2012年07月31日

[産経新聞] 国際エイズ会議 複合的な予防戦略探ろう (2012/07/31)

エイズの流行を終結に導くことが可能になったのではないか。世界のエイズ研究者や政治指導者の間でいま、こんな議論が交わされている。治療の進歩により、それはもう夢物語ではなくなったというのだ。

世界183カ国から2万4千人が参加し、27日までの6日間、米首都ワシントンで開かれた第19回国際エイズ会議でも、この点が研究発表や討論の焦点となった。

世界のエイズ研究をリードする米国で、この会議が開かれるのは実は22年ぶりだった。長い間、会議主催国になれなかったのは、米政府が、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した人の入国を規制する政策を変えようとしなかったからだ。

その規制が2年前に撤廃され、会議の主催者である国際エイズ学会は待ちかねたようにワシントン開催を決めた。開会式では、流行終結に向けたワシントンDC宣言が多数の研究者らの賛同署名を集め、会議の公式宣言となったことが紹介されている。

国連合同エイズ計画の推計によると、世界のHIV陽性者数は3240万人、年間新規感染者数は250万人、エイズによる年間死者数は170万人で、新規感染と死者数は減少傾向にある。

感染した人への支援を通してエイズにまつわる社会的な不安や差別を解消し、感染予防に必要な知識の普及や行動変容を呼びかける努力が実を結んできたようだ。

治療の進歩も目覚ましい。ワクチンや完治療法はまだないが、感染した人の体内でHIVの増殖を防ぐ抗レトロウイルス薬を毎日服用し、長く生きていくことは可能になった。そうした治療の継続で体内のHIV量が減り、他の人への感染リスクを大きく減らす効果も最近は明らかになっている。

治療が普及すれば、その予防効果で流行は拡大から縮小に転じるのではないかというのが楽観論の根拠である。

ただし、治療にのみ関心が集中し、地道な予防や支援の努力を軽視するようなことがあれば、再び感染の拡大を招くおそれもある。世界経済が停滞する中で、治療の拡大を際限なく支える資金を期待することも現状では困難だ。

エイズ対策に特効薬はない。治療や支援の成果を組み合わせ、複合的な予防戦略を積み上げていくことがいまこそ必要だろう。
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[東京新聞] 外資の森林買収 世界見据え水源保全を (2012年7月31日)

外国資本による森林買収に自治体の自衛策が相次いでいる。水資源保全が目的だ。国会も超党派で水循環基本法案をまとめた。深刻化する世界的な水不足も見据えながら、速やかな成立を求めたい。

林野庁によると、外資による国内の森林買収は二〇〇六年以降に限っても、七道県六十件、七百八十五ヘクタールに上る。うち九割以上が北海道だ。日本の森林は農耕地のように地籍調査が進んでおらず、所有者が地元に住んでいない事例も目立つ。

なぜ、森林買収が増えているのか。最も件数が多いのは中国企業で、目的は資産保有、別荘用、商業施設など幅広い。明らかに森林の地下に眠る水資源獲得が目的の取引は確認されていないが、自治体の多くが「狙いは水資源」といぶかっているのが現実だ。

北海道、埼玉県は全国に先駆けて、森林売買に事前届け出を義務づける条例を定めた。北海道は市町村の提案を受けて水資源の保全地域を指定し、売り主が契約の三カ月前までに売却先を届けなければならない。だが罰則はなく、対抗措置は名前の公表だけだ。

実効性が伴わなければ森林保全は危うくなる。そんな心配から、神奈川県のように自ら森林を買ってしまう自治体も続出している。

自衛策を急ぐ自治体に対し政府の対応はいかにも遅い。今年四月施行の改正森林法で、すべての森林所有者に移転届を義務づけたばかりだ。国が保全基準を示し、自治体の森林買収などを後押しする政策を用意すべきではないか。

民主党も先行する自治体に背中を押されたのだろう。自民、公明党とともに水循環基本法案をまとめた。水を「国民共有の貴重な財産」と位置づけ、水資源行政を統括する水循環政策本部を設置して水資源を守るための規制、財政措置を講じるよう明記している。延長された今通常国会に提案し、会期内成立を目指すべきだ。

併せて世界的な水不足にも目配りしてほしい。国連推計では、現在約七十億人の世界人口はアジアやアフリカを中心に増え続け、二〇五〇年には九十億人に達する。今でも半数近くが生活に不便を感じる「水ストレス」にさらされており、さらなる水不足が避けられない。

日本は水の分野で世界最大の援助国だ。自らの水源地保全にとらわれず、浄水や海水の淡水化など、世界最高水準の技術力を生かして水ストレスを和らげる国際貢献も積極的に担うべきだ。
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[東京新聞] 原子力規制委 「ムラ人事」ではだめだ (2012年7月31日)

政府が新たに発足させる原子力規制委員会の人事案を国会に提示した。顔ぶれを見ると「原子力ムラ」との決別はとても期待できない。選考過程も密室で決まっている。ゼロから見直しすべきだ。

原子力規制委員会の設置は福島原発事故の反省を踏まえて、原発推進を目指す原子力ムラ勢力から脱却した規制機関をつくることが、そもそもの目的だった。

これまでの原子力安全委員会と原子力安全・保安院はともにムラの強い影響下にあった。国会の事故調査委員会報告が「規制する側が規制される側の虜(とりこ)になっていた」と指摘した問題だ。それが事故の遠因でもある。

委員長はじめ委員は五年の任期中、破産した場合などを除いて罷免されないなど、委員会は国家行政組織法第三条に基づく高い独立性を付与されている。だからこそ、委員たちが本当に独立した人材であるかどうかが決定的に重要なポイントになる。

ところが今回、委員長候補である田中俊一氏の経歴を見ると、とても原発政策について中立、独立の立場の人間とは思えない。国の原子力政策を推進してきた原子力委員会の委員長代理を務めたほか、核燃料サイクルの推進研究をする日本原子力研究開発機構の副理事長でもあった。

福島事故の後、住民が帰還する汚染基準について楽観的な高めの数字を主張するなど、識者からは「田中氏は原子力ムラの村長さん」という批判も出ている。

国会事故調報告は新しい規制組織の要件について高い独立性とともに、委員の選定は第三者機関に第一次選定として相当数の候補者を選ばせたうえで、国会が最終決定する透明なプロセスを経るよう提言した。だが、なぜ田中氏なのか、他の候補者はいなかったのかなど、まったく不透明だ。

規制委は原発再稼働を認める現行の暫定基準を見直し、新たな基準作りも担う。このままでは規制委が原子力ムラに乗っ取られ、関西電力大飯原発だけでなく全国の原発がなし崩し的に再稼働されてしまうのではないか、という懸念も広がっている。

人事案の最終決定は国会が同意するかどうかにかかっている。ところが、事故調報告を受けた国会は民主、自民両党の反対で黒川清事故調委員長の国会招致さえ決まらない。今回の人事が原発政策の大本を決めるのは間違いない。国会は事故調の提言に沿って委員選考をやり直してほしい。
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[産経新聞] 原発比率 成長実現する選択肢示せ (2012/07/31)

2030年の総発電量に占める原発比率について、経団連は「20?25%」が妥当だとし、5年内に再び議論すべきだとの意見書を提出した。

野田佳彦政権は、経済への影響を懸念する産業界の声や各選択肢の実現可能性などを多角的に検討し、適正な原発の割合を導き出してほしい。

政府のエネルギー・環境会議は30年の原発比率の割合を「0%」「15%」「20?25%」とする3つの選択肢を示し、政府はそれを基に意見聴取会を進め、国民的議論を通じて結論を出すという。

だが、個人参加の意見聴取会では、「原発ゼロ」を求める声が多く、電力会社関係者を除外するなど多様な意見を制限している。産業界からの不安を議論に反映させる仕組みも不十分なままだ。

当面の電力不足をどう解消するかも見えない。野田政権は、資源小国として安価で安定的な電力供給をいかに確保するかという、国家のエネルギー安全保障の観点から判断しなければならない。

3選択肢は実質経済成長率が年1%程度でのエネルギー消費を前提とする。だが、政府が30日に決めた日本再生戦略では実質成長率目標を年2%に置いている。

成長率が高まれば、その分、エネルギー消費は増え原発の必要性は高まる。年2%成長のためにはいかなる選択肢が必要なのかを示すべきだ。

選択肢では、太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を25?35%に高める。だが、水力を除く再生エネ比率は現在、1%にすぎない。それを大幅に増やす具体的な道筋は示されていない。実現可能性には大きな疑問符が付く。

その再生エネの全量買い取り制度は7月から始まった。だが、原発ゼロで再生エネを35%まで増やすとなると、電力料金は最大2倍に上昇すると試算される。輸出企業の国際競争力は低下し、料金転嫁が難しい中小企業にとっては死活問題となりかねない。

再生エネの拡大策については、経団連も「実現可能性が低い」と批判し、早急な見直しが必要という立場だ。こうした意見を反映させていくためにも、拙速な結論は避けるべきだろう。

山口県知事選では、反原発を掲げる候補が敗れ、冷静な民意が示された。政府も、将来の現実的なエネルギー政策を見据え、国民的議論を促す姿勢が求められる。
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[毎日新聞] 社説:日本の政治 いつまで内向きなのか (2012年07月31日)

秋田犬とシベリア猫のプレゼント交換のほかは残念ながら目に見える成果はなかった、と言っては言い過ぎだろうか。黒海沿岸の保養地ソチを先週末訪れた玄葉光一郎外相はロシアのラブロフ外相、プーチン大統領とそれぞれ会談した。外相会談では北方領土交渉の継続を申し合わせたが、浮き彫りになったのは双方の立場の深い溝だった。

その象徴が「法と正義」という言葉を巡る解釈である。

これは93年に日露首脳が署名し、領土交渉の基盤となっている東京宣言に盛り込まれたキーワードだ。日本側は「両国間で合意のうえ作成された諸文書」などを踏まえ「法と正義」を根拠に北方四島の返還を求めているが、ラブロフ外相は「第二次大戦の結果が国連憲章の中で定められている。ロシア国民にとってそれこそが法と正義の原則の表れだ」という理屈で反論した。

また、メドベージェフ首相が今月初めに国後島を訪問したことに遺憾の意を伝えた玄葉外相に対して、ラブロフ外相は要人の北方四島訪問を続ける考えを示すなど、主張はまったくの平行線だった。

ロシアの言い分は、戦争の結果としての領土の最終処理は平和条約で行うものだ、とする日本側の立場と相いれない。要人の北方領土訪問を続けて日本側を挑発するような姿勢も、今回の外相会談で確認した「相互信頼と静かな環境」の下での交渉という合意に矛盾する。言葉と行動に大きな隔たりがあるのが、日露関係の現実なのである。

ロシア側の強硬姿勢をなじるのは簡単だ。だが、日本の近年の政治混迷が、ロシアに付け入られるスキを見せてきたことも事実だろう。首相が毎年のように代わり、一貫した外交方針を持てない政権を相手に、先方が真剣な外交交渉に応じると考えるのは甘すぎないか。

要は、政争に明け暮れているうちに国家の統一した意思と戦略が見えなくなっているのだ。

今に始まったことではないとはいえ、重要な国際会議を日本の首脳が欠席したり、日程を短縮したりするケースが目立つ。最近も、20年夏季五輪の東京招致を閣議了解していながら、アピールの機会だった野田佳彦首相のロンドン五輪開会式出席は、国会最優先を理由にあっさり見送られた。これは一つのエピソードにすぎないが、政権全体、政党、国会のすべてに、世界とかかわろうという意識が希薄な証左でもある。

日露関係だけではない。揺れる日米関係や困難さを増す日中、日韓関係も、絶え間ない内向きの権力闘争からは、前向きに切り開く力も知恵も生まれてはこない。
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[日経新聞] 北方領土交渉の厳しい現実 (2012/7/31)

北方領土問題をめぐる立場の違いが、改めて浮き彫りになったといえる。ロシアのソチで先週末に開いた玄葉光一郎外相とラブロフ外相による日ロ外相会談だ。

玄葉外相は会談で、メドベージェフ首相が7月初めに国後島を再訪したことに遺憾の意を示した。しかし、ラブロフ外相は今後も政府要人の訪問を続けるとし、むしろ日本側の抗議が対話の雰囲気づくりを妨げると反論した。

両国は「法と正義の原則」に基づいて交渉を進める構えだが、その解釈も日ロ間で大きく異なる。ラブロフ外相は北方四島の自国への帰属を「第2次世界大戦の結果だ」とし、それこそが法と正義の原則と主張した。日本からすれば全く受け入れられない発言だ。

玄葉外相はプーチン大統領とも会談した。大統領は「互いに受け入れ可能な解決策を探るべく、交渉を継続したい」と述べるにとどめ、腹の内を明かさなかった。

成果といえば、首脳、外相、次官級の各レベルで協議を続けることで一致したことだ。対話を進め信頼関係を醸成しなければ、交渉は前進しない。今後も首脳間を中心に対話を模索していくべきだ。

それだけでは足りない。日本はどのような戦略で対ロ外交を進めていくのか。経済や安全保障協力のあり方も踏まえつつ、領土交渉そのもののアプローチの仕方を練り直していく必要がある。

ロシアは政権基盤が弱まっている野田政権の足元を見透かし、本格的な交渉を進める時機ではないと考えているフシもある。

折から野田政権は政府特使として、プーチン大統領と親しい自民党の森喜朗元首相の訪ロを準備している。北方領土問題はどの政権にとっても大きな懸案となる。そろそろ超党派で真剣にとり組んでいく必要もあるのではないか。

北方領土の択捉島では、来年には新空港が開港する。色丹島にも保養施設をつくる構想が浮上している。手をこまぬいていれば、北方領土のロシア化に歯止めがかからなくなってしまう。
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[日経新聞] 中古住宅の取引活性化は待ったなしだ (2012/7/31)

国土交通省は中古住宅の性能を評価して認定する制度の検討を始めた。耐震性などについて既存住宅にお墨付きを与え、中古物件の取引を活性化させる狙いだ。

日本ではすでに住宅の総戸数が総世帯数を大幅に上回り、8戸に1戸は空き家になっている。総人口に続いて世帯数もまもなく減少に転じる。住宅は余剰時代に入ったといっていいのだろう。

日本ではこれまで新築住宅を重視する傾向が強かった。住宅取引に占める中古物件の割合をみても2008年で13.5%と、欧米の6分の1程度の水準だ。

住宅を購入する際には多額の住宅ローンを背負うが、ローンを完済するころには家屋部分の資産価値はほとんどなくなる場合が多い。取り壊すまでの期間も欧米より短く、大量の建築廃棄物を発生させている。

政府はこうした住宅市場を変えようと、20年までに中古住宅の流通を倍増させる目標を掲げている。その一環で国交省が検討しているのが長期優良住宅の中古住宅版といえる今回の制度だ。

長期優良住宅とは耐震性や省エネ性に優れ、間取りの変更や維持管理もしやすい物件だ。国が定めた基準を満たす新築住宅を自治体が認定している。

3年前に制度が始まり、これまでに全国で29万戸を認定した。国交省は13年度にも中古住宅について同様の制度を始める考えだ。

中古住宅の評価は現在、築年数や立地が中心だ。建物の性能がしっかりと表示されれば、適正な価格で安心して取引しやすくなるだろう。若い世代を中心に所得が伸び悩むなか、安価で多様な住宅を提供することは重要だ。

中古住宅の取引を増やすためには健全なリフォーム市場の育成も欠かせない。現状ではリフォームに関する情報は限られ、トラブルが多い。住宅投資に占めるリフォーム投資の割合が3割弱と欧米より低いのも、日本の住宅市場の特徴になっている。

トラブルを減らすためには施工後に問題が発覚したら、業者がしっかりと保証する制度が要る。第三者が建物を客観的に検査する仕組みを広げる必要もある。

全国各地で現在、倒壊するおそれがある空き家が放置されたり、そこにごみが不法投棄されたりして社会問題になっている。中古住宅の取引がしやすくなれば、空き家問題にも役立つだろう。
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[毎日新聞] 社説:原発と民意 不信のマグマがたまる (2012年07月31日)

原発再稼働問題を中心に国民の政治不信の高まりを示すサインがほぼ同時に発せられた。山口県の知事選で「脱原発」を掲げた候補が善戦し、東京では反原発を訴える大規模なデモが行われ、参加者が国会議事堂を取り囲んだ。

保守地盤の厚い地域で「脱原発」候補が無党派層に支持を広げたり、政党を超えた人々の運動が起きたりしていることは民主、自民など既成政党への重い警告と言える。とりわけ、原発再稼働を進める野田佳彦首相は不信のマグマがたまっている現実を直視すべきだ。

自民にとって冷や汗ものの選挙だったはずだ。山口県は民主党旋風下の09年衆院選ですら四つのうち3選挙区を自民が制している。自公は国土交通省OBの山本繁太郎氏を擁立したが民主は候補擁立に至らず無風でもおかしくない構図だった。

だが「脱原発」論者で橋下徹大阪市長のブレーンだった飯田哲也氏の出馬で、様相は一変した。飯田氏は中国電力上関原発の建設計画の白紙撤回を主張、「山口八策」など大阪維新の会を連想させる選挙を展開した。自公は危機感を募らせ、原発推進だった山本氏も計画「凍結」に修正、争点化の回避を迫られた。

結局山本氏が当選したが、草の根選挙で約6万7000票差に飯田氏が追い上げたことは軽視できない。

毎日新聞などの出口調査では無党派層の53%が飯田氏に投票した。原発再稼働や米軍機オスプレイの搬入問題など野田内閣への批判が同じ既成政党勢力として自公推薦候補に向かった可能性がある。次期衆院選で大阪維新の会など「第三極」進出への既成政党側の警戒は強まろう。

こうした動きは毎週、首相官邸前で行われる反原発デモの広がりと決して無縁ではない。市民ネットワークが呼びかけた29日の大規模デモ行進には猛烈な暑さの中、幅広い年齢層の人たちが自発的に参加し、国会議事堂周辺を埋め尽くした。

日本で久しくみられなかった脱政党、脱組織型の大規模な市民行動はとても重要な意思表示だ。関西電力大飯原発をきっかけに野田内閣がなし崩しに原発再稼働を進め、政府のエネルギー政策がかつての状況に後戻りする懸念、そうした思いを直接政治に反映するすべのない怒りの表れであろう。にもかかわらず、官邸の反応はあまりに鈍い。

毎日新聞の最近の世論調査では野田内閣の支持率は23%と、発足以来最低を記録した。民主党分裂や消費増税問題などさまざまな要因はあろうが、原発再稼働、オスプレイ配備など手荒な政権運営に陥りつつあることへの世論の警告を真剣に受け止めるべきだ。
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[朝日社説] 国民年金未納―一歩踏み込んだ対策を (2012年7月31日)

自営業者やパート労働者らが加入する国民年金で、保険料の未納がまた増えた。昨年度の納付率は58.6%で、4年続けて過去最低を更新した。

サラリーマンやその配偶者らを含む公的年金の加入者全体では95%が納めている。しかし、国民年金では加入者約1900万人のうち、今年3月まで2年間、保険料を払っていない人が320万人もいる。

未納問題が年金への不信や不公平感を高め、それが未納につながる悪循環を、早く断ち切らねばならない。政府は踏み込んだ対策をとる必要がある。

まずは「保険料を払えるのに払わない人」への対策だ。

悪質な未納者からは強制徴収できる仕組みがある。ただ、日本年金機構が最終的に財産を差し押さえた例は、昨年度で5千件余り。前年度から増えてはいるが、1万2千件近かった06年度と比べれば半数以下だ。

年金記録問題への対応などに追われ、強制徴収が手薄になったという。

年金機構から厚生労働省、財務省を通じて国税庁に滞納処分を委任できる仕組みも、国民年金では使われたことがない。

国税庁には税金の滞納処分を通じてノウハウが豊富にある。「国税庁が乗り出した」というだけで、一定の効果が期待できよう。政府もやっと積極的に活用する方針を打ち出した。

年金機構と国税庁を核に、徴収業務の連絡と調整を担う組織を立ち上げる構想もある。縦割り意識を捨て、連携を深めてもらいたい。

保険料を「払えない人」への対策も欠かせない。

障害者や生活保護の受給者のうち一定の人は、保険料が自動的に免除される。所得の少ない人も、申請すれば全額または一部が免除される。

年金機構は市町村などから得た所得情報に基づき、免除の対象者に文書を送って申請を促している。年に百数十万件に及ぶものの、応じない人が多い。申請して全額免除になった人は3月末で230万人いるが、1年間で9万人増えただけだ。

未納が続くと将来、年金を受け取れなくなる恐れが高まる。無年金や低年金の人が増えないようにするには、申請を待たずに免除手続きができるようにすべきだろう。

年金も保険である以上、「本人が申し込む」という申請主義が原則ではある。ただ、その見直しがたびたび議論されてきたのは、未納問題が一向に改善しないためだ。厚労省は一歩踏み出すときではないか。
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[読売新聞] 地震の研究 観測強化を防災対策に生かせ(7月31日付・読売社説) (2012年7月31日)

国民の生命や財産を守るために、今度こそ、有効な研究を進めたい。

政府の地震調査研究推進本部(本部長・平野文部科学相)が、地震や津波の調査研究に関する「基本方針」の見直し案をまとめた。

推進本部は、防災・減災対策の一環として、どこで、どんな地震が起こるかを調査、評価している。基本方針は、その手法や関係府省の分担を定めたものだ。

見直し案は超巨大地震の発生を前提に、海底に地震計を増設するなど観測網の強化を打ち出した。各地の揺れや津波が、どれほど大きくなるかを、あらかじめ見積もれるようにするのが目的だ。

速報の予測技術の改良や高度化にも取り組む。東日本大震災では当初、気象庁が津波の高さを低く予報したり、余震の緊急地震速報が誤ったりした。

マグニチュード9だった大震災の教訓を踏まえれば、妥当な内容と言えよう。

現行の基本方針は2009年に策定されたが、大震災では、それまでの調査研究の成果をほとんど生かせなかった。

超巨大地震の発生も、巨大津波の襲来による大規模な被害も、予測されていなかったためだ。全くの「想定外」続出で、基本方針は根底から揺らいでいた。

調査研究の成果を、地震・津波対策の強化につなげることが重要だ。防災対策の司令塔である中央防災会議は、推進本部と密接に連携すべきである。

大震災で日本列島の地下の状況が変わり、これが新たな巨大地震を誘発するとの懸念もある。04年のインドネシア・スマトラ島沖地震の後、実際、こうした誘発地震が続発している。

西日本の太平洋沿岸では、地震や津波の規模が東日本大震災を上回ると言われる南海トラフ巨大地震の発生が心配されている。

地震の調査研究の充実は待ったなしと言えよう。

今回の見直し案には、過去の津波の痕跡を各地の沿岸で調べるなど新たな視点も盛り込まれた。だが、ほとんど専門家はいないのが現状だ。人材の育成や体制の整備も忘れてはならない。

地震は複雑かつ、多様な要因が重なって発生するため、完璧な予測は困難だ。思わぬ場所で思わぬ巨大地震が発生する「想定外」の恐れは常にある。

新たな基本方針は、そうした限界を専門家が政府内外に丁寧に説明することを求めている。情報発信の工夫も必要だ。
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[朝日社説] 北方領土―利益見すえて交渉せよ (2012年7月31日)

領土問題をめぐる立場の隔たりは大きいが、解決は互いに豊かな利益をもたらす。そのことをロシア側に納得させ、打開への道を見いだしたい。

日ロ外相会談がロシアの保養地ソチであり、北方領土問題で首脳間をふくめて協議を続けることで合意した。

5月の大統領復帰前から日本との関係改善に意欲を見せてきたプーチン氏も玄葉光一郎外相と会談し、「互いに受け入れ可能な領土問題の解決をめざす」との持論をあらためて語った。

だが、今月初めのメドベージェフ首相の国後島訪問について、ラブロフ外相は「日本の抗議は受け入れられない」とし、政府要人の北方領土訪問を続ける考えを示した。「第2次世界大戦の結果、ロシア領になった」という強硬な主張も変わっていない。

空港や産業施設を整備するなど、北方領土の実効支配を強める政策もロシア側は着々と進めている。日ロ関係の改善でプーチン氏がねらうのも領土問題の解決ではなく、ロシア極東やシベリアの開発に必要な資金や技術を引き入れることだ――。そうした警戒が日本側に絶えないのも、当然といえよう。

一方で、注視すべき動きもある。ロシアは4年前に中国との国境交渉を決着させた。昨年はノルウェーとの係争海域を画定し、今月半ばにはウクライナと海峡の国境問題も解決した。

いずれもロシアは、相手国との関係や資源開発での協力など経済的な実利を重視し、領土や権益の面で譲歩もしている。

北方領土問題には、第2次世界大戦終結に際しての旧連合国の思惑や、冷戦の影響が複雑にからみ、解決をさらに困難にしている。

それでも、利益があれば領土面で一定の譲歩にも応じるプーチン氏の外交の性格を、注意深くみていく必要がある。その真意も、結局は交渉を通じてつかんでいくほかない。

中国の経済的・軍事的な強大化が象徴するように、アジア太平洋をめぐる国際情勢は急速に変化している。南シナ海での領土や海洋権益をめぐる争いや北朝鮮の核開発は、ロシアが求めるこの地域との経済関係の強化にも重大な障害となる。

航行の安全もふくめ、さまざまな分野で日ロが共同歩調をとれば、互いに大きな利益を引き出せる。9月に極東ウラジオストクで予定される次の日ロ首脳会談は、そのことを協議する最初の重要な機会である。

本格交渉のスタートとすべく、万全の準備で臨むべきだ。
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[読売新聞] 被災地集団移転 官民の知恵と能力を結集せよ(7月31日付・読売社説) (2012年7月31日)

東日本大震災の復興事業は時間との闘いでもある。復興が遅れるほど、故郷を見限り、離れる住民が増えてしまう。

事業別に工程表を示すことなどで、被災者が将来に希望を持って地元に住み続けるようにすることが大切だ。

大震災から1年4か月以上を経て、津波被災地での防災集団移転促進事業がようやく動き出す。最も進捗(しんちょく)が見られる宮城県岩沼市の6集落の移転事業で、移転先の宅地造成が8月5日に始まる。

読売新聞の7月上旬の調査によると、岩手、宮城、福島3県の26市町村で約2万6000戸が集団移転の対象だが、このうち政府の同意を取り付け、事業化が決まったのは22%にとどまっている。

住民の合意形成に時間を要したり、自治体の技術系職員の不足から移転先の土地確保などの手続きが遅れたりしているためだ。

昨年度の復興関連予算約15兆円のうち6兆円が未消化なのも、復興事業の遅れを象徴している。

過去の災害と比べて、今回は被害の規模がはるかに大きい。

集団移転事業は、新潟県中越地震の際、115戸で約2年を要したのに対し、今回は、その200倍以上が対象になる。

土地区画整理事業も、阪神大震災では20地区、平均12・8ヘクタールだったのに対し、今回は58地区、平均90ヘクタールに上っている。

今後、東北の被災地で、膨大な宅地造成や住宅建設の事業が本格化すれば、作業員や資材の確保が困難になり、事業がより長引き、費用も膨らみかねない。

宅地造成に必要な保安林の開発許可や埋蔵文化財調査などの作業を簡素化するため、規制緩和や指針策定を急ぐことが必要だ。

東北の沿岸部は、過疎に悩む小規模自治体が少なくない。多額の予算を費やして集団移転しても、新たな過疎地や限界集落を作り出す可能性がある。移転先の将来像をどう描くのか、総合的な対策の検討が求められる。

集団移転の作業を加速するには自治体の担当職員の数を増やすことが欠かせない。地道ながら、全国の市町村や政府が派遣する応援職員をさらに積み増すことが重要だ。OB職員を積極的に再任用し、派遣してはどうか。

宮城県東松島市や女川町では、本来は自治体が行う設計・発注業務もゼネコンやコンサルタント会社に委任する設計・施工一括発注方式の町づくり事業を予定している。民間の知恵や能力を最大限活用し、事業を加速させたい。
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2012年07月30日

[東京新聞] 米乱射事件 消えた「銃規制」の声 (2012年7月30日)

米コロラド州で起きた銃乱射事件は、国際社会に大きな衝撃を与えているが、大統領選挙のさなかにあって、一向に争点化する気配を見せていない。銃規制をなぜ議論しないのか。

コロラド州オーロラの映画館で起きた無差別乱射事件は、六歳の少女を含む観客十二人が死亡、約六十人が負傷する惨劇だった。

犯人のホームズ容疑者は、自動小銃を含む三丁の銃を合法的に購入、銃弾六千発はネットで買い入れていた。自室に爆弾を仕掛け捜査の攪乱(かくらん)を狙った疑いもあり周到な計画を練っていたとみられる。

オバマ大統領は選挙戦を中断、現地入りし遺族へ弔意を表明、共和党ロムニー候補も哀悼の意を示したが、銃規制の問題が一向に争点化しないことには驚かされる。

米国の銃規制の歴史は長いが、一九九〇年代には一定の前進を見せた。レーガン大統領狙撃事件で負傷したブレイディ元補佐官の活動もあり、九四年には銃購入の際の犯歴確認などを義務化した「ブレイディ法」が施行。高校留学生、服部剛丈君の射殺事件もあって日本でも大きな関心を集めた。

ブッシュ前政権下でのブレイディ法失効後、銃規制を大きく後退させたのが二〇〇八年の最高裁判決だ。首都ワシントンの銃規制法の違憲性をめぐり争われた訴訟で、最高裁は憲法修正第二条で定める銃所持の権利を国民の権利と初めて認め規制法の一部を違憲とした。勢いづいた保守勢力は、全米ライフル協会(NRA)を中心に全米各州で銃規制法の緩和を求める訴訟を展開している。

米国社会に根差す自衛、自助精神は、事件後、コロラド州で銃の購入者が急増していることにも表れているが、一方で米国には銃管理をめぐる公正なルール作りを模索してきた伝統もある。銃規制団体「ブレイディ・センター」では、教育現場での所持禁止や、犯歴がある者などへの販売規制など、現行法の枠内での規制強化の取り組みを続けている。

最高裁判決は、銃規制自体は認めており、連邦裁で争われている訴訟では既存の規制法の大半が合法と判断されている。

オバマ氏もロムニー氏も、それぞれ上院議員時代、州知事時代に銃規制を訴えていた。全国に三億丁の銃が溢(あふ)れ、ネットで大量の銃弾が買える現状で相次ぐ惨劇を繰り返さないためにも、選挙の戦術的思惑を超えた大きな議論の復活を望みたい。
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[産経新聞] 玄葉外相訪露 「無策」ではつけ込まれる (2012/07/30)

玄葉光一郎外相はロシアでラブロフ外相、プーチン大統領と会談したが、北方領土問題で具体的進展はなかった。

メドベージェフ首相の国後島再訪強行への抗議も、ラブロフ外相に一蹴され、今後も要人訪問を「控えることはない」とはねつけられた。何のための訪露か、分からない結果となった。極めて遺憾だ。

国後島再訪を思いとどまらせる対抗策を見いだせなかったことが問題なのだ。野田佳彦政権はプーチン氏の大統領復帰により領土問題が進展するという幻想を排した上で、対露戦略の根本的練り直しと外交カードの再構築に全力を投じるべきだ。

国後再訪は、6月にメキシコで行われた野田首相とプーチン大統領の初の首脳会談のわずか半月後だった。このことも踏まえ、「外相訪露を見合わせるべきだ」という意見は野党からもあった。

にもかかわらず、野田政権は2010年のメドベージェフ氏の国後初訪問時のような駐露大使の呼び戻しもしなかった。無力さをさらけ出しただけではないか。

さらに見逃せないのは、ラブロフ氏が会談後の会見で、第二次世界大戦時の自国の犠牲や国連憲章などを引き合いにロシア流の「法と正義」を唱え、北方領土支配の正当化を図ったことだ。

だが、ソ連が有効な日ソ中立条約を破って対日参戦し、日本のポツダム宣言受諾後に北方四島を不法占拠したことは揺るぎない事実だ。歴史をねじ曲げた詭弁(きべん)に日本側は断固抗議すべきだった。

北方領土問題の「法と正義の原則」は、1993年に当時の細川護煕首相とエリツィン大統領が署名した「東京宣言」にある。「歴史的・法的事実に立脚」し、「諸文書及び法と正義の原則」を基礎に北方四島の帰属問題を解決するとうたった。プーチン政権はこの原則を誠実に実行すべきだ。

日露外相は首脳、外相、次官級の3レベルで領土問題を継続的に協議していくことで一致した。だが、これもロシアに真摯(しんし)な姿勢が欠け、日本に具体的戦略がなければ進展は望めない。

プーチン氏は9月に極東ウラジオストクで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)で野田首相との再会談に期待を示したが、会談イコール成果と考えがちな日本外交を正す意味でも、首相出席見合わせを真剣に検討すべきだ。
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[東京新聞] 山口県知事選 地域の選択 曲解するな (2012年7月30日)

山口県知事選で原発再稼働、オスプレイ搬入への反対を訴えた候補が敗れた。しかし、勝った新知事も賛成とは言えない状況にこそ注目すべきだ。地域の選択を政府の都合で曲解してはならない。

ここしばらく無風が続いた「自民党王国」山口県の知事選。今回も二井関成知事が後継指名し、自民、公明両党が推薦する元官僚、山本繁太郎氏が盤石とみられていたが、NPO法人所長、飯田哲也氏の立候補で一転して激しい選挙戦となった。

事実上の一騎打ちに敗れたとはいえ、飯田氏が選挙戦に一石を投じることになったのは、飯田氏が最近まで橋下徹大阪市長のブレーンを務めていたことに加え、脱原発の立場で「エネルギー維新」を訴えたからにほかならない。

山口県では中国電力上関原子力発電所(上関町)が建設途上にあり、東京電力福島第一原発事故の影響で工事が中断された。公有水面埋め立て免許は今年十月に失効するため、工事継続の可否は新知事の判断に委ねられている。

飯田氏が勝利すれば原発建設計画は白紙撤回されていたに違いない。とはいえ、県民が山本氏に原発推進を委ねたわけではない。

飯田氏を警戒する山本氏は「3・11以降、脱原発依存は当たり前、上関原発建設計画は凍結」と工事再開に含みを持たせながらも、計画推進を打ち出すことはなかった。加速する脱原発の流れには抗(あらが)えないということだろう。

選挙戦期間中に米海兵隊岩国基地(岩国市)に搬入され、十月に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に配備される垂直離着陸輸送機MV22オスプレイも同様だ。

開発中から事故が相次ぎ、飯田氏は「安全性が確認されない限り岩国に置いておくべきではない。撤去を政府に求める」、山本氏も「搬入は誠に遺憾。安全が確認されない限り飛行しないよう要請すべきだ」とそれぞれ訴えた。

原発やオスプレイをめぐる本格的な論戦を避けたのは、山本陣営による「争点隠し」の選挙戦術と言えなくもないが、原発推進やオスプレイ配備容認はそもそも選択肢になり得なかったということではないか。野田佳彦首相は原発再稼働やオスプレイ搬入に対する国民の厳しい世論を素直に受け止めるべきだ。

消費税増税で手を握った自公両党推薦の山本氏が勝利し、次期衆院選での躍進を警戒する「大阪維新の会」につながる飯田氏敗北に安堵(あんど)している場合ではない。
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[産経新聞] 明治天皇100年 「強い時代」から学びたい (2012/07/30)

今日30日は明治天皇が崩御されてちょうど100年にあたる。当然のことながら「明治」という時代が終わってからも100年となる。明治天皇の業績とともに、明治時代の意味についても考える機会としたい。

明治天皇の即位は、慶応3(1867)年だった。その年に「王政復古の大号令」が出されている。つまり天皇は、維新に始まった明治の国造りの歴史そのものを生きられたといっていい。

その国造りの理念は一貫して、当時の欧米列強の植民地主義に屈せず、独立を守る強い国とすることであった。そのために「富国強兵」策をとり、「教育勅語」などによって国民に挙国一致や愛国心を求めたのである。

これが実を結んだのが、明治37(1904)年に始まった日露戦争の勝利だった。

満州(現中国東北部)に軍を居座らせ、隣の朝鮮半島をもうかがおうとするロシアに対し、危機感を募らせた日本は、これに強く異議を申し立てた。ロシアがこれに応じないため、ついに開戦に踏み切り、苦しい戦いを経て勝利に結びつけた。

英国と同盟を結び、米国に講和の仲介を依頼した外交的な成果でもあった。だが何よりも、不退転の決意で戦いに臨んだ政府や軍、それに国民の団結心によるところが大きかったのである。

その「明治」が終わって100年後の今、日本が置かれている状況はあまり変わらない。ロシアの代わりに中国が東シナ海や南シナ海に覇権を伸ばそうとし、沖縄の尖閣諸島近辺の領海をしばしば侵している。ロシアも先の大戦末期、違法に奪った北方領土を返す意思をまったく見せていない。

これに対する日本政府の対応はもどかしく見える。野田佳彦首相は領土・領海で外国による不法行為があった場合、自衛隊も活用する考えを示した。

だがその一方で、東京都による尖閣購入を批判した丹羽宇一郎駐中国大使の更迭もせずにいる。

中国やロシアに対しては、憲法改正で軍を持つことを明確にし、日米同盟関係をさらに深化させて抑止力を強めることも必要だ。

だが最も肝心なのは、政治家も一般国民も、「自らの国は自らが守るのだ」という強い決意を持つことだ。「強い明治」の歴史からそのことを学ぶべきである。
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[日経新聞] 人材の処遇も育成も「世界標準」に (2012/7/30)

欧州危機や国際的な基準金利の不正操作問題で世界は混迷を深めている。苦境を乗り越え自ら前に進む力を日本は早く取り戻さなければならない。

政府は「日本再生戦略」を固めたが具体策に乏しい。国を強くするには「民」が力を発揮するしかない。成長するための事業や組織の新しいモデルを民自身でつくれるかが問われている。

日本型雇用では戦えぬ

創業から100年余りたつ日立製作所。「日本的経営」の代表例であるこの企業が迫られているのは、人材をすべて自前で育てる日本型雇用システムとの決別だ。

日立の家電部門は海外事業の拡大に伴い、現地法人経営などを担う「グローバル人材」が現在の約350人から2015年には約520人必要になると試算した。差し引き170人の海外事業要員を3年で育てるのは至難だ。外国人を含めた中途採用の拡大で補わざるを得ない。

新卒段階から長期にわたって社員を雇い、必要な技能や知識を備えた人材を自社で養成するのが日本型雇用だった。若手や中堅のときは賃金を抑え、その後厚くする年功制は、時間をかけて熟練の労働者を育てるのに役立った。長期雇用を通じて会社への帰属意識も高めることができた。

そうした日本型の雇用モデルでは、世界の企業と戦えなくなっていることを日立の例は示す。需要が増えるグローバル人材を賄うには「内製」では追いつかない。

賃金制度も年功色が濃くては、外部から戦力になる人材を獲得しにくい。成果に見合った報酬で優秀な人材を集める海外企業と比べ、競争力の差も開くばかりだ。

経済が安定して伸びたときに適していた日本型雇用システムを、グローバル化で環境変化の激しい時代に対応した仕組みへと、企業はつくり変える必要がある。

まずは年功制から成果・実力主義への改革を徹底すべきだ。一橋大学の川口大司准教授によれば、賃金制度は年功色が徐々に薄まってきたが、今も右肩上がりの賃金カーブが勤続30年ごろまで続く。社員の生産性に連動した形へ改める余地は大きい。

そのうえで国内外の製造販売や研究開発の拠点間を、日本人も外国人社員も柔軟に移れる仕組みが要る。どの仕事にはどれだけ報酬を出すかといった人事処遇の基準を、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などは1990年代から世界共通にしている。

日本企業も管理職を中心に、評価や処遇の基準を世界で統一する動きが出ている。海外企業では常識の人事制度の世界共通化を今後は一般の社員にも広げたい。

人材の養成方法も見直すときだ。日本企業は社内で経験を積ませて社員の知識の幅を広げ、専門性も高めてきた。だが世界の企業と戦うには外国の言語、文化や習慣などにも通じる必要がある。

韓国サムスン電子は若手を各国に送り込み、仕事はさせずに自由に活動させて「グローバル人材」を育てる。外国売上比率の9割という高さは人材養成が支える。アサヒビールも若手を海外に派遣し異文化体験をさせている。人づくりも世界を舞台にする時代だ。

規制改革で後押しを

そうした社員の生産性を高める企業の取り組みを政策面でも後押しすべきだ。ホワイトカラーが働きやすくするため、労働時間管理の規制は見直しの余地がある。

1日24時間を自由に使って成果をあげる働き方は海外では当たり前だ。だが日本では、出社や退社の時間が自由の裁量労働制が、事務系の場合は企画や調査などの業務に限られ使い勝手が悪い。対象をもっと広げてはどうか。

企業に戦力の人材が集まりやすくなるよう、人の移動を阻んでいる規制も改める必要がある。個人から手数料を取って企業へ橋渡しする民間の職業紹介事業は、移籍先での年収が一定以上であるなどの条件がある。人材サービス産業という「民」の力を生かすためにも規制改革が求められる。

労働時間管理の規制は長時間労働に歯止めをかけるためだ。人の移動の制限は労働力の取引をなるべく認めないとの考え方からきている。労働者保護のため、そうした精神は尊重する必要がある。

しかし社会や働き方は変化している。日本が成長するために、規制の見直しに柔軟であるべきだ。
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[毎日新聞] 社説:農業コンクール 先進例から未来描こう (2012年07月30日)

国内の優れた農業従事者が、その取り組みを発表する第61回全国農業コンクール全国大会(毎日新聞社、島根県主催)が、同県出雲市で開かれた。紹介された事例はどれも、農産物の生産という第1次産業の枠を超え、農業のもつ成長力や将来性を示す内容だった。

今回の「トップランナー」たちの成功例が、多くの農家に刺激や示唆を与え、国内農業の未来につながることを期待したい。

大会では、全国からの応募のうち、都道府県審査などを通った20の事例が発表された。

最優秀の毎日農業大賞を獲得した「やさか共同農場」は、同県浜田市の山あいにある。コメや大豆などの有機栽培とみそなどの食品製造を組み合わせ、ブランド化に成功した。通信販売などの販路も開拓し、年間2億円以上を売り上げる。

40年前に4人で始めた農場は法人化し、現在は35人が働く。農業研修生も受け入れ、若者の就農も支援している。

高齢化や後継者不足に悩む農業の再生は緊急の課題だ。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などの経済連携をにらみ、国際競争力の強化も図らなければならない。

政府が、昨秋まとめた農業を再生・強化するための基本方針は、第1次産業の農業に、第2次、第3次産業である製造・販売業を組み合わせた「6次産業化」の推進、営農規模の拡大、若い世代の参入促進を柱にしている。

「やさか」の取り組みは、そうした強化策を先取りした好例だ。山あいの過疎地、冬には降雪で農作業もままならない。そんな悪条件も、創意工夫で、乗り越えられることを実績で示した。

大会では、多くの発表者が6次産業化の取り組みに触れた。生産者が、民間企業とも連携しながら加工・製造、販売まで一貫して手がけることで、「安全・安心」といったメッセージを伝え、消費者の支持を獲得したケースが目立った。

こうした先進的な事例は、農業を成長産業に転換するための大きなヒントになるはずだ。

農水省は今秋、国と民間が共同出資するファンドを設立する。農家と民間企業が共同でつくる「6次産業化会社」に出資し、経営支援も手がけるという。こうした仕組みも上手に活用し、多くの成功事例が、後に続くことを望みたい。

来年の全国大会は、東日本大震災と、それに伴う原発事故に見舞われた福島県で開催される。復興への懸命な取り組みの中から、全国の農家に「元気」を与える優れた報告がもたらされることだろう。
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[毎日新聞] 社説:原発事故と福島 未来を考える原点だ (2012年07月30日)

東京電力福島第1原発事故から1年4カ月がたった。長引く避難生活で住民は疲弊するが、帰還への道のりはなお遠いのが現実だ。

除染は思うに任せず、避難区域の再編もなかなか進まない。いったん重大な原発事故が起きれば、広い地域が長期間にわたり、取り返しのつかない被害を受ける。原発依存を減らしていくためにも、その原点は直視すべきだ。

政府は今月、「福島復興再生基本方針」を閣議決定した。福島県の復興を国政の最重要課題としたうえで、長期の財源確保を明記したのは当然と言えよう。

放射性物質の除染を進め、追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に抑える長期目標も掲げた。

3万人以上の子供たちが、健康への懸念から避難生活を余儀なくされており、除染は喫緊の課題だ。だが、国の実証実験では放射線量が高い地域でそれほどの効果が得られていない。森林の除染に至っては、ほとんど手つかずの状況だ。

自治体によるゼネコンなどへの除染作業発注も本格化しつつある。地道な作業を続けるしかあるまい。

心配なのは、放射性廃棄物の仮置き場設置が進んでいないことだ。政府が双葉郡内への設置を要請した中間貯蔵施設の建設問題も協議されずに足踏みしている。地元の理解を得るのは容易ではないが、いつまでも先送りはできない。政府はリーダーシップを発揮してもらいたい。

原発事故によって避難した住民が適切な賠償を受け、生活再建への道を着実に歩み始めることは復興にとって欠かせないだろう。

政府は先日、地元自治体とも協議の上、原発事故による避難区域の不動産や家財の賠償基準を示した。

現在、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3区域に避難区域の再編が行われているが、事故から6年後までに避難指示が解除されなければ、自宅などの不動産は評価額の全額が賠償される。

家財の賠償など避難区域によって差はあるが、地元からはおおむね評価の声が聞かれる。まとまった額の賠償金がやっと示され、避難住民は、早期帰還を目指すのか別の土地で暮らすのかの決断も可能になる。

賠償問題がネックで進まなかった避難区域の再編も進む可能性が出てきた。東電は誠実、迅速に賠償金の支払いを進めるべきだ。

福島県は今、原発に依存しない社会を理念として掲げる。政府は基本方針で、同県に再生可能エネルギーの拠点を作る構想も掲げた。福島の意思を将来にわたって支えたい。
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[読売新聞] 電子書籍 活字文化の発展につなげたい(7月30日付・読売社説) (2012年7月30日)

この夏、電子書籍の普及を目指す市場の動きが活発化している。活字文化の一層の発展につながるよう、環境整備を図るべきだろう。

インターネット通販大手の楽天は、低価格の電子書籍端末の販売を始めた。業界最大手の米アマゾン社も、近く日本語で読める端末サービスで事業参入する。電子書籍の配信に本腰を入れる出版社も増えている。

ただし、携帯電話向けのコミックなどが電子書籍市場の多数を占めているのが実情だ。

普及が進まないのは、端末価格が高額な上、電子版で読める本の数が限られているためである。電子書籍の規格も統一されておらず、端末を買っても電子書籍がすべて読めるとは限らない。これでは読者層は広がるまい。

電子書籍端末の発売でブームが起きた2010年を電子書籍元年と呼ぶこともあったが、掛け声倒れに終わった感が否めない。

今春、大手出版社や官民合同ファンドなどの出資で「出版デジタル機構」が設立された。デジタル化が進まない中小出版社の書籍の電子化などを支援していく。電子書籍市場の拡大に一定の役割を果たすと見られている。

無論、本当の読書の楽しさは、紙の本でしか味わえないという人も多いだろう。だが、電子化が進めば、発行部数の少ない学術書や専門書の入手が容易になる。品切れになった本が電子版として復刊されるケースも相次いでいる。

最先端の電子書籍には、文中に書き込んだり、言葉を辞書で調べたりする機能が付いているものがある。ツイッターで感想を発信することも可能だ。新しい読者層が広がるに違いない。

電子化時代には、新たな課題も浮上している。

例えば、紙の本が許可なく複製され、ネット上に大量発信されると被害は甚大だ。しかし、本のレイアウトや編集を担う出版社は、著作権法上の権利が保障されておらず、権利侵害を訴えることができない。

そのために、出版社などに「著作隣接権」と呼ばれる権利を付与することが検討されている。

国会議員や有識者が組織した印刷文化の基盤整備を検討する勉強会は、著作隣接権の創設に向けた中間報告を発表した。この権利によって保護される対象には、電子出版用のデータの作成者も含めるべきだと提案している。

活字文化を守るため、議論を深めていく必要がある。
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