2016年12月03日

[産経新聞] 【主張】鳥インフルエンザ 早期対応で拡大抑えよう (2016年12月03日)

新潟県の養鶏場で高病原性の鳥インフルエンザウイルスに感染した鶏が相次いで死んだことが確認され、2つの養鶏場で計54万羽の殺処分が進められている。

青森県の農場でも食用アヒルが同型ウイルスに感染していることが確認され、多数のアヒルが殺処分された。

養鶏場や農場の家禽(かきん)をすべて殺してしまう殺処分は、ウイルス感染が確認された時点では、唯一の有効な拡大防止策である。

放置しておけば感染が広がり、被害はますます大きくなる。業者にはつらい決断となるが、家禽の大量死など異変を察知したら直ちに都道府県に連絡してほしい。

ウイルスはシベリアから南に移動する渡り鳥が自然宿主として保有し、そこから直接、または野鳥などを介して鶏などの家禽に感染したと考えられる。

家禽の鳥インフルエンザ流行はわが国でも過去に何度か経験しているので、養鶏場の防護ネットの整備など一応の感染防止策は取られている。だが、それでも自然界との関係を完全に断ち切ることは難しく、今回のように感染が防ぎきれないこともある。

この秋には韓国の養鶏場でH5N6型の鳥インフルエンザウイルスが蔓延(まんえん)し、各所で殺処分が行われている。日韓の研究機関などでは、これまでの苦い流行経験の蓄積をもとに緊密な情報交換が普段から続けられてきた。

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そうした情報をもとに国内でもH5N6ウイルスに感染した野鳥が見つかり、今回殺処分となった家禽もH5N6型のウイルスに感染していたことが分かった。

H5N6型は、鳥の間では感染が広がるが、鳥から人に感染するおそれはほとんどない。鶏肉や卵を食べた人が感染した例もない。人への感染を心配していたずらに不安を煽(あお)るようなことは厳に慎まなければならない。

ただし、国境を越えた流行状況から判断して、家禽への感染は、今後も国内で発生し得ると考えておくべきだろう。今回はいち早く養鶏場などから連絡があり、行政当局の対応も早かった。政府は関係閣僚会議を開き「万全の対応」を確認している。

殺処分を受け入れざるを得ない養鶏業者らへの支援を含め、こうした体制は維持していきたい。渡り鳥が南に移動し、再び北へ帰る春ごろまでは警戒が必要だ。
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[東京新聞] トランプノミクス 歴史は怖く繰り返す (2016年12月03日)

米次期大統領トランプ氏の経済政策はかつてのレーガノミクスを想起させる。一時の繁栄と負の遺産。トランプノミクスは歴史を繰り返すのか。

すでに米国は株価高騰と強いドルに沸き返っている。大型減税と大規模な公共投資を柱とするトランプノミクスへの期待がにわかに高まったためだ。その流れは日本にも波及、円安が十円も進み、一時下げた株価は急反発した。

市場はトランプノミクスの景気浮揚効果にすぐさま飛びついた。だが、むしろ冷静になって、三十五年前の酷似した経済政策が何を残したかを学ぶべきではないか。


◆レーガノミクスの影
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トランプノミクスとは何か。まずは、レーガン政権期を上回る超大型減税である。所得税は最高税率を39・6%から33%に下げ、税率を現在の七段階から12、25、33%のわずか三段階にする。

あらゆる所得階層が減税になると公約したが、財務長官に指名されたムニューチン氏は「控除を縮小するので必ずしも高所得者は減税にならない」と述べ、不透明な部分もある。相続税を撤廃する方針なので格差は拡大し、固定化するおそれがある。

法人税も35%から15%に極端に引き下げる。これは、減税で企業に投資を促し経済成長すれば税収が増えるというレーガノミクス時の「ラッファー曲線」理論を採り入れたものだ。減税規模は十年間で六兆ドル(約六百八十四兆円)ともいわれている。

一方、財政出動も壮大だ。インフラ投資に五年間で五千五百億ドル(約六十三兆円)を投じるとし、大統領選を争ったヒラリー・クリントン氏の主張の二倍だ。老朽化した高速道路や橋、空港、学校などを世界最先端に刷新、数百万の雇用を生み出すと宣言した。主に支持した白人労働者向けである。

大風呂敷で根拠が希薄とも指摘される。だが現在でも堅調な米国経済だ。景気刺激策が実施されれば、成長率はここ数年の2%台前半から4%程度まで大幅に伸びるという見方がある。四年後の大統領再選が最大目標なのだろうが「バブルが起きかねない」と警戒する声が出始めている。


◆山高ければ谷深し
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けた外れの減税と大規模な財政出動、そして「米国を再び偉大に」の合言葉は、まさに一九八一年のレーガン大統領一期目の経済政策レーガノミクスと重なる。規制緩和や強いドルも共通する。

新自由主義的な政策を推し進めて「米国資本主義の中興の祖」との評価もあるレーガン政権だが、その帰結はどうだったか。

軍事費拡大に充てた積極財政と大型減税が効き、経済の規模は確かに拡大した。株価の面でも、米国史上最大の上昇相場の起点にはなった。だが結果的に財政赤字と貿易赤字の、いわゆる「双子の赤字」を生んだ。

米国で日本車が破壊される光景は日米貿易摩擦の象徴として記憶に残るが、それもレーガノミクスの副産物ということだ。ドル高政策は新興国からの資金流出を招き、メキシコなど中南米債務危機の引き金となった。行き過ぎたドル高が是正されたのはG5(先進五カ国蔵相・中央銀行総裁会議)が緊急会合で協調行動を決めた「プラザ合意」の八五年である。

それは日本経済凋落(ちょうらく)の始まりともいわれる。急激な円高に見舞われた日本は、利上げの遅れから結果的にバブル経済を生んだ。そのバブル崩壊後は今に続く「失われた二十年」である。レーガノミクスが世界に、そして日本経済に残した爪痕はかように大きかった。

山高ければ谷深し−経済の格言のごとく、トランプノミクスも活況の後に谷底へ転落するのではないか。

一年半程度は熱狂するだろうが長続きはしない。過度の財政拡張が、反動で危機を招く図式はレーガノミクスと同じだ。

致命傷になりそうなのは、トランプノミクスの根底に流れる保護主義や移民規制といった米国第一主義だ。米経済を支えてきた移民労働力や安い輸入品を締め出せば自らの首を絞めることになろう。

焦点はもう一つある。中国リスクだ。米国の貿易赤字は中国が五割を占めており、トランプ氏は中国を「為替操作国」と名指しで敵視する。米中貿易摩擦の懸念や、ドル高人民元安が続けば対外債務が大きい中国は深刻な打撃を受けるおそれがある。


◆実施までにハードル
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もちろんトランプノミクスが実際に動くのかは疑問が残る。税制の法案は日本と違い、議会に権限がある。上、下院とも共和党が多数を占めるがトランプ支持ばかりではない。共和党の主流派は財政出動の拡大にも消極的だ。

一月に誕生する新政権のトランプノミクスという実験も、失敗に終わる可能性を否定できない。
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[産経新聞] 【主張】OPEC減産 相場安定へ監視の強化を (2016年12月03日)

対立が続いていた石油輸出国機構(OPEC)が約8年ぶりとなる減産で合意した。来年1月から加盟国全体で1日当たりの生産量を4%程度減らすという。

原油価格が急落した2014年以降、OPECが価格回復に向けて具体的な行動を講じるのは初めてだ。各国は合意を着実に履行し、市況の安定化につなげなければならない。

世界経済を持続的に成長させるためにも重要なことである。行き過ぎた相場の変動は金融市場の動揺を誘い、日本を含む世界全体に悪影響を及ぼすからだ。

これを避けるためにも、OPEC諸国は合意に実効性を持たせる生産量の監視体制を構築する必要がある。OPECだけでなく、ロシアなど未加盟の産油国も協調して行動することが欠かせない。

OPEC加盟国による生産量調整では、少しでも自国を優位にしようとする思惑が先行し、この2年は実質的な増産競争を繰り返してきた。今年2月には1バレル=26ドル台と12年ぶりの安値を記録し、産油国の財政を圧迫してきた。

とくにOPEC最大の生産国であるサウジアラビアと、有力加盟国のイランの対立が、OPEC全体の足並みの乱れにつながっていた。今回、サウジがイランに譲歩し、一部増産を認めるなどで加盟国の合意を取り付けた姿勢は評価できる。

合意を受けて原油相場は上昇傾向を示し、日本では円安が進行した。先進各国で軒並み株高を記録するなど金融市場はおおむね好感している。世界経済にとっても追い風といえよう。

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これを持続させるには、OPEC各国が割り当てられた減産量を順守することが不可欠である。相場が持ち直したからといって「抜け駆け増産」に走る国が出るようでは、効果は期待できない。

過去最高水準で原油を増産しているロシアも段階的に減産する姿勢を表明した。市況の回復と安定を図ることは、非OPECの国々の経済にも資する。産油国としての役割の大きさは、OPEC諸国と何ら変わりがない。

その点は米国も同様である。トランプ次期大統領は国内石油開発の規制緩和を訴えてきた。米国は今後、シェールガス・オイルの増産に乗り出す可能性があるが、それにより市場が再び混乱することがないよう努めるべきである。
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[日経新聞] 拙速なカジノ解禁は問題多い (2016年12月03日)

刑法の賭博罪にあたるため国内で認められていないカジノの解禁に道を開く法案がきのう、衆院の内閣委員会で可決された。自民党や日本維新の会、公明党の一部議員による賛成多数で、自民党は今国会での成立を目指している。

法案の審議が始まったのは今国会が終盤を迎えた、つい3日前のことだ。カジノには国民の間に根強い反対論や拒否感があり、これまで審議できずにいた。それを突然持ち出し、まともな議論もないままなし崩し的に解禁しようとする議員たちの見識を疑う。

カジノには、ギャンブル依存症の増加や暴力団など反社会的勢力の介入、マネーロンダリング(資金洗浄)の懸念といった様々な負の側面が指摘されている。

海外の事例を含め、こうしたマイナス面の検証や具体的な防止策の検討が不可欠なのに、付帯決議で先送りにされた。是非を判断する材料を欠いたままの拙速な審議は、許されない。

合法化を推進する立場の自民党などは、外国人観光客が増え地方の経済が活性化するといった効果を主張する。だがこの点も冷静に議論してみる必要がある。たとえばマカオのカジノは中国当局による腐敗取り締まりなどの影響で、主な顧客だった中国人富裕層が大きく減っているという。

法案が描く構想では、国内のいくつかの地区にカジノやホテル、商業施設、国際会議場などが一体となって立ち並ぶ統合型リゾート(IR)が誕生することになる。

日本各地で大規模なリゾート開発を進めた末に多くが破綻した、かつての総合保養地域整備法(リゾート法)の二の舞いになる心配はないだろうか。地方では、競馬や競輪などの公営ギャンブルも低迷しているのが現状だ。

高齢化や人口減が進むなか、疲弊した経済を立て直すきっかけにしたいという自治体などの思いは分かる。そうであればなおさら、カジノ事業を黒字にできるのかどうか、慎重に検討する必要があるだろう。
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[毎日新聞] OPECの減産 原油高は歓迎できない (2016年12月03日)

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中東の産油国などから成る石油輸出国機構(OPEC)が、原油の減産計画に合意した。世界的なだぶつきを是正し、低迷が続く原油価格を引き上げる狙いがある。

9月の臨時総会で減産の大枠は固まっていたが、国別の削減量が決まっていなかった。欧米からの経済制裁中に市場シェアを落としたイランが、例外的に増産を認めるよう求め対立したが、最大の産油国、サウジアラビアが合意を優先し譲歩した。

OPECは、ロシアなど非加盟の主要産油国も協調し減産することを想定しているという。

合意を受けて原油先物相場が急騰したが、大幅な上昇の持続は疑わしい。減産合意が額面通り守られてこなかった過去がOPECにはあるからだ。順守を監視する体制を設けるというものの、抜け駆けの増産をどこまで阻止できるか未知数である。ロシアによる協調減産を疑問視する専門家も少なくない。

仮にOPEC加盟国やロシアなどが減産を徹底したとしても、効果を打ち消しかねないのが米国を中心に台頭したシェールオイルの存在だ。米国は今やサウジアラビアと並ぶ主要産油国だが、その生産の約半分をシェールオイルが占める。

生産しているのは多数の民間事業者であり、価格が上昇に転じそうになると、生産量を増やす。OPECや非OPEC加盟国が減産した分をシェールオイル業者が増産で埋めてしまう可能性が高い。実際、トランプ次期大統領はシェールオイルの生産を後押ししようとしている。

そうなると、日本は困るのか。

実はエネルギー輸入国の消費者にとっては、価格が産油国の思惑通りに管理されない方がありがたいと言える。

特に賃金がなかなか増えない状況下にあって、原油の減産でガソリンや灯油、電気料金などがどんどん値上がりすれば、日本の消費者は大きな打撃を受ける。トランプ氏が米大統領選挙に勝利して以来、円安が進行している。輸入物価高をもたらす円安と原油高が重なれば、日本の消費者は二重の負担増に見舞われる。

日銀は「年率2%」という目標を掲げて物価上昇を目指しているが、経済の拡大と賃金の上昇の結果起こる物価上昇と違い、こうした輸入品の値上がりは、生活を圧迫するばかりだ。

長期に及ぶ原油価格の極端な低迷は、国家の収入をエネルギーに依存する中東諸国などの政情を不安定化させる危険があり、注意していく必要はある。ただ、エネルギー価格の上昇は、日本の消費者にとって見返りなき増税に等しい。原油高につながる減産は、決して歓迎できるものではないのである。
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[日経新聞] 数合わせを超え骨太な社会保障論議を (2016年12月03日)

国の2017年度予算の編成作業が大詰めを迎えている。焦点の社会保障制度では、医療・介護の負担増や給付削減のさまざまな案が検討されている。

先進国で最悪の財政事情を踏まえると、最大の歳出である社会保障費の伸びを抑えるのは当然だ。しかし、もっと大事なのは、2020年代を見据えた骨太な社会保障制度改革に着手することだ。

これまでの政府・与党の調整の結果、介護保険では、健康保険組合などの加入者の収入に応じ保険料を定める「総報酬割」というしくみにする方向が固まった。

収入の高い大企業の社員らの保険料負担は増え中小企業の社員の負担は減ることになる。またぞろ「とりやすい所からとる」というやり方だ。本来望ましくない。

一方で、現役並みの所得がある高齢者の自己負担割合を1?2割から3割に引き上げる。高齢者医療費では、一定の収入がある70歳以上が高額の医療を受けたときの自己負担の上限を上げる。

世代間の過度な不公平を是正するため、高齢者にも一定の負担を求めるのは妥当だ。

ただ、かかりつけ医以外で受診した場合の医療費の定額負担や、軽度の要介護者向けサービスを介護保険の適用から外す案は、先送りされそうだ。これらは財政改善の効果が大きいとされていただけに、残念である。

政府は16?18年度の社会保障費の自然増を1.5兆円に抑える目標をたてた。17年度は自然増分を6400億円程度とみている。

消費増税を再延期するなか、負担増や給付減の「小粒」の案をかき集め、なんとか自然増を5000億円程度に抑えようと四苦八苦しているのが実態ではないか。

20年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字にする目標がある。25年度までには団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、社会保障費の膨張圧力は高まる。

少子高齢化が一段と進むなか、持続可能な財政と社会保障制度をつくるという課題は急務である。にもかかわらず、いまの政府・与党があまりにも目先の議論に終始しているのは問題だ。

個人消費低迷の一因は将来不安である。増税を延期しても、医療・介護などの社会保険料の負担増は家計の可処分所得の伸びを抑えている事情もある。政府は社会保障負担を見直す度に、実体経済への影響試算を必ず示すべきだ。
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[毎日新聞] 対北朝鮮制裁 人権でも圧力を強めよ (2016年12月03日)

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核開発を続ける北朝鮮への強い警告としなければならない。

国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を採択した。9月に行われた5回目の核実験を受けたものだ。2006年に北朝鮮が初めて核実験を行って以降、6回目の制裁となる。

制裁は回を重ねるごとに厳しさを増してきたが、それでも「抜け穴」があった。今回の決議は、抜け穴をふさぐことに主眼を置いている。これまでの経験を踏まえた適切な方向性であろう。

最大の特徴は、北朝鮮からの石炭輸出に上限を設定したことだ。

昨年に約10億ドルだった石炭輸出を最高でも年間約4億ドルに制限する。他の鉱物資源の輸出規制も強化される。米国のパワー国連大使は、貿易で得る外貨の25%に当たる年間8億ドルの収入減になると強調した。

今年3月の制裁決議でも鉱物資源の輸出は原則禁止だったが、収入を国民生活のために使うならば例外とされた。最大の輸入国である中国は書類さえあれば例外と認めたため、実際の貿易に大きな影響は出なかった。今回の上限設定で、同様の事態を防がなければならない。

中国には、国境地帯での密輸も許さない厳しい姿勢が求められる。

決議には、労働者の国外派遣による外貨収入が核・ミサイル開発に使われているという懸念が初めて盛り込まれた。労働者派遣の外貨収入は年間10億ドル以上と推定されている。国際的な監視強化が必要だ。

北朝鮮国内の人権状況への懸念も記述が強化された。公開処刑や外国人拉致などを念頭に置いたものだ。

北朝鮮は人権問題で特に、責任者として金正恩(キムジョンウン)氏を名指しされることに強い拒否反応を示す。人権で圧力を強めることは、最高指導部に心理的な圧力をかけるのに有効だろう。国際社会として、もっと考えていい方法である。

一方、制裁だけで核開発を止めることは難しい。最終的には北朝鮮に核放棄を迫る交渉が必要であり、やはり米国の役割が大きい。

トランプ次期米大統領の姿勢は不明確だ。金氏との直接対話に言及したり、中国に責任を押し付けるような発言をしたりという具合である。

しかし、オバマ政権が「戦略的忍耐」を掲げて実質的な対処ができなかった間に、北朝鮮は核・ミサイル開発のペースを上げた。もはや米国にとっても対岸の火事とは言えない状況のはずだ。

北朝鮮の脅威への対処は日米韓の連携が基本である。政府には、北朝鮮を巡る情勢の厳しさをトランプ氏にきちんと認識してもらうための外交努力を強く期待したい。
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[朝日新聞] 北朝鮮制裁 日米韓の結束再確認を (2016年12月03日)

北朝鮮の危うい行動をまず止めるには、根気強く、国際社会の圧力と関与を織り交ぜた対処を続けるほかに道はない。

その柱の一つである国連安保理の制裁決議がまとまった。今年2回目だった9月の核実験から2カ月半。難産の末、北朝鮮経済の後ろ盾である中国を含め、全会一致で採択された。

北朝鮮の最大の外貨収入源とみられる石炭の輸出を約6割減らすよう、上限を設けたことが最大の特徴だ。

銅やニッケル、銀などの輸出は全面的に禁じられるほか、北朝鮮が労働者を派遣してアフリカ諸国などで作らせている銅像を建立する取引も認めない。

この制裁が実行されれば、北朝鮮の総外貨収入は4割近く減り、核・ミサイル開発のペースは抑えられるとされる。

ただ、安保理の制裁決議は通算6度目となるが、これまで目に見える効果をあげてきたとは言いがたい。朝鮮半島の不安定化を恐れる中国が、十分に制裁を履行してこなかったことが最大の原因とされる。

中国にかぎらず、国際的にも包囲網は徹底していない。アフリカの多くの国は、制裁の履行状況を知らせる報告書を、今も安保理に提出していない。

制裁の実効性を上げるために必要なのは国際社会、とりわけ中国が、責任ある大国として制裁決議を厳守し、「抜け道」を許さないことである。

北朝鮮が誘発する大量破壊兵器の拡散は、世界共通の脅威だ。日本と米国、韓国は、国連などの外交舞台で決議の履行を呼びかける必要があろう。

一方で、圧力だけでは北朝鮮を翻意させられないことも明らかだ。北朝鮮と直接向き合う日米韓は、彼らを対話に引き出す道筋も探らねばならない。

ところがその3カ国の結束はいま、試練を迎えている。

北朝鮮が最重視する米国は、次期トランプ政権がどんな政策をとるのか見通せない。韓国では、朴槿恵(パククネ)大統領が進退問題に直面する混乱に陥っている。

北朝鮮は最近、核・ミサイル開発の動きを止めているが、米韓の動向を見極めるため、様子見を続けているのだろう。

米韓ともに政権が代わる過渡期をねらって、北朝鮮が挑発を強める可能性もある。

来年以降をむしろ、北朝鮮に対する新たなアプローチを編み出す好機に転換するには、日米韓が一致した行動をとれるよう丁寧に調整する作業が必要だ。

連携を強めてこそ北朝鮮との対話を始める環境が整う。その現実を改めて確認したい。
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[朝日新聞] OPEC減産 脱石油を冷静、着実に (2016年12月03日)

石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに原油の減産に合意した。この2年間で大幅に値下がりした原油価格を押し上げる狙いがある。

OPECに加盟していないロシアなども一定の協調をする見通しだ。合意通りに減産が実行されるかどうか、不透明さは残るが、直後の市場は値上がりで反応した。

産油国には、原油相場の低迷による財政難という、背に腹は替えられない事情があった。そんな状況のなかで、OPECが久々に存在感を示した格好だ。

だが、かつてオイルショックを起こしたような影響力はもはやなく、価格をコントロールする力は限られるだろう。原油価格がさらに上がれば、米国でシェールオイルの生産が増えると見込まれるからだ。トランプ米次期大統領がシェールオイルの採掘規制を緩めることを公約しており、そうした見方を後押ししている。

今回の減産合意を受け、市場では原油だけでなく株価なども上昇基調にある。産油国の経済の好転や、市況の安定で投資しやすい環境になることへの期待からだ。世界経済にとって好ましい循環が続けば、日本にもプラスに働くだろう。

とはいえ、日本経済はエネルギーの4割を石油に頼り、そのほぼ全量を輸入している。ガソリン価格に表れる通り、原油の値上がりそのものは基本的にはマイナス要因だ。今のところ大幅な価格上昇を予想する声は少なく、慌てる必要はないが、それでも冷静、着実に石油への依存を減らしていく必要がある。

もちろん、石油を代替するのなら何でも良いわけではない。原子力発電は、東日本大震災に伴う福島第一原発事故が改めて示した通り、安全性や廃棄物処理で大きな問題を抱えている。石炭火力は二酸化炭素の排出を増やすという課題がある。

当面、石油の代替として期待される液化天然ガス(LNG)については、調達価格を下げる努力が大切だ。中長期的には、風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーを柱にしていく取り組みも欠かせない。

忘れてならないのは、エネルギー消費を抑えることだ。大震災後に節電が定着したが、まだまだ工夫できる。機器や送配電システムをネットで結び、効率的に制御する技術などの開発・普及を急ぐ必要がある。石油消費の多くを占める自動車も、燃費向上の余地はある。

様々に手を打ち、原油価格の変動にふりまわされない経済・社会を作っていきたい。
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[読売新聞] 鳥インフル感染 防疫態勢の再点検を入念に (2016年12月03日)

今年も、鳥インフルエンザの感染被害が拡大している。ウイルスの封じ込めに全力を挙げなければならない。

感染したのは、新潟県関川村と上越市の養鶏場の鶏と、青森市の農場で飼育されていた食用のフランス鴨(がも)だ。

新潟、青森両県は家畜伝染病予防法に基づいて、計約56万羽を殺処分している。半径10キロ圏内の鶏などの移動や搬出も制限した。

国内の家禽(かきん)からウイルスが検出されたのは、2年前の冬以来だ。養鶏業などへの甚大な被害が、毎年のように繰り返されている。深刻な事態である。

今回も、毒性の強い高病原性のウイルスが検出された。感染ルートは特定されていないものの、渡り鳥が運び屋となり、海外からもたらされた可能性が高い。

渡り鳥の飛来は阻止できない。そこが、鳥インフルエンザ対策の難点だ。家禽への感染を防ぐためには、情報収集と監視を徹底することが欠かせない。

欧州やロシアでは10月以降、鳥インフルエンザが流行している。農林水産省は先月、鶏舎周辺の消毒などを養鶏農家に促した。

この時期には、秋田、鹿児島、鳥取、岩手の4県で、コクチョウの死骸などから、今回と同じ型のウイルスが見つかっていた。韓国では、鶏などが相次いで感染し、大量に殺処分された。

野鳥に関して、環境省は最高レベルの監視体制を敷いていた。

農水省と環境省の情報共有の在り方などに改善すべき点はないのか、検証が必要だろう。

鶏肉・鶏卵農家は5000戸近くに上る。いつ、どこにでも感染のリスクは潜んでいる。わずかな異変の見逃しが、感染拡大につながることを肝に銘じ、日頃から防疫意識を高めることが大切だ。

ウイルスを媒介する野鳥や小動物は、小さな隙間からも侵入する。防鳥ネットの破れに気を配り、鶏舎内では専用の長靴を履くなど、細心の注意が求められる。対策が不十分な農家に対しては、自治体がこまめに注意喚起すべきだ。

感染発生の際に重要なのは、的確な初期対応である。情報伝達の手法や処分の手順、人員確保策などについて、自然災害並みの訓練を実施している自治体もある。この機に態勢を再点検したい。

鳥インフルエンザが人に感染する恐れは、ほとんどない。当該地域の鶏肉や卵を食べても、問題はない。正しい情報を発信して、風評被害を防ぐことも、政府と自治体の責務である。
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[読売新聞] OPEC減産 原油相場の安定へ協調深めよ (2016年12月03日)

産油国が協調して減産合意を確実に履行する。それが国際金融市場の安定にもつながろう。

石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産を決めた。加盟国全体の1日の生産量を10月時点の3364万バレルから約120万バレル減らす。

9月の総会で基本合意した3300万?3250万バレル程度の下限まで減らす思い切った措置だ。

非加盟の産油国にも日量60万バレルの減産を求め、ロシアが30万バレルの減産に応じる意向を示した。

OPEC内外の産油国を巻き込んだ協調態勢で、原油価格の安定を目指すことが重要である。

2年前に1バレル=100ドルを超えていた原油相場は一時、20ドル台まで落ち込み、最近は40ドル台の安値圏で推移していた。産油国の財政悪化がオイルマネーによる投資を冷え込ませ、世界の金融資本市場を激しく揺さぶってきた。

安全資産と目された円を買う動きが強まって円高が加速し、それを嫌気して株価が下落する。原油安は、日本の円高・株安の要因にもなっていた。

減産で原油価格の上昇が見込まれる。価格高騰は日本などの消費国には不利益が大きいが、一方的に原油高が進む展開は予想しにくいとの見方が強い。

相場が一定の水準まで上昇すれば、採掘コストの高い米国のシェールオイル生産が増加して、値上がりが抑えられるためだ。

今回の合意は、原油高騰への懸念よりも金融市場の安定に資するメリットが大きいと言える。

基本合意後、国別の減産枠を巡る交渉は難航した。

特にイランは、核開発に絡んだ米欧などによる経済制裁中に生産量が大きく減ったと主張し、増産姿勢を譲らなかった。

合意の決め手となったのは、域内最大の産油国サウジアラビアが大幅な減産を引き受け、イランに一定の増産を認めたことだ。

政治的に対立するイランに譲歩しても、サウジは減産合意を優先した。原油安で深刻になっている自国の財政悪化を、これ以上放置できないとの判断からだろう。

産油国は大なり小なり似通った窮状を抱えている。相場の維持は歓迎するが、自国の生産は極力多くしたい。そんな思惑が残るとすれば、減産はままなるまい。

OPECは、加盟3か国と非加盟2か国による異例の閣僚級組織を作り、各国が合意内容を守っているかどうかを確認する。大がかりな減産を有効にするため、しっかり機能させることが必要だ。
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2016年12月02日

[産経新聞] 【主張】カジノ解禁法案 懸念解消を先送りするな (2016年12月02日)

日本が目指す観光立国や地域振興にとって真にふさわしいものなら、大いに論じたらよい。

それにしては、多くの疑問を残したまま、駆け込みで事を進めている印象がぬぐえない。

超党派の議員連盟が国会に提出した、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の設置に向けた法案をめぐる動きである。

会期延長をはさんで与党は今国会成立への動きを強め、民進、共産などの反対を押し切って審議入りした。きょうにも衆院内閣委員会で可決を図ろうとしている。

およそ超党派の議員立法には似つかわしくない姿ではないか。推進派議員には、疑問点に答えを出し、より多くの賛同を得ることに尽くすべきだと言いたい。

提出されている法案は、日本でカジノを認めたうえで、観光客向けにホテルや商業施設などと一体的に総合的なリゾート整備を促そうというものだ。

具体的な仕組み作りは政府が行い、1年以内にカジノ運営などのルールを定めた実施法案を新たに提出するよう求めている。

推進派は観光客誘致や雇用創出などの効果を強調するが、与党内にも慎重論がある。

各地の公営ギャンブルの売り上げは、バブル期の半分以下に落ち込み、地方競馬、競輪の廃止も相次ぐ。カジノ分野では、すでにアジアでの競争が激化している。

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肝心の経済効果をどれくらい見込めるかに答えていない。

さらに、ギャンブル依存症を招くおそれや治安悪化への対策は、これから先の話として政府に丸投げする格好だ。何年も指摘されながら、改善がみられていない課題ともいえる。

カジノ解禁にまつわる懸念に向き合わないまま、スタートラインに立つ法案を押し通すなら、国民の不信は拡大するだろう。

ギャンブル依存症への対策として、シンガポールでは、本人や家族の申し出でカジノへの立ち入りを制限する仕組みを導入した。日本はこれをどう考えるのか。

反社会勢力による資金洗浄(マネーロンダリング)などの違法行為への心配もつきまとう。

ラスベガスで多数のカジノを持つ米ネバダ州には、役員や株主らの犯罪歴まで調査できる専門機関がある。内閣府に監督機関を創設するというだけでは、いかにも心もとない。
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