2017年01月18日

[東京新聞] 春闘に向けて 賃上げも働き方改革も (2017年01月18日)

春闘の季節が始まる。トランプ米大統領の誕生で内外に不透明感が広がる中、着実な賃上げに加えて長時間労働の是正、非正規社員の正社員化など「働き方改革」で労使の本気度が問われる。

春闘の集中回答日は三月十五日。今年も安倍晋三首相は経済界に賃上げを要請している。

労使交渉である春闘に政府が介入する官製春闘でベースアップは三年連続して実現した。しかし消費を喚起し経済に好循環をもたらすには至っていない。

目標のデフレ脱却はむしろ遠のいており、官製春闘は成果を上げられなかったといえる。

今春闘で、労働側は連合が昨年と同じく「2%程度のベア」を要求している。これに対し経営側は経団連が、ベアにかかわらず年収ベースでの賃上げで対応するとしており、昨年と同じ構図になっている。

賃金は暮らしの土台。本年度前半、円高などで陰りがみえた企業収益はこのところの円安、株高で持ち直しをみせている。トランプ政権の経済政策という不確定要素はあるが、着実なベアの実現は十分可能だろう。

今春闘で、賃上げと同じくらい注目されるのが「働き方改革」への労使の取り組みだ。

連合はもちろん、経団連も昨日公表した春闘への対応方針で第一章に「働き方・休み方改革」を掲げ、ベアと並ぶ労使の最重要課題と位置付けている。

今、働く人の関心は、個別企業の賃上げだけでなく、同一労働同一賃金の実現や長時間労働の是正、非正規社員の正社員化に向いている。

奨学金制度の改革、教育の無償化、保育所の整備など、所得や暮らしを取り巻く環境の幅広い改善を期待している。

日本を取り巻く環境の変化もこれを後押ししている。

昨年、先進国で経済格差への不満や怒りが反グローバリズムのうねりとなって英国の欧州連合(EU)離脱、トランプ大統領の誕生、右翼勢力の台頭の背景になったことは、国内の論議に影響を与えている。

過去三年、デフレ脱却を旗印にしてきた春闘だが、今年は働き方改革や格差是正への取り組みが焦点といえる。

政府が進める働き方改革も、実際の現場は多くの人たちが働く全国の会社それぞれにある。労使の本気度と実行力が問われる重要な春闘になる。
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[産経新聞] 【主張】竹島に慰安婦像 韓国の恥をさらす暴挙だ (2017年01月18日)

反日に、きりはないのか。韓国の地方議員らが島根県の竹島に、慰安婦像を「上陸」させようと計画している。

竹島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である。岸田文雄外相が「受け入れられない」と批判したが、あらゆる手段で中止に追い込むべきだ。領土主権を踏みにじるような嫌がらせと挑発を、許してはならない。

韓国北西部の京畿道の議員ら約30人が加入している会が、議会に1体、竹島に1体を設置するとして募金活動を始めている。2011年にソウルの日本大使館前に像が設置された12月14日に合わせて計画を進めるのだという。

韓国は、そんなことをしている場合なのか。核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮の暴走が止まらない中、日米韓の連携強化や日韓関係の改善は、喫緊の課題であるはずだ。

12年に当時の李明博大統領が竹島上陸を強行し、日本政府が直ちに駐韓大使の帰国を決めるなど、日韓関係は急速に冷え込んだ。視野の狭い反日行動が地域の安全保障を危うくし、誰が笑うのか、その反省がない。

一昨年の日韓合意で両国の外相は、慰安婦問題を蒸し返さず、不可逆的な決着を国際社会に表明した。これを覆して信頼を失うのは韓国である。

日本大使館前の慰安婦像は、慰安婦の少女時代をデザインしたとされ、この周辺で行われてきた反日デモを記念したものだ。同様の像が韓国各地や米国など海外に増殖している。旧日本軍が数十万人を強制連行し、「性奴隷」にしたなどという、虚偽に基づく反日活動の象徴である。

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産経新聞はこれを「慰安婦像」と表記しているが、韓国側はなぜか「少女像」と呼び、日本の多くのメディアもこれに準じている。だが、曖昧な呼称はこの問題に誤解を生む。像は、政治的に日本をおとしめることを目的とした「慰安婦像」である。

捏造(ねつぞう)された歴史を広げる像の設置で恥をさらしているのは、韓国自身であると気づくべきだ。

釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像について釜山市東区の区長が「永久的に保存・管理する手立てが必要だ」と述べたことも伝えられた。日本政府は駐韓大使らを一時帰国させた。早期の復帰論には耳を疑う。
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[東京新聞] 日本の外交政策 米追随でなく主体的に (2017年01月18日)

トランプ米次期政権はアジア・太平洋地域にどう関わろうとしているのか。地域の安定と繁栄には米国の関与が不可欠だとしても、過度に頼らない日本独自の外交政策を考える契機ではないか。

安倍晋三首相がきのう、フィリピン、インドネシア、ベトナムの東南アジア三カ国とオーストラリア歴訪から帰国した。南シナ海に隣接する東南アジア三カ国首脳との会談では、法の支配と平和的解決の重要性を確認した。海洋進出の動きを強め、南シナ海では岩礁の埋め立てによって軍事拠点化を進める中国をけん制する狙いがあるのだろう。

安倍首相は、中国漁船の違法操業が続くインドネシアでは離島開発への支援、フィリピンやベトナムでは海上警備能力の向上に向けて巡視船の供与を表明した。

南シナ海に限らず、航行の自由は貿易立国・日本にとって死活的に重要であり、各国と共有すべき共通の価値観だ。航行の自由を守るために、関係国が海上警備能力を向上させる必要性は理解する。

しかし、軍事力には至らないといっても、海上警備能力の向上が軍拡競争の発端となり、逆に、地域情勢を不安定化させる「安全保障のジレンマ」に陥っては本末転倒だ。日本政府は協力にあたり、細心の注意を払う必要がある。

今回の歴訪での陰の主役は、今月二十日に就任するトランプ米次期大統領ではなかったか。

トランプ氏が、就任式当日の環太平洋連携協定(TPP)離脱を表明し、オバマ政権によるアジア重視の「リバランス」政策を継承するか否かも不透明だからだ。

安倍首相は一連の会談で、トランプ氏の米大統領就任後もアジア・太平洋地域の安定と繁栄には米国の関与が不可欠だと繰り返し主張し、各国首脳の同意を得た。

ただ、トランプ氏は「同盟国」に負担増を求めることも言明している。日本政府は今でも、日米安全保障条約で課せられた責任よりも多く米軍駐留経費を負担しており、これ以上の負担増には条約改定が必要だ。およそ現実的ではない。

米軍の存在がアジア・太平洋地域での紛争を抑止する警察力として機能している現状は認めざるを得ないとしても、米国の要求に応じて際限なく負担を増やせばいいわけでもあるまい。

トランプ政権の誕生は日本に対し、米国追随ではない、アジア重視の主体的外交の必要性を喚起しているのではないか。「日米同盟一辺倒」では、道は開けまい。
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[産経新聞] 【主張】米新政権と安保 現実重視で中国抑止せよ (2017年01月18日)

トランプ次期米政権の屋台骨を支えるマティス国防長官候補とティラーソン国務長官候補が、米上院の指名承認公聴会を通じ、外交・安全保障に対する現実的な見解を示している。

とりわけ、中国についての厳しい姿勢は、同盟国である日本やアジア太平洋地域の平和と安全に寄与し、不可欠なものである。新政権が実際の政策として展開していくことを期待したい。

マティス氏は上院軍事委員会で、現在の国際秩序について「第二次大戦以来、最大の攻撃を受けている」と語った。その文脈で、ロシアやテロ組織に続いて「中国の南シナ海進出」を脅威に挙げたことは注目に値する。

アジア太平洋地域を「最優先課題」と位置付けて米軍の前方展開維持を表明するとともに、「(中国に)強い立場で臨むには、強い軍事力を維持しなければならない」とも語った。

オバマ政権はアジア太平洋重視のリバランス(再均衡)戦略を打ち出したが、現実には強い姿勢を取り切れず、中国の覇権追求を止められなかった。マティス氏の発言は、その問題点を理解したうえでのものといえよう。国際ルールを顧みない中国に「力による現状変更」を断念させるには、抑止力の強化が欠かせない。

ティラーソン氏は上院外交委員会で、中国が尖閣諸島に侵攻した場合には「日本防衛を約束する協定(日米安保条約)に基づき対応する」と明言した。また、東シナ海上空での中国の「防空識別圏」設定を「違法行為」と断じた。

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中国が南シナ海の人工島の軍事拠点化を中止しなければ、人工島へのアクセスを認めないようにする考え方も披露した。米軍による海空封鎖を意味するものだ。

中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報はこれをとらえ、「大規模な戦争」を覚悟するよう米国に警告した。米軍の力に劣るための焦燥感もうかがえる。

マティス、ティラーソン両氏は北朝鮮の核・弾道ミサイル開発にも懸念を表明している。ただ、両氏ともアジア太平洋地域に深くかかわった経験はない。

力しか分からない国々に国際ルールを守らせるには、確かな抑止力が不可欠だ。これを日本が同盟国として支え、トランプ政権の外交安保政策として定着させていく努力が必要だろう。
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[日経新聞] タカタの信頼回復なお遠く (2017年01月18日)

エアバッグの大規模リコール(回収・無償修理)問題を起こしたタカタが、米司法省に罰金を含む総額10億ドルの和解金を支払うことで合意した。加えて、製品の欠陥を知りながら隠蔽したとして同社の元幹部3人が訴追された。

米司法当局によるタカタへの捜査はこれでひとまず終わる。だが問題の収束にはほど遠い。現に17日には、昨年末に神奈川県内を走っていたホンダ車の運転手がタカタ製エアバッグの異常でやけどを負ったことが明らかになった。

タカタと同社のエアバッグを搭載する自動車会社にとって最も重要なのはリコールを加速し、これ以上被害を広げないことだ。

問題のエアバッグは、風船を膨らませるためのガス発生装置が異常爆発し、金属の部品片が飛び散って人を傷つける恐れがある。

昨秋には米カリフォルニア州で運転していた女性が亡くなり、欠陥エアバッグによる米国の死者は11人になった。今も事故の危険性の高い古い車がそのまま走っている例もあり、放置できない。

日本でも死亡事故こそないが、けが人が出たのは今回のホンダ車が2件目だ。一方でリコール対象車のうち実際に改修を終えたのは6割強にとどまる。事態の重大さの割に対応が鈍すぎないか、関係者の猛省を促したい。

タカタの経営再建も今後の課題だ。世界のエアバッグ市場はタカタを含む大手4社が大半を供給している。万一タカタが事業継続に支障をきたせば、自動車全体の生産が滞る恐れがある。

他方、総額1兆円以上とみられるリコール費用を全額負担する体力はタカタにはない。ホンダなどの自動車会社がかなりの部分を肩代わりしているのが実情だ。

タカタの再出発には、経営体制を刷新して安全を最優先する風土を築くとともに、リコール費用をだれがどう負担するのか透明性の高い処理をすることが不可欠だ。それなしではタカタに興味を示す投資ファンドなども実際の支援には乗り出しにくいだろう。
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[毎日新聞] 豊洲市場 最悪の事態も考える時 (2017年01月18日)

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最大で基準値の79倍のベンゼンが検出されたというデータには驚く。

豊洲市場(東京都江東区)の地下水のモニタリング調査の結果だ。他にも、基準値の3・8倍のヒ素や不検出であるべきシアン化合物も検出された。しかも、201カ所の調査地点のうち3分の1以上の72カ所で有害物質が基準値を上回った。

豊洲市場は地下水を飲用として利用しない。だが、ベンゼンは気化しやすく、吸い込み続ければがんを発症する恐れがある。ヒ素やシアン化合物も、体内に取り込むと知覚障害や急性中毒症状を起こす。

モニタリング調査は9回目の今回が最終の予定だったが、都は外部有識者による「専門家会議」での再調査を決めた。科学的な分析による原因の解明をまずは急ぐべきだ。

不可解なのは、ベンゼンとヒ素が若干基準値を上回った8回目以外、これまで基準値内だったのに、けた違いの数値が突然出たことだ。昨年10月、地下空間にたまった水を排出する「地下水管理システム」が稼働し、水圧の変化などで有害物質の濃度が上昇したとの推測が出ている。

再調査の結果は3月にも公表される。一過性の数値と評価され、適切な対応が可能ならば前に進むことは可能かもしれない。

だが、ことは簡単ではないだろう。生鮮食料品を扱う市場にとって、安全性が担保されることは絶対条件だ。今になってこの数値の有害物質が検出されたことで、豊洲市場への信頼は大きく傷ついた。信頼を取り戻すのは容易ではない。

再調査の結果次第では、追加的な汚染地下水対策が必要になるなど、さらに状況が悪化する可能性も否定できない。その場合、コストも時間もかかる。その後に実施する環境影響評価にどのくらいの時間がかかるのかも不透明だ。

一番大変なのは市場業者だ。移転をめぐる判断が昨年変更され、さらに今回不透明になったことで、先が見通せない状況に拍車がかかった。都への不信感も増している。

都は豊洲市場に先行投資した業者に対し、今月中にも損失補償の枠組みを決める方針だ。だが、移転について早期に方針が示されなければ、業者は今後の事業展開を決められない。まさに死活問題だろう。

築地市場(中央区)から豊洲市場への移転について、小池百合子知事は今夏にも可否の判断をし、早ければ年内の移転を予定していた。

今回のモニタリングの結果を受け、その判断はずれ込む公算が大きいという。だが、移転判断が遅れるほど悪影響は深刻化する。豊洲への移転断念という最悪の事態も想定し対応を練るべき時だ。
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[日経新聞] 米政権にアジアへの関与促す構想を描け (2017年01月18日)

米国主導の秩序が崩れ、安定が損なわれてしまうのではないか。トランプ次期米政権の船出を控えてアジア太平洋にこんな不安が漂うなか、安倍晋三首相が域内の国々を訪れた。

各国との安全保障や経済の協力を深めるうえで意義のある訪問だった。ただ、米国抜きでこの地域の安定を保つのは難しい。今後、安倍政権に求められるのは、アジアへの強い関与を米国に効果的に促していくための戦略だ。

安倍首相が足を運んだのは、中国の海洋進出にさらされる南シナ海の周辺国と、同じ米国の同盟国であるオーストラリアだ。大きく分けてふたつの成果があった。

ひとつは国際法にもとづく海洋の秩序を維持するため、各国との連携を改めて確認したことだ。フィリピン、ベトナム、インドネシアには、海上警備力の整備に向け巡視艇の供与や人材育成への支援を続ける方針を伝えた。

フィリピンやベトナムは南シナ海で離島の領有権を争う。インドネシアはそうした係争は抱えていないが、近海で活動する中国漁船に懸念を募らせている。これら3カ国の海上警備力を底上げする支援は海洋の安定にもつながる。

安倍首相はさらに、フィリピンに向こう5年間で1兆円規模の経済支援を約束した。反米的な発言を繰り返し中国に傾斜するドゥテルテ大統領の動きに、歯止めをかける効果を狙ったものだ。

こうした政策は地道に続けていく必要がある。しかし、日本だけの取り組みには限界があるのも事実だ。南シナ海や東シナ海の安定を守るには、米軍の関与を息切れさせないことが極めて大事だ。

外交をビジネスの延長でとらえるトランプ次期大統領には、そうした重要性を説くだけでは不十分だろう。米軍の活動を下支えするため日本や他の同盟国はどのような貢献をするのか。明確な青写真を示したうえで、米国の関与を働きかけなければならない。

むろん、軍事だけでなく、経済面のアジア太平洋と米国の結びつきも重要である。この点、自由貿易に逆行するトランプ氏の政策は極めて深刻な問題だ。

安倍首相はオーストラリアとベトナムの首脳との会談で、環太平洋経済連携協定(TPP)の早期発効に向けて協力していくことで一致した。他の署名国とも手を携えて、トランプ氏にTPPへの支持を働きかけたい。
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[毎日新聞] 育休延長法案 育メンにつながらない (2017年01月18日)

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現在最長1年半となっている育児休業(育休)の期間を2年に延長する育児・介護休業法の改正案が通常国会に提出される予定だ。育休を終えても保育所が見つからない女性の離職を防ぐためという。

男性の育休取得を促してはいるものの企業の努力義務にとどまっている。これだけでは女性に育児負担がのしかかる現状は変わらない。安倍政権が掲げる「女性が活躍できる社会」にも逆行する。男性に育休を割り当てる「パパ・クオータ制」の導入など、抜本的な改革が必要だ。

2015年度の男性の育休取得率は2・65%で過去最高となったが、女性の81・5%とは比べるべくもない。男性の8?9割が育休を取っている北欧諸国とも雲泥の差だ。しかも、日本の男性の育休は「5日未満」が56・9%。これでは有給休暇と何が違うのかわからない。

今回の育児・介護休業法の改正は現状を変える好機である。ところが昨年末に開かれた労働政策審議会分科会では、待機児童の解消を念頭に議論することを厚生労働省が提案し、短期間で意見をとりまとめた。

親が育休中は待機児童に算入されないため、保育所不足を育休の延長で埋め合わせようという意図は明らかだ。長時間労働に厳しい目が向けられる企業には、人手不足をさらに招かないため、男性の育休取得を努力義務にとどめたい思惑もあるのだろう。しかし、女性が育休を延長して2年取ることになると職場復帰はますます難しくなり、結果的に離職は増えるだろう。

いずれにせよ、待機児童ゼロありきの議論は「育児は女性の役割」という固定観念をさらに強化することにつながる恐れがある。これでは女性の活躍も少子高齢化の解消もできない。やはり「パパ・クオータ制」のような抜本策が必要だ。

北欧諸国も以前は男性の育休がほとんどゼロだったが、パパ・クオータ制の導入で劇的に状況を変えた。

育休の割当制度は、決して男性に育休を強制するものではない。

現在のノルウェーの制度では育休を最長54週間取得できるが、うち6週間は父親のみ取ることができる。父親が休まなければ権利は消滅する。育休中の手当は54週の場合は出産前の給料の80%だが、44週までは100%支給される。

以前は日本と同水準だったドイツは07年に類似の制度を導入し、現在は男性の3人に1人が育休を取得するようになった。

安倍政権は20年までに育休を取る男性(育メン)の割合を13%にすることを目標に掲げている。諸外国に比べ低すぎる目標だが、この改正案ではそれすら達成できないだろう。
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[朝日新聞] 日米地位協定 さらに特権の見直しを (2017年01月18日)

日米地位協定で保護されている米軍属の範囲を限定する、補足協定が発効した。

昨年、米軍属が沖縄県の女性を殺害したなどとして起訴された事件を受けた再発防止策の一環で、米軍属を「米政府予算で雇用される文民」など8項目に明確化する。

定義があいまいで、米側の裁量に委ねられてきた軍属の範囲に一定の線を引く。今回の事件の被告も軍属から除かれる。

こうしたケースが増えれば、事件を起こした米軍関係者の裁判権が米側から日本側に移る余地が大きくなる。軍属の認定に疑義があれば、日本側から提起して協議もできる。

一歩前進ではあるだろう。

補足協定は従来のような地位協定の運用改善ではなく、法的拘束力をもつ国際約束だ。日本政府は画期的と自賛している。

ただこれが、事件の再発防止にどれだけ実効性を持つかは疑わしい。多くの米兵や軍属に、日本の法律の適用を除外するという、特権的な地位は変わっていないからだ。

地位協定が助長してきた特権意識が、米兵や軍属による事件や事故が絶えない背景にあるのではないか――。沖縄県などが地位協定の改定を求め続けてきたのは、そんな思いからだ。

だが日本政府は協定改定に動こうとしない。

沖縄県民の切実な声より、米側への配慮を優先する姿勢はここでも明らかだ。

問題はこれで一件落着ではない。日米両政府は、地位協定の改定を含め、改めて全般的な見直しに取り組むべきだ。

焦点の一つは裁判権だ。

公務外の事件・事故は日本側に裁判の優先権があるが、容疑者の身柄が米側にあれば、起訴まで米側が拘束する。1995年に沖縄で起きた少女暴行事件の後、起訴前の身柄引き渡しに米側が「好意的考慮を払う」という運用改善がなされたが、結局は米側の裁量次第だ。

「日本の要請があれば引き渡しに応じる」と協定に明記し、強制力を持たせれば、犯罪抑止効果は高まるだろう。

地位協定はまた、米軍機の事故などの捜査について米軍の優越を認めている。昨年末、沖縄県で米軍オスプレイが大破した事故でも、日本の機関は捜査にかかわれなかった。

住民の理解のない安全保障政策は成り立たない。日米両政府が米軍基地の安定的な運用を望むなら、地位協定のさらなる見直しは避けて通れない。

両政府は、その現実に気づくべきだ。
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[読売新聞] ケネディ氏離任 同盟強化への貢献を評価する (2017年01月18日)

日米同盟をより強固にするための重要な貢献を高く評価したい。

キャロライン・ケネディ駐日米国大使が18日、離任する。20日に大統領が民主党のオバマ氏から共和党のトランプ氏に交代することに伴うものである。

お別れのビデオメッセージで、安倍首相に対して「『希望の同盟』を強化し、オバマ大統領の信じる『和解の力』に共鳴していただいた」と謝意を示した。最後に、「さよならは言わない。いつか日本に戻ってきたい」と語った。

ケネディ氏は2013年11月の来日以来、首脳往来や在日米軍問題に積極的に関与してきた。

特筆すべきは、16年5月のオバマ氏の歴史的な広島訪問に尽力し、実現させたことだ。

米国内では、大統領の初の被爆地訪問への慎重論も少なくなかった。だが、オバマ氏やケリー国務長官と電話一本で話せるパイプを駆使し、環境を整備した。

自らも広島の平和記念式典に出席し、「核兵器なき世界」を追求する意義を実感したことが、その原動力となったのだろう。

安倍首相の15年4月の米議会演説や先月の真珠湾訪問でも、ケネディ氏の役割は大きかった。

着任前、その手腕は未知数とされたが、外交や政治の経験がなくても、大使として多くの業績を上げられることを行動で示した。

沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移設が難航する中、米軍属による女性殺害事件や輸送機オスプレイの不時着事故が発生した。日米同盟への影響が小さくない時に、基地問題の前進に奔走した。

先月下旬の北部訓練場の一部返還に続き、今月16日には、軍属の範囲を縮小する日米地位協定の補足協定が締結された。ケネディ氏の在任中に結論を出そうと、日米双方が歩み寄った成果だ。

菅官房長官は、沖縄の負担軽減に目に見える進展があった要因として、「ケネディ大使の行動力と人柄」を挙げている。

ケネディ氏が被災地など全国各地を回り、一般市民との草の根交流に活発に取り組んだことも、多くの日本人に好感を持たれた。

トランプ次期大統領は、後任の大使に政権移行チーム幹部のウィリアム・ハガティ氏を起用する意向とされる。大統領に近い点はケネディ氏と共通する。早期の人選は日本重視の姿勢と言える。

新たな駐日大使を含め、日米双方の当局者が対話を重ねて、アジアの平和と繁栄に主導的な役割を果たすことが求められよう。
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[朝日新聞] 退位と国会 透明性が欠かせない (2017年01月18日)

天皇陛下の退位を実現するための法整備をどのように進めるか、衆参両院の正副議長の下に検討の場が設けられることになった。政府が法案を提出する前から各会派で意見をかわし、合意づくりを図るねらいだ。

異例の取り組みである。見解の違いや対立を残したまま審議に入って紛糾する事態を避けつつ、国会の存在価値をアピールしたいという、与野党の考えが一致したと見ていい。

そんな思惑ぶくみの動きではあるが、憲法は、天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基(もとづ)く」と定める。その国民の代表によって構成される立法府が、問題の重要性をふまえ、時間の余裕をもって議論を始める意義は小さくない。みのりある話し合いにしてほしい。

というのも、政府が昨年秋に設けた有識者会議がおかしな方向に流れているからだ。

どんな場合であれば退位を認めるかの要件は定めず、今の陛下に限った特別な法律を制定する。将来のことはそのときにまた考える――。有識者会議が軸にすえている考えだという。

だがこれでは、高齢社会において、いかにして象徴天皇の代替わりを安定・円滑に行うかという、この先も引き続き直面する課題への回答にならない。

会議では、将来を縛らない方が状況に応じた対応ができるとの意見が出ているという。天皇の立場が時の政権や与党の意向によって左右されかねない、危うい見解ではないか。

朝日新聞の最新の世論調査でも「今後のすべての天皇も退位できるようにするのがよい」との回答が62%だった。他メディアの調査も同様の傾向だ。国会での検討がこうした声に沿い、有識者会議のゆがみの是正につながるよう期待したい。

あわせて心すべきは、説明責任をしっかり果たすことだ。

退位問題をめぐっては、昨年から「政争の具にしてはならない」との発言がしきりに聞かれる。それ自体に異論はないが、政争に利用しないことと、各会派がそれぞれの考えを示し議論を深めることとは別の話だ。

国会では近年、各党が法案の内容を事前にすりあわせ、公開の委員会や本会議で審議らしい審議をしないまま成立させてしまう動きが目につく。

ふつうの法律でも問題をはらむやり方だが、まして今回は、日本国民統合の象徴である天皇の地位に関する話である。

オープンな議論が行われてこそ「国民の総意」は形づくられる。関係者は肝に銘じ、見識ある対応をとってもらいたい。
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[読売新聞] 訪日客2400万人 地方の魅力向上が次の課題だ (2017年01月18日)

東京や京都の定番観光地は飽和状態に近い。観光立国を軌道に乗せるには、外国人の目を引きつける地方観光の開拓が重要である。

昨年の訪日外国人旅行者数が前年より22%増え、2403万人となった。4年連続で過去最高を更新し、5年前と比べると4倍近くまで急増した。

政府は、東京五輪が開かれる2020年に4000万人の目標を掲げる。今後15%の伸びが続けば達成できる計算だ。

ビザ発給要件の緩和や免税制度拡充が功を奏した。成長著しいアジアで中間層が増え、海外旅行熱が高まるという追い風もある。

訪日客が昨年、土産物や宿泊・移動などに使った金額は3・7兆円余に上る。鉄鋼や自動車部品の輸出額と肩を並べる規模だ。

訪日客の増加が、人口減で内需が伸び悩む日本を活気づける経済効果は大きい。今後も外国人客の誘致を積極的に推進したい。

最も人気が高いのは、東京―京都―大阪を回る「ゴールデンルート」だ。ところが、旅行者の集中で副作用も目立つ。観光スポットは恒常的に混み合い、ホテルは商用の予約さえままならない。

日本は北から南まで多種多様な自然環境や伝統文化に恵まれる。全国各地の魅力を世界に発信し、訪日観光の裾野を広げる方策が次なる課題だろう。

観光庁は海外向けに売り込む地域を100か所認定し、ブランド化を進める計画だ。富良野、伊豆、琵琶湖、佐世保など全国111地域が名乗りを上げている。

祭りや行事など地方色豊かなイベント体験は人気が高い。さらに自然や建造物、食などをどう組み合わせてアピールするか。市町村など自治体の枠にとらわれない広域連携が一つのカギとなる。

空港の使い勝手を良くすることも欠かせない。団体客の多い格安航空会社の乗り入れや、長時間待たせない入国審査などに取り組む必要がある。地方空港は、誘客や利便性を競い合い、地方観光の底上げにつなげてもらいたい。

通常国会では、個人の空き部屋を旅行者に貸す民泊の届け出や、旅行手配業者の登録を義務付ける法改正が想定されている。

民泊は、生活習慣の異なる外国人客のトラブルが起きやすい。海外の旅行会社と組む手配業者には、割高な土産物店に誘導するなど悪質なケースが指摘される。

これらの問題点を放置してはなるまい。政府や自治体は、適切な監督・指導が求められる。
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