2017年02月28日

[東京新聞] 陛下ベトナムへ 平和・友好の象徴思う (2017年02月28日)

天皇、皇后両陛下はきょうから、ベトナムとタイを訪問される。日本とベトナムの歴史は意外と深い。旧日本軍が進駐したこともある。平和の願いが伝わる旅になるに違いない。

一八八〇年代にベトナムはフランスの植民地となって以来、独立は民族の悲願であった。独立運動の指導者は、明治維新から近代国家となった日本を模範にした。運動を担う人材を育成しようと、多い時期で二百人ほどが日本に留学していたといわれる。

「東遊(ドンズー)運動」と呼ばれる。「東」とは日本を指す。だが、フランスはこれを弾圧し、長くは続かなかった。指導者はファン・ボイ・チャウ氏で、両陛下は今回の旅で、チャウ氏の記念館を訪ねられる予定だ。

古い両国の歴史を振り返るいい機会となろう。

一九四〇年には旧日本軍が「仏印」北部に進駐した。仏印とはフランス領インドシナで、現在のベトナムやカンボジア、ラオスである。日中戦争さなかで、中国国民党の〓介石を援助する「援〓ルート」を封鎖するねらいがあった。四一年には南部にも進駐した。

終戦後には仏印に駐留する日本兵は八万人にも膨らんでいた。大半は帰国したが、残留した者もいた。その後、独立を宣言したベトナムと再植民地化を狙うフランスとの間で戦闘が始まる。そのうち日本兵約六百人がベトナム側に加わったといわれる。

抗仏闘争に貢献した元日本兵は「新しいベトナム人」と呼ばれた。ベトナム人女性と結婚し、家族を持った兵士も多かったが、帰国の際に家族の帯同が認められず、離別を強いられた。

両陛下はこの「ベトナム残留元日本兵」の家族と面会する予定もある。両陛下は関連する新聞記事にも目を通すなどして、入念な準備を重ねていたという。

戦争によって引き裂かれた家族に心を寄せておられるのだろう。そのお気持ちがにじんでいる。パラオやフィリピンなどへの「慰霊の旅」にも通じるものがある。

何よりも昨年八月に「退位」を望まれてから初の海外への親善の旅である。ベトナム、タイ両国の招待に応え、親善を深めたいお気持ちが強かろう。タイでは昨年十月に亡くなったプミポン前国王を弔問する。天皇のご訪問で両国の友好は深まる。天皇陛下が強調された「象徴としての行為」の重要さをあらためて考えるべきである。

※〓はくさかんむりに將
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[産経新聞] 【主張】米政権とメディア 「報道の自由」敵とするな (2017年02月28日)

合衆国憲法修正第1条は、言論・報道の自由を規定している。これにまつわるホワイトハウス記者会主催の夕食会が、約100年にわたり続けられており、歴代大統領は出席してきた。

だが、トランプ氏は欠席を伝えた。今の政権とメディアとの関係を象徴するものだ。

政権に批判的な報道を繰り返すとして、CNNテレビなどの一部メディアがスパイサー大統領報道官への取材から締め出された。

根っこには、自分に都合の悪い報道を「フェイク(偽)ニュース」と呼び、そのメディアを「国民の敵」と決めつけるトランプ氏の誤った判断がある。

政権の立ち上がりで思い通りにいかないことも多かろう。だが、八つ当たりのようなメディア敵視は何の役にも立たない。そのことに早く気付いてほしい。

普遍的な価値である言論・報道の自由を軽視すれば、民主主義を危うくする。

見逃せないのは、トランプ氏が内部情報をリークした情報源を明らかにするようメディアに要求している点だ。情報源の秘匿は報道倫理上の鉄則で、メディアの生命線でもあり、応じられない。

トランプ氏は記者会見を疎んじ、ツイッターから一方的に情報を流す手法も変えていない。

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報道に納得がいかないなら、会見で大いに反論すればよい。指摘された疑問点を的確に説明するのが苦手だというなら、それは指導者としての資質にかかわる。

報道機関は国民の「知る権利」を背に「知らせる義務」を負っている。最も重要な役割は、最高権力者が何をしているのかを監視することにある。いきおい、政権とメディアが衝突する。緊張関係にあること自体は普通だ。

とりわけ米国では、権力側からの圧力を受けながら、言論・報道の自由を守ってきた歴史がある。代表例には、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件が挙げられよう。

権力側にとっては、はなはだ煙たい存在であるに違いない。そうでなくては、メディアも存在意義を失う。対立しながらも透明性を保ち、批判に耐えうる政権であることこそ、民主主義国家としての強いアメリカにふさわしい。

ホワイトハウスの記者会見には日本メディアもアクセスしている。さらに状況を注視したい。
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[東京新聞] ロシアの闇 重苦しい沈黙が覆う (2017年02月28日)

沈黙は重苦しさを増すばかりだ。大政翼賛のプーチン体制の下で少数意見が封じられるロシア社会。野党指導者ネムツォフ元第一副首相が暗殺されて二十七日で二年。真相は闇の底に沈んでいる。

ネムツォフ氏の盟友だった反体制活動家のカラムルザ氏(35)が今月二日、突然体調を崩し入院した。原因不明の多臓器不全で一時は昏睡(こんすい)状態に陥ったが、一命をとりとめた。

実はカラムルザ氏はネムツォフ氏殺害の数カ月後、同じような症状になり死線をさまよったことがある。血中から高濃度の重金属が検出された。カラムルザ氏は二件とも何者かによる毒殺未遂事件だとみている。

カラムルザ氏は昨年、プーチン政権の人権侵害を理由に対ロ制裁の拡大を米議会に要請していた。

二〇〇〇年のプーチン政権発足以来、反体制派やジャーナリストを狙った暗殺事件が相次ぐ。

〇六年に元情報部員のリトビネンコ氏が亡命先のロンドンで、放射性物質のポロニウムによって殺害された事件では、英国の独立調査委員会がプーチン大統領の関与を指摘した。

この事件の直前にはチェチェン戦争の暗部を描いた女性記者ポリトコフスカヤ氏も暗殺された。

〇九年には、ロシア兵に殺害されたチェチェン人女性遺族の代理人を務めていた人権派弁護士と女性記者が一緒に射殺された。

実行犯は捕まっても背後関係は不明のまま真相が解明されることはない。法治体制に穴があいている事態を憂える。国家の体面としても名誉なことではない。

カラムルザ氏の妻は米CNNテレビの取材に「夫への犯行を助長するような社会の風潮をつくりあげたことに責任がある」と語り、プーチン政権を非難した。

腐敗告発のブロガーとしても人気のある野党指導者のナワリヌイ氏に八日、有罪判決が下ったことも、野党には衝撃だった。

ナワリヌイ氏は横領事件の主犯として一三年にも有罪となったが、欧州人権裁判所が裁判の不公正を認めたのを受け、審理差し戻しになっていた。

ナワリヌイ氏は来年の大統領選では、プーチン氏の有力対抗馬になると目されていた。それが法的に出馬は厳しくなった。

「シロビキ」と呼ばれる軍や治安機関を主要な政権基盤とするプーチン氏は、八割を超す支持率を誇る。半面、もの言えぬ国の暗さが政権にはつきまとう。
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[産経新聞] 【主張】国有地売却 疑義残す取引は許されぬ (2017年02月28日)

国有地が驚くほどの安値で売却されていたとして、学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校用地をめぐる問題が国会の焦点になっている。

国民の財産である国有地の取引が、不明朗であってよいはずがない。腑(ふ)に落ちる説明がなされていないのは、どうしてなのか。早急な解明が必要である。

平成29年度予算案は審議の場を参院に移すが、注目を集めた国有地売却を国会として見過ごすわけにはいくまい。必要な関係者の招致を含め的確に対応すべきだ。

小学校の開校にあたり、安倍晋三首相や首相夫人の名前も使われていた。首相としても、名誉を傷つけられたままになろう。率先して解明を指示する必要がある。

学園は小学校建設のため、大阪府豊中市の国有地を取得した。当初、将来の売買を前提に賃貸契約を結んだが、くい打ち工事の過程でゴミなどの埋設物が見つかった。国が撤去作業をすると開校が遅れるため、購入した。

その際の評価額は約9億5600万円で、ゴミの撤去費用の約8億2千万円を減額するなどした。売却に伴う国の収入は約200万円にすぎない。

麻生太郎副総理兼財務相は適正な手続きを経たとの認識を示すとともに、「政治家が不当な介入をしたことはない」と述べたが、これで明確な根拠が示されたとはいいがたい。

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8億円余りの撤去費用の積算に第三者の関与はなく、客観性は担保されていなかった。政府側も異例な対応だったことは認めている。埋設物の箇所を特定していなかったともいう。

財務省が学園側との交渉記録を廃棄していたことも発覚した。ずいぶん都合のよい話ではないか。これで適正な取引だと信じろというには無理がある。

国有地を安く売り払っても、役人が自分の懐が痛むわけではないとでもいうのか。無責任などんぶり勘定で対処していたことに驚くばかりだ。

会計検査院が検査するほか、地元の豊中市が調査を始めたのも当然である。

学園理事長は撤去費用に8億円を使っていないとし、政府も金額相当の撤去作業が行われたか承知していないという。実際に費やされた撤去費や工事の実施状況を把握し、詳細に説明すべきだ。
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[毎日新聞] トランプ大統領 なぜ批判を封じるのか (2017年02月28日)

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おぞましいほど露骨なメディア選別と言わざるをえない。

米ホワイトハウスの24日の定例記者会見が懇談に変わり、ニューヨーク・タイムズやCNNなど少なくとも10の報道機関が締め出された。

CNNなどが報道への報復だと反発し、ホワイトハウス記者会が抗議声明を発表したのは当然である。一般にギャグル(ガチョウの群れの意)と呼ばれる懇談は、もともと閉鎖的なものではないはずだ。

その数時間前、トランプ大統領は保守系団体の集会で「フェイク(偽)ニュースは人々の敵だ」と演説した。ニューヨーク・タイムズやCNNなどを念頭に置いた発言だろう。

両メディアは昨年の大統領選中にトランプ陣営幹部がロシア情報当局者と頻繁に連絡を取っていたなどと報じた。こうした報道と懇談締め出しを関連付けるのは当然である。

しかも大統領は演説で、報道する場合は情報源を明かすべきだという趣旨の発言もした。報道の自由を重んじてきた米国で、こんなことを言った大統領がいるだろうか。情報源の秘匿は報道の自由の生命線であり、あまりに常識外れの発言である。

17日にも大統領はツイッターで一部メディアに対し「米国民の敵。病気だ」と述べた。直後に病気のくだりは削除したが、批判的なメディアへの激しい攻撃は一貫している。

1920年代から続くメディアとの夕食会に出席しないと言明したのも、何とも子供っぽい対応だ。

大統領が報道機関に不満を抱くのは珍しくないが、報道は国民の知る権利に基づいている。やましい点がないなら大統領は説明責任を果たして堂々としていればいい。

だが、トランプ大統領の場合は当選時に獲得した選挙人の数や、就任演説時の観客数も含めて、極めて明白な事柄にも異を唱えてきた。

白を黒と言い張る態度は、オルト・ファクト(代替的事実)という奇妙な言葉も生んだ。米政権の良識を疑う状況が続いているのは米国にも世界にとっても不幸なことだ。

既成メディアに対し、ネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の力が強まっているのは確かだろう。多くのメディアがトランプ氏の当選を予想できなかったことも時代の変化を感じさせた。

だが、だからといってトランプ政権が既成のメディアを排除する理由にはならない。自分の政治手腕に自信がないから批判を恐れるのではないかと思われるだけだろう。

いかにメディアを黙らせようとしても、国民の目をごまかすことはできない。歴史の評価から逃れることもできない。そのことをトランプ大統領は肝に銘じるべきだ。
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[日経新聞] 首相は国有地売却の疑問解明に指導力を (2017年02月28日)

大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に評価額より大幅に安く売却された問題が波紋を広げている。野党は安倍晋三首相の昭恵夫人が「名誉校長」を務めていた経緯を含めて、政治家の関与の有無を追及している。政府は深まる疑問の早期解明に向けて事実を検証する責任がある。

森友学園は広さ8770平方メートルの国有地を小学校の建設用地として1億3400万円で随意契約で購入した。不動産鑑定士の評価額は9億5600万円で、建設工事中に見つかった地中のゴミ撤去費用などのため8億2200万円を減額したという。

財務省近畿財務局は情報公開法に基づく売却価格の開示要求に当初は応じず、後に一転して公表した。財務省は減額分の金額を見積もったのが、伊丹空港の騒音対策の一環で土地を管理していた国土交通省大阪航空局であることも明らかにした。

国民の財産である国有地が外部の目が届きにくい形で、しかも実勢とかけ離れた価格で取引された事実は重い。財務省はこれまでの審議で「近畿財務局と学園の交渉記録は残っていない」と説明した。政府は減額分のゴミ撤去作業がどう実施されたのかすら詳細に把握していないという。

麻生太郎財務相は取引について「適正な手続きによって処分を行った」と繰り返し答弁している。だが経緯が不透明なままでは野党が「政治家が関与したとの疑念を持つ」と指摘するのは当然だ。

さらに野党は学園が土地の取得に動き出した後の2014年末に昭恵夫人が学園の講演会に参加し、名誉校長に就任した点を問題視している。学園が小学校開設の寄付金を「安倍晋三記念小学校」という名称で集めていたことも明らかになっている。

首相は衆院の審議で「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員もやめる」と断言している。それならば政府内の調査や関係者の国会招致に自ら指導力を発揮すべきだ。どういう経緯で昭恵夫人は学園を訪れ、名誉校長に就任し、経営内容をどの程度知っていたのかなど疑問点は多い。

今回の国有地の売却が政治家や官僚の思惑でゆがめられていたとすれば言語道断だ。国民に疑念を持たれること自体が政治不信を増大させかねない。与野党は疑惑の早期解明に向けて一致協力して取り組んでほしい。
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[日経新聞] メディアは民主社会の基盤だ (2017年02月28日)

「権力は腐敗する」。英国の思想家ジョン・アクトンの言葉だ。だから、厳しく監視する必要があるが、普通の人々にはそれほど時間はない。有権者を代表して監視役を担うメディアの責任は重大である。トランプ米大統領はこうした民主主義の基本ルールを理解しているだろうか。

トランプ政権とメディアの対立は激化する一方だ。気に入らない報道機関をホワイトハウス報道官の記者懇談から締め出し、記者会が4月に開く毎年恒例の夕食会にトランプ氏は参加しないそうだ。

権力とメディアの距離が近すぎるのも問題だが、ここまで溝が深まっては情報の伝達ルートとして機能しなくなる。関係が正常化することを望みたい。

日本と比べ、米メディアは党派色が鮮明である。懇談から排除された報道機関はいずれも野党の民主党寄りだ。トランプ氏は「敵」と呼んではばからない。

とはいえ、トランプ政権の一連の対応は、お気に入りメディアに意図して特ダネを流すのとはわけが違う。報道機関に最低限の取材アクセスを保障するのは、権力者の義務といってよい。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が発達し、世論形成における新聞やテレビの影響力は下がっている。トランプ氏のツイッターには2500万人を超えるフォロワーがいる。旧来型メディアに頼らずに世論誘導したいのだろう。

SNSは考えが近い人を呼び集めるのに有効なツールであり、趣味の友人づくりなどに役立つ。だが、不確かな伝聞や嘘・デマなどがあっという間に広まるという弊害もある。事実の確認や背景の解説といったメディアの役割がなくなることはあるまい。

国民がデマに踊らされて国を誤った方向に向かわせる。こんなことは古今東西よくあったし、これからもあるだろう。そのとき、民主社会の基盤であるメディアがきちんと役割を果たせるか。米国の現状は決して他人事ではない。
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[毎日新聞] 予算案衆院通過 宿題が残されたままだ (2017年02月28日)

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結果的には数で勝る与党のペースで進んだということだろう。2017年度予算案が衆院を通過した。

2月中に通過するのは3年ぶりだ。とはいえ、忘れてならないのは多くの宿題が積み残されたままだということだ。

衆院予算委員会が始まって以降、予算案自体の議論以上に焦点となったのは、政府が近く提出予定の組織犯罪処罰法改正案、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)、文部科学省の天下り問題の3点だった。

その論戦はどうだっただろう。

組織犯罪処罰法改正案は共謀罪の要件を絞り込んだ「テロ等準備罪」を新設するものだ。これに関する金田勝年法相の答弁はしどろもどろとなり、一時、「法案の国会提出後に議論すべきだ」との文書を公表して批判を招いた。改正案はまさに国会提出後に大きな議論になるだろう。

南スーダンのPKOでは、防衛省が開示要求されていた現地の自衛隊活動の日報を当初、廃棄したと説明しながら、その後一転して公表した。日報に記された「戦闘」の表記の解釈をめぐっても稲田朋美防衛相が答弁に窮する場面が相次いだ。

仮に衆参で与野党勢力が逆転した「ねじれ国会」であれば、与党側が「予算成立に支障をきたす」と早々と両氏の閣僚更迭を決断したかもしれない。それほど閣僚としての資質に疑問を抱かせた答弁だった。

文科省の天下り問題も全容は解明されていないのが実情だ。

そして審議終盤に浮上した学校法人「森友学園」の問題だ。なぜ国有地が格安の価格で同学園に売却されたのか。疑念は広がる一方だ。

改めて指摘しなければならないのは安倍晋三首相の答弁だ。批判されるとすぐムキになる一方で、経済政策に関しては相変わらず政府に好都合な数字ばかりを挙げて「旧民主党政権に比べてこれだけ良くなった」と自賛する姿が目立った。

アベノミクスは順調に進んでいるようには思えない。政権発足から5年目を迎え、こうした国会議論のままでは「次」には進まない。

深刻さを増す人口減少問題にどう対応するのか。そんな国民の不安に応える質疑も乏しかった。これらに関しては具体案を提示できない民進党など野党にも責任があるだろう。

米国でトランプ大統領が就任し、早々に日米首脳会談が行われる中での予算委審議だった。各種の世論調査では今回の会談を評価する声が多いためだろうか。野党の方が「今後の日米関係はどうあるべきか」の論戦に消極的だったように思える。

審議の場は参院に移る。数々の宿題をこなすため、参院での徹底審議を従来に増して求めたい。
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[読売新聞] 森友学園問題 適正な国有地売却だったのか (2017年02月28日)

あまりに不透明な国有地の売却である。

大阪府豊中市の国有地が、評価額を大幅に下回る価格で学校法人に売却されていたことが判明した。国会の審議でも、連日取り上げられている。

国土交通省大阪航空局が管理していた8770平方メートルの土地だ。近畿財務局が売却先を公募し、昨年6月に学校法人「森友学園」に小学校建設用地として1億3400万円で売却された。

不動産鑑定士の評価額は、9億5600万円だった。地中からコンクリート片や廃材などが見つかったため、その撤去費用分を8億円余と見積もり、評価額から差し引いたのだという。

問題なのは、見積もられた費用に見合う撤去処分が実際に行われたかどうか、不明なことだ。

学園側は読売新聞の取材に対し、「くいを打ち込む部分のゴミは撤去したが、それ以外は撤去していない」と説明する。見積もりが過大だった疑念は拭えない。

近畿財務局の依頼を受けた大阪航空局が、専門業者を通さずに、直接算定したことも疑問だ。財務省は「適正だった」と主張するが、算定根拠について納得のいく説明がなされていない。

会計検査院は「経済性などの多角的観点から検査を実施する」との方針を示している。厳格な調査を求めたい。財務、国交両省も、経緯をきちんと説明すべきだ。

野党は、安倍首相や昭恵夫人と学園の関係を追及している。

昭恵氏は、この小学校の名誉校長に就任予定だった。学園のホームページには、写真とあいさつ文が掲載されていた。

国会で問題視された後に、名誉校長を辞退したものの、脇の甘さは否めない。

学園側は、「安倍晋三記念小学校」という名称を用いて、寄付金も集めていた。名前を使われたことに対し、首相は「強く抗議した」と答弁している。

「私や妻は学校の認可や国有地払い下げに一切関与していない。関与していたら、首相も国会議員も辞める」とも言い切った。

政治家や家族には、その肩書を利用しようと、様々な業者が接近する。便宜供与を期待するケースもあるだろう。疑惑を招かない細心の注意が必要だ。

学園の教育方針や財務状況については、小学校の設置認可を検討した大阪府私立学校審議会で疑問視する声が出ていた。子供への影響を最小限にとどめるため、認可問題の早期決着が求められる。
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[朝日新聞] 予算衆院通過 財政論議も忘れるな (2017年02月28日)

共謀罪を衣替えした「テロ等準備罪」に、長時間労働を改める働き方改革。南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)を巡る問題や米国のトランプ政権との向き合い方。

文部科学省の組織ぐるみの天下りあっせん、そして国有地の売却にまつわり噴き出る数々の疑惑。

いずれも国民の生活や外交にかかわり、関心が高い重要問題ばかりだ。花形とされる予算委員会を中心に、国会で徹底的に議論するのは当然だろう。

しかし、である。国の予算、さらには借金づけの財政の問題が、あまりに脇に追いやられていないか。

新年度の予算案が衆院を通過し、きょうから参院で審議が始まるが、衆院通過は戦後2番目の早さに並ぶと聞けば、なおさらその感を強くする。

当初予算では5年続けて過去最大を更新し、歳出抑制への取り組みは甘い。企業業績の陰りで今年度分を下方修正した税収は「トランプ相場」で急回復を見込むが、危うさはないか。財源不足を補う新規国債の発行額を前年度より減らしたと政権は誇るが、特別会計からの繰り入れに頼ったおかげでもある。

2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標は、最新の政府見通しではさらに遠のいた。将来世代へのつけ回しに対する危機感と責任感は、相変わらず乏しい。

「経済を成長させ、税収を増やしつつ、そして無駄遣いをなくしていく」。安倍首相はPB黒字化に向けてそう強調するが、達成は見通せていない。野党も具体的な道筋を繰り返し突くべきなのに、矛先は鈍い。

首相が2度にわたって延期した10%への消費増税は、今の予定では19年秋と2年半余りも先だ。日銀が大胆な金融緩和の一環で国債を買い続けているため、国債相場の急落に伴う「悪い金利上昇」の恐れもなさそうだ。与野党そろってそんな思いでいるのではないか。

国債市場が本来持っている財政への警告機能が損なわれているからこそ、政治が財政規律を守る姿勢を示すべきなのに、緊張感を失っているとすれば何をかいわんや、である。

「もし3度目の消費増税の先送りをした場合は、確実に(日本国債の)格付けが下がる。金利上昇が起こることは考えておかなければならない」

衆院予算委員会の中央公聴会で、大手金融機関の担当者が力を込めた一節である。

与野党とも指摘を胸に刻み、参院の審議に臨んでほしい。
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[読売新聞] 残業の上限規制 実効性確保へ一致点見いだせ (2017年02月28日)

際限なく残業が認められる現状を改め、長時間労働に歯止めをかける。そのためには、労使双方が納得できる制度とすることが大切である。

残業時間の上限規制を巡り、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長が会談した。政府が3月中に策定する働き方改革の実行計画に向けて、合意形成を目指して協議を続ける。

政府は、残業時間の上限を年720時間とする案を提示している。月平均60時間だ。繁忙期に残業が長くなり過ぎないように、1か月当たりの上限も設ける。

年間の上限について、労使に意見の隔たりはない。焦点は、1か月の上限をどう設定するかだ。

政府は、脳・心臓疾患による労災認定基準を踏まえ、「月100時間」「2か月平均で80時間」とすることを検討している。いわゆる「過労死ライン」である。

経団連は、大筋で受け入れる意向だ。連合は、過労死リスクが高まるなどとして、強く反対してきた。労使が合意しなければ、残業規制は頓挫しかねない。早急に一致点を見いだしてほしい。

労働基準法は、労働時間を1日8時間、週40時間までと定めるが、労使協定を結べば残業が可能だ。その場合、月45時間、年360時間以内が基準だが、強制力はない。しかも、協定で特例を定めれば、基準を無制限で超過できる。

月100時間超の残業が可能な協定も散見される。過労死は後を絶たない。電通の過労自殺問題を契機に、長時間労働に対する国民の問題意識は高まっている。

政府案は、月45時間の基準を法定化した上で、特例にも上限を定める。違反には罰則を設ける。規制が空洞化していることを踏まえれば、一歩前進と言えよう。

いきなり厳し過ぎる上限を設けても、実効性は上がるまい。法定の上限の範囲内で、企業ごとに労使が協議して、職場の実情に合った個別の上限を定める仕組みとするのが現実的ではないか。

残業規制の枠外となっている研究開発や建設・運送業などの扱いも課題だ。業務の特殊性に配慮しつつ、適切な規制の在り方を工夫する必要がある。

終業と始業の間に一定時間を確保する「インターバル規制」の普及も進めねばならない。

残業の上限規制は、あくまで過労死防止が主たる目的だ。これにより、仕事と家庭の両立や女性の活躍が直ちに実現するわけではない。さらに踏み込んだ長時間労働の是正策が不可欠である。
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[朝日新聞] 社会的投資 行政の改革と両輪で (2017年02月28日)

利子や配当といったもうけより、さまざまな社会の課題解決に役立ったという満足感を重視したい――。利殖と寄付の中間と言えばよいだろうか、社会的投資と呼ばれる資金提供への関心が高まっている。

そうしたお金を行政に呼び込む試みが、新年度から一部の自治体で始まりそうだ。財政難を補いつつ、とかく「成果の検証がなおざりで、使い切って終わり」と批判される予算の見直しにもつなげるのが狙いだ。

神戸市は新年度予算案に、糖尿病性腎症の重症化予防事業を盛り込んだ。

症状が悪化して人工透析に頼ることになれば、患者の負担は大きく、医療費も膨らむ。ベンチャー企業に委託して食事療法などを指導してもらうのが主な内容だが、企業はまず、民間の資金で事業を行う。指導が終わると市は一定額を支払い、成果に応じて上乗せする。

成果を測る指標として、生活習慣の改善につながった人数を決めておく。人工透析を防げた人数も加味して評価する。

事業の検討を支援した日本財団によると、そんな仕組みだ。

成果が乏しければ上乗せ額は限られ、最終的に資金の提供者が負担をかぶる恐れがある。まずは大手銀行がベンチャーにお金を出すことを検討中という。

東京都八王子市が新年度に計画する大腸がんの検診促進事業も、基本的な枠組みは同じだ。

この手法が軌道に乗れば、自治体は予算を抑えながら成果をあげられる。何より、あらかじめ成果目標を立てて事業を行い、達成度をチェックするという、民間では当たり前の進め方に取り組む意義は大きい。資金を出す大手銀行には、民間事業者の育成につなげる狙いもあるようだ。

とはいえ、行政と委託先、資金の出し手の三者が納得できなければ長続きしない。メリットとリスクをどう分担し、そのために成果目標や報酬の支払い方をどう工夫するか。知恵を出し合いながら検証してほしい。

こうした取り組みは英国で始まったとされ、十数カ国で60件ほど実例があるという。ネットを通じて資金を集める「クラウドファンディング」で被災地を支援している国内の民間ファンドも、社会的投資を普及させるきっかけになりうると見ているようだ。広く個人投資家のお金が集まる状況を目指したい。

社会的投資を引きつけようと行政が予算を改革し、それがさらに社会的投資を促す。官と民が協力して、そんな循環を作っていってほしい。
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