2009年01月31日

[東京新聞] 『渡り』禁止 やはり政令撤回が筋だ (2009年1月31日)

官僚OBが天下りを繰り返す「渡り」あっせんの禁止を麻生太郎首相が表明した。ただし、あっせんを認める政令はそのままというのでは世間の理解は得られない。撤回でけじめをつけよ。

官僚OBが公益法人や民間企業への再就職を繰り返し、そのたびに高額な報酬や退職金を受けるのが渡りだ。経済危機が庶民の雇用を直撃している折でもある。「役人天国」の代名詞ともいえる特権を放置していいはずがないのは論をまたないだろう。

一昨年に成立した改正国家公務員法では、三年の移行期間で、省庁ごとに行っていた天下りのあっせんを「官民人材交流センター」に一元化し、渡りのあっせんは禁止することを定めていた。にもかかわらず、「必要不可欠な場合」は首相の承認で渡りを可能とする政令が昨年末に閣議決定された。これが今回の騒動の発端だ。

首相は当初、原則として承認しない意向を表明。その一方で、改正国家公務員法では三年以内の渡りは認められているとして、個別ケースは認めざるを得ない、と煮え切らない態度に終始した。

野党の反発に加え、自民、公明両党からも不満の声が上がったことで、代表質問の答弁で「今後申請が出てきた場合も認める考えはない」と全面禁止の考えを明らかにした。当然のことだが、撤回しないのでは画竜点睛を欠くというものだ。

政令決定に当たって、政権内で内容を十分吟味した様子はうかがえない。首相や閣僚の目をすり抜けるように渡りへの抜け道となる規定を役人が潜り込ませたというのが実情のようだ。

官僚に甘くみられている。麻生政権の情けない現実を大いに反省すべきであり、毅然(きぜん)とした姿勢を示すためにも撤回が筋だ。メンツの問題でもあるまい。

政府は過去三年間に省庁の渡りあっせんが三十二件あったとしている。民主党が疑問視するように本当にこれだけなのか。仮に首相が禁止するにしても、省庁が承認手続きを経ずに水面下であっせんをすれば、渡りは事実上永続することになりかねない。実態解明へ国会で大いに議論してもらいたい。

究極的には天下り根絶が政治の責務である。政府は国家公務員制度改革の手順を示した工程表を来週にも決定するが、根絶への取り組みが分かりにくいとの指摘もある。ここは指針を明確に書き込むことで強い決意を示すべきだ。
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[東京新聞] 大量失業時代 雇用創出に知恵を絞れ (2009年1月31日)

世界同時不況の進行で日本の雇用情勢は急速に悪化してきた。この先さらに厳しくなることは必至である。大量失業を放置すれば社会不安は拡大する。政府や企業は雇用創出に知恵を絞る時だ。

世界は大量失業時代に突入した。米国の失業率は昨年十二月に7・2%、欧州連合(EU)のユーロ圏十五カ国でも十一月には7・8%に上昇した。国際労働機関(ILO)は今年の世界全体の失業者は最悪で二億三千万人に達するという。

日本も例外ではない。総務省が三十日発表した十二月の完全失業率は4・4%と急激に悪化した。年内には過去最悪だった二〇〇三年四月の5・5%、失業者三百八十五万人を超える可能性がある。

とりわけ非正規雇用労働者の失業が深刻だ。厚生労働省が同日発表した今年三月までの非正規切りは前月の八万五千人から十二万五千人へと急増した。業界関係者は約四十万人とも試算している。新規学卒者の内定取り消しも千二百人を超えて最悪となった。

自動車や電機などの雇用過剰感は依然強い。この先、生産・販売の縮小に加え大型倒産が起これば失業は深刻な事態となろう。

昨秋からの雇用危機に対して、私たちは政府の対策が遅いことをたびたび指摘してきた。今回も政府の対応の遅れと危機感不足を指摘しなければならない。

麻生太郎首相は国会で「百六十万人の雇用維持・創出」を強調している。だが政策発動の根拠となる〇九年度予算案と雇用保険法改正案などの成立で最善を尽くしているのか。失業給付期間延長や雇用保険料引き下げなど雇用の安全網の強化はまだ進んでいない。

地方自治体による雇用創出のための二つの基金は予算案の成立が不可欠だ。地方の実情に沿った雇用の創出−公園清掃の臨時職員から農林漁業、介護・福祉事業などへの就職支援は極めて重要だ。

企業も雇用維持と創出に全力を挙げてほしい。販売不振→在庫増→生産減で赤字長期化でもないのにすぐ雇用調整では世間の理解は得られまい。発展するために大切なのは環境ビジネスや観光など新事業の開拓である。日本企業の強みである人材を活用して窮状を打開してもらいたい。

トヨタ自動車は来月以降、賃金の八割を補償する休業日を設定する。東芝も生産ラインを一日二交代から三交代にするという。仕事を分かち合うワークシェアリングを政労使で検討する段階である。
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[日経新聞] 社説1 高まる雇用不安に官民あげて対策を(1/31)

雇用情勢の急激な悪化が雇用不安をかき立て、消費者心理を萎縮させ景気をさらに冷やす悪循環の傾向が濃厚になってきた。総務省が30日に発表した2008年12月の完全失業率は4.4%で、水準自体はまだ危機的とはいえないものの、前月と比べて0.5ポイントも跳ね上がった。

12月の失業率の上げ幅は41年ぶりの大きさだった。連日報じられている自動車、電機などの輸出産業を中心に広がる減産と雇用調整の結果である。

景気の底が見通せない現状では、さらに悪くなるのは避けがたい。NECや東芝などによる大幅な人員削減計画の発表が相次いでいる。厚生労働省が26日現在でまとめた、昨年10月から今年3月までに失業および失業することになる非正規社員は約12万5000人で、1カ月ほど前の調査から5割近くも増えた。

日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」(08年12月)で、1年後を見た働く人の雇用・処遇への不安は「少し感じる」を含めて89%弱に達する。このままでは景気の気は、冷え込む一方である。

雇用環境の悪化は、米国での金融危機に始まる世界的な不況によるものだけに根が深い。だからこそ雇用不安を和らげるために、あらゆる対策を総動員する必要がある。

まず雇用の削りすぎを防がなければならない。高い技術を持つ中小企業が、大幅な受注減によって、人員整理や倒産に追い込まれれば、技術を支える技能労働者を失う。人材を失えば復元は極めて困難である。金融機関や仕事を発注している大企業による適切な支えが望まれる。

衰退部門から人手が足りない部門への労働力の移動も重要である。失業者への生活支援や職業あっせん、職業訓練などの拡充を急ぐべきだ。製造業からサービス業などへの転職もやり方次第では十分可能である。

居酒屋チェーンのモンテローザ(東京都武蔵野市)が3月末までに500人の正社員を中途採用するとマスコミに発表し、昨年末から採用を始めた。これまでに約1300人の応募があり、既に約250人を採用した。かなりの数の人たちが製造業で期間工や派遣社員だったという。

第2次補正予算と09年度予算案に盛られた雇用対策だけでは済まない。仕事を分かち合うワークシェアリングや失業者への支援など労使でできることも多い。地方自治体にはきめ細かな地域の実情にあった雇用対策への一層の努力を求めたい。根本的な需要喚起策も含めて、官民あげて知恵を絞るときだ。
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[日経新聞] 社説2 疑念募るギョーザ事件1年(1/31)

千葉県と兵庫県で被害を出した中国製冷凍ギョーザ中毒事件が表面化してから1年が経過した。真相は不明のまま、中国国内では回収したギョーザが横流しされ新たな被害を招いていたことが明らかになった。

新華社通信などによると、製造元の天洋食品が回収したり出荷を差し止めたりして在庫になっていた製品を、同じ河北省に本社を置く20社以上の企業が昨年4月に購入し、福利厚生の一環として従業員に配布した。それを食べた関係者の一部が体調不良を訴えたという。

これに先立つ2月、中国の捜査当局は中毒の原因となった有機リン系殺虫剤のメタミドホスが「中国国内で混入された可能性は極めて低い」と発表した。回収した製品に対して徹底的な検査をしないで、結論を出していたわけである。

日中の捜査当局はそれぞれ自国での混入の可能性は小さいと発表して対立した時期があったが、今からふり返ると中国側の捜査に問題があったと判断せざるを得ない。

中国当局は真相解明に一層力を注ぐべきだ。捜査のあり方を反省する必要もある。日中関係はますます緊密になっており、両捜査当局は協力強化につとめなくてはならない。

いったん回収した製品が出回った経緯は理解に苦しむ。河北省の国有企業を管理する部局が指示したのだという。天洋食品の損失を他の地元国有企業の分担によって補う狙いがあったとみられるが、真相を解明して消費者の信頼を回復することこそ経営再建の王道である。

ギョーザ事件が中国国内でほとんど報じられていないのも不可解だ。中国国内で6人の死者と30万人近い被害者を出した粉ミルクのメラミン混入事件で大々的な報道がなされているのとは対照的である。

メラミン事件では河北省の裁判所が3人に死刑を言い渡し、共産党政権として厳しい姿勢を鮮明にした。それだけにギョーザ事件への対応のお粗末さが際だつ。

昨年1―10月の中国からの加工食品の輸入額(ドルベース)は前年同期に比べ31%落ち込んだ。ギョーザ事件の真相が解明されない限り中国からの輸入食品に対する日本の消費者の不信と不安は続くだろう。
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[毎日新聞] 社説:雇用情勢悪化 あらゆる手段で「大失業」防げ (2009年1月31日)

雇用・失業状況が急速に悪化し始めた。昨年12月の完全失業率は4・4%、前月と比べて過去最大の悪化幅となり、有効求人倍率も前月を下回った。また、今年3月末までの半年間に職を失ったか、失うことが決まっている派遣など非正規雇用労働者が昨年12月時点の調査から約4万人も増え、約12・5万人に上るとの調査結果を、厚生労働省が公表した。

「すべての雇用に関する数字が悪化している。今後、さらに厳しさが増す」と同省はみている。失業率は過去最悪だった5・5%を超えて6%にまで達する可能性も出てきた。「大失業」時代が来ないように対策を急ぐべきである。

今、必要なことは考えられる手段を尽くして雇用・失業対策を実行することだ。使用者と労働側が「雇用を守る」という点で合意し、非正規雇用も含めた対応策を急ぐことだ。

対策は、当面の失業対策と労働法制の見直しなど中長期対策の二つがある。これらを同時に、そして確実に実施しなければ、雇用不安は解消できない。

緊急対応では、解雇防止と雇用創出策が中心となる。2次補正予算で実施が決まった雇用創出のための基金の創設や再就職の支援、さらには昨年から始まった雇用調整助成金制度の拡充や、住宅・生活支援による住まいの紹介などをきめ細かに行ってほしい。

失業者の職業訓練も重要だ。時間はかかるが、再就職の際のミスマッチを食い止め、就業の機会を広げるためにも必要なことだ。

中長期対策としては、労働者の3人に1人にまで増えた非正規雇用の処遇改善と、その状況を容認した労働者派遣法の見直し、さらには欧州ですでに定着している同一価値労働・同一賃金の原則の法制化、雇用保険の安全網から抜け落ちている非正規労働者の救済などが重要だ。

グローバル化の中で、企業は正社員から非正規への切り替えを行い、人件費の削減で競争を乗り切ってきた。派遣法が何度も改正され、製造業務などへの派遣が可能になり、非正規雇用が増えた。その結果、世界同時不況のしわ寄せは、まず非正規に及んだ。「雇用の調整弁」として使われ、真っ先に解雇されたのだ。内部留保を増やしてきた企業が、その一部を取り崩して、なぜ非正規雇用を守らないのだろうか。

非正規と正社員の二極化は、どうみても正常な雇用形態ではない。製造業務への派遣禁止など、派遣法を見直し、舛添要一厚労相も言うように「正社員雇用が原則」とすべきだ。

未曽有の不況下では、小手先の雇用・失業対策は通用しない。今、やるべきことは解雇防止、雇用の創出、そして雇用のセーフティーネットの張り替えによって、働く人たちの不安を取り除くことである。
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[毎日新聞] 社説:かんぽの宿 109億円で売っていいのか (2009年1月31日)

日本郵政がオリックス不動産と締結した「かんぽの宿」などの70施設の譲渡契約が当面、凍結されることになった。政府の規制改革に深くかかわった宮内義彦氏が会長であるオリックスのグループ企業が落札したことに、鳩山邦夫総務相の同意が得られず、譲渡に必要な会社分割のめどが立たないためだ。

鳩山総務相はあらためて、日本郵政のオリックス不動産への譲渡価格109億円が安過ぎると指摘している。70施設の取得や建設に約2400億円を要したことや、さいたま市にあるラフレさいたまが200億円以上の評価と言われていることなども挙げ、白紙撤回を求めている。

国民の間にも、簡易保険という国営の生命保険の資金で作られた施設が、取得価格に比べて大幅に安い値段で売却されることに対する疑念が高まっている。民主党など野党も、批判を強めている。

かんぽの宿のような施設の価値は、立地条件や不動産市況、営業状況などによって大きく変動する。今回の譲渡では70施設一括のため、よりわかりにくくなっている。政治問題にまでなっている現状では、オリックス不動産への売却凍結は、当然の措置だ。

では、この後、どのようにしていけばいいのか。

日本郵政は不動産鑑定士や弁護士など社外の専門家からなる検討委員会で、施設の査定や譲渡方法の見直しを行う。その結果は、細大漏らさず国民に公表する必要がある。国民が判断するに足る内容にしなければならない。

西川善文日本郵政社長が「一からの見直し」と言っている以上、一括売却のみならず、個別売却の可能性も検討し、その場合の収支計算も必要だ。

また、今回の混乱が生じた背景には、総務省や自民党でも民営化された日本郵政グループやその資産処理についての見解が割れていることがある。現状のままでは、今後も、同じような問題が起きかねない。そこで、最低限、次の2点はやらなければならない。

第一は、郵政民営化法の付則に定められている本業以外の施設の譲渡や廃止を引き続き行うのか、どうかである。この点は郵政民営化そのものにかかわる。与党内で明確な見解をまとめる必要がある。

第二は、引き続き譲渡などを行う場合の処理方法である。時期はいつからなのか、譲渡価格をどう算出するのか、処理は一括なのか、個別なのか、高い値段で譲渡できるものから手掛けていくのかなど詰めるべき点は多い。

昨年2月にアドバイザーとしてメリルリンチ日本証券と契約後の日本郵政の手続きを大半の国民は知らなかった。国有財産と同様に、かんぽの宿など民営化された会社の施設や不動産の処理も、透明性が高くなければならない。
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[産経新聞] 【主張】かんぽの宿 日本郵政は情報開示せよ (2009.1.31)

日本郵政の西川善文社長が、4月に予定していたオリックス不動産への宿泊施設「かんぽの宿」70カ所などの一括譲渡契約について、凍結する考えを表明した。

契約に至る経緯を問題視する鳩山邦夫総務相が、譲渡に必要な会社分割を認めない考えを示しているためだ。オリックス不動産以外に、選択肢を広げることも考えるという。

譲渡契約については、2度の競争入札によって決まった。西川氏は29日の記者会見で「公明正大な手続きに従ってやった。不正はないと断言できる」と語った。

だが、参加企業や入札金額などといった詳細は依然として明らかにされていない。日本郵政には、国民が納得するような情報開示を求めたい。

契約について、最も問題視されているのが譲渡額の妥当性だ。土地取得代と建設費の総額で約2400億円がつぎ込まれた。これを、さいたま新都心に立地する「ラフレさいたま」や、首都圏の社宅9棟を含め約109億円で売却するのは、あまりに「安売り」ではないのかとの批判だ。

これに対し郵政側の説明は、収益力に見合った実質価値は123億円で、負債を差し引いた純資産は93億円に下がるというものだ。オリックス側の提示額はこれを16億円上回っており、「安売り」批判はあたらないとしている。

2400億円は長年にわたる取得額の累計である。建物の老朽化や土地の値下がり、年間50億円近くもの赤字を生み出す事業であることを織り込んだ現時点での評価額93億円と比較する議論は乱暴といえる。むしろ2400億円の責任は、採算を度外視して建設費用を投資してきた歴代の郵政公社幹部や、それを許してきた政治家に求められるべきだろう。

ただ、郵政側が施設ごとの資産評価額の開示を行っていないことも問題だ。不動産物件は、立地や建物の構造などによって価値が大きく異なる。93億円が本当に妥当といえるのか、郵政側には70施設それぞれの現状の資産と債務の鑑定結果を公表するよう求めたい。鳩山氏側も、独自の鑑定結果を早急に提示すべきだろう。

日本郵政は専門家による検討委員会を設置して、不動産譲渡の在り方を検討するという。契約の透明性をいかに確保するかはもちろんのことだが、国民の疑問にも配慮した議論を期待したい。
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[産経新聞] 【主張】代表質問 政権選択に資する議論を (2009.1.31)

麻生太郎首相の施政方針演説に対する各党代表質問で本格的な国会論戦が始まった。来年度予算案や当面の経済対策に加え、2011(平成23)年度からの消費税増税も重要な論点になる。

しかし、民主党は衆院解散を先送りした首相の判断が間違いだと重ねて批判し、自民党は民主党の政局優先主義を指摘するなど、政策以前のレベルの内容も目立ち、政権交代を懸ける決戦の年に二大政党が行う国会審議としては、きわめて物足りない。

たとえば麻生首相が施政方針で述べた世界の新秩序創(づく)りへの参画を、民主党はどう考えるのか。国民の政権選択に資する深みのある議論は、両党の責務である。

代表質問のさなか、政府は基礎年金の国庫負担割合を来年度から2分の1に引き上げる国民年金法改正案を30日に閣議決定した。2年間は財政投融資特別会計から特例的に財源を充当するものの、その後の手当ては未定だ。

国庫負担は恒久的に引き上げるのに、安定財源は確保されていない無責任な状態だ。まさに与野党で早急に答えを出すべき課題といえるだろう。

政府・与党は消費税増税を盛り込んだ中期プログラムを作ることで、かろうじて税制抜本改革の方向性は示したが、引き上げ幅などは明確にしていない。一方、民主党は「なぜいま消費税なのかわからない」(鳩山由紀夫幹事長)と政府を批判するばかりだ。政権交代は目前だと考えているなら、消費税への明確な見解が必要だ。

民主党会派として衆院代表質問に立った無所属の田中真紀子氏は、消費税増税に際して複数税率を導入する可能性についてただしていたが、民主党の議論は消費税増税は当面、必要ないというところで止まっている。中期プログラムへの具体的対案を示さなければ、議論はかみ合わない。

官僚が天下りを繰り返す「渡り」の禁止について、例外を容認していた首相は「認める考えはない」と答弁で修正した。例外を認める政令自体を見直すことはしない構えだ。天下り禁止の法律の趣旨を官僚が政令で覆すものだと自民党にも異論が残っており、「政と官」の問題を象徴するテーマとしてなお議論が必要だろう。

代表質問に登壇しなかった民主党の小沢一郎代表は、予算案審議中にも党首討論などで麻生首相と国のかたちを論じ合うべきだ。
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[朝日新聞] かんぽの宿売却―徹底調査と公表で道開け (2009年1月31日)

日本郵政が「かんぽの宿」のオリックス不動産への売却を一時凍結すると表明した。弁護士や公認会計士など外部の専門家による第三者委員会を設けて売却プロセスを洗い直すという。

売却に対する鳩山総務相の「待った」は、根拠が不明確で納得できないが、日本郵政は入札が適正だったというのなら、徹底した調査と結果の公表で、それを証明するしかない。

鳩山発言を受け、国民の間からも売却に疑問の声が出ている。その核心は、購入・建設に2400億円もかかった79施設を109億円で売るのはおかしい、という点だろう。

たしかにこれでは大損だ。しかし、よく考えてみたい。

バブル崩壊後、日本の地価は下がり続けている。事業用の不動産価格は事業の収益性で決まる、というのが今日では常識になっている。ところが、売却施設のうち黒字が出ているのは11だけで、全体では40億〜50億円の赤字が毎年出ている。そのうえ、正規・非正規3200人の従業員の雇用継続にも努めなければならない。

こうした条件のもとで、入札は行われた。となれば、当初の投資価格から大幅に下落するのは避けられないと思われる。しかも、地価が大きく上昇する見込みはなく、売却が遅れれば赤字がそれだけ累積する。

では、どんな価格が適切なのか。専門家の間でも意見が分かれるだろう。だが、公開の入札を行い、いちばん有利な売却条件を落札とするのだから、それが安くても、現状での市場の判断として受け入れる以外にないのではなかろうか。「もっと高く売れる」というなら、そういう買い手を見つけて来るしかない。

これほど巨額の損失を出すことになった責任はどこにあるのか。郵貯や簡保の客から預かったお金を、収益性を無視して施設建設に投じた放漫な官業ビジネスと、そうした施設を選挙区へ誘致してきた政治家こそ責めを負うべきだろう。この点も含め、総務相には問題の全体像を見てほしい。

もちろん以上の議論は、入札が適正に行われたことが大前提である。談合のような不正や不適切な事務処理があったなら話は別だ。鳩山氏は昨日の国会答弁で、そのような疑義を口にした。それなら問題点を具体的に示してほしい。担当大臣なのだから、ただ「疑問あり」では済まない。

日本郵政にも注文がある。売却が問題視されてからも、入札についての情報をきちんと出さず、疑念を膨らませる結果になった。経営姿勢が内向きになって経営情報を出し渋り、官業体質へ逆戻りしているように思える。これは経営の求心力低下にもつながっている。この機会に、民間企業としての決意を新たにしてほしい。
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[朝日新聞] 北朝鮮―緊張あおって益はない (2009年1月31日)

韓国に向けた北朝鮮の強硬な言動が、激しくなる一方である。

「政治・軍事的な対決を解消するすべての合意を無効にする」。韓国との関係を統括する祖国平和統一委員会がきのう、そんな声明を出した。

今月17日には、軍部がやはり声明で「全面的な対決態勢に突入する」と宣言したばかりだ。

これらを単なる揺さぶりだと受け流すわけにはいかない。

すでに北朝鮮が止めている韓国政府との対話や交流の中断が長期化するだけでなく、例えば02年に起きた南北海軍同士の砲撃戦のように、朝鮮半島西側の黄海で軍事的な挑発に出る恐れもある。

北朝鮮に言いたい。いたずらに緊張をあおっても、ますます世界からそっぽを向かれ、何の益にもならない。北朝鮮がしなければならないのは、これまで積み上げてきた南北間の合意を尊重し、実行することだ。

きのうの声明は南北関係について、「もはや収拾する方法も、修正する希望もなくなった」と断じた。相も変わらぬ手前勝手な決めつけである。

間もなく就任1年になる韓国の李明博大統領に対し、北朝鮮は「民族の逆賊」などと口をきわめて非難してきた。李政権の北朝鮮政策に対する強いいら立ちの表明だろう。

李大統領は、盧武鉉前政権が北朝鮮に融和的すぎたとし、盛りだくさんの経済協力をうたった07年の南北首脳会談の共同宣言も、「妥当性と国民合意の観点」から見直す構えだ。

北朝鮮はこれを、トップが署名した宣言の完全な無視だとし、メンツの問題とも受け止めている。

さらに先日、核問題の進展と対北経済協力を絡めた新政策の骨格をつくった大学教授を新たに統一相に起用したことも北朝鮮を刺激した。

今回の声明は、北朝鮮への硬い姿勢について韓国内に反対する世論があることを見ての行動でもあるだろう。

まだ発足直後で、北朝鮮政策が具体的に見えてこないオバマ米政権に対して、南北間の緊張を見せつけ、牽制(けんせい)する狙いもある。

南北の関係はいま惨憺(さんたん)たるありさまだ。金剛山観光は昨年の韓国人射殺事件のあと全面的に止まり、古都・開城への観光も中断した。北朝鮮は韓国の資金で操業する開城工業団地から韓国政府の職員を引き揚げさせ、陸路の往来も厳しく制限している。

核問題をめぐる6者協議が停滞し、米朝関係もどう進むか見通せないなかで、北朝鮮は南北関係を進展させるメリットを感じていないのだ。

北朝鮮の言動に乗って韓国内が分裂を深めてはなるまい。李政権は北朝鮮と平和的に共存していく意思をはっきり示し、冷静に対応してもらいたい。
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[読売新聞] ビザなし交流 ロシアは国際信義を守れ(1月31日付・読売社説) (2009年1月31日)

ロシアが、日露両政府が合意して実施している北方領土への「ビザなし交流」の仕組みを、自国の都合で一方的に反故(ほご)にしようとしている。

国際信義に反しており、日本として到底、受け入れるわけにはいかない。

北方4島の住民に医薬品などの人道支援物資を届けようとした日本の訪問団が、ロシア当局から出入国カードの提出を求められ、上陸を断念して帰国した。

ロシアの出入国手続きに従うことは、ロシアの管轄権を認めることにつながる。河村官房長官が「理解できない」と反発し、日本政府として撤回を求めたのは、当然のことだ。

人道支援事業は、1992年に始まった「ビザなし交流」と同じ仕組みで行われている。

領土問題に配慮し、旅券や査証(ビザ)の提示など出入国手続きを経ずに、日本政府が発給する身分証などを示せば入域できる。元島民の墓参も同じ仕組みだ。

ところが、ロシアは今回、2006年の国内法改正を理由に出入国カードの提出を要求した。今後、ビザなし交流などで訪れる場合も例外は認めないという。

歯舞、色丹、国後、択捉の4島は日本固有の領土だ。本来、日本人が自由に往来できるはずの土地である。「平和条約締結までの間、相互理解の増進を図る」ことがビザなし交流の目的だ。

ロシア外務省は、ビザなし交流の縮小などで日露関係に悪影響が出たとしても、「我々の責任ではない」と居直っている。

背景には、出入国管理の厳格化を主張する連邦移民庁を、外務省が抑えきれなくなったという事情もあるようだ。

だが、国際約束を重んじるなら、北方領土との交流には例外扱いを認めるなど、ロシア内部で制度運用上の調整をすべきだろう。

このままでは、人道支援事業に加え、今夏に予定されるビザなし交流などもできなくなる。日露両政府は、領土問題での双方の立場を侵害しない、というビザなし交流の原則を踏まえ、事態解決に向けて協議を急いでもらいたい。

ロシアのメドベージェフ大統領は24日、麻生首相に電話し、2月中旬のサハリン(樺太)での首脳会談を打診してきた。

ロシアは極東・シベリア開発に日本の資金や技術を呼び込もうとしている。日露間の最大の懸案である領土問題で不誠実な対応を続けるようでは、経済協力にも弾みはつくまい。
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[読売新聞] 経済急降下 「最長景気」後の厳しい試練(1月31日付・読売社説) (2009年1月31日)

景気がこれほど急角度に落ち込むとは、誰が予想しただろうか。

30日に発表された生産、雇用、消費などの経済統計が、軒並み大幅な悪化を示した。落ち込みは今後しばらく続くと見ねばなるまい。

景気の底割れを食い止められるかどうかの正念場にある。政府・日銀は、政策を総動員し、切れ目なく対策を打つべきだ。

昨年12月の鉱工業生産は、前月比10%近く減少し、過去最大の下げ幅を2か月連続で更新した。

自動車や電機など輸出産業を中心に、今も減産が拡大している。海外景気が冷え込み、輸出の早期回復が望めない以上、さらなる生産の縮小は避けられまい。

さらに、減産で労働者の仕事が奪われている。12月の失業率は前月から一気に0・5ポイントも跳ね上がり、4・4%になった。しかも、リストラや倒産など「会社都合」の失業が急増している。

3月末までに失職見込みの非正規労働者も、これまでの8・5万人から12・5万人に急増した。

雇用悪化の影響で、家計の消費支出は10か月連続で前年を下回るなど、「負の連鎖」が一段と加速している。

内閣府は、2002年2月に始まった景気拡大が、07年10月で終わっていたと認定した。

5年9か月に及んだ「戦後最長景気」の実質成長率は年平均2%で、「いざなぎ景気」の5分の1にすぎない。

国全体の経済がそう大きく膨らまなかった割に、リストラの強化で企業は大幅な利益をあげた。しかし、利益の多くが株主配当や内部留保に回り、労働者の収入は増えなかった。

これも内需の柱である消費が弱まり、外需依存を強めた一因だろう。成長の果実が企業から家計に渡り、さらに企業に還元するサイクルを取り戻さねばならない。

景気は後退期に入ってからすでに1年を超えており、日本経済は「長く深い」不況のトンネルに迷い込みつつある。

政府・日銀は、総額75兆円の景気対策を打ち出している。中小企業の資金繰り支援や雇用対策など、悪化のショックを和らげる重要な政策だが、応急処置だけで長期不況から脱するのは難しい。

景気浮揚を目指し、財政出動による追加策の検討が必要だ。

ただし、省エネ・環境や医療・介護分野、学校耐震化など、将来の成長や安心・安全につながる事業に配分し、ばらまきは避けねばならない。
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2009年01月30日

[日経新聞] 社説2 「かんぽの宿」不可解な凍結(1/30)

何とも不可解だ。日本郵政は宿泊施設「かんぽの宿」のオリックスへの譲渡凍結を表明した。鳩山邦夫総務相が宮内義彦オリックス会長の公職歴などを盾に反発し、譲渡手続きに必要な会社分割の認可を得られそうにないからだという。

十分な証拠も示さず政治の圧力で入札結果を覆す総務相の姿勢は全く納得できないが、「公明正大な手続きだ」といいながら、満足な説明もなく簡単に折れた日本郵政の西川善文社長の姿勢にも問題がある。

かんぽの宿は年50億円規模の赤字を出している。日本郵政は今年度事業計画に沿って競争入札を実施し、雇用維持を表明したオリックス不動産に108億円で70施設を一括譲渡すると決めた。総務相は猛反発し、日本郵政への質問状の答えにも「全く説得力もない」と述べた。

西川社長は「譲渡案は横に置き、原点に立ち戻って再検討する」と表明した。入札手続きは「公明正大で、疑いを持たれることはない」ともいう。総務相も西川社長も他の入札参加者や金額などの公表を控えている。外からみて何が譲渡凍結の原因なのかが、さっぱり分からない。

総務相の主張は説得力を欠く。まず規制改革・民間開放推進会議議長だった宮内会長が率いるオリックスへの譲渡を「出来レース」と批判した点だ。入札に落ち度や不正があるのなら当然指弾されるべきだが、その根拠は示されていない。

政治家の「直感」で入札という商慣行が否定されるようでは、国内企業どころか海外の日本に対する信頼も落としかねない。総務相に付和雷同する野党の姿勢も無責任だ。

日本郵政も不正がないというなら総務相の指摘に粘り強く反論すべきだ。当初は政府の100%出資とはいえ、民間人の西川氏が日本郵政のトップになったのは、政治圧力に屈せず、合理的な経営判断で民営化の実をあげることを期待されたからではなかったか。入札価格が適正かどうかなどを判断できる具体的な情報を一般にも示す必要があった。

かんぽの宿70施設の建設費用は2400億円にのぼる。それが大幅に減価しているのは間違いない。採算を顧みず、ずさんな投資をした官の責任を不問に付すのもおかしい。
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[日経新聞] 社説1 国会論戦で衆院選の争点を明確にせよ(1/30)

麻生太郎首相の施政方針演説に対する各党代表質問が始まった。初日は民主党の鳩山由紀夫幹事長らが質問に立ち、国家公務員の天下り問題や消費税増税問題などで首相の見解をただした。

今年9月には衆院議員の任期が切れる。来年度予算の成立後は、いつ選挙があってもおかしくない解散含みの展開になる。与野党は長丁場の来年度予算案の審議を通じ、衆院選の争点を明確にする責任がある。

その観点からしても、民主党の小沢一郎代表が代表質問に立たなかったのは遺憾だ。鳩山氏は小沢氏が唱える環境ニューディール構想などを紹介しながら質問したが、これでは迫力に欠ける。次期首相候補の小沢氏自ら論戦を挑むべきだった。

鳩山氏は国家公務員OBが公益法人などへの再就職を繰り返す「渡り」を容認する政令を批判した。首相は改正国家公務員法で3年間の経過期間中は省庁によるあっせんが認められていると指摘し「厳格な監視を実施し、再就職等の規制の実効性を確保するという法律の誠実な執行のために必要」と答弁した。

しかし自民党の細田博之幹事長が「渡りをやめるべきだ」と再度迫ると、首相は「国民からの厳しい批判や国会での議論を踏まえ、今後はあっせんの申請が出てきても認める考えはない」と明言した。

「厳格に運用する」というこれまでの答弁から踏み込んだものだが、あっせん禁止は当然である。抜け道を残さぬために「渡り」を容認した政令も撤回するのが筋だ。政府は近く内閣人事・行政管理局の創設などを盛り込んだ公務員制度改革の工程表を決める予定だが、「渡り」に甘い印象を残したままではとても国民の理解は得られまい。

首相は消費税の増税問題で、施政方針演説を踏襲して「遅滞なく段階的に消費税を含む抜本的な税制改革を行うため2011年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と述べるなど、言質をとられぬように安全運転の答弁に徹した印象が強かった。

鳩山氏はアフリカ・ソマリア沖の海賊対策について、海上自衛隊を派遣した場合の武器使用基準などをただしたが、新法制定の是非を含め、民主党の立場は明らかにしなかった。政権担当能力に不安を残す、無責任な対応である。

鳩山氏が早期の衆院解散を求めたのに対し、首相は「いずれしかるべき時期に野党との争点を明らかにして国民に信を問いたい」と応じた。予算審議はその格好の舞台であり、実のある議論を期待したい。
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[東京新聞] かんぽの宿 譲渡の不透明さ晴らせ (2009年1月30日)

二千四百億円を投じた施設が百九億円。日本郵政がたたき売りにさえ映る「かんぽの宿」売却の一時凍結を決めた。安すぎるという総務相の反対が発端だが売却の不透明さは晴らされるべきだ。

日本郵政の西川善文社長は弁護士らで構成する検討委員会を二月にも発足させ「原点に立ち戻り、再検討する」と一時凍結を表明した。鳩山邦夫総務相の異議を認めた格好だ。

保養宿泊施設・かんぽの宿は全国に七十カ所ある。簡易保険の資金運用の一環として二〇〇七年の郵政民営化前に整備されたが、毎年四十億円を超える赤字が続き、一二年九月までの廃止・譲渡が法律で定められた。

日本郵政はその決定にしたがい、二度の入札を経て昨年暮れにオリックスの子会社と一括譲渡契約を結んだが、今年に入って鳩山氏が異議を唱えた。なぜオリックスなのか、なぜ一括譲渡なのか、なぜ不動産価格が下がるこの時期なのか−が主たる理由だった。

オリックスの宮内義彦会長は政府の規制改革会議議長を務め郵政民営化も支持してきた。立場上応札を控え外から見守るべきではなかったか。総務相がなぜオリックスかの疑問を投げかけた理由だ。

かんぽの宿につぎ込まれた用地取得・建設費は二千四百億円に上るが、売却額はその二十分の一足らず。国民にとってもいかにも不可解だ。日本郵政は「政府の財産評価委員会の評価額に近く問題はない」と説明するが、委員の多くを郵政関係者が占めており、果たして公正な評価だったか。

一括譲渡の疑問については、三千人を超える従業員の雇用継続のためには不可欠としているものの、厚生労働省が年金資金を投じたグリーンピアの閉鎖では、個別売却しながらも深刻な雇用問題は起きなかった。

日本郵政は施設ごとの資産評価額の情報開示を拒んでいるが、さいたま市の十五階建て「ラフレさいたま」の一施設だけでも百億円とされ、やはり一括には疑問がある。

日本郵政はオリックス子会社への売却について鳩山氏の前任の増田寛也総務相から認可を得て、ホームページで一括売却を告知しており、手続き的にも瑕疵(かし)はないとしている。鳩山氏の反対論には権限乱用と疑問視する声もある。

日本郵政の一時凍結、検討委設置を機に売却の手続き、経緯、売却額の妥当性を徹底的に調べ、国民を納得させてもらいたい。
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[東京新聞] ギョーザ事件 日中関係のトゲを抜け (2009年1月30日)

中国製冷凍ギョーザの中毒事件発覚から三十日で一年を迎えた。事件が、いまだに解決していないことは中国食品の信用回復を阻んでいるばかりでなく、日中の国民感情の大きなトゲになっている。

被害に遭った千葉市の家族はいまだに中国食品を買う気にはなれないという。こうした気持ちは多くのお茶の間に共通しているようで中国からの食料品輸入は昨年、前年より二割以上落ち込んだ。

内閣府の「外交に関する世論調査」では政府関係が好転したにもかかわらず、中国に「親しみを感じる」と答えた人は32%にとどまり、三十年に及ぶ調査で最低だった。

主要各紙が発表した昨年の十大ニュースでもギョーザ事件はトップ級で国民の関心は極めて高い。中国への親近感が低下した背景には一連の中国食品をめぐる不祥事があると指摘する識者は多い。

事件の発覚当初、日中両国政府は事件解明に協力し合うと誓った。しかし、製造元の天洋食品や輸出品の品質を監督する中国政府の当局者が責任逃れを始めた。

警察庁が日本で有害物質が混入された可能性を否定すると、これに対抗するように、中国公安当局は自国で問題が発生した可能性を「極めて小さい」と断言した。

両国のインターネットなどメディアでは相手側を非難する意見が広がり、当初の刑事事件は外交問題に発展した。日中両国政府が合意した「戦略的互恵関係の構築」が民間はもちろん、政府内でも根付いていないことを露呈した。

その後、事件が発覚してからも問題のギョーザが地元河北省の国有企業に横流しされ、中毒事件が発生したことが分かった。有害物質は中国で混入された疑いが濃厚になり、公安当局は天洋食品関係者の取り調べを進めているが、容疑者の特定に至っていない。

国民感情を刺激する事件だけに、中国当局も捜査に慎重にならざるを得ないのだろう。しかし、事件は中国食品の信用のみならず、日中関係全般に影響している。問題が先延ばしされれば悪影響は広がり、逆に解決は関係好転をもたらす可能性がある。

福田康夫前首相が首脳会談のたびに、この問題を取り上げて進めた両国の協力が最近、停滞しているかに見えるのは心もとない。

麻生太郎首相は福田政権を上回る熱意で中国側と協力して事件の解明に取り組み、中国も、この問題を外交の駆け引きとは切り離して捜査を早急に進めてほしい。
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[毎日新聞] 社説:農政改革 成長産業にする意気込みで (2009年1月30日)

経済を再生するには、新たな成長分野が必要となる。そして、雇用情勢が急速に悪化しているのを背景に、農業を新たな成長産業とし、雇用の場とすべきだという主張が盛んに展開されるようになった。

そんな中で農政の指針となる基本計画を見直す作業が始まった。5年に1度の改定で、食料・農業・農村政策審議会が1年程度かけて論議し、来春の閣議決定をめざすという。農業が成長産業となるような抜本策が提示されることを期待したい。

焦点となっているのは、コメの生産調整である減反政策を維持すべきかどうかということと、食料自給率の向上策だ。

コメは現在、高関税で保護されている。しかし、国内の消費量の減少に、高関税の代償の最低輸入義務も加わり、余剰状態が続いている。穀物価格が急騰し世界各地でコメを求めて暴動が発生している時にもなお、日本では生産調整が続けられた。

しかも、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が再開されて妥結すると、最低輸入義務の拡大などが必要となる情勢だ。

一方、国内をみると、農業従事者の高齢化が進み、限界集落にみられるように地域社会の維持に支障が出ているところもある。こうした点からも農業改革が喫緊の課題となっている。

農業を成長産業とするには、生産性の向上が欠かせない。ところが、生産調整と生産性を高めることを両立するのは難しい。

減反をやめればコメがますます余り、米価の下落につながる。しかし、これまでのようにつぎはぎをあてるような施策を続けても、限界にきていることははっきりしている。

今は円高と穀物価格の下落の結果、コメの内外価格差が再び広がっている。しかし、一時はかなり縮小し、日本のコメも生産性を高めれば、国際的に太刀打ちできるのではないかと、多くの人が期待を寄せた。

コメづくりで優れた技術を持っていても、それが生かせない状況を改め、世界と渡り合っていける競争力をつける。そんな挑戦が日本の農業に必要なのではないだろうか。

そのためには、減反問題に加え、農地の流動化を進め、農業への参入障壁を大幅に低くするといった措置も検討してもらいたい。

同時に、転作奨励金などの補助金を農家の所得補償に充てるといった支援策や、米粉や飼料米などの用途の多様化も探ってほしい。

一方、自給率を向上するには、農地の確保が不可欠だ。耕作放棄地を減らすだけでなく、農地の転用を規制する措置が必要なのかもしれない。

農業への期待が高まっている。それをばねに、農政の見直しに取り組んでもらいたい。
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[毎日新聞] 社説:代表質問 小沢氏は論戦から逃げるな (2009年1月30日)

麻生太郎首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が29日始まった。しかし、質疑の中身より先に、まず指摘すべき点がある。民主党の小沢一郎代表は、なぜ登壇しなかったのかということだ。

小沢氏はこれまでも国会論戦に熱心でなかった。だが、衆院選は各党の政策を通じて政権と首相を有権者が選択するマニフェスト型選挙になりつつある。今年は確実に衆院選がある。民主党はそこで政権交代を実現させ、「小沢首相」を目指すといっているはずだ。麻生首相か小沢氏か。有権者があらゆる機会を通じてその判断材料を求めているのは小沢氏も承知だろう。

しかも、この日、小沢氏に代わって質問に立った鳩山由紀夫幹事長は「麻生首相の施政方針演説に対する代表質問は最初で最後になるだろう」と語った。ならば、なぜ、重要な対決の機会を代表が放棄するのか。

これでは「やはり、小沢氏は本当は首相にはなりたくないのでは」との声が再び大きくなり、小沢氏をトップとする政権構想にも疑問符が付くことになる。

この日は民主党と統一会派を組む田中真紀子氏も登壇した。民主党は話題作りを狙ったのかもしれない。だが、党首が登場せず、党に所属していない田中氏に頼る手法を民主党議員はよしとしているのだろうか。そうだとすれば、いささか安易ではないか。

鳩山氏と田中氏の質問が、それなりにポイントを突くものであったのは認める。与党内であいまい決着となった消費税率の引き上げや雇用問題など今後の審議の中心となるだろう。

しかし、もはや麻生政権を批判するばかりではいられない。民主党政権になれば、どう変わるのか。例えば無駄の削減に関しては、なお「国の総予算を全面的に見直す」などと抽象的な言い回しにとどまった。どう見直すのか、そろそろ、具体的に示さないと、有権者は判断に困ってしまう。

一方、麻生首相の答弁は細田博之自民党幹事長の質問に答え、官僚が天下りを繰り返す「渡り」のあっせんを認めないと明言したほかは、大半は官僚らが事前準備した答弁書を読み上げただけのようだった。

とかく、聞く方も答える方も一方通行になりがちな代表質問とはいえ、先が思いやられる。

鳩山氏は「『逃げない』と言いながら、国民の審判から逃げまくっている。それが国益を損ない、国民の災いのもとになっている」と改めて麻生首相に早期の解散・総選挙を求めた。

小沢氏も総選挙を前にした国会論戦から逃げないことだ。鳩山氏は「今後、いろいろな機会で小沢代表の出番を演出していきたい」という。党首討論を頻繁に開くなど、党首同士ががっぷり組んだ論戦の場は多ければ多いほどよい。
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[産経新聞] 【主張】人道支援中止 ロシアは約束守るべきだ (2009.1.30)

北方四島支援事業を行うため国後島に上陸しようとした外務省職員らが、ロシア当局に要求された出入国カードの提出を拒否して上陸を断念した。医療品などの人道支援物資が島民たちに届かなかったのは、遺憾である。ロシア側は、日本側の立場を考慮して速やかに人道支援物資の受け入れをすべきだ。

この人道支援事業は、1992年から始まった「ビザなし交流」の枠を守る形で続けられてきた。その合意事項を自国の都合で一方的に変更したり、破棄したりする国は、国際社会では信頼も尊敬もされない。ロシアは、まずは約束を守らねばならない。

「ビザなし交流」は、日露双方が領土問題での主張をいったん棚上げし、日本人の元島民や現在四島に住むロシア人住民らが旅券・査証(ビザ)なしで墓参などの目的で相互訪問できるよう、人道的な配慮で始まった。この方式は、ソ連のゴルバチョフ大統領(当時)からの提案だった。

ロシア側が求めた出入国カードを提出し上陸すれば、北方領土がロシア領であることを認めることになり、北方領土の返還を求める日本政府としては、拒否するしかなかった。このままでは今夏に実施予定の「ビザなし交流」もできなくなる。被害を受けるのは島民たちである。

今回、出入国カードの提出を求めた移民局は、プーチン首相の出身母体の旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関である連邦保安局(FSB)が管轄する。ロシアでは、プーチン氏の登場以来、旧KGB出身者らで構成する「シロビキ(武闘派)」たちが急速に台頭し、事実上、同国の政治と経済を牛耳ってきたが、今回の事件は、そのシロビキ主導をより鮮明にした形だ。

ロシア外務省は今回の事件で、日露関係が冷却化しても「ロシアは責任を負わない」というまったく無責任な声明を発表した。

さらに、時を同じくしてやはりFSBの管轄下にあるロシア国境警備局が鳥取県境港市のカニかご漁船第38吉丸を拿捕(だほ)する事件が発生した。

日本政府は、先のメドベージェフ露大統領からの招待を受け、2月中旬にサハリン(樺太)で首脳会談を開催する方向で調整に入った。しかし、麻生太郎首相のサハリン訪問はもう少し慎重に検討すべきではないか。
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[産経新聞] 【主張】ギョーザ事件1年 中国は真相早く公表せよ (2009.1.30)

中国製の冷凍ギョーザを食べた3家族計10人が嘔吐(おうと)などを訴え、女児1人が重体となった事件の発覚から1年がたつ。だが、いまだに真相は明らかになっていない。

ギョーザになぜ、中国でも使用が禁止されている殺虫剤のメタミドホスが含まれていたのか。その理由をはっきりさせない限り、同様の事件は繰り返される恐れがあり、国民の食に対する不安は消えない。

再発防止のためには中国が事件を早く解明し、真相を公表することが、何よりも求められる。

19日に東京都内で開かれた警察庁と中国側との定期協議では、中国捜査当局の公安部の担当者が「長期にわたって大規模な態勢で捜査しているが、解明には至っていない」と述べた。

しかし、日本側の捜査は尽くされ、国内でメタミドホスが混入された可能性が極めて低いことを確認している。混入されたメタミドホスも不純物が多く含まれ、日本にある高純度のものとは違っていた。中国で混入された疑いが極めて濃い。

製造元の国有企業「天洋食品」(河北省)が残った大量のギョーザを地元政府の斡旋(あっせん)で同じ省内の鉄鋼工場に横流しし、新たな中毒事件を起こしていたことも最近、明らかになっている。

にもかかわらず、中国側は「中国国内で混入された可能性は極めて低い」と主張してきた。

事件の捜査では中国側が天洋食品に勤めていた男性従業員ら3人前後を容疑者として絞り込み、事情聴取に踏み切ったとも伝えられた。早い段階から容疑者が特定されていたとの情報もある。

天洋食品では従業員が解雇をめぐってトラブルを起こし、これが混入の動機につながったとの見方も出ている。

それなのに中国側はこうしたことを一切公表していない。中国にとって公にできない事情があると考えざるを得ない。

中国製品は世界中で問題を起こしている。米国では中国産原料を使ったペットフードを食べた犬や猫が死に「チャイナフリー」(中国産を使用していないという意味)と表示された商品も出回っているほどだ。

毒物ギョーザ事件でも中国の輸出食品全体の信頼性が問われている。事件の解明が信頼を取り戻す絶好のチャンスであることを中国は肝に銘じるべきだ。
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