2011年11月30日

[産経新聞] 【主張】参院憲法審査会 震災後こそ非常時論じよ (2011.11.30)

東日本大震災で、国民の生命・財産を守る仕組みに不備があったことを、直視できない人たちがいる。

衆院に続いて28日に行われた参院憲法審査会の初の審査で、江田五月前法相が民主党を代表して「憲法改正自体は緊急の課題ではない」などと述べた。

衆院の初審査でも、同党の山花郁夫氏が、憲法論議よりも「震災に対する復興・復旧が最優先だ」という立場を表明した。

現行憲法は、衆院解散中に「国に緊急の必要」があるときは、参院の緊急集会を開催できるとしているだけだ。国家として緊急事態に対処する仕組みは極めて不十分である。

大震災や原発事故に菅直人前政権が適切に対応できず、「人災」を拡大した背景にも、非常時規定の不備があった。

さらに、当時の菅首相が震災発生後、直ちに安全保障会議や中央防災会議を開かず、災害対策基本法で定められている「災害緊急事態」の布告も見送るなど、現行法制にもある緊急事態規定を使わなかった問題も大きい。

復旧・復興に全力を挙げるのと同時に、不備を是正しておかなければ、また同じ失敗を繰り返すだけだ。どちらか一方を選択する問題ではない。

さすがに江田氏の発言に対し、被災地、福島県選出の増子輝彦氏が「大震災や福島第1原発事故は憲法論議の障害にならない」と異なる見解を表明し、他の民主党の委員も改正論を主張した。
posted by (-@∀@) at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】年金「減額」 ただちに本来水準に戻せ (2011.11.30)

現在支給されている年金額は、過去の特例措置によって、本来より2・5%高くなっている。政府・民主党はこの「特例水準」を3?5年かけて段階的に本来水準に戻す方針だという。

年金は物価変動に合わせて調整することになっている。ところが、平成11年から13年の物価下落時には、高齢者への影響に配慮して特例的に据え置かれた。払い過ぎの累計額は、すでに7兆円に上る。一方で、現役世代の保険料は上がり続けている。本来の水準に戻すのは当然のことである。

問題は、なぜ3?5年もの時間が必要なのかだ。その間、幅は縮まるが、年金の過払い状況は解消されない。これでは年金を受ける側と支える側の世代間の不公平感は広がるばかりだ。ただちに見直しを行うよう求めたい。

時間をかけるのは、民主党内に高齢者の反発を恐れた慎重論が強いためだ。しかし、過払いの是正は「減額」ではない。適正水準に戻すだけであることを丁寧に説明し、理解を求めることこそ政権与党の責務ではないのか。

団塊世代の年金受給が始まり、社会保障制度はこれから正念場を迎える。現役世代の保険料アップや、将来世代にツケを回すことになる国債発行には限界がある。高齢者も能力に応じて負担しなければ、制度自体が維持できない。
posted by (-@∀@) at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] エジプト議会選 聖も世俗も民主化へ (2011年11月30日)

中東の大国エジプトで人民議会選挙が始まった。ことし二月の民衆革命が勝ち取った成果だ。軍の不介入はもちろん、民主化という大目標に向かってイスラム組織も世俗派も力を合わせてほしい。

人民議会は下院に相当し定数五〇八。立法権をもち、国家政策や経済計画を承認する。

選挙の注目点は三つある。

一つ目は、軍が政治に介入しないことだ。今回の選挙で生まれる議会は新憲法の制定にかかわる役目を負う。公平と公正が何よりも必要だ。

選挙の直前、暫定統治中の軍政が軍事予算の聖域化やある種の拒否権を唱えたことは、国民に大きな失望と不信をもたらした。軍が国の経済活動に大きな部分を占めるとはいえ、利権・特権の温存はムバラク前政権を引きずることになる。カイロのタハリール広場に怒れる若者らが押し寄せたのも当然だった。軍には信頼をつなぎ留める努力を求めたい。

二つ目は、宗教勢力、世俗勢力という色分けや対立を超えた選挙であってほしいということ。国内最大の宗教勢力、イスラム原理主義組織のムスリム同胞団は、半世紀前のナセル革命の後、非合法化された。同胞団とナセルの権力闘争の果てだった。以降、同胞団は強大であるだけに徹底的に弾圧され、エジプトの社会構造は不自然な二重構造となっていた。

世論調査などからは、同胞団系の政党が議会第一党になるとみられている。過半数には届かず、ほかの世俗勢力の政党と連立を組むとの予測も出ている。他方、広場の若者グループには軍や同胞団への反発から選挙ボイコットを叫ぶ者もいる。それぞれに考えの差はあるにせよ、多くの民衆は今度の選挙の投票に初の“自由”を感じているという。過去の選挙は何も変えなかったのだから。

選挙を通じて、エジプト社会の実際の多様性が反映されることが大事なのだ。

三つ目は、私たちも考えたいことだ。人口八千万を擁するエジプトは今もアラブの盟主である。その国の民主化の行方と成否がこの地域の安定と繁栄に密接であることは疑いない。イスラムの政治参加は地域を不安定にするのでなく、イスラムを含む民主化こそが地域の安定と繁栄をもたらすと考えるべきである。中東和平もその中にある。

選挙は国内を三つに分け一月まで続く。この間にイスラムへの偏見が解かれていくことを願う。
posted by (-@∀@) at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 沖縄「犯す」発言 政府の本音が露呈した (2011年11月30日)

在日米軍基地の74%が集中する沖縄県。その基地負担軽減に汗を流すべき官僚になぜ、県民を蔑(さげす)むような発言ができるのだろう。配慮を欠くというよりも、それが政府の本音だからではないか。

その発言は二十八日夜、那覇市内の居酒屋で行われた記者団との懇談で飛び出した。発言の主は防衛省の田中聡沖縄防衛局長。

一川保夫防衛相が米軍普天間飛行場の代替施設として名護市辺野古に新しい基地を造るための環境影響評価書を年内に提出すると断言しない理由を聞かれ、「(女性を)犯す前に『これから犯しますよ』と言いますか」と発言した。

懇談には沖縄県政を担当する県内外九社の記者が出席。記事にしないオフレコが前提の発言だったが、地元紙の琉球新報が二十九日付朝刊一面トップで伝えた。

「公的立場の人物が人権感覚を著しく疑わせる蔑視発言をした。慎重に判断した結果、オフレコだったが、県民に知らせる公益性が勝ると考え報道した」(普久原均編集局次長)という。

発言の重大性を鑑みれば報道するのは当然だろう。まずは琉球新報の報道姿勢を支持する。

移設手続きを女性暴行に例えるのは女性蔑視にほかならない。

そればかりか、普天間飛行場の返還協議が一九九五年の米海兵隊員による少女暴行事件を契機に始まった経緯を承知していれば、女性暴行を例に引く発言などできるはずがない。更迭は当然だ。

もっとも、防衛官僚からそうした発言が飛び出すのは、人権感覚の欠如はもちろん、米軍基地は沖縄に押し付けて当然という政府の傲慢(ごうまん)な姿勢があるからだろう。

沖縄居座りを求める米政府の顔色をうかがい、沖縄県民とは向き合おうとしない。普天間の国外・県外移設を提起する努力もせず、辺野古への県内移設しか選択肢はないと強弁する。これではどこの政府かと言いたくもなる。

日本政府よりも米知日派の方が状況をより正確に認識している。

ナイ元米国防次官補は米紙への投稿で県内移設は沖縄県民には受け入れがたく、米海兵隊の豪州配備は「賢明」と記した。モチヅキ米ジョージ・ワシントン大教授らは米CNNへの寄稿で在沖縄海兵隊の米本土移転を提起した。

日米両政府は県内移設がもはや困難だと率直に認め合い、新たな解決策を探り始めてはどうか。それが日本政府には、沖縄県民の信頼を回復する唯一の道である。
posted by (-@∀@) at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:シリア大統領 権力手放す決断を (2011年11月30日)

・シリア軍の兵士は2歳の女の子を銃撃した。その子が将来、反政府デモに加わらないようにと。

・11歳の男児は3人の治安当局者に性的暴行を受け、15歳の男の子は父親の面前でレイプされた。

・民衆に当たらぬように銃を撃った兵士は治安当局に尋問され、電気ショックなどの拷問を受けた??。

国連人権理事会の独立調査団がまとめた報告書には、恐るべき証言が並ぶ。反政府運動に対するアサド政権の弾圧で11月初旬までに3500人以上が死亡、少なくとも256人の子供たちが殺されたという。調査団の聞き取りによれば、固く門扉を閉ざした独裁国家の内部に地獄のような光景が広がっている。

中東のシリアは日本にとってなじみの薄い国だ。日本とシリアのサッカーの試合が27日に東京で行われ、来年2月はシリアで開かれる。米国はシリアを「テロ支援国」と呼ぶ。一般に知られているのは、その程度かもしれない。だが、シリアとの縁はともかく、国連調査団が「人道に対する罪」とする弾圧を、日本は見過ごすわけにはいかない。

シリアに対してはアラブ連盟(22カ国・機構)が27日、経済制裁を科すことを決めた。シリア高官の渡航禁止、シリア中央銀行との取引停止、シリア資産の凍結などだ。アラブ連盟が加盟国に制裁を科すのは極めて異例である。「身内」もシリアをかばい切れなくなったのだろう。

国連安保理は10月、シリアの反体制デモ弾圧を非難する決議案を採決した。拒否権を持つロシアと中国の反対で否決されたが、その中露もシリアと距離を置きつつある。にもかかわらずシリア政府は、アラブ連盟による制裁を「経済戦争」の宣戦布告などと非難している。

だが、それは展望も成算もない絶望的な抵抗だろう。シリア軍から離反した兵士は数万人規模とも伝えられる。人権状況がさらに悪化したり内戦に発展したりすれば、これまで論外と思われた欧米の軍事介入も現実味を帯びよう。アサド大統領は、リビアのカダフィ大佐(故人)と同じような道をたどりかねない。

シリアが弾圧を否定するのなら、まずはアラブ連盟の監視団を受け入れて国内を見せればいい。「外国の陰謀」という主張には説得力がない。同じ中東のイエメンでは、サウジアラビアなどの仲介でサレハ大統領が権力の座を降りることを表明した。エジプトではムバラク政権崩壊後初の議会選が始まった。

「アラブの春」の中、アサド政権の古色蒼然(そうぜん)たる独裁は目に余る。どんな形であれアサド大統領は権力を手放すしかあるまい。遅まきながら、年貢の納め時である。
posted by (-@∀@) at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:沖縄防衛局長発言 言語道断の地元侮辱だ (2011年11月30日)

沖縄や女性を侮辱する発言が、責任ある防衛省の官僚から飛び出したことに、強い怒りを覚える。

沖縄防衛局の田中聡局長が、報道機関との懇談会で、米軍普天間飛行場の移設計画に基づく環境影響評価(アセスメント)の評価書の提出時期について、「犯す前に犯しますよと言いますか」と発言した。一川保夫防衛相が沖縄県に評価書を提出する時期を明言していないことに関連して語ったという。

評価書の提出は、飛行場の名護市辺野古への「県内移設」に向けた手続きだ。一方、沖縄は「県外移設」を求めて政府と対立している。発言は、沖縄が反対する県内移設に向けた措置を女性への性的暴行にたとえたものであり、言語道断の暴言だ。

一川防衛相が国会答弁や記者会見で沖縄側に陳謝し、田中局長を更迭したのは当然である。

沖縄防衛局は防衛省の地方組織の一つだが、政府の出先機関として沖縄の米軍基地問題を担当する同局には、とりわけ重要な役割がある。その責任者が「県内移設」推進を「暴行」と同列視したことは、「沖縄の同意を得て普天間移設を進める」という野田佳彦首相らの発言とは裏腹に、最後は沖縄の意向を無視して強行するというのが本音ではないか、沖縄をさげすむ気持ちが底にあるのではないか、との疑念を生む。そう受け取られても仕方ない。

普天間移設のきっかけは、1995年に沖縄で起きた米海兵隊員による少女暴行事件だった。那覇防衛施設局施設企画課長、大臣官房広報課長、地方協力企画課長などを歴任した田中局長はそれを熟知しているはずだ。この点からみても、「犯す」発言の無神経ぶりにはあきれる。

野田政権は、日米合意の履行を求める米政府の強い意向を受けて、来月下旬ごろには評価書提出に踏み切る予定だ。しかし、田中発言への沖縄の反発は強い。提出時期に影響する可能性もある。普天間移設はあくまで沖縄側の同意を前提に進めるよう改めて野田政権に求めたい。

今回の事態について、一川防衛相に監督責任があることは言うまでもない。政府は日米地位協定の運用見直しで沖縄との信頼回復に乗り出したばかりだ。陳謝だけで沖縄との関係が発言前に復するとは思えない。

その一川防衛相も就任早々、「安全保障は素人」発言で物議を醸し、最近も、ブータン国王夫妻を招いた宮中晩さん会を欠席して民主党参院議員の政治資金パーティーに出席、「私はこちらの方が大事だと思って参りました」とあいさつし、国会で謝罪した。野田政権発足からまもなく3カ月。閣僚も官僚も、政権運営に対する緊張感の欠如が目立つ。
posted by (-@∀@) at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 沖縄侮辱発言―アセス強行はあり得ぬ (2011年11月30日)

女性と沖縄を蔑視する暴言であり、断じて許せない。

沖縄防衛局の田中聡局長が、米軍普天間飛行場の移設問題に絡んで、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」という趣旨の発言をした。

沖縄の反対を無視して、名護市辺野古への移設を進めるための環境影響評価(アセスメント)の提出時期を明かさない政府の姿勢を、女性への性的暴行に例えたものだ。

那覇市の居酒屋で県内の報道関係者と懇談し、酒を飲んでいた。オフレコが前提でもあり、口が軽くなったのだろう。

地元紙が報じ、表面化した。朝日新聞は発言時は、その場にいなかったが、補強取材をして記事にした。私たちも、あってはならない暴言だと考える。

振り返れば、普天間移設のきっかけは、16年前の米海兵隊員による少女暴行事件だった。その後も米軍人による暴行事件は続いている。県民感情に少しでも寄り添える人物なら、こんな例え話をできるはずがない。

県民と向き合う責任者としては不適任極まりない。更迭は当然である。

野田政権は、沖縄の基地負担を軽減する具体策を少しずつ積み上げてきた。

米軍嘉手納基地での訓練の一部をグアムに移す。米軍属の公務中の犯罪を日本で裁判にかけられるよう、日米地位協定の運用を見直す、などだ。

いずれも不十分な内容だし、辺野古移設のための懐柔策という底意も否定できない。それでも、沖縄の信頼を取り戻したいという政府の心構えを示す効果はあったかもしれない。

そんな努力も水の泡だ。

仲井真弘多知事は「コメントもしたくない。口が汚れるから」と述べた。多くの県民が同じ思いだろう。

それにもかかわらず、政府は年内に、アセスメントの最終手続きに入る方針を変えないのだという。

沖縄県議会は今月、アセス提出の断念を求める意見書を全会一致で可決したばかりである。そこに、この暴言が重なったのだ。もはや、アセス手続きなど進むはずがないことは明らかではないか。

私たちは辺野古案はもう不可能であり、日米両政府は新たな策を探るべきだと繰り返し主張してきた。この騒動は辺野古案撤回への決定打に見える。

政府は、まず立ち止まるべきだ。何もなかったかのようにアセスを強行するなら、局長の暴言を追認したことになる。政府が過ちを重ねてはならない。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 二重ローン対策 利用しやすい制度に仕上げよ(11月30日付・読売社説) (2011年11月30日)

東日本大震災で被災した企業の多くが、震災前の借金を抱えて事業再建に苦しんでいる。

「二重ローン」の解消に動き出したのは前進だ。

自民、公明など野党が共同提案した「東日本大震災事業者再生支援機構法」が成立し、支援主体となる再生支援機構が来年3月にも業務を開始する。

津波に流された工場や店舗を再建したくても、もともとの借金があり、資金を借りられないケースが少なくない。地域経済復活の足かせにもなっている。

民主党が自公両党と折り合い、救済策をまとめた意義は大きい。政府は準備を加速させ、支援の開始を急いでもらいたい。

新たな対策では、国が設立する支援機構が、被災企業に融資した金融機関から、ローン債権を買い取る。機構は被災者の返済を最長15年猶予する仕組みだ。

旧ローンの返済凍結で、企業は新規融資を受けやすくなる。中小企業のほか、農林水産業者や医療法人なども対象とし、機構は運転資金のつなぎ融資など、幅広い手法で再建を支援する。

支援に使う約5000億円は、第4次補正予算案で手当てする方向だ。着実に編成・成立させることが重要である。

肝心なのは、使いやすい制度に仕上げ、多くの企業救済を実現させることだ。支援条件や債権買い取り価格の設定がカギとなる。

基準が厳格で買い取り価格が安すぎると、金融機関が債権譲渡に応じず、利用は進むまい。

逆に甘すぎると、将来返済が滞り、2次損失で国民負担が膨らみかねないジレンマがある。

事業再生の専門家らの知恵を生かし、実現性の高い再建計画を立てれば、買い取り価格は上がり、延滞も減るだろう。地元金融機関も再建に協力してほしい。

与野党協議が遅れたことから、政府は各県に官民出資の「産業復興機構」を作る、別の二重ローン対策を先行導入した。

岩手県では今月から業務を開始し、宮城、福島、茨城の3県は機構設立を準備中という。ほぼ同じ制度が併存することになる。

後発の支援機構は、復興機構による支援が難しいとされる零細業者や、農林漁業者などを中心に扱うとしている。

二段構えの支援体制に心強い面はあるが、買い取り価格の算定が「二重基準」になると、利用者を混乱させる恐れもある。

相談窓口の一本化など弊害防止策を講じるべきだ。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] 自動車課税 代替財源示さぬ廃止は拙速だ(11月30日付・読売社説) (2011年11月30日)

政府が12月上旬に決定する2012年度税制改正で、自動車課税が焦点となっている。

自動車業界は、税負担の重さが販売不振につながっているとして、取得税と重量税の撤廃を求め、民主党税制調査会も2税の廃止や抜本的見直しを政府に重点要望した。

これに対し、国や地方の大幅な税収減を警戒する財務省や総務省には反対論が根強い。

財源の確保、環境に優しいエコカーの普及などを総合的に判断する必要がある。拙速に廃止を決定することは避けるべきだろう。

取得税は、車の購入時に都道府県に納める地方税で、重量税は車体の重さに応じて車検時などに支払う国税だ。1年間の税収は合わせて約9000億円にのぼる。

最大の問題は、取得税と重量税の廃止で生じる税収不足の穴埋めについて、民主党が代替財源案を何も示していないことだ。

民主党は、2税を廃止すれば、自動車保有台数の多い地方の家計負担が軽減されると主張するが、税収の半分近くは市町村の財源に組み込まれている。むしろ、廃止によって財政に大きなしわ寄せを受けるのは地方である。

深刻な財政難の下、巨額の財源手当ても不透明なままに取得税と重量税の廃止を求める民主党の姿勢は無責任だ。自動車業界などの意向に配慮するだけの大衆迎合的な発想と言わざるを得ない。

国内の新車販売台数はピーク時に比べて半減しており、業界の危機感も理解できる。だが、市場低迷への対処として、2税廃止を求めるだけでいいのだろうか。

必要なのは、消費税率の引き上げを含む抜本的な税制改革の中で、自動車課税全体の将来像を検討していくことだ。

取得税と重量税は、もともと高度成長期の道路整備に活用された財源だった。09年度に道路特定財源が廃止され、課税の必要性が薄れたとの指摘がある。

車の購入時には取得税、消費税などがかかり、その後は重量税と自動車税を定期的に支払うことになる。こうした複雑な課税を簡素化することも必要だろう。

環境性能に優れた車への買い替えを促すような仕組みにすることも欠かせない。政府が09年度から実施しているエコカー減税は、ハイブリッド車などの普及を加速させ、減税対象車が乗用車販売の8割に達したのは大きな実績だ。

12年度改正ではまず、来年4月末で期限切れとなるエコカー減税の延長を検討してはどうか。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 京都議定書―潰すだけでは無責任だ (2011年11月30日)

日本政府が、京都議定書の延長に加わらない方針を正式に決めた。南アフリカで気候変動枠組み条約の締約国会議(COP17)が始まったが、日本の「延長不参加」によって京都議定書は形骸化しかねない。

京都議定書は97年に京都で開かれたCOP3で採択された。経済活動に直結する温室効果ガスを、世界が協力して削減しようという歴史的な環境協定だ。

議定書の最大の特徴で、最大の武器は削減を各国に義務づけたことだ。「削減の義務」という厳しさがなければ世界はここまで動かなかっただろう。

削減義務は、先進国だけに課された。歴史的に温室効果ガスを多く排出してきたためだ。何年か後に途上国が追随することを想定していた。

ところが、世界最大の排出国だった米国が議定書から離脱。オバマ政権は一時、途上国を含む新たな枠組みを模索したが、米国を抜いて排出量が最大となった中国をはじめとする途上国は「先進国がもっと削減すべきだ」と主張し、対立が解けないままCOP17を迎えた。

今の議定書には第1期(08〜12年)の削減目標しか決まっていない。13年以降の第2期をどうするかについて、先進国で延長に応じる構えをみせているのは欧州連合(EU)だけだ。

日本は「中国と米国という主要排出国に規制がかからない第2期の設定に反対する」との立場を早くから表明していた。

世界的な経済危機などで温暖化対策の優先順位が下がってしまった。各国が自分の言い分をばらばらに主張するだけで、前へ進めようという国際協調の機運もない。

京都議定書は世界を変えてきた。地球温暖化という言葉と概念だけでなく、それが世界の共通の危機であることを広めた。

ハイブリッド車などの省エネ技術、風力や太陽光発電といった自然エネルギーの技術開発の方向性を示し、こうした分野を新しい成長分野に押し上げた裏にも議定書の存在があった。

日本政府は議定書ではなく、「全ての主要国が入る実効的な規制の枠組み」をつくろうと主張している。確かに、米中が入らないままでは効果が上がらないし、公平さを欠く。

国際社会にはいま新たな制度をつくる雰囲気はないが、日本はこれまで以上に温室効果ガスの削減努力を続けるとともに、米中を取り込むための枠組みづくりに汗をかかなければならない。京都議定書を潰しただけでは温暖化への国際規制が何もなくなってしまう。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月29日

[産経新聞] 【主張】自転車と事故 加害者にならないために (2011.11.29)

大阪地裁は28日、自転車で安全確認をせずに国道を横断し、死者2人を出した交通事故を誘発したとして、重過失致死罪に問われた自転車の運転者に禁錮2年の実刑判決を言い渡した。

「歩道で加害者、車道で弱者」とされる自転車だが、車道でも十分に加害者になり得ることを再認識させられた。健康にも環境対策にも優れた自転車と共存するためには、何が必要か。

事故は、自転車を避けようとしたワゴン車がタンクローリーの前に割り込み、急ハンドルを切ったタンク車が歩道の2人を死亡させた。判決は、被告を「注意の欠如ははなはだしく、2人の生命を奪った結果は重大」と断じた。

背景にあるのは、規範意識の希薄さだった。道路交通法で自転車は「軽車両」と定義され、安全確認が義務づけられている。酒気帯びや携帯電話を操作しながらの運転も取り締まり対象だ。夜間の無灯火走行は5万円以下の罰金が科せられる。「自転車だから」の甘えは許されない。

警察庁は10月、自転車は車道走行の原則を守るよう、総合対策をまとめた。これまで通達で自転車が通行できた歩道の幅員についても、「2メートル以上」から「3メートル以上」に改めた。平成22年には、自転車が歩行者をはねる事故が全国で2760件に及んでおり、歩行者を保護するための措置だ。

わがもの顔で歩道を走る自転車にひやりとした経験は、一度ならずある。一方で、車道に下ろされた自転車は、猛スピードの車におびえ、違法駐車に行く手を遮られるなど、安心して走行できる環境にはない。

国土交通省と警察庁は20年、全国98カ所の自転車通行環境整備モデル地区を指定し、自転車レーンの設置などを進めている。自転車と共存できる都市づくりは急務だが、一朝一夕には完備しない。

道交法は「車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、やむを得ない場合」は歩道走行を認めている。歩行者の妨げにならないよう、徐行を心がければ、問題は起きない。当面は、ルールの周知と意識改革で克服できる問題なのだ。

好例がある。十数年前に駅のホームにあふれていたたばこの吸い殻は、周知の徹底とマナーへの意識変化でほぼなくなった。やればできるはずだ。
posted by (-@∀@) at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[産経新聞] 【主張】COP17開幕 枠組み離脱も含め交渉を (2011.11.29)

地球温暖化防止策について世界の国々が協議する国連の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が28日から南アフリカのダーバンで始まった。

最大の焦点は、現行の「京都議定書」の第1約束期間終了後の2013年からの新体制・ポスト京都をどうするかだ。

先進国でありながら京都議定書を離脱している米国や、途上国の一員として温室効果ガスの削減義務を負っていない中国やインドなど、すべての主要排出国が参加する新たな実効的枠組みの成立を期待したい。

だが、現実は極めて厳しい。昨年末のCOP16でもポスト京都の枠組み作りは不成功に終わっている。とりわけ日本は今回、苦境に立たされよう。このままでは13年以降に取り組みの空白期間が生じるとして、中国などが京都議定書の単純延長を強硬に主張しているからである。

世界に先駆けて省エネに取り組んできた日本は、他国に比べて削減余地が少ないにもかかわらず、6%もの高い削減義務を負うという不公平に甘んじている。

東日本大震災で原子力発電を二酸化炭素の削減に活用しにくくなっている日本にとって、13年以降もこうした義務を強要されるのは死活問題だ。達成できない部分は、海外から排出枠を購入するなどして埋め合わせなければならない。すでに官民合わせて8千億円の日本の国富が海外に流出しているとされる。

政府は、2大排出国である米中の入らない新枠組みには参加しない方針だが、会期中に外圧で腰砕けになってはならない。東日本大震災で日本は、大打撃を受けている。本来なら地震免責の適用を要請すべき状況である。

それでも京都議定書の単純延長論がまかり通るようなら、枠組み離脱を日本が宣言する事態となってもやむを得まい。日本には産業界の自主行動計画や、途上国への個別の技術支援を通じて削減を効率的に進める道がある。

地球温暖化防止交渉は、気候変動問題の本義を見失い、南北問題に逸脱しつつある。日本が毅然(きぜん)とした姿勢を示せば、世界が正気を取り戻す効果も生まれよう。

これまで世界は、日本があらゆる無理をのみ込んでくれると思ってきた節がある。地球環境も日本も今やそういう時期ではない。
posted by (-@∀@) at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 「大阪維新」圧勝 既成政党不信の帰結だ (2011年11月29日)

大阪でのダブル選挙に勝利した橋下徹前府知事率いる「大阪維新の会」。今年四月の統一地方選後も続く地域政党の好調さを見せつけた。底流にあるのは既成政党に対する有権者の根強い不信感だ。

圧勝と言っていい。「大阪都構想」を実現するために知事職をなげうって市長選に挑んだ橋下氏が思い描いた通りの結果だった。

地方選と国政とは直接関係ないとはいえ、二大政党の民主、自民両党が党本部レベルでは「不戦敗」を決め込み、地方組織に選挙戦を委ねた結果、惨敗したことの意味は大きい。

振り返ってみよう。

二〇〇九年の衆院選。民主党への政権交代は、国民のための政治を実現したいという有権者の思いが結実した結果だったが、それはあっさりと裏切られる。

特に東日本大震災以降、国民の眼前で繰り広げられたのは菅直人前首相の震災・原発対応の不手際と、脱原発を口実にした政権延命策。そして与党内の混乱と、国会での不毛な与野党対立だ。

首相が交代したかと思ったら、いつの間にか、消費税率引き上げが既定路線のように語られる。与党も野党も、政府を正すという本来の役目を果たし切れていない。

国民の命と暮らしを守るための政治が、逆に命と暮らしを危うくしている現実に、国会で除染の遅れを叱った児玉龍彦東大教授でなくとも「一体何をやっているのですか」と怒りたくもなる。

行き場を失った既成政党支持層や無党派層が維新の会に流れたのは、出口調査で明らかだ。

民主、自民両党が党本部レベルで不戦敗としたのは、次期衆院選をにらんで橋下氏との対立を決定的にしたくなかったからだろう。それは保身のための浅慮である。

政党は政策実現のための政治集団だ。もし目指す方向とは違う動きが出てくれば止めるのが本来の役割だ。それを放棄することが、既成政党不信をより深くしていることになぜ気付かないのか。

橋下氏は市職員給与の見直しや各種団体の補助金削減など市政の抜本改革に乗り出す。その政治手法には独裁的との批判もあるが、役人の壁に敢然と立ち向かう姿勢に有権者の期待は大きい。

それは地方政治だけでなく国政でも同様だろう。今回の選挙に限らず既成政党は、国民には既得権益の擁護者に映る。その根本を変えない限り、新党をつくったり政界を再編したりしても、国民のための政治を実現するのは難しい。
posted by (-@∀@) at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 民主ミャンマー 後戻りさせないように (2011年11月29日)

閉ざされた国の民主化への動きが正念場を迎えている。東南アジア諸国連合(ASEAN)が二〇一四年の議長国就任で合意したミャンマー。国際社会復帰へ、後戻りせぬ歩みを支えたい。

今月中旬のASEAN首脳会議で、ミャンマーは一四年の議長国就任を認められた。三月の民政移管後、軍政時代の有力指導者の影響力はなくなったという。政治犯の一部釈放など民主化への努力が認められたといえる。〇六年の予定だった議長国を辞退したミャンマーにとって独裁の汚名返上は大きな一歩だが、国際社会は民主化の動きが本物かどうか注視している。

カギは政治犯の全員釈放と政府と対立する少数民族組織との和解だ。十月の恩赦で釈放された政治犯は約二百人で、リーダー格を含む五百人以上がまだ獄につながれている。早く釈放すべきだ。

少数民族組織には、民主化進展で国際的非難が弱まれば自分たちの問題が置き去りにされるとの恐れがある。一九四七年にビルマ族代表のアウン・サン将軍と少数民族が連邦制国家として独立することで合意したパンロン協定は有名無実化している。政府は民族や宗教の違いを使った分断統治をやめ、ようやく始めた少数民族全体との和解交渉を加速してほしい。

クリントン米国務長官が三十日、国務長官として五十六年ぶりに訪問する。ミャンマー経済制裁の緩和と国際社会への受け入れに大きな弾みとなろう。だが、アジア太平洋へ軸足を移した米国の政策が、海上交通の要路にあり豊富な天然資源を持つミャンマーをめぐり、米中対立の火種にならぬよう見守る必要がある。

ASEANは一五年に人口六億人の「ASEAN共同体」創設を目指すが、参加国の経済格差や政治体制の違いが難問だ。内政不干渉がASEANの原則だが、平等で信頼できるパートナーとなるよう、ミャンマーの民主化を最も力強く後押ししてほしい。

民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チーさんが、近く実施の国会補欠選挙に出馬の意向だ。スー・チーさんが国政に参加し、国会の八割を軍関係者が占める政治体制の改革が進めば、国際社会は民主化が本物であると信じることができる。

日本政府は、政府開発援助(ODA)の本格的な再開に向けた協議をミャンマーで開いた。民主化の後押しに有効に活用できるような援助を考えていきたい。
posted by (-@∀@) at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:薬物犯罪と刑 治療との両立が不可欠 (2011年11月29日)

刑の一部を執行猶予とする制度を新たに設ける刑法改正案などが閣議決定され、今国会で審議中だ。

現状は「実刑」か「全期間の執行猶予」だが、新制度は一定期間の服役後、残り期間を社会内で過ごさせ更生を図る。刑務所に初めて入る人の他、覚醒剤など薬物使用者を特別に対象とする点が注目される。

昨年、刑務所に入った受刑者のうち、男性の2割強、女性の4割弱が覚せい剤取締法違反だった。しかも薬物犯罪は統計的に再犯率が高い。

薬物の乱用は、他の犯罪を引き起こす契機になり得る。また、暴力団の資金源になっており、反社会性が強いことは言うまでもない。

一方で、世界的には薬物犯罪について「刑罰から治療へ」という流れにある。薬物使用は薬物依存症という病気であり、塀の中に閉じ込めるよりも、社会の中で治療に当たらせるべきだとする考え方である。

法改正は、そうした流れと方向性が一致する。

5年前から全国の刑務所で薬物依存離脱指導が始まった。話し合いによるグループワークなども取り入れている。だが、社会に出れば再び薬物と接触できる機会が生まれる。最近はインターネットの薬物密売サイトなどの利用者も少なくない。

「一部執行猶予」ならば、猶予期間中保護観察が付き、依存症を克服するための治療を促される。回復や適切な治療につながれば有効な制度と評価できるだろう。

そのために克服すべき課題は多い。依存症の治療に当たる医療機関などの体制は十分ではない。現在、民間の自助グループ「ダルク」が全国約60カ所で依存症患者を受け入れ、回復のプログラムを組みながら、リハビリを行っている。

国はこうした民間の協力も得ていく方針とされる。だが、民間任せでなく、特に都市部では受け皿となる社会復帰施設も必要ではないか。

また、今回は「刑の執行」時の制度改革を目指すが、将来的には刑事手続き全体の中で薬物犯罪をどう位置づけるかの議論も必要だ。

米国では約20年前、ドラッグ・コートという裁判制度を作った。薬物犯罪を治療的な手続きに乗せて、裁判官が回復プログラムの受講などを監督し、無事終了すれば刑事手続きも終えるというものだ。日本でも治療を起訴猶予の条件とすることなどを含め、検討の余地がある。

今回、仮釈放中や保護観察付きの執行猶予判決を受けた人に、特別順守事項として、社会貢献活動を義務化する法改正案も併せて審議中だ。欧米など30カ国以上で採用されている。ボランティア文化の一つとして社会全体で受け入れを支えたい。
posted by (-@∀@) at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[毎日新聞] 社説:大都市制度 腰据えて政党も議論を (2011年11月29日)

大阪府知事、大阪市長ダブル選挙で大阪都構想を掲げる橋下徹前知事が率いる「大阪維新の会」が圧勝したことはひとつの地域に限定されず、日本の大都市制度のあり方を問いかけるものとなった。

政府の地方制度調査会は近く、大都市制度全般の検討に着手する予定だ。「維新の会」は国政選挙進出を視野に置くだけに、各政党も従来以上に踏み込んだ検討を迫られよう。政令市制度や首都・東京の将来像も含めた幅広い議論を求めたい。

大阪都構想は政令市の大阪、堺両市を特別自治区に分割・再編し、区長を公選して各区に中核市並みの権限を持たせるものだ。府と政令市の広域行政機能は「都」に一元化し、二重行政を排除することで整合した都市戦略を実行する狙いがある。

府と大阪市は15年春の都制移行に向け検討に入るが、最終的に法改正を必要とするなどハードルは高い。区が中核市並みの権限を持つための財源を都とどう配分するのか、関西全体の広域行政化の中での構想の位置づけなど、ていねいにビジョンを肉づけする必要がある。

大阪に限らず、大都市制度を政治が腰を据え論議する段階にあるのも事実だ。東日本大震災は東京にあらゆる機能が集中する危うさに改めて警告を発した。国際競争力を持った大都市が併存するために現行の体制がふさわしいか、さまざまな角度から検証すべきだ。

圧勝した橋下氏は「(府市の権限争いの)百年戦争に終止符を打ちたい」と息巻くが、府県と域内の大都市の権限争いは大阪に限らず戦前からあった。結局、東京は戦時下の43年に府県より強い権限を持つ都制に移行、東京市は廃止された。一方で他の大都市は戦後、事務配分の特例を認める政令市が制度化され、「東京都・政令市」という二重構造で争いはかろうじて封印されてきた。

だが、政令市は現在19に増え、神奈川県の場合、人口の6割以上を政令3市が占めている。大都市圏にある府や県の行政の領域は限定されつつあり、政令市長会は政令市を「特別自治市」として府県並みの権限を与えるよう求めている。

一方で急激な高齢化が進む中、巨大な政令市が住民に身近な行政を担う基礎自治体として機能し得るかも冷静に点検しなければならない。東京都の場合、特別区(23区)の財源や権限が大きく制約されていることの是非も問われよう。

大阪都問題をきっかけに大都市制度を考えることは結局、国全体の地方制度や首都・東京の将来ビジョンを描くことに連動する。府県と政令市の権限争いの殻を破った骨太な議論を中央政界も展開してほしい。
posted by (-@∀@) at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] エジプト情勢 公正な選挙が民主化の試金石(11月29日付・読売社説) (2011年11月29日)

エジプトで、ムバラク政権崩壊後、初の国政選挙となる人民議会(国会下院)選が始まった。

来年1月まで地方ごとに3回に分けて実施される。その後、上院選、大統領選が予定されている。

一連の選挙を着実に実施することが、軍による暫定統治から民政へと移行するために不可欠だ。中東・北アフリカの大国エジプトが民主化の道を歩むか否かは、地域全体に影響を及ぼそう。

人民議会選には、社会の混乱が影を落としている。11月に入り、軍統治の即時終結を求めるデモや集会が続き、治安部隊との衝突で40人以上の死者が出た。

新議会成立後に起草される新憲法について、軍が公然と注文をつけたことが背景にある。旧政権に引き続き、軍予算に国会の承認は不要とすることなどを求めたため、国民の反発が強まった。

軍が、大統領選の来年6月までの実施を約束せざるを得なくなったのも、これ以上、民意を無視できないとの判断からだろう。

軍を批判する若者らは、軍統治下での選挙自体に拒否感を示している。軍は、一連の選挙を公正に実施することで国民の理解を得て、その後の民主化に向けた改革に道筋をつける必要がある。

政治・社会の混乱は、観光収入の落ち込みや株価下落など経済に深刻な影響を与えている。選挙によって安定した政権を樹立することが急務である。

人民議会選では、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が設立した政党「自由公正党」が多数の議席を獲得し、世俗派諸政党がこれに続くと予想されている。

ムスリム同胞団は、ムバラク政権下では非合法だったが、慈善や医療などの活動で、国民の間に根を張ってきた。政変による自由化で、政党作りが可能になった。

自由公正党を柱とする政権が誕生した場合、イスラム主義を現実政治にどう反映させるのか。前政権下でイスラム勢力と敵対していた軍と“和解”はできるのか。難題は山積している。

「アラブの春」と呼ばれる変革で、独裁体制が次々と倒れ、それぞれの国が民主化への道を模索している。カダフィ体制が崩壊したリビアも、制憲議会選に向けて動き出した。

独裁者を倒した後は、いかに困難であれ、選挙を通じた民主化を進めていく以外にはない。

中東地域に民主化が根付くのか。エジプト人民議会選は一つの試金石となろう。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[読売新聞] COP17開幕 京都議定書の延長反対を貫け(11月29日付・読売社説) (2011年11月29日)

2012年に期限切れとなる京都議定書の後の枠組みをどうするか。

国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が28日、南アフリカで開幕した。

先進国のみに温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書は、欠陥の多い国際ルールだ。日本政府は議定書の延長に反対を貫く必要がある。

京都議定書の延長を主張する急先鋒(せんぽう)は、中国、インドなどの新興国だ。新興国にとり、削減を義務付けられていない京都議定書は、都合のいいルールだからだ。

だが、経済成長が著しい中国は世界一の排出国となっている。インドの排出量も3番目に多い。

先進国でも、中国に次ぐ排出量の米国は、経済への悪影響を懸念して議定書を離脱した。上位3か国が削減の対象外となっていることが最大の問題点と言えよう。

一方、削減義務を負う日本や欧州連合(EU)などの総排出量は世界全体の27%に過ぎない。京都議定書が、温暖化対策に実効性を欠いているのは明らかである。

世界全体の排出量を減らすには、中国、米国など、すべての主要排出国を対象にした新たな枠組みの構築が欠かせない。

しかし、新ルールの採択は、COP17では困難と見られている。中国、米国などが同調する見通しが立たない上、欧州の財政危機などで、各国が経済の立て直しを最優先課題にしているためだ。

生産活動が制約されかねない温室効果ガス削減に、各国は今まで以上に及び腰になっている。

日本は新たな枠組み作りを15年以降に先送りするよう主張する。13年以降は、各国が自主的削減に取り組む「移行期間」とする。

現実的な提案だろう。今後の協議で支持が広がるよう各国に強く働きかけねばならない。

政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、エネルギー政策の見直しを進めている。当面、火力発電に頼らざるを得ない状況が続く。

これに伴い、鳩山元首相が09年9月、唐突に打ち出した「20年までに1990年比で25%削減」という目標も当然、取り下げなくてはならない。原発の増設などを念頭に置いたものだったからだ。

この目標は、「すべての主要排出国による公平な枠組みの構築」などを前提条件としているが、現状では「25%削減」が独り歩きしかねない。

移行期間の中で、実現可能な目標を掲げ直すことが肝要だ。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読売新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 地球温暖化―国内対策の停滞を憂う (2011年11月29日)

南アフリカで気候変動枠組み条約の締結国会議(COP17)が始まった。京都議定書の今後を考える重要な時期に、日本の温暖化対策が後退している。

民主党は2年前、政権交代とともに、「2020年までに90年比で温室効果ガスの25%削減」という高い目標を掲げた。

当時の方針は、地球温暖化対策基本法を成立させて、「国内排出量取引」「環境税(温暖化対策税)」「自然エネルギー増加」の政策3点セットを導入することだった。

その熱意はすっかり冷めた。基本法案は2年近くたなざらしだ。排出量取引は早い段階で断念され、今秋に導入予定だった環境税も先送りされた。自然エネルギーの固定買い取り法だけが何とか成立した。

結局、日本にはいまだに温室効果ガスを着実に減らしていく骨太の仕組みがない。排出量は景気によって変動するだけだ。リーマン・ショックによって09年度は90年比で約4%減になったが、その後、また上昇傾向にある。このままでは京都議定書の「08〜12年平均で90年比6%減」の目標達成は微妙だ。

さらに最近では、電力会社が業界の自主削減目標の達成は難しいと言い始めた。

大きな原因は、原発の停止で火力発電が増えていることだ。電力業界の二酸化炭素の排出量は日本の約3割を占め、その削減は経団連の自主行動計画の柱である。ここが揺らぐと、日本の削減計画全体が揺らぐ。

温暖化をめぐる国際交渉の不調で、13年からの「議定書の第2期」設定は難しそうだ。このため政府や経済界には「あまり国内対策に力を入れなくてもいい」という雰囲気がある。

こんな考えでは、日本で蓄積してきた対策が無駄になる。温暖化への高い意識をもつ日本の国民の思いに背くだろう。

日本はできる対策を進め、議定書の目標を達成し、排出削減の努力を続けることだ。国内対策をきちんと進めなければ、日本が国際規制のあり方について何を言っても説得力はない。

日本で今後、原発が減るのは間違いない。短期的には火力発電の比重が高まるのは避けられないが、原発が減る中でも二酸化炭素を増やさない社会づくりをめざすべきだ。

この夏、効果が実証された節電に期待したい。強制ではなく料金体系の多様化などで無理なく実施できる仕組みが必要だ。

熱も供給できる高効率の天然ガス発電の拡大や、自然エネルギーの導入もスピードをあげなければいけない。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[朝日新聞] 橋下旋風―政党は「敗北」から学べ (2011年11月29日)

大阪ダブル選で、既成政党は完敗した。市長選では民主、自民の2大政党に、共産党まで支援に回った現職が負けた。

圧勝した大阪維新の会の橋下徹代表は、記者会見で「政党は政策も政治理念もないことを有権者に見抜かれていた」と切って捨てた。

大阪での政党の惨敗といえば、1995年の横山ノック知事当選がある。あのときは東京の青島幸男知事とともに、与野党相乗りへの批判票がタレント候補に雪崩を打った。

だが、今回は政党不信より、橋下氏への期待感が大きかったように見える。政党にとってはより深刻な事態といえる。

閉塞(へいそく)感の漂う、ふるさと大阪をいかに元気にするのか。各党には、橋下氏をしのぐ具体的なビジョンも政策もなく、政党が力負けした格好だ。

敵をつくり、「○か×か」で問う橋下氏の政治手法には、強引だとの批判がつきまとう。目玉の大阪都構想だけでなく、教員や公務員の規律を強める基本条例案も賛否が割れている。

政党側は橋下氏に、「独裁」だとの批判もぶつけた。

そんななか、投票率は近年にない高さを記録した。有権者を突き動かした理由には、いまの政治のありようへの強い不満もあったに違いない。

民主党も自民党も、有権者の歓心を買うような甘い公約を並べたてる。玉虫色の表現で、その場しのぎを重ね、ものごとを決めきれない。

こんな政治にへきえきした有権者が、良きにつけあしきにつけ、信念を掲げ、説得の前面に立つ橋下氏の指導力に賭けてみたいと思うのは、自然なことだったのではないか。

いわば大阪ダブル選は、力不足の既成政党による政治の迷走から抜け出したい有権者の意思表示だった。各党は「ひとつの地方選挙」「大阪の特殊事情」などと片づけてはいけない。

敗因をきちんと分析し、手を打たねばならない。政党政治の将来にもかかわることだ。

橋下氏は都構想の実現に向けて、近畿一円での国政進出も視野に入れる。この勢いなら、国会でのキャスチングボートを握る可能性もある。だから、みんなの党の渡辺喜美代表や国民新党の亀井静香代表が、橋下氏に連携を呼びかけている。今後も同じような動きが続くだろう。

しかし、各党は心しておくべきだ。政治理念や政策のすりあわせを後回しにして、橋下人気にあやかるかのような接近ならば、既成政党への失望をさらに深めるだけだ。
posted by (-@∀@) at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 朝日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする