2019年08月22日

[東京新聞] 日韓外相会談 対立の出口探す努力を (2019年08月22日)

日韓外相会談は、お互いの主張をぶつけ合うだけで終わった。これ以上対立を長引かせれば、双方の国民感情を傷つけ、経済的な損失にもつながってしまう。関係修復を探る時期に来ている。

河野太郎外相は会談で、元徴用工問題での韓国政府の早期対応を促した。韓国の康京和(カンギョンファ)外相は、日本の輸出規制強化について、再度撤回を求めたという。

双方は、「元徴用工問題が日韓間の最大の懸案」との認識で一致したというが、従来の対立がそのまま再現されただけで、「出口」は依然として見えなかった。

日韓の対立を巡っては、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が十五日の演説で、日本に対話と協力を呼びかけ、前向きなシグナルと期待された。この日の外相会談にも関心が集まっていただけに、残念な結果だ。

輸出規制強化は、日韓の対立の原因となっている元徴用工問題の対応を求めるのが目的だった。

韓国の弱点を突くように実施した日本政府のやり方には問題が多い。ただ、韓国側の最近の対応も理解しがたい部分が多い。

韓国政府は、日本政府に対し東京電力福島第一原発で増える放射性物質を含んだ処理水の扱いをただし、日本産食品の放射線検査の強化も発表した。

二十四日に更新の判断期限を迎える日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)については、「検討中」として、態度を明らかにしていない。逆に日本側の弱点を探り、報復をちらつかせているような印象さえ受ける。

そもそも元徴用工の問題は、日本の植民地支配に深く関係する。安倍政権は、歴史を抜きにし、法律や条約の観点だけで論じており、適切とは言い難い。

その一方で韓国政府は、元徴用工救済のため、日韓企業による基金を設置する案を提示している。

これには専門家からも、過去の交渉の経緯を踏まえ、韓国政府が基金に責任を持って関与するよう求める意見が多い。韓国側の担当者は考えを明らかにしてほしい。

対立が長引いている間に、韓国では日本製品の不買運動や、安倍政権を批判する集会が目立っている。日本への旅行客も減少。航空便の減便休止が相次いでいる。

七月の訪日韓国人の数は、前年同月比で7・6%の減だった。観光業への影響が広がりそうだ。

日韓関係の今後を懸念する声は日本でも高まっている。協議を重ね、収拾を急ぐ必要がある。
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[東京新聞] 昭和天皇の言葉 歴史の実相解く糸口に (2019年08月22日)

昭和天皇が独立回復式典で戦争への「反省」を表明しようとした。初代宮内庁長官が残した記録で判明した。当時の吉田茂首相の反対で削除された。昭和史の重要資料で、全文公開を求めたい。

「私ハどうしても反省といふ字をどうしても入れねばと思ふ」(一九五二年一月十一日)。初代宮内庁長官を務めた故田島道治が記録した「拝謁記」にある言葉だ。手帳やノートで計十八冊にのぼり、遺族から提供を受けたNHKが一部を公表した。

後悔や反省のお言葉は五二年五月の式典で語られるはずだった。吉田首相は「戦争を御始めになつた責任があるといはれる危険がある」と反対した。天皇の謝罪については加藤恭子氏の先行研究があり、すべてが新事実とまで言えない。だが、君主から象徴天皇へと移りゆく昭和天皇の内面を再検証できる意義はあろう。

まず反省の中身とは何であったか。戦争そのものが天皇自身にも痛恨の極みだったと察せられる。「終戦で戦争を止める位なら宣戦前か或(あるい)はもつと早く止める事が出来なかつたかといふやうな疑を退位論者でなくとも疑問を持つと思ふ」−。そのような記述からも心情がよく理解できる。

開戦のはるか前に戦争を食い止められたというのだ。ただ当時は軍内部でも上層部を無視する下剋上(げこくじょう)の風潮があった。だから「事の実際としてハ下剋上でとても出来るものではなかつた」とも回想する。言い訳との批判も出そうだが、退位の覚悟を伴っている。「国民が退位を希望するなら少しも躊躇(ちゅうちょ)せぬ」−反省も退位も昭和天皇の本心で信頼にたり得よう。

統治を掌握する総攬(そうらん)者、陸海軍の大元帥でも防げなかった戦争とは何か。開戦の実相を解くさらなる研究を待ちたい。

反省の方向が進軍した諸外国に必ずしも向けられていないのは残念である。ただ、中国での南京事件には「ひどい事が行ハれてる」と聞いたとし、「此事(このこと)を注意もしなかつた」と悔やんだ。歴史を修正するがごとき言説がまかり通る現在、昭和天皇の言葉は格段の重みを発するはずである。

憲法改正や再軍備への言及には、長官から「それは禁句」といさめられてもいる。まずは膨大な記録全文を公開するよう宮内庁は努めるべきである。

なぜ泥沼の戦争に突入していったか、その糸口になる資料でもある。昭和史への視野がさらに広がろう。
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[産経新聞] 【主張】両民主の統一会派 改憲論議しないつもりか (2019年08月22日)

立憲民主党の枝野幸男、国民民主党の玉木雄一郎両代表が会談し、衆参両院で会派を合流させることを決めた。

野田佳彦元首相ら無所属議員でつくる衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も合流する。全員が合流すれば、衆院117人、参院60人の勢力となる。国会で足並みをそろえて動くことで、自民党、公明党の巨大与党に対抗していくねらいがある。

枝野氏は、「安倍政権とは違う、もう1つの選択肢を国会論戦で訴える」と述べた。玉木氏は、「政権交代につなげていきたい」と語った。

野党第一党と第二党が大同団結して政府・与党に対抗することはあってもよい。院内会派合流は政党の合体ではないため、全ての政策を一致させるものではない。

だがそうであっても、両党は憲法改正やエネルギー政策の基本政策で隔たりがあり過ぎる。

秋に召集予定の臨時国会の焦点は、衆参の憲法審査会が改正内容の具体的論議に入るかどうかだ。参院選では、憲法審査会での論議の進展を掲げた自民が勝利した。安倍晋三首相は13日、山口県長門市で父の墓参をした際、「憲法の議論をいよいよ国会で本格的に進めていくべき時を迎えていると報告した」と語った。公明は立民に憲法審査会での論議に加わるよう求めている。

玉木氏は参院選後、「私は生まれ変わった」と述べ、改憲論議に前向きになっていた。その姿勢と、憲法審査会での論議に消極的で、事実上の護憲政党といえる立民との会派合流は矛盾する結果を生まないか。国会の憲法改正論議を停滞させてはならない。

立民は「原発ゼロ」法案を国会提出している。電力系労組の支援を受ける国民には受け入れがたい法案といえる。

国の基本に関わる分野で目指す方向が違うようでは、政府・与党と異なる選択肢を国会論戦できちんと示すことは難しい。衆院選での選挙協力をにらむ単なる数合わせではないかとの批判に反論できるだろうか。

両党の源流は旧民主党、旧民進党だ。理念や政策がかけ離れた議員の寄り合い所帯だった旧民主党の政権は、国政をいたずらに混乱させて崩壊した。今度は野党会派として「決められない政治」を繰り返すことにもなりかねない。
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[産経新聞] 【主張】露の「主要国復帰」 強権統治の撤回が先決だ (2019年08月22日)

トランプ米大統領が先進7カ国首脳会議(G7サミット)に再びロシアを加え、主要8カ国(G8)にすべきだと語った。G7で議題にする問題の多くがロシアに関わるからだという。

だが、G7の存在意義は、自由と民主主義の価値観を共有し、世界を牽引(けんいん)する点にある。今のロシアに加わる資格は全くない。

モスクワでは7月中旬以降、市議会選の候補者排除に抗議する大規模デモが週末に行われている。2千人を優に超える参加者が治安当局に拘束された。プーチン大統領の強権統治に国内で反発が強まり、当局がそれを鎮圧している現実に目を向けるべきだ。

9月8日に予定されるモスクワ市議選で、反政権派の10人以上が候補者登録を拒否された。市選管は、候補者らの提出書類に不備があったと主張している。デモはこれに抗議して行われ、多い時で5万人以上が参加した。

2000年に大統領に就任したプーチン氏は、経済成長を約束して強権統治を正当化する開発独裁型の政権運営を続けてきた。中央集権の進んだロシアで、定数45の小規模なモスクワ市議会が重要な役割を果たしてきたとはいえない。それでも抗議行動が起きたのは、人々が疑似民主主義に辟易(へきえき)し、政治参加と地方自治を希求し始めたからである。

ロシアは14年にウクライナ南部クリミア半島を併合し、G8を放逐された。そのクリミア問題に解決の兆しは全く見えない。同時に、クリミア併合後のロシアでは体制の硬直化に米欧の対露制裁が重なり、経済の低迷が深刻だ。地方の問題をめぐりモスクワ以外でも抗議行動が頻発している。

民意を政治に反映させねば、閉塞(へいそく)感が強まり、プーチン氏の求心力はいっそう低下する。G7の役割はプーチン氏にこの現実を認識させ、行動を改めさせることだ。仲間に加えることではない。

最近のプーチン氏は「自由主義は時代遅れだ」と発言し、強権体制の優位すら主張した。だが、折しも香港では「逃亡犯条例」改正をめぐる大規模デモが続く。香港とモスクワで規模は異なるが、中露両国が自らの体制への反発に直面している点は同根である。

今週末に仏南西部ビアリッツで予定されるG7サミットで、安倍晋三首相は中露の強権統治の問題を提起すべきである。
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[毎日新聞] 消費者庁の一部移転 すみ分けに見合う成果を (2019年08月22日)

地方移転を検討していた消費者庁は一部の機能だけを徳島県に移すことを決めた。宮腰光寛消費者担当相が発表した。すでに試験的に移転していた業務を拡充し、来年度に常設部署を新設するという。

安倍政権が「地方創生」の目玉とした省庁移転の一環だ。東京一極集中の是正を目的として2015年に政府が呼びかけ、42道府県が69機関の誘致に名乗りをあげた。

しかし、消費者庁を含めて最終的に移転を決めたのは、21年度までに京都府に全面移転する文化庁と、和歌山県に統計局の一部をすでに移転した総務省の3省庁にとどまった。

国会対応など政治や行政の中心である東京からの分散には限界があるということだろう。一部移転でお茶をにごした印象は否めない。

ただし、移転を決めたのであれば、中央とのすみ分けに見合う成果を出す必要がある。

消費者庁は移転に向けて2年前から徳島県庁内に事務所を置き、どんな業務ができるかを試行実施し、検証してきたという。

クイズで消費者トラブルを学ぶ同庁作成の教材「社会への扉」を使った授業を県内の全高校で実施したほか、環境や人権に配慮した「エシカル(倫理的)消費」などを研究し、啓発をしてきた。これを踏まえ、新拠点を消費者研究などを担う「新未来創造戦略本部」とする。

消費者行政に深く関わる研究テーマに取り組み、消費者行政に反映させることは重要だろう。先行実施して得た知見を生かす工夫も必要だ。

ただし、一部機能の移転でどんな成果を得ようとしているのか。新設部署の具体的な目標や展望を示すべきではないか。

宮腰氏は「東京と徳島の両方で政策立案し『車の両輪』とする」と語った。人員も拡充されるが、単に屋上屋を架すことになるのでは困る。

組織の肥大化を生むなら行政改革の目的にも反する。そうした批判を招かないためにも、生産性を高める努力を忘れてはならない。

東京との情報共有や連絡調整という課題もある。徳島県は高速ネット環境の整備などに熱心だ。IT先進県を目指す同県と、情報通信技術の面でも連携を深めることで、新たな可能性を生み出してほしい。
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[毎日新聞] 大学新テストの英語 混乱収拾へ手立てが必要 (2019年08月22日)

来年度の大学入学共通テストに英語の民間資格・検定試験が導入されることに対し、学校現場などからの不安の声が高まっている。

対象となる検定試験を実施するのは現時点で6団体だが、その多くはまだ試験日や会場などの詳細な予定を公表していない。このため、多くの受験生は、自分の希望する時期や場所で、希望する試験を受けられるかも分からない状況だ。

全国高校長協会は、不安の解消を求める異例の要望書を文部科学省に提出した。学校の現状は「先が見通せないほど混乱している」という。

なぜ、こんな事態になったのだろうか。

受験生は来年4月から12月までにこの検定試験を受ける。6団体の試験から選び、最大で2回まで受験できる仕組みだ。

受験生が早く勉強の計画を立てたいのは当然だろう。自分の希望する試験がいつ、どこで実施されるのか確定しないままだと困惑するのは無理もない。

そんな中、予定されていた試験の一つの「TOEIC」を運営する団体が先月になって突然撤退を表明した。「実施運営などが当初の想定より複雑で、責任を持って対応するのが難しい」というのが理由だった。

その背景は、大学入試センターと各検定団体の間で、試験実施の詳細を定める協定締結に向けた協議がなかなかまとまらずにいたことだ。この問題が学校側の不安に拍車をかけることになった。

検定試験を巡っては、これまでもさまざまな懸念が指摘されてきた。

まず、検定団体によっては会場が大都市中心で、地方の受験生には不利となる可能性がある。各試験は出題傾向がまちまちで、中高生向けや留学希望者向けなど対象も幅広い。その結果を公平に評価できるのか。

こうした懸念が払拭(ふっしょく)されないことから、検定試験の結果の活用を見送った大学もある。

ようやく今月中に他の6団体との間で協定を締結する見通しはついたが、現場からは「不安が払拭されるまで実施を見送るべきだ」との声も上がっているという。

文科省はこうした事態を受け、混乱を収拾する手立てを講じる必要がある。
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[読売新聞] あおり運転逮捕 取り締まり徹底で抑止したい (2019年08月22日)

あおり運転は、重大な事故につながりかねない危険な行為だ。取り締まりを徹底するとともに、一人ひとりの身を守る心がけが欠かせない。

茨城県内の常磐道であおり運転をした男が、停止させた後続車の男性を殴ってけがをさせたとして傷害容疑で逮捕された。「男性の車が遅く、進路を妨害されたと感じた」「頭に来た」などと供述しているという。

被害車両のドライブレコーダーには、男が数キロにわたって急な減速や車線変更、幅寄せを繰り返し、車の進路をふさぐ様子が映っていた。極めて悪質な運転だ。

県警はあおり運転自体についても、道路交通法違反や刑法の暴行容疑の適用を視野に捜査する。厳正に対処してもらいたい。

あおり運転は、神奈川県の東名高速で2017年、追い越し車線に停車させられた車がトラックに追突され、夫婦2人が死亡した事故を契機に社会問題化した。事故を受けて、警察庁は積極的な摘発を全国の警察本部に指示した。

昨年中に、道交法の車間距離保持義務違反で摘発されたあおり運転は1万3000件で、前年の1・8倍になった。危険なあおり運転をしたとして、即座に免許停止にする行政処分も増えている。

ただ、車間距離保持義務違反の罰則は3月以下の懲役または5万円以下の罰金にとどまる。行為の危険性と比較して、軽すぎるのではないか。あおり運転を想定した法整備も検討課題になろう。

警察は現在、無謀な運転に対し、道交法のほか、危険運転致死傷罪、刑法の暴行罪や傷害罪などの適用に努めている。あおり運転の抑止には、あらゆる法令を駆使した取り締まりが肝要だ。

運転中は気分が高揚し、攻撃性が高まりがちだとされる。免許更新時の講習などで、あおり運転の危険性を周知徹底し、運転者の自覚を促すことが大切である。

ドライバーの7割があおり運転に遭った経験がある、との調査結果もある。まずは、急な車線変更をしないなど、あおり運転に巻き込まれない運転を心がけたい。

それでも執拗(しつよう)にあおられたら、相手に道を譲って先に行かせる。パーキングエリアなど人目がある場所に避難する。停車させられてもドアや窓を開けず、110番通報する。挑発に乗らず、冷静に対応することが求められる。

今回の事件では、被害車両のドライブレコーダーの映像が捜査に役立った。こうした機器を装着することが自衛策として有効だ。

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[読売新聞] 日中韓外相会談 北朝鮮の挑発阻止へ連携せよ (2019年08月22日)

北朝鮮に核と弾道ミサイルを放棄させるには、米国と、日中韓3か国の連携が不可欠だ。日韓の対立が障害となる事態は避けねばならない。

河野外相と、中国の王毅、韓国の康京和両外相が、北京市郊外で会談し、対北朝鮮政策での緊密な協力を確認した。自由貿易の推進や、人的交流の拡大などでも一致した。

3か国の外相会談は、3年ぶりだ。年内に予定される日中韓首脳会談の地ならしの狙いがある。

河野氏は共同記者発表で、「2国間の関係が困難に直面することもあるが、日中韓の協力はしっかり進める」と述べた。日韓関係の悪化が念頭にあるのだろう。

東アジアの最大の懸案は、北朝鮮情勢だ。7月以降、発射を繰り返している短距離ミサイルは、迎撃回避能力を備えた新型との見方がある。性能実験を進め、完成度を高めている懸念が拭えない。

トランプ米大統領は、短距離ミサイルを問題視していない。米国も含め、関係国が連携して北朝鮮に自制を求めることが重要だ。

3か国の外相は、朝鮮半島の非核化を目指して、国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行していく方針を確認した。

北朝鮮が公海上で石油精製品などを密輸する「瀬取り」は最近、朝鮮半島から離れた中国近海で確認されるケースが目立つ。関与が疑われる中国は、制裁の抜け道を断たなければならない。

河野氏は、康氏と日韓外相会談に臨んだ。韓国人元徴用工の訴訟を巡る問題について協議したが、議論は平行線に終わった。河野氏は「外交当局間で意思疎通を続ける」と記者団に述べた。

日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁判決が、日韓請求権・経済協力協定に反しているのは明白である。文在寅政権が適切な措置を取らない限り、日本との信頼関係は取り戻せまい。

日韓の外相は、北朝鮮の核・ミサイル情報を共有する「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)について協議した。韓国はこれまで、破棄の可能性を示唆してきた。安全保障上の重要な取り決めを駆け引きに使うべきではない。

日中外相会談では、習近平国家主席の来春の来日に向け、調整を加速する方針を確認した。

日中関係は改善基調にあるとはいえ、中国は、東シナ海で一方的にガス田開発を進めている。沖縄県・尖閣諸島を巡る対立も続く。緊張緩和に向けた具体策の協議に中国は応じる必要がある。

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[朝日新聞] 温暖化と食糧 「緑」と「農」の調和こそ (2019年08月22日)

地球温暖化に伴う異常気象は食糧生産に悪影響を及ぼすが、農地を広げれば温暖化が加速してしまう。温暖化対策と食糧確保を両立するには、森林や農地のバランスを考えて土地を利用しないといけない――。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた特別報告書である。

IPCCは世界の科学者のネットワークで、温暖化の現状について総合分析した評価報告書を数年ごとに出している。今回の特別報告書は、気候変動と土地利用にテーマを絞り、日本を含む52カ国の専門家107人が分析したものだ。

報告書によると、産業革命以降、陸地の気温は地球全体の2倍近いペースで上昇し、洪水や干ばつなどによる土地の劣化が起きている。トウモロコシや小麦の収穫量が減る地域も現れており、今世紀半ばには穀物価格が現在より最大23%も上がる恐れがあるという。

世界の人口が増え続けていることを考えると、穀物の生産量の減少は見すごせない。食糧不足のせいで飢餓や貧困、紛争が広がらないよう、安定供給に努める必要がある。

しかし、農地を無秩序に拡大すれば、温室効果ガスの排出を増やしてしまう。

「人間の活動で出る温室効果ガスのうち、農業や林業などの土地利用によるものが23%にのぼる」。報告書は、そう指摘する。森林が伐採されると、本来なら樹木に吸収されるはずの二酸化炭素(CO2)が大気中に残ってしまうのだ。

植林や森林の再生に努めつつ農作物を確保する、という二兎(にと)を追う工夫が欠かせない。

温暖化対策と食糧生産が競合する場面は、ほかにもある。

石油や石炭の代わりにバイオ燃料を広げていけば温暖化対策に効果がある。ただ、バイオ燃料の原料となる植物の栽培が広がると、食用の作物の生産にしわ寄せがいく。あげくに森林を切り開き、新たな農地を確保するようでは本末転倒だ。

温暖化や食糧不足などの問題は、互いに複雑に絡み合っている。特定の問題だけを見て土地を利用していると、別の問題が深刻化してしまう。そのことを忘れてはならない。

複数の問題を同時に解決するため知恵を絞りたい。

たとえば、食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らしたり、肉から野菜に食生活の比重を移したりして食糧や飼料の生産を抑える。空いた土地を植林やバイオ燃料の生産に当て、CO2を減らす。報告書は、そんな道筋も示唆している。

社会全体で問題意識を共有することが欠かせない。
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[朝日新聞] 野党統一会派 行政監視の実を見せよ (2019年08月22日)

野党がばらばらでは、巨大与党に対抗できない。今回の連携強化を、政治に緊張感を取り戻す一歩とすべきだ。

立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表が会談し、秋の臨時国会に向けて衆参両院で統一会派を結成することで合意した。

衆院では、野田佳彦前首相が代表を務める会派「社会保障を立て直す国民会議」も加わる見通しだ。全員が合流すれば、計117議席となり、第2次安倍政権発足後、野党第1会派として最大の勢力となる。

7月の参院選で立憲は改選議席をほぼ倍増させたものの、比例区の得票は衆院選より300万票以上減らした。「永田町の数合わせにはくみしない」と、独自路線を貫いてきた枝野氏が一転、国民に統一会派を呼びかけたのは、党勢のかげりに対する危機感があるに違いない。

だが、旧民進党が分裂してできた「多弱」野党が、再び手を組むだけでは、迫力は生まれない。「安倍1強」に対抗し、政治に変化をもたらす、強い意志と実行力が問われる。

6年半を超す長期政権のおごりと緩みは明らかで、強引な国会運営や公文書の隠蔽(いんぺい)、改ざんなど、立法府をないがしろにする振る舞いが続く。森友・加計問題の解明も、全く進んでいない。国会論戦を軽視し、先の通常国会では、野党からの予算委員会の開会要求に応じぬまま、参院選になだれこんだ。

枝野、玉木両氏が、統一会派を組む目的として、真っ先に「行政監視という野党としての役割を果たす」ことを掲げたのは当然だ。結集した勢力を背景に、憲法の規定に基づき、まずは臨時国会の早期召集を要求すべきではないか。

両党の間には、「原発ゼロ」や改憲論議に対する立場などで隔たりがある。しかし、今回は「大きな塊」(玉木氏)をつくることを優先した。両代表の合意文書も「異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあう」と玉虫色だ。

すべての政策を一致させる必要はないにしても、重要テーマで足並みの乱れを露呈すれば、かえって失望を招きかねない。来たるべき衆院選での共闘まで視野に入れるなら、政策面での調整をいつまでも回避するわけにはいくまい。

参院選では、旗揚げしたばかりの「れいわ新選組」が比例区で220万票余りを集め、2議席を獲得した。何が有権者の心を引きつけたのか、教訓をくみ取り、今後に生かすべきだ。

臨時国会で行政監視の実を示し、野党の再生を印象づけることができるか。背水の陣の覚悟で臨むほかあるまい。
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2019年08月21日

[東京新聞] 夏休みの国会 早く議論を始めよう (2019年08月21日)

慣例とはいえ、国会はいつまで夏休みを続けるのだろうか。内外の課題が山積しているにもかかわらず、七月の参院選後、国会での論戦が久しく聞かれない。早く議論を再開すべきではないのか。

通常国会が閉会したのが六月二十六日。七月四日公示、二十一日投開票の参院選後、八月初めに五日間の臨時国会が開かれたが、参院の正副議長選出などが行われただけで実質審議なく終わった。

安倍晋三首相は九月前半に内閣改造を行い、臨時国会を十月初旬に召集する方針だという。

通常国会の閉会から、法案などの実質審議を行う次の臨時国会召集まで三カ月以上。この間、参院選や八月上中旬の戦争慰霊行事、八月下旬からの外交日程を挟むとはいえ、何と長い夏休みなのか。

適度な休みは必要だとしても、国民に代わって議論し、法律をつくり、国政を調査し、行政を監視する本来の仕事を怠って、国民の理解が得られるのか。

国会で議論すべき課題は山積している。例えば、悪化する日韓関係やミサイル発射を続ける北朝鮮動向、ロシアとの北方領土交渉、米国との貿易交渉である。

外交は政府の専管事項だとはいえ、現状と方針を国会に説明し、その方針が真に国民の利益になるのか、議論を経ることが必要だ。

また、中東ホルムズ海峡の船舶保護を理由にトランプ米政権が呼び掛けた有志連合に、日本がどう対応するかも喫緊の課題である。

政府は、有志連合には直接参加せず、同海峡から離れた海域に海上自衛隊の哨戒機などを独自に派遣することなどを検討しているようだが、自衛隊の海外派遣は、専守防衛にかかわる重要問題だ。

国会での議論なしに、自衛隊に新たな海外任務を負わせてはならない。国民への説明を尽くし、理解を得るべきであろう。

長い夏休みの背景に、国会での議論を避ける安倍政権と、それを追認する自民、公明の与党体質があることを指摘せざるを得ない。

今年の通常国会では、論戦の主舞台でもある予算委員会は四月以降、衆参両院で開かれなかった。かつて野党側が憲法に基づいて臨時国会を召集するよう要求したが、安倍政権は応じなかった例もある。憲法を無視し、国会での議論を避ける政権の態度は、三権分立を確実にむしばんでいる。

国会閉会中でも審議はできる。首相が出席した例もある。そろそろ腰を上げたらどうか。それが国民の代表としての責務である。
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[東京新聞] ドラッグストア 再編第二幕の号砲 (2019年08月21日)

ドラッグストア(DS)業界五位のマツモトキヨシホールディングス(千葉県松戸市)と七位のココカラファイン(横浜市)が、統合協議を始めた。DS業界にも再編の波が押し寄せてきた。

ココカラに対しては、業界六位のスギホールディングス(愛知県大府市)も統合を提案していた。ココカラはマツキヨ、スギからの「求婚」を受け、六月に外部有識者らによる特別委員会を設立。同委の検討も踏まえ、自主企画商品などで「大きな相乗効果が生じる」と、マツキヨに軍配が上がった。統合が実現すれば売上高約一兆円、店舗数三千超で業界トップのガリバーが誕生する。

ココカラを巡る争奪戦にまで発展した今回の統合劇。急成長を続けてきたDS業界に、逆風が吹き始めていることが背景にある。

DSは医薬品で利益を上げ、日用品や食品で安売りを仕掛ける手法でスーパー、コンビニエンスストアから客を奪ってきた。日本チェーンドラッグストア協会によると、二〇一八年度の売上高は推計で前年度比6%増の約七兆二千七百億円。売上高が0・8%減の約五兆九千億円だった百貨店との差を広げ、約十一兆円規模のコンビニを猛追する勢いだ。〇〇年度に約一万一千だった店舗数も、一八年度は二万超とほぼ倍増した。

一方、出店過多で他業態との競争は激化。一店舗当たりの売上高伸び率は、鈍化傾向にある。人手不足で高騰する薬剤師らの人件費は、利益を圧迫する。規制緩和により、ネット通販で多くの大衆薬(一般用医薬品)が販売されるようになっており、DSの優位性は失われつつある。再編による効率化が不可避の情勢なのだ。

DS業界では近年、首位のツルハホールディングス(札幌市)などが中小を子会社化する形で合従連衡が進んできた。〇四年度に六百七十一だったDSの企業数は、一八年度は四百九にまで減少。今後は大手同士による「再編第二幕」が進むとみられる。

流通アナリストの渡辺広明氏は「食品などの安売り合戦は限界がある。地域住民が安心できる医療分野の対面販売が、DSの生き残り策となる」と強調。「DSもコンビニと同様、大手は実質的に三社程度に集約される」と予想する。高齢化が進む中、DSの役割もより多様になっていく。企業の論理で規模拡大を進めるだけではなく、地域医療の担い手として消費者に信頼されるサービス向上につなげていくべきだ。
posted by (-@∀@) at 12:40| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする