2010年05月31日

[東京新聞] 社民政権離脱 政策不一致なら当然だ (2010年5月31日)

社民党が全国幹事長会議で連立政権からの離脱を正式決定した。米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり福島瑞穂党首が閣僚を罷免されたためで、国の基本政策が一致しない内閣からの離脱は当然だ。

連立離脱のきっかけは、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に「県内移設」させる方針を鳩山由紀夫首相が決めたことだ。福島氏は閣議での署名を拒み、首相は福島氏を罷免した。

「罷免は社民党切り捨て」とする党執行部は、幹事長会議で連立離脱を提案し、一部県連から慎重論が出たものの了承された。

「最低でも県外移設」という自らの公約を破った首相が、公約実現を求めた福島氏を罷免するのは筋違いだが、安全保障という重要政策での不一致が顕在化した以上、連立離脱はやむを得まい。

同時に、連立離脱しても、昨年の衆院選での公約実現に引き続き責任を負う立場に変わりはない。

特に社民党は、製造業への派遣を原則禁止する労働者派遣法改正案の成立を強く主張してきた。

重野安正幹事長は幹事長会議後の記者会見で「われわれは離脱するが、政党間の付き合いは粘り強く追求したい」と語った。

連立離脱しても、与党と協力すべきは協力し、政策実現に努めてほしい。大事なことは政党のメンツではなく、国民生活である。

社民党の連立離脱は、重要な問題も提起している。それは、連立する際、どこまで政策を一致させておくのかという問題である。

社民党は二〇〇六年に採択された党宣言で、自衛隊を「明らかに違憲状態」と指摘しており、鳩山内閣は安全保障政策の齟齬(そご)を内包していたと言える。

そのことが基地問題での閣僚罷免、連立離脱という混乱につながったことは否定できない。

七月十一日に投開票が予定される参院選では民主党の苦戦が予想されており、参院で与党が過半数を割れば、連立組み替えの事態も予想される。

その際、少なくとも安全保障や社会保障、税財政などの基本政策は一致させておくべきであり、できれば連立の可能性や枠組みも事前に示すのが望ましい。

選挙戦などで「○○党とは組まない」と発言しながら、選挙後に連立するようなことがあれば、国民を欺くことになるからだ。

連立はあくまでも政策実現が目的である。国会運営のための安易な数合わせであってはならない。
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[東京新聞] 日中韓首脳会談 中国は北朝鮮制止役に (2010年5月31日)

日中韓首脳会談で、韓国の哨戒艦沈没事件への対応に緊密な協議を続けると確認した。中国は南北双方への「中立」を守っているが、北朝鮮が強硬手段を取らないよう、影響力を行使すべきだ。

韓国済州島で開かれた会談は、中国首脳が沈没事件について初めて公式見解を示す場になった。

温家宝首相は会談後の共同会見で、「緊張を段階的に解消し、とりわけ(武力)衝突を避けねばならない」と述べた。「中国は積極的に対話する」と強調したが、沈没が北朝鮮魚雷の攻撃によるものと断定した韓国側の調査結果には言及せず、判断を再び留保した。

中韓二国間の会談では、李明博大統領は調査結果を詳しく説明し、北朝鮮の責任を追及するよう要請した。温首相は韓国側遺族に哀悼の意を表しながらも、「中国は誰も擁護しない」と強調して、今は沈没事件でどちらの立場も支持しない姿勢を明らかにした。

昨年、北朝鮮が核実験を強行した際は、中国は国連安保理の制裁決議に加わった。核実験は国際社会の誰もが支持できないからだ。

今回の哨戒艦沈没は、中国にとってもう少し事情が複雑だ。

北朝鮮は一貫して関与を否定している。中朝間には実効性が弱まっているとはいえ、軍事同盟が存在する。「六カ国協議」の議長国として、北朝鮮を協議に復帰させて核問題解決をリードすべき役割もある。

韓国は今週内にも事件を国連安保理に提起する構えだが、中国には、安保理での制裁論議が北朝鮮を追い詰め、かえって緊張が高まるのではないかという慎重論が根強いようだ。

北朝鮮経済は中国に大きく依存している。食糧や原油の支援がなければ、食生活も産業も立ちゆかない。

北朝鮮がこのまま強硬姿勢を続けるなら、中国は経済支援を中断するか大幅に削減して圧力をかけ、暴走しないための制止役を果たすよう望みたい。国際社会は中国の役割と責任を期待している。

鳩山由紀夫首相は首脳会談で、安保理提起を支持した。日本は北朝鮮船舶の貨物検査を強化する特別措置法を国会で成立させ、北朝鮮への送金規制を強めるなど、迅速に対応している。

六月二十五日は朝鮮戦争開戦から六十年になる。米韓両軍はこの前後に合同軍事演習を計画している。不測の事態を招かぬよう、韓国側の自制も引き続き求めたい。
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[産経新聞] 【主張】社民連立離脱 基本政策「抜き」のツケだ (2010.5.31)

鳩山政権を支えてきた民主、社民、国民新3党の連立体制が、昨年9月の発足から8カ月余で瓦解することになった。

社民党は米軍普天間飛行場の国内移設に反対した福島瑞穂党首が消費者・少子化担当相を罷免されたことを受け、連立離脱の方針を決めた。安全保障にかかわる重要政策で与党間の意見が食い違った以上、離脱は当たり前であり、むしろ鳩山由紀夫首相の方から連立解消を求めるべきだった。

首相と民主党の小沢一郎幹事長の「政治とカネ」をめぐる政治不信や、普天間問題をめぐる迷走と失政などから、鳩山政権はすでに国民の支持を失っている。ここで連立基盤の一角が崩れることのダメージは大きい。

政権を担当するにあたり、国の存立基盤である外交や安保など基本政策について十分議論せず、対立点を放置してきたツケが出てきたと言わざるを得ない。

福島氏を罷免した後も、首相は連立関係の維持に期待する考えを示していた。社民党内でも政権にとどまり、「辺野古」移設を含む日米合意に反対していくべきだとの意見があった。

だが福島氏は「私の罷免は社民党の切り捨て」として、連立離脱やむなしとの考えを表明した。同党の全国幹事長会議でも、執行部の離脱方針に賛成する地方組織が大勢を占めた。このため、辻元清美氏も国土交通副大臣を辞任することになった。

しかし、民主、社民両党の間では、連立を解消した後も、政策ごとの連携を模索する動きがある。昨年9月の政権発足時の3党合意の実現に今後も取り組むことにより、両党間の選挙協力を継続しようという狙いだが、そうした姿勢はおかしい。

「派遣切り」規制などを盛り込む労働者派遣法の改正は社民党が強く主張して、連立合意に入った。連立を離脱しても終盤国会で改正案の成立を図ろうとしているが、これには、厳しい派遣規制が逆に雇用不安をもたらす恐れがあるなど問題点が多い。

民主党は参院選での選挙協力の継続を求めるため社民党に配慮するようだが、安全保障を含めた基本政策を徹底して吟味することがなければ「選挙至上主義」の批判を招くだけだ。

国のありようをどうするかを合意して初めて、連立政権は成立することを忘れてはなるまい。
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[産経新聞] 【主張】日中韓首脳会談 中国の「曖昧」姿勢は残念 (2010.5.31)

韓国・済州島で行われた日中韓首脳会談では韓国哨戒艦沈没事件への対応が主要議題となった。急速に高まった朝鮮半島の軍事的緊張を緩和するため3カ国が協議を続ける方針が確認されたのは当然である。

しかし、韓国軍と米英豪など軍民の合同調査団が「北朝鮮の魚雷攻撃による」と結論づけた報告について、中国の温家宝首相はなお正否の判断を避けた。

北朝鮮にとって最大の支援国である中国の姿勢が依然不透明である。国連安保理による対北制裁決議に向けた具体的な進展がなかったのはきわめて残念だ。31日には東京で日中首脳会談が行われる。鳩山由紀夫首相が引き続き、温首相に働きかけるよう求めたい。

日中韓サミット後の共同記者会見で韓国の李明博大統領は事件への対応を国連安保理で協議する必要性を改めて表明し、鳩山首相は日中韓3カ国の緊密な連携を強調した。

これに対し、温首相は「緊張緩和」や「武力衝突回避」などの発言にとどまった。

日中韓に先立つソウルでの中韓首脳会談で、温首相は哨戒艦事件について客観的、公正に判断して中国の立場を決めるとし、「誰もかばうことはしない」と北朝鮮を無条件で擁護しない立場をにじませた。だが、日米など多くの国が「説得力がある」とした調査報告についての判断を先送りしていること自体が北朝鮮のさらなる暴挙につながるおそれもある。

韓国大統領府は中国に対し、事件の調査結果を詳細に検討するための専門家チームを韓国に派遣するよう提案した。中国はこれに応じるべきである。事件の対応を曖昧(あいまい)にしたままでは、問題解決は遠のくばかりだ。

済州島での日韓首脳会談で、李大統領は米軍普天間飛行場の移設問題に関する日米合意に言及し、「北東アジア情勢が予断を許さない中、(首相は)非常にいい決断をされた」と高く評価した。

韓国メディアによれば、北朝鮮はすでに朝鮮戦争の休戦協定に違反して非武装地帯(DMZ)内の北朝鮮側監視所に対空砲を設置するなど威嚇行動をとっている。韓国側が偶発的な軍事衝突に備えるのは当然だが、日本にとっても目の前の脅威と認識すべきだ。

「日本の(米軍)基地の果たす役割は非常に重要だ」と李大統領が指摘した意味は重い。
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[日経新聞] 社民党離脱を機に外交戦略を立て直せ (2010/5/31)

鳩山内閣の苦境はさらに深まったというべきだろう。社民党が30日に連立政権からの離脱を決めた。

米軍普天間基地の移設問題をめぐり党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相が罷免された経緯を考えれば、連立の解消は当然だ。民主党は国会運営や選挙対策を優先し、国の基本政策での意見の違いを直視してこなかった。これを機に外交や安全保障政策の立て直しを急ぐべきだ。

普天間の問題をめぐる連立政権の危機は、鳩山由紀夫首相が移設先の決着期限を「5月末」と区切った時点で予想されていた。そして今回、3党の連立体制が崩れた直接の原因は、首相の判断力や指導力の不足に負う部分が大きい。

首相は普天間の移設先について沖縄県などの関係者の期待をあおる形で「国外、最低でも県外」と繰り返した。日米関係に深刻な影響を与えた揚げ句、結局は自民党政権が決めた現行案をほぼ踏襲する方向となった。しかも地元の合意は以前よりかなり難しくなっている。

首相は日米合意への署名を拒んだ福島氏を28日に罷免し、事態の早期収拾に動いた。しかし野党だけでなく与党内からも「県外移設や5月末決着という約束を破った責任をとる必要があるのは、むしろ首相の方だ」という厳しい声が聞かれる。

与党運営の責任者でありながら、政権の混乱に有効な手を打ってこなかった民主党の小沢一郎幹事長の責任も重大である。民主党や社民党の一部には選挙での協力維持に期待する空気もあるが、ご都合主義との批判は免れないだろう。

民主党は社民党の連立離脱をきっかけに、外交・安保政策の再検討を急ぐべきだ。昨年の衆院選のマニフェスト(政権公約)では「自立した外交で世界に貢献」といった抽象的な表現が目立ち、具体的な対応にほとんど触れていない。

民主党内に幅広い意見があることや社民党との連立をにらんで表現をぼかした要素も大きい。政権を8カ月あまり担った経験を踏まえ、7月の参院選に向けて外交・安保戦略を明確にすべきである。

日本経済新聞社とテレビ東京が28?30日に共同実施した世論調査で鳩山内閣の支持率は22%となり、4月より2ポイント低下した。首相の政権担当能力への疑念が増している。

社民党が連立を抜けても参院での過半数は辛うじて維持されるが、内向きの発想のままで信頼を取り戻すのは容易ではない。何をするための政権なのかという原点に立ち戻った出直しが求められている。
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[毎日新聞] 社説:社民党連立離脱 政権の窮状は極まった (2010年5月31日)

政権は一層、窮地に立たされた。米軍普天間飛行場を沖縄県辺野古周辺に移設する政府方針に反対したため福島瑞穂党首が閣僚を罷免された社民党が鳩山内閣からの離脱を決め、3党連立は崩壊した。

沖縄基地問題という党の看板とも言える政策で鳩山由紀夫首相に党首がクビを切られたのだから、政権からの離脱は至極当然だ。日米合意を受け毎日新聞が実施した世論調査では首相が責任を取り退陣すべきだと答えた人は6割近くに達しており、迷走への国民の怒りは強い。このまま参院選に突入するか、内閣は重大な局面を迎えた。

福島党首の閣僚罷免劇まで、社民党には連立残留を求める声が強かった。それでも離脱に踏み切ったのは「私を罷免することは社民党を切り捨てることだ」との論理にそれなりに筋が通っていたためだ。基本政策がここまで食い違った以上、同じ政権に居続けることなど到底、許される状況ではなかった。

一方で、党首を罷免しながら連立維持への期待を表明し続けた首相の感覚を疑ってしまう。社民党が政権を離脱しながら参院選の選挙協力については民主党と協議を継続しようというのも不可解だ。これでは社民党のけじめも問われよう。

衆院選の民主党圧勝を受け発足した鳩山内閣だが、安全保障、予算の規模、郵政改革などこれまで社民、国民新両党の主張に振り回される印象を与えた。基本政策のすり合わせが不十分なまま連立を組み、参院の多数確保や参院選の選挙協力を重視したひずみが出た。

終盤国会にしても民主党は国民新党が強く求める郵政改革法案の会期内成立に固執し、衆院委員会の審議わずか1日で採決を強行する愚挙に踏み切った。国民新党との協力に伴う郵政票の行方ばかりが頭にあるとみられても仕方あるまい。

「最低でも県外」といったん言いながら地元の頭越しに辺野古周辺への移設を決めた首相への国民の評価は厳しい。世論調査で退陣を求める人が過半数を占めただけでなく、内閣支持率20%は衆院選直前の麻生内閣に近い低水準だ。琉球新報と合同で実施した沖縄県民に対する世論調査では辺野古移設に賛成する人は6%、内閣支持率は8%に過ぎない。一連の迷走が首相の資質への疑問を急速に深めている事態を重く受け止めなければならない。

民主党内には、このままでは参院選は乗り切れないとの危機感から、首相の退陣を求める声がここにきて公然と出始めている。首相自らが招いた事態だが、すべてが「選挙目当て」の原理で動く党の状況も一方で深刻である。
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[毎日新聞] 社説:哨戒艦沈没事件 日本は中国説得強めよ (2010年5月31日)

韓国哨戒艦の沈没事件への対応を話し合った日中韓首脳会談は、日本・韓国と中国の間の温度差を残しながらも3カ国が緊密に連携していくことを確認した。中国の温家宝首相と今日会談する鳩山由紀夫首相には中国が国際社会と歩調を合わせるよう働きかけを強めてもらいたい。

沈没事件の原因については多国籍合同調査団が「北朝鮮製魚雷による水中爆発」と断定し、韓国の李明博(イミョンバク)大統領は国連安全保障理事会に提起して国際社会とともに北朝鮮の責任を問うと明言している。これに対し、北朝鮮は韓国側の発表を「捏造(ねつぞう)」「謀略」と非難し、日中韓首脳会談に合わせ平壌で大規模集会を開くなど反発を強めている。

しかし、合同調査団の調査結果と北朝鮮側の反論を比べれば、説得力がどちらにあるかは火を見るより明らかだろう。国際社会でも韓国を支持する国は増えている。北朝鮮への圧力強化に慎重だったロシアも最近、専門家チームの派遣を決定したという。

韓国側の説明によると、首脳会談で温首相は合同調査団の調査結果に対する直接的な評価と判断は避けながら「中国は責任ある国家だ。合同調査団の調査結果と各国の反応を注視する」「朝鮮半島の平和と安定を破壊するどんな行動にも反対し糾弾する」と述べたという。国際社会との協調に配意する姿勢を示したものとして注目したい。

鳩山首相はいち早く「韓国が国連安保理に決議を求めるなら日本として先頭を切って走るべきだ」と韓国支持の立場を表明しているが、首脳会談でも「国際社会全体で韓国を支持していくことが大切だ」と改めて強調した。中国に協力を促すうえで日韓の結束は不可欠だ。今後も米国を加えた3カ国連携を強めていく必要がある。

また、鳩山首相は「合同調査団の調査と科学的な物証を通じ、北朝鮮の魚雷攻撃で哨戒艦が沈没させられたことが明確になった」とも述べ、北朝鮮に対する日本の追加制裁措置に言及した。

先週決定した追加制裁は北朝鮮への送金や持ち出し金の規制強化が柱だが、以前から実施している輸出入禁止や船舶入港禁止などの措置と合わせても効果は限定的だ。韓国も開城工業団地と人道支援を除く南北間の交流・交易の中断を発表したが、北朝鮮に効果的な圧力をかけるにはやはり中国の協力が欠かせない。

韓国側の発表によると、3首脳は朝鮮半島の非核化の重要性を指摘し6カ国協議を通じた共同努力を続けることも確認した。しかし、沈没事件の責任をあいまいにしたままではその努力が実を結ぶはずはない。
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[日経新聞] 中国は北への圧力の決断を (2010/5/31)

韓国哨戒艦の沈没をめぐり朝鮮半島が緊迫するなかで、28日から30日にかけて日中韓や中韓の首脳会談が開かれた。北朝鮮による関与が証明されたらかばうつもりはないが、そこまで至っていない以上、制裁には慎重であるべきだ――。一連の会談で中国が示した立場は、このようなものだった。

日韓は先の調査報告を受け、沈没は北朝鮮による魚雷攻撃が原因と断定し、制裁の強化を決めている。

30日の共同記者会見などでは、李明博(イ・ミョンバク)大統領が国連安全保障理事会にこの問題を提起する考えを改めて示し、鳩山由紀夫首相も連携を確認した。

煮え切らないのが、中国の態度だ。同国の温家宝首相は「武力衝突の回避」に向けて各国と連携すると約束したものの、「緊張緩和」の必要性も説いてみせた。北朝鮮への制裁にはなお慎重なのだろう。

いくら日米韓が制裁に動いても、北朝鮮の最大の援助国である中国が足並みをそろえなければ、効果は薄い。中国は安保理で拒否権を持つ常任理事国でもある。

北朝鮮の体制が崩れれば、国境を接する自国にも混乱の火の粉が降りかかりかねない。中国はこう懸念している。だが、北朝鮮の暴走をこのまま許せば、朝鮮半島はいつまでたっても安定しない。

朝鮮半島で深刻な危機が起きれば、アジアの成長に水を差し、中国の経済建設にも影を落とす。そんな事態を避けるためには、圧力をもって北朝鮮に自制を求めるしかない。

温首相は28日の中韓首脳会談で、北朝鮮による攻撃であることが証明されたら「庇護(ひご)しない」と語ったという。しかし、北朝鮮の関与はなお「灰色」にすぎないという立場から踏み出すものではない。

北朝鮮の関与を結論づけた韓国軍の調査には、米国やオーストラリアなどの専門家も参加した。現場海域では物的な証拠も見つかった。中国がこれでも制裁をためらうようでは、国際社会から理解を得られまい。

日中韓は向こう10年間の経済や環境分野の協力をうたった「日中韓ビジョン2020」も採択した。経済協力を深めるためにも、その土台となる安全保障面の結束が試される。
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[読売新聞] 社民党離脱 連立崩壊を招いた首相不決断(5月31日付・読売社説) (2010年5月31日)

「水と油」のように相いれない外交・安全保障政策を持つ政党同士が、連立政権を続けてきたこと自体に、致命的な問題があったと言えよう。

社民党が、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる福島党首の閣僚罷免を踏まえて、鳩山政権から離脱する方針を決定した。ただ、夏の参院選で民主党との選挙協力を行う可能性はあり得るという。

国の安全保障問題で政府方針に反対し、閣議での署名を拒否した以上、鳩山首相による福島氏罷免は納得できる。一方で、社民党の政権離脱も当然だろう。

問題なのは、首相が、国会運営や選挙協力の観点から社民党との連立維持を優先し、普天間問題などで妥協を重ねてきたことだ。

鳩山政権が今後、選挙目当てで社民党の協力を得るため政策面ですり寄れば、再び同じ過ちを犯しかねない。むしろ参院選後の政界再編や、政策ごとに与野党が連携する「部分連合」を視野に入れて行動すべきではないか。

社民党は2006年の社民党宣言で、「違憲状態にある自衛隊は縮小を図る」「日米安保条約は平和友好条約に転換させる」方針を掲げた。普天間問題でも、米国が到底同意できない国外移設や決着先送りを主張し、現実的な問題解決の努力をしなかった。

鳩山首相は昨年末、政権離脱をちらつかせた社民党に屈して、現行計画での決着を決断できず、問題を一層迷走させた。

仮に首相が社民党の離脱を甘受し、問題を決着させておけば、米国や沖縄との関係を壊し、国益を損ねることはなかったろう。

その後、普天間問題に膨大な政治的エネルギーを費やす必要もなく、同盟深化の作業など、他の外交・内政案件にもっと真剣に取り組む態勢がとれたはずだ。

連立政権では政党間の妥協が付き物だが、重要な基本政策の不一致を黙認してきたツケが今回、一気に噴き出したと言える。

読売新聞の緊急世論調査で、鳩山内閣の支持率は19%に続落し、首相は退陣すべきだとの回答が6割近くにも上った。参院比例選の投票先では、政権交代後初めて民主党が自民党を下回った。

普天間問題を決着できず、「国民との約束」を破りながら、責任をとらない鳩山首相に対する国民の評価はかつてなく厳しい。

民主党内では、ようやく首相批判の声が出始めた。国民の冷たい視線は、何ら自浄能力を発揮しない民主党にも向けられていることをきちんと自覚すべきだろう。
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[読売新聞] 日中韓首脳会談 「北」包囲網に中国も協力を(5月31日付・読売社説) (2010年5月31日)

北朝鮮の軍事的挑発を抑えるには、国際社会が結束して、圧力を強める必要がある。

それには、貿易やエネルギー・食糧供給の面で事実上、北朝鮮の命綱を握る中国の協力が欠かせない。

韓国・済州島で日本、中国、韓国3か国の首脳会談が開かれ、経済連携や人的交流、環境・科学技術協力などの推進を確認した。

そのための常設事務局の設置も決めた。世界の国内総生産(GDP)の約16%を占める3か国の連携強化は、東アジア全体の経済発展に役立つに違いない。

だが、それも地域の平和が保たれていることが前提となる。3か国の首脳が、北朝鮮の魚雷攻撃による韓国哨戒艦沈没事件を重大に受け止め、緊密に連携していくことを確認したのは当然だ。

韓国は、この問題を国連安全保障理事会に提起する方針で、鳩山首相は、韓国を全面的に支援する意向を表明した。

中国の態度はあいまいで、温家宝首相は共同記者会見でも「適切に対処し、次第に緊張を緩和し、特に武力衝突を避けなければならない」と述べるにとどまった。

しかし、事件への関与を全面的に否定し、「全面戦争」の可能性にまで言及して緊張を高めているのは北朝鮮である。

一方で、沈没事件をめぐる韓国の調査は、豪州、スウェーデンなど第三国の専門家も入ってまとめたものだ。日米以外にも韓国を支持する国が増えているのは、調査結果が客観的で、説得力があるからだろう。

温首相は、日中韓の会談に先立つ中韓首脳会談では「中国は誰も擁護しない」と強調した。ただ、中国が中立を標(ひょう)榜(ぼう)し続ければ、北朝鮮をかばっていると受け止められかねない。

6月4日には各国の防衛担当閣僚が集まるアジア安全保障会議がシンガポールで開かれ、韓国支持の国際世論を形成する重要な機会となる。そうした外交努力を積み重ね、中国も巻き込んだ北朝鮮包囲網を築くべきである。

鳩山首相は、日本独自の北朝鮮への制裁として、送金規制などを強化したことを説明した。

日本はすでに北朝鮮との貿易を停止しており、追加制裁の効果は限定的だが、韓国が独自制裁を発動し、米国も対北朝鮮政策を見直している。日米韓が制裁強化で足並みをそろえることは、安保理の議論にもプラスに働くだろう。

今後も、日米韓の連携をいっそう図ることが大切だ。
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[朝日新聞] 日中韓―「北」に高をくくらせるな (2010年5月31日)

韓国が「断固たる措置をとる」と言えば、北朝鮮は「全面戦争で応える」とやり返す。韓国艦の撃沈を受け、おどろおどろしい言葉が飛び交う。

北朝鮮を自制させ、新たな軍事衝突に発展させないためには、どのような協調態勢を築くべきか。関係国に問われているのは、そのことだ。

日本と中国、韓国の定例首脳会議が韓国で開かれた。記者会見で、李明博大統領はこの問題について「引き続き協議し、適切に対処することで一致した」と語った。

日中韓が具体策を打ち出せたわけではないが、中国がわずかだが変化を見せたことは注目される。温家宝首相が李大統領との会談で、「中国政府は(南北朝鮮の)だれもかばうことはしない」と言明し、「あらゆる破壊行為に反対し非難する」と述べた。

中立の立場を強調し、関係各国に冷静さを求める姿勢に変わりはない。だが慎重な言い回しながら、無条件で北朝鮮を擁護するわけではないということも国際社会に示そうとしたようだ。であれば、その批判を北朝鮮に直接突きつけ、圧力をかけてもらいたい。

この間、北朝鮮の反応は激しくなるばかりだ。韓国政府とのすべての関係を断ち切ると宣言し、不可侵の合意も全面破棄するとした。

こうした状況の打開に果たす中国の役割の大きさは、改めて指摘するまでもない。食糧や燃料の供給国として北朝鮮の生命線を握っているのだから。

韓国政府は早ければ今週にも、撃沈問題を国連安全保障理事会に提起したい考えだ。日本と米国は全面的な支持を表明している。

常任理事国の中で、中国とロシアは今のところ北朝鮮批判に慎重だ。しかし、北朝鮮はそれを見越して国際社会はあまり動けまいと高をくくっているふしもある。北朝鮮を刺激したくないという思惑ばかり先行してしまっては、かえって朝鮮半島の平和と安定には役立たない。中ロともそれはわかっているはずだ。根本的解決には国際的連携を優先させるべきだ。

日本は事件を受け、北朝鮮への送金の規制をより厳しくするなど、独自の制裁をさらに強めた。北朝鮮に出入りする船舶を調査できるようにする貨物検査特別措置法も先週、成立した。

鳩山由紀夫首相は東京に温首相を迎えてきょう会談する。そこでも北朝鮮問題が主要な議題の一つになる。

安保理で韓国艦問題が論議される場合に備え、非常任理事国の日本は国際社会の一致した姿勢を示すべく、中国に協調を強く促すべきだ。

3カ国首脳会議の冒頭、鳩山首相は犠牲者への黙祷(もくとう)を唐突に提案し、中韓の首脳を面食らわせたようだ。より重要なのは、パフォーマンスより、関係国の連携を深める外交力である。
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[朝日新聞] 社民連立離脱―多様な協力の形を探る (2010年5月31日)

当然の選択である。

社民党が、民主、国民新両党との連立政権からの離脱を決めた。米海兵隊普天間飛行場の移設問題で、党首の福島瑞穂・消費者担当相が閣議決定への署名を拒み、罷免されたためだ。

社民党と同様、鳩山由紀夫首相も「最低でも県外」への移設をめざすと明言していた。「言葉に責任を持つ政治をやりたい」との福島氏の言葉を、首相はかみしめるべきである。

安全保障、基地問題や憲法問題は、社民党の理念政策の核心をなすテーマだ。社会党当時の村山富市委員長が、首相になったとたん、自衛隊合憲、日米安保堅持へと路線転換したことが、今日へと続く党勢退潮に拍車をかけた。そのトラウマは深い。

3党連立合意は大きく10項目、細かくは34項目あり、安保はその一つに過ぎない。しかし、それが「譲れない一線」であるなら決断もやむをえない。

閣内を去るとはいえ、安保以外の政策合意では今後も鳩山政権と協議し、その実行に努めていくことも決めた。参院選に向けた選挙協力も、ご破算にはしない。「古い政治に戻したくないという多数の国民の意思」を踏まえたという。賢明な選択と評価したい。

連立か、対決か。そんな二者択一の発想に政党間協力のあり方が縛られる必要はない。多様な連携の形がありうることは過去の経験からも明らかだ。

1997年の社民党の運動方針は、時の橋本龍太郎自民党政権に対して「閣外協力の与党」というスタンスを掲げた。閣僚を送り込む「政権連合」ではなく、政策面で協力する道を探る「政策連合」という考え方である。

自公連立は政策合意による政権連合ではあったが、組織票を融通しあう「選挙連合」の側面が際だった。

様々な政党間協力の形の中で、政策ごとに話し合い、接点を求め、必要なら法案を修正していくという作法に、日本の政党政治はいまだ習熟していない。社民党の選択は、新たなルール形成の契機となるだろうか。

発想の転換を求められているのは、むしろ民主党の側である。

郵政改革法案をはじめ、民主党の国会運営はいかにも乱暴だ。数にものを言わせて採決を強行するばかりでは、政党間の政策協議どころではない。

社民離脱で参院での与党議席は過半数ぎりぎりになった。逆風が予想される夏の参院選で過半数を割り込めば、なりふり構わぬ多数派工作がまたぞろ展開されるのかも知れない。

衆参両院の議席の「ねじれ」が、「大連立」騒ぎに象徴される無原則な政権づくりへの先祖返りをもたらすなら、民主主義の前進はない。

透明で正当な政党間協力のルールをつくる。それができれば、政権の姿も、国会の姿も変わるはずである。
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2010年05月30日

[産経新聞] 【主張】郵政採決強行 暴挙と言わざるを得ない (2010.5.30)

こんな暴挙を許してはならない。与党が衆院総務委員会で郵政法案の採決を強行したことだ。

与党は野党の了解を得ずに審議日程を決定し、実質審議をわずか1日、約6時間で切り上げた。小泉純一郎内閣が提出した郵政民営化法案の衆院審議に約110時間を要したことを考えると今回はあまりに短く、不十分だ。

採決を急ぐ理由について、民主党の山岡賢次国会対策委員長は「決められた期間の中で、国民生活に直接かかわるものから優先して実現を図らなければならない」と説明しているが、国民生活にかかわると認識しているのであれば慎重な審議が必要だ。

郵政法案の成立は国民新党が強く求めてきた。これに呼応して民主党の小沢一郎幹事長は全国郵便局長会の総会で今国会での成立を約束した。日本郵政グループ労働組合(JP労組)の期待も大きい。与党内には、参院選でこれらの郵政票をあてにする声が強いが、党利党略で採決を急いだのであれば本末転倒だ。

「6月16日の会期末まで時間がない」というなら、会期延長を図って審議時間を確保すればいい話だ。これだけの重要法案を、なぜもっと早く審議入りしなかったのかとの疑問も残る。

国会運営もさることながら、この法案はそもそも成立させること自体に疑義がある。

郵貯と簡保への政府の関与を残し、「暗黙の政府保証」の下で預金や保険の受け入れ限度額を約2倍に引き上げる。これでは巨大郵貯がさらに肥大化することにつながりかねず、民業を圧迫して金融システムを歪(ゆが)める懸念が強い。民営化を通じて郵貯・簡保を縮小し、資金の流れを「官から民に変える」という郵政改革の本来の目的から大きく逆行する中身だ。

政権内では郵貯マネーを原資に「国家ファンド」をつくって橋や道路などインフラ整備の資金に充てる構想も閣僚らから示されている。かつて郵貯マネーが財政投融資計画を通じて特殊法人に流れ、無駄な事業の温床になったことを想起させる内容だ。こうした構想も出ている以上、十分な審議がないのはなおさら問題だ。

与党は週明けにも衆院本会議を通過させる構えをみせている。問題点だらけの法案が疑問点をなにも解決されぬまま成立しては、将来に禍根を残す。野党・自民党は存在意義が問われている。
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[東京新聞] 週のはじめに考える 芯なき国会のぶざま (2010年5月30日)

迷走する行政府に立法府も右へ倣えでは救いがありません。あと半月ほどの残り会期、せめて民にそっぽ向かれぬ論戦を。最終盤の国会へ喝、です。

歴史的な政権交代もあって、国会議事堂への参観が結構な人気を集めているそうです。

そう聞いて都内の大学生幾人かとツアーを試みました。なるほど定番の修学旅行生に加えて、中高年のおじさん、おばさんたちもひっきりなし。参観ルートは入り口から渋滞するほどでした。

応対する国会職員の側も手慣れたもので、受け付け、手荷物検査…と流れるように。マニュアル化しているというか、機械的で。


◆民を疎んじては
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多数の参観者と機械的なシステム。悪い予感は当たりました。

先導役はひたすら行列が乱れないようにするのに懸命で、口を開けば「すみません、立ち止まらずに、前へ進んで、前へ」。

説明らしい説明もなく、あっても行列後方に声は届かない。パンフを手に参観者は黙々と歩く。正味三十分ほどのツアーでした。

時節柄、国会職員も増やせない事情がありましょうから、ここであえて責めはいたしません。ですが、形だけの参観システムは、やはり問題でしょう。

主権者国民の共有の財産である国会が、参観する国民を疎んじるようでは話になりません。事務局はじめ関係機関の皆さんに善後策をぜひ、とお願いしておきます。

そこで本題。国権の最高機関であり、言論の府としての国会は機能を果たしているか。国民を疎んじていないか、という話です。

取材現場や国会事務局のスタッフたちから、厳しい指摘をさんざん聞かされました。

「今国会はひどい。旧政権、自民党時代の方がまだまし」と。

鳩山民主党政権の国会運営そのものが指弾されているのです。


◆政治主導どこに
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六月十六日の会期末が近づいてきます。重要法案を抱える鳩山政権与党ですが、会期延長はしないらしい。国会を閉じれば同二十四日公示、七月十一日投票の線で参院選日程が動きだします。

このスケジュールが固まったのはつい最近のことです。与党民主党は眠りから覚めたように、にわかに強引な動きに出ています。

例えば、与党の一角、国民新党が主導した郵政改革法案。小沢一郎民主党幹事長のひと声で、まともな委員会審議もないまま、週明け早々の衆院通過へ猛然です。暴走といっていいでしょう。

郵政労使への気配り、参院選集票戦略の一環、との指摘は、けっして的外れでありません。

国会前半を顧みれば、野党自民党の非力もあって鳩山新政権の予算成立はスムーズでした。前後して与党は鳴りをひそめます。

垂れ込める「政治とカネ」「普天間」問題の重い雲のもと、政権の迷走が続くうちに、重要法案が数珠つなぎで滞りました。

その結果、民主党政権の旗印であるはずの政治主導確立法案も、地域主権改革関連の法案も、先送り観測が定着してきています。

「指示待ち症候群だ」と国会事務局スタッフが嘆きます。省庁から出向の官僚もその中にいて、無駄に流れる時間に気をもむ彼らに与党の議員は「政治主導だ。口を出すな」と言ったそうです。

そうはいっても自分たちだけでは法案処理の優先順位もつけられず動けない。結局は最高実力者、小沢氏の「天の声」待ちなのでした。

そして審議日程が窮屈になっての採決の強行。これでは言論の府と呼ぶのもおこがましい。芯がなく、国民ないがしろのぶざまな国会、と批判されても仕方ないでしょう。

最終盤へきての攻防戦のなか、ようやく野党の陣営も足並みがそろってきました。

そうでないと困ります。国会を国民に近づけるのは野党の責務でもあります。政府・与党の横暴を見過ごしてはなりません。

微妙な物言いに終始しがちな公明党の山口那津男代表が「民意の集約、政策形成機能を軽視している」と、口先ばかりの政治主導を批判しています。

自民党の谷垣禎一総裁も「これではわが国の議会制民主主義が崩壊してしまう」と。

政権与党だった当時、同じせりふを野党民主党から聞いたのを思い出します。決戦の参院選へ思惑が先に立つ時期でもあります。


◆選挙至上を脱せ
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でもここは与野党の双方に「選挙至上主義」を脱するよう促します。残る半月の会期を不毛な抗争でつぶしてほしくないのです。

社民党党首の閣僚罷免にも及んだ政権迷走で衆目を集める米軍基地問題こそ、充実審議でみんなの関心に応えよと、主張します。

そして小沢氏には、自身の問題に決着をつけて選挙指揮を、と。
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[産経新聞] 【主張】対北制裁 より強固な国際包囲網を (2010.5.30)

韓国哨戒艦沈没事件を受け、政府は北朝鮮に対する日本独自の追加制裁を決める一方、懸案の貨物検査法が成立した。

追加制裁は、金融機関を通じた北への送金の報告義務を上限1千万円超から300万円超に引き下げるなどの内容だ。

日本はすでに、北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験、拉致問題に対し、対北全面禁輸などの経済制裁を発動している。残された制裁の余地は少ないが、北に断固たる姿勢を示すためにも追加制裁は必要な措置だ。

貨物検査法は、北の核実験(昨年5月)に対する国連安保理の制裁決議を実行するための根拠法である。昨年の国会に2度提出されながら、廃案・継続審議となり、今回ようやく成立した。

これにより、海上保安庁の巡視船が北朝鮮関連船舶を検査し、拒まれた場合、近くの日本国内の港へ誘導することが可能になる。

ただ、成立した貨物検査法は前政権下の法案にあった海上自衛隊の活動が削除されている。連立与党の社民党に配慮した結果だ。より実効あるものにするため、海保だけでなく海自の活動も盛り込む法改正が今後の課題である。

今回の事件で鳩山由紀夫首相は5月20日の「北の魚雷攻撃による」とする韓国側の発表を受け、「日本が先頭に立って努力したい」と述べた。24日、李明博大統領が「軍事挑発に報復も辞さない」とする国民向け談話を発表した後、鳩山首相も直ちに安全保障会議を開き、追加制裁や貨物検査法成立などの方針を確認した。

普天間問題や口蹄(こうてい)疫の問題などで対応の遅れが指摘される鳩山政権としては、素早い反応のようにみえるが、緊迫する朝鮮半島情勢を考えれば、当然の対応だ。

韓国は大統領談話とともに、米韓合同対潜水艦訓練、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に基づく海上封鎖訓練の準備などの対北措置を発表した。オバマ米大統領も、米韓両軍の協調を柱とする声明を発表し、金融制裁の強化やテロ支援国への再指定などを検討する方針を示した。

中国は対北制裁に慎重な姿勢だが、28日の中韓首脳会談で温家宝首相は、客観的、公平に判断して中国の立場を決めるとし、北朝鮮を無条件に擁護しない方針を示唆した。29日始まった日中韓首脳会談で、中国も対北制裁包囲網に足並みをそろえるよう、日韓両国が粘り強く説得すべきだ。
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[日経新聞] 大切なのは核軍縮の行動だ (2010/5/30)

オバマ米大統領が「核兵器なき世界」を唱え、国際社会が結束して核廃絶に取り組んでいこうという機運も追い風になったのだろう。

ニューヨークの国連本部で1カ月近くにわたって開いた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、核軍縮の推進、核不拡散の枠組み強化などを盛り込んだ最終文書を全会一致で採択し、閉幕した。

世界の核不拡散体制の礎となっているNPTの再検討会議は、5年ごとに開かれる。前回2005年の会議は、核保有国と非核保有国の対立から、合意文書はおろか議長声明も出せずに決裂して終わった。

今回も決裂すれば、NPT体制そのものが崩壊の瀬戸際に立たされかねなかった。10年ぶりに最終文書が採択されたことを歓迎したい。

核の脅威削減への行動計画を盛り込んだ最終文書は、米ロ英仏中の5つの核保有国が、核軍縮の成果を14年の再検討会議準備委員会に報告するとした。中東の非核化実現に向けては、12年に国際会議を開くことになった。事実上の核保有国とされるイスラエルを念頭に置いたものだ。

北朝鮮についても、NPTからの脱退を宣言して06年と09年に核実験を強行したことを非難し、NPTへの早期復帰や非核化を求めた。北朝鮮の行動は地域の安定を損ねるだけでなく、NPT体制への重大な挑戦だ。強い非難は当然である。

最終文書は全会一致を優先したため、内容が後退した面も否めない。核保有国による核軍縮の行程表などは、土壇場で削除された。だが核保有国はこれに甘んじてはいけない。最終文書の趣旨を尊重し、一層の核軍縮や核戦力の役割低下に努めていく必要がある。

非核保有国の不満を抑え、NPT体制を強固にしていくためにも、重要なのは具体的な行動である。世界の核兵器の9割以上を保有する米ロは、さらなる核軍縮を進めるべきである。核軍拡を続ける中国も例外ではない。中国には核兵器の保有状況の公表も求めたい。

唯一の被爆国である日本の役割も重要だ。中国の核軍縮、北朝鮮の非核化を促すのはもちろん、インドやパキスタンのNPT加盟へ粘り強い外交交渉を続けていくべきだろう。
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[日経新聞] 市場安定と金融規制で協調の再確認を (2010/5/30)

欧州発の金融混乱がさらに増幅するのか、それとも当局による協調行為で収拾の道を探れるのか。分かれ道に差し掛かるなか、今週末に韓国・釜山で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。

主要国、新興国双方から当局者が集まるだけに、協調体制を再構築する好機だ。欧州の財政・金融危機や世界的な金融規制の問題に、明確なメッセージを示す必要がある。

ギリシャに端を発した混乱を放置すると、リーマン・ショック後の世界金融危機を繰り返しかねない。そんな危機感が当局に浸透してきた。24?25日に北京で開いた米中戦略・経済対話は、欧州金融危機の広がりを防止する協調行動で合意した。

米中対話に出席したガイトナー米財務長官は26?27日に英独を訪問。オズボーン英財務相には「欧州は金融安定策を打ち出したが、行動こそ重要だ」と伝え、もたつきがちな欧州に迅速な対応を促した。

ショイブレ独財務相に対しては「金融規制が景気回復を阻害しないよう注意する必要がある」と警告した。ドイツが単独で債券や株式の空売り禁止措置を打ち出し、金融市場の疑心暗鬼を招いたことを念頭に置いたものだ。英独へのガイトナー氏の助言はいずれも適切といえる。

欧州は当面の市場混乱の収束に向けた決意を示す必要がある。欧州連合(EU)が創設した総額7500億ユーロ(約84兆円)の金融安定基金を含め、対応策は整いつつある。それでも動揺が収まらないのは、ドイツなどが支援に伴う財政負担を嫌っていると見られているからだ。不信をぬぐう迅速な行動が欠かせない。

金融規制の強化も大きな課題になっているが、各国・地域の単独措置が目立つ。英国などは銀行への特別課税を、EUは銀行の清算に必要な基金の創設を提案している。米上院はデリバティブ(金融派生商品)業務の銀行からの分離をうたった金融規制改革法案を可決した。

危機の再発防止という狙いがあるにせよ、各国バラバラに金融規制を打ち出すことは、余分な不確実性を増す結果となる。G20財務相会合では、グローバルに整合性がとれ、景気の足を引っ張らない金融規制を話し合う必要がある。

日本にとっても世界的な金融動乱は、企業業績や景気に影響を及ぼしかねないだけに人ごとではない。釜山の会合では、開催国である韓国や米国、中国などと緊密な連絡を取り合って、市場の安定を図り、望ましい規制のあり方について働きかけを強めていくべきだ。
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[毎日新聞] 社説:論調観測 「普天間移設」政府方針 首相の資質を強く断罪 (2010年5月30日)

米軍普天間飛行場の移設問題が大きく展開した。政府は28日、日米共同声明を出し、「辺野古」を明記した対処方針を閣議決定した。併せて鳩山由紀夫首相は、署名に応じなかった社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相を罷免した。

この問題を巡り、読売、産経、日経は従来、現行案の「辺野古」回帰を主張してきた。一方、毎日、東京、朝日は、国外、県外移設を含めた沖縄の負担軽減に力点を置いてきた。

ただし、この8カ月間迷走を続けた首相の政治責任は重いという認識では各紙一致する。

29日付社説は、首相の資質と進退がテーマとなった。

毎日は「首相が政治の最高責任者の座に就き続けることに大きな疑念を抱かざるを得ない」と強い懸念を表明した。見出しで「この首相に託せるのか」と問い、来る参院選では首相の資質も問われるとした。

責められるべきは公約を実現できなかった首相であり、福島氏罷免は筋違いだ。東京はそう述べ、やはり国民が参院選で意思を示すほかないとする。

読売は「首相は、その資質に深刻な疑問符が付いている」、日経は「罪万死に値する失政である。首相としての資質そのものが疑われるという深刻な事態を招いている」と、首相の資質に関する言葉は激しい。ただし、両紙は進退には触れない。

進退をめぐり主張が好対照だったのが朝日と産経だ。産経は、国益を損なう「愚かな首相」は、一刻も早く退陣すべきだと主張した。尖閣諸島の領有権をめぐる首相発言も批判する。

一方、朝日は「首相は歩み続けるしかない」と背中を押した。朝日も「首相の信用は地に落ち、その統治能力には巨大な疑問符がついた」と指摘しながら、旧時代の「政局」的視点から首相の進退を論じるのは惰性的な発想だとするのだ。結論として、政権の態勢を根本から立て直せと言う。だが、その方策は抽象的で具体性に乏しい。

最後に地元紙の主張を紹介する。沖縄タイムスは、沖縄をもてあそんだ首相の政治責任は極めて重いとして、退陣を求めた。琉球新報は「非は沖縄切り捨てた側に」として、民意無視の合意はいずれ破綻(はたん)すると予測し、国外移設を軸に、実現性のある移設策を探る方が賢明だと訴えた。徳之島のある鹿児島の南日本新聞も民意無視に「強い憤りを覚える」と表明する。

首相の「辺野古」回帰表明翌日の沖縄タイムスの社説見出しは「怒怒怒怒怒…」。心に刺さる。【論説委員・伊藤正志】
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[毎日新聞] 社説:「核拡散防止」会議 合意の着実な実践を (2010年5月30日)

10年ぶりの最終合意である。核兵器の拡散やテロの脅威から人類を守るにはどうすればいいか。約190カ国の代表がニューヨークの国連本部に集まって3日から始まったマラソン協議は「核兵器なき世界」を目標に掲げ、中東非核化会議の開催など数々の行動計画を盛り込んだ最終文書を採択した。5年ごとに開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議は今回、確かな成果を上げて閉幕したといえよう。

とくに評価したいのは、最終文書が北朝鮮の核に厳しい態度を示したことだ。決裂状態で終わった前回05年の再検討会議後、北朝鮮は2度の核実験を実施してNPT体制を揺るがした。最終文書が北朝鮮の核実験を強く非難し、核兵器の全面廃棄を求めたうえで、北朝鮮を核保有国とは認めないことを再確認したのは、極めて重要かつ有益な判断である。

中東非核化への具体策で合意したことも歓迎したい。中東では核兵器保有が確実視されるイスラエルと、核兵器を持たないアラブ・イスラム諸国の対立が続いている。12年に開かれる国際会議には中東のすべての国が参加し、非核地帯の創設をめざすという。95年採択の「中東決議」に基づくものでイスラエルの核兵器を念頭に置くのは明らかだ。

オバマ米大統領は、非核地帯創設には中東包括和平が必要としてイスラエルだけを批判することに反対しているが、米国が常とする無条件のイスラエル擁護は逆効果になりかねない。イスラエルの核兵器保有を「公然の秘密」のまま放置すれば、対立するアラブ・イスラム諸国が核兵器技術の取得に傾くことは避けられまい。核をめぐる中東の危険な風土は、この辺で変える必要がある。

米英仏露中の5カ国に核兵器保有を認めたNPTは一種の不平等条約であり、「持つ国」が「持たざる国」に配慮しないとNPT体制は維持できまい。米露は再検討会議前に新核軍縮条約に調印したが、5カ国全体の核軍縮への努力は十分とはいえない。今回、核軍縮に具体的な期限を定める提案が葬り去られ、14年の再検討会議準備会合で核削減状況などを報告する程度にとどまったのは残念である。

最終文書には、核開発をめぐって国連の追加制裁に直面するイランをことさら刺激する文言は見られない。2回連続の決裂を避けるべく米国などが遠慮したのだろうか。その意味で最終文書は「妥協の産物」ともいえようが、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期批准や兵器用核分裂性物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉開始などは重要な合意である。「核なき世界」という遠大な目標に向かって、一歩一歩、合意の着実な実行が必要だ。
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[朝日新聞] NPT会議―核廃絶へ手札が増えた (2010年5月30日)

「核のない世界」への道のりは長い。だが、破滅と背中合わせの核戦略に依存する現在の世界はあまりにリスクが大きい。目標は遠くても、核に頼らない安全保障へと、さまざまな政策手段を動員しながら一歩ずつ進んでいくしかない。

国連本部で開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議は、64項目の行動計画を含む最終文書を全会一致で採択した。核兵器国と非核国の利害対立で交渉は難航したが、決裂した前回会議(2005年)の二の舞いは何とか回避した。文書は妥協の産物ではあるが、盛り込まれた数々の政策手段を最大限に生かしていくことが緊要だ。

たとえば、14年の再検討会議準備会合で核軍縮の動向を報告し、15年の再検討会議でその後の対応を考えることになった。

核廃絶への行程表を盛り込みたい。そうした多くの非核国の意向は実らなかったが、再検討会議が核軍縮を点検する機能を強めたことは大きな得点だ。NPTはそもそも、核不拡散をめざすだけでなく、核廃絶に向けた成果を積み重ねていかないと成り立たない。核兵器国はその重い現実を直視しなければならない。

これまでの核軍縮交渉は米ロが中心だった。今後は、英仏中が加わった多国間協議を模索していく必要がある。5カ国間では、核兵器の数だけでなく、米国が圧倒的優位に立つ通常戦力、ミサイル防衛なども課題になるだろう。いきなり政府間の協議が困難なら、専門家による政策対話をすぐにでも始めるなど、14年に向けて動き出してもらいたい。

最終文書は、NGOなどが求めた「核兵器禁止条約」構想に初めて言及した。日豪主導の国際賢人会議も昨年末、25年までに世界の核の総数を2千発以下まで減らし、核兵器禁止条約の準備も進めるべきだと提言している。

条約締結の時期が見通せているわけではないし、条約作りへの条件整備にも時間がかかることだろう。それでも、核廃絶を目指す限り、それを確たるものにする包括的な国際法が、やがて必要になる。世界の知恵を結集して、具体的準備を急ぎたい。

核実験した北朝鮮、インド、パキスタン。核開発疑惑の続くイラン、事実上の核保有国であるイスラエル。これらの国が核に手を出した背景には、根深い地域対立がある。地域問題での信頼醸成、和平・軍備管理交渉などを進めなければ、核危機が遠のかないのも現実だ。核に頼らない安全保障は、核保有国間の軍縮だけでなく、地域対立の行方にも大きく左右される。

核廃絶を強調する日本は、核保有国への働きかけに加え、もっと積極的に地域対立を緩和する外交手腕に磨きをかける必要がある。
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