2017年06月25日

[産経新聞] 【主張】スポーツ界と規律 範たる組織になれるのか (2017年06月25日)

2020年東京五輪・パラリンピックを控え、スポーツ界への注目度はかつてないほど高まっている。

選手強化に国から多額の助成金が充てられているのは、期待度の高さゆえだ。各競技団体に高い次元での規律保持が求められるのは、言うまでもない。

全日本柔道連盟の新会長に、1984年ロサンゼルス五輪金メダリストの山下泰裕氏(60)が就任した。柔道界には、日本女子代表への暴力的指導や助成金の不適切受給で混乱した4年前の苦い記憶がある。

副会長兼強化委員長として暴力根絶や代表選考の透明化など、改革を推し進めた山下氏は、東京五輪に向けたリーダーとして適任だろう。

50歳と若い鈴木大地スポーツ庁長官とともに、創意や行動力で他の競技団体を牽引(けんいん)する存在になってほしい。

ここ数年で、ガバナンス(組織統治)やコンプライアンス(法令順守)の概念がスポーツ界に定着したものの、不祥事との縁を断ち切れていない。

プロ野球巨人の選手らが八百長を疑われかねない賭博行為に関与し、バドミントンでは闇カジノに出入りするトップ選手がいた。青少年の模範となるべき選手が、自らの手でスポーツの価値をおとしめる愚を、これ以上繰り返してはならない。

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競技団体の内紛も目に余る。日本バレーボール協会では3代続けて会長が1期2年での退任を強いられた。前会長は、組織の赤字を黒字に転換させた手腕が評価される一方、権限を自身に集中させた運営手法には批判も多かった。出口の見えない混乱は、恥ずべき事態だろう。

東京五輪招致をめぐる招致委員会側から海外のコンサルタント会社への不透明な送金は、いまも疑念を残したままだ。競技団体は公益性の高い組織だが、中には自己都合で恥ずかしげもなくルールを書き換え、役職者の定年を延長するケースもある。それが高潔を掲げるスポーツ界の現実だ。

全柔連を正常化させた宗岡正二前会長(新日鉄住金会長)によれば、公益財団法人を所管する内閣府から「範たり得る組織になった」と判を押されたという。新体制の船出にあたり、空証文とならぬよう注文をつけておく。
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[東京新聞] 週のはじめに考える 政治家と官僚と国民と (2017年06月25日)

国会は閉じても加計(かけ)学園問題の幕引きは許されません。事の本質は、政治家と官僚が敵対する傍らで真に国民のための行政が蔑ろ(ないがし)にされていることです。

「森友」「加計」問題と続いた一連の“忖度(そんたく)行政”ではっきりしたのは、安倍政権による霞が関支配の極端な強さでした。

「総理のご意向」などを後ろ盾に、官僚を忖度の糸で操り、政権に歯向かう者には人格攻撃まで仕掛けて抵抗を封じる。ここまで強権の支配力は一体、どこからくるのでしょうか。二つの断面から切り取ってみます。


◆補い合う関係だった
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一つは歴史的な背景です。

戦後日本の政治家と官僚は補い合う関係でした。復興期、官僚たちもまだ貧しい社会の一員に身を置いて、いつか豊かな時代を切り開こうと気概に燃えていたはずです。安定政権の高度成長戦略に呼応し、官僚は成長成果の公平な配分政策で支える。こうした関係が繁栄の礎にもなりました。

けれど、成長が行き詰まるにつれ、この関係も崩れていきます。かれこれ四半世紀前の一時期。まず主導権を握ったのは官僚側でした。ヤマ場は、一九九四年二月三日、未明の記者会見です。

非自民の八党派連立政権を率いる細川護熙(もりひろ)首相は突如「消費税を福祉目的税に改め、税率を3%から7%に引き上げる」国民福祉税の構想をぶち上げたのでした。

消費税の増税を軸とする財政改革は大蔵省(現財務省)の悲願。対する連立の政権基盤はまだ薄い。細川氏や側近の回顧録によればこの当時、大蔵省の“豪腕”事務次官らが、新政権の中枢にしきりに接触してくる様子がうかがえます。

細川氏の日記には、あまりに強硬な官僚主導に対し、首相が気色ばむ場面も出てきます。


◆敵対関係に駄目押し
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「大蔵省のみ残りて政権が潰(つぶ)れかねぬような決断は不可と強く叱正(しっせい)す」。民主主義の基本に沿えば官僚は、選挙を経た政治家の下に立って支えるのが、本来あるべき姿です。首相の叱正は、政治側の意地でもあったでしょう。

結局、最後は官僚側に押し切られた末の未明の会見でしたが、強引さが批判され、細川政権はこの二カ月後崩壊。大蔵省もその後、政治側の“意趣返し”で本省から金融部局を分離され、権威はみるみる失墜していきました。

こうして政治との敵対関係から始まった官僚の弱体化は、歯止めなく一方的でした。極め付きは二〇〇九年九月、官僚が事実上、閣議を振り付けていた「事務次官会議」の廃止です。歴史の振り子は勢いを増して、政治主導の極端へと振り切れていきました。

そして、もう一つの断面。その振り子に駄目を押したのが、内閣人事局の存在です。縦割り行政打破の名の下に、国家公務員の人事を首相官邸で一元管理するため一四年に設置されました。加計問題で渦中の萩生田(はぎうだ)光一・内閣官房副長官が今の局長です。

問題は、官僚側の命脈である省庁の幹部人事が一括、ここに握られていることです。それがために官僚たちは、省庁の行政判断よりも、政権の意向を忖度して動くことで組織を守ろうと考えるようになる。その結果が都合悪くなれば政権は「勝手に忖度した」官僚側の責任にもできる。となれば、これが加計問題に浮かんだ「官邸一強」のやはり正体でしょう。

しかし、内閣人事局の仕事は何も幹部人事だけではない。本旨はむしろ、国の将来も見据えて行政基盤をしっかりと支えうる官僚集団を育成し、未来に引き継いでいくことです。次に続く人材を確保するためにも、官僚たちが士気高く働けるような環境作りが重要でしょう。

その士気を高めるためにこそ、求められるのは政治側から官僚側への歩み寄りです。共に国民生活の向上へ。政治家は政策決定力を今以上に磨き、官僚も共感して情報力や知識力で支える。たとえばあの戦後のような補い合う関係に再び歩み寄れないものか。


◆今と将来に共同責任
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いま私たちが立ち返ってみるべきは、国民主権を謳(うた)う憲法上、政治家は「全国民の代表」であり、官僚は「全体の奉仕者」ということです。行政に携わる政治家と官僚には、今と将来の国民に負うべき共同の責任があるはずです。両者が敵対する関係では、到底その責任は果たしえないでしょう。

歩み寄りなどとは対極の加計問題で、現政権が見せた一方的な官僚支配は、官僚たちの士気を高めるはずもなく、官僚を志す次代の若者たちをも遠ざけかねない。それは現代のみならず、未来の国民に対しても、国の行政基盤を築く政治の責任放棄として、禍根を残すのかもしれません。
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[産経新聞] 【主張】韓国の文政権 反日は行き詰まるだけだ (2017年06月25日)

韓国の文在寅大統領が米メディアの取材に、慰安婦問題を蒸し返し、日本を批判する発言を繰り返している。断じて容認できない。

一昨年、日韓両国は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を世界に表明した。国家間の約束を守れず、まともな国といえるのか。

文氏はロイター通信のインタビューに、慰安婦問題を含めた歴史問題の解決について、日本が「最善の努力をしていない」などと述べた。その言葉は、韓国にそのままお返ししたい。

政府は日韓合意に基づいて、韓国で設立された慰安婦支援財団に10億円を拠出するなど合意内容をすでに履行している。

韓国側は最低限のこともしていない。ソウルの日本大使館前の慰安婦像の撤去に努力するとしながら、いまだに実行されない。

文氏は今年1月、釜山の日本総領事館前の慰安婦像を訪れる反日パフォーマンスを行うなどしている。関係を傷つけているのは誰かを認識すべきだ。

ワシントン・ポスト(電子版)には、日韓合意に関し、「問題解決には、日本が法的責任を取り、公式に謝罪することが必須だ」と述べたという。

この認識も誤りだ。慰安婦問題を含む戦後補償問題は、昭和40年の日韓国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定で解決済みと明記された。問題を蒸し返し、こじれさせてきたのは韓国である。

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菅義偉官房長官は、政府として心からのおわびと反省の気持ちを表明しているとし、改めて謝罪の必要はないとの認識を示した。当然であるが、慰安婦像撤去などをさらに強く迫るべきだ。

国内の不満を「反日」に振り向けるのは韓国の常套(じょうとう)手段といえるが、日韓関係を損なって、行き詰まるのは韓国である。

日韓合意は、北朝鮮が核・ミサイルの挑発を繰り返すなど、東アジアの安全保障の懸念が高まる中、交わされた。日韓関係を改善し、日米韓の連携強化が欠かせないとの判断からだ。

文政権は、米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の本格配備を先延ばしにし、米側から不満がでている。敵を見誤ってはならない。

月末に米韓首脳会談を控えている。国民の顔色を見ながら告げ口外交をしている場合ではない。
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[毎日新聞] 大詰めの日欧EPA交渉 自由貿易推進へ妥結を (2017年06月25日)

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日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)を巡って大詰めの交渉を行っている。来月上旬にも首脳会談を開き、大枠で合意することを目指している。

実現すれば、経済規模で世界の3割近くを占める巨大な自由貿易圏が誕生する。トランプ米政権が保護主義政策を強める中、日欧が自由貿易推進で手を結ぶ意義は大きい。

対立点は残っているが、大局的な観点から歩み寄ってほしい。

日欧EPAは、投資や電子商取引を円滑化するルールも定めるなど幅広い分野に及ぶ。交渉は4年前に始まり、多くが最終段階にある。

隔たりがあるのは関税だ。フランスなどの農業大国を抱えるEUはチーズやワイン、豚肉などの農産品、日本は自動車や家電で撤廃を求め、調整がついていない。

自由貿易を通じて、日本はさまざまな経済効果が見込める。人口減少で国内市場が縮小しており、自動車などの輸出を増やす好機となる。

EUは既に日本と競合する韓国と自由貿易協定を結び、韓国車の輸入関税を撤廃している。劣勢にある日本企業の競争力回復は急務だ。

また、日本が欧州産農産品の関税を撤廃すれば、輸入品の価格が下がり、消費者にもプラスだ。

農家の経営を圧迫する恐れがあり、自民党農林族は関税維持を主張する。だが、市場開放で得られる国全体の利益はより大きいはずだ。政府は農業の足腰を強める政策を示し、農家の懸念を払拭(ふっしょく)すべきだ。

保護主義けん制の意味も持つ。

日米などが自由貿易圏の形成を図った環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、米国の離脱で暗礁に乗り上げた。英国もEU離脱に向けた交渉に入った。保護主義は貿易を停滞させ、世界経済に逆風となる。

EUの日本向け農産品輸出が拡大すると、米農産品の対日輸出に不利に働く。米農業界などでTPP復帰論が出てくる可能性もある。EUも対日輸出が増えれば、加盟国のEU離れを防ぐ効果が期待できる。

今回、合意を逃すと、EUは本格化する英国との交渉に力を割かれ、日本との協議が停滞する恐れがある。「自由貿易の旗を掲げ続ける」と強調してきた安倍晋三首相は合意へ指導力を発揮すべきだ。
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[日経新聞] 食の健康志向を脱・安売り競争に生かせ (2017年06月25日)

米アマゾン・ドット・コムが総額137億ドル(約1兆5000億円)で、自然食品に強い高級スーパーの米ホールフーズ・マーケットを買収する。健康志向の高まりから、付加価値が高い有機食品の購入者が増えていることが背景にある。日本の流通業者もこの分野の開拓に真剣に取り組みたい。

ホールフーズは1978年に創業し、有機農産物など自然派の野菜や加工食品を扱うことで業績を伸ばしてきた。価格は高くても健康に良い食品を求める人々が主な客層だ。

しかし近年はウォルマートなど他の流通大手も有機食品市場の可能性に気づき相次ぎ参入、手の届きやすい価格で商品を提供し始めた。その結果、先行したホールフーズの業績は伸び悩んでいた。

今後は培ったブランド力や商品調達力を生かしつつ、アマゾンのIT(情報技術)も活用し、若い世代を中心に有機野菜などを売り込んでいくとみられる。健康を気にする現代の若者に対し、付加価値の高い商品を手軽に買えるようにするのは理にかなった戦略だ。

日本でも化粧品分野では、有機素材などを使った自然派商品の愛用者が増えている。価格は高めだが市場の伸び率は年6%程度と、化粧品市場全体の約2倍。けん引役は外資系ブランドだ。

しかし食品分野では有機商品の普及度はまだ低い。米国では3.2兆円、ドイツでは1兆円、フランスでは5700億円の有機食品市場があり年率6%から8%で拡大しているのに対し、日本の市場規模は1300億円前後だ。

日本でも健康に配慮した食品に対する消費者の関心は高い。伸び悩む背景として、消費者から価格が高い、身近に店がない、店の雰囲気が入りにくいといった指摘がある。流通業界の工夫次第で、市場が拡大する可能性は高い。

イオンは有機食品のプライベートブランドを立ち上げたほか、フランスの企業と提携し昨年、専門スーパーを開いた。日本生活協同組合連合会は今年、有機栽培した食品や環境保護に配慮した雑貨などをエシカル(倫理的)商品として売り込んでいく計画だ。

こうした取り組みが実を結べば、安値競争とは異なる成長の道が開ける。今の新規就農者は有機農法や無農薬栽培への関心が高いという調査結果もある。有機食品市場の拡大は、農業の振興や地方創生にもつながるのではないか。
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[毎日新聞] 潜在化するホームレス 住居確保の政策が足りぬ (2017年06月25日)

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貧困などのため住む場所を失うリスクにさらされている人は多い。政府は住居があらゆる生活の基盤であることを直視し、安心できる住まいの確保に全力を挙げるべきだ。

路上や公園など屋外で寝泊まりする人は、ピークの2003年に2万5296人だったが、16年には6235人に減少した。

しかし、65歳以上が約4割を占め、10年以上ホームレス状態の人も3割を超える。都市部では、認知症や慢性疾患を持った路上生活者が増えている。

そうした現実を踏まえ、8月に期限が切れる予定だったホームレス自立支援法が、法改正によって10年間延長されることになった。

潜在化している課題は多い。定まった住居がなく、ネットカフェや安全基準を満たさない安価な「脱法ハウス」で寝泊まりしている人は多い。各国ではホームレスの定義に含まれているが、日本では除外されている。統計上ホームレスは減少しているが、実態は深刻だ。

首都圏・関西圏の年収が200万円に満たない若者(20?39歳)の77%が親と同居する一方、別居派のうちホームレスを経験したことのある人は13・5%に上るという調査結果がある。

日本のワーキングプアの若者は、親と同居しなければ生活できないのが実情だ。借家住まいの多い都市部では、親の高齢化や死亡によって住む場所を失うリスクを抱えた潜在的な層が存在する。

家賃の滞納で保証会社から違法な追い立てにあって住まいを失う人も多い。また、公営住宅は数が少ない上に、単身の若者には倍率が高い。東京都では身分証明書のない人はネットカフェを利用できず、劣悪な「脱法ハウス」や路上で寝泊まりするしかない人がいる。

困窮者向けの住宅手当、住居確保給付金などの制度もあるが、就労意欲や就労能力のある人に限定されており、支給期間も短いのが問題だ。

先進諸国では、福祉施策の中で住居の確保について優先的に取り組んできた国が多い。それに比べると、日本の居住政策は大きく立ち遅れている。

誰もが安心して暮らせる場所を確保できる政策が必要となっている。
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[日経新聞] 「限定正社員」を広げる機会だ (2017年06月25日)

2013年施行の改正労働契約法によって、期間の定めのある有期雇用契約を5年を超えて更新された人は、希望すれば無期雇用に移れるというルールができた。その無期転換の権利を得る人たちが来年4月から出始める。

新ルールは企業の人材活用に制約を与えるもので、望ましくはない。ただ無期転換権を得る人について短時間勤務などの「限定正社員」への登用を進め、この雇用形態を社内に定着させていけば、子育ての一段落した女性らを採用しやすくなる。企業は成長力を高めるために、無期転換する人の人事制度を整えるべきだ。

無期雇用という形態は、雇用期間に定めのない点は正社員と同じだ。しかし、昇進・昇給や教育訓練など、正社員に一般的な制度が設けられる保証はない。

パートなど有期契約で働く約1500万人のうち、勤続が5年を超える人は3割を占める。無期転換権が発生する来年度は、賃金などの労働条件をめぐって企業の現場が混乱する恐れがある。

このため企業は就業規則や労働組合と結ぶ労働協約で、無期雇用の人の処遇を定めておく必要がある。個人と交わす雇用契約書などで、職務や役割も明確にすることが求められる。無期転換の開始をにらんで十分に準備すべきだ。

そのなかで企業に考えてほしいのが、非正規で働いていた人の処遇改善も確実に進められる限定正社員の導入だ。

労働時間を「限定」したり、勤務地を限って転勤せずに済むようにしたりするこの雇用形態は女性の活用に役立つ。仕事と家庭の両立に悩む女性の就労を支援する。

技能を持った高齢者の受け皿にもなる。企業は限定正社員制度を競争力向上に生かしてはどうか。

無期雇用への転換を企業に義務づけ、事業活動の自由度を下げる新ルールは、見直すのが筋である。ただし企業にとっては、雇用形態を多様化する機会でもある。ルールができたのを奇貨として、生産性向上につなげたい。
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[朝日新聞] 憲法70年 公務員はだれのために (2017年06月25日)

公務員はだれのために働いているのか。そう嘆かざるをえないできごとが相次いでいる。

安倍首相の妻昭恵氏が名誉校長としてかかわった森友学園への国有地売却で、財務省が異例の対応をしていた実態を示す資料が次々と明らかになった。

首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設計画では、内閣府が「総理のご意向」だとして文部科学省に手続きを促していたとする内部文書が判明した。

公平、中立であるべき公務員の姿が大きく揺らいでいる。

■「全体の奉仕者」に

明治憲法下における「天皇の官吏」は、新憲法のもとで、主権者である国民のために働く公務員へと大きく転換した。

憲法15条が「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めるのは、その宣言である。

戦後70年余、多くの官僚の働きが日本を支えてきたことは確かだ。だが、官僚機構が総体として「全体の奉仕者」の使命を果たしてきたかといえば、必ずしもそうとは言えない。

戦前の官僚主導の行政機構は戦後も温存された。占領当局が日本統治にあたり、国内事情を熟知する官僚に依存したこと、多くの政治家が公職追放を受けたことなどが背景にある。

官僚が族議員の力を借り、省益や業界益の実現を図る。そんな政官のもちつもたれつの関係が成立した時代もあった。

しかし政官の癒着やタテ割り行政のひずみが広がり、経済成長の鈍化も加わって、政治主導によるトップダウンの政策決定がめざされるようになった。安倍政権が2014年に内閣人事局を設置したのも、1980年代末からの一連の政治改革の延長線上にある。

■内閣人事局の副作用

内閣人事局の設置で、中央官庁で働く約4万人の国家公務員のうち、事務次官や局長ら約600人の人事に首相や官房長官が直接かかわるようになった。

それにより首相官邸が官僚機構の人事権を掌握したが、現状は副作用も大きい。

多くの官僚が、官邸の不興を買うことを恐れ萎縮している。「官邸の意向」を過度に忖度(そんたく)し、「時の権力への奉仕者」と化してしまってはいないか。

元自治省課長で総務相もつとめた片山善博・早稲田大教授は「今の霞が関は『物言えば唇寒し』の状況。内閣人事局発足以降、この風潮が強まっている」と朝日新聞に語っている。

もちろんすべての官僚をひとくくりにはできない。加計問題で、「怪文書」と断じた政権に追従せず、「総理のご意向」文書の存在を証言した文科省職員らを忘れるわけにはいかない。

とはいえ、衆参で与党が圧倒的多数の議席を占める「安倍1強」のもとで、国会による政権の監視が弱まり、立法府と行政府の均衡と抑制が機能不全に陥っている。そのうえに官僚が中立性を失い、政権と官僚の相互チェックが損なわれていることの弊害は極めて大きい。

では政と官のあるべき関係とはどういうものか。

政策決定に当たっては、選挙で国民に選ばれた政治家が方向性を示す。官僚は具体化するための選択肢を示し、政治家が最終判断する。それが望ましい政官関係のあり方だろう。

同時に、官僚は政治家にただ従えばいいわけではない。政治家の過ちには異議を唱え、説得に努めることも欠かせない。

「変化」に敏感で、状況に応じて方向を決める政治家。「継続」を重んじ、中立性を旨に行政を安定させる官僚――。両者の役割分担によって適切な緊張関係が生まれれば、惰性を排することにも、過度な振幅を抑えることにもつながる。

■「政と官」再構想を

日本と同じ議院内閣制で、一連の政治改革のモデルとされた英国の事情はどうだろう。

「英国では政策決定はトップダウンの政治主導だが、人事は必ずしも政治主導ではない」

内山融・東大教授(政治学)はこう解説する。

「省庁の次官や局長級人事については、政治の干渉を受けない国家公務員人事委員会が選考委員会をつくって候補者1人を首相に推薦する。首相はその人事を拒否できるが、その場合はもう一度、委員会で選考し直すことになる。そうすることで中立性が保たれる仕組みだ」

日本の官僚機構に中立性を育むために何が必要か。

まず政権が人事権を乱用し、官僚に過度の圧力をかけるようなことはあってはならない。

そして、官僚は「全体の奉仕者」としての仕事ぶりを主権者である国民に十分に開示し、チェックを受ける必要がある。

そのためにも、政策形成にかかわる公文書をより厳格に管理し、積極的に情報公開することから始めなければならない。

そのうえで人事制度の見直しを含め、政と官のあるべき関係を構想し直す時ではないか。
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[読売新聞] がん基本計画 予防と早期発見を徹底したい (2017年06月25日)

がんで亡くなる人を減らすためには、予防と早期発見が有効である。対策を加速させたい。

厚生労働省の協議会が今後6年間を対象期間とする新たな「がん対策推進基本計画」の案をまとめた。7月にも閣議決定される。

現行計画は、2005年からの10年間で75歳未満のがん死亡率を20%減らす目標を掲げる。これに基づき、がん治療拠点病院の整備など医療の充実を進めてきた。

死亡率の低下や5年生存率の向上など、成果は着実に上がっている。ただ、死亡率は16%程度の減少にとどまり、目標には届かなかった。喫煙率やがん検診の受診率が想定通り改善されなかったことなどが原因とされる。

その反省に立ち、計画案は発症後を中心とした対策から、予防・早期発見に軸足を移した。

予防のために重点を置いたのがたばこ対策だ。喫煙率の低下と受動喫煙防止へ向けた取り組みの推進を求めている。

協議会で合意した飲食店などでの「受動喫煙ゼロ」の目標は、明記されなかった。受動喫煙対策を強化する法案が、自民党内の反対でまとまらなかったことが影響した。がん予防の観点からも、法整備を急ぐ必要がある。

早期発見には、がん検診の受診率向上が不可欠だ。現状は男性40%台、女性30%台で、目標とする50%には及ばない。

異常が疑われた場合の精密検査の受診率が65?85%であることも問題だ。計画案は90%に引き上げる目標を新たに掲げた。

対象者へのきめ細かな受診勧奨や、受診しやすい体制整備など、検診を実施する自治体や職場で、より有効な対策を工夫してもらいたい。初期の段階でがんを確実に発見するためには、検診の精度向上も重要である。

世代別の患者支援を盛り込んだのも、計画案の特徴だ。

特に、青少年や若年成人への対策を初めて取り上げた。治療が進学や就職、結婚、出産など、人生の節目に重なる世代だ。学業の中断などが、その後の生活に大きな影響を及ぼす可能性もある。

療養中の教育や復学の支援をはじめ、ライフステージに応じたサポートが欠かせない。

働く世代のがん患者が増え、就労支援は現行計画でも重点課題だ。昨年末には、患者の雇用継続への配慮を企業に求める改正がん対策基本法が施行された。政府の働き方改革の一環として、実効性ある取り組みを広げたい。
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[読売新聞] 豊田氏自民離党 国会議員の劣化を放置するな (2017年06月25日)

常軌を逸したパワハラ行為である。最近の国会議員の劣化には、あきれるほかない。

自民党の豊田真由子衆院議員が離党届を提出した。乗用車を運転中の秘書に「死ねば。生きている価値ない」などと暴言を浴びせたうえ、顔や背中を殴る暴行をはたらいた問題の責任を取ったものだ。

豊田氏は、東大法学部卒で、旧厚生省に入省した元官僚だ。2012年衆院選で初当選し、文部科学政務官などを務めた。

14年春の園遊会では、本来は入場できない母親を強引に入場させて警備とトラブルになるなど、問題行動が表面化していた。豊田氏の事務所では、秘書や職員が次々と辞め、定着しないという。

自民党執行部が、23日告示の東京都議選への悪影響を懸念して離党を促し、豊田氏も了承した。

離党以外に選択肢はなかったのだろう。こうした非常識で適格性を欠く国会議員がなぜ、これまで要職を務めてきたのかという、根本的な疑問もわいてくる。

自民党では、かねて「2012年問題」が指摘されてきた。豊田氏を含め、12年に初当選し、現在、2期目の衆院議員が様々な不祥事を起こしているためだ。

15年8月には、未公開株を巡る金銭トラブルが発覚した武藤貴也氏が離党した。昨年は、宮崎謙介氏が不倫問題で議員辞職した。

今年も、被災地視察に関連して「長靴業界はもうかった」などと発言した務台俊介氏や、女性問題を起こした中川俊直氏が政務官を辞任した。大西英男氏は、がん患者は「働かなくていい」と語り、都連副会長を辞任した。

極めて深刻な事態である。

12年衆院選当時は野党で、現職議員が少なかった自民党は、大量の新人を擁立した。その多くは、民主党政権の度重なる失政を「追い風」に楽々と当選した。

14年衆院選でも、安倍内閣の高い支持率に支えられ、再選を果たす幸運に恵まれた。今になって、自民党の「1強」下の驕(おご)りや緩みと相まって、ツケが回ったと言っても過言ではあるまい。

自民党執行部も、若手議員の質の低下に関する問題意識はあり、国会活動などの研修の強化を求める声が出たが、実現しなかった。人材育成・教育面で党を補完すべき派閥も機能していない。

党執行部は、現状を放置すべきではない。目に見える形で若手の研修に取り組み、緊張感を持たせる努力をしなければ、不祥事の連鎖は断ち切れまい。
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2017年06月24日

[産経新聞] 【主張】都議選告示 食欲出るネタをそろえて (2017年06月24日)

まずは、ネタをきちんとカウンターに並べてほしい。

23日に告示された東京都議選の印象である。

店長の自慢や「あの店には任せられない」という大ざっぱな他店批判ばかりでは、どれを手にすればよいものか。約1100万人の有権者は戸惑うしかない。

東京の現状を把握しつつ、将来像を描けるような具体的な政策こそ競い合ってほしい。

焦点だったはずの築地市場の豊洲移転問題はどうか。

豊洲・築地の両立を目指すと言いだした小池百合子知事は、工程や予算、財源を明らかにしていない。多くの都民の目に、小池氏が目指すものがはっきりと映っているだろうか。

地域政党「都民ファーストの会」代表としての第一声でも、約6千億円に膨れ上がった豊洲整備費や不十分な土壌汚染対策について、「都議会がちゃんとチェックしてこなかったからだ」と語るばかりだった。

自民党は豊洲への早期移転を唱えていた。都連会長の下村博文幹事長代行は、小池氏の両立案について「実際どうなのかよく分からない」と指摘したが、この問題で全面対決しようというわけでもなさそうだ。

小池都政はまもなく1年を迎える。豊洲をめぐる都議会のチェック機能の不備を浮き彫りにした意義は大きい。

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この事態を受けて、都議会は行政を監視する能力を取り戻す存在になれるのかが問われている。同時に、小池氏が移転をめぐる混乱の収束を図れなければ、都政責任者としての資質を判断される。

問題解決の処方箋こそ重要である。候補者や政党は「日本の台所」の未来像について、自分の言葉で語ることが欠かせない。

イメージを戦わせる選挙戦をどんなに演じても、解決策は見いだせない。安全性や採算性、利便性、財源などについて、有権者は目をこらし、耳を澄ませることが重要である。

小池氏は「古い議会を新しくする絶好のチャンス」と、都議会の主役交代を訴えた。それで都議会がどう活性化されるのかを、目に見えるように説明してほしい。

都議会自民党は小池氏の「劇場型」のペースに巻き込まれまいと警戒する。それだけでは、生まれ変わる意志は伝わるまい。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 産経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[東京新聞] 加計問題究明 国会召集に応じる責任 (2017年06月24日)

獣医学部新設をめぐる真相究明のため、野党四党が臨時国会の召集を要求した。憲法五三条に基づく重い行為だ。安倍政権には要求に応じる責任がある。憲法無視の政治はこれ以上、許されない。

公平・公正であるべき行政判断が「首相の意向」を盾に歪(ゆが)められたのではないか。国民の疑念は解消されるどころか、膨らむばかりだ。安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部を愛媛県今治市に新設する計画である。

内閣府から文部科学省に「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」などと働き掛けたとする文書の存在が確認されたのに続き、首相の側近である萩生田光一官房副長官が文科省に早期開学を求めたと受け取れる文書も見つかった。

国会を召集して、国政調査権を駆使した真相究明は当然である。

しかし、安倍政権側は「早期に行わなくても良いのではないか」(自民党の竹下亘国対委員長)と応じるつもりはないようだ。

首相が会見で述べた「何か指摘があれば、政府としてその都度、真摯(しんし)に説明責任を果たす」との約束は何だったのか。政権は、真相究明に後ろ向きだと断ぜざるを得ない。究明されたら都合の悪い、後ろめたいことでもあるのか。

憲法五三条は衆参どちらかで総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないと明記する。

同条に基づく臨時国会の召集要求は今回を含めて三十七回(重複を除く)あり、うち三十三回は開かれている。ほとんどの政権が野党の要求に応じてきたが、この憲法規定を完全に無視したのが、今の安倍内閣である。

安全保障関連法の成立が強行された二〇一五年秋、同法が公布され、環太平洋連携協定(TPP)締結交渉が大筋合意し、内閣改造で十人の閣僚が新たに入閣した。

野党が説明を求めて、臨時国会の召集を要求しても、安倍政権は首相の外交日程や一六年度予算編成作業を理由に拒否した。

召集期限が定められていないとはいえ、要求を完全に葬り去るのは暴挙と言わざるを得ない。

首相や閣僚、国会議員を含め公務員には憲法を尊重し、擁護する義務がある。それができないような首相や国会議員に、憲法改正を語る資格はない。国会軽視、憲法無視のあしき振る舞いを、これ以上、認めてはならない。
posted by (-@∀@) at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする