2019年02月23日

[東京新聞] コンビニ24時間 「いい気分」を続けたい (2019年02月23日)

「あいててよかった」という経験を誰もがしているはずだ。コンビニの二十四時間営業をめぐり運営企業と一加盟店が対立している。人手不足の中、長時間営業の在り方を考えてみてもいいだろう。

対立しているのは大阪府東大阪市の加盟店とセブン−イレブン・ジャパンだ。

この店は人手が足りないため午前一時から同六時に閉店する短縮営業を実施。これに対し、運営企業側は契約条項を根拠に二十四時間営業の再開を求め、応じない場合契約の解除を通告した。

深刻な人手不足の背景には少子化もある。ただ、深夜勤務が過酷だと敬遠され、時給を高く設定しても店員を集めにくいケースもあるようだ。

東大阪の店舗は、人員補充が進まない中、過重労働に耐えきれず短縮営業せざるを得なかった実情を主張している。

運営側からみると、二十四時間営業はいわば常識で、物流網などもそれに合わせて構築している。営業時間を短縮すれば売り上げが減る恐れもある。コンビニは利便性が生命線で営業時間についてはにわかには譲れない面がある。

その一方で考えたいのは消費する側の姿勢や心理だ。多くの人が深夜最寄りの駅に降り立ち、コンビニで朝食の材料など買う。開いていればとりあえず寄るケースもあるだろう。

時間を選ばないコンビニへの立ち寄りは今や暮らしに溶け込んでいる。運営側もそれに応えようと長時間営業に努める。こんな負の連鎖が起きているのではないか。

仮に深夜にコンビニがなくても、救急医療などと違って死活問題ではない。消費行動がもし過酷労働の下地になっているなら、多少不便であっても消費者は二十四時間でないことを受け入れるべきだろう。

一般的にコンビニが足元の売り上げやライバルとの競合にこだわる気持ちはよく分かる。しかし現場へのしわ寄せが過重になる中、最前線で働く人たちへの配慮ももちろん持ってほしい。公共性への意識は企業の責務だ。

今回の場合、やはり運営側が強い立場にある。物流や会計処理など運営全体の見直しで、二十四時間にこだわらない工夫はできないものだろうか。

実際に少しずつ時間短縮に取り組み始めた他社もいるようだ。運営企業と店舗、双方が「いい気分」で営業を続けられる創意工夫を期待したい。
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[東京新聞] 天皇在位30年 戦争なき時代よ、続け (2019年02月23日)

天皇陛下の在位三十年を祝う記念式典が二十四日に行われる。「平成」とは人々に戦争のない時代と記憶されよう。陛下はそのことを何より安堵(あんど)した。平和の時代を私たちは引き継いでいきたい。

平成では最後となる昨年十二月の誕生日の記者会見で陛下は次のように述べられた。

<平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています>

思い起こせば明治、大正、昭和と日本が近代国家として歩みだしてから、戦争が繰り返された。

明治時代の日清・日露の戦争では、明治国家が定めた徴兵制によって、多くの国民が戦地に駆り出され犠牲になった。大正時代はデモクラシーの言葉で彩られる一方、第一次世界大戦があり、日本も中国の青島などを攻略。ロシアのシベリアへ出兵もしている。

昭和に入ってからは、満州事変から、日中戦争、さらに太平洋戦争へと深みにはまった。日本人だけでも約三百十万人もの死者を出した。アジア諸国などの犠牲者を数え上げれば、その無残なこと限りない。

当時は明治憲法の時代だったから、天皇は陸海軍を統率する大元帥の地位にある。戦争と天皇とは決して無縁ではなかった。そのことを考えれば、「平和の天皇」でいられたことが、何より陛下の喜びであったと推察される。だから、記者会見でもこう触れた。

<先の大戦で多くの人命が失われ、わが国の戦後の平和と繁栄が、このような多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず、戦後生まれの人々にもこのことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきました>

戦争の記憶を正しく伝える−。それは次世代への貴重なメッセージと受け止める。また、陛下は象徴としての公的行為を重んじた。憲法で定められた国事行為でもなく、私的行為でもない天皇としての振る舞いである。

例えば国内外の戦地に赴き、犠牲となった人々を悼む。あるいは地震や水害などに遭った被災地を訪れ、人々を慰める。それらの公的行為が、国民にとって天皇の存在がいかに身近に感じられるようになったことか。

その務めが高齢により困難になったため、退位という新たな道を開かれた。在位三十年という年月は、国民との距離をいっそう縮めることになったと考える。
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[産経新聞] 【主張】竹島の日 韓国の不法占拠を許すな (2019年02月23日)

日本固有の領土でありながら、韓国が65年以上にわたって不法占拠している竹島(島根県)の返還を求める式典が22日、松江市で開かれた。

島根県や県民会議などが主催する「竹島・北方領土返還要求運動県民大会」である。

溝口善兵衛知事は「韓国側は竹島の占拠を既成事実化しようとする動きを強めている。外交交渉で竹島問題が話し合われるよう、政府に強く要望する」と語った。

15日以降、韓国の海洋調査船が竹島周辺の日本の領海に、何回も侵入した。海底の泥を採取するなど資源調査を行った疑いがあり、政府は抗議した。15日は日韓外相会談があった日だ。日本に対する明らかな挑発である。

竹島には韓国軍に訓練された武装警察部隊がいる。昨年は2度にわたり、韓国軍が竹島周辺で演習を行った。国会議員ら要人や観光客を上陸させ、自国領だと宣伝している。

竹島は歴史的にも国際法的にも日本のものだ。遅くとも17世紀初頭から日本人が竹島を漁業で使ってきた。明治38年に閣議決定で同県に編入された。

だが、日本が連合国に占領されていた昭和27年1月、韓国の李承晩大統領が日本海に「李ライン」を一方的に引いて竹島をその中に含め、日本漁船を拿捕(だほ)した。28年7月以降、竹島を不法占拠した韓国側による日本の巡視船銃撃があった。北方領土の占拠はソ連のスターリンの国家犯罪だが、竹島占拠は李承晩によるそれである。

慰安婦問題や火器管制レーダー照射、天皇陛下への国会議長の暴言、旭日旗へのヘイト(憎悪)、「徴用工」訴訟、日本海の呼称変更など韓国の反日行動は多いが、竹島の不法占拠がその源だ。

文在寅政権になって無法さを増す韓国が相手なのである。

島根県は平成17年に「竹島の日」を条例で定め、返還運動を主導してきたが自治体だけに広がりには限界もある。領土は国家主権にかかわる。政府は県主催の大会へ内閣府政務官を派遣するくらいではとても足りない。

「北方領土の日」にならって、政府として「竹島の日」を制定し、政府主催の式典を開いて安倍晋三首相が出席すべきだ。

政府は領土を取り戻すため、もっと真剣に韓国との交渉に取り組むべき時にきている。
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[産経新聞] 【主張】はやぶさ2の快挙 初代の失敗と自信を糧に (2019年02月23日)

小惑星探査機「はやぶさ2」が、大きな山場を乗り切った。

初代のはやぶさが2度挑戦し、計画通りに遂行できなかった小惑星への着地・離脱を、完璧に成し遂げたのである。

小惑星探査における日本の技術の高さを世界に示した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の開発、管制チームに最大限の称賛の拍手を贈りたい。

地球から3億キロ以上離れた小惑星「リュウグウ」の重力は、地球の8万分の1しかない。重力が小さいほど、天体への着地は飛行物体同士の接触に近づく。人工衛星と宇宙ゴミ(デブリ)の衝突を安全な接触に変えるような高度な技術が要求される。

さらに、リュウグウ表面は予想より岩石が多く、許容される着地目標からの誤差は、想定の半径50メートルから半径3メートルに狭まった。管制チームは予定を延期して慎重に目標地点を選び、戦略も緻密に練り直した。

初代の失敗経験、困難を克服して帰還を果たした粘り強さと自信が引き継がれ、2代目の快挙に生かされた、といえるだろう。

地球とはやぶさ2の通信には往復約40分を要する。このため、着地の最終段階では、地球からの指令ではなく搭載した機器で状況を把握し、着地の判断もした。

自動航行は、火星をはじめ惑星や小惑星の探査では極めて重要な技術であり、難度の高い着地に成功した意義は大きい。

はやぶさ2は、7月末までにあと2回着地を試み、地中からの試料採取にも挑む。「できることは全部やろう」という精神も、初代から続く、はやぶさチームの良き伝統である。

帰還予定は来年末だ。初代は通信途絶で一時は宇宙の迷子になり、4基の主エンジンが全部故障する絶体絶命のピンチも乗り越えた。そんな「ドラマ」はない方がいいが、想定外の事態が起きても克服できるはずだ。太陽系と生命の起源に迫る試料を、持ち帰ってくれるだろう。

失敗経験を正しく引き継いでいくことが、新たな困難を乗り越える対応力を生むことを、はやぶさ2の快挙は示した。宇宙や科学に限らず、多くの企業や組織にも当てはまるだろう。

日本の将来を担う若い世代には「挑戦する勇気」の大切さを、くみ取ってもらいたい。
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[毎日新聞] はやぶさ2の着陸成功 宇宙探査の技術力示した (2019年02月23日)

探査機「はやぶさ2」が、小惑星リュウグウへの着陸に成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によれば、リュウグウの表面の試料を採取できたとみられる。

日本の宇宙科学探査の技術力を世界に示した。今後は、リュウグウに金属の塊をぶつけて人工クレーターを作り、小惑星内部を露出させて試料を採取する予定もある。更なる成果が上がることを期待したい。

リュウグウは直径約900メートルで、地球と火星の間で太陽を回る。試料を詳しく調べれば、地球の水や有機物は小惑星からもたらされたとの仮説を検証し、太陽系の成り立ちや生命の起源に迫ることができる。

リュウグウの表面は無数の岩で覆われていた。はやぶさ2は機体を傷つけないよう岩を避け、半径3メートルの平らな領域を狙ってピンポイントで着陸した。その瞬間に地面に弾丸を発射し、舞い上がった岩石のかけらを採取する計画だったが、弾丸の発射信号が無事確認された。

地球からの指示では迅速な対応ができないため、着陸最終段階は、搭載したカメラや高度計などを使い、完全な自動運転で実施された。

こうした航行技術は、今後の宇宙探査でも大いに役立つはずだ。

初代はやぶさは、姿勢制御装置やエンジンの故障などトラブルが相次いだ。弾丸発射にも失敗し、ごく微量の試料しか採れなかった。

それに比べはやぶさ2は、今回の着陸を含め、目立ったトラブルがない。宇宙探査には想定外の困難が伴うものだが、初代の経験を生かし、知恵を絞った結果が、順調な運用につながっているのだろう。

小惑星内部の試料採取は世界初の試みだ。表面に比べ風化が進んでおらず、太陽系誕生により近い状態の物質が残されていると見られる。ぜひとも成功させてほしい。

火星の衛星からサンプルを持ち帰るJAXAの計画に、米国や欧州も参加を予定するなど、宇宙科学探査では国際協調が進んでいる。

各国のコスト負担を減らしつつ、一国では難しいプロジェクトの実現を目指せるからだ。ただ、世界から実力を認められなければ、一緒にやろうとの声もかからない。はやぶさ2の成功をてこに、日本の存在感を高めてもらいたい。
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[毎日新聞] 辺野古沖に杭7.7万本 工期も工費も過大になる (2019年02月23日)

沖縄県民投票の対象となっている辺野古埋め立て工事の驚くべき実態が明らかになった。海底の軟弱地盤が予想以上に深刻で、地盤改良に膨大な時間と費用を要するという。

軟弱地盤の存在は2015年のボーリング調査で判明しながら、政府は調査中を理由に詳細を公表してこなかった。玉城デニー知事が埋め立て承認を取り消したのに対抗する行政手続きの中で、ようやく地盤改良工事の検討データを県側に示した。

米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋め立て面積は約160ヘクタールで、航空機の離着陸に耐えられる強固な地盤が必要になる。政府は辺野古南側の浅瀬部分から埋め立ての土砂投入を進めている。問題になっているのは水深が増す東側だ。

県が明らかにした政府のデータによると、地盤改良を要する面積は65・4ヘクタールで、東側の埋め立て予定面積112ヘクタールの約6割を占める。

そこに鋼管を使い7万6699本の砂の杭(くい)を打ち込む。必要な砂の量650・9万立方メートルは東京ドーム5・25杯分に当たる。沖縄県内の砂利採取量の数年分になる量を調達するめどが立っているとは思えない。

そもそも技術的に可能なのだろうか。県が政府に提出した意見書によると、従来の工法では水深70メートルが限界であり、最深部が90メートルにもなる軟弱地盤での施工例はないとされる。

政府は「一般的で施工実績が豊富な工法で対応が可能」と言うが、難工事になるのは間違いない。

仮に技術的に可能だとしても工期が大幅に延びるのは避けられない。

現行計画では滑走路や桟橋などの施設整備も含め完成は22年度以降とされている。もともと埋め立てだけで5年はかかる計画なので、これ自体がすでに破綻している。

そこに大規模な地盤改良工事が加わる。環境アセスメントからやり直さなければならない。地盤改良に5年と見積もった県の試算では完成までに13年かかる。

そうなれば、普天間飛行場の早期返還のためと言ってきた政府の主張の根拠が崩れかねない。

2400億円とされてきた工費も2兆円以上に膨らむと県はみる。その全額を日本が負担する。

技術的にも費用の面でも辺野古移設は非現実的になっている。
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[朝日新聞] 辺野古移設 計画の破綻は明らかだ (2019年02月23日)

安倍政権がごり押しする「唯一の解決策」の破綻(はたん)は、もはや明らかだ。

沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設計画である。「マヨネーズ並み」といわれる軟弱地盤の対策について、防衛省が検討中の改良工事の詳細が、県の文書で判明した。

まだ埋め立てが始まっていない大浦湾側の6割にあたる65・4ヘクタールに、砂の杭7万6699本を打ち込む。使う砂の量は東京ドームの約5・25個分。県によれば、県内の砂利採取量の数年分に匹敵するという。

最も深い所は、水深30メートルの海底の下に、60メートルの軟弱地盤の層があり、計90メートルに達する。菅官房長官は「一般的で施工実績が豊富な工法で対応は可能」というが、岩屋防衛相は国会で日本企業の施工実績を水面下70メートルまでと紹介した。前例のない難工事になるのではないか。

貴重なサンゴ類など環境への影響を考えれば、再度の環境影響評価も必要だろう。将来の滑走路の地盤沈下の可能性や、地震、高潮対策も考えなければならない。

驚くのは、政府が改良工事にかかる工期や費用の見通しを一切、示していないことだ。安倍首相は1月末の国会で「現時点で確たることを申し上げるのは困難」と述べた。無責任きわまりない。工期や費用の見通しのない公共工事を進めることなど許されるはずがない。

地盤改良工事には設計計画の変更が必要だが、玉城デニー知事は申請を認めない意向だ。繰り返し示された「辺野古ノー」の民意に反し、移設を進めることは政治的にも無理だろう。

軟弱地盤対策で工事が長期化すれば、その間、普天間は動かず、基地の固定化につながる。普天間の一刻も早い危険性除去にも反しており、政府が掲げる大義名分は通らない。

14年2月に首相が県に約束した「普天間の5年以内の運用停止」は今月、期限を迎えた。当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が埋め立て承認にあたって政府に求めたものだが、空手形に終わった。

この間、政府は軟弱地盤の存在を知りながら公にせず、浅瀬での土砂投入を先行して、既成事実を積み重ねてきた。あす行われる沖縄の県民投票の結果さえ無視する構えだ。

だが、現行計画の行き詰まりが明らかになった今、政府に求められるのは、工事を停止し、米国政府と代替案を探る協議を始めることだ。強引な手法が反発を招き、さらに問題をこじらせる。そんな悪循環から抜け出すべき時である。
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[読売新聞] はやぶさ2 太陽系の起源に迫る挑戦だ (2019年02月23日)

太陽系誕生の糸口は、果たして掴(つか)めるのか。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が、「リュウグウ」の目標地点に着地した。着地時に弾丸を発射し、舞い上がった岩石などの採取にも成功したとみられる。

上々の成果である。今回の挑戦の山場を一つ越えた。

リュウグウは、地球と火星の間を公転する直径約900メートルの小天体だ。現在は地球から約3・4億キロ・メートルも離れている。

地球などの惑星は、小惑星が多数集まって形成され、生物の材料となる炭素や水も、小惑星がもたらしたと考えられている。

小惑星は、太陽系の原初の姿を留(とど)めている。リュウグウの岩石にも、炭素が多く含まれているという。その試料を分析すれば、太陽系の成り立ちや、炭素が宇宙空間から運ばれた経緯を解明する手がかりが得られる可能性がある。

はやぶさ2の探査は、人類にとって大きな意義を持つ。

2014年12月に打ち上げられ、昨年6月、リュウグウに到着した。着地は10月の予定だったが、表面には予想以上に岩が多く、安全な場所と方法を探してきた。

最終的に、着地点を直径6メートルの円内にまで絞り込み、はやぶさ2は、そこに見事に着地した。日本の技術力を証明したと言える。

初代のはやぶさは、小惑星での世界初の試料採取に挑んだ。「イトカワ」を目指して03年5月に打ち上げられ、10年6月に地球に帰還した。通信の途絶やエンジンの故障、試料採取装置の動作不良など、トラブル続きだった。

満身創痍(そうい)の帰還は、映画などで感動を呼んだが、多くの教訓を残したのも事実である。

はやぶさ2では、その失敗を洗い出し、部品や機器に改良を施すために、国内メーカーの経験者が知恵を絞った。新たに加わった企業や大学が製作した機器なども組み込まれている。官民のチーム力が、今回の成功を引き寄せた。

はやぶさ2は今年末までリュウグウ周辺に留まり、最大3回の採取を試みる。地球には、20年末に帰還する予定だ。研究に資する試料を持ち帰ってもらいたい。

2機のはやぶさが、宇宙への関心を高めていることは間違いない。今後も成功を重ねてこそ、国民の支持を得られる。

小型衛星を用いた観測事業など、宇宙関連の新興企業が増えている。国際競争も激しい。はやぶさの探査を科学とビジネス両面の振興につなげることが大切だ。
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[朝日新聞] はやぶさ2 宇宙を思い足元固める (2019年02月23日)

最初の関門突破だ。探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへの着陸に成功した。試料採取のための弾丸を発射したことを示すデータも届いた。

地球に戻る予定の20年末までに、あと2回の着陸と人工クレーターの生成という前例のない試みが控える。43歳の若さでチームを率いる津田雄一プロジェクトマネージャが記者会見で語った「問題点が見つかるたびにつぶしてきた」との言葉から、準備に裏打ちされた自信と気概が伝わってくる。

停滞気味の日本の科学界にあって、光明を見る思いだ。

数々のトラブルに直面しながらも、工夫を凝らして地球に戻ってきた初代はやぶさは、多くの関心を呼び起こした。持ち帰った試料はわずかだったが、貴重な分析結果も得られた。

その成果は人類共有の財産となり、日本の科学技術力を世界に示す役割も果たした。

小惑星から試料を回収する技術とノウハウを持つのは、いまのところ日本だけだ。世界をリードできる分野であり、宇宙を舞台とする国際的なプロジェクトに参加する際に、他国と交渉するカードにもなる。

ただし、足元は心もとない。

政府の宇宙関連予算はほぼ横ばいだが、安全保障や産業利用のための計画に重点的に割り振られ、科学分野は低迷している。15年度は200億円あった予算は、今年度110億円にまで落ち込んだ。

今後、米トランプ政権が掲げる有人月探査計画に、日本がどのように参加するのかの議論も本格化する。場合によっては巨額の費用負担が生じかねず、結果として科学探査にしわ寄せが及ぶ可能性もある。それは賢明な選択とは言えまい。

実は、はやぶさ2にも当初はなかなか予算がつかなかった。「初代」が奇跡的な帰還を果たさなければそのまま塩漬けとなり、今回の快挙も実現しなかったかもしれない。このような綱渡り状態が続けば、技術の成熟と継承はおぼつかない。

政府は、月や火星の衛星、小天体への探査計画を持つ。構想を打ち上げるだけでなく、予算や人員の養成などで確実に下支えしていく必要がある。

そのためには国民の理解と支持が不可欠だ。はやぶさ2が持ち帰るであろう試料の分析を通じて、太陽系の成り立ちや生命の起源の解明が期待される。

関係者は、この事業の目的や価値、そして宇宙をめざす根源的な意義を、社会にわかりやすく伝えることに、引き続き取り組んでもらいたい。
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[読売新聞] 竹島の日 領土教育の充実が欠かせない (2019年02月23日)

領土と主権に関する正しい認識を、多くの国民が持つことが大切だ。政府は、教育と啓発の充実に努めねばならない。

島根県などが「竹島の日」記念式典を松江市で開いた。22日は、1905年に竹島を島根県に正式編入した日にあたる。安藤裕内閣府政務官は式典で「竹島問題の解決は主権に関わる重要な課題だ」と強調した。

政務官の派遣は7年連続となる。領土問題への取り組みは本来、政府の責務である。自治体を積極的に後押しするのは当然だ。

式典に関し、韓国外交省が「日本側が不当な主張を続けていることに抗議する」との声明を出したのは、受け入れられない。

日本はアシカ猟などで竹島を利用し、17世紀半ばには領有権を確立した。第2次大戦後のサンフランシスコ講和条約でも、放棄すべき地域に含まれなかった。歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることは明らかだ。

韓国は1952年に一方的に李承晩ラインを設定し、竹島を取り込んだ。日本漁船を拿捕(だほ)し、日本側に死傷者が出た。力による不法占拠は到底、容認できない。

韓国側は、竹島領有の根拠として、古地図や文献などを挙げているが、矛盾点が多い。

政府は過去3回、国際司法裁判所(ICJ)への付託を提案したが、韓国は拒んでいる。国際法に基づく解決を粘り強く働きかけていく必要がある。

警戒すべきなのは、韓国が不法占拠の既成事実化を推し進めていることだ。竹島周辺での軍事訓練を定例化し、今月には海洋調査船を航行させた。こうした不当な行動を見過ごさず、政府は一つ一つ抗議することが不可欠だ。

日韓関係の悪化を懸念して、領土問題での対応を疎(おろそ)かにすることがあってはならない。

領土教育も重要だ。文部科学省は小中高校の学習指導要領を改定し、北方領土に加え、竹島や尖閣諸島が日本固有の領土であることを指導するよう明記している。

正確な史実に基づく知識を子供たちが習得できるよう、環境を整備するべきだ。

政府は昨年1月、東京都内に「領土・主権展示館」を開設した。竹島と尖閣諸島に関する資料をそろえ、理解を深めるのが狙いだ。入居先の事情で、政府は移転を検討している。これを機に、展示内容の拡充に努めたい。

国際会議などを生かして、日本の立場を積極的に発信していくことが求められる。
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2019年02月22日

[産経新聞] 【主張】日米電話会談 拉致の解決に結びつけよ (2019年02月22日)

安倍晋三首相は20日、トランプ米大統領と電話会談を行い、改めて日本人拉致問題解決への協力を要請した。

27、28日にハノイで金正恩朝鮮労働党委員長と再会談を行うトランプ氏は、「拉致問題を重視する」と述べ、金正恩氏へ日本側の意向を伝達することを約束した。

約30分間行われた電話会談で安倍首相は「特に拉致問題は、トランプ氏と、より時間をかけてしっかりと話をした」と述べ、「私がいかに拉致問題を重視しているか『自分もよく理解できた。だから自分も拉致問題を重視する』と明確に述べてもらった」と会談の様子を明かした。

安倍首相は19日に拉致被害者家族と面会しており、「いかにご家族が再会、帰国を希望しているかという気持ちを含め、トランプ氏に話した」のだという。

トランプ氏は2017年の国連総会で、横田めぐみさんを念頭に「日本人の13歳の少女が拉致されスパイの養成に利用された」と演説し、昨年の米朝首脳会談でも拉致問題に言及した。

再会談では拉致の早期解決を強く迫り、日朝首脳会談の実現につなげてほしい。

金正恩氏に直接伝達してもらいたいのは、かねて安倍首相が述べてきた「拉致問題の解決なしに北朝鮮は未来を描けない」ということに尽きる。具体的には、拉致被害者全員の帰国なしに日本は動かない、ということだ。

昨年の米朝会談後、トランプ氏は北朝鮮の非核化費用について、「日韓に支援する用意がある」と述べた。だがこれも、前提は拉致問題の解決である。

懸念されるのは、トランプ氏が北朝鮮の非核化について「急がない」と述べていることだ。米側は北朝鮮に全ての核・ミサイル戦力や核施設リストの申告を求めてきたが、これに至らぬまま制裁を緩めるようなことがあれば、北朝鮮の思惑通りではないか。

ただでさえ中国、ロシアに加えて韓国までが制裁の緩和、骨抜きを求めている。国際社会の制裁の環(わ)にほころびが生じれば、真の非核化が進まない上に、拉致の解決も遠のいてしまう。

しかも拉致問題の解決は、急がなくてはならない。被害者も、帰国を待ち続ける家族も高齢化し、疲弊も進んでいる。この機を逃すわけにはいかない。
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[産経新聞] 【主張】iPS治療の拡大 安全優先で着実な発展を (2019年02月22日)

さまざまな臓器や組織の細胞に分化できる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療の実用化に向けて、臨床試験の実施、承認の動きが広がっている。

脊髄損傷の患者にiPS細胞から作った神経のもとになる細胞を移植し、機能回復を目指す、慶応大チームの臨床研究計画が了承された。

多くの難病患者が実現を待ち望む、iPS治療の裾野が広がることを大いに歓迎する。

同時に、患者の安全を最優先として、実用化への過程を堅実に進めることを求めたい。

iPS細胞を使う再生医療の臨床研究では、理化学研究所などが重い目の病気で、京都大がパーキンソン病で、患者への移植を実施している。大阪大の心不全治療や京都大の再生不良性貧血の輸血も承認され、新たに承認された慶応大の計画は、iPS細胞を使った脊髄損傷の臨床研究では世界初となる見通しである。

日本の医療、創薬は臨床、実用化の段階で欧米の後塵(こうじん)を拝することが多かった。iPS細胞では、山中伸弥京都大教授による開発から臨床研究まで、世界の先頭を走り続けており、大きな意義がある。高く評価したい。

だからこそ、先頭走者は隠れた落とし穴に陥るリスクが大きいことも忘れてはならない。

「難病患者を救いたい」という純粋な動機以外の、例えば国の成長戦略や協力企業の思惑がからんで、実用化を急ぎ過ぎるようなことがあってはならない。

iPS細胞は多くの臓器や組織の再生に使える。治療の手法は異なっても、がん(腫瘍)化の防止など共通する課題は多い。

研究チームや協力企業の壁を越えて可能な限りの情報を共有することで、隠れた落とし穴のリスクを小さくできるのではないか。患者にとっても安全性が高まる。

研究チームや企業間の公正な競争は、もちろん尊重しなければならない。

これとは別の視点で、研究機関と企業の連携、ネットワークで日本の再生医療の総合力を高めていく、という構想があっていい。その場合は、京都大iPS細胞研究所が中核となるだろう。

iPS細胞は日本の宝であり、世界の宝でもある。焦って壊してはならない。大切に、そして健全に発展させたい。
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