2016年08月25日

[産経新聞] 【主張】ドーピングのロシア、リオ・パラリンピック出場禁止 東京は厳格検査で備えよ (2016年08月25日)

スポーツの価値は「公平、公正」な環境が保たれてこそ成り立つ。薬物汚染が指摘される国の参加を禁じるのは、大会の価値を守る上で当然の措置だろう。

リオデジャネイロで9月に開かれるパラリンピックから、ロシア選手団が全面除外されることになった。

国際パラリンピック委員会(IPC)の除外決定に異を唱えたロシア側の訴えを、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が退けた。IPCの姿勢は「ドーピングの入り込む余地はない」という強い決意の表れで、CASの裁定も妥当だ。両者の判断を支持したい。

障害者は個々に疾患を抱えており、治療の面でも医薬品との距離が近い。近年は障害者スポーツのレベルが向上し、大会の商業価値も高まった。薬物汚染の広がる土壌は存在している。

「モラルよりメダル重視の風潮に嫌悪感を覚える」というクレーブンIPC会長の指摘は、スポーツ界全体への警鐘としたい。

障害者スポーツにおいても、ロシアの競技力は高い。リオ大会からの全面除外により、「メダルの価値が低下する」との批判もあるが、筋違いだ。ロシアの国ぐるみの薬物汚染と隠蔽(いんぺい)をあばいた世界反ドーピング機関(WADA)の報告書では、隠蔽された陽性検体の中に、パラリンピック選手の35検体も含まれていた。

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薬物に支えられた競技力の高さは、何よりも大会とメダルの価値を損ね、潔白な選手のメダル獲得の機会を奪うことになる。ロシア側の「潔白」が疑われる事態を招いたのは、ロシア自身だ。

国際スポーツ界の信用を取り戻すには、選手や指導者の意識改革だけでは足りない。メダル獲得を過度に国威発揚に重ねた時代錯誤の考え方を、国の上層部が改めることを強く求めたい。

国際オリンピック委員会(IOC)がリオ五輪からロシアを除外していた場合、CASが今回と同様の裁定を出した可能性は高い。スポーツ大国への過剰な配慮により、参加を許したIOCの姿勢も改めて批判したい。

2020年東京五輪・パラリンピックには、ロシアが戻ってくる。検査機関の強化はもとより、警察や税関などとの連携を図るためにも、早急な法整備が必要だ。一切の不正を許さぬ決意を、日本から世界に発信すべきだ。
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[産経新聞] 【主張】北潜水艦ミサイル 中国は挑発を助長するな (2016年08月25日)

北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射し、日本の防空識別圏の内側とみられる日本海に落下した。

危険極まりない敵対行為であり、断じて容認できない。国民の安全を守るため、政府は万全の備えをしてもらいたい。

北朝鮮は今年1月に核実験を強行した後、ミサイル技術の向上、戦力の多様化を誇示するかのように、ミサイル発射を繰り返している。

24日の日中韓外相会談は1年5カ月ぶりの開催であり、SLBM発射を受け北朝鮮に強い警告を与える格好の場となったはずだ。

「北朝鮮に挑発行為の自制や国連安全保障理事会決議の順守を強く求めていくことを確認した」(岸田文雄外相)というが、力強さを欠いた。その最大の要因は、メッセージを発した中国自身が、尖閣諸島(沖縄県)周辺で日本の領海侵入という挑発行為を繰り返していることだろう。

中国は南シナ海での主張を全面否定した仲裁裁判所の裁定も「紙くず」と一蹴し、耳を貸さない。そんな国が安保理決議順守を唱えたところで説得力を持つまい。安保理の対北非難声明も、中国が難色を示し、流れている。

外相として初来日となった中国の王毅氏は公開の場の発言で、北朝鮮の名指しを極力避け、「半島に緊張を引き起こすような言動に反対」といった表現を使った。

韓国の尹炳世外相との会談では、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備の撤回を求めた。

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THAADも地域の緊張を引き起こすと言いたいようだが、北朝鮮の弾道ミサイルは中国が常任理事国の一角を占める安保理の決議違反である。迎撃システムはその抑止が目的であり、同一視するのはおかしい。

自国の利益のためには、北朝鮮の強硬姿勢も容認する。中国のこうした態度が、北朝鮮の挑発行為を助長しているのではないか。

中国には9月の杭州での20カ国・地域(G20)首脳会議を無事終えるとの目標がある。日本にはホストを務める日中韓首脳会談の年内開催も重要に違いない。

だが、目先の行事の成功を優先させ、きれい事の発言を並べても、東アジアの平和と安定に寄与することはあるまい。北朝鮮だけでなく、中国の挑発や圧力にもぬかりなく備えることだ。
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[東京新聞] 日中韓外相会談 北朝鮮の軍拡止めねば (2016年08月25日)

日本と中国、韓国の外相会談を挑発するかのように、北朝鮮がミサイルを発射した。日中韓は利害を超え、東アジアの危機に対処しなくてはならない。

北朝鮮は日本海に向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)一発を発射、約五百キロ飛行し日本の防空識別圏内に落下した。四月には三十キロの飛行だったが、技術向上を見せつけた。

日中韓三国の外相会談では、北朝鮮に強く自制を求めるとともに、国連安全保障理事会の決議を順守し、制裁を続けることを確認した。


◆潜水艦ミサイルの衝撃
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海中を移動する潜水艦から発射されるミサイルを、偵察衛星やイージス艦で察知、迎撃するのは難しい。実戦配備されれば、仮に地上の軍事基地が攻撃されても、SLBMによる報復能力を持つことになる。韓国だけでなく、米軍基地を持つ日本にとっても深刻な脅威になりつつある。

北朝鮮は一月に四回目の核実験を強行したのに続き、飛距離や軌道、発射方式が異なるミサイルの発射を続けている。譲歩する兆しはなく、米国と韓国も圧力を重視しており、当面は外交解決に展望が開けそうもない。

各国は北朝鮮制裁を着実に実行し、軍拡路線を続ける限り経済発展は望めず、体制は先細りになると重ねて警告する必要がある。

北朝鮮の核・ミサイル開発がきっかけになり、東アジアの外交、安全保障の構図は昨年までとは様変わりの様相を見せている。

日韓は冷却状態から修復に動きだした。旧日本軍の慰安婦問題で、元慰安婦を物心両面で支援する財団を韓国側がつくり、日本政府は十億円を拠出する。岸田文雄外相は尹炳世外相に、拠出が閣議決定されたことを伝えた。「慰安婦問題で日韓がずっと争っていたら、北朝鮮の脅威に対応できなくなる」という声が、双方から聞かれるようになった。

逆に昨年まで蜜月だった中国と韓国は、確執を深めている。

北朝鮮に対抗し、米軍は高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)を韓国南部に配備すると決めた。だが中国は、THAADが持つレーダーが自国の軍事情報まで探知するとみて強く反発。この日の中韓外相会談でも、配備反対を伝えた。

中国は「朝鮮半島の非核化実現」を強調しながら、最近は積極的に努力しているとは言い難い。現実の脅威である北朝鮮の挑発抑止より、迎撃ミサイルの韓国配備反対を訴える独善的な姿勢を続けるのであれば、国際社会の足並みを乱すと非難されるだろう。


◆首脳間の対話継続を
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沖縄県・尖閣諸島周辺では、中国公船が八月以降、領海侵入を繰り返している。

岸田外相は会談で、事態の完全な沈静化と再発防止を要求。王毅外相は「東シナ海情勢の悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要で、中日関係を改善したい」と応じた。

中国側が関係改善の意思を示したことは評価できるが、尖閣周辺で緊張を高める一方的な行為をエスカレートさせたのは中国である。南シナ海での中国の実効支配を国際法違反とした仲裁裁判所の判決を順守するよう求めた日本に反発した行動であれば、大国にふさわしい振る舞いとはいえない。

日本側も日本に主権があることをきちんと主張しながら、万一の武力紛争を回避するための枠組みを、対話を通じてつくり上げる粘り強い努力を続けてほしい。

日中韓の外相会談では、三カ国の首脳会談を年内に日本で開催するよう協力することを確認した。

それに先立ち九月初めには中国杭州市で二十カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる。中国側は安倍晋三首相と習近平主席の会談実現に努力する姿勢を示した。

北朝鮮情勢、尖閣問題、中国の南シナ海進出など域内の緊張が高まる中で、首脳同士が対話を続け、信頼を築いて懸案解決に取り組むことが何よりも重要になる。


◆次の五輪にも影響する
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日中韓は互いに経済依存度が高い。自由貿易協定(FTA)交渉を推進し、環境、防災対策や青少年交流での協力が話し合われた。経済をはじめとし、多分野での交流拡大が安定のかぎを握る。

実は六年後まで、五輪はすべて東アジアで開催される。韓国・平昌冬季五輪(二〇一八年)、東京五輪(二〇年)、そして北京冬季五輪(二二年)。大会運営、観客の相互訪問、テロ対策まで、互いに協力し、参考にできるのではないか。

日中韓にとって隣国である北朝鮮の脅威をどう抑え、安定させていくか。三つの五輪の成功にも、少なからぬ影響を与えるだろう。
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[毎日新聞] 日中韓外相会談 危機管理の責任自覚を (2016年08月25日)

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日中韓3カ国の外相会談がきのう東京都内で開かれた。北朝鮮の核・ミサイル問題や、尖閣諸島を巡る日中の緊張が続く中で開催できたことは意義がある。この流れを年内の3カ国首脳会談開催につなげる必要がある。

北朝鮮は会談に合わせたかのように潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射した。北朝鮮は金正恩(キムジョンウン)体制になってから、ミサイル技術を急速に高度化させている。北朝鮮の核・ミサイル開発は、日中韓すべてにとって放置できない問題だ。

岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題で日中韓が連携する必要性を強調した。中国の王毅外相も会談前、北朝鮮の核・ミサイル開発に反対する姿勢を記者団に表明した。

ただ中国は一方で、在韓米軍への「終末高高度防衛(THAAD=サード)ミサイル」配備に反発。北朝鮮のミサイル発射に対する国連安全保障理事会の非難声明に反対するなど、日米韓との距離が目立つようになっている。

中国の姿勢は国際社会の結束を乱しかねないものだ。中国には、THAAD配備は北朝鮮の核・ミサイル開発に対応する措置だということを理解してもらいたい。

きのうは日中、日韓、中韓の外相会談も相次いで行われた。改善基調にある日韓を除けば、いずれも難題を抱える関係だ。

日中間では、尖閣諸島周辺で中国の公船が日本の領海への侵入を繰り返す異常事態が続いている。日本の実効支配を突き崩す狙いとみられるが、度を越えた挑発行為だと言わざるをえない。岸田氏が、王氏に強く抗議したのは当然である。

中韓外相会談では、中国側がTHAAD配備撤回を改めて要求したようだ。中国は、商用査証の発給厳格化などで韓国に圧力を加えているといわれる。そうだとすれば、責任ある大国の対応とはいえない。

一方で3カ国は環境や原発の安全確保といった共通の課題を抱えている。18年冬季が韓国・平昌、20年夏季が東京、22年冬季が北京と続く五輪の成功に向けた協力も必須だろう。

多国間外交は、対立する国家同士に自然な形で対話の場を提供する。対話を続ければ関係改善につながることも期待できる。日中韓の対話が重要な理由だ。

中国の王氏は「3カ国の関係にはさまざまな問題があるが、3カ国は地域の平和と安定の維持に重要な責任を担っている」と語った。歓迎される発言だ。

北東アジアの危機管理に協力することは、それぞれの国の国益にかなう。そのことを自覚すべきだ。
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[日経新聞] 日中韓が協力してこそのアジア安定だ (2016年08月25日)

日中韓3カ国の外相が東京で会談した。日本での開催は実に5年ぶり。中国の王毅外相の来日も、就任してから初めてだ。さまざまな対立を引きずる3カ国が対話のテーブルに着いたことを、まずは歓迎したい。

3カ国の連携が求められる懸案のひとつが、緊迫する北朝鮮問題だ。24日朝には北朝鮮が潜水艦発射型の弾道ミサイルを撃った。3人の外相はいずれも言及したが、立場にはズレもうかがえた。

韓国は米軍の地上配備型高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の配備を決めた。これに反発する中国は最近、北朝鮮寄りの姿勢が目立つ。中国は韓国の決定に怒るより、核とミサイルの開発をやめるよう北朝鮮への圧力を強めるべきだ。

防災、環境、テロ対策などで一定の成果があったことは評価できる。不透明さを増す世界経済の安定には一段の協力が欠かせない。年内に日本で開催する方向の3カ国首脳会談では、より具体的な成果を期待したい。

3カ国の協力を深めるには、日中、日韓、中韓の関係を太くすることが欠かせない。このうち、日中には東シナ海、南シナ海を含めて多くの懸案がある。沖縄県の尖閣諸島の領海・接続水域には8月上旬、中国の公船、漁船が押し寄せ、日本が繰り返し抗議した。

岸田文雄外相は王毅外相との2国間会談で、9月初旬の主要20カ国・地域(G20)首脳会議を利用し、安倍晋三首相と習近平国家主席の会談を開くよう提案した。谷内正太郎・国家安全保障局長が訪中し、地ならしをする。ぜひ首脳会談を実現し、関係改善の道筋をつけてもらいたい。

意図しない衝突を防ぐため、日中防衛当局間の「海空連絡メカニズム」の発足も急がなければならない。王毅外相が前向きな姿勢を見せたのは良い兆候だが、早く正式合意に応じてほしい。

従軍慰安問題をめぐる昨年末の合意を受け、日韓関係は雪解けが進みつつある。この流れを着実にし、目に見える安全保障協力にもつなげていきたい。日韓は米国や他のアジア諸国と連携し、南シナ海問題でも中国に国際法の順守を求めていく必要がある。

アジアを代表する日中韓の3カ国が緊密に協力してこそ地域と世界の安定が保たれる。年内に実のある3カ国首脳会談を実現できるよう、調整を尽くすべきだ。
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[毎日新聞] 志布志事件 教訓は可視化の拡大だ (2016年08月25日)

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限度を超えた警察の取り調べの違法性を断罪した内容だ。

2003年の鹿児島県議選をめぐり、起訴された12人の無罪が確定した志布志(しぶし)事件で、福岡高裁宮崎支部が、逮捕や起訴されなかったものの「違法な取り調べを受けた」とする住民6人の訴えを認め、595万円の支払いを県に命じた。双方とも上告せず、判決はこのほど確定した。

志布志事件は、取り調べの録音・録画(可視化)の法制化が進むきっかけになった事件だ。今回の裁判所の判断を踏まえれば、任意の取り調べであっても、可視化の仕組みが必要だといえる。

住民らの取り調べは、公職選挙法の買収などの容疑で行われた。

「取り調べ中の交番の窓から外に向かって『2万円と焼酎2本をもらったが、それ以外はもらっていません』と大声で叫ばせた」「高血圧性脳症の疑いと診断されて入院したのに外出許可を取らせて連日の取り調べを強行した」「大声で怒鳴りながら机をたたくなどの取り調べを連日長時間繰り返し、入院を余儀なくさせた」−−。いずれも判決が認定した内容である。1審よりも違法な取り調べの範囲を広くとらえた。

これは取り調べの名に値しない。住民が「人権侵害だ」と訴えたのもうなずける。結果的に、警察の見立てに沿う自白調書ができた。

志布志事件では、逮捕や起訴された住民の裁判でも信じられないような取り調べが明らかになった。心理的に追い込むため、親族の名前などを書いた紙を取り調べ中に踏ませた「踏み字」もその一つだ。

刑事事件は07年に無罪が確定した。無罪の住民と遺族が国家賠償を求めた訴訟でも「公権力をかさに着た常軌を逸した取り調べだった」と認定され、計5980万円の賠償を命じた判決が昨年確定している。

今回の控訴審判決が確定し、志布志事件の裁判は、刑事・民事とも終結した。

この事件で明らかになったのは、いったん捜査機関が事件の筋を見立てると、自白を得るために相当強引な取り調べをすることがあり得るということだ。なぜ捜査は強引に推し進められたのか。同じことを繰り返さないためにも、県警は住民らの意向を踏まえ、事件を検証して原因を明らかにする責任がある。起訴して公判を続けた検察の責任も大きい。

5月に成立した刑事司法改革関連法では、捜査機関への可視化の義務づけを、主に裁判員裁判対象事件で身柄拘束中の容疑者に限定した。これは、全逮捕・勾留事件の3%程度にとどまる。だが、志布志事件の教訓を生かし、可視化の範囲はさらに広げていくべきだ。
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[日経新聞] 欧州に安定と成長の工程表を (2016年08月25日)

ドイツ、フランス、イタリアの3カ国の首脳がイタリア南部で会談し、英国が欧州連合(EU)を離脱した後もEUの結束を維持する方針を確認した。

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英国に続いてEUからの離脱をめざす国が相次げば、戦後欧州の平和と安定の礎であるEUの足場が崩れかねない。欧州の大国である3カ国の首脳が連携した点はひとまず評価できる。

英国を除くEU加盟27カ国は9月に非公式の首脳会合を開き、英国離脱後のEUのあり方を協議する。今回の独仏伊の首脳会談はそのための準備の一環だ。

大事なのは、英国離脱後のEUのビジョンと、統合の意義を示す具体策を欧州の企業と市民に示すことだ。EUのトゥスク大統領を中心に首脳間で協議を重ね、しっかりと骨格を固めてほしい。

欧州では、頻発するテロや、シリアなどから流入する難民への対応が急務だ。経済面では、若年層を中心に失業率が高止まりしており、潜在成長率を高める構造改革が求められている。

こうした課題にEU27カ国が協調して対処する方針を打ち出すことが、EU再結束に向けた第一歩になる。そのために、いつまでに、どんな政策を実現するかを示した工程表をつくってはどうか。

EUの中核であるユーロ圏のあり方として、イタリアのレンツィ首相は金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)を欧州通貨基金(EMF)に改組するとともに、ユーロ圏財務相のポストを新設すべきだと提言している。

大きな方向性は正しい。しかし、反EUを掲げる政党への一定の支持が集まる中、さらなる統合を無理に急いでしまうと、かえって反EU感情が広がりかねないリスクがある。

まずは欧州の安定と成長に絞ってEUとしての青写真を示す。改革は段階を踏んで徐々に実行していく。そんな現実的なやり方でEUの信頼を取り戻していくのが一案だ。
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[読売新聞] 日中韓外相会談 対「北」圧力で協調を追求せよ (2016年08月25日)

東アジアの平和と繁栄には、日中韓3か国が対話を重ね、協調を追求することが欠かせない。

岸田外相と中国の王毅外相、韓国の尹炳世外相が東京で会談した。北朝鮮の核・ミサイル開発を認めず、自制を求めることで一致した。

北朝鮮は会談当日朝、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射した。約500キロ飛行し、日本の防空識別圏内の日本海に落下した。奇襲能力の高いSLBMの技術向上は周辺国の脅威だ。

岸田氏は会談で、北朝鮮を厳しく批判し、日中韓の連携強化を呼び掛けた。尹氏も、「団結した対応」の重要性を指摘した。

岸田氏が王氏に対して、中国が「責任ある国連安全保障理事会常任理事国」の役割をきちんと果たすよう求めたのは当然である。

7月以降、北朝鮮の再三の弾道ミサイル発射に対し、安保理は非難声明を検討したが、中国の反対で見送られ続けている。王氏は、「あらゆる安保理決議に違反する措置に反対する」と明言した以上、言行を一致させるべきだ。

3外相は、日中韓の自由貿易協定(FTA)交渉の加速や、環境・防災協力、青少年交流の促進などを確認した。3か国が協調することで得られる利益は大きい。

年内の首脳会談の日本開催に向けて、各国は努力してほしい。

岸田氏は王氏との個別会談で、多数の中国公船が尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返している問題を提起し、「事態の完全なる沈静化」と再発防止を要求した。

王氏は、「(日本側が)問題をあおり立てている。現在はほぼ平常に戻った」などと強弁した。

中国の行動には、南シナ海問題を巡る仲裁裁判所の判決に従うよう求める日本を牽制(けんせい)する狙いもあるとされる。だが、力による現状変更の試みは、国際社会の「中国脅威論」に拍車をかけるだけで、むしろ逆効果だろう。

中国は、無益な挑発行為を自粛することが求められる。

岸田氏は尹氏とも会談し、韓国政府が設立した元慰安婦の支援財団に10億円を日本が拠出するとの決定を伝えた。

日本が昨年末の日韓合意を誠実に履行する姿勢を強調したのは妥当である。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」に向けて、韓国側の前向きな対応を引き出すことにつながろう。

ソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去は、関係団体の反発で難航している。韓国内の調整を見守りたい。
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[読売新聞] 補正予算案 経済再生へ事業を吟味したい (2016年08月25日)

経済再生に向けて、予算案の事業を十分に吟味し、より効果的に執行することが肝要である。

政府が歳出総額4兆円超の2016年度第2次補正予算案を決定した。事業規模28兆円の経済対策の第1弾で、来月召集の臨時国会に提出する。

日本経済の課題である成長力の強化には、子育てや介護を巡る不安の払拭や、労働人口の減少を補う施策がカギを握る。

補正予算案が、女性や中高年の働き手を増やすため、子育てと介護の環境整備に2770億円を計上したことは理解できる。

保育・介護サービスの拡充に加え、長時間労働の是正に向けた働き方改革の推進が大切だ。

企業の賃上げを促すための生産性向上も喫緊の課題である。

賃上げを行う中小企業に対する販路拡大や海外進出の支援策などとして、1176億円を盛り込んだ。賃上げを一過性でなく、長期継続する方向に誘導する補助金の制度設計が欠かせない。

人工知能の研究拠点整備などには1903億円を充てる。産学官が協力し、企業のニーズに合致した研究を進めねばならない。

一方で、持続的な景気浮揚効果が不透明な予算も少なくない。

「消費の底上げ」を目的とする3673億円の「臨時福祉給付金」が典型である。低所得者への現金給付は、一時的なカンフル剤にはなっても、内需を息長く押し上げることは期待できない。

約2兆円にも上る公共事業関連予算がバラマキ型の施策に使われる懸念も拭えない。

熊本地震や東日本大震災の復興は優先事項だが、「災害対応」を名目にした公共事業は精査が必要だ。農道整備、農水路の耐震化など旧来型の農業土木事業も、競争力強化にはつながるまい。

実施事業の選定では、費用対効果の十分な検討が求められる。

財政再建への目配りも重要だ。当初と2回の補正を合わせた16年度予算の歳出は、100兆円に達する。2兆7500億円の建設国債の追加発行により、国債発行額も計37兆円超となり、4年ぶりに前年度を上回る。

当初予算で国債発行額を抑えても、補正予算でタガを緩めては意味がない。そうした事態を防ぐためにも、財政健全化への工程表の練り直しが急務である。

経済対策の第2弾は、17年度当初予算案に計上される。今月末にまとまる各府省の概算要求は、事業や施策の実効性をしっかり見極めたものにしてもらいたい。
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[朝日新聞] 駆けつけ警護 もっとPKOの議論を (2016年08月25日)

安全保障関連法に基づく自衛隊の新任務の訓練が順次、始まる。政府がきのう発表した。

まず行われるのは、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に、11月に派遣される予定の陸上自衛隊部隊に対する「駆けつけ警護」の訓練だ。

道路補修などにあたる施設部隊だが、駆けつけ警護は、離れた場所で武装勢力に襲われた国連、NGO職員らを武器を持って助けにいく任務だ。自らの部隊を守るだけでなく、外に出て多くは丸腰の人を守ることになる。隊員のリスクが高まることは避けられない。

この任務を付与するか否かは今後、現地の治安情勢などを踏まえて政府が判断する。国会での徹底した議論が欠かせない。

南スーダンの人道危機にいかに歯止めをかけ、国造りを支えていくか。自衛隊を含むPKOの役割は大きい。

一方で、その実態が変質したのも確かだ。かつて「敵のいない軍隊」と呼ばれたPKOは、紛争の当事者にならない、中立性を重んじるものだった。だが近年は、人道危機から住民を保護するために武力を積極的に用いる活動が常態化している。

紛争地の状況は刻々と変化していく。実際に駆けつけ警護に踏み込むとすれば、現地の部隊も、東京の政府も極めて難しい判断を迫られるだろう。

ところが、その根拠となる安保関連法について、国会での議論は尽くされていない。11本の法案を2本にまとめ、焦点はPKOのあり方ではなく、集団的自衛権をめぐる憲法問題などに当たった。7月の参院選でも大きな争点にならなかった。

この間、南スーダンの情勢は大きく変わった。自衛隊が活動する首都ジュバで7月に大統領派と副大統領派の武力衝突が起き、国連安全保障理事会は、より強い武力行使の権限を持つPKO部隊の増派を決めた。これに対し、南スーダンの代表は「主要な紛争当事者の同意というPKO原則に反している」と反発している。

自衛隊が憲法と国内法の範囲内で活動するのは当然だ。受け入れ国の同意が維持されることが派遣の前提であり、現地の動きを注視する必要がある。

南スーダンの国造りにより良く貢献するためにも、一方で、行き過ぎた軍事行動に陥らないためにも、自衛隊が何をして、何はしないのか、より具体的で幅広い検討が求められる。

秋の臨時国会をその場にすべきだ。政府はできる限り情報を開示し、与野党で現地の実情を踏まえて議論してほしい。
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[朝日新聞] 日中韓会談 協力の重み自覚して (2016年08月25日)

いまの日中韓の間に漂う雰囲気は、それほど良好とは言えない。それでも、3カ国の外相が集う会談が東京で開かれた。

北東アジアの安定と発展に重要な役割を果たすべき会合であり、昨年に続き定期開催できたことを前向きに受け止めたい。

2国間に対立問題があれば、外交関係は直ちに滞りがちだ。だが、3カ国の枠組みという名目なら出席しやすい。この知恵を生かしたい。首脳会談も年内に必ず実現させるべきだ。

歴史認識の問題が大きく取り上げられた昨年とは様相が変わり、今年は安全保障問題で緊張が高まっている。

その一つは日中間にある東シナ海・南シナ海問題である。

今月、尖閣諸島周辺の領海に侵入する中国の公船が一気に増え、日本政府が抗議をしても続いている。「対話を通じて情勢の悪化を防ぐ」とした一昨年の日中合意に反するものだ。

もう一つは中国と韓国の間にある。韓国と在韓米軍が新たなミサイル防衛システムの配備を決めたことに対し、中国が文化交流行事の停止など、報復ともみられる動きをみせている。

これらの背景には、それぞれの国内で、対外的に譲歩しにくい政治の事情があり、また、アジア太平洋地域での米中間の綱引きの現れという面もある。

日中韓を取り巻く多くの摩擦の要因は今後も外交関係を揺らし続けるだろう。だからこそ、3カ国が首脳や閣僚の会合を定期的に開く意義は大きい。

対立点を残しながらも協調して取り組むべき課題はいくつもある。

最大のテーマは北朝鮮だ。きのう、再び北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルを発射し、日本の防空識別圏内に到達した。

3外相が挑発行動の自制を北朝鮮に求めることで一致したのは当然だ。特に国連安保理常任理事国であり、北朝鮮と密接な関係をもつ中国がその影響力を使うよう強く求めたい。

日中韓の自由貿易協定といった経済協力の枠組みづくりが滞っていることも残念だ。3カ国合わせて世界経済の2割という比重を考えれば、もっと歩み寄りの工夫を追求すべきだろう。

今月、尖閣沖の海域で中国の漁船が沈没し、日本の巡視船が乗組員を救助した。同じ海を囲む隣国間では、手を差し伸べ合う事態が日常的に起こりうる現実を思い起こさせた。

海難救援だけでなく、環境問題や災害対策などを含め、3カ国には切っても切れぬ近隣ならではの関係がある。地道に協力を積み上げていきたい。
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2016年08月24日

[東京新聞] 参院合区解消論 改憲につなげる強引さ (2016年08月24日)

七月の参院選から導入された「合区」の解消を求める意見が出ている。各都道府県から最低一議員を選出する考えは分からないでもないが、憲法改正につなげるのは強引すぎるのではないのか。

合区とは選挙区を統合することである。七月の参院選では、それまで別々の選挙区だった鳥取・島根両県と徳島・高知両県をそれぞれ一つの選挙区に合区した。

これに対し、全国知事会は七月、地方の声が国政に届きにくくなるとして合区の解消を求める決議を採択した。自民党は合区解消を含む選挙制度の検討チームを九月にも発足させる、という。

しかし、合区は二〇一〇年と一三年の参院選の「一票の不平等」を「違憲状態」と断じた最高裁判決を受け、不平等解消を目指して導入されたものだ。

さらに、憲法は国会議員を「全国民を代表する」と定める。決して「地域の代表」ではない。

合区で自県の代表を送れなくなる可能性が生じることへの抵抗感は理解できなくはないが、憲法に規定のない都道府県の枠組みよりは、憲法に定める「法の下の平等」を優先させるべきであろう。

七月の参院選で最大格差は一三年の四・七七倍から三・〇八倍に縮まったものの、依然、憲法違反だとして選挙無効を求める訴訟がすでに提起されている。

選挙区間の格差を放置したままの合区解消など、論外である。

一方、現行制度を維持した上で不平等を解消しようとすれば、人口減少県の合区が拡大し、大都市圏の定数は増え続ける。定数振り替えによる不平等解消は限界だ。

改正公職選挙法は付則に「一九年の参院選に向け、選挙制度の抜本的な見直しを検討し、必ず結論を得るものとする」と明記している。抜本改革は急務だ。

この際、参院自民党が葬り去ってきた、全国を十程度の地域に分けるブロック制の導入など、抜本改革に向けた検討を直ちに始めるべきだ。残された時間は少ない。

見過ごせないのは、合区解消を憲法改正につなげようとの動きだ。

自民党は参院選公約で「都道府県から少なくとも一人が選出されることを前提として、憲法改正を含めそのあり方を検討します」と掲げた。

地方が求める合区解消を、憲法改正の突破口にしようとの魂胆なのだろうが、抜本改革を怠ってきた自らの怠慢を棚に上げ、党是としてきた憲法改正に突き進むのなら党利党略との誹(そし)りは免れまい。
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