2019年11月13日

[東京新聞] 香港長官強硬策 人民にこそ目を向けよ (2019年11月13日)

香港デモに対し長官が強硬姿勢を鮮明にした。中国の習近平国家主席による「暴力活動の制止と処罰」の要求に応えた形だが、何よりも優先すべきは人民の安全を守った上での香港の安定である。

混乱が続く香港では十一日、警官がデモ参加者に実弾三発を発射。うち一発が二十一歳の男性に命中し、一時重体になった。

警察当局は会見で「デモ隊が拳銃を奪おうとした」と実弾発砲を正当化しようとした。だが、香港メディアのネット映像を見る限り、警官は武器を持たない男性らに至近距離からちゅうちょなく発砲したように映る。

デモ隊が警官に実弾で撃たれたのは三人目だが、警察にとって市民に向け実弾発砲することへのハードルが下がっていることは明白で、危険な状況と言うしかない。

その背景には、林鄭月娥行政長官の強硬策への転換があるのは疑いない。林鄭長官は十一日に会見し「暴力を社会全体で厳しく非難すべきだ」と述べ、デモ隊の要求に応じることは一切ないとの姿勢を鮮明にした。しかも、香港の安定を取り戻すため林鄭長官が自発的に行った戦術転換ではなく、習氏の指示に忠実であろうとする行動にしか見えない。

五カ月余に及ぶ香港デモの主因は、中国が国際公約した「一国二制度」をじわじわ踏みにじってきたことにあるのは間違いない。

だが、混乱を長引かせている大きな原因は、北京の顔色ばかりを気にして、有効な打開策を打ち出せなかった林鄭長官の無策にある。長官が目を向けるべきは何よりも香港市民であるはずだ。

長官の強硬策を受け、警官隊は香港大など三つの大学に初めて催涙弾を撃ち込んだ。これに対し、学生らが「黒警(やくざな警察)への報復」と、敵意をむき出しにしているのも気がかりだ。

市民間でも、デモ隊がデモに反対する男性と口論になり、可燃性の液体をかけられ火を放たれた男性が重体となる事件も起こった。

中国、香港政府に民主化を求める運動であるはずなのに、意見を異にする人たちの間で憎悪が強まり、社会の分断が深まるのは不幸である。デモ隊にはぜひ、理性ある非暴力の運動を貫いてほしい。

中国は十月末の重要会議「四中全会」で「反乱扇動」などを禁止する法整備を香港政府に求めた。混乱に乗じて、武力を背景に鎮圧に乗り出すようなことは厳に避けるべきである。
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[東京新聞] 桜を見る会 「私物化」は許されない (2019年11月13日)

安倍晋三首相が、自ら主催する「桜を見る会」に、後援会関係者らを多数招いていた。公金を使った便宜供与なら、違法性を問われかねない。あいまいな説明やごまかしは許されない。

毎年四月、東京・新宿御苑で行われる桜を見る会は、各界で功績のある人や著名人を首相が慰労する趣旨で開催され、無料で酒や食事、土産物が振る舞われる。

首相がこの場で選挙区の有権者を接待したのなら、公職選挙法が禁じる寄付行為や税金の目的外支出という財政法違反などに当たる可能性が出てくる。

八日の参院予算委員会で共産党の田村智子氏は、第二次安倍内閣以降、会の参加者と支出は伸び続け今年は参加者一万八千二百人、支出約五千五百万円と二〇一四年から五年間でそれぞれ一・三、一・八倍になっていると追及した。

内閣府の開催要領は、招待範囲として皇族や各国大使、最高裁長官、都道府県知事らに加え「その他各界の代表者等」を示す。この枠を使い、首相ら与党議員が後援者らを招いているとみられる。

首相の地元、山口県内の県議や市長、ライオンズクラブ会員などはたびたびブログや会報で会への参加を報告。今年はバス十七台に分乗して新宿御苑に向かったとの記述もあり、首相の後援者らの参加は数百人に上ったようだ。

このほか、萩生田光一文部科学相や稲田朋美元防衛相も、後援者が会に参加したことをネットなどで記している。

会が与党議員の後援会活動の場と化しているとしたら、公的行事の「私物化」であり、言語道断である。

首相は予算委で招待者を選ぶ基準を問われたが明確に答えられず、名簿公表も「個人情報」を理由に拒否した。会への参加が記念写真と共に公表されているのに、全く理屈に合わない。内閣府が招待者名簿を終了直後に廃棄したとしているのも極めて不自然だ。

首相の後援者には会の前日、都内のホテルで「前夜祭」が催されそこでも飲食が提供されたという。五千円の会費制で行ったとの証言もあるが、会場費などについての記載が首相側の政治資金収支報告書にはなく、政治資金規正法違反の疑いも指摘される。

安倍内閣では、後援者を観劇に招待し閣僚を辞任した例がある。首相の違法行為は内閣総辞職に値する。首相自身が説明を尽くさなくては疑いは一切晴れない。重い責任を感じるべきだ。
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[産経新聞] 【主張】香港の弾圧 牙剥く中国の暴挙を阻め (2019年11月13日)

香港での抗議活動で、デモ隊への鎮圧が悲惨な流血を招いている。議会に対する露骨な弾圧も始まった。

手を下すのは香港警察であっても、中国政府の指示こそが弾圧の根源である。中国が本気で牙を剥(む)いてきたと受け止めなくてはならない。

新たな流血の回避が緊急の課題であることはもちろんである。ただ、中国の弾圧は香港の自由そのものが標的だ。銃口で民主の叫びが封じられた30年前の天安門事件を、香港で再現させてはならない。中国の暴挙を阻止するため、国際社会は結束して非難の声を上げるべきだ。

10月末の中国共産党中央委員会総会(4中総会)が香港の治安強化方針を決議した。続いて香港特別行政区の林鄭月娥行政長官と会談した習近平国家主席らが「最重要任務」として秩序回復を命じた。この流れの中での弾圧だ。

6月に大規模デモが起きてから初めて、抗議に参加していた学生が死亡した。さらに、警官に拳銃で撃たれた若者が一時重体となった。香港警察の白バイが、逃げるデモ隊に突進するという異常な映像も公開された。

警官の発砲による負傷者は10月にも出ていた。適正な銃器使用だったという警察の弁解は、全く成り立たない。香港の一般市民までが「警察の暴力」を強く非難しているのも当然である。デモ参加者を「暴徒」と一方的に断じる林鄭氏の談話は無責任極まりない。

弾圧はデモの現場にとどまらない。香港議会である立法会では、民主派議員7人が逃亡犯条例改正案の審議を「妨害した」として警察に逮捕された。

改正案はすでに正式撤回されている。議場での言動を理由に議員が逮捕されるとは、高度自治の原則を公然と踏みにじる暴挙だ。

逮捕された議員の一部は、24日の区議会議員(地方議会)選挙に出馬している。区議選は、香港では例外的に有権者の直接投票が認められており、親中派の劣勢が伝えられる。貴重な民意の表明機会である。妨害は許されない。

中国支配に目障りな動きが徹底的に排除されようとしている。米国務省は香港の「事態沈静化」を促す声明を発表した。菅義偉官房長官も「事態の早期収拾」に言及したが、これでは足りない。中国に対して暴挙阻止を強く迫る毅然(きぜん)とした対応を求めたい。
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[産経新聞] 【主張】NHK同時配信 受信料の再値下げが先だ (2019年11月13日)

NHKの肥大化に総務省が待ったをかけた。テレビ番組をインターネットでも流す常時同時配信を認可せず、まずは受信料のあり方や業務全体の縮小、効率化を検討するよう要請した。

当然である。受信料にあぐらをかき、公共放送の役割を忘れて独占や肥大化が進めば、民放と二元体制で築かれてきた放送メディアの健全な発展はかなわない。

改正放送法で常時同時配信が可能になり、NHKがその業務案を認可申請していた。今年度中に配信開始の予定だったが、総務省は認可の適否を示さず、業務・受信料・ガバナンス(組織統治)の三位一体改革などを求めた。

放送法改正にあたり、同局の経営改革は前提とされてきたことである。高市早苗総務相は「ネット活用業務を含む業務全体を肥大化させないことが求められる」と明言した。

とくに受信料について、総務省が引き続き検討を求めたことに注目したい。受信料収入は年間7千億円を超える。一方で財政安定のための繰越金残高はNHK本体で1千億円超もある。受信料が適正かというのは当然の疑問だ。

NHKは10月の消費税増税時に受信料を据え置き、来年10月に2・5%の値下げを行う。合わせて実質4・5%程度の値下げだというが、もっと下げられないのか、納得できる説明が必要だ。

総務省は、同時配信の費用の上限に注文をつけたほか、適正な給与水準の検討、子会社の業務範囲の適正化なども求めている。NHKは具体的な改革案を早急に示さなくてはならない。

NHKは過去にプロデューサーの制作費着服などの不祥事が相次ぎ、改革の途上にある。受信料という安定収入に甘えたモラルやコスト意識の欠如が指摘される。改革はどこまでなされたのか。その進捗(しんちょく)を明示すべきだ。

常時同時配信で利便性が高まるとしても、そこには多額の経費がかかり、競合する民放の経営に影響するなど多くの課題もある。報道、防災情報以外に、バラエティー番組などをネット配信することが、公共放送として本当に必要なのか疑問を持つ視聴者もいる。

最高裁は「公共の福祉」をかなえるNHKの放送目的を重視して受信料制度を合憲とした。公共放送としての役割を改めて問い直してほしい。
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[毎日新聞] 「桜を見る会」の支出増 公金私物化の疑問が募る (2019年11月13日)

これも長期政権のおごりや緩みの表れなのか。首相が主催して毎春、東京・新宿御苑で開いている「桜を見る会」をめぐる運営実態の不透明さが浮き彫りになってきた。

安倍晋三首相の地元後援会関係者が多数招待されていることに対し、公的行事の私物化ではないかと批判が出るのは当然だ。政府はあわてて今後、招待者を絞る検討を始めたというが、これまでの経緯をきちんと首相自身が説明する必要がある。

首相が出席し、酒や菓子もふるまわれる桜を見る会への参加は無料で、費用は税金でまかなわれる。戦後間もなく始まり、旧民主党政権時にも1度開かれた恒例行事だ。

ただし見逃せないのは2012年の第2次安倍政権発足後、招待者数や支出が急増している点だ。

今春の参加者は、14年度と比較すると約4500人増えて約1万8000人。費用も来年度予算の概算要求額は14年度の2倍近い約5700万円となっている。

共産党の調査によると、最近目立つのは安倍首相をはじめ、自民党議員の後援会関係者だ。首相の場合、上京した地元関係者は前夜、東京都内のホテルで約850人規模のパーティーを開いており、桜を見る会と事実上セットになっていたという。

そもそも招待者の人選基準はあいまいだ。安倍首相は国会で「各界で功績、功労のあった方々を招いている。地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので後援会と重複することもある」と答弁したが、招待者が急増した説明とはなっていない。

人選を取りまとめているという内閣府は「関係書類は廃棄した」の一点張りだ。

支出増の理由は「テロ対策の強化や混雑緩和」と言うが、ならばより詳しい内訳を早急に公表すべきだ。

政治家が自分のカネで地元有権者に酒食をふるまえば公職選挙法違反となる。一方、公的行事を政治家が利用するのは税金を使った選挙対策とさえ言える。公私混同は政治権力を持つ首相が最もしてはならないことの一つのはずだ。

自民党議員にも「招待枠」が割り当てられているとの指摘もある。政権与党全体が、こうした問題に鈍感になっているのも否定はできまい。
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[毎日新聞] 大学新テストの記述式 延期するしかないのでは (2019年11月13日)

来年度から始まる大学入学共通テストで導入が予定される国語と数学の記述式問題について、採点の公平性などへの疑問から延期を求める声が強まっている。

現役高校生たちが約4万人分の署名とともに文部科学省に要請した。大学教授らでつくる団体は、共通テスト自体の延期を求める緊急声明文を同省に提出した。

共通テストを巡っては、英語民間試験が事実上の白紙撤回に追い込まれたばかりだ。これと記述式問題は大学入試改革の目玉だった。

思考力や表現力を測ることが導入の目的だ。知識偏重を見直そうとする理念自体は間違っていない。

だが、受験生50万人に対し1万人規模の採点者が必要となるため、公平に採点することの難しさが課題だった。マークシート式と比べて自己採点も難しく、実際の採点とのズレが生じやすい。受験生は自己採点に基づいて出願先を決めるため、ズレが重大な影響を与えかねない。

これまで2回の試行調査が実施された。国語の場合で採点のぶれが生じたのは1回目で0・2%、2回目も0・3%と改善は見られなかった。受験生50万人の場合、1500人が間違った採点をされる計算だ。自己採点と実際の採点の不一致率は1、2回目とも3割程度に上った。

その後も改善策は示されていない。むしろ、採点者に学生アルバイトも加わる可能性が国会などで取り上げられ、受験生らはいっそう不安を募らせている。

試行調査の国語の問題では、正答とみなす基準が細かく定められた。それを徹底すれば採点のぶれはある程度抑えられるだろうが、記述式本来の目的からは離れていく。

そもそも50万人を対象として一斉に記述式を実施することに、やはり無理があるのではないか。英語民間試験と合わせ、もはや共通テスト自体の制度設計に疑問が投げかけられている。

それでも文科省は導入の構えを崩していない。採点業務を受託した業者が先日、採点訓練を行ったものの、もう試行調査の予定はない。このまま見切り発車するのは無謀だ。

受験生が「実験台」にされかねない以上、現状では延期するしかなかろう。
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[読売新聞] 選挙ミス急増 「1票」の重みを肝に銘じよ (2019年11月13日)

選挙は民主主義の根幹である。自治体職員は1票の重みを忘れず、職務を遂行すべきだ。

選挙事務を巡るミスが急増していることが、読売新聞の情報公開請求などで明らかになった。この20年余りの間に参院選で11倍、衆院選で6倍、統一地方選で10倍近くになった。

選挙区選と比例選の投票用紙を誤交付するなど、単純ミスが目立つ。職員が寝坊して投票開始が遅れたケースもあった。緊張感を欠いているのではないか。

公職選挙法違反などの事件に発展したケースもある。高松市や仙台市青葉区の職員らが、参院選や衆院選で白票を水増しした。

今年4月の千葉市議選では、白票を減らす不正が見つかった。

投票総数と、選管が集計した票数が食い違ったため、つじつま合わせをしたという。選挙結果をゆがめる悪質な行為が繰り返されているのは看過できない。

ミスや不正の背景には、市区町村職員の大幅な減少がある。行財政改革や団塊世代の退職で、1995年の約155万人から2016年は約124万人になった。

投開票作業の「司令塔」となる選挙管理委員会の職員には専門知識や経験が求められる。しかし、人手不足で他部署と兼任になり、人材が育ちにくくなっている。

選挙制度の変更も一因だ。参院選に非拘束名簿式比例代表制が導入され、集計が複雑になった。

投票時間の延長や期日前投票の実施で作業量は増えた。

このため、記号式投票を採用した地方選もある。投票用紙の候補者名の欄に丸印を付ける方法で、開票時間の短縮につながろう。

肝心なのは、職員教育を強化し、選挙事務が極めて重要であるとの意識を徹底させることだ。

国や自治体も対策に乗り出している。総務省は今年6月、選挙事務に精通した選管OBらが自治体の選管職員を指導する制度を創設した。どれだけ多くの自治体を巡回し、経験を伝えることができるかが課題である。

選管に限らず全職員を対象とした研修や模擬訓練、他の自治体との協力などを検討すべきだ。

選挙がある自治体に職員を派遣すれば、実地で経験を積める。国や都道府県が連携の仕組み作りを主導することが大切である。

小さなミスでも積み重なれば、選挙に対する有権者の信頼が揺らぎかねない。それが、投票率を一段と低下させる恐れもある。各自治体は、ミスや不正の防止に万全を期さねばならない。

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[読売新聞] 企業中間決算 難局の今こそ攻めの姿勢を (2019年11月13日)

世界経済の低迷が企業業績の足かせとなっている。この難局をどう乗り切るか、経営者の手腕が問われよう。

東京証券取引所に上場する企業の2019年9月中間決算の発表がピークを越えた。金融と電気・ガスを除く1部上場企業全体では、最終利益は前年同期を1?2割程度下回りそうだ。中間期での減益は3年ぶりとなる。

中国・アジアの景気減速に加え、英国の欧州連合(EU)離脱問題の迷走に伴う円高・ユーロ安などが影響したのだろう。

建設や小売りをはじめ非製造業の業績は総じて底堅いが、日本経済の屋台骨を支える製造業がふるわないのは、心配である。

例えば、建設機械大手のコマツは、中国などでの売り上げ不振で最終利益が3割近く落ち込んだ。工作機械のファナックは利益が半減した。中国企業の生産活動が鈍っていることがうかがえる。

中国経済は頼みの内需が力強さを欠き、10月以降も改善の兆しがあまり見られない。このため、20年3月期の通期決算も、状況は大きく変わらないようだ。

最終利益の通期予想を下方修正した製造業の企業は200社を超え、業種別では機械、電機、自動車の基幹産業で目立つ。下請けや孫請けなど産業の裾野が広いだけに業績立て直しが急がれる。

当面は、コスト削減や事業の再構築、顧客ニーズに合った需要の掘り起こしといった地道な取り組みを続けることが大切だ。

覇権を争う米中の対立は長期化が避けられない。海外に進出する企業は、それを前提とした、サプライチェーン(部品の供給網)の見直しも必要だろう。

ただ、「守り」の姿勢を貫くだけでは、中長期的に成長していくのは難しいのではないか。

日本電産は、中間期で大幅減益だったが、電気自動車向けモーターが好調だとして研究開発などに約300億円を投資する。

スマートフォン向け画像センサーの需要が伸びているソニーは、約1000億円かけて、長崎県に新工場を建設するという。

厳しい環境の中でも、生産設備や研究開発に積極投資する企業が出てきたのは明るい材料である。全体でみれば、企業の利益水準は依然高く、内部留保は多い。「攻め」の経営姿勢を期待したい。

人材の育成も重要な課題と言えよう。社員の研修強化や資格の取得支援などが求められる。余力のある企業は、賃上げで従業員の就業意欲を高めてもらいたい。

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[朝日新聞] 桜を見る会 首相の私物化許されぬ (2019年11月13日)

税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化していると批判されても仕方あるまい。安倍首相にはきちんと疑問に答えてもらわねばならない。

毎春、東京・新宿御苑で行われる首相主催の「桜を見る会」の出席者が、第2次安倍政権発足以降、年々増え続け、首相の後援会関係者が大勢招待されていることが明らかになった。

「開催要領」には計約1万人と明記されているにもかかわらず、今年の参加者は5年前より4千人以上多い約1万8200人。予算は毎年一律の約1767万円だったが、実際の支出は膨らみ続け、今年は3倍以上の5519万円となった。ずさんな予算管理に驚く。

なぜ、これほど参加者が増えたのか。先週の参院予算委員会で、共産党議員が問題視したのが、首相や閣僚、自民党国会議員の後援会関係者の招待だった。とりわけ、首相について、都内のホテルで開かれた前夜祭に850人が出席し、当日はバス17台に分乗して会場に向かったという、今年の参加者からの情報を示し、「後援会活動そのものではないか」と追及した。

1952年に当時の吉田茂首相が始めたこの会は、各界で「功績・功労」のあった人たちを慰労し親睦を深めるのが目的とされる。開催要領は、招待の対象を皇族や各国大使、国会議員、都道府県知事らのほか、「その他各界の代表者等」と定める。この「その他」に後援会関係者が含まれるとみられるが、個々の議員の活動を支える支援者を、国全体にとって「功績・功労」があったと認めるのは筋が違うだろう。

ところが首相は予算委で、「個人情報」を口実に、招待に関する具体的な説明を拒んだ。また、内閣府の担当者は、招待者名簿などの資料は会の終了後、「遅滞なく廃棄」したと述べた。翌年の準備のために保管しておくのが当然ではないのか。天皇、皇后両陛下が主催する園遊会の招待者名簿は公表されており、不透明きわまる。

首相は「招待者のとりまとめには関与していない」とも述べた。しかし、朝日新聞の調べで、首相の事務所名義で、桜を見る会を含む都内の観光ツアーを案内する文書の存在が明らかになった。

首相は13年以降、会の前夜に開かれる後援会との懇親会に欠かさず出席もしている。一連の経緯を承知していないはずはなかろう。

首相に近しい者が特別な便宜を受けたのではないか。森友・加計問題でも指摘された、政治の公平・公正に関わる問題であると、首相は深刻に受け止めるべきだ。
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[朝日新聞] 香港の混乱 武力では解決できない (2019年11月13日)

香港から伝えられる痛ましい映像を、驚きをもって見る日々が続いている。

若者ともみ合うなかで突然、銃を発砲する警察官。倒れた体から流れる赤い血……。非武装の市民に向けて警察が実弾を撃つという異常な行為がおととい、再び繰り返された。

先週には、デモ参加中にビルのなかで転落した大学生が死亡した。逃亡犯条例の改正に端を発した香港の抗議デモが大規模化してから約5カ月。香港警察のいまの強硬な行動は明らかに限度を超えている。

中国では、民衆の抗議活動に対する当局の過酷な弾圧は少なくない。ほかの地域と違い、表現の自由が認められているはずの香港でも、次第に当局の抑制が利かなくなっているのではないかと危惧せざるをえない。

香港警察との衝突で、拘束者は3千人を超え、負傷者も多数にのぼっている。中国政府と香港政府は即刻、行きすぎた行動を改めるべきである。

林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は「暴力では何も解決しない」と述べ、デモによる破壊行為や交通妨害などを非難した。しかし、その言葉はそのまま香港政府にも向いていることに気づくべきだ。若者らを過激化させているのは、当局のかたくなさにほかならない。

強圧的な姿勢は、今月24日に予定される区議会選挙に向けても示されている。一部の民主活動家の立候補を認めない。立法会の民主派議員を逮捕・訴追しようとする。そんな動きが相次いでいる。

市民による平和的な意見表明の機会をつぶしておいて、抗議活動だけに一方的に混乱の責任を求めるのは不公正だ。

いまやデモの若者らと警察の双方に憎悪が広がっている。いま香港政府がやるべきは、敵対心をあおるのではなく、平和的な対話の枠組みを築く努力ではないのか。要求に耳を傾け、粘り強く対話を重ねること以外に事態を打開する道はない。

習近平(シーチンピン)国家主席は先週、林鄭氏と上海で会い、「暴力活動を法に従って止め、処罰する」よう求めた。制圧の指示と受け止められているが、このままでは自由な香港は壊れてしまう。

中国政府は自らが公言してきた「一国二制度」の原則に立ち戻り、香港の自治を尊重しなければならない。

区議会選挙は、香港市民が一人一票の形で政治的な意思表明ができる貴重な機会だ。混迷が深まるいまだからこそ、じかに民意を問う意義は大きい。

香港政府はこの選挙を公正に実施したうえで、市民が求める民主化の改革を真剣に検討すべきである。
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2019年11月12日

[東京新聞] 議事録記載せず 異論を排除する異様さ (2019年11月12日)

政府の検討会議で有識者が述べた意見の一部が、議事録に記載されていなかった。政府方針と異なる内容だ。都合の悪いことは公の記録から排除する安倍政権の異様な体質を指摘せざるを得ない。

不記載が明らかになった議事録は、政府が九月二十日に開いた全世代型社会保障検討会議の初会合のもので、十月四日に首相官邸のホームページで公開された。

一定以上の収入がある働く高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度について、政府は高齢者の働く意欲を損なっているとして見直しが必要としているが、有識者メンバーとして出席した中西宏明経団連会長は「経営者から見ると意欲を減退させることはない」などと発言した、という。

しかし、中西氏の発言のこの部分は議事録に記載されておらず、「(制度見直しによって年金財政が悪化するなどの)財源の問題もあるので、慎重に検討した方がいいのではないか」と述べた箇所だけが記されていた。

経団連側は異論部分の記載を要望したが、政府側は応じず、経団連側も最終的に了承したという。

国会審議に限らず、政府の審議会や諮問会議、検討会議など政策決定に関わる会議での発言内容を正確に残すべきは当然である。

さもなければ、その政策決定が正しかったかどうか、後々、検証できないからだ。会議の主宰者にとって都合のいい発言だけを残すのなら、議事録の体をなさない。

政府はなぜ中西氏の発言を議事録に記載しなかったのか。明確な理由は説明されていないが、政府の方針に反する発言を排除したと批判されても仕方があるまい。

政権にとって都合の悪い記録を廃棄したり、改竄(かいざん)するのは、中西氏の発言にとどまらない。

例えば、アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊は現地での「戦闘」や「激しい銃撃戦」を日報で報告。政府は治安悪化を認識しつつも派遣期間を延長し、日報の情報公開請求にも当初、廃棄済みを理由に不開示としていた。

森友学園への国有地売却を巡る決裁文書では、安倍晋三首相や昭恵夫人、麻生太郎副総理兼財務相らの名前が削除されるなどの改竄が行われていた。

中西氏の発言不記載も、これまでと同様、首相らに対する官僚の忖度(そんたく)なのか。背景に、政権への異論を排除し、首相の意向一色に染め上げる政権の体質があるとしたら、限りなく根は深い。
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[東京新聞] セクハラ告発 音楽界の対応に学ぶ (2019年11月12日)

音楽の秋たけなわ。有名なオーケストラの来日など話題の公演が続き、愛好家の心も弾む頃だが、一方では華やかな舞台に影が落ちている。大家が次々に消えていくのだ。理由は、セクハラ告発。

二〇一七年。著名な指揮者のシャルル・デュトワ氏が女性音楽家たちにセクハラを繰り返していたと報じられ、米ボストン交響楽団などは契約を打ち切った。

翌一八年には、世界有数のオペラハウス、米メトロポリタン歌劇場が名誉音楽監督のジェームズ・レバイン氏を解雇。複数のセクハラを長年行っていた疑いが報道され、調査の結果「信頼できる証拠」が見つかったという。

さらに今年は「三大テノール」として盛名をはせた歌手のプラシド・ドミンゴ氏。女性歌手やダンサーら三十人以上の被害が報じられ、長年務めた米ロサンゼルス・オペラの総監督を辞任した。

音楽家が一人また一人と舞台を去るハイドンのユーモラスな交響曲「告別」さながらの光景だが、こちらは笑ってはいられない。クラシック音楽界で「公然の秘密」とされてきたスターの不祥事が、音楽という芸術への尊敬さえ損ないかねない事態となっている。

音楽家をはじめ芸術家は、社会に新しい美意識や価値観をもたらす存在だ。既存の規範やモラルによって過度に縛るようなことは避けたいが、美しい音楽を奏で、見事な舞台をつくり出す人々に寄せるファンの敬愛の念を自ら傷つけるような言動は慎んでほしい。

一時代を築いた人たちが、醜聞で消えていくことは惜しまれる。だが米映画界を端緒としたセクハラ告発の「#MeToo」運動の広がりに音楽界も呼応し、著名な大家でも許されないと決断した意義は大きい。また、被害者の訴えを音楽関係者が見過ごさず、事実の調査や契約の打ち切りにまで踏み込んだ対応にも学びたい。

この問題ではドミンゴ氏が予定していた東京五輪・パラ大会の公式文化プログラムの出演を辞退するなど、日本にも影響が広がる。国内でも、音大でのセクハラがたびたび問題になってきたし、視野を広げれば、被害を防ぐための国の対応も遅れている。

先に来日した国際労働機関(ILO)のライダー事務局長は、本紙の取材に対し、職場でのパワハラやセクハラを禁じる国際条約を日本が批准するよう求めた。だが政府の対応は鈍い。政府には海外の動向や潮流を踏まえ、条約を早く批准するよう求めたい。
posted by (-@∀@) at 12:40| Comment(0) | 東京新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする