた自民党も責任を免れない。領土・領海に対する中国や韓国、ロシアの攻勢に、与野党は結束して対応すべきなのに、首相に、後ろから弾を撃つような行為は国益を損ねよう。

内政では、民自公3党が財政再建の必要性に対する認識を共有し、社会保障と税の一体改革の実現へ連携したばかりである。

衆院選挙制度改革に関する法案の扱いなど民主党の強引な国会運営に大きな問題があるとはいえ、問責決議は、民自公3党の協調路線を壊す。「近いうち」という衆院解散の民自公の党首合意さえ反古(ほご)になりかねない。

今後、自民党は原子力規制委員会の国会同意人事や一部の議員立法を除いて審議拒否する方針だ。「決められない政治」が続く。

国会では、赤字国債の発行を可能にする特例公債法案をはじめ、共通番号制度関連法案(マイナンバー法案)、ハーグ条約承認案など重要案件が積み残された。

衆院の内閣不信任決議と違い、参院の問責決議には法的根拠がない。それを政府・与党攻撃の手段にして審議を拒否し、首相・閣僚の交代を迫る。こんな悪習をいつまで繰り返すのか。参院を「政局の府」にしてはならない。
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[読売新聞] 意識調査検証 「脱原発依存」の根拠にするな(8月30日付・読売社説) (2012年8月30日)

将来の原子力発電比率などに関する国民の意識調査を都合良く分析し、脱原発に政策のカジを切る根拠に使うのは、あまりに乱暴ではないか。

討論型世論調査などの結果について政府の有識者会議が、「少なくとも過半の国民は、原発に依存しない社会の実現を望んでいる」とする総括案をまとめた。これを踏まえ、政府はエネルギー政策の基本方針を近く決定する。

だが、世論の過半が「脱原発依存」だと結論づけた総括案は説得力に欠ける。

政府は意識調査の結果を過大評価せず、一定の原発利用を続けていく現実的なエネルギー政策を推進すべきである。

2030年の原発比率に関する「0%」「15%」「20〜25%」の三つの選択肢のうち、討論型やマスコミ各社の世論調査で0%と15%を選んだ割合を合計すれば7〜8割に達する。「脱原発依存が過半」とした総括案の根拠だ。

とはいえ、「0%」以外を選んだ比率も、合計すると5〜7割になる。一定程度は原発が必要と考える人も相当に多い。

有識者会議で「原発に依存しないというより、原発を減らしたいと解釈できる」との指摘が出たのはもっともだ。「脱原発依存」が多数派とは断定できまい。

さらに、討論型世論調査などの参加者には原発政策に進んで意見を言いたい人が多く、主張が脱原発に偏る傾向がある。こうした数字をもとに、全国民の世論を推し量るのは無理がある。

有識者会議でも「討論型世論調査が国民全体の意見になるという実証的な検証はない」「比率をそのまま正しいと考えるのは危険」など、数字の偏重を戒める意見が多く出された。

総括案が原発比率の方向性を打ち出し切れなかったのは、そういう事情もあるのだろう。

政府が示した三つの選択肢は、再生可能エネルギーの見積もりが過大で、非現実的だ。選択の幅が狭く国民が選びにくいなど、政府による「国民的議論」の欠陥も指摘されている。

せっかく世論調査の専門家を集めた有識者会議もわずか3回で終わり、論議は深まらなかった。

この会議を主導した古川国家戦略相は開催前から、「原発に依存しない社会を作る方向性で戦略をまとめる」と述べていた。

これからどういう経済社会を築いていくのか。そのグランドデザインも示さないまま「脱原発依存」に誘導するのなら無責任だ。
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[朝日社説] 野田首相問責―無節操もきわまった (2012年8月30日)

苦い現実に向き合い、不人気な政策でも与野党が歩み寄って前に進める。社会保障と税の一体改革をめぐる民主、自民、公明の3党合意は、そんな政治への一歩にみえた。

それが一転して全面対決に逆戻りである。

野田首相の問責決議がきのうの参院本会議で可決された。自民党など野党側は今後の法案審議を拒否し、国会は来月8日の会期末まで空転する。

一体改革の設計も、予算執行に必要な赤字国債法案も、原発の安全を担う原子力規制委員会の人事も、道筋のつかないままの政争である。

政治の無責任、無節操ぶりにあきれるほかはない。

とくに驚くべきは自民党の対応だ。国民の生活が第一などが提出し、自民党が賛成した決議は問責の理由として「国民の多くは今も消費増税法に反対」と明記。民・自・公の3党協議で決める手法についても「議会制民主主義が守られていない」と批判している。

これでは自民党の自己否定にほかならない。

公明党は「一体改革を否定する内容で賛同できない」と採決を退席した。こちらの方が筋が通っている。

自民党がそうまでして問責決議を急いだのは、政権を揺さぶることで一刻も早く衆院解散に追い込みたいとの思惑からだ。

だが、みずから進めた消費増税を否定する問責に賛成するというのでは、政策より解散が優先なのだと告白するようなものではないか。

党利党略を優先するという点では、民主党も同じだ。

支持率低迷に苦しむ民主党としては解散を先送りしたい。衆院の定数見直し問題で、民主党は自民党の反対する法案を衆院で強行採決した。一票の格差是正が実現して、解散の環境が整うのを防ぐためと勘ぐられても仕方あるまい。

こんな不毛な対立を続けていても、国民に何の益もない。

自民党は、解散を勝ち取れば政権に復帰できるかもしれないが、自公は参院で過半数を持たず衆参のねじれは続く。今あしざまにののしっている民主党と、そのとき手を組めるのか。

一方、民主党政権は、解散先送りで政権を延命できても、自民党の協力がなければ政策を実現できない。

ともに党首選を9月に控え、議員心理におもねって政治を停滞させているとすれば、こんな愚かしいことはない。

政治家はみずから墓穴を掘っていることがわからないのか。
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[朝日社説] 南海トラフ―できることはある (2012年8月30日)

震度7の揺れが10県を襲う。最悪で東日本大震災の17倍の32万人が命を落とす。

東海沖から九州沖を震源域とする、南海トラフ巨大地震の被害想定は、桁違いに大きい。

起こりうる被害は重く見つめなくてはならない。

ただ、これはあくまで千年に一度の地震と津波が起きたらという「最悪」の想定だ。

数字だけを見て「とても逃げられない」とあきらめるのは、それこそ最悪だ。

むしろ注目すべきは、すみやかな避難を徹底すれば、津波による死者を最大で8〜9割減らせる、という指摘だ。

政府は数十年に一度レベルの津波には防潮堤などのハードで備える方針だ。しかし、巨大地震の大津波を、海沿いに高々と防潮堤をめぐらせて防ごうというのは現実的ではない。

長い目で見れば、まちづくりを根本から見直す必要が出てくる。市街地を内陸に移すかどうか、それにかかる社会的な費用を災害の頻度とあわせてどう計るか、という問題に向き合わねばならない。

では、あした地震が来たら?

それでもできることはある。それが「避難」というソフト面の対策だ。

どうすれば、みんなが地震後ただちに安全な場所へ逃げられるか。大切なのは、それぞれの地域で避難計画を練ることだ。

津波からの避難は、車は渋滞するので徒歩が原則だ。だが、東日本大震災では5割以上が車で逃げた。自力で歩けない家族や、高台が遠くて歩きでは間にあわない人もいる。どんな家庭や地区は車を使ってもよいか、地域で話し合ってゆるやかな合意を作っておきたい。

浜松市は3月11日に津波避難訓練をし、歩けない人を車に乗せて何分で何キロ逃げられるかを検証した。渋滞につかまる想定でも試した。毎年続ける計画という。こうした実証は避難計画づくりだけでなく、住民の「ただちに逃げる」意識を高める役にも立つ。

市町村は、高台への避難路など逃げるための備えを急ごう。高台に代わる避難ビルの指定は東日本大震災後の半年で倍に増えたが、まだ足りない。

怖いのは津波だけではない。揺れによる建物倒壊でも数万人の死亡が見込まれる。しかし、これも住宅の耐震化率を今の8割から9割に上げることで、犠牲者を4割減らせるという。

今できることを積み重ねる。

それは、より現実的な「数十年に一度」レベルの地震への備えにもなる。
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